(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】基板処理装置用ガス供給装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240214BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545308
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2022000513
(87)【国際公開番号】W WO2022164082
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0011316
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン セ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ロゥ ジャエ サン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ホン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ホン ス
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヤン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ビャン ハ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ジ ヒュン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BB28
5F004CA01
5F004CA02
5F045AA18
5F045BB08
5F045BB20
5F045DP03
5F045DP11
5F045DQ10
5F045EE11
5F045EM10
5F045GB06
(57)【要約】
本発明は、第1ガス噴射部に連結した第1供給ライン、前記第1供給ラインに連結した複数の第1ガス供給機構、前記第1供給ラインの第1圧力を測定する第1測定機構、第2ガス噴射部に連結した第2供給ライン、前記第2供給ラインに連結した複数の第2ガス供給機構、および前記第2供給ラインの第2圧力を測定する第2測定機構を含み、前記第1測定機構が前記第1圧力が第1基準値から外れているか否かを確認し、前記第2測定機構が前記第2圧力が第2基準値から外れているか否かを確認する基板処理装置用ガス供給装置に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガス噴射部にガスを供給するための第1ガス供給部、および
第2ガス噴射部にガスを供給するための第2ガス供給部を含み、
前記第1ガス供給部が、前記第1ガス噴射部に連結した第1供給ライン、前記第1供給ラインに連結した複数の第1ガス供給機構、及び前記第1供給ラインの第1圧力を測定する第1測定機構を含み、
前記第2ガス供給部は、前記第2ガス噴射部に連結した第2供給ライン、前記第2供給ラインに連結した複数の第2ガス供給機構、及び前記第2供給ラインの第2圧力を測定する第2測定機構を含み、
前記第1測定機構は、前記第1圧力が第1基準値から外れているか否かを確認し、
前記第2測定機構は、前記第2圧力が第2基準値から外れているか否かを確認することを特徴とする、基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項2】
前記第1ガス供給部が、前記第1供給ラインにパージガスを供給する第1パージ機構を含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項3】
前記第1パージ機構が、前記第1供給ラインに連続的にパージガスを供給することを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項4】
前記第1測定機構が、前記第1パージ機構と前記第1ガス供給機構の間で前記第1供給ラインに連結したことを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項5】
前記第1測定機構が、前記第1供給ラインにプロセスガスが供給される場合に、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認することを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項6】
前記第1基準値と前記第2基準値を設定する制御部、および前記第1測定機構と前記第2測定機構それぞれが測定した圧力データを蓄積する貯蔵部を含み、
前記制御部が、前記貯蔵部に蓄積された圧力データを用いて前記第1基準値と前記第2基準値を変更することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項7】
前記第1測定機構が、前記第1圧力のうち、第1ガス圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項8】
前記第1測定機構が、前記第1ガス供給機構ごとに異なる前記第1基準値と前記第1圧力を比較することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項9】
前記第1測定機構が、前記第1圧力が前記第1基準値から外れたことを確認すると、前記第1ガス供給機構は、ガスの供給を中断することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項10】
前記第1ガス供給部が、前記第1ガス供給機構のうち、前記第1圧力が前記第1基準値から外れたガスを噴射した前記第1ガス供給機構を検出する第1検出機構を含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項11】
前記第1ガス供給機構のうちのいずれか1つの第1ガス供給機構と前記第2ガス供給機構のうちのいずれか1つの第2ガス供給機構が、第1連結機構を介して互いに連結していて、
前記第1測定機構が、前記第1連結機構に連結した前記第1ガス供給機構が噴射したガスによって前記第1圧力が前記第1基準値から外れたことを確認すると、前記第1連結機構は、ガスの供給量を調整することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項12】
前記第1ガス供給部と前記第2ガス供給部が、基板処理装置が有する第1工程チャンバに設置された前記第1ガス噴射部と前記第2ガス噴射部にガスを供給することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項13】
前記第1ガス供給部が、基板処理装置が有する第1工程チャンバに設置された前記第1ガス噴射部にガスを供給し、
前記第2ガス供給部は、基板処理装置が有する第2工程チャンバに設置された前記第2ガス噴射部にガスを供給することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置用ガス供給装置。
【請求項14】
複数のガス噴射部の各々に個別に連結した複数の供給ライン、
前記供給ラインの各々に連結した複数のガス供給機構、および
前記供給ラインの各々の圧力を測定する複数の測定機構を含み、
前記測定機構が、各々、前記圧力が基準値から外れているか否かを確認することを特徴とする、基板処理装置用ガス供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対する蒸着工程、エッチング工程などの処理工程を行う基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽電池(Solar Cell)、半導体素子、フラットパネルディスプレイなどを製造するためには、基板上に所定の薄膜層、薄膜回路パターン、または光学パターンを形成しなければならない。このため、基板に特定物質の薄膜を蒸着する蒸着工程、感光性物質を用いて薄膜を選択的に露出させるフォト工程、選択的に露出した部分の薄膜を除去してパターンを形成するエッチング工程などの基板に対する処理工程が行われる。
【0003】
このような基板に対する処理工程は、基板処理装置により行われる。前記基板処理装置は、ガス供給装置から供給されたガスを用いて前記基板に対する処理工程を行う。
【0004】
図1は、従来技術によるガス供給装置の概略構成図である。
【0005】
図1を参照すると、従来技術によるガス供給装置100は、基板処理装置200に連結した第1供給ライン110、前記第1供給ライン110に連結した第1ガス供給機構120、前記基板処理装置200に連結した第2供給ライン130、および前記第2供給ライン130に連結した第2ガス供給機構140を含む。
【0006】
前記第2ガス供給機構140と前記第1ガス供給機構120は、互いに連結している。これにより、前記第2ガス供給機構140と前記第1ガス供給機構120は、前記基板処理装置200に対して並列構造で連結する。
【0007】
この場合、前記第2ガス供給機構140と前記第1ガス供給機構120のいずれか1つに故障が発生したり異常動作が発生しても、前記第2ガス供給機構140と前記第1ガス供給機構120のうち、正常に動作する残りの1つを介して前記基板処理装置200へのガスの供給が継続して行われる。
【0008】
したがって、従来技術に係るガス供給装置100は、前記第2ガス供給機構140と前記第1ガス供給機構120の中のいずれか1つで故障が発生したか異常動作が発生したことを前記処理工程を行う途中では確認することが難しく、前記処理工程が完了した後に基板の品質検査を通じて確認することになるため、被害損失が増加するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述したような問題点を解決するために案出されたものであり、ガス供給機構に故障が発生したり異常動作が発生したりすることを確認できる基板処理装置用ガス供給装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述したような課題を解決するために、本発明は以下のような構成を含むことができる。
【0011】
本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置は、第1ガス噴射部にガスを供給するための第1ガス供給部と、第2ガス噴射部にガスを供給するための第2ガス供給部を含むことができる。前記第1ガス供給部は、前記第1ガス噴射部に連結した第1供給ライン、前記第1供給ラインに連結した複数の第1ガス供給機構、及び前記第1供給ラインの第1圧力を測定する第1測定機構を含むことができる。前記第2ガス供給部は、前記第2ガス噴射部に連結した第2供給ライン、前記第2供給ラインに連結した複数の第2ガス供給機構、及び前記第2供給ラインの第2圧力を測定する第2測定機構を含むことができる。前記第1測定機構は、前記第1圧力が第1基準値から外れているか否かを確認することができる。前記第2測定機構は、前記第2圧力が第2基準値から外れているか否かを確認することができる。
【0012】
本発明による基板処理装置用ガス供給装置は、複数のガス噴射部のそれぞれに個別に連結した複数の供給ライン、前記供給ラインのそれぞれに連結した複数のガス供給機構、および前記供給ラインのそれぞれの圧力を測定する複数の測定機構を含むことができる、前記測定機構はそれぞれ、前記圧力が基準値から外れているか否かを確認することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0014】
本発明は、基板に対する処理工程が行われる途中でもガス供給機構に故障が発生したり、異常動作が発生したことを確認できるように具現することができる。これにより、本発明は、ガス供給機構に対する故障や異常動作が発生した状態で基板に対する処理工程が継続的に行われることを防止することにより、被害損失を低減することができる。
【0015】
本発明は、ガス供給機構に故障や異常動作が発生した時点から修理などの後続処理が行われるまでに要する時間を短縮することができるので、基板処理装置に対する稼働率増大を通じて生産性を向上させることに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来技術によるガス供給装置の概略構成図である。
【
図2】本発明による基板処理装置用ガス供給装置と基板処理装置の概略構成図である。
【
図3】本発明による基板処理装置用ガス供給装置が適用される基板処理装置の実施例の概略側面断面図である。
【
図4】本発明による基板処理装置用ガス供給装置が適用される基板処理装置の実施例の概略側面断面図である。
【
図5】本発明による基板処理装置用ガス供給装置において第1測定機構が測定した第1圧力と第2測定機構が測定した第2圧力とを経時的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明による基板処理装置用ガス供給装置の実施例を添付の図を参照して詳細に説明する。
【0018】
図2を参照すると、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、基板処理装置200にガスを供給するものである。前記基板処理装置200は、基板300に対して処理工程を行うものである。前記基板300は、シリコン基板、ガラス基板、メタル基板などであり得る。前記基板処理装置200は、前記基板300に薄膜を蒸着する蒸着工程、前記基板300に蒸着した薄膜の一部を除去するエッチング工程などを行うことができる。
【0019】
本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1を説明する前に、前記基板処理装置200について具体的に見てみると、次の通りである。
【0020】
図3及び
図4を参照すると、前記基板処理装置200は、第1ガス噴射部210及び第2ガス噴射部220を含むことができる。前記第1ガス噴射部210と前記第2ガス噴射部220は、前記基板300に対する処理工程が行われる処理空間にガスを噴射するものである。本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1ガス噴射部210及び前記第2ガス噴射部220にガスを供給することができる。前記第1ガス噴射部210と前記第2ガス噴射部220は、互いに異なる基板300に向かってガスを噴射することができる。
【0021】
前記第1ガス噴射部210と前記第2ガス噴射部220は、前記基板処理装置200が有する第1工程チャンバ230に設置することができる。この場合、
図3に示すように、前記第1ガス噴射部210と前記第2ガス噴射部220は、前記第1工程チャンバ230の内部で互いに異なる処理領域にガスを噴射するように具現することができる。前記第1ガス噴射部210と前記第2ガス噴射部220は、前記第1工程チャンバ230の上部に位置する第1リッド(蓋)230aに設置することができる。前記第1工程チャンバ230には、前記基板300を支持する第1基板支持部231を設置することができる。前記第1ガス噴射部210と前記第2ガス噴射部220は、前記第1基板支持部231の上側に位置し、前記第1基板支持部231に向かってガスを噴射することができる。この場合、前記第1基板支持部231は、第1回転機構232によって間欠的または連続的に回転することができる。図に示していないが、前記第1工程チャンバ230には、3つ以上のガス噴射部を設置することもできる。この場合、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記ガス噴射部のそれぞれにガスを供給するように具現することができる。
【0022】
前記第1ガス噴射部210は、前記基板処理装置200が有する第1工程チャンバ230に設置し、前記第2ガス噴射部220は、前記基板処理装置200が有する第2工程チャンバ240に設置することもできる。この場合、
図4に示すように、前記第1ガス噴射部210は、前記第1工程チャンバ230の内部にガスを噴射するように具現することができる。前記第1ガス噴射部210は、前記第1リッド230aに設置することができる。前記第1工程チャンバ230には、前記第1基板支持部231を設置することができる。前記第1ガス噴射部210は、前記第1基板支持部231の上側に位置し、前記第1基板支持部231に向かってガスを噴射することができる。この場合、前記第1基板支持部231は、前記第1回転機構232によって間欠的にまたは連続的に回転することができる。前記第2ガス噴射部220は、前記第2工程チャンバ240の内部にガスを噴射するように具現することができる。前記第2ガス噴射部220は、前記第2工程チャンバ240の上部に位置する第2リッド240aに設置することができる。前記第2工程チャンバ240には、前記基板300を支持する第2基板支持部241を設置することができる。前記第2ガス噴射部220は、前記第2基板支持部241の上側に位置し、前記第2基板支持部241に向かってガスを噴射することができる。この場合、前記第2基板支持部241は、第2回転機構242によって間欠的または連続的に回転することができる。このように、前記基板処理装置200は、互いに独立した処理空間を有する前記第1工程チャンバ230と前記第2工程チャンバ240を含むクラスタータイプ(Cluster Type)で具現することができる。図に示していないが、前記基板処理装置200は、3つ以上の工程チャンバを含むこともできる。この場合、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記工程チャンバ各々が有するガス噴射部にガスを供給するように具現することができる。
【0023】
このような基板処理装置200が前記基板300に対して処理工程を行う際に、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記基板処理装置200にガスを供給する機能を担当することができる。
【0024】
このために、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1ガス噴射部210にガスを供給するための第1ガス供給部2、及び前記第2ガス噴射部220にガスを供給するための第2ガス供給部3を含むことができる。前記第1ガス供給部2は、前記第1ガス噴射部210に連結した第1供給ライン21、前記第1供給ライン21に連結した複数の第1ガス供給機構22、および前記第1供給ライン21の第1圧力を測定する第1測定機構23を含むことができる。前記第2ガス供給部3は、前記第2ガス噴射部220に連結した第2供給ライン31、前記第2供給ライン31に連結した複数の第2ガス供給機構32、および前記第2供給ライン31の第2圧力を測定する第2測定機構33を含むことができる。
【0025】
ここで、前記第1測定機構23は、前記第1圧力が第1基準値から外れているか否かを確認することができる。前記第2測定機構33は、前記第2圧力が第2基準値から外れているか否かを確認することができる。
【0026】
これによって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1ガス供給機構22と前記第2ガス供給機構32のうち、前記基板処理装置200に対して並列構造で連結したものがある場合、前記第1測定機構23と前記第2測定機構33を用いて前記基板処理装置200に対して並列構造で連結した第1ガス供給機構22と第2ガス供給機構32のうち、いずれか一つに故障が発生したり、異常動作が発生したことを確認できるように具現される。例えば、前記基板処理装置200に対して並列構造で連結した第1ガス供給機構22と第2ガス供給機構32のうち、前記第1ガス供給機構22に故障が発生したり異常動作が発生した場合、前記第1測定機構23は、前記第1圧力が第1基準値から外れたことから、前記第1ガス供給機構22に故障が発生したり、異常動作が発生したことを確認することができる。
【0027】
したがって、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記基板300に対する処理工程が行われる途中でも、前記ガス供給機構22、32に故障が発生したり、異常動作が発生したことをリアルタイムで確認できるように具現することができる。したがって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記ガス供給機構22、32に対する故障や異常動作が発生した状態で、前記基板300に対する処理工程が継続的に行われることを防止することにより、被害損失を低減することができる。また、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、ガス供給機構22、32に故障や異常動作が発生した時点から修理等の後続処理が行われるまでに要する時間を短縮することができるので、前記基板処理装置200に対する稼働率の向上を通じて生産性の向上に寄与することができる。
【0028】
以下では、前記第1ガス供給部2および前記第2ガス供給部3について、添付の図を参照して具体的に説明する。
【0029】
図2~
図5を参照すると、前記第1ガス供給部2は、前記第1ガス噴射部210にガスを供給するものである。前記第1ガス供給部2は、前記基板300に対する処理工程に用いられるプロセスガス、パージのためのパージガス等を前記第1ガス噴射部210に供給することができる。前記第1ガス供給部2は、工程順に応じて2種類以上のプロセスガスを順次に前記第1ガス噴射部210に供給することもできる。例えば、前記基板処理装置200が蒸着工程を行う場合、前記第1ガス供給部2は、ソースガス(Source Gas)と反応ガス(Reatant Gas)を前記第1ガス噴射部210に供給することができる。例えば、前記基板処理装置200がエッチング工程を行う場合、前記第1ガス供給部2は、エッチングガスを前記第1ガス噴射部210に供給することができる。
【0030】
前記第1ガス供給部2は、前記第1供給ライン21、前記第1ガス供給機構22、及び前記第1測定機構23を含むことができる。
【0031】
前記第1供給ライン21は、前記第1ガス噴射部210に連結したものである。前記第1ガス供給機構22が供給するガスは、前記第1供給ライン21を介して前記第1ガス噴射部210に供給され得る。前記第1供給ライン21は、ホース、配管などで具現することができる。前記第1供給ライン21は、所定の構造物で形成されたホール(Hole)で具現することもできる。
【0032】
前記第1ガス供給機構22は、前記第1供給ライン21に連結したものである。前記第1ガス供給機構22は、前記第1供給ライン21にガスを供給することができる。前記第1ガス供給機構22は、それぞれガス貯蔵機構(不図示)に連結することができる。前記第1ガス供給機構22は、前記ガス貯蔵機構から提供されたガスを前記第1供給ライン21に供給することにより、前記第1供給ライン21を介して前記第1ガス噴射部210にガスを供給することができる。前記第1ガス供給機構22は、それぞれガスを選択的に通過させるバルブ(Valve)、質量流量制御器(MFC:Mass Flow Controller(マスフローコントローラ))などを含むことができる。前記第1ガス供給機構22は、それぞれガスの供給圧力を高めるためのバッファタンク(Buffer Tank)をさらに含むこともできる。前記第1ガス供給機構22は、前記第1供給ライン21が配置された方向に沿って前記第1供給ライン21の互いに異なる部分に連結することができる。前記第1ガス供給機構22は、互いに異なるガスを供給することができる。前記第1ガス供給機構22のうち、一部は互いに同一のガスを供給し、他の一部は互いに異なるガスを供給することもできる。前記第1ガス噴射部210に工程順に定められたガスが所定の流量範囲で供給されるように、前記第1ガス供給機構22は、制御モジュール(不図示)の制御によって動作することができる。一方、前記第1ガス噴射部210が、複合膜形成のために複数の互いに異なるソースガスを噴射する場合、前記第1ガス供給機構22のうち、複数の前記第1ガス供給機構22は、それぞれ互いに異なるソースガスを前記第1供給ライン21に供給することができる。この場合、該当する第1ガス供給機構22は、互いに異なるソースガスを同時に前記第1供給ライン21に供給することもできる。このように、複数の第1ガス供給機構22のそれぞれを介して互いに異なるソースガスを前記第1供給ライン21に供給するように具現することにより、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、ソースガスそれぞれの流量を正確に制御することができるので、前記基板処理装置200が目標とする組成比を有する複合膜の形成に寄与することができる。
【0033】
図2では、前記第1ガス供給部2が3つの第1ガス供給機構22a、22b、22cを含むように示しているが、これに限定されず、前記第1ガス供給部2は、2つあるいは4つ以上の第1ガス供給機構22を含むこともできる。
【0034】
前記第1測定機構23は、前記第1圧力を測定するものである。前記第1圧力は、前記第1供給ライン21内部の圧力であり、前記第1供給ライン21に沿って流動するガスの種類、ガスの流量などによって変わり得る。前記第1測定機構23は、前記第1圧力が第1基準値から外れているか否かを確認することができる。前記第1基準値は、前記第1ガス噴射部210に供給しなければならないガスの種類、ガスの流量などによって定めることができる。前記第1基準値は、事前テスト等を介して導出された圧力値であり、前記第1測定機構23に予め貯蔵することができる。前記第1基準値は、単一値であり得る。前記第1基準値は、上限値と下限値を有する範囲値であってもよい。この場合、前記第1測定機構23は、前記第1圧力が前記第1基準値の下限値未満である場合と前記第1圧力が前記第1基準値の上限値を超過した場合に、前記第1圧力が前記第1基準値から外れたと判断することができる。前記第1測定機構23は、前記第1圧力が前記第1基準値の下限値以上であり、前記第1基準値の上限値以下である場合に、前記第1圧力が前記第1基準値から外れることなく前記第1基準値に属すると判断することができる。前記第1測定機構23は、圧力計を含むことができる。
【0035】
前記第1測定機構23が前記第1圧力が前記第1基準値から外れたことを確認すると、前記第1ガス供給機構22は、ガスの供給を中断することができる。これにより、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1ガス供給機構22に発生した故障や異常動作による被害損失をさらに低減することができる。この場合、前記第1測定機構23は、前記第1圧力が前記第1基準値から外れたことを確認すると、第1エラー信号を生成した後に前記第1エラー信号を前記第1ガス供給機構22に提供することができる。前記第1ガス供給機構22は、前記第1エラー信号を受信するとガスの供給を中断することができる。前記第1測定機構23は、前記第1エラー信号を前記制御モジュールに提供することもできる。この場合、前記第1ガス供給機構22は、前記制御モジュールの制御によってガスの供給を中断することができる。前記第1測定機構23は、前記第1エラー信号を前記基板処理装置200に提供することもできる。前記基板処理装置200は、前記第1エラー信号を受信すると、前記第1ガス噴射部210と前記第1ガス噴射部210に関連する部品の作動を中断することができる。前記基板処理装置200は、前記第1エラー信号を受信すると全体の作動を中断することもできる。
【0036】
前記第1測定機構23は、前記第1圧力のうち、第1ガス圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認することもできる。この場合、前記第1ガス供給機構22は、
図5に示すように、初期に最大圧力でガスを供給した後、徐々に圧力を下げる方式でガスを供給することができる。
図5において、縦軸はガスの圧力に関するものであり、縦は時間に関するものであり得る。前記第1ガス圧力は、最大圧力に該当し得る。前記第1測定機構23は、前記第1ガス圧力の大きさが前記第1基準値から外れているか否かを確認することができる。前記第1測定機構23は、前記第1ガス圧力の大きさだけでなく、前記第1ガス圧力が現れるタイミングも併せて考慮して前記第1基準値から外れているか否かを確認することができる。
【0037】
前記第1測定機構23は、前記第1ガス供給機構22ごとに異なる前記第1基準値と前記第1圧力を比較することができる。この場合、前記第1ガス供給機構22ごとに前記第1基準値を互いに異なるように設定することができる。したがって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、様々な種類のガス、様々な流量のガスを用いて前記基板300に対して処理工程を行う前記基板処理装置200に適用することができ、汎用性を向上させることができる。
【0038】
前記第1測定機構23は、前記基板300に対して処理工程が行なわれている間に、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを継続的に確認することができる。前記第1測定機構23は、前記第1供給ライン21に前記プロセスガスが供給される場合に、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認することもできる。前記第1測定機構23は、工程順にしたがって測定対象となるガスが前記第1供給ライン21を介して供給される場合にのみ、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認することもできる。例えば、前記第1ガス供給部2がソースガス、パージガス、反応ガス、及びパージガスの順に前記第1ガス噴射部210にガスを供給する場合、前記第1測定機構23は、ソースガスと反応ガスが供給される場合にのみ、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認することができる。この場合、前記第1測定機構23は、前記パージガスが供給される場合には、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認しなことがあり得る。したがって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認する作業を行うことにより、前記第1測定機構23にかかる負荷を減らすことができるので、前記第1測定機構23の使用寿命を延ばすことができる。工程順と測定対象となるガスは、前記第1測定機構23に予め貯蔵することができる。
【0039】
図2~
図5を参照すると、前記第1ガス供給部2は、第1パージ機構24を含むことができる。
【0040】
前記第1パージ機構24は、前記第1供給ライン21にパージガスを供給するものである。前記第1パージ機構24が前記第1供給ライン21に供給したパージガスは、前記第1供給ライン21に残存するガスをパージするパージ機能を担うことができる。これにより、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1供給ライン21に残存するガスによって前記第1供給ライン21が汚染されることを防止することができる。前記第1パージ機構24は、前記第1供給ライン21に連続的にパージガスを供給することができる。これにより、前記第1パージ機構24は、常時パージ機能を備えることができる。前記第1パージ機構24が前記第1供給ライン21に連続的にパージガスを供給する場合、前記第1ガス供給機構22が前記第1供給ライン21に供給したガスは、パージガスと共に前記第1ガス噴射部210に供給することができる。この場合、前記第1パージ機構24によって供給されたパージガスは、前記第1ガス供給機構22によって供給されたガスの流動を助けるキャリアガスとして機能することもできる。
【0041】
前記第1パージ機構24は、前記第1供給ライン21の一端に連結することができる。この場合、前記第1供給ライン21の他端は、前記第1ガス噴射部210に連結することができる。前記第1ガス供給機構22は、前記第1供給ライン21の一端と前記第1供給ライン21の他端との間で、前記第1供給ライン21に連結することができる。これによって、前記第1パージ機構24は、前記第1ガス供給機構22が前記第1供給ライン21に供給する全てのガスをパージすることができる位置に配置することができる。前記第1測定機構23は、前記第1パージ機構24と前記第1ガス供給機構22の間で、前記第1供給ライン21に連結することができる。この場合、前記第1測定機構23は、前記第1供給ライン21が配置された方向に沿って、前記第1パージ機構24と前記第1パージ機構24に最も近くに配置された第1ガス供給機構22との間で、前記第1供給ライン21に連結することができる。例えば、
図2を参照すると、前記第1測定機構23は、前記第1パージ機構24と前記第1ガス供給機構22cの間で、前記第1供給ライン21に連結することができる。これにより、前記第1パージ機構24は、パージガスの供給を通じて、前記第1ガス供給機構22が前記第1供給ライン21に供給したガスが逆流して前記第1測定機構23の方に流動するのを防ぐことができる。したがって、前記第1パージ機構24は、前記第1測定機構23の汚染を防止することができるので、前記第1測定機構23の使用寿命を延ばすことに寄与することができる。また、前記第1パージ機構24は、前記第1測定機構23の汚染を防止することにより、前記第1圧力の測定値に対する精度を向上させるのに寄与することができる。
【0042】
前記第1パージ機構24を具備する場合、前記第1測定機構23は、前記第1供給ライン21に前記第1パージ機構24が供給したパージガスのみが流動する場合を除く残りの場合に、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認することができる。すなわち、前記第1測定機構23は、前記第1供給ライン21に前記第1パージ機構24が供給したパージガスのみが流動する場合には、前記第1圧力が前記第1基準値から外れているか否かを確認しない。したがって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1測定機構23にかかる負荷を軽減することができるので、前記第1測定機構23の使用寿命を延ばすことができる。
【0043】
図2~
図5を参照すると、前記第1ガス供給部2は、第1検出機構25を含むことができる。
【0044】
前記第1検出機構25は、前記第1ガス供給機構22のうち、前記第1圧力が前記第1基準値から外れたガスを噴射した前記第1ガス供給機構22を検出するものである。前記第1測定機構23が前記第1圧力が前記第1基準値から外れたことを確認すると、前記第1測定機構23は、前記第1エラー信号を前記第1検出機構25に提供することができる。前記第1検出機構25は、前記第1エラー信号を受信すると、前記第1ガス供給機構22のうち、前記第1測定機構23が前記第1エラー信号を生成したときにガスを供給したことを検出することができる。この場合、前記第1ガス供給機構22は、ガスを供給した時点とガスの供給を中断した時点に関する第1作動情報を前記第1検出機構25に提供することができる。前記第1検出機構25は、前記第1エラー信号と第1作動情報に基づいて、前記第1圧力が前記第1基準値から外れたガスを噴射した前記第1ガス供給機構22を検出することができる。前記第1検出機構25は、検出された前記第1ガス供給機構22を表示装置(不図示)を介して表示することができる。前記第1検出機構25は、前記第1圧力が前記第1基準値から外れたガスを噴射した前記第1ガス供給機構22が検出されると、アラーム装置(不図示)を介してアラームを出力することもできる。これによって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1検出機構25を用いて修理等の後続処理が必要な前記第1ガス供給機構22の情報を作業者に知らせることができるので、後続処理にかかる時間をさらに短縮することに寄与することができる。
【0045】
図2~
図5を参照すると、前記第2ガス供給部3は、前記第2ガス噴射部220にガスを供給するものである。前記第2ガス供給部3は、前記基板300に対する処理工程に用いられるプロセスガス、パージのためのパージガス等を前記第2ガス噴射部220に供給することができる。前記第2ガス供給部3は、2種類以上のプロセスガスを工程順にしたがって順次に前記第2ガス噴射部220に供給することもできる。例えば、前記基板処理装置200が蒸着工程を行う場合、前記第2ガス供給部3は、ソースガスと反応ガスを前記第2ガス噴射部220に供給することができる。例えば、前記基板処理装置200がエッチング工程を行う場合、前記第2ガス供給部3は、エッチングガスを前記第2ガス噴射部220に供給することができる。
【0046】
前記第2ガス供給部3は、前記第2供給ライン31、前記第2ガス供給機構32、及び前記第2測定機構33を含むことができる。
【0047】
前記第2供給ライン31は、前記第2ガス噴射部220に連結したものである。前記第2ガス供給機構32が供給するガスは、前記第2供給ライン31を介して前記第2ガス噴射部220に供給され得る。前記第2供給ライン31は、ホース、配管などで具現することができる。前記第2供給ライン31は、所定の構造に形成されたホール(Hole)で具現することもできる。
【0048】
前記第2ガス供給機構32は、前記第2供給ライン31に連結したものである。前記第2ガス供給機構32は、前記第2供給ライン31にガスを供給することができる。前記第2ガス供給機構32は、それぞれガス貯蔵機構(不図示)に連結することができる。前記第2ガス供給機構32は、ガス貯蔵機構から提供されたガスを前記第2供給ライン31に供給することにより、前記第2供給ライン31を介して前記第2ガス噴射部220にガスを供給することができる。前記第2ガス供給機構32は、それぞれ、ガスを選択的に通過させるバルブ、質量流量制御器(MFC)などを含むことができる。前記第2ガス供給機構32は、それぞれ、ガスの供給圧力を高めるためのバッファタンクをさらに含むこともできる。前記第2ガス供給機構32は、前記第2供給ライン31が配置された方向に沿って前記第2供給ライン31の互いに異なる部分に連結することができる。前記第2ガス供給機構32は、互いに異なるガスを供給することができる。前記第2ガス供給機構32のうち、一部は互いに同じガスを供給し、残りの一部は互いに異なるガスを供給することもできる。前記第2ガス噴射部220に工程順に定められたガスが所定の流量範囲で供給されるように、前記第2ガス供給機構32は、前記制御モジュールの制御にしたがって作動することができる。一方、前記第2ガス噴射部220が複合膜形成のために複数の異なるソースガスを噴射する場合、前記第2ガス供給機構32のうち、複数の前記第2ガス供給機構32は、それぞれ互いに異なるソースガスを前記第2供給ライン31に供給することができる。この場合、該当する第2ガス供給機構32は、互いに異なるソースガスを同時に前記第2供給ライン31に供給することもできる。このように、複数の前記第2ガス供給機構32のそれぞれを介して互いに異なるソースガスを前記第2供給ライン31に供給するように具現することにより、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、ソースガスそれぞれの流量を正確に制御することができるので、前記基板処理装置200が目標とする組成比を有する複合膜の形成に寄与することができる。
【0049】
図2には、前記第2ガス供給部3が3つの第2ガス供給機構32a、32b、32cを含むように示されているが、これに限定されず、前記第2ガス供給部3は、2つまたは4つ以上の前記第2ガス供給機構32を含むこともできる。
【0050】
前記第2測定機構33は、前記第2圧力を測定するものである。前記第2測定機構33は、圧力計を含むことができる。前記第2圧力は、前記第2供給ライン31内部の圧力であり、前記第2供給ライン31に沿って流動するガスの種類、ガスの流量などによって変わり得る。前記第2測定機構33は、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認することができる。前記第2基準値は、前記第2ガス噴射部220に供給しなければならないガスの種類、ガスの流量などに応じて定めることができる。前記第2基準値は、事前テストなどを介して導出された圧力値であり、前記第2測定機構33に予め貯蔵することができる。前記第2基準値は、単一値であり得る。前記第2基準値は、上限値と下限値を有する範囲値でもあり得る。この場合、前記第2測定機構33は、前記第2圧力が前記第2基準値の下限値未満である場合と前記第2圧力が前記第2基準値の上限値を超えた場合に、前記第2圧力が前記第2基準値から外れたと判断することができる。前記第2測定機構33は、前記第2圧力が前記第2基準値の下限値以上であり、前記第2基準値の上限値以下である場合に、前記第2圧力が前記第2基準値から外れることなく前記第2基準値に属するものであると判断することができる。
【0051】
例えば、互いに並列構造で連結した前記第1ガス供給機構22と前記第2ガス供給機構32を具備した場合、前記第1ガス供給機構22と前記第2ガス供給機構32が、ともに正常に作動する区間(NS、
図5に示す)では、前記第1圧力が前記第1基準値に属するとともに、前記第2圧力が前記第2基準圧力に属することができる。この場合、前記第1測定機構23は、前記第1圧力が前記第1基準値に属することを確認するとともに、前記第2測定機構33が、前記第2圧力が前記第2基準値に属することを確認することができる。しかし、前記第2ガス供給機構32に故障や異常作動が発生してガスを供給できなくなると、前記第2ガス供給機構32が供給するガスを前記第1ガス供給機構22を介して、前記第1供給ライン21に供給することができる。このように互いに並列構造で連結した前記第1ガス供給機構22と前記第2ガス供給機構32のうちのいずれか1つに故障や異常作動が発生した区間(FS、
図5に示す)では、前記第1圧力が前記第1基準値の上限値を超えるとともに、前記第2圧力が前記第2基準値の下限値未満となる。この場合、前記第1測定機構23が前記第1圧力が前記第1基準値から外れたことを確認するとともに、前記第2測定機構33が前記第2圧力が前記第2基準値から外れたことを確認することができる。
【0052】
前記第2測定機構33が前記第2圧力が前記第2基準値から外れたことを確認すると、前記第2ガス供給機構32は、ガスの供給を中断することができる。これにより、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第2ガス供給機構32に発生した故障や異常作動による被害損失をさらに低減することができる。この場合、前記第2測定機構33は、前記第2圧力が前記第2基準値から外れたことを確認すると、第2エラー信号を生成した後、前記第2エラー信号を前記第2ガス供給機構32に提供することができる。前記第2ガス供給機構32は、前記第2エラー信号を受信するとガスの供給を中断することができる。前記第2測定機構33は、前記第2エラー信号を前記制御モジュールに提供することもできる。この場合、前記第2ガス供給機構32は、前記制御モジュールの制御によってガスの供給を中断することができる。前記第2測定機構33は、前記第2エラー信号を前記基板処理装置200に提供することもできる。前記基板処理装置200は、前記第2エラー信号を受信すると、前記第2ガス噴射部220と前記第2ガス噴射部220に関連する部品の作動を中断することができる。前記基板処理装置200は、前記第2エラー信号を受信すると全体の作動を中断することもできる。
【0053】
前記第2測定機構33は、前記第2圧力のうち、第2ガス圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認することもできる。この場合、前記第2ガス供給機構32は、
図5に示すように、初期に最大圧力でガスを供給した後、徐々に圧力を下げる方式でガスを供給することができる。前記第2ガス圧力は、最大圧力に該当することができる。前記第2測定機構33は、前記第2ガス圧力の大きさが前記第2基準値から外れているか否かを確認することができる。前記第2測定機構33は、前記第2ガス圧力の大きさだけでなく、前記第2ガス圧力が現れるタイミングも併せて考慮して、前記第2基準値から外れているか否かを確認することができる。
【0054】
前記第2測定機構33は、前記第2ガス供給機構32毎に異なる前記第2基準値と前記第2圧力を比較することができる。この場合、前記第1ガス供給機構22毎に前記第2基準値を互いに異なるように設定することができる。したがって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、様々な種類のガス、様々な流量のガスを用いて前記基板300に対して処理工程を行う前記基板処理装置200に適用することができる汎用性を向上させることができる。
【0055】
前記第2測定機構33は、前記基板300に対して処理工程が行なわれている間に、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを継続的に確認することができる。前記第2測定機構33は、前記第2供給ライン31に前記プロセスガスが供給される場合に、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認することもできる。前記第2測定機構33は、工程順にしたがって測定対象となるガスが前記第2供給ライン31を介して供給される場合にのみ、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認することもできる。例えば、前記第2ガス供給部3が、ソースガス、パージガス、反応ガス、及びパージガスの順に前記第2ガス噴射部220にガスを供給する場合、前記第2測定機構33は、ソースガスと反応ガスが供給される場合にのみ、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認することができる。この場合、前記第2測定機構33は、前記パージガスが供給される場合には、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認しないことがあり得る。したがって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認する作業を行うことにより、前記第2測定機構33にかかる負荷を減らすことができるので、前記第2測定機構33の使用寿命を延ばすことができる。工程順と測定対象となるガスは、前記第2測定機構33に予め貯蔵することができる。
【0056】
図2~
図5を参照すると、前記第2ガス供給部3は、第2パージ機構34を含むことができる。
【0057】
前記第2パージ機構34は、前記第2供給ライン31にパージガスを供給するものである。前記第2パージ機構34が前記第2供給ライン31に供給したパージガスは、前記第2供給ライン31に残存するガスをパージするパージ機能を担うことができる。これにより、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第2供給ライン31に残存するガスによって前記第2供給ライン31が汚染されることを防止することができる。前記第2パージ機構34は、前記第2供給ライン31に連続的にパージガスを供給することができる。これにより、前記第2パージ機構34は、常時パージ機能を備えることができる。前記第2パージ機構34が前記第2供給ライン31に連続的にパージガスを供給する場合、前記第2ガス供給機構32が前記第2供給ライン31に供給したガスは、パージガスと共に前記第2ガス噴射部220に供給することができる。この場合、前記第2パージ機構34によって供給されたパージガスは、前記第2ガス供給機構32によって供給されたガスの流動を助けるキャリアガスとして機能することもできる。
【0058】
前記第2パージ機構34は、前記第2供給ライン31の一端に連結することができる。この場合、前記第2供給ライン31の他端は、前記第2ガス噴射部220に連結することができる。前記第2ガス供給機構32は、前記第2供給ライン31の一端と前記第2供給ライン31の他端との間で、前記第2供給ライン31に連結することができる。これによって、前記第2パージ機構34は、前記第2ガス供給機構32が前記第2供給ライン31に供給する全てのガスをパージできる位置に配置することができる。前記第2測定機構33は、前記第2パージ機構34と前記第2ガス供給機構32の間で、前記第2供給ライン31に連結することができる。この場合、前記第2測定機構33は、前記第2供給ライン31が配置された方向に沿って前記第2パージ機構34と前記第2パージ機構34に最も近接して配置された第2ガス供給機構32の間で、前記第2供給ライン31に連結することができる。例えば、
図2を基準にすると、前記第2測定機構33は、前記第2パージ機構34と前記第2ガス供給機構32cとの間で、前記第2供給ライン31に連結することができる。これにより、前記第2パージ機構34は、パージガスの供給を通じて前記第2ガス供給機構32が前記第2供給ライン31に供給したガスが逆流して前記第2測定機構33の方に流動するのを防ぐことができる。したがって、前記第2パージ機構34は、前記第2測定機構33の汚染を防止することができるので、前記第2測定機構33の使用寿命を延ばすことに寄与することができる。また、前記第2パージ機構34は、前記第2測定機構33の汚染を防止することにより、前記第2圧力の測定値に対する精度を向上させるのに寄与することができる。
【0059】
前記第2パージ機構34を具備する場合、前記第2測定機構33は、前記第2供給ライン31に前記第2パージ機構34が供給したパージガスのみが流動する場合を除く残りの場合に、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認することができる。すなわち、前記第2測定機構33は、前記第2供給ライン31に前記第2パージ機構34が供給したパージガスのみ流動する場合には、前記第2圧力が前記第2基準値から外れているか否かを確認しない。したがって、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第2測定機構33にかかる負荷を低減することができるので、前記第2測定機構33の使用寿命を延ばすことができる。
【0060】
図2~
図5を参照すると、前記第2ガス供給部3は、第2検出機構35を含むことができる。
【0061】
前記第2検出機構35は、前記第2ガス供給機構32のうち、前記第2圧力が前記第2基準値から外れたガスを噴射した前記第2ガス供給機構32を検出するものである。前記第2測定機構33が前記第2圧力が前記第2基準値から外れたことを確認すると、前記第2測定機構33は、前記第2エラー信号を前記第2検出機構35に提供することができる。前記第2検出機構35は、前記第2エラー信号を受信すると、前記第2ガス供給機構32のうち、前記第2測定機構33が前記第2エラー信号を生成したときにガスを供給したことを検出することができる。この場合、前記第2ガス供給機構32は、ガスを供給した時点とガスの供給を中断した時点に関する第2作動情報を前記第2検出機構35に提供することができる。前記第2検出機構35は、前記第2エラー信号と前記第2作動情報に基づいて、前記第2圧力が前記第2基準値から外れたガスを噴射した前記第2ガス供給機構32を検出することができる。前記第2検出機構35は、検出された前記第2ガス供給機構32を表示装置を介して表示することができる。前記第2検出機構35は、前記第2圧力が前記第2基準値から外れたガスを噴射した前記第2ガス供給機構32が検出されると、前記アラーム装置を介してアラームを出力することもできる。これによって、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第2検出機構35を用いて修理等の後続処理が必要な第2ガス供給機構32の情報を作業者に知らせることができるので、後続処理にかかる時間をさらに短縮するのに寄与することができる。
【0062】
図2~
図5を参照すると、前記第2ガス供給機構32のうちのいずれか1つの前記第2ガス供給機構32と前記第1ガス供給機構22のうちのいずれか1つの第1ガス供給機構22は、第1連結機構11を介して互いに連結することができる。例えば、前記第1連結機構11は、前記第2ガス供給機構32bと前記第1ガス供給機構22bを連結することができる。この場合、前記第2ガス供給機構32bと前記第1ガス供給機構22bは、同じガスを供給するものであり、例えば、パイルアップ(Pile-up)ガスを供給することができものであり得る。前記第1連結機構11は、一側がガス貯蔵機構(不図示)に連結し、他側が前記第2ガス供給機構32bと前記第1ガス供給機構22bの両方に連結することができる。これにより、前記第1連結機構11は、前記ガス貯蔵機構から供給されるガスを前記第2ガス供給機構32bと前記第1ガス供給機構22bの両方に伝達することができる。
【0063】
この場合、前記第1測定機構23が前記第1ガス供給機構22bが噴射したガスによって、前記第1圧力が前記第1基準値から外れたことを確認すると、前記第1連結機構11は、ガスの供給量を調整することができる。例えば、前記第1ガス供給機構22bと前記第2ガス供給機構32bの両方が正常に作動する場合に、前記第1連結機構11が供給するガスの供給量を1と定義するとき、前記第1連結機構11は、ガスの供給量を0.5に調整することができる。これによって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1ガス供給機構22bに故障や異常作動が発生した場合、前記第1連結機構11を用いて前記第2ガス供給機構32bが過剰な流量のガスを供給することを防止することができる。この場合、前記第1連結機構11によるガスの供給量調整により、前記第2ガス供給機構32bが供給したガスによる前記第2圧力は、前記第2基準値に属することができる。したがって、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1ガス供給機構22bに発生した故障や異常作動により、前記第1ガス噴射部210に対するガスの供給を中断しても、前記第2ガス噴射部220に対するガスの供給を継続して行うことができる。これにより、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第2ガス噴射部220を用いた処理工程を中断することなく行うことができるので、前記第1ガス供給機構22bに発生した故障や異常作動による被害損失をさらに減らすことができる。
【0064】
この場合、前記第2測定機構33が前記第2ガス供給機構32bが噴射したガスにより前記第2圧力が前記第2基準値から外れたことを確認すると、前記第1連結機構11は、ガスの供給量を調整することができる。例えば、前記第1ガス供給機構22bと前記第2ガス供給機構32bの両方が正常に作動する場合に、前記第1連結機構11が供給するガスの供給量を1と定義するとき、前記第1連結機構11は、ガスの供給量を0.5に調整することができる。これによって、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第2ガス供給機構32bに故障や異常作動が発生した場合、前記第1連結機構11を用いて前記第1ガス供給機構22bが過剰な流量のガスを供給することを防止することができる。この場合、前記第1連結機構11によるガスの供給量調整により、前記第1ガス供給機構22bが供給したガスによる前記第1圧力は、前記第1基準値に属することができる。したがって、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第2ガス供給機構32bに発生した故障や異常作動により、前記第2ガス噴射部220に対するガスの供給を中断しても、前記第1ガス噴射部210に対するガスの供給を継続して行うことができる。これにより、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、前記第1ガス噴射部210を用いた処理工程を中断することなく行うことができるので、前記第2ガス供給機構32bに発生した故障や異常作動による被害損失をさらに減らすことができる。
【0065】
図2には、前記第1ガス供給機構22bと前記第2ガス供給機構32bのみが第1連結機構11によって互い連結したことが示されているが、これに限定されず、連結機構(不図示)によって互いに並列構造で連結した前記第1ガス供給機構22と前記第2ガス供給機構32を2つ以上具備することもできる。この場合、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、前記連結機構を複数個含むことができる。
【0066】
図2~
図5を参照すると、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、貯蔵部4および制御部5を含むことができる。
【0067】
前記貯蔵部4は、前記第1測定機構23と前記第2測定機構33のそれぞれが測定した圧力データを蓄積するものである。前記第1測定機構23は、前記第1圧力を測定した後、前記第1圧力を前記貯蔵部4に提供することができる。前記第2測定機構33は、前記第2圧力を測定した後、前記第2圧力を前記貯蔵部4に提供することができる。前記貯蔵部4は、前記第1測定機構23から提供された前記第1圧力と前記第2測定機構33から提供された前記第2圧力とを貯蔵することにより、圧力データを蓄積することができる。
【0068】
前記制御部5は、前記第1基準値と前記第2基準値とを設定するものである。前記制御部5は、前記貯蔵部4に蓄積された圧力データを用いて前記第1基準値と前記第2基準値を変更することができる。例えば、作業者の入力によって設定された前記第1基準値と前記第2基準値とに基づいてガスを供給して前記基板300に対する処理工程を行った後に、処理工程が完了した前記基板300の品質に対する評価データが生成されると、前記制御部5は、前記評価データと前記圧力データに基づいて、前記第1基準値と前記第2基準値のそれぞれの適切性を評価して前記第1基準値および前記第2基準値を変更することができる。したがって、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、ガスの供給を通じて前記基板300に対する処理工程を繰り返し行うことにより、累積される評価データと圧力データに基づいて該当処理工程に最も適合な前記第1基準値と前記第2基準値に変更することによって、前記処理工程が完了した前記基板300の品質をさらに向上させることに寄与することができる。前記制御部5は、前記第1基準値と前記第2基準値を変更すると、変更した前記第1基準値と前記第2基準値を前記第1測定機構23と前記第2測定機構33に提供することができる。
【0069】
一方、前記では、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1が、前記第1ガス供給部2と前記第2ガス供給部3を含む実施例で説明したが、これに限定されず、本発明に係る基板処理装置用ガス供給装置1は、3個以上のガス供給部を含むこともできる。この場合、前記基板処理装置200は、3つ以上のガス噴射部を含むことができる。これによって、本発明による基板処理装置用ガス供給装置1は、複数のガス噴射部のそれぞれに個別に連結した複数の供給ライン、前記供給ラインのそれぞれに連結した複数のガス供給機構、および前記供給ラインそれぞれの圧力を測定する複数の測定機構を含むように具現することができる。前記測定機構は、それぞれ、前記圧力が基準値を外れているか否かを確認することができる。
【0070】
以上、説明した本発明は、上述した実施例及び添付の図に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【国際調査報告】