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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】圧縮機及び空調装置
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/16 20060101AFI20240214BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
F04C18/16 D
F04C29/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531658
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-07-20
(86)【国際出願番号】 CN2021126093
(87)【国際公開番号】W WO2022179144
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202110219948.6
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517441262
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンス、インコーポレイテッド オブ チューハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュウ、ホア
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジーピン
(72)【発明者】
【氏名】ロン、ジョンケン
(72)【発明者】
【氏名】カオ、コン
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA03
3H129AA15
3H129AB03
3H129BB33
3H129CC04
3H129CC05
3H129CC16
3H129CC32
3H129CC38
(57)【要約】
本発明は、圧縮機及び空調装置を提供する。圧縮機200は、ハウジング10と、ハウジング10に取り付けられる第1の回転シャフト20と、第1の回転シャフト20上にスリーブ配置される接続アセンブリ30と、接続アセンブリ30上に同軸状に配置される第1のロータ41及び第2のロータ42を有する第1のロータ・アセンブリ40であって、接続アセンブリ30が、第1のロータ41と第2のロータ42とを第1の回転シャフト20の周りで共に回転するように支持する第1のロータ・アセンブリ40とを有し、接続アセンブリ30は、第1のロータ41と第2のロータ42との間に隙間が存在するように、第1のロータ41と第2のロータ42との相対位置を制限するべく構成される。本開示は、圧縮機の部品点数を増大させることなく、第1のロータと第2のロータとの間の隙間を維持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)に取り付けられる第1の回転シャフト(20)と、
前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置される接続アセンブリ(30)と、
前記接続アセンブリ(30)上に同軸状に配置される第1のロータ(41)及び第2のロータ(42)を有する第1のロータ・アセンブリ(40)であって、前記接続アセンブリ(30)は、前記第1のロータ(41)及び前記第2のロータ(42)を担持して、前記第1の回転シャフト(20)の周りで共に回転させるように構成される、第1のロータ・アセンブリ(40)と
を有する圧縮機(200)であって、
前記接続アセンブリ(30)は、前記第1のロータ(41)と前記第2のロータ(42)の相対位置を制限するように構成され、それにより前記第1のロータ(41)と前記第2のロータ(42)の間に隙間が存在する、圧縮機(200)。
【請求項2】
前記第2のロータ(42)から離れた前記第1のロータ(41)の端面と、前記第1のロータ(41)に近い前記ハウジング(10)の端面との間には第1の軸方向隙間が存在し、前記第1のロータ(41)から離れた前記第2のロータ(42)の端面と、前記第2のロータ(42)に近い前記ハウジング(10)の端面との間には第2の軸方向隙間が存在し、前記接続アセンブリ(30)は、前記第1のロータ(41)と前記第2のロータ(42)の間の前記隙間が前記第1の軸方向隙間よりも大きく且つ前記第1のロータ(41)と前記第2のロータ(42)の間の前記隙間が前記第2の軸方向隙間よりも大きくなるように、制限するように構成される、請求項1に記載の圧縮機(200)。
【請求項3】
前記ハウジング(10)に取り付けられる第2の回転シャフト(50)と、
前記第2の回転シャフト(50)上に同軸状に配置される第3のロータ(61)及び第4のロータ(62)を有する第2のロータ・アセンブリ(60)であって、前記第2の回転シャフト(50)は、前記第2のロータ・アセンブリ(60)を駆動して、前記第1のロータ・アセンブリ(40)の回転方向とは反対の方向に沿って回転させるように構成され、前記第3のロータ(61)と前記第1のロータ(41)とが互いに係合され、前記第4のロータ(62)と前記第2のロータ(42)とが互いに係合される、第2のロータ・アセンブリ(60)と
を有する、請求項1又は2に記載の圧縮機(200)。
【請求項4】
前記第4のロータ(62)に近い前記第3のロータ(61)の端面が、前記第2のロータ(42)に近い前記第1のロータ(41)の端面から突出し、前記第3のロータ(61)に近い前記第4のロータ(62)の端面が、前記第1のロータ(41)に近い前記第2のロータ(42)の端面から突出し、それにより前記第1のロータ(41)は前記第4のロータ(62)と干渉せず、前記第2のロータ(42)は前記第3のロータ(61)と干渉しない、請求項3に記載の圧縮機(200)。
【請求項5】
前記第3のロータ(61)及び前記第4のロータ(62)の隣り合う端面が接合されている、請求項3又は4に記載の圧縮機(200)。
【請求項6】
前記第4のロータ(62)に近い前記第3のロータ(61)の端面と、前記第2のロータ(42)に近い前記第1のロータ(41)の端面との間には、前記第2の回転シャフト(50)の軸方向において距離d1が存在し、前記第3のロータ(61)に近い前記第4のロータ(62)の端面と、前記第1のロータ(41)に近い前記第2のロータ(42)の端面との間には、前記第2の回転シャフト(50)の軸方向において距離d2が存在し、前記第2のロータ・アセンブリ(60)は、d2=d1を満たすように構成される、請求項3から5までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項7】
前記第1のロータ(41)と前記第2のロータ(42)の間の前記隙間がL3であり、前記第3のロータ(61)が前記第4のロータ(62)に近づく方向に向かって前記第2の回転シャフト(50)の軸方向に沿って前記ハウジング(10)内で移動する軸方向移動量がD1であり、前記第2のロータ(42)が前記第1のロータ(41)に近づく方向に向かって移動する軸方向移動量がD2であり、前記第4のロータ(62)が前記第3のロータ(61)に近づく方向に向かって前記第2の回転シャフト(50)の軸方向に沿って前記ハウジング(10)内で移動する軸方向移動量がD3であり、前記第1のロータ(41)が前記第2のロータ(42)に近づく方向に向かって移動する軸方向移動量がD4であり、前記第2のロータ・アセンブリ(60)は、L3≧D1+D2、及びL3≧D3+D4を満たすように構成される、請求項3から6までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項8】
前記第1のロータ(41)、前記第2のロータ(42)、前記第3のロータ(61)、及び前記第4のロータ(62)に隣接して吸気ポート(11)が配置され、前記第1のロータ(41)、前記第3のロータ(61)、及び前記ハウジング(10)に隣接して第1の排気ポート(12)が配置され、前記第2のロータ(42)、前記第4のロータ(62)、及び前記ハウジング(10)に隣接して第2の排気ポート(13)が配置される、請求項3から7までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項9】
前記第1のロータ(41)は、前記第2のロータ(42)の螺旋方向とは反対の螺旋方向を有し、前記第3のロータ(61)は、前記第4のロータ(62)の螺旋方向とは反対の螺旋方向を有する、請求項3から8までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項10】
前記第3のロータ(61)は前記第2の回転シャフト(50)と一体的に形成され、前記第4のロータ(62)は、前記第2の回転シャフト(50)と嵌合するシャフト穴を有し、前記シャフト穴は前記第2の回転シャフト(50)としまり嵌めされる、請求項3から9までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項11】
前記第2の回転シャフト(50)の一方の側に配置されるスラスト・ベアリング(70)と、前記第2の回転シャフト(50)の他方の側に配置されるモータ(80)とを更に有し、前記モータ(80)は、前記第2の回転シャフト(50)を回転駆動するように構成され、それにより前記第2のロータ・アセンブリ(60)は、前記第2の回転シャフト(50)の回転に追従して、前記第1のロータ・アセンブリ(40)及び前記接続アセンブリ(30)を前記第1の回転シャフト(20)の周りで共に回転するように駆動する、請求項3から10までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項12】
前記第4のロータ(62)から離れた前記第3のロータ(61)の端面が、前記第2の回転シャフト(50)の軸方向と直交する方向において、前記第2のロータ(42)から離れた前記第1のロータ(41)の前記端面と面一であり、前記第3のロータ(61)から離れた前記第4のロータ(62)の端面が、前記第2の回転シャフト(50)の軸方向と直交する方向において、前記第1のロータ(41)から離れた前記第2のロータ(42)の端面と面一である、請求項3から11までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項13】
前記接続アセンブリ(30)は第1の制限部材(31)及び第2の制限部材(32)を有し、これらの制限部材は、いずれも前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、且ついずれも前記第1の回転シャフト(20)の周りで回転可能であり、前記第1の制限部材(31)は、前記第2のロータ(42)に近い前記第1のロータ(41)の端面の位置を制限するように構成され、前記第2の制限部材(32)は、前記第1のロータ(41)に近い前記第2のロータ(42)の端面の位置を制限するように構成される、請求項1から12までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項14】
前記第2のロータ(42)に近い前記第1のロータ(41)の端面が、前記第1の回転シャフト(20)の軸方向に沿った第1の制限溝(413)を備え、前記第1の制限部材(31)は第1の本体部(311)と第1の制限部(312)とを有し、前記第1の本体部(311)は前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、前記第1の制限部(312)は前記第1の本体部(311)の外面の外周の周りに配置され、前記第1の制限部(312)は第1の制限溝(413)内に差し込まれ、
前記第1のロータ(41)に近い前記第2のロータ(42)の端面が、前記第1の回転シャフト(20)の軸方向に沿った第2の制限溝(423)を備え、前記第2の制限部材(32)は第2の本体部(321)と第2の制限部(322)とを有し、前記第2の本体部(321)は、前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、且つ前記第1の本体部(311)に隣接して配置され、前記第2の制限部(322)は前記第2の本体部(321)の外面の外周の周りに配置され、前記第2の制限部(322)は第2の制限溝(423)内に差し込まれる、請求項13に記載の圧縮機(200)。
【請求項15】
前記第2の制限部(322)に近い前記第1の制限部(312)の端面が、前記第2のロータ(42)に近い前記第1のロータ(41)の前記端面の側で突出し、前記第1の制限部(312)に近い前記第2の制限部(322)の端面が、前記第1のロータ(41)に近い前記第2のロータ(42)の前記端面の側で突出している、請求項14に記載の圧縮機(200)。
【請求項16】
前記第2のロータ(42)に近い前記第1のロータ(41)の端面と前記第1のロータ(41)に近い前記第2のロータ(42)の端面との間の、前記第1の回転シャフト(20)の軸方向における距離は、前記第1のロータ・アセンブリ(40)の軸から前記第1のロータ・アセンブリ(40)の外周に向かって徐々に増大している、請求項1から15までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項17】
前記第1の制限部材(31)は第1の本体部(311)と第1の制限部(312)とを有し、前記第1の本体部(311)は前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、前記第1の制限部(312)は前記第1の本体部(311)の外面の外周の周りに配置され、前記第2のロータ(42)から離れた前記第1の制限部(312)の側面が、前記第2のロータ(42)に近い前記第1のロータ(41)の端面と当接し、
前記第2の制限部材(32)は第2の本体部(321)と第2の制限部(322)とを有し、前記第2の本体部(321)は、前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、且つ前記第1の本体部(311)に隣接して配置され、前記第2の制限部(322)は前記第2の本体部(321)の外面の外周の周りに配置され、前記第1のロータ(41)から離れた前記第2の制限部(322)の側面が、前記第1のロータ(41)に近い前記第2のロータ(42)の端面と当接している、請求項13から16までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項18】
前記接続アセンブリ(30)は、第3の制限部材(33)及び第4の制限部材(34)を更に有し、前記第3の制限部材(33)は、前記第2のロータ(42)から離れた前記第1のロータ(41)の端面と前記ハウジング(10)との間の距離を制限するように構成され、前記第4の制限部材(34)は、前記第1のロータ(41)から離れた前記第2のロータ(42)の端面と前記ハウジング(10)との間の距離を制限するように構成される、請求項13から17までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項19】
前記第3の制限部材(33)は第3の本体部(331)と第3の制限部(332)とを有し、前記第3の本体部(331)は、前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、且つ前記第1の本体部(311)に隣接して配置され、前記第3の制限部(332)は、前記第3の本体部(331)の外面の外周の周りに配置され、前記第3の制限部(332)は、前記第2のロータ(42)から離れた前記第1のロータ(41)の端面と当接し、
前記第4の制限部材(34)は第4の本体部(341)と第4の制限部(342)とを有し、前記第4の本体部(341)は、前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、且つ前記第2の本体部(321)に隣接して配置され、前記第4の制限部(342)は、前記第4の本体部(341)の外面の外周の周りに配置され、前記第4の制限部(342)は、前記第1のロータ(41)から離れた前記第2のロータ(42)の端面と当接している、請求項18に記載の圧縮機(200)。
【請求項20】
前記第2のロータ(42)から離れた前記第1のロータ(41)の端面が、前記第1の回転シャフト(20)の軸方向に沿った第3の制限溝(416)を備え、前記第3の制限部材(33)は第3の本体部(331)と第3の制限部(332)とを有し、前記第3の本体部(331)は、前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、且つ前記第1の本体部(311)に隣接して配置され、前記第3の制限部(332)は前記第3の本体部(331)の外面の外周の周りに配置され、前記第3の制限部(332)は前記第3の制限溝(416)内に差し込まれ、
前記第1のロータ(41)から離れた前記第2のロータ(42)の端面が、前記第1の回転シャフト(20)の軸方向に沿った第4の制限溝(426)を備え、前記第4の制限部材(34)は第4の本体部(341)と第4の制限部(342)とを有し、前記第4の本体部(341)は、前記第1の回転シャフト(20)上にスリーブ配置され、且つ前記第2の本体部(321)に隣接して配置され、前記第4の制限部(342)は前記第4の本体部(341)の外面の外周の周りに配置され、前記第4の制限部(342)は前記第4の制限溝(426)内に差し込まれる、請求項18又は19に記載の圧縮機(200)。
【請求項21】
前記接続アセンブリ(30)の材料が錫青銅材料を有する、請求項1から20までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項22】
前記第1の回転シャフト(20)及び前記接続アセンブリ(30)はそれぞれ油供給通路を備え、前記第1の回転シャフト(20)上に位置する油供給通路(211、212)は、前記接続アセンブリ(30)上に位置する油供給通路(35)と連通している、請求項1から21までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか一項に記載の圧縮機(200)を有する空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年2月26日に出願された中国出願第202110219948.6号に基づき、その優先権を主張するものであり、その開示内容は全体が本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、圧縮機技術の分野に関し、特に圧縮機及び空調装置に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、圧縮機内には一対の平行なヘリカルロータが配置され、この一対のヘリカルロータはハウジングの内壁と共に空間容積を形成する。この容積は、ヘリカルロータの作動プロセスで周期的に増減する。合理的な設計により、この容積は定期的に吸気ポート及び排気ポートに連通したり該ポートに対して閉じたりし、それにより、吸入、圧縮、排気の全プロセスを完了できる。現在、デュアル圧縮機は中程度の冷却能力範囲の冷凍空調装置に広く適用される。
【0004】
ヘリカルロータの作動プロセスにおいては、吸気ポート及び排気ポートにおけるガスの圧力の違いにより、ヘリカルロータが軸方向力を生成し、それにより、ヘリカルロータがハウジング内でヘリカルロータの軸方向に沿って移動し、対向配置された2つのヘリカルロータの隣り合う端面が互いに衝突する。関連技術では、通常、2つのヘリカルロータの隣り合う端面同士の衝突を防止するために、2つのヘリカルロータ間に更なるスラスト・ベアリングが設けられるが、更なるスラスト・ベアリングは、圧縮機の部品点数を増大させ、その結果、圧縮機のサイズが大きくなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、圧縮機の部品点数を増大させることなく、第1のロータと第2のロータとの間の隙間を維持することができる圧縮機及び空調装置を提供する。
【0006】
本開示は、
ハウジングと、
ハウジングに取り付けられる第1の回転シャフトと、
第1の回転シャフト上にスリーブ配置される(sleeved)接続アセンブリと、
接続アセンブリ上に同軸状に配置される第1のロータ及び第2のロータを有する第1のロータ・アセンブリであって、接続アセンブリが、第1のロータと第2のロータとを第1の回転シャフトの周りで共に回転するように支持する第1のロータ・アセンブリと、
を有し、
接続アセンブリは、第1のロータと第2のロータとの間に隙間が存在するように、第1のロータと第2のロータとの相対位置を制限するべく構成される、
圧縮機を提供する。
【0007】
本開示の任意選択的な実施例では、第2のロータから離れた第1のロータの端面と、第1のロータに近いハウジングの端面との間に第1の軸方向隙間が存在し、第1のロータから離れた第2のロータの端面と、第2のロータに近いハウジングの端面との間に第2の軸方向隙間が存在し、接続アセンブリは、第1のロータと第2のロータとの間の隙間が第1の軸方向隙間よりも大きく且つ第1のロータと第2のロータとの間の隙間が第2の軸方向隙間よりも大きくなるように制限するべく構成される。
【0008】
本開示の任意選択的な実施例において、圧縮機は、
ハウジングに取り付けられる第2の回転シャフトと、
第2の回転シャフト上に同軸状に配置される第3のロータ及び第4のロータを有する第2のロータ・アセンブリであって、第2の回転シャフトが、第2のロータ・アセンブリを第1のロータ・アセンブリの回転方向とは反対の方向に沿って回転するように駆動させるべく構成され、第3のロータと第1のロータとが互いに係合され、第4のロータと第2のロータとが互いに係合される、第2のロータ・アセンブリと、
を更に有する。
【0009】
本開示の任意選択的な実施例において、第4のロータに近い第3のロータの端面は、第2のロータに近い第1のロータの端面から突出し、第3のロータに近い第4のロータの端面は、第1のロータに近い第2のロータの端面から突出し、それにより、第1のロータが第4のロータと干渉せず、第2のロータが第3のロータと干渉しない。
【0010】
本開示の任意選択的な実施例では、第3のロータ及び第4のロータの隣り合う端面が接合される。
【0011】
本開示の任意選択的な実施例において、第4のロータに近い第3のロータの端面は、第2のロータに近い第1のロータの端面から、第2の回転シャフトの軸方向で距離d1を有し、第3のロータに近い第4のロータの端面は、第1のロータに近い第2のロータの端面から、第2の回転シャフトの軸方向で距離d2を有し、第2のロータ・アセンブリは、d2=d1を満たすように構成される。
【0012】
本開示の任意選択的な実施例では、第1のロータと第2のロータとの隙間がL3であり、第3のロータが第4のロータに近い方向に向けて第2の回転シャフトの軸方向に沿ってハウジング内で移動する軸方向移動量がD1であり、第2のロータが第1のロータに近い方向に向けて移動する軸方向移動量がD2であり、第4のロータが第3のロータに近い方向に向けて第2の回転シャフトの軸方向に沿ってハウジング内で移動する軸方向移動量がD3であり、第1のロータが第2のロータに近い方向に向けて移動する軸方向移動量がD4であり、第2のロータ・アセンブリは、L3≧D1+D2、及びL3≧D3+D4を満たすように構成される。
【0013】
本開示の任意選択的な実施例において、第1のロータ、第2のロータ、第3のロータ、及び第4のロータの隣接位置に吸気ポートが形成され、第1のロータ、第3のロータ、及びハウジングの隣接位置に第1の排気ポートが形成され、第2のロータ、第4のロータ、及びハウジングの隣接位置に第2の排気ポートが形成される。
【0014】
本開示の任意選択的な実施例において、第1のロータは、第2のロータの螺旋方向とは反対の螺旋方向を有し、第3のロータは、第4のロータの螺旋方向とは反対の螺旋方向を有する。
【0015】
本開示の任意選択的な実施例では、第3のロータが第2の回転シャフトと一体的に形成され、第4のロータが第2の回転シャフトと嵌合するシャフト穴を有し、シャフト穴が第2の回転シャフトとしまり嵌め(緊密篏合)される。
【0016】
本開示の任意選択的な実施例において、圧縮機は、第2の回転シャフトの一方側に配置されるスラスト・ベアリングと、第2の回転シャフトの他方側に配置されるモータとを更に有し、モータは、第2の回転シャフトを回転駆動するように構成され、それにより、第2のロータ・アセンブリは、第2の回転シャフトの回転に追従すると共に、第1のロータ・アセンブリ及び接続アセンブリを第1の回転シャフトの周りで共に回転するように駆動させる。
【0017】
本開示の任意選択的な実施例において、第4のロータから離れる第3のロータの端面は、第2の回転シャフトの軸方向と直交する方向で第2のロータから離れる第1のロータの端面と面一であり、第3のロータから離れる第4のロータの端面は、第2の回転シャフトの軸方向と直交する方向で第1のロータから離れる第2のロータの端面と面一である。
【0018】
本開示の任意選択的な実施例では、接続アセンブリが第1の制限部材(31)及び第2の制限部材を有し、これらの制限部材は、いずれも第1の回転シャフト上にスリーブ配置されると共に、いずれも第1の回転シャフトの周りで回転可能であり、第1の制限部材は、第2のロータに近い第1のロータの端面の位置を制限するように構成され、第2の制限部材は、第1のロータに近い第2のロータの端面の位置を制限するように構成される。
【0019】
本開示の任意選択的な実施例において、第2のロータに近い第1のロータの端面には、第1の回転シャフトの軸方向に沿って第1の制限溝が設けられ、第1の制限部材が第1の本体部と第1の制限部とを有し、第1の本体部が第1の回転シャフト上にスリーブ配置され、第1の制限部が第1の本体部の外面の外周にわたって配置され、第1の制限部が第1の制限スロットに押し込まれ、第1のロータに近い第2のロータの端面には、第1の回転シャフトの軸方向に沿って第2の制限溝が設けられ、第2の制限部材が第2の本体部と第2の制限部とを有し、第2の本体部は、第1の回転シャフト上にスリーブ配置されると共に、第1の本体部に隣接して配置され、第2の制限部が第2の本体部の外面の外周にわたって配置され、第2の制限部が第2の制限スロット内に押し込まれる。
【0020】
本開示の任意選択的な実施例において、第2の制限部に近い第1の制限部の端面は、第2のロータに近い第1のロータの端面の側で突出し、第1の制限部に近い第2の制限部の端面は、第1のロータに近い第2のロータの端面の側で突出する。
【0021】
本開示の任意選択的な実施例において、第2のロータに近い第1のロータの端面と第1のロータに近い第2のロータの端面との間の第1の回転シャフトの軸方向における距離は、第1のロータ・アセンブリの軸から第1のロータ・アセンブリの外周に向かって徐々に増大する。
【0022】
本開示の任意選択的な実施例では、第1の制限部材が第1の本体部と第1の制限部とを有し、第1の本体部が第1の回転シャフト上にスリーブ配置され、第1の制限部が第1の本体部の外面の外周にわたって配置され、第2のロータから離れる第1の制限部の側面が第2のロータに近い第1のロータの端面と当接し、第2の制限部材が第2の本体部と第2の制限部とを有し、第2の本体部は、第1の回転シャフト上にスリーブ配置されると共に、第1の本体部に隣接して配置され、第2の制限部が第2の本体部の外面の外周にわたって配置され、第1のロータから離れる第2の制限部の側面が第1のロータに近い第2のロータの端面と当接する。
【0023】
本開示の任意選択的な実施例では、接続アセンブリが第3の制限部材及び第4の制限部材を更に有し、第3の制限部材は、第2のロータから離れた第1のロータの端面とハウジングとの間の距離を制限するように構成され、第4の制限部材は、第1のロータから離れた第2のロータの端面とハウジングとの間の距離を制限するように構成される。
【0024】
本開示の任意選択的な実施例では、第3の制限部材が第3の本体部と第3の制限部とを有し、第3の本体部は、第1の回転シャフト上にスリーブ配置されると共に、第1の本体部に隣接して配置され、第3の制限部は、第3の本体部の外面の外周にわたって配置され、第3の制限部は、第2のロータから離れた第1のロータの端面と当接し、第4の制限部材が第4の本体部と第4の制限部とを有し、第4の本体部は、第1の回転シャフト上にスリーブ配置されると共に、第2の本体部に隣接して配置され、第4の制限部は、第4の本体部の外面の外周にわたって配置され、第4の制限部は、第1のロータから離れた第2のロータの端面と当接する。
【0025】
本開示の任意選択的な実施例において、第2のロータから離れた第1のロータの端面には、第1の回転シャフトの軸方向に沿って第3の制限溝が設けられ、第3の制限部材が第3の本体部と第3の制限部とを有し、第3の本体部は、第1の回転シャフト上にスリーブ配置されると共に、第1の本体部に隣接して配置され、第3の制限部が第3の本体部の外面の外周にわたって配置され、第3の制限部が第3の制限スロット内に押し込まれ、第1のロータから離れた第2のロータの端面には、第1の回転シャフトの軸方向に沿って第4の制限溝が設けられ、第4の制限部材が第4の本体部と第4の制限部とを有し、第4の本体部は、第1の回転シャフト上にスリーブ配置されると共に、第2の本体部に隣接して配置され、第4の制限部が第4の本体部の外面の外周にわたって配置され、第4の制限部が第4の制限スロット内に押し込まれる。
【0026】
本開示の任意選択的な実施例では、接続アセンブリの材料が錫青銅材料を有する。
【0027】
本開示の任意選択的な実施例において、第1の回転シャフト及び接続アセンブリにはそれぞれ油供給通路が設けられ、第1の回転シャフト上に位置される油供給通路は、接続アセンブリ上に位置される油供給通路と連通している。
【0028】
本開示の実施例は、前述の圧縮機を有する空調装置も提供する。
【0029】
本開示の実施例では、第1の回転シャフトと第1のロータ・アセンブリとを接続する接続アセンブリの改良により、接続アセンブリは、第1のロータと第2のロータとの間の相対位置を制限することができると共に、更なる構成要素の付加を伴うことなく、第1のロータと第2のロータとの間に隙間が維持されることを達成でき、それにより、第1のロータ及び第2のロータの隣り合う端面が互いに衝突しないようにすることができる。
【0030】
本開示の実施例における技術的解決策をより明確に説明するために、実施例の説明に使用するために必要な添付図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における添付図面は、本開示の実施例の一部にすぎない。当業者であれば、創造的な努力をすることなく、これらの図面に従って他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本出願の一実施例によって提供される圧縮機の断面図である。
図2図1に示される圧縮機における第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ及び接続アセンブリの部分構造図である。
図3図2に示される第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ及び接続アセンブリにおけるA部の拡大構造図である。
図4図2に示される第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ及び接続アセンブリのB部の拡大構造図である。
図5図2に示される第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ及び接続アセンブリのC部の拡大構造図である。
図6図1に示される圧縮機における第1の制限部材の構造図である。
図7図6に示される第1の制限部材のP-P方向に沿う断面図である。
図8図1に示される圧縮機における第1の回転シャフト、第2の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ及び第2のロータ・アセンブリの立体構造図である。
図9図2に示される第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ及び接続アセンブリの第2の構造図である。
図10図1に示される圧縮機における第1の回転シャフトの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本開示の実施例における添付図面と併せて、本開示の実施例における技術的解決策について明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の全てではなく、一部にすぎない。本開示の実施例に基づいて、創作的作業を行なわずに当業者によって得られる他の実施例は全て、本開示の保護範囲に入るべきである。
【0033】
本明細書における「実施例」又は「実施態様」への言及は、実施例又は実施態様と関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の実施例の少なくとも1つに含まれ得ることを意味する。明細書の様々な場所にこの語句が存在することは、必ずしも同じ実施例を指すわけではなく、また、他の実施例と相互に排他的な独立した実施例又は代替実施例を指すものでもない。当業者であれば分かるように、明示的にも暗黙的にも、本明細書に記載の実施例を他の実施例と組み合わせることができる。
【0034】
本開示は圧縮機を提供する。図1を参照すると、図1は、本出願の実施例によって提供される圧縮機の第1の部分断面図である。図1に示される圧縮機200はスクリュー圧縮機であってもよく、例えば、圧縮機200は対向型スクリュー圧縮機である。なお、図1に示される圧縮機200はスクリュー圧縮機に限定されず、例えば、圧縮機200はスクロール圧縮機であってもよいことに留意すべきである。圧縮機200は、ハウジング10、第1の回転シャフト20、接続アセンブリ30、及び第1のロータ・アセンブリ40を含むことができる。ハウジング10は、第1の回転シャフト20、接続アセンブリ30、及び第1のロータ・アセンブリ40の一部を収容するために使用され得る。第1の回転シャフト20はハウジング10内に取り付けることができ、例えば、第1の回転シャフト20をハウジング10にねじ込むことができ、第1の回転シャフト20の両端がハウジング10の外側に露出されることが理解され得る。
【0035】
本開示の明細書、特許請求の範囲及び上記の添付図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するために使用され、特定の順序を説明するために使用されるものではないことに留意すべきである。更に、「有する」及び「有する」という用語、及びそれらの変形は、非排他的な包含を網羅することを意図している。
【0036】
図1に示されるように、接続アセンブリ30は、第1の回転シャフト20上にスリーブ配置され得る。第1のロータ・アセンブリ40は第1のロータ41及び第2のロータ42を含むことができ、第1のロータ41及び第2のロータ42は接続アセンブリ30上に同軸状に配置される。接続アセンブリ30は、第1のロータ40及び第2のロータ42を第1の回転シャフト20の周りで共に回転するように支持すると共に、第1のロータ41と第2のロータ42との間の相対位置を制限するように構成され、第1のロータ41と第2のロータ42との間に隙間が存在するようにする。接続アセンブリは、滑りベアリング又は転がりベアリングであってもよい。
【0037】
関連技術において、第1のロータ・アセンブリ40の2つのロータ間に配置された更なるスペーサは、一般に、2つのロータを分離し、回転中に2つのロータ間の隙間を維持するために使用されるが、スペーサは更なる付加を必要とし、それによって、圧縮機200の構成要素の数を増大する。しかしながら、本開示の一実施例は、第1の回転シャフト20と第1のロータ・アセンブリ40とを接続する接続アセンブリ30を直接に改良し、それにより、接続アセンブリ30は、第1のロータ41と第2のロータ42との間の相対位置を制限することができると共に、更なる構成要素を伴うことなく、第1のロータ41と第2のロータ42との間の隙間を維持することを達成でき、したがって、第1のロータ41及び第2のロータ42の隣り合う端面が互いに衝突しないようにする。図2図5に示されるように、図2は、図1に示された圧縮機における第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ、及び接続アセンブリの構造図であり、図3は、図2に示される第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ、及び接続アセンブリのA部の拡大構造図であり、図4は、図2に示される第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ、及び接続アセンブリのB部の拡大構造図であり、図5は、図2に示される第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ、及び接続アセンブリのC部の拡大構造図である。第1のロータ41は、背中合わせに配置された第1の端面411及び第2の端面412を含むことができ、第1の端面411は、第2のロータ42に近い第1のロータ41の端面であり、第2の端面412は、第2のロータ42から離れた第1のロータ41の端面である。第2のロータ42は、背中合わせに配置された第3の端面421と第4の端面422とを含むことができ、第3の端面421は、第2のロータ41に近い第2のロータ42の端面であり、第4の端面421は、第2のロータ42から離れた第1のロータ41の端面である。
【0038】
第1の端面411は、第3の端面421に隣り合って配置されると共に、第3の端面421から離間され、第2の端面412は、ハウジング10の一側面に隣り合って配置されると共に、ハウジング10の一側面から離間され、第4の端面422は、ハウジング10の他側面と対向して配置されると共に、ハウジング10の他側面から離間される。第1のロータ41の第2の端面412と第1のロータ41に近いハウジング10の端面との間には、第1の軸方向隙間L1が存在する。第2のロータ42の第4の端面4と第2のロータ42に近いハウジング10の端面との間には、第2の軸方向隙間L2が存在する。接続アセンブリ30は、第1のロータ41の第1の端面411と第2のロータ42の第3の端面421との間に第3の軸方向隙間L3が存在するように第1のロータ41と第2のロータ42との相対位置を制限するように構成される。
【0039】
本開示の一実施例では、第1のロータ41が第1のロータ41に隣接するハウジング10の端面に近い方向に向けて第1の回転シャフト20の軸方向に沿って移動するときに、第3の軸方向隙間L3が第1の軸方向隙間L1よりも大きく、それにより、第1のロータ41の第2の端面411が第1のロータ41に隣接するハウジング10の端面に当接しても、第1のロータ41の第1の端面411と第2のロータ42の第3の端面421とが互いに当接せず、すなわち、第1のロータ41と第2のロータ42との間に隙間が依然として存在することが分かる。
【0040】
第2のロータ42が第2のロータ42に隣接するハウジング10の端面に近い方向に向けて第1の回転シャフト20の軸方向に沿って移動するときに、第3の軸方向隙間L3が第2の軸方向隙間L2よりも大きく、それにより、第2のロータ42の第4の端面421が第2のロータ42に隣接するハウジング10の端面に当接しても、第2のロータ41の第1の端面411と第2のロータ42の第3の端面421とが互いに当接せず、すなわち、第1のロータ41と第2のロータ42との間に隙間が依然として存在する。
【0041】
典型的には、図2及び図4を更に参照すると、接続アセンブリ30が第1の制限部材31及び第2の制限部材32を含むことができ、第1の制限部材31及び第2の制限部材32はいずれも第1の回転シャフト20上にスリーブ配置されると共に、第1の回転シャフトを中心に回転可能である。第1のロータ41は、第1の制限部材31上にスリーブ配置されると共に、第1のロータ41が第1の制限部材31に追従して第1の回転シャフト20の周りで共に回転できるように、第1の制限部材31に接続固定され、第1の制限部材31は、第2のロータ42に近い第1のロータ41の端面が第2のロータ42に向けて移動する移動距離を制限するように構成される。第2のロータ42は、第2の制限部材32上に配置されると共に、第2のロータ42が第2の制限部材32に追従して第1の回転シャフト20の周りで共に回転できるように第2の制限部材32と接続固定され、第2の制限部材32は、第1のロータ41に近い第2のロータ42の端面が第1のロータ41に近い方向に向けて移動する移動距離を制限するように構成される。
【0042】
第1の制限部材31が第1のロータ41の第1の端面411の位置を制限するように構成され、第2の制限部材32が第2のロータ42の第2の端面411の位置を制限するように構成され、第1の制限部材31及び第2の制限部材32が、第1のロータ41の第1の端面411と第2のロータ42の第3の端面421との間に第3の軸方向隙間L3が存在するように協働することが分かる。
【0043】
典型的には、図2図4図5図6、及び図7と関連して、図6は、図1に示される圧縮機における第1の制限部材の構造図であり、図7は、図6に示される第1の制限部材のP-P方向に沿う断面図である。第1の制限部材31は、第1の本体部311と第1の制限部312とを含み、第1の本体部311は第1の回転シャフト20上にスリーブ配置され、例えば、第1の本体部311には第1のシャフト穴313が設けられてもよく、第1の制限部材31は、第1のシャフト穴313を通じて第1の回転シャフト20上にスリーブ配置される。第1の本体部311は円形構造であってもよく、第1の制限部312は、第1の本体部311の外面の外周にわたって配置される。第1のロータ41の第1の端面411には第1の制限溝413が設けられ、第1の制限溝413の切り欠きが第2のロータ42に面し、或いは、第1の端面411には、第1の回転シャフト20の軸方向に沿ってこの第1の制限溝413が設けられる。第1の制限部312は、第1の制限部312が第1の制限溝413を通じて第1のロータ41を制限することができるように第1の制限溝413に押し込まれる。
【0044】
第1の制限部312は、第1の本体部311の外面の外周上に突出して配置され、第1のロータ41が第1の制限部材31上にスリーブ配置されると、第1のロータ41の第1の制限溝413の溝壁が第1の制限部312と当接し、第1のロータ41の第1の端面411は、第1の制限部材31の第1の制限部312の制限下で第1の制限部材31に対して移動できず、これにより、第1のロータ41の第1の端面411への第1の制限部材31の制限効果が実現されるのが分かる。
【0045】
第2の制限部材32の構造は、第1の制限部材31の構造と同じであってもよく、例えば、第2の制限部材32は、第2の本体部321及び第2の制限部322を含んでもよい。第2の本体部321は第1の回転シャフト20上にスリーブ配置され、例えば、第2の本体部321には第2のシャフト穴323が設けられ、第2の制限部材32は第2のシャフト穴323を通じて第1の回転シャフト20上にスリーブ配置される。第2の本体部321は円形構造であってもよく、第2の制限部322は、第2の本体部321の外面の外周にわたって配置される。第2のロータ42の第3の端面421には第2の制限溝423が設けられてもよく、第2の制限溝423の切り欠きが第1のロータ41に面する、又は第3の端面421には、第1の回転シャフト20の軸方向に沿ってこの第2の制限溝423が設けられる。第2の制限部322は、第2の制限部322が第2の制限溝423を通じて第1のロータ42を制限できるように第2の制限溝423に押し込まれる。
【0046】
第2の制限部322は、第2の本体部321の外面の外周上に突出して配置され、第2のロータ42が第2の制限部材32上にスリーブ配置されると、第2のロータ42の第2の制限溝423の溝壁が第2の制限部322と当接し、第2のロータ42の第2の端面421は、第2の制限部材32の第2の制限部322の制限下で第2の制限部材32に対して移動できず、これにより、第1のロータ42の第3の端面421への第2の制限部材32の制限効果が実現されるのが分かる。
【0047】
本開示の一実施例では、第1のロータ41の第1の端面411の位置が第1の制限部材31によって制限され、第2のロータ42の第3の端面421の位置が第2の制限部材32によって制限され、それにより、第1のロータ411の第1の端面411と第2のロータ421の第3の端面421との間に第3の軸方向隙間が維持される。
【0048】
図3及び図8を参照すると、図8は、図1に示される圧縮機における第1の回転シャフト、第2の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ、及び第2のロータ・アセンブリの立体構造図であり、第1のロータ41は、第1のボディ部414及び複数の第1の螺旋ブレード415を含み、複数の第1の螺旋ブレード415は、第1のボディ部414の外面の周囲にわたって配置される。第1のロータ41の第1の端面411は、第1のボディ部414上に位置される第1の部分と、第2のロータ42に近い第1の螺旋ブレード415の一方に位置される第2の部分とを含み、第1の部分に第1の制限溝413が形成される。複数の第1の螺旋ブレード415が、第1のボディ部414上の第1の端面411から第2の端面412に向かう方向で第1のボディ部414上に連続的に配置され、第1の螺旋ブレード415の端面と第2のロータ42に近い第1のボディ部414の端面とが共に組み合わされて第1の端面411となるのが分かる。第1の制限溝413は、第1のボディ部414の端面に形成される。
【0049】
第2のロータ42は、第2のボディ部424と複数の第2の螺旋ブレード425とを含み、複数の第2の螺旋ブレード425は、第2のボディ部424の外面の外周にわたって配置される。第2のロータ42の第3の端面421は、第2のボディ部424に位置される第3の部分と、第1のロータ42に近い第2の螺旋ブレード425の一方に位置される第4の部分とを含み、第3の部分には第2の制限溝423が形成される。複数の第2の螺旋ブレード425は、第2のボディ部424上の第3の端面421から第4の端面422に向かう方向で第2のボディ部424上に連続的に配置され、第1の螺旋ブレード425の第1の端面と第1のロータ42に近い第2のボディ部424の端面とが共に組み合わされて第3の端面421となるのが分かる。第2の制限溝423は、第2のボディ部424の端面に形成される。
【0050】
本開示の一実施例において、第1の制限部312は、背中合わせに配置された第1の側面3121及び第2の側面3122を有してもよく、第1の側面3121は、第2の制限部322に近い第1の制限部312の側面であり、第2の側面3122は、第2の制限部322から離れた第1の制限部312の側面である。第2の制限部322は、背中合わせに配置された第3の側面3221及び第4の側面3222を有してもよく、第3の側面3221は、第1の制限部312に近い第2の制限部322の側面であり、第4の側面3222は、第1の制限部312から離れた第2の制限部322の側面である。
【0051】
第1の側面3121は、第1のロータ41の第1の端面411の側で突出するように配置され、第3の側面3221は、第2のロータ42の第3の端面421の側で突出するように配置される。第1の制限部材31と第2の制限部材32とが互いに当接するまで、第1のロータ41と第2のロータ42とが互いに近づく方向に移動すると、第1の制限部材31の一部が第1のロータ41の端面から突出し、第2の制限部材32の一部が第2のロータ42の端面から突出するため、第1のロータ41の第1の端面411及び第1のロータ41の第1の端面411が互いから離間され、これにより、第1のロータ41と第2のロータ42との間に第3の軸方向隙間L3を有する効果を得ることができ、第1の部分、第2の部分、第3の部分、及び第4の部分が共にそれらの間に第3の軸方向隙間L3を形成する。
【0052】
なお、第1の制限部材31と第1のロータ41との間の位置関係、及び、第2の制限部材32と第2のロータ42との間の位置関係は、これに限定されないことに留意すべきである。幾つかの他の実施例において、第1の側面3121は、第1の回転シャフト20の軸方向と直交する方向において、第1の制限溝413が設けられた部分を除く第1の部分の他の部分の端面と面一である。第3の側面3221は、第1の回転シャフト20の軸方向と直交する方向において、第2の制限溝423が設けられた部分を除く第3の部分の他の部分の端面と面一である。
【0053】
第1の制限溝413が設けられた部分を除く第1の部分の他の部分は、第2の制限溝423が設けられた部分を除く第3の部分の他の部分と当接し、更に、第2の部分と第4の部分との間に第3の軸方向隙間L3を形成するように第2の部分と第4の部分とが互いに離間される。
【0054】
第1の制限部材31の第1の制限部312と第2の制限部材322の第2の制限部322とが互いに当接するまで、第1の制限部材31と第1のロータ41、及び第2の制限部材32と第2のロータ42が互いに近づく方向で共に移動すると、第1の制限溝413が設けられた部分を除く第1の部分の他の部分の端面が、第1の回転シャフト20の軸方向と直交する方向で第1の制限部312の第1の側面3121と面一であると共に、第2の制限溝423が設けられた部分を除く第3の部分の他の部分の端面が、第1の回転シャフト20の軸方向と直交する方向で第2の制限部材322の第3の側面3221と面一であるため、第1の制限溝413が設けられた部分を除く第1の部分の他の部分の端面は、第2の制限溝423が設けられた部分を除く第3の部分の他の部分の端面と当接するのが分かる。それと比べて、第1の側面3121は、第1の制限溝413が設けられた部分を除く第1の部分の他の部分の側で突出するように配置され、第3の側面3221は、第2の制限溝423が設けられた部分を除く第3の部分の他の部分の側で突出するように配置され、本開示の実施例は、接続アセンブリ30により占められるハウジング10の内部空間を縮小することができる。
【0055】
また、第1のロータ・アセンブリ40の様々な構成要素の長さが固定される場合、第1の制限部材31の第1の制限部312と第2の制限部材32の第2の制限部322とが互いに当接するまで第1の制限部材31と第1のロータ41、及び第2の制限部材32と第2のロータ42が互いに接近する方向で共に移動すると、第1のロータ・アセンブリ40の全長は、第1の制限溝413が設けられた部分を除く第1のロータ41の第1の部分の他の部分の端面と、第2の制限溝423が設けられた部分を除く第2のロータ42の第3の部分の他の部分の端面との間の隙間が大きい場合により大きく、それにより、第1のロータ・アセンブリ40は、ハウジング10の内部空間のより大きな容積を占めるようになるのが分かる。
【0056】
本開示の一実施例において、第1の制限溝413が設けられた部分を除く第1の部分の他の部分の端面は、第1の回転シャフト20の軸方向と直交する方向で第1の制限部312の第1の側面3121と面一になるように配置され、第2の制限溝423が設けられた部分を除く第3の部分の他の部分の端面は、第2の回転シャフト20の軸方向と直交する方向で第2の制限部322の第3の側面3221と面一になるように配置され、それにより、第1の制限部材312の第1の側面3121が第2の制限部材322の第3の側面3221と当接し、その結果、第1のロータ・アセンブリ40の全長が最大限に減少され、これにより、第1のロータ・アセンブリ40が占めるハウジング10の内部空間が減少する。
【0057】
更に、第1のボディ部414の端面と第2のボディ部424の端面とが互いに当接し、第1の螺旋ブレード415の端面と第2の螺旋ブレード425の端面とが互いに離間されて、第2の部分と第4の部分との間に第3の軸方向隙間L3が形成される。第1のロータ41の端面全体と第2のロータ42の端面全体とが互いに離間しているのに比べて、本開示の実施例は、第1のロータ41の第1の螺旋ブレード415と第2のロータ42の第2の螺旋ブレード425との間が相互干渉しないようにすることができるだけでなく、第3の軸方向隙間L3の設定に起因して、ハウジング10内の第1のロータ・アセンブリ40の長さも短くできる。
【0058】
幾つかの他の実施例では、図9に示されるように、図9は、図2に示される第1の回転シャフト、第1のロータ・アセンブリ、及び接続アセンブリの第2の構造図である。第1のロータ41には第1の制限溝413が設けられておらず、第2のロータ42には第2の制限溝423が設けられていない。或いは、第1のロータ41の第1の端面411が第2のロータ42から離れた第1の制限部312の側面と直接に当接され、第2のロータ42の第3の端面421が第1のロータ41から離れた第2の制限部322の側面と直接に当接され、それにより、第1のロータ41と第2のロータ42との間に第3の軸方向隙間L3を有する。本開示の一実施例では、第1の制限部材31と第2の制限部材32とが互いに当接するとき、第1の制限部材31の第1の制限部312と第2の制限部材32の第2の制限部322との閉塞に起因して、第1のロータ41の第1の端面411が第2のロータ42の第3の端面421と当接せず、或いは、第1のロータ41の第1の端面411と第2のロータ42の第3の端面421との間に常に隙間が存在するのが分かる。
【0059】
他の実施例では、第1のロータ41に制限溝を形成することもでき、第1のロータ41が制限スロットを介して第1の制限部材31で締め付けられ、第2のロータ42の第3の端面421は、第2の制限部材32の第2の制限部322に直接に当接することに留意すべきである。或いは、第2のロータ42には制限スロットが設けられ、第2のロータ42が制限スロットを介して第2の制限部材32で締め付けられ、第1のロータ41の第1の端面411が第1の制限部材31の第1の制限部312と直接に当接する。
【0060】
本開示の一実施例では、第1の制限部材31と第2の制限部材32とが2つの構成要素へと別個に形成されるが、他の実施例では、第1の制限部材31と第2の制限部材32とが1つの構成要素へと一体的に形成されてもよい。
【0061】
本出願の一実施例において、接続アセンブリ30、第1のロータ41、及び第2のロータ42は、ハウジング10内において第1の回転シャフト20の周りで共に回転することができる。回転過程において、第1のロータ41の両側と第2のロータ42の両側とで圧力が異なることにより第1の回転シャフト20の軸方向に沿う軸力が生成されるため、第1のロータ41及び第2のロータ42は、この軸力の作用下で、第1の回転シャフト20の軸方向に移動する場合があるが、このとき、第1のロータ41及び第2のロータ42の軸方向の移動量が大きすぎる場合、第1のロータ41と第2のロータ42とが干渉問題を引き起こす結果となり得る。
【0062】
これに基づいて、本開示の実施例は実際的な問題から出発し、第1のロータ41及び第2のロータ42が接続アセンブリ30によって制限され、それにより、第1のロータ41と第2のロータ42との間の隙間は、第1のロータ・アセンブリ40(第1のロータ41及び第2のロータ42を含む)が第1の回転シャフトの軸方向に沿って移動する軸方向移動量よりも大きく、その結果、上記問題の発生を回避できる。
【0063】
本出願の一実施例において、第3の軸方向隙間L3は、第1の軸方向隙間L1よりも大きく且つ第2の軸方向隙間L2よりも大きくなるように設定され、すなわち、L3>L1であり、L3がL2よも大きい。ここで、第1の軸方向隙間L1は、第1の回転シャフト20の軸方向において、第1のロータ41の第2の端面412と第1のロータ41に隣接するハウジング10の端面との間の隙間であり、第2の軸方向隙間L2は、第1の回転シャフト20の軸方向において、第2のロータ42の第4の端面422と第2のロータ42に隣接するハウジング10の端面との間の隙間である。図2図4及び図5を更に参照すると、本開示の一実施例の接続アセンブリ30は、第3の制限部材33及び第4の制限部材34を更に含むことができ、第3の制限部材33は、第1のロータ41の第2の端面412とハウジング10との間に第1の軸方向隙間L1が存在するように、第1のロータ41の第2の端面412とハウジング10との間の距離を制限するように構成され、第4の制限部材34は、第2のロータ42の第4の端面422とハウジング10との間に第2の軸方向隙間L2が存在するように、第2のロータ42の第4の端面422とハウジング10との間の距離を制限するように構成される。
【0064】
第3の制限部材33は、第3の本体部331と第3の制限部332とを含んでもよく、第3の本体部331は、第1の回転シャフト20上にスリーブ配置されると共に、第1の本体部311に隣接して配置され、第3の制限部332は、第3の本体部331の外面の外周にわたって配置される。第3の制限部331は、第5の側面3311及び第6の側面3312を有してもよく、第5の側面3311は、ハウジング10から離れた第3の制限部331の側面であり、第6の側面3312は、ハウジング10に近い第3の制限部331の側面であり、第5の側面3311は、第1のロータ41の第2の端面412と当接する。第4の制限部材34は、第4の本体部341と第4の制限部342とを含み、第4の本体部341は、第1の回転シャフト20上にスリーブ配置されると共に、第2の本体部321に隣接して配置され、第4の制限部342は、第3の本体部341の外面の外周にわたって配置される。第4の制限部341は、第7の側面3421及び第8の側面3422を有することができ、第7の側面3421は、ハウジング10から離れた第4の制限部341の側面であり、第8の側面3422は、ハウジング10に近い第4の制限部341の側面であり、第4の制限部341は、第1のロータ41の第2の端面412と当接する。
【0065】
本開示の一実施例では、図6に示されるように、第3の制限部材33及び第4の制限部材34はいずれも、第1の制限部材31と同じ構造を有してもよい。また、第1のロータ41の第2の端面412及び第2のロータ42の第4の端面422は、それぞれ制限スロットを備えてもよく、制限スロットを介して第3の制限部材33及び第4の制限部材34でそれぞれ締め付けられてもよい。
【0066】
図4に示されるように、第1のロータ41の第2の端面421には第3の制限溝416が設けられてもよく、第3の制限溝416の切り欠きはハウジング10に面し、或いは、第2の端面421には、第1の回転シャフト20の軸方向に沿ってこの第3の制限溝416が設けられる。第3の制限部331は、第3の制限部331が第3の制限溝416を介して第1のロータ41の第2の端面412を制限できるように、第3の制限溝416に押し込まれる。第3の制限部332が第3の本体部331の外面の外周上に突出するように配置され、第1のロータ41は、第1の制限部材31上及び第3の制限部材33上の両方にスリーブ配置され、第1の制限部材31が第1のロータ41の第1の端面411を制限するために用いられ、第3の制限部材33が第1のロータの第2の端面412を制限するために用いられるのが分かる。第1のロータ41が第3の制限部材33上にスリーブ配置されると、第1のロータ41の第3の制限溝416の溝壁が第3の制限部331と当接し、第1のロータ41の第1の端面412は、第3の制限部材33の第3の制限部331の制限下で第3の制限部材33に対して移動することができず、それにより、第1のロータ41の第2の端面412に対する第3の制限部材33の制限効果が実現される。
【0067】
図5に示されるように、第2のロータ42の第4の端面422には第4の制限溝426を設けることができ、第4の制限溝426の切り欠きはハウジング10に面し、或いは第4の端面422には、第1の回転シャフト20の軸方向に沿って第4の制限溝426が設けられる。第4の制限部342は、第4の制限溝426が第4の制限溝426を介して第2のロータ42の第4の制限溝426を制限できるように第4の制限溝426に押し込まれる。
【0068】
第4の制限部342が第4の本体部341の外面の外周にわたって突出するように配置され、第2のロータ42が第2の制限部材32上及び第4の制限部材32上の両方にスリーブ配置され、第2の制限部材32が第2のロータ42の第3の端面421を制限するために用いられ、第4の制限部材34が第2のロータ42の第4の端面422を制限するために用いられるのが分かる。第2のロータ42が第4の制限部材34上にスリーブ配置されると、第2のロータ42の第4の制限溝426の溝壁が第4の制限部342と当接し、第2のロータ42の第4の端面422は、第4の制限部材34の第4の制限部342の制限下で第4の制限部材34に対して移動できず、これにより、第2のロータ42の第4の端面422に対する第4の制限部材34の制限効果が実現される。
【0069】
本開示の一実施例において、第1のロータ41の第2の端面412の位置は、第1のロータ41の第2の端面412とハウジング10との間に第1の軸方向隙間L1が存在するように、第3の制限部材33によって制限され、第2のロータ42の第4の端面422の位置は、第2のロータ42の第4の端面422とハウジング10との間に第2の軸方向隙間L2が存在するように、第4の制限部材34によって制限される。
【0070】
接続アセンブリ30は第1のロータ・アセンブリ40と同期して回転するため、動作中に第1のロータ・アセンブリ40とのシャフト摩擦が発生し、その結果、接続アセンブリ30が摩耗する可能性がある。この目的のため、本開示の実施例において、接続アセンブリ30は錫青銅材料を含むことができ、すなわち、接続アセンブリ30は、主要な合金元素として錫を有し且つ一般に錫含有量が3%~14%である青銅材料である錫青銅材料から形成され得る。この材料は、耐食性及び耐摩耗性の特性を有し、より優れた機械的特性及びプロセス特性を有しており、これにより、接続アセンブリ30の耐摩耗性能を向上させることができる。
【0071】
本開示の一実施例では、接続アセンブリ30と第1のロータ・アセンブリ40とがシャフト摩擦を生成するときに摩擦温度が高すぎることを回避するために、本開示の実施例は、接続アセンブリ30と第1のロータ・アセンブリ40との間の摩擦を低減して圧縮機200の信頼性の高い動作を確保するために、第1の回転シャフト20及び接続アセンブリ30の両方に油供給通路を更に設けることができ、また、ハウジング10の外部に位置された油供給構成要素を介して潤滑用及び冷却用の油供給通路に冷却油又は他の油が供給される。
【0072】
典型的には、図2及び図10に関連して、図10は、図1に示される圧縮機における第1の回転シャフトの構造図である。接続アセンブリ30には複数の第1の油供給通路35が設けられる。1つの制限部材には1つ以上の第1の油供給通路36が設けられてもよい(例えば、第1の制限部材31、第2の制限部材32、第3の制限部材33、第4の制限部材34のそれぞれに第1の油供給通路35が設けられる)。第1の回転シャフト20には、第1の回転シャフト20の軸方向に沿って主油供給通路211が設けられ、主油供給通路211と連通する複数の補助油供給通路212が、第1の回転シャフト20の軸方向に対して垂直な第2方向に形成される。主油供給通路211及び複数の補助油供給通路212は共に第2の油供給通路21を形成し、第2の油供給通路21は、複数の補助油供給チャネル212を介して複数の第1油供給通路35と連通している。実際の動作中、冷却油又は他の油をハウジング10内に位置される油供給構成要素を介して第1の回転シャフト20の主油供給通路211に供給することができ、主油供給通路211は、複数の補助油供給通路212を介して第1の回転シャフト20と接続アセンブリ30との間に冷凍油又は他の油を流入させ、第1の回転シャフト20及び接続アセンブリ30の接触面を潤滑及び冷却する。冷却油又は他の油は、複数の第1の油供給通路35を通じて接続アセンブリ20と第1のロータ・アセンブリ40との間で流れ、接続アセンブリ20及び第1のロータ・アセンブリ40を潤滑又は冷却することができる。
【0073】
図1及び図8を参照すると、本開示の一実施例における圧縮機200は、第2の回転シャフト50及び第2のロータ・アセンブリ60を更に含むことができ、第2の回転シャフト50はハウジング10内に取り付けられ、第2の回転シャフト50は、第2の回転シャフト50の軸方向で第1の回転シャフト20と平行に配置される。第2のロータ・アセンブリ60は、第2の回転シャフト50上に同軸状に配置された第3のロータ61及び第4のロータ62を含むことができる。第2の回転シャフト50は、第2のロータ・アセンブリ60を第1のロータ・アセンブリ40の回転方向と反対の方向に沿って回転駆動するように構成され、第3のロータ61は第1のロータ41と係合され、第4のロータ62は第2のロータ42と係合される。
【0074】
第1のロータ・アセンブリ20はネガティブ・ロータ・アセンブリであってもよく、第2のロータ・アセンブリ60はポジティブ・ロータ・アセンブリであってもよく、ポジティブ・ロータ・アセンブリとしての第2のロータ・アセンブリ60はアクティブ・ロータ・アセンブリであり、ネガティブ・ロータ・アセンブリとしての第1のロータ・アセンブリ40は、スレーブ・ロータ・アセンブリであってもよいことが分かる。一例として、第2の回転シャフト50は、モータなどの駆動アセンブリに伝達方式で接続され、第1の回転シャフト50は、駆動アセンブリによって回転駆動される。第1の回転シャフト50は、それが回転するときに第2のロータ・アセンブリ60を共に回転するように駆動させ、第2のロータ・アセンブリ60は、それが回転するときに第1のロータ・アセンブリ40を第1の回転シャフト20を中心に回転するように駆動させる。
【0075】
第1のロータ・アセンブリ40及び第2のロータ・アセンブリ60の回転中、第1のロータ・アセンブリ40及び第2のロータ・アセンブリ60は軸力の作用下で軸方向移動をもたらすため、それらが移動して第1のロータ・アセンブリ40の2つのロータと第2のロータ・アセンブリ60の2つのロータとが位置ずれして係合される場合、第1のロータ・アセンブリ40の2つのロータと第2のロータ・アセンブリ60の2つのロータとが互いに干渉し、その結果、4つのロータが削れたり、絞められたりする可能性がある。
【0076】
これに基づき、本開示の一実施例では、第4のロータ62に近い第3のロータ61の端面が、第2のロータ42に近い第1のロータ41の端面から突出し、第3のロータ61に近い第4のロータ62の端面は、第1のロータ41に近い第2のロータ42の端面から突出する。本開示の実施例は、第1のロータ41が第4のロータ62と干渉せず、第2のロータ31が第3のロータ61と干渉しないようにすることができる。
【0077】
第3のロータ61は、背中合わせに配置された第5の端面611及び第6の端面612を有してもよく、第5の端面611は、第4のロータ62に近い側面であり、第6の端面612は、第4のロータ62から離れた側面であり、第3のロータ61の第5の端面611は、第2の回転シャフト50の軸方向において、第1のロータ41の第1の端面411よりも高く、それにより、第3のロータ61の一部が常に第1のロータ41と第2のロータ42との間の隙間内に位置されるようにすることができるのが分かる。第4のロータ62は、背中合わせに配置された第7の端面621及び第8の端面622を有してもよく、第7の端面621は第3のロータ61に近い側面であり、第8の端面622は、第3のロータ61から離れた側面であり、第4のロータ62の第7の端面621は、第2の回転シャフト50の軸方向において、第2のロータ42の第3の端面421よりも高く、それにより、第4のロータ62の一部が常に第1のロータ41と第2のロータ42との間の隙間内に位置されるようにすることができる。第1のロータ41及び第2のロータ42に配置される第3のロータ61の一部(すなわち、第1のロータ41の第1の端面411よりも上方の部分)は、第4のロータ62の第7の端面621と第1のロータ41の第1の端面411との間に相互干渉を伴うことなく常に隙間が存在するように第4のロータ62の第7の端面621を制限することができる。同時に、第1のロータ41及び第2のロータ42に配置された第4のロータ62の一部(すなわち、第2のロータ42の第3の端面421よりも上方の部分)は、第3のロータ61の第5の端面611と第2のロータ42の第3の端面421との間に相互干渉を伴うことなく常に隙間が存在するように第3のロータ42の第5の端面611を制限することができる。
【0078】
本開示の一実施例において、第1のロータ・アセンブリ40は、第1のロータ・アセンブリ40の第1のロータ41と第2のロータ42との間に第3の軸方向隙間L3が維持されるように接続アセンブリ30によって制限され、本開示の実施例における第2のロータ・アセンブリ60の第3のロータ61及び第4のロータ62の両方の隣り合う端面は、第1のロータ41及び第2のロータ42のそれぞれの隣り合う端面よりも高く、それにより、ロータの削れや絞りの発生を回避するべく第1のロータ・アセンブリ40及び第2のロータ・アセンブリ60における対角位置に配置される2対のロータが互いに干渉しないようにする。
【0079】
図8に示されるように、第3のロータ61の第5の端面611は、第4のロータ62の第7の端面621、すなわち、第3のロータ61及び第4のロータ62の隣り合う端面と接合され、また、第3のロータ61と第4のロータ62とを互いに離間するように配置するのと比べて、本開示の実施例は、第2のロータ・アセンブリ60の全長を短くすることができ、それにより、第2のロータ・アセンブリ60によって占められるハウジング10の内部空間を縮小することができる。
【0080】
勿論、幾つかの他の実施例においては、第3のロータ61と第4のロータ62とを互いに離間して配置することも可能であり、対角位置に配置される2対のロータが互いに干渉しないようにする効果も得られると共に、第3のロータ61及び第4のロータ62の隣り合う端面がいずれも第1のロータ41と第2のロータ42との間の隙間内に位置されるようになる。
【0081】
図3に示されるように、本開示の一実施例において、第3のロータ61の第5の端面611は、第2の回転シャフト50の軸方向において、第1のロータ41の第1の端面411から距離d1を有し、d1は、0.2mm、0.3mm、0.4mm、又はその他の小さな値であってもよい。第2の回転シャフト50の軸方向における第4のロータ62の第7の端面621と第2のロータ42の第3の端面421との間の距離はd2であり、d2は0.2mm、0.3mm、0.4mm、又はその他の小さい値であってもよい。ここで、d1=d2、及び、d1+d2=L3、すなわち、第2の回転シャフト50の軸方向における、第3のロータ61の第5の端面611と第1のロータ41の第1の端面411との間の距離は、第2の回転シャフト50の軸方向における、第4のロータ62の第7の端面621と第2のロータ42の第3の端面421との間の距離に等しく、これら2つの距離の和が第1のロータ41と第2のロータ42との間の第3の軸方向隙間L3に等しい。
【0082】
圧縮機200の実際の作動において、第2の回転シャフト50及び第2のロータ・アセンブリ60は、それらに加えられる軸力の影響を受けて、第2の回転シャフト50の軸方向に移動する。
【0083】
第3のロータ61及び第4のロータ62が移動するとき、第4のロータ62に近い方向に向けて第3のロータ61がハウジング10内で第2の回転シャフト50の軸方向に沿って移動する軸方向移動量がD1であり、第1のロータ41に近い方向に向けて第2のロータ42が移動する軸方向移動量がD2であり、第3のロータ61に近い方向に向けて第4のロータ62がハウジング10内で第2の回転シャフト50の軸方向に沿って移動する軸方向移動量がD3であり、第2のロータ42に近い方向に向けて第1のロータ41が移動する軸方向移動量がD4であり、第3のロータ61の第5の端面611が第2のロータ42の第3の端面612と干渉せず且つ第4のロータ62の第7の端面621が第1のロータ41の第1の端面411と干渉しないようにするために、第2のロータ・アセンブリ60は、L3>D1+D2及びL3>D3+D4を満たすように構成されると想定される。
【0084】
第1のロータ・アセンブリ40が軸方向の動きをもたらすことができ、第2のロータ・アセンブリ60が軸方向の動きをもたらすことができる場合、対角線位置に配置される2対のロータが互いに近づく方向で軸方向に移動する軸方向移動量の合計が第1のロータ41と第2のロータ42との間の隙間よりも小さいと、対角線位置に配置される2対のロータ間に隙間又は正確にゼロの隙間が常に存在することを想定でき、それにより、対角位置にある2組のロータが互いに干渉しないようにすることができるのが分かる。
【0085】
図1及び図8に関連して、ハウジング10は、第1の回転シャフト20、接続アセンブリ30、第1のロータ・アセンブリ40、第2の回転シャフト50、及び第2のロータ・アセンブリ60を収容するためのハウジング10の収容空間と連通する吸気ポート11、第1の排気ポート12、及び第2の排気ポート13を更に有する。吸気ポート11は、第1のロータ・アセンブリ40と第2のロータ・アセンブリ60とが係合して回転するときにハウジング10の外部にあるガスをハウジング10内の収容空間に移送するために使用される。第1の排気ポート12及び第2の排気ポート13は、第1のロータ・アセンブリ40と第2のロータ・アセンブリ60とが係合して回転するときにハウジング10の収容空間内のガスをハウジング10の外側にあるように圧縮するために使用される。これにより、圧縮機200の吸入、圧縮、排気のプロセスが実現され得る。
【0086】
吸気ポート11は、第1のロータ41、第2のロータ42、第3のロータ61、及び第4のロータ62に隣接して位置され、第1のロータ41の第1の端面、第2のロータの第3の端面、第3のロータ61の第5の端面611、及び第4のロータ621の第7の面はいずれも、吸気ポート11に隣接する吸引端面である。第1の排気ポート12は、第1のロータ41、第3のロータ61、及びハウジング10の隣り合う位置に位置され、第1のロータ41の第2の端面412及び第3のロータ61の第6の端面612はいずれも、第1の排気ポート12に隣接する排気端面である。第2の排気ポート13は、第2のロータ42、第4のロータ62、及びハウジング10の隣り合う位置に位置され、第2のロータ42の第4の端面422及び第4のロータ62の第8の端面622はいずれも、第2の排気ポート13に隣接する排気端面である。
【0087】
吸気ポート11は、第1のロータ30の軸方向に沿うハウジング10の中央に位置され、第1の排気ポート12及び第2の排気ポート13は、第1の回転シャフト20の軸方向に沿うハウジング10の両端に位置されるのが分かる。
【0088】
ガスを圧縮するプロセスにおいて、圧縮機200は、吸気ポート及び排気ポートにおけるガスの異なる圧力に起因して、2対のロータ・アセンブリに作用する軸力をもたらし、これが圧縮機の動作中の主な負荷を形成する。また、軸力は常に排気ポートから吸気ポートに向かうため、関連技術では、通常、回転シャフトの両側にスラスト・ベアリングを追加することでこの軸力のバランスをとるが、スラスト・ベアリングの数が多すぎると、過度の動作損失が発生し、圧縮機の効率が低下する。
【0089】
これに基づいて、本開示の一実施例では、第1のロータ41の螺旋方向と第2のロータ42の螺旋方向とが逆方向となるように設定され、それにより、第1のロータ・アセンブリ40と第2のロータ・アセンブリ60とが互いに係合されて回転すると、第1のロータ41と第2のロータ42との間に反対の軸力が発生し、これは、第1のロータ41と第2のロータ42との間に反対の軸方向の流れが発生すると理解することもできる。軸力の対称性により、第1のロータ41と第2のロータ42との間に発生する両方向の軸力をほぼ打ち消すことができる。
【0090】
本出願の上記の実施例で説明したように、第1のロータ41は複数の第1の螺旋ブレード415を有し、第2のロータ42は複数の第2の螺旋ブレード425を有し、第1の螺旋ブレード415の数は、第2の螺旋ブレード425の数と同じであるのが分かる。第1の螺旋ブレード415の螺旋方向と第2の螺旋ブレード425の螺旋方向とを逆方向となるように設定することにより、例えば、一方の螺旋ブレード415を左に向かう螺旋となるように設定すると共に他方の螺旋ブレード415を右に向かう螺旋となるように設定することにより、第1のロータ41及び第2のロータ42の螺旋方向を逆にすることができる。
【0091】
更に、本開示の一実施例では、第3のロータ61の螺旋方向及び第4のロータ62の螺旋方向も逆方向に設定されており、それにより、第1のロータ・アセンブリ40と第2のロータ・アセンブリ60とが互いに係合して回転するとき、第3のロータ61と第4のロータ62との間に反対の軸力がもたらされ、これも第3のロータ61と第4のロータ62との間に反対の軸方向の流れが発生すると理解することもできる。軸力の対称性に起因して、第1のロータ41と第2のロータ42との間に発生する逆向きの軸力をほぼ打ち消すことができる。第3のロータ61は複数の第3の螺旋ブレード613を有し、第4のロータ62は複数の第4の螺旋ブレード623を有し、第4の螺旋ブレード623の数は、第3の螺旋ブレード613の数と同じであることが分かる。第3の螺旋ブレード613の螺旋方向と第4の螺旋ブレード623の螺旋方向とを逆方向に設定することにより、例えば一方を左向き螺旋、他方を右向き螺旋とすることで、第3のロータ61及び第4のロータ62の螺旋方向を逆にすることができる。
【0092】
本開示の実施例において、第3のロータ61は第2の回転シャフト50と一体的に形成されてもよく、また、第4のロータ62は、第2の回転シャフト50上に直接にスリーブ配置され、第2の回転シャフト50と接続固定されてもよく、例えば、第4のロータ62は、第2の回転シャフト50に嵌合するシャフト穴624を有してもよく、シャフト穴624は、第4のロータ63が第2の回転シャフト50にスリーブ配置されて接続されるように第2の回転シャフト50と緊密に嵌合する。本開示の他の実施例では、第3のロータ61と第4のロータ62とがいずれも第2の回転シャフト50と一体に形成されてもよく、或いは、第3のロータ61及び第4のロータ62が第2の回転シャフト520上にスリーブ配置されてもよい。
【0093】
実際の機械加工プロセスにおいては、機械加工プロセスの影響に起因して、第3のロータ61の螺旋方向を第4のロータ62の螺旋方向と完全に逆向きに加工することはできず、すなわち、第3のロータ61と第4のロータ62との間の軸力を完全に反対に作用させることができない。これに基づいて、図1に示すように、本開示の一実施例における圧縮機200は、第2の回転シャフト50の一側に配置されたスラスト・ベアリング70を更に備える。第3のロータ61と第4のロータ62との間の僅かな残留軸力は、第3のロータ61及び第4のロータ62に作用する力を釣り合わせるためにスラスト・ベアリング70によって相殺される。
【0094】
圧縮機200は、第2の回転シャフト50の他方側に配置された駆動モータ80を更に含み、例えば、第2の回転シャフト50は、背中合わせに配置された第1の端部51及び第2の端部52とを有してもよく、スラスト・ベアリング70が第1の端部51にスリーブ配置され、第2の端部52は、伝達方式で駆動モータ80に接続され、駆動モータ80は、第1のロータ・アセンブリ40と接続アセンブリ30とを共に第1の回転シャフト20を中心に回転するように回転駆動させるために第2のロータ・アセンブリ60を駆動するように第2の回転シャフト50の回転を駆動するべく構成される。
【0095】
本開示の一実施例において、第4のロータ62から離れた第3のロータ61の端面は、第2の回転シャフト50の軸方向に対して垂直な方向において、第2のロータ42から離れた第1のロータ41の端面と面一となっている。第3のロータ61から離れた第4のロータ62の端面は、第2の回転シャフト50の軸方向に対して垂直な方向において、第1のロータ41から離れた第2のロータ42の端面と面一となっている。
【0096】
典型的に、図8に示すように、第3のロータ61の第6の端面621は、第1の方向で第1のロータ41の第2の端面412と面一であり、すなわち、第3のロータ61の排気端面は、第1のロータ41の排気端面と面一である。第4のロータ62の第8の端面62は、第1の方向で第2のロータ42の第4の端面422と面一であり、第4のロータ62の排気端面は、第2のロータ41の排気端面と面一である。第1のロータ・アセンブリ40の軸力と第2のロータ・アセンブリ60の軸力とが釣り合った状態で、全てのネガティブ・ロータ及びポジティブ・ロータの排気端面とハウジング10との間に隙間が維持される、また、ネガティブ・ロータ及びポジティブ・ロータの排気端面とハウジング10との間にも同様の隙間が維持されるようにすることができる。
【0097】
図1に示されるように、ハウジング10は、筐体14と、第1のベアリング・ハウス15と、第2のベアリング・ハウス16とを含んでもよい。
【0098】
第1のベアリング・ハウス15は、第1のロータ41及び第3のロータ61の排気端面の側に配置され、或いは第1のベアリング・ハウス15の一部が、第1のロータ41の第2の端面412の側に配置され、第1のベアリング・ハウス15の他の一部が第3のロータ42の第6の端面412の側に配置される。また、第1のベアリング・ハウス15は、第1のロータ41と駆動アセンブリ80との間にも配置され、第1のベアリング・ハウス15は、第2の回転シャフト50の第1の端部51及び第1のロータ41に近い第1の回転シャフト20の端部を支持するために使用される。
【0099】
第2のベアリング・ハウス16は、第2のロータ42及び第4のロータ62の排気端面の側に配置され、或いは第2のベアリング・ハウス16の一部が第2のロータ42の第4の端部422の側に配置され、第1のベアリング・ハウス15の他の部分は、第4のロータ62の第8の端部622の側に配置される。第2のベアリング・ハウス16は、第2のロータ30の第2の端部52及び第3のロータ42に近い第2の回転シャフト20の端部を支持するために使用される。
【0100】
圧縮機200は、第1のラジアル・ベアリング91及び第2のラジアル・ベアリング92を更に含んでもよく、第1のラジアル・ベアリング91は第2の回転シャフト50の第1の端部51上にスリーブ配置され、第1のラジアル・ベアリング91の外面は第1のベアリング・ハウス15に取り付けられる。例えば、第1のベアリング・ハウス15には取付溝が設けられてもよく、第1のラジアル・ベアリング91が取付溝に取り付けられて取付溝の壁に固定される。
【0101】
第2のラジアル・ベアリング92は第2の回転シャフト50の第2の端部52上にスリーブ配置され、第2のラジアル・ベアリング92は、第3のロータ42に近いスラスト・ベアリング70の側に配置され、スラスト・ベアリング70の外面及び第2のラジアル・ベアリング92の外面はそれぞれ第2のベアリング・ハウス16に固定される。例えば、第2のベアリング・ハウス16にも取付溝が設けられてもよく、スラスト・ベアリング70及び第2のラジアル・ベアリング92がそれぞれ取付溝内に取り付けられて取付溝の壁に固定される。第2のラジアル・ベアリング92及び第1のラジアル・ベアリング91は、協働して第2の回転シャフト50の径方向の力を釣り合わせるために使用される。第1の回転シャフト30の両端は、第1のベアリング・ハウス15及び第2のベアリング・ハウス13にそれぞれ固定されてもよい。
【0102】
本開示の実施例における第3の制限部材33及び第4の制限部材34は、第1のロータ41と第1のベアリング・ハウス15との間に隙間が存在し且つ第2のロータ42と第2ベアリング・ハウス14との間に隙間が存在するように第1のロータ41の排気端面を制限してもよく、それにより、第1のロータ41の排気端面が第1のベアリング・ハウス15の端面と衝突せず、第2のロータ42の排気端面が第2のベアリング・ハウス13の端面と衝突しないようにすることができ、或いは、2組のネガティブ・ロータ及びポジティブ・ロータの排気端面がいずれもベアリング・ハウスの端面から離間されるようにすることができる。
【0103】
上記の1つ以上の実施例の圧縮機200は、空調装置に適用することができる。
【0104】
本開示の実施例は、上記の1つ以上の実施例の組み合わせによって規定される圧縮機200を含む空調装置を更に提供する。
【0105】
以上、本開示の実施例で提供される圧縮機及び空調装置について詳細に説明してきた。特定の個々の例は、本開示の原理及び実装形態を説明するために本明細書に適用されており、上記の実施例の説明は、単に本開示の理解を助けることを目的としているにすぎない。同時に、当業者にとっては、本開示の思想に基づいて具体的な実装形態や適用範囲を変更することができ、要するに、この明細書の内容は、本開示を限定するものとして理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0106】
200 圧縮機
10 ハウジング
11 吸気ポート
12 第1の排気ポート
13 第2の排気ポート
14 筐体
15 第1のベアリング・ハウス
16 第2のベアリング・ハウス
20 第1の回転シャフト
21 第2の油供給通路
211 主油供給通路
212 補助油供給通路
30 接続アセンブリ
31 第1の制限部材
311 第1の本体部
312 第1の制限部
3121 第1の側面
3122 第2の側面
313 第1のシャフト穴
32 第2の制限部材
321 第2の本体部
322 第2の制限部
3221 第3の側面
3222 第4の側面
323 第2のシャフト穴
33 第3の制限部材
331 第3の本体部
332 第3の制限部
3321 第5の側面
3322 第6の側面
34 第4の制限部材
341 第4の本体部
3421 第7の側面
3422 第8の側面
342 第4の制限部
35 第1の油供給通路
40 第1のロータ・アセンブリ
41 第1のロータ
411 第1の端面
412 第2の端面
413 第1の制限スロット
414 第1の本体
415 第1の螺旋ブレード
416 第3の制限スロット
42 第2のロータ
421 第3の端面
422 第4の端面
423 第2の制限スロット
424 第2のボディ部
425 第2の螺旋ブレード
426 第4の制限スロット
50 第2の回転シャフト
51 第1の端部
52 第2の端部
60 第2のロータ・アセンブリ
61 第3のロータ
611 第5の端面
612 第6の端面
613 第3の螺旋ブレード
62 第4のロータ
621 第7の端面
622 第8の端面
623 第4の螺旋ブレード
70 スラスト・ベアリング
80 駆動モータ
91 第1のラジアル・ベアリング
92 第2のラジアル・ベアリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】