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特表2024-507632部分的閉じ込めシステムを有する大きな水塊用の局所化された加熱システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】部分的閉じ込めシステムを有する大きな水塊用の局所化された加熱システム
(51)【国際特許分類】
   E02B 1/00 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
E02B1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538097
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 US2021065093
(87)【国際公開番号】W WO2022146873
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/132,644
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521284554
【氏名又は名称】クリスタル ラグーンズ テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュマン,フェルナンド,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】アミーゴ アルバレス,ホセ
(57)【要約】
本発明は、加熱された環境内におけるレクリエーション活動の実施を促進するために、水フローを完全に中断させることなしに、且つ、同一の水塊内にあるという概念が維持されている、前記水の部分の部分的閉じ込めを通じて相対的に大きな水塊内の水の一部分の局所化された加熱のためのシステムを有する。本発明は、ヒートプラグの生成を許容する且つ部分的閉じ込めシステムの両側部の間において蛇行タイプのフローを提供する部分的閉じ込めシステムにより、費用効率に優れた方式で直接接触レクリエーションを目的とした水の快適な温度を実現する解決策を提供している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の水塊内にあるという概念を維持しつつ、前記水塊(1)内の2つの別個のエリアの間において熱バリア及びヒートプラグを生成する水塊の部分的閉じ込め用システムであって、
-実質的に上向きの位置において前記水塊(1)の底部(4)から位置決めされる第1バリア要素FBE(2a)であって、このような第1バリア要素が位置決めされている前記水塊(1)の水深の最大で約95%の垂直方向長さを有する第1バリア要素(2a)と、
-実質的に下向きの位置において前記水塊(1)の表面(6)から位置決めされる第2バリア要素SBE(2b)であって、このような第2バリアユニットが位置決めされている前記水塊(1)の水深の最大で95%の浸漬深さを有する第2バリア要素(2b)と、
を有し、
前記第1及び第2バリア要素は、オーバーラップ長さ(OL)を形成しており、且つ、前記第2バリアユニット(2b)は、前記第1バリア要素(2a)から水平方向距離(HD)において配置され、この結果、遷移ゾーン(4)が生成されており、且つ、前記水平方向距離(HD)はゼロ超である、システム。
【請求項2】
前記水平方向距離(HD)は、前記第1及び第2バリア要素の間の前記オーバーラップ長さ(OL)以下である請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項3】
前記水平方向距離(HD)及び前記オーバーラップ長さ(OL)は、約1:1又は約2:3又は約4:5又は約1:3又は約1:2の比率を有する請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項4】
前記水平方向距離(HD)は、前記第1バリア要素(2a)から少なくとも20cmである請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項5】
前記オーバーラップ長さ(OL)は、少なくとも20cmである請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項6】
前記FBE(2a)は、このような第1バリア要素(2a)が位置決めされている前記水塊の前記深さの最大で約85%、約75%、又は約65%の垂直方向長さを有し、且つ、前記FBE(2a)は、これが位置決めされている前記水塊の前記水深の好ましくは少なくとも20%又は少なくとも35%又は少なくとも50%の垂直方向長さを有する請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項7】
前記SBE(2b)は、このような第2バリア要素(2b)が位置決めされている前記水塊の前記深さの最大で約85%、75%、又は65%の浸漬深さを有し、且つ、前記FBE(2a)は、これが位置決めされている前記水塊の前記水深の好ましくは少なくとも20%又は少なくとも35%又は少なくとも50%の浸漬深さ(SD)を有する請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項8】
前記水平方向距離(HD)の変動を引き下げるために、前記FBE及び前記SBEを互いに接続する接続手段(12)を更に有する請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項9】
前記接続手段(12)は、前記2つのバリア要素を接続しており、且つ、前記遷移ゾーン内において大きなフローの変化を生成してはいない請求項8に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項10】
前記接続手段(12)は、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、ポール、ロッド、セパレータ、及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項8に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項11】
前記接続手段は、前記少なくとも2つのバリアに沿った少なくとも1つのポイントの全体を通じて位置決めされている請求項8に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項12】
前記接続手段は、少なくとも前記平均水平方向距離(HD)である距離において互いの間において位置決めされている請求項8に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項13】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、前記水塊の前記底部に固定される付着手段を有し、前記付着手段は、前記水塊の前記底部と前記第1バリア要素FBE(2a)の間において封止を生成している請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項14】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、ファスナ、ねじ、ボルト、ヒンジ、ジョイント、溶接、シーム、ウェビング、接着剤、ストリップ、テープ、及びこれらの組合せを有する群から選択された付着手段を有する請求項13に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項15】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、錘を通じて前記底部に付着及び/又は係留されているか又は前記底部に埋め込まれている請求項13に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項16】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、直立位置を維持するように前記FBE(2a)を促進するための且つ前記FBE(2a)を一側部から別のものにプッシュし得る水流の影響を引き下げるための浮力手段(2d)を有し、浮力手段は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項13に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項17】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、前記FBE(2a)の上部部分を浮力要素(2d)に接続する表面接続手段(2c)を有し、これらは、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、テザー組立体、及びこれらの組合せから選択されている請求項16に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項18】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、その上部部分に付着された浮力手段(2e)を有し、前記浮力手段は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されており、且つ、前記浮力手段は、前記水の前記表面の上方又は前記水の前記表面の下方において位置決めされているか又は部分的に浸漬されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項19】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、大きなフローの変化を生成することなしに前記水塊の前記底部に前記第2バリア要素SBE(2b)を係留する底部係留手段(2f)を有する請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項20】
底部係留手段(2f)は、テザー組立体、ストリング、コード、チェーン、ポール、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、ネッティング材料、及びこれらの組合せを含み、これは、固定された支持部、ドック、又はこれらの組合せを通じて前記水塊の前記底部に固定され得る請求項19に記載の部分的閉じ込め用システム。
【請求項21】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、前記底部に完全に又は部分的に埋め込まれており、且つ、前記SBEを通じた又は前記SBE(2d)の下方における前記水のフローを促進するための穿孔を有する材料及び要素を含む請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項22】
浮力手段(2e)は、その望ましい位置において前記SBEを維持しており、且つ、前記部分的に閉じ込められたゾーンの限度、前記水泳及び水浴ゾーンの限度を前記水塊内の水泳者及び水浴者に通知するための浮力ラインとして、或いは、必要とされる任意の境界を定めるラインとして、機能している請求項19に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項23】
前記FBE及びSBEは、好ましくは、前記FBE及びSBEとの接触状態にある前記水の閉じ込めを許容する材料を有するか又はこれから製造されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項24】
前記FBE及びSBEは、具体的に閉じ込められる対象の前記水塊内の前記水のものに近接した密度を有する任意の適切な材料から製造されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項25】
前記FBE及びSBEは、中空の又は充填された内部を有する軽量材料を含む材料と、好ましくは前記水中における直立向きにおける前記要素の維持を促進するための位置において前記中空の又は充填された内部の内側及び/又は外側に配置された錘と、好ましくは隣接するバリア要素がエンドツーエンドで接続されることを許容する反対端部における結合要素と、から構築されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項26】
前記FBE及びSBEは、限定を伴うことなしに、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びこれらの混合体を含む材料から構築されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項27】
前記FBE及びSBEは、絶縁特性を有していない材料から製造されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項28】
前記FBE及びSBEは、コンクリート、セメント、又はこれらの組合せなどの相対的に大きな重量又は高密度の材料を使用して構築されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項29】
相対的に大きな水塊(1)内において部分的に閉じ込められた加熱されたゾーン(3)を生成する局所化された加熱システムであって、
a)実質的に上向きの位置において前記水塊(1)の底部(4)から位置決めされる第1バリア要素FBE(2a)であって、このような第1バリア要素が位置決めされている前記水塊(1)の水深の最大で約95%の垂直方向長さを有する第1バリア要素(2a)と、
b)実質的に下向きの位置において前記水塊(1)の表面(6)から位置決めされる第2バリア要素SBE(2b)であって、前記第2バリア要素(2b)は、このような第2バリアユニットが位置決めされている前記水塊(1)の水深の最大で95%の浸漬深さを有し、前記第1及び第2バリア要素は、オーバーラップ長さ(OL)を形成しており、且つ、前記第2バリアユニット(2b)は、前記第1バリア要素(2a)から水平方向距離(HD)において配置され、この結果、遷移ゾーン(4)が生成されており、且つ、前記水平方向距離(HD)はゼロ超である、第2バリア要素(2b)と、
c)前記水塊(1)から水を引き出すための少なくとも1つの水取入れポイント(9)と、
d)前記部分的に閉じ込められたゾーン(3)内に加熱水を放出するための少なくとも1つの加熱水放出ポイント(8)と、
e)前記水取入れポイント(9)から引き出された水フローの温度を増大させるように、且つ、次いで、少なくとも1つの加熱水放出ポイント(8)を通じて前記部分的に閉じ込められたゾーン(3)に前記加熱された水フローを戻すように、構成された少なくとも1つの加熱システム(7)と、
を有するシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの水引出しポイント(9)は、前記部分的に閉じ込められた加熱されたゾーン(3)から水を引き出している請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項31】
前記水塊は、少なくとも5000m、更に好ましくは少なくとも10000m、場合によっては更に好ましくは少なくとも30000m、並びに、最も好ましくは50000m、の表面を有する請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項32】
前記FBE(2a)は、このような第1バリア要素(2a)が位置決めされている前記水塊の前記深さの最大で約85%、約75%、又は約65%の垂直方向長さを有し、且つ、前記FBE(2a)は、これが位置決めされている前記水塊の前記水深の好ましくは少なくとも20%、又は少なくとも35%、又は少なくとも50%、の垂直方向長さを有する請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項33】
前記SBE(2b)は、このような第2バリア要素(2b)が位置決めされている前記水塊の前記深さの最大で約85%、75%、又は65%の浸漬深さを有し、且つ、前記FBE(2a)は、これが位置決めされている前記水塊の前記水深の好ましくは少なくとも20%、又は少なくとも35%、又は少なくとも50%の浸漬深さ(SD)を有する請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項34】
システムは、海、湖、潟、貯水池、河口、及び/又は池のような天然水塊内において使用するのに適している請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項35】
前記システムは、最近の技術によって構築された高透明度の人造潟などの人造水施設内において使用するのに適している請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項36】
前記第1及び第2バリア要素は、0%~30%のスロープが存在するゾーン内において前記水塊の記エッジに装着又は付着されている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項37】
前記第1及び第2バリア要素は、前記水塊の壁に装着又は付着されている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項38】
前記第1及び第2バリア要素は、前記水塊の前記エッジから少なくとも5mの距離において前記水塊内において位置決めされている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項39】
前記第1及び第2バリア要素は、前記部分的に閉じ込められたエリアが少なくとも100mの容積を有するように前記水塊内において位置決めされている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項40】
前記加熱システム(7)は、少なくともヒートポンプを有する請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項41】
前記加熱システム(7)は、少なくとも熱交換器を有する請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項42】
前記熱交換機は、油、電気、ガス、又は炭素エネルギーソースなどのエネルギー生成ソースからのエネルギーを使用している請求項40に記載の局所化された加熱システム。
【請求項43】
前記水平方向距離(HD)は、前記第1及び第2バリア要素の間の前記オーバーラップ長さ(OL)以下である請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項44】
前記水平方向距離(HD)及び前記オーバーラップ長さ(OL)は、約1:1又は約2:3又は約4:5又は約1:3又は約1:2の比率を有する請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項45】
前記水平方向距離(HD)は、前記第1バリア要素(2a)から少なくとも20cmである請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項46】
前記オーバーラップ長さ(OL)は、少なくとも20cmである請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項47】
前記水平方向距離(HD)の変動を引き下げるために前記FBE及び前記SBEを互いに接続する接続手段(12)を更に有する請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項48】
前記接続手段(12)は、前記2つのバリア要素を接続しており、且つ、前記遷移ゾーン内において大きなフローの変化を生成してはいない請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項49】
前記接続手段(12)は、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、チェーン、ポール、ロッド、セパレータ、及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項50】
前記接続手段は、前記少なくとも2つのバリアに沿った少なくとも1つのポイントの全体を通じて位置決めされている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項51】
前記接続手段は、少なくとも前記平均水平方向距離(HD)である距離にて互いの間において位置決めされている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項52】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、前記水塊の前記底部に固定される底部付着手段2gを有し、前記付着手段は、ファスナ、ねじ、ボルト、ヒンジ、ジョイント、溶接、シーム、ウェビング、接着剤、ストリップ、テープ、及びこれらの組合せを有する群から選択されており、且つ、好ましくは、前記付着手段は、前記水塊の前記底部と前記第1バリア要素FBE(2a)の間において封止を生成している請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項53】
前記底部付着手段(2g)は、前記バリア要素を後退させるためのヒンジメカニズムを有する請求項52に記載の局所化された加熱システム。
【請求項54】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、錘を通じて前記底部に付着及び/又は係留されているか又は前記底部に埋め込まれている請求項52に記載の局所化された加熱システム。
【請求項55】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、直立位置を維持するように前記FBE(2a)を促進するための且つ前記FBE(2a)を一側部から別のものにプッシュし得る水流の前記影響を引き下げるための浮力手段(2d)を有し、浮力手段は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項52に記載の局所化された加熱システム。
【請求項56】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、前記FBE(2a)の上部部分を浮力手段(2d)に接続する表面接続手段(2c)を有し、これらは、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、テザー組立体、及びこれらの組合せから選択されている請求項55に記載の局所化された加熱システム。
【請求項57】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、その上部部分に付着された浮力手段を有し、前記浮力手段は、ブイ及び浮揚ライン及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項58】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、大きなフローの変化を生成することなしに前記第2バリア要素SBE(2b)を前記水塊の前記底部に係留する底部係留手段(2f)を有する請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項59】
底部係留手段(2f)は、テザー組立体、ストリング、コード、チェーン、ポール、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、ネッティング材料、及びこれらの組合せを含み、これらは、固定された支持部、ドック、又はこれらの組合せを通じて前記水塊の前記底部に固定され得る請求項58に記載の局所化された加熱システム。
【請求項60】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、前記底部に完全に又は部分的に埋め込まれており、且つ、前記SBEを通じた又は前記SBE(2d)の下方における前記水の流れを促進するための穿孔を有する材料又は要素を含む請求項58に記載の局所化された加熱システム。
【請求項61】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、その上部部分に付着された浮力手段(2e)を有し、前記浮力手段(2e)は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されており、且つ、前記浮力手段は、前記水の前記表面の上方において又は前記水の前記表面の下方において位置決めされているか又は部分的に浸漬されている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項62】
浮力手段(2e)は、その望ましい位置において前記SBEを維持するための手段のみならず、前記部分的に閉じ込められたゾーンの限度、前記水泳及び水浴ゾーンの限度を前記水塊内の水泳者又は水浴者に通知するための浮力ラインとして、或いは、必要とされる任意の境界を定めるラインとして機能するための手段として機能している請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項63】
前記FBE及びSBEは、好ましくは、前記FBE及びSBEとの接触状態にある前記水の閉じ込めを許容する材料を有するか又はこれから製造されている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項64】
前記FBE及びSBEは、部分的に閉じ込められる対象の前記潟内の前記水の密度に近接した密度を有する任意の適切な材料から製造されている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項65】
前記FBE及びSBEは、限定を伴うことなしに、中空の又は充填された内部のどちらかを有する軽量材料と、好ましくは前記水中における直立向きにおける前記要素の維持を促進するための位置において前記中空の又は充填された内部の内側及び/又は外側に配置された錘と、好ましくは隣接するバリア要素がエンドツーエンドで接続されることを許容する反対端部における結合要素と、を含むように構築され得る請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項66】
前記FBE及びSBEは、限定を伴うことなしに、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びこれらの混合物を含むように構築され得る請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項67】
前記FBE及びSBEは、必ずしも絶縁プロパティを有する必要がない材料から製造されている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【請求項68】
前記少なくとも1つの加熱システム(7)は、少なくとも約1℃又は少なくとも約3℃だけ、前記引き出された水フローの前記温度を増大させている請求項29に記載の局所化された加熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月31日付けで出願された米国仮特許出願第63/132,644号の利益を主張する非仮特許出願である。この優先権出願の開示内容は、引用により、そのすべてが本出願に包含される。
【0002】
発明の分野
本発明は、レクリエーションを目的とした天然及び人造の大きな水塊の使用可能性を改善及び拡張する技術の分野に関する。本発明は、相対的に大きな天然又は人造の水塊内の水の一部分を部分的に閉じ込めること並びにこのようなエリアを完全に取り囲む及び閉じ込める物理的バリアを必要とすることなしに部分的に閉じ込められたエリアの温度を調節することを許容するシステムを提供している。従って、本発明のシステムは、大きな水塊内において生成された水泳プール及び隔離された水泳エリアを分離する取り囲まれた環境とは対照的に、大きな水塊内における没入経験を水泳者及び水浴者に提供しつつ、水塊の残りの部分よりも快適な温度を有するエリアを提供することを許容している。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
歴史的に、人々は、常に、水泳、ウォータースポーツの実行、ゲームの実行、「水中の一日」の享受などの水中における活動の実行を狙いとして屋外水泳プール、湖、川、及びその他の天然水塊内において又はその周りにおいて時間を過ごすことを享受してきている。人間は、生理学的に、レクリエーション水浴を目的として快適であると知覚される約25~30℃の、更に好ましくは26~28℃の、水温を求めている。
【0004】
但し、世界に存在している水塊の大部分は、通常又は自然な状態において、このような温度範囲を実現しておらず、或いは、これらを一年のうちの短い期間においてのみ実現している。
【0005】
例えば、カリフォルニア州サンディエゴの沿岸における海水温は、平均が年間を通じて14~21℃において変化している一方で、ミシガン湖における温度は、平均が年間を通じて2~21℃において変化している。別の例として、オーストラリアのシドニーにおける海水温は、平均が年間を通じて20~24℃において変化している一方で、日本の東京の海水温は、平均が年間を通じて14~25℃において変化している(例えば、www.seatemperature.org/australia-pacific/australia/sydney.htmの「Seawater and Lake Temperatures」を参照されたい)。同様に、地中海における海の温度は、一般に非常に暖かく、7月、8月、及び9月においては最大で26℃に到達しており、これにより、水に伴う活動を享受するための相対的に快適な条件を提供している。但し、早春においては、海の温度は約15℃という低温に達している。
【0006】
赤道に相対的に近接した都市は、相対的に安定した高温を有しており、例えば、メキシコのカンクンなどにおいては、海水温は、年間を通じて25~28℃の平均を有する。例えば、カリブ海の海水は温かく、約27℃の平均水温を有しており、及び、一般に、一年の全体を通じてわずかに3℃ほどしか変化しておらず、従って、これにより、水泳及びレクリエーション活動用の最適な条件を提供している。但し、カリブ海(熱帯)気候は、固有のものであり、及び、一般に、人口の大部分にとってはアクセス可能なものではない。いずれにしても、その他の場所よりも温かくはありつつも温度が快適な水浴温度を依然として実現してはない、及び、従って、このような時期においては直接接触レクリエーションを目的として使用されてはいないカリブ海水の期間が存在している。
【0007】
更には、人造水塊は、一般に、天然水塊におけるものよりも場合によっては極端なものであり得る水温の観点における同一タイプの振る舞いを有しており、その理由は、一般に、人造水塊は、例えば、相対的に小さな深さ、表面、及び容積を有しており、この結果、その温度の変化が生じやすい傾向をこれらが有しているからである。いくつかのケースにおいて、人造水塊は、天然のものよりも低い温度を示し、及び、場合によっては、いくつかの場所において凍結し得る一方で、天然水塊は、そうではない場合がある。従って、これらの人造水塊も、一般には、水泳及びレクリエーション活動用の最適な又は快適な温度を提示してはいない。
【0008】
従って、長い期間にわたって又は永久に約26~28℃の範囲内の上述の快適な温度に準拠し得るのは、世界中の天然又は人造の大きな水塊のうちの非常に小さな部分のみである。この同一の理由から、屋外水塊の大部分は、主には、夏の季節又は一年のうちの温かい期間において訪問及び享受されることが知られている。
【0009】
例えば、「Journal of Ocean and Coastal Management」において公開されている研究は、2000~2004年にわたって南カリフォルニアの沿岸の350kmに沿った75個のビーチにおける年間のビーチの人出データを収集している。研究は、平均で、129百万件超のビーチの人出が毎年発生しており、この場合に、訪問の大部分(54%)が15個のビーチのみにおいて発生しており、及び、人出の合計の53%が6月、7月、及び8月において発生しており、これらは、相対的に高い平均温度を有する夏の季節であることを示している(「Dwight,R.H.,Brinks,M.V.,SharavanaKumar,G.,&Semenza,J.C.(2007)Beach attendance and bathing rates for Southern California beaches. Ocean&Coastal Management,50(10),847-858」を参照されたい)。海、湖、貯水池、潟、又はその他の天然又は人造の大きな水塊が快適な温度を提示しない際には、これらは、非常に低い使用レートを有し、及び、一般には、限られたウォータースポーツのために使用されており、並びに、この場合に、人々は、このような低温を感じることを回避するために隔離スーツを使用している。
【0010】
また、水温は、観光業にとって非常に重要な駆動源であり、並びに、快適な水泳及びレクリエーション水浴活動を享受するために、レクリエーションを目的とした水の活動の観点におけるホットスポット用の需要が全世界の人々によって大いに求められていることにも留意することが重要である。
【0011】
海又は湖、貯水池、潟、又は池などの大きな水塊は、天然の環境及び天候条件に依存した温度を有しており、この場合に、このような水塊は、その他のものに加えて、気温、水の密度、相対湿度、太陽に対する曝露、雲によって覆われた条件、及び降水条件に基づいた均衡温度を有する。これは、一般に、冷たい温度を結果的にもたらし、並びに、このような水塊の大きな容積が付与された場合に、これらは、低費用において大きな水塊内の快適な水温度を維持し得るシステムが存在していない場合には、費用効率に優れた方式で年間のすべてを通じて水泳及び直接接触目的のために快適である温度に人工的に加熱することができない。
【0012】
湖又は人造潟などの大きな水塊中におけるこの制限に対処するために、代替肢は、このような大きな水塊の近傍において独立した取り囲まれたプールを構築するというものであり、この場合に、これらのプールは、それらが特定の期間にわたって又は訪問者がその場所に存在している間に加熱されることを許容する独立した再循環手段を有している。但し、この解決策は、湖又は人造潟における水泳の「没入」経験を人々に提供することを許容してはおらず、及び、大きな水塊に隣接した屋外水泳プールにおけるもののみである。
【0013】
大きな水塊を加熱する又はその温度を増大させるように試みた際には、いくつかの制限が生じる。熱は、自然な熱平衡の発生プロセスに起因して、特に大きな表面(即ち、大きな熱伝達面積)を有する水塊内においては及び水温と周辺気温の間の差が大きい場所においては、周辺空気に自然に散逸する傾向を有する。
【0014】
従って、水塊全体が加熱される必要がある場合に、第1の制限が生じる。26~28℃の水浴者用の快適な温度を提供するために、このような大きな水塊が完全に加熱されなければならない場合には、このような熱負荷を提供するために必要とされる関連する熱分配システム及び機器とは別に、このような快適な温度を実現するために必要とされる熱及びエネルギーの量が極めて大きくなり、これは、生成するのが非常に高価及び複雑なものとなり、並びに、非常に大きな熱損失及び非効率性を有することになろう。これは、大きな水塊は、水浴者用の快適な温度を提供するために技術的及び経済的に実行可能な技術によっては加熱することができず、並びに、従って、水浴者は、一般に、一年の大部分の期間において直接接触レクリエーションを目的としてこのような大きな水塊を使用しないという結果をもたらしている。
【0015】
水のフローを完全に阻止する物理的バリアの必要性を伴うことなしに大きな水塊の小さな部分を加熱するように試みた際にも、第2の制限が生じ、その理由は、自然な熱放散の効果及び水流の影響が付与された場合に、相対的に高い温度を有する水塊の小さな部分を維持することがかなり困難及び高価になるからである。その独自の独立した循環及び加熱システムを有する現時点において存在している解決策のほとんどが大きな水塊の近傍において完全に閉じ込められた水泳プールを構築することに依存している理由がここにある。
【0016】
理解され得るように、水浴者が泳ぐための及び直接接触レクリエーション活動を実行するための快適な温度を提供するために水塊全体を加熱することを必要としない並びに観光業及びレクリエーション産業における世界的な影響及び変化を有し得る解決策を提供し、これにより、相対的に大きな天然又は人造水塊内における没入経験を提供することにより、直接接触を目的としたこのような水塊の使用を可能にする及び/又は拡張することを許容することが極めて重要である。
【0017】
従来技術の説明
人々が相対的に快適な温度を有する水を泳ぐ及び享受することを許容するために水塊の温度を増大させるように、いくつかの試みが実施されている。これらの試みの多くは、水塊から閉じ込められたゾーンへの水のフローを完全に阻止するために、水塊のゾーンを完全に閉じ込めることを必要としている。加熱された水を収容する閉じ込められたゾーンを分離するための完全なバリアが生成され得るが、このような解決策は、両方の水容積の液圧接続を許容しておらず、及び、従って、閉じ込められた容積の水の品質に対して直接的な影響を有する。対照的に、本発明は、費用効率の優れた方式で水塊の残りの部分に液圧接続された部分的に閉じ込められたエリアの局所化された加熱を許容している。
【0018】
米国特許第3,922,732号は、実質的に閉鎖された境界に沿って延在する、但し、下向きに開放したエンクロージャの境界を定めるために底部から一定の距離において終端した熱バリアのみならず、水泳プールの温度を増大させるために第1コンジット手段を通じて循環する水を加熱するように第2コンジット手段を通じて循環する水から熱を抽出するヒートポンプに接続された第1及び第2パイプ手段を使用することにより、大きな水塊の限られたエリア内において加熱された水泳プールを提供する方法及びシステムについて記述している。
【0019】
オーストリア国特許第411477B号は、支持構造及び要素と、水泳エリアを横方向において取り囲む横方向壁を取り囲む浮力要素と、水泳プール容積の境界を定める底部要素であって、壁及び底部は、水が通過するための開口部を有する、底部要素と、水泳プールの内側の水を加熱するシステムと、を有するフローティング水泳プール構造について記述しており、この場合に、少なくとも1つの流入ノズルが、加熱された水をフローティング水泳プールに供給するために底部要素において配置されている。このシステム及び側壁及び底壁の使用は、プールの外側からの生物(動物)の侵入から水泳プールを保護することを狙いとしている。
【0020】
欧州特許第0771917号は、フローティング中空体のみならず、フローティング中空体から吊り下げられたスカートによって囲い込まれた少なくとも実質的に停滞した水塊の一部分を加熱する設備及びプロセスについて記述しており、及び、この場合に、囲い込まれた水塊の内側の水は、加熱ソースを通じて囲い込まれた部分から水を再循環させることにより、加熱され、この場合に、加熱水は、下向きの傾斜ジェットを通じて囲い込まれた部分に供給されており、並びに、水は、供給ジェットの反対側においてこのような囲い込まれた部分から引き出されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
概要
本発明は、相対的に大きな水塊内の水の一部分の局所化された加熱用の方法を開示しており、これは、費用効率に優れた方式で直接接触レクリエーションを目的とした水の快適な温度を実現するための解決策を開示しており、この場合に、部分的閉じ込めシステムは、水フローを完全には中断しておらず、及び、同一の水塊中にあるという概念の維持を許容している。また、本発明は、相対的に大きな水塊内において部分的に閉じ込められた加熱されたゾーンを生成するための局所化された加熱システムをも開示しており、この場合に、部分的閉じ込めシステムは、ヒートプラグを生成し、及び、部分的閉じ込めシステムの両側の間において蛇行タイプのフローを提供している。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、同一の水塊中にあるという概念を維持しつつ、水塊(1)内の2つの別個のエリアの間において熱バリア及びヒートプラグを生成する水塊の部分的閉じ込め用システムについて記述しており、システムは、
-実質的に上向きの位置において水塊(1)の底部(4)から位置決めされる第1バリア要素FBE(2a)であって、このような第1バリア要素が位置決めされている水塊(1)の水深の最大で約95%の垂直方向長さを有する第1バリア要素(2a)と、
-実質的に下向きの位置において水塊(1)の表面(6)から位置決めされる第2バリア要素SBE(2b)であって、このような第2バリア要素が位置決めされている水塊(1)の水深の最大で95%の浸漬深さを有する第2バリア要素(2b)と、
を有し、
-この場合に、第1及び第2バリア要素は、オーバーラップ距離(OL)を形成しており、及び、この場合に、第2バリアユニット(2b)は、第1バリア要素(2a)から水平方向距離(HD)において配置され、この結果、遷移ゾーン(4)が生成されており、及び、この場合に、水平方向距離(HD)はゼロ超である。
【0023】
また、本発明は、相対的に大きな水塊(1)内において部分的に閉じ込められた加熱されたゾーン(3)を生成する局所化された加熱システムについて記述しており、これは、
-実質的に上向きの位置において水塊(1)の底部(4)から位置決めされる第1バリア要素FBE(2a)であって、このような第1バリア要素が位置決めされている水塊(1)の水深の最大で約95%の垂直方向長さを有する第1バリア要素(2a)と、
-実質的に下向きの位置において水塊(1)の表面(6)から位置決めされる第2バリア要素SBE(2b)であって、第2バリア要素(2b)は、このような第2バリアユニットが位置決めされている水塊(1)の水深の最大で95%の浸漬深さを有しており、
-この場合に、第1及び第2バリア要素は、オーバーラップ長さ(OL)を形成しており、及び、この場合に、第2バリアユニット(2b)は、第1バリア要素(2a)から水平方向距離(HD)において配置され、この結果、遷移ゾーン(4)が生成されており、及び、この場合に、水平方向距離(HD)はゼロ超である、第2バリア要素(2b)と、
-水塊(1)から水を引き出すための少なくとも1つの水取入れポイント(9)と、
-加熱された水を部分的に閉じ込められたゾーン(3)に放出するための少なくとも1つの加熱水放出ポイント(8)と、
-水取入れポイント(9)から引き出される水フローの温度を増大させるように、及び、次いで、少なくとも1つの加熱水放出ポイント(8)を通じて部分的に閉じ込められたゾーン(3)に加熱水フローを返すように、構成された少なくとも1つの加熱システム(7)と、
を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図面の簡単な説明
図1】熱流束の観点における水塊からの熱放散及び損失の一般的な概要を示す。
図2】本発明によるシステムが実装され得る水塊(1)の概略俯瞰図を示しており、部分的に閉じ込められたエリア(3)を生成する部分的閉じ込めシステム(2)の場所を示している。
図3】第1及び第2バリア要素(2a)及び(2b)並びに第1及び第2バリア要素(2a)及び(2b)内において収容された遷移ゾーン(4)を通じて部分的に閉じ込められたエリア(3)を生成する水塊(1)内の水の一部分の部分的閉じ込め用システム(2)を有する水塊(1)の概略側面図であり、水塊の底部(5)及び水塊の表面(6)も示されている。
図4】第1及び第2バリア要素(2a)及び(2b)を使用した水塊内の水の一部分の部分的閉じ込め(2)用のシステムを有する水塊の概略側面図を通じて本発明の一実施形態を示しており、遷移ゾーン(4)が示されていると共に、(2a)及び(2b)として示されている第1及び第2バリア要素FBE及びSBEに基づいた水平方向距離(HD)及びオーバーラップ距離(OL)が強調表示されている。
図5】水塊内の水の一部分の部分的閉じ込め(2)用のシステムを有する水塊(1)の概略側面図を通じて本発明の一実施形態を示しており、第1及び第2バリア要素(2a)及び(2b)の間の接続手段(12)の一実施形態が強調表示されている。
図6】水塊の一部分の部分的閉じ込め(2)用のシステムを有する水塊(1)の概略側面図を通じて本発明の一実施形態を示しており、浮力手段(2d)及び(2e)及び底部係留手段(2f)が強調表示されている。
図7】水塊の一部分の部分的閉じ込め(2)用のシステムを有する水塊(1)の概略側面図を通じて本発明の一実施形態を示しており、浮力手段(2d)及び(2e)及び底部係留手段(2f)及び表面接続手段(2c)が強調表示されている。
図8】水塊の一部分の部分的閉じ込め(2)用のシステムを有する水塊(1)の概略側面図を示しており、本発明のシステムによって生成される蛇行フローが強調表示されている。
図9】水塊の一部分の部分的閉じ込め(2)用のシステムを有する水塊(1)の概略側面図を示しており、部分的閉じ込めゾーン(3)と水容積の残りの部分(11)の間の温度差が描かれている。部分的に閉じ込められたエリア内の加熱された水(10)は、水容積の残りの部分(11)の相対的に冷たい温度よりも軽い調性によって示されており、及び、遷移ゾーン(4)は、熱勾配を有する水混合体を有する。
図10】本発明による部分的閉じ込めシステム(2)が実装され、及び、加熱システム(7)が、部分的に閉じ込められたエリア(3)に加熱された水を提供するために使用されている、水塊(1)の概要を通じて本発明の一実施形態を示しており、この場合には、水塊は、少なくとも1つの加熱水放出ポイント(8)及び水引き出しポイント(9)を有する。
図11】本発明による部分的閉じ込めシステム(2)が実装され、及び、加熱システム(7)が、部分的に閉じ込められたエリア(3)に加熱された水を提供するために使用されている、水塊(1)の概要を通じて本発明の一実施形態を示しており、この場合には、更なる消毒ポイント(13)を有する。
図12】本発明による部分的閉じ込めシステム(2)が実装されている水塊(1)及び加熱システム(7)の概要を通じて本発明の一実施形態を示しており、この場合には、加熱ソース(7a)は、外部加熱ソース(7b)に接続されている。
図13】水塊の一部分の部分的閉じ込め(2)用のシステムを有する水塊(1)の概略側面図を示しており、2つのバリア要素(2a)及び(2b)が引っ込められる一実施形態が描かれている。
図14】実施例Iによる水泳プールの参照図面及び水泳プール内のセンサi1~i10の参照場所のみならず、部分的に閉じ込められたエリア(3)及び部分的閉じ込めシステム(2)の場所をも示す。
図15】実施例Iに従って実施される温度計測を示す。
図16】浮力手段(2d)及び(2e)及び底部係留手段(2f)を含む本発明による部分的閉じ込めシステム(2)の概略側面図を通じて本発明の一実施形態を示す。
図17】部分的閉じ込めシステム(2)、水塊(1)内の部分的に閉じ込められたエリア(3)、側壁(14)及び(15)の場所を示す参照例IIIの空中写真を描く。
図18】部分的に閉じ込められたエリア(3)及びこのエリア内のセンサi1~i12の場所を示す参照例IIIの空中写真を描く。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の詳細な説明
本発明は、部分的閉じ込めシステムの両側の間における蛇行タイプのフローと、同時に水の部分的に閉じ込められた部分と水塊の残りの部分の間においてヒートプラグを生成することと、を許容する部分的閉じ込めシステムを開示している。また、本発明は、相対的に大きな水塊内の水の一部分を加熱する局所化された加熱システムをも開示しており、これは、同一の水塊内にあるという概念を維持することにより、水の部分的に閉じ込められた部分内において費用効率に優れた方式で直接接触レクリエーションを目的とした水の快適な温度を実現するための解決策を提供している。
【0026】
本発明とは対照的に、水塊を完全に分割する及び完全に閉じ込められたエリアを生成する物理的バリアを通じて加熱される水の部分を分離するために完全に閉じ込められたシステムが使用されている場合には、このような水塊の品質が悪影響を被ることになり、或いは、独立した従来の水泳プールであることが必要となることになり、並び委、相対的に大きな水塊の一部分ともならず、及び、これに液圧接続されることにもならない。
【0027】
従って、本発明は、同時に、相対的に大きな水塊内の水の指定された部分内において水の温度を増大させる局所化された加熱システム及び方法を提供することにより、快適さの問題を解決し、及び、同時に、希釈効果及び水の停滞したエリアの極小化を許容するために水塊の残りの部分との間における加熱されたゾーンからの水の交換を許容する部分的閉じ込めシステムを提供している。
【0028】
本発明による局所化された加熱システムは、天然又は人造水塊(1)内において設置され得る部分的閉じ込めバリアシステム(2)を有する。部分的閉じ込めシステム(2)は、水塊(1)の指定された部分において部分的に閉じ込められたゾーン(3)を生成することを許容しており、この場合に、水のこのような指定された部分は、加熱システム(7)を通じて加熱されており、及び、この場合に、部分的閉じ込めシステム(2)は、加熱されたエリアと水塊の残りの部分の間の熱伝達又は熱損失を極小化するように構成されている。本発明のシステムは、加熱されていないゾーンから加熱されているゾーンを分離するための完全な物理的分離バリアの構築の必要性を回避しており、これにより、同時に水の部分的に閉じ込められた部分と水容積の残りの部分の間の熱伝達を極小化している。部分的閉じ込めシステムは、ヒートプラグを生成することを許容しており、及び、同時に、バリアの両側の間における蛇行スタイルのフローを提供し、これにより、同一の水塊内にあるという概念を維持することを許容している。
【0029】
本発明の文脈においては、完全な物理的分離は、物理的分離手段の一側部から他側部への水のフローを完全に又はほとんど完全に阻止する任意の手段を表記しており、並びに、一般には、このような容積の部分的に完全な閉じ込めを実現するために水塊の底部から上向きに構成された及びそのエッジ及び/又は壁に装着された一般には剛性又は曲がりやすいバリアから構成されているが、このような容積からのわずかな水損失も存在し得る。本発明によるシステムは、同時に、加熱されたエリアの内側からの水容積が、水塊内において、但し、加熱されたエリアの外側において、水容積と液圧接続されることを許容しつつ、低費用において相対的に大きな水塊内において部分的に閉じ込められた加熱されたゾーンを生成することを許容し、及び、従って、部分的に閉じ込められたエリアを加熱するための低エネルギー要件を実現している。
【0030】
また、本発明の部分的閉じ込めシステムは、システムの両側の間における水フローの差別化された障害化(differentiated obstaculization)を提供するように構成されたバリアを含み、これにより、ヒートプラグを生成し及び同時に両側の間において蛇行タイプのフローを提供していることに言及することも重要である。但し、本発明による部分的閉じ込めシステムは、同一の水塊内にあるという概念を維持し、及び、水浴者及び水泳者用の没入経験を提供している。滝、接続パイプ、再循環チャネル、又はこれらに類似した解決策の使用などの、相対的に大きな水塊内の水の一部分とこのような大きな水塊内において収容された水容積の残りの部分の間のその他のタイプの液圧接続は、本発明におけるように同一の水塊内にあるという概念の実現を許容しない場合がある。
【0031】
本発明によるバリア要素は、一般的に非侵襲的であり及び一側部から他側部への水の表面の視認性を大幅に妨げない液圧接続の生成を許容している。従って、部分的に閉じ込められたエリア内に配置された(立っている、泳いでいる、又はその他の)人物は、バリアを超えて水の表面を観察することが可能であり、従って、これにより、快適な温度を有するようにその特定の部分のみが適合された状態において、大きな水塊内にあるという没入効果を生成し、従って、これにより、同一の水塊内にあるという概念を維持している。
【0032】
従来技術の開示とは対照的に、本発明のシステムは、相対的に平行な構成において位置決めされた少なくとも2つの別個のバリア要素の使用を有しており、及び、特定の特殊な構成においては、これは、驚いたことに、完全に閉じ込められた(及び、潜在的に停滞した)水容積に伴う品質問題を回避するために、同時に蛇行タイプのフローを通じて部分的に閉じ込められたエリアと水容積の残りの部分の間の液圧接続を提供しつつ、部分的に閉じ込められたエリアからの熱損失を極小化することを示しており、並びに、従って、このような部分的に閉じ込められたエリア内において快適な温度を実現するために相対的に乏しい負荷を必要としている。
【0033】
以下の表は、本発明と従来技術の間の主要な差を示している。
【0034】
【表1】
【0035】
従って、部分的閉じ込めシステムは、天然又は人造水塊内において部分的に閉じ込められたゾーンを生成することを許容し、これにより、レクリエーション活動のための改善された及び快適な温度条件を許容する、並びに、従って、全世界において天然及び人造水塊内における水泳などの直接接触レクリエーション目的を許容する革命を生成する、熱損失バリア又は「ヒートプラグ」である。
【0036】
大きな水塊の加熱
水塊の加熱及び水塊からの熱放散及び損失に関連して、水塊内においては、熱が様々なメカニズムによって失われることを理解することが重要である。水塊のエネルギーバランスは、図1において観察することが可能であり、この場合に、熱利得/損失は、以下のものに起因して発生している。
・Hind:加熱目的のために水塊に提供される外部熱流束ソース
・Qar:雰囲気から吸収される熱流束
・Qsr:水塊によって吸収される太陽放射熱流束
・Qprec:降水(雨、雪など)から結果的に得られる熱流束
・Q:水漏洩から結果的に得られる熱流束
・LE:蒸発から結果的に得られる熱流束
・Qin:構造又は水塊内において放出されるその他の水フローから結果的に得られる熱流束
・Q:水パージから結果的に得られる熱流束
・Q:水塊からの黒体放射から結果的に得られる熱流束
・S:空気と水塊の表面の間において伝達される検知可能な熱流束
【0037】
水塊との間のこのような熱流束は、その平衡温度において効果を有することになり、この場合に、(相対的に高密度であり並びに従って沈む傾向を有する相対的に冷たい温度における水及び相対的に低密度を有する及び水表面内に上向きに運動する傾向を有する相対的に温かい温度における水の内部流及び混合が付与された場合に)、水塊は、一般的に相対的に均一な温度を水平方向においては有しており、及び、相対的に深いゾーンは、相対的に浅いエリアよりも相対的に低い温度を有する。
【0038】
本発明は、破裂的(rupturistic)及び革新的な方式で、水塊内の2つの別個のエリアの間において熱バリアを生成する水塊の部分的閉じ込め用システムを提供しており、システムは、驚いたことに、水塊の一般的な外観を大幅に妨げることなしに相対的に高い温度を有する水を収容することにおいて有効であると証明された及び水泳者及び水浴者用の没入経験を実現することによって同一の水塊内にあるという概念を維持する互いに相対的な位置において位置決めされた少なくとも2つのバリア要素を有する。本発明は、相対的に大きな水塊内において部分的に閉じ込められた加熱されたゾーンを生成する局所化された加熱システムを更に提供している。
【0039】
本発明による水塊(1)の部分的閉じ込め用システム(3)は、少なくとも、様々な手段を通じて加熱され得る水塊(1)の一部分を部分的に閉じ込めることを許容する遷移ゾーン(4)を生成するために、水平方向距離(HD)によって分離された第1バリア要素「FBE」(2a)及び第2バリア要素「SBE」(2b)を有する。本発明のバリア要素の構成は、同時に水塊の残りの部分からの相対的に冷たい水が部分的に閉じ込められたエリア(3)に進入することが制限されている状態において、加熱された水が表面に相対的に近接した部分的に閉じ込められたエリア(3)内において実質的に留まることを許容しており、これにより、図9に描かれているように、熱負荷の差別化された障害化を生成している。これは、熱バリア又は「ヒートプラグ」を生成することを許容しており、その理由は、第1及び第2バリア要素の構成が、同時に相対的に高い加熱効率を実現するための部分的に閉じ込められたエリア(3)内への相対的に冷たい水の流入の極小化及びこのようなエリア内において快適な温度を実現するための熱負荷の低減を許容しつつ、部分的に閉じ込められたエリア(3)から水容積の残りの部分への熱損失の極小化を許容しており、この場合に、これらのすべてが、部分的に閉じ込められたエリア(3)と水容積の残りの部分の間に液圧接続が存在すると同時に発生しているからである。
【0040】
第1及び第2バリア要素の概略的な構成は、図4において観察することが可能であり、これは、第1バリア要素(2a)が部分的に閉じ込められたエリア(3)に相対的に近接するように、及び、上向き位置を実現するために水塊の底部から位置決めされることにより、部分的に閉じ込められたエリア(3)内への冷たい水の進入を極小化し及び好ましくは回避するように、なっている。第2バリア要素(2b)は、第1及び第2バリア要素の間において部分的に閉じ込められた水容積を収容する遷移ゾーン(4)を生成するように、少なくとも最小水平方向距離(HD)だけ、第1バリア要素(2a)から分離されている。
【0041】
本発明の部分的閉じ込めシステムは、図8において観察され得るように、遷移ゾーン内に第1バリア要素の上方において通過する、及び、次いで、水容積の残りの部分に到達するように第2バリア要素の底部を通過する、蛇行フローに類似した、部分的に閉じ込められたゾーンと水容積の残りの部分の間におけるフロー流れパターンの生成を許容している。部分的に閉じ込められたエリアと水塊の残りの部分の両方の間におけるこの蛇行フローは、水塊と部分的に閉じ込められたゾーン(3)及び水容積の残りの部分からの任意の水流入及び流出の水バランスに応じた制御された方式による水の交換を許容している。
【0042】
図9は、部分的閉じ込めシステムの単純化された概略構成の側面図を示しており、この場合に、部分的に閉じ込められたエリア(3)内に配置されている加熱された水(10)は、相対的に暗い調性において示された部分的に閉じ込められたエリアの外側の相対的に冷たい水(11)よりも明るい調性によって示されている。図9において観察されるように、システムの構成は、加熱された水(10)の収容を許容しており、この場合に、第2バリア要素(2b)は、このような加熱水を収容するための物理的制限を提供し、及び、このような加熱水の遷移エリア(4)からの離脱の回避を狙いとしている。同時に、第1バリア要素(2a)は、底部に近接した状態において及び相対的に深い深さにおいて配置された相対的に冷たい水(11)を収容するための物理的制限を提供し、並びに、このような相対的に冷たい水の部分的に閉じ込められたエリア(3)への進入の回避を狙いとしている。
【0043】
本発明は、同時に1つのエリアからその他のものへの水フローが蛇行タイプのフローを通じて許容され、これにより、その他の問題に加えて、このようなエリアの完全な閉じ込めと関連する水品質問題が回避される液圧開放システムが提供される状態において、「ヒートプラグ」として機能する及び部分的に閉じ込められたエリアと水容積の残りの部分の間における熱損失を極小化する上述の部分的閉じ込めシステムを提供することにより、水塊内の部分的に閉じ込められたエリア内の熱損失の減少を可能にする革新的システムを開示している。
【0044】
従って、本発明は、大きな人造又は天然水塊内における直接接触のレクリエーション活動の実施を促進し、及び、その使用可能性を一年の全体を通じて拡張している。
【0045】
本発明の文脈において、直接接触レクリエーション活動は、限定を伴うことなしに、その他のものに加えて、子供による水泳、ダイビング、及び水遊びなどの水との間の水浴者の反復された又は連続的な直接接触を伴っている。
【0046】
本発明のシステムは、その他のものに加えて、天候条件、季節的な使用、人々の参加、及び/又は大きな水塊内において発生するイベントなどの異なる条件に対して適合され得る多様なシステムである。
【0047】
本発明による水塊内の2つの別個のエリアの間において熱バリアを生成する水塊の部分的閉じ込め用システムは、天然又は人造水塊用に使用されることが可能であり、及び、水塊内において部分的に閉じ込められたゾーン(3)を生成しており、この場合に、このようなシステムは、少なくとも、
-実質的に上向きの位置において水塊(1)の底部(4)から位置決めされる第1バリア要素FBE(2a)であって、このような第1バリア要素が位置決めされている水塊(1)の水深の最大で約95%の垂直方向長さを有する第1バリア要素(2a)と、
-実質的に下向きの位置において水塊(1)の表面(6)から位置決めされる第2バリア要素SBE(2b)であって、このような第2バリア要素が位置決めされている水塊(1)の水深の最大で95%の浸漬深さを有する第2バリア要素(2b)と、
を有する。
【0048】
第1及び第2バリア要素は、オーバーラップ長さ(OL)を形成し、及び、第2バリア要素(2b)は、第1バリア要素(2a)から水平方向距離(HD)において配置されており、この結果、遷移ゾーン(4)が生成されており、及び、この場合に、水平方向距離(HD)はゼロ超である。
【0049】
本発明の原理が実施され得る大きな水塊は、天然又は人造水塊であることが可能であり、並びに、少なくとも3000mの、好ましくは少なくとも5000mの、更に好ましくは少なくとも10000mの、更に好ましくは少なくとも30000mの、及び、最も好ましくは少なくとも50000mの、表面積を有し得る。水塊は、場合によっては、例えば、海又は大きな湖などのように非常に大きな表面を有することもできる。
【0050】
本発明の原理が実施され得る水塊は、少なくとも底部(5)と、特定の実施形態においては、水塊(1)の全体、部分的に閉じ込められる対象のエリア(3)、又は加熱されていない水塊の残りの部分のみ、を取り囲む壁、エッジ、及び/又は側部と、を有する。本発明による壁は、水塊内において水を収容することを許容する実質的に垂直方向位置を有する壁又は傾斜した壁であり得る。本発明によるエッジは、不規則な又は規則的な傾斜したエッジであり得る。
【0051】
本発明のシステムは、海、湖、潟、貯水池、河口、及び/又は池のような天然水塊内における使用に適している。また、本発明のシステムは、最近の技術によって構築された高透明度の人造潟などの人造水施設における使用に適している。
【0052】
第1バリア要素(FBE)は、FBEの一側部から他側部へ通過する水の量を引き下げるように、実質的に上向きの位置において水塊の底部から構成及び位置決めされている。好適な実施形態において、第1バリア要素(FBE)は、FBEの一側部から他側部に通過する加熱された水又は相対的に高い温度を有する水の量を減少させている。また、FBEは、効率的な底部封止と、任意選択により、このようなエリアの壁及び/又はエッジ封止と、を生成するために、水塊の側部、壁、及びエッジに装着又は付着されるように構成されている。FBEは、例えば、図16において観察されるように、このようなエッジ及び/又は底部との接触状態にあるFBEの全体境界線に跨って水塊のエッジ/壁及び/又は底部に実質的に装着又は付着されている。これは、このような接触境界線を通じた水及び熱損失を極小化するために、このような接触境界線の効率的な封止の生成を許容している。好ましくは、FBEは、FBEとFBEの近傍の底部における水の間に水の大きなフローが存在しないように、水塊の底部に対して実質的に封止されている。FBEは、ファスナ、ねじ、ボルト、ヒンジ、ジョイント、溶接、シーム、ウェビング、接着剤、ストリップ、テープ、及びこれらの組合せを有する群から選択された付着手段を通じて水塊のエッジ/壁及び/又は底部に付着されている。FBEは、錘を通じて底部に付着及び/又は係留されていてもよく、或いは、底部に埋め込まれていてもよい。
【0053】
FBE(2a)は、好ましくは、このような第1バリア要素(2a)が図4において描かれているように位置決めされている水塊(1)の水の水深の最大で95%の垂直方向長さ(VL)を有する。本発明のその他の実施形態においては、FBE(2a)は、このような第1バリア要素(2a)が位置決めされている水塊の深さの最大で約85%、約75%、又は約65%の垂直方向長さを有する。従って、FBEの垂直方向長さは、必ずしも、固定された水塊の深さにのみではなく実際の水深又はレベルに依存した長さである。特定の実施形態においては、水レベルが天然又は人造水塊内において変化した際には、FBE(2a)の垂直方向長さ(VL)は、それが位置決めされている水塊の水の深さの最大で約95%、85%、75%、又は65%であるという技術パラメータを充足するように、調節することができる。FBE(2a)は、好ましくは、それが位置決めされている水塊の水の深さの少なくとも20%又は少なくとも35%又は少なくとも50%の垂直方向長さを有する。このような垂直方向長さは、本発明の効率性を実現するためにほとんどの時点において維持されるように意図されているが、このような垂直方向長さが既定の範囲内にならないようにし得る水レベル、物理的制約、又は運動、或いはその他の効果の変動が付与される時点が存在し得るが、このような短い時間の期間は、本発明に大きな影響を及ぼすことにならず、及び、垂直方向長さは、本発明の方法及びシステムの熱効率の実現を維持するために予め定義された範囲に回復するように意図されていることを理解されたい。
【0054】
FBE(2a)は、図6において観察されるように、FBE(2a)が直立位置を維持すること及び一側部から別のものにFBE(2a)をプッシュし得る水流の影響を引き下げることを促進するために、浮力手段(2d)を有することができる。適切な浮力手段は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されている。
【0055】
FBE(2a)は、FBE(2a)が、直立位置を維持すること及び一側部から別のものにFBE(2a)をプッシュし得る水流の影響を引き下げることを促進するために、FBE(2a)の上部部分を浮力手段(2d)に接続する表面接続手段(2c)を有していてもよく、この場合に、接続手段は、大きなフローの変化を生成していない。FBE(2a)用の表面接続手段(2c)は、図7において観察されるように、一端上においてFBE(2a)の上部部分に及び他端上においては浮力手段(2d)に固定され得るストリング、コード、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、テザー組立体、及びこれらの組合せを含む。適切な浮力手段は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されている。
【0056】
本発明の別の実施形態において、FBE(2a)は、浮力手段に直接又は間接的に装着されていなくてもよいが、水塊のエッジ及び/又は壁に或いはFBEの垂直方向位置の維持を支援する水塊の外側の要素に装着されていてもよい。
【0057】
また、本発明の実施形態によるFBEの浮力手段は、水塊内の水泳者又は水浴者に部分的に閉じ込められたゾーンの限度、水泳及び水浴ゾーンの限度を通知するための浮力ラインとして、或いは、必要とされる任意の境界を定めるラインとして、機能するように機能することができる。浮力手段は、適宜、バリアの視認性を増大させるためにオーバーヘッドフラグを有することができる。
【0058】
第2バリア要素(SBE)(2b)は、図3図9の任意のものにおいて観察されるように、SBEの一側部から他側部へ通過する水の量を引き下げるように、実質的に下向きの位置において水塊の表面から構成及び位置決めされている。第2バリア要素(SBE)は、好ましくは、SBEの一側部から他側部へ通過し得る冷たい水又は相対的に低い温度を有する水の量を低減している。また、SBEは、このようなエリアの効率的な封止を生成するために、水塊の側部、壁、及び/又はエッジに装着又は付着されるように構成されている。SBEは、好ましくは、このようなエリアを通じた水及び熱損失を極小化するために、水塊のエッジ及び/又は壁との間のSBEのこのような接触エリアの効率的な封止を生成するように、水塊のエッジ及び/又は壁に実質的に装着又は付着されている。SBE(2b)は、このような第2バリア要素が位置決めされている水塊(1)の深さの最大で約95%の浸漬深さ(SD)を有する。本発明のその他の実施形態においては、SBE(2b)は、このような第2バリア要素(2b)が位置決めされている水塊の深さの最大で約85%、75%、又は65%の浸漬深さを有する。FBE(2a)は、それが位置決めされている水塊の水の深さの好ましくは少なくとも20%又は少なくとも35%又は少なくとも50%の浸漬深さ(SD)を有する。このような浸漬深さは、本発明の効率性を実現するために、ほとんどの時点にわたって維持されるように意図されているが、水レベル、物理的制約、又は運動、或いは、このような浸漬深さが既定の範囲内にならないことを生成し得るその他の効果の変動が付与される時点が存在し得るが、このような短い時間の期間は、実質的に本発明に影響を及ぼすことにならず、並びに、浸漬深さは、本発明の方法及びシステムの熱効率性の実現を維持するために、予め定義された範囲に回復するように意図されていることを理解されたい。
【0059】
第2バリア要素SBE(2b)は、その上部部分に付着された浮力手段(2e)を有していてもよく、この場合に、浮力手段(2e)は、図6及び図7の任意のものに示されているように、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されている。本発明によるSBEの浮力手段は、その望ましい位置においてSBEを維持するための、のみならず、水塊内の水泳者及び水浴者に部分的に閉じ込められたゾーンの限度、水泳及び水浴ゾーンの限度を潜在的に通知するための浮力ラインとして、或いは、必要とされる任意の境界を定めるラインとして、機能するための、手段として機能している。浮力手段は、適宜、バリアの視認性を増大させるためにオーバーヘッドフラグを有することができる。また、SBE用の浮力手段は、部分的閉じ込めシステムが大きな水塊内において終端している場所のインジケータとして機能することもできる。SBE(2e)用の浮力手段は、水の表面の上方において、水の表面の下方において、位置決めされていてもよく、或いは、部分的に浸漬されていてもよい。
【0060】
本発明の別の実施形態においては、SBE(2b)は、浮力手段に装着されていなくてもよく、及び、水塊のエッジ及び/又は壁に或いはSBEの位置を維持することを支援する水塊の外側の要素に装着されていてもよい。
【0061】
第2バリア要素SBE(2b)は、図7及び図16において観察されるように、大きなフローの変化を生成することなしに第2バリア要素SBE(2b)を水塊の底部に係留する底部係留手段(2f)を有することができる。適切な底部係留手段(2f)は、固定された支持部、ドック、又はこれらの組合せを通じて水塊の底部に固定することができるテザー組立体、ストリング、コード、チェーン、ポール、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、ネッティング材料、及びこれらの組合せを含む。また、SBEは、完全に又は部分的に底部に埋め込まれていてもよく、及び、SBEを通じた又はSBE(2d)の下方における水のフローを促進するための穿孔を有する材料又は要素を含むこともできる。
【0062】
FBE及びSBEは、好ましくは、前記FBE及びSBEとの接触状態にある水の閉じ込めを許容する材料を有するか又はこれから製造されている。好ましくは、FBE及びSBEは、部分的に閉じ込められる対象の水塊内の水のものに近接した密度を有する任意の適切な材料から製造されている。好ましくは、FBE及びSBEは、日光(UV光線)、熱、及び化学物質への曝露による劣化及び/又は破壊に対する抵抗力を有する材料から構成されている。FBE及びSBEが構築され得る材料は、限定を伴うことなしに、中空の又は充填された内部を有する軽量材料と、水中において直立向きにおいて要素を維持することを促進するための位置において中空の又は充填された内部の内側及び/又は外側において配置された錘と、好ましくは隣接するバリア要素がエンドツーエンドで接続されることを許容する反対端部における結合要素と、を含むように構築することができる。
【0063】
FBE及びSBEが構築され得る材料は、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びこれらの混合体を含む。代替材料は、ポリプロピレン、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)などのサーモプラスチック、グラスファイバ、発泡体、ポリマー、及び/又はこれらの組合せを含む。任意選択により、FBE及びSBEは、UVに対して安定化されており、及び、更に別の任意選択の実施形態においては、FBE及びSBEは、UV抵抗性被覆によってカバーされていてもよい。FBE及びSBEの製造において使用される材料は、潜在的な水浴者へのリスクを結果的にもたらし得る中毒性条件を生成することにならない。
【0064】
FBE及び/又はSBEは、このようなバリア要素に柔軟性を提供する材料によって構築されていてもよく、或いは、これらが水塊内において浸漬されるのに伴ってその形状を維持するシートなどの曲がりやすくない材料を生成する材料から構築されていてもよい。また、特定の実施形態においては、FBE及びSBEは、コンクリート、セメント、又はこれらの組合せなどの相対的に大きな重量又は高密度の材料を使用して構築することもできる。
【0065】
材料は、絶縁プロパティを有することができるが、これは、本発明による熱バリアに起因して必ずしも必須ではなく、これは、その代わりに、バリア要素が構築されている材料の絶縁特性により、遷移ゾーンの提供によって生成されている。
【0066】
壁/エッジ/側部が存在していないが水塊の不規則な底部のみが存在している水塊のエリア内においては、FBE(2a)及びSBE(2b)の両方の長さ及び位置は、本明細書において言及されているパラメータを充足するように調節することができる。
【0067】
水塊内において位置決めされた際に、第1及び第2バリア要素は、図4に描かれているように、オーバーラップ長さ(OL)を形成している。オーバーラップ長さ(OL)は、必ずしも、固定された長さではなく、その理由は、これが、水レベル、異なる底部表面、及びFBE及びSBEの長さが不変状態に留まっている場合にもオーバーラップ長さをわずかに変更し得るその他のファクタに起因して変化し得るからである。これらの及びその他のファクタに起因したオーバーラップ長さの任意の変化は、本発明によるオーバーラップ長さ(OL)の定義内に留まっているものと理解されたい。
【0068】
図4図6、及び図7において描かれているように、第2バリア要素(2b)は、水、好ましくは加熱された水、を部分的に閉じ込めることと、従って、熱損失を極小化することと、を許容する遷移ゾーン(4)を生成する第1バリア要素(2a)からの水平方向距離(HD)において位置決めされている。水平方向距離(HD)は、必ずしも、固定された距離ではなく、並びに、水塊の底部の特性、水の天然の又は調節された温度、水流及び波の影響、水の潮又は水レベルの変化、及び部分的に閉じ込められる対象のゾーンの寸法などの多くのファクタに応じて変化し得る。これらの及びその他のファクタに起因した水平方向距離(HD)の任意の変動は、本発明による水平方向距離(HD)の定義内に留まっているものと理解されたい。水平方向距離(HD)は、2つのゾーンの完全な物理的分離の代わりに部分的閉じ込め効果を実現するために、常にゼロ超である。水平方向距離(HD)は、好ましくは、遷移ゾーンを生成するのに十分な距離である。好ましくは、水平方向距離(HD)は、少なくとも1:1というオーバーラップ距離(OL)に対する水平方向距離(HD)の比率が生成されるように、第1及び第2バリア要素の間のオーバーラップ距離(OL)以下である。本発明の範囲内に含まれるその他の比率は、少なくとも約2:3、少なくとも約4:5、少なくとも約1:3、及び少なくとも約1:2である。約1:1~約1:4に含まれる比率が好ましい。
【0069】
水平方向距離(HD)及びオーバーラップ距離(OL)の両方は、平均として表現されており、その理由は、水の潮及び流れの影響が付与された場合に、これらの位置が、わずかに影響され得るからである。好ましくは、水平方向距離(HD)及びオーバーラップ長さ(OL)は、24時間の平均として表現されている。
【0070】
水平方向距離(HD)は、第1バリア要素(2a)から、少なくとも約20cmであり、及び、好ましくは少なくとも約35cmであり、及び、更に好ましくは少なくとも約40cmであり、及び、この場合に、オーバーラップ距離(OL)は、少なくとも約20cmであり、及び、好ましくは少なくとも約35cmであり、及び、更に好ましくは少なくとも約40cmである。これは、依然として水塊の両側において液圧接続を提供しつつ、加熱水を熱的に閉じ込める及び「ヒートプラグ」を生成することを許容している。第1及び第2バリア要素は、図3及び図4において示されているように構成することができる。
【0071】
本発明の水塊内の2つの別個のエリアの間において熱バリアを生成する水塊の部分的閉じ込め用システムは、図5において観察されるように、水平方向距離(HD)の変動を引き下げるために、互いにFBE及びSBEを接続する少なくとも1つの接続手段(12)を内蔵することができる。接続手段(12)は、好ましくは、2つのバリア要素を接続しており、及び、遷移ゾーン内において大きなフローの変化を生成していない。いくつかの手段が接続手段として使用され得るが、これらは、好ましくは、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、チェーン、ポール、ロッド、セパレータ、及びこれらの組合せを有する群から選択されている。接続手段(12)は、図5において観察されるように、少なくとも2つのバリアに沿った少なくとも1つのポイント又はいくつかのポイントの全体を通じて位置決めすることができる。本発明のその他の実施形態においては、底部付着手段又はバリア要素の少なくとも1つを付着させる手段は、水平方向距離(HD)の極小化された変動を維持するための要素を有する。
【0072】
水塊内の2つの別個のエリアの間において熱バリアを生成する水塊の部分的閉じ込め用システムは、水塊内において実装された際に、図10において観察されるように、局所化された加熱システムの提供を許容している。
【0073】
本発明の局所化された加熱システムは、本発明の局所化された加熱システムを示す図10において描かれているように、好ましくは水塊内において、及び、更に好ましくは部分的に閉じ込められたゾーン内において、位置決めされた少なくとも1つの水取入れポイント(9)を含むことができる。少なくとも1つの水取入れポイント(9)は、部分的に閉じ込められたゾーン(3)から水を引き出すように構成されており、この場合に、このような水フローは、引き出され、及び、水フローの温度を増大させる少なくとも1つの加熱システム(7)内に送られており、好ましくは、温度は、少なくとも約1℃又は少なくとも約3℃だけ増大されている。次いで、加熱された水フローは、少なくとも1つの加熱水放出ポイント(8)を通じて部分的に閉じ込められたゾーン(3)に戻されている。
【0074】
加熱システム(7)は、このような加熱された水を部分的に閉じ込められたゾーン内に放出する前に水フローの温度を増大させるために、ヒートポンプ又はガスヒーターなどの少なくとも加熱機器を有することができる。
【0075】
熱交換器が提供されていてもよく、これは、このような加熱された水フローを部分的に閉じ込められたエリア内に放出する前にその温度を増大させるために、外部エネルギーソースによる水フローの加熱を許容している。従って、加熱システムは、図12において観察されるように、油、電気、ガス、又はその他の炭素エネルギーソースからの、及び、更に好ましくは、太陽光発電所、発電所又は任意の産業プロセスからの排熱、風力発電所、及びこれらの組合せなどの再生可能エネルギーソース(7b)からの、エネルギーを使用する加熱機器を有する熱交換器を含むことができる。
【0076】
また、加熱システムは、図12において観察されるように、産業及び/又は商業施設からの残留熱エネルギーによる水フローの加熱を許容する熱交換器を有することもできる。
【0077】
本発明の加熱システムは、加熱システムの拡大図が示されている図12に描かれているように、熱交換器及び加熱機器を有することができる。この実施形態は、本明細書において記述されているその他の実施形態の任意のものに適用することが可能であり、及び、図12に描かれている要素のみに対する限定を表すものではない。
【0078】
部分的に閉じ込められたゾーン(3)から引き出された水は、図11に描かれているように、部分的に閉じ込められたゾーン(3)内の消毒レベルを増大させるために、加熱システムの前又は後において、有効な量の化学物質が追加される消毒ポイント(13)を通過することができる。
【0079】
本発明の加熱システム(7)は、部分的に閉じ込められたゾーンから引き出された水を受け取ることができると共に、その他のソースからフレッシュな、処理済みの、及び/又は加熱された水を受け取ることができる。
【0080】
部分的に閉じ込められたゾーンから引き出された水は、加熱システムに送られなくてもよく、及び、その代わりに、その他の目的のために放出又は使用されてもよい。この構成は、部分的に閉じ込められたゾーン内における汚染の迅速な希釈を促進するために、フレッシュな水の流入を必要とすることになる部分的に閉じ込められたゾーン内において発生する汚染イベントの場合に、使用することができる。
【0081】
局所化された加熱システムが位置決めされ得る水塊の少なくとも1つのエッジ部分は、一般に、最大で約15%、好ましくは最大で約30%、のスロープを結果的にもたらす平均角度αにおけるエッジの周囲から底部への下向きのスロープを有する。この構成は、水塊内への水浴者及び水泳者の安全及び容易な進入を実現することを許容しており、この場合に、このようなスロープを有するエリアは、水容積の残りの部分よりも高い温度を提供するように部分的に閉じ込められている。
【0082】
第1及び第2バリア要素は、0%~30%のスロープが存在しているゾーン内の水塊の少なくとも底部、垂直方向壁、スロープを有する壁、及び/又はエッジに装着又は付着させることができる。好ましくは、部分的に閉じ込められたゾーン(3)の底部は、平均において、水塊の残りの部分の底部よりも、或いは、相対的に冷たい温度を有する水を収容する水塊のエリアよりも、高い高さにおいて着座している。
【0083】
第1及び第2バリア要素は、好ましくは、レクリエーション水浴及び水泳の実施を許容するエリアの生成を許容する水塊のエッジ又は壁からの距離において水塊内において位置決めされている。好ましくは、第1及び第2バリア要素は、水塊内に遷移する水塊のエッジから少なくとも5メートルの距離において水塊内において位置決めされている。この実施形態においては、本発明は、エッジの一部分と第1及び第2バリア要素の間の少なくとも5メートルの最小距離が生成されることを必要としており、これは、レクリエーションを目的とした好適なエリアの提供を許容している。少なくとも2つのバリア要素の間の相対位置が実質的に維持されている場合には、最大距離を設定する必要はない。
【0084】
第1及び第2バリア要素は、部分的に閉じ込められたエリアが少なくとも約200m又は少なくとも約500m又は少なくとも約1000m以上の容積を有するように、水塊内において位置決めされている。
【0085】
本発明による第1及び第2バリア要素は、実質的に水平方向の位置において、或いは、図13において観察されるように水のフロー内においてなんらの効果をも生成しない位置において、バリアを後退又は維持するための手段を有することができる。後退手段は、部分的に閉じ込められたゾーン内において相対的に高い温度を提供するという要件が存在していない際に、或いは、そのゾーン内において発生する汚染イベントのケースにおいて、水塊の残りの部分に対する前記汚染の希釈を促進するために、実装することができる。この実施形態において、FBEの下端部は、FBEが実質的に水平方向の位置において又は水のフロー内においてなんらの大きな効果を生成しない位置において配置されることを許容する適切な底部付着手段(2g)を通じて水塊の底部に付着させることができる。適切な底部付着手段(2g)は、水塊の底部に対する前記実質的に水平方向の又は平行な位置の維持を許容するヒンジメカニズムを有する付着手段を含む。この同一の実施形態において、SBEは、底部係留手段を通じて水塊の底部に接続されていなくてもよく、及び、その代わりに、水塊の表面に対して実質的に平行な位置において水塊上において浮遊することが許容されている。
【0086】
規制に関する検討事項
また、部分的に閉じ込められたエリアを実現するための熱伝達メカニズムの検討に加えて、エリアを完全に閉じ込めないという意図が衛生及び規制に関する目的をも有していることを理解することが重要である。
【0087】
世界中の規制は、一般に、直接接触のレクリエーションを目的として使用される大きな水塊が、このような目的のために水が安全であることを保証するために、特定の規格に準拠しており及び品質要件に準拠していることを必要としている。
【0088】
比較として、従来の水泳プールの処理技術は、一般に、特定の特性を有する、並びに、通常は平らな、規則的な、及び、堅固な底部を有するコンクリートから構築された、小さな(一般に、オリンピック水泳プールに等価である1250m未満の水表面の)及び完全に閉じ込められた水塊内において使用されている。水泳プールは、小さなサイズを有することから、一般に世界中のこれらの規制は、1~6回/日だけ、好ましくは少なくとも4回だけ、水塊全体をフィルタリングすることのみならず、レクリエーションを目的として適切な水品質を維持するために水の容積全体において消毒剤の永久的濃度を維持することを必要としている。
【0089】
従って、従来の水泳プールの処理及び構築技術が本発明の目的のために使用される場合には、完全に閉じ込められた及び独立した水容積が必要とされることになる一方で、本発明のシステムは、部分的に閉じ込められたエリア内において水の快適な水浴温度を実現するための小さな熱負荷を必要とする最小熱損失により、両方の水容積を分離する必要性を回避しており、及び、加熱されたゾーンと水塊の残りの部分の間の液圧接続を有することを許容している。
【0090】
従って、本発明は、相対的に大きな水塊内の水の指定された部分内において水の温度を増大させる局所化された加熱システム及び方法を提供することにより、相対的に大きな水塊内において水の加熱された部分的に閉じ込められた部分を生成することを許容しており、及び、同時に、希釈効果及び水の停滞したエリアの極小化を許容するために水塊の残りの部分との間の加熱されたゾーンからの水の交換を許容する部分的閉じ込めシステムを提供している。部分的閉じ込めシステムは、革新的な方式によってヒートプラグの生成を許容しており、及び、同時に、バリアの両側の間の蛇行スタイルのフローを提供し、これにより、同一の水塊内にあるという概念の維持を許容している。更には、本発明の部分的閉じ込めシステムは、システムの両側の間の水フローの差別化された障害化を提供し、これにより、ヒートプラグを生成し及び同時に両側の間において蛇行タイプのフローを提供するように構成されたバリアを含む。
【実施例
【0091】
実施例I
本発明の水塊内の2つの別個のエリアの間において熱バリアを生成する水塊の部分的閉じ込め用システムをチリ南部の約32mの表面及び約48mの容積を有する水塊内において実装した。
【0092】
約8mの表面を有する部分的閉じ込めゾーンが生成された。第1バリア要素FBEは、既存の垂直方向壁から平均で約2メートルの距離において上向きの位置において位置決めされ、及び、第2バリア要素SBEは、壁から離れた距離において位置決めされた。FBEは、水塊の底部及び壁に付着され、及び、付着されたエリアを通じた水の通過を極小化するために、これに対して封止された。SBEは、上向きの位置において位置決めされ、及び、参照図9において観察される類似の方法によって水泳プールの側部に付着及び封止された。フローティングラインが、水塊の幅をカバーしているSBEの上部側部に付着された。SBE及びFBEの相対位置は、約40センチメートルの水平方向距離(HD)及び約40センチメートルのオーバーラップ長さ(OL)を生成し、従って、約1:1の比率であった。
【0093】
18℃の初期平均温度を有する部分的に閉じ込められたゾーンの水は、水表面の下方約80cmにおいて配置された出口ラインから抽出され、及び、内部熱交換機を有する加熱システムに送られ、これが、抽出された水の温度を43℃に増大させ、温度増大は約25℃であった。水フローは、1.8m/hの範囲内にあった。加熱された水は、水表面レベルの下方の約100cmにおいて入口ラインを通じて部分的に閉じ込められたゾーンに戻された。
【0094】
水温計測が、部分的に閉じ込められたゾーンの(試験期間において使用された温度センサの概略構成に対応する図14においてi1~i4として描かれた)4つの異なるポイントにおいて、及び、SBEを超えた水塊のエリアの(試験期間において使用された温度センサの概略構成に対応する図14においてi5~i10として描かれた)6つの異なるポイントにおいて、5分ごとに実施された、
【0095】
部分的に閉じ込められたゾーン及び水泳プールの残りの部分内の温度変動が6時間のインターバルにおいて比較された。図15において観察されるように、部分的に閉じ込められたゾーン内の水の平均温度(ラインA)が、6時間の後に、最大で約27.2℃の温度への安定した増大を示している一方で、SBEを超えた水の平均温度は、ほぼ、その温度を維持しており、及び、穏やかにのみ最大で約20℃に増大した。
【0096】
部分的に閉じ込められたゾーンから離れるように水塊の残りの部分内に運動する水の推定質量流量は、バリアの1メートル当たり、8リットル/分であった。
【0097】
本発明のシステムは、部分的に閉じ込められたゾーン内と水泳プールの残りの部分の間における少なくとも8℃の平均温度差の実現を許容し、これには、6時間の水加熱の期間にわたって201.6kWhの消費エネルギーを必要した。比較として、同一の水容積について、同一の時間にわたって、及び、最大で同一の温度まで、水容積全体が加熱されることを必要とすることになる場合には、エネルギーの量は、(同一の温度を実現するために)約621.6kWhを有することになろう。この小規模の例において、システムは、水容積全体の加熱と比較した場合に、快適な温度を有する部分的に閉じ込められたゾーンを生成するために、エネルギー消費の68%の低減を実現している。
【0098】
実施例II
本発明のシステムが、チリのコリナに位置した16000mの人造潟に内蔵されるものとして評価され、及び、以下の予想例には、関係するデータが提供されている。
【0099】
部分的に閉じ込められる対象のゾーンは、約600mの表面を有し、及び、人造潟のエッジの1つの部分内において配置されており、この場合に、そのエッジは、約1.4メートルの深さまで約10%の下向きスロープを形成しているゼロ進入タイプ(zero-entry type)を有する。
【0100】
潟水容積全体において一年を通じて一定の28℃を提供するために必要とされる熱負荷及びエネルギーを推定するためにシミュレーションが実行され、これは、それぞれ、必要とされる最大熱負荷として11.355MWを結果的にもたらし、及び、24632MWhのエネルギー使用量を結果的にもたらした。
【0101】
その一方で、(実施例Iにおいて見出される)約8l/分/mの質量流量を有する部分的に閉じ込められたゾーンの上述の600m内において一年を通じて28℃の相対的に永久的な温度を実現するためには、本発明からのシステムを使用することにより、熱負荷及びエネルギーは、それぞれ、904KW及び2977MWhを結果的にもたらしており、これは、水容積全体を加熱するためのものよりも最大で88%だけ少ないエネルギーである。
【0102】
更には、循環研究は、部分的閉じ込めシステムが部分的に閉じ込められたゾーンと潟水容積の残りの部分の間における水の蛇行フロー交換を許容し、これにより、このような水容積の均一性の維持を許容し及び希釈パワーを部分的に閉じ込められたゾーンに提供していることを示している。
【0103】
以上、その好適な実施形態を参照して、本発明について具体的に図示及び記述したが、当業者は、これらにおいて形態及び詳細における様々なその他の変更が本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに実施され得ることを理解するであろう。
【0104】
本発明による部分的閉じ込めシステム及び局所化された加熱システムを使用することにより、水塊の部分的に閉じ込められたゾーン内において水浴者用の直接接触を目的とした快適な温度を依然として許容しつつ、重要なエネルギー節約が実現されている。
【0105】
実施例III
水塊の部分的閉じ込め用システムをチリのコリナに位置する16000mの人造潟内において実装した。
【0106】
部分的に閉じ込められたゾーンは、約85mの表面、約55mの容積、及び壁から壁までの約10mの長さを有し、及び、人造潟のエッジの一部分内において配置されており、そのエッジは、水塊内への約10%のスロープを形成するゼロ進入タイプを有していた。部分的に閉じ込められたゾーンは、その両側における2つの垂直方向壁の使用によって生成され、この場合に、側部垂直方向壁の1つは、図17の要素(14)として描かれた壁などの人造潟内において配置された境界線水泳プールの壁であり、並びに、その他の側における壁は、一時的なものであり、及び、部分的に閉じ込められたエリア内における局所化された加熱の性能及び効率を容易に計測するために部分的に閉じ込められたゾーン用の第2側壁を生成するように人造潟内に設計、構築、及び配置されており、この場合に、第2側壁は、図17において、要素(15)として描かれている。図17は、以上の要素のみならず、部分的閉じ込めシステム(2)の場所をも示している。
【0107】
部分的閉じ込めシステムは、人造潟のエッジから約12メートルの距離において人造潟のエッジに相対的に近接した状態において配置された及び実質的に上向きの位置において底部から位置決めされた第1バリア要素(FBE)を含んでいた。人造潟のエッジからのこのような距離は、水レベルの変化、風、内部流、又はその他の効果が付与された場合に発生する変動を考慮することにより、ほとんどの時点において維持されていた。FBEは、約1mmのクリアなPVC織物から構築されており、及び、その上部エリア内において、20kg/mの発泡ポリスチレンから構築された5cmの直径の円筒体に対応する浮力手段(2d)を含んでいた。このような円筒体は、FBEがほとんどの時点において実質的に上向きの位置を維持するように必要とされる浮力を提供していた。また、FBEは、図16において観察されるプレート及び錘を有する底部係留手段を含んでおり、これは、その他の側部内にFBEの下方において通過する任意の水フローを極小化するために、人造水塊の底部に相対的に近接した状態においてFBEを維持することを許容していた。FBEが設置されたエリアは、約1.05メートルの平均深さを有し、及び、FBEの長さは、約0.85メートルであり、これは、そのエリアにおける人造潟の水深の約81%に対応していた。
【0108】
また、部分的閉じ込めシステムは、部分的に閉じ込められたエリアから遠く離れるようにFBEの背後に位置決めされた及び人造潟の水エッジから約12.5mの距離において配置された第2バリア要素(SBE)をも含んでいた。人造潟のエッジからのこのような距離は、水レベルの変化、風、内部流、又はその他の効果が付与された場合に発生する変動を考慮することにより、ほとんどの時点において維持されていた。従って、FBEとSBEの間の水平方向距離(HD)は、水レベルの変化、風、内部流、又は所与の時点においてこのようなHDに影響し得るその他の効果が付与された場合に発生する変動を考慮することにより、ほとんどの時点において維持されており、及び、35~50cmの範囲のHDを生成していた。SBEは、1mmのクリアなPVC織物から構築されており、及び、その上部エリア上において、これは、20kg/m3の発泡ポリスチレンから構築された35cmの直径の円筒体に対応する浮力手段を含んでいた。このような円筒体は、SBEが潟の表面上において浮遊するように必要とされる浮力を提供しており、及び、同時に、直径は、システムの熱効率に影響し得る風の効果、波、流れ、又はその他のものに起因した部分的に閉じ込められたエリア又は遷移エリアの外側からの水の通過を回避するように選択されていた。SBEは、要素(2f)として図16において観察されるように、底部に装着されたu形状の要素を通じて人造潟の底部に係留されていた。このような係留要素は、SBEの位置を実質的に上向きにおいて維持することのみならず、このようなSBEの水平方向運動を極小化することをも許容していた。SBEが設置されたエリアは、約1.1メートルの平均深さを有し、及び、SBEの浸漬深さは、約0.85メートルであり、これは、そのエリアにおける人造潟の水深の約77%に対応していた。
【0109】
オーバーラップ長さは、約60cmであり、これは、ほとんどの時点において維持されていたが、その他のものに加えて、風、流れ、水浴者などのこのような長さに影響し得る効果が存在している。FBEとSBEの間の空間は、約5:6のオーバーラップ長さ(OL)に対する水平方向距離(HD)の比率を結果的に有する遷移ゾーンを生成することを許容していた。
【0110】
部分的に閉じ込められたエリア内における約28℃という意図された平均温度を実現するために、加熱システム及び加熱機器を判定及びサイズ設定するために215kWの設計熱負荷が使用された。この設計熱負荷は、48kWの熱出力をそれぞれが有する2つの空気熱電気ヒートポンプモデルDunner 50と、119kWの熱出力を有するガスヒーターモデルRheem M406と、の使用によって実現された。このような機器は、加熱システムの一部分を構成していた。
【0111】
部分的に閉じ込められたエリア内に引き込まれ及び放出される対象の設計水フローは、33m/hであるものと判定され、これは、140mmの直径のパイプを使用して部分的に閉じ込められたエリアから引き出され、及び、次いで、このような水フローは、その温度を増大させるように、加熱システムに送られた。水が加熱システム(図には示されていない)を通過した後に、加熱された水は、部分的に閉じ込められたエリア内に加熱水を均一に分配するために、110mmのパイプを通じて、それぞれが20mmの6つの入口を有するマニホルドを通じて、部分的に閉じ込められたエリア内に戻された。
【0112】
結果は、部分的に閉じ込められたエリア内の水の均一な混合体であり、部分的に閉じ込められたエリア内に配置されたセンサによる計測値は、異なるポイントの間において0.5℃以下であった。センサが、図18において観察されるように、部分的に閉じ込められたエリア内の12個の場所において、部分的に閉じ込められたエリアから引き出されている水の温度、部分的に閉じ込められたエリア内に加熱システムから放出されている加熱された水の温度を計測するために使用されており、この場合に、i-1~i-12は、異なるセンサの場所を示していた。
【0113】
部分的に閉じ込められたエリア内の温度は、(初期の28℃が部分的に閉じ込められたエリア内において実現された後に)この状態において約45~60kWの平均パワーを使用することにより、約28.2~28.7℃において永久的に維持されていた。システムは、機器の動作のために使用されている24時間における約300kWhの電気に等価である1180kWhの熱出力の平均を24時間の期間において利用していた。従って、システムは、上述の部分的閉じ込めシステムを使用することにより、部分的に閉じ込められたエリア内において水の実質的に永久的及び均一な温度を実現している。
【0114】
また、部分的閉じ込めシステムが、部分的に閉じ込められたゾーンと潟水容積の残りの部分の間における水の蛇行フロー交換を許容し、これにより、このような水容積の均質性の維持を許容し及び部分的に閉じ込められたゾーンに希釈パワーを提供していることも示されている。
【0115】
以上、その好適な実施形態を参照して、本発明について具体的に図示及び記述したが、当業者は、これらにおいて形態及び詳細の様々なその他の変更が本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに実施され得ることを理解するであろう。
【0116】
本発明による部分的閉じ込めシステム及び局所化された加熱システムを使用することにより、水塊の部分的に閉じ込められたゾーン内において水浴者用の直接接触を目的とした快適な温度を依然として許容しつつ、重要なエネルギー節約が実現されている。
【0117】
添付図面においては、類似の要素が以下の同一の参照符号によって識別されている。
【0118】
【表2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の水塊内にあるという概念を維持しつつ、前記水塊(1)内の2つの別個のエリアの間において熱バリア及びヒートプラグを生成する水塊の部分的閉じ込め用システムであって、
-実質的に上向きの位置において前記水塊(1)の底部(4)から位置決めされる第1バリア要素FBE(2a)であって、このような第1バリア要素が位置決めされている前記水塊(1)の水深の最大で約95%の垂直方向長さを有する第1バリア要素(2a)と、
-実質的に下向きの位置において前記水塊(1)の表面(6)から位置決めされる第2バリア要素SBE(2b)であって、このような第2バリアユニットが位置決めされている前記水塊(1)の水深の最大で95%の浸漬深さを有する第2バリア要素(2b)と、
を有し、
前記第1及び第2バリア要素は、オーバーラップ長さ(OL)を形成しており、且つ、前記第2バリアユニット(2b)は、前記第1バリア要素(2a)から水平方向距離(HD)において配置され、この結果、遷移ゾーン(4)が生成されており、且つ、前記水平方向距離(HD)はゼロ超である、システム。
【請求項2】
前記水平方向距離(HD)は、前記第1及び第2バリア要素の間の前記オーバーラップ長さ(OL)以下である請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項3】
前記水平方向距離(HD)及び前記オーバーラップ長さ(OL)は、約1:1又は約2:3又は約4:5又は約1:3又は約1:2の比率を有する請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項4】
前記水平方向距離(HD)は、前記第1バリア要素(2a)から少なくとも20cmである請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項5】
前記オーバーラップ長さ(OL)は、少なくとも20cmである請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項6】
前記FBE(2a)は、このような第1バリア要素(2a)が位置決めされている前記水塊の前記深さの最大で約85%、約75%、又は約65%の垂直方向長さを有し、且つ、前記FBE(2a)は、これが位置決めされている前記水塊の前記水深の好ましくは少なくとも20%又は少なくとも35%又は少なくとも50%の垂直方向長さを有する請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項7】
前記SBE(2b)は、このような第2バリア要素(2b)が位置決めされている前記水塊の前記深さの最大で約85%、75%、又は65%の浸漬深さを有し、且つ、前記FBE(2a)は、これが位置決めされている前記水塊の前記水深の好ましくは少なくとも20%又は少なくとも35%又は少なくとも50%の浸漬深さ(SD)を有する請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項8】
前記水平方向距離(HD)の変動を引き下げるために前記FBE及び前記SBEを互いに接続する接続手段(12)を更に有し、且つ、前記接続手段(12)は、前記2つのバリア要素を接続しており、且つ、前記遷移ゾーン内において大きなフローの変化を生成していない請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項9】
前記接続手段(12)は、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、ポール、ロッド、セパレータ、及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項8に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項10】
前記接続手段は、前記少なくとも2つのバリアに沿った少なくとも1つのポイントの全体を通じて位置決めされており、且つ、前記接続手段は、少なくとも前記平均水平方向距離(HD)である距離にて互いの間において位置決めされている請求項8に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項11】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、前記水塊の前記底部に固定される付着手段を有し、前記付着手段は、前記水塊の前記底部と前記第1バリア要素FBE(2a)の間において封止を生成している請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項12】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、ファスナ、ねじ、ボルト、ヒンジ、ジョイント、溶接、シーム、ウェビング、接着剤、ストリップ、テープ、及びこれらの組合せを有する群から選択された付着手段を有する請求項11に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項13】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、錘を通じて前記底部に付着及び/又は係留されているか又は前記底部に埋め込まれている請求項11に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項14】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、直立位置を維持するように前記FBE(2a)を促進するための且つ前記FBE(2a)を一側部から別のものにプッシュし得る水流の影響を引き下げるための浮力手段(2d)を有し、浮力手段は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項11に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項15】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、前記FBE(2a)の上部部分を浮力要素(2d)に接続する表面接続手段(2c)を有し、これらは、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、テザー組立体、及びこれらの組合せから選択されている請求項14に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項16】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、その上部部分に付着された浮力手段(2e)を有し、前記浮力手段は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されており、且つ、前記浮力手段は、前記水の前記表面の上方又は前記水の前記表面の下方において位置決めされているか又は部分的に浸漬されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項17】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、大きなフローの変化を生成することなしに前記水塊の前記底部に前記第2バリア要素SBE(2b)を係留する底部係留手段(2f)を有し、且つ、前記底部係留手段(2f)は、テザー組立体、ストリング、コード、チェーン、ポール、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、ネッティング材料、及びこれらの組合せを含み、これは、固定された支持部、ドック、又はこれらの組合せを通じて前記水塊の前記底部に固定され得る請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項18】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、前記底部に完全に又は部分的に埋め込まれており、且つ、前記SBEを通じた又は前記SBE(2d)の下方における前記水のフローを促進するための穿孔を有する材料及び要素を含む請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項19】
浮力手段(2e)は、その望ましい位置において前記SBEを維持しており、且つ、前記部分的に閉じ込められたゾーンの限度、前記水泳及び水浴ゾーンの限度を前記水塊内の水泳者及び水浴者に通知するための浮力ラインとして、或いは、必要とされる任意の境界を定めるラインとして、機能している請求項17に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項20】
前記FBE及びSBEは、好ましくは、前記FBE及びSBEとの接触状態にある前記水の閉じ込めを許容する材料を有するか又はこれから製造されており、且つ、前記FBE及びSBEは、部分的に閉じ込められる対象の前記水塊内の前記水の密度に近接した密度を有する任意の適切な材料から製造されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項21】
前記FBE及びSBEは、中空の又は充填された内部を有する軽量材料を含む材料と、好ましくは前記水中における直立向きにおける前記要素の維持を促進するための位置において前記中空の又は充填された内部の内側及び/又は外側に配置された錘と、好ましくは隣接するバリア要素がエンドツーエンドで接続されることを許容する反対端部における結合要素と、から構築されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項22】
前記FBE及びSBEは、限定を伴うことなしに、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びこれらの混合体を含む材料から構築されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項23】
前記FBE及びSBEは、絶縁特性を有していない材料から製造されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項24】
前記FBE及びSBEは、コンクリート、セメント、又はこれらの組合せなどの相対的に大きな重量又は高密度の材料を使用して構築されている請求項1に記載の水塊の部分的閉じ込め用システム。
【請求項25】
相対的に大きな水塊(1)内において部分的に閉じ込められた加熱されたゾーン(3)を生成する局所化された加熱システムであって、
a)実質的に上向きの位置において前記水塊(1)の底部(4)から位置決めされる第1バリア要素FBE(2a)であって、このような第1バリア要素が位置決めされている前記水塊(1)の水深の最大で約95%の垂直方向長さを有する第1バリア要素(2a)と、
b)実質的に下向きの位置において前記水塊(1)の表面(6)から位置決めされる第2バリア要素SBE(2b)であって、前記第2バリア要素(2b)は、このような第2バリアユニットが位置決めされている前記水塊(1)の水深の最大で95%の浸漬深さを有し、前記第1及び第2バリア要素は、オーバーラップ長さ(OL)を形成しており、且つ、前記第2バリアユニット(2b)は、前記第1バリア要素(2a)から水平方向距離(HD)において配置され、この結果、遷移ゾーン(4)が生成されており、且つ、前記水平方向距離(HD)はゼロ超である、第2バリア要素(2b)と、
c)前記水塊(1)から水を引き出すための少なくとも1つの水取入れポイント(9)と、
d)前記部分的に閉じ込められたゾーン(3)内に加熱水を放出するための少なくとも1つの加熱水放出ポイント(8)と、
e)前記水取入れポイント(9)から引き出された水フローの温度を増大させるように、且つ、次いで、少なくとも1つの加熱水放出ポイント(8)を通じて前記部分的に閉じ込められたゾーン(3)に前記加熱された水フローを戻すように、構成された少なくとも1つの加熱システム(7)と、
を有するシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの水引出しポイント(9)は、前記部分的に閉じ込められた加熱されたゾーン(3)から水を引き出している請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項27】
前記水塊は、少なくとも5000m、更に好ましくは少なくとも10000m、場合によっては更に好ましくは少なくとも30000m、並びに、最も好ましくは50000m、の表面を有する請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項28】
前記FBE(2a)は、このような第1バリア要素(2a)が位置決めされている前記水塊の前記深さの最大で約85%、約75%、又は約65%の垂直方向長さを有し、且つ、前記FBE(2a)は、これが位置決めされている前記水塊の前記水深の好ましくは少なくとも20%、又は少なくとも35%、又は少なくとも50%、の垂直方向長さを有する請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項29】
前記SBE(2b)は、このような第2バリア要素(2b)が位置決めされている前記水塊の前記深さの最大で約85%、75%、又は65%の浸漬深さを有し、且つ、前記FBE(2a)は、これが位置決めされている前記水塊の前記水深の好ましくは少なくとも20%、又は少なくとも35%、又は少なくとも50%の浸漬深さ(SD)を有する請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項30】
前記システムは、海、湖、潟、貯水池、河口、及び/又は池のような天然水塊内において使用するのに適しており、且つ/又は、前記システムは、最近の技術によって構築された高透明度の人造潟などの人造水施設内において使用するのに適している請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項31】
前記第1及び第2バリア要素は、0%~30%のスロープが存在するゾーン内において前記水塊の記エッジに装着又は付着されている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項32】
前記第1及び第2バリア要素は、前記水塊の壁に装着又は付着されている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項33】
前記第1及び第2バリア要素は、前記水塊の前記エッジから少なくとも5mの距離において前記水塊内において位置決めされている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項34】
前記第1及び第2バリア要素は、前記部分的に閉じ込められたエリアが少なくとも100mの容積を有するように前記水塊内において位置決めされている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項35】
前記加熱システム(7)は、少なくともヒートポンプを有する請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項36】
前記加熱システム(7)は、少なくとも熱交換器を有する請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項37】
前記熱交換機は、油、電気、ガス、又は炭素エネルギーソースなどのエネルギー生成ソースからのエネルギーを使用している請求項35に記載の局所化された加熱システム。
【請求項38】
前記水平方向距離(HD)は、前記第1及び第2バリア要素の間の前記オーバーラップ長さ(OL)以下である請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項39】
前記水平方向距離(HD)及び前記オーバーラップ長さ(OL)は、約1:1又は約2:3又は約4:5又は約1:3又は約1:2の比率を有する請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項40】
前記水平方向距離(HD)は、前記第1バリア要素(2a)から少なくとも20cmであり、且つ、前記オーバーラップ長さ(OL)は、少なくとも20cmである請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項41】
前記水平方向距離(HD)の変動を引き下げるために前記FBE及び前記SBEを互いに接続する接続手段(12)を更に有し、前記接続手段(12)は、前記2つのバリア要素を接続しており、且つ、前記遷移ゾーン内において大きなフローの変化を生成していない請求項24に記載の局所化された加熱システム。
【請求項42】
前記接続手段(12)は、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、チェーン、ポール、ロッド、セパレータ、及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項43】
前記接続手段は、前記少なくとも2つのバリアに沿った少なくとも1つのポイントの全体にわたって位置決めされており、且つ、前記接続手段は、少なくとも前記平均水平方向距離(HD)である距離にて互いの間において位置決めされている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項44】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、前記水塊の前記底部に固定される底部付着手段2gを有し、前記付着手段は、ファスナ、ねじ、ボルト、ヒンジ、ジョイント、溶接、シーム、ウェビング、接着剤、ストリップ、テープ、及びこれらの組合せを有する群から選択されており、且つ、好ましくは、前記付着手段は、前記水塊の前記底部と前記第1バリア要素FBE(2a)の間において封止を生成している請求項24に記載の局所化された加熱システム。
【請求項45】
前記底部付着手段(2g)は、前記バリア要素を後退させるためのヒンジメカニズムを有する請求項44に記載の局所化された加熱システム。
【請求項46】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、錘を通じて前記底部に付着及び/又は係留されているか又は前記底部に埋め込まれている請求項44に記載の局所化された加熱システム。
【請求項47】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、直立位置を維持するように前記FBE(2a)を促進するための且つ前記FBE(2a)を一側部から別のものにプッシュし得る水流の前記影響を引き下げるための浮力手段(2d)を有し、浮力手段は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項44に記載の局所化された加熱システム。
【請求項48】
前記第1バリア要素FBE(2a)は、前記FBE(2a)の上部部分を浮力手段(2d)に接続する表面接続手段(2c)を有し、これらは、ストリング、コード、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、テザー組立体、及びこれらの組合せから選択されている請求項47に記載の局所化された加熱システム。
【請求項49】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、その上部部分に付着された浮力手段を有し、前記浮力手段は、ブイ及び浮揚ライン及びこれらの組合せを有する群から選択されている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項50】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、大きなフローの変化を生成することなしに前記第2バリア要素SBE(2b)を前記水塊の前記底部に係留する底部係留手段(2f)を有する請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項51】
底部係留手段(2f)は、テザー組立体、ストリング、コード、チェーン、ポール、スプリング、スナップライン、ロッド、セパレータ、ネッティング材料、及びこれらの組合せを含み、これらは、固定された支持部、ドック、又はこれらの組合せを通じて前記水塊の前記底部に固定され得る請求項50に記載の局所化された加熱システム。
【請求項52】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、前記底部に完全に又は部分的に埋め込まれており、且つ、前記SBEを通じた又は前記SBE(2d)の下方における前記水の流れを促進するための穿孔を有する材料又は要素を含む請求項50に記載の局所化された加熱システム。
【請求項53】
前記第2バリア要素SBE(2b)は、その上部部分に付着された浮力手段(2e)を有し、前記浮力手段(2e)は、1つ又は複数のブイ、浮揚ライン、従来のフローティング手段、及びこれらの組合せを有する群から選択されており、且つ、前記浮力手段は、前記水の前記表面の上方において又は前記水の前記表面の下方において位置決めされているか又は部分的に浸漬されている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項54】
浮力手段(2e)は、その望ましい位置において前記SBEを維持するための手段のみならず、前記部分的に閉じ込められたゾーンの限度、前記水泳及び水浴ゾーンの限度を前記水塊内の水泳者又は水浴者に通知するための浮力ラインとして、或いは、必要とされる任意の境界を定めるラインとして機能するための手段として機能している請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項55】
前記FBE及びSBEは、好ましくは、前記FBE及びSBEとの接触状態にある前記水の閉じ込めを許容する材料を有するか又はこれから製造されている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項56】
前記FBE及びSBEは、部分的に閉じ込められる対象の前記潟内の前記水の密度に近接した密度を有する任意の適切な材料から製造されている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項57】
前記FBE及びSBEは、限定を伴うことなしに、中空の又は充填された内部のどちらかを有する軽量材料と、好ましくは前記水中における直立向きにおける前記要素の維持を促進するための位置において前記中空の又は充填された内部の内側及び/又は外側に配置された錘と、好ましくは隣接するバリア要素がエンドツーエンドで接続されることを許容する反対端部における結合要素と、を含むように構築され得る請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項58】
前記FBE及びSBEは、限定を伴うことなしに、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びこれらの混合物を含むように構築され得る請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項59】
前記FBE及びSBEは、必ずしも絶縁プロパティを有する必要がない材料から製造されている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【請求項60】
前記少なくとも1つの加熱システム(7)は、少なくとも約1℃又は少なくとも約3℃だけ、前記引き出された水フローの前記温度を増大させている請求項25に記載の局所化された加熱システム。
【国際調査報告】