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特表2024-507673Rxに対して準備ができたRxシェル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】Rxに対して準備ができたRxシェル
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/02 20060101AFI20240214BHJP
   G02C 7/10 20060101ALI20240214BHJP
   G02C 7/08 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G02C7/02
G02C7/10
G02C7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544381
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2022055547
(87)【国際公開番号】W WO2022184891
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】21305265.7
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マチュー・メイネン
(72)【発明者】
【氏名】シラ・ウァルテ・ノーギュ
(72)【発明者】
【氏名】チェフィク・ハバッシ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・メートル
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ・モンヴォワザン
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BA03
2H006BE01
(57)【要約】
本開示は、眼科用処方を有する着用者に適合された光学システムであって、平面光学機能を有する光学デバイス、着用者の処方に基づく光学機能を有する光学レンズを含み、光学デバイスの後面は、光学レンズの前面に取り付けられ、光学デバイスは、光学デバイス及び光学レンズの正確な相対位置を可能にするために、少なくとも1つの機械的基準部を有する、光学システムを提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科用の処方を有する着用者に適合された光学システムであって、
- 光学デバイスと、
- 光学レンズと、
を含み、
前記光学デバイス及び前記光学レンズの組み合わせは、前記着用者の前記処方に基づく光学機能を有し、及び前記光学デバイスの面は、前記光学レンズの面に取り付けられ、前記光学デバイスは、前記光学デバイス及び前記光学レンズの正確な相対位置を可能にするために、少なくとも1つの機械的基準部を有することを特徴とする光学システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機械的基準部は、前記光学デバイスの外周上にある、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの機械的基準部のいかなる部分も、前記光学デバイスの面が前記光学レンズの面に取り付けられるとき、前記光学デバイス上の前記光学レンズの輪郭によって画定される投影面の外側にある、請求項1又は2に記載の光学システム。
【請求項4】
前記光学デバイスの後面の曲率は、前記光学レンズの前面の曲率と異なるか又は等しい、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項5】
前記光学デバイス及び/又は前記光学レンズの前面及び/又は後面は、反射防止コーティング、及び/又はブルーカットコーティング、及び/又は防曇コーティング、及び/又はあらゆる利用可能なコーティングを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項6】
前記光学デバイス及び前記光学レンズは、磁石で一緒に取り付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項7】
前記光学デバイス及び前記光学レンズは、接着剤によって取り付けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項8】
前記接着剤は、前記機械的基準部上のみにある、請求項7に記載の光学システム。
【請求項9】
前記光学デバイスの後面及び前記光学レンズの前面、又は、前記光学レンズの後面及び前記光学デバイスの前面は、接触しているか、又は接着剤によって隔てられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項10】
少なくとも前記光学デバイスの後面の表面の点と、前記光学レンズの前面の表面の点と、の間、又は、前記光学レンズの後面の表面の点と、前記光学デバイスの前面の表面の点と、の間にエアギャップが存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項11】
前記機械的基準部と前記光学レンズとの間の接触は、前記エアギャップによって占められる容積内にダスト又は湿気が侵入し得ないようにシーリングを提供する、請求項10に記載の光学システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの機械的基準部は、少なくとも溝を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの機械的基準部は、少なくとも段差を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの機械的基準部は、少なくともドレインを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項15】
例えば、請求項1~14のいずれか一項に記載の着用者に適合された光学システムを提供する方法であって、
- 少なくとも1つの機械的基準部を有する光学デバイスを提供するステップ、
- 光学レンズを提供するステップであって、前記光学デバイス及び前記光学レンズの組み合わせは、前記着用者の処方に基づく光学機能を有する、光学レンズを提供するステップ、
- 前記光学デバイスの面の、前記光学レンズの面への取り付けを可能にするために、前記機械的基準部を用いて、前記光学デバイス及び前記光学レンズを互いに相対的に基準位置に位置決めするステップ、及び
- 前記位置決めするステップで画定された前記基準位置において、前記光学レンズの面に前記光学デバイスの面を取り付けるステップ、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科用レンズの分野におけるものであり、より具体的には、眼科用処方を有する着用者に適合された光学システムに関する。本開示による光学システムは、光学デバイスに光学レンズを追加するために、例えば着用者の処方に基づく光学機能を有する光学レンズに、エレクトロクロミック機能を含む光学デバイスを追加するために推奨される。光学デバイスへの光学レンズの取り付けは、いくつかの異なる手段によって達成され得る。
【背景技術】
【0002】
光学レンズを(全面又は端部に)接着仕上げしたレンズアセンブリのいくつかの既存の解決策及びクリップが付属するいくつかの解決策が知られている。
【0003】
それにもかかわらず、そのようなレンズアセンブリは、欠点を有し、複数の問題を解決する必要がある。第1の問題は、光学レンズの位置に関するものである。良好な光学レンズのアドオンを保証するために、光学デバイス上に光学レンズを良好な精度で配置する(又は閉じる)必要がある。
【0004】
別の問題は、フレーム内への統合に関するものである。2つの基準:美観及び装着のしやすさが関連する。光学デバイスへのレンズの取り付けのために接着を使用する際、接着剤のはみ出しの管理が重要なポイントとなる。
【0005】
接着の場合、接着剤のパターンを画定することにより、はみ出しの管理を行う。位置決めは、光学レンズを正しい位置に配置するセンタリングシステムを介して、且つ接着剤の重合中にいくらのずれも回避するように固定することを可能にするプリフラッシュソリューションを介して管理される。
【0006】
したがって、光学デバイスへの光学レンズの取り付けのための簡単で正確な手段が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、本開示の1つの目的は、2つのレンズの取り付けが複数の手段によって容易にされる光学システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本開示は、眼科用処方を有する着用者に適合された光学システムを提案し、光学システムは、
- 光学デバイス、
- 光学レンズ
を含み、光学デバイス及び光学レンズの組み合わせは、着用者の処方に基づく光学機能を有し、及び光学デバイスの面は、光学レンズの面に取り付けられ、光学デバイスは、光学デバイス及び光学レンズの正確な相対位置を可能にするために、少なくとも1つの機械的基準部を有する。
【0009】
有利には、そのような光学システムのため、提案される解決策は、光学デバイスの材料に依存しない。別の利点は、この解決策が、取り付け中の光学レンズと光学デバイスとの間の摩擦を最小化し、そのため、剥離を生じさせるであろう光学レンズの端部への応力が存在しないことである。
【0010】
本開示によれば、光学レンズは、着用者の処方に対応する光屈折機能を有する任意のタイプの光学レンズに関する。光学デバイスは、光屈折機能を有しない任意のタイプのレンズに関する。換言すれば、光学デバイスは、プラノ光学デバイスである。光学デバイスは、透過機能及び/又は偏光機能などの別の光学機能を有し得る。光学デバイスは、アクティブ光学要素などの機能を含み得る。光学デバイスは、反射防止コーティング、アンチグレアコーティング、エレクトロクロミック機能又は任意のアクティブ光学機能を有し得る。光学デバイスは、エレクトロクロミックのためのシェル、又は処方サングラスのためのプラノレンズ、又は反射防止眼鏡のためのレンズ提供コンバイナであり得る。光学デバイスは、プラスチック部品、射出又は鋳造部品(例えば、サンプラノレンズの場合)であり得る。光学デバイスは、鉱物部品であり得、例えばポリマージェットを介した付加的製造を使用する機械的手段を提供する補助ステップを伴い得る。鉱物部品の使用は、エレクトロクロミック用途又は反射防止眼鏡用途に関連し得る。
【0011】
例えば、着用者の処方に対応する光屈折機能を有するが、エレクトロクロミック機能を有しない光学レンズに、エレクトロクロミック機能を有する光学デバイスを追加して、着用者の処方に対応する光屈折機能及びエレクトロクロミック機能を有する光学システムを得ることができる。
【0012】
有利には、この解決策は、拡張現実又は仮想現実などのためのアクティブレンズを含むあらゆる種類のレンズに処方を追加するために使用することができる。
【0013】
有利には、機械的基準部を既に有する光学デバイスに新しい機械的基準部を追加して、光学デバイスに対する光学レンズの位置を更に調整することを可能にすることができる。これにより、新しい光学デバイスを設計する代わりに、新しい光学レンズ又は新しい着用者に光学デバイスを適合させるように光学デバイスを更にカスタマイズすることが可能になる。更に、着用者のニーズに従ってより高度なカスタマイズを達成するために、光学レンズに対する光学デバイスの追加の調整が可能になる。
【0014】
光学レンズのフットプリントが光学デバイスよりも小さいか又は同じサイズであることから、眼鏡のリムによって機械的基準部へのアクセスが妨げられ得ないため、眼鏡に既に装着されている光学デバイスに光学レンズを追加することが可能であり得る。
【0015】
単独で又は組み合わせとして想到可能な更なる実施形態によれば、
- 少なくとも1つの機械的基準部は、光学デバイスの外周上にあり、及び/又は
- 少なくとも1つの機械的基準部のいかなる部分も、光学デバイスの面が光学レンズの面に取り付けられるとき、光学デバイス上のレンズの輪郭によって画定される投影面の外側にあり、及び/又は
- 少なくとも1つの機械的基準部により、着用者のニーズに従って光学デバイスに対する光学レンズの位置をカスタマイズすることが可能になり、
- 光学デバイスの後面は、光学レンズの前面に取り付けられ、及び/又は
- 光学デバイスの後面の曲率は、光学レンズの前面の曲率よりも大きいか又は等しく、及び/又は
- 光学レンズの後面の曲率は、光学デバイスの前面の曲率よりも大きいか又は等しく、及び/又は
- 光学デバイス及び/又は光学レンズの前面及び/又は後面は、反射防止コーティング、及び/又はブルーカットコーティング、及び/又は防曇コーティング、及び/又はあらゆる利用可能なコーティングを含み、及び/又は
- 光学デバイス及び光学レンズは、少なくとも1つのクリップによって一緒に取り付けられ、及び/又は
- 光学デバイス及びレンズは、磁石で一緒に取り付けられ、及び/又は
- 光学デバイス及び光学レンズは、接着剤によって取り付けられ、及び/又は
- 接着剤は、機械的基準部、光学デバイスの後面及び光学レンズの前面又は機械的基準部、光学レンズの後面及び光学デバイスの前面によって区画された光学システムの内面上にあり、及び/又は
- 接着剤は、機械的基準部上のみにあり、及び/又は
- 光学デバイスの後面及び光学レンズの前面は、接触しているか、又は接着剤によって隔てられており、及び/又は
- 光学レンズの後面及び光学デバイスの前面は、接触しているか、又は接着剤によって隔てられており、及び/又は
- 光学システムは、少なくとも光学デバイスの後面の表面の点と、光学レンズの前面の表面の点との間にエアギャップを含み、及び/又は
- 光学システムは、少なくとも光学レンズの後面の表面の点と、光学デバイスの前面の表面の点との間にエアギャップを含み、及び/又は
- 機械的基準部と光学レンズとの間の接触は、エアギャップによって占められる容積内にダスト又は湿気が侵入し得ないようにシーリングを提供し、及び/又は
- 少なくとも1つの機械的基準部は、少なくとも溝を含み、及び/又は
- 少なくとも1つの機械的基準部は、少なくとも段差を含み、及び/又は
- 少なくとも1つの機械的基準部は、少なくともドレインを含み、及び/又は
- 少なくとも1つの機械的基準部は、円筒形の穴を含む。
【0016】
本開示は、例えば、本開示のいずれかによる着用者に適合された光学システムを提供する方法に更に関し、方法は、
- 少なくとも1つの機械的基準部を有する光学デバイスを提供すること、
- 光学レンズを提供することであって、光学デバイス及び光学レンズの組み合わせは、着用者の処方に基づく光学機能を有する、提供すること、
- 光学デバイスの面の、光学レンズの面への取り付けを可能にするために、機械的基準部を用いて、光学デバイス及び光学レンズを互いに相対的に基準位置に位置決めすること、
- 上記で画定された基準位置において、光学レンズの面に光学デバイスの面を取り付けること
を含む。
【0017】
ここで、本開示の実施形態について、ごく一例として以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】本開示の例示的な実施形態による、光学デバイス及び光学レンズを含む光学システムの概略図であり、光学デバイス及び光学レンズの組み合わせは、着用者の処方に基づく光学機能を有し、図1aでは、眼鏡は、図1bとは逆に組み立てられている。
図1b】本開示の例示的な実施形態による、光学デバイス及び光学レンズを含む光学システムの概略図であり、光学デバイス及び光学レンズの組み合わせは、着用者の処方に基づく光学機能を有し、図1aでは、眼鏡は、図1bとは逆に組み立てられている。
図2図1a及び図1bに示された光学デバイスの概略図である。
図3】本開示の実施形態による光学システムの概略図であり、光学デバイス及び光学レンズは、接触している。
図4】本開示の実施形態による光学システムの概略図であり、光学デバイス及び光学レンズは、接着剤によって隔てられている。
図5】本開示の実施形態による光学システムの概略図であり、光学デバイス及び光学レンズは、エアギャップによって隔てられている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面内の要素は、簡潔化及び明示化のために示され、必ずしも正確な縮尺で描かれていない。例えば、本開示の実施形態に対する理解の向上を促進するために、図面内のいくつかの要素の寸法が他の要素に対して誇張されている場合がある。
【0020】
本開示は、眼科用処方を有する着用者に適合された光学システムであって、光学デバイス及び光学レンズを含み、光学デバイス及び光学レンズの組み合わせは、着用者の前記眼科用処方に基づく光学機能を有する、光学システムに関する。
【0021】
図1a及び図1bは、光学デバイス12及び光学レンズ14を含む光学システムの一例を表す。図1aでは、光学システムは、光学レンズ14が光学デバイス12に依然として固定されていない状態で、図1bとは逆に組み立てられている。
【0022】
光学デバイス12は、異なる光学設計及び/又は異なる光学度数を有し得る。光学デバイス12は、単焦点レンズ、累進付加レンズ、二重焦点レンズ又は三重焦点レンズであり得る。光学デバイス12は、異なる色合い及び/又は異なる機能性コーティングを備え得る。
【0023】
光学レンズ14は、異なる光学設計及び/又は異なる光学度数を有し得る。光学レンズ14は、単焦点レンズ、累進付加レンズ、二重焦点レンズ又は三重焦点レンズであり得る。
【0024】
光学デバイス12及び光学レンズ14の組み合わせは、着用者の処方に基づく光学機能を有する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、光学デバイス12の後面18は、光学レンズ14の前面20に取り付けられる。
【0026】
好ましくは、光学レンズ14の前面20は、球形であり、その結果、光学レンズ14の前形状は、輪郭位置に依存しない。実用的には、前形状は、光学中心の位置に依存せず、光学レンズ上の輪郭の位置に依存しない。
【0027】
光学システムは、眼鏡フレームに取り付けられるように構成され得る。
【0028】
光学デバイス12は、あらゆる種類のアクティブレンズに適合するように製造され得る。光学デバイス12は、眼鏡フレームに既に装着されているアクティブレンズ14に取り付けられるように構成され得る。
【0029】
有利には、色合い及び/又は機能性コーティングを備えていない光学機能を有する眼鏡を既に使用しているユーザは、色合い及び/又は機能性コーティングを有する光学デバイス12をユーザの眼鏡に装着することをアイケア専門家に依頼することができる。
【0030】
光学デバイス12及び光学レンズ14は、互いに取り付けられるように配置される。
【0031】
有利には、光学デバイス12は、光学デバイス12及び光学レンズ14の正確な相対位置を可能にするために、少なくとも1つの機械的基準部24を有する。
【0032】
換言すれば、光学デバイス12は、光学レンズ14に光学デバイス12を取り付けている間、光学デバイス12及び光学レンズ14の位置を調整するための手段を含む。
【0033】
好ましくは、少なくとも1つの機械的基準部24は、光学デバイス12の外周上にある。
【0034】
有利には、光学デバイス12の外周上に位置決めされていることにより、機械的基準部24は、視覚を妨げない。
【0035】
更に、少なくとも1つの機械的基準部により、着用者のニーズに従って光学デバイスに対する光学レンズの位置をカスタマイズすることが可能になる。
【0036】
有利には、光学デバイスにおける追加の機械的基準部を設計して、光学デバイスに対する光学レンズの位置の更なる調整が可能になり得る。これにより、新しい光学デバイスを設計する代わりに、新しい光学レンズ又は新しい着用者に対して光学デバイスを適合させるように、光学デバイスを更にカスタマイズすることが可能になる。更に、着用者のニーズに従ってより高度なカスタマイズを達成するために、光学レンズに対する光学デバイスの追加の調整が可能になる。
【0037】
好ましくは、機械的手段24は、最大視野を提供するように限られたサイズを有する。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つの機械的基準部24のいかなる部分も、光学デバイス12の後面18が光学レンズ14の前面20に取り付けられるとき、光学デバイス12上の光学レンズ14の輪郭によって画定される投影面の外側にある。
【0039】
本開示の一実施形態によれば、光学デバイス12の前面16及び/又は後面18並びに光学レンズ14の前面20及び/又は後面22は、反射防止コーティングを含む。
【0040】
図2は、光学デバイス12の一例を表す。光学デバイス12の後面18は、少なくとも1つの機械的基準部24を備える。機械的基準部24は、本明細書で上記に説明したように、様々な形状を備えることができる。機械的基準部24は、2D(例えば、光学デバイス12の後面18の表面におけるマーク)又は3D(例えば、穴、段差、溝)であり得る。
【0041】
機械的手段24は、スペーサを含み得る。スペーサは、機械的基準部24上を除いて、光学デバイス12と光学レンズ14との間に接触が存在しないことを確実にする。
【0042】
有利には、光学システムが組み立てられたとき、光学デバイス12の後面18と、光学レンズ14の前面20との間にエアギャップ30が形成される。
【0043】
光学デバイス12は、複数の異なるタイプの機械的基準部を一度に備えることができる。
【0044】
好ましくは、複数の機械的基準部24を関連付けて、光学デバイス12の後面18が光学レンズ14の前面20に取り付けられるとき、光学レンズ14の輪郭と一致するか、又は光学レンズ14の輪郭によって画定される投影面を光学デバイス12上に包含する、連続又は非連続の輪郭を画定することができる。
【0045】
好ましくは、機械的基準部24の形状は、光学レンズの輪郭と同じである。代わりに、機械的基準部24は、光学システムのいくつかの領域にアクセスできるように、より洗練された形状で提供され得、接合パッドとして機能する接着剤を受容するための円筒形の穴であり得、接合中に接着剤の余剰分を排出するためのドレインを統合し得る。
【0046】
好ましくは、光学デバイス12が眼鏡に装着されたとき、機械的基準部24が依然として光学レンズ14を後に追加するために完全にアクセス可能であるように、機械的基準部の厚さを画定することができる。光学デバイス12及び光学レンズ14がフレーム内側で一緒に追加される場合、眼鏡リムは、機械的基準部24に重ならない。機械的基準部24の外側輪郭と、リムの内側輪郭との間にギャップが必要である。機械的基準部24の幅は、光学デバイスの端部の一方の側からリムの内側輪郭まで画定され得る。
【0047】
実施形態によれば、光学デバイス12の後面18の曲率は、光学レンズ14の前面20の曲率よりも大きい。
【0048】
実施形態によれば、光学デバイス12の後面18の曲率は、光学レンズ14の前面20の曲率に等しい。
【0049】
有利には、光学デバイス12の後面18と、光学レンズ14の前面20の曲率との間の曲率の差は、2つの表面間にエアギャップ30を形成する。組み立ての方法に応じて、2つの表面間に生じた容積をシーリングすることができる。
【0050】
本開示の一実施形態によれば、機械的基準部24は、溝を含む。
【0051】
本開示の一実施形態によれば、機械的基準部24は、段差を含む。
【0052】
好ましくは、接着剤28のためのスペースを確保するために、溝は、十分に深い。
【0053】
有利には、この特徴により、接着剤28を溝内に収めることができ、且つ光学デバイス12の後面18の表面上及び光学レンズ14の前面20の表面上へのそのはみ出しを制限することができる。
【0054】
本開示の実施形態によれば、機械的基準部24は、円筒形の穴を含む。
【0055】
本開示の実施形態によれば、機械的基準部24は、ドレイン26を含む。ドレイン26は、接着剤の余剰分を光学システムの外に排出するように構成される。
【0056】
有利には、ドレイン26により、光学デバイス12を光学レンズ14に取り付けている間に接着剤の余剰分を除去することが可能になる。
【0057】
図3は、本開示の実施形態による光学システムを表し、光学デバイス12及び光学レンズ14は、接触している。
【0058】
本開示の実施形態によれば、光学デバイス12は、限定されるべきではない様々な手段:リング、接着剤又はブラケットなどのフレーム上に固定することを可能にする統合ソリューションにより、光学レンズに固定され得る。
【0059】
本開示の実施形態によれば、光学デバイス12及び光学レンズ14は、少なくとも1つのクリップによって一緒に取り付けられる。
【0060】
本開示の実施形態によれば、光学デバイス12及び光学レンズ14は、少なくとも1つの磁石で一緒に取り付けられる。
【0061】
本開示の実施形態によれば、光学デバイス12及び光学レンズ14は、接着剤28によって一緒に取り付けられる。例えば、接着剤は、感圧接着剤、シアノアクリレート接着剤、エポキシ接着剤であり得、いかなる種類の接着剤にも限定されない。
【0062】
好ましくは、空容積を設計する溝若しくは円筒形の穴又は任意の種類の形状の形状を有する機械的基準部24の場合、機械的基準部は、接着剤28を包含して、はみ出しを制限するために十分に深い。
【0063】
光学デバイス12の光学レンズ14への取り付けを、接着剤を使用して行う場合、2つのタイプの取り付け:全面接着又は端部接合が可能である。
【0064】
全面接着の場合、接着剤28は、中央部分に置かれ得る。接着領域の周囲の溝は、はみ出しの管理に役立つ。
【0065】
点部接合の場合、機械的基準部24によって画定された外部リングは、この領域により期待される機能に応じて段差又は溝であり得る。
【0066】
接着剤がリング領域に分配される場合、エアギャップのケースになる。リング領域は、液体接着剤に対する溝又は段差であり、感圧接着剤に対する段差である。
【0067】
光学デバイス12及び光学レンズ14の取り付けの方法に応じて、且つ/又は光学デバイス12の後面18の曲率及び光学レンズ14の前面20の曲率に応じて、後面18及び前面20は、接触しているか、又は接着剤28若しくはギャップ30によって隔てられ得る。
【0068】
図4は、本開示の実施形態による光学システムを表し、光学デバイス12及び光学レンズ14は、接着剤28によって隔てられている。
【0069】
図5は、本開示の実施形態による光学システムを表し、光学デバイス12及び光学レンズ14は、少なくとも光学デバイス12の後面18の表面の点と光学レンズ14の前面20の表面の点との間でエアギャップ30によって隔てられている。
【0070】
有利には、機械的基準部24と光学レンズ14との間の接触は、エアギャップ30によって占められる容積内にダスト又は湿気が侵入し得ないようにシーリングを提供して、光学デバイス12の光学レンズ14への取り付け後、光学デバイス12の後面18及び光学レンズ14の前面20をクリーニングする必要性を回避する。
【0071】
本開示の別の目的は、例えば、先行する実施形態のいずれかによる着用者に適合された光学システムを提供する方法に関する。方法は、少なくとも、
- 少なくとも1つの機械的基準部を有する光学デバイスを提供することS10、
- 光学レンズを提供することS12であって、光学デバイス及び光学レンズの組み合わせは、着用者の処方に基づく光学機能を有する、提供することS12、
- 光学デバイスの面の、光学レンズの面への取り付けを可能にするために、機械的基準部を用いて、光学デバイス及び光学レンズを互いに相対的に基準位置に位置決めすることS14、
- 上記で画定された基準位置において、光学レンズの面に光学デバイスの面を取り付けることS16
を含む。
【0072】
一般的な発明の概念を限定することなく、実施形態を用いて本開示を上記で説明した。
【0073】
上記の例示的な実施形態を参照することで多くの更なる変更形態及び変形形態が当業者に明らかになるが、これらは、例示目的で提供されるにすぎず、添付の請求項によってのみ決定される本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0074】
請求項において、単語「含む」は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を除外しない。互いに異なる従属請求項で異なる特徴が引用されていたとしても、これらの特徴の組み合わせが有利に使用できないことを意味しない。請求項におけるいかなる参照符号も本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0075】
12 光学デバイス
14 光学レンズ
14 アクティブレンズ
16 前面
18 後面
20 前面
22 後面
24 機械的基準部
26 ドレイン
28 接着剤
30 エアギャップ
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】