(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】頭痛の治療に使用するための神経毒素組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 38/16 20060101AFI20240213BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20240213BHJP
A61K 35/742 20150101ALI20240213BHJP
【FI】
A61K38/16
A61P25/06
A61K35/742
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552057
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 US2022018018
(87)【国際公開番号】W WO2022183064
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522077797
【氏名又は名称】イーオン バイオファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】スタッグ、アデルバート エル
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス、グレゴリー エフ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーメンフェルト、アンドリュー エム
【テーマコード(参考)】
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA44
4C084CA04
4C084DA33
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA081
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC68
4C087CA16
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA08
(57)【要約】
本明細書には、片頭痛、例えば、反復性又は慢性片頭痛の治療に使用するための組成物及び方法が開示され、これは、既知の方法に比べ減少された副作用及び相当の又は改善された効力を備えた方法を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)前頭筋領域、皺眉筋領域、咬筋領域、鼻筋領域、眼輪筋(oculi)領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び僧帽筋領域から選択される筋領域の少なくとも5つにクロストリジウム神経毒素を投与すること、及び、
b)これにより、前記片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記クロストリジウム神経毒素は、前記前頭筋領域、前記皺眉筋領域、前記咬筋領域、前記鼻筋領域、前記後頭筋領域、前記側頭筋領域、前記僧帽筋領域、及び前記眼輪筋(oculi)領域から選択される筋領域の5つから8つに投与される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の2部位に部位毎に約3-10ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面の2部位に部位毎に5-15ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約7-15ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約3-15ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で前頭筋に投与すること、
これにより、前記片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【請求項4】
片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の2部位に部位毎に約3-10ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面の2部位に部位毎に5-15ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約7-15ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約3-15ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で前頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約1-5ユニットの用量で鼻筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で咬筋に投与すること、
これにより、慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【請求項5】
前記片頭痛は反復性片頭痛又は慢性片頭痛である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記片頭痛は反復性片頭痛である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記片頭痛は慢性片頭痛である、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記クロストリジウム神経毒素はボツリヌス神経毒素を含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ボツリヌス神経毒素はA型ボツリヌス毒素を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ボツリヌス神経毒素は、B、C、D、E、又はF型ボツリヌス毒素を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記クロストリジウム神経毒素の総投与量は約145-200ユニットである、
請求項3又は4に記載の方法。
【請求項12】
前記クロストリジウム神経毒素の総投与量は約195ユニットである、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記クロストリジウム神経毒素の総投与量は約150ユニットである、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記投与は注射を含む、
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記注射は表層注射を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記表層注射は、針のベベルのみが皮膚を貫通する注射を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記注射は、皮膚表面に対して45度の角度で行われる注射を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記注射は、皮膚表面に対して90度の角度で行われる注射を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前頭筋への前記注射は、
瞳孔中心線を決定すること、
ヘアラインへと垂直に視覚的に上に移動すること、及び、
30から45度の角度で皮膚に穿刺すること、
を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項20】
皺眉筋への前記注射は、
皺眉筋の収縮により引き起こされる縦皺を生じさせるために、目をきつく閉じるよう患者に頼むこと、
皺眉筋を特定し、当該筋肉を固定すること、及び、
眉の内側縁から上に延びる前記縦皺に対して90度の角度で、且つ、皺眉筋に平行に皮膚に穿刺すること、
を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項21】
眼輪筋(oculi)への前記注射は、
眼輪筋の領域において小静脈を特定すること、
あざを最小限にするために静脈を避けながら、眼から離れて眼窩の骨稜上に内眼角贅皮(epicanthus)又は内眼角贅皮線(epicanthal line)から1指幅分で表層注射を行うこと、
を含み、
皮膚の下に針のベベルのみが挿入される、
請求項14に記載の方法。
【請求項22】
側頭筋の前記注射は、
1回目の注射を耳珠と列をなして耳の頂点より上に1指幅又は2指幅分で行うこと、
2回目の注射を前記1回目の注射から垂直上方に1又は1.5指幅分で行うこと、及び、
3回目の注射を前記2回目の注射から前側に1指幅分で行うこと、
を含み、
3回の注射の全てがヘアライン内で行われる、
請求項14に記載の方法。
【請求項23】
後頭筋の前記注射は、
イニオン、乳様突起、及び項部上縁の目印を特定すること、
1回目の注射がこれら3つの目印の中央で行われ、その後、2回目の注射がより内側で行われ、その後、3回目の注射が項部上縁に沿ってより外側で行われるように、注射を項部上縁の直ぐ上で行うこと、
を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項24】
上部僧帽筋の前記注射は、
頭蓋底を特定すること、
大槽の直ぐ上且つ後頭隆起の下で、前記頭蓋底から内側下方に注射すること、
を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項25】
下部僧帽筋の前記注射は、
ネックレスラインを見つけること、
正中線から離れて注射しつつ、当該筋肉を特定しながら、内側の前記ネックレスラインに対して外側に2指幅分で注射すること、
を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記鼻筋の注射は、
前記鼻筋を特定するために患者に鼻と眼を『顰める』ように指示すること、
最小の深さで皮膚に対して90度の角度で眼から離れて骨に平行に当該筋肉に注射すること、
を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項27】
前記咬筋の注射は、
頬骨筋を避けるために耳珠と口角との間の線を可視化すること、
前記線の中点を決定すること、
下顎角まで視覚的に線を下に引くこと、
患者に歯をくいしばるよう指示すること、
咬筋を触知すること、
前記患者が引き締めた筋肉を維持する際中に90度の角度にある耳下腺を避けて、皮膚に対して直角に前記筋肉内へと注射すること、及び、
前記患者が力を抜いた際に、顎下腺を避けるため下顎の輪郭より上に1から2指幅分で、前記毒素を注射すること、
を含む、
請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、頭痛、例えば、反復性及び慢性片頭痛を含む片頭痛を治療するための神経毒素組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
片頭痛は、一般的な成人人口で百万人もが罹患する身体障害性頭痛障害であり、米国で最も一般的な種類の原発性慢性連日性頭痛と考えられている。世界保健機構によるGlobal Burden of Disease Study(2013年更新)によれば、片頭痛は障害により失われた年数について世界全体で6番目に高い原因であることが判明した。片頭痛の発作は経時的に頻度が増加し得る。専門家によればこの遷移過程は4つの別個の状態に分類される。
・片頭痛なし
・低頻度の反復性片頭痛(Episodic 片頭痛、EM)(月毎に10頭痛日未満(月毎に10片頭痛日未満を含む))
・高頻度の反復性片頭痛(月毎に10-14頭痛日(月毎に15片頭痛日未満を含む))
・慢性片頭痛(Chronic 片頭痛、CM)(月毎に15頭痛日以上(月毎に8片頭痛日以上を含む)、これは慢性片頭痛の人がたいていの場合は片頭痛又は頭痛を抱えていることを意味する)
【0003】
国際頭痛学会によれば、CMは、3ヶ月超にわたり月毎に15日以上生じる頭痛であって、月毎に少なくとも8日は片頭痛の特徴を有する頭痛と定義される。CMは人口の凡そ1%で生じる。研究によれば、毎年、反復性片頭痛の人の約2.5%が慢性片頭痛に移行すると推定される。CMは、苦痛、身体障害、及び、薬物乱用と関連付けられる。CM患者の三分の一のみが頭痛予防薬物を使用する。
【0004】
現在、Onabotulinumtoxin A(BOTOX(登録商標))がCMについての唯一のFDA承認ボツリヌス毒素予防治療法である。しかし、この治療法は、治療セッション毎に、多数の注射(30回超)及び比較的大用量(150ユニット超)の神経毒素を伴う。こうした大投与量は、大きい投与量及び/又は注射量により免疫応答が誘発されることが多いことから、経時的に患者が神経毒素への免疫反応を発達させる原因となる。さらに、ある種の患者は、このFDA承認治療法の結果として、筋力低下、例えば、下垂症(眼瞼下垂)又は頸部筋力低下を含む副作用を経験する。
【0005】
片頭痛及び頭痛の痛みについての重要な経路は髄膜血管から入力される三叉神経血管である。これらの神経は、三叉神経節と、三叉神経頸髄複合体における二次ニューロン上のシナプスとを通り抜け、これらは、次に、三叉神経視床路を介して投射し、脳幹でX字形に交差した後に、視床のニューロンとシナプスを形成する。三叉神経頸髄複合体への疼痛刺激の妨害が片頭痛による頭痛を軽減する手段の一つであり、A型ボツリヌス菌毒素が当該複合体への末梢神経疼痛刺激を妨害し得る薬理学的活性を有する。
【0006】
片頭痛の治療のためにボツリヌス毒素を用いてきた十年以上の臨床経験に基づけば、三叉神経複合体への刺激を減少させるために片頭痛に関わる感覚神経路を標的とする他の注射部位を追加することにより潜在的効果を増強する機会があるかもしれない。さらに、いくつかの注射部位を除いたり変更したりすることにより、FDA承認済みの治療法の結果として例えば筋力低下(即ち、頚部脱力)又は下垂症(眼瞼下垂)をはじめとする副作用をある種の患者が経験するリスクが減少するかもしれない。したがって、注射パラダイムを簡略化する(減少された回数であり且つより少ない箇所での注射を採用する)改善された治療アプローチは患者に利益をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、神経毒素、例えば、ボツリヌス毒素をはじめとするクロストリジウム神経毒素を含む組成物及び方法、並びに、既知の方法に比べ減少された副作用及び相当の又は改善された効力を備えた、頭痛、例えば、片頭痛、例えば、EM又はCMの治療のための、当該組成物及び方法の使用が開示される。開示された方法は、神経に富む三叉神経投与部位の飽和及び筋肉内注射の両方の使用を含み、例えば、皺眉筋、鼻根筋、咬筋、後頭筋、側頭筋、僧帽筋を含む区域の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つへの注射を組み合わせる。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。開示された方法は、神経に富む三叉神経投与部位の飽和及び筋肉内注射の両方の組み合わせた使用を含み、例えば、皺眉筋、鼻根筋、咬筋、後頭筋、側頭筋、及び、僧帽筋を含む区域の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つへの注射を組み合わせる。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、蝶口蓋神経節(Sphenopalatine Ganglion、SPG)への注射と組み合わせて、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。
【0008】
さらなる開示された実施形態は、神経に富む三叉神経投与部位の飽和及び筋肉内注射の両方の使用を含み、例えば、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域を含む区域の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つへの注射を組み合わせる。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。開示された方法は、神経に富む三叉神経投与部位の飽和及び筋肉内注射の両方の使用を含み、例えば、蝶口蓋神経節(SPG)への注射に、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域を含む区域の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つへの注射を組み合わせる。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。
【0009】
開示された方法は、神経に富む三叉神経投与部位の飽和及び筋肉内注射の両方の組み合わせた使用を含み、例えば、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域を含む区域の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つへの注射を、例えば、効力を増強するために追加投与が必要な場合に、評価期間後の蝶口蓋神経節(SPG)への又は翼口蓋空間へのSPGを遮断するためのフォローアップ注射と組み合わせる。実施形態では、評価期間は、例えば、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、14週間、又は、これ以上であり得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。
【0010】
開示された方法は、神経に富む三叉神経投与部位の飽和及び筋肉内注射の両方の組み合わせた使用を含み、例えば、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域を含む区域の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つへの注射を、効力を増強するために追加投与が必要な場合に、評価期間後の蝶口蓋神経節(SPG)への又は翼口蓋空間へのSPGを遮断するためのフォローアップ注射と組み合わせる。実施形態では、評価期間は、例えば、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、14週間、又は、これ以上であり得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。
【0011】
開示された方法は、神経に富む三叉神経投与部位の飽和及び筋肉内注射の両方の組み合わせた使用を含み、例えば、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域を含む区域の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つへの注射を、効力を増強するために追加投与が必要な場合に、評価期間後の蝶口蓋神経節(SPG)への又は翼口蓋空間へのSPGを遮断するためのフォローアップ注射と組み合わせ、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域を含む区域の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つへの注射と組み合わされる。実施形態では、評価期間は、例えば、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、14週間、又は、これ以上であり得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。
【0012】
開示された実施形態は、特定区域への治療の回避を含む。ある種の区域への投与を避けることにより、副作用の発生率及び/又は重症度が減少され得る。
【0013】
実施形態では、前頭筋は注射されない。実施形態では、この前頭筋への注射の回避は患者での下垂症の発症を防ぐ。
【0014】
実施形態では、頚部傍脊柱筋は注射されない。実施形態では、この頚部傍脊柱筋への注射の回避は患者での頸部脱力の発症を防ぐ。
【0015】
実施形態では、皺眉筋は注射されない。
【0016】
実施形態では、咬筋は注射されない。
【0017】
実施形態では、鼻根筋は注射されない。
【0018】
実施形態では、後頭筋は注射されない。
【0019】
実施形態では、側頭筋は注射されない。
【0020】
実施形態では、僧帽筋は注射されない。
【0021】
実施形態では、鼻筋は注射されない。
【0022】
実施形態では、眼輪筋は注射されない。
【0023】
開示された治療様式は、患者に投与される神経毒素総投与量及び必要な投与の数を減らすだけではなく、CMの症状を予防又は緩和し得る。開示された方法により、より長期間の効果ももたらされ得る。開示された組み合わせ治療は、相乗効果をもたらし得る。開示された方法は、副作用のより少ない片頭痛の治療を含む。
【0024】
前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の全7箇所への31回にわたる注射をともなう、FDA承認済みの慢性片頭痛についてのOnabotulinumtoxin A治療と比べ、開示された方法は、筋力低下、例えば、下垂症、頸部脱力などをはじめとする、治療副作用を減少させ得る。例えば、開示された方法は、前頭筋への投与、例えば、注射を回避することを含み、これにより、下垂症の危険性を減少させる。さらなる実施形態は、頚部傍脊柱筋への投与、例えば、注射を回避することを含み、これにより、頸部脱力の危険性を減少させる。
【0025】
開示された方法は、感覚効果及び運動効果の両方を標的とする固定位置・固定投与量の方法を含む。開示された方法は、EM及びCMについての専門的治療だけではなく、現在の治療と比べより少数の注射部位をもたらす。
【0026】
実施形態は、片頭痛又は頭痛に関連する、鼻、顔面、又は眼窩の疼痛又は敏感症を経験する患者についての鼻筋の注射を含む。
【0027】
実施形態は、片頭痛又は頭痛に関連する、咬筋の疼痛若しくは緊張又は咬筋肥大(膨隆咬筋)又は歯の食いしばりを経験する患者についての咬筋の注射を含む。
【0028】
実施形態では、皺眉筋が筋肉に平行に注射される。
【0029】
開示された実施形態は、有害作用、例えば、あざ、例えば、眼輪筋(oculi)注射に関連するあざを最小化し得る注射手法を含む。開示された実施形態は、針が、平行方向、斜め方向、又は長手方向で、筋肉へ挿入され、且つ、針が引き抜かれるにつれて毒素が徐々に放出される注射手法である『注射スレッディング(injection threading)』を含む注射手法を含む。開示されたい実施形態は、例えば鼻根筋領域をカバーする注射スレッディングを用いて皺眉筋に平行な皺眉筋への注射を含む皺眉筋注射手法を用いることにより、鼻根筋への注射を排除し得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本明細書に開示された種々の筋領域での幾つかの注射部位の凡その位置を示す。
【
図2】本明細書に開示された種々の筋領域での幾つかの注射部位の凡その位置を示す。
【
図4】本明細書に開示された種々の筋領域での幾つかの注射部位の凡その位置を示す。
【
図5】本図は、表5及び以降の段落に記載の150ユニット片頭痛治療で用いられる種々の筋領域での凡その前面/側面注射部位を示す。
【
図6】例えば表5に関連したものなどの幾つかの注射部位の位置及び例示的用量を示す。本図は、表5及び以降の段落に記載の150ユニット片頭痛治療で用いられる種々の筋領域での凡その後面注射部位を示す。
【
図7】例えば表6に関連したものなどの幾つかの注射部位の位置及び例示的用量を示す。本図は、表6及び以降の段落に記載の195ユニット片頭痛治療で用いられる種々の筋領域での凡そ前面/側面注射部位を示す。
【
図8】例えば表6に関連したものなどの幾つかの注射部位の位置及び例示的用量を示す。本図は、表6及び以降の段落に記載の195ユニット片頭痛治療で用いられる種々の筋領域での凡その後面注射部位を示す。
【
図9】実施例49に記載の前面/側面注射部位を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、片頭痛患者、例えば、CM又はEM患者における頭痛の神経毒素治療に関連する副作用の発生率を減少させ当該副作用の重症度を緩和するための方法を指向する。
【0032】
三叉神経は、他の病理に誘発される頭痛をはじめとする多種の頭痛から生じる痛覚に関与している。三叉神経の枝に関連する最大の交感神経節である蝶口蓋神経節(SPG)は、翼口蓋窩内の深部で蝶口蓋孔の近くにある。蝶口蓋神経節は、灰赤色の三角形又はハート形で、上顎神経が翼口蓋窩を横切るところで当該上顎神経の丁度下方に位置している。蝶口蓋神経節は、感覚根、運動根、及び交感神経根を受け取る。感覚根は上顎神経の2つの蝶口蓋枝に由来する。これらの線維は大部分が口蓋神経に直に通じているが、数本の線維は蝶口蓋神経節に入り、その感覚根を構成する。
【0033】
開示された実施形態は、治療有効量の少なくとも1種の神経毒素をSPGへ両側投与することを含み得る。SPGへの注射を含む実施形態では、適切な組成物は、クロストリジウム神経毒素、例えば、ボツリヌス神経毒素を含み得る。投与は、(1回又は複数回の)注射、例えば、経頬、口腔内、又は鼻腔内注射を含み得る。
【0034】
開示された実施形態は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも1つに関連する神経に、治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することをさらに含む。鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも1つへの注射を含む実施形態では、適切な組成物は、クロストリジウム神経毒素、例えば、ボツリヌス神経毒素を含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。
【0035】
実施形態は、本分野で既知の方法と比べ低投与量の神経毒素投与を含む。例えば、神経毒素への患者の感受性及び神経毒素への患者の耐性は、追加投与が必要な場合に、例えば、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、10週間後、12週間後、14週間後、16週間後などに、口腔内、鼻腔内、又は経頬でSPGへ両側送達される低用量(実施形態では、25-50ユニット)の神経毒素の追加の標的投与を伴う、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の選択を含む三叉神経に沿った1つ以上の前述の一次三叉神経標的部位で低用量(実施形態では、50-100ユニット)を投与することによる初期治療において決定され得る。
【0036】
実施形態では、SPGに投与される神経毒素の量は、例えば、三叉神経標的部位に投与される量の半分である。実施形態では、SPGに投与される神経毒素の量は、三叉神経標的部位に投与される量の半分未満である。実施形態では、SPGに投与される神経毒素の量は、三叉神経標的部位に投与される量の三分の一以下である。
【0037】
実施形態は、本分野で既知の方法に比べより少ない神経毒素投与を含む。例えば、7箇所の頭部及び頸部筋区域への31回の注射を用いる現在のFDA承認済みボツリヌスCM治療とは対照的に、開示された実施形態は、SPGへの少なくとも2回の注射、並びに、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の、少なくとも、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つへの15回までの注射を含む。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。さらに、ある種の区域、例えば、前頭筋及び/又は頚部傍脊柱筋への投与を避けることにより、眼瞼下垂及び筋力低下などの副作用を減少させ得る。
【0038】
(定義)
『投与』は、医薬組成物又は有効成分を対象に与える(すなわち、投与する)工程を意味する。本明細書に開示の医薬組成物は、注射又は留置剤の使用などによる、経口、筋肉内、真皮下(subdermal)、又は皮下(subcutaneous)などの投与経路をはじめとする、多数の適切な経路を介して、投与され得る。筋肉内注射は、例えば、表層的又は中間層的であり得る。
【0039】
『ボツリヌス毒素』又は『ボツリヌス神経毒素』は、Clostridium botulinumに由来する神経毒素、並びに、改変ボツリヌス毒素、組換えボツリヌス毒素、ハイブリッドボツリヌス毒素、及びキメラボツリヌス毒素を意味する。組換えボツリヌス毒素は、非クロストリジウム属種を用いた組換えで作られた、それらの軽鎖及び/又は重鎖を有し得る。本明細書で使用するとき、『ボツリヌス毒素』は、血清型A、B、C、D、E、F、G、及びHのボツリヌス毒素を包含する。本明細書で使用するとき、『ボツリヌス毒素』は、ボツリヌス毒素複合体(すなわち、300、600、及び900kDaの複合体)及び純ボツリヌス毒素(すなわち、約150kDaの神経毒素分子)の両方を包含するが、これらの全てが開示された実施形態の実施に有用である。
【0040】
『クロストリジウム神経毒素』は、Clostridium botulinum、Clostridium butyricum、又はClostridium berattiなどのクロストリジウム属細菌から産生される又はこれらに特有の神経毒素、並びに、非クロストリジウム属種を用いた組換えで作られたクロストリジウム神経毒素を意味する。
【0041】
本明細書で使用するとき、『速効型』は、例えばA型ボツリヌス毒素などから製造されたものよりも迅速に患者で効果を奏するボツリヌス毒素を指す。例えば、速効型ボツリヌス毒素(E型ボツリヌス毒素など)の効果は36時間以内に奏され得る。
【0042】
本明細書で使用するとき、『高速回復型』は、例えばA型ボツリヌス毒素などから製造されたものよりも迅速に患者で効果が減少するボツリヌス毒素を指す。例えば、高速回復型ボツリヌス毒素(E型ボツリヌス毒素など)の効果は、例えば、120時間、150時間、300時間、350時間、400時間、500時間、600時間、700時間、800時間などの時間内に減少し得る。A型ボツリヌス毒素が、多汗症治療での汗腺などの腺の治療に用いられる場合に、12ヶ月までの、場合によっては、27ヶ月にわたる、効力を有し得ることが知られている。しかし、A型ボツリヌス毒素の筋肉内注射の通常の持続時間は典型的には約3から4ヶ月である。
【0043】
『神経毒素』は、神経細胞表面受容体への特異的な親和性を有する生物学的活性分子を意味する。神経毒素は、純毒素としてのクロストリジウム毒素及び1つ以上の非毒素の毒素関連タンパク質と複合体化されたものとしてのクロストリジウム毒素の両方を含む。
【0044】
『患者』は、医学的又は獣医学的な治療を受けているヒト又は非ヒト対象を意味する。
【0045】
『医薬組成物』は、有効成分がクロストリジウム毒素であり得る製剤を意味する。『製剤』という言葉は、医薬組成物中に、ボツリヌス神経毒素有効成分に加えて、少なくとも1つの追加成分(例えば、これらに限定されるわけではないものの、アルブミン(ヒト血清アルブミン又は組換えヒトアルブミン)及び/又は塩化ナトリウム)が存在することを意味する。これにより、医薬組成物は、ヒト患者などの対象への、診療のため、治療のため、又は美容のための投与に適した製剤である。医薬組成物は、凍結乾燥又は真空乾燥状態、凍結乾燥又は真空乾燥された医薬組成物を例えば食塩水又は水によって再構成した後に形成された溶液、又は、再構成を要しない溶液であり得る。既述のように、医薬組成物は、液体、半固体、又は固体であり得る。医薬組成物は、動物性タンパク質不含であり得る。
【0046】
『精製ボツリヌス毒素』は、ボツリヌス毒素が培養又は発酵処理から取得される際にそれに付随し得る他のタンパク質及び不純物から単離又は実質的に単離されたボツリヌス毒素複合体又は純ボツリヌス毒素を意味する。そこで、精製ボツリヌス毒素は、非ボツリヌス毒素タンパク質及び不純物の、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも99%が、除去されたものであり得る。
【0047】
『治療製剤』は、障害若しくは疾患及び/又はそれらに伴う症状を治療し、それにより、緩和するために用いられ得る製剤を意味する。
【0048】
『治療有効量』は、顕著な負の又は有害な副作用を生じることなく、疾患、障害、又は、状態を治療するために必要とされる、剤(例えば、クロストリジウム毒素、又は、クロストリジウム毒素を含む医薬組成物など)のレベル、量、又は濃度を意味する。
【0049】
『治療』は、負傷若しくは損傷組織の治癒、又は、現存している若しくは認知された、症状、疾患、障害、若しくは状態の、変化、変更、増強、改善、寛解、及び/又は、美化などにより、所望の治療又は美容結果を実現するための、症状、疾患、障害、又は状態の、緩和又は減少(ある程度の減少、顕著な減少、ほぼ完全な減少、及び完全な減少を含む)、回復又は予防(一時的又は持続的)を意味する。
【0050】
『ユニット』又は『U』は、市販のA型ボツリヌス神経毒素(例えば、Onabotulinumtoxin A (BOTOX(登録商標))の1ユニットと等価の神経筋遮断効果を有するように規格化された有効ボツリヌス毒素神経毒素の量を意味する。
【0051】
(神経毒素組成物)
本明細書に開示された実施形態は神経毒素組成物を含む。こうした神経毒素は、任意の医薬的に許容可能な形態である任意の医薬的に許容可能な製剤として製剤化され得る。神経毒素は、任意の製造元により供給される任意の医薬的に許容可能な形態で使用され得る。開示された実施形態は、クロストリジウム神経毒素の使用を含む。
【0052】
クロストリジウム神経毒素は、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、又はクロストリジウム・ベラッチ(Clostridium beratti)の細菌などの、クロストリジウム細菌により作られ得る。また、神経毒素は、そのアミノ酸の少なくとも1つが、天然型又は野生型の神経毒素と比較して、欠損、修飾、又は置換された神経毒素である改変神経毒素であり得る。さらに、神経毒素は、組換えで産生された神経毒素又は誘導体又はその断片であり得る。
【0053】
開示された実施形態では、神経毒素は、単位剤形として製剤化され、例えば、バイアル詰めの無菌溶液として、又は、注射のために食塩水などの適切な溶媒内で再構成するための凍結乾燥粉末を含有するバイアル又は袋として、提供され得る。
【0054】
実施形態では、ボツリヌス毒素は、毒素を安定化し非特異的吸収による損失を最小化するパスチャライズされたヒト血清アルブミン(Human Serum Albumin、HSA)及び食塩水を含有する溶液として製剤化される。この溶液は、無菌凍結乾燥粉末を得るために、無菌濾過(0.2μmフィルター)され、個別のバイアルに充填され、その後、真空乾燥され得る。使用時、この粉末は、保管されたものではない無菌の正常食塩水(注射では塩化ナトリウム0.9%)の添加により再構成され得る。
【0055】
一実施形態では、A型ボツリヌス毒素は、pH6.0で、0.03Mのリン酸ナトリウム、0.12Mの塩化ナトリウム、及び1mg/mLのHSAの溶液中での5mLバイアル理論濃度が20ng/mLである注射用無菌溶液として供給される。
【0056】
組成物は、一種類の神経毒素のみを、例えば、A型ボツリヌス毒素のみを含有してもよいが、開示された組成物は、増強された障害治療効果をもたらし得る2種以上の神経毒素を含み得る。例えば、患者に投与された組成物は、A型及びE型ボツリヌス毒素を含み得る。2つの異なる神経毒素を含有する単一の組成物を投与することは、所望の治療効果を達成しながらも当該患者に単一の神経毒素が投与される場合よりも、各神経毒素の有効濃度を減少させることを可能とし得る。この種の『組み合わせ』組成物は、両方の神経毒素の利点をも、例えば、長期の持続時間と組み合わされた速い効果をももたらし得る。
【0057】
患者に投与される組成物は、1つ又は複数の神経毒素と組み合わせて、タンパク質受容体又はイオンチャネルモジュレーターなどの他の医薬有効成分も含有し得る。これらのモジュレーターは、種々のニューロン間での神経伝達の減少に寄与する可能性がある。例えば、組成物は、GABAA受容体により仲介される阻害効果を増強するγアミノ酪酸(GABA)A型受容体モジュレーターを含有してもよい。GABAA受容体は、細胞膜を横切る電流を効率的に短絡することにより神経活動を阻害する。GABAA受容体モジュレーターは、GABAA受容体の阻害効果を増強し、ニューロンからの電気的又は化学的な信号伝達を減少させる可能性がある。GABAA受容体モジュレーターの例は、ジアゼパム、オキサキセパム、ロラゼパム、プラゼパム、アルプラゾラム、ハラゼアパム(halazeapam)、コルジアゼポキシド、及びクロラゼプ酸などの、ベンゾジアゼピンを含む。組成物は、グルタミン酸受容体により仲介される興奮効果を減少させるグルタミン酸受容体モジュレーターを含んでもよい。グルタミン酸受容体モジュレーターの例は、AMPA、NMDA、及び/又は、カイニン酸型グルタミン酸受容体を横切る電流を阻害する剤を含む。
【0058】
開示された速効型神経毒素組成物は、針又は無針装置を用いて患者に注射され得る。ある種の実施形態では、本方法は、組成物を、個体に対して、真皮下に、皮下に、筋肉内に、又は、表層筋肉内注射を介して、注射することを含む。例えば、投与することは、27ゲージ針、28ゲージ針、29ゲージ針、30ゲージ針、31ゲージ針、32ゲージ針、及び/又は、33ゲージ針を介して、組成物を注射することを含んでもよい。ある種の実施形態では、本方法は、A型ボツリヌス毒素を含む組成物を投与することを含む。
【0059】
開示された組成物の投与は、任意の適切な手段により、例えば、シリンジ、カテーテル、針、及び、注射のためのその他の手段により、実行され得る。注射は、治療の必要な動物の身体の任意の区域に行われ得るが、開示された実施形態は、患者の頭部(例えば、
図1-8に示された神経及び筋肉位置)への注射を意図するものである。注射は、表皮、真皮、脂肪、筋肉、神経接合部、又は、皮下組織などの、任意の特定区域へのものであり得る。開示された実施形態は、ある区域への注射を避けることを、例えば、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方に注射することを避けることを含む。
【0060】
2回以上の注射及び/又は2箇所以上の注射部位が、所望の結果を実現するために必要となる可能性もある。また、例えば筋電図検査によりガイドされる、ある種の実施形態では、注射される位置に応じて、注射が、細く中空のTeflon(登録商標)コート針の使用を要することもあるかもしれない。
【0061】
開示された方法の下での注射の頻度及び量は、治療される特定の区域の性質及び位置に基づき決定され得る。しかし、ある種の場合では、反復注射が最適の結果を実現するために望ましいかもしれない。個々の症例のそれぞれについての注射の頻度及び量は、当業者により決定され得る。
【0062】
投与経路及び用量の例を挙げたが、適切な投与経路及び用量は一般的に主治医により個別的に決定される。例えば、本開示発明に基づくクロストリジウム神経毒素の投与のための経路及び用量は、選択された神経毒素の溶解特性並びに治療される状態の強度及び範囲などの判断基準に基づき選択され得る。
【0063】
(使用方法)
本明細書に開示された方法は、CMに関連する症状の予防又は緩和のための、患者への、神経毒素、例えば、クロストリジウム毒素、例えば、A型ボツリヌス毒素の投与を含み得る。例えば、開示された方法は、疼痛、悪心、嘔吐、光過敏、音過敏、及びこれらの組み合わせの発生を予防又は緩和し得る。
【0064】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも1つに関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。さらなる実施形態は、特定の筋肉への注射の回避を含む。例えば、開示された方法は、前頭筋への投与、例えば、注射を回避することを含み、これにより、下垂症の危険性を減少させる。さらなる実施形態は、頚部傍脊柱筋への投与、例えば、注射を回避することを含み、これにより、頸部脱力の危険性を減少させる。
【0065】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも2つに関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも3つに関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも4つに関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも5つに関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも6つに関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも7つに関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも8つに関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域に関連する神経へ治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを含む。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の両方ではなく一方に注射することを含み得る。さらなる実施形態は、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも一方又は両方での注射を避けることを含み得る。
【0066】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも1つへの治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0067】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも2つに関連する神経への治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0068】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも3つに関連する神経への治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0069】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも4つに関連する神経への治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0070】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも5つに関連する神経への治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0071】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも6つに関連する神経への治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0072】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも7つに関連する神経への治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0073】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも8つに関連する神経への治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0074】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも9つに関連する神経への治療有効量の少なくとも1種の神経毒素の投与を避けることを含む。ある種の投与位置を避けることにより、副作用が減らされ又は排除され得る。
【0075】
例えば、開示された実施形態は、鼻筋領域への、又は、鼻筋領域と皺眉筋領域への、又は、鼻筋領域と皺眉筋領域と鼻根筋領域への、又は、鼻筋領域と皺眉筋領域と鼻根筋領域と後頭筋領域への、又は、鼻筋領域と皺眉筋領域と鼻根筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域への、又は、鼻筋領域と皺眉筋領域と鼻根筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域と眼輪筋領域への、又は、鼻筋領域と皺眉筋領域と鼻根筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域への、又は、皺眉筋領域と鼻根筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域と咬筋領域への、又は、鼻筋領域と皺眉筋領域と鼻根筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域と咬筋領域への、又は、鼻筋領域と皺眉筋領域と鼻根筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域と咬筋領域と眼輪筋領域への、投与を含む。
【0076】
例えば、開示された実施形態は、前頭筋領域への、又は、前頭筋領域と皺眉筋領域への、又は、前頭筋領域と皺眉筋領域と後頭筋領域への、又は、前頭筋領域と皺眉筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域への、又は、前頭筋領域と皺眉筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域への、又は、前頭筋領域と皺眉筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域と眼輪筋領域への、又は、前頭筋領域と皺眉筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域と眼輪筋領域と鼻筋領域への、又は、前頭筋領域と皺眉筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域と眼輪筋領域と咬筋領域への、又は、前頭筋領域と皺眉筋領域と後頭筋領域と側頭筋領域と僧帽筋領域と眼輪筋領域と鼻筋領域と咬筋領域への、投与を含む。
【0077】
開示された実施形態は、上部及び下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、皺眉筋、眼輪筋、並びに、上部前頭筋若しくは鼻根筋又は両方への投与も含む。開示された実施形態は、上部及び下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、皺眉筋、眼輪筋、上部前頭筋、並びに、鼻筋若しくは咬筋又は両方への投与も含む。開示された実施形態は、上部及び下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、皺眉筋、眼輪筋、上部前頭筋、鼻筋、並びに咬筋への投与も含む。
【0078】
EMを治療するためのさらなる実施形態は、表1に記載の注射プロトコルを含む。
【0079】
【0080】
表1で、『部位数/半面』は頭部の半面毎の部位の数を意味する。『SD』は真皮下注射、『IM』は筋肉内注射、『SQ』は皮下注射を意味する。表1のプロトコルは、治療目的及び結果に基づき調節され得る。例えば、半面毎の僧帽筋(上部(
図4では符号2)及び下部(
図4では符号1))への注射位置の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、半面毎に1又は2つの注射の間、1から3つの注射の間、1から4つの注射の間、1から5つの注射の間、2から4つの注射の間、2から5つの注射の間などであり得る。僧帽筋(上部及び下部)への注射は、複数部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。上部僧帽筋への注射は表1に記載のように真皮下注射又は表2に記載のように表層筋肉内注射であり得る。下部僧帽筋への注射は表1及び表2に記載のように筋肉内注射であり得る。
【0081】
僧帽筋(上部及び下部)への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、15から20ユニットの間、4から6ユニットの間、2から8ユニットの間、8から12ユニットの間などであり得る。
【0082】
僧帽筋(上部及び下部)への総用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、又は、5から40ユニットの間、5から35ユニットの間、5から30ユニットの間、10から40ユニットの間、10から35ユニットの間、10から30ユニットの間、15から40ユニットの間、15から35ユニットの間、15から30ユニットの間、20から40ユニットの間、20から30ユニットの間、25から40ユニットの間、25から35ユニットの間、30から60ユニットの間、35から55ユニットの間などであり得る。
【0083】
表1の実施形態では、半面毎の後頭筋(
図4では符号10、11、及び12(1回目の注射は項部上縁(nuchal ridge)の中間点で、当該注射は上縁より上で行われる。実施形態では、2回目及び3回目の注射は1回目の注射と逆三角形を形成しており、各注射点の間は約2-3cmである。))への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。後頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0084】
後頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0085】
後頭筋への総用量は、例えば、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニット、85ユニット、又は、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間、35から80ユニット、35から65ユニットの間、45から70ユニットの間、50から80ユニットの間、40から85ユニットの間、50から70ユニットの間、55から65ユニットの間、45から70ユニットの間、55から75ユニットの間、65から80ユニットの間などであり得る。
【0086】
表1の実施形態では、半面毎の側頭筋(
図4では符号3、4、及び5)への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。側頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0087】
側頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、2から10ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0088】
側頭筋への総用量は、例えば、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニットなど、又は、15から60ユニットの間、20から55ユニットの間、25から50ユニットの間、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間などであり得る。
【0089】
表1の実施形態では、鼻根筋(
図4では符号8)への注射の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、1から5つの注射の間、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間、1から3つの注射の間などであり得る。
【0090】
鼻根筋への注射部位毎の用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、1から7ユニットの間、2から6ユニットの間、3から5ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0091】
鼻根筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、1から7ユニットの間、2から6ユニットの間、3から5ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0092】
表1の実施形態では、半面毎の皺眉筋(
図4では符号7)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。皺眉筋への注射は筋肉に平行であり得る。皺眉筋への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0093】
皺眉筋への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0094】
皺眉筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、3から16ユニットの間、3から14ユニットの間、3から12ユニットの間、4から16ユニットの間、5から15ユニットの間、6から14ユニットの間、7から13ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0095】
表1の実施形態では、半面毎の眼輪筋(oculi)(
図4では符号6)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。眼輪筋(oculi)への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0096】
眼輪筋(oculi)への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0097】
眼輪筋(oculi)への総用量は、例えば、2、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17、18、19、及び20、2から20ユニットの間、4から18ユニットの間、6から16ユニットの間、8から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0098】
EMを治療するためのさらなる実施形態は、表2にみられる注射プロトコルを含む。
【0099】
【0100】
表2で、『部位数/半面』は頭部の半面毎の部位の数を意味する。『表層IM』は表層筋肉内注射、『IM』は筋肉内注射を意味する。
【0101】
表2のプロトコルは、治療目的及び結果に基づき調節され得る。例えば、半面毎の僧帽筋(上部(
図4では符号2)及び下部(
図4では符号1))への注射位置の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、半面毎に1又は2つの注射の間、1から3つの注射の間、1から4つの注射の間、1から5つの注射の間、2から4つの注射の間、2から5つの注射の間などであり得る。僧帽筋(上部及び下部)への注射は、複数部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。上部僧帽筋への注射は表1に記載のように真皮下注射又は表2に記載のように表層筋肉内注射であり得る。下部僧帽筋への注射は表1及び表2に記載のように筋肉内注射であり得る。
【0102】
僧帽筋(上部及び下部)への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、15から20ユニットの間、4から6ユニットの間、2から8ユニットの間、8から12ユニットの間などであり得る。
【0103】
僧帽筋(上部及び下部)への総用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、又は、5から40ユニットの間、5から35ユニットの間、5から30ユニットの間、10から40ユニットの間、10から35ユニットの間、10から30ユニットの間、15から40ユニットの間、15から35ユニットの間、15から30ユニットの間、20から40ユニットの間、20から30ユニットの間、25から40ユニットの間、25から35ユニットの間、30から60ユニットの間、35から55ユニットの間などであり得る。
【0104】
表2の実施形態では、半面毎の後頭筋(
図4では符号10、11、及び12(1回目の注射は項部上縁(nuchal ridge)の中間点で、当該注射は上縁より上で行われる。実施形態では、2回目及び3回目の注射は1回目の注射と逆三角形を形成しており、各注射点の間は約2-3cmである。))への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。後頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0105】
後頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0106】
後頭筋への総用量は、例えば、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニット、85ユニット、又は、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間、35から80ユニット、35から65ユニットの間、45から70ユニットの間、50から80ユニットの間、40から85ユニットの間、50から70ユニットの間、55から65ユニットの間、45から70ユニットの間、55から75ユニットの間、65から80ユニットの間などであり得る。
【0107】
表2の実施形態では、半面毎の側頭筋(
図4では符号3、4、及び5)への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。側頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0108】
側頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、2から10ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0109】
側頭筋への総用量は、例えば、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニットなど、又は、15から60ユニットの間、20から55ユニットの間、25から50ユニットの間、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間などであり得る。
【0110】
表2の実施形態では、鼻根筋(
図4では符号8)への注射の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、1から5つの注射の間、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間、1から3つの注射の間などであり得る。
【0111】
鼻根筋への注射部位毎の用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、1から7ユニットの間、2から6ユニットの間、3から5ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0112】
鼻根筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、1から7ユニットの間、2から6ユニットの間、3から5ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0113】
表2の実施形態では、半面毎の皺眉筋(
図4では符号7)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。皺眉筋への注射は筋肉に平行であり得る。皺眉筋への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0114】
皺眉筋への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0115】
皺眉筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、3から16ユニットの間、3から14ユニットの間、3から12ユニットの間、4から16ユニットの間、5から15ユニットの間、6から14ユニットの間、7から13ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0116】
表2の実施形態では、半面毎の眼輪筋(oculi)(
図4では符号6)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。眼輪筋(oculi)への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0117】
眼輪筋(oculi)への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0118】
眼輪筋(oculi)への総用量は、例えば、2、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17、18、19、及び20、2から20ユニットの間、4から18ユニットの間、6から16ユニットの間、8から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0119】
CMを治療するためのさらなる実施形態は、表3にみられる注射プロトコルを含む。
【0120】
【0121】
表3で、『部位数/半面』は頭部の半面毎の部位の数を意味する。『SD』は真皮下注射、『IM』は筋肉内注射、『SQ』は皮下注射を意味する。表3のプロトコルは、治療目的及び結果に基づき調節され得る。例えば、半面毎の僧帽筋(上部(
図4では符号2)及び下部(
図4では符号1))への注射位置の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、半面毎に1又は2つの注射の間、1から3つの注射の間、1から4つの注射の間、1から5つの注射の間、2から4つの注射の間、2から5つの注射の間などであり得る。僧帽筋(上部及び下部)への注射は、複数部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。上部僧帽筋への注射は表3に記載のように真皮下注射又は表4に記載のように表層筋肉内注射であり得る。下部僧帽筋への注射は表3及び表4に記載のように筋肉内注射であり得る。
【0122】
僧帽筋(上部及び下部)への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、15から20ユニットの間、4から6ユニットの間、2から8ユニットの間、8から12ユニットの間などであり得る。
【0123】
僧帽筋(上部及び下部)への総用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、又は、5から40ユニットの間、5から35ユニットの間、5から30ユニットの間、10から40ユニットの間、10から35ユニットの間、10から30ユニットの間、15から40ユニットの間、15から35ユニットの間、15から30ユニットの間、20から40ユニットの間、20から30ユニットの間、25から40ユニットの間、25から35ユニットの間、30から60ユニットの間、35から55ユニットの間などであり得る。
【0124】
表3の実施形態では、半面毎の後頭筋(
図4では符号10、11、及び12(1回目の注射は項部上縁(nuchal ridge)の中間点で、当該注射は上縁より上で行われる。実施形態では、2回目及び3回目の注射は1回目の注射と逆三角形を形成しており、各注射点の間は約2-3cmである。))への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。後頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0125】
後頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0126】
後頭筋への総用量は、例えば、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニット、85ユニット、又は、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間、35から80ユニット、35から65ユニットの間、45から70ユニットの間、50から80ユニットの間、40から85ユニットの間、50から70ユニットの間、55から65ユニットの間、45から70ユニットの間、55から75ユニットの間、65から80ユニットの間などであり得る。
【0127】
表3の実施形態では、半面毎の側頭筋(
図4では符号3、4、及び5)への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。側頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0128】
側頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、2から10ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0129】
側頭筋への総用量は、例えば、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニットなど、又は、20から80ユニットの間、25から75ユニットの間、30から70ユニットの間、35から65ユニットの間、50から70の間、55から65ユニットの間などであり得る。
【0130】
表3の実施形態では、鼻根筋(
図4では符号8)への注射の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、1から5つの注射の間、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間、1から3つの注射の間などであり得る。
【0131】
鼻根筋への注射部位毎の用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、1から7ユニットの間、2から6ユニットの間、3から5ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0132】
鼻根筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、1から7ユニットの間、2から6ユニットの間、3から5ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0133】
表3の実施形態では、半面毎の皺眉筋(
図4では符号7)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。皺眉筋への注射は筋肉に平行であり得る。皺眉筋への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0134】
皺眉筋への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0135】
皺眉筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、3から16ユニットの間、3から14ユニットの間、3から12ユニットの間、4から16ユニットの間、5から15ユニットの間、6から14ユニットの間、7から13ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0136】
表3の実施形態では、半面毎の眼輪筋(oculi)(
図4では符号6)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。眼輪筋(oculi)への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0137】
眼輪筋(oculi)への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0138】
眼輪筋(oculi)への総用量は、例えば、2、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17、18、19、及び20、2から20ユニットの間、4から18ユニットの間、6から16ユニットの間、8から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0139】
表3の実施形態では、鼻筋(
図4では符号9)への半面毎の皮下注射の数は、1、2、3つなど、又は、1から3つの注射の間などであり得る。鼻筋への注射は表3に記載のように皮下注射又は表4に記載のように表層筋肉内注射であり得る。
【0140】
表3の実施形態では、鼻筋への皮下注射の合計数は、1、2、3、4、5、6つなど、又は、1から6つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間、3から5つの注射の間、4から6つの注射の間、1から4つの注射の間などであり得る。
【0141】
鼻筋への皮下注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、1.5ユニット、2ユニット、2.5ユニット、3ユニット、3.5ユニット、4ユニット、4.5ユニット、5ユニット、1から5ユニットの間、2から4ユニットの間、2から3ユニットの間などであり得る。
【0142】
鼻筋への総皮下用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から10ユニットの間、5から8ユニットの間などであり得る。
【0143】
表3の実施形態では、咬筋への半面毎の注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。
【0144】
表3の実施形態では、咬筋(
図4では符号13)への注射の合計数は、1、2、3、4、5、6、7、8つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間、4から6つの注射の間、4から8つの注射の間などであり得る。
【0145】
咬筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0146】
咬筋への総用量は、例えば、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17ユニット、18ユニット、19ユニット、20ユニット、4から20ユニットの間、6から18ユニットの間、8から16ユニットの間、10から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0147】
CMを治療するためのさらなる実施形態は、表4にみられる注射プロトコルを含む。
【0148】
【0149】
表4で、『部位数/半面』は頭部の半面毎の部位の数を意味する。『表層IM』は表層筋肉内注射、『IM』は筋肉内注射を意味する。表4のプロトコルは、治療目的及び結果に基づき調節され得る。例えば、半面毎の僧帽筋(上部(
図4では符号2)及び下部(
図4では符号1))への注射位置の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、半面毎に1又は2つの注射の間、1から3つの注射の間、1から4つの注射の間、1から5つの注射の間、2から4つの注射の間、2から5つの注射の間などであり得る。僧帽筋(上部及び下部)への注射は、複数部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。上部僧帽筋への注射は表3に記載のように真皮下注射又は表4に記載のように表層筋肉内注射であり得る。下部僧帽筋への注射は表3及び表4に記載のように筋肉内注射であり得る。
【0150】
僧帽筋(上部及び下部)への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、15から20ユニットの間、4から6ユニットの間、2から8ユニットの間、8から12ユニットの間などであり得る。
【0151】
僧帽筋(上部及び下部)への総用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、又は、5から40ユニットの間、5から35ユニットの間、5から30ユニットの間、10から40ユニットの間、10から35ユニットの間、10から30ユニットの間、15から40ユニットの間、15から35ユニットの間、15から30ユニットの間、20から40ユニットの間、20から30ユニットの間、25から40ユニットの間、25から35ユニットの間、30から60ユニットの間、35から55ユニットの間などであり得る。
【0152】
表4の実施形態では、半面毎の後頭筋(
図4では符号10、11、及び12(1回目の注射は項部上縁(nuchal ridge)の中間点で、当該注射は上縁より上で行われる。実施形態では、2回目及び3回目の注射は1回目の注射と逆三角形を形成しており、各注射点の間は約2-3cmである。))への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。後頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0153】
後頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0154】
後頭筋への総用量は、例えば、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニット、85ユニット、又は、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間、35から80ユニット、35から65ユニットの間、45から70ユニットの間、50から80ユニットの間、40から85ユニットの間、50から70ユニットの間、55から65ユニットの間、45から70ユニットの間、55から75ユニットの間、65から80ユニットの間などであり得る。
【0155】
表4の実施形態では、半面毎の側頭筋(
図4では符号3、4、及び5)への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。側頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0156】
側頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、2から10ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0157】
側頭筋への総用量は、例えば、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニットなど、又は、20から80ユニットの間、25から75ユニットの間、30から70ユニットの間、35から65ユニットの間、50から70の間、55から65ユニットの間などであり得る。
【0158】
表4の実施形態では、鼻根筋(
図4では符号8)への注射の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、1から5つの注射の間、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間、1から3つの注射の間などであり得る。
【0159】
鼻根筋への注射部位毎の用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、1から7ユニットの間、2から6ユニットの間、3から5ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0160】
鼻根筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、1から7ユニットの間、2から6ユニットの間、3から5ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0161】
表4の実施形態では、半面毎の皺眉筋(
図4では符号7)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。皺眉筋への注射は筋肉に平行であり得る。皺眉筋への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0162】
皺眉筋への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0163】
皺眉筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、3から16ユニットの間、3から14ユニットの間、3から12ユニットの間、4から16ユニットの間、5から15ユニットの間、6から14ユニットの間、7から13ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0164】
表4の実施形態では、半面毎の眼輪筋(oculi)(
図4では符号6)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。眼輪筋(oculi)への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0165】
眼輪筋(oculi)への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0166】
眼輪筋(oculi)への総用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17、18、19、及び20、2から20ユニットの間、4から18ユニットの間、6から16ユニットの間、8から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0167】
表4の実施形態では、鼻筋(
図4では符号9)への半面毎の表層IM注射の数は、1、2、3つなど、又は、1から3つの注射の間などであり得る。鼻筋への注射は表3に記載のように皮下注射又は表4に記載のように表層筋肉内注射であり得る。
【0168】
表4の実施形態では、鼻筋への表層IM注射の合計数は、1、2、3、4、5、6つなど、又は、1から6つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間、3から5つの注射の間、4から6つの注射の間、1から4つの注射の間などであり得る。
【0169】
鼻筋への表層IM注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、1.5ユニット、2ユニット、2.5ユニット、3ユニット、3.5ユニット、4ユニット、4.5ユニット、5ユニット、1から5ユニットの間、2から4ユニットの間、2から3ユニットの間などであり得る。
【0170】
鼻筋への総表層IM用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から10ユニットの間、5から8ユニットの間などであり得る。
【0171】
表4の実施形態では、咬筋(
図4では符号13)への半面毎の注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。
【0172】
表4の実施形態では、咬筋への注射の合計数は、1、2、3、4、5、6、7、8つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間、4から6つの注射の間、4から8つの注射の間などであり得る。
【0173】
咬筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0174】
咬筋への総用量は、例えば、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17ユニット、18ユニット、19ユニット、20ユニット、4から20ユニットの間、6から18ユニットの間、8から16ユニットの間、10から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0175】
CMを治療するためのさらなる実施形態は、表5にみられる注射プロトコルを含む。
【0176】
【0177】
表5で、『部位数/半面』は頭部の半面毎の部位の数を意味する。『表層IM』は表層筋肉内注射、『IM』は筋肉内注射を意味する。表5に関連する注射位置は
図5及び6に示される。実施形態では、眼窩上神経に対する注射は、上部前頭筋の各側で5ユニットの注射を1回行い合計で10ユニットとなる2回の側方注射を含むヘアラインでの又はヘアライン付近での上部前頭筋注射を含む。幾つかの実施形態では、前頭筋注射手法は、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、そして、額下部から離れるように角度をつけることを含む。実施形態では、前頭筋注射を目的として、医師は瞳孔中心線を決定し、ヘアラインへと垂直に視覚的に上へ進み、(皮膚へ)30から45度の角度で皮膚に穿刺し、へラインで単回注射を行う。
【0178】
実施形態では、滑車上神経及び眼窩上神経に対する注射は、内側皺眉筋の各側で5ユニットの注射を1回行い合計で10ユニットとなる2回の平行なリニアスレッディング手法の注射を用いて正中線付近の皺眉筋に注射することを含む。実施形態では、この注射手法は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)針を挿入することを含む。針は、内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、筋肉を抑えながら1/2インチ挿入される。注射するものは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際にプランジャを押し始め、正中線で止める。この『リニアスレッディング』手法により、患者への注射の数を最小化しつつ、鼻根筋及び滑車上神経の区域へ毒素を拡散させることが可能となる。実施形態では、皺眉筋を可視化するために、医師は、皺眉筋の収縮により引き起こされる縦皺を生じさせるために、目をきつく閉じるよう患者に頼む。医師は、その後、皺眉筋を特定し、当該筋肉を人差し指と親指で固定する。実施形態では、皮膚は、医師の人差し指が患者の眼窩縁にあり、医師の親指が眉から上の方にある状態で、眉の内側縁から上に延びる縦皺に対して90度の角度で、且つ、皺眉筋に平行に、皺眉筋の内側部に渡って穿刺される。
【0179】
実施形態では、頬骨側頭枝の神経に対する注射は、顔の各半面で眼輪筋(oculi)の側部への5ユニットの注射を1回行い合計で10ユニットとなる眼輪筋(oculi)区域の注射を含む。実施形態では、注射は、目に見える血管構造をいずれも避けつつベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で行われる。実施形態では、眼輪筋注射を目的として、医師は小静脈を避けられるように眼輪筋の領域において小静脈を特定する。あざを避けるために、医師は、筋肉が特定され且つ皮膚を手で引っ張ることで医師により固定された後で、極めて表層的に注射を行う。実施形態では、注射は、あざを最小限にするために静脈を避けながら、眼から離れて眼窩の骨稜上に内眼角贅皮(epicanthus)又は内眼角贅皮線(epicanthal line)から1指幅分で行われる。実施形態では、針のベベルを上向きにした状態で皮膚の下に針のベベルのみが挿入される。
【0180】
実施形態では、耳介側頭枝及び頬骨側頭枝に対する注射は、耳珠の前側で前側頭筋区域の各側に5ユニット又は10ユニットの注射を3回行い合計で30ユニット又は60ユニットとなるように前側頭筋区域へ注射することを含む。3回の側頭注射の最も前側のものについては、腔側頭筋膜を避けて当該領域での萎縮を最小化するために側頭区域のヘアラインに戻る方向に針の角度をつけてヘアラインに注射が行われる。その他の側頭注射は、ヘアラインの後ろで耳珠に平行に頭蓋骨に45度の角度で注射されてもよい。実施形態では、1回目の側頭注射は耳珠と列をなして耳の頂点より上に1から2指幅分で行われる。2回目の注射は1回目の注射から垂直上方に1又は1.5指幅分で行われ、3回目の注射はそこから前側に1指幅分で行われ、3回の注射の全てがヘアライン内で行われる。
【0181】
実施形態では、大後頭神経及び小後頭神経に対する注射は、各後頭筋に10ユニットの筋肉注射を3回行い合計で60ユニットとなるように後頭筋区域へ注射することを含む。この注射手法は、項部上縁に平行に針を挿入することを含む。注射するものは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際にプランジャを押し始め(拡散を最大化するための平行リニアスレッディング手法)、用量の第1の半分を外側領域に用量の第2の半分を正中領域に注射することを目指す。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ毒素を拡散させることが可能となるはずであり、また、後頭筋でのより少ない回数の注射、例えば、各半面での3回の注射に対して各半面で2回の注射が可能となるかもしれない。実施形態では、後頭筋注射を目的として、医師はイニオン、乳様突起、及び項部上縁の目印を特定する。注射は、1回目の注射がこれら3つの目印の中央で行われ、その後、2回目の注射がより内側で行われ、その後、3回目の注射が項部上縁に沿ってより外側で行われるように、項部上縁の直ぐ上で行われる。
【0182】
実施形態では、第3後頭神経及び肩甲上神経に対する注射は、上部僧帽筋では5ユニットで下部僧帽筋では10ユニットで各僧帽筋に筋肉内注射を2回行い合計で30ユニットとなるように上部及び下部僧帽筋区域に表層的に注射することを含む。上部僧帽筋注射についての注射手法は、C2に平行に、下側のヘアラインに角度をつけて、中頸部から上向きに離れ頭蓋底に向けて45度の角度で注射することを含む。注射するものは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際にプランジャを押し始める(拡散を最大化するための平行リニアスレッディング手法)。下部僧帽筋についての注射手法は、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射することを含む。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ毒素を拡散させることが可能となるはずである。実施形態では、大槽の直ぐ上に、医師が頭蓋底を特定した後に、上部僧帽筋は頭蓋底から内側下方に注射される。後頭隆起の直ぐ下で当該隆起から外側に凡そ一指幅で上部僧帽筋に注射が行われる。
【0183】
実施形態では、下部僧帽筋注射は、ネックレスラインを見つけ、その後、内側ネックレスラインに対して外側に2指幅分移動して、筋肉を特定し、どのような拡散でもより垂直方向を向いている僧帽筋繊維から離れて毒素が運ばれるように正中線から離れて注射することにより行われる。
【0184】
ある種の実施形態では、表5で特定されている1つ以上の筋肉への注射が行われなくてもよく、これにより総用量は減少する。ある種の実施形態では、鼻筋、咬筋、又は鼻根筋などの表5で特定されていない1つ以上の筋肉への注射が行われなくてもよく、これにより総用量は増加する。ある種の実施形態では、表5に示された筋肉毎又は半面毎の注射部位の合計数は増減してよく、これにより筋肉毎又は半面毎の用量は増減する。投与される総用量は約140Uから200Uの範囲であり得る。
【0185】
ある種の実施形態では、本方法は、組成物を、個体に対して、真皮下に、皮下に、筋肉内に、又は、表層筋肉内注射を介して、注射することを含む。例えば、投与することは、27ゲージ針、28ゲージ針、29ゲージ針、30ゲージ針、31ゲージ針、32ゲージ針、及び/又は、33ゲージ針を介して、組成物を注射することを含んでもよい。ある種の実施形態では、本方法は、A型ボツリヌス毒素を含む組成物を投与することを含む。
【0186】
実施形態では、投与は、32ゲージ針を使用することを含む。幾つかの実施形態では、投与は、1/2インチの長さの32ゲージ針を使用することを含む。実施形態では、投与は、30ゲージ針を使用することを含む。幾つかの実施形態では、投与は、1/2インチの長さの30ゲージ針を使用することを含む。
【0187】
表5のプロトコルは、治療目的及び結果に基づき調節され得る。半面毎のヘアラインでの上部前頭筋への注射の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、半面毎に1又は2つの注射の間、1から3つの注射の間、1から4つの注射の間、1から5つの注射の間、2から4つの注射の間、2から5つの注射の間などであり得る。上部前頭筋への注射は、複数部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。上部前頭筋への注射は表5に記載のように筋肉内注射であり得る。
【0188】
上部前頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、15から20ユニットの間、4から6ユニットの間、2から8ユニットの間、8から12ユニットの間などであり得る。
【0189】
上部前頭筋への総用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、又は、5から40ユニットの間、5から35ユニットの間、5から30ユニットの間、10から40ユニットの間、10から35ユニットの間、10から30ユニットの間、15から40ユニットの間、15から35ユニットの間、15から30ユニットの間、20から40ユニットの間、20から30ユニットの間、25から40ユニットの間、25から35ユニットの間、30から60ユニットの間、35から55ユニットの間などであり得る。
【0190】
表5の実施形態では、半面毎の皺眉筋(
図4では符号7)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。皺眉筋への注射は筋肉に平行であり得る。皺眉筋への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0191】
皺眉筋への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0192】
皺眉筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、3から16ユニットの間、3から14ユニットの間、3から12ユニットの間、4から16ユニットの間、5から15ユニットの間、6から14ユニットの間、7から13ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0193】
表5の実施形態では、半面毎の眼輪筋(oculi)(
図4では符号6)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。眼輪筋(oculi)への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0194】
眼輪筋(oculi)への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0195】
眼輪筋(oculi)への総用量は、例えば、2、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17、18、19、及び20、2から20ユニットの間、4から18ユニットの間、6から16ユニットの間、8から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0196】
実施形態では、眼輪筋(oculi muscle)は、皮膚表面に対して、ニードルのベベルを上向きにした状態で注射される。
【0197】
表5の実施形態では、半面毎の耳珠の前側での側頭筋(
図4では符号3、4、及び5)への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。側頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0198】
側頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、2から10ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0199】
側頭筋への総用量は、例えば、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニットなど、又は、15から60ユニットの間、20から55ユニットの間、25から50ユニットの間、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間などであり得る。
【0200】
表5の実施形態では、半面毎の後頭筋(
図4では符号10、11、及び12(1回目の注射は項部上縁(nuchal ridge)の中間点で、当該注射は上縁より上で行われる。実施形態では、2回目及び3回目の注射は1回目の注射と逆三角形を形成しており、各注射点の間は約2-3cmである。))への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。後頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0201】
後頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0202】
後頭筋への総用量は、例えば、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニット、85ユニット、又は、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間、35から80ユニット、35から65ユニットの間、45から70ユニットの間、50から80ユニットの間、40から85ユニットの間、50から70ユニットの間、55から65ユニットの間、45から70ユニットの間、55から75ユニットの間、65から80ユニットの間などであり得る。
【0203】
表5の実施形態では、半面毎の僧帽筋(上部(
図4では符号2)及び下部(
図4では符号1))への注射位置の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、半面毎に1又は2つの注射の間、1から3つの注射の間、1から4つの注射の間、1から5つの注射の間、2から4つの注射の間、2から5つの注射の間などであり得る。僧帽筋(上部及び下部)への注射は、複数部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。上部僧帽筋への注射は表3に記載のように真皮下注射又は表4に記載のように表層筋肉内注射であり得る。下部僧帽筋への注射は表3及び表4に記載のように筋肉内注射であり得る。
【0204】
僧帽筋(上部及び下部)への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、15から20ユニットの間、4から6ユニットの間、2から8ユニットの間、8から12ユニットの間などであり得る。
【0205】
僧帽筋(上部及び下部)への総用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、又は、5から40ユニットの間、5から35ユニットの間、5から30ユニットの間、10から40ユニットの間、10から35ユニットの間、10から30ユニットの間、15から40ユニットの間、15から35ユニットの間、15から30ユニットの間、20から40ユニットの間、20から30ユニットの間、25から40ユニットの間、25から35ユニットの間、30から60ユニットの間、35から55ユニットの間などであり得る。
【0206】
CMを治療するためのさらなる実施形態は、表6にみられる注射プロトコルを含む。
【0207】
【0208】
表6で、『部位数/半面』は頭部の半面毎の部位の数を意味する。『表層IM』は表層筋肉内注射、『IM』は筋肉内注射を意味する。表6に関連する注射位置は
図7及び8に示される。実施形態では、眼窩上神経に対する注射は、上部前頭筋の各側で5ユニットの注射を1回行い合計で10ユニットとなる2回の側方注射を含むヘアラインでの又はヘアライン付近での上部前頭筋注射を含む。幾つかの実施形態では、前頭筋注射手法は、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、そして、額下部から離れるように角度をつけることを含む。実施形態では、前頭筋注射を目的として、医師は瞳孔中心線を決定し、ヘアラインへと垂直に視覚的に上へ進み、(皮膚に対して)30から45度の角度で皮膚に穿刺し、へラインで単回注射を行う。
【0209】
実施形態では、滑車上神経及び眼窩上神経に対する注射は、内側皺眉筋の各側で5ユニットの注射を1回行い合計で10ユニットとなる2回の平行なリニアスレッディング手法の注射を用いて正中線付近の皺眉筋に注射することを含む。
【0210】
実施形態では、この注射手法は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)針を挿入することを含む。針は、内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、筋肉を抑えながら1/2インチ挿入される。注射するものは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際にプランジャを押し始め、正中線で止める。この『リニアスレッディング』手法により、患者への注射の数を最小化しつつ、鼻根筋及び滑車上神経の区域へ毒素を拡散させることが可能となる。実施形態では、皺眉筋を可視化するために、医師は、皺眉筋の収縮により引き起こされる縦皺を生じさせるために、目をきつく閉じるよう患者に頼む。医師は、その後、皺眉筋を特定すると、当該筋肉を人差し指と親指で固定する。実施形態では、皮膚は、医師の人差し指が患者の眼窩縁に、親指が眉から上の方にある状態で、眉の内側縁から上に延びる縦皺に対して90度の角度で、且つ、皺眉筋に平行に、皺眉筋の内側部に渡って穿刺される。
【0211】
実施形態では、頬骨側頭枝の神経に対する注射は、顔の各半面で5ユニットの注射を1回行い合計で10ユニットとなる眼輪筋(oculi)区域の注射を含む。実施形態では、注射は、目に見える血管構造をいずれも避けつつベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で行われる。実施形態では、眼輪筋注射を目的として、医師は小静脈を避けられるように眼輪筋の領域において小静脈を特定する。あざを避けるために、医師は、筋肉が特定され且つ皮膚を手で引っ張ることで医師により固定された後で、極めて表層的に注射を行う。実施形態では、注射は、あざを最小限にするために静脈を避けながら、眼から離れて眼窩の骨稜上に内眼角贅皮(epicanthus)又は内眼角贅皮線(epicanthal line)から1指幅分で行われる。実施形態では、皮膚の下に針のベベルのみが挿入される。実施形態では、眼輪筋(oculi muscle)は、皮膚表面に対して、ニードルのベベルを上向きにした状態で注射される。
【0212】
実施形態では、耳介側頭枝及び頬骨側頭枝に対する注射は、耳珠の前側で前側頭筋区域の各側に5ユニット又は10ユニットの注射を3回行い合計で30ユニット又は60ユニットとなるように前側頭筋区域へ注射することを含む。3回の側頭注射の最も前側のものについては、腔側頭筋膜を避けて当該領域での萎縮を最小化するために側頭区域のヘアラインに戻る方向に針の角度をつけてヘアラインに注射が行われる。その他の側頭注射は、ヘアラインの後ろで耳珠に平行に頭蓋骨に45度の角度で注射されてもよい。実施形態では、1回目の側頭注射は耳珠と列をなして耳の頂点より上に1指幅又は2指幅分で行われる。2回目の注射は1回目の注射から垂直上方に1又は1.5指幅分で行われ、3回目の注射は2回目から前側に1指幅分で行われ、3回の注射の全てがヘアライン内で行われる。
【0213】
実施形態では、眼窩下神経の鼻毛様体枝に対する注射は、鼻筋の各側に2.5ユニットの表層筋肉内注射を1回行い合計で5ユニットとなるように鼻筋区域へ注射することを含む。この注射手法は、針を鼻に45度の角度で挿入すること、及び、針のベベルのみを挿入することを含む。実施形態では、鼻筋を特定するために医師は患者に鼻と眼を『顰める』ように指示し、その後、当該筋肉は最小の深さで皮膚に対して90度の角度で眼から離れて骨に平行に注射される。
【0214】
実施形態では、三叉神経の運動神経(nerves of the trigeminal motor division)に対する注射は、各咬筋に5ユニットの筋肉内注射を1回行い合計で10ユニットとなるように咬筋区域へ注射することを含む。この注射手法は、針を45度の角度で挿入することを含む。実施形態では、咬筋を特定するために、頬骨筋を避けるために医師は耳珠と口角との間の線を可視化する。この線を半分ほど横切ったところから、医師は下顎角まで線を下に引き、患者に歯を食いしばらせてから力を抜かせる。そして、咬筋が触知され、患者が引き締めた筋肉を維持する際中に90度の角度にある耳下腺を避けて、皮膚に対して直角に筋肉内へと注射が行われる。実施形態では、毒素は、患者が力を抜いた際に、顎下腺を避けるため下顎の輪郭より上に1から2指幅分で投与される。
【0215】
実施形態では、大後頭神経及び小後頭神経に対する注射は、各後頭筋に10ユニットの筋肉注射を3回行い合計で60ユニットとなるように後頭筋区域へ注射することを含む。この注射手法は、項部上縁に平行に針を挿入することを含む。注射するものは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際にプランジャを押し始め(拡散を最大化するための平行リニアスレッディング手法)、用量の第1の半分を外側領域に用量の第2の半分を正中領域に注射することを目指す。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ毒素を拡散させることが可能となるはずであり、また、後頭筋でのより少ない回数の注射、例えば、各半面での3回の注射に対して各半面で2回の注射が可能となるかもしれない。実施形態では、後頭筋注射を目的として、医師はイニオン、乳様突起、及び項部上縁の目印を特定する。注射は、1回目の注射がこれら3つの目印の中央で行われ、その後、2回目の注射がより内側で行われ、その後、3回目の注射が項部上縁に沿ってより外側で行われるように、項部上縁の直ぐ上で行われる。
【0216】
実施形態では、第3後頭神経及び肩甲上神経に対する注射は、上部僧帽筋では表層的に5ユニットで下部僧帽筋では10ユニットで各僧帽筋に筋肉内注射を2回行い合計で30ユニットとなるように上部及び下部僧帽筋区域に注射することを含む。上部僧帽筋注射についての注射手法は、C2に平行に、下側のヘアラインに角度をつけて、中頸部から上向きに離れ頭蓋底に向けて45度の角度で注射することを含む。注射するものは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際にプランジャを押し始める(拡散を最大化するための平行リニアスレッディング手法)。下部僧帽筋についての注射手法は、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射することを含む。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ毒素を拡散させることが可能となるはずである。実施形態では、大槽の直ぐ上に、医師が頭蓋底を特定した後に、上部僧帽筋は頭蓋底から内側下方に注射される。後頭隆起の直ぐ下で当該隆起から外側に凡そ一指幅で上部僧帽筋に注射が行われる。
【0217】
実施形態では、下部僧帽筋注射は、ネックレスラインを見つけ、その後、内側ネックレスラインに対して外側に2指幅分移動して、筋肉を特定し、どのような拡散でもより垂直方向を向いている僧帽筋繊維から離れて毒素が運ばれるように正中線から離れて注射することにより行われる。
【0218】
ある種の実施形態では、表6で特定されている1つ以上の筋肉への注射が行われなくてもよく、これにより総用量は減少する。ある種の実施形態では、鼻根筋などの表6で特定されていない1つ以上の筋肉への注射が行われなくてもよく、これにより総用量は増加する。ある種の実施形態では、表6に示された筋肉毎又は半面毎の注射部位の合計数は増減してよく、これにより筋肉毎又は半面毎の用量は増減する。投与される総用量は約140Uから200Uの範囲であり得る。
【0219】
ある種の実施形態では、本方法は、組成物を、個体に対して、真皮下に、皮下に、筋肉内に、又は、表層筋肉内注射を介して、注射することを含む。例えば、投与することは、27ゲージ針、28ゲージ針、29ゲージ針、30ゲージ針、31ゲージ針、32ゲージ針、及び/又は、33ゲージ針を介して、組成物を注射することを含んでもよい。ある種の実施形態では、本方法は、A型ボツリヌス毒素を含む組成物を投与することを含む。
【0220】
実施形態では、投与は、32ゲージ針を使用することを含む。幾つかの実施形態では、投与は、1/2インチの長さの32ゲージ針を使用することを含む。実施形態では、投与は、30ゲージ針を使用することを含む。幾つかの実施形態では、投与は、1/2インチの長さの30ゲージ針を使用することを含む。
【0221】
表6のプロトコルは、治療目的及び結果に基づき調節され得る。半面毎のヘアラインでの上部前頭筋への注射の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、半面毎に1又は2つの注射の間、1から3つの注射の間、1から4つの注射の間、1から5つの注射の間、2から4つの注射の間、2から5つの注射の間などであり得る。上部前頭筋への注射は、複数部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。上部前頭筋への注射は表5に記載のように筋肉内注射であり得る。
【0222】
上部前頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、15から20ユニットの間、4から6ユニットの間、2から8ユニットの間、8から12ユニットの間などであり得る。
【0223】
上部前頭筋への総用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、又は、5から40ユニットの間、5から35ユニットの間、5から30ユニットの間、10から40ユニットの間、10から35ユニットの間、10から30ユニットの間、15から40ユニットの間、15から35ユニットの間、15から30ユニットの間、20から40ユニットの間、20から30ユニットの間、25から40ユニットの間、25から35ユニットの間、30から60ユニットの間、35から55ユニットの間などであり得る。
【0224】
表5の実施形態では、半面毎の皺眉筋(
図4では符号7)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。皺眉筋への注射は筋肉に平行であり得る。皺眉筋への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0225】
皺眉筋への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0226】
皺眉筋への総用量は、例えば、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、3から16ユニットの間、3から14ユニットの間、3から12ユニットの間、4から16ユニットの間、5から15ユニットの間、6から14ユニットの間、7から13ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0227】
表5の実施形態では、半面毎の眼輪筋(oculi)(
図4では符号6)への注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。眼輪筋(oculi)への注射は、複数合計部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から6部位の間、2から4部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。
【0228】
眼輪筋(oculi)への注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0229】
眼輪筋(oculi)への総用量は、例えば、2、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17、18、19、及び20、2から20ユニットの間、4から18ユニットの間、6から16ユニットの間、8から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0230】
実施形態では、眼輪筋(oculi muscle)は、皮膚表面に対して、ニードルのベベルを上向きにした状態で注射される。
【0231】
表6の実施形態では、半面毎の側頭筋(
図4では符号3、4、及び5)への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。側頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0232】
側頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、2から10ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0233】
側頭筋への総用量は、例えば、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニットなど、又は、20から80ユニットの間、25から75ユニットの間、30から70ユニットの間、35から65ユニットの間、50から70の間、55から65ユニットの間などであり得る。
【0234】
表4の実施形態では、鼻筋(
図4では符号9)への半面毎のIM注射の数は、1、2、3つなど、又は、1から3つの注射の間などであり得る。鼻筋への注射は表3に記載のように皮下注射又は表4に記載のように表層筋肉内注射であり得る。
【0235】
表4の実施形態では、鼻筋へのIM注射の合計数は、1、2、3、4、5、6つなど、又は、1から6つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間、3から5つの注射の間、4から6つの注射の間、1から4つの注射の間などであり得る。
【0236】
鼻筋へのIM注射部位毎の用量は、例えば、1ユニット、1.5ユニット、2ユニット、2.5ユニット、3ユニット、3.5ユニット、4ユニット、4.5ユニット、5ユニット、1から5ユニットの間、2から4ユニットの間、2から3ユニットの間などであり得る。
【0237】
鼻筋への総IM用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間、5から10ユニットの間、5から8ユニットの間などであり得る。
【0238】
表6の実施形態では、咬筋(
図4では符号13)への半面毎の注射の数は、1、2、3、4つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。
【0239】
表6の実施形態では、咬筋への注射の合計数は、1、2、3、4、5、6、7、8つなど、又は、1から4つの注射の間、1から3つの注射の間、2から4つの注射の間、4から6つの注射の間、4から8つの注射の間などであり得る。
【0240】
咬筋への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、3ユニット、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、2から10ユニットの間、3から9ユニットの間、4から8ユニットの間、4から6ユニットの間などであり得る。
【0241】
咬筋への総用量は、例えば、4ユニット、5ユニット、6ユニット、7ユニット、8ユニット、9ユニット、10ユニット、11ユニット、12ユニット、13ユニット、14ユニット、15ユニット、16ユニット、17ユニット、18ユニット、19ユニット、20ユニット、4から20ユニットの間、6から18ユニットの間、8から16ユニットの間、10から14ユニットの間、8から12ユニットの間、9から11ユニットの間などであり得る。
【0242】
表6の実施形態では、半面毎の後頭筋(
図4では符号10、11、及び12(1回目の注射は項部上縁(nuchal ridge)の中間点で、当該注射は上縁より上で行われる。実施形態では、2回目及び3回目の注射は1回目の注射と逆三角形を形成しており、各注射点の間は約2-3cmである。))への注射の数は、1、2、3、4、5、6、7つなど、又は、1から6つの注射の間、1から5つの注射の間、2から6つの注射の間、3から6つの注射の間、2から5つの注射の間、2から4つの注射の間などであり得る。後頭筋への注射は、複数合計部位への、例えば、4部位、5部位、6部位、7部位、8部位、9部位など、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間、5から7部位の間、4から8部位の間などへの注射であり得る。
【0243】
後頭筋への注射部位毎の用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間などであり得る。
【0244】
後頭筋への総用量は、例えば、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、65ユニット、70ユニット、75ユニット、80ユニット、85ユニット、又は、20から40ユニットの間、25から35ユニットの間、35から80ユニット、35から65ユニットの間、45から70ユニットの間、50から80ユニットの間、40から85ユニットの間、50から70ユニットの間、55から65ユニットの間、45から70ユニットの間、55から75ユニットの間、65から80ユニットの間などであり得る。
【0245】
表6の実施形態では、半面毎の僧帽筋(上部(
図4では符号2)及び下部(
図4では符号1))への注射位置の数は、1、2、3、4、5つなど、又は、半面毎に1又は2つの注射の間、1から3つの注射の間、1から4つの注射の間、1から5つの注射の間、2から4つの注射の間、2から5つの注射の間などであり得る。僧帽筋(上部及び下部)への注射は、複数部位への、例えば、2部位、3部位、4部位、5部位、6部位、7部位、若しくは8部位などへの、又は、2から8部位の間、2から7部位の間、3から6部位の間、3から5部位の間などへの注射であり得る。上部僧帽筋への注射は表3に記載のように真皮下注射又は表4に記載のように表層筋肉内注射であり得る。下部僧帽筋への注射は表3及び表4に記載のように筋肉内注射であり得る。
【0246】
僧帽筋(上部及び下部)への注射部位毎の用量は、例えば、2ユニット、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、5から20ユニットの間、5から15ユニットの間、5から10ユニットの間、10から15ユニットの間、15から20ユニットの間、4から6ユニットの間、2から8ユニットの間、8から12ユニットの間などであり得る。
【0247】
僧帽筋(上部及び下部)への総用量は、例えば、5ユニット、10ユニット、15ユニット、20ユニット、25ユニット、30ユニット、35ユニット、40ユニット、45ユニット、50ユニット、55ユニット、60ユニット、又は、5から40ユニットの間、5から35ユニットの間、5から30ユニットの間、10から40ユニットの間、10から35ユニットの間、10から30ユニットの間、15から40ユニットの間、15から35ユニットの間、15から30ユニットの間、20から40ユニットの間、20から30ユニットの間、25から40ユニットの間、25から35ユニットの間、30から60ユニットの間、35から55ユニットの間などであり得る。
【0248】
実施形態では、方法は、鼻筋領域、眼輪筋領域、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、咬筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも1つに関連する神経に、治療有効量の少なくとも1種の神経毒素を投与することを避けることを含む。例えば、開示された実施形態は、鼻筋と眼輪筋と皺眉筋と鼻根筋と後頭筋と側頭筋と僧帽筋と 咬筋とへの投与を含み、頚部傍脊柱筋領及び前頭筋のいずれへの投与を含まない。他の開示された実施形態は、眼輪筋と皺眉筋と鼻根筋と後頭筋と側頭筋と僧帽筋とへの投与を含み、頚部傍脊柱筋領、前頭筋、鼻筋、及び咬筋のいずれへの投与も含まない。同様に、開示された実施形態は、皺眉筋と鼻根筋と後頭筋と側頭筋と僧帽筋とへの投与を含み、前頭筋領域への投与を含まない、又は、皺眉筋と鼻根筋と後頭筋と側頭筋と僧帽筋とへの投与を含み、前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域のいずれへの投与も含まない。
【0249】
実施形態では、頚部傍脊柱筋には投与されない。
【0250】
実施形態では、前頭筋には投与されない。
【0251】
実施形態では、皺眉筋には投与されない。
【0252】
実施形態では、咬筋には投与されない。
【0253】
実施形態では、鼻根筋には投与されない。
【0254】
実施形態では、後頭筋には投与されない。
【0255】
実施形態では、側頭筋には投与されない。
【0256】
実施形態では、僧帽筋には投与されない。
【0257】
実施形態では、眼輪筋には投与されない。
【0258】
実施形態では、鼻筋には投与されない。
【0259】
さらなる実施形態は、治療有効量の少なくとも1種の神経毒素をSPGに投与することを含む。こうした投与は、実施形態によっては両側で行われる注射、例えば、口腔内注射、鼻腔内注射、又は経頬注射を含む。
【0260】
実施形態では、SPGに注射される量は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも1つに注射される量の半分である。実施形態では、SPGに注射される量は、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも1つに注射される量の半分より少ない。実施形態では、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも1つに注射される量の半分より多い。
【0261】
開示された方法は、複数のクロストリジウム神経毒素の使用を含み得る。例えば、E型ボツリヌス毒素が、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも1つに投与され得る一方で、A型ボツリヌス毒素がSPGに投与され得る。実施形態では、A型ボツリヌス毒素が、鼻筋領域、眼輪筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び、僧帽筋領域の少なくとも1つに投与され得る一方で、E型ボツリヌス毒素がSPGに投与され得る。
【0262】
(神経毒素用量)
神経毒素は、約10-3U/kgから約35U/kgの間の量で投与され得る。一実施形態では、神経毒素は、約10-2U/kgから約25U/kgの間の量で投与される。別の実施形態では、神経毒素は、約10-1U/kgから約15U/kgの間の量で投与される。別の実施形態では、神経毒素は、約1U/kgから約10U/kgの間の量で投与される。多くの場合、約1ユニットから約300ユニットのA型ボツリヌス毒素などの神経毒素の投与が、有効な治療的緩和をもたらす。一実施形態では、約5ユニットから約200ユニットのA型ボツリヌス毒素などの神経毒素が用いられ得るものであり、別の実施形態では、約10ユニットから約100ユニットのA型ボツリヌス毒素などの神経毒素が、標的組織に局所的に投与され得る。
【0263】
実施形態では、投与は、約30ユニット、又は約35ユニット、又は約40ユニット、又は約45ユニット、又は約50ユニット、又は約55ユニット、又は約60ユニット、又は約65ユニット、又は約70ユニット、又は約75ユニット、又は約80ユニット、又は約85ユニット、又は約90ユニット、又は約95ユニット、又は約100ユニット、又は約105ユニット、又は約110ユニット、又は約115ユニット、又は約120ユニット、又は約125ユニット、又は約130ユニット、又は約135ユニット、又は約140ユニット、又は約145ユニット、又は約150ユニット、又は約155ユニット、又は約160ユニット、又は約165ユニット、又は約170ユニット、又は約175ユニット、又は約180ユニット、又は約185ユニット、又は約190ユニット、又は約195ユニット、又は約200ユニット、又は約205ユニット、又は約210ユニット、又は約215ユニット、又は約220ユニット、又は約225ユニット、又は約230ユニット、又は約235ユニット、又は約240ユニット、又は約245ユニット、又は約250ユニット、又は約255ユニット、又は約260ユニット、又は約265ユニット、又は約270ユニット、又は約275ユニット、又は約280ユニット、又は約285ユニット、又は約290ユニット、又は約295ユニット、又は約300ユニットなどの、ボツリヌス神経毒素の、治療セッション毎の総投与量を含み得る。
【0264】
実施形態では、投与は、少なくとも10ユニット、又は少なくとも15ユニット、又は少なくとも20ユニット、又は少なくとも25ユニット、又は少なくとも30ユニット、又は少なくとも35ユニット、又は少なくとも40ユニット、又は少なくとも45ユニット、又は少なくとも50ユニット、又は少なくとも55ユニット、又は少なくとも60ユニット、又は少なくとも65ユニット、又は少なくとも70ユニット、又は少なくとも75ユニット、又は少なくとも80ユニット、又は少なくとも85ユニット、又は少なくとも90ユニット、又は少なくとも95ユニット、又は少なくとも100ユニット、又は少なくとも105ユニット、又は少なくとも110ユニット、又は少なくとも115ユニット、又は少なくとも120ユニット、又は少なくとも125ユニット、又は少なくとも130ユニット、又は少なくとも135ユニット、又は少なくとも140ユニット、又は少なくとも145ユニット、又は少なくとも150ユニット、又は少なくとも155ユニット、又は少なくとも160ユニット、又は少なくとも165ユニット、又は少なくとも170ユニット、又は少なくとも175ユニット、又は少なくとも180ユニット、又は少なくとも185ユニット、又は少なくとも190ユニット、又は少なくとも195ユニット、又は少なくとも200ユニット、又は少なくとも205ユニット、又は少なくとも210ユニット、又は少なくとも215ユニット、又は少なくとも220ユニット、又は少なくとも225ユニット、又は少なくとも230ユニット、又は少なくとも235ユニット、又は少なくとも240ユニット、又は少なくとも245ユニット、又は少なくとも250ユニット、又は少なくとも255ユニット、又は少なくとも260ユニット、又は少なくとも265ユニット、又は少なくとも270ユニット、又は少なくとも275ユニット、又は少なくとも280ユニット、又は少なくとも285ユニット、又は少なくとも290ユニット、又は少なくとも295ユニット、又は少なくとも300ユニットなどの、神経毒素の、例えば、A型ボツリヌス毒素の、治療セッション毎の総投与量を含み得る。
【0265】
実施形態では、多くとも10ユニット、又は多くとも15ユニット、又は多くとも20ユニット、又は多くとも25ユニット、又は多くとも30ユニット、又は多くとも35ユニット、又は多くとも40ユニット、又は多くとも45ユニット、又は多くとも50ユニット、又は多くとも55ユニット、又は多くとも60ユニット、又は多くとも65ユニット、又は多くとも70ユニット、又は多くとも75ユニット、又は多くとも80ユニット、又は多くとも85ユニット、又は多くとも90ユニット、又は多くとも95ユニット、又は多くとも100ユニット、又は多くとも105ユニット、又は多くとも110ユニット、又は多くとも115ユニット、又は多くとも120ユニット、又は多くとも125ユニット、又は多くとも130ユニット、又は多くとも135ユニット、又は多くとも140ユニット、又は多くとも145ユニット、又は多くとも150ユニット、又は多くとも155ユニット、又は多くとも160ユニット、又は多くとも165ユニット、又は多くとも170ユニット、又は多くとも175ユニット、又は多くとも180ユニット、又は多くとも185ユニット、又は多くとも190ユニット、又は多くとも195ユニット、又は多くとも200ユニット、又は多くとも205ユニット、又は多くとも210ユニット、又は多くとも215ユニット、又は多くとも220ユニット、又は多くとも225ユニット、又は多くとも230ユニット、又は多くとも235ユニット、又は多くとも240ユニット、又は多くとも245ユニット、又は多くとも250ユニット、又は多くとも255ユニット、又は多くとも260ユニット、又は多くとも265ユニット、又は多くとも270ユニット、又は多くとも275ユニット、又は多くとも280ユニット、又は多くとも285ユニット、又は多くとも290ユニット、又は多くとも295ユニット、又は多くとも300ユニットなどの、神経毒素の、例えば、A型ボツリヌス毒素の、治療セッション毎の総投与量を含み得る。
【0266】
実施形態では、多くとも400ユニット、又は多くとも500ユニット、又は多くとも600ユニット、又は多くとも700ユニット、又は多くとも800ユニット、又は多くとも900ユニット、又は多くとも1000ユニットなどの、神経毒素の、例えば、A型ボツリヌス毒素の、年毎の総投与量を含み得る。
【0267】
実施形態では、前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び、頚部傍脊柱筋領域の少なくとも1つに関連する神経への、神経毒素投与、例えば、ボツリヌス投与は、約40ユニットの、又は約45ユニット、又は約50ユニット、又は約55ユニット、又は約60ユニット、又は約65ユニット、又は約70ユニット、又は約75ユニット、又は約80ユニット、又は約85ユニット、又は約90ユニット、又は約95ユニット、又は約100ユニット、又は約105ユニット、又は約110ユニット、又は約115ユニット、又は約120ユニット、又は約125ユニット、又は約130ユニット、又は約135ユニット、又は約140ユニット、又は約145ユニット、又は約150ユニット、又は約155ユニット、又は約160ユニット、又は約165ユニット、又は約170ユニット、又は約175ユニット、又は約180ユニット、又は約185ユニット、又は約190ユニット、又は約195ユニット、又は約200ユニット、又は約205ユニット、又は約210ユニットなどの、ボツリヌス神経毒素の、治療セッション毎の総投与量を含み得る。
【0268】
実施形態では、SPGへの、神経毒素投与、例えば、ボツリヌス投与は、約5ユニット、又は約10ユニット、又は約15ユニット、又は約20ユニット、又は約25ユニット、又は約30ユニット、又は約35ユニット、又は約40ユニット、又は約45ユニット、又は約50ユニット、又は約55ユニット、又は約60ユニット、又は約65ユニット、又は約70ユニット、又は約75ユニット、又は約80ユニット、又は約85ユニット、又は約90ユニット、又は約95ユニット、又は約100ユニット、又は約105ユニット、又は約110ユニット、又は約115ユニット、又は約120ユニット、又は約125ユニット、又は約130ユニット、又は約135ユニット、又は約140ユニット、又は約145ユニットなどの、ボツリヌス神経毒素の、治療セッション毎の総投与量を含み得る。
【0269】
実施形態では、神経毒素の投与量はタンパク質量又は濃度で表される。例えば、実施形態では、神経毒素は、約2ngから20ngの間の量で投与され得る。一実施形態では、神経毒素は、約0.3ngから19ngの間、約0.4ngから18ngの間、約0.5ngから17ngの間、約0.6ngから16ngの間、約0.7ngから15ngの間、約0.8ngから14ngの間、約0.9ngから13ngの間、約1.0ngから12ngの間、約1.5ngから11ngの間、約2ngから10ngの間、約5ngから7ngの間などの量で、筋肉など標的組織に投与される。
【0270】
ただし、究極的には、投与される毒素の量及びその投与の頻度は、治療に責任のある医者の裁量に委ねられ、且つ、毒素により生じる効果及び安全性の問題に比例する。
【0271】
開示された実施形態は繰り返され得る治療を含む。例えば、繰り返し治療は、患者がCM症状を経験し始めた時に、行われ得る。しかし、好ましい実施形態は、症状の再発の前に治療を繰り返すことを含む。そのため、開示された実施形態は、例えば、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、10週間後、12週間後、14週間後、16週間後、18週間後、20週間後、22週間後、24週間後、又はこれ以上後に、治療を繰り返すことを含む。繰り返し治療は、以前の治療で用いられた投与部位とは異なる投与部位を含み得る。例えば、実施形態では、前頭筋が、最初の治療では注射され、その後、後続の治療では注射されないことがあり得る。
【0272】
in vivoで特定の期間にわたり所定の速度で神経毒素を送達するために制御放出系が本明細書に記載された実施形態で用いられ得る。制御放出系は、担体に組み込まれた神経毒素から構成され得る。担体はポリマー又はバイオセラミック材料であり得る。制御放出系は、患者の体の選択位置に、注射、挿入、又は、埋め込みされて、所望の治療効力をもたらす濃度及び方法でインプラントにより神経毒素が放出される長期間にわたり当該位置に留置され得る。
【0273】
ポリマー性材料は、磁気的、超音波的、又は温度変化的要因による影響を受けて、並びに、拡散、化学反応、又は、溶媒活性化により、神経毒素を放出し得る。拡散は、リザーバー又はマトリックスからであり得る。化学的制御は、ポリマー分解又はポリマーからの薬剤の切断によるものであり得る。溶媒活性化は、ポリマーの膨潤又は浸透圧効果を伴い得る。
【0274】
開示された実施形態を実施するためのキットも本開示により包含される。キットは、33ゲージ又はより口径の小さい針及び対応するシリンジを含み得る。キットは、A型ボツリヌス毒素組成物などの少なくとも1つのクロストリジウム神経毒素を含み得る。神経毒素組成物はシリンジで提供されてもよい。組成物は、針を介して注射可能である。キットは、針及びシリンジのサイズ並びにそこに含まれる注射可能な(1つ又は複数の)組成物の体積に基づき種々の形態で設計され、また、当該組成物はキットが治療するよう設計される特定の欠乏症に基づく。
【0275】
(実施例)
以下の非限定的な実施例は、代表的な実施形態のより完全な理解を促進するためにのみ例示目的で提供される。この実施例は本明細書に記載の実施形態を限定すると解釈されるべきではない。
【0276】
(実施例1)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、前頭筋、皺眉筋、鼻根筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで15ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。12週間の評価期間後に、患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)SPGへ口腔内投与もされる。
【0277】
患者は治療後18週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0278】
(実施例2)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、前頭筋、皺眉筋、側頭筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで20ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者には25ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で12.5ユニットで)SPGへ経頬投与もされる。
【0279】
患者は治療後16週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0280】
(実施例3)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、皺眉筋、鼻根筋、咬筋、側頭筋、僧帽筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで25ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。前頭筋及び頚部傍脊柱筋は注射されない。患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)SPGへ経頬投与もされる。
【0281】
患者は、治療後に、より少ない回数の片頭痛及び片頭痛が生じたときの片頭痛症状の減少を報告する。12週間の評価期間後に、SPGへの注射が繰り返される。
【0282】
(実施例4)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、前頭筋、鼻根筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで20ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。皺眉筋は注射されない。患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)SPGへ経頬投与もされる。
【0283】
患者は治療後18週間にわたりより少ない回数の片頭痛症状を報告する。
【0284】
(実施例5)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、前頭筋、皺眉筋、鼻根筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで15ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。頚部傍脊柱筋領域は注射されない。患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)翼口蓋空間へ口腔内投与もされる。
【0285】
(実施例6)
(反復性片頭痛の治療)
反復性片頭痛患者は、前頭筋、皺眉筋、鼻根筋、咬筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで15ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。頚部傍脊柱筋領域は注射されない。患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)翼口蓋空間へ口腔内投与もされる。
【0286】
患者は治療後16週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0287】
(実施例7)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、(
図1に示すように)皺眉筋、鼻根筋、咬筋、側頭筋、僧帽筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで25ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域は注射されない。患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)翼口蓋空間へ口腔内投与もされる。
【0288】
患者は治療後16週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0289】
(実施例8)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、(
図1に示すように)皺眉筋、鼻根筋、咬筋、側頭筋、僧帽筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで30ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。前頭筋領域及び頚部傍脊柱筋領域は注射されない。
【0290】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0291】
(実施例9)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、皺眉筋、鼻根筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで15ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が下垂症を発症する危険性を減少するために、前頭筋は注射されない。
【0292】
12週間の評価期間後に、患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)SPGへ口腔内投与もされる。
【0293】
患者は治療後18週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。下垂症は報告されない。
【0294】
(実施例10)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、皺眉筋、側頭筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで20ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が下垂症を発症する危険性を減少するために、前頭筋は注射されない。患者には25ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で12.5ユニットで)SPGへ経頬投与もされる。
【0295】
患者は治療後16週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。下垂症は報告されない。
【0296】
(実施例11)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、皺眉筋、鼻根筋、咬筋、側頭筋、僧帽筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで25ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が下垂症又は頸部筋力低下を発症する危険性を減少するために、前頭筋及び頚部傍脊柱筋は注射されない。患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)SPGへ経頬投与もされる。
【0297】
患者は、治療後に、より少ない回数の片頭痛及び片頭痛が生じたときの片頭痛症状の減少を報告する。12週間の評価期間後に、SPGへの注射が繰り返される。下垂症又は頸部筋力低下は報告されない。
【0298】
(実施例12)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、前頭筋、鼻根筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで20ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が頸部脱力を発症する危険性を減少するために、頚部傍脊柱筋は注射されない。患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)SPGへ経頬投与もされる。
【0299】
患者は治療後18週間にわたりより少ない回数の片頭痛症状を報告する。頸部脱力は報告されない。
【0300】
(実施例13)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、皺眉筋、鼻根筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで15ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が頸部脱力を発症する危険性を減少するために、頚部傍脊柱筋領域は注射されない。患者には20ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で10ユニットで)翼口蓋空間へ口腔内投与もされる。頸部脱力は報告されない。
【0301】
(実施例14)
(反復性片頭痛の治療)
反復性片頭痛患者は、皺眉筋、鼻根筋、咬筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで25ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が頸部脱力を発症する危険性を減少するために、頚部傍脊柱筋領域は注射されない。患者には30ユニットのA型ボツリヌス毒素が(両側で15ユニットで)翼口蓋空間へ口腔内投与もされる。
【0302】
患者は治療後14週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。頸部脱力は報告されない。
【0303】
(実施例15)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、皺眉筋、鼻根筋、咬筋、側頭筋、僧帽筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで25ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が下垂症又は頸部筋力低下を発症する危険性を減少するために、前頭筋及び頚部傍脊柱筋領域は注射されない。
【0304】
患者は治療後18週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。頸部脱力又は下垂症は報告されない。
【0305】
(実施例16)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、鼻筋、鼻根筋、咬筋、側頭筋、僧帽筋、皺眉筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで30ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が下垂症又は頸部筋力低下を発症する危険性を減少するために、前頭筋及び頚部傍脊柱筋領域は注射されない。
【0306】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。頸部脱力又は下垂症は報告されない。
【0307】
(実施例17)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、鼻筋、眼輪筋、鼻根筋、咬筋、側頭筋、僧帽筋、皺眉筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで30ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が下垂症又は頸部筋力低下を発症する危険性を減少するために、前頭筋及び頚部傍脊柱筋領域は注射されない。
【0308】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。頸部脱力又は下垂症は報告されない。
【0309】
(実施例18)
(慢性片頭痛の治療)
慢性片頭痛患者は、眼輪筋、鼻根筋、咬筋、側頭筋、僧帽筋、皺眉筋、及び後頭筋を含む三叉神経に沿った複数の位置のそれぞれで30ユニットのA型ボツリヌス毒素の注射を介して治療される。患者が下垂症又は頸部筋力低下を発症する危険性を減少するために、前頭筋及び頚部傍脊柱筋領域は注射されない。
【0310】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。頸部脱力又は下垂症は報告されない。
【0311】
(実施例19)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋にはA型ボツリヌス毒素が表1に記載のように頭部の各半面において2部位(上部)に注射毎に5ユニットで且つ2部位(下部)に注射毎に10ユニットで注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に5ユニットが注射される。
【0312】
鼻根筋には1部位に5ユニットが注射される。皺眉筋には頭部の2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0313】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0314】
(実施例20)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋にはA型ボツリヌス毒素が表1に記載のように頭部の各半面において2部位(上部)に注射毎に4ユニットで且つ2部位(下部)に注射毎に10ユニットで注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に11ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に4ユニットが注射される。
【0315】
鼻根筋には1部位に6ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に7ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に4ユニットが注射される。
【0316】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0317】
(実施例21)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋にはB型ボツリヌス毒素が表1に記載のように頭部の各半面において2部位(上部)に注射毎に5ユニットで且つ2部位(下部)に注射毎に11ユニットで注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に9ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に4ユニットが注射される。
【0318】
鼻根筋には1部位に10ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に4ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に7ユニットが注射される。
【0319】
患者は治療後16週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0320】
(実施例22)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋にはA型ボツリヌス毒素が表1に記載のように頭部の各半面において2部位(上部)に注射毎に6ユニットで且つ2部位(下部)に注射毎に10ユニットで注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に5ユニットが注射される。
【0321】
鼻根筋には1部位に11ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に4ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。
【0322】
患者は治療後16週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0323】
(実施例23)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋にはA型ボツリヌス毒素が表2及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位(上部)に注射毎に5ユニットで且つ2部位(下部)に注射毎に10ユニットで注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に5ユニットが注射される。
【0324】
鼻根筋には1部位に5ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0325】
患者は治療後16週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0326】
(実施例24)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋にはA型ボツリヌス毒素が表2及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位(上部)に注射毎に5ユニットで且つ2部位(下部)に注射毎に10ユニットで注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に9ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に5ユニットが注射される。
【0327】
鼻根筋には1部位に6ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に4ユニットが注射される。
【0328】
患者は治療後13週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0329】
(実施例25)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋にはA型ボツリヌス毒素が表2及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位(上部)に注射毎に6ユニットで且つ2部位(下部)に注射毎に10ユニットで注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に11ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に6ユニットが注射される。
【0330】
鼻根筋には1部位に7ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に8ユニットが注射される。
【0331】
患者は治療後18週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0332】
(実施例26)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋にはA型ボツリヌス毒素が表2及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位(上部)に注射毎に6ユニットで且つ2部位(下部)に注射毎に9ユニットで注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に6ユニットが注射される。
【0333】
鼻根筋には1部位に4ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0334】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0335】
(実施例27)
(片頭痛の治療)
EMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋には表3及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に注射毎にA型ボツリヌス毒素が(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットで)注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0336】
鼻根筋には1部位に8ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0337】
患者は治療後14週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0338】
(実施例28)
(片頭痛の治療)
CMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋には表3及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に注射毎にB型ボツリヌス毒素が(上部に6ユニット及び下部に9ユニットであり合計で上部に12ユニット及び下部に18ユニットで)注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に9ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0339】
鼻根筋には1部位に5ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。
【0340】
患者は治療後10週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0341】
(実施例29)
(片頭痛の治療)
CMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋には表3及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に注射毎にA型ボツリヌス毒素が(上部に4ユニット及び下部に11ユニットであり合計で上部に8ユニット及び下部に22ユニットで)注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0342】
鼻根筋には1部位に7ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0343】
患者は治療後14週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0344】
(実施例30)
(片頭痛の治療)
CMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋には表3及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に注射毎にA型ボツリヌス毒素が(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットで)注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0345】
鼻根筋には1部位に6ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0346】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に2.5ユニットが注射され、咬筋には頭部の各半面において1部位に5ユニットが注射される。
【0347】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0348】
(実施例31)
(片頭痛の治療)
CMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋には表4及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に注射毎にA型ボツリヌス毒素が(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットで)注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0349】
鼻根筋には1部位に5ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0350】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に2.5ユニットが注射され、咬筋には頭部の各半面において1部位に5ユニットが注射される。
【0351】
患者は治療後17週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0352】
(実施例32)
(片頭痛の治療)
CMを持つ片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋には表4及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に注射毎にA型ボツリヌス毒素が(上部に4ユニット及び下部に11ユニットであり合計で上部に8ユニット及び下部に22ユニットで)注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に9ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0353】
鼻根筋には1部位に6ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0354】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に3ユニットが注射され、咬筋には頭部の各半面において1部位に4ユニットが注射される。
【0355】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0356】
(実施例33)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋には表4及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に注射毎にA型ボツリヌス毒素が(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットで)注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に11ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0357】
鼻根筋には1部位に4ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0358】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に2.5ユニットが注射され、咬筋には頭部の各半面において1部位に5ユニットが注射される。
【0359】
患者は治療後18週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0360】
(実施例34)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介して治療される。僧帽筋には表4及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に注射毎にE型ボツリヌス毒素が(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットで)注射される。後頭筋には頭部の各半面において3部位に部位毎に9ユニットが注射され、一方で、側頭筋には頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0361】
鼻根筋には1部位に6ユニットが注射される。皺眉筋には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に6ユニットが注射される。眼輪筋(oculi)には2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0362】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に2.5ユニットが注射され、咬筋には頭部の各半面において1部位に5ユニットが注射される。
【0363】
患者は治療後12週間にわたりより少ない回数の片頭痛を報告する。
【0364】
(実施例35)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してA型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において5ユニットの注射がヘアラインに又はヘアライン付近に注射される。
【0365】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で5ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッディング手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0366】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0367】
側頭筋には、3部位のうち最も前側のものをヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に5ユニットが注射される。
【0368】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッディング手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0369】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッディング手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0370】
(実施例36)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してA型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において6ユニットの注射がヘアラインに又はヘアライン付近に注射される。
【0371】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で6ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッディング手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0372】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に4ユニットが注射される。
【0373】
側頭筋には、3部位のうち最も前側のものをヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に7ユニットが注射される。
【0374】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に9ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッディング手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0375】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に6ユニット及び下部に9ユニットであり合計で上部に12ユニット及び下部に18ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッディング手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0376】
(実施例37)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してB型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において5ユニットの注射がヘアラインに注射される。
【0377】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で5ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッド手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0378】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0379】
側頭筋には、ヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に8ユニットが注射される。
【0380】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0381】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に6ユニット及び下部に9ユニットであり合計で上部に12ユニット及び下部に18ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0382】
(実施例38)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してE型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において7ユニットの注射がヘアラインに注射される。
【0383】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で7ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッド手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0384】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に4ユニットが注射される。
【0385】
側頭筋には、ヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に8ユニットが注射される。
【0386】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0387】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0388】
(実施例39)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してB型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において7ユニットの注射がヘアラインに注射される。
【0389】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で5ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッド手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0390】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0391】
側頭筋には、ヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に8ユニットが注射される。
【0392】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に8ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0393】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に6ユニット及び下部に9ユニットであり合計で上部に12ユニット及び下部に18ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0394】
(実施例40)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してA型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において5ユニットの注射がヘアラインに又はヘアライン付近に注射される。
【0395】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で5ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッディング手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0396】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0397】
側頭筋には、3部位のうち最も前側のものをヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に10ユニットが注射される。
【0398】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッディング手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0399】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッディング手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0400】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に2.5ユニットが注射される。
【0401】
咬筋には頭部の各半面において1部位に5ユニットが注射される。
【0402】
(実施例41)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してA型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において6ユニットの注射がヘアラインに又はヘアライン付近に注射される。
【0403】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で6ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッディング手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0404】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に4ユニットが注射される。
【0405】
側頭筋には、3部位のうち最も前側のものをヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に7ユニットが注射される。
【0406】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に9ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッディング手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0407】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に6ユニット及び下部に9ユニットであり合計で上部に12ユニット及び下部に18ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッディング手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0408】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に3ユニットが注射される。
【0409】
咬筋には頭部の各半面において1部位に4ユニットが注射される。
【0410】
(実施例42)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してB型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において5ユニットの注射がヘアラインに注射される。
【0411】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で5ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッド手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0412】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0413】
側頭筋には、ヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に8ユニットが注射される。
【0414】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0415】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に6ユニット及び下部に9ユニットであり合計で上部に12ユニット及び下部に18ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0416】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に2.5ユニットが注射される。
【0417】
咬筋には頭部の各半面において1部位に6ユニットが注射される。
【0418】
(実施例43)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してE型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において7ユニットの注射がヘアラインに注射される。
【0419】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で7ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッド手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0420】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に4ユニットが注射される。
【0421】
側頭筋には、ヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に8ユニットが注射される。
【0422】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に10ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0423】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に5ユニット及び下部に10ユニットであり合計で上部に10ユニット及び下部に20ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0424】
鼻筋には頭部の各半面において1部位に3.5ユニットが注射される。
【0425】
咬筋には頭部の各半面において1部位に5ユニットが注射される。
【0426】
(実施例44)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は以下の注射プロトコルを介してB型ボツリヌス毒素で治療される。前頭筋には、額が後ろ向きに傾き始める縁線(limbic line)から開始し、45度の角度で注射し、額下部から離れるように角度をつける側方注射により、頭部の各半面において7ユニットの注射がヘアラインに注射される。
【0427】
皺眉筋は、内側皺眉筋の各側で5ユニットのIM注射を1回行う2回の平行なリニアスレッド手法の注射を用いて正中線付近に注射される。針は、眉弓水平面に平行(眉の上の筋肉に平行)且つ皺眉筋皮膚線に垂直に皺眉筋の内側縁に(縦皺線に)挿入される。皮膚は内側縁上にくる皮膚に若干の角度をつけられ、且つ、針は筋肉を抑えながら1/2インチ注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押され、正中線で止められる。
【0428】
眼輪筋(oculi)には、ベベルのみを挿入した状態で顔に対して45度の角度で、2部位(頭部の各半面で1つ)に部位毎に5ユニットが注射される。
【0429】
側頭筋には、ヘアラインに注射し且つ腔側頭筋膜を避けて側頭区域のヘアラインに戻る方向に角度をつけることにより、頭部の各半面において耳珠の前側で3部位に部位毎に8ユニットが注射される。
【0430】
後頭筋には、項部上縁に平行に針を挿入することにより、頭部の各半面において3部位に部位毎に8ユニットが注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。注射は、用量の第1の半分が外側に、用量の第2の半分が正中に向けられる。この『リニアスレッディング』手法により、後頭筋区域並びに大後頭神経及び小後頭神経へ拡散させることが可能となるはずである。
【0431】
僧帽筋は表5及びその後続段落に記載のように頭部の各半面において2部位に(上部に6ユニット及び下部に9ユニットであり合計で上部に12ユニット及び下部に18ユニットが)注射される。患者には、C2に平行に、上部僧帽筋注射が中頸部から離れるように45度の角度で注射される。プランジャは、針が注射部位に向けて引き抜かれる際に押される(平行リニアスレッド手法)。下部僧帽筋については、僧帽筋の傾斜の頂部に45度の角度で注射が行われる。『リニアスレッディング』手法により、上部僧帽筋区域及び第3後頭神経へ拡散させることが可能となる。
【0432】
実施形態では、鼻筋には頭部の各半面において1部位に2ユニットが注射される。
【0433】
実施形態では、咬筋には頭部の各半面において1部位に6ユニットが注射される。
【0434】
(実施例45)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は、表5及び表6で特定される注射部位のそれぞれについて以下のシリンジ割り当てを用いて表5又は表6の注射プロトコルに従ってA型ボツリヌス毒素で治療される。
a)前面/側面注射は以下を含む。
i)シリンジ1 - 32G:眼輪筋(oculi)への注射1&2、合計2回。
ii)シリンジ2 - 32G:皺眉筋への注射1&2、前頭筋への注射3及び4、合計4回。
iii)シリンジ3 - 32G:鼻筋への注射1&2、合計2回。
iv)シリンジ4 - 30G:咬筋への注射1及び2、合計2回。
v)シリンジ5 - 32G:側頭筋の右側への注射1-3、合計3回。
vi)シリンジ6 - 32G:側頭筋の左側への注射1-3、合計3回。
b)後面注射は以下を含む。
i)シリンジ7 - 32G:(ファニングから)後頭筋の右側への注射1-3、合計3回。
ii)シリンジ8 - 32G:(ファニングから)後頭筋の左側への注射1-3、合計3回。
iii)シリンジ9 - 32G:上部僧帽筋への注射1&2、下部僧帽筋への注射3&4、合計4回。
【0435】
(実施例46)
(片頭痛の治療)
片頭痛患者は、表5及び表6で特定される注射部位のそれぞれについて以下のシリンジ割り当てを用いて表5又は表6の注射プロトコルに従ってA型ボツリヌス毒素で治療される。
a)前面/側面注射は以下を含む。
i)シリンジ1 - 32G:眼輪筋(oculi)への注射1&2、合計2回。
ii)シリンジ2 - 32G:皺眉筋への注射1&2、前頭筋への注射3及び4、合計4回。
iii)シリンジ3 - 32G:鼻筋への注射1&2、咬筋への注射3及び4、合計4回。
iv)シリンジ5 - 32G:側頭筋の右側への注射1-3、合計3回。
v)シリンジ6 - 32G:側頭筋の左側への注射1-3、合計3回。
b)後面注射は以下を含む。
i)シリンジ7 - 32G:(ファニングから)後頭筋の右側への注射1-3、合計3回。
ii)シリンジ8 - 32G:(ファニングから)後頭筋の左側への注射1-3、合計3回。
iii)シリンジ9 - 32G:上部僧帽筋への注射1&2、下部僧帽筋への注射3&4、合計4回。
【0436】
(実施例47)
(片頭痛の治療)
患者は片頭痛症状についてA型ボツリヌス毒素で治療される。
【0437】
処置のために以下の必需品が準備された。手袋、皮膚を消毒するためのアルコール、シャープスコンテナー、ガーゼ。
【0438】
側頭筋を除く全ての注射について用いられたA型ボツリヌス毒素濃度は50U/ccであった。側頭筋については、100U/ccが用いられた。8本の1ccシリンジが1/2インチ、32ゲージ針とともに用いられた。シリンジは以下の量に事前に調整されラベルを付された。
a.鼻筋及び咬筋について0.3cc(合計15U)、
b.皺眉筋及び前頭筋について0.4cc(合計20U)、
c.眼輪筋について0.2cc(合計10U)、
d.側頭筋において0.6cc、各半面について1シリンジ(合計60U)、
e.後頭筋について1.2cc、各半面について1シリンジ(合計60U)、
f.僧帽筋について0.6cc、両半面について1シリンジ(各0.3cc)(合計30U)。
【0439】
全ての注射部位の皮膚は、注射前に、アルコールで清拭され、乾燥され、完全に揮発させた。
【0440】
(皺眉筋注射)
左の皺眉筋が最初に注射された。当該筋肉を可視化するために、医師は目をきつく閉じるよう患者に頼んだ。この動作により皺眉筋の収縮により引き起こされる縦皺が生じた。医師は、皺眉筋を特定すると、当該筋を人差し指と親指で固定した。皮膚は、医師の人差し指が患者の眼窩縁に、医師の親指が眉から上の方にある状態で、眉の内側縁から上に延びる縦皺に対して90度の角度で、且つ、皺眉筋に平行に、皺眉筋の内側部に渡って穿刺された。
【0441】
針を引き抜きながら0.1ccが注射された。
【0442】
次に、右の皺眉筋が同様に0.1ccを注射された。
【0443】
(前頭筋注射)
次に、右の前頭筋が注射された。医師は瞳孔中心線を決定し、ヘアラインへと垂直に視覚的に上へ進み、皮膚へ30から45度の角度で皮膚に穿刺し、へラインで0.1ccの単回注射を行った。
【0444】
左の前頭筋が同様に0.1ccを注射された。
【0445】
(眼輪筋注射)
多数の患者について眼輪筋の領域には小静脈が存在する。あざを避けるために、医師は極めて表層的に注射を行った。まず、小静脈を避けられるように小静脈が特定され、その後、筋肉が特定され且つ皮膚を手で引っ張ることで医師により固定された。その後、注射は、あざを最小限にするために静脈を避けながら、眼から離れて眼窩の骨稜上に内眼角贅皮(epicanthus)又は内眼角贅皮線(epicanthal line)から1指幅分で行われた。皮膚の下に針のベベルのみが挿入され、0.1ccが注射された。
【0446】
次に、右の眼輪筋が同様に0.1ccを注射された。
【0447】
(咬筋注射)
右の咬筋を特定するために、頬骨筋を避けるために医師は耳珠と口角との間の線を可視化した。この線を半分ほど横切ったところから、医師は下顎角まで視覚的に線を下に引き、患者に歯を食いしばらせてから力を抜かせた。そして、咬筋が触知され、患者が引き締めた筋肉を維持する際中に90度の角度にある耳下腺を避けて、皮膚に対して直角に筋肉内へと0.1ccが注射された。毒素は、患者が力を抜いた際に、顎下腺を避けるため下顎の輪郭より上に1から2指幅分で投与された。
【0448】
左の咬筋が同様に0.1ccを注射された。
【0449】
(鼻筋注射)
右の鼻筋を特定するために患者は彼女の鼻と眼を『顰める』ように頼まれた。右の筋肉は最小の深さで皮膚に対して90度の角度で眼から離れて骨に平行に注射され、0.05ccが投与された。
【0450】
左の鼻筋が同様に0.05ccを注射された。
【0451】
(側頭筋注射)
左の側頭筋が3箇所に各0.1cc注射された。1回目の注射は耳珠と列をなして耳の頂点より上に1指幅又は2指幅分で行われた。2回目はそこから垂直上方に1又は1.5指幅分で行われ、3回目はそこから前側に1指幅分で行われ、3回の注射の全てがヘアライン内で行われた。
【0452】
右の側頭筋が同様に3箇所に各0.1cc注射された。
【0453】
(後頭筋注射)
右の後頭筋に注射するために、医師はイニオン、乳様突起、及び項部上縁の目印を特定した。注射は、1回目の注射(0.2cc)がこれら3つの目印の中央で行われ、その後、2回目の注射(0.2cc)がより内側で行われ、その後、3回目の注射(0.2cc)が項部上縁に沿ってより外側で行われるように、項部上縁の直ぐ上で行われた。
【0454】
左の後頭筋が同様に3箇所に各0.2cc注射された。
【0455】
(僧帽筋注射)
右の上部僧帽筋が頭蓋底から内側下方に注射され、したがって、大槽の直ぐ上に、医師が頭蓋底を特定した。後頭隆起の直ぐ下で当該隆起から外側に凡そ一指幅で0.1ccの1回の注射が行われた。
【0456】
0.2ccの右の下部僧帽筋注射が、ネックレスラインを見つけ、その後、内側ネックレスラインに対して外側に2指幅分移動して、筋肉を特定し、どのような拡散でもより垂直方向を向いている僧帽筋繊維から離れて毒素が運ばれるように正中線から離れて注射することにより行われた。
【0457】
左の上部及び下部僧帽筋注射が同様に行われた。
【0458】
(実施例48)
(片頭痛の治療)
患者は片頭痛症状についてA型ボツリヌス毒素で治療される。
【0459】
処置のために以下の必需品が準備された。手袋、皮膚を消毒するためのアルコール、シャープスコンテナー、ガーゼ。
【0460】
側頭筋を除く全ての注射について用いられたA型ボツリヌス毒素濃度は50U/ccであった。側頭筋については、50U/ccが用いられた。8本の1ccシリンジが1/2インチ、32ゲージ針とともに用いられた。シリンジは以下の量に事前に調整されラベルを付された。
a.皺眉筋及び前頭筋について0.4cc(合計20U)、
b.眼輪筋について0.2cc(合計10U)、
c.側頭筋において0.6cc、各半面について1シリンジ(合計30U)、
d.後頭筋について1.2cc、各半面について1シリンジ(合計60U)、
e.僧帽筋について0.6cc、両半面について1シリンジ(各0.3cc)(合計30U)。
【0461】
全ての注射部位の皮膚は、注射前に、アルコールで清拭され、乾燥され、完全に揮発させた。
【0462】
(皺眉筋注射)
左の皺眉筋が最初に注射された。当該筋肉を可視化するために、医師は目をきつく閉じるよう患者に頼んだ。この動作により皺眉筋の収縮により引き起こされる縦皺が生じた。医師は、皺眉筋を特定すると、当該筋を人差し指と親指で固定した。皮膚は、医師の人差し指が患者の眼窩縁に、医師の親指が眉から上の方にある状態で、眉の内側縁から上に延びる縦皺に対して90度の角度で、且つ、皺眉筋に平行に、皺眉筋の内側部に渡って穿刺された。
【0463】
針を引き抜きながら0.1ccが注射された。
【0464】
次に、右の皺眉筋が同様に0.1ccを注射された。
【0465】
(前頭筋注射)
次に、右の前頭筋が注射された。医師は瞳孔中心線を決定し、ヘアラインへと垂直に視覚的に上へ進み、皮膚へ30から45度の角度で皮膚に穿刺し、へラインで0.1ccの単回注射を行った。
【0466】
左の前頭筋が同様に0.1ccを注射された。
【0467】
(眼輪筋注射)
多数の患者について眼輪筋の領域には小静脈が存在する。あざを避けるために、医師は極めて表層的に注射を行った。まず、小静脈を避けられるように小静脈が特定され、その後、筋肉が特定され且つ皮膚を手で引っ張ることで医師により固定された。その後、注射は、あざを最小限にするために静脈を避けながら、眼から離れて眼窩の骨稜上に内眼角贅皮(epicanthus)又は内眼角贅皮線(epicanthal line)から1指幅分で行われた。皮膚の下に針のベベルのみが挿入され、0.1ccが注射された。
【0468】
次に、右の眼輪筋が同様に0.1ccを注射された。
【0469】
眼輪筋(oculi muscle)は、皮膚表面に対して、ニードルのベベルを上向きにした状態で注射される。
【0470】
(側頭筋注射)
左の側頭筋が3箇所に各0.1cc注射された。1回目の注射は耳珠と列をなして耳の頂点より上に1指幅又は2指幅分で行われた。2回目はそこから垂直上方に1又は1.5指幅分で行われ、3回目はそこから前側に1指幅分で行われ、3回の注射の全てがヘアライン内で行われた。
【0471】
右の側頭筋が同様に3箇所に各0.1cc注射された。
【0472】
(後頭筋注射)
右の後頭筋に注射するために、医師はイニオン、乳様突起、及び項部上縁の目印を特定した。注射は、1回目の注射(0.2cc)がこれら3つの目印の中央で行われ、その後、2回目の注射(0.2cc)がより内側で行われ、その後、3回目の注射(0.2cc)が項部上縁に沿ってより外側で行われるように、項部上縁の直ぐ上で行われた。
【0473】
左の後頭筋が同様に3箇所に各0.2cc注射された。
【0474】
(僧帽筋注射)
右の上部僧帽筋が頭蓋底から内側下方に注射され、したがって、大槽の直ぐ上に、医師が頭蓋底を特定した。後頭隆起の直ぐ下で当該隆起から外側に凡そ一指幅で0.1ccの1回の注射が行われた。
【0475】
0.2ccの右の下部僧帽筋注射が、ネックレスラインを見つけ、その後、内側ネックレスラインに対して外側に2指幅分移動して、筋肉を特定し、どのような拡散でもより垂直方向を向いている僧帽筋繊維から離れて毒素が運ばれるように正中線から離れて注射することにより行われた。
【0476】
左の上部及び下部僧帽筋注射が同様に行われた。
【0477】
(実施例49)
(片頭痛の治療)
この実施例は、以下の目的/評価項目での例示的治験を記載する。
【0478】
主要目的:本治験の主要目的は、片頭痛(≧6片頭痛日/月)の患者又は≧6頭痛日/月の患者(そのうちの何回か又は全てが片頭痛の頭痛である)におけるプラセボと比較したABP-450の安全性及び有効性のプロファイルを評価することである。
【0479】
主要有効性評価項目:
a)主要有効性評価項目は、4週間のベースライン期間から21から24週目の治療期間での平均の月毎の片頭痛日数(MMD)の変化である。
【0480】
主要安全性評価項目:
a)主要安全性評価項目は、プラセボ又はABP-450を投与した場合の治験全体を通してのTEAEの発生率である。
【0481】
副次有効性評価項目:
a)21から24週目の治療期間中にMMDにおける少なくとも50%のベースラインからの減少を達成した患者のパーセンテージ。
【0482】
副次有効性評価:
a)治験全体を通してのMMDの平均数における≧50%のベースラインからの減少を示す患者のパーセンテージ。
b)治験全体を通してのMMDの平均数における≧75%のベースラインからの減少を示す患者のパーセンテージ。
c)治験全体を通してのMMDの平均数における100%のベースラインからの減少を示す患者のパーセンテージ。
d)治験全体を通してのMMDの数におけるベースラインからの全体平均変化。
e)治験全体を通しての片頭痛又は頭痛の急性治療のための片頭痛特異的投薬を必要とするMMDの数におけるベースラインからの全体平均変化。
f)治験全体を通しての片頭痛又は頭痛の急性治療のための片頭痛非特異的投薬を必要とするMMDの数におけるベースラインからの全体平均変化。
g)治験全体を通しての頭痛(中等度又は重症のいずれか)の時間におけるベースラインからの全体平均変化。
h)治験全体を通しての月毎の頭痛日数におけるベースラインからの全体平均変化。
【0483】
副次安全性評価:
a)治験全体を通してのC-SSRSによる自殺傾向。
b)治験全体を通してのベースラインからの標準的化学及び血液学。
c)心拍数及びQTcにおける変化を監視するために、スクリーニング時及び治験薬投与前1日目から治験全体を通して、心電図が取られる。
d)ABP-450へのADA産生が認められた患者のパーセンテージ。
【0484】
副次患者報告アウトカム(PRO)の手段は、Migraine Physical Function Impact Diary(MPFID)、Migraine Disability Assessment(MIDAS)、及びMigraine Functional Impact Questionnaire(MFIQ)を含む。
【0485】
(治験デザイン)
本治験は、片頭痛の頭痛の予防的治療のためのABP-450精製神経毒素複合体の、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、第II相治験である。凡そ690名の患者が無作為化されABP-450又はプラセボのいずれかを受ける。
【0486】
治験責任医師、治験看護師/他の治験担当者、及び患者は、治療群に対して盲検化される。盲検化治療を維持するために、治療群をまたがって同じ注射部位が用いられ、注射体積は治療群をまたがって等価である。
【0487】
治験は、スクリーニング期間(4週まで)、ベースライン期間(約4週間)、治療期間(1日目での1回目の治療の訪問及び12週間後に投与される2回目の治療からなり、1回目の治療の訪問の24週間後のEOT訪問をともなう)、及び、フォローアップ期間(EOT訪問後の約4週間又は1回目の治療後の約28週間)からなる。各患者についての治験の合計期間はスクリーニングからフォローアップまで凡そ36週間である。
【0488】
【0489】
(治験薬の同一性)
治験では以下の薬剤供給が用いられる。
【表6B】
【0490】
(用量及び投与経路)
患者は、1日目及び12週目に、頭頸部の所定の区域への筋肉内注射により、ABP-450 150ユニット、ABP-450 195ユニット、又はプラセボの3つの治療のうち1つを受ける。用量を表7及び表8に示す。
【表7】
【表8】
【0491】
(注射プロトコル)
(皺眉筋注射)
左の皺眉筋が最初に注射される。当該筋肉を可視化するために、医師は目をきつく閉じるよう患者に頼む。この動作により皺眉筋の収縮により引き起こされる縦皺が生じた。医師は、皺眉筋を特定すると、当該筋を人差し指と親指で固定した。皮膚は、医師の人差し指が患者の眼窩縁に、医師の親指が眉から上の方にある状態で、眉の内側縁から上に延びる縦皺に対して90度の角度で、且つ、皺眉筋に平行に、皺眉筋の内側部に渡って穿刺された。
【0492】
針を引き抜きながら注射は行われる。
【0493】
次に、右の皺眉筋が同様に注射される。
【0494】
(前頭筋注射)
次に、右の前頭筋が注射される。医師は瞳孔中心線を決定し、ヘアラインへと垂直に視覚的に上へ進み、皮膚へ30から45度の角度で皮膚に穿刺し、へラインで単回注射が行われる。
【0495】
左の前頭筋が同様に注射される。
【0496】
(眼輪筋注射)
多数の患者について眼輪筋の領域には小静脈が存在する。あざを避けるために、医師は極めて表層的に注射を行う。まず、小静脈を避けられるように小静脈が特定され、その後、筋肉が特定され且つ皮膚を手で引っ張ることで医師により固定される。その後、注射は、あざを最小限にするために静脈を避けながら、眼から離れて眼窩の骨稜上に内眼角贅皮(epicanthus)又は内眼角贅皮線(epicanthal line)から1指幅分で行われる。皮膚の下に針のベベルのみが挿入される。
【0497】
次に、右の眼輪筋が同様に注射される。
【0498】
眼輪筋(oculi muscle)は、皮膚表面に対して、ニードルのベベルを上向きにした状態で注射される。
【0499】
(咬筋注射)
右の咬筋を特定するために、頬骨筋を避けるために医師は耳珠と口角との間の線を可視化する。この線を半分ほど横切ったところから、医師は下顎角まで視覚的に線を下に引き、患者に歯を食いしばらせてから力を抜かせる。そして、咬筋が触知され、患者が引き締めた筋肉を維持する際中に90度の角度にある耳下腺を避けて、皮膚に対して直角に筋肉内へと注射される。毒素は、患者が力を抜いた際に、顎下腺を避けるため下顎の輪郭より上に1から2指幅分で投与される。
【0500】
左の咬筋が同様に注射される。
【0501】
(鼻筋注射)
右の鼻筋を特定するために患者は彼女の鼻と眼を『顰める』ように頼まれる。右の筋肉は最小の深さで皮膚に対して90度の角度で眼から離れて骨に平行に注射される。
【0502】
左の鼻筋が同様に注射される。
【0503】
(側頭筋注射)
左の側頭筋が3箇所に注射される。1回目の注射は耳珠と列をなして耳の頂点より上に1指幅又は2指幅分で行われる。2回目はそこから垂直上方に1又は1.5指幅分で行われ、3回目はそこから前側に1指幅分で行われ、3回の注射の全てがヘアライン内で行われる。
【0504】
右の側頭筋が同様に3箇所に注射される。
【0505】
(後頭筋注射)
右の後頭筋に注射するために、医師はイニオン、乳様突起、及び項部上縁の目印を特定する。注射は、1回目の注射がこれら3つの目印の中央で行われ、その後、2回目の注射がより内側で行われ、その後、3回目の注射が項部上縁に沿ってより外側で行われるように、項部上縁の直ぐ上で行われる。
【0506】
左の後頭筋が同様に3箇所に注射される。
【0507】
(僧帽筋注射)
右の上部僧帽筋が頭蓋底の内側下方に注射され、したがって、大槽の直ぐ上に、医師が頭蓋底を特定する。後頭隆起の直ぐ下で当該隆起から外側に凡そ一指幅で1回の注射が行われる。
【0508】
右の下部僧帽筋注射が、ネックレスラインを見つけ、その後、内側ネックレスラインに対して外側に2指幅分移動して、筋肉を特定し、どのような拡散でもより垂直方向を向いている僧帽筋繊維から離れて毒素が運ばれるように正中線から離れて注射することにより行われる。
【0509】
左の上部及び下部僧帽筋注射が同様に行われる。
【0510】
締め括りになるが、本開示の態様が特定の実施形態を参照して強調されてはいるものの、これらの開示された実施形態が本明細書に開示された主題の原理を例示するに過ぎないことは当業者にとって容易に理解されることを理解されたい。そのため、開示された主題は、本明細書に開示された、特定の、方法、プロトコル、及び/又は試薬などに決して限定されるわけではないことを理解されたい。そこで、本明細書の趣旨から逸脱することなく開示された主題への種々の修正若しくは変形又は開示された主題への種々の代替的構成が本明細書の教示に従って可能である。最後に、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を既述することのみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するわけではなく、当該範囲は請求項によってのみ定められる。したがって、本開示の実施形態は、図示及び記載されたのと正確に同じものに限定されるわけではない。
【0511】
本明細書に記載された方法及び装置を実施するための本発明者に既知の最良の形態を含む、ある種の実施形態が本明細書に記載されている。もちろん、これらの記載された実施形態の変形例は上述の記載を読めば当業者にとって明らかだろう。したがって、この開示は、準拠法により許される場合、本明細書に添付の請求項に記載の主題の修正例及び等価物の全てを含む。さらに、本明細書に特記がなく文脈と明白に矛盾しない限り、上記の実施形態の全ての可能な変形例での上記の実施形態のいずれの組み合わせも本開示に包含される。
【0512】
本開示の、択一的な、実施形態、要素、及び工程の集合は、限定と解釈されるべきではない。各集合要素は、個別に、又は、本明細書に開示された他の集合要素と組み合わせて、参照されても、また、請求項に記載されてもよい。便宜性及び/又は特許性を理由に、集合の1つ以上の要素が、集合に加入されても、また、集合から削除されてもよいと期待される。こうした加入又は削除が起き場合、本明細書は、修正された集合を含むとみなされ、それゆえ、添付の請求項で用いられたマーカッシュグループの全ての記載要件を充足する。
【0513】
特記のない限り、本明細書及び請求項で用いられた、特徴、項目、量、パラメーター、性質、期間などは、全ての場合で、『約』という用語で修飾されているものと理解されたい。本明細書で用いられる場合、『約』という用語は、そのように限定された、特徴、項目、量、パラメーター、性質、又は期間が、当該の、特徴、項目、量、パラメーター、性質、又は期間の上下のプラス又はマイナス10パーセントの範囲を包含する。したがって、反対の記載がない限り、本明細書及び添付の請求項に記載の数値パラメーターは変動し得る近似である。最低限として、また、請求項の権利範囲への均等論の適用を制限することを試みるわけではなく、各数値表示は、少なくとも、報告された有効数字を鑑み、また、通常の丸め手法を適用して、解釈されるべきである。本開示の広範な範囲に記載の数値範囲及び値が近似であるにもかかわらず、特定の実施例に記載の数値範囲及び値は可能な限り正確に報告される。しかし、数値範囲及び値のいずれも、対応する検査測定でみられる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。本明細書の値の数値範囲の記載は、当該範囲内に収まる個別の数値のそれぞれを個別に参照する簡便な方法としての役割を果たすことを意図するに過ぎない。本明細書に特記のない限り、数値範囲の個別の値のそれぞれが、本明細書に個別に記載されている可能用に、本明細書に組み込まれる。
【0514】
本開示を既述する文脈で(特に、後述の請求項の文脈で)用いられる単数表記は、本明細書に特記がなく文脈と明白に矛盾しない限り、単数及び複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書に記載の方法の全ては、本明細書に特記がなく文脈と明白に矛盾しない限り、任意の適切な順番で実行され得る。本明細書で提示されるありとあらゆる例又は例示表現(例えば、『など』)は、本開示をより明らかにすることを意図するに過ぎず、これらを用いずに請求項に記載された権利範囲に限定を課すわけではない。本明細書の表現は、本明細書に開示された実施形態の実施に必須の請求項に記載されていない如何なる要素を示すものとも解釈されるべきではない。
【0515】
本明細書に開示された特定の実施形態は、「からなる」又は「から実質的になる」という表現を用いて、請求項でさらに限定されてもよい。請求項で用いられる場合、出願当初のままであるにしろ、補正で追加されたにしろ、「からなる」という移行句は、請求項で特定されていない、要素、工程、又は成分のいずれをも排除する。「から実質的になる」という移行句は、請求項の権利範囲を、請求項で特定された材料又は工程、及び、基礎的且つ新規の(1つ又は複数の)特徴に実質的な影響を与えない材料又は工程に限定する。請求項に記載された本開示の実施形態が、内在的又は明示的に記載されており、本明細書により実施可能である。
【0516】
具体的には以下の実施形態が考えられる。
【0517】
(実施形態1)
反復性片頭痛又は慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも1つに第1のクロストリジウム神経毒素を投与すること、
b)蝶口蓋神経節(Sphenopalatine Ganglion、SPG)に第2のクロストリジウム神経毒素を両側投与すること、
c)これにより前記反復性片頭痛又は慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0518】
(実施形態2)
前記投与することは、前記第1及び第2のクロストリジウム神経毒素の注射を含む、
実施形態1の方法。
【0519】
(実施形態3)
前記第1及び第2のクロストリジウム神経毒素はボツリヌス神経毒素を含む、
実施形態2の方法。
【0520】
(実施形態4)
前記ボツリヌス毒素はA型ボツリヌス毒素を含む、
実施形態3の方法。
【0521】
(実施形態5)
前記第1のクロストリジウム神経毒素の総投与量は50-100ユニットである、
実施形態1の方法。
【0522】
(実施形態6)
前記第2のクロストリジウム神経毒素の総投与量は25-50ユニットである、
実施形態1の方法。
【0523】
(実施形態7)
前記第2のクロストリジウム毒素は、口腔内、経頬、又は、経鼻で注射される、
実施形態6の方法。
【0524】
(実施形態8)
前記クロストリジウム神経毒素は天然A型ボツリヌス毒素を含む、
実施形態4の方法。
【0525】
(実施形態9)
前記ボツリヌス神経毒素はB型ボツリヌス毒素を含む、
実施形態3の方法。
【0526】
(実施形態10)
前記第1のクロストリジウム神経毒素は、前記第2のクロストリジウム神経毒素の量の少なくとも2倍の量で投与される、
実施形態1の方法。
【0527】
(実施形態11)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、皺眉筋への注射を含む、
実施形態1の方法。
【0528】
(実施形態12)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、鼻根筋への注射を含む、
実施形態1の方法。
【0529】
(実施形態13)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、後頭筋への注射を含む、
実施形態1の方法。
【0530】
(実施形態14)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、側頭筋への注射を含む、
実施形態1の方法。
【0531】
(実施形態15)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、僧帽筋への注射を含む、
実施形態1の方法。
【0532】
(実施形態16)
前記クロストリジウム神経毒素はA型ボツリヌス神経毒素を含む、
実施形態11-15のいずれか1つの方法。
【0533】
(実施形態17)
2つの異なるクロストリジウム毒素の効力及び安全性を比較するための方法であって、
a)第1のボツリヌス神経毒素の投与に起因する個体の片頭痛症状の減少を測定すること、
b)第1のボツリヌス神経毒素の投与に起因する個体での副作用を測定すること、
c)第2のクロストリジウム神経毒素の投与に起因する個体の片頭痛症状の減少を測定すること、
d)第1のボツリヌス神経毒素の投与に起因する個体での副作用を測定すること、及び、
e)前記第1のボツリヌス神経毒素及び前記第2のボツリヌス神経毒素の間の差を決定するために症状の減少と副作用の減少とを比較すること、
を含む、方法。
【0534】
(実施形態18)
反復性片頭痛又は慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)前頭筋領域、皺眉筋領域、鼻根筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、咬筋領域、及び頚部傍脊柱筋領域の少なくとも1つに第1のクロストリジウム神経毒素を投与すること、
b)12週経過後の前記第1のクロストリジウム神経毒素の効果を評価し、さらなる治療が必要な場合、蝶口蓋神経節(Sphenopalatine Ganglion、SPG)に第2のクロストリジウム神経毒素を両側投与すること、
c)これにより前記反復性片頭痛又は慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0535】
(実施形態19)
前記投与することは、前記第1及び第2のクロストリジウム神経毒素の注射を含む、
実施形態18の方法。
【0536】
(実施形態20)
前記第1及び第2のクロストリジウム神経毒素はボツリヌス神経毒素を含む、
実施形態19の方法。
【0537】
(実施形態21)
前記ボツリヌス毒素はA型ボツリヌス毒素を含む、
実施形態20の方法。
【0538】
(実施形態22)
前記第1のクロストリジウム神経毒素の総投与量は50-100ユニットである、
実施形態18の方法。
【0539】
(実施形態23)
前記第2のクロストリジウム神経毒素の総投与量は25-50ユニットである、
実施形態18の方法。
【0540】
(実施形態24)
第2のボツリヌス毒素が、口腔内、経頬、又は、経鼻で注射される、
実施形態21の方法。
【0541】
(実施形態25)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態1、17、又は18の方法。
【0542】
(実施形態26)
前記クロストリジウム毒素はB型ボツリヌス毒素である、
実施形態1、17、又は18の方法。
【0543】
(実施形態27)
前記クロストリジウム毒素はC型ボツリヌス毒素である、
実施形態1、17、又は18の方法。
【0544】
(実施形態28)
前記クロストリジウム毒素はE型ボツリヌス毒素である、
実施形態1、17、又は18の方法。
【0545】
(実施形態29)
前記クロストリジウム毒素はF型ボツリヌス毒素である、
実施形態1、17、又は18の方法。
【0546】
(実施形態30)
反復性片頭痛又は慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)前頭筋及び頚部傍脊柱筋の少なくとも1つは治療されず、皺眉筋領域、鼻根筋領域、咬筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、鼻筋領域、及び、眼輪筋の少なくとも1つに第1のクロストリジウム神経毒素を投与すること、
b)これにより前記反復性片頭痛又は慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0547】
(実施形態31)
前記投与することは、前記第1及び第2のクロストリジウム神経毒素の注射を含む、
実施形態30の方法。
【0548】
(実施形態32)
前記第1及び第2のクロストリジウム神経毒素はボツリヌス神経毒素を含む、
実施形態31の方法。
【0549】
(実施形態33)
前記ボツリヌス毒素はA型ボツリヌス毒素を含む、
実施形態32の方法。
【0550】
(実施形態34)
前記第1のクロストリジウム神経毒素の総投与量は50-100ユニットである、
実施形態30の方法。
【0551】
(実施形態35)
前記第2のクロストリジウム神経毒素の総投与量は25-50ユニットである、
実施形態30の方法。
【0552】
(実施形態36)
第2のクロストリジウム毒素は、口腔内、経頬、又は、経鼻で注射される、
実施形態35の方法。
【0553】
(実施形態37)
前記ボツリヌス神経毒素は天然A型ボツリヌス毒素を含む、
実施形態33の方法。
【0554】
(実施形態38)
前記クロストリジウム神経毒素はB型ボツリヌス毒素を含む、
実施形態35の方法。
【0555】
(実施形態39)
前記第1のクロストリジウム神経毒素は、前記第2のクロストリジウム神経毒素の量の少なくとも2倍の量で投与される、
実施形態30の方法。
【0556】
(実施形態40)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、皺眉筋への注射を含む、
実施形態30の方法。
【0557】
(実施形態41)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、鼻根筋への注射を含む、
実施形態30の方法。
【0558】
(実施形態42)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、後頭筋への注射を含む、
実施形態30の方法。
【0559】
(実施形態43)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、側頭筋への注射を含む、
実施形態30の方法。
【0560】
(実施形態44)
前記第1のクロストリジウム神経毒素を投与することは、僧帽筋への注射を含む、
実施形態30の方法。
【0561】
(実施形態45)
前記前頭筋は治療されない、
実施形態30の方法。
【0562】
(実施形態46)
前記頚部傍脊柱筋は治療されない、
実施形態30の方法。
【0563】
(実施形態47)
反復性片頭痛又は慢性片頭痛に関連する症状の治療の副作用を減少させるための方法であって、
a)前頭筋及び頚部傍脊柱筋の少なくとも1つは治療されず、皺眉筋領域、鼻根筋領域、後頭筋領域、側頭筋領域、僧帽筋領域、鼻筋領域、咬筋領域、及び、眼輪筋の少なくとも1つに第1のクロストリジウム神経毒素を投与すること、
b)これにより前記反復性片頭痛又は慢性片頭痛に関連する症状の治療の副作用を減少させること、
を含む、方法。
【0564】
(実施形態48)
前記投与することは、前記第1及び第2のクロストリジウム神経毒素の注射を含む、
実施形態47の方法。
【0565】
(実施形態49)
前記第1及び第2のクロストリジウム神経毒素はボツリヌス神経毒素を含む、
実施形態48の方法。
【0566】
(実施形態50)
前記ボツリヌス毒素はA型ボツリヌス毒素を含む、
実施形態49の方法。
【0567】
(実施形態51)
前記第1のクロストリジウム神経毒素の総投与量は50-100ユニットである、
実施形態47の方法。
【0568】
(実施形態52)
前記第2のクロストリジウム神経毒素の総投与量は25-50ユニットである、
実施形態47の方法。
【0569】
(実施形態53)
第2のクロストリジウム毒素は、口腔内、経頬、又は、経鼻で注射される、
実施形態52の方法。
【0570】
(実施形態54)
前記クロストリジウム毒素はB型ボツリヌス毒素である、
実施形態30又は47の方法。
【0571】
(実施形態55)
前記クロストリジウム毒素はC型ボツリヌス毒素である、
実施形態30又は47の方法。
【0572】
(実施形態56)
前記クロストリジウム毒素はE型ボツリヌス毒素である、
実施形態30又は47の方法。
【0573】
(実施形態57)
前記クロストリジウム毒素はF型ボツリヌス毒素である、
実施形態30又は47の方法。
【0574】
(実施形態58)
蝶口蓋神経節(Sphenopalatine Ganglion、SPG)に第2のクロストリジウム神経毒素を両側投与することをさらに含む、
実施形態30の方法。
【0575】
(実施形態59)
元の投与の効果を評価し、必要な場合、蝶口蓋神経節(Sphenopalatine Ganglion、SPG)に第2のクロストリジウム神経毒素を両側投与することをさらに含む、
実施形態47の方法。
【0576】
(実施形態60)
反復性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面で約5ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面で約10ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
b)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に約10ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
c)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に約5ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
d)クロストリジウム毒素を、1部位に約5ユニットの用量で鼻根筋に投与すること、
e)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
f)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面に約5ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
g)これにより、前記反復性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0577】
(実施形態61)
前記クロストリジウム毒素は、B型ボツリヌス毒素、C型ボツリヌス毒素、E型ボツリヌス毒素、及びF型ボツリヌス毒素からなる群より選択される、
実施形態60の方法。
【0578】
(実施形態62)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態60の方法。
【0579】
(実施形態63)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋に真皮下投与され、且つ、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、及び眼輪筋(oculi)に筋肉内注射で投与される、
実施形態60の方法。
【0580】
(実施形態64)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋に表層筋肉内注射で投与され、且つ、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、及び眼輪筋(oculi)に筋肉内注射で投与される、
実施形態60の方法。
【0581】
(実施形態65)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、及び眼輪筋(oculi)に筋肉内注射で投与される、
実施形態60の方法。
【0582】
(実施形態66)
反復性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面で約3-10ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面で約5-15ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
b)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に約5-15ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
c)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に約3-10ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
d)クロストリジウム毒素を、1部位に約3-10ユニットの用量で鼻根筋に投与すること、
e)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
f)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面に約3-10ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
g)これにより、前記反復性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0583】
(実施形態67)
前記クロストリジウム毒素は、B型ボツリヌス毒素、C型ボツリヌス毒素、E型ボツリヌス毒素、及びF型ボツリヌス毒素からなる群より選択される、
実施形態66の方法。
【0584】
(実施形態68)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態66の方法。
【0585】
(実施形態69)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋に真皮下投与され、且つ、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、及び眼輪筋(oculi)に筋肉内注射で投与される、
実施形態66の方法。
【0586】
(実施形態70)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋に表層筋肉内注射で投与され、且つ、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、及び眼輪筋(oculi)に筋肉内注射で投与される、
実施形態66の方法。
【0587】
(実施形態71)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、及び眼輪筋(oculi)に筋肉内注射で投与される、
実施形態66の方法。
【0588】
(実施形態72)
慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面で約5ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面で約10ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
b)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に約10ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
c)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に約10ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
d)クロストリジウム毒素を、1部位に約5ユニットの用量で鼻根筋に投与すること、
e)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
f)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面に約5ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
g)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面に約2.5ユニットの用量で鼻筋に投与すること、
h)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面に5ユニットの用量で咬筋に投与すること、
i)これにより、前記慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0589】
(実施形態73)
前記クロストリジウム毒素は、B型ボツリヌス毒素、C型ボツリヌス毒素、E型ボツリヌス毒素、及びF型ボツリヌス毒素からなる群より選択される、
実施形態72の方法。
【0590】
(実施形態74)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態72の方法。
【0591】
(実施形態75)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋に真皮下投与され、鼻筋に皮下注射で投与され、且つ、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、眼輪筋(oculi)、及び咬筋に筋肉内注射で投与される、
実施形態72の方法。
【0592】
(実施形態76)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋及び鼻筋に表層筋肉内注射で投与され、且つ、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、眼輪筋(oculi)、及び咬筋に筋肉内注射で投与される、
実施形態72の方法。
【0593】
(実施形態77)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、眼輪筋(oculi)、鼻筋、及び咬筋に筋肉内注射で投与される、
実施形態72の方法。
【0594】
(実施形態78)
前記クロストリジウム毒素は、耳珠の前側で側頭筋に投与される、
実施形態72の方法。
【0595】
(実施形態79)
慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面で約3-10ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面で5-15ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
b)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に約5-15ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
c)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に約5-15ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
d)クロストリジウム毒素を、1部位に約3-10ユニットの用量で鼻根筋に投与すること、
e)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
f)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面に約3-10ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
g)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面に約2-4ユニットの用量で鼻筋に投与すること、
h)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面に約3-10ユニットの用量で咬筋に投与すること、
i)これにより、前記慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0596】
(実施形態80)
前記クロストリジウム毒素は、B型ボツリヌス毒素、C型ボツリヌス毒素、E型ボツリヌス毒素、及びF型ボツリヌス毒素からなる群より選択される、
実施形態79の方法。
【0597】
(実施形態81)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態79の方法。
【0598】
(実施形態82)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋に真皮下投与され、鼻筋に皮下注射で投与され、且つ、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、眼輪筋(oculi)、及び咬筋に筋肉内注射で投与される、
実施形態79の方法。
【0599】
(実施形態83)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋及び鼻筋に表層筋肉内注射で投与され、且つ、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、眼輪筋(oculi)、及び咬筋に筋肉内注射で投与される、
実施形態79の方法。
【0600】
(実施形態84)
前記クロストリジウム毒素は、上部僧帽筋、下部僧帽筋、後頭筋、側頭筋、鼻根筋、皺眉筋、眼輪筋(oculi)、鼻筋、及び咬筋に筋肉内注射で投与される、
実施形態79の方法。
【0601】
(実施形態85)
前記クロストリジウム毒素は、耳珠の前側で側頭筋に投与される、
実施形態79の方法。
【0602】
(実施形態86)
少なくとも1回のプラセボ注射をさらに含む、
実施形態60-71のいずれか1つの方法。
【0603】
(実施形態87)
前記プラセボ注射は鼻筋への少なくとも1回の注射を含む、
実施形態84の方法。
【0604】
(実施形態88)
前記プラセボ注射は咬筋への少なくとも1回の注射を含む、
実施形態84の方法。
【0605】
(実施形態89)
片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の2部位に部位毎に約3-10ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面の2部位に部位毎に5-15ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
b)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約7-15ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
c)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約3-15ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
d)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
e)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
f)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で前頭筋に投与すること、
g)これにより、前記片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0606】
(実施形態90)
前記クロストリジウム毒素は、B型ボツリヌス毒素、C型ボツリヌス毒素、E型ボツリヌス毒素、及びF型ボツリヌス毒素からなる群より選択される、
実施形態89の方法。
【0607】
(実施形態91)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態90の方法。
【0608】
(実施形態92)
片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の2部位に部位毎に約5ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面の2部位に部位毎に10ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
b)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約10ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
c)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約5ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
d)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
e)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
f)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で前頭筋に投与すること、
g)これにより、前記片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0609】
(実施形態93)
前記クロストリジウム毒素は、B型ボツリヌス毒素、C型ボツリヌス毒素、E型ボツリヌス毒素、及びF型ボツリヌス毒素からなる群より選択される、
実施形態92の方法。
【0610】
(実施形態94)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態93の方法。
【0611】
(実施形態95)
慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の2部位に部位毎に約3-10ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面の2部位に部位毎に5-15ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
b)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約7-15ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
c)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約3-15ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
d)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
e)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
f)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で前頭筋に投与すること、
g)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約1-5ユニットの用量で鼻筋に投与すること、
h)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で咬筋に投与すること、
i)これにより、前記慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0612】
(実施形態96)
前記クロストリジウム毒素は、B型ボツリヌス毒素、C型ボツリヌス毒素、E型ボツリヌス毒素、及びF型ボツリヌス毒素からなる群より選択される、
実施形態95の方法。
【0613】
(実施形態97)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態96の方法。
【0614】
(実施形態98)
慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の2部位に部位毎に約5ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面の2部位に部位毎に10ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
b)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約10ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
c)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約10ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
d)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
e)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
f)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で前頭筋に投与すること、
g)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約2.5ユニットの用量で鼻筋に投与すること、
h)クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約5ユニットの用量で咬筋に投与すること、
i)これにより、前記慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0615】
(実施形態93)
前記クロストリジウム毒素は、B型ボツリヌス毒素、C型ボツリヌス毒素、E型ボツリヌス毒素、及びF型ボツリヌス毒素からなる群より選択される、
実施形態92の方法。
【0616】
(実施形態94)
前記クロストリジウム毒素はA型ボツリヌス毒素である、
実施形態92の方法。
【0617】
(実施形態95)
投与が32ゲージ針の使用を含む、
前記の実施形態のいずれか1つの方法。
【0618】
(実施形態96)
前記32ゲージ針が1/2インチの長さである、
実施形態95の方法。
【0619】
(実施形態97)
投与が31ゲージ針の使用を含む、
以上の実施形態のいずれか1つの方法。
【0620】
(実施形態98)
前記31ゲージ針が1/2インチの長さである、
実施形態97の方法。
【0621】
(実施形態99)
投与が29ゲージ針の使用を含む、
以上の実施形態のいずれか1つの方法。
【0622】
(実施形態100)
前記29ゲージ針が1/2インチの長さである、
実施形態99の方法。
【0623】
(実施形態101)
投与が28ゲージ針の使用を含む、
以上の実施形態のいずれか1つの方法。
【0624】
(実施形態102)
前記28ゲージ針が1/2インチの長さである、
実施形態101の方法。
【0625】
(実施形態103)
投与が27ゲージ針の使用を含む、
以上の実施形態のいずれか1つの方法。
【0626】
(実施形態104)
前記27ゲージ針が1/2インチの長さである、
実施形態103の方法。
【0627】
[付記]
[付記1]
片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
a)前頭筋領域、皺眉筋領域、咬筋領域、鼻筋領域、眼輪筋(oculi)領域、後頭筋領域、側頭筋領域、及び僧帽筋領域から選択される筋領域の少なくとも5つにクロストリジウム神経毒素を投与すること、及び、
b)これにより、前記片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0628】
[付記2]
前記クロストリジウム神経毒素は、前記前頭筋領域、前記皺眉筋領域、前記咬筋領域、前記鼻筋領域、前記後頭筋領域、前記側頭筋領域、前記僧帽筋領域、及び前記眼輪筋(oculi)領域から選択される筋領域の5つから8つに投与される、
付記1に記載の方法。
【0629】
[付記3]
片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の2部位に部位毎に約3-10ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面の2部位に部位毎に5-15ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約7-15ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約3-15ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で前頭筋に投与すること、
これにより、前記片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0630】
[付記4]
片頭痛に関連する症状の重症度を減少させるための方法であって、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の2部位に部位毎に約3-10ユニットの用量で上部僧帽筋に、頭部の各半面の2部位に部位毎に5-15ユニットの用量で下部僧帽筋に、投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約7-15ユニットの用量で後頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の3部位に部位毎に約3-15ユニットの用量で側頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で眼輪筋(oculi)に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で皺眉筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で前頭筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約1-5ユニットの用量で鼻筋に投与すること、
クロストリジウム毒素を、頭部の各半面の1部位に約3-10ユニットの用量で咬筋に投与すること、
これにより、慢性片頭痛に関連する症状の重症度を減少させること、
を含む、方法。
【0631】
[付記5]
前記片頭痛は反復性片頭痛又は慢性片頭痛である、
付記1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0632】
[付記6]
前記片頭痛は反復性片頭痛である、
付記5に記載の方法。
【0633】
[付記7]
前記片頭痛は慢性片頭痛である、
付記5に記載の方法。
【0634】
[付記8]
前記クロストリジウム神経毒素はボツリヌス神経毒素を含む、
付記1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0635】
[付記9]
前記ボツリヌス神経毒素はA型ボツリヌス毒素を含む、
付記8に記載の方法。
【0636】
[付記10]
前記ボツリヌス神経毒素は、B、C、D、E、又はF型ボツリヌス毒素を含む、
付記8に記載の方法。
【0637】
[付記11]
前記クロストリジウム神経毒素の総投与量は約145-200ユニットである、
付記3又は4に記載の方法。
【0638】
[付記12]
前記クロストリジウム神経毒素の総投与量は約195ユニットである、
付記11に記載の方法。
【0639】
[付記13]
前記クロストリジウム神経毒素の総投与量は約150ユニットである、
付記11に記載の方法。
【0640】
[付記14]
前記投与は注射を含む、
付記1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0641】
[付記15]
前記注射は表層注射を含む、
付記14に記載の方法。
【0642】
[付記16]
前記表層注射は、針のベベルのみが皮膚を貫通する注射を含む、
付記15に記載の方法。
【0643】
[付記17]
前記注射は、皮膚表面に対して45度の角度で行われる注射を含む、
付記14に記載の方法。
【0644】
[付記18]
前記注射は、皮膚表面に対して90度の角度で行われる注射を含む、
付記14に記載の方法。
【0645】
[付記19]
前頭筋への前記注射は、
瞳孔中心線を決定すること、
ヘアラインへと垂直に視覚的に上に移動すること、及び、
30から45度の角度で皮膚に穿刺すること、
を含む、
付記14に記載の方法。
【0646】
[付記20]
皺眉筋への前記注射は、
皺眉筋の収縮により引き起こされる縦皺を生じさせるために、目をきつく閉じるよう患者に頼むこと、
皺眉筋を特定し、当該筋肉を固定すること、及び、
眉の内側縁から上に延びる前記縦皺に対して90度の角度で、且つ、皺眉筋に平行に皮膚に穿刺すること、
を含む、
付記14に記載の方法。
【0647】
[付記21]
眼輪筋(oculi)への前記注射は、
眼輪筋の領域において小静脈を特定すること、
あざを最小限にするために静脈を避けながら、眼から離れて眼窩の骨稜上に内眼角贅皮(epicanthus)又は内眼角贅皮線(epicanthal line)から1指幅分で表層注射を行うこと、
を含み、
皮膚の下に針のベベルのみが挿入される、
付記14に記載の方法。
【0648】
[付記22]
側頭筋の前記注射は、
1回目の注射を耳珠と列をなして耳の頂点より上に1指幅又は2指幅分で行うこと、
2回目の注射を前記1回目の注射から垂直上方に1又は1.5指幅分で行うこと、及び、
3回目の注射を前記2回目の注射から前側に1指幅分で行うこと、
を含み、
3回の注射の全てがヘアライン内で行われる、
付記14に記載の方法。
【0649】
[付記23]
後頭筋の前記注射は、
イニオン、乳様突起、及び項部上縁の目印を特定すること、
1回目の注射がこれら3つの目印の中央で行われ、その後、2回目の注射がより内側で行われ、その後、3回目の注射が項部上縁に沿ってより外側で行われるように、注射を項部上縁の直ぐ上で行うこと、
を含む、
付記14に記載の方法。
【0650】
[付記24]
上部僧帽筋の前記注射は、
頭蓋底を特定すること、
大槽の直ぐ上且つ後頭隆起の下で、前記頭蓋底から内側下方に注射すること、
を含む、
付記14に記載の方法。
【0651】
[付記25]
下部僧帽筋の前記注射は、
ネックレスラインを見つけること、
正中線から離れて注射しつつ、当該筋肉を特定しながら、内側の前記ネックレスラインに対して外側に2指幅分で注射すること、
を含む、
付記14に記載の方法。
【0652】
[付記26]
前記鼻筋の注射は、
前記鼻筋を特定するために患者に鼻と眼を『顰める』ように指示すること、
最小の深さで皮膚に対して90度の角度で眼から離れて骨に平行に当該筋肉に注射すること、
を含む、
付記4に記載の方法。
【0653】
[付記27]
前記咬筋の注射は、
頬骨筋を避けるために耳珠と口角との間の線を可視化すること、
前記線の中点を決定すること、
下顎角まで視覚的に線を下に引くこと、
患者に歯をくいしばるよう指示すること、
咬筋を触知すること、
前記患者が引き締めた筋肉を維持する際中に90度の角度にある耳下腺を避けて、皮膚に対して直角に前記筋肉内へと注射すること、及び、
前記患者が力を抜いた際に、顎下腺を避けるため下顎の輪郭より上に1から2指幅分で、前記毒素を注射すること、
を含む、
付記4に記載の方法。
【国際調査報告】