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特表2024-507664バイオ医薬溶液のための多目的シングルユース運搬具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】バイオ医薬溶液のための多目的シングルユース運搬具
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/18 20060101AFI20240214BHJP
   B65D 25/10 20060101ALI20240214BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20240214BHJP
   A61J 3/00 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
B65D81/18 D
B65D25/10
B65D77/04 A
A61J3/00 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543461
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 IB2022050479
(87)【国際公開番号】W WO2022157664
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】117024
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521209524
【氏名又は名称】スマートフリーズ エルディーエイ
【氏名又は名称原語表記】SMARTFREEZ LDA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイア フィリッパ シルヴェストル デュアルテ
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ ギル セナ レゴ
(72)【発明者】
【氏名】カルロス デュアルテ ダ シルヴァ コンプリト
【テーマコード(参考)】
3E062
3E067
4C047
【Fターム(参考)】
3E062AA02
3E062AB01
3E062AC02
3E062BB02
3E062BB09
3E062FB01
3E062FB02
3E062FC06
3E067AA03
3E067AA11
3E067AB81
3E067BA01C
3E067BA03B
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BB17C
3E067BC07C
3E067CA07
3E067CA16
3E067ED08
3E067FA04
3E067FC01
3E067GA01
3E067GA03
3E067GB01
4C047AA05
4C047AA40
4C047BB40
4C047CC28
4C047CC30
(57)【要約】
運搬本開示は、凍結、貯蔵又は運搬、及び、解凍中のボトル又はカーボイを保護するためのシステムを記載する。本明細書に記載のシステムは、特定の条件下で高い熱伝達率を高くできるように設計されているため、保護構造体を分解することなく、最適な速度でバイオ医薬溶液を凍結又は解凍できる。本開示は、凍結、運搬及び解凍するためのバイオ医薬溶液で充填されたボトル又はカーボイを収容するように構成されたシステムを説明する。このシステムは、蓋、上部カバー、複数形状適合可能な上部ホルダ、複数形状適合可能な底部ホルダ及び底部カバーの5つの主要部分を備える。このシステムは、容器の下側の底部に開口部を有し、これにより、ボトルの壁面を通じ、側面のベントを通じて、空気を送り流すことができる。システム内の空気流路により、物理的保護を実現しながら、凍結する(冷気)又は解凍する(熱気)ためにシステムを使用できる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結、運搬及び/又は解凍するためのバイオ医薬溶液が充填されたボトル又はカーボイを収容するためのシステムであって、
複数の異なる形状の前記ボトル又は前記カーボイとの適合可能性のために、また前記ボトル又は前記カーボイの前記形状に合わせて調整し、且つ、空気源に接続されているときに、所定の位置に前記ボトル又は前記カーボイをしっかりと固定して前記ボトル又は前記カーボイの壁面と底部ホルダの壁面との間に空気が流れるようにする圧縮可能な縁を有する底部ホルダと、及び
上部ホルダと、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記圧縮可能な縁は、前記底部ホルダ内の前記ボトル又は前記カーボイの挿入方向で前記底部ホルダの内壁面に沿う、長手方向の圧縮可能な突出部又は凹部として構成される、システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムにおいて、前記底部ホルダ又は前記上部ホルダは、さらに、前記上部ホルダと前記底部ホルダとの間に、前記システムから前記空気の流れを逃がすことができる凹部を有する、システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記底部ホルダは、さらに、前記底部ホルダを通じて前記システムから前記空気の流れを逃がすことができるベントを有する、システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記上部ホルダは、複数の異なる形状のボトル又はカーボイに対する適合可能性のため、また前記ボトル又は前記カーボイを所定位置に保持するよう、圧縮可能且つ変形可能な縁を有する、システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記システムは、硬質で耐久性のある材料、好ましくはポリマー又はプラスチック、より好ましくは発泡ポリスチレンから作製される、システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記底部ホルダは、さらに、前記ボトル又は前記カーボイを前記底部ホルダの中心に維持するための圧縮可能且つ変形可能な縁を備える、システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記底部ホルダは、空気流が前記システムを通って流れるときの空気漏れを最小限に抑えるための空気シール面を有する開口部を底部に備える、システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記空気シール面は、さらに、表面の気密性を向上させるためのゴム封止剤及び/又はシリコーン封止剤を含む、システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記ボトル又は前記カーボイの前記壁面の周りにおける垂直方向空気流のための、前記底部ホルダの前記壁面と前記ボトル又は前記カーボイの前記壁面との間の距離は、0.5cm~5cm、好ましくは1cm~3cmである、システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記底部ホルダは、前記底部ホルダの上部にピンを有する、システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記底部ホルダは、前記システムを取り扱うための取っ手を有する、システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムであって、前記上部ホルダは、さらに、相変化材料を装填するためのキャビティを有する、システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシステムであって、さらに、配管アセンブリを収容するように構成された上部カバーを備える、システム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のシステムであって、さらに、前記システムを閉じるための前記上部ホルダ、又は、存在する場合は前記上部カバーに連結するための蓋を備える。システム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のシステムであって、運搬するために前記底部ホルダに連結してシステムを閉じるための底部カバーを備える、システム。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記圧縮可能な縁のそれぞれは、前記ボトル又は前記カーボイの重量を支持するための、特に前記底部カバーが存在する場合は前記底部カバーと前記ボトル又は前記カーボイとの間の隙間を維持するための下部突起を有する、システム。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記底部ホルダ、前記上部ホルダ、存在する場合での前記上部カバー、存在する場合での前記底部カバー、及び、存在する場合での前記蓋、は、別個のモジュール式部品として構成される、システム。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記システムは、さらに、組み立て又は分解のための溝及びマーク付きガイドを備える、システム。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記システムはシングルユースである、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ボトル又はカーボイの中のバイオ医薬溶液を運搬するためのシングルユースのシステム又はデバイスに関する。本開示はまた、ボトル及びカーボイの中のバイオ医薬溶液の均質な凍結、解凍及び運搬のために使用されるシステム又はデバイスに関する。本開示は特に、他の従来の凍結解凍機器に容易に移され、追加される多目的システム又はデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオ医薬溶液は通常、大きなバッチで製造され、経時的な劣化を最小限に抑えるために、凍結され、且つ、貯蔵又は他の場所に運搬された後、使用するために解凍される。この製造-凍結-貯蔵又は運搬-解凍のプロセスは、製薬産業において日常的に広く行われているにもかかわらず、依然としていくつかの課題を抱えている。例えば、凍結されたバイオ医薬溶液を収容する容器を運搬するプロセスは、容器の破裂若しくは損傷によるバイオ医薬材料の損傷若しくは損失、又は、運搬条件のばらつき及び制約による温度変動、を避けるための物流上の課題を伴う。
【0003】
多くの製薬会社は、バイオ医薬溶液の貯蔵及び運搬にボトル又はカーボイを使用している。これは、これらの容器が袋よりも丈夫なためである。しかしながら、これらのボトル及びカーボイの一部は、凍結貯蔵温度で壊れやすい配管アセンブリが使用されており、破損してバイオ医薬溶液の汚染又は喪失につながる可能性がある。ボトル及びカーボイは丈夫なシステムであるが、凍結後においてこれらの容器の素材はより壊れやすく、脆くなる。さらに、これらの容器には数ミリリットルから数十リットルのものまであり、非常に低い温度(例えば、-80℃)で取り扱うのが難しい場合がある。
【0004】
凍結後の容器の損傷を防止するために、多くの会社は拠点間の運搬中の保護のためにシングルユースボックス(例えば、ポリスチレン製)を使用する。しかしながら、市販されているボックスの大部分は、容器に正確にフィットするように作られておらず、ボックスがボトルに対して大きすぎるため、運搬中に損傷する危険性が依然としてある。さらに、冷凍庫から運搬ボックスまで、ボトル又はカーボイを保護せずに取り扱う必要があり、この短いプロセス中に重大な損失につながる事故が発生する可能性がある。
【0005】
そのため、プロセスのステップのいずれにも影響を及ぼすことなく、凍結から運搬、解凍までのプロセス全体で使用できるボトル/カーボイ保護システムを開発することが必要である。したがって、ボトル又はカーボイを保護するための複数の機能を有するシステム、すなわち、コールドチェーン関連のプロセス及び物流における凍結、運搬及び解凍中に使用することで、ボトル又はカーボイを保護できるシステムが必要とされている。
【0006】
さらに、ボトル上部の相変化材料による等温断熱により、液体上部における氷の表面形成が防止され、容器内部の圧力上昇が回避され、容器の損傷又は破裂が防止されることが示されている(非特許文献1)。したがって、上述した特徴を有しつつ、凍結中にボトル又はカーボイの上部を等温断熱しながら使用することもでき、圧力による容器の損傷リスクを最小限に抑えることができるシステムがあれば便利である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】in doi:10.1208/s12249-020-01794-x
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、凍結、保管又は運搬、及び、解凍の際にボトル又はカーボイを保護するためのシングルユースのシステム又はデバイスを記載する。本明細書に記載のシングルユース系システム又はデバイスは、特定の条件下で熱伝達率を高くできるように設計されているため、保護構造体を分解することなく、最適な速度でバイオ医薬溶液を凍結又は解凍できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、凍結、運搬及び/又は解凍するためのバイオ医薬溶液が充填された、底部ホルダに挿入されるボトル又はカーボイを収容するためのシステム又はデバイス、好ましくはシングルユースのシステム又はデバイスであって、複数の異なる形状のボトル又はカーボイとの適合可能性のために、またボトル又はカーボイの形状に合わせて調整し、且つ、空気源に接続されたときに、所定の位置に前記ボトル又は前記カーボイをしっかりと固定してボトル又はカーボイの壁面と底部ホルダの壁面との間に空気が流れるようにする圧縮可能な縁(又は端縁)を有する底部ホルダと、上部ホルダと、を備えるシステムを記載する。
【0010】
一実施形態において、圧縮可能な縁は、底部ホルダ内のボトル又はカーボイの挿入方向で底部ホルダの内壁面に沿う、長手方向の圧縮可能な突出部又は凹部として構成される、すなわち底部ホルダは、挿入されたボトル又はカーボイを収容するように構成される。
【0011】
一実施形態において、圧縮可能な縁は、ボトル又はカーボイの重量を支持するための下部突起を備える。
【0012】
一実施形態において、底部ホルダ又は上部ホルダは、さらに、上部ホルダと底部ホルダとの間に、システムから空気の流れを逃がすことができる凹部を有する。
【0013】
一実施形態において、底部ホルダは、さらに、底部ホルダを通じてシステムから空気の流れを逃がすことを可能にするベントを有する。
【0014】
一実施形態において、上部ホルダは、複数の異なる形状のボトル又はカーボイに対する適合可能性のため、またボトル又はカーボイを所定位置に保持するよう、圧縮可能且つ変形可能な縁を有する。
【0015】
一実施形態において、システム又はデバイス、好ましくはシングルユースのシステム又はデバイスは、容器の下側の底部に開口部を有し、これにより、容器の壁面を通じ、側面のベントを通じて空気を流すことができる。この開口部は、様々な圧力の外部空気の流れとの容易な接続を可能にする空気シール面を有する。システム内の空気流路により、常に物理的保護を実現しながら、凍結する(冷気)又は解凍する(熱気)ためにシステムを使用できる。
【0016】
一実施形態においてシステム又はデバイス、好ましくはシングルユースのシステム又はデバイスは、凍結、運搬及び解凍するためのバイオ医薬溶液で充填されたボトル又はカーボイを収容するように構成される。
【0017】
一実施形態において、システム又はデバイスは、ポリマー、好ましくは発泡ポリスチレン(EPS)などの硬質で耐久性のある材料から作製され、好ましくはシングルユースのシステム又はデバイスである。システム又はデバイスは、プラスチック、ポリマー又は他の材料などの任意の硬質な材料から作成されてもよい。
【0018】
一実施形態において、システム又はデバイスは、5つの主要部分、すなわち、蓋、上部カバー、複数形状適合可能な上部ホルダ、複数形状適合可能な底部ホルダ及び底部カバーを備える。
【0019】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダ及び上部ホルダは、ボトル又はカーボイを収容するように設計されている。
【0020】
一実施形態において、底部ホルダ及び上部ホルダは、異なる材料又は供給業者のボトル又はカーボイの形状変化に合わせて調整するための圧縮可能/変形可能な縁を有する。
【0021】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダは、ボトル又はカーボイの底部部分のみを収容する。
【0022】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダは、圧縮可能/変形可能な縁を有し、これにより、複数形状適合可能な底部ホルダの中心にボトル又はカーボイを維持し、ボトルの壁面とホルダの壁面との間に空気を均一に流すことができる。
【0023】
別の実施形態において、ボトルの壁面と底部ホルダとの間の距離は、0.5cm~5cm、好ましくは1cm~3cmとすべきである。
【0024】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダは、底部に空気シール面を有する開口部を有する。空気シール面の気密性は、ゴム又はシリコーンなどの一般的なシーリング材料から作られた封止剤を用いて向上させることができる。
【0025】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダは、複数形状適合可能な上部ホルダに連結するための複数のピンを上部に有してもよい。
【0026】
別の実施形態では、ピンを使用して、底部ホルダと上部ホルダとの間にベントを形成し、凍結又は解凍中に空気を逃がすことができる。
【0027】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダは、システム又はデバイスの取扱いを容易にするための取っ手を有してもよい。
【0028】
一実施形態において、複数形状適合可能な上部ホルダは、ボトル又はカーボイの上部を収容するように設計されている。
【0029】
別の実施形態において、複数形状適合可能な上部ホルダは、ボトルの上半分を収容する又は覆う。
【0030】
一実施形態において、複数形状適合可能な上部ホルダは、ボトルの壁面とホルダの壁面との間にキャビティを有するように設計されている。当該キャビティには、相変化材料を装填できる。
【0031】
別の実施形態において、システム又はデバイスは、複数形状適合可能な上部ホルダに連結され、またボトルが有し得る配管アセンブリを収容するように構成された上部カバーを備える。
【0032】
別の実施形態において、システム又はデバイスは、システムの上部を閉じるため、又は、配管アセンブリに容易にアクセスするための蓋を備える。配管アセンブリが存在する場合、蓋は、トップカバーに連結され、システム又はデバイスを閉じる。配管アセンブリが存在しない場合、上部カバーを使用する必要はなく、蓋は、複数形状適合可能な上部ホルダに直接連結される。
【0033】
別の実施形態において、システム又はデバイスは、複数形状適合可能な底部ホルダに連結され、運搬のためにシステム又はデバイスを閉じるように構成された底部カバーを備える。
【0034】
別の実施形態において、システム又はデバイスの全ての部品を複数部品として構成できる。これは、各部品が1つの要素としても、又は、互いに連結される複数の要素としても設計可能であることを意味する。
【0035】
別の実施形態において、システム又はデバイスは、その組み立て又は分解を容易にするために、システムを構成する部品間に溝を有してもよい。
【0036】
別の実施形態において、システム又はデバイスは、システム又はデバイスの分解を容易にするために、使用者が(EPSのような)ポリマーを切断できるようにするマーク付きガイドを有してもよい。
【0037】
本開示の別の態様は、シングルユースのシステム又はデバイスの主要な構成、すなわち、
(1)凍結及び解凍するために、複数形状適合可能な底部ホルダと上部ホルダとの間にベントを有する、
(2)運搬するために、底面カバーで完全に閉じられる
の構成に関する。
【0038】
別の実施形態において、システム又はデバイスは、解凍するために、複数形状適合可能な上部ホルダなしで使用され得る。
【0039】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の多目的シングルユースのシステム又はデバイスを使用して、ボトル又はカーボイに収容されているバイオ医薬溶液を凍結、運搬及び解凍するための方法に関する。
【0040】
本開示は、シングルユースのシステム又はデバイスを使用してバイオ医薬液を凍結するための方法に関し、この方法は、
(1)バイオ医薬溶液が入ったボトル又はカーボイを複数形状適合可能な底部ホルダに配置するステップと、
(2)底部と上部ホルダとの間に開口ベントを維持しながら、ボトルの上部に複数形状適合可能な上部ホルダを配置するステップと、
(3)上部ホルダのキャビティに相変化物質を装填するステップと、
(4)配管アセンブリが存在する場合、配管アセンブリを上部カバー内に慎重に収容し、また蓋で閉じるステップと、
(5)アセンブリシステムを温度制御された空気源に接続するステップと、
(6)バイオ医薬溶液が完全に凍結するまで空気を流すステップと、
を備える。
【0041】
本開示はまた、以下のステップを含む、シングルユースのシステム又はデバイスの使用によりバイオ医薬液を運搬するための方法に関し、この方法は、
(1)底部ホルダと上部ホルダとの間のベントを閉じるステップと、
(2)底部カバーでシステムを閉じるステップと、
(3)閉じられたシステムを運搬ボックスに設置するステップと、
(4)選択された温度を維持して所望の場所に運搬するために、ドライアイス又は別の材料を装填するステップと、
を備える。
【0042】
一実施形態において、ベントを閉じるステップは、上部ホルダを押し下げることによって達成できる。
【0043】
別の実施形態では、底部ホルダと上部ホルダとの間のベントを閉じるために、適切に設計された部品をベントに挿入できる。代替的な実施形態では、テープ、ゴムバンド、ストラップ、プラスチックラップ又は穴を覆う他の手段でベントを閉じることができる。
【0044】
本開示はまた、以下のステップを含む、シングルユースのシステム又はデバイスの使用によりバイオ医薬液を解凍するための方法に関し、この方法は、
(1)底部カバーを取り外すステップと、
(2)底部ホルダと上部ホルダとの間のベントを開くステップと、
(3)アセンブリシステム又はアセンブリデバイスを温度制御された空気源に接続するステップと、
(4)バイオ医薬溶液が完全に解凍されるまで空気を流すステップと、
を備える。
【0045】
別の実施形態において、ベントを開くステップは、上部ホルダを押し上げることによって達成できる。
【0046】
別の実施形態では、底部ホルダと上部ホルダとの間のベントを開くために、事前に挿入され、適切に設計された部品を取り外すことができる。代替実施形態では、ベントを閉じるために使用されたテープ又は他の手段を取り外すことによってベントを開くことができる。
【0047】
別の実施形態では、解凍するために、上部ホルダを完全に取り外すことができる。
【0048】
別の実施形態では、使用されるバイオ医薬溶液又は使用される実施形態に従って、方法のステップを変更できる。
【0049】
本開示のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面と併せて読むことで、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本開示の理解を容易にするために、本開示の好ましい実施形態を示す図面を添付するが、本出願の目的を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】

図1A】本開示に従う、配管アセンブリ付きでボトルを運搬するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の上方から見た斜視図である。
図1B】本開示に従う、配管アセンブリなしでボトルを運搬するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の上方から見た斜視図である。
図2A】本開示に従う、配管アセンブリ付きでボトルを凍結/解凍するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の下方から見た斜視図である。
図2B】本開示に従う、ボトルを凍結/解凍するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の底面図である。
図3A】本開示に従う、配管アセンブリ付きでボトルを凍結/解凍するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の正面図である。
図3B】本開示に従う、配管アセンブリなしでボトルを凍結/解凍するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の正面図である。
図4A】本開示に従う、ボトルを凍結/解凍するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の概略的な断面図である。
図4B】本開示に従う、相変化物質303を使用して、ボトルを凍結/解凍するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の概略的な断面図である。
図5】本開示に従う、複数形状適合可能な底部ホルダ400のみを使用して、ボトルを優先的に解凍するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイス10の上方から見た斜視図である。
図6A】本開示に従う、ボトルを運搬するように構成された別のシングルユースのシステム又はデバイス10の上方から見た斜視図である。
図6B】本開示に従う、ボトルを運搬するように構成された別のシングルユースのシステム又はデバイス10の概略的な断面図である。
図7】本開示のシステム又はデバイスの実施形態の図である。
図8】本開示のシステム又はデバイスの実施形態の図である。
図9】本開示のシステム又はデバイスの実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
上述のように、制御された凍結及び解凍の速度に必要な熱伝達を損なうことなく、バイオ医薬溶液の凍結、運搬及び解凍を含むコールドチェーンプロセス全体で使用できるボトル/カーボイ保護システム又はデバイスを開発する必要がある。このシステム又はデバイスは、熱ストレスによる活性物質の劣化を防止するために最適化されなければならない。したがって本開示は、ボトル又はカーボイを保護するための複数の機能を有するシステム又はデバイス、すなわち、凍結、運搬及び解凍中に使用して、コールドチェーン関連のプロセス及び物流においてボトル又はカーボイを保護できるシステム又はデバイスについて記載する。さらに、このシステム又はデバイスは、強制空気対流機器を使用して、均質な凍結及び解凍を保証する。
【0052】
本開示は、凍結、運搬及び/又は解凍するためのバイオ医薬溶液が充填されたボトル又はカーボイを収容するための、システム又はデバイス、好ましくは、シングルユースのシステム又はデバイスであって、複数の異なる形状のボトル又はカーボイとの適合可能性のためにボトル又はカーボイの形状に合わせて調整し、且つ、空気源に接続されているときに、ボトル又はカーボイの壁面と底部ホルダの壁面との間に空気が流れるように所定の位置にボトル又はカーボイをしっかりと固定するための圧縮可能な縁を有する底部ホルダと、上部ホルダと、を備えるシステム又はデバイスに関する。
【0053】
本開示は、凍結、運搬及び/又は解凍するためのバイオ医薬溶液が充填されたボトル又はカーボイを収容するためのシングルユースのシステム又はデバイスを記載する。コールドチェーン中に容器の一体性を保つために現在利用可能なほとんどのシングルユースのシステム又はデバイスは、容器と外部条件との間の熱伝達を低減又は最小限に抑え、温度変動を回避するように設計されている。逆に、本明細書に記載のシングルユースのシステム又はデバイスは、特定の条件下で熱伝達率を高くできるように設計されているため、保護構造体を分解することなく、バイオ医薬溶液を最適な速度で凍結又は解凍することができる。
【0054】
本開示は、ボトル又はカーボイ中のバイオ医薬溶液を移送するためのシステム又はデバイス、好ましくはシングルユースのシステム又はデバイスを記載する。このシステム又はデバイスはまた、ボトル及びカーボイ中のバイオ医薬溶液の均質な凍結及び解凍を可能にする。このシステム又はデバイスは、他の従来の凍結解凍機器に容易に移され、追加される多目的システムである。
【0055】
本開示は、容器の下側の底部に開口部を有し、容器の壁面を通じ、側面のベントを通じて空気を送り流すことができるシステム又はデバイス、好ましくはシングルユースのシステム又はデバイスを記載する。この開口部は、様々な圧力の外部空気の流れとの容易な接続を可能にする空気シール面を有する。凍結後、システム又はデバイスの底部の開口部をカバーで閉じることで、システム又はデバイスを運搬する準備が整う。システム内の空気流路により、常に物理的保護を実現しながら、凍結(冷気)する又は解凍する(熱気)ためにシステムを使用できる。
【0056】
一実施形態において、システム又はデバイス10は、物理的な保護を実現しながら、ボトル又はカーボイ600内のバイオ医薬溶液を運搬するように構成される。加えて、システム又はデバイスは、ベンチレータ又はコンプレッサのような空気ドライバに接続されるように構成され、バイオ医薬溶液の均質且つ再現可能な凍結及び解凍のために、必要に応じて低温又は高温の空気が容器の壁面406それぞれを通って流すことができる。(例示図解用の図1図6参照)。
【0057】
一実施形態において、システム又はデバイス10は、凍結、運搬及び解凍するためのバイオ医薬溶液が充填されたボトル又はカーボイ600を収容するように構成されたシングルユースのシステム又はデバイスである。シングルユースのシステムは、ポリマー(優先的には発泡ポリスチレン(EPS))のような、落下に対する保護及び断熱性を実現できる硬質で耐久性のある材料で形成されている。システムは、任意の硬質な材料、例えば、プラスチック、ポリマー又は他の材料で形成することもできる。
【0058】
一実施形態において、システム又はデバイス10は、5つの主要部分、すなわち、蓋100、上部カバー200、複数形状適合可能な上部ホルダ300、複数形状適合可能な底部ホルダ400、及び、底部カバー500を備える(例示図解用の図1図6参照)。
【0059】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダ400及び上部ホルダ300は、ボトル又はカーボイ600を収容するように設計されている。底部ホルダ400及び上部ホルダ300は、ボトル及びカーボイ600の複数の形状を収容するように設計されている。底部ホルダ400及び上部ホルダ300は、異なる材料又は供給業者のボトル又はカーボイの形状変化に合わせて調整するための圧縮可能/変形可能な縁301を有する(例示図解用の図2図6図7図9参照)。
【0060】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダ400は、ボトル又はカーボイ600の底部を収容するように設計されている。複数形状適合可能な底部ホルダ400は、ボトル又はカーボイ600の底部部分のみを収容する。別の実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダ400は、ボトルの下半分を収容するだけ又は覆うだけである。一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダ400は、ボトル又はカーボイの形状変化に合わせて調整し、ボトル又はカーボイの位置をしっかりと固定するための圧縮可能/変形可能な縁301を有する。一実施形態において、圧縮可能/変形可能な縁301は、複数形状適合可能な底部ホルダ400の中心にボトル又はカーボイを維持し、ボトルの壁面とホルダ406の壁面との間に空気が均一に流れることを可能にする。別の実施形態において、ボトルの壁面と複数形状適合可能な底部ホルダ400との間の距離は、0.5cm~5cm、好ましくは1cm~3cmとすべきである(例示図解用の図1図6参照)。
【0061】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダ400は、空気源に接続されたときの空気漏れを最小限に抑えて、空気の流れが容器の壁面を通過できるようにするため、底部に空気シール面403付きの開口部402を有する。空気シール面403の気密性は、ゴム又はシリコーンなどの一般的なシーリング材料から作られた封止剤を用いて向上させることができる(例示図解用の図2参照)。
【0062】
一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダ400は、保管又は運搬のためのシステムの一体性を高めるよう、複数形状適合可能な上部ホルダ300に連結するための複数のピン404を上部に有してもよい。別の実施形態では、ピン404を使用して、底部ホルダ400と上部ホルダ300との間にベント405を形成し、凍結又は解凍中に空気を逃がすことができる。一実施形態において、複数形状適合可能な底部ホルダ400は、システムの取り扱いを容易にするための取っ手407を有してもよい(例示図解用の図1~6参照)。
【0063】
一実施形態において、複数形状適合可能な上部ホルダ300は、ボトル又はカーボイ600の上部を収容するように設計されている。別の実施形態において、複数形状適合可能な上部ホルダ300は、ボトルの上半分を収容する又は覆う。一実施形態において、複数形状適合可能な上部ホルダ300は、様々な形状のボトル又はカーボイをしっかりと固定するための圧縮可能且つ変形可能な縁301を有する。一実施形態において、圧縮可能且つ変形可能な縁301は、上部ホルダ300の底部に配置され、ボトル600を締め付けることで空気の流れがボトルの上部を通過できないようにする(例示図解用の図1図6参照)。
【0064】
一実施形態において、複数形状適合可能な上部ホルダ300は、ボトルの壁面とホルダの壁面との間にキャビティ302を有するように設計されている。当該キャビティ302には、相変化材料303を装填できる。相変化材料303は、好ましくは、可撓性容器内に収容されるか、又は、ボトルの上部の形状に適合する半固体材料のブロックとして収容される。相変化材料は、好ましくは、凍結中又は運搬のために使用される(例示図解用の図4参照)。
【0065】
別の実施形態において、システム又はデバイス10は、上部カバー200を備える。当該上部カバー200は、複数形状適合可能な上部ホルダ300に連結するよう、またボトルが有し得る配管アセンブリを収容するように構成される。一実施形態において、上部カバー200は、配管アセンブリを収容し、凍結、解凍又は運搬中に配管アセンブリを保護するように設計されている。凍結プロセスの後、配管は壊れやすく、脆くなる。したがって、上部カバー200は、配管を衝撃から保護し、配管の破損及びその結果としてバイオ医薬溶液が汚染されることを防止する(例示図解用の図1図6参照)。
【0066】
別の実施形態において、システム又はデバイス10は、システムの上部を閉じるため、又は、配管アセンブリに容易にアクセスするための蓋100を備える。配管アセンブリが存在する場合、蓋100は、上部カバー200に連結され、システムを閉じる。配管アセンブリが存在しない場合、上部カバー200を使用する必要はなく、蓋100は、複数形状適合可能な上部ホルダ300に直接連結される(例示図解用の図1図6参照)。
【0067】
別の実施形態において、システム又はデバイス10は、底部カバー500を備える。この底部カバー500は、複数形状適合可能な底部ホルダ400に連結され、運搬のためにシステムを閉じるように構成される(例示図解用の図1図6参照)。
【0068】
別の実施形態では、システム又はデバイス10の全ての部品を複数部品として構成できる。これは、各部品が1つの要素としても、又は、互いに連結される複数の要素としても設計可能であることを意味する。
【0069】
別の実施形態において、システム又はデバイス10は、その組み立て又は分解を容易にするために、システム又はデバイス10を構成する部品間に溝408を有してもよい(例示図解用の図1図6参照)。別の実施形態において、システム又はデバイスは、システム又はデバイスの分解を容易にするために、使用者が(EPSのような)ポリマーを切断できるようにするマーク付きガイドを有してもよい。
【0070】
好ましい実施形態において、本明細書に記載のシングルユースのシステム又はデバイスは、ボトル又はカーボイ中のバイオ医薬溶液を凍結、運搬及び解凍するために使用される。好ましい実施形態において、シングルユースのシステム又はデバイスは、(凍結又は解凍された)バイオ医薬溶液が入ったボトル又はカーボイを運搬するための保護システム又はデバイスとして使用され、運搬中にボトルが衝撃又は物理的ストレスを受けることを回避する。一実施形態において、シングルユースのシステム又はデバイスは、冷却チャンバ又は加熱チャンバなどの従来の凍結解凍機器を使用して凍結又は解凍するために使用される。
【0071】
本開示の別の態様は、前述の多目的シングルユースのシステム又はデバイス10を使用して、ボトル又はカーボイ600に収容されているバイオ医薬溶液を凍結、運搬及び解凍するための方法に関する。したがって、シングルユースのシステム又はデバイスは、2つの主要な構成を有する、すなわち、(1)凍結及び解凍するために、複数形状適合可能な底部ホルダ400と上部ホルダ300との間にベント405を有する構成(図2図6参照)、及び(2)運搬するために、底部カバー500で完全に閉じられる構成(図1及び図6参照)。別の実施形態において、シングルユースのシステム又はデバイスは、解凍するために、複数形状適合可能な上部ホルダ300なしで使用され得る(図5)。
【0072】
本開示は、シングルユースのシステム又はデバイス10を使用してバイオ医薬溶液を凍結するための方法に関する。この方法は、以下のステップ、すなわち、(1)バイオ医薬溶液が入ったボトル又はカーボイ600を複数形状適合可能な底部ホルダ400に配置するステップと、(2)底部400と上部ホルダ300との間に開口ベント405を維持しながら、ボトルの上部に複数形状適合可能な上部ホルダ300を配置するステップと、(3)上部ホルダ300のキャビティ302に相変化物質303を装填するステップと、(4)配管アセンブリが存在する場合、配管アセンブリを上部カバー200内に慎重に収容し、蓋100で閉じるステップと、(5)アセンブリシステム又はアセンブリデバイス10を温度制御された空気源に接続するステップと、及び(6)バイオ医薬溶液が完全に凍結するまで空気406を流すステップと、を備える。別の実施形態では、使用されるバイオ医薬溶液又は使用される実施形態に従って、方法のステップを変更できる。
【0073】
本開示はまた、本開示のシステム又はデバイス、好ましくはシングルユースのシステム又はデバイス10を使用して、バイオ医薬溶液を運搬するための方法に関する。一例として、以下のステップを含む凍結バイオ医薬品を運搬する方法が記載されている、すなわち、(1)底部400と上部ホルダ300との間のベント405を閉じるステップと、(2)底部カバー500でシステムを閉じるステップと、(3)閉じられたシステム又はデバイスを運搬ボックスに設置するステップと、(4)選択された温度を維持して所望の場所に運搬するために、ドライアイス又は別の材料を装填するステップと、を備える。別の実施形態では、使用されるバイオ医薬溶液及び運搬の目的に従って、方法のステップを変更することができる。一実施形態において、ベント405を閉じるステップ(1)は、上部ホルダ300を押し下げることによって達成できる。別の実施形態では、底部400と上部ホルダ300との間のベント405を閉じるために、適切に設計された部品をベントに挿入できる。代替的な実施形態では、テープ、ゴムバンド、ストラップ、プラスチックラップ又は穴を覆う他の手段でベントを閉じることができる。
【0074】
本開示はまた、シングルユースのシステム又はデバイス10を使用してバイオ医薬溶液を解凍するための方法に関する。この方法は以下のステップ、すなわち、(1)底部カバー500を取り外すステップと、(2)底部400と上部ホルダ300との間のベント405を開くステップと、(3)アセンブリシステム又はアセンブリデバイスを温度制御された空気源に接続するステップと、(4)バイオ医薬溶液が完全に解凍されるまで空気406を流すステップと、を備える。別の実施形態では、使用されるバイオ医薬溶液又は使用される実施形態に応じて、方法のステップを変更することができる。配管アセンブリが存在する場合、上部カバー200は、解凍中において、そのまま維持されるべきである。一実施形態において、ベント405を開くステップ(2)は、上部ホルダ300を押し上げることによって達成できる。別の実施形態では、底部400と上部ホルダ300との間のベント405を開くために、事前に挿入され、適切に設計された部品を取り外すことができる。代替実施形態では、ベントを閉じるために使用されたテープ又は他の手段を取り外すことによってベントを開くことができる。別の実施形態では、ステップ(2)において、上部ホルダ300を完全に取り外すことができる(図5参照)。
【0075】
別の実施形態において、解凍中にシングルユースのシステム又はデバイスを収容するように構成された撹拌プラットフォームを使用できる。前記撹拌プラットフォームは、回転、揺動、振盪、振動又は他の形態の撹拌を提供して、解凍中にボトル又はカーボイ内の液体の対流を誘導できる。
【0076】
本明細書で使用される「備える(comprising)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、構成要素の存在を示すことを意図するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
【0077】
本明細書で別途示されない限り、記載されるステップの特定の順序は例示にすぎず、本開示から逸脱することなく変更され得ることが、当業者に理解されよう。したがって、特に明記しない限り、記載されるステップは順序付けられておらず、可能な場合、ステップは任意の都合のいい又は望ましい順序で実行され得ることを意味する。
【0078】
本開示は、記載された実施形態に決して限定されるものではなく、当業者は、それの修正について多くの可能性を予見するだろう。上述の実施形態は組み合わせることができる。以下の特許請求の範囲には、本開示の特定の実施形態が更に記載されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【国際調査報告】