(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】油圧制御弁、油圧制御システム及び変速機
(51)【国際特許分類】
F16H 61/00 20060101AFI20240213BHJP
F16H 61/12 20100101ALI20240213BHJP
【FI】
F16H61/00
F16H61/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552042
(86)(22)【出願日】2021-05-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2021093988
(87)【国際公開番号】W WO2022241586
(87)【国際公開日】2022-11-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522335125
【氏名又は名称】无錫星駆科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チウ、ジーリン
(72)【発明者】
【氏名】ザオ、ウェンチヤン
(72)【発明者】
【氏名】フー、リンリン
(72)【発明者】
【氏名】タン、ヤンジュン
(72)【発明者】
【氏名】リン、シャオジャー
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ルイピン
(72)【発明者】
【氏名】スコルテン、インゴ
【テーマコード(参考)】
3J552
【Fターム(参考)】
3J552MA02
3J552MA05
3J552NA01
3J552NB01
3J552NB05
3J552PA06
3J552PB08
3J552QA13B
3J552QA42B
3J552QB01
3J552VA52W
3J552VA79W
(57)【要約】
油圧制御弁(1)、油圧制御システム及び変速機に関し、その中、油圧制御弁(1)は、弁本体(11)と、スライド弁体(12)と、圧締機構とを含む。前記弁本体(11)には、弁孔(111)と、弁孔(111)にそれぞれ連通する第1給油口(112)、第2給油口(113)及び油逃がし口(114)とが設けられており、スライド弁体(12)と圧締機構とは、いずれも弁孔(111)内に収容され、スライド弁体(12)の小端は、弁孔(111)の一端に近接し、スライド弁体(12)の大端は、圧締機構に当接し、圧締機構は、弁孔(111)の他端に設けられ、スライド弁体(12)は、第1給油口(112)と第2給油口(113)から受ける給油圧力の和が圧締機構から受ける圧締力よりも大きい場合、第1給油口(112)が弁孔(111)を介して油逃がし口(114)に連通して逃圧するように圧締機構へ移動することで、変速機の両油シリンダの同時装荷によるデッドロックの安全事故を防止することができる。該変速機は、従来の変速機のセルフロック防止技術においてコストが高く、占有スペースが大きいという課題を解決した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧制御弁であって、
弁本体(11)と、スライド弁体(12)と、圧締機構と、を含み、
前記弁本体(11)には、弁孔(111)と、前記弁孔(111)にそれぞれ連通する第1給油口(112)、第2給油口(113)及び油逃がし口(114)とが設けられており、前記スライド弁体(12)と前記圧締機構とは、いずれも前記弁孔(111)内に収容され、前記スライド弁体(12)の小端は、前記弁孔(111)の一端に近接し、前記スライド弁体(12)の大端は、前記圧締機構に当接し、前記圧締機構は、前記弁孔(111)の他端に設けられ、前記油圧制御弁は、第1作動状態と前記第2作動状態とを有し、
前記第1作動状態において、前記スライド弁体の受ける前記第1給油口(112)と前記第2給油口(113)からの給油圧力の和は、前記圧締機構からの圧締力以下であり、前記第1給油口(112)と、前記第2給油口(113)と、前記油逃がし口(114)との三者は互いに連通せず、
前記第2作動状態において、前記スライド弁体の受ける前記第1給油口(112)と前記第2給油口(113)からの給油圧力の和は、前記圧締機構からの圧締力よりも大きく、前記スライド弁体は、前記第1給油口(112)が前記弁孔(111)を介して前記油逃がし口(114)に連通するように前記圧締機構へ移動する、ことを特徴とする油圧制御弁。
【請求項2】
前記弁本体(11)は、前記第1給油口(112)と前記油逃がし口(114)との間の前記弁孔(111)に設けられた弁口(115)をさらに含み、
前記スライド弁体(12)は、前記スライド弁体(12)によって前記弁口(115)を閉鎖または開放して前記第1給油口(112)と前記油逃がし口(113)との連通状態を変化させるためのシール部(121)をさらに備え、前記シール部(121)の形状は、前記弁口(115)の形状に適合している、ことを特徴とする請求項1に記載の油圧制御弁。
【請求項3】
前記シール部(121)の形状は、テーパ台であり、前記テーパ台の小端は前記スライド弁体(12)の小端に近接し、前記テーパ台の大端は前記スライド弁体(12)の大端に近接している、ことを特徴とする請求項2に記載の油圧制御弁。
【請求項4】
前記弁体(11)には、前記弁孔(111)に連通する第3給油口(116)がさらに設けられており、
前記弁口(115)が閉塞状態にあるとき、前記第3給油口(116)は前記第1給油口(112)に連通し、前記第1給油口(112)と前記油逃がし口(114)とは互いに連通せず、
前記弁口(115)が開放状態にあるとき、前記第1給油口(112)は前記油逃がし口(114)に連通し、前記第3給油口(116)は前記スライド弁体(12)によって塞がれている、ことを特徴とする請求項2に記載の油圧制御弁。
【請求項5】
前記スライド弁体(12)は、第1圧力感応端(122)と第2圧力感応端(123)とをさらに含み、
前記第1圧力感応端(122)は、前記第1給油口(112)からの給油圧力を感応するためのものであり、前記第1圧力感応端(122)は、具体的には、前記スライド弁体(12)の小端と前記スライド弁体(12)の大端との間の環状面であり、
前記第2圧力感応端(123)は、前記第2給油口(113)からの給油圧力を感応するためのものであり、前記第2圧力感応端(123)は、具体的には、前記スライド弁体(12)の小端の端面である、ことを特徴とする請求項1に記載の油圧制御弁。
【請求項6】
前記スライド弁体(12)には、前記第1給油口(112)からの給油圧力を前記第1圧力感応端(122)にガイドし且つ前記弁孔(111)に連通するためのダンパー孔(124)が設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載の油圧制御弁。
【請求項7】
前記圧締機構は、スプリング(131)とスプリングシート(132)とを含み、前記スプリング(131)の一端は、前記スライド弁体(12)の大端に当接し、前記スプリング(131)の他端は、前記スプリングシート(132)に接続され、前記スプリングシート(132)は、前記弁孔(111)の他端に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の油圧制御弁。
【請求項8】
前記圧締機構は、スプリングスリーブ(133)をさらに含み、前記スプリングスリーブ(133)は前記スライド弁体(12)と同軸に設けられ、前記スプリングスリーブ(133)を前記スライド弁体(12)にスリーブし、前記スプリング(131)の一端は前記スプリングスリーブ(133)に接続され、前記スプリングスリーブ(133)は前記スプリングを少なくとも部分的に包み込む、ことを特徴とする請求項7に記載の油圧制御弁。
【請求項9】
油圧制御システムであって、
第1油シリンダ(2)と、第2油シリンダ(3)と、第1比例弁(4)と、第2比例弁(5)と、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の油圧制御弁と、を含み、
前記第1比例弁の出口(41)は、前記第1油シリンダ(2)、前記第1給油口(112)にそれぞれ連通し、前記第2比例弁(5)の出口は、前記第2油シリンダ(3)、前記第2給油口(113)にそれぞれ連通している、ことを特徴とする油圧制御システム。
【請求項10】
前記油圧制御弁は、前記第1比例弁の出口(41)に連通する第3給油口(116)をさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の油圧制御システム。
【請求項11】
変速機であって、
請求項9又は10に記載の油圧制御システムを有する、ことを特徴とする変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の技術分野に関し、特に、油圧制御弁、油圧制御システム及び変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の自動変速機は摩擦板ブレーキまたはクラッチを用いてシフト機能を実現していた。これらのブレーキまたはクラッチは、一般的に油圧ポンプ、油シリンダ、圧力比例電磁弁によって接合および離脱のトルク制御を実現する。これらの部品はすべて信頼性が高いが、劣悪な使用環境ではいつも故障する部品がある。一部の故障は車両の安全事故を引き起こす恐れがあるので、必ず防止しなければならない。例えば、デュアルクラッチ変速機の場合、両クラッチを同時に接合すると、変速機がセルフロックされ、車両の方向が操縦不能になったり、覆車したりする。
【0003】
これらの安全事故を防止するため、クラッチ制御油路に圧力センサと直列電磁弁を装着するのが一般的であり、両油路が同時に高い圧力を持つことを検出すると、変速機コントローラは電磁弁を介して一つまたは二つの油路圧力を逃がし、両クラッチが同時に接合しないようにする。この圧力センサと直列電磁弁の装着は変速機のセルフロックによる安全事故を防止するが、これらの圧力センサと直列電磁弁はコストが高く、占有スペースが大きいため、変速機全体のコストが高くなる。現在、ほとんどの国産変速機はまだこのようなセルフロック防止技術を使用せず、変速機の安全レベルを制限している。
【0004】
したがって、これらの圧力センサ及び直列電磁弁に代わる従来技術の改良が必要となり、変速機コストを低減することができる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来技術における技術的課題の少なくとも一つを解決することを目的とする。このため、本発明の第1態様は、弁本体と、スライド弁体と、圧締機構と、を含む油圧制御弁を提案する。
前記弁本体には、弁孔と、前記弁孔にそれぞれ連通する第1給油口、第2給油口及び油逃がし口とが設けられており、前記スライド弁体と前記圧締機構とは、いずれも前記弁孔内に収容され、前記スライド弁体の小端は、前記弁孔の一端に近接し、前記スライド弁体の大端は、前記圧締機構に当接し、前記圧締機構は、前記弁孔の他端に設けられ、
前記スライド弁体は、前記第1給油口と前記第2給油口から受ける給油圧力の和が、前記圧締機構から受ける圧締力よりも大きいときに、前記第1給油口が前記弁孔を介して前記油逃がし口に連通するように前記圧締機構に移動であり、前記油圧制御弁は、第1作動状態と前記第2作動状態とを有し、
前記第1作動状態において、前記スライド弁体の受ける前記第1給油口と前記第2給油口からの給油圧力の和は、前記圧締機構からの圧締力以下であり、前記第1給油口と、前記第2給油口と、前記油逃がし口との三者は互いに連通せず、
前記第2作動状態において、前記スライド弁体の受ける前記第1給油口と前記第2給油口からの給油圧力の和は、前記圧締機構からの圧締力よりも大きく、前記スライド弁体は、前記第1給油口が前記弁孔を介して前記油逃がし口に連通するように前記圧締機構へ移動する。
【0006】
さらに、前記弁本体は、前記第1給油口と前記油逃がし口との間の前記弁孔に設けられた弁口をさらに含み、
前記スライド弁体は、前記スライド弁体によって前記弁口を閉鎖または開放して前記第1給油口と前記油逃がし口との連通状態を変化させるためのシール部をさらに備え、前記シール部の形状は、前記弁口の形状に適合している。
【0007】
さらに、前記シール部の形状は、テーパ台であり、前記テーパ台の小端は前記スライド弁体の小端に近接し、前記テーパ台の大端は前記スライド弁体の大端に近接している。
【0008】
さらに、前記弁体には、前記弁孔に連通する第3給油口がさらに設けられており、
前記弁口が閉塞状態にあるとき、前記第3給油口は前記第1給油口に連通し、前記第1給油口と前記油逃がし口とは互いに連通せず、
前記弁口が開放状態にあるとき、前記第1給油口は前記油逃がし口に連通し、前記第3給油口は前記スライド弁体によって塞がれている。
【0009】
さらに、前記スライド弁体は、第1圧力感応端と第2圧力感応端とをさらに含み、
前記第1圧力感応端は、前記第1給油口からの給油圧力を感応するためのものであり、前記第1圧力感応端は、具体的には、前記スライド弁体の小端と前記スライド弁体の大端との間の環状面であり、
前記第2圧力感応端は、前記第2給油口からの給油圧力を感応するためのものであり、前記第2圧力感応端は、具体的には、前記スライド弁体の小端の端面である。
【0010】
さらに、前記スライド弁体には、前記第1給油口からの給油圧力を前記第1圧力感応端にガイドし且つ前記弁孔に連通するためのダンパー孔が設けられている。
【0011】
さらに、前記圧締機構は、スプリングとスプリングシートとを含み、前記スプリングの一端は、前記スライド弁体の大端に当接し、前記スプリングの他端は、前記スプリングシートに接続され、前記スプリングシートは、前記弁孔の他端に設けられている。
【0012】
さらに、前記圧締機構は、スプリングスリーブをさらに含み、前記スプリングスリーブは前記スライド弁体と同軸に設けられ、前記スプリングスリーブを前記スライド弁体にスリーブし、前記スプリングの一端は前記スプリングスリーブに接続され、前記スプリングスリーブは前記スプリングを少なくとも部分的に包み込むことができる。
【0013】
本発明の第2態様は、第1油シリンダと、第2油シリンダと、第1比例弁と、第2比例弁と、本発明の第1態様に記載の油圧制御弁と、を含む油圧制御システムを提案し、
前記第1比例弁の出口は、前記第1油シリンダ、前記第1給油口にそれぞれ連通し、前記第2比例弁の出口は、前記第2油シリンダ、前記第2給油口にそれぞれ連通している。
【0014】
さらに、前記油圧制御弁は、前記第1比例弁の出口に連通する第3給油口をさらに含む。
【0015】
本発明の第3の態様は、本発明の第2態様に記載の油圧制御システムを有する変速機を提案する。
【0016】
本発明を実施することにより、以下のような有益な効果を得る。
【0017】
本発明の実施例に係る油圧制御弁、油圧制御システム及び変速機は、両給油油路の油圧圧力を同時に感応することができ、この両給油油路からの油圧圧力の和が設定値より大きくなると、油圧制御弁はその中の一つの給油油路と油逃がし口とを自動的に連通させてその中の一つの圧力を逃がすことにより、変速機のセルフロックを防止する。この油圧制御弁は、設計が確実で、応答が速く、構造が簡単で、スペースが小さく、しかも圧力センサや直列電磁弁の装着が不要で、製造が容易で、コストが低く、従来の変速機のセルフロック防止技術においてコストが高く、占有スペースが大きいという課題を解決した。
【0018】
本発明の追加的な態様および利点は、以下の説明において部分的に説明され、部分は以下の説明から明らかになるか、または本発明の実践によって理解される。
【0019】
本発明の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下に、実施例または従来技術の説明において使用必要な図面を簡単に説明するが、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働を行うことなく、これらの図面に基づいて他の実施例を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1(a)】本発明の一実施例に係る並列型セルフロック防止油圧制御弁の第1作動状態での構造図である。
【
図1(b)】本発明の一実施例に係る並列型セルフロック防止油圧制御弁の第2作動状態での構造図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る変速機のノマルシフト時のクラッチの結合及び離脱の油シリンダの圧力変化曲線である。
【
図3】本発明の実施例に係るシフト故障時の両クラッチの油シリンダの圧力変化曲線である。
【
図4(a)】本発明の他の実施例に係る直列型セルフロック防止油圧制御弁の原理図である。
【
図4(b)】
図4(a)における油圧制御弁の正常作動時の構造図である。
【
図4(c)】
図4(a)における油圧制御弁の制御系故障時の構造図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るセルフロック防止油圧制御システムの原理図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る2速変速機の模式図である。
【
図7】本発明の他の実施例に係るデュアルクラッチ式の多速変速機の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下に、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。説明した実施例は、本発明の一部の実施例であって、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を行うことなく得られるその他の実施例は、いずれも本発明の保護の範囲に属する。上記実施例の例は、図面に示されており、最初から最後まで同一または類似の符号は、同一または類似の要素または同一または類似の機能を有する要素を表す。
【0022】
実施例
本発明の実施例は、ブレーキまたはクラッチに連通する両油圧制御回路の油圧圧力を同時に感知できるセルフロック防止油圧制御弁を提供する。この両油路の油圧圧力が該油圧制御弁に作用する合力が設定値より小さい場合、この両油路の圧油は、ブレーキまたはクラッチが正常に結合、作動するようにスムーズに通過できる。この両油路の油圧圧力が該油圧制御弁に作用する合力が設定値より大きくなると、該油圧制御弁は、その中の一つのブレーキ又はクラッチの圧油を油逃がし口114を介してバイパスし、該ブレーキの圧力のさらなる上昇を阻止し、両ブレーキの制御故障に起因する同時結合によるデッドロックを防止する。
【0023】
図1(a)は、本発明の一実施例に係る並列型セルフロック防止油圧制御弁の第1作動状態での構造図であり、変速機の正常作動時にスライド弁体12の位置を示す。
図1(b)は、本発明の一実施例に係る並列型セルフロック防止油圧制御弁の第2作動状態での構造図であり、このセルフロック防止油圧制御弁のスライド弁体12の制御系故障時の位置を示す。
図1(a)及び
図1(b)を参照すると、本発明の実施例は、弁本体11と、スライド弁体12と、圧締機構とを含む油圧制御弁1を提案する。
【0024】
弁本体11には、弁孔111と、弁孔111にそれぞれ連通する第1給油口112と、第2給油口113と、油逃がし口114とが設けられ、第1給油口112はブレーキB1の給油油路に接続され、第2給油口113は他のブレーキB2の給油油路に接続され、油逃がし口114は油ためタンクに直通可能である。
【0025】
油圧制御弁は、第1作動状態と第2作動状態とを有し、第1作動状態では、スライド弁体の受ける第1給油口と第2給油口から給油圧力の和が圧締機構からの圧締力以下であり、第1給油口、第2給油口と油逃がし口の3つが互いに連通せず、第2作動状態では、スライド弁体の受ける第1給油口と第2給油口からの給油圧力の和が圧締機構からの圧締力より大きく、スライド弁体が圧締機構に移動して第1給油口を弁孔を介して油逃がし口に連通させる。
【0026】
なお、弁本体11は、上述した第1給油口112、第2給油口113及び油逃がし口114を除いて、他の給油口及び/又は油逃がし口114を備えていてもよい。
【0027】
なお、第1作動状態とは、上述した第1給油口112に連通する給油装置、第2給油口113に連通する給油装置のいずれもが、対応する給油口に給油する過程で、正常作動(故障が発生していない)している状態をいい、給油装置はブレーキ及び/又はクラッチであってもよい。例えば、
図1(a)及び
図1(b)に示す第1給油口112に連通するブレーキB
1、第2給油口113に連通するブレーキB
2のいずれもが、それぞれ対応する給油口に正常に給油(故障が発生していない)する状態にあるとき、この油圧制御弁は正常作動状態となる。
【0028】
第2作動状態とは、上述した第1給油口112に連通する給油装置と、第2給油口113に連通する給油装置とが、対応する給油口に給油する過程で、ブレーキB
1またはブレーキB
2に連通する一方の給油油路が故障圧力により高すぎ、スライド弁体12に作用する油圧力の和が圧締力よりも大きい状態をいい、この状態では、スライド弁体12が油圧力により第1給油口112と油逃がし口114とを導通して第1給油口112の給油圧力を逃がし、変速機のロックアップを防止する。例えば、
図1(a)及び
図1(b)に示す第1給油口112に連通するブレーキB
1が故障して正常に逃圧できず、第2給油口113に連通するブレーキB
2が対応する給油口に正常に給油されると、この油圧制御弁は第2作動状態となる。
【0029】
スライド弁体12と圧締機構は、いずれも弁孔111内に収容され、スライド弁体12の小端は弁孔111の一端に近接し、スライド弁体12の大端は圧締機構に当接し、圧締機構は弁孔111の他端に設けられている。
【0030】
スライド弁体12は、第1給油口112と第2給油口113から受ける給油圧力の和が圧締機構から受ける圧締力よりも大きいときに、第1給油口112が弁孔111を介して油逃がし口114に連通するように、圧締機構に移動可能である。その中、圧締力は、正常動作時に第1給油口112と第2給油口113が同時にスライド弁体12に作用する最大油圧の和である。
【0031】
ブレーキB1またはブレーキB2のいずれか一方の給油油路は、故障圧力が高すぎ、スライド弁体12に作用する油圧力の和が圧締力より大きく、スライド弁体12は油圧力により第1給油口112と油逃がし口114とを導通して第1給油口112の給油圧力を逃がし、変速機のロックアップを防止する。
【0032】
具体的には、弁孔111は段付き弁孔111であり、第1給油口112と油逃がし口114との間の弁孔111には弁口115が設けられている。
【0033】
段付きスライド弁体12であるスライド弁体12は、第1給油口112と油逃がし口114との連通状態を変更するために、弁口115をスライド弁体12により閉鎖または開放するシール部121をさらに備え、シール部121の形状は、弁口115の形状に適合している。例えば、シール部121の形状は、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、テーパ台の小端がスライド弁体12の小端に近接し、テーパ台の大端がスライド弁体12の大端に近接するテーパ台形状とすることができる。
【0034】
正常作動状態において、スライド弁体12の小端に対応する弁孔111の直径d1>スライド弁体12の大端に対応する弁孔111の直径d2。
【0035】
スライド弁体12は、第1圧力感応端122及び第2圧力感応端123をさらに含み、第1圧力感応端122は、第1給油口112からの給油圧力を感応するためのものであり、具体的には、スライド弁体12の小端(直径d2の円形面積)とスライド弁体12の大端(直径d1の円形面積)との間の環状面であり、スライド弁体12の小端と大端との間の環状面積は、具体的には、次のようである。
【数1】
【0036】
第2圧力感応端123は、第2給油口113からの給油圧力を感応するためのものであり、具体的には、スライド弁体12の小端の端面(直径d2の円形面積)である。スライド弁体12の小端面積は、具体的には、次のようである。
【数2】
【0037】
上記の記載から分かるように、圧締機構の圧締力は、正常動作時に両ブレーキが同時に給油してスライド弁体12に作用する最大油圧力の和として設定され、ブレーキB
1の最大作動圧力をB
1max、ブレーキB
2の最大作動圧力をB
2maxとすると、圧締力は、次のように設定可能である。
【数3】
c
1はブレーキのセルフロック圧力係数であり、B
1圧力が
【数4】
より大きいと、ブレーキがデッドロックされたり焼損されたりする。一般的に、c
1は0.5程度の値をとり、例えば、c
1の値をとる範囲は[0.3,0.7]、[0.35,0.65]、[0.4,0.6]および[0.48,0.52]のいずれであってもよく、なお、c
1の値をとる範囲は実際の必要に応じて設定することも可能であり、本実施例はこれに限定されない。
【0038】
車両の正常走行時には、ブレーキB1とブレーキB2のうちの1つのみが給油動作し、スライド弁体12に作用する油圧力が圧締力Fsより小さく、スライド弁体12が圧締具によって弁口115に押し付けられると、スライド弁体12のシール部121が弁口115を塞ぎ、第1給油口112、第2給油口113、油逃がし口114が互いに連通せず、ロック防止弁が両ブレーキの給油に影響を与えない。
【0039】
図2は、本発明の一実施例に係る変速機のノマルシフト時のクラッチの結合及び離脱の油シリンダの圧力変化曲線であり、車両シフト時に、両ブレーキの圧力交換は、
図2に示すように、動力遮断を防止するために、ブレーキB
1の結合の圧力はブレーキB
2の離脱の圧力が完全に消滅する前に緩やかに上昇し始める。
【0040】
しかし、ブレーキB
1の圧力が
【数5】
に到達すると、ブレーキB
2の圧力は
【数6】
以下に低下し、両ブレーキの給油圧力がスライド弁体12に作用する油圧力は圧締力F
sよりもはるかに小さく、スライド弁体12は圧締機構によって弁口115に圧締され、第1給油口112、第2給油口113、油逃がし口114は互いに連通せず、油圧制御弁は両ブレーキの正常な給油に影響を与えない。
【0041】
図3は、本発明の実施例に係るシフト故障時の両クラッチの油シリンダの圧力変化曲線であり、
図3を参照して、一方の油路、例えばブレーキB
2に連通する給油油路が故障により逃圧できない場合、他方の油路、例えばブレーキB
1に連通する給油油路はシフト時に圧力が設定値
【数7】
を超えるように上昇すると、スライド弁体12に作用する油圧力が圧締力F
sより大きくなり、スライド弁体12が油圧力により弁口115から離れ、第1給油口112と油逃がし口114とを導通し、ブレーキB
1の給油圧力を逃がし、変速機のロックアップを防止する。
【0042】
具体的には、圧締機構は、弁孔111の他端に設けられるスプリングシート132と、一端がスライド弁体12の大端に当接し、他端がスプリングシート132に接続されるスプリング131と、を備える。
【0043】
選択的に、圧締機構は、スプリングスリーブ133をさらに備え、スプリングスリーブ133はスライド弁体12と同軸に設けられ、スプリングスリーブ133をスライド弁体12にスリーブし、スプリング131の一端はスプリングスリーブ133に接続され、スプリングスリーブ133はスプリング131を少なくとも部分的に包み込むことができる。
【0044】
図4(a)は、本発明の他の実施例に係る直列型セルフロック防止油圧制御弁の原理図であり、
図4(b)は、
図4(a)における油圧制御弁の正常作動時の構造図であり、スライド弁体12の変速機の正常作動時の位置を図示している。
図4(c)は、
図4(a)における油圧制御弁の制御系故障時の構造図であり、スライド弁体12の制御系故障時の位置を図示している。ブレーキB
1の作動圧力が低く、スペースが許す限り、ロック防止弁は
図4(a)、
図4(b)、
図4(c)に示すように直列形態に設計することもできる。一実施例では、該油圧制御弁は、弁本体11と、スライド弁体12と、圧締機構とを備える。
【0045】
弁本体11には、弁孔111と、弁孔111にそれぞれ連通する第1給油口112、第2給油口113、第3給油口116および油逃がし口114とが設けられ、スライド弁体12および圧締機構は、いずれも弁孔111内に収容され、スライド弁体12の小端は弁孔111の一端に近接し、スライド弁体12の大端は圧締機構に当接し、圧締機構は弁孔111の他端に設けられている。
【0046】
スライド弁体12は、第1給油口112と第2給油口113から受ける給油圧力の和が、圧締機構から受ける圧締力よりも大きいときに、第1給油口112が弁孔111を介して油逃がし口114に連通するように圧締機構に移動可能であり、このとき第3給油口116がスライド弁体12によって塞がれている。
【0047】
圧締機構の圧締力は、正常作動時(すなわち油圧制御弁が第1作動状態にある)には、第1給油口112と第2給油口113とが同時にスライド弁体12に作用する最大油圧の和となるように設定され、正常作動時には、両ブレーキ給油圧力の和がスライド弁体12に作用する油圧力がスプリング131の力F
sより小さく、スライド弁体12がスプリング131によって
図4(b)に示す左位置に押し付けられ、弁口115が閉じ、第1給油口112、第2給油口113及び油逃がし口114の三者が互いに連通せず、第1給油口112と第3給油口116とが連通し、第3給油口116からの油を第1給油口112に伝達する。
【0048】
両油路がいずれも故障により高圧になると、スライド弁体12に作用する油圧力がスプリング131力F
sより大きくなり、スライド弁体12が油圧力により
図4(c)に示す位置に右移動し、弁口115が開き、第1給油口112と油逃がし口114とが連通し、第1給油口112からの圧力油が油逃がし口114を介して逃圧され、変速機のロックアップを防止する。スライド弁体12は、第3給油口116を同時に塞いで油圧系全体の圧力油の流失を阻止し、車両がシフトされずに他の未逃圧ブレーキB
2により足をひきずって帰宅することを保証する。本実施例では、複雑で漏れが大きい直列型セルフロック防止油圧制御弁を提供しているが、故障時に給油を遮断可能であり、車が無事に帰宅できるように保証する。
【0049】
具体的には、第1給油口112と油逃がし口114との間の弁孔111に弁口115を設け、スライド弁体12のシール部121は、スライド弁体12によって弁口115を閉塞または開放して第1給油口112と油逃がし口114との連通状態を変化させるためのものであり、シール部121の形状は、弁口115の形状に適合している。
【0050】
具体的には、スライド弁体12は、第1圧力感応端122および第2圧力感応端123を含み、第1圧力感応端122および第2圧力感応端123の説明は、上述した関連する記載を参照することができ、ここでは省略する。
【0051】
好ましくは、スライド弁体12には、第1給油口112からの給油圧力を第1圧力感応端122に導くためのダンパ孔124が設けられ、ダンパ孔124は、弁孔111に連通している。
【0052】
具体的には、圧締機構は、弁孔111の他端に設けられるスプリングシート132と、一端がスライド弁体12の大端に当接し、他端がスプリングシート132に接続されるスプリング131と、を備える。また、スプリング131の設計を容易にするために、圧締機構は、スプリングスリーブ133をさらに備え、スプリングスリーブ133はスライド弁体12と同軸に設けられ、スプリングスリーブ133をスライド弁体12にスリーブし、スプリング131の一端はスプリングスリーブ133に接続され、スプリングスリーブ133はスプリング131を少なくとも部分的に包み込むことができる。
【0053】
図5は、本発明の一実施例に係るセルフロック防止油圧制御システムの原理図であり、
図5を参照して、本発明の一実施例は、誤動作によりセルフロックが発生するブレーキ又はクラッチの油圧給油回路において、セルフロック防止油圧制御弁1を並列又は直列する油圧制御システムを提案し、該油圧制御システムは、第1油シリンダ2、第2油シリンダ3、第1比例弁4、第2比例弁5及び本発明の第1態様の油圧制御弁1を備える。
【0054】
第1比例弁の出口41は、第1油シリンダ2及び第1給油口112にそれぞれ連通し、第2比例弁5の出口は、第2油シリンダ3及び第2給油口113にそれぞれ連通している。
【0055】
なお、第1作動状態で上述した第1給油口112に連通する給油装置、第2給油口113に連通する給油装置は、対応する給油口に給油する過程で、いずれも正常作動(故障が発生していない)の状態にあり、給油装置はブレーキ及び/又はクラッチであってもよい。
【0056】
ここで、第1油シリンダ2および第2油シリンダ3は、変速機の両ブレーキの制御油シリンダであり、それぞれ第1電磁比例弁および第2電磁比例弁により給油される。第1電磁比例弁と第2電磁比例弁が故障により両油シリンダに高圧油を同時に供給すると、両ブレーキが同時に結合し、変速機および車輪がデッドロックされ、事故を起こす。本実施例は、
図1に示すブレーキ制御システムに、一つのセルフロック防止する油圧制御弁1を追加的に接続させ、該油圧制御弁1は、第1油シリンダ2と第2油シリンダ3の給油圧力を同時に感応し、ブレーキB
1とブレーキB
2の給油に影響を与えない。スライド弁体12に作用する第1油シリンダ2と第2油シリンダ3の油圧圧力の和が油圧制御弁1のスプリング131の設定圧力(すなわち、圧締機構の圧締力)より高い場合、油圧制御弁1の弁口115が開き、第1油シリンダ2の圧力油を油逃がし口114を介して逃がし、両ブレーキの同時作動および変速機のデッドロックを防止する。
【0057】
ブレーキB
1の作動圧力が低く、スペースが許す限り、誤作動によりセルフロックされるブレーキまたはクラッチの油圧給油回路において、
図4(a)、
図4(b)および
図4(c)に示す直列型セルフロック防止油圧制御弁1を直列に接続し、該直列型セルフロック防止油圧制御弁1は、第1比例弁の出口41に連通する第3給油口116をさらに備えることもできる。
【0058】
正常動作時には、第1給油口112、第2給油口113及び油逃がし口114の三者が互いに連通せず、第1給油口112と第3給油口116とが連通し、第3給油口116からの油を第1給油口112に伝達する。
【0059】
両油路がいずれも故障により高圧になると、スライド弁体12に作用する油圧力がスプリング131の力Fsより大きくなり、弁口115が開き、第1給油口112と油逃がし口114とが連通し、第1給油口112からの圧力油が油逃がし口114を介して逃圧され、変速機のロックアップを防止する。スライド弁体12は、第3給油口116を同時に塞いで油圧系全体の圧力油の流失を阻止し、車両がシフトされずに他の未逃圧ブレーキB2により足をひきずって帰宅することを保証する。
【0060】
本発明の実施例は、上述した油圧制御システムの実施例に開示された油圧制御システムを有する変速機を提案する。具体的には、該変速機は複数のブレーキまたはクラッチを有する変速機である。
【0061】
図6を参照すると、
図6は本発明の一実施例に係る2速変速機の模式図である。変速機は、主にブレーキB
1と及びブレーキB
2と、第1遊星歯車機構71及び第2遊星歯車機構72と、出力軸8及び差動機9とから構成される。原動機6は、第1遊星歯車機構71の第1サンギヤ711に直接連結され、その第1キャリヤ712が第1出力歯車713に連結される。ブレーキB
1が結合されると、原動機6は、第1サンギヤ711、第1キャリヤ712、ギア対713/81及びギア対82/91を介してタイヤ92を駆動する。この時は、ファーストギアの速比であり、10以上に到達できる。ブレーキB
1を緩め、ブレーキB
2を結合すると、原動機6は、第1サンギヤ711、第1キャリヤ712および第2キャリヤ722、ギア対713/81、およびギア対82/91を介してタイヤ92を駆動する。この場合は、セコンドギヤの速比であり、5程度とすることができる。
【0062】
従来、両ブレーキB1及びB2に故障により圧力油を同時に供給すると、変速機がセルフロックされる。高速または濡れて滑る路面で変速機の突然のセルフロックは、車輪をロックアップさせて車両の方向制御を失い、ひいては覆車する。本発明の技術を利用した後、ロック防止弁は自動的に故障給油圧力を制限するため、車輪のロックアップを効果的に避け、覆車事故を防止することができる。
【0063】
図7を参照すると、
図7は本発明の他の実施例に係るデュアルクラッチ式の多速変速機の模式図であり、本発明の実施例は、
図7に示すデュアルクラッチ式の多速変速機にも同様に適用することができる。ロック防止弁をクラッチB
1及びクラッチB
2の給油油路に接続し、両クラッチが同時に作動することを防止することで、車輪のロックアップの事故を避ける。
【0064】
本発明の実施例は、従来の変速機のセルフロック防止技術と比較して、一つの電磁弁、両圧力センサ、対応する電子フェイルセーフソフトウェアの代わりにロック防止弁を使用することにより、これらの部品のコストとスペースを節約するとともに、変速機の信頼性をさらに向上させる(これらの節約した部品自体も絶対的に信頼されていることではないからである)。
【0065】
なお、本発明の実施例は、変速機のセルフロックを防止するためのものに限らず、両油圧アクチュエータの同時作動の防止が必要ないずれかの油圧システムにおいても適用可能である。
【0066】
以上説明した本発明に係る油圧制御弁、油圧制御システム及び変速機の実施例から分かるように、本発明の実施例は、両給油油路の油圧圧力を同時に感応することができ、これら両給油油路からの油圧圧力の和が設定値より大きい場合、油圧制御弁は、その中の一つの給油油路を油逃がし口114に自動的に連通させ、その中の一つの圧力を逃がすことで、変速機のセルフロックを防止する。
【0067】
該油圧制御弁は、設計が確実で、応答が速く、構造が簡単で、スペースが小さく、しかも圧力センサや直列電磁弁の装着が不要で、製造が容易で、コストが低く、従来の変速機のセルフロック防止技術においてコストが高く、占有スペースが大きいという課題を解決した。
【0068】
なお、上述した本発明の実施例の先着順は説明のためのものであり、実施例の優劣を示すものではない。以上、本明細書の特定の実施例について説明した。他の実施例は、添付の特許請求の範囲内にある。本明細書における各実施例は、漸進的に説明され、各実施例間の同じ類似部分は互いに参照すればよく、各実施例は、他の実施例との相違点を重点的に説明している。
【0069】
以上説明したことは、ただ本発明の好適な実施例であり、本発明を限定するためのものではなく、本発明の精神および原則の範囲内で行われたいかなる変更、同等の置換、改良等も、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0070】
1 油圧制御弁
11 弁本体
111 弁孔
112 第1給油口
113 第2給油口
114 油逃がし口
115 弁口
116 第3給油口
12 スライド弁体
121 シール部
122 第1圧力感応端
123 第2圧力感応端
124 ダンパー孔
131 スプリング
132 スプリングシート
133 スプリングスリーブ
2 第1油シリンダ
3 第2油シリンダ
4 第1比例弁
41 第1比例弁の出口
5 第2比例弁
6 原動機
71 第1遊星歯車機構
711 第1サンギヤ
712 第1キャリヤ
713 第1出力歯車
72 第2遊星歯車機構
721 第2サンギヤ
722 第2キャリヤ
8 出力軸
81 ギヤ
82 ギヤ
9 差動機
91 ギア
92 タイヤ
B1 ブレーキ
B2 他のブレーキ
【国際調査報告】