(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】向上した地盤工学インタラクションを有する力学的安定化水平ジオグリッド
(51)【国際特許分類】
E01C 11/16 20060101AFI20240213BHJP
E02D 17/18 20060101ALI20240213BHJP
E02D 3/00 20060101ALI20240213BHJP
E02D 17/20 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
E01C11/16
E02D17/18 A
E02D3/00 102
E02D17/20 103B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552052
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2021064503
(87)【国際公開番号】W WO2022182411
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/038863
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522301474
【氏名又は名称】テンサー インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー、カーソン
(72)【発明者】
【氏名】トム-ロス、ジェンキンス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー、エドワード、ウォーラー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル、ジョン、ギャラガー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル、マーク、ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】マノイ、クマール、ティアギ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ、カバノフ
【テーマコード(参考)】
2D043
2D044
2D051
【Fターム(参考)】
2D043CA07
2D043EB06
2D044CA04
2D044CA05
2D051AG11
2D051DA13
2D051EA02
2D051EA03
(57)【要約】
地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムのいくつかの局面を開示する。一局面では、ジオグリッドシステムの特徴は、骨材および土壌の捕捉および制約を補助する。一局面では、地盤工学環境は、力学的安定化水平多層ジオグリッドで構成される。上記局面では、ジオグリッドはポリマー材料および圧縮可能セルラー層と共押し出しされる。上記局面では、力学的安定化水平多層ジオグリッドは、ポリマー材料のキャップまたはコアにより構成されるか、又はさらに、ポリマー材料に形成された少なくとも1つの圧縮可能セルラー層により構成される。さらに、力学的安定化水平多層ジオグリッドは、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸形状で構成される。このような構成は、土壌および骨材の捕捉を増加させ、ポリマーの使用を減少させる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムであって、
地盤工学環境と、
実質的に平面状のジオグリッドであって、
複数の強軸リブおよびノードと、
基質の圧密を向上させ、平面外スティフネスを増加させるエンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体と、
ジオグリッドのアスペクト比を上昇させる圧縮可能セルラー層とを含むジオグリッドと、
を含むジオグリッドシステム。
【請求項2】
前記複数の強軸リブは、三角形または3軸形状である
請求項1に記載のジオグリッドシステム。
【請求項3】
前記複数の強軸リブは、矩形状である
請求項1に記載のジオグリッドシステム。
【請求項4】
前記エンジニアリングされた不連続要素の前記パターン化構造体は、六角形パターンを形成する
請求項1または2に記載のジオグリッドシステム。
【請求項5】
前記六角形構造体は、内部六角形と外部六角形構造体とを含む入れ子状六角形を含む
請求項4に記載のジオグリッドシステム。
【請求項6】
前記入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有し、前記ノードは、前記リブに比べて高いアスペクト比を有する
請求項5に記載のジオグリッドシステム。
【請求項7】
前記複数の強軸リブは、1.0より高いアスペクト比を有する
請求項1から6のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項8】
前記複数の強軸リブは、多層構造体を有する
請求項1から7のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項9】
前記多層構造体は、ポリマー材料のコアと、前記ポリマー材料のコアに形成された少なくとも1つの圧縮可能セルラー層とを含む
請求項8に記載のジオグリッドシステム。
【請求項10】
前記多層構造体は、圧縮可能セルラー層を含むコアを含み、さらに前記コアの上面および/または底面上にポリマー材料の層を含む
請求項8に記載のジオグリッドシステム。
【請求項11】
前記多層構造体は、共押し出しされている
請求項8から10のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項12】
地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムであって、
地盤工学環境と、
力学的安定化水平多層ジオグリッドであって、
リブとノードとを有し、パターン化不連続要素と複数の強軸リブとを含む、ジオグリッドと、
ポリマー材料を含むコアと、
前記コアの上面および/または底面上の圧縮可能セルラー層とを含むジオグリッドと、
を含むジオグリッドシステム。
【請求項13】
前記ポリマー材料の前記コアは、中実且つ剛性である
請求項12に記載のジオグリッドシステム。
【請求項14】
前記圧縮可能セルラー層は、前記ポリマー材料の必要量を低下させる
請求項12または13に記載のジオグリッドシステム。
【請求項15】
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体で構成されることにより、基質の圧密を向上させ、平面外システムのスティフネスを上昇させる
請求項12、13または14に記載のジオグリッドシステム。
【請求項16】
前記エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体は、六角形パターンを形成する
請求項15に記載のジオグリッドシステム。
【請求項17】
前記六角形パターンは、内部六角形と外部六角形パターンとを含む入れ子状六角形を含む
請求項16に記載のジオグリッドシステム。
【請求項18】
前記入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有する
請求項17に記載のジオグリッドシステム。
【請求項19】
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、異なる材料の層から形成され、共押し出しされている
請求項12から18のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項20】
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、3以上の層により形成されている
請求項12から19のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項21】
前記圧縮可能セルラー層は、交差するリブにおいて、前記ジオグリッドのアスペクト比を上昇させる
請求項12から20のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項22】
前記地盤工事環境内の圧密の増加を可能にする前記圧縮可能セルラー層により提供された粒子安定化の向上をさらに含む
請求項12から21のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項23】
前記圧縮可能セルラー層は、前記ジオグリッドと前記地盤工学基質とのインタラクションを増加させることによりコンテンツを捕捉することにより骨材または土壌の横方向の流れを妨げるように構成される
請求項12から22のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項24】
前記圧縮可能セルラー層は、空隙含有領域で構成されており、表面積が増加することにより内部の土壌の保持の増加が可能になる
請求項12から23のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項25】
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの3軸および/または三角形状により構成される
請求項12から24のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項26】
前記ジオグリッドは、強軸リブの矩形状により構成される
請求項12から24のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項27】
前記圧縮可能セルラー層は、微粒子材料を含む
請求項12から26のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項28】
前記微粒子材料は、炭酸カルシウムである
請求項27に記載のジオグリッドシステム。
【請求項29】
前記圧縮可能セルラー層は、エンジニアリングされた発泡剤を含む
請求項12から26のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項30】
地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムであって、
地盤工学環境と、
力学的安定化水平多層ジオグリッドであって、
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドのアスペクト比を上昇させる圧縮可能セルラー層を含むコアと、
ポリマー材料の層を含む、前記コアの上面および底面とを含むジオグリッドと、
を含むジオグリッドシステム。
【請求項31】
前記ポリマー材料の前記層は、中実且つ剛性である
請求項30に記載のジオグリッドシステム。
【請求項32】
前記圧縮可能セルラー層は、前記ポリマー材料の必要量を減少させる
請求項30または31に記載のジオグリッドシステム。
【請求項33】
前記ジオグリッドは、エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体で構成されることにより、基質の圧密を向上させ、平面外システムのスティフネスを増加させる
請求項30、31または32に記載のジオグリッドシステム。
【請求項34】
前記不連続要素は、六角形パターンを形成する
請求項33に記載のジオグリッドシステム。
【請求項35】
前記六角形パターンは、内部六角形と外部六角形構造体とを含む入れ子状六角形を含む
請求項34に記載のジオグリッドシステム。
【請求項36】
前記入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有する
請求項35に記載のジオグリッドシステム。
【請求項37】
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、異なる材料の層から形成され、共押し出しされている
請求項30から36のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項38】
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、3以上の層により形成されている
請求項30から37のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項39】
前記圧縮可能セルラー層は、交差するリブにおいて、前記ジオグリッドのアスペクト比を増加させる
請求項30から38のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項40】
前記地盤工事環境内の圧密の増加を可能にする前記圧縮可能セルラー層により提供された粒子安定化の向上をさらに含む
請求項30から39のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項41】
前記圧縮可能セルラー層は、前記力学的安定化水平ジオグリッドと前記地盤工学環境とのインタラクションを増加させることによりコンテンツを捕捉することにより骨材または土壌の横方向の流れを制約するように構成される
請求項30から40のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項42】
前記圧縮可能セルラー層は、空隙含有領域で構成されており、表面積が増加することにより内部の土壌の保持の増加が可能になる
請求項30から41のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項43】
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの三角形状により構成される
請求項30から42のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項44】
前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの矩形状により構成される
請求項30から42のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項45】
前記圧縮可能セルラー層は、微粒子材料を含む
請求項30から44のいずれかひとつに記載のジオグリッドシステム。
【請求項46】
前記微粒子材料は、炭酸カルシウムである
請求項45に記載のジオグリッドシステム。
【請求項47】
少なくとも1つの圧縮可能セルラー層が、エンジニアリングされた発泡剤を含む
請求項38に記載のジオグリッドシステム。
【請求項48】
力学的安定化水平多層ジオグリッドにより地盤工学環境を向上させる方法であって、
複数の強軸、パターン化不連続要素、およびアスペクト比が上昇した圧縮可能セルラー層を有するジオグリッドを地盤工学環境に適用して、前記ジオグリッドを骨材および土壌内に載置することと、
前記地盤工学環境内の前記骨材および前記土壌の横方向移動を減少させることと、
前記ジオグリッドによって、前記地盤工学環境に亘る輸送の寿命サイクルを延ばすこととを含む、
方法。
【請求項49】
前記圧縮可能セルラー層によってインタラクトすることをさらに含み、前記インタラクトは、前記ジオグリッドのリブのアスペクト比の増加によるマクロインタラクションである
請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記圧縮可能セルラー層によってインタラクトすることをさらに含み、前記インタラクトは、骨材粒子を入れ子状にすることを可能にする多層構築物によるマイクロインタラクションである
請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記寿命サイクルを伸ばすこととは、同等の単軸荷重(ESAL)標準に従って輸送の寿命サイクルを伸ばす
請求項48から50のいずれかひとつに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は2021年6月23日に出願された米国特許出願第17/355,843号(発明の名称「Multi-Axial Integral Geogrid and Methods of Making and Using Same」(多軸一体型ジオグリッド並びにその製造方法および使用方法))および2021年6月24日に出願された国際出願PCT/US2021/038863号(発明の名称「Multi-Axial Integral Geogrid and Methods of Making and Using Same」(多軸一体型ジオグリッド並びにその製造方法および使用方法))に関連し、これらに基づく優先権を主張する。
さらに上記出願は共に、2020年6月24日に出願された米国仮特許出願第63/043,627号(発明の名称「Multi-Axial Integral Geogrid and Methods of Making and Using Same」(多軸一体型ジオグリッド並びにその製造方法および使用方法))、2021年2月26日に出願された米国仮特許出願第63/154,209号(発明の名称「Multilayer Integral Geogrids Having a Cellular Layer Structure, and Methods of Making and Using Same」(セルラー層構造体を有する多層一体型ジオグリッド並びにその製造方法および使用方法))、および2021年2月26日に出願された米国仮特許出願第63/154,588号(発明の名称「Horizontal Mechanically Stabilizing Geogrid with Improved Geotechnical Interaction」(向上した地盤工学インタラクションを有する力学的安定化水平ジオグリッド))に関連し、これらに基づく優先権を主張する。
本出願はさらに、本出願と同時に出願する特許出願(発明の名称「Multilayer Integral Geogrids Having a Cellular Layer Structure, and Methods of Making and Using Same」(セルラー層を有する多層一体型ジオグリッド並びにその製造方法および使用方法))に関連する。
上記出願の全体をここに参考のため援用する。
【0002】
本開示は概して、土壌、骨材および関連材料の構造的強化(安定化およびその他の地盤工学目的を含む)に用いられる力学的安定化水平ジオグリッドに関する。
より具体的には、本開示は、特にエンジニアリングされた不連続パターンが組み込まれた強軸リブパターンを有するジオグリッドであって、圧縮可能セルラー層を介した地盤工学インタラクション内での性能および本明細書に記載するその他の望ましい特性を向上させるジオグリッドに関する。
【背景技術】
【0003】
地盤工学の一局面である道路および土塁工事は、通常、地面を路床まで切削または充填し、石材または骨材路盤などの圧密された天然材料を埋め戻す又は追加することにより容易になる技術である。
材料コストが上昇し材料の選択肢が減少するにつれて、舗装道路のライフサイクルの重要性が増す。さらに交通量が増え且つ洗練される(重量、力を加える角度、材料など)につれて、舗装道路の寿命はさらに短縮される。
環境に対する影響、材料コスト、および地盤工学の発展の組み合わせが、アスファルトおよびポートランドセメントコンクリートなどの結合材料を含む設計および建設プロセスにつながった。
【0004】
舗装道路の寿命は、質(強度およびスティフネス)に加えて路床の厚みおよび舗装道路の材料、さらには環境条件、交通荷重の大きさ、および交通荷重の反復に依存する。
交通荷重は等価単軸荷重(ESAL)として表されることが多い。
この標準化された測定基準により、標準のESALより高い又は低い大きさの荷重が、荷重の複数回の反復を介して標準のESALに変換されることが可能となる。
【0005】
舗装道路の寿命は、様々な面で環境条件に影響を受ける。
例えば、広範囲に残量物を含む土壌などの問題のある土壌を有する地域は、地盤工学に大きな問題を提起する。
その他の環境条件、例えば高緯度の寒冷地域の冷凍-解凍のサイクルは、舗装道路のライフサイクルにさらなる影響を及ぼす。
さらに海岸線または河川に近い地域に見られる脆弱且つ圧縮可能な土壌も追加の課題を提起する。
環境に対するこれらの様々な影響に取り組む1つの方法は、さらなる掘削または超過掘削であり、この場合、ベースの材料は再圧密又は除去されて、より適切な材料に置換される。
この方法は、高価な材料および高い装置コストを必要とするという欠点がある。
別の向上方法は、この土壌をポートランドセメントおよび/またはその他の混合材とブレンドすることである。
この方法は、炭素集中型でありコストがかかり、さらに典型的には地盤工学外に見られる追加の装置およびリソースを必要とする。
【0006】
一体型ジオグリッド及びその他の一体型ジオグリッド構造体の製造および使用は、周知の技術によって達成することができる。
Mercerの米国特許第4,374,798号、Mercerの米国特許第4,590,029号、MercerおよびMartinの米国特許第4,743,486号、Mercerの米国特許第4,756,946号、およびMercerの米国特許第5,419,569号に詳細に記載されている。
ポリマー製開始シート材料がまず押し出され、その後打ち抜かれて、穴または凹部の必須の規定パターンが形成される。
その後、打ち抜かれたシート材料に対して必須の延伸及び配向が行われることにより一体型ジオグリッドが形成される。
このような一体型ジオグリッドは、単軸の一体型ジオグリッドも2軸の一体型ジオグリッドも(まとめて「一体型ジオグリッド」と呼ぶ、または別々に「単軸一体型ジオグリッド」または「2軸一体型ジオグリッド」と呼ぶ)共に1970年代に上記のMercerによって発明され、35年以上に亘って大きな商業的成功を収めており、土壌、舗装道路下の鉄道、およびその他の、粒子または微粒子から形成された地盤工学または土木工学構造体を強化する技術に完全な革命をもたらした。
Mercerが発見したのは以下のことである。比較的厚く実質的に一平面上のポリマー製開始シート、好ましくは1.5mm(0.059055インチ)から4.0mm(0.15748インチ)のオーダーの厚みを有する開始シートであって、穴または凹部のパターンを有し、中心が概念的に実質的に正方形または矩形の行列グリッド上にある開始シートで開始し、開始シートを単軸方向または2軸方向に延伸することによりストランドの向きを延ばして交差させると、これにより完全に新規且つ実質的に一平面上の一体型ジオグリッドが形成され得る。
Mercerが記載する「一平面上」とは、シート様材料のすべてのゾーンが、シート様材料の正中面に対して対称であることを意味する。
【0007】
Mercerの開示は、ポリマー製単軸および2軸一体型ジオグリッドの利点を教示した。
1方向または2方向にストランドまたはリブを有するメッシュ様形状は、土壌および地盤工学的安定化に対する解決をもたらした。Mercerの開示はさらに、ポリマー製一体型ジオグリッドの急速且つ大規模な開発の製造および必要性に対処した。
向上したものは、地盤工学的安定化で伝統的に使われていた金属材料にとって代わった。ポリマー製一体型ジオグリッドは金属材料とは異なり、急速に腐食した劣化したりすることがなく、地盤工学架設物の使用可能な寿命をさらに伸ばした。
Mercerの開示は、商業的に大きく成功し、いずれの土塁プロジェクトにも用いられるようになった。
しかし、Mercerの開示にはいくつかの限界がある。
即ち、リブまたはストランドは、1方向または2方向に移動し、このことが表面と環境との接触を制限する。
【0008】
Hureauの米国特許第3,252,181号、Hureauの米国特許第3,317,951号、Hureauの米国特許第3,496,965号、Berettaの米国特許第4,470,942号、Berettaの米国特許第4,808,358号、およびBerettaの米国特許第5,053,264号では、穴または凹部の必須のパターンを有する開始材料は、ポリマーの円筒状押し出し加工により形成されており、押し出し加工物を拡大型マンドレル上を通過させることにより実質的な一平面性が達成されている。
引き伸ばされたシリンダはその後長手方向に細長く切られ、平坦且つ実質的に一平面上の開始シートが製造される。
別の一体型ジオグリッドがWalshの米国特許第7,001,112号(以下、「Walshの112特許」と呼ぶ)に記載されている。
この特許の譲受人はTensar International Limitedであり、これは、本特許出願の譲受人であるジョージア州Alpharetta市のTensar International Corporation(以下、「Tensar」と呼ぶ)の関連会社である。
Walshの112特許は、2軸延伸一体型ジオグリッドを含む配向済みポリマー製一体型ジオグリッドであって、配向済みストランドが三角形のメッシュ開口部を形成し、三角形の各隅に部分的に配向されたジャンクションがあり、各ジャンクションにおいて6個の高度に配向されたストランドが集まっているジオグリッド(以下、「3軸一体型ジオグリッド」と呼ぶこともある)を開示している。
Walshの112特許の3軸一体型ジオグリッドは、Tensarによって商品化され、実質的な成功を得た。
【0009】
一体型ジオグリッドに対する上記に続く向上内容は、Walshの米国特許第9,556,580号、Walshの米国特許第10,024,002号、およびWalshの米国特許第10,501,896号に開示されており、これらはすべて、本特許出願の譲受人の別の関連会社であるTensar Technologies Limitedに譲渡されている。
上記のWalshの米国特許第9,556,580号、第10,024,002号および第10,501,896号は、当業者には高アスペクト比として知られているものを有する一体型ジオグリッドを開示している。
高アスペクト比とは、即ち、ストランド断面の幅に対するストランド断面の厚みまたは高さ(リブまたはリブ高さとも呼ぶ)の比が1.0より大きいことを指す。
多軸一体型ジオグリッドの性能は、アスペクト比が1.0を超えるリブを有するジオグリッド構造体を用いることにより向上させることができることが示されているが、アスペクト比の増加は、必要なポリマーの全体量の増加、従ってジオグリッドの重量およびコストの増加を伴う。
【0010】
伝統的に、一体型ジオグリッドの製造に用いられるポリマー材料は、高分子量ホモポリマーまたはコポリマーポリプロピレンおよび高密度高分子量ポリエチレンである。
最終製品および/または製造効率に対する所望の効果を達成するために、様々な添加物、例えば、紫外光阻止剤、カーボンブラック、処理補助剤などがこれらのポリマーに添加される。
さらに伝統的に、このような一体型ジオグリッドの製造用の開始材料は、典型的には、単層構造を有する実質的に一平面上のシート、即ちポリマー製材料の均質単層である。
上記した従来の開始材料により製造された一体型ジオグリッドは概して満足のいく特性を示すが、ある種の適用分野、例えばジオシンセティック強化などの需要に適した比較的高いスティフネスを有する、又は特定のジオシンセティック適用分野に望ましい他の特性を有する一体型ジオグリッドを製造することが構造的にも経済的にも有利である。
【0011】
より最近では、打ち抜き-引き抜き型ジオグリッドにおいて製造技術が向上している。
例えば、Tyagiの米国特許出願第15/766,960号であって米国特許出願公開第2018/0298592号として公開され、Tensar Corporation LLC.に譲渡された米国特許出願で向上が開示されている。
このTyagiの出願は、複数押し出し(共押し出し)プロセスを用いて、一体型平面状サブ層により構成される単一グリッドを形成するジオグリッドの製造を開示している。
Tyagiは、層の外部を未加工の材料で形成し、層の内部またはコアをリサイクルされたポリマー材料で形成した多層材料の形成をさらに開示している。
そのため、再生可能および再使用可能な材料で一体型ジオグリッドを進めるというコンセプトは、一体型ジオグリッドによる環境に対する影響を効果的に低減する。
しかし、Tyagiは、舗装道路のライフサイクルに関係するジオグリッドの性能を高めるため、および様々な舗装道路の輸送(trafficking)が増える状態で結果を向上させるために、圧縮性材料を含ませること及び取り入れることを開示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そのため、一体型ジオグリッドの製造に関連する効率的なプロセスに適しているだけでなく、従来の手段に関連するジオグリッドよりも高度な性能を提供し、且つ、現行の単層一体型ジオグリッドでは実現できない追加の特性および利点を提供する材料およびシステムが商業的にも環境的にも必要となっている。
特に、本明細書に開示する新規の材料を用いることにより、環境に対する全体的影響および製造コストを減少させ、それにより一体型ジオグリッドの全体的性能およびライフサイクルを向上させることが必要である。
さらに、従来の開始材料および形状により製造される一体型ジオグリッドは概して満足のいく特性を示し得るが、様々な種類および広範囲の質の骨材および土壌に関与しこれらを安定化させる能力のある構造体、形状および材料を有する一体型ジオグリッドを、より低いコストで且つ環境にも優しい様式で製造することが構造的にも経済的にも有利である。
より重要なことは、同等の経済的および環境的コストを追加することなく、舗装道路システムの設計寿命を延ばすシステムを製造することが経済的および環境的に有利だということである。
そのため、本開示は、より広い地盤工学適用のセットを可能にし、より低グレードの骨材の利用を可能にし、それにより、地盤工学効率をさらに高め、且つ土塁および地盤工学プロジェクトのコストを下げる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムの局面を開示する。
一局面では、地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムの局面を開示する。
システムは、地盤工学環境を含む。
さらにシステムは、実質的に平面状のジオグリッドを含む。
ジオグリッドは、複数の強軸リブおよびノードを含む。
それと共に、基質の圧密を向上させ、平面外スティフネスを増加させるエンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体を含む。
ジオグリッドは最後に、ジオグリッドのアスペクト比を上昇させる圧縮可能セルラー層を含む。
【0014】
複数の強軸リブは、三角形または3軸形状であってもよいし、矩形状であってもよい。
エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体は、六角形パターンを形成してもよい。
六角形構造体は、内部六角形と外部六角形構造体とを含む入れ子状六角形を含んでもよい。
入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有してもよく、ノードは、リブに比べて高いアスペクト比を有する。複数の強軸リブは、1.0より高いアスペクト比を有してもよい。
複数の強軸リブは、多層構造体を有してもよい。
多層構造体は、ポリマー材料のコアと、ポリマー材料のコアに形成された少なくとも1つの圧縮可能セルラー層とを含んでもよい。
多層構造体は、圧縮可能セルラー層を含むコアを含んでもよく、さらにコアの上面および/または底面上にポリマー材料の層を含んでもよい。
多層構造体は、共押し出しされていてもよい。
【0015】
別の局面では、地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムを開示する。
ジオグリッドシステムは、地盤工学環境を含む。
ジオグリッドシステムはさらに、力学的安定化水平多層ジオグリッドを含む。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、リブとノードとを有し、パターン化不連続要素と複数の強軸リブとを含む。
力学的安定化水平多層ジオグリッドはさらに、ポリマー材料を含むコアを含み、さらにコアの上面および/または底面上の圧縮可能セルラー層を含み、これは圧縮可能キャップを形成する。
【0016】
ポリマー材料のコアは、中実且つ剛性であってもよい。
圧縮可能セルラー層は、ポリマー材料の必要量を低下させてもよい。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体で構成されることにより、基質の圧密を向上させ、平面外システムのスティフネスを上昇させてもよい。
エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体は、六角形パターンを形成してもよい。
六角形パターンは、内部六角形と外部六角形パターンとを含む入れ子状六角形を含んでもよい。
入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有してもよい。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、異なる材料の層から形成され、共押し出しされていてもよい。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、3以上の層により形成されていてもよい。
圧縮可能セルラー層は、交差するリブにおいて、ジオグリッドのアスペクト比を上昇させてもよい。
ジオグリッドシステムは、地盤工事環境内の圧密の増加を可能にする圧縮可能セルラー層により提供された粒子安定化の向上をさらに含んでもよい。
圧縮可能セルラー層は、ジオグリッドと地盤工学基質とのインタラクションを増加させることによりコンテンツを捕捉することにより骨材または土壌の横方向の流れを妨げるように構成されてもよい。
圧縮可能セルラー層は、空隙含有領域で構成されていてもよく、表面積が増加することにより内部の土壌の保持の増加が可能になる。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの3軸および/または三角形状により構成されてもよい。
ジオグリッドは、強軸リブの矩形状により構成されてもよい。圧縮可能セルラー層は、微粒子材料を含んでもよい。
微粒子材料は、炭酸カルシウムであってもよい。
圧縮可能セルラー層は、エンジニアリングされた発泡剤を含んでもよい。
【0017】
別の局面では、地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムを開示する。
ジオグリッドシステムは、地盤工学環境を含む。ジオグリッドシステムはさらに、力学的安定化水平多層ジオグリッドを含む。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、力学的安定化水平多層ジオグリッドのアスペクト比を上昇させる圧縮可能セルラー層を含むコアを含む。
力学的安定化水平多層ジオグリッドはさらに、ポリマー材料の層を含む、コアの上面および底面を含み、これは圧縮可能コアを形成する。
【0018】
ポリマー材料の層は、中実且つ剛性であってもよい。
圧縮可能セルラー層は、ポリマー材料の必要量を減少させてもよい。
ジオグリッドは、エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体で構成されることにより、基質の圧密を向上させ、平面外システムのスティフネスを増加させてもよい。
不連続要素は、六角形パターンを形成してもよい。
六角形パターンは、内部六角形と外部六角形構造体とを含む入れ子状六角形を含んでもよい。
入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有してもよい。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、異なる材料の層から形成され、共押し出しされていてもよい。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、3以上の層により形成されていてもよい。
圧縮可能セルラー層は、交差するリブにおいて、ジオグリッドのアスペクト比を増加させてもよい。
ジオグリッドシステムは、地盤工事環境内の圧密の増加を可能にする圧縮可能セルラー層により提供された粒子安定化の向上をさらに含んでもよい。
圧縮可能セルラー層は、力学的安定化水平ジオグリッドと地盤工学環境とのインタラクションを増加させることによりコンテンツを捕捉することにより骨材または土壌の横方向の流れを制約するように構成されてもよい。
圧縮可能セルラー層は、空隙含有領域で構成されていてもよく、表面積が増加することにより内部の土壌の保持の増加が可能になる。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの三角形状により構成されてもよい。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの矩形状により構成されてもよい。
圧縮可能セルラー層は、微粒子材料を含んでもよい。
微粒子材料は、炭酸カルシウムであってもよい。少なくとも1つの圧縮可能セルラー層が、エンジニアリングされた発泡剤を含んでもよい。
【0019】
別の局面では、力学的安定化水平多層ジオグリッドにより地盤工学環境を向上させる方法を開示する。
方法は、複数の強軸、パターン化不連続要素、およびアスペクト比が上昇した圧縮可能セルラー層を有するジオグリッドを地盤工学環境に適用することを含む。
力学的安定化水平多層ジオグリッドを適用することは、ジオグリッドを骨材および土壌内に載置する。
次に、力学的安定化水平多層ジオグリッドは、地盤工学環境内の骨材および土壌の横方向移動を減少させる。
最後に、力学的安定化水平多層ジオグリッドによって、地盤工学環境に亘る輸送の寿命サイクルを延ばす。
【0020】
方法はさらに、圧縮可能セルラー層によってインタラクトすることをさらに含んでもよく、インタラクトは、ジオグリッドのリブのアスペクト比の増加によるマクロインタラクションである。
方法は、圧縮可能セルラー層によってインタラクトすることをさらに含んでもよく、インタラクトは、骨材粒子を入れ子状にすることを可能にする多層構築物によるマイクロインタラクションである。
寿命サイクルを伸ばすこととは、同等の単軸荷重(ESAL)標準に従って輸送の寿命サイクルを伸ばしてもよい。
【0021】
上記の実施形態は、本明細書に開示するシステム、装置および方法の構成の例に過ぎない。
さらなる理解のために、以下に実施形態の詳細な説明を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の多くの局面は、以下の図面を参照することによって、より良く理解される。
図面中のコンポーネントは、必ずしも縮尺通りではなく、開示の原理を明瞭に説明するために強調している箇所がある。
さらに図面では、複数の図面を通して同様の参照符号は対応するパーツを示している。
これらの実施および実施形態は本開示の原理を説明するためのものに過ぎないことを認識されたい。
【
図1A】
図1Aは、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する力学的安定化済み水平ジオグリッドの例を示す。
【
図1B】
図1Bは、パターン化不連続要素も複数の強軸も有しない3軸ジオグリッドの例を示す(先行技術)。
【
図1C】
図1Cは、パターン化不連続要素を有する矩形状ジオグリッドの例を示す。
【
図1D】
図1Dは、パターン化不連続要素を有しない矩形状で2軸のジオグリッドの例を示す(先行技術)。
【
図2A】
図2Aは、複数の強軸およびパターン化不連続要素を有する三角形または3軸ジオグリッド内の微細な骨材をブラシで払いのけるテストの例を示すチャートである。
【
図2B】
図2Bは、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドの微細な骨材をブラシで払いのけるテストの結果を示す例である。
【
図2C】
図2Cは、パターン化不連続要素も複数の強軸も有しない三角形または3軸ジオグリッド内の微細な骨材をブラシで払いのけるテストの例を示すチャートである。
【
図2D】
図2Dは、パターン化不連続要素も複数の強軸も有しない三角形または3軸ジオグリッドの微細な骨材をブラシで払いのけるテストの結果を示す例である。
【
図3A】
図3Aは、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドの、リブおよびノードを含む閉じ込めエレメントの例を示す。
【
図3B】
図3Bは、複数の強力軸を有しない三角形または3軸ジオグリッドの、リブおよびノードを含む閉じ込めエレメントの例を示す(先行技術)。
【
図4A】
図4Aは、パターン化不連続要素および複数の強軸を含む三角形または3軸ジオグリッドの力ベクタの例を示す。
【
図4B】
図4Bは、パターン化不連続要素も複数の強軸も含まない三角形または3軸ジオグリッドの力ベクタの例を示す。
【
図5】
図5は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッド由来の、様々なリブおよびノードに沿ったアスペクト比の例を示す。
【
図6】
図6は、パターン化不連続要素を有しない三角形または3軸ジオグリッド由来の、様々なリブおよびノードに沿ったアスペクト比の例を示す。
【
図7】
図7は、単層と、共押し出しされた三角形または3軸ジオグリッドとを10,000輸送パスの時点で比較したチャートであって、材料の共押し出しの利点を示すチャートである。
【
図8】
図8は、単層と、共押し出しされた三角形または3軸ジオグリッドとを10,000輸送パスの時点で比較したチャートであって、必ずしもいつも共押し出しに利点があるわけではないこと、及び、材料の特性と形状との組み合わせが重要な役割を果たすことを示すチャートである。
【
図9】
図9は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッド、および不連続要素も複数の強軸も有しない3軸ジオグリッドの両方の形状について、10,000輸送パスの時点で減少したリターンを示すリブのアスペクト比を比較した例を示す。
【
図10】
図10は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドと不連続要素も複数の強軸も有しない3軸ジオグリッドとを比較した例であって、10,000輸送パスの時点でのリブのアスペクト比と表面変形との関係に対する形状の効果について比較した例を示す。
【
図11】
図11は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドの類似の形状の輸送性能の例を示すチャートであって、圧縮可能キャップセルラー層を有する実施形態および圧縮可能コアセルラー層を有する実施形態に対して行ったテストにおいて、圧縮可能キャップセルラー層がより良い性能を有することを示すチャートである。
【
図12】
図12は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドにおける形状の表面変形に関して、圧縮可能キャップセルラー層を有する場合と圧縮可能コアセルラー層を有する場合とにおいて、圧縮可能層の位置およびリブのアスペクト比がもたらす効果の例を示すチャートである。
【
図13】
図13は、パターン化不連続要素および複数の強軸を追加し、さらに崩壊可能キャップを追加した三角形または3軸ジオグリッドの最適化形状の利点であって、パターン化不連続要素を有しておらず高アスペクト比および圧縮不能キャップセルラー層を有する三角形または3軸ジオグリッドに対する利点を示すチャートである。
【
図14A】
図14Aは、複数の強軸およびパターン化不連続要素に加えて圧縮可能セルラー層を有する三角形または3軸形状の向上の例を、先行技術の例と比較して示すチャートであり、圧縮テストで観察されたいくつかのジオグリッドの性能の向上を示すチャートである。
【
図14B】
図14Bは、複数の強軸およびパターン化不連続要素を有する三角形または3軸形状の例について、125Nの力におけるmmでの圧縮率の例を、先行技術のジオグリッドの例と比較して示すチャートである。
【
図15】
図15は、エンジニアリングされたパターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸形状の例示的実施形態と、パターン化不連続要素も複数の強軸も有しない三角形または3軸形状のコントロールとを比較して示すチャートである。
【
図16A】
図16Aは、パターン化不連続要素もおよび複数の強軸も有しないポリマー製三角形または3軸ジオグリッドの例を示す(先行技術)。
【
図16B】
図16Bは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素を有する三角形または3軸ジオグリッドの例であって、ポリマー材料が圧縮可能セルラー層(本明細書では、圧縮可能セルラーコアまたは圧縮可能コアと呼ぶ)の上面および底面上にある例を示す。
【
図17A】
図17Aは、ポリマー製三角形または3軸ジオグリッドの例を示す(先行技術)。
【
図17B】
図17Bは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素を有し、さらに2枚のポリマー製シート間に圧縮可能セルラー層(本明細書では、圧縮可能セルラーコアと呼ぶ)を有する三角形または3軸ジオグリッドの例を示す。
【
図17C】
図17Cは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素を有し、さらに2枚のポリマー製シート間に圧縮可能セルラー層(本明細書では、圧縮可能セルラーコアと呼ぶ)を有する三角形または3軸ジオグリッドの例であって、リブのアスペクト比をノードのアスペクト比と比較して示す例を示す。
【
図17D】
図17Dは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素を有し、さらにポリマー製シートの上面および底面上に圧縮可能セルラー層(本明細書では、圧縮可能セルラーキャップと呼ぶ)を有する三角形または3軸ジオグリッドの例を示す。
【
図18A】
図18Aは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素に加えて圧縮可能セルラー層を有する三角形または3軸ジオグリッドに亘って水平に移動する骨材荷重の例を示す。
【
図18B】
図18Bは、圧縮可能セルラー層を欠き、骨材がリブに亘って移動することを可能にする「浮遊」リブを欠くポリマー製三角形または3軸ジオグリッドの例を示す。
【
図19】
図19Aから
図19Cは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素に加えて圧縮可能セルラー層(本明細書では、圧縮可能セルラコアと呼ぶ)を有する三角形または3軸ジオグリッドを垂直方向に圧縮する例を示す。
【
図20】
図20は、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素を有する三角形または3軸ジオグリッドの圧縮可能セルラー層または圧縮可能セルラーコアを垂直方向に圧縮(
図19Aから
図19Cに示す)することにより形成された空隙の例を示す。
【
図21A】
図21Aは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素に加えて圧縮可能セルラー層を有する三角形または3軸ジオグリッドの断面における、ポリマー材料の倍の表面エネルギーを有する添加剤を有する圧縮可能セルラー層の向上した画像の例を示す。
【
図21B】
図21Bは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素に加えて圧縮可能セルラー層を有する三角形または3軸ジオグリッドの断面における、ポリマー材料と同様の表面エネルギーを有する添加剤を有する圧縮可能セルラー層の向上した画像の例を示す。
【
図22】
図22は、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素に加えて圧縮可能セルラー層を有する三角形または3軸ジオグリッドの断面における、添加剤を有する圧縮可能セルラー層の向上した画像の更なる例を示す。
【
図23】
図23Aおよび
図23Bは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素に加えて圧縮可能セルラー層(本明細書では、圧縮可能セルラーコアを呼ぶ)を有する三角形または3軸ジオグリッドのリブの断面であって、延伸状態(A)にあるリブの断面および崩壊/破砕状態(B)にあるリブの断面の向上した画像の例を示す。
【
図24】
図24Aおよび
図24Bは、ポリマー表面と圧縮可能セルラー層(例えば、圧縮可能セルラーキャップ)表面とを比較した微細な図であって、圧縮可能セルラー層から増加した粗さを示す図の例を示す。
【
図25】
図25Aおよび
図25Bは、圧縮可能セルラー層からの高表面エネルギーを有する三角形または3軸形状ジオグリッドに関する接触角測定および表面エネルギー測定と、伝統的なポリマージオグリッドの低表面エネルギーを有するものに関する接触角測定および表面エネルギー測定とを比較した例を示す。
【
図26】
図26は、様々なジオグリッド実施形態、特に硬質発泡体の実施形態および軟質発泡体の実施形態の変位を測定するために用いられるプレート荷重テストリグ(「PLTR」)の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本明細書に開示する主題を添付の図面を参照してより十分に述べる。
図面は、本明細書に開示する主題のいくつかを示すが、全部を示しているわけではない。
全体を通して、同様の参照符号は同様のエレメントを指す。
本明細書に開示する主題は、多くの異なる実施形態で具現化され得、本明細書に示す実施形態に限られると解釈すべきではない。
むしろこれらの実施形態は、本開示が適用可能な法的必要事項を満たすように提供されている。
実際、以下の記載および関連する図面に提示する教示を得た当業者であれば、本明細書に開示し記載する主題の多くの実施形態およびその他の実施形態を思いつく。
そのため、本明細書に開示する主題はここに開示する特定の実施形態に限定されるものではなく、改変およびその他の実施形態も添付の請求の範囲に含まれると意図していることを理解されたい。
【0024】
本明細書および請求の範囲を通して、用語「含む」、「含む」および「含んで」は特に断りのない限り、排他的でない意味で用いる。
同様に、用語「含む」およびその文法的異形も、何かを限定する意図はなく、アイテムをリストアップした場合も、これらに代わり得る又は追加し得る他の同様のアイテムを排除する意図はない。
【0025】
ジオグリッドは、骨材と、グリッドのアパチャ、グリッドのノード、グリッドのリブ、グリッドの角度、グリッドの化学的特性、グリッドの表面積、およびリブから平面までの距離とのインタラクションに基づいて、骨材を閉じ込める。
これらのエレメントは、土壌および骨材とインタラクトすることにより、地盤工学環境を形成する。
地盤工学環境内では、ジオグリッドのアパチャは、ジオグリッドのノードとジオグリッドのリブとの間に空隙領域または開口領域を形成する。
異なるノードの高さ、リブの高さ、アスペクト比、および長さが、様々な接触面積および閉じ込め角度を形成する。
厳密な形状は、ジオグリッド形状および本明細書に開示する他の実施形態を発展させる広範囲のテストに依存する。
例えば、いくつかの実施形態では、ブラシで払いのけるテスト(
図2Aおよび
図2B)および圧縮率データ(
図14Aおよび
図14B)に示す複数の接触面積および角度の提示が、少しの変更で骨材の閉じ込めが増加可能であることを示す。
テストはさらに、強軸リブ(例えば、複数の強軸)のフレームワーク内に、エンジニアリングされたパターン化不連続要素(例えば、
図1Aの形状)を含むことにより、骨材圧密に対する抵抗が減少し、骨材密度が増加し、垂直方向の荷重下でのスティフネスが増加することを示す。
更なるテストはさらに、多層設計(
図17Bおよび
図17C)により強調された骨材に対する横方向および垂直方向の制約に対する肯定的な効果を示す。
一実施形態では、ポリマー材料が上面および底面上に剛性な骨格を形成し、間に圧縮可能セルラー層が形成される。
この例は圧縮可能セルラーコアとしても知られている。
圧縮可能セルラー層(圧縮可能コア)さらに、骨材をロックし、地盤工学環境内で結果を向上させる。
【0026】
一局面では、圧縮可能セルラー層は、ポリマー材料の外側にある。
この例は本明細書では、圧縮可能キャップまたは圧縮可能セルラーキャップと呼び、圧縮可能セルラー層を形成する。
ポリマー材料は、未加工の材料であってもよいし、リサイクルされたポリマー材料の混合物、例えばポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリエステルなどの熱可塑性ポリマーであってもよい。
必要な物理的特性および機械的特性を満たす熱可塑性材料であればいずれもジオグリッドに付与され得る。
多層ジオグリッドの外層内の圧縮率は、粒子サイズ、粒子サイズの分布、および押し出しシートのポリマー母材内に分散した表面エネルギーに関してエンジリアリングされた材料の周りに微細な亀裂を引き起こす。
一例では、熱可塑性ポリマー製シート上の圧縮可能セルラー層(圧縮可能キャップまたは圧縮可能コア)は3mmから10mmのアスペクト比を有し、CaCO3から構成される。
他の局面では、発泡添加剤または他の微粒子充填剤は、圧縮可能コアまたは圧縮可能キャップを含み得る。
CaCO3の例から、弱まったポリマー母材の多軸配向中に、アスペクト比が1%から500%の範囲まで広がり得る圧縮可能セルラー層内で亀裂が形成される。
これらの亀裂は、土壌および骨材を捕捉し、さらに表面積および表面粗さを増加させるのに役立つ。
従って製造プロセスでは、微粒子充填剤と共押し出しされたポリマー製シートは、薄く細長くなり得、それにより亀裂が形成される。
【0027】
一局面では、圧縮可能セルラー層が荷重を受けると、亀裂が変形し、それにより圧縮可能セルラー層が、圧密された骨材との粒子間インタラクションを増加させることが可能になる。
これは破砕フィッティングと同様である。圧縮可能セルラー層の別の局面は、内部の亀裂が配向中に細長くなる能力である。
これにより、平均的な表面変動性または粗さの2倍から10倍と記録されてきた表面粗さが増加する。
伝統的なポリマージオグリッドは、表面粗さを欠き、さらに破砕フィッティング能力を欠き、そのため、アパチャ内に配置された骨材を閉じ込める能力が低い。
圧縮可能セルラー層はさらに、標準的ポリマーを疎水性応答から親水性応答に変更することにより表面エネルギーを増加させる。
いくつかの実施形態では、圧縮可能セルラー層の親水性性質は、更なる粒子間インタラクションを可能にする。
なぜなら、水分子と、基質、土壌および圧縮可能層とのインタラクションから得られる凝集力が、埋め戻された材料を圧縮可能セルラー層にさらに結合させるからである。
【0028】
ここで圧縮可能セルラー層について述べる。
一局面は、骨材のタイプおよびサイズの全範囲を収容することである。
骨材のタイプは、プロセスから破砕石、砂利、砂、および盛り土まで様々である。
圧縮下での亀裂による表面粗さの増加は、地盤工学環境内で骨材を圧密し、さらに「ロック」することを補助する。
これは、あらゆるタイプの骨材に見られる、比較的小さい粒子が圧縮可能セルラー層の表面とインタラクトすること、及びさらに構造体内に埋められることを可能にすることにより行われる。
地盤工学環境は本明細書では、ジオグリッドが骨材と共に用いられることにより土壌の状態を向上させる環境として知られ、理解されている。
地盤工学環境は、舗装道路または交通量の多い又は荷重の大きい領域を支持するために用いられることが多い。
更なる使用は、建物、橋、道路、鉄道およびその他のインフラストラクチャを含むインフラストラクチャを支持することであり得る。
これは、地盤工学エンジニアには公知である。
【0029】
一局面では、本開示の目的は、力学的安定化水平多層ジオグリッドの向上した機能的性能を提供することである。
一例では、力学的安定化水平多層ジオグリッドは、エンジニアリングされたパターン化不連続要素、複数の強軸、および圧縮可能セルラー層(例えば、コアまたはキャップ)を有する三角形または3軸ジオグリッドである。
水平または実質的に平面状のジオグリッドを地盤工学環境内に載置または導入する。
重力に対する配向は、傾斜、勾配、並びに土壌および骨材内の位置に基づいて、ばらつき得る。
土壌内のジオグリッドの向上は、地盤工学環境内での機能的性能を高める、ジオグリッド構造体の一定の物理的、機械的および幾何学的特性を向上させることにより達成される。
いくつかの局面では、向上の例は、他の新しい物理的、機械的、化学的および幾何学的特性を改変すること、及び/又はこれらを多層システムに取り入れることを含む。
これは多層システムが、2枚のポリマー製シートと圧縮可能セルラー層であるか、ポリマー製シートの骨格上の圧縮可能セルラーキャップであるかにかかわらない。
これらの例では、図示するように、厳密な物理的且つ幾何学的位置決めにより、力ベクタおよびその他の物理的特性(例えば、形状、アスペクト比、表面積)を利用し、様々なポリマー材料、微粒子充填剤、材料充填剤、およびエンジニアリングされた発泡剤の量を調整することにより結果が起こり、力学的安定化済み水平ジオグリッドの特定の位置において所望の機械的特性および物理的特性が得られる。
【0030】
本開示の別の局面は、力学的安定化水平多層ジオグリッドであって、層内のポリマーを、中実(即ち、連続的構造体)からセルラー構造体(即ち、本明細書に記載の方法に従って形成された複数の空隙、キャビティ、孔、泡、穴、またはその他のタイプの開口部を有する構造体)に変換することにより、層が改変されて必要なポリマーの量が減少した力学的安定化水平多層ジオグリッドを提供することである。
より具体的には、向上した地盤工学の局面が、本明細書の開示により、より少ないポリマー材料を用いて達成し得ることが発見されている。
一局面では、空隙、キャビティ、孔、泡、穴、またはその他の空隙含有構造体を含む圧縮可能セルラー層は、より高いアスペクト比を形成する。
これは、より低いコストで骨材のインタラクションを増加させる。圧縮可能セルラー層を介した高いアスペクト比は、骨材の圧密および破砕フィットを増加させ、製造に必要なポリマー材料の量を減少させる。
さらに、表面空隙を有する圧縮可能セルラー層は、微粒子の捕捉を可能にし、それにより、より小さい土壌微粒子のサイズを安定化させる。
一局面では、微粒子の安定化は、マクロの土壌粒子の安定化をさらに高める。
この点について、微粒子は蓄積され、より強い強化および安定化構造体を形成する。
更なる局面では、ポリマー材料は、軸方向剛性を提供し、圧縮可能セルラー層は、土壌との様々なマイクロおよびマクロのインタラクションを介して全体的安定化を高める。
【0031】
一局面では、1以上の空隙含有圧縮可能セルラー層を有する力学的安定化水平多層ジオグリッドの最低厚みまたは高さは、少なくとも3mmであり、好ましくは4mmを超える。
別の局面では、多層ジオグリッドの最小厚みまたは高さは7mmである。
更なる局面では、最低厚みは、厚みが可変であり得る空隙を有する圧縮可能セルラー層により可変範囲であり得、可変範囲は1mmから3mmの範囲、3mmから5mmの別の範囲、さらに5mmから7mmおよび5mmから10mmの更なる範囲を含む。
これらの範囲は、理解のために提供する。
力学的安定化水平多層ジオグリッドの製造中に範囲が変化し得ること、およびこのような範囲が、圧縮可能セルラー層、化学的構造および製造に依存して変化し得ることは、当業者には公知である。
【0032】
別の局面では、1以上の空隙含有セルラー層を含む力学的安定化水平多層ジオグリッドのリブのアスペクト比は、少なくとも1:1から3.5:1の間である。
別の局面では、1以上の空隙含有圧縮可能セルラー層の最初の高さまたは厚みは、最も薄い位置(おそらくストランドまたはリブの中間点)で少なくとも3mmであり、好ましくは少なくとも5mmである。
別の局面では、1以上の空隙含有圧縮可能セルラー層の空隙またはセルラー開口部は、1以上の空隙含有セルラー層の少なくとも25容量%、好ましくは少なくとも50容量%を占める。
他の実施形態では、圧縮可能セルラー層、1以上の空隙含有セルラー層は、荷重下で圧密が完了した後の少なくとも25%の荷重下、好ましくは少なくとも50%の荷重下で、最小の「圧縮」量または高さ減少量を有する。
別の例示的実施形態では、1以上の空隙含有セルラー層は、その高さまたは厚みが最も薄い内部層の高さまたは厚みに対して少なくとも2:1であり、好ましくは少なくとも3:1であるようなアスペクト比を有する。
1以上の空隙含有セルラー層は、最終的な一体型ジオグリッドの全体高さの少なくとも40%、好ましくは少なくとも70%の高さまたは厚みを有する。
【0033】
一局面では、圧縮可能セルラー層は表面粗さを増加させる。他方、埋め戻された土壌および骨材粒子は、圧縮可能セルラー層の空隙含有領域により表面積を増加させることにより、表面に密着し、それにより、より大きい全体土壌保持および安定化を提供する。
表面粗さまたはテクスチャは、表面テクスチャにおける表面の不規則さの度合いを表すものであり、典型的には3つのエレメントにより構成される。
これらは、1)粗さ、2)波打形状、および3)形態である。
算術平均としても知られる表面粗さの平均値(Ra)を計算することは、mmで表される頂部と谷部との平均偏差である。
ISO基準は、中央線平均という用語を用いており、Ra=CLA=M1+M2+M3+M4/4である。
ポリマー材料の表面上にある圧縮可能セルラー層の利点は、表面積を増加させ、それにより、土壌粒子の摩擦および捕捉を増加させる(
図24Aを参照のこと)。
一局面では、空隙および粗さにより粒子のインタラクションが増加した圧縮可能セルラー層は、粒子の捕捉および水平方向の移動の減少を可能にする(
図23Aおよび
図23Bを参照のこと)。
他の局面では、圧縮可能セルラー層を介した土壌の安定化は、より低グレードの材料の使用を可能にし、それにより環境面での更なる節約を実現し、安定化を高め、インフラストラクチャのライフサイクルを伸ばす。
【0034】
一局面では、第1のノードおよび従属ノードで様々なアスペクト高さ比を有する多層ジオグリッドを開示する。
この局面では、第1のノードは外部境界を形成するノードであり、バランスの取れた2または3の連続するリブによる等方性形状を有する。
このバランスの取れた形状は、2、3又はそれ以上の平面方向に延びる連続リブから構成されており、これには、非連続リブおよび非機能的ノードから構成されるエンジニアリングされた不連続要素が散在している。
I.力学的安定化済み水平ジオグリッドのシステムおよび方法
【0035】
この点について
図1Aおよび
図1Bを参照する。
図1B(先行技術)は、3軸リブ構造を示す。
図1Aは、力学的安定化済み水平ジオグリッドを示す。
力学的安定化済み水平ジオグリッドは、エンジニアリングされたパターン化不連続の構造を有し、複数の強軸が六角形または六角形状として例示されている。
一実施形態では、第1のノードまたは非機能ノード(外部六角形)の高さは7mmであり得、第2のノードまたは機能ノード(内部六角形)の高さは5mmであり得る。
これにより、骨材および土壌の限定的不等沈下および入れ子状態を可能にするZ方向の限定的移動が提供される。
一実施形態では、
図1Aに吊り下がった六角形として示す内部不連続要素の凹んで且つ幾何学的に柔軟な性質が、骨材が層内に沈下して圧縮されることを可能にする平面状ジオグリッドのキャリア領域を形成する。
これにより、圧密中に骨材が横方向に移動することが可能になり、粒子がさらに捕捉されて地盤工学環境が安定化する。
さらなる局面では、圧縮可能キャップまたは圧縮可能コアなどの圧縮可能セルラー層が、リブを安定化させて追加の軸方向剛性をリブに付与する等方性硬化材として作用する添加剤を有し得、これにより製造中のポリマーの使用を減らすことが可能となる。
【0036】
引き続き
図1Aを参照する。
力学的安定化水平多層ジオグリッドは、第1のノードと第2のノードとを有する。
第2のノードは、骨材のより大きな入れ子状態を提供し、第1のノードは、平面の剛性およびスティフネスを提供する。
一局面では、第1のノードは、連続リブにより構成される外部六角形を形成する。
第2のノードは、非連続リブを有する平面不連続要素であって、パターン化不連続要素またはエンジニアリングされた不連続要素と呼ばれる不連続要素を形成する。
第1のノードは、ジオグリッドに安定性およびスティフネスを提供する。
第2のノードは、載置および圧密中に骨材および微粒子の捕捉を補助する(
図5も参照のこと)。
そのため、エンジリアリングされた不連続要素のパターン化構造体は、基質の圧密を向上させ、平面外システムのスティフネスを増加させる。
平面内ローディングは、表面の軸に沿ったローディングである。
これはある点では、x軸ローディングとして示し得る。
平面外ローディングまたは平面外ローディングは、表面に直交する方向のローティングであり、例えばzローディングである。
そのため、パターン化不連続要素は、表面に直交する方向のローティングでのシステムのスティフネスを増加させることにより性能を高める。
複数の強軸に沿ったパターンは、ジオグリッドの載置に直交する横方向の制約を提供する。
さらに第1および第2のノードは適宜、複数の圧縮可能セルラー層(1、3、5など)で構成し得る。
各層は空隙または孔を有し得、リブの軸方向剛性を増減させるため、または表面の圧縮率を適宜高めるために添加剤(後述するが、微粒子充填剤または発泡剤など)が用いられ得る。
【0037】
別の局面では、力学的安定化水平多層ジオグリッドが開示される。
ジオグリッドのコアは、セルラー構造であって、圧縮可能セルラーコア層と呼ばれる構造によって構成される。
セルラー構造は、外部、例えば、多層ジオグリッドの剛性を規定するポリマー材料により上面および底面(
図17Bおよび
図17Cを参照のこと)に支持されている。
セルラー層は、圧縮可能であってもよいし、添加剤、例えば、地盤工学環境内で骨材または土壌に依存して軸方向剛性を増加させる発泡剤などを有していてもよい。
さらに、ポリマー製上面および底面は、本明細書に開示する発泡剤または微粒子状剤または充填剤などのその他の剤でコーティングされることにより、
図24Aに示すように表面粗さを増加させ得、表面エネルギーを増加させ得る。
これにより土壌がより密着し、より安定化する。
【0038】
図1Bは、不連続要素を有しないパターン化ジオグリッドの例を示す(先行技術)。
図1Aは、パターン化不連続要素および複数の強軸を有するパターン化ジオグリッドの例を示す。
図1Aに示す実施形態では、形状パターンは三角形または3軸であり、パターン化不連続要素は、六角形を形成するものとして表されている。
いくつかの実施形態では、不連続要素は、アパチャ範囲を400%増加させることができ、それにより機能ノードおよび非機能ノードの両方を提供する。
さらにこれにより、骨材および基質が捕捉され得、それにより、地盤工学安定性および横方向の制約が増加し得る。
増加したアパチャ範囲の利点は、コストおよび環境面での利点を含む材料の節約を提供しながら、同時に様々な形状のテストに示すように性能を高めることである(
図9)。
【0039】
上記したように、リブとノードとの間にあるアパチャまたは空隙領域の各々は、より高いアスペクト比を有し得、骨材を連結させ、それにより地盤工学環境内に土壌エレメントを含ませるために重要な特徴である。
本開示とは対照的な先行技術では、均一なアパチャサイズおよび形態を有する三角形または3軸ジオグリッド(
図1B)は、様々な骨材のより良好な補足を可能にするパターン化不連続要素に欠ける。
なぜなら、骨材は典型的には不均一であり、時間の経過と共により様々に変化するからである。
さらに
図1Bに示す先行技術のジオグリッドは、ジオグリッド中を連続的に延びて、z軸または平面外のスティフネスおよび剛性を提供する複数の強軸に欠ける。
いくつかの局面では、安定化させる水平多層ジオグリッドのパターン化不連続要素は、内部および外部六角形捕捉骨材および土壌として、基質を保持する「バスケット」を形成する。
さらに六角形状が、多層の局面、例えば共押し出しされた圧縮可能セルラー層と適宜組み合わされると、力学的安定化水平多層ジオグリッドは、より課題の多い環境下、例えば沈泥および粘土材料のある低地環境下であっても安定化を高め、低グレードの基質材料の使用を可能にする。
【0040】
本開示によると、力学的安定化水平多層ジオグリッドに関連する多くの利点は、その性質も様々であり、ジオグリッドがインストールされた環境ごとに選択される材料も異なる。
強軸のパターンで反復する不連続要素、配向されたストランドおよび開口部、並びに増加したアスペクト比という理由のために、一体型ジオグリッドは、パターン化不連続要素および多層特徴に欠けるジオグリッドに比べて、骨材および土壌をより良く含む。
パターン化不連続要素、複数の強軸、および圧縮可能セルラー層を有する力学的安定化済み水平ジオグリッドは、様々な骨材サイズをより良く収容することができる。
先行技術の商業的ジオグリッド構造体は典型的には1つの基本形状と1つの限定的次元を有しているのに対し、本明細書を通して六角形ジオグリッド形状あるいはパターン化不連続要素を有する三角形または3軸形状と呼ばれる、例示的力学的安定化済み水平ジオグリッドは、3つの異なる基本形状、即ち、六角形、台形および三角形(
図1Aを参照のこと)を活用する。
次に、これらの形状は、様々な形状および次元を有する配向されたストランドまたはリブによって規定され制限される。
従って、本開示の力学的安定化水平多層ジオグリッドは、通常生じる骨材の様々な角度、配向、およびサイズをより良く収容することができる。
なぜなら骨材はジオグリッド中に分布しているからである。
さらに、本開示の力学的安定化水平多層ジオグリッドは、アパチャサイズのより広い分布範囲を提供し、その結果、先行技術の多軸一体型ジオグリッドで提示された概して単一サイズの三角形または矩形のジオグリッドに比べて、多様且つより広範囲の質の骨材に関与し、これを安定化させる能力を得る。
図1Aに示す力学的安定化水平多層ジオグリッドの例示的パターンでは、妨げられない開状態の内部六角形がより大きな周囲の六角形と組み合わされており、それにより最適な骨材の閉じ込め及び横方向の制約を提供する。
アパチャサイズのさらなる分布は、台形および三角形のアパチャを反復することにより達成される。
【0041】
連結された連続配向ストランドおよび開口部の強軸パターン内の反復する浮遊不連続要素という理由のために、本開示の力学的安定化水平ジオグリッドは、先行技術の一体型ジオグリッドに比較して、より多い数およびタイプのストランドエレメントによっても特徴づけられる。
さらに、本開示のジオグリッドでは、配向された引っ張りエレメントの数が増え、部分的に配向されたジャンクションの数が減っている。
従って、本開示の例示的六角形ジオグリッドは、様々な度合いの平面外および平面内局部スティフネスにより特徴づけられる。
本開示の六角形状(
図1Aに例示)は、より高い全体的平面内回転スティフネスをジオグリッドに与え、より短いストランドは、不連続要素のパターンを含まない先行技術のジオグリッド(単軸、2軸、3軸)よりも回転スティフネスを増加させる。
そのため、例示的六角形ジオグリッドは、コンプライアントな、即ち最初の弾力性または可撓性に特徴づけられる。
この弾力性または可撓性は、より良い圧密およびより高い密度につながるが、骨材の最終的な水平ジオグリッドの複合スティフネスは、最初の弾力性の結果、より増加する。
さらに上記したように、本開示の六角形のジオグリッドは、より多数の閉じ込めエレメント、即ちストランドを有しており、閉じ込めエレメントは、骨材の移動に対して同心円様抵抗を提供する。
同じ六角形サイズの場合、本開示の本実施形態の多軸一体型ジオグリッドは、従来の3軸一体型ジオグリッドに比べて、ほぼ50%多い閉じ込めエレメントを提供することにより、圧密および輸送中に半径方向のローディングモーションに耐える。
【0042】
図1Cは、パターン化不連続要素を有する矩形状の2軸ジオグリッドの例を示す。
この例では、六角形の場合と同様、矩形形態内に矩形が形成されている。
パターン化不連続要素により、マイクロおよびマクロのインタラクションが可能となり、骨材材料は横方向に制約され、空隙の様々な次元が骨材のより良い捕捉を説明する。
一局面では、不規則な骨材がインタラクトし、又は不均一なジオグリッドで、より良好に圧密される。
パターン化不連続要素は骨材の様々な形状およびサイズを受け入れる。
【0043】
図1Dは、パターン化不連続要素を有しない矩形状の2軸ジオグリッドの例を示す(先行技術)。
図1Dでは、伝統的な2軸ジオグリッドが開示されている。
このようなジオグリッドは、ジオグリッドを欠く地盤工学環境に対する圧密を向上させることができる。
しかしパターン化不連続要素について上記したように、均一質のために、広範囲の骨材の捕捉または圧密を可能にしない空隙が形成される。
さらに、横方向の力は環境内に置かれると、本開示に示すように分散することはない。
【0044】
図2Aから
図2Dを参照する。
図2Aは、六角形ジオグリッドおよびパターン化不連続要素を有する例示的力学的安定化済み水平ジオグリッド内の微細な骨材をブラシで払いのけるテストの例を示すチャートである。
図2Bは、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドの微細な骨材をブラシで払いのけるテストの結果を示す例である。
【0045】
図2Cは、六角形状もパターン化不連続要素も有しない三角形または3軸ジオグリッド内の微細な骨材をブラシで払いのける払いテストの例を示すチャートである。
本例示的実施形態がカバーするテストデータは、不連続要素のパターンを含む三角形状と、このような不連続要素を有しない三角形状とを比較し、ブラシ払いのけテストで保持された粒子が大幅に増加したことを示している。
不連続要素のパターンを含む力学的安定化水平ジオグリッドは、載置中に粒子を閉じ込めて捕捉し、圧密中には有益な粒子間横方向移動に対してよりコンプライアントであり、そのため圧密後の水平方向移動に対してはより抵抗する。
この実施形態は、標準的テスト、例えば圧縮可能セルラー層を追加しないブラシ払いのけテストにおいて勝る。
【0046】
図2Dは、パターン化不連続要素も複数の強軸も有しない三角形または3軸ジオグリッド内の微細な骨材をブラシで払いのけるテストの結果を示す例である。
この例は、均一な空隙はパターン化不連続要素同様、捕捉しないことを開示する。
パターン化不連続要素が様々なサイズおよび形状の骨材および土壌を捕捉する。
ブラシ払いのけテストは、標準的均一ブラシを用いて行われる。
骨材は、ジオグリッド上に載置され、ジオグリッドはビン上に載置される。
テストは、ブラシが骨材全体を繰り返しスワイプすることによって進む。
一連のブラシ払いのけの後、残りの骨材が定量される。
一例では、テスト対象物上に載置された骨材は、同じ骨材であり、パスした値はビン内に配置された値である。
保持された値は、測定した骨材の合計値からビンの値を減算した値である。
そのため、ブラシ払いのけテストは、形状に対して、及び本明細書に開示する様々な性能向上が先行技術に対してどのくらい勝っているかに関して実験的視点を提供する。
【0047】
図3Aおよび
図3Bを参照する。
図3Aは、六角形状およびパターン化不連続要素を有する例示的力学的安定化済み水平ジオグリッドの、リブおよびノードを含む閉じ込めエレメントの例を示す。
図3Bは、不連続要素を有しない三角形または3軸ジオグリッドパターンの、リブおよびノードを含む閉じ込めエレメントの例を示す(先行技術)。
この例では、例示的六角形状は、閉じ込めエレメントの2倍の容量を提供する。
リブの増加は、圧密後の微粒子および基質を閉じ込める追加の表面領域を提供する。
この閉じ込めは、閉じ込めエレメントの容量によって実現するが、増加したアスペクト比によっても実現する。
この結果は、リブおよびノードに圧縮可能セルラー層を追加すること、および更にリブおよびノードの表面粗さを増加させることによって、さらに向上し得る。
さらに、圧密後の閉じ込めは、半径方向のローディングモーション、例えば輸送に対する抵抗を提供し、圧密を補助して、それにより骨材の移動に対する同心円様抵抗を提供する。
【0048】
図3Aおよび
図3Bに示すように、パターン化不連続要素を有しない3軸に沿った力ベクタは、特定のアパチャに基づいて骨材を捕捉し、強軸に亘る剛性も維持する。
本開示は、骨材の収集および圧密を向上させるために、3つの形状的特徴、即ち台形、三角形および六角形を含む様々なアパチャサイズを有する。
二面幅すなわち(「A/F」)次元をさらに開示する。A/Fはジオグリッド内の距離を示すために用いられる距離測定値である。
パターン化不連続要素に関して、A/F距離は外部六角形である。
パターン化不連続要素を有しない3軸に関して、A/F距離は、形成された六角形のみである。
図3Aは、内部六角形全体に亘って分散し、外部六角形に均一に放射し、そのためにこの例全体に亘って力を広げる力ベクタを表示する。
【0049】
図4Aおよび
図4Bを参照する。
図4Aは、不連続要素のパターンを含む三角形ジオグリッドの例示的力ベクタを示し、一体型ジオグリッド全体に延びて力をジオグリッド全体に広げ、そのために地盤工学環境内の輸送を向上させる複数の強軸を示す。
図4Bは、パターン化不連続要素を有さず、複数の強軸を欠いた三角形または3軸ジオグリッドの例示的力ベクタの図示を開示する。
例示的六角形構造は、強軸リブに沿った(本明細書では、複数の強軸に沿ったと表現する)多方向サポートを提供する。
パターン化不連続要素を有しない3軸は、例えば輸送からの力を消散させる構造を有するが、その数は少ない。
そのため、パターン化不連続要素を有する力学的安定化済み水平多層ジオグリッドの形状は、地盤工学環境内のジオグリッドの安定性および回復力をさらに高める複数の強軸を介した力の消散を可能にする。
【0050】
図5および
図6は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドおよびパターン化不連続要素を有しない三角形または3軸ジオグリッド由来の、様々なリブおよびノードに沿ったアスペクト比の一例を示す。
AからEで示すリブは、台形の内部を示しており、一例では、骨材および土壌を閉じ込めるベースである。
さらに
図6のチャートは、本開示および先行技術の形態に亘る、リブの高さアスペクト比を示している。
チャートはさらに、圧縮可能セルラー層の追加の利点を示している。
泡または特定の物質は、アスペクト比を増加させ、ポリプロピレンの使用を減少させる。
これにより、現行のジオグリッドより性能が良く、より環境に優しいジオグリッドが提供される。
【0051】
図5および
図6に示す本開示の実施形態では、ポリマー製外部は、圧縮可能セルラー材料のコア(圧縮可能セルラーコアとも呼ぶ)の上方または下方にある。
一局面では、圧縮可能セルラー材料は、CaCo
3により形成され得る。
他の局面では、圧縮可能セルラー材料は、圧縮可能セルラー層を形成する別の繊維材料またはエンジニアリングされた発泡剤であり得る。
圧縮可能セルラー材料の一例によると、ジオグリッドが載置されるサービス適用に依存するが、このような圧縮可能セルラー微粒子材料、例えば微粒子充填剤は、CaCO
3(炭酸カルシウム)、含水ケイ酸マグネシウム(タルク)、CaSiO
3(ワラストナイト)、硫酸カルシウム(ジプサム)、珪藻土、二酸化チタン、ナノ充填剤(例えば、ナノクレイ)、多壁カーボンナノチューブ、単一壁カーボンナノチューブ、天然または合成ファイバ、金属ファイバ、グラスファイバ、苦灰石、シリカ、マイカ、およびアルミニウム水和物のうちの1以上を含み得る。
発泡剤の例については、化学的発泡剤とポリマーとの混合物を押し出すことにより圧縮可能セルラー層が形成される。
押し出しプロセスからの熱は、ポリマーを溶融し発泡剤を分解する。
発泡剤は、気体から解放され、それにより圧縮可能セルラー層を形成する。
ポリプロピレンを取り入れて所望の効果をもたらすものであれば、いずれの発泡剤を用いてもよい。
一例では、Bergen InternationalTMにより形成および製造された製品が用いられ得る。
一例では、メルトフローレートインデックスASTM D1238-20が用いられ、別の例では、ASTM D4218-20が用いられる。
【0052】
図7は、単層と、共押し出しされた三角形または3軸ジオグリッドとを10,000輸送パスの時点で比較したチャートである。
この例は、材料を共押し出しすることによって一体型ジオグリッドを形成することの観察可能な利点を示す。
この例では、チャートは、先行技術の単層に対する共押し出しの潜在的利点を示している。
さらに、共押し出し構造体は、全体的な表面変形とリブのアスペクト比との関係に関する利点を示している。
チャートは、共押し出しジオグリッドが、高アスペクト比に頼ることなく、より低度の表面変形を得ることができることを示している。
この例ではテスト基準によると、サンプリングされたジオグリッド(
図3Aおよび
図3Bを参照のこと)の平坦次元に亘る66mmの長さは広範囲の骨材に亘って比較することが困難であるとなっている。
【0053】
図8は、単層と、共押し出しされた三角形または3軸ジオグリッドとを10,000輸送パスの時点で比較したチャートであり、必ずしもいつも共押し出しに利点があるわけではないこと、及び、材料の特性と形状との組み合わせが重要な役割を果たすことを示している。
この例では、80mmのより標準的なジオグリッド次元が平坦次元に亘っており(次元の例としては
図3Aおよび
図3Bを参照のこと)、結果は、共押し出しによる利点が少ないことを示している。
この例の結論は、両方の材料の特性(単層、共押し出し)および形状(60mm A/F、80mm A/F)に利点があるということである。
【0054】
図9は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッド、および不連続要素も複数の強軸も有しない3軸ジオグリッドの両方の形状について、10,000輸送パスの時点で減少したリターンを示すリブのアスペクト比を比較した例を示す。
この例では、三角形または3軸ジオグリッドの単層サンプル、パターン化不連続要素のサンプル、およびパターン化不連続要素を有しないサンプルが、リブのアスペクト比と表面変形とを示している。
この例では、パターン化不連続要素および強軸が、閉じ込めエレメントの増加、及び表面変形における結果の向上を可能にする。
図9に示す本開示の利点であって、パターン化不連続要素を有しないものに対する利点は、一体型ジャンクションを含み、「スノーシュー」効果をもたらす様々な骨材を閉じ込める3つの異なる形状およびサイズの組み合わせ、およびグリッド強度のための3つの方向での連続したリブを含む。
先行技術に対するこれらの利点は、閉じ込めエレメントに関する様々な次元特性、閉じ込めエレメントに関する様々な機械的特性、およびマクロレベルでの様々な機械的特性、例えば、マイナーな一体型ジャンクションおよびメジャーな一体型ジャンクションの組み合わせによる平面内または平面外のスティフネスを可能にする。
【0055】
図10は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドと不連続要素も3つの強軸も有しない3軸ジオグリッドとを比較した例であって、10,000輸送パスの時点でのリブのアスペクト比と表面変形との関係に対する形状の効果について比較した例を示す。
図10は、減少した表面変形の利点を形状の観点から示す。
この例では、両方のサンプルとも共押し出しされている。一方のサンプルは、強軸およびパターン化不連続要素の三角形または3軸形状を有し、他方のサンプルは、強軸およびパターン化不連続要素を欠いている。
本明細書に記載する強軸およびパターン化不連続要素形状は、六角形状とも呼ばれる。
その結果得られたチャートは、より低いリブのアスペクト比を有するより少ない表面変形を示し、パターン化不連続要素と共に強軸を有し、リブのより低いアスペクト比を有し、減少した表面変形を提供する。
【0056】
図11は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドの類似の形状の輸送性能の例を示すチャートである。
圧縮可能キャップセルラー層を有する実施形態および圧縮可能コアセルラー層を有する実施形態に対して行ったテストは、圧縮可能キャップセルラー層がより良い性能を有することを示している。
一局面では、強軸およびパターン化不連続要素を有する三角形または3軸形状は、共押し出しされており、ポリマー材料のコアを含み、圧縮可能セルラー層(
図11では圧縮可能キャップと呼ぶ)でさらに覆われている。
他の局面では、強軸およびパターン化不連続要素を有する三角形または3軸形状は、共押し出しされており、圧縮可能セルラー材料のコアを有し、ポリマー製シートまたは層(
図11では圧縮可能コアと呼ぶ)で覆われている。
この例では、圧縮可能セルラー層の追加によって、入れ子状態およびリブのアスペクト比が増加し、ポリマーの使用は減少する。
チャートは、圧縮可能キャップを有する局面の方が、圧縮可能コアを有する局面よりも表面変形が大きいことを示している。
結果は実験およびテストにより特定されたが、圧縮可能キャップは表面粗さを増加させ、それにより骨材および土壌の摩擦およびインタラクションを増加させたというものであった。
【0057】
図12は、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドにおける形状の表面変形に関して、圧縮可能キャップセルラー層を有する場合と圧縮可能コアセルラー層を有する場合とにおいて、圧縮可能層の位置およびリブのアスペクト比の効果の例を示すチャートである。
例示的チャートの結果は、圧縮可能セルラー層を有する実施形態は両方とも、リブのより低いアスペクト比を有し、従って必要とするポリマー材料は少なく、同様の性能を有するということを示している。
他方、高アスペクト比を有する圧縮不能の先行技術は、表面変形がほとんどなく、従って骨材および土壌の圧密およびロッキングを可能とせず、さらに、リブを高くするために、より多くのポリマー材料およびコストを必要とする。
【0058】
図13は、パターン化不連続要素および複数の強軸を追加し、崩壊可能キャップを追加した三角形または3軸ジオグリッドの最適化形状の利点であって、パターン化不連続要素を有しておらず高アスペクト比および圧縮不能キャップセルラー層を有する先行技術の三角形または3軸ジオグリッドに対する利点を示すチャートである。
この例では、圧縮不能単層ジオグリッドを、パターン化不連続要素および強軸を有する3軸ジオグリッドと比較することにより、その形状および圧縮可能セルラー層が提供する向上を示す。
この例では、圧縮不能単層は高アスペクト比(「HAR」)を有し、そのため、形状および圧縮可能セルラー層に対するテストに焦点が当てられる。
輸送結果は、高アスペクト比を有する単層に比べて、リブのアスペクト比および性能が大幅に低下したことを示している。
そのため、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドと圧縮可能セルラー層との組み合わせは、パターン化不連続要素を有しておらず高アスペクト比を有する三角形または3軸形状より性能が良い。
この結果は、リブのアスペクト比が低下するほど材料が節約され、性能が高まり、そのために
図13で概要を示す構造によって環境面およびコスト面での節約が実現されることを示している。
この結果はさらに、単層および多層のリブのアスペクト比は同様であることを示し、性能の向上は圧縮可能セルラー層に対するものであることを示している。
空隙はより長期間の輸送の間、骨材を捕捉し、構造体を保持する。
さらに、変形は比較的大きくなく、それにより、地盤工学環境を安定化させて、より長い輸送ライフサイクルを提供するための最適な骨材の閉じ込めと横方向の制約とが提供される。
【0059】
図14Aは、複数の強軸およびパターン化不連続要素ならびに圧縮可能セルラー層を有する三角形または3軸形状の向上の例を、先行技術の例と比較して示すチャートであり、圧縮テストで観察された性能向上をいくつかのジオグリッドに関して示す。
圧縮テストの一例を
図14Cに開示する。
圧縮テストは、テストしたジオグリッド上に力を付与し、その後十分に圧縮するための力の量を測定する、プローブなどの装置を採用する。
この例では、例示的一体型ジオグリッドの圧縮率およびリバウンド能力の両方をテストした。
チャートに見られるように、セルラー構造を有する、即ち共押し出しされた層、または圧縮可能コアおよび圧縮可能キャップを有する層は、セルラー構造を有する層を有しないサンプル、即ちポリマー材料のみの単層よりも実質的に性能が良い。
この例では、共押し出しされた例は、発泡体から構成された圧縮可能セルラー層を含む。
さらに、軟質発泡体および硬質発泡体の開示によって、様々な圧縮率が可能となり、地盤工学環境によって使用が決定される。
他の例では、圧縮可能セルラー層は、特定の充填剤により形成され得る。
【0060】
図14Bは、複数の強軸およびパターン化不連続要素を有する三角形または3軸形状の例について、125Nの力におけるmmでの圧縮率の例を、先行技術のジオグリッドの例と比較して示すチャートである。
ここでの結果は、集中した力をそれぞれの例に付与する装置によるものである。
一実施形態では、力は、ジオグリッドに集中した力を付与する大型ピン装置によるものである。
結果はその後、圧縮率の結果として測定される。
装置は、幅1.6mmの金属製プローブを採用し、125Nの力を付与することにより一体型ジオグリッドの標本を圧縮する。
図14Bに示すように、本開示によるセルラー構造を有する層、即ち圧縮可能キャップを有する層の一体型ジオグリッドの標本の圧縮率は、セルラー構造の層を有しない、即ち単層の標本の圧縮率より実質的に高い。
【0061】
図14Cは、
図14Aおよび
図14Bの圧縮テストを行いデータを引き出す例示的装置を示す。
この例では、サンプルのジオグリッドまたは標本にプローブを強制的に差し込む。
一局面では、テストは単位面積当たりの圧縮強度に関してASTM D695に準拠して行う。
結果は、永久降伏点、ゼロ勾配、応力-歪み曲線上で測定された圧縮降伏強度である。
最終的な圧縮強度は、標本を破断させるために必要な応力である。
ポリプロピレンなどの破断しない材料は、1%、5%または10%などの特定変形として報告されている結果を有し得る。
図14Cの例では、得られた力はジオグリッドを圧縮する。
圧縮量は
図14Aおよび
図14Bに開示するように測定し、表にする。
圧縮可能セルラー層内の圧縮率は、土壌および骨材の捕捉、並びに本明細書に記載する他の向上を提供する。
地盤工学環境内では、圧縮率は、より良好な横方向の制約を可能にし、土壌および骨材のさらなる圧密を可能にする。
【0062】
図15は、六角形状、即ち、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸形状、並びに圧縮可能セルラー層を有する多層ジオグリッドをテストしたときの、スティフネスおよび/または強度の名目上の損失を表す、本明細書の例示的実施形態を示すチャートおよび表である。
さらにテスト結果は、ポリマー材料の減少は、サンプリングされたジオグリッドのスティフネスを名目上変更するに過ぎないことを示している。
そのため、圧縮可能セルラー層を追加することにより、ポリマー材料によって提供される強度を犠牲にすることなく、骨材閉じ込めの利点、製造コストの低下、および環境面での利点が提供される。
さらに、本明細書に開示する、パターン化不連続要素および複数の強軸の幾何学的進歩は、一体型ジョイント、並びに骨材および土壌を捕捉する様々な形状を提供する。
【0063】
図16Aは、パターン化不連続要素も複数の強軸も有しないポリマー製三角形または3軸ジオグリッド(先行技術)の例を示す。
図16Bおよび
図16Cは、複数の強軸およびエンジニアリングされたパターン化不連続要素を有する三角形または3軸ジオグリッドの例を示す。
図16Bおよび
図16Cの例では、ポリマー材料は、圧縮可能セルラー層(本明細書では、圧縮可能セルラーコアまたは圧縮可能コアと呼ぶ)の上面および底面上に配置されている。
図16Cのチャートは、形状の差異を示す。
この例では、不連続要素を含む形状は、ジオグリッドの1平方メートル当たり、20%以下の配向されていないノードと56%以上の配向された引っ張りエレメントとを有する。
図10の形状テストの例に示すように、配向されていないノード、及びより配向された引っ張りエレメントは、輸送抵抗の増加、及びより良好な骨材閉じ込めに貢献する。
【0064】
引き続き
図16Aから
図16Cを参照する。
一局面では、サンプルデータによると、例示的六角形状(パターン化不連続要素を有する三角形または3軸形状とも呼ぶ)、または力学的安定化済み水平ジオグリッドは、骨材の圧密中にバスケットまたはスノーシューが形成されることを可能にする。このバスケットは、より大きい外部六角形および小さい内部六角形の独特の形状で形成される。
外部六角形は典型的には、より厚いアスペクト比を有するポリマーで形成され、内部六角形はより柔軟で、より薄いアスペクト比を有するポリマーで形成される。
このためこの例によると、バスケットまたはスノーシューは、リブの表面積を増加させ(圧縮可能セルラー層を介して)、さらに骨材との接触量を増加させる(圧縮可能セルラー層を介して表面粗さおよび接触を増加させる)。
【0065】
さらなる局面では、外部六角形(
図4Aを参照のこと)上のノードは、複数の強軸で安定を提供し、より柔軟な内部六角形で入れ子状態および圧密が起こることを可能にする。
この例で言うノードとは、リブが交差する点であり、一例では高アスペクト比を有する。
外部六角形のノードは、拡大されてスティフネスを付与する。例示的内部六角形のノードは減少し、それにより、柔軟性が骨材を捕捉して骨材内で落ち着くことを可能にする(
図4Aを参照のこと)。
力および機能は様々に働く。
第1に、一体型ノードが剛性とスティフネスとを可能にする。
第2に、パターン化不連続要素から形成された様々な形状が、様々な骨材および土壌の捕捉、並びに横方向移動の減少を可能にする。
他の利点、例えば、単層に対する共押し出しの利点、および圧縮可能セルラー層を追加することの利点などは、骨材の捕捉および圧密をさらに向上させ、その結果、土壌保持が向上する。
図7から
図13に示すように、パターン化不連続要素および複数の強軸は、圧縮可能セルラー層およびリブの高アスペクト比と組み合わされて、先行技術を超える向上を提供し、テストおよび検証の結果を提供する。
【0066】
図17A(先行技術)は、パターン化不連続要素も圧縮可能セルラー層も有しないポリマー製3軸ジオグリッドの例を示す。
対照的に
図17Bおよび
図17Cは、力学的安定化水平多層ジオグリッド(パターン化不連続要素および複数の強軸を有する三角形または3軸ジオグリッドとも呼ぶ)の例を示す。
この例では、ポリマー材料は、圧縮可能セルラー層の上面および底面上にある。
さらに、六角形のノード内の高アスペクト比は、ジオグリッドに対する横方向の制約を増加させる。
これは
図17Cにおいて、より明確に示す。
図17Cは、ノードのアスペクト比からリブのアスペクト比までの矢印を示す。
一実施形態では、リブのアスペクト比は、ノードのアスペクト比より低い。
他の実施形態では、リブのアスペクト比およびノードのアスペクト比は、同様の高さである。
さらなる実施形態では、エンジニアリングされたパターン化不連続要素により形成された六角形状内の六角形は、凹状ボウルまたは凹状領域を提供する。
図17Cの例では、より高いアスペクト比を有する外部六角形のノード(より大きく、より強いノード)とより低いアスペクト比を有する内部六角形のノード(柔軟性が高い)とによって、強軸を有する独自のパターンが規定されている。
これにより、骨材が閉じ込められて適切な位置にロックされ得るカップまたはボウルが形成される。
この局面では、閉じ込めは増加し、様々な基質での適用が可能となる、他方、ポリマーの上層および底層を介して剛性も維持される。
このような実施形態では、骨材は、パターン内の空隙領域により、入れ子状態になる。
さらなる実施形態では、ドーム形状が可能となり、それにより、内部六角形は、圧縮可能セルラー層を介して、追加の高さを受け取る。
このような実施形態は、共押し出しプロセスを介して構築され得、六角形ジオグリッドのポリマー製骨格または構造により、横方向の制約および剛性の増加を可能とし得る。
【0067】
図17Dは、圧縮可能キャップを有する更なる実施形態を示す。
圧縮可能セルラー層は、ポリマー製ジオグリッドまたは、複数の強軸およびパターン化不連続要素を有する力学的安定化済み水平ジオグリッドの上面および底面上にある。
図17Cの圧縮可能コア同様、
図17Dでも、圧縮可能キャップは、より少ないポリマー材料を用いてより高いアスペクト比を提供する。
いくつかの実施形態では、圧縮可能キャップの実施形態は性能が良い。
なぜなら、表面粗さが圧縮可能セルラー層内にあり、より粗い表面領域を形成するため又は表面積を増加させるために更なる添加剤または製造プロセスを必要としないからである。
同様に、圧縮可能キャップセルラー層は、開いたセルラー層でも閉じたセルラー層でもよく、この例は閉じたセルのエンジニアリングされた発泡体である。
閉じたセルは、エアポケットが捕捉すること、並びに横方向の力および輸送からの安定化をさらに提供することを可能にする。
【0068】
図18Aおよび
図18Bは、力学的安定化水平多層ジオグリッドに亘って水平に移動する骨材荷重の例を示す。
この例において、
図18Aは、圧縮可能セルラー層を有するジオグリッドの「浮遊リブ」またはリブの例を開示する。
これは、より高いアスペクト比を提供し、骨材が、形状およびアスペクト比の親水性性質により横方向に制約されるようにする。
さらに、土壌または骨材内の毛細管力が引き付けを可能にし、それにより、いくつかの実施形態の親水性性質が、粒子の引き付け及び保持を可能にする。
この例において
図18Aは、骨材および土壌が、力学的安定化水平多層ジオグリッド内で、浮遊六角形リブまたは六角形状のリブに対する水平方向力により移動し、それにより横方向の制約を増加させることを開示する。
【0069】
図18Bの例では、圧縮可能セルラー層の無いポリマー製ジオグリッドを開示する。
ポリマー製ジオグリッドは、圧縮可能セルラー層が有する浮揚または浮遊局面を欠く。
図18Aの閉じたセルの圧縮可能セルラー層は、セル内に空気を捕捉し、疎水性応答を提供し、それにより浮遊を可能にする。
これと比較して、非浮遊リブは、空気分子を欠き、土壌および骨材の水平荷重がより小さい抵抗で移動することを可能にする。
【0070】
図19Aから
図19Cは、エンジニアリングされたパターン化不連続要素および複数の強軸と共に圧縮可能セルラー層のコアを有する力学的安定化水平多層ジオグリッドの圧縮の例を示す。
この例は、本明細書では、圧縮コアと呼ぶ。他の例では、同じ原理が圧縮キャップに適用される。
この例では、圧縮セルラー層内に見られる空隙または孔または開口部が、骨材閉じ込め用のポケットを提供し、横方向の制約および圧縮抵抗を提供する。
この例において、
図19Aは、圧縮可能セルラー層の上面および底面上のポリマー材料を示す。
圧縮は起こっていない、及び/又は輸送がコアセルラー層を圧縮していない。
【0071】
この例では、ポリマー材料は剛性およびスティフネスを提供し、圧縮可能セルラーコア層は、本明細書に記載する様々な利点の中でも、より高いアスペクト比を可能にし、ポリマー材料の需要の減少を可能にする。
図19Bでは、輸送または他の力からの荷重が増えるにつれて、システムの圧縮が骨材および土壌をロックするか又は圧縮し、それにより、地盤工学環境を安定化させ、さらに横方向の制約および圧密特性を提供する。
骨材の質の低い領域、または土壌の条件が悪い領域では、拡大する圧縮可能セルラー層は、マイクロおよびマクロの粒子をロックし安定化させることを補助する。
図19Cでは、システムは、空隙が圧縮され密度が高まるときに、輸送または他の力が働いている状態で降伏または圧縮を停止する。
その結果、システムに対してなされる作用は、ローディングまたは輸送が起こっているときに、骨材をロックして更なる安定化をもたらすメカニズムを提供する。
【0072】
図20は、力学的安定化水平多層ジオグリッドの圧縮可能セルラー層内の空隙の例を示す。
材料の粗さを変更し硬化剤で空隙を充填するために、炭酸カルシウムCaCo
3またはフライアッシュなどの添加剤を追加し得る。
この例では、硬化剤は、圧縮可能セルラー層が更なる剛性を有することを可能にする粒子由来であり得る。
いくつかの実施形態ではその際に、圧縮可能セルラー層の剛性が増加するにつれて、圧縮率が減少する。
そのため、破壊前の輸送サイクルの量が増加する。
【0073】
図21Aおよび
図21Bは、パターン化不連続要素および複数の強軸を有する力学的安定化水平多層ジオグリッド内の、添加剤を有する圧縮可能セルラー層の向上した画像の例を示す。
図21Aの例では、添加剤はポリプロピレンの2倍の表面エネルギーを有するものとして示している。
図21Bでは、添加剤は、ポリプロピレンに等しい表面エネルギーを有している。
添加剤は粗さを可能にし且つ提供し、それによりセルラー層および/またはポリマー材料の表面積を増加させ、さらにセルラー層および/またはポリマー材料が地盤工学環境との摩擦を増やす能力を増加させる。
地盤工学環境とは、ジオグリッド、土壌および骨材を有する環境などである。
【0074】
一例では、圧縮可能セルラー層の表面に珪藻土(DE)を追加する。
表面粗さは増加し、重量はほとんど増加しない。
さらにDEは、環境内の水または水分を吸収もし(DEは物理吸着特性を有する)、それにより土壌および骨材内の毛細管力を作用させ、且つ、疎水性性質を有するポリマー材料からの反発を阻止する。
別の例では、DEは、圧縮可能セルラー層用の充填剤としても用い得る。
粗さ、多孔性および吸水性などの特性が骨材の安定化に有利な特性を提供する。
さらなる局面では、DEは重金属(例えば、AL、Ba、Cd、Cr、Cu、Fe、Pb、Mn、NiおよびZn)をも吸収し、そのため、舗装道路下などの地盤工学プロジェクトであって、排出濃度が環境を害し得る地盤工学プロジェクトに適用されたときに、環境保護上の利点を提供する。
【0075】
他の局面では、ポリ乳酸(PLA)が用いられ得る。これは土壌環境内で、即ち水分または水含有率により時間をかけてゆっくりと溶解する。
これにより骨材が落ち着いて適合し、さらに入れ子状態になる。
一局面では、PLAは、セルラー層の表面上の不規則な形成物内で溶解し、それにより表面粗さおよび表面エネルギーが増加し、さらに表面積および摩擦が増加する。
別の局面では、PLAがポリマー材料の表面に追加される。
これにより、表面粗さが増加し、周りの地盤工学環境との接触摩擦が増加する。
【0076】
図22は、エンジニアリングされたパターン化不連続要素を有する力学的安定化水平多層ジオグリッド内の、添加剤を有する圧縮可能セルラー層の向上した画像の更なる例を示す。
一局面では、改質粒子または添加剤が表面粗さの増加を可能にし、そのため、表面積および表面と基質との接触を増加させる。
添加剤の例は、CaCO
3(炭酸カルシウム)、含水ケイ酸マグネシウム(タルク)、CaSiO
3(ワラストナイト)、硫酸カルシウム(ジプサム)、珪藻土、二酸化チタン、ナノ充填剤(例えば、ナノクレイ)、多壁カーボンナノチューブ、単一壁カーボンナノチューブ、天然または合成ファイバ、金属ファイバ、グラスファイバ、苦灰石、シリカ、マイカ、およびアルミニウム水和物を含み得る。
【0077】
図22では、空隙を強調し、改質粒子または添加剤を、セルラー層の空隙内で連結した又は埋め込まれたものとして示す。
いくつかの局面では、セルラー層の多孔性は、親水性性質と共に土壌の密着性および安定化を高める。
他の局面では、多孔性を有し添加剤と共に空隙を含むセルラー層を含む発泡剤が開示される。
添加剤は、粗さを増加させ、セルラー層内の圧縮率を減少させ、硬化剤として作用する。
他の実施形態では、添加剤は、セルラー層の外部にあり、硬化剤を形成しないが、粗さを増加させるには貢献している。
地盤工学環境には様々が局面があり、当業者であれば本開示を介して、セルラー層に添加剤または他の材料を用いることにより本開示が先行技術に対して有する利点を理解する。
【0078】
図23Aおよび
図23Bは、力学的安定化済み水平ジオグリッドのリブの断面の向上した画像の例であって、圧縮可能セルラー層を有する例(
図23A)とポリマー構造体を有する例(
図23B)とを、延伸された形態および圧縮された形態の両方で示す。
図23Aおよび
図23Bでは、力学的安定化済み水平多層ジオグリッドの例が、製造された状態および荷重下の状態(輸送テストで見られるような)で示されている。
製造された状態のセルラー層の空隙が示され、数量は発泡剤またはセルラー層を形成するのに用いた材料に依存する。
一局面ではCaCO
3を用いる。
荷重下では、力学的安定化済み水平ジオグリッドは骨材を圧縮しロックする。
この例では、高さ局面が2.4mmから1.5mmに圧縮される。
これは、0.9mmの圧縮を示し、さらに横方向の制約および骨材の安定化を提供する。
【0079】
図24Aおよび
図24Bは、ポリマー表面(
図24B)と圧縮可能セルラー層表面(
図24A)とを微細レベルで比較した例を示し、圧縮可能セルラー層から増加した粗さを示す。
圧縮可能セルラー層の表面粗さに対する微細レベルの評価の例が示されており、上記したように、骨材および土壌との接触面積が増加している。
このようなインタラクションは、微粒子を含み、土壌および骨材のシフトに対する摩擦および横方向の制約を提供する。
横方向の制約は、主要な測定項目であり、しばしば輸送の結果起こる。
ジオグリッドに圧縮可能セルラー層を追加することにより、表面粗さ、および表面積の増大が土壌の制約に関して驚くべき結果を示し、圧密が起こる。
【0080】
さらに
図24Aおよび
図24Bでは、圧縮可能セルラー層(
図24A)は、平滑な表面仕上げを有するポリマー材料(
図24B)に対して明確な利点を提供する。
これにより、圧縮率、親水性性質、および増加した表面粗さ/表面積が提供される。
一局面では、ポリマー材料は、抵抗を欠く条痕あるいは長い溝またはチャネルを形成し得、圧密および破壊を増加させ得る。
別の局面では、圧縮可能セルラー層は、不規則パターンを形成する表面を有し得、表面に亘る移動ジオグリッドの摩擦および制約を提供し得る。
さらに別の局面では、圧縮可能セルラー層は、アスペクト比を増加させ得、それにより、親水性性質および添加剤とのインタラクションを増加させることが可能になる。
【0081】
図25Aおよび
図25Bは、パターン化不連続要素および圧縮可能セルラー層からの高表面エネルギーを有する三角形または3軸形状ジオグリッドに対する接触角測定および表面エネルギー測定の例と、伝統的なポリマージオグリッドの低表面エネルギーを有するものに対する接触角測定および表面エネルギー測定の例とを比較して示す。
一局面では、ポリマー材料および疎水性性質は低い表面エネルギーを生成し、それにより土壌の密着性を減少させる。
土壌の密着性は、水と土壌表面(例えば、ポリプロピレンのようなポリマー材料)との引き付けを担う力である。
密着性は、水が材料に「粘着する」ことを可能にする。
さらに、水は、表面張力の特性を示す。
なぜなら、水分子は、空気よりも他の水分子により引き付けられるからである。
水の表面は、膜または層のように振る舞い、互いに密着する。
【0082】
図25Aおよび
図25Bの例では、圧縮可能セルラー層の表面エネルギーに特徴づけられる高表面エネルギーが、土壌の密着を可能にし、そのため、土壌を引き付ける。
さらにいくつかの局面では、圧縮可能セルラー層が、CaCO
3などの親水性材料により構成され、それにより密着および表面張力の両方を示す。
これにより土壌および骨材粒子が引き付けられ、安定化が高まる。
例えばポリマー材料、ガラス、ステンレス鋼などに見られる高い接触角は、低表面エネルギーおよび粘着防止性という結果をもたらす。
他方、本明細書の開示の利点は、力学的安定化済み水平ジオグリッドの圧縮可能セルラー層が低い接触角および高い表面エネルギーを有し得、低い剥離性を表し、土壌とセルラー層とを密着させることを示す。
【0083】
図26は、様々な実施形態および標本の変位を測定するため、特に圧縮可能セルラー層内での硬質発泡体と軟質発泡体との差異をテストするために用いられるプレート荷重テストリグ(「PLTR」)の例を示す。
PLTRテストでは、ジオグリッド標本を4インチの骨材層と発泡体層との間に層状に挟み、スチールプレートを発泡体層の下に配置する。
ジオグリッド実施形態または標本の圧縮率を決定するために、骨材/一体型ジオグリッド/発泡体の積層体に1000ポンドの力を10サイクル付与する。
その後、ジオグリッド実施形態または標本を装置から除去し、リブの圧縮率および表面ダメージを調べる。
図26に示すPLTR装置を用いたテストから、所与の発泡体が生成する様々な特性と共に、様々なジオグリッド標本の平均変位を決定することができる。
II.実施形態
【0084】
本開示に一致するシステムおよび方法のいくつかの実施形態は以下のように提供される。
【0085】
実施形態1.地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムであって、地盤工学環境と、実質的に平面状のジオグリッドであって、複数の強軸リブおよびノードと、基質の圧密を向上させ、平面外スティフネスを増加させるエンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体と、ジオグリッドのアスペクト比を上昇させる圧縮可能セルラー層とを含むジオグリッドと、を含むジオグリッドシステム。
【0086】
実施形態2.前記複数の強軸リブは、三角形または3軸形状である、実施形態1に記載のジオグリッドシステム。
【0087】
実施形態3.前記複数の強軸リブは、矩形状である、実施形態1に記載のジオグリッドシステム。
【0088】
実施形態4.前記エンジニアリングされた不連続要素の前記パターン化構造体は、六角形パターンを形成する、実施形態1に記載のジオグリッドシステム。
【0089】
実施形態5.前記六角形構造体は、内部六角形と外部六角形構造体とを含む入れ子状六角形を含む、実施形態4に記載のジオグリッドシステム。
【0090】
実施形態6.前記入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有し、前記ノードは、前記リブに比べて高いアスペクト比を有する、実施形態5に記載のジオグリッドシステム。
【0091】
実施形態7.前記複数の強軸リブは、1.0より高いアスペクト比を有する、実施形態1に記載のジオグリッドシステム。
【0092】
実施形態8.前記複数の強軸リブは、多層構造体を有する、実施形態1に記載のジオグリッドシステム。
【0093】
実施形態9.前記多層構造体は、ポリマー材料のコアと、前記ポリマー材料のコアに形成された少なくとも1つの圧縮可能セルラー層とを含む、実施形態8に記載のジオグリッドシステム。
【0094】
実施形態10.前記多層構造体は、圧縮可能セルラー層を含むコアを含み、さらに前記コアの上面および/または底面上にポリマー材料の層を含む、実施形態8に記載のジオグリッドシステム。
【0095】
実施形態11.前記多層構造体は、共押し出しされている、実施形態8に記載のジオグリッドシステム。
【0096】
実施形態12.地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムであって、地盤工学環境と、力学的安定化水平多層ジオグリッドであって、リブとノードとを有し、パターン化不連続要素と複数の強軸リブとを含む、ジオグリッドと、ポリマー材料を含むコアと、前記コアの上面および/または底面上の圧縮可能セルラー層とを含むジオグリッドと、を含むジオグリッドシステム。
【0097】
実施形態13.前記ポリマー材料の前記コアは、中実且つ剛性である、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0098】
実施形態14.前記圧縮可能セルラー層は、前記ポリマー材料の必要量を低下させる、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0099】
実施形態15.前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体で構成されることにより、基質の圧密を向上させ、平面外システムのスティフネスを上昇させる、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0100】
実施形態16.前記エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体は、六角形パターンを形成する、実施形態15に記載のジオグリッドシステム。
【0101】
実施形態17.前記六角形パターンは、内部六角形と外部六角形パターンとを含む入れ子状六角形を含む、実施形態16に記載のジオグリッドシステム。
【0102】
実施形態18.前記入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有する、実施形態17に記載のジオグリッドシステム。
【0103】
実施形態19.前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、異なる材料の層から形成され、共押し出しされている、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0104】
実施形態20.前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、3以上の層により形成されている、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0105】
実施形態21.前記圧縮可能セルラー層は、交差するリブにおいて、前記ジオグリッドのアスペクト比を上昇させる、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0106】
実施形態22.前記地盤工事環境内の圧密の増加を可能にする前記圧縮可能セルラー層により提供された粒子安定化の向上をさらに含む、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0107】
実施形態23.前記圧縮可能セルラー層は、前記ジオグリッドと前記地盤工学基質とのインタラクションを増加させることによりコンテンツを捕捉することにより骨材または土壌の横方向の流れを妨げるように構成される、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0108】
実施形態24.前記圧縮可能セルラー層は、空隙含有領域で構成されており、表面積が増加することにより内部の土壌の保持の増加が可能になる、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0109】
実施形態25.前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの3軸および/または三角形状により構成される、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0110】
実施形態26.前記ジオグリッドは、強軸リブの矩形状により構成される、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0111】
実施形態27.前記圧縮可能セルラー層は、微粒子材料を含む、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0112】
実施形態28.前記微粒子材料は、炭酸カルシウムである、実施形態27に記載のジオグリッドシステム。
【0113】
実施形態29.前記圧縮可能セルラー層は、エンジニアリングされた発泡剤を含む、実施形態12に記載のジオグリッドシステム。
【0114】
実施形態30.地盤工学環境内の基質のインタラクションを向上させるジオグリッドシステムであって、地盤工学環境と、力学的安定化水平多層ジオグリッドであって、前記力学的安定化水平多層ジオグリッドのアスペクト比を上昇させる圧縮可能セルラー層を含むコアと、ポリマー材料の層を含む、前記コアの上面および底面とを含むジオグリッドと、を含むジオグリッドシステム。
【0115】
実施形態31.前記ポリマー材料の前記層は、中実且つ剛性である、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0116】
実施形態32.前記圧縮可能セルラー層は、前記ポリマー材料の必要量を減少させる、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0117】
実施形態33.前記ジオグリッドは、エンジニアリングされた不連続要素のパターン化構造体で構成されることにより、基質の圧密を向上させ、平面外システムのスティフネスを増加させる、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0118】
実施形態34.前記不連続要素は、六角形パターンを形成する、実施形態33に記載のジオグリッドシステム。
【0119】
実施形態35.前記六角形パターンは、内部六角形と外部六角形構造体とを含む入れ子状六角形を含む、実施形態34に記載のジオグリッドシステム。
【0120】
実施形態36.前記入れ子状六角形の交差するリブは、様々なアスペクト比を有する、実施形態35に記載のジオグリッドシステム。
【0121】
実施形態37.前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、異なる材料の層から形成され、共押し出しされている、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0122】
実施形態38.前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、3以上の層により形成されている、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0123】
実施形態39.前記圧縮可能セルラー層は、交差するリブにおいて、前記ジオグリッドのアスペクト比を増加させる、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0124】
実施形態40.前記地盤工事環境内の圧密の増加を可能にする前記圧縮可能セルラー層により提供された粒子安定化の向上をさらに含む、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0125】
実施形態41.前記圧縮可能セルラー層は、前記力学的安定化水平ジオグリッドと前記地盤工学環境とのインタラクションを増加させることによりコンテンツを捕捉することにより骨材または土壌の横方向の流れを制約するように構成される、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0126】
実施形態42.前記圧縮可能セルラー層は、空隙含有領域で構成されており、表面積が増加することにより内部の土壌の保持の増加が可能になる、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0127】
実施形態43.前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの三角形状により構成される、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0128】
実施形態44.前記力学的安定化水平多層ジオグリッドは、強軸リブの矩形状により構成される、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0129】
実施形態45.前記圧縮可能セルラー層は、微粒子材料を含む、実施形態30に記載のジオグリッドシステム。
【0130】
実施形態46.前記微粒子材料は、炭酸カルシウムである、実施形態45に記載のジオグリッドシステム。
【0131】
実施形態47.少なくとも1つの圧縮可能セルラー層が、エンジニアリングされた発泡剤を含む、実施形態38に記載のジオグリッドシステム。
【0132】
実施形態48.力学的安定化水平多層ジオグリッドにより地盤工学環境を向上させる方法であって、複数の強軸、パターン化不連続要素、およびアスペクト比が上昇した圧縮可能セルラー層を有するジオグリッドを地盤工学環境に適用して、前記ジオグリッドを骨材および土壌内に載置することと、前記地盤工学環境内の前記骨材および前記土壌の横方向移動を減少させることと、前記ジオグリッドによって、前記地盤工学環境に亘る輸送の寿命サイクルを延ばすこととを含む方法。
【0133】
実施形態49.前記圧縮可能セルラー層によってインタラクトすることをさらに含み、前記インタラクトは、前記ジオグリッドのリブのアスペクト比の増加によるマクロインタラクションである、実施形態48に記載の方法。
【0134】
実施形態50.前記圧縮可能セルラー層によってインタラクトすることをさらに含み、前記インタラクトは、骨材粒子を入れ子状にすることを可能にする多層構築物によるマイクロインタラクションである、実施形態48に記載の方法。
【0135】
実施形態51.前記寿命サイクルを伸ばすこととは、同等の単軸荷重(ESAL)標準に従って輸送の寿命サイクルを伸ばす、実施形態48に記載の方法。
【0136】
本明細書および添付の請求の範囲の目的のために、特に断りのない限り、本明細書および請求の範囲で用いる、量、サイズ、次元、割合、形状、形態、パラメータ、パーセンテージ、量、特性、およびその他の数値を表すあらゆる数は、あらゆる場合において、たとえ値、量または範囲に用語「約」が明示的に用いられていなくとも、用語「約」で修飾されるものと理解されたい。
従って、逆の断りがない限り、以下の明細書および添付の請求の範囲に記載の数値パラメータは、厳密にその数値である必要はなく、誤差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、または当業者に公知のその他の要因を反映して、凡その値であってもよいし、及び/又は所望に応じてその数値より大きい値であってもよいし小さい値であってもよい。
これは本明細書に開示する主題により得ようとする所望の特性に依存する。
例えば、ある値に対して用語「約」を用いた場合、特定された量に対して、いくつかの実施形態では±100%の範囲、いくつかの実施形態では±50%、いくつかの実施形態では±20%、いくつかの実施形態では±10%、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、いくつかの実施形態では±0.1%の範囲を含むことが意図され得る。
このような範囲は、本明細書に開示する方法を実行する、または本明細書に開示する組成を採用するのに適している。
【0137】
さらに、用語「約」は、1以上の数値または数値範囲と共に用いられた場合、その範囲内のすべての数を含むすべてのこのような値を指し、記載された数値の上下の境界を延ばすことによって範囲が変更されると理解されたい。
終点により数値範囲を記す場合、それは、その範囲内に含まれるあらゆる数値、例えば、整数およびその一部(例えば、「1から5」という場合、その範囲は、1、2、3、4および5、さらにそれらの一部、例えば、1.5、2.25、3.75、4.1など)並びにその範囲内のいずれの範囲をも含む。
【0138】
明確に理解されることを目的として、上記の主題を図示および実施例によって、ある程度詳細に述べてきたが、当業者であれば、請求の範囲内で変更および改変が可能であることを理解する。
【国際調査報告】