(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】呼吸器アレルギーの症状を緩和するための組成物及びキット
(51)【国際特許分類】
A61K 35/745 20150101AFI20240214BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240214BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240214BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20240214BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240214BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240214BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20240214BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20240214BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20240214BHJP
A61P 39/06 20060101ALI20240214BHJP
A61K 31/353 20060101ALI20240214BHJP
A61K 31/375 20060101ALI20240214BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20240214BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240214BHJP
A61K 36/73 20060101ALI20240214BHJP
A61K 36/82 20060101ALI20240214BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240214BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20240214BHJP
【FI】
A61K35/745
A61P11/00
A61P37/08
A61P11/02
A61P11/06
A61P27/02
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/18
A61P39/06
A61K31/353
A61K31/375
A61K36/185
A61P43/00 121
A61K36/73
A61K36/82
A23L33/105
A23L33/135
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547695
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2022053779
(87)【国際公開番号】W WO2022175306
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ブランチャード, カリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ランファン, フランシーヌ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンディン, ウルリーケ
(72)【発明者】
【氏名】シュラップ-オリヴィエ, ガエル マリー ロール
(72)【発明者】
【氏名】レイ, ジョイディープ
(72)【発明者】
【氏名】ホルヴォート, セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】バード, クリストフ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C086
4C087
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD25
4B018MD52
4B018MD59
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(57)【要約】
本発明は、呼吸器アレルギー、特に、アレルギー性鼻炎、チリダニアレルギー及び/又は喘息の予防に使用するための組成物に関する。本発明はまた、1つ以上の容器中に、少なくとも1種のポリフェノールと、少なくとも1種のビフィドバクテリウム・ロンガムとの組み合わせを備えるキットを提供する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体における呼吸器アレルギー症状及び/又は呼吸器アレルギー反応の治療及び/又は予防及び/又は緩和に使用するための、少なくとも1種のポリフェノール及び少なくとも1種のビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)を含む、組成物。
【請求項2】
前記呼吸器アレルギーが、アレルギー性鼻炎、チリダニアレルギー又は喘息からなる群から選択される、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
前記症状が、眼症状、くしゃみ、鼻づまり、喘息、倦怠感及び/又は疲労、不安、睡眠障害、気分障害、うつからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
前記組成物が、呼吸器アレルギーに関連した不安、気分変動/気分障害、及び/又はうつを更に低減させる、請求項1~3のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記組成物が、花粉シーズンの前及び最中に免疫系を更に支援する、請求項1~4のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記個体が、花粉アレルギーに罹患している人である、請求項1~5のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項7】
ビタミンC及び/又は他の抗酸化剤を更に含む、請求項1~6のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項8】
前記ビタミンCが、アセロラ抽出物からの天然供給源として提供される、請求項1~7のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項9】
前記ビフィドバクテリウム・ロンガムが、ATCC BAA-999である、請求項1~8のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項10】
前記ポリフェノールが、エピカテキンである、請求項1~9のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項11】
前記ポリフェノールが、植物抽出物又は濃縮物、好ましくはリンゴ、ココア又は茶からの抽出物又は濃縮物の形態で提供される、請求項1~10のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項12】
前記エピカテキンが、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1重量%、10重量%、20重量%又は40重量%のエピカテキンを含む組成物の形態で提供される、請求項1~11のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項13】
前記エピカテキンが、1日あたり25mg~10g、好ましくは1日あたり100mg~5g、更により好ましくは1日あたり300mg~1gの範囲内の量で前記個体へ投与される、請求項1~12のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項14】
食品製品、ペットフード製品、フード・サプリメント又は医薬製品の形態である、請求項1~13のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1種のビフィドバクテリウム及び前記少なくとも1種のポリフェノールが、1つ以上の予めパッケージ化された単位剤形で一緒に提供される、又は1つ以上の予めパッケージ化された単位剤形で別々に提供される、請求項1~14のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項16】
1つ以上の容器中に、少なくとも、請求項1~15のいずれかに記載の組成物を備える、キット。
【請求項17】
呼吸器アレルギー及び関連症状、特に花粉アレルギーの管理に使用するための、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記使用が、前記花粉シーズンに個体が備えることを更に助ける、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
前記少なくとも1種のポリフェノール及び前記少なくともB.ロンガムが、個別の一次パッケージ中に別々に包装され、次いで、各一次パッケージが、二次パッケージ中に、好ましくは互いに隣接して配置された複数の個別の区画を備えるカートンボックス中に収容される、請求項16~18のいずれかに記載のキット。
【請求項20】
前記二次パッケージが、ひと月の日数と同数の区画を備える、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記キットが、前記組成物に関連した情報、特に、QRコード又は同様の種類のコードとして印刷された情報を更に提供する、請求項17~20のいずれかに記載のキット。
【請求項22】
各区画が、QRコード又は同様の種類のコードとして印刷された情報を備え、前記情報が、区画ごとに異なり、かつ前記組成物の各個体の摂取に適合している、請求項21に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器アレルギー、特に、アレルギー性鼻炎、チリダニアレルギー及び/又は喘息の予防に使用するための組成物に関する。本発明はまた、1つ以上の容器中に、少なくとも1つのエピカテキンと、少なくとも1つのビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)との組み合わせを含むキットを提供する。
【0002】
[背景技術]
アレルギー性疾患の発生率は、先進国では劇的に増加しており、様々な要因(例えば、環境、遺伝、衛生、食事)がその発症に影響を及ぼすことが知られている。アレルギーは、食品アレルギーの発症に限定される、又は食品アレルギーの発症が続く、乳児期初期からの素因、例えばアトピー性湿疹を有する個体で始まり得る。アレルギー性鼻炎及び喘息などの呼吸器アレルギーは後天的に発症し、一連のアレルギーの発現が完成される。
【0003】
アレルギーの病態生理の理解における最近の進歩により、一連の複雑な免疫細胞相互作用を、アレルゲンに対する感作に影響を及ぼす(すなわち、予防する)ように又はアレルギーの発現及び症状の緩和を助けるように操作することができることが明らかになっている。
【0004】
呼吸器アレルギーに今日利用可能なコルチコステロイド及び抗ヒスタミン剤などの治療選択肢のほとんどは、異なるアレルギー症状を治療することを目的としている。これらの薬剤は、投与の用量、経路、及びスキームなどの数多くの因子について有効性の高さが証明されているものの、慢性使用に伴う副作用が存在する場合もある。
【0005】
アレルギー疾患の発症を予防するため、又はアレルギー疾患の症状を管理するための栄養介入は、薬物療法の有望な代替法であり、多数の前臨床及び臨床環境で評価されている。典型的には、プロバイオティクス細菌の保護効果(Kalliomaki et al.,Lancet.2001,357:1076-9.)、prebiotics(Arslanoglu et al.2008,J Nutr 138:1091-1095)及びポリ不飽和脂肪酸(Dunstan et al.2003,J Allergy Clin Immunol 112:1178-1184)が記録されている。
【0006】
食事性ポリフェノール及びポリフェノールが豊富な植物材料も、数多くの疾患モデルにおいて広範囲に研究されており、存在することで、酸化ストレスに起因する組織損傷の予防において重要な役割を果たす可能性があり、ひいては有望な抗アレルギー効果を有する可能性があることを示唆するデータが公開されている。更に、同出願人からの欧州特許第2747584号は、アレルギー性疾患及び/又はアレルギー性反応の症状の予防又は軽減に使用するためのエピカテキンに関する。
【0007】
また、プロバイオティクス株は、腸内微生物叢において重要な役割を果たし、ポジティブな健康効果に関連したことが記載されている。プロバイオティクス株は、良好な消化を促進し、免疫系をブーストし、腸のpHを制御する乳酸及び酢酸を生成することができる。様々なプロバイオティクス培養物又はプロバイオティクスの混合物の、アレルギー免疫系に対する効果が報告されており、例えば、欧州特許第185833号には、小麦粉のアルブミン及びグロブリンに起因するアレルギーのリスクを低下させることができるプロバイオティクスの混合物が記載されている。国際公開第2009/072889号には、チリダニアレルギーに罹患している対象の肺機能を改善するのに使用することができるビフィドバクテリウムが記載されている。
【0008】
B.ロンガムの特定の株はある程度の抗アレルギー効果を有すると記載されている。例えば、スギ花粉症に起因するアレルギー性鼻炎に罹患している患者は、花粉シーズンの前及び最中の数週間にわたるB.ロンガムBB536の摂取後にアレルギー症状の低減を示した(Xiao JZ et al.Effect of probiotic Bifidobacterium longum BB536 in relieving clinical symptoms and modulating plasma cytokine levels of Japanese cedar pollinosis during the pollen season.A randomized double-blind,placebo-controlled trial.J Investig Allergol Clin Immunol.2006;16(2):86-93.)。
【0009】
しかしながら、上述のようないくつかの不都合なく、及び/又は活性成分の既存の選択を補完するために、アレルギー性疾患又はアレルギー性反応の症状を予防及び低減するための新規かつ代替の化合物を見出すことが依然として必要とされている。特に、新規の溶液は長期間の摂取に際し有害な健康効果又は副作用を有するべきではなく、化合物は、理想的には、天然供給源から、かつ例えば、有効性のために十分に高い用量で毎日の食事の一部として個体が摂取することを実際的かつ実行可能にする量で、入手可能であるべきである。
【0010】
[発明の概要]
本発明の目的は、現在の技術水準を改善し、呼吸器アレルギー障害又は関連したアレルギー性反応の症状を予防及び/又は低減するための新規かつ代替的な解決策を提供することである。
【0011】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって達成される。従属請求項は、本発明の着想を更に展開させるものである。
【0012】
したがって、本発明は、第1の態様では、個体における呼吸器アレルギー症状及び/又は呼吸器アレルギー反応の治療及び/又は予防及び/又は緩和に使用するための、少なくとも1種のビフィドバクテリウム・ロンガム及び少なくとも1種のポリフェノールを提供する。
【0013】
第2の態様では、本発明は、1つ以上の容器中に、少なくとも1種のポリフェノールと、少なくとも1種のビフィドバクテリウム・ロンガムとの組み合わせを含むキットを提供する。
【0014】
本発明の1つの利点は、呼吸器アレルギー障害及び/又はアレルギー性反応の症状を早期に治療又は予防することを可能にすることである。
【0015】
本発明の別の利点は、眼症状、くしゃみ、睡眠障害を減少させ、それによって、アレルギー性鼻炎患者の生活の質を改善することである。
【0016】
このような障害に関連したうつ病症状を更に改善することもまた別の利点である。
【0017】
[発明を実施するための形態]
定義
以下、いくつかの定義を示す。しかしながら定義が以下の「実施形態」の項にある場合もあり、上記の見出し「定義」は、「実施形態」の項におけるそのような開示が定義ではないことを意味するものではない。
【0018】
本明細書に記載する全ての百分率は、別途記載のない限り、組成物の総重量によるものである。本明細書で使用するとき、「約」、「およそ」、及び「実質的に」は、数値のある範囲内、例えば、参照数字の-10%から+10%の範囲内、好ましくは参照数字の-5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照数字の-1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照数字の-0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項をサポートすると解釈されたい。例えば、1~10という開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートするものと解釈されたい。
【0019】
本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。したがって、例えば、「(a)代謝産物」又は「(the)代謝産物」への言及は、1つの代謝産物を含むが、2つ以上の代謝産物も含む。
【0020】
用語「含む/備える(comprise)」、「含む/備える(comprises)」、及び「含んでいる/備えている(comprising)」は、排他的なものではなく、他を包含し得るものとして解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈されるべきである。しかしながら、本明細書に開示されている組成物は、本明細書において具体的に開示されていない要素を含まない場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成要素「を本質的に含む/から本質的に構成される(consisting essentially of)」実施形態、及び特定されている構成要素「を含む/から構成される(consisting of)」実施形態の開示を含む。
【0021】
「X及び/又はY」という文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」若しくは「Y」又は「X及びY」と解釈されるべきである。同様に、「X又はYのうちの少なくとも1つ」は、「X」若しくは「Y」又は「X及びYの両方」と解釈されるべきである。
【0022】
本明細書において使用する場合、用語「例」及び「例えば~など(such as)」は、その後に用語の列挙が続くときは特に、単に例示的かつ説明的なものにすぎず、排他的又は包括的なものとみなされるべきではない。本明細書で使用するとき、「関連する(associated with)」及び「関係する(linked with)」は、同時に発生することを意味し、好ましくは、同じ基礎状態によって引き起こされることを意味し、最も好ましくは、特定された状態のうちの1つが、他の特定された状態によって引き起こされることを意味する。
【0023】
用語「食品」、「食品製品」、及び「食品組成物」は、ヒトなどの個体による摂取が意図され、かかる個体に対して少なくとも1種の栄養素を提供する、製品又は組成物を意味する。本明細書に記載されている多くの実施形態を含む本開示の組成物は、本明細書に開示されている要素、並びに本明細書に記載されている又は記載されていなくとも食生活において有用である任意の追加の又は任意選択の原材料、構成成分又は要素を含んでよい、それらから構成されてよい、又は本質的に含んでもよい。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「治療する」及び「治療」とは、ある状態を有する対象に対して、その状態に関連する少なくとも1つの症状を減弱、低減若しくは改善することを目的として、並びに/又はその状態の進行を遅延、低減若しくは阻止することを目的として、本明細書に開示される組成物を投与することを意味する。用語「処置/治療」及び「処置/治療する」には、抑止的又は予防的治療(標的とする病的状態又は障害を予防する及び/又は発症若しくは進行を遅らせる治療)と、治癒的、治療的、又は疾患修飾的治療との両方が含まれ、例えば、診断された病的状態又は障害の治癒、遅延、症状の軽減、及び/又は進行の停止のための治療的手段、並びに、罹患する危険性がある患者、又は罹患した疑いがある患者、及び体調不良の患者、又は疾患若しくは医学的状態に罹患していると診断された患者の治療が含まれる。用語「処置/治療」及び「処置/治療する」は、対象が全快するまで治療することを必ずしも意味するものではない。「処置/治療」及び「処置/治療する」という用語はまた、疾患に罹患してはいないが不健康な状態を招きやすい可能性のある個体の健康を維持及び/又は促進することも指す。用語「処置/治療」及び「処置/治療する」はまた、1つ以上の主たる予防手段又は治療手段の相乗作用、又はそうでない場合強化を含むことも目的としている。非限定的な例として、処置/治療は、患者、介護者、医師、看護師、又は別の医療専門家によって行うことができる。
【0025】
ヒトと動物の両方の治療が本開示の範囲内にある。好ましくは、少なくとも1種のポリフェノール及び少なくとも1種のビフィドバクテリウムを、治療有効量又は予防有効量を提供するサービング又は単位剤形で投与(oleuadministered)する。
【0026】
用語「予防する」及び「予防」とは、その状態の症状を何ら示していない対象に対して、その状態に関連する少なくとも1つの症状の発生を抑える又は予防するために本明細書に開示される組成物を投与することを意味する。更に、「予防」には、状態又は障害の危険性、発生率、及び/又は重症度の低減が含まれる。
【0027】
本明細書で使用するとき、「有効量」とは、個体における、欠乏を治療若しくは予防する、疾患若しくは医学的状態を治療若しくは予防する、又は、更に一般的には、個体に対して、症状を軽減する、疾患の進行を管理する、若しくは栄養学的、生理学的若しくは医学的利益を提供する量である。
【0028】
用語「ペット」とは、本開示により提供される組成物から恩恵を得られる、又はかかる組成物を堪能することのできる、任意の動物を意味する。例えば、ペットは、鳥類、ウシ科動物、イヌ科動物、ウマ科動物、ネコ科動物、ヤギ、オオカミ科動物、ネズミ、ヒツジ又はブタといった動物であってもよいが、ペットは任意の好適な動物であり得る。用語「コンパニオンアニマル」とは、イヌ又はネコを意味する。
【0029】
「経口栄養補助食品」とは、少なくとも1つの主要栄養素及び/又は少なくとも1つの微量栄養素を含む組成物であり、例えば、無菌液体、半固体又は粉末の形態であり、食品からの栄養摂取などの他の栄養摂取を補うことを意図している。市販のONS製品の非限定例としては、MERITENE(登録商標)、BOOST(登録商標)、NUTREN(登録商標)、及びSUSTAGEN(登録商標)が挙げられる。いくつかの実施形態では、ONSは、液体を更に添加せずとも摂取され得る、例えば、液量が組成物の1サービング分である、液体形態の飲料とすることができる。
【0030】
「キット」は、1つ以上の容器中で又は1つ以上の容器を伴って、キットの構成要素が、物理的に関連付けられ、そして、製造、配送、販売、又は使用のための1つのユニットとみなされることを意味している。容器としては、袋、箱、カートン、ボトル、任意の種類若しくは設計若しくは材料のパッケージ、上包装、シュリンク包装、添付された構成要素(例えば、ステープルで留められたもの、又は接着されたものなど)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
用語「アレルギー性鼻炎」とは、一般には花粉症又は枯草熱としてもまた知られており、本明細書では鼻気道のアレルギー性炎症を指し、鼻づまり及び鼻水、くしゃみ及びかゆみを特徴とする。充血した目及び涙目などの眼症状もまた発生し得る。このような症状は、花粉又はチリダニなどのアレルゲンが、感作された免疫系を有する個体によって吸入される場合に起こる。かかる個体では、アレルゲンが抗体免疫グロブリンE(IgE)の産生を誘導する。
【0032】
用語「喘息」とは、本明細書では、下気道の一般的な慢性炎症性疾患を指し、喘鳴、粘液産生及び肺機能障害を特徴とする。
【0033】
「植物ポリフェノール」は本発明の意味において、2個を超えるフェノール基を含むフェノールである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい一実施形態にかかる、二次パッケージが、各々が一次パッケージを収容するための、互いに隣接して配置された複数の個別の区画を備えるカートンボックスを示す。
【0035】
実施形態
本発明は、個体における呼吸器アレルギー症状及び/又は呼吸器アレルギー反応の治療及び/又は予防及び/又は緩和に使用するための、少なくとも1種のビフィドバクテリウム・ロンガム及び少なくとも1種のポリフェノールを含む、組成物に関係する。
【0036】
具体的なアレルギー性疾患の例は、アレルギー性鼻炎、チリダニアレルギー又は喘息であり得る。したがって、本発明の組成物は、アレルギー性疾患の治療又は予防に使用するためのものであってもよく、誘因となるアレルゲンは環境アレルゲンであり、好ましくは、チリダニ、花粉、カビ又はカビ胞子、雑草の花粉、樹木の花粉、牧草の花粉、ノミ、ペットの毛、羽毛、又はペットのふけのうち1つ以上から選択される。
【0037】
治療する対象は、好ましくは哺乳動物、好ましくはヒト又はコンパニオンアニマル(ペット)であり、好ましくは対象は、小児期、乳児期、青年期、又は成人期のヒト、イヌ、子イヌ、ネコ、又は子ネコである。好ましい実施形態では、個体は、花粉アレルギーに罹患している人である。
【0038】
組成物はあらゆる年齢の人間に投与することができる。しかしながら、有利には、患者への組成物の投与は、アレルギー及びその症状が現れ始めたらすぐに、すなわち多くの場合、人生の早い時期に開始する。したがって、好ましくは、人間とは、4ヶ月~6歳の幼児、又は18歳までの児童、又は成人である。
【0039】
代替的な実施形態では、組成物は、動物、好ましくはネコ又はイヌによる摂取が意図されるものである。ヒトの場合と同様に、アレルギー及びかかるアレルギー症状は、動物において、特に家畜化された動物及びペットとして飼われている動物において観察され得る。有利には、本発明は、飼い主がコンパニオンアニマルに提供することができる溶液を提供する。
【0040】
一実施形態では、組成物は、呼吸器アレルギーの症状を予防及び/又は緩和するのに有効である。かかる症状は、くしゃみ、鼻づまり、喘息、倦怠感(fatigue)又は疲労(tiredness)、不安、睡眠障害であり得る。呼吸器アレルギーに関連した症状はまた、気分変動/気分障害、不安及び/又はうつである。したがって、本組成物は、そのような関連障害に対して有益な効果を更に提供し得る。
【0041】
本発明による組成物は、特に花粉シーズンの前及び最中に免疫系を更に支援する。
【0042】
組成物
本発明による組成物は少なくとも1つのポリフェノールを含む。
【0043】
ポリフェノールとは、植物及び果実で一般的に見られる、抗酸化活性を有する小さな化合物からなる大きな群である。ポリフェノールには、フラボノイドという、共通した構造的特徴を有するサブグループがあり、フラボノイドは、例えば、フラボノール、フラバノール、フラボン、及びフラバノンなどへと更にサブグループ化することができる。植物フェノールは植物抽出物に含まれ得る。したがって、本発明はまた、かかるポリフェノールを含有する植物抽出物を含む組成物に関する。リンゴはケルセチン及びフロリジン(phlorizidin)を含む様々なポリフェノールが豊富である。緑茶は、プロシアニジン、並びにカテキン及びエピカテキンの没食子酸誘導体を含む、様々なフラバノールが豊富である。
【0044】
組成物は、少なくとも1種の、少なくとも2種の、少なくとも3種の、又は少なくとも4種の異なるポリフェノールを含んでもよい。ポリフェノールの天然供給源の非限定的な例は、リンゴ、タイム、ザクロ、ベリー、コーヒー生豆、又はそれらの混合物であり得る。ポリフェノールは、水、又はエタノール若しくはエーテルのような有機溶媒を用いた抽出などの任意の既知の抽出技術によって、天然の植物供給源から抽出することができる。
【0045】
好ましい実施形態では、ポリフェノールは、エピカテキンである。エピカテキンが豊富な植物抽出物若しくは果実抽出物、又はエピカテキン若しくは単離エピカテキン若しくは合成エピカテキンそのものを添加した抽出物を使用することができる。エピカテキンの適度な使用からは、例えば強力なコルチコステロイド又は抗ヒスタミン活性に起因する望ましくない副作用は予想されない。更に、アレルギー症状を低減するのに有効でありながらも、摂取しやすい、植物抽出物又は果実抽出物を調製することができる。現在ではまた、例えば消費者による毎日の食事の一部として、1日あたりの妥当かつ実行可能な量で摂取することができる、適切な濃度の活性成分エピカテキンを含む抽出物を提供することも可能である。
【0046】
実施形態の1つでは、エピカテキンは、植物抽出物又は植物濃縮物の形態で提供される。これにより、エピカテキンを自然な状態及び環境で、しかし濃縮された状態で提供することが可能になる。これにより、エピカテキンは、天然由来のものであり、かつ消費者によって十分に認識及び理解されるだけでなく、必要な量の活性エピカテキンを消費者に提供する食品製品において提供することができる。更なる利点は、エピカテキンが、始めに例えば化学合成によって、精製された形態で生成される必要がなく、したがって、エピカテキンを消費者に提供するためのより経済的な解決策もまた提供することである。
【0047】
有利には、エピカテキンは、実質的なレベルのエピカテキンをもともと天然に含有しており、かつ消費者によく好まれる植物抽出物の形態で提供される。それにより、植物抽出物又は植物濃縮物は、好ましくは、リンゴ、ココア又は茶からの抽出物又は濃縮物であり得る。最も好ましい実施形態では、抽出物はリンゴ由来である。
【0048】
好ましい実施形態では、エピカテキンは、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1重量%のエピカテキンを含む組成物の形態で提供される。あるいは、エピカテキンは、少なくとも10重量%、例えば少なくとも20重量%又は40重量%を含む組成物の形態で提供される。それにより、もともと組成物中に天然に存在するエピカテキンを濃縮することによって、又は組成物に、例えばエピカテキンを豊富に含む植物抽出物を、若しくは合成エピカテキンを添加することによって、のいずれかにより、該組成物にエピカテキンを豊富に含ませることができる。有利には、得られた組成物は、例えば食品製品の一部である場合に、当該組成物の通常の実現可能な毎日の摂取に有効な量のエピカテキンを含む。あるいは、組成物は、通常の食事の一部としてではなく、サプリメントとして食事の間に摂取されてもよい。
【0049】
エピカテキンは、1日あたり25mg~10g、1日あたり50mg~10g、好ましくは1日あたり100mg~5g、更により好ましくは1日あたり300mg~1gの範囲内の量で人間へ投与される。これらの好ましい用量により、期待される健康上の利益をもたらすために該当する患者に1日あたりの十分なエピカテキンを提供することができるだけでなく、エピカテキンを患者に過量投与せずにすみ、生じ得る望ましくない作用又は毒性作用のリスクを予防することができる。
【0050】
組成物はまた、少なくとも1つのビフィドバクテリウム・ロンガム株を含有する。好ましい実施形態では、プロバイオティクス株はビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA-999である。B.ロンガムATCC BAA-999という用語は、かかる細菌、かかる細菌の一部、及び/又はかかる細菌による発酵を受けた増殖培地を含むことが意図される。ビフィドバクテリウム・ロンガムは、B.ロンガムNCC 2705 CNCM-I2618などの別の利用可能なB.ロンガム株であり得る。
【0051】
本発明の一実施形態では、組成物は、乾燥組成物1gあたり104~1012コロニー形成単位(CFU)を含む。この量は、単回用量によるもの、又は複数回用量によるものいずれであってもよい。組成物が乳児用フォーミュラである場合、乳児用フォーミュラ中のプロバイオティクスの量は、乳児用フォーミュラ1gあたり105CFU~108CFUであり得る。一実施形態では、組成物は、106~5×107CFU/gで、すなわち生理学的効果を有することが実証された用量で含む。
【0052】
プロバイオティクス株は、本発明の乾燥組成物又は湿潤組成物と一緒に混合することができる。治療又は個別の方法を適用して、組成物中のプロバイオティクスの安定性又は生存性を改善することができる。プロバイオティクスを組成物と混合した後、この混合物を、プロバイオティクスの生存率に顕著な影響を及ぼさない方法で処理することができる。別の実施形態では、プロバイオティクスは、混合前、混合中又は混合後に部分的又は完全に不活性化される。一実施形態では、プロバイオティクスは、本発明の組成物に使用する前に不活性化されており、及び/又は複製することができない。このような状態は、例えば、熱処理又は当該技術分野における他の公知の処理によって達成することができる。
【0053】
その他の原材料
組成物は、ビタミンC、抗酸化剤及び/又は他の生理活性原材料を更に含み得る。ビタミンCは、天然供給源として提供されてもよく、例えばアセロラ抽出物から提供されてもよい。毎日提供される量は個体の年齢によって異なる。成人の平均1日推奨量は75~90mgである。組成物は、1日摂取量の少なくとも15%、1日摂取量の最大120%を提供し得る。好ましくは、成人の平均1日推奨量は1日摂取量の15~100%を提供する。
【0054】
好ましい実施形態では、組成物は、B.ロンガムATCC BAA-999、リンゴ抽出物由来のエピカテキン及びビタミンCの混合物を含む。
【0055】
果実抽出物などの更なる原材料を組成物へ有利に添加することができる。このような果実の例は、クコの実、クワの実、オレンジであり得る。
【0056】
形式
本発明の使用のための組成物は、食品製品、フード・サプリメント又は医薬製品である組成物の形態で提供される。
【0057】
典型的には、組成物は、食品組成物、ペットフード組成物、ダイエタリー・サプリメント、ニュートラシューティカルズ、栄養フォーミュラ、ドリンク、及び/又は医療用組成物からなる群から選択されてもよい。本発明に適用可能な食品組成物の例は、ヨーグルト、ミルク、フレーバードミルク、アイスクリーム、レディ・トゥ・イートデザート、粉末であって例えばミルク又は水により再構成するもの、チョコレートミルクドリンク、麦芽飲料、レディ・トゥ・イート料理、ヒト用のインスタント料理若しくはドリンク、又はペット若しくは家畜用を意図した完全食若しくは食餌の一部に代表される食品組成物、である。したがって、一実施形態では、本発明による組成物は、ヒト、ペット又は家畜用、好ましくはヒト及びペット用を意図する食品製品である。好ましい実施形態では、組成物は、ヒト(乳児、小児、青年若しくは成人)若しくはコンパニオンアニマル(ペット)(好ましくはイヌ、子イヌ、ネコ、又は子ネコ)用を意図する、食品製品又はダイエタリー・サプリメントである。
【0058】
呼吸器アレルギーの症状を低減するための製品の具体的なニーズは臨床環境にあり得る。したがって、なお更なる実施形態では、食品製品は、経口栄養補給のためのヘルスケア食品製品、及び/又は経腸栄養補給のための栄養製品などの特別医療目的用食品である。本発明の更なる利点は、活性成分ポリフェノール(好ましくは、エピカテキン)を、比較的高い局所濃度かつ少量の医療用食品製品において提供することができ、したがってそのような必要がある患者に効果的に投与できることである。
【0059】
別の実施形態では、食品製品は、乳幼児用栄養補給組成物、フォローアップフォーミュラ、グローイングアップミルク、乳幼児用シリアル、又は乳児用食品製品からなる群から選択される。これらの製品は、乳児及び低年齢の小児におけるアレルギーの症状を予防又は軽減するという問題に対処しそれを解決するために特によく適している。
【0060】
更なる実施形態では、食品製品は、飲料製品、ヨーグルト製品、発酵乳、フルーツジュース、又はシリアルバーからなる群から選択することができる。これらの食品製品は、組成物を子供及び成人期のヒトに投与するためによく適している。食品製品は、ポリフェノール(好ましくは、エピカテキン)及びB.ロンガムを十分に豊富に含んでいてもよく、健康志向の機能性食品製品を消費者に提供するための信頼できるイメージ(image)を有してもよい。
【0061】
なお更なる実施形態では、食品製品は、ペットフード製品である。
【0062】
医薬製剤又は獣医用製剤は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、又は散剤の形態であってもよい。組成物は、常温保存可能な粉末であってもよい。低水分活性により、この保管安定性がもたらされ、プロバイオティクス微生物は、長期間の保管後であっても生菌のままであることが確保される。
【0063】
このような組成物は、有効量の活性成分を含む組成物の単回サービング若しくは用量であってよく、又は同時若しくは逐次投与のための別個の組成物であり得る。パッケージは1回分以上のサービング又は用量を収容し得る。
【0064】
組成物は、アレルギー性疾患の症状を少なくとも部分的に治療又は停止するのに十分な量で投与される。これを達成するのに十分な量が、「治療有効用量」として定義される。この目的のための有効量は、当業者に公知の多数の因子、例えば疾患の重症度並びに患者の体重及び全身状態に応じて異なる。
【0065】
予防用途において、本発明による組成物を、特定の疾患に罹患しやすい、又はそのリスクのある患者に、疾患を発症するリスクが少なくとも部分的に低減されるのに十分な量で投与する。このような量は、「予防有効用量」と定義される。ここでもまた、正確な量は、患者の健康状態及び体重などの患者に固有の数多くの因子に応じて変わる。一般に、エピカテキン及びB.ロンガムATCC BAA-999は、各々、治療有効用量及び/又は予防有効用量で投与される。
【0066】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1日1回投与される。花粉アレルギーの管理においては、組成物は、花粉シーズンの開始から少なくとも4週間前に経口投与することが好ましい。
【0067】
使用キット
1つ以上の容器中に、少なくとも1種のポリフェノールと、少なくとも1種のB.ロンガムとの組み合わせを備える、キット。
【0068】
キットの一実施形態では、1つ以上の容器は、少なくとも1つの第1の容器であって、少なくとも1つの第2の容器内に収容された少なくとも1種のB.ロンガム株とは別に、少なくとも1種のポリフェノールを収容する、第1の容器を含み、キットは、ポリフェノールをB.ロンガム株と混合して単位剤形にするための指示書を更に含む。
【0069】
好ましい実施形態では、ポリフェノールは、エピカテキンであり、好ましくはリンゴ抽出物の形態である。
【0070】
好ましい実施形態では、B.ロンガム株は、ATCC BA-999である。
【0071】
キットの一実施形態では、その組み合わせは、1つ以上の予めパッケージ化された単位剤形として一緒に提供されてもよく、例えば、各容器が予めパッケージ化された単位剤形を1つ収容するように、それぞれが乾燥粉末を収容する別個の容器として提供されてもよい。
【0072】
別の実施形態では、キットは、一緒に混合して本明細書に開示される組成物の1つ以上を形成するための、複数の組成物を含むことができる。例えば、キットは、互いに関係のある別々の容器中に2つ以上の乾燥粉末を収容することができ、この別々の粉末は各々、最終的な単位剤形の一部を含有する。このような実施形態の非限定的な例として、キットは、少なくとも1種のエピカテキンを収容する1つ以上の第1の容器を含むことができ、また、B.ロンガムを収容する1つ以上の第2の容器も含むことができる。第1の容器のうちの1つの内容物を第2の容器のうちの1つと混合して、組成物の単位剤形の少なくとも一部を形成することができる。
【0073】
好ましい実施形態では、組成物は、個別の一次パッケージ中に包装される。一次パッケージは、ブリスターパック、壊れやすい(rupturable)カプセル、フラスコ、ボトル、破壊可能なガラスアンプル、又は1用量の組成物を収容及び分配するための任意の他の同様のパッケージであり得る。1つ以上の好ましい実施形態では、一次パッケージは、可撓性材料で作られた個別の小袋である。この可撓性材料は、好ましくは、少なくとも6ヶ月、好ましくは少なくとも12ヶ月の有効期間を保証するように、酸素及び水分に対してバリア性である。この材料は、金属層の有無は関係なく、以下の材料:セルロース繊維、紙、厚紙、ポリオレフィン、生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせなどのリスト内で選択された、単層フィルム又は多層フィルムで作製することができる。材料が多層である場合、この材料は、接着剤層、プライマー、保護層、インクを更に含み得る。
【0074】
代替的な実施形態では、一次パッケージは、上述したもの以外の他の生理活性原材料、すなわち当技術分野で公知の任意の他の機能性原材料を収容してもよい。
【0075】
次いで、各一次パッケージは二次パッケージに収容される。好ましい一実施形態では、二次パッケージは、各々が一次パッケージを収容するための、
図1に示すような、互いに隣接して配置された複数の個別の区画を備えるカートンボックスである。各区画は、組成物の摂取時に消費者によって手動で開かれる壁(wall)によって閉じられる。壁は、好ましくは、当該壁を少なくとも部分的に切り離すためのプレカットを備える。より好ましい実施形態では、壁は、その3つの片を切り離し可能であり、プレカットに沿って切り離されたときに第4の片がヒンジとして機能してドア状パネルを形成する。これにより、パッケージ材料が二次パッケージの残りから完全に切り離されることが防がれ、したがって、パッケージ全体の適切な廃棄及びリサイクル性が保証される。
【0076】
別の実施形態では、組成物は、投与量に関してだけでなく、組成物中に存在する生理活性原材料に関してもまた、1つの区画ごとに異なっていてもよい。そのような生理活性原材料は、好ましくは上記のものであるが、代わりに任意の他の機能性原材料であってもよい。
【0077】
本発明の特に好ましい実施形態では、各区画は、組成物に関連した情報を備える。その情報は、好ましくは、QRコード又は同様の種類のコードとして印刷される。コードは、センシングデバイスによって、例としては、携帯型通信デバイスのカメラによって読み取らせるのに適したものであり、読み取り後にはリモートデータベースから検索された情報が表示され得る。この情報は、ある区画と別の区画とで同一であってもよいが、有利には、ある区画と別の区画とで異なっていてもよく、組成物の各個体の摂取に適合させられ得る。この情報(例えば、QRコード)は、好ましくは、消費者が1つの区画を開放して組成物を摂取するときに情報を送信することができるように、各区画の切り離し可能な壁の内面に印刷される。
【0078】
QRコードはまた、学習情報、ウェブサイト及びショップへのリンクを提供してもよい。いくつかの実施形態では、ウェブサイトは、フィードバックの共有を可能にする。
【0079】
本発明の非常に好ましい実施形態では、二次パッケージは、ひと月の日数と同数の区画を備える。区画の数は、1年間の使用時期に応じて、ある二次パッケージと別の二次パッケージとで異なり得る。この違いにより、消費者に各日1用量の組成物を摂取する手段を提供するだけでなく、消費者はひと月あたりの各日についても専用の情報から利益を得ることができる。これは、組成物の過少摂取又は過剰摂取を防止し、ひと月あたりの摂取の規則性を保証する(毎日の摂取をモニターする)のに特に有利である。
【0080】
当業者は、本明細書に開示される本発明の全ての特徴を自由に組み合わせることができることを理解するであろう。特に、本発明の異なる実施形態について記述されている特徴を組み合わせることができる。本発明の更なる利点及び特徴は、図面及び実施例から明らかである。
【0081】
実施例1:フード・サプリメント
組成物は、水で再構成される2スティックパックとして提供される。
【0082】
第1の8gスティックパックは、果実抽出物の混合物と共にエピカテキンを含む(表1参照)。第2のスティックパックは、マルトデキストリン粉末マトリックス(B.ロンガム株33%、マルトデキストリン67%)中のプロバイオティクス細菌株ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA-999のみを活性成分として含有する。B.ロンガム株は、7.25E10 CFU/g(合計0.75g)の量である。
【0083】
【0084】
100mLの水を加える前に両方のスティックパックを一緒に混合する。次いで、再構成した混合物は、個体によってすぐに摂取される。
【国際調査報告】