(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】固定羽根付き燃焼バーナ
(51)【国際特許分類】
F23D 14/24 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
F23D14/24 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535909
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-05
(86)【国際出願番号】 CA2021051771
(87)【国際公開番号】W WO2022120488
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523215336
【氏名又は名称】デミッション インク
【氏名又は名称原語表記】DE.MISSION INC.
【住所又は居所原語表記】125-8838 Blackfoot Trail SE Calgary,Alberta T2J 3J1 Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100119091
【氏名又は名称】豊山 おぎ
(72)【発明者】
【氏名】ガロッシーノ リチャード ビー
(72)【発明者】
【氏名】ロートン ケネス エー
【テーマコード(参考)】
3K019
【Fターム(参考)】
3K019AA01
3K019AA06
3K019AA10
3K019BA02
3K019BA06
3K019BB04
3K019BD01
3K019BD05
(57)【要約】
燃焼バーナは、中央ボアを有するバーナ本体を含む。スワール発生インサートは、空気入口端からスワール発生器を通過する強制エアの軸流に、最小の圧力損失でスワールパターンを付与する羽根を有する。環状の燃料ガス連結管は、ガス連結管の周囲360°に間隔をおいて側壁に隣接して配置された複数のガスジェットを有する。混合チャンバがガス連結管の下流に配置され、ガスジェットからの燃料ガスをスワール発生インサートから出る空気と混合し、燃料/空気混合物を作る。燃焼チャンバは、混合チャンバの下流に配置されている。点火器通路がバーナ本体を貫通して延び、混合チャンバの下流に点火器を配置して、燃焼チャンバに入る燃料/空気混合気に点火する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼バーナであって、
側壁、空気入口端部、燃焼ガス出口端部、及び前記空気入口端部と前記燃焼ガス出口端部との間に延びる中央ボアを有する管状バーナ本体と、
中央ボアを横切って配置されたスワール発生インサートであって、空気入口端部からスワール発生器を通過する強制エアの軸流に、最小限の圧力損失でスワールパターンを付与する羽根を有するスワール発生インサートと、
中央ボア内に配置された環状の燃料ガス連結管であって、ガス連結管の周囲360°に間隔をおいて側壁に隣接して配置された複数のガスジェットを有する、ガス連結管と、
ガスジェットからの燃料ガスを、スワール発生インサートから出る強制エアと混合し、燃料/空気混合物を生成する、ガス連結管の下流にある混合チャンバと、
混合チャンバの下流の燃焼チャンバと、
バーナ本体を貫通して延び、混合チャンバの下流に点火装置を配置して、燃焼チャンバに入る燃料/空気混合物に点火する点火装置通路とを有する燃焼バーナ。
【請求項3】
バーナ本体が、混合チャンバを収容する第1の部分と、燃焼チャンバを収容する第2の部分とを備え、第1の部分が第1のフランジを有し、第2の部分が第2のフランジを有し、バーナ本体が、第1の部分の第1のフランジと第2の部分の第2のフランジとを結合することによって組み立てられる、請求項1記載の燃焼バーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
燃焼バーナ、特に固定羽根を有する燃焼バーナがある。
【背景技術】
【0002】
「低NOx排出を可能にする排ガス再循環バーナ」のタイトルの米国特許第5,562,438号(ゴードンほか)は、固定羽根を有するバーナの一例である。円筒形の接線ミキサーが、軸方向入口から燃焼空気と排ガスを別々に受け入れる。混合された空気とガスは、接線流パターンを継続する「羽根付きディフューザー」を通過し、その後、燃料が接線方向に導入され燃焼が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
側壁、空気入口端部、燃焼ガス出口端部、および空気入口端部と燃焼ガス出口端部との間に延びる中央ボアを有する管状バーナ本体を含む燃焼バーナが提供される。スワール発生インサートは、中央ボアを横切って配されている。スワール発生インサートは、空気入口端部からスワール発生器を通過する強制エアの軸流に、最小限の圧力損失でスワールパターンを付与する羽根を備えている。環状の燃料ガス連結管が中央ボア内に配置されている。ガス連結管は、ガス連結管の周囲360°に間隔をおいて側壁に隣接して配置された複数のガスジェットを有する。混合チャンバがガス連結管の下流に配置され、ガスジェットからの燃料ガスをスワール発生インサートから出る空気と混合し、燃料/空気混合物を生成する。混合チャンバの下流には燃料チャンバが配置されている。点火装置通路は、バーナ本体を貫通して延び、混合チャンバの下流に点火装置を配置して、燃焼チャンバに入る燃料/空気混合物に点火する。
上述した燃焼バーナは、以降で更に記載されるように、標準的なドラフト燃焼バーナと比較すると、燃料効率が高く、NOx発生量が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】燃焼ガス出口端部からの
図1の燃焼バーナの第1の端部立面図である。
【
図3】空気入口端部からの
図1の燃焼バーナの第2の端面立面図である。
【
図4】
図3の断面線4-4に沿って取った断面図である。
【
図4A】
図4の簡略化された表現であり、その上に主要なパラメータが重ね合わされている。
【
図5】空気入口端部からの
図1の燃焼バーナの分解透視図である。
【
図6】燃焼ガス出口端からの
図1の燃焼バーナの分解透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
次に、一般に符号10で示す燃焼バーナを、
図1~
図6を参照して説明する。
[0015] 構造及び部品の関係:
図4を参照すると、燃焼バーナ10は、側壁14、空気入口端部16、燃焼ガス出口端部18、及び空気入口端部16と燃焼ガス出口端部18との間に延びる中央ボア20を有する管状バーナ本体12を含む。
[0016]
図2から
図4を参照すると、一般に符号22で示されるスワール発生インサートが、中央ボア20を横切って配置されている。
図6を参照すると、スワール発生インサート22は羽根24を有する。
図4を参照すると、羽根24は、空気入口端部16からスワール発生インサート22を通過する強制エアの軸方向流れに、最小の圧力損失でスワールパターンを付与する。スワール発生器は、中央ボア20内の着座位置に「挿入」されるため、「インサート」と称される。スワール発生インサート22を異なる特性を有する別のインサートと交換することにより、スワールパターンを変更することができる。各スワール発生インサート22は、サーキュラー流を誘導する羽根24を有する収束ノズルである。圧力損失を最小にするため、スワール発生インサート22は比較的薄く、その長さを超える直径を有する。
[0017]
図4を参照すると、環状の燃料ガス連結管26が中央ボア20内に配置されている。ガス連結管26は、ガス供給通路27を通して燃料ガスを受け取る。
図6を参照すると、ガス連結管26は複数のガスジェット28を有する。組立時、ガスジェットは、ガス連結管26の周囲360°に間隔をおいて側壁14に隣接して配置される。
[0018]
図4を参照すると、混合チャンバ30は、ガス連結管26の下流に配置され、ガスジェット28からの燃料ガスをスワール発生インサート22から出る空気と混合して燃料/空気混合物を生成する。
図5および
図6を参照すると、中央ボア狭窄環状スプール32が混合チャンバ30内に配置されることが好ましい。以下に説明されるように、環状スプール32によって規定される混合チャンバ30の直径は、「スワール係数」と呼ばれるものの役割を果たす。
[0019]
図4を参照すると。燃料チャンバ34は混合チャンバ30の下流に配置されている。
図2及び
図3を参照すると、点火器通路36は、バーナ本体12を通って延びている。
図4を参照すると、点火器通路36の位置により、燃料チャンバ34に入る燃料/空気混合物に点火するために、混合チャンバ30の下流に点火器(図示せず)が配置される。
[0020] 空気スワールの特性は、スワール発生インサートブレードのピッチ、ブレードの数及び表面テクスチャ、並びに燃料チャンバ34の半径と環状スプール32の直径との比の組合せによって制御される。
[0021]
図5および
図6を参照すると、組み立て容易のために、バーナ本体12は、混合チャンバ30を収容する第1の部分12Aと、燃焼チャンバ34を収容する第2の部分12Bとから構成されることが好ましい。第1の部分12Aは、第1のフランジ40を有する。第2部分12Bは、第2フランジ42を有する。
図1を参照すると、バーナ本体12は、第1部分12Aの第1フランジ40と第2部分12Bの第2フランジ42とを結合することによって組み立てられる。
図4から
図6を参照すると、組み立ての間、スワール発生インサート22は、ガス連結管26内に配置される。次いで、ボルト44が、環状スプール32およびガス連結管26をバーナ本体12の第1部分12Aに固定するために使用される。
[0022]
図2および
図3を参照すると、監視を向上させるために、燃焼プロセスを監視するためにセンサを挿入できるように、センサ通路46がバーナ本体12に設けられることが好ましい。適切なセンサは、FIREYEのブランドで販売されている。
[0023] 動作:
図4を参照すると、強制エアは中央ボア20に入り、スワール発生インサート22の3つの偏向羽根24に当たるまで中央ボア20に沿って進む。これにより、空気に旋回パターンが生じる。このスワーリングのまとまりは、中央ボア20に沿って、ガスジェット28からガスを取り込む燃料ガス連結管26を通過するまで続く。バーナ空気流は、ガス圧力よりも高圧であり、急速に通過する際にガスジェット28に低圧ゾーンを作る。ガスジェット28は、中央ボア20の周囲360°に配置されており、燃料を引き込む空気と相まって、旋回する空気流に燃料ガスを均一に分配することができる。この回転混合気は、中央ボア20を進み、混合チャンバ30を経て燃料チャンバ34に至り、そこで点火される。火は、燃料チャンバ34の最初の部分で側壁14に定着する。短い燃焼ゾーンの後、この高温のスワーリングは、燃料チャンバ34を下って器具(図示せず)内に出る。この器具がチューブ・イン・シェル・ヒーターである場合、回転はファイヤーチューブの下まで続き、非常に効率的な熱伝達が行われる。この種の機器では、現在の自然通風バーナと比較して、燃料消費を40%削減することが期待できる。
[0023]
図4Aを参照すると、スワール発生インサートの概念は、竜巻の力学と比較することができる。この用途では、中央ボア20に沿って押し寄せる強制エアの軸方向流れが、竜巻に類似した方法で旋回を起こす。旋回を制御するいくつかの重要なパラメータがあり、これを「スワール係数」と称する。スワール係数の1つの重要なパラメータは、混合チャンバ30の直径「D」であり、これは環状スプール32のサイズを変えることによって調整することができる。スワール係数の別の重要なパラメータは、混合チャンバ30の直径「D」に対する燃料チャンバ34の半径「r」である。スワール係数の別の重要なパラメータは、「Q」で表わされるユニット長さ毎の転送フローレートである。スワール係数の別の重要なパラメータは、スワール発生インサート22の羽根24によって
与えられる回転「R」である。これは以下の式で表すことができる:
【0007】
【数1】
【0008】
[0026] 燃焼バーナ10は、説明したように、生成される熱NOxの低減を助けるために火炎温度を低下させる過剰空気を使用することができる。燃焼管の適切な構成により、排気流速は150ft/secまで増加させることができ、少なくとも1800Fの温度を有することが期待される。計器類とプログラムは、気圧の変化が起きても適切な燃料/空気比を保持できるだろう。このバーナとサポート機器は、一度高度(設置場所)に合わせてプログラムされれば、新しい場所に移動するときにチューニングが必要になるだけである。
利点:
[0027] Blバーナの設計は、低NOx、高ターンダウン率、低コスト、高熱伝導スワールバーナとなるように設計されている。燃料/空気比を制御する計装と組み合わせることで、このバーナは、酸素含有率が1%から6%で、排気流中にCOが存在しない100%燃焼を生成することができる。
[0028] この設計は非常に柔軟で、ターンダウン時でも100%の燃焼効率を維持する。サブ化学量論的燃焼や、排気流に余分な酸素を含む燃焼も可能である。シンガス、フィールドガス、天然ガス、プロパンを燃焼させるために、バーナのハードウェアを変更する必要もない。プログラムされた燃料/空気比での燃焼は非常に安定しており、信頼性が高い。プロジェクトに合わせて排気流速を上げることができる。このバーナは、ボアサイズとBTU要件に応じて、100PSI又は数インチWCの空気圧で運転できる。
[0029] ボア壁に埋め込まれた複数の噴流口によるガスの分配は、スワーリングエアがサーキュラー流によってボア壁に押し付けられ、最大限均等に分配されるように設計されている。簡素化と低コストのため、スワール発生インサートは、装置を通じた最小限の圧力損失で、燃焼用空気にスワールモーションを発生させるよう設計されている。スワールモーションの特性は、スワール発生インサートを異なる特性を持つ別のスワール発生インサートと交換することで変更することができる。
[0030] 本特許文献において、「含む」という語は、その語に続く項目は含まれるが、具体的に言及されていない項目は除外されないことを意味する非限定的な意味で使用される。不定冠詞「a」による要素への言及は、文脈上明らかに要素が1つだけであることが要求されない限り、要素が複数存在する可能性を排除するものではない。
【0009】
特許請求の範囲は、例として記載された図示された実施形態によって限定されるべきではなく、明細書全体を考慮した特許請求の範囲の趣旨に沿った最も広い解釈が与えられるべきである。
【国際調査報告】