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▶ シメオ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】レーダシステムおよび対応する方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/87 20060101AFI20240214BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20240214BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20240214BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20240214BHJP
【FI】
G01S13/87
G01S7/02 210
H01Q1/32 Z
G01S13/931
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547670
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2022052199
(87)【国際公開番号】W WO2022167365
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021102897.3
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021118076.7
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516287933
【氏名又は名称】シメオ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・グルデン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ゴッティンガー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・フォスジーク
(72)【発明者】
【氏名】マルセル・ホフマン
【テーマコード(参考)】
5J046
5J070
【Fターム(参考)】
5J046AB03
5J070AC01
5J070AC02
5J070AC11
5J070AD05
5J070AD08
5J070AD09
(57)【要約】
本発明は、移動物体、特に車両および/または搬送装置、特にクレーンなどの周囲を検出するためのレーダシステムに関し、上記システムが、移動物体上に設置されまたは設置されることが可能である。本レーダシステムは、少なくとも1つのアンテナを有する、少なくとも1つの第1の、好ましくは非コヒーレント、および少なくとも1つの第2の、好ましくは非コヒーレント、レーダモジュールを備え、上記レーダモジュールが移動物体上に分散されて配置されまたは配置されることが可能であり、かつ少なくとも1つの第1のレーダモジュールが少なくとも1つの第2のレーダモジュールと異なって構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動物体、特に車両および/または搬送装置、特にクレーンなどの周囲を検出するためのレーダシステムであって、前記システムが、前記移動物体に搭載されもしくは搭載可能であり、および/または定置用途のためであり、
前記レーダシステムが、少なくとも1つのアンテナを持つ、少なくとも1つの第1のレーダモジュールおよび、好ましくは前記第1のレーダモジュールに非コヒーレントな、少なくとも1つの第2のレーダモジュールを備え、
前記レーダモジュールが分散されて配置されまたは配置でき、
少なくとも1つの第1のレーダモジュールが少なくとも1つの第2のレーダモジュールと異なって構成され、
好ましくは少なくとも1つの第2のレーダモジュールより大きくかつ/または多くの受信および/もしくは多くの送信アンテナを有する、レーダシステム。
【請求項2】
好ましくは、少なくとも1つの第1のレーダモジュールが少なくとも1つの第2のレーダモジュールの位置に仮想的に折り畳まれるように前記少なくとも1つの第1のレーダモジュールおよび前記少なくとも1つの第2のレーダモジュールからの送受信信号を処理するように構成される少なくとも1つの評価ユニットを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの第2のレーダモジュールが、好ましくは少なくとも1つの第1のレーダモジュールと対照的に、1つだけの送信アンテナおよび/または1つだけの受信アンテナ、任意選択で1つだけの送受信アンテナを備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
送信および/または受信信号の評価のために少なくとも1つの評価装置が設けられ、好ましくは修正された測定信号が互いとコヒーレントであるというように前記レーダモジュールの送受信信号を前記修正された測定信号に処理するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記レーダモジュールの少なくとも2つが通信チャネル、特にバスシステムを介して相互接続される、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの、好ましくは少なくとも1つの第2の、レーダモジュールが、特に薄い、ストリップおよび/またはスラットに配置され、かつ/あるいは
少なくとも1つのレーダモジュール、特に少なくとも第2の1つ
および/または少なくとももしくは厳密に1つの第1のレーダモジュール、代替的には第1は無し、が、空気源の領域にならびに/またはグリッドの領域に、特に空気源に対しておよび/もしくはナンバープレート取付領域の下にもしくはナンバープレートの下にならびに/あるいは移動物体の下部領域に配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの第1のレーダモジュールが少なくともまたは厳密に1つの送信アンテナを備え、かつ/あるいは少なくとも2つもしくは少なくとも4つもしくは少なくとも8つかつ/または多くとも10000の受信アンテナを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの第1のレーダモジュール、代替的には第1は無し、および/もしくは少なくとも1つの第2のレーダモジュールが前記特に移動物体の中央に、
好ましくは前記特に移動物体の中央に排他的に位置し、かつ/または
少なくとも2つもしくは厳密に2つの第1のレーダモジュール間に少なくとも1つの第2のレーダモジュールが配置され、かつ/または
少なくとも1つの第2のレーダモジュールが少なくとも2つの第1のレーダモジュールから、前記2つの第1のレーダモジュールの互いからより小さな距離を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとももしくは厳密に1つまたは少なくとももしくは厳密に2つかつ/または多くとも4つの第1のレーダモジュールが設けられかつ/あるいは
少なくとももしくは厳密に1つまたは少なくとももしくは厳密に4つまたは少なくとももしくは厳密に8つまたは少なくとももしくは厳密に16または少なくとも100の第2のレーダモジュールが設けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記レーダモジュールの1つにおいて第1の信号が発生されて、経路を介して送信され、特に放射され、
前記レーダモジュールの更なる1つにおいて更なる第1の信号が発生され、そして前記経路を介して送信され、特に放射され、
一/前記評価装置において、特に前記1つのレーダモジュールにおいて、前記1つのレーダモジュールの前記第1の信号からおよび前記経路を介して前記更なるレーダモジュールから受信されるそのような第1の信号から第1の比較信号が形成され、そして
一/前記評価装置において、特に前記更なるレーダモジュールにおいて、前記更なるレーダモジュールの前記第1の信号からおよび前記経路を介して前記第1のレーダモジュールから受信されるそのような第1の信号から更なる比較信号が形成され、
前記更なる比較信号が、好ましくは前記更なるレーダモジュールから前記1つのレーダモジュールに送信され、特に通信される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システム、特に前記評価装置が、前記第1の比較信号および前記更なる比較信号から比較比較信号を形成するために構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の、特に請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記システム、特に前記評価装置が、第1のステップで、前記レーダモジュールにおける系統的偏差によって生じる前記比較信号の偏差を補償するように、そして第2のステップで、前記2つの比較信号の第1からのまたはこの第1の比較信号から導出された信号からの少なくとも1つの複素数値を使用して、前記2つの比較信号の第2の少なくとも1つの複素数値またはこの第2の比較信号から導出された信号の値を適合させ、そのため適合信号を形成するように構成され、前記適合が、数学演算によって前記複素数値のベクトル和もしくは差が形成されるまたは前記複素数値の位相の和もしくは差が形成されるというように行われる、請求項1から11のいずれか一項に記載の、特に請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記2つの比較信号が互いと処理され、特に乗算された共役複素数であるという点で、前記比較比較信号がコヒーレントレーダシステムで発生される比較信号に相当する、請求項1から12のいずれか一項に記載の、特に請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムが、位相補正を介して、好ましくは少なくとも2つの仮想レーダアレイの重なる要素を基にして、コヒーレント処理を可能にするように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも2つの仮想レーダアレイが形成され、各仮想レーダアレイが、他方の仮想レーダアレイの少なくとも1つの要素と重なる少なくとも1つの、特に外側の、要素を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記システム、特に前記評価装置が、オンライン校正を行うように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記システム、特に前記評価装置が、SAR用途および/または結像法のために構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムがFMCWレーダとしてまたはOFDMレーダとして構成される、請求項1から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載のシステムを備える、可動物体、特に車両、好ましくは自動車両、更に好ましくは自動車および/または搬送装置、特にクレーンまたはクレーンの一部など。
【請求項20】
物体、特に車両および/もしくは搬送装置、特にクレーンもしくはクレーンの一部などの周囲の検出のための、ならびに/または定置用途のための、特に請求項1から18のいずれか一項に記載のシステムおよび/または請求項19に記載の可動物体を利用することによる、方法であって、2つの好ましくは相互に非コヒーレントなレーダモジュールが分散されて配置されるまたはされることになり、
少なくとも1つの第1のレーダモジュールが、少なくとも1つの第2のレーダモジュールと異なって構成され、好ましくは少なくとも1つの第2のレーダモジュールより大きくかつ/または多くの受信および/もしくは多くの送信アンテナを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特に物体の周囲を検出するための、レーダシステム、および対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OFDM-Based Radar Network Providing Phase Coherent DA Estimation、Werbunatら、IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES、第69巻、第1号、2021年1月には、コヒーレントネットワークを構築するために中継器が使用されるOFDMベースのレーダネットワークが提案されている。しかしながら、特に動的状況および/または目標数が比較的高い状況では、この方法は、僅かに実施可能なだけであると考えられる。
【0003】
DE102017110063A1からレーダシステムが更に公知である。これによれば、周囲の検出のための分散型インコヒーレントレーダユニットを、自動車部門において(適切な信号処理を通じて)コヒーレントに動作させることもできる。これによって、例えば、個々のレーダユニット(原則としていかなる構造でもあることができる)の所定の分布によって、いかなる仮想MIMO開口も発生させることができる。比較的高角度分解能が比較的高空間要件を伴うことが問題となると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE102017110063A1
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】OFDM-Based Radar Network Providing Phase Coherent DA Estimation、Werbunatら、IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES、第69巻、第1号、2021年1月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本開示の目的は、比較的高精度(特に角度分解能)を達成でき、それによって空間要件が比較的低いはずである、特に自動車用途のための、レーダシステムを提案することである。更には、本開示の目的は、対応する方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、特に請求項1の特徴によって解決される。
【0008】
特に、本目的は、特に、好ましくは移動する、物体の、特に車両のおよび/または搬送装置の、特にクレーンなどの周囲を検出するためのレーダシステムによって解決され、本システムは、好ましくは物体に搭載されもしくは搭載可能であり、および/または定置用途のためであり、本レーダシステムは、少なくとも1つの送信および少なくとも1つの受信アンテナを持つ少なくとも2つの(好ましくは互いに非コヒーレントな)レーダモジュールを備え、レーダモジュールは(特に物体上で)、分散されて配置されまたは配置可能であり、少なくとも1つの第1の(任意選択で幾つかまたは全ての第1の)レーダモジュールは、少なくとも1つの第2のレーダモジュールと異なって構成され、好ましくは少なくとも1つの第2の(場合により第2の幾つかまたは全ての)レーダモジュールより大きくかつ/または多くの受信および/もしくは多くの送信アンテナを有する。
【0009】
そこには、特にそれらの幾何配置および/または構成に関して、互いと異なって構成される幾つかのレーダモジュール(少なくとも1つの第1の他に少なくとも1つの第2)を提供する本開示の着想がある。
【0010】
好ましくは、1つだけまたは少しだけ(例えば2つ)の比較的大きい(第1の)レーダモジュールが配置され、そして幾つかの比較的小さいレーダモジュールがある。このように、比較的大きく構築されたレーダモジュール(対応して高い数のアンテナを配置できかつ/または幾つかのアンテナを互いから比較的大距離に配置できる)に起因する利点を、全体として提供される複数のレーダモジュールの利点と組み合わせることができる。全体的に、仮想開口を、そのため比較的密に占めることができる。精度は改善される。
【0011】
レーダモジュールのもとで、好ましくは、例えば、それぞれのモジュールの対応する部品が搭載されるハウジングおよび/または基体(例えば板)によって画定できるアセンブリが理解されるはずである。
【0012】
特に、レーダモジュールは、少なくとも1つの送信アンテナの他に1つの受信アンテナおよび/または少なくとも1つの送受信アンテナを基本的に有する。
【0013】
送信および/または受信アンテナに加えて、(いずれも)レーダモジュールは、発振器および場合によりAD変換器を有してよい。幾つかの(特に幾つかの第2の)レーダモジュールに1つだけの発振器の信号を印加することも可能である。例えば、少なくとも2つまたは少なくとも4つの第2のレーダモジュールが1つだけの発振器で動作してよい。
【0014】
レーダモジュールによって、好ましくは発振器を備える、(それ自体の)(レーダ)信号発生器の他に、任意選択で変調器を有するモジュールが特に理解されるはずである。特に、少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2のレーダモジュールは、(例えばWerbunatらによる上の論文におけるように)中継器ではない。Werbunatらの中継器は、それら自体の信号発生器(および発振器)を有するのではない(単に既存の信号を変調するだけである)。特に、FMCWレーダの場合には、発振器はVCOでよい。
【0015】
好ましくは、各第1のレーダモジュールは、それ自体の発振器を有する(但しこれは必須ではない)。「自体の」発振器によって、発振器が設けられ、それぞれのレーダモジュールとだけ関連付けられることが特に理解されるはずである。
【0016】
Werbunatらによる上述の論文に関して、そこに述べられた中継器信号が伝送チャネル(すなわち通常全ての構造がそこに配置される空気)を二回横断することが認識された。それのため、中継器信号は二重に影響され、全体として比較的強く信号に影響する(または歪ませる)。より多数の目標に対して(そのため特に動的な道路交通シーンに対して)、上の現状技術ではおそらくもはや割当てを保証できず、その方法は、実際にはもはや満足に働かない。比較的大距離に対してさえ、中継器信号の受信電力が比較的強く減少するので、先行技術に係る上の方法がシステムによりもはや十分確実に機能しないであろうことが想定されるはずである。
【0017】
中継器自体は、おそらくいかなる追加の位相雑音ももたらさないが、先行技術に係る増幅器も、(特により長距離に関して)雑音なしで増幅することができないであろう。
【0018】
全体的に、本開示と比較して先行技術に係る解決策が、せいぜい比較的短距離に対して目標が極めて少ない、および伝送チャネル(例えば、アンテナ測定チャンバ)が比較的クリーンなシナリオに有用であることが留意されるはずである。
【0019】
レーダシステムは、好ましくは少なくとも1つの(電子)評価ユニットを備える。これは、少なくとも部分的に(特に第1の)レーダモジュールの一部でありかつ/または少なくとも部分的にレーダモジュールに外部の(場合により中央)評価ユニットによって形成できる。評価ユニットは、好ましくはそれぞれのレーダモジュールの送受信信号を記録および評価するように構成される。特に好ましくは、評価ユニットは、少なくとも1つのレーダモジュールが少なくとも1つの第2の(特に比較的小さい)レーダモジュールの位置に仮想的に折り畳まれる(または少なくとも1つの/小さい、第2のレーダモジュールの助けにより第1のレーダモジュールのサイズを有する少なくとも1つのモジュールを仮想的に生成できる)というように少なくとも1つの第1のレーダモジュールおよび少なくとも1つの第2のレーダモジュールからの送受信信号を処理するように構成される。
【0020】
基本的に、1つの第1の(特により大きい)レーダモジュールおよび、特に第1のレーダモジュールから空間的に分離され-かつ第1のレーダモジュールとコヒーレントである必要はない(がそうであることができる)、少なくとも1つの第2の(特により小さい)レーダモジュールを提供することが本開示の着想である。この第2の(より小さい)レーダモジュールは、好ましくは更なるレーダモジュールの位置に第1の(より大きい)レーダモジュールを仮想的に折り畳むために使用される。そのため、第1の(比較的大きい)レーダモジュールは、第2のレーダモジュールが物理的に設けられる位置に仮想的に至らされる。全体的に、そのため複数の仮想レーダモジュール(または仮想レーダ要素)を実現でき、物理的なレーダモジュールによって占めることができない(または少なくとも合理的にはできない)場所にも設けることができる。比較的少ない労力で、プロセスの改善を達成できる。
【0021】
幾つかまたは全ての第2のレーダモジュールは、少なくとも1cmもしくは少なくとも3cmかつ/または多くとも20cmである(それぞれの最近傍への)距離を有することができる。幾つかの第1のレーダモジュールが設けられる場合、それらは、少なくとも50cmかつ/または多くとも100もしくは多くとも25もしくは多くとも3mの距離を有してよい。
【0022】
レーダモジュールの「サイズ」によって、好ましくはその最大伸張が(レーダモジュールの全ての点対の中の互いに最大距離の点対の距離として)理解されるものとする。
【0023】
代替的または追加的に(少なくとも対称、例えば立方設計の場合)、対称軸に沿った伸張もサイズとして理解できる。一般に、サイズは、レーダモジュールの幅、高さおよび/または長さとして理解でき、長さが好ましくは最大伸張(または、対称形状の場合には、最大伸張が存在する対称軸に沿った最大伸張)を形成する。
【0024】
サイズは、例えば、代替的または追加的に容積(レーダモジュールのハウジング内および/もしくはそれぞれのレーダモジュールによって画定される包絡面内)としてならびに/または重量としても理解できる。
【0025】
(それぞれの)少なくとも1つの第1の(任意選択で幾つかまたは全ての第1の)レーダモジュールの(それぞれの)サイズは、少なくとも1つの(任意選択で幾つかまたは全ての)第2のレーダモジュールのサイズの少なくとも1.5倍、任意選択で少なくとも2倍または少なくとも5倍の大きさでよい。
【0026】
第1のレーダモジュールの幾つかまたは全てが同じサイズでよい。代替的または追加的に、これは、第2のレーダモジュールにも当てはまる。しかしながら、第1の他に第2のレーダモジュールも、(それぞれの群のレーダモジュール内で)異なるサイズを有し(またはその他異なる仕方で形成され)てもよい。これが事実であり、そしてサイズが比較されることになる場合、幾つかの第1のレーダモジュールが幾つかの第2のレーダモジュールと比較されるときにそれぞれの「サイズ」に対して算術平均が好ましくは使用されるものとする。
【0027】
少なくとも1つまたは幾つかまたは全ての第2のレーダモジュールが少なくとも4mmもしくは少なくとも8mmかつ/または多くとも100cmもしくは多くとも25cmもしくは多くとも4cmのサイズ(特に高さおよび/または幅および/または長さ)を有してよい。少なくとも1つまたは幾つかまたは全ての第1のレーダモジュールが少なくとも3cmもしくは少なくとも5cmかつ/または多くとも40cmのサイズを有してよい。
【0028】
高角度分解能の大きいレーダモジュールが製造するのに比較的複雑化されかつ大量の空間を必要としており、例えばレーダモジュールが(車の空気取入口の)対応する領域に位置する場合、空気取入口を複雑化し得ることが認識されている。原則として、達成可能な分解能は、レーダセンサ(レーダモジュール)の幾何学的寸法に間接的に比例する。
【0029】
本開示によれば、少なくとも比較的大きな全体開口を生成するために追加のレーダモジュールが好ましくは分散される。(レーダモジュールの配置全体の)対応する仮想アレイが、例えば1次元的または2次元的に占められてよい。(場合により移動)物体(特に自動車両)の中央に、例えば比較的小さい(第2の)モジュールだけを使用できる。これらは、例えば、1つのアンテナ素子だけから成り、かつそれらがRF接続を必要としない(すなわち特に周波数が1.0GHzを超える範囲のRF信号へ無接続)というように構成できる。
【0030】
特に好ましくは、幾つかまたは全ての第2のレーダモジュールが、例えばプラスチックから作られる、共通部品に配置されてよい。部品は、特に空気取入口の領域における、ストリップおよび/またはラメラおよび/またはグリッドであることができる。部品は、比較的薄く(例えば5cm未満の厚さ)かつ/または細長く(例えば少なくとも20cmもしくは少なくとも40cmの長さを有し)てよい。そのような配置により、比較的高機械的安定性を達成でき、かつ/またはバスシステムへの接続を可能にすることができる。必要であれば、幾つかの細長い構造(ストリップ)も各々の隣におよび/または各々の上に(第2のレーダモジュールがそれに応じてそこに配置されて)配置できる。
【0031】
好ましくは、レーダモジュールは、(近傍の)仮想アレイの対応する(仮想)要素が重なる(すなわち特に同じ領域にまたは同じ場所に配置される)というように配置される。このように、偏差、例えば設置誤差を、好ましくは最初におよび/または動作中に推定および/または補正できる。必要であれば、重なる要素の位相オフセットが少なくとも本質的に同じであることを(遠方場において)想定できる。例えば設置誤差および/または運転中の膨張により、偏差が発生する場合、この偏差は推定および/または補正できる。
【0032】
DE102017110063A1に記載されている方法(「方法I」または「方法II」と称される)に代替的にまたは加えて、基本的に非コヒーレントレーダモジュールのコヒーレント動作またはコヒーレント処理を、重なる要素に基づく(または用いた)位相補正を用いて達成できる。
【0033】
1つの実施形態に係るセットアップにおいて、例えば、少なくともまたは厳密に1つの送信および、例えば少なくとも4つもしくは厳密に4つまたは少なくとも8つもしくは厳密に8つの受信チャネルを持つより大きいレーダモジュール(例えば通常のACCレーダ、ACC=適応走行制御)を設けることができる。それの他に、例えば厳密に1つの送受信チャネルを持つ、更なる(比較的小さいまたは第2の)レーダモジュールを使用できる。原則として、送受信チャネルの分割の他に物体上の比較的小さいレーダモジュールおよび比較的大きいレーダモジュールの配置は、自由にまたはそれぞれの用途の要件に従って選ぶことができる。
【0034】
少なくとも1つまたは幾つかまたは全ての第2のレーダモジュールが、(好ましくは少なくとも1つまたは幾つかまたは全ての第1のレーダモジュールと対照的に)1つだけの送信アンテナおよび/もしくは1つだけの受信アンテナならびに/または1つだけの送受信アンテナを有してよい。これによって、第2のレーダモジュールは、比較的小構造に形成できる。
【0035】
送信および/または受信信号の評価のための少なくとも1つの評価装置を設けることができ、好ましくは修正された測定信号が互いとコヒーレントであるというようにレーダモジュールの送受信信号を修正された測定信号へ処理するように構成される。そのような処理は、例えば、DE102017110063A1に記載されている方法の1つもしくは複数(特に方法Iおよび/もしくは方法II)に従ってかつ/または(特に重なる仮想要素の場合)本システムによって形成される2つの仮想レーダアレイによって、行うことができる。
【0036】
レーダモジュールの少なくとも2つ(例えば、第1のレーダモジュールの2つならびに/または第2のレーダモジュールの2つならびに/または少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2のレーダモジュール)が通信チャネル、特にバスシステムを介して相互接続されてよい。これは、好ましくは(特に幾つかの第2のレーダモジュールの接続の場合)ストリップおよび/またはスラットおよび/またはグリッドを介して行うことができる。
【0037】
更に進んだ、場合により独立もする着想によれば、少なくとも1つの(場合により幾つかまたは全ての)第2のレーダモジュールを、特に薄い、ストリップおよび/またはスラットに配置できる。代替的または追加的に、少なくとも1つのレーダモジュール、特に少なくとも1つの第2および/または少なくとももしくは厳密に1つの第1のレーダモジュール(代替例では、しかしながら、第1は無し)を、空気取入口の領域に(例えば自動車両の前面領域に)ならびに/またはグリッドの領域に、特に空気取入口に対しておよび/もしくはナンバープレート取付領域の下にもしくはナンバープレートの下にならびに/あるいは移動物体の領域に配置できる。移動物体の下部領域のもとで、好ましくは、物体の(最大)高さの最大で50%にわたって、場合によりこの高さの30%にわたって延びる移動物体の区分が理解されるはずである。
【0038】
少なくとも1つの第1のレーダモジュールが少なくともまたは厳密に1つの送信アンテナおよび/あるいは少なくとも2つもしくは少なくとも4つもしくは少なくとも8つかつ/または多くとも100の受信アンテナを有してよい。
【0039】
実施形態において、少なくとも1つの第1のレーダモジュール(代替的には第1は無し)および/または少なくとも1つの第2のレーダモジュールが移動物体の中央に、好ましくは移動物体の中央に排他的に配置されてよい。幾つかの対応するレーダモジュールの場合には、これは、好ましくはレーダモジュールの少なくとも1つ、好ましくは部分群、場合により全てに当てはまる。
【0040】
移動物体の中央によって、好ましくは、それぞれの縁からそれぞれの他方の縁の方向に幅の10%まで、任意選択で25%まで延びる領域を除いて、移動物体の全幅にわたって延びる領域が理解されるはずである。
【0041】
代替的または追加的に、少なくとも2つまたは厳密に2つの第1のレーダモジュール間に少なくとも1つの第2のレーダモジュールが配置されてよい(該当する場合、これは幾つかまたは全ての第2のレーダモジュールに当てはまる)。
【0042】
代替的または追加的に、少なくとも1つ、場合により幾つかまたは全ての第2のレーダモジュールが、2つの第1のレーダモジュールが互いに有するより小さな少なくとも2つの第1のレーダモジュールへの距離を有してよい。
【0043】
第1のレーダモジュールの少なくとも1つまたは幾つかまたは全てが任意選択で(移動物体の幅に関して)縁領域に配置されてよく、縁領域は、好ましくは移動物体(自動車両)の中央に属しない領域である。
【0044】
全体として、少なくとももしくは厳密に1つまたは少なくとももしくは厳密に4つまたは少なくとももしくは厳密に8つまたは少なくとももしくは厳密に16または少なくとも100かつ/あるいは多くとも10000、場合により多くとも500の第2のレーダモジュールが設けられてよい。
【0045】
第2のレーダモジュールは、例えば、代替的または追加的にAピラーにおよび/またはそれに沿って配置されてもよい。
【0046】
実施形態によれば、レーダモジュールの1つにおいて第1の信号が発生されて、経路を介して送信され、特に放射され、レーダモジュールの更なる1つにおいて更なる第1の信号が発生されて、経路を介して送信され、特に放射され、評価装置において、特に1つのレーダモジュールにおいて、1つのレーダモジュールの第1の信号からおよび経路を介して更なるレーダモジュールから受信されるそのような第1の信号から第1の比較信号が形成され、そして評価装置において、特に更なるレーダモジュールにおいて、更なるレーダモジュールの第1の信号からおよび経路を介して第1のレーダモジュールから受信されるそのような第1の信号から更なる比較信号が形成され、更なる比較信号が、好ましくは更なるレーダモジュールから1つのレーダモジュールに送信され、特に通信されることが提案される。
【0047】
更なる実施形態によれば、本システム、特に評価装置が第1の比較信号および更なる比較信号からの比較比較信号の形成のために構成されることが提案される。
【0048】
好適な実施形態によれば、本システム、特に評価装置が、第1のステップで、レーダモジュールにおける系統的偏差によって生じる比較信号の偏差を補償するように、そして第2のステップで、2つの比較信号の第1からのまたはこの第1の比較信号から導出された信号からの少なくとも1つの複素数値を使用して、2つの比較信号の第2の少なくとも1つの複素数値またはこの第2の比較信号から導出された信号の値を適合させ、そのため適合信号を形成するように構成され、適合が、数学演算によって複素数値のベクトル和もしくは差が形成されるまたは複素数値の位相の和もしくは差が形成されるというように行われることが提案される。
【0049】
代替の実施形態によれば、2つの比較信号が互いと処理され-特に乗算された共役複素数-という点で、比較比較信号がコヒーレントレーダシステムで発生される比較信号に相当することが提案される。
【0050】
代替的または追加的に、本システム(特に評価装置)は、好ましくは位相補正を介して、更に好ましくは少なくとも2つの仮想レーダアレイの重なる要素を基にして、コヒーレント処理を可能にするように構成されてよい。
【0051】
少なくとも2つの仮想レーダアレイが形成されてよい。各仮想レーダアレイは、それぞれの他方の仮想レーダアレイの少なくとも1つの(特に外側)要素と重なる少なくとも1つの(特に外側)要素を有してよい。
【0052】
原則として、本システム、特に評価装置は、オンライン校正を行うように構成されてよい。
【0053】
実施形態において、本システム、特に評価装置は、SAR用途および/または結像法のために構成されてよい。好ましくは、本システムは、FMCWレーダとして構成される。代替的または追加的に、本システムは、OFDMレーダとして構成されてよい。
【0054】
評価装置または評価ユニットは、好ましくは、少なくとも1つの第1のレーダモジュールによって送信されて少なくとも1つの第2のレーダモジュールによって受信される信号および/または少なくとも1つの第2のレーダモジュールによって送信されて少なくとも1つの第1のレーダモジュールによって受信される信号を評価または表示(もしくは出力)するように構成され、かつそれらを結合することが可能である。2つの第1のレーダモジュールおよび、全体で一群の第2のレーダモジュールを形成する、複数の(少なくとも4つの)第2のレーダモジュールを備える具体的な実施形態において、評価ユニットは、例えば、2つの第1のレーダモジュールおよび一群の第2のレーダモジュールによって(それぞれの他方のレーダモジュールまたはレーダ群から)受信される全ての信号を(場合によりそれ自体の反射信号も)評価するように構成できる。
【0055】
上述の目的は、上の種類のシステムを備える、可動物体、特に車両、好ましくは自動車両、更に好ましくは自動車および/または搬送装置、特にクレーンまたはクレーンの一部などによって更に解決される。
【0056】
上述の目的は、(好ましくは移動または可動)物体、特に車両および/または搬送装置、特にクレーンまたはクレーンの一部などの周囲の検出のための方法によって、特に上のシステムおよび/または上の(可動)物体を利用することによって更に解決され、(特に場合により移動物体上および/または内で)少なくとも2つ(好ましくは相互に非コヒーレントなレーダモジュール)が分散されて配置されるまたはされることになり、少なくとも1つの第1のレーダモジュールは、少なくとも1つの第2のレーダモジュールと異なって構成され、好ましくは少なくとも1つの第2のレーダモジュールより大きくかつ/または多くの受信および/もしくは多くの送信アンテナを有する。
【0057】
レーダモジュールの送受信信号は、好ましくは修正された測定信号が互いとコヒーレントであるように修正された測定信号に処理できる。
【0058】
好ましくは、本方法は、
レーダモジュールにおいて、第1の信号が発生されて、経路を介して送信され、特に放射され、
更なるレーダモジュールにおいて、更なる第1の信号が発生されて、経路を介して送信され、特に放射され、
1つのレーダモジュールの第1の信号からおよび経路を介して更なるレーダモジュールによって受信されるそのような第1の信号から第1の比較信号が形成され、そして
更なるレーダモジュールの第1の信号からおよび経路を介して1つのレーダモジュールから受信されるそのような第1の信号から更なる比較信号が形成され、
更なる比較信号が、好ましくは更なるレーダモジュールから1つのレーダモジュール(および/または、車両の任意選択で中心プロセッサなどの、任意選択で中央、評価ユニット)に送信され、特に通信され、ならびに/あるいは
好ましくは第1の比較信号および更なる比較信号から比較比較信号が形成され、ならびに/または第1のステップで送受信ユニットにおける系統的偏差によって生じる、比較信号の偏差が補償され、そして第2のステップで2つの比較信号の第1からのもしくはこの第1の比較信号から導出された信号からの少なくとも1つの複素数値が使用されて、2つの比較信号の第2の少なくとも1つの複素数値もしくはこの第2の比較信号から導出された信号の値を適合させ、そのため適合信号を形成し、適合が、数学演算によって複素数値のベクトル和もしくは差が形成されるまたは複素数値の位相の和もしくは差が形成されるというように行われる、という点で更に形成される。
【0059】
上述の目的は、移動物体、特に車両および/または搬送装置、特にクレーンまたはクレーンの一部などの周囲の検出のための、特に、距離および/もしくは角度位置および/もしくは(ベクトル)(相対)速度および/もしくは(ベクトル)(相対)加速度を推定するための、好ましくは決定するための、かつ/または周囲構造の画像を生成するための、上のシステムおよび/または上の可動物体および/または上の方法の使用によって更に解決される。
【0060】
図の助けにより実行例がより詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】概略正面図で本開示に係る自動車両を示す図である。
図2】レーダアレイ構成の概略図である。
図3図2のアレイ構成に係る仮想レーダアレイの概略図である。
図4】種々のレーダ信号の図(方位角)である。
図5】種々のレーダ信号のための図(方位角)である。
図6】代替のアレイ構成を示す図である。
図7図6に係るアレイ構成の仮想アレイを示す図である。
図8】レーダ信号のための図(仰角および方位角)である。
図9】レーダ信号のための図(仰角および方位角)である。
図10】冗長要素を持つ仮想レーダアレイの表現である。
図11】冗長要素を持つ仮想レーダアレイの表現である。
図12.1】対応する仮想アレイを含む代替のアレイ構成を示す図である。
図12.2】対応する仮想アレイを含む代替のアレイ構成を示す図である。
図12.3】レーダ評価の図(仰角および方位角)である。
図13】第2のレーダモジュールの配置の概略図である。
図14】第1のレーダモジュールの概略図である。
図15】概略図で本開示に係るレーダシステムを持つ自動車両を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、正面からの概略図で本開示に係る自動車両9を図示する。
【0063】
自動車両9は、(正面領域に)1つの第1または幾つかの第1のレーダモジュール12の他に複数の第2のレーダモジュール13を有する。具体的には、3つの第1のレーダモジュール12が図示される(その1つが破線で示される)。好ましくは、しかしながら、(図示されるレーダモジュールの中の)2つの外側のレーダモジュール12だけが設けられる。代替的に、中央の(破線で描かれる)第1のレーダモジュール12だけが設けられてよい。更なる実施形態において、全ての3つの(図示される)レーダモジュール12も設けられてよい。
【0064】
第1のレーダモジュール12に加えて、車両は、複数の第2のレーダモジュール13も有し、好ましくは(任意選択で)ここでは外側の第1のレーダモジュール12間に(または第1のレーダモジュール12間にある領域に)配置される。第2のレーダモジュールは、少なくとも部分的に(少なくとも1列の第2のレーダモジュールに関して図中に示される)(外側の)第1のレーダモジュール12を接続する線上にあってよい。しかしながら、これが事実である必要はない。
【0065】
具体的には(任意選択で)、第2のレーダモジュール13は、図1によれば2列に配置される。例えば、これらの列は、(例えばプラスチックの)ストリップによって(各々)形成できる。第2のレーダモジュール13は、ここでは好ましくは自動車両9の空気取入口領域14に位置する。
【0066】
図2は、(各々)方位角アレイとして設計され、互いに鏡面対称に配置または形成される2つの第1の(または大きい)レーダモジュール12a、12b(レーダ1およびレーダ2)を概略図で図示する。
【0067】
第1のレーダモジュール(レーダ1およびレーダ2とも称される)は、任意選択で各々送信アンテナTx1またはTx2および16の受信アンテナRx1またはRx2を有することができ、これらは互いから、例えば0.58λの距離を有する(最初の表現において全体として、以降の表現において区分して)。加えて、例えば16の第2の(小さい)レーダモジュール(TRX要素)が(レーダ1とレーダ2との間の)中央で、例えば15*0.58λの距離を有することができる。(ここでは例証的に16の)第2のレーダモジュールの各々は、(厳密に)1つの送信アンテナおよび(厳密に)1つの受信アンテナを有することができ、それぞれTx3およびRx3として示される。第2のレーダモジュールは、全体でレーダモジュール群または略して「レーダ3」とも称することができる。
【0068】
そのような配置により、部分的に重なる(仮想)要素を持つ仮想アレイが生じる。
【0069】
仮想(全)アレイが図3に図示される(上:完全;更なる図面:部分的)。更には、図3中、どの位置が(仮想的に)設定されるかが図示され、それによって「1->1」は、例えば、これがレーダモジュール1単独に関する動作であることを意味すると意図される(それは、したがってレーダモジュール1によって送信されてそれに応じて受信される信号の問題である)。ここでは「1」は、したがって「レーダモジュール1」または(2つの)第1のレーダモジュールの1つを表す。対応して、「2」はレーダモジュール2(レーダ2)を表し、その結果、例えば、1->2は、それがここではレーダ1によって送信されてレーダ2によって受信される信号の問題であることを意味する。数字「3」は、例えば図2によれば、一群の第2のレーダモジュール(TRX要素)を再び表す。
【0070】
対応するレーダモジュールまたは一群の第2のレーダモジュールに至る(ここでシミュレートされる)信号が図4に図示される。見て取れるように、例えば、第1のレーダモジュールの1つ(例えばレーダ1)は、図4の左上の図によれば比較的低分解能または比較的広メインローブを有する。図4中の右上における図は、比較的顕著なサイドローブを再び示す。この図は、その状況を一群の第2のレーダモジュール(TRX要素)に対して存在するとして表す。
【0071】
右中および右下における図は、次いで本開示に係る配置の結果を示し、一群の第2のレーダモジュールの他にそれぞれの第1のレーダモジュール(それぞれの受信モジュールとして)もそれに応じて寄与する。
【0072】
図5において、個々のレーダモジュールがどのように互いと相互作用できるかまたはどの(場合により合成)信号が生じることができるかが図示される。図5左上において、レーダ1の他にレーダ2も(それぞれ)送受信するときに生じるとして(合成)信号が図示される。これは「局1+2」として示される。対応して、図5右上における「局1+3」は、ここではレーダ1の他にレーダモジュール群「3」が(それぞれ)送受信することを意味する。ケース1→1ではイメージングがレーダ1のアンテナアレイに、ケース2→2ではレーダ2のアンテナアレイに基づくことができる。ケース1+2ではレーダ1および2の全てのアンテナがイメージングに寄付する。この結果、右側および左側に比較的多くのアンテナを有する全体アレイになるが、しかしながら、中央では、比較的大きい「ギャップ」があり、その結果アレイが比較的「疎」である(疎に占められる)。図5中の(この例の左上における)図は、次いで、例えば角度推定アルゴリズム(例えば遅延和ビームフォーマ)によって生成できる。
【0073】
それに応じて、図5左中における「局2+3」は、レーダ2およびレーダモジュール群「3」が(それぞれ)送受信することを意味する。図5右中において、「局1+2+3」は、レーダモジュール1および2の他にレーダモジュール群3が送信の他に受信もすることを意味する(合成受信信号が図示される)。
【0074】
図5左下において、再び、レーダ1および2の他にレーダモジュール群(レーダ3)が送信しているが、レーダモジュール1および2だけが受信しているケースが示される(「1+2 RX」で標記される)。
【0075】
基本的に、左上における図の分解能がその他の4つの図(または対応する組合せ可能性)のそれより良好でないことを図5に見て取ることができる。特に図5左下(「局1+2 RX」)における約0.6度でほんの僅かに認識可能なサイドローブを考慮すれば、分解能は、図「局1+2+3」に関して特に高い。
【0076】
図6は、各々2Dアレイ(方位角および仰角分解能のため)として設計される、2つの第1の(大きい)レーダモジュールを概略的に示す。ここでは、また、第1のレーダモジュールは、互いに対応するまたは互いに対してミラー化される。この例では、第1のレーダモジュールは、一般に、例えば0.58λ距離の複数のRX要素(方位角の他に仰角方向にも配置される)を備えてよい。更に、例証的に16の(1つまたは複数の)TRX要素(レーダモジュール群3を全体として形成する)が9*0.58λ距離で(個々の仮想要素が重なるように)、例えば中央で形成されてよい。
【0077】
図6において、受信アンテナは、Rx1、Tx1、Rx2、Tx2、Rx3、Tx3として示される(「1」は図6において左のレーダ1を、「2」は図6において右のレーダ2を、そして「3」は、TRX要素とも呼ばれる、中間の群のレーダモジュールを表す)。
【0078】
対応する仮想アレイが図7に図示される。
【0079】
改善された分解能を達成する可能性を図8から導出できる。様々な組合せの可能性が図9に示される。
【0080】
図6および図7の更なる発展として、追加のTRX要素も、例えばAピラーに種々の高さで配置できる。
【0081】
第1のレーダモジュール(図7における左右)における場合により冗長な要素のグリッドが有利であり、図8右上の他に右中を参照されたい。
【0082】
分解能は、方位角方向に約0.8度および仰角方向に12度であることができる(図8右上および右中を参照のこと)。
【0083】
送信または受信アンテナの割当ては、場合により交換可能である(それによって比較的高い数の受信アンテナまたは受信チャネルが有利と考えられる)。
【0084】
図8から逸脱して、2つのレーダモジュール1、2の1つを不要とすることもできる。
【0085】
一般に、冗長要素は、両次元(方位角または仰角)に実現できる。
【0086】
実施形態で達成できる利点は、例えば、それぞれのレーダシステムがモジュラ方式で(例えば特に薄い、ストリップの形態で)拡張できるという事実にある。必要であれば、中央においてまたは空気取入口の領域において比較的大きいレーダモジュールを不要とすることができ、妨害されない空気の流入を可能にする。
【0087】
それぞれの仮想アレイにおいて場合により重なる要素は、設置位置の補正のために使用できる。
【0088】
異なるレーダ種類の様々な組合せが可能である。
【0089】
多重化は、比較的小さい周波数および/または時間オフセットを使用して行うのが比較的容易である。
【0090】
図10および図11の助けにより、本開示の実施形態の更なる構成可能性または特性が記載される。
【0091】
実施形態によれば、1つの可能な構成は、少なくとも1つの比較的大きい仮想ULA(等間隔線状アレイ)またはURA(等間隔矩形アレイ)が作成され、好ましくは車両の中央領域に比較的少ない要素(レーダモジュール)が設置されればよいという目標を目指す。適切な再構成法と組み合わせて疎な(疎に占められる)アレイも考え得る。「L配置」を、必要であれば、外側の「|」および内側の「_」へ構造化でき(更に好ましくは少なくとも1つの共通要素を有し)、それによって、必要であれば、比較的大きい(または第1の)レーダモジュールを、特にURAの形態で、中間に配置できる。
【0092】
場合により共通要素で位相補正を行うことができる。それぞれの仮想アレイにおける冗長要素が、中間レーダモジュール(要素)の設置位置の変動または変化の追加の補正を可能にすることができる(それによって位相補正も好ましくはこれによって可能にされ、それによって設置を必要であればTRX要素なしで実施でき、それによって近接場において補正を追加的に実施できる)。
【0093】
第2のレーダモジュールは、好ましくは(例えばトラクト、トリガおよびADCデータのための共通バスで)ストリップ上に配置される。次いでより大量のデータが特に第1のレーダモジュールに蓄積し、それによってそこでまたは更なる評価ユニットにおいて(必要であれば中央で)処理を行うことができる。
【0094】
図10は、冗長要素を(それぞれの方位角アレイで)示す。
【0095】
追加の要素は、共通チャネル(位相補正下)および重なるサブアレイ(設置位置の補正下)によって(代替的に共通要素なしでも)提供できる。
【0096】
図11は、要素を(方位角方向の他に仰角方向にも)示す。冗長(仮想)要素のグリッドを作成でき、両次元の補正(の他に、例えば、巡航フェーズ)のために使用できる。
【0097】
例えば、一例ではナンバープレートの下に、およそ60mm~110mmがレーダモジュールの設置のために使用できる。例えば、第1のレーダモジュールは、ナンバープレートの下に設置されてよい。しかしながら、2つの第1のレーダモジュール(左右外側)が設置される場合、それが好ましい。更なる実施形態において、対応する第1のレーダモジュールは、ナンバープレートの下の他に左右外側にも使用できる。
【0098】
更には、第2のレーダモジュールを配置するために、例えば(車両の正面の)空気取入口の領域に3つのストリップを活用できる。
【0099】
全体として、例えば、第1のレーダモジュールを中央にまたは(必要であれば、追加的に)2つの第1のレーダモジュールを左右外側に(単一または二重方位分解能で)配置できる。
【0100】
更には、第2のレーダモジュールを持つストリップまたは第2のレーダモジュールを持つ2つ以上のストリップを上下に(単一または二重仰角分解能で)配置できる。
【0101】
図12は、シミュレーションを図示する。仰角方向には、20mm開口だけがシミュレートされる(シミュレーションソフトウェアのメモリ制限による)。したがって、対応する値には、それぞれ1つまたは2つのストリップに対して、5.5または11を掛けなければならず、達成された分解能は、したがってこれらの値で割らなければならない。
【0102】
図13は、一群の第2のレーダモジュール(ここでは例証的または概略的に3つのレーダモジュール)13a~13cを概略的に図示する。これらは、各々送信アンテナの他に受信アンテナまたは送受信アンテナを有する。具体的には、第2のレーダモジュール13a~13cは、ストリップまたはレールLに配置される。第2のレーダモジュール13cは、再び拡大されて図示される(第2のレーダモジュール13aおよび13bは類似しているまたは同じに構築できる)。具体的には、(それぞれの)第2のレーダモジュール13a~13cは、ミキサM、アナログデジタル変換器ADCの他にデータを出力できる出力Aを備える。図13に係る実施形態において、第2のレーダモジュール13a~13cに共通の局部発振器LOが割り当てられる。代替的に、第2のレーダモジュールの各々は、それ自体の局部発振器を有することができる。
【0103】
図14は、第1のレーダモジュール12の可能な設計を概略的に図示する。これは、好ましくは、例えば複数の(例えば16の)受信アンテナおよび1つの(場合により1つだけの)送信アンテナを有するアンテナアレイAAを有する。更には、第1のレーダモジュールは、信号発生器を持つレーダチップRCを備え、これは次いでプロセッサまたはFPGAによって制御できる。レーダチップRCからFPGAにデータを送信できる。更には、図14に係る第1のレーダモジュールは、出力Aを介してデータを出力できる。最後に、図14に係るレーダモジュールは、発振器OSCを有する。
【0104】
図15は、自律車両110および実施形態に係るレーダ測定システム(レーダシステム)10を備えるシステム100を図示する。レーダ測定システム10は、少なくとも1つの第1のレーダアンテナ121(対応するレーダ信号を送信および/または受信する)を持つ少なくとも1つの第1のレーダモジュール12、ならびに少なくとも1つの第2のレーダアンテナ131(対応するレーダ信号を送信および/または受信する)を持つ少なくとも1つの第2のレーダモジュール13の他に、評価ユニット15を備える。
【0105】
システム100は、乗客入力装置および/もしくは出力装置120(乗客インタフェース)、車両コーディネータ130ならびに/または外部入力および/もしくは出力装置140(リモートエキスパートインタフェース、例えばコントロールセンタのため)を備えてよい。実施形態において、外部入力および/または出力装置140は、(車両の)外部の人および/または装置が自律車両110上のまたは内の設定を行うかつ/または修正するのを可能にしてよい。この外部の人/装置は、車両コーディネータ130と異なってよい。車両コーディネータ130は、サーバでよい。
【0106】
システム100は、自律車両110が車両乗客(例えば、乗客入力装置および/または出力装置120を用いて)ならびに/あるいは他の関与する人ならびに/または装置(例えば、車両コーディネータ130ならびに/または外部入力および/もしくは出力装置140を介して)によって修正および/または設定するパラメータに応じて運転行動を有することを可能にする。自律車両の運転行動は、(明示的な)入力もしくはフィードバックによって(例えば、最高速度もしくは相対快適レベルを特定する乗客によって)、黙示的な入力もしくはフィードバック(例えば、乗客の脈拍)によって、ならびに/または運転行動もしくは嗜好のための他の適切なデータおよび/もしくは通信手段によって予定または修正されてよい。
【0107】
自律車両110は、好ましくは完全自律自動車両(例えば車および/またはトラック)であるが、代替的または追加的に半自律または(他の)完全自律車両、例えば船舶(ボートおよび/または船)、(特に無人)航空機(飛行機および/またはヘリコプター)、無人自動車両(例えば車および/またはトラック)等でよい。追加的または代替的に、自律車両は、それが半自動状態と完全自動状態との間で切り替わるというように構成されてよく、自律車両は、(車両の状態に応じて)半自動車両の他に完全自動車両とも関連付けられてよい特性を有してよい。
【0108】
自律車両110は、好ましくは車載コンピュータ145を備える。
【0109】
評価ユニット15は、車両110内におよび/または上に少なくとも部分的に配置され、特に車載コンピュータ145に(少なくとも部分的に)統合され、かつ/または車載コンピュータ145に加えて計算ユニットに(少なくとも部分的に)統合されてよい。代替的または追加的に、評価ユニット15は、第1および/または第2のレーダモジュール12、13に(少なくとも部分的に)統合されてよい。評価ユニット15が車載コンピュータ145に加えて(少なくとも部分的に)設けられる場合、評価ユニット15から車載コンピュータ145におよび/またはその逆にデータを送信できるように、評価ユニット15は車載コンピュータ145と通信してよい。
【0110】
追加的または代替的に、評価ユニット15は、乗客入力装置および/もしくは出力装置120、車両コーディネータ130ならびに/または外部入力および/もしくは出力装置140と(少なくとも部分的に)統合されてよい。特に、そのような場合、レーダ測定システムは、乗客入力装置および/もしくは出力装置120、車両コーディネータ130ならびに/または外部入力および/もしくは出力装置140を有してよい。
【0111】
レーダモジュール12、13に加えて、自律車両110は、少なくとも1つの他のセンサ装置150(例えば、少なくとも1つのコンピュータビジョンシステム、少なくとも1つのライダ、少なくとも1つの車速センサ、少なくとも1つのGPS、少なくとも1つのカメラ等)を備えてよい。
【0112】
車載コンピュータ145は、自律車両110を制御するために構成されてよい。車載コンピュータ145は、少なくとも1つのセンサ装置150および/もしくは少なくとも1つの他のセンサ、特に少なくとも1つのレーダモジュール12、13によって提供もしくは形成されるセンサからのデータ、ならびに/または自律車両110の状況を決定する評価ユニット15からのデータを更に処理してよい。
【0113】
車両の状況および/またはプログラムされた命令に基づいて、車載コンピュータ145は、好ましくは自律車両110の運転行動を修正または制御できる。評価ユニット15および/または車載コンピュータ145は、好ましくは車両制御システムおよび少なくとも1つのセンサシステムとのI/O通信のために適合される(一般の)計算ユニットであるが、追加的または代替的に任意の適切な計算ユニット(コンピュータ)によって形成されてよい。車載コンピュータ145および/または評価ユニット15は、無線接続を介してインターネットに接続されてよい。代替的または追加的に、車載コンピュータ145および/または評価ユニット15は、任意の数の無線または有線通信システムに接続されてよい。
【0114】
例えば、任意の数の電気回路が、特に評価ユニット15および/もしくは車載コンピュータ145、乗客入力装置および/もしくは出力装置120、車両コーディネータ130ならびに/または外部入力および/もしくは出力装置140の一部として、対応する電子装置の回路基板に実装されてよい。回路基板は、(内部)電子システム、電子装置および他の(周辺)装置に対する接続の様々な部品を有してよい一般の回路基板(「回路基板」)でよい。具体的には、回路基板は、システムの他の部品が電気的(電子的)に通信し得る電気的接続を有してよい。任意の適切なプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、支持チップセット、コンピュータ可読(不揮発性)メモリ素子等)が(対応する処理要件、コンピュータ設計等に応じて)回路基板に結合されてよい。外部メモリ、追加センサ、オーディオビデオ再生のためのコントローラおよび周辺装置などの、他の部品が、ケーブルを介して、プラグインカードなどの、回路基板に接続され、または回路基板自体へ統合されてよい。
【0115】
様々な実施形態において、本明細書に記載される機能性は、その機能を可能にする構造で配置される1つまたは複数の構成可能な(例えば、プログラム可能な)要素により、乳化された形態で(ソフトウェアまたはファームウェアとして)実装されてよい。エミュレーションを提供するソフトウェアまたはファームウェアは、1つまたは複数のプロセッサが対応する機能(対応するプロセス)を行うのを可能にする命令を備える(不揮発性)コンピュータ可読記憶媒体上に設けられてよい。
【0116】
図示された実施形態の上の説明は、記載されたように厳密な実施形態に関して網羅的または限定的であるものではない。様々な実施形態または概念の具体的な実装例および例が例示目的で本明細書に記載されたが、当業者に明らかとなるように、逸脱する(均等な)修正が可能である。これらの修正は、上の詳細な説明または図を考慮してなされてよい。
【0117】
様々な実施形態が、連言形式で上記した実施形態の代替の実施形態(例えば、対応する「および」は「および/または」でよい)を含め、上記した実施形態の任意の適切な組合せを備えてよい。
【0118】
加えて、一部の実施形態は、実行されると、上記した実施形態のいずれかに係る働き(方法)に至る命令が記憶される1つまたは複数の物体(例えば、特に、不揮発性コンピュータ可読媒体)を備えてよい。加えて、一部の実施形態は、上記した実施形態の様々な動作を行うための任意の適当な手段を有する装置またはシステムを備えてよい。
【0119】
或る文脈では、本明細書に述べられる実施形態は、自動車システム、特に自律車両(好ましくは自律自動車)、(安全重視)工業用途および/または工業プロセス制御に適用可能でよい。
【0120】
更にまた、記載されたレーダシステムまたは記載されたレーダ測定システム(または一般の:波ベースの測定システム)の一部が、本明細書に記載される機能の他に方法を行う電子回路を備えてよい。一部の場合には、それぞれのシステムの1つまたは複数の部分が、本明細書に記載される機能の他に方法ステップを行うために具体的に構成されるプロセッサによって提供されてよい。例えば、プロセッサは、1つもしくは複数の特定用途向け部品を含んでよく、またはそれは、本明細書に記載される機能を実行するというように構成されるプログラム可能な論理ゲートを含んでよい。
【0121】
開示された対象は、空域監視におよび/または近接場イメージング(例えば、室内モニタリング、バイタルサイン検出)および/または鉄道レーダにおよび/またはトラックに(但し、トラック正面が本開示の文脈に特によく適していることが留意されるべきである)および/またはA、BもしくはCピラーへの統合に用途を有してよい。
【0122】
物理チャネルまたはアンテナ数の減少を達成できる(ハードウェア労力はソフトウェア労力になる)。等しく大きい(仮想)アレイの比較的単純な統合を可能とすることができる(例:ラジエータへの自動車レーダの統合)。アレイは、平面にされる必要はない。冗長を通じて自己校正が可能である。上に説明されるストリップは事前校正できる(工場渡し)。モジュラ原理による柔軟な設計が可能である(例:基本パッケージ:車の側面に2つのレーダ;プレミアムパッケージ:更なる分解能+機能性のために中間にストリップ)。車両、例えば乗用車において比較的良好な分解能を達成できる。本開示で達成可能なアレイサイズは、いかなる他の仕方でも(一貫して)実現可能でない(例えば、車によって提供される最大開口面積を使用できる)。
【0123】
この点で、個々におよび任意の組合せで上記した部分または機能、特に図に図示される詳細の全てが本開示に必須であると主張されることが留意されるべきである。その修正は当業者に明らかである。
【0124】
更には、可能な限り広い保護の範囲が求められることが指摘される。この点で、請求項に含まれる本開示も、特徴が更なる特徴で説明されることによって(これらの更なる特徴が必ずしも含まれるわけではなくとも)より精密にすることができる。それぞれの文脈における丸括弧および語「特に」が特徴の任意選択性を強調すると意図される(逆に、そのような識別なしで特徴が対応する文脈において必須であると考えられることを意味するとは意図されない)ことが明示的に指摘される。
【符号の説明】
【0125】
9 自動車両
10 レーダ測定システム
12、12a、12b 第1のレーダモジュール
13、13a~13c 第2のレーダモジュール
14 空気取入口
15 評価ユニット
100 システム
110 自律車両
120 乗客入力装置および/または出力装置
121 第1のレーダアンテナ
130 車両コーディネータ
131 第2のレーダアンテナ
140 外部入力および/または出力装置
145 車載コンピュータ
150 センサ装置
A 出力
AA アンテナアレイ
ADC アナログデジタル変換器
L レール
LO 局部発振器
M ミキサ
OSC 発振器
RC レーダチップ
Rx1、Rx2、Rx3 受信アンテナ
Tx1、Tx2、Tx3 送信アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12.1】
図12.2】
図12.3】
図13
図14
図15
【国際調査報告】