(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】周期的流れ装置
(51)【国際特許分類】
F04B 9/02 20060101AFI20240214BHJP
G01N 15/08 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
F04B9/02 A
G01N15/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540586
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 US2022014244
(87)【国際公開番号】W WO2022165131
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス, クレントン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】サブストロム, ジェイコブ シー.
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン, ケリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ, デレク オー.
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075AA01
3H075BB03
3H075CC12
3H075DA03
3H075DA04
3H075DA21
3H075DB01
3H075DB22
(57)【要約】
本明細書に開示される技術と一致する周期的流れ装置は、液体流回路にシール可能に結合するように構成される。周期的流れ装置は、フィルタ媒体ホルダを通る液体の流速を変化させるように構成される。様々な実施形態において、周期的流れ装置は、液体流回路の一部を通る液体の流速を変化させるように構成される。周期的流れ装置は、フィルタ媒体ホルダを通る液体流回路内の液体の流速を周期的に変化させるように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可変容積、及び前記第1の可変容積に延びる第1の流れ開口部を有するハウジングであって、前記第1の可変容積を画定する可動側壁を備え、前記第1の流れ開口部の周囲の第1の導管結合構造を備える、ハウジングと、
前記可動側壁に固定されたリニアアクチュエータと
を備える周期的流れ装置。
【請求項2】
前記可動側壁がピストンである、請求項1及び3~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項3】
前記リニアアクチュエータ及び前記可動側壁が、液体流回路内の液体の流速を変化させるように構成される、請求項1~2及び4~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項4】
前記第1の導管結合構造が、液体流回路にシール可能に結合するように構成される、請求項1~3及び5~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項5】
前記ピストンが、前記第1の可変容積と流体連通する流路を画定する媒体開口部を有する、請求項1~4及び6~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項6】
前記ピストンが、前記媒体開口部の周囲の媒体結合構造を備える、請求項1~5及び7~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項7】
前記ピストンが、前記第1の可変容積を横切って前記ハウジングと流体シールを形成する、請求項1~6及び8~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項8】
前記第1の流れ開口部が流れ入口及び流れ出口である、請求項1~7及び9~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項9】
前記第1の流れ開口部が流れ入口であり、前記第1の流れ開口部が流れ出口でない、請求項1~8及び10~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項10】
前記ハウジングが相補的な可変容積を有し、前記可動側壁が前記相補的な可変容積を画定する、請求項1~9及び11~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項11】
前記ハウジングが、前記相補的な可変容積に延びる第2の流れ開口部を有する、請求項1~10及び12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項12】
前記周期的流れ装置が後付けデバイスである、請求項1~11のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項13】
流れ入口、流れ出口、及び前記流れ入口から前記流れ出口まで軸方向に延びるキャビティを有するハウジングと、
前記キャビティを横切って配置され、前記ハウジングとシールを形成するピストンであって、前記キャビティに沿って軸方向に直線的に並進可能であり、前記キャビティと流体連通する軸方向に延びる媒体開口部を画定する、ピストンと
を備える周期的流れ装置。
【請求項14】
前記ピストンに結合されたアクチュエータをさらに備える、請求項13及び15~17のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項15】
前記アクチュエータが、前記キャビティ内の第1の位置と第2の位置との間で前記ピストンを周期的に並進させるように構成される、請求項13~14及び16~17のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項16】
前記第1の位置が前記キャビティの第1の端部の方にあり、前記第2の位置が前記キャビティの第2の端部の方にある、請求項13~15及び17のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項17】
前記ピストンが、前記媒体開口部の周囲の媒体結合構造を画定する、請求項13~16のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【請求項18】
第1の流れ開口部を画定する第1の可変容積及び前記第1の流れ開口部の周囲の導管結合構造を有するハウジングであって、前記導管結合構造は液体流回路に取り外し可能に結合するように構成されている、ハウジングと、
前記ハウジングと動作可能に連通するアクチュエータであって、前記ハウジングに、周期的に、前記液体流回路内の液体を前記第1の可変容積内に蓄積させ、前記第1の可変容積から前記液体流回路に液体を放出させるように構成される、アクチュエータと
を備える周期的流れ装置。
【請求項19】
第1の可変容積及び相補的な可変容積を画定するハウジングであって、固定容積を有する外側ケーシング、及び前記ケーシング内に配置されたブラダを備え、前記ブラダは、前記第1の可変容積、前記第1の可変容積に延びるブラダ入口、及び前記第1の可変容積から延びるブラダ出口を画定し、前記相補的な可変容積が、前記ブラダと前記ケーシングとの間に画定され、前記ケーシングがケーシング入口及びケーシング出口を画定する、ハウジングと、
前記ブラダ出口に動作可能に結合された流れ制御弁と、
前記流れ制御弁に動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記流れ制御弁を制限位置と開放位置との間で揺動するように構成された、アクチュエータと
を備える周期的流れ装置。
【請求項20】
第1の可変容積及び前記第1の可変容積に延びる第1の流れ開口部を画定するハウジングであって、前記第1の可変容積を画定する可動側壁を備える、ハウジングと、
前記可動側壁に動作可能に結合されたアクチュエータと、
液体の流速を感知するように構成された流れセンサと、
前記流れセンサとデータ通信し、前記アクチュエータと動作可能に通信するコントローラであって、前記流れセンサに対する液体の流速を定めるように前記アクチュエータを操作するように構成された、コントローラと
を備える周期的流れ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年1月29日に提出された米国仮特許出願第63/143,174号明細書の利益を主張するものであり、その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して流れ装置に関する。より詳細には、本開示は周期的流れ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
濾過媒体の開発において、濾過媒体の効力を試験するのに役立つ流体流試験台がしばしば採用される。試験台は一般に、流体が圧送される閉じた液体流回路を画定する。濾過媒体は通常、圧送された流体が濾過媒体を通過するように、試験台の液体流回路内に取り付けられる。流体は多くの場合、濾過媒体の上流で1種又は複数種の汚染物質を添加され、汚染物質を分離する濾過媒体の有効性は、効率、圧力損失、捕集能力などを含む様々なパラメータに基づいて定量化することができる。
【0004】
通常、試験台の流体は、一定の流量で液体流回路を通して圧送される。しかし、濾過媒体の多くの現実の実装では、流量は使用中に変動する。このような流量の変動は濾材の性能に影響を与える。そのため、可変流量条件下でフィルタ媒体を試験する能力を有することに一般的な関心が集まっている。試験台内で流体流の流量を周期的に変化させる試験台が開発されているが、このような試験台は比較的大型で複雑であり、コストが高くつく可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載の周期的流れ装置は、液体流回路の少なくとも一部を通して変化する流量を達成するために、液体流回路に沿って設置されるように構成される。周期的流れ装置は、液体流回路の構成要素とすることもできるし、既存の液体流回路に設置されるように構成された後付けデバイスとすることもできる。後者の場合、既存の液体流回路は一定の流量を有するように設計することができ、周期的流れ装置は、一定の流量ではなく変化する流量を有するように液体流回路を修正する後付けデバイスとすることができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、現在の技術は、周期的流れ装置に関する。ハウジングは、第1の可変容積と第1の流れ開口部とを有する。第1の流れ開口部は、第1の可変容積に延びている。ハウジングは、第1の可変容積を画定する可動側壁を有する。第1の流れ開口部の周囲には第1の導管結合構造がある。リニアアクチュエータが可動側壁に固定される。
【0007】
いくつかのそのような実施形態において、可動側壁はピストンである。追加的又は代替的に、リニアアクチュエータ及び可動側壁は、液体流回路内の液体の流速を変化させるように構成されている。追加的又は代替的に、第1の導管結合構造は、液体流回路にシール可能に結合するように構成される。追加的又は代替的に、ピストンは、第1の可変容積と流体連通する流路を画定する媒体開口部を有する。追加的又は代替的に、ピストンは、媒体開口部の周囲に媒体結合構造を備える。追加的又は代替的に、ピストンは、第1の可変容積を横切ってハウジングと流体シールを形成する。追加的又は代替的に、第1の流れ開口部は、流れ入口及び流れ出口である。追加的又は代替的に、第1の流れ開口部は流れ入口であり、第1の流れ開口部は流れ出口ではない。追加的又は代替的に、ハウジングは相補的な可変容積を有し、可動側壁は相補的な可変容積を画定する。追加的又は代替的に、ハウジングは、相補的な可変容積に延びる第2の流れ開口部を有する。追加的又は代替的に、周期的流れ装置は後付けデバイスである。
【0008】
現在の技術のいくつかの例は、ハウジングとピストンを有する周期的流れ装置に関する。ハウジングは、流れ入口と、流れ出口と、流れ入口から流れ出口まで軸方向に延びるキャビティとを有する。ピストンはキャビティを横切って配置され、ハウジングとシールを形成する。ピストンはキャビティに沿って軸方向に直線的に並進可能である。ピストンは、キャビティと流体連通する軸方向に延びる媒体開口部を画定する。
【0009】
いくつかのそのような実施形態において、装置は、ピストンに並進可能に結合されたアクチュエータを有する。追加的又は代替的に、アクチュエータは、キャビティ内の第1の位置と第2の位置との間でピストンを周期的に並進させるように構成される。追加的又は代替的に、第1の位置はキャビティの第1の端部の方にあり、第2の位置はキャビティの第2の端部の方にある。追加的又は代替的に、ピストンは、媒体開口部の周囲に媒体結合構造を画定する。
【0010】
現在の技術のさらに他の例は、周期的流れ装置に関する。ハウジングは、第1の流れ開口部を画定する第1の可変容積と、第1の流れ開口部の周囲の導管結合構造とを有する。導管結合構造は、液体流回路に取り外し可能に結合するように構成されている。アクチュエータがハウジングと動作可能に連通している。アクチュエータは、ハウジングに、周囲的に、液体流回路内の液体を第1の可変容積に蓄積させ、液体を第1の可変容積から液体流回路に放出させるように構成される。
【0011】
いくつかのそのような実施形態において、装置は、第1の流れ開口部に配置された流れセンサと、アクチュエータに結合されたコントローラとを有する。コントローラは、流れセンサとデータ通信している。追加的又は代替的に、ハウジングはシリンダである。追加的又は代替的に、システムはシリンダ内に並進可能に配置されたピストンを有し、第1の可変容積はシリンダとピストンによって画定される。追加的又は代替的に、相補的な可変容積がシリンダとピストンによって画定され、シリンダは相補的な可変容積に延びる第2の流れ開口部を画定する。追加的又は代替的に、第1の可変容積はブラダである。追加的又は代替的に、第1の流れ開口部は、流れ入口及び流れ出口である。追加的又は代替的に、第1の流れ開口部は流れ入口であり、第1の流れ開口部は流れ出口ではない。追加的又は代替的に、周期的流れ装置は後付けデバイスである。
【0012】
さらに他の例示的な実施形態において、現在の技術は、第1の可変容積と相補的な可変容積とを画定するハウジングを有する周期的流れ装置に関する。ハウジングは、固定容積を有する外側ケーシングを有する。ブラダがケーシング内に配置されている。ブラダは第1の可変容積を画定する。ブラダ入口は第1の可変容積に延び、ブラダ出口は第1の可変容積から延びる。相補的な可変容積は、ブラダとケーシングとの間に画定される。ケーシングは、ケーシング入口とケーシング出口を画定する。流れ制御弁がブラダ出口に動作可能に結合されている。アクチュエータが流れ制御弁に動作可能に結合されている。アクチュエータは、流れ制御弁を制限位置と開放位置との間で揺動するように構成されている。
【0013】
いくつかのそのような実施形態において、ブラダ入口とケーシング入口は、ハウジングの反対側の軸方向端部にある。追加的又は代替的に、流れセンサがブラダ出口に隣接して位置決めされ、コントローラがアクチュエータに結合され、コントローラが流れセンサとデータ通信する。追加的又は代替的に、装置は、ブラダ出口の周囲に第1の導管結合構造、ケーシング出口の周囲に第2の導管結合構造、ブラダ入口の周囲に第3の導管結合構造、及びケーシング入口の周囲に第4の導管結合構造を有し、各導管結合構造は、液体流回路に結合されるように構成される。追加的又は代替的に、アクチュエータは、ブラダに周期的に液体を蓄積及び放出させるように構成される。追加的又は代替的に、周期的流れ装置は後付けデバイスである。
【0014】
現在の技術のいくつかの実施形態は、第1の可変容積と、第1の可変容積に延びる第1の流れ開口部とを画定するハウジングを有する周期的流れ装置に関する。ハウジングは、第1の可変容積を画定する可動側壁を有する。アクチュエータが可動側壁に動作可能に結合されている。流れセンサが液体の流速を感知するように構成されている。コントローラは、流れセンサとデータ通信しており、アクチュエータと動作可能に通信している。コントローラは、流れセンサに対する液体の流速を定めるようにアクチュエータを操作するように構成されている。
【0015】
そのようないくつかの実施形態において、可動側壁はピストンを含む。追加的又は代替的に、ピストンは開口部及び開口部の周囲の媒体結合構造を画定する。追加的又は代替的に、流れセンサはピストン上に配置される。追加的又は代替的に、流れセンサは、第1の流れ開口部に隣接して配置される。追加的又は代替的に、アクチュエータはリニアアクチュエータである。追加的又は代替的に、アクチュエータは流れ制御弁を操作するように構成されている。追加的又は代替的に、ハウジングは、第1の流れ開口部の周囲の第1の導管結合構造を有し、第1の導管結合構造は、液体流回路にシール可能に結合するように構成される。追加的又は代替的に、第1の流れ開口部は、流れ入口及び流れ出口である。追加的又は代替的に、第1の流れ開口部は流れ入口であり、第1の流れ開口部は流れ出口ではない。追加的又は代替的に、ハウジングは相補的な可変容積を有し、可動側壁は相補的な可変容積を画定する。追加的又は代替的に、ハウジングは相補的な可変容積に延びる第2の流れ開口部を有する。
【0016】
上記の概要は、各実施形態又はすべての実施形態を記載することを意図していない。むしろ、説明に役立つ実施形態のより完全な理解は、添付された図面の図を考慮して、以下の例示的な実施形態の詳細な記載及び特許請求の範囲を参照することによって明らかになり、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】現在の技術の例示的な実施態様と一致する例示的な試験台の概略フロー図である。
【
図2】現在の技術の別の例示的な実施態様と一致する別の例示的な試験台の概略フロー図である。
【
図3】例示的な周期的流れ装置の概略断面図である。
【
図4】別の例示的な周期的流れ装置の概略断面図である。
【
図5】さらに別の例示的な周期的流れ装置の概略断面図である。
【
図6】さらに別の例示的な周期的流れ装置の概略断面図である。
【
図7】代替の例示的な可変容積ハウジングの概略断面図である。
【
図8】さらに別の例示的な周期的流れ装置の概略断面図である。
【
図9】さらに別の例示的な周期的流れ装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本技術は、添付の図面に関連する様々な実施形態の以下の詳細な記載を考慮することにより、より完全に理解され、認識され得る。
【0019】
図は、主として明瞭にするために描かれており、その結果、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。さらに、留め具、電気構成要素(配線、ケーブル等)などを含むがこれらに限定されない様々な構造/構成要素は、描かれた実施形態の態様をより良く説明するために、又はそのような構造/構成要素を含めることが本明細書に記載される様々な例示的実施形態の理解に必要でない場合に、図式的に示されるか、又はいくつかの図若しくはすべての図から削除されることがある。しかしながら、特定の図におけるそのような構造/構成要素の図示/記載の欠如は、様々な実施形態の範囲をいかなる意味においても限定するものとして解釈されるものではない。
【0020】
本明細書に開示された技術と一致する周期的流れ装置は、様々な異なる構成を有することができる。周期的流れ装置は、一般に、フィルタ媒体ホルダを通る液体の流速を変化させるように構成される。様々な実施形態において、周期的流れ装置は、液体流回路の一部を通る液体の流速を変化させるように構成される。周期的流れ装置は、フィルタ媒体ホルダを通る液体流回路内の液体の流速を周期的に変化させるように構成され得る。フィルタ媒体ホルダを通る流速のこのような周期性は、有利には、フィルタ媒体の実際の動作環境をより忠実に表現する媒体試験環境を提供することができる。「周期的流れ」とは、一般に、時間の経過とともに繰り返しパターンで変動する流量として定義される。
【0021】
周期的流れ装置は、既存の液体流回路にシール可能に結合するように構成された後付けデバイス、又は液体流回路の一体構成要素とすることができる。周期的流れ装置が後付けデバイスである場合、周期的流れ装置は既存の液体流回路に設置されるように構成される。既存の液体流回路は一定の流量を有するように構成され得、周期的流れ装置は、液体流回路を一定の流量ではなく変化する流量を有するように修正する後付けデバイスとすることができる。本明細書で定義する際「後付けデバイス」とは、既存のシステムに追加してシステムを修正するように構成された付属構成要素のことである。様々な実施形態において、周期的流れ装置は、液体流回路の一部を通して周期的流れ状態を示すように一定流量の液体流回路を修正するように構成された後付けデバイスである。
【0022】
図1は、現在の技術の様々な実施態様と一致する第1の例示的な液体流回路10の概略フロー図である。液体流回路10は、様々な実施形態において、マルチパスフィルタ媒体試験台と一致している。液体流回路10は、一般に、流体リザーバ20からフィルタ媒体ホルダ30まで延びる入口ライン12を有する。流体リザーバ20は、一般に、液体流回路10を通過する液体を収容するように構成されている。液体は、例として、水、作動液、燃料、及び油とすることができる。汚染物質インジェクタ22は、一般に液体リザーバ20と流体連通している。汚染物質インジェクタ22は、汚染物質を流体リザーバ20に注入するように構成されている。様々な実施形態において、汚染物質インジェクタ22は、連続的な量で流体リザーバ20に汚染物質を注入するように構成される。汚染物質は、例えば、試験ダストであり得る。
【0023】
液体流回路10の入口ライン12に沿って様々な構成要素を配置することができる。例えば、ポンプ40を入口ライン12に流体的に結合することができる。ポンプ40は、液体流を液体流回路10の周りに誘い出すように構成され得る。様々な実施形態において、ポンプ40は、特定の液体流量で液体流回路10の周りに液体流を誘い出すように構成される。様々な実施形態において、特定の液体流量は、ポンプ40と動作可能に通信しているユーザインターフェースを介してなど、ユーザによって選択可能である。
【0024】
フィルタ媒体ホルダ30は一般に入口ライン12を横切って配置される。フィルタ媒体ホルダ30は、液体流回路10内の液体の濾過経路である開口部を画定する。フィルタ媒体ホルダ30は、一般に、液体流回路10内の液体がフィルタ媒体を通過するように、開口部の周囲でフィルタ媒体を固定するように構成される。出口ライン14は、フィルタ媒体ホルダ30から液体リザーバ20まで延び、出口ライン14は、液体がその後、試験が停止するまで繰り返し液体流回路を通って循環されるときに、フィルタ媒体ホルダ30から液体リザーバ20への液体流を収容するように構成される。様々な追加及び代替の構成要素を出口ライン14に沿って配置することができる。
【0025】
圧力センサ50は、一般に、媒体ホルダ30を横切る差圧を感知するように構成される。特に、圧力センサ50は、媒体ホルダ30の上流側の液圧を測定するように構成された第1のセンサ52を有することができ、圧力センサ50は、媒体ホルダ30の下流側の液圧を測定するように構成された第2のセンサ54を有することができる。いくつかの試験手順によれば、フィルタ媒体の試験は、圧力センサ50が媒体ホルダ30を横切る(したがって、媒体ホルダ30に取り付けられたフィルタ媒体を横切る)閾値差圧を感知した時点で終了する。
【0026】
液体流回路10は、上流粒子カウンタ60と下流粒子カウンタ62とを有する。上流粒子カウンタ60は、媒体ホルダ30の上流側に液体流回路10に沿って位置決めされる。下流粒子カウンタ62は、媒体ホルダ30の下流側に液体流回路10に沿って位置決めされる。粒子カウンタ60、62は、当該技術分野で公知の粒子カウンタと一致し得る。
【0027】
液体流回路10を通る液体の流量を監視するように構成された流れセンサ70が、一般に液体流回路10に沿って位置決めされる。いくつかの実施形態において、流れセンサ70は、ユーザに流量を報告するためにユーザインターフェースと通信状態にある。いくつかの実施形態において、流れセンサ70は、一定の流量が達成されることを保証するためにポンプ40と動作可能に通信するコントローラとデータ通信状態にある。いくつかのそのような実施形態では、流れセンサ70はまた、ユーザに流量を報告するためにユーザインターフェースとデータ通信状態にあることができる。
【0028】
図2は、現行技術の別の例示的な実施態様と一致する別の例示的な試験台の概略フロー図である。液体流回路11は、様々な実施形態において、シングルパスフィルタ媒体試験台と一致している。液体流回路11は、一般に、流体リザーバ21とフィルタ媒体ホルダ31との間に延びるシングルパス流路15を画定する。より詳細には、シングルパス流路15は、流体リザーバ21を有する再循環流路13からフィルタ媒体ホルダ31を通ってドレンタンク23まで延びている。シングルパス流路15は、再循環流路13からフィルタ媒体ホルダ31まで延びる入口ライン12と、フィルタ媒体ホルダ31からドレンタンク23まで延びる出口ライン14とを有する。
【0029】
流体リザーバ21は、一般に、シングルパス流路15を通過する液体を収容するように構成される。液体は、例として、水、作動液、燃料、及び油とすることができる。現在の例では、液体は試験ダストなどの汚染物質を含んでおり、液体と汚染物質の混合物は、リザーバ21内での汚染物質の沈殿を防ぐために、再循環ポンプ42で再循環流路13を通って再循環される。
【0030】
シングルパス流路15に沿って様々な構成要素を配置することができる。サンプルポンプ41をシングルパス流路15に流体的に結合することができる。サンプルポンプ41は、シングルパス流路15を通る液体流を誘い出すように構成することができる。様々な実施形態において、サンプルポンプ41は、特定の液体流量でシングルパス流路を通る液体流を誘い出すように構成される。様々な実施形態において、特定の液体流量は、サンプルポンプ41と動作可能に通信しているユーザインターフェースを介してなど、ユーザによって選択可能である。
【0031】
フィルタ媒体ホルダ31は、一般に、シングルパス流路15を横切って配置される。フィルタ媒体ホルダ31は、シングルパス流路15内の液体の濾過経路である開口部を画定する。フィルタ媒体ホルダ31は、一般に、シングルパス流路15内の液体がフィルタ媒体を通過するように、開口部の周囲でフィルタ媒体を固定するように構成されている。シングルパス流路15は、フィルタ媒体ホルダ31からドレンタンク23まで延びており、ここに(フィルタ媒体ホルダ31上の)フィルタ媒体によって濾過された液体が保持される。
【0032】
圧力センサ51は、一般に、媒体ホルダ31を横切る差圧を感知するように構成される。圧力センサ51は、媒体ホルダ31の上流側に液圧センサがあり、媒体ホルダ31の下流側に別の液圧センサがある、
図1に描かれているものと同様の構成を有することができる。シングルパス流路15はまた、当該技術分野で公知の粒子カウンタと一致する上流粒子カウンタ61及び下流粒子カウンタ63を有することができる。
【0033】
一般に、シングルパス流路15を通る液体の流量を監視するように構成された流れセンサ71が、シングルパス流路15に沿って位置決めされる。いくつかの実施形態において、流れセンサ71は、ユーザに流量を報告するためにユーザインターフェースと通信状態にある。いくつかの実施形態において、流れセンサ71は、一定の流量が達成されることを保証するためにサンプルポンプ41と動作可能に通信状態にあるコントローラとデータ通信状態にある。流れセンサ71はまた、ユーザに流量を報告するためにユーザインターフェースとデータ通信状態にあることもできる。
【0034】
本明細書に記載の周期的流れ装置は、一般に、
図1及び2に描かれているものなどの液体流回路に設置することができ、液体流回路を通る液体流が、一定流量ではなく変化する流量を有することを可能にする。
【0035】
図3は、様々な実施形態と一致する例示的な周期的流れ装置100の1つの例示的な概略断面図を描いている。周期的流れ装置100は、第1の可変容積116を画定するハウジング110を有する。ハウジング110は、第1の可変容積116を画定する可動側壁124を有する。ハウジング110は、第1の可変容積116まで延びる第1の流れ開口部112を有する。
【0036】
周期的流れ装置100は、一般に、媒体ホルダ130を通る液体の流速を変化させるように構成されている。周期的流れ装置100は、媒体ホルダ130を通る周期的な液体流の状態を作り出すように構成され得る。様々な実施形態において、周期的流れ装置100は、媒体ホルダ130を通る液体の流速を周期的に変化させるように構成される。
【0037】
ハウジング110は、一般に、第1の流れ開口部112、第2の流れ開口部114、及び第1の流れ開口部112から第2の流れ開口部114まで延びるキャビティ111を有する。第1の流れ開口部112及び第2の流れ開口部114は、ハウジング110の軸方向の反対側の端部に画定される。第1の流れ開口部112は、様々な実施形態において流れ入口とすることができる。第2の流れ開口部114は、様々な実施形態において流れ出口とすることができる。様々な実施形態において、第1の流れ開口部112は流れ入口のみであり、流れ出口ではない。
【0038】
可動側壁124は、キャビティ111を横切って配置されるピストン124である。ピストン124はハウジング110の内面と流体シールを形成する。ピストン124は、キャビティ111に沿って軸方向に概ね直線的に並進可能である。このように、キャビティ111内のピストン124の位置は、第1の可変容積116の容積と、ピストン124の反対側の相補的な可変容積118の容積とを規定する。第1の流れ開口部112は、第1の可変容積116まで延びている。第2の流れ開口部114は相補的な可変容積118まで延びている。
【0039】
ピストン124は、一般に試験用の濾過媒体を保持するように構成された媒体ホルダ130を有する。媒体ホルダ130は、一般にフィルタ媒体をピストン124に固定するように構成された媒体結合構造131を有する。媒体結合構造131は、フィルタ媒体の縁部の周囲にシールを形成して、流体流を媒体を通して誘導するように構成される。媒体結合構造131は、例えば、クランプであり得る。媒体ホルダ130は、ピストン124を通って軸方向に延びる開口部である媒体開口部132を画定する。媒体開口部132は、キャビティ111と流体連通している。媒体開口部132は、第1の可変容積116と相補的な可変容積118との間の流路を画定する。媒体結合構造131は、媒体結合構造131に結合されたフィルタ媒体が媒体開口部132を横切って延びるように、媒体開口部132を概ね取り囲む。媒体開口部132は、第1の可変容積116から相補的な可変容積118まで延びる。
【0040】
いくつかの実施形態において、媒体開口部132は、累積的に媒体開口部132を画定する、可動側壁124を貫通する複数の離散的な開口部である。このような構成は、媒体開口部132を横切って媒体に構造的支持を有利に提供する。いくつかの他の実施形態では、金網スクリーンなどの支持スクリーンが、媒体開口部132を横切って可動側壁124に結合され、フィルタ媒体に支持を提供するように構成される。他の構成を使用することもできる。
【0041】
アクチュエータ120は、一般に、可動側壁124に動作可能に結合される。現在の例では、アクチュエータ120はシャフト122を介してピストン124に並進可能に結合されている。様々な実施形態において、アクチュエータ120は、ピストン124に固定されたリニアアクチュエータである。アクチュエータ120は、キャビティ111を通るピストン124の直線並進移動を作動させるように構成されている。より詳細には、アクチュエータ120は、キャビティ111内の第1の位置と第2の位置との間でピストン124を周期的に並進させるように構成されている。キャビティ111を通るピストン124の方向及び速度は、媒体開口部132を通る、より詳細には、ピストンの媒体ホルダ130に固定されるフィルタ媒体を通る流体流の方向、速度、又は方向と速度の両方を規定することができる。
【0042】
様々な実施態様において、周期的流れ装置100は、液体リザーバ(現在は描かれていない)に結合するように構成される。様々な実施態様において、周期的流れ装置100は、液体リザーバを組み込むことができる液体流回路10に結合するように構成され、液体流回路10の一部のみが現在描かれている。
図1を参照して上述したマルチパス液体流回路10に関連する要素番号が、本明細書における周期的流れ装置の考察において使用されるが、液体流回路は、
図2を参照して上述したシングルパス液体流回路11と一致し得ることが理解されよう。いくつかの実施形態において、周期的流れ装置100は、液体流回路10と一体である。しかしながら、いくつかの他の例では、周期的流れ装置100は、液体流回路10に結合されるように構成される。周期的流れ装置100は、第1の流路開口部112の周囲に第1の導管結合構造113を有する。第1の導管結合構造113は、第1の流れ開口部112が液体流回路10と直接流体連通するように、液体流回路10の入口ライン12などの流れラインにシール可能に結合するように構成される。様々な実施形態において、第1の導管結合構造113は、液体流回路10の入口ライン12に取り外し可能に結合するように構成される。第1の導管結合構造113は、当該技術分野において一般に知られているように、様々な異なる留め機構及び留め機構の組み合わせを使用することができる。
【0043】
周期的流れ装置100は、一般に、第2の流れ開口部114の周囲に第2の導管結合構造115を有する。第2の導管結合構造115は、第2の流れ開口部114が液体流回路10の出口ライン14と直接流体連通するように、液体流回路10の出口ライン14などの流れラインにシール可能に結合するように構成される。第2の導管結合構造115は、液体流回路10の出口ライン14に取り外し可能に結合するように構成される。第2の導管結合構造115は、当該技術分野において一般的に知られているように、様々な異なる留め機構及び留め機構の組み合わせを使用することができる。
【0044】
現在の例では、周期的流れ装置100は、一般に、液体流回路10内に設置されるように構成されている。いくつかの実施態様において、周期的流れ装置100は、液体流回路10の媒体ホルダ30に取って代わるように構成される。このように、液体流回路10の媒体ホルダ30は取り外すことができ、第1の導管結合構造113は液体流回路10の入口ライン12に結合され、第2の導管結合構造115は液体流回路10の出口ライン14に結合される。他のいくつかの実施形態において、周期的流れ装置100は、液体流回路と一体に構成される。すべてではないがいくつかのそのような実施形態において、周期的流れ装置100は、入口ライン12及び/又は出口ライン14がハウジング110と一体である場合、第1及び第2の導管結合構造113、115の一方又は両方を省略することができる。
【0045】
上述したように、周期的流れ装置100に結合される液体流回路10は、一定の体積流量で流れ回路を通して液体を循環させるように構成される。可動側壁124がキャビティ111内で静止しているとき、媒体開口部132を通過する(又は媒体開口部の周囲でピストン124に結合されたフィルタ媒体を通過する)液体の速度は一定であり、体積流量を媒体開口部132の流れ面積で割ったものに等しい。可動側壁124がキャビティ111を通って第2の流れ開口部114に向かって直線的に並進するとき、媒体開口部132を通過する液体の速度は、可動側壁124の直線速度によって減少する。可動側壁124がキャビティ111を通って第1の流れ開口部112に向かって直線的に並進するとき、媒体開口部132を通過する液体の速度は、可動側壁124の直線速度によって増加する。このようにして、媒体ホルダ130を通る流体速度を変化させることができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、装置100は、媒体ホルダ130を通る流体の流度又は流体の流量の一方又は両方を感知するように構成された液体流センサを組み込む。様々な他の実施形態において、装置100は液体流センサを組み込まず、処理システム142は、媒体ホルダ130を通る液体の流速及び/又は流量を計算するように構成され得る。このような計算は、一般に、上述したように、液体流回路10を通る流量及びピストン124の直線速度に基づく。処理システム142は、ユーザインターフェースを通じてユーザによって入力されたデータ、又は
図1及び2を参照して上述した液体流回路10の流れセンサ70、71から得られたデータのいずれかから液体流回路10の流量を得ることができる。いくつかのそのような例において、流れセンサ70、71は、流れ回路10、11(
図1及び2)の流れセンサ70、71から流量データを受信するように構成された処理システム142とデータ通信状態にある。処理システム142は、
図3ではコントローラ140とは別個のものとして描かれているが、いくつかの実施形態において、処理システム142はコントローラ140の構成要素である。
図3と一致するいくつかの実施形態において、処理システム142は、例えば、コントローラ140と通信するコンピュータであり得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、コントローラ140は、コントローラ140がアクチュエータを操作して(それによって可動側壁124を並進させて)媒体ホルダ130を通る液体流速条件を定めるように構成されるように、アクチュエータ120と動作可能に通信することができる。液体流速条件は、コンピュータ、ダイヤル、キーパッド、タッチスクリーン等などのユーザインターフェースを介して、ユーザがシステムに指定することができる。液体流速条件は、周期的流れ条件と一致させることができる。処理システム142は、指定された液体流速条件を達成するためにピストンの周期的速度を決定し、アクチュエータ120に制御信号を送信するように構成されたコントローラ140に動作命令を伝達するように構成され得る。様々な実施形態において、アクチュエータ120は、コントローラ140からの制御信号の受信に応答して周期的流れ条件を作動させるように構成される。
【0048】
いくつかの実施形態において、液体流回路10内の媒体ホルダ30、31を取り外すことは、圧力センサ50、51(
図1及び2)を取り外すことにもなり得る。このように、周期的流れ装置100は、装置100の可動側壁124の上流側に配置された第1の圧力センサ136を組み込むことができ、第2の圧力センサ138は、フィルタ媒体ホルダ130を横切って差圧を計算することができるように、可動側壁124の第2の側に配置される。いくつかの実施形態において、システムは、差圧データに基づいて媒体ホルダ130を通る液体の流速を計算するように構成され得る。
【0049】
本明細書に開示された技術と一致する、
図3に描かれた設計に対する様々な修正が存在し得る。現在の設計は、単一の流れ入口112及び単一の流れ出口114を有するが、いくつかの実施形態において、ハウジング110に対する複数の入口112及び複数の出口114が存在し得る。複数の流れ入口112及び複数の流れ出口114は、複数の方向からハウジング110に延びることができる。ハウジングに延びる複数の入口及びハウジングから延びる複数の入口は、例えば、流体の流速を変化させることができる速度を有利に増加させることができる。さらに、いくつかの実施形態において、流れ入口及び流れ出口は、描かれているような横方向ではなく、軸方向にハウジングから延びることができる。
【0050】
図4は、本明細書に開示された技術と一致する別の例示的な周期的流れ装置200の概略断面図である。周期的流れ装置200は、第1の可変容積216を画定するハウジング210を有する。ハウジング210は、第1の可変容積216を画定する可動側壁224を有する。ハウジング210は、第1の可変容積216まで延びる第1の流れ開口部212を有する。導管結合構造213が、第1の流れ開口部212の周囲に配置されている。導管結合構造213は、液体流回路10にシール可能に結合するように構成され、上述した導管結合構造と同様の構成を有することができる。現在の例では、導管結合構造213は、液体流回路10の入口ライン12に結合するように構成されている。しかしながら、いくつかの実施態様では、導管結合構造213は、液体流回路10の出口ライン14に結合するように構成され、本記載と一致して動作することが理解されるであろう。いくつかの他の実施形態において、周期的流れ装置200は、液体流回路10と一体であるように構成される。すべてではないがいくつかのそのような実施形態において、周期的流れ装置200は、液体流回路10がハウジング110と一体である場合、導管結合構造213を省略することができる。
【0051】
周期的流れ装置200は、媒体ホルダ30を通る液体の流速を変化させるように構成されている。周期的流れ装置200は、一般に、液体流回路10の媒体ホルダ30を通る液体の流速を調整するために、液体流回路10の入口ライン12(又は出口ライン)を通る液体流を修正するように構成される。周期的流れ装置200は、媒体ホルダ30を通る周期的流れ条件を作り出すように構成され得る。様々な実施形態において、周期的流れ装置200は、媒体ホルダ30を通る液体の流速を周期的に変化させるように構成される。現在の例では、媒体ホルダ30は、周期的流れ装置200によって規定されない。むしろ、ここでは、媒体ホルダ30は、周期的流れ装置200が結合するように構成される液体流回路10(現在、その一部のみが描かれている)の構成要素である。
【0052】
現在の例では、周期的流れ装置200はアキュムレータとして動作することができる。周期的流れ装置200は、媒体ホルダ30の上流で液体流回路10に流体的に結合されるように構成される。様々な実施形態において、周期的流れ装置200は、周期的に、液体流回路10の入口ライン12からの液体をハウジング210(具体的には、第1の可変容積216)に蓄積し、ハウジング210(例えば、第1の可変容積216)から液体流回路10の入口ライン12に液体を放出するように構成される。媒体ホルダ30を通過した後、液体は液体流回路10の出口ライン14を通過する。
【0053】
現在の例では、周期的流れ装置200は、液体流回路10の出口ライン14に結合しないが、いくつかの他の実施形態では、周期的流れ装置200は、液体流回路10の出口ライン14に結合するように構成される。そのような実施形態では、周期的流れ装置200は、周期的に、液体流回路10の出口ライン14からの液体をハウジング210内に蓄積し、ハウジング210から液体流回路10の出口ライン14に液体を放出するように構成される。そのような実施態様において、液体がハウジング210から放出されると、媒体ホルダ30を通る流量は一般に減少し、液体がハウジング210に蓄積されると、媒体ホルダ30を通る流量は増加する。
【0054】
ハウジング210は、第1の流れ開口部212と、第1の流れ開口部212から延びるキャビティ211とを有する。キャビティ211は、第1の流れ開口部212からハウジング210の反対側の軸方向端部202に向かって軸方向に延びている。現在の例では、第1の流れ開口部212は流れ入口であり、液体が第1の流れ開口部212を通ってハウジングに入ることを意味する。現在の例では、第1の流れ開口部212は流れ出口でもあり、液体が第1の流れ開口部212を通ってハウジング210から出ることを意味する。第1の流れ開口部212は、第1の可変容積216まで延びている。
【0055】
可動側壁224は、キャビティ211を横切って配置されるピストン224である。ピストン224はハウジング210の内面と流体シールを形成する。ピストン224は、キャビティ211に沿って軸方向に直線的に並進可能である。このように、キャビティ211内のピストン224の位置は、第1の可変容積216の容積を規定する。相補的な可変容積218は、ピストン224の反対側に画定されるが、前の実施形態とは異なり、ここでは、相補的な可変容積218は、液体流回路10からの液体を受け取らない。前の実施形態とはさらに対照的に、ピストン224は媒体ホルダを画定しない。むしろ、媒体ホルダ30は、液体流回路10の構成要素である。
【0056】
アクチュエータ220は、一般に、可動側壁224に動作可能に結合される。現在の例では、アクチュエータ220は、シャフト222を介してピストン224に並進可能に結合される。様々な実施形態において、アクチュエータ220は、ピストン224に固定されたリニアアクチュエータである。アクチュエータ220は、キャビティ211を通るピストン224の直線的な並進を作動させるように構成されている。より詳細には、アクチュエータ220は、ピストン224をキャビティ211内の第1の位置と第2の位置との間で周期的に並進させるように構成されている。キャビティ211を通るピストン224の方向及び速度は、液体流回路10内の媒体ホルダ30を通る流体流の速度に関連する。アクチュエータ220及び可動側壁224は、液体流回路10内の液体の流速を変化させるように構成されている。
【0057】
より詳細には、周期的流れ装置200は、一定の体積流量で液体を循環させる液体流回路10に流体的に結合するように構成されている。可動側壁224がキャビティ211内で静止しているとき、媒体ホルダ30を通過する(又は媒体ホルダの媒体開口部の周囲で媒体ホルダに結合されたフィルタ媒体を通過する)液体の速度は一定であり、媒体ホルダ30の開口部の流れ面積で割った体積流量に等しい。可動側壁224が、第1の流れ開口部212から離れるようにキャビティ211を通って直線的に並進されるとき、液体は、液体流回路10から第1の可変容積216に分流される。このように、媒体ホルダ30に向かう体積流量は、ハウジング210の第1の可変容積216に移動する液体の体積流量だけ減少し、媒体ホルダ30を通過する液体の速度を減少させる。可動側壁224がキャビティ211を通って第1の流れ開口部212に向かって直線的に並進すると、液体は第1の可変容積216から液体流回路10に放出される。その結果、媒体ホルダ30を通る体積流量は、ハウジング210から出る液体の体積流量だけ増加する。このようにして、媒体ホルダ30を横切って固定されたサンプルフィルタ媒体を通る流体速度を変化させることができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、周期的流れ装置200は、液体の流速を感知するように構成された流れセンサ234を有する。例えば、流れセンサ234は、第1の流れ開口部212に隣接してハウジング210に結合され、第1の流れ開口部212を通る液体の流速を感知することができる。いくつかの他の実施形態では、装置200の流れセンサ234は、液体流回路10内の媒体ホルダ30に結合され得る。流れセンサ234を組み込んだ実施形態では、流れセンサ234は、例えば、液体の流速を記録してユーザに報告するためにユーザインターフェースと通信することができる。様々な例において、流れセンサ234は、コントローラ240とデータ通信状態にある。コントローラ240は、コントローラ240がアクチュエータを操作して(それによって可動側壁224を並進させて)、流れセンサに対する、より詳細には媒体ホルダ30を通る液体の流速を定めるように構成されるように、アクチュエータ220と動作可能に通信することができる。様々な実施形態において、周期的流れ装置200は、流れセンサ234を有していない。いくつかの実施形態において、流れセンサは、上述したように、液体流回路10の構成要素とすることができる。いくつかの実施形態において、システムは、ピストン224の変位に応答する第1の可変容積216の膨張又は収縮に基づく装置200への又は装置200からの液体流量と組み合わされた液体流回路を通る液体流量(流れセンサによって決定されるか、又はユーザによって入力されるかのいずれか)に基づいて、媒体ホルダ30を通る流量を計算するように構成される。
【0059】
現在の例示的な構成において、周期的流れ装置200は、液体流回路10のいずれかの構成要素に取って代わるということがない(例えば、媒体ホルダ及び場合によっては他の構成要素に取って代わるように構成された
図3の例のように)。むしろ、現在の例では、周期的流れ装置200は、液体流回路10に追加されるように構成されている。
【0060】
図5は、さらに別の例示的な周期的流れ装置300の概略断面図である。周期的流れ装置300は、本例では、ハウジング310の第1の可変容積316が媒体ホルダ30の上流側の液体流回路10と流体連通するように構成され、ハウジング310の相補的な可変容積318が媒体ホルダ30の下流側の液体流回路10と流体連通するように構成されている点を除いて、
図4を参照して上述したものと同様である。ハウジング310の第1の可変容積316は、液体流回路10の入口ライン12と流体連通するように構成され、ハウジング310の相補的な可変容積318は、液体流回路10の出口ライン14と流体連通するように構成される。周期的流れ装置300は、媒体ホルダ30と並列であると記載することができる。このような構成は、有利には、周期的流れ装置300の上流及び下流の液体回路を通る体積流を大きく変化させることなく、媒体ホルダ30を通る流体の速度の修正又は周期的な変化を容易にする。例えば、第1の可変容積316が増加して媒体ホルダ30を通る流れの体積を減少させると、相補的な可変容積318が減少して対応する液体の体積を放出する。
【0061】
ハウジング310は、一般に、第1の流れ開口部312、第2の流れ開口部314、及び第1の流れ開口部312から第2の流れ開口部314まで延びるキャビティ311を有する。周期的流れ装置300は、第1の可変容積316を画定するハウジング310を有する。ハウジング310は、第1の可変容積316と相補的な可変容積318とを画定する可動側壁324を有する。ハウジング310は、第1の可変容積316に延びる第1の流れ開口部312と、相補的な可変容積318に延びる第2の流れ開口部314とを有する。第1の流れ開口部312と第2の流れ開口部314は、ハウジング310の軸方向の反対側の端部に画定されている。現在の例では、第1の流れ開口部312及び第2の流れ開口部314のそれぞれは、ハウジング310に対する流れ入口及び流れ出口として動作する。
【0062】
周期的流れ装置300は、一般に、媒体ホルダ30を通る液体の流速を変化させるように構成されている。周期的流れ装置300は、媒体ホルダ30を通る周期的な液体流の条件を作り出すように構成され得る。様々な実施形態において、周期的流れ装置300は、媒体結合構造30を通る液体の流速を周期的に変化させるように構成される。
図4に関して考察した例と同様に、現在の例では、媒体ホルダ30は、周期的流れ装置300の構成要素ではない。むしろ、媒体ホルダ30は、周期的流れ装置300が結合するように構成された液体流回路10の構成要素である。
【0063】
可動側壁324は、キャビティ311を横切って配置されるピストン324である。ピストン324はハウジング310の内面と流体シールを形成する。ピストン324は、キャビティ311に沿って軸方向に概ね直線的に並進可能である。このように、キャビティ311内のピストン324の位置は、第1の可変容積316の容積及びピストン324の反対側の相補的な可変容積318の容積を定める。
【0064】
アクチュエータ320が可動側壁324に並進可能に結合されている。現在の例では、アクチュエータ320はシャフト322を介してピストン324に固定されている。様々な実施形態において、アクチュエータ320はピストン324に固定されたリニアアクチュエータである。アクチュエータ320は、キャビティ311を通るピストン324の直線的な並進を作動させるように構成されている。より詳細には、アクチュエータ320は、ピストン324をキャビティ311内の第1の位置と第2の位置との間で周期的に並進させるように構成されている。キャビティ311を通るピストン324の方向及び速度は、媒体ホルダ30を通る、より詳細には、媒体ホルダ30に固定されたフィルタ媒体を通る流体流の速度を定めることができる。アクチュエータ320は、ハウジングに、周期的に、液体流回路10の入口ライン12からの液体を第1の可変容積316に蓄積させ、第1の可変容積316から液体流回路10の入口ライン12に液体を放出させるように構成され得る。
【0065】
周期的流れ装置300は、一般に、第1の流れ開口部312が液体流回路10の入口ライン12と直接流体連通するように液体流回路10にシール可能に結合するように構成された第1の流れ開口部312の周囲の第1の導管結合構造313を有する。様々な実施形態において、第1の導管結合構造313は、液体流回路10の入口ライン12に取り外し可能に結合するように構成される。周期的流れ装置300はまた、第2の流れ開口部314が液体流回路10の出口ライン14と直接流体連通するように液体流回路の出口ライン14とシール可能に結合するように構成された、第2の流れ開口部314の周囲の第2の導管結合構造315を有する。第2の導管結合構造315は、液体流回路10の出口ライン14に取り外し可能に結合するように構成される。他のいくつかの実施形態では、周期的流れ装置300は、液体流回路10と一体であるように構成される。すべてではないが、いくつかのそのような実施形態では、周期的流れ装置300は、入口ライン12及び/又は出口ライン14がハウジング110と一体である場合、第1及び第2の導管結合構造313、315の一方又は両方を省略することができる。
【0066】
これまで考察してきたように、周期的流れ装置300に結合される液体流回路10は、一般に、一定の体積流量で流れ回路を通して液体を循環させるように構成される。可動側壁324がキャビティ311内で静止しているとき、媒体ホルダ30の開口部を通過する(又は媒体ホルダに結合されたフィルタ媒体を通過する)液体の速度は一定であり、媒体ホルダ30の開口部の流れ面積で割った体積流量に等しい。可動側壁324が第1の流れ開口部312から離れるようにキャビティ311を通って直線的に並進されると、液体流回路10の入口ライン12からの液体が第1の可変容積316に蓄積される。入口ライン12を通る体積流量は、ハウジング310の第1の可変容積316への液体の体積流量だけ減少し、媒体ホルダ30を通過する液体の速度を減少させる。同時に、相補的な可変容積318内の液体は、液体流回路10の出口ライン14内に放出される。
【0067】
可動側壁324がキャビティ311を通って第1の流れ開口部312に向かって直線的に並進されると、ハウジング310の第1の可変容積316からの液体が液体流回路10の入口ライン12に放出される。入口ライン12を通る体積流量は、ハウジング310の第1の可変容積316から出る液体の体積流量だけ増加し、媒体ホルダ30を通過する液体の速度を増加させる。同時に、相補的な可変容積318は、液体流回路10の出口ライン14から液体を蓄積する。出口ライン14を通る体積流量は、ハウジング310の相補的な可変容積318に入る液体の体積流量分だけ、対応して減少する。
【0068】
上記のようにして、媒体ホルダ30を横切って固定されたサンプルフィルタ媒体を通る流体速度を周期的に変化させることができる。
【0069】
上述したように、周期的流れ装置300は、液体の流速を感知するように構成された流れセンサ334を有することができる。流れセンサ334は、上述したように、第1の流れ開口部312又は他の場所を通る液体の流速を感知するように構成され得る。流れセンサ334は、ユーザインターフェース、コントローラ340、又はユーザインターフェース及びコントローラ340の両方と通信することができる。コントローラ340は、上述したように、アクチュエータ320と動作可能に通信することができる。
【0070】
図6は、さらに別の例示的な周期的流れ装置の概略断面図である。
図5を参照して上述した例と同様に、ここでは、ハウジング410の第1の可変容積416が、媒体ホルダ30の上流側の液体流回路10と流体連通するように構成され、ハウジング410の相補的な可変容積418が、媒体ホルダ30の下流側の液体流回路10と流体連通するように構成されている。しかしながら、現在の例では、ハウジング410の第1の可変容積416は、液体流回路10の入口ライン12とインラインに設置されるように構成され、ハウジング410の相補的な可変容積418は、液体流回路10の出口ライン14と流体連通している。より詳細には、ハウジング410の相補的な可変容積418は、液体流回路10の出口ライン14に供給する。この構成は、周期的流れ装置400の上流及び下流の液体回路を通る体積流を変化させることなく、媒体ホルダ30を通る流体の速度の修正又は周期的な変化を有利に促進し得る。
【0071】
ハウジング410は、一般に、第1の流れ開口部412、第2の流れ開口部414、及び第1の流れ開口部412から第2の流れ開口部414まで延びるキャビティ411を有する。周期的流れ装置400のハウジング410は、第1の可変容積416及び相補的な可変容積418を画定する。ハウジング410は、第1の可変容積416及び相補的な可変容積418を画定する可動側壁424を有する。ハウジング410は、第1の可変容積416に延びる第1の流れ開口部412と、相補的な可変容積418に延びる第2の流れ開口部414とを有する。第1の流れ開口部412と第2の流れ開口部414は、ハウジング410の軸方向の反対側の端部に画定される。本例では、第1の流れ開口部412は、ハウジング410への流れ出口として動作する。第1の流れ開口部412は流れ入口ではない。第2の流れ開口部414は、ハウジング410への流れ入口及び流れ出口として動作する。
【0072】
第1の導管結合構造413は、第1の流れ開口部412が液体流回路10の入口ライン12と直接流体連通するように液体流回路10にシール可能に結合するように構成された第1の流れ開口部412の周囲に配置される。様々な実施形態において、第1の導管結合構造413は、液体流回路10の入口ライン12に取り外し可能に結合するように構成される。第2の導管結合構造415は、第2の流れ開口部414が液体流回路10の出口ライン14と直接流体連通するように、液体流回路の出口ライン14とシール可能に結合するように構成された第2の流れ開口部414の周囲に配置される。第2の導管結合構造415は、液体流回路10の出口ライン14に取り外し可能に結合するように構成される。
【0073】
いくつかのこれまでの例と同様に、ここでは、可動側壁424は、ハウジング410の第1の可変容積416及び相補的な可変容積418を画定するキャビティ411を横切って配置されるピストン424である。ピストン424は、ハウジング410の内面と流体シールを形成する。ピストン424は、キャビティ411に沿って軸方向に概ね直線的に並進可能である。このように、キャビティ411内のピストン424の位置は、第1の可変容積416の容積及びピストン424の反対側の相補的な可変容積418の容積を定める。
【0074】
アクチュエータ420は、シャフト422を介してピストン424に並進可能に結合される。様々な実施形態において、アクチュエータ420は、ピストン424に固定されたリニアアクチュエータである。アクチュエータ420は、キャビティ411を通るピストン424の直線的な並進を作動させるように構成されている。より詳細には、アクチュエータ420は、キャビティ411内の第1の位置と第2の位置との間でピストン424を周期的に並進させるように構成されている。キャビティ411を通るピストン424の方向及び速度は、媒体ホルダ30を通る、より詳細には媒体ホルダ30に固定されたフィルタ媒体を通る流体流の速度流体流の速度を定めることができる。アクチュエータ420は、ハウジング410に、周期的に、液体流回路10の入口ライン12からの液体を第1の可変容積416に蓄積させ、第1の可変容積416から液体流回路10の入口ライン12に液体を放出させるように構成され得る。
【0075】
これまでの例とは異なり、現在の例では、ハウジング410は、液体流回路10の入口ライン12に流体的に結合されるように構成された第3の流れ開口部419を有する。第3の流れ開口部419は、液体流回路10の入口ライン12に沿って第1の流れ開口部412の上流に位置決めされるように構成される。第3の流れ開口部419の周囲の第3の導管結合構造417は、液体流回路10の入口ライン12にシール可能に結合するように構成される。第3の導管結合構造417は、本明細書に記載される他の導管結合構造と一致することができる。上述の例と同様に、周期的流れ装置が流体流回路10と一体であるいくつかの実施形態では、導管結合構造413、415、417のうちの1つ又は複数が省略され得ることに留意されたい。
【0076】
第1の可変容積416は、入口ライン12と媒体ホルダ30とを流体的に結合するように構成される。第1の流れ開口部412及び第3の流れ開口部419は、第1の可変容積416と直接流体連通している。特に、現在の例では、ピストン424とシャフト422は、第3の流れ開口部419と第1の可変容積416とを流体的に結合する液体導管426を画定する。この例では、液体導管426は相補的な可変容積418を通過するが、相補的な可変容積418から流体的に隔離されている。動作において、液体流回路10は、一定の体積流量で液体導管426を通るように液体流を導くように構成され得る。
【0077】
記載したこれまでの実施形態と同様に、周期的流れ装置400は、媒体ホルダ30を通る液体の流速を変化させるように構成される。周期的流れ装置400は、媒体ホルダ30を通る周期的な液体流の条件を作り出すように構成され得る。様々な実施形態において、周期的流れ装置400は、媒体結合構造30を通る液体の流速を周期的に変化させるように構成される。
【0078】
上述のように、可動側壁424がキャビティ411内で静止しているとき、媒体ホルダ30を通過する(又は媒体ホルダ30に結合されたフィルタ媒体を通過する)液体の速度は一定であり、液体流回路10の体積流量を媒体ホルダ30の開口部の流れ面積で割ったものに等しい。可動側壁424が、第1の流れ開口部412から離れるようにキャビティ411を通って直線的に並進されると、体積流量は、第1の可変容積416への液体の体積流量だけ減少し、媒体ホルダ30を通過する液体の速度を減少させる。可動側壁424がキャビティ411を通って第1の流れ開口部412に向かって直線的に並進されると、第1の流れ開口部412を通る体積流量は、ピストンによって第1の可変容積416から押し出される液体の体積流量だけ増加し、媒体ホルダ30を通過する液体の速度が増加する。
【0079】
様々な実施形態において、可撓性ホースは、シャフト422の液体導管426と入口ライン12とを流体的に結合して、ピストン424(したがって、シャフト422)の直線的な並進に対応することができる。
【0080】
上述のように、周期的流れ装置400は、液体の流速を感知するように構成された流れセンサ434を有することができる。流れセンサ434は、上述してきたように、第1の流れ開口部412又は他の場所を通る液体の流速を感知するように構成され得る。流れセンサ434は、ユーザインターフェース、コントローラ440、又はユーザインターフェース及びコントローラ440の両方と通信することができる。コントローラ440は、上述したように、アクチュエータ420と動作可能に通信することができる。
【0081】
現在の例では、装置400は、媒体ホルダ30のすぐ上流で入口ライン12に結合される第1の可変容積416を有するが、いくつかの他の実施形態では、第1の可変容積416は、媒体ホルダ30の下流で出口ライン14に結合される。そのような構成では、ハウジング410の第1の可変容積416は、媒体ホルダ30の下流の液体流回路10と流体連通するように構成され、ハウジング410の相補的な可変容積418は、媒体ホルダ30の上流の入口ライン12に沿って液体流回路10と流体連通するように構成される。このような例では、ハウジング410の第1の可変容積416は、液体流回路10の出口ライン14とインラインに設置されるように構成され得、ハウジング410の相補的な可変容積418は、液体流回路10の入口ライン12に供給するように構成され得る。
【0082】
描かれ、上述された実施形態において、ピストンによる第1の可変容積からの第1の液体の体積の変位は、相補的な可変容積からの対応する液体の体積の反対の変位をもたらし、ここで、対応する体積は、第1の液体の体積よりも小さいことに留意されたい。この理由は、シャフトが補完的な可変容積の容積を第1の可変容積に比べて減少させるからである。
図7は、いくつかの実施形態と一致する代替の例示的な可変容積ハウジング510の概略断面図であり、ハウジング510の構成は、第1の可変容積516及び相補的な可変容積518の単位長さ当たりの容積を有利に等しくする。ハウジング510は、本出願に開示された他のハウジングの代わりに使うことができ、既に開示された実施形態と一致する開口部及び流路を画定するように構成することができる。
【0083】
ハウジング510は、第1の端部502及び第2の端部504と、第1の端部502から第2の端部504まで軸方向に延びる流体流通路511とを有する。可動側壁524が流体流通路511内に配置されている。第1の可変容積516及び相補的な可変容積518が、ハウジング510内で可動側壁524の反対側に画定される。可動側壁524はピストン524である。第1のシャフト522は、ピストン524をアクチュエータ(ここには描かれていない)に結合するように構成されている。第1のシャフト522は、ハウジング510の第2の端部504を通り、相補的な可変容積518を通って軸方向に延びる。第2のシャフト526は、第1のシャフト522の反対側でピストン524に結合されている。第2のシャフト526は、ハウジング510の第1の端部502を通り、第1の可変容積516を通って延びている。第1のシャフト522の断面積と第2のシャフト526の断面積は、様々な実施形態において等しく、ここで断面積はハウジング510の軸方向延在部に対して直交する。
【0084】
図8は、様々な実施形態と一致するさらに別の例示的な周期的流れ装置600の概略断面図である。周期的流れ装置600は、液体流回路10に結合されるように構成されている。周期的流れ装置600は、第1の流れ開口部612を画定するハウジング610と、第1の流れ開口部612の周囲の第1の導管結合構造613とを有する。第1の導管結合構造613は、液体流回路10に取り外し可能に結合するように構成されている。アクチュエータ620は、ハウジング610と動作可能に連通している。アクチュエータ620は、周期的に、液体流回路10内の液体をハウジング610(特に、第1の可変容積616)に蓄積し、液体をハウジング610(特に、第1の可変容積616)から液体流回路10に放出するように構成される。いくつかの実施形態では、流れセンサ634が、第1の流れ開口部612に隣接して位置決めされる。特に、ここでは、流れセンサ634は、ブラダ出口612に隣接して位置決めされる(ブラダについては以下でより詳細に記載する)。流れセンサ634は、上述したように、第1の流れ開口部612又は他の場所を通る液体の流速を感知するように構成され得る。流れセンサ634は、ユーザインターフェース、コントローラ640、又はユーザインターフェース及びコントローラ640の両方と通信することができる。コントローラ640は、アクチュエータ620と動作可能に通信することができ、第1の流れ開口部612を通る液体の流速を変更するために、流れセンサ634とデータ通信することができる。
【0085】
現在の例では、ハウジング610は、第1の可変容積616及び相補的な可変容積618を有するキャビティ611を画定する。第1の可変容積616は、液体流回路10の入口ライン12とインラインで結合されるように構成される。第1の可変容積616は、入口ライン12と媒体ホルダ30との間に直列に存在する。このように、第1の可変容積616は、媒体ホルダ30の上流で液体流回路10に結合するように構成された第1の導管結合構造613と、第1の導管結合構造613の上流で液体流回路10に結合するように構成された第2の流れ開口部619の周囲の第2の導管結合構造617とを有する。
【0086】
相補的な可変容積618は、液体流回路10の出口ライン14とインラインで結合されるように構成される。相補的な可変容積618は、媒体ホルダ30と出口ライン14との間に直列に存在する。このように、ハウジング610は、相補的な可変容積618と連通する第3の流れ開口部614の周囲の第3の導管結合構造615を有する。第3の導管結合構造615は、媒体ホルダ30の下流の液体流回路10に結合するように構成されている。ハウジング610は、相補的な可変容積618と連通する第4の流れ開口部623の周囲の第4の導管結合構造621を有する。第4の導管結合構造621は、第3の導管結合構造615の上流で液体流回路10に結合するように構成される。上述の例と同様に、周期的流れ装置が流体流回路10と一体であるいくつかの実施形態では、導管結合構造613、615、617、621のうちの1つ又は複数を省略することができる。
【0087】
本明細書に記載される他の実施形態と同様に、ハウジング610は、第1の可変容積616を画定する可動側壁624を有する。しかしながら、これまでの例とは異なり、現在の例では、可動側壁624はブラダ624である。ブラダ624は、一般に、ゴムなどのエラストマー材料など、中空の可撓性材料で構成される。いくつかの他の実施形態では、可動側壁は、折り畳み可能で膨張可能な側壁を有するベローズとすることができる。ブラダ624の第1の流れ開口部612は、ブラダ出口612と呼ぶことができる。ブラダ624の第2の流れ開口部619は、ブラダ入口619と呼ぶことができる。ブラダ出口612は第1の可変容積616から延びており、ブラダ入口619は第1の可変容積616まで延びている。
【0088】
現在の例では、ハウジング610は、ブラダ624を収容する外側ケーシング644を有する。外側ケーシング644は、固定容積を画定するために概して剛性である。相補的な可変容積618は、ブラダ624と外側ケーシング644の内面との間の容積によって画定される。このような構成は、第1の可変容積616によって蓄積された液体が相補的な可変容積618によって蓄積された液体を変位することを有利に可能にし得る。第3の流れ開口部614及び第4の流れ開口部623は、外側ケーシング644によって画定される。第3の流れ開口部614はケーシング出口614と呼ぶことができ、第4の流れ開口部623はケーシング入口623と呼ぶことができる。現在の構成では、ケーシング入口623及びブラダ入口619は、ハウジング610の反対側の軸方向端部にある。同様に、ケーシング出口614及びブラダ出口612は、ハウジング610の反対側の軸方向端部にある。
【0089】
現在の例では、アクチュエータ620は可動側壁624に動作可能に結合されている。特に、流れ制御弁636がブラダ出口612を横切ってブラダ624に結合され、アクチュエータ620が流れ制御弁636に動作可能に結合される。アクチュエータ620は、弁636を制限位置と開放位置との間で選択的に揺動させて、第1の流れ出口612を通る液体の流量を減少及び増加させ、したがって、媒体ホルダ30を通る液体の流量を減少及び増加させるように構成される。第1の流れ開口部612を通る液体の流量を減少させると、ブラダ624が液体流回路10の入口ライン12からの液体を保持し、ブラダ624はブラダ内の液体の体積の増加に対応するように膨張する。第1の流れ開口部612を通る液体の流量を増加させると、ブラダ624は液体を液体流回路10に放出し、ブラダ624内の液体の体積の減少に対応して収縮する。
【0090】
図9は、さらに別の例示的な周期的流れ装置の概略断面図である。
図8を参照して上述した例と同様に、ここでは、ハウジング710の第1の可変容積716が液体流回路10の入口ライン12とインラインになるように構成され、ハウジング710の相補的な可変容積718が液体流回路10の出口ライン14と流体連通するように構成されている。第1の可変容積716及び相補的な可変容積718の両方を、液体流回路の流れラインとインラインになるように構成することは、有利には、容積を通る一定の流体流を可能にし、容積内の粒子の蓄積又は沈降を低減し得る。現在の例では、ハウジング710の第1の可変容積716は、液体流回路10の入口ライン12とインラインに設置されるように構成され、ハウジング710の相補的な可変容積718は、液体流回路10の出口ライン14と流体連通している。この構成は、有利には、周期的流れ装置700の上流及び下流の液体流回路10を通る体積流を変化させることなく、媒体ホルダ30を通る流体の速度の修正又は周期的な変化を容易にする。
【0091】
ハウジング710は、一般に、第1の流れ開口部712、第2の流れ開口部714、及び第1の流れ開口部712から第2の流れ開口部714まで延びるキャビティ711を有する。周期的流れ装置700のハウジング710は、第1の可変容積716及び相補的な可変容積718を画定する。ハウジング710は、第1の可変容積716及び相補的な可変容積718を画定する可動側壁724を有する。ハウジング710は、第1の可変容積716に延びる第1の流れ開口部712と、相補的な可変容積718に延びる第2の流れ開口部714とを有する。第1の流れ開口部712及び第2の流れ開口部714は、ハウジング710の反対側の軸方向端部に画定される。現在の例では、第1の流れ開口部712は、ハウジング710の第1の可変容積716への流れ出口として動作する。第1の流れ開口部712は流れ入口ではない。第2の流れ開口部714は、ハウジング710の相補的な可変容積718への流れ出口として動作する。
【0092】
第1の導管結合構造713は、第1の流れ開口部712が液体流回路10の入口ライン12と直接流体連通するように、液体流回路10にシール可能に結合するように構成され、第1の流れ開口部712の周囲に配置される。様々な実施形態において、第1の導管結合構造713は、液体流回路10の入口ライン12に取り外し可能に結合するように構成される。第2の導管結合構造715は、第2の流れ開口部714が液体流回路10の出口ライン14と直接流体連通するように、液体流回路の出口ライン14とシール可能に結合するように構成され、第2の流れ開口部714の周囲に配置される。第2の導管結合構造715は、液体流回路10の出口ライン14に取り外し可能に結合するように構成される。
【0093】
ハウジング710は、液体流回路10の入口ライン12に流体連通するように構成された第3の流れ開口部719を有する。第1の流れ開口部712及び第3の流れ開口部719は、第1の可変容積716と直接流体連通している。第3の流れ開口部719は、液体流回路10の入口ライン12に沿って第1の流れ開口部712の上流にあるように構成される。第3の流れ開口部719は、第1の可変容積716の入口として動作する。第3の流れ開口部719の周囲の第3の導管結合構造717は、液体流回路10の入口ライン12にシール可能に結合するように構成される。第3の導管結合構造717は、本明細書に記載される他の導管結合構造と一致し得る。
【0094】
ハウジング710は、液体流回路10の出口ライン14に流体的に結合されるように構成された第4の流れ開口部723を有する。第4の流れ開口部723は、液体流回路10の出口ライン14に沿って第2の流れ開口部714の上流にあるように構成される。第2の流れ開口部714及び第4の開口部723は、相補的な可変容積718と直接流体連通している。第4の流れ開口部723は、相補的な可変容積718の入口として動作する。第4の流れ開口部723の周囲の第4の導管結合構造721は、液体流回路10の出口ライン14にシール可能に結合するように構成される。第4の導管結合構造721は、本明細書に記載される他の導管結合構造と一致し得る。上述の例と同様に、周期的流れ装置が流体流回路10と一体であるいくつかの実施形態では、導管結合構造713、715、717、721のうちの1つ又は複数を省略することができる。
【0095】
いくつかのこれまでの例と同様に、ここでは、可動側壁724は、ハウジング710の第1の可変容積716及び相補的な可変容積718を画定する流体通路711を横切って配置されるピストン724である。ピストン724は、ハウジング710の内面と流体シールを形成する。ピストン724は、キャビティ711に沿って軸方向に概ね直線的に並進可能である。このように、キャビティ711内のピストン724の位置は、第1の可変容積716の容積及びピストン724の反対側の相補的な可変容積718の容積を定める。
【0096】
アクチュエータ720が、シャフト722を介してピストン724に並進可能に結合されている。様々な実施形態において、アクチュエータ720は、ピストン724に固定されたリニアアクチュエータである。アクチュエータ720は、キャビティ711を通るピストン724の直線的な並進を作動させるように構成されている。より詳細には、アクチュエータ720は、キャビティ711内の第1の位置と第2の位置との間でピストン724を周期的に並進させるように構成されている。キャビティ711を通るピストン724の方向及び速度は、媒体ホルダ30を通る、より詳細には媒体ホルダ30に固定されたフィルタ媒体を通る流体流の速度を定めることができる。
【0097】
記載したこれまでの実施形態と同様に、周期的流れ装置700は、媒体ホルダ30を通る液体の流速を変化させるように構成されている。周期的流れ装置700は、媒体ホルダ30を通る周期的な液体の流れの条件を作り出すように構成され得る。様々な実施形態において、周期的流れ装置700は、媒体ホルダ30の媒体結合構造を通る液体の流速を周期的に変化させるように構成される。
【0098】
様々な実施形態において、周期的流れ装置700に結合される液体流回路10は、液体流回路を通る液体を一定の体積流量で循環させるように構成される。このように、可動側壁724がキャビティ711内で静止しているとき、媒体ホルダ30を通過する(又は媒体ホルダ30に結合されたフィルタ媒体を通過する)液体の速度は一定であり、体積流量を媒体ホルダ30の開口部の流れ面積で割ったものに等しい。可動側壁724が第1の流れ開口部712から離れるようにキャビティ711を通って直線的に並進されると、第1の流れ開口部712を通る体積流量は、第1の可変容積716への液体の体積流量だけ減少し、これは媒体ホルダ30を通過する液体の速度を減少させる。可動側壁724がキャビティ711を通って第1の流れ開口部712に向かって直線的に並進されると、第1の流れ開口部712を通る体積流量は、ピストンによって第1の可変容積716から押し出される液体の体積流量によって増加し、これは媒体ホルダ30を通過する液体の速度を増加させる。
【0099】
上述のように、周期的流れ装置700は、液体の流速を感知するように構成された流れセンサ734を備えることができる。流れセンサ734は、上述してきたように、第1の流れ開口部712又は他の場所を通る液体の流速を感知するように構成され得る。流れセンサ734は、ユーザインターフェース、コントローラ740、又はユーザインターフェース及びコントローラ740の両方と通信することができる。コントローラ740は、上述したように、アクチュエータ720と動作可能に通信することができる。
【0100】
現在開示されている技術の様々な実施態様において、本システムは、第1の可変容積の可能な最小容積と別の容積との間で第1の可変容積を変動させるように構成される。このようなシステム構成は、液体中に浮遊する汚染物質が第1の可変容積内に留まる機会を減少させ、したがって、汚染物質が第1の可変容積の下流の液体流回路を通過することを確実にする。同様に、液体流回路と液体連通状態にある相補的な可変容積が存在する実施形態(
図3、
図5、
図6、
図8及び
図9に描かれているものなど)において、本明細書に開示されているシステムの様々な実施態様は、同じ理由で、相補的な可変容積をその可能な最小容積と別の容積との間で変動させるように構成されている。相補的な可変容積の可能な最小容積は、第1の可変容積の可能な最大容積をもたらし、第1の可変容積の可能な最小容積は、相補的な可変容積の可能な最大容積をもたらすので、そのようなシステムは、第1の可変容積(及び相補的な可変容積)を、その可能な最小容積と最大容積との間で変動させるように構成される。
【0101】
例えば、第1の可変容積及び相補的な可変容積が、シリンダと、シリンダ内に並進可能に配置されたピストンとによって画定される実施形態(
図3、
図5、
図6、
図7及び
図9に描かれているものなど)において、システムは、第1の可変容積の最小容積がゼロに近づき、相補的な可変容積がゼロに近づくと、第1の可変容積の最大容積がシリンダの容積からピストンの容積を引いた容積に近づくように、シリンダの軸方向端部の間でピストンを揺動するように構成される。別の例として、第1の可変容積がブラダによって画定され、相補的な可変容積がケーシングによって画定される実施形態(
図8に描かれているものなど)において、第1の可変容積616の可能な最小容積は、ブラダ624の内部容積がゼロに近づくと、ケーシングの容積からブラダ624の容積を引いた相補的な可変容積618の可能な最大容積と相関してゼロに接近し得る。相補的な可変容積618の可能な最小容積は、ブラダ624がその可能な最大容積まで膨張し、ブラダ624が外側ケーシング644を実質的に満たすように膨張するのに対応してゼロに接近し得る。
【0102】
現在の技術のいくつかの実施態様において、特定の液体流回路と組み合わせて、代替構成を有する異なる周期的装置を使用することが望ましい場合がある。例えば、試験条件によっては、相対的に大きい第1の可変容積を有する周期的流れ装置から利益を得る可能性がある一方、他の試験条件では、相対的に小さい第1の可変容積を有する周期的流れ装置から利益を得る可能性がある。このように、本明細書に開示された技術と一致するいくつかのシステムは、それぞれが並列に液体流回路に結合された複数の周期的装置を組み込む。各周期的装置は、異なるサイズの第1の可変容積(及び、関連する場合には相補的な可変容積)を規定することができる。各周期的装置は、本明細書で考察されるものと一致し得る。このような実施態様において、システムは、電子的又は機械的スイッチなどのスイッチを組み込むことができ、このスイッチを介して、各周期的装置を、液体流回路との動作可能な係合のために選択することができる。いくつかのそのような実施態様において、各周期的装置と液体流回路との間の液体連通は、相互に排他的である。
【0103】
実施形態の説明
実施形態1.
第1の可変容積、及び第1の可変容積に延びる第1の流れ開口部を有するハウジングであって、第1の可変容積を画定する可動側壁を備え、第1の流れ開口部の周囲の第1の導管結合構造を備える、ハウジングと、
可動側壁に固定されたリニアアクチュエータと
を備える周期的流れ装置。
【0104】
実施形態2.
可動側壁がピストンである、請求項1及び3~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0105】
実施形態3.
リニアアクチュエータ及び可動側壁が、液体流回路内の液体の流速を変化させるように構成される、請求項1~2及び4~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0106】
実施形態4.
第1の導管結合構造が、液体流回路にシール可能に結合するように構成される、請求項1~3及び5~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0107】
実施形態5.
ピストンが、第1の可変容積と流体連通する流路を画定する媒体開口部を有する、請求項1~4及び6~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0108】
実施形態6.
ピストンが、媒体開口部の周囲の媒体結合構造を備える、請求項1~5及び7~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0109】
実施形態7.
ピストンが、第1の可変容積を横切ってハウジングと流体シールを形成する、請求項1~6及び8~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0110】
実施形態8.
第1の流れ開口部が流れ入口及び流れ出口である、請求項1~7及び9~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0111】
実施形態9.
第1の流れ開口部が流れ入口であり、第1の流れ開口部が流れ出口でない、請求項1~8及び10~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0112】
実施形態10.
ハウジングが相補的な可変容積を有し、可動側壁が相補的な可変容積を画定する、請求項1~9及び11~12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0113】
実施形態11.
ハウジングが、相補的な可変容積に延びる第2の流れ開口部を有する、請求項1~10及び12のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0114】
実施形態12.
周期的流れ装置が後付けデバイスである、請求項1~11のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0115】
実施形態13.
流れ入口、流れ出口、及び流れ入口から流れ出口まで軸方向に延びるキャビティを有するハウジングと、
キャビティを横切って配置され、ハウジングとシールを形成するピストンであって、キャビティに沿って軸方向に直線的に並進可能であり、キャビティと流体連通する軸方向に延びる媒体開口部を画定する、ピストンと
を備える周期的流れ装置。
【0116】
実施形態14.
ピストンに結合されたアクチュエータをさらに備える、請求項13及び15~18のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0117】
実施形態15.
アクチュエータが、キャビティ内の第1の位置と第2の位置との間でピストンを周期的に並進させるように構成される、請求項13~14及び16~18のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0118】
実施形態16.
第1の位置がキャビティの第1の端部の方にあり、第2の位置がキャビティの第2の端部の方にある、請求項13~15及び17~18のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0119】
実施形態17.
ピストンが、媒体開口部の周囲の媒体結合構造を画定する、請求項13~16及び18のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0120】
実施形態18.
周期的流れ装置が後付けデバイスである、請求項13~17のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0121】
実施形態19.
第1の流れ開口部を画定する第1の可変容積及び第1の流れ開口部の周囲の導管結合構造を有するハウジングであって、導管結合構造は液体流回路に取り外し可能に結合するように構成されている、ハウジングと、
ハウジングと動作可能に連通するアクチュエータであって、ハウジングに、周期的に、液体流回路内の液体を第1の可変容積内に蓄積させ、第1の可変容積から液体流回路に液体を放出させるように構成される、アクチュエータと
を備える周期的流れ装置。
【0122】
実施形態20.
第1の流れ開口部内に位置決めされた流れセンサと、アクチュエータに結合されたコントローラとをさらに備え、コントローラが流れセンサとデータ通信する、請求項19及び21~27のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0123】
実施形態21.
ハウジングがシリンダである、請求項19~20及び22~27のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0124】
実施形態22.
シリンダ内に並進可能に配置されたピストンをさらに備え、第1の可変容積がシリンダ及びピストンによって画定される、請求項19~21及び23~27のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0125】
実施形態23.
シリンダ及びピストンによって画定される相補的な可変容積をさらに備え、シリンダが、相補的な可変容積に延びる第2の流れ開口部を画定する、請求項19~22及び24~27のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0126】
実施形態24.
第1の可変容積がブラダである、請求項19~23及び25~27のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0127】
実施形態25.
第1の流れ開口部が流れ入口及び流れ出口である、請求項19~24及び26~27のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0128】
実施形態26.
第1の流れ開口部が流れ入口であり、第1の流れ開口部が流れ出口でない、請求項19~25及び27のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0129】
実施形態27.
周期的流れ装置が後付けデバイスである、請求項19~26のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0130】
実施形態28.
第1の可変容積及び相補的な可変容積を画定するハウジングであって、固定容積を有する外側ケーシング、及びケーシング内に配置されたブラダを備え、ブラダは、第1の可変容積、第1の可変容積に延びるブラダ入口、及び第1の可変容積から延びるブラダ出口を画定し、相補的な可変容積が、ブラダとケーシングとの間に画定され、ケーシングがケーシング入口及びケーシング出口を画定する、ハウジングと、
ブラダ出口に動作可能に結合された流れ制御弁と、
流れ制御弁に動作可能に結合されたアクチュエータであって、流れ制御弁を制限位置と開放位置との間で揺動するように構成された、アクチュエータと
を備える周期的流れ装置。
【0131】
実施形態29.
ブラダ入口及びケーシング入口がハウジングの反対側の軸方向端部にある、請求項28及び30~33のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0132】
実施形態30.
ブラダ出口に隣接して位置決めされた流れセンサと、アクチュエータに結合されたコントローラとをさらに備え、コントローラが流れセンサとデータ通信している、請求項28~29及び31~33のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0133】
実施形態31.
ブラダ出口の周囲の第1の導管結合構造、ケーシング出口の周囲の第2の導管結合構造、ブラダ入口の周囲の第3の導管結合構造、及びケーシング入口の周囲の第4の導管結合構造をさらに備え、各導管結合構造が液体流回路に結合されるように構成される、請求項28~30及び32~33のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0134】
実施形態32.
アクチュエータが、ブラダに周期的に液体を蓄積及び放出させるように構成されている、請求項28~31及び33のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0135】
実施形態33.
周期的流れ装置が後付けデバイスである、請求項28~32のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0136】
実施形態34.
第1の可変容積及び第1の可変容積に延びる第1の流れ開口部を画定するハウジングであって、第1の可変容積を画定する可動側壁を備える、ハウジングと、
可動側壁に動作可能に結合されたアクチュエータと、
液体の流速を感知するように構成された流れセンサと、
流れセンサとデータ通信し、アクチュエータと動作可能に通信するコントローラであって、流れセンサに対する液体の流速を定めるようにアクチュエータを操作するように構成された、コントローラと
を備える周期的流れ装置。
【0137】
実施形態35.
可動側壁がピストンを備える、請求項34及び36~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0138】
実施形態36.
ピストンが、開口部と、開口部の周囲の媒体結合構造とを画定する、請求項34~35及び37~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0139】
実施形態37.
流れセンサがピストン上に配置される、請求項34~36及び38~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0140】
実施形態38.
流れセンサが、第1の流れ開口部に隣接して配置される、請求項34~37及び39~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0141】
実施形態39.
アクチュエータがリニアアクチュエータである、請求項34~38及び40~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0142】
実施形態40.
アクチュエータが、流れ制御弁を操作するように構成される、請求項34~39及び41~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0143】
実施形態41.
ハウジングが、第1の流れ開口部の周囲の第1の導管結合構造を含み、第1の導管結合構造が液体流回路にシール可能に結合するように構成されている、請求項34~40及び42~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0144】
実施形態42.
第1の流れ開口部が流れ入口及び流れ出口である、請求項34~41及び43~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0145】
実施形態43.
第1の流れ開口部が流れ入口であり、第1の流れ開口部が流れ出口でない、請求項34~42及び44~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0146】
実施形態44.
ハウジングが相補的な可変容積を有し、可動側壁が相補的な可変容積を画定する、請求項34~43及び45~46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0147】
実施形態45.
ハウジングが、相補的な可変容積に延びる第2の流れ開口部を有する、請求項34~44及び46のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0148】
実施形態46.
周期的流れ装置が後付けデバイスである、請求項34~45のいずれか一項に記載の周期的流れ装置。
【0149】
本明細書に記載されるコントローラ、センサ、検出器、又はシステムなどの構成要素の1つ又は複数は、中央処理装置(CPU)、コンピュータ、論理アレイ、又は当該構成要素に出入りするデータを指揮することができる他の装置などのプロセッサを含み得る。プロセッサは、メモリ、処理、及び通信ハードウェアを有する1つ又は複数のコンピューティングデバイスを含み得る。プロセッサは、コントローラの様々な構成要素を結合するため、又はコントローラに動作可能に結合された他の構成要素と結合するために使用される回路を含み得る。プロセッサの機能は、ハードウェアによって、及び/又は非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータ命令として実行され得る。
【0150】
プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は同等のディスクリート又は集積論理回路のいずれか1つ又は複数を含み得る。いくつかの例では、プロセッサは、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数のコントローラ、1つ又は複数のDSP、1つ又は複数のASIC、及び/又は1つ又は複数のFPGA、並びに他のディスクリート又は集積論理回路の任意の組み合わせなど、複数の構成要素を含み得る。本明細書においてプロセッサに帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せとして具現化され得る。
【0151】
1つ又は複数の実施形態において、プロセッサの機能は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はメモリを含み得るコンピューティング装置を使用して、1つ又は複数のコンピュータプログラムを使用して実装され得る。本明細書に記載のプログラムコード及び/又はロジックは、入力データ/情報に適用されて、本明細書に記載の機能を実行し、所望の出力データ/情報を生成することができる。出力データ/情報は、本明細書に記載されるように、又は公知の方法で適用されるように、1つ又は複数の他の装置及び/又は方法への入力として適用され得る。上記を考慮すると、本明細書に記載されるコントローラ機能は、当業者に公知の任意の方法で実装され得ることが容易に明らかであろう。
【0152】
また、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「構成された(configured)」という語句は、特定のタスクを実行するか、又は特定の構成を採用するように構築されるシステム、装置、又は他の構造を説明することに留意されたい。構成された(configured)」という語は、「配置された(arranged)」、「構築された(constructed)」、「製造された(manufactured)」及びそれらに類する語など、類似の語と交換可能に使用することができる。
【0153】
本明細書におけるすべての刊行物及び特許出願は、本技術が属する技術分野における通常の技術レベルを示すものである。すべての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。本出願の開示内容と、参照により本明細書に組み込まれる文書の開示内容との間に矛盾が存在する場合には、本出願の開示が適用されるものとする。
【0154】
本出願は、本主題の翻案又は変形をカバーすることを意図している。上記の記載は、例示的なものであり、制限的なものではないことを意図しており、特許請求の範囲は、本明細書に記載される説明に役立つ実施形態に限定されないことを理解されたい。本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的のために、特に指示された場合を除き、すべての数値は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものと理解される。また、すべての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、本明細書において具体的に列挙されていてもいなくてもよい、その中の任意の中間範囲を含む。したがって、この文脈において、本明細書で言及される値は、±3%の偏差を包含する。この文脈内では、記載された値は、その数値が修飾する特性の測定に関する一般的な標準誤差の範囲内にある値を含むと考えられる。
【国際調査報告】