(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】貯蔵コンテナ、1つ以上の貯蔵コンテナを備えているシステム、および貯蔵コンテナを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240214BHJP
B65D 21/02 20060101ALI20240214BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65D21/02 210
B65D6/18 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544282
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2022051327
(87)【国際公開番号】W WO2022161863
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
(72)【発明者】
【氏名】フィエルドハイム, イヴァル
(72)【発明者】
【氏名】オーセット, シメン
(72)【発明者】
【氏名】ハテラン, マグネ
【テーマコード(参考)】
3E006
3E061
3F022
【Fターム(参考)】
3E006AA03
3E006BA01
3E006CA01
3E006CA03
3E006CA05
3E006EA07
3E061AA02
3E061AB04
3E061AB08
3E061AB09
3E061AB15
3E061CA09
3E061DB17
3F022EE09
3F022FF00
(57)【要約】
自動貯蔵回収システムのための貯蔵コンテナであって、貯蔵コンテナは、貯蔵コンテナのスタック内に積み重ねられるように構成され、下方にある貯蔵コンテナは、上方に配置された貯蔵コンテナを支持し、貯蔵コンテナは、貯蔵コンテナが上方から持ち上げられることができるように、リフト装置上のグリッパによって持ち上げられるように適合され、貯蔵コンテナは、ベースと、各々がベースの縁部にヒンジ接続された4つの側面と、側面がベースに対して実質的に90度および互いに対して配置されたとき、各々が一対の隣接する側面を水平方向に互いに相互接続するように構成された4つのコーナーポストとを備えている貯蔵コンテナが記載されている。2次元レールシステムと1つ以上の貯蔵コンテナとを備えている自動貯蔵回収システムがさらに記載される。貯蔵コンテナを輸送し、貯蔵コンテナを組み立てる方法がさらに記載される。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動貯蔵回収システム(Automated Storage and Retrieval System:ASRS)(1)のための貯蔵コンテナ(106)であって、前記貯蔵コンテナ(106)は、貯蔵コンテナ(106)のスタック内に積み重ねられるように構成され、下方にある貯蔵コンテナ(106)は、上方に配置された前記貯蔵コンテナ(106)を支持し、前記貯蔵コンテナ(106)は、リフト装置上のグリッパ(304)によって持ち上げられるように適合され、それによって、前記貯蔵コンテナ(106)は、上方から持ち上げられることができ、前記貯蔵コンテナ(106)は、
ベース(10)と、
4つの側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)であって、前記4つの側面の各々は、前記ベース(10)の縁部(14’、14’’、14’’’、14’’’’)にヒンジ接続されている、4つの側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)と、
4つのコーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)と
を備え、
前記4つのコーナーポストの各々は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)が前記ベース(10)に対して実質的に90度、かつ互いに対して実質的に90度に配置されたとき、一対の隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)を水平方向に互いに相互接続するように構成されている、貯蔵コンテナ。
【請求項2】
前記貯蔵コンテナ(106)の前記ベース(10)および側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)は、シート材料(13)を備え、
前記シート材料は、ブランクとして提供されており、前記ベース(10)および4つの側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)は、前記ブランクから形成されており、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の各々は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の各々と前記ベース(10)との間に延びている脆弱線(14’、14’’、14’’’、14’’’’)によって提供されるライブヒンジによって前記ベース(10)のそれぞれの縁部(14’、14’’、14’’’、14’’’’)に接続され、それによって、前記それぞれの側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)は、前記脆弱線(14’、14’’、14’’’、14’’’’)に沿って前記ベース(10)に対して折り曲げられることができる、請求項1に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項3】
前記脆弱線(14’、14’’、14’’’、14’’’’)は、前記シート材料(13)の材料の量が減少した線である、請求項2に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項4】
前記脆弱線(14’、14’’、14’’’、14’’’’)は、貫通孔(15)を備えている、請求項2または3に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項5】
前記貫通孔(15)は、前記脆弱線(14’、14’’、14’’’、14’’’’)の30%より多くを構成する、請求項4に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項6】
前記貫通孔(15)の断面積は、水が流れるために十分な大きさである、請求項4または5に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項7】
前記貫通孔(15)は、
-前記貯蔵コンテナ(106)の内面に配置された入口(43)と、
-前記貯蔵コンテナ(106)の外面に配置された出口(44)と
を備え、
前記入口(43)は、前記貫通孔(15)の前記出口(44)と等しいかまたはそれより高い高さに配置されている、請求項4から6のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項8】
前記脆弱線(14’、14’’、14’’’、14’’’’)は、直線状の線である、請求項2から7のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項9】
前記シート材料(13)は、前記ベース(10)および前記4つの側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の輪郭を提供するように打ち抜かれている、請求項2から8のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項10】
前記ベース(10)および前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)は、金属シート材料(13)、プラスチックシート材料(13)、厚紙シート材料(13)、または複合シート材料(13)から形成されている、請求項1-9のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項11】
前記ベース(10)および前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)は、アルミニウムまたは鋼から形成されている、請求項10に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項12】
前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、少なくとも前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の高さと同じ高さである、請求項1-11のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項13】
前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)の上端は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の上端と同じ高さ、またはそれより上にある、請求項1-12のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項14】
前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)の下端は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の下端と同じ高さ、またはそれより下にある、請求項1-13のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項15】
前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、プラスチック材料から形成されている、請求項1-14のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項16】
前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、その外面に長手方向の窪み(17)を備えている、請求項1-15のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項17】
前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の各々は、上縁部(18)と、2つの対向する側縁部とを備え、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の各々は、各側縁部に外側に延びているリブ(19)を提供するために前記側縁部に折り目(20)を形成して折り曲げられており、各コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、一対の隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)から前記それぞれの外側に延びているリブ(19)を受け取るためのその長手方向に延びている一対の溝(21)を備えている、請求項1-16のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項18】
1つの側面(11’~11’’’’)の前記側縁部間の距離は、前記ベース(10)の2つの縁部(14’~14’’’’)間の距離より短く、それによって、前記隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の隣接する側縁部は、前記貯蔵コンテナ(106)の内部の真の幾何学的コーナーより短く終わっている、請求項17に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項19】
前記上縁部は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)のフランジ部(30)の一部を形成し、前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を前記フランジ部(30)に係止するためのスナップ係止接続部を備えている、請求項17または18に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項20】
前記フランジ部(30)は、主要部(31)と、中間部(32)と、外側部(33)とを備え、前記上縁部(18)は、前記外側部(33)の前記上端を形成している、請求項19に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項21】
前記中間部(32)は、前記主要部(31)に対して外側に折り曲げられており、前記外側部(33)は、前記中間部(32)に対して上方に折り曲げられている、請求項20に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項22】
前記主要部(31)および前記外側部(33)は、実質的に平行である、請求項20または21に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項23】
前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の前記外側部(33)によって形成される断面積は、前記ベース(10)より全方向において大きく、したがって、真上に支持された貯蔵コンテナ(106)の前記ベース(10)の前記貫通孔(15)より全方向において大きく、それによって、上方の前記貯蔵コンテナ(106)の前記貫通孔(15)を通って流れる水は、前記フランジ部(30)の前記外側部(33)、前記中間部(32)、および前記主要部(31)を経て前記貯蔵コンテナ(106)の中に導かれる、請求項20から22のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項24】
前記上縁部(18)が折り曲げられて折り曲げ部(91)を形成しており、前記貯蔵コンテナ(106)は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)および前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)の前記上縁部の全てを互いに係止するための閉じた係止フレーム(70)をさらに備えている、請求項17または18に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項25】
前記上縁部(18)および前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、凹部(72)を備え、前記凹部は、上方に向けられたそれら開口部を有し、前記係止フレーム(70)は、前記凹部(72)と係止するための相補的な下方に向けられた突起(37)を備えている、請求項24に記載の貯蔵コンテナ(106)。
【請求項26】
2次元レールシステム(108)を備えている自動貯蔵回収システム(1)であって、前記2次元レールシステムは、フレーム構造(100)の上部を横切る第1の方向(X)におけるコンテナ取り扱い車両(301)の移動を案内するように配置された第1の組の平行レール(110a、b)と、前記第1の方向(X)に垂直な第2の方向(Y)における前記コンテナ取り扱い車両(301)の移動を案内するために前記第1の組のレール(110a、b)に垂直に配置された第2の組の平行レール(111a、b)とを備え、複数のコンテナ取り扱い車両が、前記レールシステム(108)上で動作し、前記システム(1)は、請求項1から25のいずれか1項に記載の1つ以上の貯蔵コンテナ(106)を備えている、自動貯蔵回収システム(1)。
【請求項27】
貯蔵コンテナ(106)を輸送し、前記貯蔵コンテナ(106)を現場で組み立てる方法であって、前記貯蔵コンテナ(106)は、
ベース(10)と、
4つの側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)であって、前記4つの側面の各々は、前記ベース(10)の縁部にヒンジ接続されている、4つの側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)と、
4つのコーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)と
を備え、
前記4つのコーナーポストの各々は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)が前記ベース(10)に対して実質的に90度、かつ互いに対して実質的に90度に配置されたとき、一対の隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)を水平方向に互いに相互接続するように構成され、
前記方法は、
-前記ベース(10)に対して側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の各々を20度から85度の間で部分的に折り曲げるステップと、
-共通の輸送プラットフォーム(60)上で、部分的に折り曲げられた側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)およびベース(10)を少なくとも部分的に互いにまたは互いの内部に積み重ねるステップと、
-プラットフォーム上に前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を配置するステップと、
-部分的に折り曲げられた側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)およびベース(10)および前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)のスタックをASRSの現場に輸送するステップと、
-前記貯蔵コンテナ(106)を現場で組み立てるステップと
を含む、方法。
【請求項28】
前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の各々は、上縁部と、2つの対向する側縁部とを備え、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の各々は、各側縁部に外側に延びているリブ(19)を提供するために前記側縁部に折り目(20)を形成して折り曲げられ、各コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、一対の隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)から前記それぞれの外側に延びているリブ(19)を受け取るためのその長手方向に延びている一対の溝(21)を備え、前記貯蔵コンテナ(106)を現場で組み立てる前記ステップは、
-各側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)が前記ベース(10)から90度で延びているように前記側面を完全に折り曲げることと、
-一対の隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の縁部と係止係合するように各コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を上方からスライドさせることと
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記上縁部は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)のフランジ部(30)の一部を形成し、前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を前記フランジ部(30)に係止するためのスナップ係止接続部(37)を備え、前記方法は、
-前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を前記貯蔵コンテナ(106)のフランジ部(30)にスナップ係止して、前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を前記隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の前記側縁部と係止係合させることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記上縁部は、折り曲げられており、前記貯蔵コンテナ(106)は、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)および前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)の前記上縁部の全てを互いに係止するための閉じた係止フレーム(70)をさらに備え、前記方法は、
-前記係止フレーム(70)を前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)および前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)に係止するステップを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記上縁部および前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)は、凹部(72)を備え、前記凹部は、上方に向けられたそれらの開口部を有し、前記係止フレーム(70)は、前記凹部(72)と係止するための相補的な下方に向けられた突起(37)を備え、前記方法は、
-前記凹部(72)および前記突起(37)を用いて、前記側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)および前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)に前記係止フレーム(70)を係止することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ASRSの現場で請求項1から25のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ(106)を組み立てる方法であって、前記方法は、
-各側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)が前記ベース(10)から90度で延びているように各側面を完全に折り曲げるステップと、
-一対の隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の縁部と係止係合するように各コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を上方からスライドさせるステップと、
-前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を前記貯蔵コンテナ(106)のフランジ部(30)にスナップ係止して、前記コーナーポスト(12’、12’’、12’’’、12’’’’)を前記隣接する側面(11’、11’’、11’’’、11’’’’)の前記縁部と係止係合させるステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ、特に耐火性貯蔵コンテナの貯蔵および回収のための自動貯蔵回収システムと、1つ以上の貯蔵コンテナを備えているシステムと、貯蔵コンテナを組み立てる方法とに関する。貯蔵コンテナは、特に、自動貯蔵回収システム(Automated Storage and Retrieval Systems:ASRS)での使用に適しており、この場合、貯蔵コンテナは、他の形成スタックの上に積み重ねられ、貯蔵コンテナは、第1の方向Xおよび垂直な第2の方向Yに延びているレールシステム上で動作するコンテナ取り扱い車両またはロボットによって回収可能である。
【背景技術】
【0002】
図1は、骨組み構造100を有する典型的な従来技術の自動貯蔵回収システム1を開示しており、
図2および
図3は、そのようなシステム1上で動作するのに適した2つの異なる従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301を開示している。
【0003】
骨組み構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102および水平部材103間に横並びに配置された貯蔵カラム105を備えている貯蔵容積とを備えている。これらの貯蔵カラム105では、ビンとしても知られている貯蔵コンテナ106が互いに積み重ねられてスタック107を形成する。部材102、103は、典型的に、金属、例えば押し出しアルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0004】
自動貯蔵回収システム1の骨組み構造100は、骨組み構造100の上部にわたって配置されたレールシステム108を備え、そのレールシステム108上で、複数のコンテナ取り扱い車両201、301は、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム内に降下させるように動作し、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105の上方に輸送するようにも動作する。レールシステム108は、フレーム構造100の上部を横切る第1の方向Xにおけるコンテナ取り扱い車両201、301の移動を案内するように配置された第1の組の平行レール110と、第1の方向Xに垂直な第2の方向Yにおけるコンテナ取り扱い車両201、301の移動を案内するために第1の組のレール110に垂直に配置された第2の組の平行レール111とを備えている。カラム105に貯蔵されたコンテナ106は、レールシステム108のアクセス開口部112を通してコンテナ取り扱い車両によってアクセスされる。コンテナ取り扱い車両201、301は、貯蔵カラム105の上方で、すなわち水平X-Y平面に平行な平面内で横方向に移動することができる。
【0005】
骨組み構造100の直立部材102は、コンテナをカラム105から上昇させ、コンテナをカラムに降下させる間、貯蔵コンテナを案内するために使用され得る。コンテナ106のスタック107は、典型的に、自立型である。
【0006】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、車体201a、301aと、第1および第2の組の車輪201b、301b、201c、301cとを備え、第1および第2の組の車輪は、それぞれ、X方向およびY方向におけるコンテナ取り扱い車両201、301の横方向移動を可能にする。
図2および
図3では、各組の2つの車輪が完全に見える。第1の組の車輪201b、301bは、第1の組のレール110の隣り合う2つのレールと係合するように配置され、第2の組の車輪201c、301cは、第2の組のレール111の隣り合う2つのレールと係合するように配置される。車輪の組201b、301b、201c、301cのうちの少なくとも1つは、昇降されることができ、その結果、第1の組の車輪201b、301bおよび/または第2の組の車輪201c、301cは、任意の時点でそれぞれのレール110、111の組と係合されることができる。
【0007】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、貯蔵コンテナ106を垂直方向に輸送するための(例えば、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラムから上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105内に降下させるための)リフト装置(図示せず)も備えている。リフト装置は、貯蔵コンテナ106と係合するように適合された1つ以上の把持/係合装置を備え、把持/係合装置は、車両201、301に対する把持/係合装置の位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yと直交する第3の方向Zに調整されることができるように、車両201、301から降下させられることができる。コンテナ取り扱い車両301の把持装置の一部が、参照符号304によって示される
図3に示されている。コンテナ取り扱い装置201の把持装置は、
図2の車体201a内に位置している。
【0008】
従来、および本出願の目的のためにも、Z=1は、貯蔵コンテナの最上層、すなわちレールシステム108の直下の層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別する。
図1に開示される例示的な従来技術では、Z=8は、貯蔵コンテナの最下層を識別する。同様に、X=1・・・nおよびY=1・・・nは、水平面内における各貯蔵カラム105の位置を識別する。したがって、例として、
図1に示す直交座標系X、Y、Zを用いると、
図1において106’として識別される貯蔵コンテナは、貯蔵位置X=10、Y=2、Z=3を占有していると言うことができる。コンテナ取り扱い車両201、301は、層Z=0において走行していると言うことができ、各貯蔵カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
骨組み構造100の貯蔵容積は、グリッド104と呼ばれることが多く、このグリッド内の可能な貯蔵位置は、貯蔵セルと呼ばれる。各貯蔵カラムは、X方向およびY方向の位置によって識別され得、各貯蔵セルは、X方向、Y方向およびZ方向のコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、貯蔵コンテナ106をレールシステム108を横切って輸送するときに貯蔵コンテナ106を受け取って収容するための貯蔵区画または空間を備えている。貯蔵空間は、
図2に示され、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278A1号(特許文献1)に記載されているように、車体201a内の中央に配置されたキャビティを含み得る。
【0011】
図3は、片持ち梁構造を有するコンテナ取り扱い車両301の代替的な構成を示している。そのような車両は、例えばNO317366に詳細に記載されており、その内容も参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
図2に示す中央キャビティコンテナ取り扱い車両201は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278A1号に記載されているように、貯蔵カラム105の横方向範囲にほぼ等しいXおよびY方向の寸法を有する領域を覆うフットプリントを有し得る。本明細書で使用される「横方向」という用語は、「水平」を意味し得る。
【0013】
あるいは、中央キャビティコンテナ取り扱い車両101は、例えば国際公開第2014/090684号に開示されているように、貯蔵カラム105によって画定される横方向領域より大きいフットプリントを有し得る。
【0014】
レールシステム108は、典型的に、車両の車輪が走行する溝を有するレールを備えている。あるいは、レールは、上方に突出する要素を備え得、車両の車輪は、脱輪を防止するためのフランジを備えている。これらの溝および上方に突出する要素は、まとめてトラックとして知られている。各レールは、1つのトラックを備え得るか、または、各レールは、2つの平行なトラックを備え得る。
【0015】
その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018/146304号は、X方向およびY方向の双方におけるレールおよび平行なトラックを備えているレールシステム108の典型的な構成を示している。
【0016】
骨組み構造100において、カラム105の大部分は、貯蔵カラム105、すなわち貯蔵コンテナ106がスタック107に貯蔵されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。
図1において、カラム119および120は、貯蔵コンテナ106がアクセスステーション(図示せず)に輸送されることができるように、貯蔵コンテナ106をドロップオフおよび/またはピックアップするためにコンテナ取り扱い車両201、301によって使用されるそのような専用のカラムであり、アクセスステーションにおいて、貯蔵コンテナ106は、骨組み構造100の外部からアクセスされることができるか、または、貯蔵コンテナ106は、骨組み構造100の外部または内部に移送されることができる。当該技術分野では、そのような位置は、通常「ポート」と呼ばれ、ポートが位置するカラムは、「ポートカラム」119、120と呼ばれ得る。アクセスステーションへの輸送は、任意の方向、すなわち水平、傾斜および/または垂直であり得る。例えば、貯蔵コンテナ106は、骨組み構造100内のランダムまたは専用のカラム105に配置され、その後、任意のコンテナ取り扱い車両によってピックアップされ、アクセスステーションへのさらなる輸送のためにポートカラム119、120に輸送され得る。「傾斜した」という用語は、水平と垂直との間のどこかに一般的な輸送方向を有する貯蔵コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1において、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取り扱い車両201、301がアクセスまたは移送ステーションに輸送される貯蔵コンテナ106をドロップオフすることができる専用のドロップオフポートカラムであり得、第2のポートカラム120は、コンテナ取り扱い車両201、301がアクセスまたは移送ステーションから輸送された貯蔵コンテナ106をピックアップすることができる専用のピックアップポートカラムであり得る。
【0018】
アクセスステーションは、典型的に、製品物品が貯蔵コンテナ106から取り出されるか、または、貯蔵コンテナ106の中に配置されるピッキングまたはストックステーションであり得る。ピッキングまたはストックステーションでは、貯蔵コンテナ106は、通常、自動貯蔵回収システム1から除去されず、一旦アクセスされると再び骨組み構造100に戻される。ポートは、貯蔵コンテナを別の貯蔵施設(例えば、別の骨組み構造に、または別の自動貯蔵回収システム)、輸送車両(例えば、列車またはトラック)、または生産施設に移送するためにも使用されることもできる。
【0019】
コンベヤを備えているコンベヤシステムは、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナを輸送するために使用される。
【0020】
ポートカラム119、120とアクセスステーションとが異なるレベルに配置されている場合、コンベヤシステムは、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナ106を垂直に輸送するための垂直構成要素を有するリフト装置を備え得る。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2014/075937A1号に記載されているように、異なる骨組み構造間で貯蔵コンテナ106を移送するように構成され得る。
【0022】
図1に開示されているカラム105のうちの1つに貯蔵されている貯蔵コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナ取り扱い車両201、301のうちの1つは、その位置から目標貯蔵コンテナ106を回収し、それをドロップオフポートカラム119に輸送するように指示される。この動作は、目標貯蔵コンテナ106が配置されている貯蔵カラム105の上方の位置にコンテナ取り扱い車両201、301を移動させ、コンテナ取り扱い車両201、301のリフト装置(図示せず)を使用して貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を回収し、貯蔵コンテナ106をドロップオフポートカラム119に輸送することを含む。目標貯蔵コンテナ106がスタック107内の奥深くに配置されている場合、すなわち、目標貯蔵コンテナ106の上方に1つまたは複数の他の貯蔵コンテナ106が配置されている場合、動作は、目標貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から持ち上げる前、上方に配置された貯蔵コンテナを一時的に移動させることも含む。当該技術分野において「採掘」と呼ばれることもあるこのステップは、目標貯蔵コンテナをドロップオフポートカラム119に輸送するためにその後使用されるのと同じコンテナ取り扱い車両によって、または、1または複数の他の協働するコンテナ取り扱い車両によって実行され得る。代替的に、または追加的に、自動貯蔵回収システム1は、貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を一時的に除去するタスク専用のコンテナ取り扱い車両201、301を有し得る。目標貯蔵コンテナ106が貯蔵カラム105から除去されると、一時的に除去された貯蔵コンテナ106は、元の貯蔵カラム105に位置変更され得る。しかしながら、除去された貯蔵コンテナ106は、代替的に他の貯蔵カラム105に移転され得る。
【0023】
貯蔵コンテナ106がカラム105のうちの1つに貯蔵されるべき場合、コンテナ取り扱い車両201、301のうちの1つは、貯蔵コンテナ106をピックアップポートカラム120からピックアップし、それが貯蔵されるべき貯蔵カラム105の上方の位置にそれを輸送するように指示される。スタック107内の目標位置またはその上方に配置された任意の貯蔵コンテナ106が除去された後、コンテナ取り扱い車両201、301は、貯蔵コンテナ106を所望の位置に配置する。次いで、除去された貯蔵コンテナ106は、貯蔵カラム105内に戻され得るか、または、他の貯蔵カラム105に位置変更され得る。
【0024】
自動貯蔵回収システム1を監視および制御するために、例えば、コンテナ取り扱い車両201、301が互いに衝突することなく所望の貯蔵コンテナ106が所望の時間に所望の位置に配送されることができるように、骨組み構造100内のそれぞれの貯蔵コンテナ106の位置、各貯蔵コンテナ106の内容物、およびコンテナ取り扱い車両201、301の移動を監視および制御するために、自動貯蔵回収システム1は、典型的に、コンピュータ化され、典型的に、貯蔵コンテナ106を追跡するためのデータベースを備えている制御システム500を備えている。
【0025】
通常、ASRSが設置される建物または現場は、火災時のスプリンクラーシステムが装備されている。そのようなスプリンクラーシステムは、通常、屋根に取り付けられ、高価な投資を表す。特に、貯蔵コンテナまたはビンのための限られた量の貯蔵位置、および限られた数のコンテナ取り扱い車両を有するマイクロフルフィルメントシステムなどのより小さいASRSでは、高価なスプリンクラーシステム火災に対する規制上の要求は、ASRS全体の投資コストのかなりの部分を構成し得る。場合によっては、スプリンクラーシステムのコストは、計画されたASRSが設置されないことをもたらし得る。
【0026】
本発明の目的は、マイクロフルフィルメントASRS設備への配送のためのコンテナを貯蔵することができることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、独立請求項に記載され特徴付けられ、従属請求項は、本発明の他の特徴を記載する。
【0029】
本発明は、貯蔵コンテナに関する。貯蔵コンテナは、好ましくは同じサイズであり、「背景技術および従来技術」の下に参照されるようなコンテナ取り扱い車両によって動作させられることができる。
【0030】
自動貯蔵回収システム(ASRS)のための貯蔵コンテナが記載され、貯蔵コンテナは、下方にある貯蔵コンテナが上方に配置された貯蔵コンテナを支持する貯蔵コンテナのスタック内に積み重ねられるように構成され、貯蔵コンテナは、貯蔵コンテナが上方から持ち上げられることができるようにリフト装置のグリッパによって持ち上げられるように適合され、前記貯蔵コンテナは、ベースと、各々がベースの縁部にヒンジ式に接続された4つの側面と、側面がベースに対しておよび互いに対して実質的に90度に配置されたとき、各々が一対の隣接する側面を水平方向に互いに相互接続するように構成された4つのコーナーポストとを備えている。
【0031】
これは、貯蔵コンテナのベースが表面に支持されたとき(すなわち、貯蔵コンテナの通常使用中)、隣接する2つの側面が互いに係止され、水平方向に互いに対して移動することが防止されることを意味する。
【0032】
ベースは、好ましくは長方形または正方形である。
【0033】
4つの側面の各々がベースの縁部にヒンジ式に接続されているという事実は、側面がベース材料の連続によって接続されていることを意味する。コンテナの5つの側面は、接続領域によって提供され得、ヒンジ接続は、例えば、側面が折り曲げられる脆弱線を有する1つのシートによって、またはベースの縁部に沿って隣接する別個のシートなどとして形成されることができる。
【0034】
4つのコーナーポストの各々が、側面がベースに対しておよび互いに対して実質的に90度配置されたときに、水平方向に一対の隣接する側面を互いに相互接続するように構成されているという特徴は、90度または+/-5度と理解されるべきである。
【0035】
好ましい実施形態では、コーナーポストは、上方に配置された全ての貯蔵コンテナを支持するように構成されているという意味で、構造ポストである。換言すれば、コーナーポストは、上方に配置された任意の貯蔵コンテナからの重量の全部または大部分を担う。これは、比較的剛性の高い材料のコーナーポストを高強度で製造し、側面ではなくコーナーポストが上方の貯蔵コンテナからの垂直荷重を担うように構成を適合させることによって達成されることができる。コーナーポストの構成および側面とポストとの係合は、貯蔵コンテナが組み立てられたとき、側面をそれらの実質的に90度の位置に適所に係止し、それによって、貯蔵コンテナの構造を安定させるように設計されることができる。これを行うことにより、側面は、その中の任意の物品(すなわち、最大30~40kgの範囲内)に加えて貯蔵コンテナの荷重を運ぶために十分な限られた垂直強度で設計されさえすればよい。
【0036】
貯蔵コンテナは、適切な位置に配置され、且つリフト装置のグリッパの位置およびサイズと相補的なサイズである、その上縁部に沿ったリフト孔を備え得、それによって、リフト装置のグリッパによる貯蔵コンテナの持ち上げを可能にする。
【0037】
貯蔵コンテナのスタック内の最下部の貯蔵コンテナが、例えば、各々が最大30kgの15ビンを支持することができるようにするために、コーナーポストは、各々が少なくとも150kgを担うように設計されるものとする(150kgの安全マージンを提供する(4×150kg=600kg対スタックの最大重量15ビン×30kg=450kg)。
【0038】
上記の貯蔵コンテナからの垂直荷重の全部または大部分を担うようにコーナーポストを設計することによって、1つの貯蔵コンテナのシート材料は、貯蔵コンテナの重量+その中の任意の内容物(例えば最大30kg)より多くの荷重を担うように寸法決めされる必要はない。上方の貯蔵コンテナからの垂直荷重を伝達する代わりに、シート材料は、コーナーポストの位置を安定させるように張力状態にあり得、それによって、コーナーポストは、垂直荷重の一次荷重経路を提供することができる。
【0039】
貯蔵コンテナのベースおよび側面は、シート材料を含み得、シート材料は、ベースおよび4つの側面が形成されたブランクとして提供され得、各側面は、各側面とベースとの間に延びている脆弱線によって提供されるライブヒンジによってベースの各縁部に接続され得、各側面は、脆弱線に沿ってベースに対して折り曲げられることができる。したがって、ベースおよび側面は、同じ材料から作製されることができる。
【0040】
これは、シート材料の事前製造および互いに内側に積み重ねられた貯蔵コンテナの輸送を可能にし、それによって必要な輸送量を大幅に削減する。さらに、シート材料の側面の大きさを単に変更することによってビンの高さを容易に変更することが、可能にされる。
【0041】
シート材料は、公知の技術を使用して製造されることができる。例えば、シート材料は、穿孔されるかまたは打ち抜きされることができる。
【0042】
側面の強度を向上させるために、シート材料は、側面が上方に折り曲げられたときに垂直方向に延びている窪みを提供され得る。窪みは、シート材料内で輪郭形成される(貫通孔ではない)。同様に、ベースは、窪みを提供されることができる。あるいは、側面および/またはベースの厚さの増加、側面および/またはベースへの別個の補強材の取り付けなど、強度を高めるための他の手段が、使用され得る。
【0043】
ライブヒンジは、接続する2つの剛体片と同じ材料から作製された薄い可撓性ヒンジ(屈曲ベアリング)である。これは、典型的に、剛体片がヒンジの線に沿って曲がることを可能にするために薄くされるかまたは切断されている。
【0044】
脆弱線は、シート材料の材料量が減少した線であり得る。材料の減少は、薄肉化または孔の提供、またはその双方によって形成され得る。
【0045】
脆弱線に沿ったシート材料の比較的薄い部分は、シート材料内に比較的弱いゾーンを形成し、曲げまたは折り曲げがシート材料の所望の線に沿って形成されることを確実にする。したがって、脆弱線は、ベースの折り曲げ縁部である。
【0046】
脆弱線は、貫通孔を備え得る。貫通孔は、シート材料内の比較的弱いゾーンまたはラインを可能にすることができ、曲げ部がシート材料の所望のラインに沿って形成されることを確実にする。
【0047】
貫通孔は、脆弱線の30%より多くを構成し得る。あるいは、貫通孔は、脆弱線の20%より多く、および40%より多くなど、脆弱線の30%より多くまたはそれ未満を構成し得る。
【0048】
一態様において、貫通孔の断面積は、水が流れるために十分なサイズであり得る。貫通孔は、水が自然な流れで通って出るために十分なサイズのスロット、開口または溝として形成され得る。
【0049】
一態様において、貫通孔は、貯蔵コンテナの内面に配置された入口と、貯蔵コンテナの外面に配置された出口とを備えている。入口は、貫通孔の出口と等しいかまたはそれより高い高さに配置され得る。この構成は、貫通孔の中心線が貯蔵コンテナの内部から貯蔵コンテナの外部まで水平方向または下方に延び得ることを確実にする。すなわち、貫通孔の中心線は、貯蔵コンテナが組み立てられたときに脆弱線から外側に延びている滝線であり得る。
【0050】
上述したように、貫通孔は、脆弱線に沿って配置されることができる。代替的に、または追加的に、貫通孔は、脆弱線に近接して、または脆弱線に近接してベースに作製されることができる。貫通孔をこれらの位置に配置することは、貫通孔を通って流れる水がスタック内の下方にある貯蔵コンテナに入ることをさらに確実にし得る。ほとんどの水が下方にある貯蔵コンテナに流入するために、および、貯蔵コンテナが互いに積み重ねられ(部分的には互いにではなく)、積み重ねられた貯蔵コンテナの少なくともコーナーポストが互いに支持されるので、貫通孔の中心線は、好ましくは水平面に対して負の角度を形成するものとする。例えば、ベースが水平面内にある場合、貫通孔の中心線は、ベースに対して負の角度を形成する)。
【0051】
脆弱線は、直線状の線であり得る。これは、折り曲げが直線に沿って形成されることを確実にする。直線状または直線は、最終貯蔵コンテナが形態および形状などに関する要件を満たすように、側面が所望の線に沿って曲げられることを確実にする。現場では、今日の鋳造プラスチックコンテナの輸送後の標準的な手順と同様に、輸送中の潜在的な損傷を識別するために、全ての貯蔵コンテナが好ましくは試験される。不規則な貯蔵コンテナは、貯蔵カラムまたは貯蔵コンテナのスタック内に収まらず、および/または、カラム内で動かなくなり得、および/またはリフト装置のグリッパが貯蔵コンテナを把持するために苦労し得る。
【0052】
シート材料は、ベースおよび4つの側面の輪郭を提供するように打ち抜かれ得る。脆弱線は、場合によっては同時に形成され得る。貯蔵コンテナの側面およびベースは、強度を高めるために輪郭形成され得る。
【0053】
ベースおよび側面は、金属シート材料、プラスチックシート材料、厚紙シート材料、複合シート材料または他の適切な材料から形成され得る。
【0054】
ベースおよび側面は、アルミニウムまたは鋼から形成され得る。
【0055】
好ましい実施形態では、金属または耐火性プラスチックなどの耐火性材料の貯蔵コンテナを製造することは、マイクロフルフィルメントASRS設備における高価なスプリンクラーシステムを回避する。
【0056】
コーナーポストの上端は、側面の上縁部と同じ高さにあり得るか、または、側面の上縁部より上方にあり得る。同様に、コーナーポストの下端は、側面の下端と同じ高さにあり得るか、または、側面の下端より下方にあり得る。このような配置は、コーナーポストの上端が上方の貯蔵コンテナのコーナーポストの下側と接触することを確実にし、それも、上記の貯蔵コンテナの垂直荷重の全部または大部分がコーナーポストによって支持されることを確実にする。
【0057】
コーナーポストは、プラスチック材料から形成され得る。例えば、コーナーポストは、成形され得、貯蔵コンテナの側面と係合するように構成された外形を備え得る。
【0058】
コーナーポストは、外面に長手方向の窪みを備えている、先行する請求項のいずれか1項に記載の貯蔵コンテナ。長手方向または垂直方向の窪みは、リフト装置のビンガイドが異なるコーナーポストの窪みに沿って案内されることができるという点で、リフト装置のグリッパによって貯蔵コンテナが持ち上げられることができることを可能にするのに役立つ。
【0059】
コーナーポストは、さらに、骨組みの直立部材に沿った案内を単純化する形状および材料であり得る。直立部材は、アルミニウム製であることが多いので、少なくとも直立部材と接触するコーナーポストの表面は、引っ掻きを防止するためにアルミニウムとは異なる材料から作製されるものとする。しかしながら、コーナーポストがアルミニウムから作製されている場合、直立部材と接触する表面は、アルミニウムとは異なる材料によってコーティングされるか、そうでなければ処理され得る。
【0060】
各側面は、上縁部と、2つの対向する側縁部とを備え得、各側面は、各側縁部に外側に延びているリブを提供するために、側縁部に折り目を形成して折り曲げられていることもあり、各コーナーポストは、それぞれの外側に延びているリブを一対の隣接する側面から受け取るために、その長手方向に延びている一対の溝を備え得る。これは、隣接する2つのサイドパネルを互いに対して矩形状(すなわち、垂直)に係止する。
【0061】
シート材料の折り目は、追加の強度を提供するためにその領域を局所的に硬化させるべきであるが、折り曲げは、側面の平面に対してある角度(理想的には垂直であるが、他の角度も依然として非常に有効である)で延びているフランジ(または別の形状、例えば圧延された形状に形成されることもできる)も提供する。これは、次いで、コーナーポストがスライドして係合するときにコーナーポストの長手方向、すなわち垂直方向の溝に係止される一種の形成部(コーナー、リブ、フランジ、プラグまたはビード-圧延縁部の場合はビードなど)を形成し、このようにして、側面を押し離すコンテナ内の任意の張力またはフープ力に抵抗することができる。
【0062】
1つの側面の側縁部間の距離は、ベースの2つの縁部間の距離より短くあり得る。したがって、隣接する側面の隣接する側縁部は、貯蔵コンテナの内部の真の幾何学的コーナーの手前で終わり得る。コーナーポストは、それらの縁部に固定され、フープ力が一方の側面から他方の側面に通過するための構造的ブリッジを提供することができる。さらに、コーナーポストは、間隔を置かれた構成で側面を固定する。
【0063】
上縁部は、側面のフランジ部の一部を形成し得、コーナーポストは、コーナーポストをフランジ部に係止するためのスナップ係止接続部を備え得る。
【0064】
フランジ部は、主要部、中間部、および外側部を備え得、上縁部は、外側部の上端を形成し得る。
【0065】
中間部は、主要部に対して外側に折り曲げられ得、外側部は、外側部が主要部に対して互い違いになるように、中間部に対して上方に折り曲げられている。この構成は、側面がフランジ部によって補強されるので、側面を補強する。したがって、貯蔵コンテナの座屈のリスクが低減される。
【0066】
主要部および外側部は、好ましくは実質的に平行である。
【0067】
側面の外側部によって形成される断面積は、ベース、したがって真上に支持された貯蔵コンテナのベースの貫通孔より全方向において大きくあり得、それによって、上方の貯蔵コンテナの貫通孔を通って流れる水は、フランジ部の外側部、中間部、および主要部を経て貯蔵コンテナ内に案内される。換言すれば、側面の上部のフランジ部の外側部は、上方の貯蔵コンテナの脆弱線を形成するために使用される貫通孔から出る水を案内するために突出する。すなわち、貫通孔は、脆弱線を形成する機能と、火災時に下方にある貯蔵コンテナを通って水を下方に導く機能の双方を有する。したがって、側面の外側部は、全ての水平方向において、真上に支持された貯蔵コンテナの任意の貫通孔を越えて配置され得る。
【0068】
X、Y方向の側面の長さは、2つの直立部材のX、Y方向の間隔より長いことが好ましい。これは、貯蔵コンテナの側面の側縁部のASRSの骨組みの直立部材に対する位置が、火災の事象中にコーナーポストが溶融し、4つの側面のうちの1つ以上のものが、もはやコーナーポストによって支持されていない結果として外側に移動する場合、側面が直立部材に対して傾斜するようになることを可能にする。これは、貯蔵コンテナのスタックの完全性および安定性の大部分を保持し、スタックが崩壊することを防ぐ。これは、ベースおよび側面が耐火材料(例えば金属)から作製されているが、コーナーポストが耐火材料(例えば、プラスチック)から作製されていない貯蔵コンテナを使用するASRSにおいて特に重要であり得る。金属(アルミニウムまたは鋼など)から作製された側面と水との組み合わせは、アルミニウムが熱の大きな伝導体であり、水が高い比熱容量を有するので、これらが一緒になって、燃焼領域からかなりの量の熱を引き込んで火の拡散を防ぐのに役立つことができるので、特に有利であり得る。このように、アルミニウムと水との組み合わせは、少なくともアルミニウムが燃焼しない比較的低い燃焼温度では、単に不燃性であるより多くの利益を提供し得る。
【0069】
実施形態では、上縁部が折り曲げられて折り曲げ部を形成している場合、貯蔵コンテナ106は、側面の上縁部の全てとコーナーポストとを互いに係止するための閉じた係止フレームをさらに備え得る。
【0070】
上縁部およびコーナーポストは、上方に向けられた開口部を有する凹部を備え得、係止フレームは、凹部と係止するための相補的な下方に向けられた突起を備え得る。凹部と突起との間の係止は、スナップ係止接続部を通して行われ得る。
【0071】
代替的な実施形態では、上縁部は折り曲げられ得、貯蔵コンテナは、側面の上縁部の全てとコーナーポストとを互いに対して係止するための閉じた係止フレームをさらに備え得る。この実施形態では、閉じた係止フレームは、上方に向けられた開口部を有する凹部を備えている。
【0072】
フレーム構造の上部を横切る第1の方向Xへのコンテナ取り扱い車両の移動を案内するように配置された第1の組の平行レールと、第1の方向Xに垂直な第2の方向Yへのコンテナ取り扱い車両の移動を案内するために第1の組のレールに垂直に配置された第2の組の平行レールとを備えている2次元レールシステムを備えている自動貯蔵回収システム(ASRS)がさらに記載され、複数のコンテナ取り扱い車両が、レールシステム上で動作し、システムは、上記で定義された1つ以上の貯蔵コンテナを備えている。
【0073】
貯蔵コンテナを輸送し、貯蔵コンテナを現場で組み立てる方法であって、貯蔵コンテナは、ベースと、各々がベースの縁部にヒンジ式に接続された4つの側面と、4つのコーナーポストであって、各々は、側面がベースに対して実質的に90度に配置され、互いに対して配置されたとき、一対の隣接する側面を水平方向に互いに相互接続するように構成されている、コーナーポストとを備え、方法は、ベースに対して各側面を20度から85度の間で部分的に折り曲げるステップと、部分的に折り曲げられた側面およびベースを、共通の輸送プラットフォーム上で少なくとも部分的に互いにまたは互いの内部に積み重ねるステップと、プラットフォーム上にコーナーポストを配置するステップと、部分的に折り曲げられた側面およびベースおよびコーナーポストのスタックをASRSの現場に輸送するステップと、貯蔵コンテナを現場で組み立てるステップとを含む、方法がさらに記載される。
【0074】
材料シートを互いに中または内部に積み重ねることは、ASRSの現場で最終組み立てを行うことができるように貯蔵コンテナを半製造で出荷することを可能にし、貯蔵コンテナが一体的に鋳造され、工場からASRS設置場所に重ねて輸送される従来技術の解決策と比較して、貯蔵コンテナを輸送するために必要な容積を最大で3分の1に削減する。
【0075】
現場での貯蔵コンテナの組み立ては、人間のオペレータまたはロボットオペレータによって実行されることができる。
【0076】
輸送プラットフォームは、EURパレットなどの標準化されたパレットであり得る。
【0077】
本方法の態様において、各側面は、上縁部と、2つの対向する側縁部とを備え得、各側面は、各側縁部に外側に延びているリブを提供するために、側縁部に折り目を形成して折り曲げられていることもあり、各コーナーポストは、それぞれの外側に延びているリブを一対の隣接する側面から受け取るためのその長手方向に延びている一対の溝を備え得、貯蔵コンテナを現場で組み立てるステップは、各側面がベースから90度で延びているように側面を完全に折り曲げることと、一対の隣接する側面の縁部と係止係合するように各コーナーポストを上方からスライドさせることとを含み得る。
【0078】
上縁部は、側面のフランジ部の一部を形成し得、コーナーポストは、コーナーポストをフランジ部に係止するためのスナップ係止接続部を備え得、方法は、コーナーポストを貯蔵コンテナのフランジ部にスナップ係止して、コーナーポストを隣接する側面の縁部と係止係合させることをさらに含み得る。
【0079】
一態様において、上縁部が折り曲げられ、貯蔵コンテナが側面の上縁部の全てとコーナーポストとを互いに対して係止するための閉じた係止フレームをさらに備えている場合、方法は、係止フレームを側面およびコーナーポストに係止するステップを含み得る。
【0080】
上縁部およびコーナーポストは、上方に向けられた開口部を有する凹部を備え得、係止フレームは、凹部と係止するための相補的な下方に向けられた突起を備え得、方法は、凹部および突起を用いて、係止フレームを側面およびコーナーポストに係止することを含み得る。
【0081】
ASRSの現場で上記で定義したような貯蔵コンテナを組み立てる方法であって、方法は、各側面がベースから90度で延びているように各側面を完全に折り曲げるステップと、一対の隣接する側面の縁部と係止係合するように各コーナーポストを上方からスライドさせるステップと、コーナーポストを貯蔵コンテナのフランジ部にスナップ係止して、コーナーポストを隣接する側面の縁部と係止係合させるステップとをさらに含み得る。
【0082】
コーナーポストのスナップ係止は、コーナーポストを貯蔵コンテナのフランジ部にクリックするスナップ係止を使用して達成され得る。
【0083】
本発明は、ASRSにおける貯蔵コンテナに関連して記載されているが、垂直農法、マイクロフルフィルメントまたは食料品に使用される同様のシステムにも適用可能である。
【0084】
相対的な用語「上(upper)」、「下(lower)」、「下(below)」、「上(above)」、「より高い(higher)」、「内側(inner)」、「外側(outer)」などは、それらの通常の意味で、デカルト座標系で見たときに理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0085】
以下の図面は、本発明の理解を容易にするために添付される。図面は本発明の実施形態を示しており、ここでは例としてのみ説明する。
【0086】
【
図1】
図1は、従来技術の自動貯蔵回収システムの骨組み構造の斜視図である。
【0087】
【
図2】
図2は、貯蔵コンテナを内部に運ぶための中央に配置されたキャビティを有する従来技術のコンテナ取り扱い車両の斜視図である。
【0088】
【
図3】
図3は、貯蔵コンテナを下方に運ぶための片持ち梁を有する従来技術のコンテナ取り扱い車両の斜視図である。
【0089】
【
図4A】
図4Aは、本発明の第1の実施形態による貯蔵コンテナの上面斜視図である。
【0090】
【0091】
【0092】
【
図4D】
図4Dは、第1の実施形態による貯蔵コンテナの相対的に長い側面(すなわち、X方向)の側面図である。
【0093】
【
図4E】
図4Eは、第1の実施形態による貯蔵コンテナの相対的に短い側面(すなわち、Y方向)の側面図である。
【0094】
【
図4F】
図4Fは、第1の実施形態による貯蔵コンテナの上面図である。
【0095】
【
図4G】
図4Gは、第1の実施形態による貯蔵コンテナのベースを構成するシート材料および4つの側面の上面図である。
【0096】
【
図4H】
図4Hは、輸送中のシート材料の積み重ねを容易にするために側面がベースに対して約75度上方に折り曲げられている
図4Gのシート材料の側面斜視図である。
【0097】
【
図4I】
図4Iは、側面がベースに対して実質的に90度上方に折り曲げられている
図4Gおよび
図4Hのシート材料の側面斜視図である。
【0098】
【
図5】
図5A、
図5Bおよび
図5Cは、貯蔵コンテナの第1の実施形態のコーナーポストの詳細図であり、
図5Aは、コーナーポストの側面斜視図、
図5Bは、コーナーポストの上面図、
図5Cは、コーナーポストの側面図である。
【0099】
【
図6】
図6は、第1の実施形態による貯蔵コンテナのコーナーポストおよび側面の分解図である。
【0100】
【
図7A】
図7Aは、第1の実施形態による組み立てられた貯蔵コンテナのスタックを示している。
【0101】
【
図7B】
図7Bは、下側の貯蔵コンテナのフランジ部の外側部に対する上側の貯蔵コンテナの貫通孔の相対位置の詳細を示す
図7BのセクションGの詳細図である。
【0102】
【
図7C】
図7Cは、上側の貯蔵コンテナの貫通孔の中心線を示す相対的に上側の貯蔵コンテナを示す
図7Bの簡略図である。
【0103】
【
図7D】
図7Dは、
図7Bの簡略図であり、比較的上側の貯蔵コンテナから比較的下側の貯蔵コンテナに水がどのように流れるかの原理をよりよく示すために、上側および下側の貯蔵コンテナのいくつかの詳細は省略されている。
【0104】
【
図7E】
図7Eは、第1の実施形態による貯蔵コンテナのスタックの斜視図であり、隣り合う2つの貯蔵コンテナの側面の間に間隙が形成されていることを示している(すなわち、一方が他方の真上に積み重ねられる2つの貯蔵コンテナの側面の間に間隙が形成される)。
【0105】
【
図8A】
図8Aは、骨組み構造の直立部材に対する側面の側縁部の位置を示す上面図である。
【0106】
【0107】
【
図9A】
図9Aは、貯蔵コンテナの在庫を別々の区画に分離する仕切りをさらに備えている、第1の実施形態による貯蔵コンテナの分解図である。
【0108】
【0109】
【
図10】
図10は、輸送のためのシート材料の部分的に折り曲げられた側面の2つのスタックを有するパレットを示している。
【0110】
【0111】
【
図11B】
図11Bは、第2の実施形態による貯蔵コンテナの長い側面の側面図である。
【0112】
【
図11C】
図11Cは、第2の実施形態による貯蔵コンテナの短い側面の側面図である。
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【
図12A】
図12Aは、第2の実施形態による貯蔵コンテナのベースを構成するシート材料および4つの側面の上面図である。
【0117】
【
図12B】
図12Bは、側面がベースに対して実質的に90度上方に折り曲げられている
図12Aのシート材料の側面斜視図である。
【0118】
【
図12C】
図12Cは、第2の実施形態による貯蔵コンテナのコーナーポスト、側面および係止フレームの分解図である。
【0119】
【
図13A】
図13Aは、シート材料の部分的に折り曲げられた側面の2つのスタックを有するパレットと、輸送のための積み重ねられた係止フレームを有する別のパレットとを示している。
【0120】
【0121】
【0122】
【
図13D】
図13Dは、
図13Aのシート材料の積み重ねられた部分的に折り曲げられた側面を有するパレットの短い側面からの図である。
【0123】
【発明を実施するための形態】
【0124】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。しかしながら、図面は、本発明を図面に示された主題に限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0125】
自動貯蔵回収システム1の骨組み構造100は、
図1~
図3に関連して上述した従来技術の骨組み構造100、すなわち、いくつかの直立部材102、および直立部材102によって支持されたいくつかの水平部材103にしたがって構築され、さらに、骨組み構造100は、X方向およびY方向に第1の上部レールシステム108を備えている。
【0126】
骨組み構造100は、部材102、103の間に提供された貯蔵カラム105の形態の貯蔵区画をさらに備え、貯蔵コンテナ106は、貯蔵カラム105内のスタック107に積み重ね可能である。
【0127】
骨組み構造100は、任意のサイズであることができる。特に、骨組み構造は、
図1に開示されているよりかなり広くおよび/または長くおよび/または深くすることができることが理解される。例えば、骨組み構造100は、700×700カラムを超える水平範囲および12個を超えるコンテナの貯蔵深さを有し得る。
【0128】
(貯蔵コンテナの第1の実施形態)
ここで、
図4~
図10を参照して、本発明による自動貯蔵回収システムの第1の実施形態をより詳細に説明する。
【0129】
図4Aは、本発明の第1の実施形態による貯蔵コンテナ108の上面斜視図である。貯蔵コンテナ106は、
図1に関連して説明したように自動貯蔵回収システム(ASRS)1(
図1を参照)において使用され、
図2および
図3に関連して説明したようにコンテナ取り扱い車両201、301によって持ち上げられるように構成されている。しかしながら、他の形態のコンテナ取り扱い車両201、301も使用され得る。貯蔵コンテナ106は、貯蔵コンテナ106のスタック107(
図1を参照)内に積み重ねられるようにさらに構成され、下方にある貯蔵コンテナ106は、上方に配置された貯蔵コンテナ106を支持する。貯蔵コンテナ106は、貯蔵コンテナ106が上方から持ち上げられることができるように、リフト孔41を用いてリフト装置上のグリッパ304(
図3を参照)によって持ち上げられるようにさらに適合されている。貯蔵コンテナ106は、矩形ベース10および4つの側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を有するように開示されている。側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の各々は、ベース10のそれぞれの縁部14’、14’’、14’’’、14’’’’にヒンジ接続されている。4つのコーナーポスト12’、12’’、12’’、12’’’’が、さらに開示されている。コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’の各々は、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’がベース10に対しておよび互いに対して実質的に90度に配置されたときに(すなわち、
図4Aに示されるように)、一対の隣接する側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を水平方向に互いに相互接続するように構成されている。第1の短い側面11’(すなわち、「第1の側面」)は、第1のコーナーポスト12’を用いて第1の長い側面11’’(すなわち、「第2の側面」)に接続されている。第1の長い側面11’’(すなわち、「第2の側面」は、第2のコーナーポスト12’’を用いて第2の短い側面11’’’(すなわち、「第3の側面」)にさらに接続されている。第2の短い側面11’’’(すなわち、「第3の側面」は、第3のコーナーポスト12’’’を用いて第2の長い側面11’’’’(すなわち、「第4の側面」)に接続されている。第2の長い側面11’’’’(すなわち、「第4の側面」)は、第4のコーナーポスト12’’’’を用いて第1の短い側面11’(すなわち、「第1の側面」)に接続されている。
【0130】
図4Bは、
図4Aの貯蔵コンテナ106のセクションAの拡大平面図である。セクションAは、第3の側面11’’’と第4の側面11’’’’との間の交差部の詳細図である。開示された第1の側面11’および第4の側面11’’’’の双方は、上縁部18および2つの対向する側縁部を含む(各側面の側縁部の一方のみが開示されている)。第1および第4の側面11’、11’’’’は、各側縁部に外側に延びているリブ19を提供するために、側縁部に折り目20を形成して折り曲げられている。コーナーポスト12’’’’は、その長手方向に延びている一対の溝21を有して開示され、各溝は、第1および第4の側面11’、11’’’’からそれぞれの外側に延びているリブ19のうちの1つを受け取る。
【0131】
係止フレーム70は、側面11’~11’’’’の上縁部18に接続されている。
【0132】
側面11’~11’’’’およびベース10は、強度を高めるための窪み40を伴って開示されている。側面11’~11’’’’は、(側面11’~11’’’’が上方に折り曲げられたとき)垂直方向に延びている窪みを有して開示されている。窪みは、輪郭形成されている(すなわち、貫通孔ではない)。同様に、ベース10は、第2の側面11’’から第4の側面11’’’’に向かって延びている(すなわち、ベース10の第1および第2の長い側面11’’、11’’’’の間に延びている)窪みを有して開示される。
【0133】
図4Bに見られるように、第4のコーナーポスト12’’’’は、外面に長手方向窪み17を有して開示されている。長手方向または垂直方向の窪み17は、リフト装置のビンガイド(図示せず)が異なるコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’上の窪み17に沿って案内されることができるという点で、リフト装置のグリッパ304(
図3を参照)によって貯蔵コンテナ106が持ち上げられることができるようにするのを助ける。
【0134】
コーナーポスト12’’’’は、骨組み構造100の直立部材102とスライド接触するための外面42を有してさらに開示される(
図1を参照)。直立部材102がアルミニウムから形成される場合、直立部材102によって案内されるコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’の少なくとも外面42は、骨組み構造100内の貯蔵コンテナ106の昇降中にアルミニウムに対してスライドするアルムニウムから生じる引っ掻きおよびノイズを回避するために、アルミニウム以外の材料によってコーティングまたは形成されるものとする。
【0135】
図4Cは、
図4Aの下方からの斜視図であり、とりわけベース10の窪みのさらなる詳細を示している。さらに、リフト孔41が下方からわかる。
【0136】
図4Dは、第1の実施形態による貯蔵コンテナ106の相対的に長い側面、すなわち第2の側面11’’(X方向に延びている)の側面図である。
図4Dからわかるように、第1および第2のコーナーポスト12’、12’’の上端は、第2の側面11’’の上縁部18より高いレベルにある。さらに、図示のように、第1および第2のコーナーポスト12’、12’’の下端は、第2の側面11’’の下端より高いレベルにある。この構成は、コーナーポスト12’~12’’’’の上端が上方の貯蔵コンテナのコーナーポストの下側と接触することを確実にし、それは、上記の貯蔵コンテナの垂直荷重の全部または大部分がコーナーポスト12’~12’’’’によって支持されることを確実にする。
【0137】
図4Eは、第1および第2のコーナーポスト12’、12’’の高さと比較した短い側面、すなわち第1の側面11’の相対的な高さを示す第1の実施形態による貯蔵コンテナの相対的に短い側面(すなわち、Y方向)の側面図である。
【0138】
図4Fは、第1の実施形態による貯蔵コンテナ106の上面図である。
【0139】
図4Gは、第1の実施形態による貯蔵コンテナ106の矩形状のベース10および4つの側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を形成するシート材料13の上面図である。シート材料13は、ベース10および4つの側面11’、11’’、11’’’、11’’’’が形成されたブランクとして提供されていることもある。側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の各々は、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’によって提供されるライブヒンジによってベース10のそれぞれの縁部14’、14’’、14’’、14’’’’に接続される。脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’は、各側面11’、11’’、11’’’、11’’’’とベース10との間に延び、各側面11’、11’’、11’’、11’’’’は、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’に沿ってベース10に対して折り曲げられることができる。特に、第1の脆弱線14’は、ベース10の第1の縁部と第1の側面11’との間に延び、第2の脆弱線14’’は、ベース10の第2の縁部と第2の側面11’’との間に延び、第3の脆弱線14’’’は、ベース10の第3の縁部と第3の側面11’’’との間に延び、第4の脆弱線14’’’’は、ベース10の第4の縁部と第1の側面11’’’’との間に延びている。したがって、ベースおよび側面は、同じ材料から作製されることができる。
【0140】
脆弱線14’、14’’、14’’、14’’’’は、シート材料13の材料の量が減少した線であることができる。代替的に、または追加的に、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’は、貫通孔15を含み得る。
図4Gに示されるように、貫通孔15は、かなりの量の脆弱線を構成し得、例えば、図示するように、貫通孔は、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’の30%より多くを構成し得る。
【0141】
図示のように、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の折り曲げを単純化するために、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’は、直線状の線であることができる。
【0142】
図4Gに示されるように、シート材料13は、ベース10および4つの側面11’、11’’、11’’、11’’’’の輪郭を提供するように打ち抜かれ得る。打ち抜きプロセスは、輪郭を提供するステップ中、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’および/または貫通孔15のような他の特徴も形成し得る。
【0143】
ベース10および側面11’、11’’、11’’’、11’’’’は、金属シート材料13、プラスチックシート材料13、厚紙シート材料13、複合シート材料13などから形成され得る。金属シート材料13から作製される場合、それは、例えば、アルミニウムシート材料13または鋼シート材料13から作製され得る。
【0144】
図4Hは、
図4Gのシート材料の側面斜視図であり、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’は、輸送中のシート材料13の積み重ねを容易にするためにベース10に対して約75度上方に折り曲げられている。
【0145】
図4Iは、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’がベース10に対して実質的に90度上方に折り曲げられている
図4Gおよび
図4Hのシート材料13の側面斜視図である。この位置では、隣接する2つの側面11’~11’’’’は、それらの間に90度の角度を形成する。さらに、
図4Iに見られるように、1つの側面11’~11’’’’の側縁部間の距離は、ベース10の2つの縁部14’~14’’’’間の距離より短く、それによって、隣接する側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の隣接する側縁部は、貯蔵コンテナ106の内部の真の幾何学的コーナーを短く仕上げ、それらの間に開口部34を形成する。
【0146】
ここで、
図4G、
図4H、
図4Iを参照すると、貯蔵コンテナの上縁部18は、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’のフランジ部30の一部を形成する。フランジ部30は、主要部31と、中間部32と、外側部33とを備えている。上縁部18は、外側部33の上端を形成する。中間部32は、主要部31に対して外側に折り曲げられており、外側部33は、中間部32に対して上方に折り曲げられている。したがって、中間部32は、主要部31と外側部33との間に段差または棚部を形成する。この構成は、側面11’~11’’’’がフランジ部30によって補強されるので、側面を補強する。したがって、貯蔵コンテナの座屈のリスクが低減される。貯蔵コンテナ106を積み重ね可能にし、貯蔵容積を最大にするために、主要部31および外側部33は、平行であるように示されている。
【0147】
図4Iに示されるように、フランジ部30の中間部32は、コーナーポスト14’上のピン部材36に対して係止するための係止孔35を備え得る(
図5A~
図5Cを参照)。
【0148】
図5A、
図5B、および
図5Cは、貯蔵コンテナの第1の実施形態のコーナーポスト12’~12’’’’の詳細図であり、
図5Aは、コーナーポスト12’~12’’’’の側面斜視図、
図5Bは、コーナーポスト12’~12’’’’の上面図、
図5Cは、コーナーポスト12’~12’’’’の側面図である。
【0149】
コーナーポスト12’~12’’’’は、それぞれの側面11’~11’’’’のフランジ部30の中間部32の係止孔35に対して係止するための第1および第2のピン部材36を備えている。コーナーポスト12’~12’’’’は、コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’をフランジ部30に係止するためのスナップ係止接続部37をさらに提供されている。スナップ係止接続部37は、フランジ部30の外側部33がコーナーポスト12’~12’’’’の上部の下側に提供された凹部38に入ると、側面11’~11’’’’の内面と接触し、側面11’~11’’’’に接続させられる。
【0150】
図6は、第1の実施形態による貯蔵コンテナ106のコーナーポスト12’~12’’’’および側面11’~11’’’’の分解図である。
【0151】
図7Aは、第1の実施形態による貯蔵コンテナ106のスタック107を示している。
【0152】
図7Bは、下側の貯蔵コンテナ106のフランジ部30の外側部33に対する上側の貯蔵コンテナ106の貫通孔15の相対位置の詳細を示す
図7BのセクションGの詳細図である。貫通孔15の断面積は、水が流れるために十分な大きさである。
図7Cは、上側の貯蔵コンテナ106の貫通孔15の中心線16を示す相対的に上側の貯蔵コンテナ106を示す
図7Bの簡略図である。側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の外側部によって形成される断面積は、ベース10より全ての方向において大きい。したがって、真上に支持された貯蔵コンテナ106のベース10の貫通孔15は、外側部33の内側にあり、それによって、上方の貯蔵コンテナ106の貫通孔15を通って流れる水は、フランジ部30の外側部33、中間部32、および主要部31を経て貯蔵コンテナ106内に導かれる。
【0153】
図7Bおよび
図7Cに見られるように、貫通孔15は、貯蔵コンテナ106の内面に配置された入口43と、貯蔵コンテナ106の外面に配置された出口44とを有して開示されている。開示されるように、入口43は、貫通孔15の出口44より高い高さに配置される。さらに
図7Bおよび
図7Cを参照すると、貫通孔15の中心線16は、水平面Pに対して負の角度αを形成する。水平面Pは、貯蔵コンテナ106のベース10に平行に示されている。
【0154】
図7Dは、
図7Bの簡略図であり、水Wがフランジ部30の外側部33、中間部32および主要部31を経て相対的に下側の貯蔵コンテナ106に案内される前、水Wが貫通孔を通って相対的に上側の貯蔵コンテナ106から相対的に下側の貯蔵コンテナ106にどのように流れるかの原理をよりよく示すために、上側および下側の貯蔵コンテナ106のいくつかの詳細は省略されている。したがって、中間部32は、主要部31と外側部33との間に段差または棚部を形成する。換言すれば、側面11’~11’’’’の上部のフランジ部30の外側部33は、上方の貯蔵コンテナ106の脆弱線を形成するために使用される貫通孔15から出る水を案内するために突出する。すなわち、貫通孔15は、脆弱線14’~14’’’’を形成する機能と、火災時に下方にある貯蔵コンテナ106を通って水を下方に導く機能との双方を有する。
【0155】
したがって、側面の外側部33は、全ての水平方向において、真上に支持された貯蔵コンテナの任意の貫通孔を越えて配置され得る。
【0156】
したがって、貫通孔15に対するフランジ部30の構成は、建物内のスプリンクラーシステムからであろうと、上方の貯蔵コンテナ106からであろうと、または他の供給源からであろうと、上方からの水が下方の貯蔵コンテナ106に導かれ、より良好な消火を提供することを確実にする。
【0157】
図7Eは、第1の実施形態による貯蔵コンテナ106のスタック107の斜視図であり、互いに積み重ねられた2つの貯蔵コンテナの側面11’~11’’’’の間に間隙39が形成されていることを示している。
【0158】
図8Aは、骨組み構造100の直立部材102に対する側面11’~11’’’’の側縁部の位置を示す平面図である。
図8Bは、
図8Aと同様の図であり、コーナーポスト12’~12’’’’が除去されている。側面11’~11’’’’のX方向およびY方向の長さは、好ましくは、2つの直立部材102間のX方向およびY方向の距離より長い。これは、ASRSの骨組み構造100の直立部材102に対する貯蔵コンテナ106の側面11’~11’’’’の側縁部の位置が、火災の事象中にコーナーポスト12’~12’’’’が溶融し、4つの側面11’-11’’’’のうちの1つ以上のものが、もはやコーナーポスト12’~12’’’’によって支持されていない結果として外側に移動する場合、線Mによって示されるように、側面11’~11’’’が直立部材102に対して傾斜するであろうことを可能にする。これは、貯蔵コンテナのスタック107の完全性および安定性の大部分を保持し、スタック107が崩壊することを防ぐ。
【0159】
図9Aは、貯蔵コンテナ106の在庫を別個のセクションに分離する仕切り50をさらに備えている、第1の実施形態による貯蔵コンテナ106の分解図である。仕切り50は、その両側に突起51を有して示されている。
【0160】
図9Bは、
図9AのセクションLの詳細図である。
図9Bに示されるように、フランジ部30の中間部32に仕切り50の突起51を受け取るためのスロット52が提供されている。
【0161】
図10は、輸送のためのシート材料13の部分的に折り曲げられた側面の2つのスタックが配置されたパレット60の形態の輸送プラットフォームを示している。
図10は、シート材料13の部分的に折り曲げられた側面の2つのスタックがパレット60のベースの垂直投影内にあることを示している。
【0162】
第1の実施形態による貯蔵コンテナ106は、以下のステップにおいて現場で搭載されることができる。
-ベース10に対して各側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を20度から85度の間で部分的に折り曲げるステップ;
-部分的に折り曲げられた側面11’、11’’、11’’、11’’’’およびベース10をパレット60上で少なくとも部分的に互いにまたは互いの内部に積み重ねるステップ;
-コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’をプラットフォーム(
図10には示されていないコーナーポストを有するプラットフォーム)上に配置するステップ;
-部分的に折り曲げられた側面11’、11’’、11’’’、11’’’’およびベース10およびコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’のスタックをASRSの現場に輸送するステップ;
-貯蔵コンテナ106を現場で組み立てるステップ。
【0163】
組み立てるステップは、
-各々がベース10から90度で延びているように側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を完全に折り曲げることと、
-一対の隣接する側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の縁部と係止係合するように各コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’を上方からスライドさせることと、
-コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’を貯蔵コンテナ106のフランジ部30にスナップ係止して、コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’を隣接する側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の側縁部と係止係合させることとを含み得る。
【0164】
(貯蔵コンテナの第2の実施形態)
次に、
図11~
図13を参照して、本発明による自動貯蔵回収システムの第1の実施形態をより詳細に説明する。
【0165】
特徴の多くは、先に詳述した第1の実施形態と同様である。異なる特徴および機能を以下に説明する。共通の特徴は繰り返さない。
【0166】
図11Aは、第2の実施形態による貯蔵コンテナ106の斜視図である。自動貯蔵回収システム(ASRS)1のための貯蔵コンテナ106が示されている。貯蔵コンテナ106は、貯蔵コンテナ106のスタック内に積み重ねられるように構成され、下方にある貯蔵コンテナ106は、上方に配置された貯蔵コンテナ106を支持する。貯蔵コンテナ106は、貯蔵コンテナ106が上方から持ち上げられることができるようにリフト装置上のグリッパ304(
図3を参照)によって持ち上げられるように適合されたリフト孔41を備えている。貯蔵コンテナ106は、矩形ベース10と、各々がベース10の縁部14’、14’’、14’’’、14’’’’にヒンジ接続された4つの側面11’、11’’、11’’’、11’’’’と、4つのコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’とを有して開示され、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’がベース10に対して、および互いに対して実質的に90度に配置されたとき、各々が一対の隣接する側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を水平方向に相互接続するように構成されている。第1の短い側面11’(すなわち、「第1の側面」)は、第1のコーナーポスト12’によって第1の長い側面11’’(すなわち、「第2の側面」)に接続されている。第1の長い側面11’’(すなわち、「第2の側面」は、第2のコーナーポスト12’’によって第2の短い側面11’’’(すなわち、「第3の側面」)にさらに接続されている。第2の短い側面11’’’(すなわち、「第3の側面」は、第3のコーナーポスト12’’’によって第2の長い側面11’’’’(すなわち、「第4の側面」)に接続されている。第2の長い側面11’’’’(すなわち、「第4の側面」)は、第4のコーナーポスト12’’’’によって第1の短い側面11’(すなわち、「第1の側面」)に接続されている。
【0167】
側面11’~11’’’’およびベース10は、強度を高めるための窪み40を伴って開示されている。側面11’~11’’’’は、(側面11’~11’’’’が上方に折り曲げられたとき)垂直方向に延びている窪みを有して開示されている。窪みは、輪郭形成されている(すなわち、貫通孔ではない)。同様に、ベース10は、第2の側面11’’から第4の側面11’’’’に向かって延びている(すなわち、ベース10の第1および第2の長い側面11’’、11’’’’の間に延びている)窪みを有して開示される。
【0168】
図11Bは、第2の実施形態による貯蔵コンテナ106の第2の側面11’’である長い側面の側面図である。
【0169】
図11Cは、第2の実施形態による貯蔵コンテナ106の第1の側面11’である短い側面の側面図である。
【0170】
図11Dは、第2の実施形態による貯蔵コンテナ106の上面図である。
【0171】
図11Eは、第2の実施形態による貯蔵コンテナ106の底面図である。
【0172】
図11Fは、
図11EのセクションCの詳細図である。
図11Fに見られるように、第4のコーナーポスト12’’’’は、外面に長手方向の窪み17を有して開示されている。長手方向または垂直方向の窪み17は、リフト装置のビンガイド(図示せず)が異なるコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’上の窪み17に沿って案内されることができるという点で、リフト装置のグリッパ304(
図3を参照)によって貯蔵コンテナ106が持ち上げられることができるようにするのを助ける。
【0173】
コーナーポスト12’’’は、骨組み構造100の直立部材102(
図1を参照)とスライド接触するための外面42を有してさらに開示される。直立部材102がアルミニウムから形成される場合、直立部材102によって案内されるコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’の少なくとも外面42は、骨組み構造100内の貯蔵コンテナ106の昇降中にアルミニウムに対してスライドするアルムニウムから生じる引っ掻きおよびノイズを回避するために、アルミニウム以外の材料によってコーティングまたは形成されるものとする。
【0174】
図11Gは、
図11Bの線D-Dに沿った図である。係止フレーム70は、コーナーポスト12’を係止するためのスナップ係止接続部37を有して開示されている。スナップ係止接続部37は、係止フレーム70の下側から下方に延び、側面11’~11’’’’の上縁部18の凹部72およびコーナーポスト12’~12’’’’の上端と係止接触する(
図12Bおよび
図12Cによく示されているように)。
【0175】
図12Aは、第2の実施形態による貯蔵コンテナ106のベース10および4つの側面11’~11’’’’を形成するシート材料13の上面図である。
【0176】
図12Aは、第2の実施形態による貯蔵コンテナ106のベース10および4つの側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を形成するシート材料13の上面図である。シート材料13は、ベース10および4つの側面11’、11’’、11’’’、11’’’’が形成されたブランクとして提供されていることもある。側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の各々は、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’によって提供されるライブヒンジによってベース10のそれぞれの縁部14’、14’’、14’’、14’’’’に接続される。脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’は、各側面11’、11’’、11’’’、11’’’’とベース10との間に延び、各側面11’、11’’、11’’、11’’’’は、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’に沿ってベース10に対して折り曲げられることができる。特に、第1の脆弱線14’は、ベース10の第1の縁部と第1の側面11’との間に延び、第2の脆弱線14’’は、ベース10の第2の縁部と第2の側面11’’との間に延び、第3の脆弱線14’’’は、ベース10の第3の縁部と第3の側面11’’’との間に延び、第4の脆弱線14’’’’は、ベース10の第4の縁部と第1の側面11’’’’との間に延びている。したがって、ベースおよび側面は、同じ材料から作製されることができる。
【0177】
脆弱線14’、14’’、14’’、14’’’’は、シート材料13の材料の量が減少した線であることができる。代替的に、または追加的に、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’は、貫通孔15を含み得る。
図12Aに示されるように、貫通孔15は、かなりの量の脆弱線を構成し得、例えば、図示するように、貫通孔は、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’の30%より多くを構成し得る。
【0178】
図示されるように、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の折り曲げを単純化するために、脆弱線14’、14’’、14’’’、14’’’’は、直線状の線であることができる。
【0179】
図12Aに示されるように、シート材料13は、ベース10および4つの側面11’、11’’、11’’、11’’’’の輪郭を提供するように打ち抜かれ得る。
【0180】
ベース10および側面11’、11’’、11’’’、11’’’’は、金属シート材料13、プラスチックシート材料13、厚紙シート材料13、複合シート材料13などから形成され得る。金属シート材料13から作製される場合、それは、例えば、アルミニウムシート材料13または鋼シート材料13から作製され得る。
【0181】
第2および第4の側面11’’、11’’’’の上縁部18に、係止フレーム70の相補的なリフト孔41の位置に予め切断されたスリット80が形成されている。
【0182】
図12Bは、側面11’~11’’’’がベース10に対して実質的に90度上方に折り曲げられている
図12Aのシート材料の側面斜視図である。この位置では、隣接する2つの側面11’~11’’’’は、それらの間に90度の角度を形成する。さらに、
図12Bに見られるように、1つの側面11’~11’’’’の側縁部間の距離は、ベース10の2つの縁部14’~14’’’’間の距離より短く、それによって、隣接する側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の隣接する側縁部は、貯蔵コンテナ106の内部の真の幾何学的コーナーを短く仕上げ、それらの間に開口部34を形成する。
【0183】
ここで
図12Aおよび
図12Bを参照すると、貯蔵コンテナの上縁部18は、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の上部90の一部を形成する。上部90は、主要上部91および折り曲げ部92を含む。上縁部18は、折り曲げ部92を形成する。折り曲げ部92は、主要上部91に対して外側に折り曲げられている。したがって、折り曲げ部92は、側面11’~11’’’’の上に平坦なプラットフォームを形成する。この構成は、側面11’~11’’’’が上部90によって補強されるので、側面を補強する。したがって、貯蔵コンテナの座屈のリスクが低減される。
【0184】
図12Cは、第2の実施形態による貯蔵コンテナ106のコーナーポスト12’~12’’’’、側面11’~11’’’’、および係止フレーム70の分解図である。コーナーポスト12’~12’’’’を受け取るためのコーナーポストレセプタクル71が、ベース10の各コーナーに示されている。
【0185】
図12A、
図12B、および
図12Cを参照すると、各側面11’、11’’、11’’’、11’’’’は、上縁部18および2つの対向する側縁部とともに示されている。各側面11’、11’’、11’’’、11’’’’は、各側縁部に外側に延びているリブ19を提供するために、側縁部に折り目20(
図12A~
図12Cには示されず、
図11Fを参照)を形成して折り曲げられている。各コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’は、それぞれの外側に延びているリブ19を一対の隣接する側面11’、11’’、11’’’、11’’’’から受け取るために、その長手方向に延びている一対の溝21(
図11Fの詳細を参照)を備えている。
【0186】
図12Cに示されるように、折り曲げ上部92が上方に向けられるように上縁部18が折り曲げられると、閉じた係止フレーム70は、側面11’、11’’、11’’’、11’’’’およびコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’の上縁部18の全てを互いに係止する。上縁部18およびコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’は、上方に向けられた開口部を有する凹部72を有し得、係止フレーム70は、凹部72と係止するための相補的な下方に向けられた突起37を有し得、それによって係止フレーム70を側面11’~11’’’’およびコーナーポスト12’~12’’’’にスナップ係止する。
【0187】
図13Aは、シート材料13の部分的に折り曲げられた側面11’~11’’’’の2つのスタックを有するパレット60と、その上に配置された積み重ねられた係止フレーム70を有する別のパレット60の形態の輸送プラットフォームを示している。双方のパレット60は輸送のためである。
【0188】
図13Bは、
図13Aの積み重ねられた係止フレーム70を有するパレット60の短い側面からの図である。
【0189】
【0190】
図13Dは、
図13Aのシート材料13の積み重ねられた部分的に折り曲げられた側面11’~11’’’’を有するパレット60の短い側面からの図である。
【0191】
図13Eは、
図13Aおよび
図13Dのシート材料13の積み重ねられた部分的に折り曲げられた側面11’~11’’’’を有するパレット60の平面図である。図示のように、シート材料13の部分的に折り曲げられた側面11’~11’’’’の2つのスタックは、パレット60のベースの垂直投影内にあり、それによって輸送を効率的にする。
【0192】
次いで、貯蔵コンテナは、以下のステップにおいて現場に搭載されることができる。
-ベース10に対して各側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を20度から85度の間で部分的に折り曲げるステップ;
-部分的に折り曲げられた側面11’、11’’、11’’、11’’’’およびベース10をパレット60上で少なくとも部分的に互いにまたは互いの内部に積み重ねるステップ;
-コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’をプラットフォーム(
図10には示されていない)上に配置するステップ;
-部分的に折り曲げられた側面11’、11’’、11’’’、11’’’’およびベース10およびコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’のスタックをASRSの現場に輸送するステップ;
-貯蔵コンテナ106を現場で組み立てるステップ。
【0193】
貯蔵コンテナ106を現場で組み立てるステップは、
-各々がベース10から90度で延びているように側面11’、11’’、11’’’、11’’’’を完全に折り曲げることと、
-一対の隣接する側面11’、11’’、11’’’、11’’’’の縁部と係止係合さするように各コーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’を上方からスライドさせることとを含み得る。
【0194】
第2の実施形態による貯蔵コンテナを組み立てる最終ステップは、
-係止フレーム70を側面11’、11’’、11’’’、11’’’’およびコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’に係止することを含み得る。側面11’、11’’、11’’’、11’’’’およびコーナーポスト12’、12’’、12’’’、12’’’’に対する係止フレーム70の係止は、それらの間にスナップ係止接続部37を形成する凹部72および突起37を用いて行われ得る。
【0195】
前述の説明では、例示的な第1および第2の実施形態を参照して、本発明による貯蔵コンテナおよび自動貯蔵回収システムの様々な態様について説明した。説明の目的で、システムおよびその動作の完全な理解を提供するために、具体的な数、システムおよび構成を記載した。しかしながら、この説明は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。例示的な実施形態の様々な変更および変形、および開示された主題が関係する当業者にとって明らかなシステムの他の実施形態は、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0196】
【国際調査報告】