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特表2024-507702操作可能な医療装置のための制御装置及び回転ノブ・アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】操作可能な医療装置のための制御装置及び回転ノブ・アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/008 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
A61B1/008 512
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546171
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 IB2021061881
(87)【国際公開番号】W WO2022185116
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/200,426
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523287171
【氏名又は名称】エンドビスタ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イェー、ユン ー シウン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、タフア
(72)【発明者】
【氏名】マツウラ、デイヴィット
(72)【発明者】
【氏名】マツウラ、ベリンコ
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン、フィリップ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF12
4C161FF30
4C161HH33
4C161LL02
4C161QQ06
(57)【要約】
操作可能な医療装置とともに使用するための制御装置は、その長手方向軸の周りを回転可能なステアリング・シャフトを備え、第1のステアリング・カムは、それと一致して回転するように、ステアリング・シャフトに固定される。第2のステアリング・カムは、ステアリング・シャフトに取り付けられ、ステアリング・シャフトから独立してステアリング・シャフトの長手方向軸の周りを自由に回転できる。ラッチ・アセンブリは、第1のステアリング・カム及び第2のステアリング・カムに動作可能に接続され、第1及び第2のステアリング・ワイヤを張力のかかっていない状態又は低減された張力の状態で維持するように第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、第1及び第2のステアリング・ワイヤを張力がかけられた状態で維持するように第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成でさらに動作可能である。回転ノブ・アセンブリも開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作可能な医療装置とともに使用するための制御装置であって、
その長手方向軸の周りを回転可能なステアリング・シャフトと、
前記ステアリング・シャフトが、前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを第1のステアリング・カムと一致して回転するように前記ステアリング・シャフトに固定される第1のステアリング・カムであって、第1のステアリング・ワイヤを取り付けるための第1の取付け部をさらに備える、第1のステアリング・カムと、
前記ステアリング・シャフトに取り付けられ、前記ステアリング・シャフトから独立して前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを自由に回転できる第2のステアリング・カムであって、第2のステアリング・ワイヤを取り付けるための第2の取付け部をさらに備える、第2のステアリング・カムと、
前記第1のステアリング・カム及び前記第2のステアリング・カムに動作可能に接続され、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成で動作可能である、第1のラッチ・アセンブリと
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記第1のステアリング・カムは、第1の対向面を備え、前記第2のステアリング・カムは、前記第1の対向面の反対側になるように構成された第2の対向面を備え、前記第1のラッチ・アセンブリは、
前記第1の対向面上に形成された少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ及び少なくとも1つのアクティブ・ノッチと、
前記第2の対向面上に形成された少なくとも1つの突出部と
をさらに備え、
前記非アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが前記張力のかかっていない状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされ、
前記アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2の対向面を付勢して、前記第1の対向面と接触させるように構成された付勢要素をさらに備える、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記付勢要素は、前記ステアリング・シャフトの周りに配置されるばねである、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの深さは、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの深さよりも浅い、請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの第1の側壁の傾斜は、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの側壁の傾斜よりも小さい、請求項2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ステアリング・シャフトがレバーと一致して回転するように、前記ステアリング・シャフトに固定される、ユーザが制御可能なレバーをさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
ハウジングと、
前記ハウジングに動作可能に接続された挿入管と、
前記ハウジング及び前記挿入管を通って、前記挿入管の遠位端に向かって延在する第1及び第2のステアリング・ワイヤと、
前記ハウジングによって支持される第1の制御装置であって、
その長手方向軸の周りを回転可能で、前記ハウジング内に形成された少なくとも1つの開口部から延出するように構成された少なくとも1つの端部を有するステアリング・シャフトと、
前記ステアリング・シャフトが、前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを第1のステアリング・カムと一致して回転するように前記ステアリング・シャフトに固定される第1のステアリング・カムであって、第1のステアリング・ワイヤを取り付けるための第1の取付け部をさらに備える、第1のステアリング・カムと、
前記ステアリング・シャフトに取り付けられ、前記第1のステアリング・シャフトから独立して前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを自由に回転できる第2のステアリング・カムであって、前記第2のステアリング・ワイヤを取り付けるための第2の取付け部をさらに備える、第2のステアリング・カムと、
前記第1のステアリング・カム及び前記第2のステアリング・カムに動作可能に接続され、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成で動作可能である、第1のラッチ・アセンブリと、
前記ハウジングの外側に配置され、前記ステアリング・シャフトが前記第1のレバーと一致して回転するように前記ステアリング・シャフトの少なくとも1つの端部に固定された、ユーザが制御可能なレバーと
を備える第1の制御装置と
を備える、操作可能な医療装置。
【請求項9】
内視鏡として使用するように構成される、請求項8に記載の操作可能な医療装置。
【請求項10】
前記第1のステアリング・カムは、第1の対向面を備え、前記第2のステアリング・カムは、前記第1の対向面の反対側になるように構成された第2の対向面を備え、前記第1のラッチ・アセンブリは、
前記第1の対向面上に形成された少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ及び少なくとも1つのアクティブ・ノッチと、
前記第2の対向面上に形成された少なくとも1つの突出部と
をさらに備え、
前記非アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが前記張力のかかっていない状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされ、
前記アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる、請求項8に記載の操作可能な医療装置。
【請求項11】
前記第2の対向面を付勢して、前記第1の対向面と接触させるように構成された付勢要素をさらに備える、請求項10に記載の操作可能な医療装置。
【請求項12】
前記付勢要素は、前記ステアリング・シャフトの周りに配置されるばねである、請求項11に記載の操作可能な医療装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの深さは、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの深さよりも浅い、請求項10に記載の操作可能な医療装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの第1の側壁の傾斜は、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの側壁の傾斜よりも小さい、請求項10に記載の操作可能な医療装置。
【請求項15】
前記第1及び第2のステアリング・ワイヤは、調節可能なねじによって終端されたそれぞれのばねコイルによって囲まれ、前記ハウジングは、前記調節可能なねじのための取付けブロックを備える、請求項8に記載の操作可能な医療装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、前記第1のステアリング・カム若しくは前記第2のステアリング・カム、又はその両方の回転を制限するように構成された少なくとも1つの停止面をさらに備える、請求項8に記載の操作可能な医療装置。
【請求項17】
ハウジングと、
挿入管と、
前記ハウジングに回転可能に取り付けられ、前記ハウジングから延出し、前記挿入管に固定された回転ノブ・アセンブリと
を備え、前記回転ノブ・アセンブリは、
前記ハウジングの長手方向軸の周りに回転可能に取り付けられるように構成されたブッシングと、
前記ブッシングが前記長手方向軸の周りをノブと一致して回転するように前記ブッシングに固定された、ユーザが制御可能なノブと、
前記ノブがチューブ・リテーナと一致して回転するように前記ノブに固定された気管内チューブ・リテーナと
を備え、前記チューブ・リテーナは、エラストマー材料から製造される、操作可能な医療装置。
【請求項18】
前記ブッシングは、前記ハウジング内に形成された環状チャネルと係合するように構成された半径方向に延在するフランジを備える、請求項17に記載に操作可能な医療装置。
【請求項19】
前記ハウジング及びノブは、それぞれ、前記ハウジングに対する前記ノブの少なくとも1つの規定された回転位置を相互に係合するように構成された、又はその逆を相互に係合するように構成された、少なくとも1つの戻り止め及び少なくとも1つの凹部を備える、請求項17に記載の操作可能な医療装置。
【請求項20】
前記ハウジングはハウジング停止面を備え、前記ノブはノブ停止面を備え、前記ハウジング停止面及び前記ノブ停止面は、前記ハウジング停止面が前記ノブ停止面に接触したときに前記ノブの回転を制限するように構成される、請求項17に記載の操作可能な医療装置。
【請求項21】
前記ハウジング停止面及び前記ノブ停止面は、前記ハウジングに対する前記ノブのゼロ回転位置から前記ノブが90°しか回転できないように構成される、請求項20に記載の操作可能な操作可能な医療装置。
【請求項22】
前記気管内チューブ・リテーナは、その中に形成されてチューブ・リテーナ側壁を画定する長手方向に延在するチャネルを有し、前記チューブ・リテーナ側壁は、その中に形成された少なくとも1つの長手方向に延在するスロットを有する、請求項17に記載の操作可能な操作可能な医療装置。
【請求項23】
前記気管内チューブ・リテーナは、その中に形成されてチューブ・リテーナ側壁を画定する長手方向に延在するチャネルを有し、前記チューブ・リテーナ側壁は、少なくとも1つの外面テーパ角を含む、請求項17に記載の操作可能な医療装置。
【請求項24】
前記リテーナ側壁は、互いに異なる2つの外面テーパ角を含む、請求項23に記載の操作可能な医療装置。
【請求項25】
前記ハウジング及び前記挿入管を通って、前記挿入管の遠位端に向かって延在する第1及び第2のステアリング・ワイヤと、
前記ハウジングによって支持された制御装置であって、
その長手方向軸の周りを回転可能で、前記ハウジング内に形成された少なくとも1つの開口部から延出するように構成された少なくとも1つの端部を有するステアリング・シャフトと、
前記ステアリング・シャフトが、前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを第1のステアリング・カムと一致して回転するように、前記ステアリング・シャフトに固定される第1のステアリング・カムであって、前記第1のステアリング・ワイヤを取り付けるための第1の取付け部をさらに備える、第1のステアリング・カムと、
前記ステアリング・シャフトに取り付けられ、前記ステアリング・シャフトから独立して前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを自由に回転できる第2のステアリング・カムであって、前記第2のステアリング・ワイヤを取り付けるための第2の取付け部をさらに備える、第2のステアリング・カムと、
前記第1のステアリング・カム及び前記第2のステアリング・カムに動作可能に接続され、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成で動作可能である、ラッチ・アセンブリと、
前記ハウジングの外側に配置され、前記ステアリング・シャフトがレバーと一致して回転するように前記ステアリング・シャフトの前記少なくとも1つの端部に固定された、ユーザが制御可能なレバーと
を備える制御装置と
をさらに備える、請求項17に記載の操作可能な医療装置。
【請求項26】
前記第1のステアリング・カムは、第1の対向面を備え、前記第2のステアリング・カムは、前記第1の対向面の反対側になるように構成された第2の対向面を備え、前記ラッチ・アセンブリは、
前記第1の対向面上に形成された少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ及び少なくとも1つのアクティブ・ノッチと、
前記第2の対向面上に形成された少なくとも1つの突出部と
をさらに備え、
前記非アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが前記張力のかかっていない状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされ、
前記アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる、請求項25に記載の操作可能な医療装置。
【請求項27】
前記第2の対向面を付勢して、前記第1の対向面と接触させるように構成された付勢要素をさらに備える、請求項26に記載の操作可能な医療装置。
【請求項28】
前記付勢要素は、前記ステアリング・シャフトの周りに配置されるばねである、請求項27に記載の操作可能な医療装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの深さは、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの深さよりも浅い、請求項26に記載の操作可能な医療装置。
【請求項30】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの第1の側壁の傾斜は、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの側壁の傾斜よりも小さい、請求項26に記載の操作可能な医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、内視鏡などの操作可能な医療装置に関し、より詳細には、そのような操作可能な医療装置とともに使用するための制御装置及び/又は回転ノブ・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
操作可能な医療装置及び他の低侵襲性外科手術用器具は、患者の体内で医療処置を行うために使用されることが増えてきている。操作可能な装置は、一般に、細長いシャフトと、シャフトの遠位関節先端セクションに又はそれに隣接して固定された遠位端を有する1つ又は複数の制御ワイヤとを含む。装置を所望の方向に曲げるために、制御ワイヤに選択的に張力を加えるために、1つ又は複数の制御ノブ、レバー、又は他の機構が提供される。
【0003】
操作可能な医療装置の一実例は、内視鏡であり、それは、診断又は治療目的で患者の内部組織又は臓器を観察するために内視鏡処置で使用される医療機器である。最も可撓性のある内視鏡の基本設計は、関節先端セクションを有する小径の可撓性のある細長い挿入管と、遠位先端部に取り付けられたビデオ・カメラ及び光源と、吸引のため、流体洗浄のため、又は小さな外科用器具を通すための内部ワーキング・チャネルと、遠位先端部の方向を制御するための1つ又は複数の先端関節制御ノブを有するハンドルと、吸引オン/オフ・バルブと、ビデオ画像記録若しくは画質調整用のその他の制御ボタンとから成る。
【0004】
ほとんどの内視鏡は、再利用可能な器具であり、したがって、一人の患者に使用した後は洗浄及び消毒する必要がある。内視鏡の洗浄及び消毒は、複数の処理工程から成る厳密な再処理が必要である。内視鏡は、狭い内部チャネル、組み立てられた構成部品、及び隙間を備えた複雑な設計のため、広範な再処理手順にも関わらず、器具は、一貫して許容できるレベルまで洗浄及び消毒することが非常に困難である。実際、研究では、厳密な再処理工程を経た内視鏡は、依然として誘起残留物で汚染されていることが多く、その結果、患者間で、汚染された内視鏡から微生物の伝染の可能性があり、重大な感染リスクをもたらすことが示されている。
【0005】
さまざまな刊行物はまた、取り外し可能で使い捨ての可撓性カテーテルを備えた再利用可能な内視鏡ハンドルを開示している。しかしながら、そのような内視鏡ハンドルは、使い捨て可撓性カテーテルの取付け及び/又は取り外しのプロセスが、実現するのが困難か、さもなければ直感的ではないという点で、使用が困難である場合が多い。さらに、撮像ユニットを備えた取り外し可能な使い捨てカテーテルと組み合わされた再利用可能なハンドルの設計は、一般に複雑であり、使いやすさが著しく欠如していること、再利用可能なハンドルを使用後に毎回洗浄及び消毒する必要性が継続的にあること、スコープの信頼性が低いことが多いこと、使い捨て部分には高価な(及び環境に有害な可能性のある)構成部品が存在するため、低コストが達成できないことといった、商品化の課題がいくつかある。
【0006】
一人の患者に使用した後に廃棄するように設計された使い捨ての内視鏡は、汚染された内視鏡の使用に起因する患者への感染リスクを軽減するための別のアプローチであり、長年にわたって、内視鏡処置において開発され使用されてきた。使い捨て構成部品は、取り付けられた可撓性カテーテルを備えたスコープ全体、及び患者の組織又は体液と直接接触する流体流路だけでなく、ディスプレイに接続された信号ワイヤ・ケーブル、及びハンドル内の電子部品を備えたプリント基板などの、患者と直接接触しないこれらの構成部品も含む。このような使い捨ての内視鏡は、典型的には、滅菌処理、梱包、及び出荷の前に、(最終使用の間に遠位先端部の撓みを予測できるようにするために)適切に張力を加えられた制御ワイヤによって製造され、組み立てられる。しかしながら、ワイヤによって加えられた張力によって、滅菌及び保管後の遠位先端部の関節セクションは、滅菌、輸送及び保管中に遭遇する熱及び湿気によって、多くの場合、歪んでしまう可能性があり、これが内視鏡の操作性に影響を及ぼす可能性がある。この問題は、関節チューブの直径がより小さい内視鏡には特に重大である。さらに問題を複雑にしているのは、このような使い捨ての内視鏡は、滅菌、輸送及び保管後に、カテーテルに曲げ癖がつくのを防ぐために、カテーテルを長い保護チューブ内に挿入した状態で真っすぐに梱包する必要があることである。スコープの梱包のサイズが大きいため、梱包及び輸送コストがより高くなり、臨床機関において、より多くの製品保管スペースも必要となる。
【0007】
いくつかの操作可能な医療装置は、使用前に張力のかかっていない制御ワイヤを提供することが知られている。例えば、米国特許第8,777,898号は、再利用可能なハンドルと取り付け可能なカテーテルとを備えるツーピース装置を開示している。取り付け可能なカテーテルは、カテーテル制御部材によって近位端で終端された張力のかかっていない制御ワイヤを含む。ハンドルは、カテーテル制御部材に相補的なハンドル制御部材を含む。カテーテルの近位端がハンドルに取り付けられたとき、カテーテル及びハンドル制御部材は、制御ワイヤが張力を受けて配置されるように、互いに接合される。しかしながら、前述したように、米国特許第8,777,898号に記載された装置は、ツーピース・システムであり、したがって、上述の欠点を抱えている。
【0008】
したがって、上述の欠点を克服し、操作可能な医療装置の製造可能性、信頼性、及び使いやすさを向上させる技術は、当技術分野において歓迎されるような進歩を表すであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8,777,898号
【発明の概要】
【0010】
上述の欠点は、本開示の教示によって対処される。特に、第1の実施例では、操作可能な医療装置とともに使用するための制御装置は、その長手方向軸の周りを回転可能な第1のステアリング・シャフトを備える。第1のステアリング・カムは、第1のステアリング・シャフトが、第1のステアリング・シャフトの長手方向軸の周りを第1のステアリング・カムと一致して回転するように、第1のステアリング・シャフトに固定される。第1のステアリング・カムは、第1のステアリング・ワイヤを取り付けるための第1の取付け部をさらに備える。第2のステアリング・カムは、第1のステアリング・シャフトに取り付けられ、第1のステアリング・シャフトから独立して第1のステアリング・シャフトの長手方向軸の周りを自由に回転できる。第2のステアリング・カムは、第2のステアリング・ワイヤを取り付けるための第2の取付け部をさらに備える。第1のラッチ・アセンブリは、第1のステアリング・カム及び第2のステアリング・カムに動作可能に接続され、第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成でさらに動作可能である。
【0011】
第1の実施例では、第1のステアリング・カムは、第1の対向面を備えることができ、第2のステアリング・カムは、第1の対向面の反対側になるように構成された第2の対向面を備える。さらに、第1のラッチ・アセンブリは、第1の対向面上に形成された少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ及び少なくとも1つのアクティブ・ノッチ、並びに、第2の対向面上に形成された少なくとも1つの突出部をさらに備えていてもよい。非アクティブ構成では、少なくとも1つの突出部と少なくとも1つの非アクティブ・ノッチとの位置合わせにより、第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように、第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる。一方、アクティブ構成では、少なくとも1つの突出部と少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように、第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる。この場合、第1のステアリング・シャフトの周りに配置されたばねなどの付勢要素は、第2の対向面を第1の対向面と接触するように付勢するために設けられてもよい。少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの深さは、少なくとも1つのアクティブ・ノッチの深さよりも浅くてもよい。さらに、少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの第1の側壁の傾斜は、少なくとも1つのアクティブ・ノッチの側壁の傾斜よりも小さくてもよい。
【0012】
第1の実施例では、第1のユーザが制御可能なレバーは、第1のステアリング・シャフトが第1のレバーと一致して回転するように第1のステアリング・シャフトに固定することができる。
【0013】
第1の実施例は、その長手方向軸の周りを回転可能な第2のステアリング・シャフトと、第2のステアリング・シャフトの長手方向軸の周りを第3のステアリング・カムと一致して回転するように第2のステアリング・シャフトに固定された第3のステアリング・カムと、第2のステアリング・シャフトに取り付けられ、第2のステアリング・シャフトから独立して第2のステアリング・シャフトの長手方向軸の周りを自由に回転できる第4のステアリング・カムとをさらに含んでもよい。この場合、第3のステアリング・カムは、第3のステアリング・ワイヤを取り付けるための第3の取付け部をさらに備えていてもよく、第4のステアリング・カムは、第4のステアリング・ワイヤを取り付けるための第4の取付け部をさらに備えていてもよい。さらに、この場合、第2のラッチ・アセンブリは、第3のステアリング・カム及び第4のステアリング・カムに動作可能に接続され、第3及び第4のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように第3及び第4のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、第3及び第4のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように第3及び第4のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成でさらに動作可能である。第2のユーザが制御可能なレバーは、第2のステアリング・シャフトが第2のレバーと一致して回転するように第2のステアリング・シャフトに固定することができる。
【0014】
操作可能な医療装置は、挿入管とともに第1の実施例の制御装置を備えることができる。非限定的な実例として、このような操作可能な医療装置は、内視鏡を備えることができる。
【0015】
第2の実施例では、操作可能な医療装置は、ハウジングと、挿入管と、ハウジングに回転可能に取り付けられ、ハウジングから延出し、挿入管に固定された回転ノブ・アセンブリとを備えることができる。この実施例では、回転ノブ・アセンブリは、ハウジング上及びハウジングの長手方向軸の周りに回転可能に取り付けられたブッシングと、ブッシングが長手方向軸の周りをノブと一致して回転するようにブッシングに固定された、ユーザが制御可能なノブとを備える。ノブ・アセンブリは、ノブがチューブ・リテーナと一致して回転するようにノブに固定された気管内チューブ・リテーナをさらに含み、チューブ・リテーナは、エラストマー材料から製造される。一実施形態では、ブッシングは、ハウジング内に形成された環状チャネルと係合するように構成された半径方向に延在するフランジを備える。
【0016】
第2の実施例では、ハウジング及びノブはそれぞれ、ハウジングに対するノブの少なくとも1つの規定された回転位置を相互に係合するように構成された、又はその逆を相互に係合するように構成された、少なくとも1つの戻り止め及び少なくとも1つの凹部を備えることができる。さらに、ハウジングはハウジング停止面を備えることができ、ノブはノブ停止面を備えることができ、ハウジング停止面及びノブ停止面は、ハウジング停止面がノブ停止面に接触したときにノブの回転を制限するように構成されている。ハウジング停止面及びノブ停止面は、ハウジングに対するノブのゼロ回転位置からノブが90°しか回転できないように構成され得る。
【0017】
さらに第2の実施例では、気管内チューブ・リテーナは、その中に形成された長手方向に延在するチャネルを備え、チャネルは、その中に形成された少なくとも1つの長手方向に延在するスロットを有するチューブ・リテーナ側壁を画定する。さらに、チューブ・リテーナ側壁は、少なくとも1つの外面テーパ角を含むことができ、現在の好ましい実施例では、互いに異なる2つの外面テーパ角を含むことができる。
【0018】
第1の実施例の1つ又は複数の制御装置は、第2の実施例による操作可能な医療装置に組み込まれてもよい。同様に、第1の実施例による操作可能な医療装置は、第2の実施例による回転ノブ・アセンブリを組み込むことができる。
【0019】
上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面と関連した特定の実施例の以下の非限定的な説明において、詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示による操作可能な医療装置、特に内視器用の上面側立面図である。
図2図1の操作可能な医療装置の側立面図であり、操作可能な医療装置のハウジングの一部が取り除かれている。
図3図1及び図2の操作可能な医療装置のより詳細な下面側面斜視図であり、本開示による制御装置をさらに詳細に示している。
図4】本開示による制御装置の第1のステアリング・カムの上面斜視図である。
図5】本開示による制御装置の第2のステアリング・カムの下面斜視図である。
図6】本開示による制御装置のラッチ・アセンブリの動作を示す、より詳細な側立面図である。
図7】本開示による制御装置のラッチ・アセンブリの代替実施例の断面図である。
図8】本開示による非アクティブ構成における制御装置の下面斜視図である。
図9】本開示によるアクティブ構成における制御装置の下面斜視図である。
図10】本開示による回転ノブ・アセンブリの側立面図である。
図11】本開示によるノブ・アセンブリの上面斜視分解図である。
図12】本開示によるノブ・アセンブリの上面斜視断面図である。
図12A】本開示の代替実施例によるノブ・アセンブリの側面斜視分解図である。
図13】本開示によるユーザが制御可能なノブの上面斜視図である。
図14】本開示による回転ノブ・アセンブリとともに使用するためのハウジングの特徴を示す下面斜視図である。
図15】本開示によるユーザが制御可能なノブ及びハウジングの断面図である。
図16】本開示の一実施例による内視鏡システムの概略図である。
図17】本開示の代替実施例による内視鏡システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用されるとき「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」に実質的に類似する語句は、特に文脈によって明記されない限り、又は、暗示されない限り、選言的に解釈されることを意図しており、すなわち、A若しくはB若しくはC、又はそれらの任意の組合せを必要とすることが意図される。さらに、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」に実質的に類似する語句は、特に文脈によって明記されない限り、又は、暗示されない限り、連言的に解釈されることを意図しており、すなわち、Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及び、Cのうちの少なくとも1つを必要とすることが意図される。さらに、「実質的」という語、又は主観的な比較を必要とする同様の単語は、特に文脈によって明記されない限り、又は、暗示されない限り、「製造公差内」を意味することを意図している。別段の指示がない限り、本開示における、用語「前部」、「後部」、「上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対的な位置修飾語句、又は、用語「~より上に」、「~より下に」、「より高い」、「より低い」、「遠位の」、「近位の」などの相対的な位置修飾語句、又は、「水平の」、「垂直の」などの向きの修飾語句は、図に示される向きで言及される。
【0022】
図1を参照すると、本開示による操作可能な医療装置100が示されている。特に、図1に示される操作可能な医療装置100は、現在の好ましい実施例による内視鏡である。しかしながら、本開示による操作可能な医療装置100が内視鏡に限定される必要はなく、診断又は治療用途のガイディング・カテーテル、撮像カテーテル、アブレーション・カテーテル、及びその他の操作可能で偏向可能なカテーテルを含むが限定されない、当業者に知られているであろう多数の同様の装置のいずれかを備え得ることが理解される。以下に図示及び説明するように、図1に示す操作可能な医療装置100は、本開示による制御装置及び回転ノブ・アセンブリの両方を含む。しかしながら、操作可能な医療装置100が、本開示に記載の制御装置及び回転ノブ・アセンブリの両方を備える必要はない。すなわち、本開示による操作可能な医療装置は、設計要件によって規定される、1つ若しくは複数の制御装置、又は回転ノブ・アセンブリ、又はその両方を含み得る。
【0023】
図1に示すように、操作可能な医療装置100は、第1のハウジング部102と第2のハウジング部104とから形成されたハウジング101を備え、ハウジング101は、近位端103と遠位端105とを備える。一体型ハウジング101を提供するために第1及び第2のハウジング部102、104を一緒に固定又は接合するための技術は、当業者には知られている。ハウジング101は、鉗子栓106と、ハウジング101の遠位端105に向かって配置されたビデオ・ポート108とを含む。ハウジング101の近位端103に向かって、吸引口110及び吸引弁ボタン112が設けられている。図示のように、吸引口110は、旋回式の返し付きエルボ・コネクタの形状であり、操作可能な医療装置100を介した吸引は、吸引弁ボタン112の使用によって制御される。ユーザが制御可能なレバー114は、以下にさらに詳細に説明されるように、制御装置を作動させるために近位端103に設けられる。さらに、操作可能な医療装置100は、遠位端105に回転ステアリング・アセンブリ120を備え、回転ステアリング・アセンブリ120は、ユーザが制御可能なノブ122と、ユーザが制御可能なノブ122に取り付けられた気管内チューブ・リテーナ124とを備える。さらに示されるように、操作可能な医療装置100は、ノブ・アセンブリ120から延出し、その遠位端132で終端する可撓性挿入管又はカテーテル130を備える。図1には示されていないが、挿入管130は、公知の技術に従って遠位先端部132の作動を制御するために、遠位先端部132の関節セクションまで延在する1つ又は複数の制御ワイヤを含む。さらに、挿入管130は、操作可能な医療装置100の性質に応じて、他の構成部品を包んでもよい。例えば、内視鏡の場合、図示のように、挿入管130は、挿入管130の遠位端132に配置された光源及びカメラを操作するためのケーブルと、ワーキング・チャネルを提供し、遠位端132の近傍で終端し、以下により詳細に説明するように、鉗子栓106を有する鉗子口及び吸引口110の両方に結合された小径管とを取り囲んでもよい。
【0024】
ここで図2を参照すると、第1のハウジング部102は取り除かれており、操作可能な医療装置100の内部構造が明らかになっている。特に、鉗子栓106は、ワーキング・チャネル・ポート208を備えており、ワーキング・チャネル・ポート208は、ハウジング101に固定され、回転ノブ・アセンブリ120を通って挿入管130の遠位端132に向かって延在するワーキング・チャネル・チューブ210へのアクセスを提供する。鉗子栓106、ワーキング・チャネル・ポート208、及びワーキング・チューブ210の具体的な材料、構成及び構造は、当業者には知られている。ビデオ・ポート108は、当業者にさらに知られているように、適切なビデオ・コネクタ211を備える。例えば、ビデオ・コネクタ211は、ピン及びソケット型のコネクタ、ポゴ・ピン・コネクタ、カード・エッジ・コネクタ等を備えていてもよい。好ましくは、ビデオ・コネクタ211は、適切な雌コネクタと嵌合するように構成された雄コネクタであるが、これは必要条件ではない。説明を容易にするために、図2には示されていないが、ビデオ・コネクタ211は、1つ又は複数のケーブル(上述のように光源及びカメラの動作をサポートする)を含み、その1つ又は複数のケーブルは、ビデオ・コネクタ211に接続され、ワーキング・チューブ210と同様の方法で回転ノブ・アセンブリ120を通って挿入管130の遠位端132に向かって延在する。さらに、吸引弁ボタン112は、図示のようにハウジングから延出する吸引弁本体202の一部を形成する。次に、吸引管204、206は、吸引弁本体202によって、吸引口110及びワーキング・チャネル210に(ワーキング・チャネル・ポート208を介して)流体連通しており、それによって、挿入管130の遠位先端部132で(吸引弁ボタン112を介したユーザが選択可能な制御の下で)吸引機能を提供する。再び、吸引弁202、及び吸引管202、204を実装する際に使用するのに適した構成部品、材料、寸法等は、当業者には知られている。
【0025】
図2に示すように、且つ、図3図9により詳細に示すように、ハウジングには、ステアリング・ワイヤ226、232を制御する際に使用するための制御装置220が取り付けられている。図3及び図6を参照すると、制御装置220は、ステアリング・シャフト602に取り付けられた第1のステアリング・カム222と第2のステアリング・カム224とを備え、ステアリング・シャフト602は、レバー114の回転がステアリング・シャフト602における実質的に同様の回転をも引き起こすように、ユーザが制御可能なレバー114に固定される。図6に示すように、ステアリング・シャフト602は、第1の端部604と第2の端部606とを備え、そのうちの少なくとも1つは、ハウジングの外側に延在するように構成され、それによって、レバー114との固定接続が可能になる。例えば、図示の実施例では、第2の端部606は、キー付き構造(この場合、六角形の外面)を備え、キー付き構造は、ハウジングから延出し、レバー114のアームに設けられた対応するキー付き構造と嵌合するように構成され、キー付き構造の嵌合により、レバー114の回転がステアリング・シャフト602に加えられることが可能になる。図示の実例では、ステアリング・シャフト602の第1の端部604も、ハウジングの外側に延在するように構成されているが、レバー114の別のアームは、この場合、第2の端部606の場合の嵌合接続とは対照的に、第1の端部604に接触するように構成されるだけである。しかしながら、レバー114の第2のアームは、ステアリング・シャフト602の第1の端部604と嵌合するように構成することもできることが理解される。
【0026】
一実施例では、第1のステアリング・カム222は、ステアリング・シャフト602の長手方向軸608の周りをステアリング・シャフト602の任意の回転と一致して回転するように、ステアリング・シャフト602に固定される。図4に示すように、第1のステアリング・カム222は、図示の実例では、ステアリング・シャフト602(図示せず)の外面に形成された相補的なキー突出部と嵌合するように構成されたキー・スロット405を含んでいてもよい。一方、第2のステアリング・カム224は、ステアリング・シャフト602に取り付けられているが、ステアリング・シャフトの長手方向軸608の周りを自由に回転でき、すなわち、ステアリング・シャフト602から独立している。
【0027】
図3図5を参照すると、第1及び第2のステアリング・カム222、224は、それぞれの第1及び第2のステアリング・ワイヤ226、232を取付けることができるように構成された、それぞれの第1及び第2の取付け部408、508を備える。現在の好ましい実施例では、ステアリング・ワイヤ226、232は、いわゆるボーデン・ケーブル228、234の構成部品である。当技術分野で知られているように、ボーデン・ケーブル228、234は、中空の螺旋状巻線ケーブル・ハウジングによって囲まれた内側ワイヤ228、232を有する可撓性ケーブルである。ボーデン・ケーブル228、234は、ケーブル・ハウジングに対して内側ワイヤ228、232を介して機械力を伝達するのに特に有用である。本明細書で使用されるように、ボーデン・ケーブル228、234は、ハウジング104上に形成された張力ブロック238に取り付けられた張力調節ねじ230、236によって終端されるケーブル・ハウジングのそれぞれの近位端を有する。ケーブル・ハウジングの遠位端は、挿入管130の遠位先端部132の近くの関節セクションの近位端で終端される。張力ブロック238は、ボーデン・ケーブル228、234の長手方向のいかなる動きも実質的に妨げる一方、張力調節ねじ230、236の回転を許容し、それによって、(ボーデン・ケーブル・ハウジングに対する)内側ワイヤの張力を所望のレベルに設定できるようにする。以下でさらに詳細に説明されるように、第1及び第2のステアリング・カム222、224によって提供されるラッチ・アセンブリがアクティブ構成にあり、それによってステアリング・ワイヤ226、232を張力がかけられた状態で配置するとき、張力調節ねじは、操作可能な医療装置100の製造/組立中に調節することができ、操作可能な医療装置100の最終使用に適したステアリング・ワイヤ226、232における所望の張力レベルの最終設定を可能にする。しかしながら、このような張力設定の後、ラッチ・アセンブリは、ステアリング・ワイヤ226、232が、その後の梱包、滅菌、出荷、及び保管の工程の間、張力のかかっていない状態で維持される非アクティブ構成に再構成することができる。最終使用中に、ラッチ・アセンブリは、再びアクティブ構成で配置され、それによって、ステアリング・ケーブル226、232を、操作可能な医療装置100の適切な動作に必要な所望の張力レベルに戻すことができる。
【0028】
図4図6をさらに参照して説明される現在の好ましい実施例では、第1のステアリング・カム222は、その中に形成された第1の開口部404を有する第1の円形本体402と、そこから半径方向に延在する第1のアーム406とを備える。第2のステアリング・カム224は、同様に構成され、その中に形成された第2の開口部504を有する第2の円形本体502と、そこから半径方向に延在する第2のアーム506とを有する。上述したように、第1のステアリング・カム222は、第1の開口部404を画定する内面に形成されたキー・スロット405を含んでいたが、第2のステアリング・カム224は、そのようなキー・スロットを有していない。第1のステアリング・カム222は、第1の対向面410を備え、第2のステアリング・カム224は、使用時に第1の対向面410に対向するように構成された第2の対向面0を備える。現在の好ましい実施例では、第1及び第2のアーム406、506の両方は、さらに、それぞれの第1及び第2の円形本体402、502から長手方向に離れて延在するが、それぞれの下面407、507は、対応する第1及び第2の対向面410、510に対して実質的に平行のままである。図6に最もよく示されているように、第2のステアリング・カム224は、ステアリング・シャフト602に取り付けられたとき、第1のステアリング・カム222の上方に配置されるので、第2のアーム506の下向きの長手方向延長部は、それぞれの下面407、507が図3及び図6に示すように配置されるときに実質的に同一平面を占めるように、第1のアーム406よりも大きい。効果的なカム動作(すなわち、回転運動から直線運動への変換)を提供するために、第1及び第2の取付け部408、508は、好ましくは、第1及び第2のステアリング・カム222、224のそれぞれの遠位端に向かって設けられる。さらに、(例えば、図6に示すように)実質的に同じ水平面上に位置するように設計された2つのアーム222、224を有することにより、取り付けられたワイヤ226、232がそのような水平面に対して同じ角度で(好ましくは平行に)均等に引っ張られることが可能になる。
【0029】
第1及び第2のステアリング・カム222、224の特徴は、ラッチ・アセンブリの上述のアクティブ及び非アクティブ構成を実施するために提供され得る。したがって、図4では、第1のステアリング・カム222は、第1の対向面410上及び第1の対向面410内に形成された、少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ412、414と、互いに角度的に離間した少なくとも1つのアクティブ・ノッチ416、418とを含む。例えば、図示の実施例では、第1の対向面410は、直径方向に対向する2つの非アクティブ・ノッチ412、414と、直径方向に対向する2つのアクティブ・ノッチ416、418とを備えており、円形本体402を横切って非アクティブ・ノッチ412、414の対及びアクティブ・ノッチ416、418の対の中央線を接続する直径線413、415は、非ゼロ角度θによって分離され、θは好ましくは、10~80°の範囲、さらにより好ましくは、40~60°の範囲内にある。以下の説明から明らかなように、少なくとも1つの非アクティブ・ノッチと少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの間の分離角θは、ラッチ・アセンブリを非アクティブからアクティブ構成へ、又は、アクティブから非アクティブ構成へ切り替えるために必要な(ユーザが制御可能なレバー114の制御下での)回転量を決定する。好ましくは、非アクティブ・ノッチ412、414及びアクティブ・ノッチ416、418の幅(すなわち、非アクティブ・ノッチ412、414の側壁420~424の基部の間の距離、及びアクティブ・ノッチ416、418の側壁426~432の間の距離)は、実質的に同じである。
【0030】
さらに図4に示すように、少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ412、414及び少なくとも1つのアクティブ・ノッチ416、418のそれぞれの深さは異なっており、少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ412、414の深さは、少なくとも1つのアクティブ・ノッチ416、418よりも小さい(すなわち、浅い)。一実施例では、少なくとも1つのアクティブ・ノッチ416、418を画定する側壁426~432は、その深さに沿って実質的に垂直である。一方、この実施例では、少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ412、414を画定する側壁420、421のうちの1つのみが、その深さに沿って実質的に垂直であるが、少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ412、414を画定する他の側壁422、424は、他の実質的に垂直な側壁420、421、426~432と比較して、比較的浅い角度で形成される(すなわち傾斜している)。以下に説明するように、少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ412、414の1つの側壁420、421のみのこの傾斜によって、第1及び第2のステアリング・カム222、224の、互いに対して他方とは反対の方向への回転が容易になる。
【0031】
図4に示される実施例に沿って、且つ、図5に示すように、第2のステアリング・カム224は、第2の対向面510上、及び第2の対向面510から離れて形成された少なくとも1つの突出部512、514を含む。図5に示す実例では、第2の対向面510は、非アクティブ・ノッチ412、414と位置合わせされたときに非アクティブ・ノッチ412、414と嵌合し、アクティブ・ノッチ416、418と位置合わせされたときにアクティブ・ノッチ416、418と嵌合するように構成された直径方向に対向する2つの突出部512、514を備える。さらに、突出部512、514は、現在の好ましい実施例では、2つのアクティブ・ノッチ416、418の深さと実質的に一致する高さを有するように構成される。このように、突出部512、514と、アクティブ・ノッチ416、418のうちの対応するものとの嵌合位置合わせ(すなわち、第1及び第2の対向面410、510が対向し、互いに接触しているとき)により、図6に示すように、第1及び第2のステアリング・カム222、224が、本質的に互いに回転的に「ロックされる」ことになる。図示の好ましい実施例では、第2のアーム506に対する突出部512、514の角度の位置合わせは、第1のアーム406に対するアクティブ・ノッチ416、418の角度の位置合わせと実質的に同一であり、突出部512、514とアクティブ・ノッチ416、418のうちの対応するものとの係合によって、図6にさらに示すように、第1及び第2のアーム406、506が互いに直径方向に対向するようになることに留意されたい。
【0032】
一方、図8に示すように、突出部512、514が非アクティブ・ノッチ412、414のうちの対応するものと位置合わせされたときに、第1及び第2のアーム406、506は、上述した同じ角度θで分離される。図6に最もよく示されているように、それぞれのアームの長手方向の広がりが不均等であることと、第1及び第2の対向面410、510が連続的に接触していると仮定することにより、第1及び第2のアーム222、224が互いに角度的に位置合わせされるという状況が防がれることに留意されたい。さらに、実質的に垂直な側壁420、421が、係合された突出部512、512のそれぞれに向かって付勢されるような、(例えば、レバー114の回転による)第1のステアリング・カム222の回転は、垂直な側壁420、421が突出部512、514との摺接を容易にしない程度まで、突出部512、514が非アクティブ・ノッチ412、414から係合解除されてしまうことに抵抗する。一方、傾斜した側壁422、424が、係合された突出部512、512のそれぞれに向かって付勢されるような、第1のステアリング・カム222の回転により、傾斜した側壁422、424が突出部512、514との摺接を容易にする程度まで、突出部512、512を非アクティブ・ノッチ412、414から、より容易に係合解除することができるようになる。
【0033】
第1及び第2のステアリング・カム222、224に関する上記の説明は、第1の対向面410のみにノッチ412~418を設け、第2の対向面510のみに突出部512、514を設けることに基づいているが、これは、必要条件ではないことが理解されよう。例えば、直径方向に対向するノッチと突出部との組み合わせは、第1の対向面410に設けることができ、一方、別の直径方向に対向するノッチと突出部との、同様であるが反対の位置に構成された組み合わせは、第2の対向面510に設けることができる。本開示は、例示したノッチ/突出部の設計に限定されないことに留意されたい。例えば、直径方向に対向する幾何学的形状の異なる組み合わせは、同様に採用することができる。さらに、非アクティブ・ノッチは、非アクティブ状態で突出部が載置されるための単純な水平位置(すなわち、非アクティブ位置にノッチがない)に置き換えることができる。この場合、カム222、224が滅菌、輸送又は保管中に不用意に係合することを防ぐために、適切なプラスチックのキャップによって、又は、装置100を受容し、ユーザが制御可能なレバー114を所望の位置に維持するために、相補的な形状を有する梱包トレイに装置100を配置することによって、ユーザが制御可能なレバー114の動きが妨げられる。
【0034】
図4~6に示される第1及び第2のステアリング・カム222、224のノッチ及び突出部の配置によって提供されるラッチ・アセンブリへのオプションとして、図7は、代替的なロッチ・アセンブリを示しており、代替的なロッチ・アセンブリにおいて、第1のステアリング・カム222’は、その中に形成されて第1のステアリング・カム222’の第1の対向面410’に開口している第1の垂直ボア704を有するボス702を含む。ピン706は、第1の垂直ボア704内に配置され、ピン706と第1の垂直ボア704の端面との間に配置されたばね708によって、第1の垂直ボア704から外に付勢される。この実施例では、第2のステアリング・カム224’は、その中に形成されて第2のステアリング・カム224’の第2の対向面510’に開口している第2の垂直ボア710を有する。図示のように、第2の垂直ボア710は、ステアリング・シャフト(図7には示されず)の長手方向軸608から実質的に同じ半径方向距離にある。さらに、第2の垂直ボア710は、好ましくは、ピン706の外径と実質的に同じ内径を有し、いずれにせよ、第1及び第2の垂直ボア704、710が位置合わせされたときに、(ばね708の付勢下で)ピン706の第2の垂直ボア710内への迅速な進入を可能にするのに十分な幅を有する。ピン706の第2の垂直ボア710への挿入により、再び、第2のステアリング・カム224’が第1のステアリング・カム222’に回転的にロックされる。第1及び第2のステアリング・カム222’、224’の係合解除を容易にするために、第2の垂直ボア710に位置合わせされたピン・ホール0は、図7に示すように、第2の垂直ボア710の端壁に設けられる。剛性のピン又は他の小径器具をピン・ホール712内に挿入することにより、ばね708の付勢力よりも大きな対向力がピン706に加えられ、それによって、ピン706が、第2の垂直ボア710から引き抜かれ、第1の垂直ボア704内に戻る。ピンが第2の垂直ボア710から完全に係合解除されると、第2のステアリング・カム224’は、再び、第1のステアリング・カム222’から独立してステアリング・シャフトの周りを自由に回転するようになる。
【0035】
その実施形態に関係なく、図4~7に示されたラッチ・アセンブリの動作は、第1及び第2の対向面410、410’、510、510’が継続的に互いに接触した状態に維持されるという仮定に基づく。そのために、現在の好ましい実施例では、付勢要素は、第1及び第2のステアリング・カム222、224が互いに接触するように付勢するために設けられてもよい。より具体的には、図3及び図6に最もよく示される実例では、ばね304は、第2のステアリング・カム224と、ステアリング・シャフト602内に形成された環状溝(見えない)に沿ってステアリング・シャフト602に取り付けられたC型クリップ306等との間で、ステアリング・シャフト602の周りに配置される。C型クリップ306によって提供される反応面により、ばね304は、第2のステアリング・カム224を付勢して第1のステアリング・カム222に接触させる。当業者には理解されるように、他の弾性要素及びその配置は、ステアリング・カム222、224を互いに向かって同様に付勢するために設けられてもよい。
【0036】
ここで図8及び図9を参照すると、本開示による制御装置220の動作がさらに示されている。特に、図8は、第1及び第2のステアリング・カム222、224によって提供されるラッチ・アセンブリの非アクティブ構成、すなわち、上述のように、突出部512、514が非アクティブ・ノッチ412、414と位置合わせされるときを示す。この非アクティブな状態では、第1及び第2のステアリング・カム222、224は、第1及び第2のステアリグ・ワイヤ226、232が比較的張力のかかっていない(又は低減された張力)状態、すなわち、挿入管130の遠位先端部132の適切な制御を与えない、張力をかけられた状態で維持されるように位置決めされる。さらに、ピラー308(図3)によって提供される停止面も、非アクティブ状態のときにラッチ・アセンブリ220のさらなる回転を防止するために提供され得る。
【0037】
一方、図9は第1及び第2のステアリング・カム222、224によって提供されるラッチ・アセンブリのアクティブ構成、すなわち、上述のように、突出部512、514がアクティブ・ノッチ416、418と位置合わせされるときを示す。図9に示すように、アクティブ構成は、ユーザが図示のようにレバー114を作動(回転)させる(902)ときに実現され、それにより、第1のステアリング・カム222の対応する回転904を誘発する。同様に、非アクティブ構成/張力のかかっていない状態にあるときの第2のステアリング・ワイヤ232上の既存の張力により、第2の(自由に回転可能な)ステアリング・カム224がその元の位置に維持される。第1のステアリング・カム222が突出部512、514とアクティブ・ノッチ416、418との位置合わせを提供するのに十分な量回転したとき、第1及び第2のステアリング・カム222、224は、上述のように一緒にロックされる。このアクティブ構成では、第1及び第2のステアリング・ワイヤ226、232の両方は、張力をかけられた状態、すなわち、図8に示す張力のかかっていない状態よりも張力が大きい状態で配置される。操作可能な医療装置100の製造及び組立中、図9に示す張力をかけられた状態にステアリング・ワイヤを配置することにより、(上述のように張力調節ねじ230、236を使用することによって)最終的な所望の張力レベル、すなわち、挿入管130の遠位先端部132の正確且つ確実な制御を提供するのに十分な張力レベルを達成するための調節が可能になる。
【0038】
したがって、製造/組立の間、第1及び第2のステアリング・カム222、224は、図9に示すように位置決めされ、それにより、ステアリング・ワイヤ226、232の適切な張力が可能になる。最終的な張力レベルが達成されると(ただし、梱包、滅菌、出荷及び保管の前に)、適切な器具を使用して、ばね306によって提供される付勢に対して、より大きな反力を加えることができ、これにより、第1及び第2のステアリング・カム222、224が互いにロック解除されることが可能になる。すなわち、突出部512、514がアクティブ・ノッチ416、418から係合解除されることが可能になる。この場合、ステアリング・ワイヤ226、232の張力及び/又はレバー114の適切な回転(図8及び図9に示すように時計回り)によって、第1及び第2のステアリング・カム222、224が図8に示す非アクティブ構成に向かって回転し、これにより、突出部512、514が非アクティブ・ノッチ412、414と係合することが可能になる。第1及び第2のカム222、224が非アクティブ状態で配置され、それによってステアリング・ケーブル226、232にかかる張力が軽減されると、操縦可能な医療装置100は、上述したように、このようなプロセスが遠位先端部132の望まれない変形を引き起こすということを恐れずに、必要な梱包、滅菌、輸送及び保管のプロセスを受けることができる。突出部512、514と非アクティブ・ノッチ412、414との係合により、ステアリング・ワイヤ226、232は、レバー114が図9に示すように回転され、それによって、再び、突出部512、514がアクティブ・ノッチ416、418と係合されるとき(例えば、医療従事者による最終使用)まで、張力が低下した状態に留まる。製造及び組立の間、張力調節ねじ230、236によって設定された最終的な張力により、第1及び第2のカム222、224が戻ると、ステアリング・ケーブル226、232は再び張力をかけられて、それらの最終調整状態になる。さらに、第1及び第2のカム222、224は、再び一緒にロックされるため、使用時にレバー114をいずれかの方向にさらに回転させると、遠位先端部132の所望の撓みを引き起こす。
【0039】
回転ノブ・アセンブリ120のさらなる説明は、図10~15を参照して提供される。特に、回転ノブ・アセンブリ120は、ブッシング212がハウジング101の長手方向軸1002の周りを自由に回転できるようにハウジング101に回転可能に取り付けられたブッシング212を備える。ブッシング212は、その中に形成されて長手方向軸1002を中心とするように構成された長手方向開口部1102を備える。図示の実施例では、ブッシング212は、ハウジング101に形成された環状チャネル1004と係合するように構成された半径方向に延在するフランジ1006を備える。ユーザが制御可能なノブ122は、ブッシングに固定され、次に、気管内チューブ・リテーナ124は、ノブ122に固定される。図11及び図12に最もよく示されているように、ノブ122は、片持ちアーム1104、1106と、ノブ122の底面に形成された対応する穴1114、1116との係合によって、ブッシング212に固定される。アーム1104、1106がそれらの対応する穴1114、1116内に完全に挿入されるとき、アーム1104、1106の遠位端に形成された半径方向に延在するフィンガ1105、1107は、穴1114、1116の対応するリップ1502、1504(図15)と係合し、それにより、ノブ122がブッシング122から取り外されるのを防ぎ、ノブ122がブッシング212と一致して回転することが可能になる。ノブ122をブッシング212に取り付けるための他の構成は、同様に採用することができる。例えば、図12Aに示すように、ブッシング212から下方に延在する片持ちアーム1104、1106の代わりに、ノブ122’は、ブッシング212’の長手方向開口部1102’内に同心円状に嵌合するように構成された(長手方向開口部1112’を有する)上方に延在する管状セクション1250を有することができ、その管状セクション1250は、ブッシング212’の上面1252を越えて延在するように長手方向に延在することができる。この場合、上方に延在する管状セクション1250の外面1254は、ノブ122’がブッシング212’から変位することができず、ハウジング101の長手方向軸1002の周りの回転自由度を依然として維持するように、管状セクション1250をブッシング212’との長手方向の関係で保持するC型クリップ1258を受容するように構成された環状チャネル1256を含むことができる。当業者によって容易に想到し得るさらなる取付け構成が、同様に採用されてもよい。
【0040】
図12に最もよく示されているように、ノブ122は、管状セクション1201をさらに備え、管状セクション1201は、ノブ122の底面1115から下方に長手方向に延在し、ノブ122がブッシング212に固定されるときに長手方向軸1002上で中心に置かれるように構成された別の長手方向開口部1112を形成する。図示のように、管状セクション1201は、半径方向に延在する返し1202、1204を備える。次に、気管内チューブ・リテーナ124は、側壁1124がさらに別の長手方向に延在する開口部1122を形成するように形成され、この開口部1122も、チューブ・リテーナ124がノブ122に固定されたときに、長手方向軸1002上で中心に置かれるように構成されている。図12に示すように、チューブ・リテーナ124は、側壁1124の内面に形成されて管状セクション1201の返し1202、1204を係合するように構成された肩部1206、1208を備えることができ、それによってチューブ・リテーナ124をノブ122に固定することができる。
【0041】
現在の好ましい実施例では、チューブ・リテーナ124は、ポリウレタン、シリコーン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム、スチレン・ブロック共重合体、ポリ塩化ビニル、及び他の熱可塑性エラストマーなどの適切なエラストマーから製造され、好ましくは、20~100デュロメータ・ショアAの硬度範囲、さらに、より好ましくは、40~90デュロメータ・ショアAの硬度範囲を有し、それにより、例えば、気管チューブ・コネクタの内面の摩擦係合によって気管内チューブ等を迅速且つ確実に取付けることができる。当技術分野で知られているように、このような気管内チューブ又は他の気管チューブは標準的な外径を有するISOコネクタを有しているが、このような標準的なコネクタの内径は壁厚によって変化し、その結果、操作可能な医療装置100への取付けが困難になる場合がある。チューブ・リテーナ124は、このようなチューブの取付けをより容易にするための機構を含んでいてもよい。例えば、図11及び図12に最もよく示されているように、チューブ・リテーナ124は、その側壁1124内に長手方向に延在するスロット1126を含むことができる。図に示される実例では、スロット1126は、チューブ・リテーナ124の長さの約1/4から1/2まで延びている。さらに、図示のように、スロット1126は、側壁1124の厚さを完全に貫通して延びており、それにより、チューブ・リテーナ124の開口部1122とその外径との間の連通が可能になるが、これは必要条件ではなく、スロット1126は、側壁1124の総厚よりも薄い厚さまで延在することができる。スロット1126の存在により、気管内チューブ・コネクタ等を取り付ける際に、チューブ・リテーナ124の側壁1124がわずかに変形及び圧縮されることが可能になり、それによって、変化する可能性のある内側チューブの直径に適応することができる。さらに、図は、単一のスロット1126のみを示しているが、例えば、チューブ・リテーナ124の周囲に角度的に離間した2つ以上のこのようなスロットは、その側壁1124に組み込まれてもよいことが理解される。
【0042】
さらに、図10に最もよく示されているように、チューブ・リテーナ124は、チューブの取付けを容易にするために、1つ又は複数の外面テーパ角を含み得る。例えば、図示の実施例では、外面チューブ・リテーナ124は、4つの別個の部分、すなわち、ノブ122の近位にあるチューブ・リテーナ124の端部の直線部分1010と、その後にチューブ・リテーナ124の長さに沿って連続的に続く第1のテーパ・セクション1012と、第2のテーパ・セクション1014と、面取りされた又は斜めに切られた部分1016とによって特徴付けられる。図示のように、直線部分1010の外面は、ハウジング101の長手方向軸1002に対して実質的に垂直又は平行である。次に、第1のテーパ・セクション1012の外面は、垂直又は長手方向軸1002に対して実質的に角度θT1を形成し、第2のテーパ・セクション1012の外面は、垂直又は長手方向軸1002に対して実質的に角度θT2を形成し、ここで、θT1<θT2である。最後に、面取りされた又は斜めに切られた部分1016は、側壁1124の外径から開口部1122の内径への移行を提供する。第1及び第2のテーパ・セクション1012、1014は、チューブ・リテーナ124の外径1010への段階的な移行を提供し、それによって、気管内チューブ・コネクタ、又は異なる内径を有する同様の取付け具の可能性に再び対応する。現在の好ましい実施例では、第1のテーパ角度θT1は3~4°の範囲内にあり、一方、第2のテーパ角度θT2は7~8°の範囲内にあるが、他の角度範囲が設計上の選択として採用され得ることが理解される。さらに、図示されていないが、チューブ・リテーナ124の外面は、チューブの取付けをさらに容易にするためにテクスチャード加工されてもよい。
【0043】
それにもかかわらず、回転ノブ・アセンブリ120が完全に組み立てられたとき、ブッシング212と、ノブ122と、チューブ・リテーナ124との複合構造は、以下に説明する制限を受けて、ハウジング101の長手方向軸1002の周りを自由に回転することができる。さらに、長手方向軸1002の周りの開口部1102、1112、1122の位置合わせは、回転ノブ・アセンブリ120の全長にわたって連続的なチャネルを提供し、それにより、上述したように、ステアリング・ワイヤ226、232及び他の構成部品がハウジング101から外へ移動することが可能になる。
【0044】
ノブ122及びハウジング101のさらなる特徴は、図11図15を参照してさらに示されている。特に、ノブ122は、図11図13及び図15に最もよく示されているように、ノブ122を形成する側壁の内面1117に形成された凹部1118を含む。さらに、図12図13及び図15に最もよく示されているように、ノブ122はまた、ノブ122の外面にノブ・ゼロ位置インジケータ1210を含み、図示の実施例では、凹部1118から90°離れて角度的に離間している。さらに、図13及び図15に最もよく示されているように、ノブ122はまた、図示の実施例では、半径方向内方に突出する突出部として形成されたノブ停止面1302を備えており、半径方向内方に突出する突出部は、底面1115と内面1117との交差部に形成され、凹部1118と直径方向に対向する。
【0045】
凹部1118と、ノブ・ゼロ位置インジケータ1210と、ノブ停止面1302と相互作用するための機構は、図14及び図15に最もよく示されているように、ハウジング101に組み込まれている。まず、各ハウジング部102、104は、突出部1414、1416を備えており、突出部1414、1416は、各部分102、104の下縁又は遠位縁に形成され、各ハウジング部102、104の外面から半径方向外方に延在する。図14に示すように、ハウジング部102、104が互いに結合されると、それらは、集合的にハウジング・ゼロ位置インジケータ1418を形成する。さらに、第2のハウジング部104は、第1のハウジング部104の下縁又は遠位縁から下方に延在する半径方向に凹んだ側壁1406、1408を備える。凹んだ側壁1406、1408の外面は、内面1117に実質的に接触することなくノブの内面1117に適合するように構成される。一方、凹んだ側壁1406、1408と同じ半径方向距離間に、及び半径方向距離に形成された片持ちアーム1402は、アーム1402の遠位端に外方に突出する戻り止め1404を備える。アーム1402及び戻り止め1404は、凹部1118及びノブ・ゼロ位置インジケータ1210が互いから90°離れて形成されているのと同様に、ハウジング・ゼロ位置インジケータ1418から90°離れて形成されていることに留意されたい。戻り止め1404は、凹部1118と位置合わせされない限り、ノブ122の内面1117の妨げとなるのに十分な程度まで半径方向外方に延在するように構成される。凹んだ側壁1406、1408とアーム1402とを合わせた角度範囲は、好ましくは、第2のハウジング部104の角度範囲と同一の広がりを持っており、すなわち約180°である。しかしながら、図14及び図15に示すように、ハウジング停止面1410、1412は、第1のハウジング停止面1410から第2のハウジング停止面1412までの角度が180°よりもわずかに小さい、例えば160°~180°となるように、それぞれの第1及び第2の凹んだ側壁1406、1408に形成される。
【0046】
ハウジング部102、104を示しているがブッシング212は示していない図15に最もよく示されているように、アーム1402及び戻り止め1404が凹部1118と位置合わせされるとき、戻り止め1404は、ノブ122の内面1117を越えて、凹部1118を画定する空間内へと延在する。一方では凹部1118とノブ・ゼロ位置インジケータ1210との間の、他方ではアーム1402/戻り止め1404とハウジング・ゼロ位置インジケータ1418との間のそれぞれの90°の分離を与えられたこの位置では、それぞれのゼロ位置インジケータ1210、1418は、互いに実質的に一直線になる。このようにして、操作可能な医療装置100のユーザは、ノブ122がゼロ回転(又はデフォルト)位置にあるという視覚的な表示を提供される。さらに、ノブ122がそのゼロ回転位置から離れる方向に回転すると、戻り止め1404と凹部1118との相互作用により、アーム1402が内側に撓み、それによって戻り止め1404と凹部1118との係合が解除され、その後に戻り止めが内面1117を妨げるようになるまで、このような回転に対する初期の弱い力抵抗が提供される。このようにして、医療装置のユーザは、ユーザがゼロ回転位置から離れて回転していることを示す触覚フィードバックを提供される。同様の静脈内では、ノブ122をゼロ回転位置に向けて回転させると、最終的には、曲げられたアーム1402によって加えられた付勢の下で、戻り止め1404がスナップ・バックして凹部1118と係合し、触覚フィードバックの別の形態として、そのような再係合を信号で知らせる可聴音、及び/又はさらなる回転に対する抵抗の増加を提供することができる。
【0047】
さらに、アーム1402及び戻り止め1404が凹部1118と位置合わせされるとき、ハウジング停止面1410、1412の両方は、それぞれがノブ122の底面1115から上方に延在し、ハウジング停止面1410、1412のそれぞれは、ノブ停止面1302から実質的に最大角度差(図示の実例では90°)に位置決めされる。これは、第2のハウジング停止面1412とノブ停止面1302との間の分離が示された図15に最もよく示されている。ノブ122がいずれかの方向に回転されると、ハウジング停止面1410、1412のうちの一方又は他方は、ハウジング停止面1410、1412がノブ停止面1302と係合するまでノブ停止面1302に向かって徐々に回転され、それによって、ノブ122のさらなる回転を妨げる。このようにして、操作可能な医療装置のユーザは、その方向における完全な回転範囲(この場合は90°)に達したという肯定的なフィードバックが提供される。図示の実例が、いずれの方向にも90°の回転能力を与えるハウジング停止面1410、1412を示しているが、凹んだ側壁1406、1408の異なる角度範囲、したがってそのような停止面1410、1412の位置決めが、90°よりも大きい(最大180°)又は90°未満のいずれかの方向で回転能力を提供するために採用することができることが理解される。
【0048】
最後に、図16及び図17は、代替実施例による操作可能な医療装置(具体的には内視鏡)システムを示す。例えば、図16は、遠位先端部132に配置されたカメラによって提供されるビデオ画像を見るのに適した、当技術分野で知られている、外部モニタ1602と組み合わせた上述の操作可能な医療装置100を備えるシステム1600を示す。この実施例では、システム1600は、モニタ1602に接続するための第1のコネクタ1606と、ビデオ・ポート108を介してアクセスされるビデオ・コネクタ211と嵌合するための第2のコネクタ1614とを有する適切なビデオ・ケーブル1604をさらに備える。さらに示されているように、カメラの画質(例えば、ズーム又はフォーカス機能、色のコントラスト、照明レベル制御など)を制御するために、及び/又はそのような画像の記録を開始するために最適なさまざまな制御要素1610、1612を備えるインライン・コントローラ1608が提供され得る。この目的に適したビデオ・ケーブル1604は、当業者には知られている。図17は、無線対応外部モニタ1702と無線通信する(1706)ために、ビデオ・ケーブル1604が無線アダプタ1704に置き換えられた代替システム1700を示す。この場合、アダプタ1704(バッテリ駆動でもよい)は、ビデオ・コネクタ211と嵌合し、当業者に知られている適切な無線通信プロトコルを使用してモニタ1702と通信するように構成される。
【0049】
本明細書では特定の実施形態について説明したが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を採用できることが理解されるであろう。例えば、第1及び第2のステアリング・カム222、224が、半径方向に延在するアームとして示されているが、ステアリング・カムは、適切なワイヤ取付け機構を備えたホイール形状又は他の幾何学的形状を使用して同様に実施することができる。さらに、図1図9に示す実施例は、操作可能な医療装置100に設けられた単一の制御装置220を示しているが、これは必要条件ではなく、又は限定されるものではないことが理解される。すなわち、当技術分野で知られているように、ステアリング・ワイヤ226、232は、所与の平面内の反対方向(例えば、コンパス表記を使用して「N-S」)に、遠位先端部132を撓ませる能力を提供する。しかしながら、操作可能な医療装置100に第2の実質的に同一の制御装置を設けるが、第1の制御平面(好ましくは、それに実質的に直交する、例えば、コンパス表記を使用して「E-W」)とは異なる別の平面で遠位先端部132の反対向きの撓みを提供するように構成されたステアリング・ワイヤを有することによって、さらに優れた制御能力をユーザに提供することができる。さらに、上述のように、回転ノブ・アセンブリ120は、ハウジング104及びノブ122内でそれぞれ配置された戻り止め1404/凹部1118の組合せを含んだ。しかしながら、戻り止め1404及び凹部1118は、対向配置され得る、すなわち、戻り止めがノブ122上に形成され、凹部がハウジング104内に形成され得ることが理解される。さらに、単一の戻り止め1404/凹部1118の組合せが上記で説明されているが、複数のそのような組合せが提供され得ることが理解される。例えば、ゼロ回転位置を画定する戻り止め1404/凹部1118の組合せを有することとは別に、戻り止めと凹部との追加の組合せが、追加の回転位置フィードバックを、例えば、いずれかの方向にゼロ位置表示から45°離れて提供するために、複数の異なる角度回転で配置され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図12A
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作可能な医療装置とともに使用するための制御装置であって、
その長手方向軸の周りを回転可能なステアリング・シャフトと、
前記ステアリング・シャフトが、前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを第1のステアリング・カムと一致して回転するように前記ステアリング・シャフトに固定される第1のステアリング・カムであって、第1のステアリング・ワイヤを取り付けるための第1の取付け部をさらに備える、第1のステアリング・カムと、
前記ステアリング・シャフトに取り付けられ、前記ステアリング・シャフトから独立して前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを自由に回転できる第2のステアリング・カムであって、第2のステアリング・ワイヤを取り付けるための第2の取付け部をさらに備える、第2のステアリング・カムと、
前記第1のステアリング・カム及び前記第2のステアリング・カムに動作可能に接続され、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成で動作可能である、第1のラッチ・アセンブリと
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記第1のステアリング・カムは、第1の対向面を備え、前記第2のステアリング・カムは、前記第1の対向面の反対側になるように構成された第2の対向面を備え、前記第1のラッチ・アセンブリは、
前記第1の対向面上に形成された少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ及び少なくとも1つのアクティブ・ノッチと、
前記第2の対向面上に形成された少なくとも1つの突出部と
をさらに備え、
前記非アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが前記張力のかかっていない状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされ、
前記アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2の対向面を付勢して、前記第1の対向面と接触させるように構成された付勢要素をさらに備える、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記付勢要素は、前記ステアリング・シャフトの周りに配置されるばねである、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの深さは、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの深さよりも浅い、請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの第1の側壁の傾斜は、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの側壁の傾斜よりも小さい、請求項2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ステアリング・シャフトがレバーと一致して回転するように、前記ステアリング・シャフトに固定される、ユーザが制御可能なレバーをさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
ハウジングと、
前記ハウジングに動作可能に接続された挿入管と、
前記ハウジング及び前記挿入管を通って、前記挿入管の遠位端に向かって延在する第1及び第2のステアリング・ワイヤと、
前記ハウジングによって支持される第1の制御装置であって、
その長手方向軸の周りを回転可能で、前記ハウジング内に形成された少なくとも1つの開口部から延出するように構成された少なくとも1つの端部を有するステアリング・シャフトと、
前記ステアリング・シャフトが、前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを第1のステアリング・カムと一致して回転するように前記ステアリング・シャフトに固定される第1のステアリング・カムであって、第1のステアリング・ワイヤを取り付けるための第1の取付け部をさらに備える、第1のステアリング・カムと、
前記ステアリング・シャフトに取り付けられ、前記第1のステアリング・シャフトから独立して前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを自由に回転できる第2のステアリング・カムであって、前記第2のステアリング・ワイヤを取り付けるための第2の取付け部をさらに備える、第2のステアリング・カムと、
前記第1のステアリング・カム及び前記第2のステアリング・カムに動作可能に接続され、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成で動作可能である、第1のラッチ・アセンブリと、
前記ハウジングの外側に配置され、前記ステアリング・シャフトが前記第1のレバーと一致して回転するように前記ステアリング・シャフトの少なくとも1つの端部に固定された、ユーザが制御可能なレバーと
を備える第1の制御装置と
を備える、操作可能な医療装置。
【請求項9】
内視鏡として使用するように構成される、請求項8に記載の操作可能な医療装置。
【請求項10】
前記第1のステアリング・カムは、第1の対向面を備え、前記第2のステアリング・カムは、前記第1の対向面の反対側になるように構成された第2の対向面を備え、前記第1のラッチ・アセンブリは、
前記第1の対向面上に形成された少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ及び少なくとも1つのアクティブ・ノッチと、
前記第2の対向面上に形成された少なくとも1つの突出部と
をさらに備え、
前記非アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが前記張力のかかっていない状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされ、
前記アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる、請求項8に記載の操作可能な医療装置。
【請求項11】
前記第2の対向面を付勢して、前記第1の対向面と接触させるように構成された付勢要素をさらに備える、請求項10に記載の操作可能な医療装置。
【請求項12】
前記付勢要素は、前記ステアリング・シャフトの周りに配置されるばねである、請求項11に記載の操作可能な医療装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの深さは、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの深さよりも浅い、請求項10に記載の操作可能な医療装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの第1の側壁の傾斜は、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの側壁の傾斜よりも小さい、請求項10に記載の操作可能な医療装置。
【請求項15】
前記第1及び第2のステアリング・ワイヤは、調節可能なねじによって終端されたそれぞれのばねコイルによって囲まれ、前記ハウジングは、前記調節可能なねじのための取付けブロックを備える、請求項8に記載の操作可能な医療装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、前記第1のステアリング・カム若しくは前記第2のステアリング・カム、又はその両方の回転を制限するように構成された少なくとも1つの停止面をさらに備える、請求項8に記載の操作可能な医療装置。
【請求項17】
ハウジングと、
挿入管と、
前記ハウジングに回転可能に取り付けられ、前記ハウジングから延出し、前記挿入管に固定された回転ノブ・アセンブリと
を備え、前記回転ノブ・アセンブリは、
前記ハウジングの長手方向軸の周りに回転可能に取り付けられるように構成されたブッシングと、
前記ブッシングが前記長手方向軸の周りをノブと一致して回転するように前記ブッシングに固定された、ユーザが制御可能なノブと、
前記ノブがチューブ・リテーナと一致して回転するように前記ノブに固定された気管内チューブ・リテーナと
を備え、前記チューブ・リテーナは、エラストマー材料から製造され
前記チューブ・リテーナの外面は、気管内チューブのチューブコネクタの内面と摩擦係合するように構成され、前記気管内チューブ・リテーナは、その中に形成され、前記チューブ・リテーナ側壁を画定する長手方向に延びるチャネルを有し、前記チューブ・リテーナ側壁は、その中に形成された少なくとも1つの長手方向に延びるスロットを有する
操作可能な医療装置。
【請求項18】
前記ブッシングは、前記ハウジング内に形成された環状チャネルと係合するように構成された半径方向に延在するフランジを備える、請求項17に記載に操作可能な医療装置。
【請求項19】
前記ハウジング及びノブは、それぞれ、前記ハウジングに対する前記ノブの少なくとも1つの規定された回転位置を相互に係合するように構成された、又はその逆を相互に係合するように構成された、少なくとも1つの戻り止め及び少なくとも1つの凹部を備える、請求項17に記載の操作可能な医療装置。
【請求項20】
前記ハウジングはハウジング停止面を備え、前記ノブはノブ停止面を備え、前記ハウジング停止面及び前記ノブ停止面は、前記ハウジング停止面が前記ノブ停止面に接触したときに前記ノブの回転を制限するように構成される、請求項17に記載の操作可能な医療装置。
【請求項21】
前記ハウジング停止面及び前記ノブ停止面は、前記ハウジングに対する前記ノブのゼロ回転位置から前記ノブが90°しか回転できないように構成される、請求項20に記載の操作可能な操作可能な医療装置。
【請求項22】
前記気管内チューブ・リテーナは、その中に形成されてチューブ・リテーナ側壁を画定する長手方向に延在するチャネルを有し、前記チューブ・リテーナ側壁は、少なくとも1つの外面テーパ角を含む、請求項17に記載の操作可能な医療装置。
【請求項23】
前記リテーナ側壁は、互いに異なる2つの外面テーパ角を含む、請求項22に記載の操作可能な医療装置。
【請求項24】
前記ハウジング及び前記挿入管を通って、前記挿入管の遠位端に向かって延在する第1及び第2のステアリング・ワイヤと、
前記ハウジングによって支持された制御装置であって、
その長手方向軸の周りを回転可能で、前記ハウジング内に形成された少なくとも1つの開口部から延出するように構成された少なくとも1つの端部を有するステアリング・シャフトと、
前記ステアリング・シャフトが、前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを第1のステアリング・カムと一致して回転するように、前記ステアリング・シャフトに固定される第1のステアリング・カムであって、前記第1のステアリング・ワイヤを取り付けるための第1の取付け部をさらに備える、第1のステアリング・カムと、
前記ステアリング・シャフトに取り付けられ、前記ステアリング・シャフトから独立して前記ステアリング・シャフトの前記長手方向軸の周りを自由に回転できる第2のステアリング・カムであって、前記第2のステアリング・ワイヤを取り付けるための第2の取付け部をさらに備える、第2のステアリング・カムと、
前記第1のステアリング・カム及び前記第2のステアリング・カムに動作可能に接続され、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力のかかっていない状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる非アクティブ構成で動作可能であり、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされるアクティブ構成で動作可能である、ラッチ・アセンブリと、
前記ハウジングの外側に配置され、前記ステアリング・シャフトがレバーと一致して回転するように前記ステアリング・シャフトの前記少なくとも1つの端部に固定された、ユーザが制御可能なレバーと
を備える制御装置と
をさらに備える、請求項17に記載の操作可能な医療装置。
【請求項25】
前記第1のステアリング・カムは、第1の対向面を備え、前記第2のステアリング・カムは、前記第1の対向面の反対側になるように構成された第2の対向面を備え、前記ラッチ・アセンブリは、
前記第1の対向面上に形成された少なくとも1つの非アクティブ・ノッチ及び少なくとも1つのアクティブ・ノッチと、
前記第2の対向面上に形成された少なくとも1つの突出部と
をさらに備え、
前記非アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが前記張力のかかっていない状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされ、
前記アクティブ構成では、前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチとの位置合わせにより、前記第1及び第2のステアリング・ワイヤが張力をかけられた状態で維持されるように、前記第1及び第2のステアリング・カムが位置決めされる、請求項24に記載の操作可能な医療装置。
【請求項26】
前記第2の対向面を付勢して、前記第1の対向面と接触させるように構成された付勢要素をさらに備える、請求項25に記載の操作可能な医療装置。
【請求項27】
前記付勢要素は、前記ステアリング・シャフトの周りに配置されるばねである、請求項26に記載の操作可能な医療装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの深さは、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの深さよりも浅い、請求項25に記載の操作可能な医療装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの非アクティブ・ノッチの第1の側壁の傾斜は、前記少なくとも1つのアクティブ・ノッチの側壁の傾斜よりも小さい、請求項25に記載の操作可能な医療装置。
【国際調査報告】