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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】トラック支持用スライダ
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/08 20060101AFI20240214BHJP
   E02F 9/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B62D55/08 Z
E02F9/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544391
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 US2021064305
(87)【国際公開番号】W WO2022164544
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】17/248,587
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボールドウィン、アレックス ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥミトル、ミルチャ
(57)【要約】
【課題】トラック支持用スライダを提供する。
【解決手段】スライダは、第1セグメントと第2セグメントとを含む。第1セクションは、第1上面と、第1下面と、第1上面を第1下面に接続する第1内面とを含む。第1上面は、トラックを支持するように構成されている。第1内面は、取り付け機構の第1コンポーネントを含む。第2セクションは、第2上面と、第2下面と、第2上面を第2下面に接続する第2内面とを含む。第2上面は、トラックを支持するように構成されている。第2内面は、第1コンポーネントに取り外し可能に取り付けられるように構成された取り付け機構の第2コンポーネントを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割スライダ(208、216)であって、
第1上面(306、326)と、第1下面(308、328)と、前記第1上面(306、326)を前記第1下面(308、328)に接続する第1内面(310、330)とを有する第1セグメント(302、322)であって、
前記第1上面(306,326)は、トラック(104)を支持するように構成され、
前記第1内面(310、330)は、取り付け機構(400)の第1コンポーネント(402)を含む第1セグメント(302、322)と、
第2上面(312、332)と、第2下面(314、334)と、前記第2上面(312、332)を前記第2下面(314、334)に接続する第2内面(316、336)とを有する第2セグメント(304、324)であって、
前記第2上面(312、332)は、前記トラック(104)を支持するように構成され、
前記第2内面(316、336)は、前記取り付け機構(400)の前記第1コンポーネント(402)に取り外し可能に取り付けられるように構成された前記取り付け機構(400)の第2コンポーネント(408)を含む、第2セグメント(304、324)と、を含む、分割スライダ(208、216)。
【請求項2】
前記取り付け機構(400)の前記第2コンポーネント(408)が前記取り付け機構(400)の前記第1コンポーネント(402)に取り外し可能に取り付けられたときに、前記第2セグメント(304、324)の前記第2内面(316、336)は、前記第1セグメント(302、322)の前記第1内面(310、330)に当接する、請求項1に記載の分割スライダ(208、216)。
【請求項3】
前記取り付け機構(400)はダブテール取り付け機構(400)であり、前記前記第1コンポーネント(402)はダブテール凹部(402)であり、前記第2コンポーネント(408)はダブテール凸部(408)である、請求項1~2のいずれか1項に記載の分割スライダ(208、216)。
【請求項4】
前記分割スライダ(208)の長手方向において、
前記第1上面(306)は、第1曲率半径と、第1曲率半径よりも大きい第2曲率半径とを有し、
前記第2上面(312)は、第1上面(306)と実質的に同じ形状を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の分割スライダ(208)。
【請求項5】
前記第1上面(326)および前記第2上面(332)は、前記分割スライダ(216)の長手方向に実質的に直線状である、請求項1~3のいずれか1項に記載の分割スライダ(216)。
【請求項6】
端部スライダアセンブリ(124)であって、
スプロケット(106)またはアイドラ(108)に隣接する位置で車台フレーム(102)に取り付けるように構成された端部支持部材(210)と、
トラック(104)を支持するように構成された端部スライダ(208)と、を含み、
前記末端スライダ(208)は、
前記端部支持部材(210)の高さよりも大きい高さと、
前記端部支持部材(210)の幅よりも大きい幅と、
前記端部支持部材(210)の長さよりも大きい長さと、を有し、
前記端部スライダ(208)は、その長さに沿って、第1曲率半径と、前記第1曲率半径よりも大きい第2曲率半径とを有する、端部スライダアセンブリ(124)。
【請求項7】
前記端部スライダ(208)はその長さに沿って非対称である、請求項6に記載の端部スライダアセンブリ(124)。
【請求項8】
前記端部スライダ(208)は、前記第1セグメント(302)と、前記ダブテール取り付け機構(400)を介して前記第1セグメント(302)に取り外し可能に取り付けられるように構成された第2セグメント(304)と、を含む、請求項6~7のいずれか1項に記載の端部スライダアセンブリ(124)。
【請求項9】
前記端部スライダ(208)の幅は、約200mmから約300mmの範囲内であり、
前記端部スライダ(208)の長さは、約1700mmから約1800mmの範囲内である、請求項6~8のいずれか1項に記載の端部スライダアセンブリ(124)。
【請求項10】
前記端部スライダ(208)の重量は、約1000キログラムから約1100キログラムの範囲内である、請求項6~9のいずれか1項に記載の端部スライダアセンブリ(124)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、車台のスライダアセンブリの構成に関し、例えば、車台のトラックを支持するためのスライダに関する。
【背景技術】
【0002】
建設、採鉱、林業などの産業では、トラックを利用して機械の重量を地面に分散させることがある。その結果、車輪駆動の機械に比べて、引っ掛かりの可能性が少ない状態で地面を横切るように構成することができる。このような機械において、車台は、一端のスプロケットと、反対端のアイドラと、トラックを支持し案内するためにそれらの間に取り付けられたスライダ構成と、を含むことができる。いくつかの場合、スライダ構成は、時間の経過とともに生じる個別の懸念に対処するために、まとまったものではなく断片的に設計された可能性がある。したがって、スライダ構成は、異なる設計および異なる寿命を有する複数のスライダを含むことができる。その結果、スライダ構成には多額の在庫コストを伴う可能性があり、比較的複雑で頻繁にスライダを交換する必要があり、機械のダウンタイムを増大させる。
【0003】
米国特許第10,543,876号には、機械のトラックアセンブリをスライド可能に支持するためのトラック支持レールが開示されている。トラック支持レールは、第1本体端部と、第2本体端部と、クラウン部と、上部支持面とを有する本体を含む。本体は、第1本体端部と第2本体端部との間で長手軸に沿って延びる。クラウン部は、長手方向軸に沿って第1本体端部と第2本体端部との間に配置される。上部支持面は、第1本体端部と第2本体端部との間で長手方向軸に沿って延びる。上部支持面は、第1湾曲セグメントおよび第2湾曲セグメントを含む。第1湾曲セグメントは、第1湾曲形状を有し、第1本体端部から本体のクラウン部に向かって延びる。第2湾曲セグメントは、第2湾曲形状を有し、第2本体端部から本体のクラウン部に向かって延びる。第1湾曲形状は、第2湾曲形状とは異なる。
【0004】
本開示のスライダは、上記の問題、および/または当技術分野における他の問題のうちの1つまたは複数を解決する。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態では、分割スライダは、第1上面と、第1下面と、前記第1上面を前記第1下面に接続する第1内面とを有する第1セグメントであって、前記第1上面は、トラックを支持するように構成され、前記第1内面は、取り付け機構の第1コンポーネントを含む第1セグメントと、第2上面と、第2下面と、前記第2上面を前記第2下面に接続する第2内面とを有する第2セグメントであって、前記第2上面は、前記トラックを支持するように構成され、前記第2内面は、前記取り付け機構の前記第1コンポーネントに取り外し可能に取り付けられるように構成された前記取り付け機構)の第2コンポーネントを含む、第2セグメントと、を含む
【0006】
いくつかの実施形態では、端部スライダアセンブリは、スプロケットまたはアイドラに隣接する位置で車台フレームに取り付けるように構成された端部支持部材と、トラックを支持するように構成された端部スライダと、を含み、前記末端スライダは、前記端部支持部材の高さよりも大きい高さと、前記端部支持部材の幅よりも大きい幅と、前記端部支持部材の長さよりも大きい長さと、を有し、前記端部スライダは、その長さに沿って、第1曲率半径と、前記第1曲率半径よりも大きい第2曲率半径とを有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、スライダ構成は、第1端部セグメントと、第1端部セグメントに取り外し可能に取り付けられた第2端部セグメントとを有する少なくとも1つの端部スライダであって、第1端部セグメントと第2端部セグメントとは共同で、トラックを支持するように構成された少なくとも1つの端部スライダの上面を形成し、スライダ構成の長手方向に沿って、少なくとも1つの端部スライダの上面は、第1曲率半径と、第1曲率半径よりも大きい第2曲率半径とを含む、少なくとも1つの端部スライダと、第1中央セグメントと、第1中央セグメントに取り外し可能に取り付けられた第2中央セグメントとを有する少なくとも1つの中央スライダであって、第1中央セグメントと前記第2中央セグメントとは共同で、トラックを支持するように構成された少なくとも1つの中央スライダの上面を形成し、少なくとも1つの中央スライダの上面は、前記スライダが配置された長手方向に沿って実質的に直線状である、少なくとも1つの中央スライダと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】トラックを含む典型的な車台の側面図である。
図2】トラックの個々のシューに位置合わせされた車台の等角図である。
図3】車台の端部スライダアセンブリと中央スライダアセンブリの等角図である。
図4】端部スライダアセンブリの端部スライダの第1セグメントの側面図である。
図5図4の線5-5に沿った端部スライダの第1セグメントの断面図である。
図6】端部スライダの第2セグメントの側面図である。
図7図6の線7-7に沿った端部スライダの第2セグメントの断面図である。
図8】取り付け状態における端部スライダの側面図である。
図9図8の線9-9に沿った取り付け状態の端部スライダの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、トラック式車台を有する機械に適したトラックを支持するスライダに関する。例えば、機械は、ロープショベル、油圧マイニングショベル、掘削機、林業機械、または他のタイプの機械であってもよい。
【0010】
以下の説明を簡略化するために、同じ符号を使用して類似の特徴を表すことができる。図面は原寸に比例していない場合もある。
【0011】
図1は、例示的な車台100を示す。上述したように、車台100は、ロープショベル、油圧マイニングショベル、掘削機、林業機械、または他のタイプの機械などの機械(図示せず)を支持するように構成される。車台100は、フレーム102、トラック104、スプロケット106、アイドラ108、複数のローラ110、およびスライダアセンブリ112の構成を含む。フレーム102は、トラック104、スプロケット106、アイドラ108、複数のローラ110、スライダアセンブリ112の構成を支持する構造である。フレーム102は、後端114と、前端116と、下端118と、上端120とを含む。後端114は、前端116の反対側にある。下端118は、後端114を前端116に接続し、上端120の反対側にある。いくつかの実施形態では、フレーム102は、トラック104の張力を調整するための反動機構(図示せず)を含んでもよい。複数のシュー122から形成され得るトラック104は、フレーム102を取り囲んで機械を推進する地面係合装置である。
【0012】
フレーム102の後端114に回転可能に取り付けられたスプロケット106は、フレーム102の周りでトラック104を駆動するように構成されている。アイドラ108は、フレーム102の前端116に取り付けられ、その周りでトラック104を案内するように構成されている。フレーム102の下端118には、スプロケット106とアイドラ108との間でトラック104を案内する複数のローラ110が回転可能に取り付けられている。以下に詳細に説明するスライダアセンブリ112の構成は、フレーム102の上端120に取り付けられ、スプロケット106とアイドラ108との間でトラック104を支持し案内する一対の端部スライダアセンブリ124および複数の中央スライダアセンブリ126を含む。一対の端部スライダアセンブリ124のうちの端部スライダアセンブリ124は、アイドラ108に隣接する位置でフレーム102の上端120に取り付けられる。一対の端部スライダアセンブリ124のうちの他方の端部スライダアセンブリ124は、スプロケット106に隣接する位置でフレーム102の上端120に取り付けられる。端部スライダアセンブリ124は、他方の端部スライダアセンブリ124と実質的に同一である。複数の中央スライダアセンブリ126は、端部スライダアセンブリ124と他方の端部スライダアセンブリ124との間に間隔をおいてフレーム102の上端120に取り付けられている。例えば、端部スライダアセンブリ124と、複数の中央スライダアセンブリ126のうち隣接する中央スライダアセンブリ126との間の空間は、約350mm(mm)から約500mmの範囲の長さを有する。スライダアセンブリ112の構成の残りのスライダアセンブリ間には、同じ間隔が生じてもよい。構築および構成されるように、スライダアセンブリ112の構成は、鏡像構成を形成する。
【0013】
上述したように、図1を一例として提供する。他の例は、図1に関連して説明されたものとは異なる場合がある。例えば、コンポーネントの数および構成は、図1に示したものとは異なっていてもよい。したがって、図1に示されるコンポーネントと比較して、追加のコンポーネント、より少ないコンポーネント、異なるコンポーネント、異なる形状のコンポーネント、異なるサイズのコンポーネント、および/または異なる構成のコンポーネントが存在してもよい。例えば、複数のローラ110は、異なる数のローラ110(例えば、8、10、および/または類似のもの)を含んでもよい。別の例として、スライダアセンブリ112の構成は、異なる数の中央スライダアセンブリ126(例えば、2つ、4つ、および/または類似のもの)を含んでもよい。
【0014】
図2は、複数のシュー122のうちの1つのシュー122に位置合わせされた車台100を示す。複数のシュー122のうちの残りのシュー122と実質的に同じ構造を有するシュー122は、内側接触面202と、内側接触面202とは反対側の外側接触面204とを含む。以下に説明するように、内側接触面202は、シュー122がフレーム102の周りの長方形の経路206に沿って移動するときにアイドラ108、複数のローラ110、スプロケット106、およびスライダアセンブリ112の構成に摺動可能に接触するように構成されている。外側接触面204は、同時に地面に摺動可能に係合するように構成されている。
【0015】
スライダアセンブリ112の構成の説明を簡単にするために、端部スライダアセンブリ124および単一の中央スライダアセンブリ126(以下、中央スライダアセンブリ126と称する)の構造について以下に説明する。説明された構造は、他方の端部スライダアセンブリ124および中央スライダアセンブリ126の構成の残りの中央スライダアセンブリ126にそれぞれ適用されることが理解されるべきである。
【0016】
端部スライダアセンブリ124は、端部スライダ208と端部支持部材210とを含む。端部スライダ208は、シュー122の内側接触面202に摺動可能に接触して支持するように構成された上面212を含む。シュー122を支持するために、端部スライダアセンブリ124の端部スライダ208は、端部支持部材210の高さよりも大きい高さと、端部支持部材210の幅よりも大きい幅と、端部支持部材210の長さよりも大きい長さとを有してもよい。例えば、端部スライダアセンブリ124の端部スライダ208は、高さが約400mmから約500mmの範囲内であり、幅が約200mmから約300mmの範囲内であり、長さが約1700mmから約1800mmの範囲内であってもよい。端部スライダアセンブリ124の全体の高さに対する端部スライダアセンブリ124の端部スライダ208の高さの比は、約0.75から約0.95の範囲内であってもよい。他の寸法および/または比率も考えられる。
【0017】
端部スライダアセンブリ124の端部支持部材210は、端部スライダ208を支持するように構成されている。端部支持部材210は、上面212とは反対側にあり、端部支持部材210がフレーム102に取り付けられたときにフレーム102の上端120に接触するように構成されている下面214を含む。いくつかの実施形態では、端部スライダアセンブリ124がフレーム102に確実に固定されることを確保するために、端部支持部材210は、1つまたは複数のファスナー(例えば、ボルト、ねじ、ラッチ、クリップ、スナップリング、溶接、および/または他のタイプのファスナー)を介してフレーム102に固定されてもよい。
【0018】
中央スライダアセンブリ126は、中央スライダ216と中央支持部材218とを含む。中央スライダ216は、シュー122の内側接触面202に摺動可能に接触して支持するように構成された上面220を含む。シュー122を支持するために、中央スライダアセンブリ126の中央スライダ216は、中央支持部材218の幅よりも大きい幅と、中央支持部材218の長さよりも大きい長さとを有してもよい。例えば、中央スライダアセンブリ126の中央スライダ216に関して、幅は約200mmから約300mmの範囲内であり、長さは約1100mmから約1200mmの範囲内であってもよい。中央スライダアセンブリ126の中央スライダ216の高さは、約200mmから約300mmの範囲内であってもよい。中央スライダアセンブリ126の全体の高さに対する中央スライダアセンブリ126の中央スライダ216の高さの比は、約0.35から約0.55の範囲内であってもよい。他の寸法および/または比率も考えられる。
【0019】
中央スライダアセンブリ126の中央支持部材218は、中央スライダ216を支持するように構成されている。中央支持部材218は、上面220とは反対側にあり、中央支持部材218がフレーム102に取り付けられたときにフレーム102の上端120に接触するように構成されている下面222を含む。いくつかの実施形態では、中央スライダアセンブリ126がフレーム102に確実に固定されることを確保するために、中央支持部材218は、1つまたは複数のファスナー(例えば、ボルト、ねじ、ラッチ、クリップ、スナップリング、溶接、および/または他のタイプのファスナー)を介してフレーム102に固定されてもよい。
【0020】
長方形経路206に沿ってシュー122を案内するために、端部スライダアセンブリ124の上面212および中央スライダアセンブリ126の上面220は、シュー122の内側接触面202と相補的な寸法および形状を有する。これにより、端部スライダ208および中央スライダ216とそれぞれ同じ幅の上面212、220の幅は、内側接触面202の幅と実質的に等しい。さらに、上面212、220は、長方形経路206に垂直な横方向に凸であってもよく、内側接触面202は、それに応じて横方向に凹んでいてもよい。
【0021】
端部スライダ208は、長方形経路206の湾曲セクション224と直線セクション226との接続部に位置しているので、シュー122から複数方向に沿って衝撃を受ける。一方、中央スライダ216は、長方形経路206の直線セクション226に沿って位置しているの、シュー122からの衝撃が小さい。中央スライダ216の寿命と実質的に等しい寿命(例えば、約2,000時間から約5,000時間の範囲内)を有するために、端部スライダ208は、中央スライダ216よりも重く、かつ、より強固であってもよい。例えば、端部スライダ208の重量は、約1,000kg(kg)~約1,100kgの範囲内であってもよい。中央スライダ216の重量は、約400キログラムから約500キログラムの範囲内であってもよい。様々な環境条件下での力に耐えるために、端部スライダ208および中央スライダ216は、マンガン鋼または高い衝撃強度および/または耐摩耗性を有する他の種類の金属で製造することができる。他の重量および/または材料も考えられる。
【0022】
湾曲セクション224と直線セクション226との間で長方形経路206を滑らかに移行させるために(例えば、シューがアイドラ108またはスプロケット106の周りを移動するときに)、端部スライダ208の上面212は、端部スライダ208の長さに沿って非対称形状を有する。特に、上面212は、端部スライダ208の長さに沿って、長方形経路206の湾曲セクション224に近接する第1曲率半径と、長方形経路206の直線セクション226に近接する第2曲率半径とを有する。第2曲率半径は、第1曲率半径より大きい。中央スライダ216は、長方形経路206の直線セクション226に沿って配置されているので、中央スライダ216の上面220は実質的に直線状である。
【0023】
使用時には、スプロケット106の歯228がシュー122と係合して、長方形経路206に沿っていずれの方向にシュー122を押すことができる。例えば、スプロケット106は、長方形経路206に沿って時計回り方向に複数のローラ110に向かってシュー122を押圧する。複数のローラ110の外面230は、端部スライダ208および中央スライダ216の上面212、220と実質的に同じ幅および凸曲率を有し、これら外面230は、シュー122の内側接触面202に接触してシュー122を地面に沿って案内する。シュー122がアイドラ108に到達すると、アイドラ108の外面232がシュー122の内側接触面202に接触して長方形経路206の湾曲セクション224の周りでシュー122を案内し、この外面232は同様に、端部スライダ208および中央スライダ216の上面212、220の幅および凸曲率と実質的に同じ幅および凸曲率を有する。端部スライダ208の上面212の曲率半径が大きくなるので、シュー122は端部スライダ208の上面212に沿って滑らかに摺動する。そして、シュー122は、スプロケット106に戻る前に、複数の中央スライダ216の上面220に沿って、かつ、他の端部スライダ208の曲率半径が小さくなる方向に沿って摺動する。スプロケット106がシュー122を反時計方向に駆動する場合、これらのステップは逆の順序で行われることが理解されるべきである。
【0024】
上述したように、図2を一例として提供する。他の例は、図2に関連して説明されたものとは異なる場合がある。例えば、コンポーネントの数および構成は、図2に示したものとは異なっていてもよい。したがって、図2に示されるコンポーネントと比較して、追加のコンポーネント、より少ないコンポーネント、異なるコンポーネント、異なる形状のコンポーネント、異なるサイズのコンポーネント、および/または異なる構成のコンポーネントが存在してもよい。
【0025】
図3図9を参照して以下に説明されるように、いくつかの実施形態では、一対の端部スライダアセンブリ124および/または複数の中央スライダアセンブリ126のうちの少なくとも1つのスライダは、少なくとも1つのスライダの取り付けおよび/または取り外しを容易にするために、取り外し可能に取り付けられた複数のコンポーネントで構成されてもよい。
【0026】
図3は、端部スライダアセンブリ124および中央スライダアセンブリ126を示す。上述したように、以下の説明は、スライダアセンブリ112の構成の残りのスライダアセンブリに等しく当てはまることが理解されるべきである。端部スライダアセンブリ124の端部スライダ208は、第1セグメント302と第2セグメント304とを有する。第1セクション302は、第1上面306と、第1下面308と、第1上面306を第1下面308に接続する第1内面310とを含む。端部スライダアセンブリ124の第1内面310は、実質的に平面であってもよい。第2セクション304は、第1セクション302と実質的に同一であってもよく、第2上面312と、第2下面314と、第2上面312を第2下面314に接続する第2内面316とを含む。第2内面は、実質的に平面であってもよく、第1内面310に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。第1上面306および第2上面312は共同で、端部スライダ208の上面212を画定する。第1下面308および第2下面314は共同で、端部スライダ208が端部支持部材210に取り付けられたときに端部支持部材210の下面214からある距離だけ離間した端部スライダ208の下面318を画定する。端部スライダ208を端部支持部材210に取り付けるために、端部スライダ208の下面318は、端部支持部材210の一部を受け入れるように構成された開口部320を含んでもよい。一旦、端部スライダ208と端部支持部材210とがそのように係合すると、端部スライダ208は、1つまたは複数のファスナー(例えば、ボルト、ねじ、ラッチ、クリップ、スナップリング、および/または他のタイプのファスナー)を介して端部支持部材210に取り外し可能に固定されてもよい。
【0027】
中央スライダアセンブリ126の中央スライダ216も同様に、第1セグメント322と第2セグメント324とを有する。第1セクション322は、第1上面326と、第1下面328と、第1上面326を第1下面328に接続する第1内面330とを含む。第1内面330は、実質的に平面であってもよい。第2セクション324は第1セクション322と実質的に同一であってもよく、第2上面332と、第2下面334と、第2上面332を第2下面334に接続する第2内面336とを含む。第2内面336は実質的に平坦であってもよく、第1内面330に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。第1上面326および第2上面332は共同で、中央スライダ216の上面220を画定する。第1下面328および第2下面334は共同で、中央スライダ216が中央支持部材218に取り付けられたときに中央支持部材218の下面222からある距離だけ離間した中央スライダ216の下面338を画定する。中央スライダ216を中央支持部材218に取り付けるために、中央スライダ216の下面338は、中央支持部材218の一部を受け入れるように構成された開口部340を含んでもよい。一旦、中央スライダ216と中央支持部材218とがそのように係合すると、中央スライダ216は、1つまたは複数のファスナー(例えば、ボルト、ねじ、ラッチ、クリップ、スナップリング、および/または他のタイプのファスナー)を介して中央支持部材218に取り外し可能に固定されてもよい。
【0028】
上述したように、図3を一例として提供する。他の例は、図3に関連して説明されたものとは異なる場合がある。例えば、コンポーネントの数および構成は、図3に示したものとは異なっていてもよい。したがって、図3に示されるコンポーネントと比較して、追加のコンポーネント、より少ないコンポーネント、異なるコンポーネント、異なる形状のコンポーネント、異なるサイズのコンポーネント、および/または異なる構成のコンポーネントが存在してもよい。例えば、端部スライダアセンブリ124および中央スライダアセンブリ126のうちの少なくとも1つは、2つ以上のセグメント(例えば、4つのセグメント、6つのセグメントおよび/または類似のもの)を有するスライダを含んでもよい。さらなる例として、内面は非平面であってもよく、代わりに相補的な形状の鋸歯状、曲率、または他の形状を有していてもよい。
【0029】
図4図9は、端部スライダ208の例示的なダブテール取り付け機構400を示す。以下に説明するように、中央スライダ216はダブテール取り付け機構400を利用することもできることを理解すべきである。図4~5に示すように、端部スライダ208の第1セグメント302の第1内面310は、共同でダブテール取り付け機構400のコンポーネントを形成する一対のダブテール凹部402を含む。一対のダブテール凹部402の各凹部402は、断面形状が略矩形の挿入部404と、断面形状が略台形の固定部406とを含む。図6~7に示すように、端部スライダ208の第2セグメント304の第2内面316は、共同でダブテール取り付け機構400の相補的なコンポーネントを形成する一対のダブテール凸部408を含む。一対のダブテール凸部408の各凸部408は、一対のダブテール凹部402の挿入部404の略台形の形状と略同一の略台形断面形状を有する。
【0030】
したがって、使用時には、一対のダブテール凹部402の挿入部404に一対のダブテール凸部408をそれぞれ挿入することができる。一対のダブテール凹部402が一対のダブテール凸部408を受け入れると、端部スライダ208の第1セグメント302および第2セグメント304は、一対のダブテール凸部408を一対のダブテール凹部402の固定部406内に滑り込ませるように互いにスライドすることができる。ダブテール取り付け機構400がそのように係合すると、図8~9に示すように、第1セグメント302および第2セグメント304は取り付け状態を形成する。
【0031】
上述したように、図4図9を例として提供する。他の例は、図4図9に関して説明されたものとは異なる場合がある。例えば、コンポーネントの数および構成は、図4~9に示すものとは異なる場合がある。したがって、図4~9に示すコンポーネントと比較して、追加のコンポーネント、より少ないコンポーネント、異なるコンポーネント、異なる形状のコンポーネント、異なるサイズのコンポーネント、および/または異なる構成のコンポーネントが存在してもよい。一例として、ダブテール取り付け機構400は、異なる数のダブテール凸部およびダブテール凹部(例えば、1つ、3つ、4つ、および/または類似のもの)を含んでもよい。別の例として、第1セグメント302(およびそれに応じて第2セグメント304)は、少なくとも1つのダブテール凸部と少なくとも1つのダブテール凹部との組み合わせを含んでもよい。さらなる例として、端部スライダ208および/または中央スライダ216は、1つまたは複数の磁石、スナップ式ファスナー(例えば、加飾成形ファスナー)、クリップ、または別のタイプのファスナーのような異なるタイプの取り付け機構を利用することができる。追加的に、または代替的に、端部スライダ208および/または中央スライダ216は、ロック機構の係合が解除されるまで、第1セグメント302と第2セグメント304との間の相対移動を防止するためのロック機構(例えば、4分の1回転ラッチまたは別のタイプのロック機構)を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本開示の端部スライダ208および中央スライダ216は、トラック式の車台を有する機械、例えば、車台100に特に適している。機械は、ロープショベル、油圧マイニングショベル、掘削機、林業機械または他のタイプの機械であってもよい。
【0033】
本開示の端部スライダ208および中央スライダ216は、スライダアセンブリ112の構成の一部として設計されているので、端部スライダ208および中央スライダ216は実質的に等しい寿命を有し、これにより、交換が合理化され、機械のダウンタイムが最小限に抑えられる。加えて、端部スライダ208の堅牢な設計および可変曲率により、端部スライダ208は他のタイプの端部スライダに対して耐摩耗性が向上している。スライダアセンブリ112の構成は、2種類のスライダ(端部スライダ208および中央スライダ216)のみを含むので、在庫コストを低減し、スライダの取り付けおよび/または交換を簡略化するという利点も有する。端部スライダ208および/または中央スライダ216が(例えば、ダブテール取り付け機構400または別のタイプの取り付け機構を含むことにより)分離可能とされた実施形態では、端部スライダ208および中央スライダ216は、特にコンポーネントの重量が問題となるような重い用途において、取り付けおよび/または交換をさらに容易にする。
【0034】
上述の開示は、例示および説明を提供するものであるが、網羅的であること、または開示された正確な形態に実装を限定することを意図したものではない。修正および変更は、上記の開示に基づいて行うことができ、または実施された実践から得ることができる。さらに、1つ以上の実施形態を組み合わせることができない理由が上記の開示に明確に提供されていない限り、本明細書に記載されているいずれの実施形態を組み合わせることができる。特徴の特定の組み合わせは、請求項に記載されおよび/または明細書に開示されていても、これらの組み合わせは、種々の実施形態の開示を制限することを意図するものではない。以下に列挙される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属することができるが、様々な実施形態の開示には、請求項セット内の全ての他の請求項と組み合わせる各従属請求項が含まれる。
【0035】
本明細書に使用されるように、「一」、「1つ」および「1セット」は、1つ以上のものを含むことを意図しており、「1つ以上」と交換可能に使用され得る。さらに、本明細書で使用されるように、冠詞「当該」は、冠詞「当該」と組み合わせて引用される1つ以上のものを含むことを意図しており、「1つ以上」と交換可能に使用され得る。さらに、本明細書で使用されるように、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、またはその他の変形は非排除を包含することを意図しており、例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素も含むことができる。さらに、本開示では、「約(about)」、「通常(generally)」、「実質的に(substantially)」、および「およそ(approximately)」などの相対的な用語は、当業者が文脈から別の明白な変化を示さない限り、値の±10%の可能な変化を示すために使用される。さらに、「に基づいて」という語句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に基づく」ということを意味することを意図している。さらに、本明細書で使用されるように、用語「または」は、一連で使用される場合に包括的であることを意図しており、特に明記されていない限り(例えば、「いずれか」または「その1つのみ」と組み合わせて使用される場合)、「および/または」と交換して使用されてもよい。さらに、本明細書の説明を容易にするために、例えば「の下」、「下」、「の上」、「上」等の空間的に相対的な用語を使用して、図示のような、1つの要素または特徴と他の要素または特徴との関係を説明してもよい。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用または動作中の機器、装置および/または要素の異なる方向を含むことを意図している。機器は、他の向き(90度回転または他の向き)にすることができ、本明細書に使用される空間的に相対的な記述子も、それに応じて解釈することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】