(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】視覚イベントの帯域幅削減及び通信のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240214BHJP
【FI】
G06Q50/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549085
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-09
(86)【国際出願番号】 US2022015564
(87)【国際公開番号】W WO2022173713
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523308476
【氏名又は名称】シップインシステム インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SHIPIN SYSTEM INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100119378
【氏名又は名称】栗原 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】ナスラフスキー,イラン
(72)【発明者】
【氏名】ペリー,オッシャー
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,モラン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル,デイヴィド ジェイ.
(57)【要約】
本発明は、データのキューイングと共に、帯域幅と保存データ量の削減を採用して、重要な及び/又は関連する船舶視覚情報を検出し、有用/優先度の高い情報を失うことなく、典型的な利用可能衛星リンクの利用可能な帯域幅内で船舶(又は他の遠隔車両/ロケーション)から陸上へ継続的に通信するシステム及び方法を提供する。このシステム及び方法は、陸上から船への遠隔構成及び管理を、同じ通信チャンネルを介して、しかし逆方向にサポートする。更に、このシステム及び方法は、船上活動、船上行動、及び船上ステータスへの継続的な視認性の論理的要約を容易にし、その結果として地上/陸上基地局の管理者/審査者/監査者は、地上のユーザーインターフェース/ダッシュボードを使用して、数時間/数日/数週間にわたる複数チャンネルのビデオを精査する必要なく、航行中の商業貨物船で最近発生したイベントに関係するそのような情報を一見して精査し、理解し、総合することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活動に関連する視覚イベントの保存と帯域幅削減のためのシステムであって、
活動の画像を取得する少なくとも1個のカメラ、画像を受信する少なくとも1台のプロセッサ、及び画像を処理するために少なくとも部分的にプロセッサ上で動作する視覚イベント検出プロセスを有する少なくとも1つの視覚イベント検出器と、
少なくとも1つの視覚イベント検出器からの視覚イベントを識別して、当該視覚イベントを保存するキューイングプロセスと、
保存された視覚イベントを、削減された帯域幅とキュー形式で遠隔地に送信するように適合された狭帯域幅通信チャンネルを可能にする通信プロセスと、
を含むシステム。
【請求項2】
視覚イベントが、船舶に関する船橋作業、荷役作業、保守作業、安全作業、並びに審査及びセキュリティのうちの少なくとも1つに関連する活動を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
視覚イベントは、1以上の画像内に所定の特性を識別し、その特性に基づいてステータスを決定する、ソフトウェアベース及びハードウェアベースのイベント検出器に基づく、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
視覚イベントは、ユーザー情報が導出されるデータプリミティブを提供し、当該データプリミティブは、統計、パターンマッチ、メトリクス、及び時間のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
保存された視覚イベントが、ユーザーが設定した優先順位に基づいて通信チャンネルを介して通信され、ここで、保存されている視覚イベントからより高い優先順位のイベントがキューにおいて最初に通信される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
更に、船橋作業、荷役作業、保守作業、安全作業、並びに審査及びセキュリティのうちの少なくとも1つの情報を、1以上の所定の提示形式で基地局に表示するユーザーインターフェースを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ユーザーインターフェースは、ユーザーが設定した優先順位を可能にする入力を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ユーザーインターフェースは、イベント検出器の構成パラメータの追加又は設定を可能にする入力を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザー情報は、ユーザーインターフェースに関連する複数の船舶に関するフリートレポート、船舶レポート、離散イベントの発生、及び複数の離散イベントを含む複合イベントの発生のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記情報は、1以上のビジュアルウィンドウ、アラート、及び数値データを含むダッシュボード形式で表示される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
基地局に配置され、移動又は静止している遠隔オブジェクトから通信チャンネルを介して視覚イベントを受信するユーザーインターフェースであって、
前記オブジェクトは、活動の画像を取得する少なくとも1個のカメラ、画像を受信する少なくとも1台のプロセッサ、及び画像を処理するために少なくとも部分的にプロセッサ上で動作する視覚イベント検出プロセスを有する少なくとも1つの視覚イベント検出器と、保存された視覚イベントをキュー形式で基地局に送信するように適合された通信チャンネルを可能にする通信プロセスと、を含み、
前記ユーザーインターフェースは、オブジェクトに関連する情報を表示するためのダッシュボードを含み、(a)通信チャンネルを介して通信される視覚イベントの優先順位、及び(b)視覚イベントに関連する特性の構成のうちの少なくとも1つの構成を可能にする、
ユーザーインターフェース。
【請求項12】
前記通信チャンネルは、帯域幅を削減した無線通信チャンネルである、請求項11に記載のユーザーインターフェース。
【請求項13】
前記オブジェクトは、外航船舶であり、前記視覚イベントは、船舶に関係する安全、保守、荷役作業、船橋作業、並びに審査及びセキュリティのうちの少なくとも1つに関連する、請求項12に記載のユーザーインターフェース。
【請求項14】
更に、船舶に関する構成、ステータス及び性能情報のうちの少なくとも1つを提供するユーザーインターフェース上のダッシュボードディスプレイを含む、請求項13記載のユーザーインターフェース。
【請求項15】
前記ユーザーインターフェース上のダッシュボードディスプレイは、船舶フリートの各船舶に関係する構成、ステータス、及び性能情報のうちの少なくとも1つを提供する、請求項14に記載のユーザーインターフェース。
【請求項16】
前記情報は、ラベル、ハイライト、コメント、及びこれらに視覚的に付加された注釈のうちの少なくとも1つを有する、表示されたセンサデータの1以上の形態を含む、請求項13に記載のユーザーインターフェース。
【請求項17】
前記情報は、1人以上のユーザー又は1隻以上の船舶の間に設けられたワークフローを含む、請求項13に記載のユーザーインターフェース。
【請求項18】
前記通信チャンネルは、制御データをユーザーインターフェースから1隻以上の船舶に送信し、当該制御データに関する船上の動作に関係するフィードバックを、ユーザーインターフェースを介して受信するように配置されている、請求項13に記載のユーザーインターフェース。
【請求項19】
活動に関連する視覚イベントの保存と帯域幅削減のための方法であって、
少なくとも1個のカメラで活動の画像を取得し、プロセッサで視覚イベント検出を実行するステップと、
少なくとも1つの視覚イベント検出器からの視覚イベントを識別して、当該視覚イベントを所定のパラメータに基づいてキューに保存するステップと、
保存された視覚イベントを削減された帯域幅とキュー形式で遠隔地に送信するように適合された狭帯域幅通信チャンネルを介して遠隔地と通信するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯域幅を削減した通信リンクを介して視覚的データ及び関連するイベントを通信するためのシステム及び方法、並びにそのようなデータ及びイベントを見て操作するためのユーザーインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
国際海運は世界経済の重要な一部である。外航商業貨物船は、港湾間及び国家間で事実上すべての商品と資材を運ぶために採用されている。貨物輸送に対する現在の方策は、船の甲板から積まれ及び積み下ろされ積み重ねた構成で運ばれる複合一貫輸送貨物コンテナを採用している。貨物はばら積み貨物船(穀物など)や液体タンカー(石油など)でも輸送される。貨物船の運航は危険を伴うことがあり、安全上の懸念は常に存在する。同様に、人間という貴重な貨物を積んだ旅客船も、運航の安全性や、乗組員及び乗客による規則や規制の遵守に貨物船以上ではないにせよ同じように懸念がある。船舶、乗組員、貨物の現在のステータスを知ることは、安全で効率的な運航を確保する上で大いに役立つ。
【0003】
商業活動及び/又は政府活動の多くの分野では、安全で規則に適合した運航を保証するために、目視監視(手動監視及び自動監視)及び他のステータスセンサが採用されている。しかしながらこれらの方策は、大量のデータを生成してローカル若しくは遠隔地に送信し、そこでそのようなデータが管理担当者によって保存及び/又は分析されることを伴う。しかしながら、ほとんどの陸上(即ち有線、ファイバー又は広帯域無線)通信リンクとは異なり、有用なデータ(例えば視覚情報)を船舶から陸上へ伝送することは、多くの場合にはるかに困難である。船舶の視認性を設けるためには生ビデオデータの10チャンネルが最低限必要な数であり、HDビデオチャンネル当たり5Mb/s、又は全体で50Mb/sのアップリンク速度が必要であると想定できる。逆に、典型的な船舶との衛星リンクはその1/200又は1/400のサイズで、256Kb/s又は128Kb/sしか送信しない。
【0004】
外航商業貨物船(貨物、漁業、工業、旅客)の船上活動、船上行動、及び船上ステータスの継続的な視認性を可能にするシステム及び方法を提供することが望ましい。更に、送信された視覚的データ及び関連するステータスは、ユーザーがそのような情報に基づいて操作、組織、及び行動することを支援するインターフェースを介してアクセス可能であることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、先行技術の短所を克服するために、データのキューイングと共に、帯域幅と保存データ量の削減を採用して、重要な及び/又は関連する船舶視覚情報を検出し、有用/優先度の高い情報を失うことなく、典型的な利用可能衛星リンクの利用可能な帯域幅内で船舶(又は他の遠隔車両/ロケーション)から陸上へ継続的に通信するシステム及び方法を提供する。このシステム及び方法は、陸上から船への遠隔構成及び管理を、同じ通信チャンネルを介して、しかし逆方向にサポートする。更に、このシステム及び方法は、船上活動、船上行動、及び船上ステータスへの継続的な視認性の論理的要約を容易にし、その結果として地上/陸上の管理者/審査者/監査者は、ダッシュボードで定義できる地上のコンピュータのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を使用して、数時間/数日/数週間にわたる(例えば)10チャンネル以上のビデオを精査する必要なく、航行中の商業貨物船で最近発生したイベントに関係する情報を一見して精査し、理解し、総合することができる。
【0006】
例示的な実施形態では、活動に関連する視覚イベントの保存と帯域幅削減のためのシステムと方法が設けられている。少なくとも1つの視覚イベント検出器が設けられており、活動の画像を取得する少なくとも1個のカメラを含むことができる。少なくとも1台のプロセッサが画像を受信して、視覚イベント検出プロセスが画像を処理するために少なくとも部分的にプロセッサ上で動作する。キューイングプロセスは、少なくとも1つの視覚イベント検出器からの視覚イベントを識別して、当該視覚イベントを保存する。通信プロセスは、保存された視覚イベントを、削減された帯域幅とキューイングされた形式で遠隔地に送信するように適合された低帯域幅通信チャンネルを可能にする。例示的に、視覚イベントは、船舶に関する船橋作業、荷役作業、保守作業、安全作業、並びに審査及びセキュリティのうちの少なくとも1つに関連する活動を含むことができる。視覚イベントは、1以上の画像内の所定の特性を識別し、これらの特性に基づいてステータスを決定する、ソフトウェアベース及びハードウェアベースのイベント検出器に基づくことができる。視覚イベントは、ユーザー情報が導出されるデータプリミティブを提供することができ、そのためこれらのデータプリミティブは、統計、パターンマッチ、メトリクス、及び時間のうちの少なくとも1つを含むことができる。保存された視覚イベントは、ユーザーが設定した優先順位に基づいて通信チャンネルを介して通信されることができ、保存されている視覚イベントからより高い優先順位のイベントがキューにおいて最初に通信される。ユーザーインターフェースは、船橋作業、荷役作業、保守作業、安全作業、並びに審査及びセキュリティのうちの少なくとも1つの情報を、1以上の所定の提示形式で基地局に表示することができる。ユーザーインターフェースは、ユーザーが優先順位を設定することを可能にする入力を含むことができる。ユーザーインターフェースは、イベント検出器の構成パラメータの追加又は設定を可能にする入力を含むことができる。ユーザー情報はまた、ユーザーインターフェースに関連する複数の船舶に関するフリートレポート、船舶レポート、離散イベントの発生、及び複数の離散イベントを含む複合イベントの発生のうちの少なくとも1つを含むことができる。情報は、1以上のビジュアルウィンドウ、アラート、及び数値データを含むダッシュボード形式で表示することができる。
【0007】
例示的な実施形態では、基地局に配置され、移動又は静止している遠隔オブジェクトから通信チャンネルを介して視覚イベントを受信するユーザーインターフェースが設けられており、このオブジェクトは、活動の画像を取得する少なくとも1個のカメラを有する少なくとも1つの視覚イベント検出器を含む。画像を受信する少なくとも1台のプロセッサが設けられており、視覚イベント検出プロセスは画像を処理するために少なくとも部分的にプロセッサ上で動作する。通信プロセスは、保存された視覚イベントをキュー形式で基地局に送信するように適合された通信チャンネルを可能にする。ユーザーインターフェースは、オブジェクトに関連する情報を表示するためのダッシュボードを含む。ユーザーインターフェースは、(a)通信チャンネルを介して通信される視覚イベントの優先順位、及び(b)視覚イベントに関連する特性の構成のうちの少なくとも1つの構成を可能にする。通信チャンネルは、帯域幅を削減した無線通信チャンネルであることができる。オブジェクトは外航船舶であり、上記の視覚イベントは、船舶に関係する安全、保守、荷役、船橋作業、並びに審査及びセキュリティのうちの少なくとも1つに関するものであり得る。ユーザーインターフェース上のダッシュボードディスプレイは、船舶に関係する構成、ステータス、及び性能情報のうちの少なくとも1つを提供することができる。ユーザーインターフェース上のダッシュボードディスプレイは、船舶フリートの各船舶に関係する構成、ステータス、及び性能情報のうちの少なくとも1つを提供することができる。例示的に、情報は、ラベル、ハイライト、コメント、及びこれらに視覚的に付加された注釈のうちの少なくとも1つを有する、表示されたセンサデータの1以上の形態を含む。インターフェースによって処理及び/又は表示される情報は、1人以上のユーザー又は1隻以上の船舶の間に設けられたワークフローを含むことができる。通信チャンネルは、制御データをユーザーインターフェースから1隻以上の船舶に送信し、この制御データに関する船上の動作に関係するフィードバックを、ユーザーインターフェースを介して受信するように配置することができる。
【0008】
例示的な実施形態では、活動に関連する視覚イベントの保存と帯域幅削減のための方法が設けられている。本方法は、少なくとも1個のカメラで活動の画像を取得し、プロセッサで視覚イベント検出を実行する。少なくとも1つの視覚イベント検出器からの視覚イベントが識別され、所定のパラメータに基づいてキューに保存される。遠隔地との通信は、保存された視覚イベントを削減された帯域幅とキュー形式で遠隔地に送信するように適合された低帯域幅通信チャンネルを介して行われる。
【0009】
以下の発明の説明は、添付の図面を参照する:
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】例示的な実施形態による、削減された帯域幅を典型的な特徴とする通信リンクに関して、視覚情報及びその他のセンサ情報を取得、送信、分析、及び報告するためのシステム及び関連する方法の概要を示す図である。
【0011】
【
図1A】
図1のシステム及び方法によって採用されるデータ及び動作を示すブロック図である。
【0012】
【
図1B】
図1のシステム及び方法による、予想されるイベント検出のための画像及び他のデータの取得を示す図である。;
【0013】
【
図2】
図1のシステム及び方法のプロセッサ及びプロセスによる視覚イベント及び関連付けられたデータの検出及び報告を示すフロー図である。
【0014】
【
図3】外航商業貨物船の船橋ルーチンの例における、
図1のシステム及び方法のプロセッサ及びプロセスを使用した視覚イベントの検出を示すフロー図である。
【0015】
【
図4】外航商業貨物船の人員(乗組員)による安全見回りの実施の例における、
図1のシステム及び方法のプロセッサ及びプロセスを使用した視覚イベントの検出を示すフロー図である。
【0016】
【
図5】外航商業貨物船における荷役に関する活動の実施の例における、
図1のシステム及び方法のプロセッサ及びプロセスを使用した視覚イベントの検出を示すフロー図である。
【0017】
【
図6】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を示す図であり、船舶フリートの活動及びステータスの例示的なダッシュボードを表す。
【0018】
【
図7】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、現在のステータス及び性能を含む船上活動の例示的なダッシュボードを表す。
【0019】
【
図8】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、現在のステータス及び性能を含む船上活動の他の例示的なダッシュボードを表す。
【0020】
【
図9】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、船上の荷役手順追跡のための例示的なダッシュボードを表す。
【0021】
【
図10】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、船舶の保守活動追跡のための例示的なダッシュボードを表す。
【0022】
【
図11】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、船上の船橋活動/行動追跡のための例示的なダッシュボードを表す。
【0023】
【
図12】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、船舶における安全ステータス及び手順追跡のための例示的なダッシュボードを表す。
【0024】
【
図13】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、船舶における荷役手順報告のための例示的なダッシュボードを表す。
【0025】
【
図14】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、船舶の保守活動報告のための例示的なダッシュボードを表す。
【0026】
【
図15】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、船上の船橋活動/行動報告のための例示的なダッシュボードを表す;
【0027】
【
図16】
図1のシステム及び方法におけるプロセッサ及び関連するプロセスによって表示される例示的なGUIを示す図であり、船上の安全ステータス及び手順報告のための例示的なダッシュボードを表す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
I.システムの概要
【0029】
図1及び
図1Aに示す配置構成100は、ビデオデータストリームを作成する船上の視覚センサによって生成された視覚イベント及びその他のイベントを追跡及び報告し、それらのビデオデータストリームに基づき船上のイベントを視覚的に検出し、それらの船上の視覚的検出を集計し、集計されたイベント検出に優先順位を付けてキューイングし、集計されたイベントと組み合わせてビデオデータストリームの帯域幅を削減し、低帯域幅通信チャンネルを介してイベントを陸上に送信し、イベントを陸上のユーザーインターフェースに報告し、複数の船舶及び複数の期間からのイベントを更に集計して、情報を経時的に提示できるフリート全体の集計にする。本明細書に記載されたシステム及び方法は更に、上述したシステムを構成及び設定する能力を提供して、ダッシュボードを見る人員の混乱を減らすために提示するイベントを選択し又は選択せず、また、最も重要なイベントがそれほど重要でないイベントを犠牲にして通信されるように、帯域幅縮小通信チャンネル上で特定のイベント又はイベントのクラスを通信するための優先順位を設定する。
【0030】
図1の配置構成100は、特に船上ロケーション110を表しており、これは複数の離散カメラ118(及び/又は他の適切な環境/イベント駆動型センサ)を含むカメラ(視覚センサ)アレイ112を含んでおり、カメラは1以上のスイッチ、ルータ114などを介して有線及び/又は無線通信リンク(例えばTCP/IP LAN又は他のプロトコル駆動型データ伝送ネットワーク116の一部である)に接続されている。(カメラ)センサ118からの画像(及びその他の)データは、ネットワーク116を介して送信される。カメラは、ネットワーク116を使用するためにデジタル化されたデータパケットを生成する遠隔受信機にアナログ又は他の形式の画像データを提供することができることに留意されたい。カメラ118は、生のビデオ又はデジタル画像データを収集するように動作する従来型マシンビジョンカメラ又はセンサを含むことができ、これらのデータは二次元(2D)及び/又は三次元(3D)イメージングに基づくことができる。更に、画像情報はグレースケール(モノクロ)、カラー、及び/又は近可視(例えば赤外線(IR))であることができる。同様に、他の形態のイベントベースのカメラも採用できる。
【0031】
本明細書で使用されるデータは、適切なセンサからの直接供給と、様々な情報、遠隔測定などを集計できる他のデータソースからのデータ供給の両方を含むことができることに留意されたい。例えば、ロケーション情報及び/又は方向情報は、ナビゲーションシステム(GPSなど)又は他のシステムから(例えばAPI経由で)、システム用サーバ130とネットワーク接続された関連付けられたデータ処理装置(例えばコンピュータ)を介して取得することができる。同様に、乗組員は適切なユーザーインターフェースを介して情報を入力することができる。インターフェースは、特定の入力、例えばシフトへのログイン又はシフトからのログアウト、健康情報の提供などを要求でき、或いはインターフェースは、乗組員によって通常業務中に入力された情報を検索することができ、例えば適切な手順が適時に実施されていることを確実にするために、乗組員が船舶業務の通常の過程でいつデータを入力しているかを判断することができる。
【0032】
船上ロケーション110は更に、ローカル画像/その他のデータレコーダー120を含むことができる。レコーダーは、スタンドアロンユニットであるか、又は適切なプロセッサ、データ記憶装置、及びネットワークインターフェースを備えた、より広範なコンピュータサーバ構成130の一部であることができる。サーバ130は、適切なソフトウェアを用いて、本明細書に記載するシステム及び方法の作業に対して一般化又は専用化された船舶を実行することができる。サーバ130は、ワークステーション又は他のコンピューティングデバイス132と通信することができ、これらは適切なディスプレイ(例えばタッチスクリーン)134、及びグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供する他の構成要素を含むことができる。GUIは、以下に更に説明されるように、船上のユーザーにセンサ118によって生成されたイベントデータを見て操作を制御するためのローカルダッシュボードを提供する。データの表示と操作は、表示されたデータ(例えば画像、ビデオなど)をラベル、コメント、フラグ、ハイライトなどで補強することを含み得るが、これらに限定されないことに留意されたい。
【0033】
インターフェースによって処理及び/又は表示される情報は、1人以上のユーザー又は1隻以上の船舶の間に設けられたワークフローを含むことができる。このようなワークフローは、業務手順/規則/方針に従う動作のために(陸上又は海上でGUIを介してアプリケーションとやり取りする)ユーザーからユーザーへ情報が転送される業務プロセスであろう。このワークフローの自動化は、一般的に「ロボティックプロセスオートメーション 」と呼ばれる。
【0034】
システム及び方法におけるダッシュボード及び他のデータ処理作業を実行するプロセス150は、全体的又は部分的に、船上サーバ130で、及び/又は地上の、又は十分なコンピューティング/帯域幅リソースを有する他の一般的に固定されたロケーション(基地局142)の一部であるリモートコンピューティング(サーバ)プラットフォーム140を使用して実行することができる。プロセスは、一般に、センサデータを有意味なイベントに処理するコンピューテーションプロセス152を含むことができる。これは、マシンビジョンアルゴリズムや同様の手順を含むことができる。データ処理プロセス154は、イベント、例えば乗組員や機器の動き、荷役作業などに基づいて、イベント及び関連するステータスを導出するために使用することができる。情報プロセス156は、1隻以上の船舶のダッシュボードを駆動するために使用され、船上及び基地局のユーザーに対して、データのステータスと操作の両方を提供することができる。
【0035】
船(又は他の遠隔地)110と基地局142との間のデータ通信は、1以上の低帯域幅無線チャンネルを介して行われ、衛星アップリンク/ダウンリンク160、又は他の伝送モダリティ、例えば長波長の空中伝送によって容易にすることができる。更に、メッシュネットワーク及び/又は水中通信(例えば音響ベースの長距離通信及び/又はVUF)など他の形態の無線通信を採用することもできる。船が陸上の高帯域幅チャンネルの近くに位置しているか、又は港湾にいる間、ワイヤで物理的に接続されている場合、本明細書に記載するシステム及び方法は、当該高帯域幅チャンネルを利用して、以前に未送信の優先度の低いイベント、アラート、及び/又は画像ベースの情報をすべて送信するように適合させることができることに留意されたい。
【0036】
(陸上の)基地局環境140は、適切なセキュアな及び/又は暗号化されたリンク(例えばLAN又はWAN(インターネット))162を介して、適切なGUI構成を有するコンピューティングデバイスを含むことができるユーザーワークステーション170と通信し、このユーザーワークステーション170が、ユーザーが責任を負い管理するフリート内の1隻以上の船舶の監視及び操操作を可能にするユーザーダッシュボード172を定義する。
【0037】
更に
図1Aを参照すると、システムによって処理されるデータが更に詳細に示されている。船上環境110で取得されてサーバ130に提供されるデータは、複数の可能な検出された視覚的(及び他のセンサに基づく)イベントを含むことができる。これらのイベントは、視覚画像及び/又はカメラによって取得された画像の時間シーケンスを分析するソフトウェア及び/又はハードウェアベースの検出器の動作によって生成され得る。更に
図IBを参照すると、視覚検出は、周囲の又は二次的な照明源183(可視及び/又はIR)を使用して、カメラ180及び182として表された複数の2D及び/又は3Dカメラアセンブリによって容易にされる。カメラアセンブリは、(例えば)船上に位置するシーン184を撮像する。シーンは、とりわけ海上イベント、人員の安全及び/又は貨物に関係ることができる。画像は、画像データとしてイベント検出サーバ又はプロセッサ186に送られ、これはイベント及びイベント検出を特徴付ける計画又はプログラム187からと、受信した画像のタイムライン及びタイムスタンプを証明するクロック188からの入力も受信する。イベント検出サーバ又はプロセッサ186は、GPS受信機189からの入力も受信して、イベント時の船舶の位置をスタンプすることができ、また、船舶の(様々な甲板上の船上ロケーションをマッピングした)建築図面190からの入力も受信して、当該入力を送信した船舶内のセンサの位置をスタンプすることができる。イベントサーバ/プロセッサ186は、1以上のタイプ及び/又はアーキテクチャのプロセッサを有することができ、これは中央処理装置(CPU、例えば1以上の処理コア及び関連するコンピューテーションユニット)、グラフィカル処理装置(SIMD又は同様の構成上で動作GPU)、テンソル処理装置(TPU)及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(一般化又はカスタマイズされたアーキテクチャを有するFPGA)を含むが、これらに限定されない。
【0038】
再び
図1Aを参照すると、基地局ダッシュボード172は、船舶ごと及び/又はフリートごとに確立され、通信リンク160を介して船上サーバ130と、典型的には帯域幅が削減され、場合によってはデータ転送動作を間欠的に実行するような仕方で通信する。リンク160は、船上サーバ130からダッシュボード172にイベント及びステータス更新162を送信し、ダッシュボード172から船上サーバにイベント優先順位、カメラ設定及びビジョンシステムパラメータ164を送信する。より具体的には、ダッシュボードは、イベントレポート及びログ173、警報レポート及びログ174、イベントの優先順位175など、カメラのセットアップ176、イベント検出に関連するビジョンシステムタスクの選択とセットアップ177などを表示して操作できるようにする。船上サーバ130は様々な機能的モジュールを有し、リンク160を介する伝送を容易にする視覚イベントの帯域幅削減132、警報又は様々なステータス項目がいつ発生したかを決定して適切な優先順位で伝送する警報とステータスのポーリング及びキューイング133、報告と伝送の優先順位を選択する優先順位設定134、及び所定の期間からの画像及び他の関連付けられたデータを保持するデータストレージ135を含む。
【0039】
様々な実施形態では、船舶と基地局間の通信リンクの帯域幅は、ルータ/リンクの QoS(サービス品質)設定などの外部システムによって、又は内部システム(エッジサーバ 130)によって、例えば利用可能な総通信帯域幅の(例えば)15%に使用を制限することができる。この帯域幅の制限は、時間帯及び/又は通信衛星の使用コストスケジュールを含むが、これらに限定されない様々な要因に基づくことができる。慣用的又はカスタム制御プロセスを使用して、適切な命令セットをサーバにプログラムすることができる。このような帯域幅制御の具体的な設定は、ユーザーがGUIを介して指示することもできる。
【0040】
II.視覚検出器
【0041】
図IBに示すように、撮像された様々なイベントは、プロセッサ186によって実行される適切な処理/アルゴリズム188を使用して取得された画像データから決定される。これらは、(例えば)キーエンス社、コグネックス社、MVTec社、又はHIKVision社から入手可能な、従来のビジョンシステムの一部である古典的アルゴリズムを含むことができる。代替的に、古典的ビジョンシステムは、OpenCVのようなオープンソースをベースとすることもできよう。このような古典的ビジョンシステムは、エッジファインダ、ブロブアナライザ、パターン認識ツールなどを含むが、これらに限定されない様々なビジョンシステムツールを含むことができる。プロセッサ186は、機械学習アルゴリズム又は深層学習アルゴリズムを採用することもでき、これらはカスタムビルドしたり、様々なソースから商業的に入手したりすることが可能であり、caffe、tensorflow、torch、keras及び/又はOpenCVなどの適切な深層学習フレームワークを採用している。ネットワークはマスクR-CNN又はYolov3検出器であることができよう。URLアドレスも参照のこと。ワールドワイドウェブ上のhttps://engineer.dena.com/posts/2019.05/survey-of-cutting-edge-computer-vision-papers-human-recognition/
【0042】
図1Aに示すように、視覚検出器は、海上イベント191、船員の安全行動及びイベント192、保守作業及びイベント193、船荷の状態及びそれに関連するイベント194、及び/又は適切なセンサによる煙、火災、及び/又は有毒ガス検出などの非視覚警報に関する。非限定的な例として、幾つかの特定の検出されたイベント及び関連する検出器は、以下に関する。
(a)人員が予定された時間に自分のステーションにいて、そのステーション、開始時刻、終了時刻、及び経過時間を報告する。
(b)人員が予定された時間にロケーションに入り、そのロケーション、開始時刻、終了時刻、及び経過時間を報告する。
(c)人員がロケーションを予定された時間に通過し、そのロケーション、開始時刻、終了時刻、及び経過時間を報告する。
(d)人員が、予定された時間に、予定されたロケーションで、予定された活動を行い、そのロケーション、開始時刻、終了時刻、及び経過時間を報告する。活動は、(例えば)監視、モニタリング、設置、ホースの接続又は取り外し、クレーン作業、ロープによる結束などを含むことができる。
(e)人員が、予定された時間に、予定されたロケーションで走り、滑り、つまずき、倒れ、横たわり、手すりを使用し又は使用せず、そのロケーション、開始時刻、終了時刻、及び経過時間を報告する。
(f)人員が、予定された時間に、予定されたロケーションで、予定された活動を行うときに、保護具を着用し又は着用せず、そのロケーション、開始時刻、終了時刻、及び経過時間を報告する。保護具は、(例えば)ヘルメット、左右の手袋、左右の靴/ブーツ、聴覚保護具、安全ゴーグル、救命胴衣、防毒マスク、溶接マスク、又はその他の保護具を含む。
(g)予定された時間にロケーションでドアが開閉し、そのロケーション、開始時刻、終了時刻、及び経過時間を報告する。
(h)予定された時間にロケーションにオブジェクトが存在し、そのロケーション、開始時刻、終了時刻、及び経過時間を報告する。オブジェクトは、(例えば)通路、ホース、工具、ロープ、クレーン、ボイラー、ポンプ、コネクタ、固体、液体、小型ボート、及び/又はその他の未知の物品を含むことができる。
(i)通常の作業活動が、エンジン、シリンダー、ホース、工具、ロープ、クレーン、ボイラー、及び/又はポンプのうちの少なくとも1つを使用して行われる。
(j)必要な保守活動が、エンジン、シリンダー、ボイラー、クレーン、操舵機構、HVAC、電気、パイプ/配管、及び/又はその他のシステムで行われる。
【0043】
上述した例(a~j)のリストは、本明細書における例示的な実施形態による検出器の基礎となり得る広範な可能な作業の一部に過ぎないことに留意されたい。当業者であれば、人対人、人対機器、又は機器対機器の相互作用を含む他の検出可能なイベントが明示的に想定されていることを理解すべきである。
【0044】
操作において、予想されるイベントの視覚検出器は、船上の1以上の視覚システムの検出結果を入力とする。その結果は、計画に従って予想されるイベントの時点における検出、非検出、又は異常であることができよう。複数のイベント又は複数の検出は、上位の単一イベントに組み合わせることができる。例えば保守手順、荷役活動、又は検査巡回は、複数のイベント又は複数の検出を組み合わせることによって生じることがある。各視覚イベントは、特定の時刻における特定の(又は複数の)ビジョンシステムカメラ118、180、182と、船舶内の既知のロケーションにおける特定の画像若しくはビデオシーケンスに関連付けられていることに留意されたい。関連付けられたビデオは、任意選択で各イベント又は警報と共に送信することも送信しないこともできる。ビデオがイベント又は警報と共に送信されるならば、イベント又は警報の後の検証のために有用であろう。注目すべきは、離散画像及び/又は短時間ビデオフレームシーケンスは、実際にはビデオストリームのごく一部であり、その結果として低帯域幅リンクを介するビデオシーケンス全体と比較して伝送に必要な帯域幅が大幅に削減されることである。更に、システムは、少数の画像又は短時間シーケンスに縮小することによってビデオをコンパクトにすることに加えて、検出器が必要とする重要な又は有意味な画像ロケーションまで画像をトリミングするか、又は解像度をおよそ高画質(HD)解像度に相当するものから標準画質(SD)解像度、又は標準解像度以下に縮小することによって、画像のサイズを縮小することができる。
【0045】
ビジョンシステムによってイベントを識別し、適切であればそのような画像をトリミングすることによって帯域幅を削減することに加えて、フレーム間の時間間隔 を長くすることによって、画像フレームの数を減らすことができる。更に、上記の手順を使用し、市販の又はカスタマイズされた非可逆又は可逆画像圧縮技術を使用して、イベント中心にトリミングして間隔をあけて(すべて船上サーバ側で)処理することによって帯域幅を更に削減できる。このような技術は、離散コサイン変換(DCT)、ランレングス符号化(RLE)、予測符号化、及び/又はレンペル・ジブ・ウェルチ(LZW)を含むことができるが、これらに限定されない。
【0046】
視覚イベントに関連付けられない画像若しくはビデオシーケンスは、船上である期間保存されることがある。
【0047】
船上サーバは、処理された視覚イベントの送信の優先順位を、通常、陸上(基地局)ダッシュボードを操作するユーザーから提供される設定に基づいて確定する。船上サーバはこれらのイベントを、優先順位に基づいて順序付けできるストレージ内のキューにバッファリングする。優先順位は、様々な要因に基づいて設定することができる。例えば人員の安全及び/又は船舶の安全が最優先され、保守は優先順位で最後に置かれることがあり、一般的にそのような事項の緊急性にマッピングされる。例として、優先順位の最も高いキュー内のすべてのイベントが最初に送信される。続いて優先順位の低いイベントが送信される。新しいイベントがより高い優先順位で船舶に到着した場合、この優先順位の高い新しいイベントは、優先順位の低いイベントよりも先に送られる。優先順位の高いイベントが利用可能な帯域幅をすべて使用する場合、優先順位の低いイベントは落とされることが想定されている。船上サーバは陸上の基地局サーバから確認応答を受信して、イベントが陸上で受信されて確認応答されたことを確認した後で、当該船上イベントを送信済みとマークする。確認応答(又は受信の欠落)を受信する前に、複数のイベントが送信されることがある。応答の欠落は、キューを停止させるか、又はサーバ上の優先順位キュー内のすべての後続イベントを送信する前に、イベントの再送信を要求する可能性がある。陸上のサーバインターフェースは、通信リンクを介して視覚イベント検出器を設定又は選択することができる。システムは視覚イベントに加え、火災警報信号や煙警報信号のような非視覚イベントを送信することができる。
【0048】
III.検出フロー
【0049】
図2に示すように、システムを実行する際に使用される一般化された検出フローの動作手順200が示されている。この動作は、3つの段階又はセグメント、即ちコンピューテーション210、データプリミティブ220の生成、及び情報作成230と陸上ダッシュボードを介するユーザーへの提示240で特徴付けることができる。代替的に、本明細書に記載する機能の一部又は全部は、船上ダッシュボードを介してユーザーが実装することができ、それはローカルサーバ又は基地局サーバの少なくとも一方のプログラミングに影響を与える。また、船上ダッシュボードは、通信リンクを介して基地局インターフェースに指示を返信する受動的端末として機能することもでき、そのような指示は基地局を通して実行することができる。コンピューテーション段階210は、センサを使用した測定212と、視覚検出213の実行を含んでいる。これらは、ユーザーに離散イベント232として表示される一連のメトリクス222を生成する。コンピューテーション段階210は、イベントの順序付け(優先順位)214、(トリミング、圧縮などによる)フィルタリング、規則217に基づくイベントの認定216を使用して、イベントの時系列226に従ってパターンマッチ224を提供する。このデータは複合イベント234として提示される。これらの複合イベント234は、正常に実施された保守作業や安全違反の発生などのシナリオを含むことができる。コンピューテーション段階210は、視覚イベント及び他のイベント218を集計して、統計228、例えば所定の時間間隔にわたる安全違反の数などを導出することができる。これらの統計228は、陸上のユーザーに個々の船舶レポート236及びフリートレポート238として提示され、集計されたイベントに関係する様々な要因における行動と性能に関する貴重な情報をユーザーに提供することができる。
【0050】
図3は、フリート内の1隻以上の船舶の船橋ルーチンの例における検出フロー手順300を示す。コンピューテーション段階310において、視覚検出器及び他の検出器によって設けられたサンプル検出器312は、(例えば)人員がロケーションを横断するか立ち止まる、人員が機器を操作する、人員が歩いている、人員が座っている、人員が動いていない(静止している)、人員がロケーションを凝視している、人員がロケーションでイヤホンを装着している及び/又は消灯している。関連するデータプリミティブ生成段階320では、検出されたサンプルメトリクス322が提供され、これらは(例えば)開始時刻及び終了時刻、継続時間、参加者の数、訪問した船橋ステーション、実行されたプロトコルステップ、及びプロトコルの不遵守を含む。イベントサンプル324は、シフトを実行すると識別された参加者の名前、シフトがいつ開始されたか、所定の参加者のシフトが通常よりも長かったか短かったか、船橋の不足人員及び/又は過剰人員/無許可の人員を含むことができる。例示的な情報段階では、サンプルレポート332が作成され、これは(例えば)経時的なシフト時間、シフト参加(人数)、機器を操作する時間の統計、配分、例えばシフト数×時間、及び月、週、日などに基づくことができるロケーショングラフ(例えばヒートマップ)を含むことができる。情報段階330で、サンプルレポート332は船舶レポート334及びフリートレポートとして提示され得る。検出されたサンプルメトリクス322及びイベントサンプル324は、ユーザーに離散イベント338及び複合イベント339として提示することができる。
【0051】
図4は、フリート内の1隻以上の船舶に対する安全巡回の例における検出フロー手順400を示す。コンピューテーション段階410で、視覚検出器及び他の検出器によって提供されるサンプル検出器412は、(例えば)イベントのロケーション、人員が機器を操作する、人員がロケーションで立ち止まる、人員がロケーションを歩いている又は凝視している、ヘルメット、人員が救命胴衣又は他の保護具を着用している、及び/又は人員が消火器、懐中電灯などの安全ツールを保持することを含む。データプリミティブ段階420で、検出されたサンプルメトリクスは、(例えば)イベントの開始又は終了時刻、継続時間、参加者数、訪問したステーション、実行されたプロトコルステップ、及び/又は採用された安全巡回用防護護具(PPE)を含むことができる。イベントサンプル424は、安全巡回が所定の時間数実施されなかった、巡回が通常よりX%長い又は短い時間を要した、巡回がX人によって実施された、巡回がX分遅れて開始された、必要なPPEなしで実行された巡回、及び/又はX分で完了した巡回を含むことができる。情報段階432は、イベントに基づくサンプルレポート432を提供し、これは経時的な継続時間、参加、安全プロトコルの遵守、ステーションの所要時間、配分(例えば巡回数×継続時間)、及び/又は月、日、週などに基づくグラフ/ヒートマップ。船舶レポート434及びフリートレポート436を含む。情報段階430はまた、検出されたサンプルイベント422及びイベントサンプル424に基づいて、離散イベント438及び複合イベント439を報告する。
【0052】
図5は、フリート内の1隻以上の船舶の荷役作業の例における検出フロー手順500を示す。コンピューテーション段階510で、サンプル検出器512は、パイプをつなぐ、パイプを切り離す、人員が機器を操作する、人員が立っている、人員が到着又は出発する、人員がヘルメット、手袋、ゴーグル及び/又は他のPPEを着用していることを含むことができる。データプリミティブ段階520は、検出されたサンプルメトリクス522を提供し、これは開始及び終了時刻、継続時間、参加人員数、実行されたプロトコルステップ、及び/又はタスクで採用されたPPEが含まれる。イベントサンプル524は、タスクがX分で完了したこと、タスク完了が通常よりX%長いか短いこと、人によってタスクが実行されたこと、及び/又はXタイプのPPEなしで(PPEを使用せずに)タスクが実行されたことを含むことができる。情報段階530において、サンプルレポート532は、経時的な継続時間、参加、プロトコルの遵守、ロケーション/ログ、配分(例えば訓練回数×継続時間)、及び/又は通常/標準運転の不遵守を含むことができる。これらは、船舶レポート534又はフリートレポート536として提示することができる。検出されたサンプルメトリクス522及びイベントサンプル524は、離散イベント538及び複合イベント539として報告される。
【0053】
他の例示的な検出フローは、必要に応じて船舶の人員及びシステムによる関心のある活動に関する所望の情報を生成するために設けることができる。そのような検出フローは、関連する検出器タイプ、パラメータなどを採用する。
【0054】
IV.ユーザーインターフェースダッシュボード
【0055】
A. ステータスと性能
【0056】
図6は、すべての主要情報をユーザーに単一のディスプレイ画面(コンソール配置の単一又は複数の物理的ディスプレイであってよい)で提供できる例示的なフリートダッシュボード600のディスプレイを示す。例示的なディスプレイ600は、ユーザーにインタラクティブな体験を提供する複数のウィンドウ及び数値フィールドを含むことができる。例えば警報(例えば赤丸)、注意(例えば黄三角)、及び警報解除状態(例えば緑四角)を有する全体フリートステータスウィンドウ610が表示される。クリックすると、他の特定のウィンドウにドリルダウンできる。同様のステータスウィンドウが、荷役手順612、保守活動614、船橋行動616、及び安全活動618のために、上部にわたって設けられている。世界(又は選択可能な小さい地域)地
図620が設けられ、フリート内の船舶がフラグで示されている。ロケーションは、GPS又は他の適切な測位技術を使用して確定することができる。最近の活動のリスト622もディスプレイ600の中央に設けられている。ビジュアルウィンドウ630には、関心のあるイベント(例えば直近のイベント)が選択されて表示される。この場合、イベントは、船上のロケーションを表示し、人物又は他の関連する活動をハイライトする632。イベントを、例えば時系列で選択できるようにするためにフィルムストリップ634が(例えばウィンドウ630の上方又は下方に)設けられている。ボタン636を使用してイベントの概要を再生することができ、及び/又は他の再生/一時停止ボタンを使用して視覚イベントを再生することができる。貨物、保守、船橋作業、及び安全の各カテゴリーについて、フリートレベルでのステータス及び/又は活動を示すために、(例えば)水平時間ベースで網掛け又は色分けされたグラフ(例えばヒートマップ)を設けることができる。
【0057】
図7は、メインフリートダッシュボード600、又は別の機構から選択可能な、船舶のステータスと性能のディスプレイ700を示す。ディスプレイ700の右上の例示的なステータスボックス710は、メニュー702からの船舶の選択を可能にし、選択された船舶名又は識別子を、警報712、警告714、及び警報解除状態716のそれぞれの数、並びに貨物720、保守722、船橋行動724、及び安全注意726のステータス状況と共に含む。地
図730は、船舶のロケーションを示す。3D投影は、向きとズームの操作が可能であり、センサ/カメラに関係する識別子742を有するイベントのロケーションと、アラート/警報を有するロケーションのハイライト744を示す。特定のセンサ/カメラを選択すると、中央のリスト750に現在及び過去の活動のステータスデータが表示される。画像表示ウィンドウ760はセンサ/カメラに関連付けられた画像とシーケンスを示す。これは適切なボタンを使用して操作することができる。グラフ又はヒートマップ760は、選択された船舶に関係する種々のカテゴリーに対する活動とステータスを示す。
【0058】
図8は、上述のディスプレイ700及びそこで提供される例示的な情報に基づいて、船上ダッシュボードディスプレイ800の追加の図を示す。したがって、同様の例示的な表示要素には同様の番号が付されている。ディスプレイ700のカメラアレイウィンドウ740は、活動(例えば保守、貨物、船橋、又は安全)、日付、時刻、継続時間を示す最近の活動ウィンドウ840を表示するように切り替えられている。
【0059】
B. イベント追跡
【0060】
図9~
図12は、活動追跡サイドメニュー902を介してアクセス可能なそれぞれのディスプレイ900、1000、1100、及び1200を示しており、これらはユーザーが複数の船舶に関して様々な活動を追跡できるようにする。
図9は特に、荷役作業の追跡を可能にするディスプレイ900を示す。これは、追跡日付の範囲910、関連する船舶912、及び貨物ターミナル914の選択を可能にするフィルタボックスを含む。船舶、ターミナル、時刻と継続時間を有する活動ボックス920が示されている。更に、様々な船舶荷役活動の継続時間が比較棒グラフ930で示される。荷役手順視覚レビュー設定940も設けられている。特定の荷役手順(例えば通路作業、ホース接続など)の継続時間は、セグメントウィンドウ950に示される。荷役活動に関連する視覚イベントは、ウィンドウ960に表示できる。棒グラフ(ヒストグラム)970は一連の日又は週にわたる比較継続時間も示す。
【0061】
図10は、保守活動追跡ディスプレイ1000を示す。このディスプレイは、時間フィルタ1010、及び選択された船舶の図形とその上に追跡されているロケーションを示すマップ1012を含む。活動ウィンドウ1020は、関心のあるエリアと、開始時刻、終了時刻、及び継続時間を示す。時間ログ1030は、経時的な比較エリア活動を一連のバーとして示す。活動のロケーションは、ウィンドウ1040で船舶の図形上に示される。視覚的活動のセグメントウィンドウ1050が設けられており、ウィンドウ1060に表示するための視覚的保守イベントの選択を可能にする。
【0062】
図11は、関連する日付の範囲と船舶名フィルタ1110を含む船橋行動/活動追跡ディスプレイ1100を示す。与えられた日付の範囲と時間ブロックについて、活動のレベルに基づき網掛け又は色分けできるチャート1112が示されている。活動は、選択スイッチ1114により、人員の数又は人員の動きについて選択することができる。船舶の船橋の見取り図/レイアウトを示すマップ1120は、(上記で選択された)動きのレベル又は人員密度に基づいて色分け又は網掛けされたヒートマップで表される。このヒートマップは、ウィンドウ1130及び1132に示されるように、特定の船橋のセンサ/カメラからの三次元画像に投影することができる。活動セグメントウィンドウ1140も設けられており、これはウィンドウ1150に表示された視覚イベントの選択を可能にする。スイッチ1152で特定のセンサ/カメラを選択して表示することができる。
【0063】
図12は、関連付けられた時間フィルタ1210を含む安全追跡ディスプレイ1200を船舶マップとして示し、これは上甲板(及び左舷、右舷など)、機関室など、特定のエリアにおける安全巡回と関心のあるポイントの選択を可能にする。活動ウィンドウ1220は、エリア、安全巡回経路、時間、及び継続時間の情報を提供する。棒グラフ1230は、選択されたエリア(上甲板や機関室など)における活動を経時的に示す。視覚レビュー1240は、船舶の選択された見取り図(例えば上甲板)とサブエリア(例えば左舷、右舷)のマップと、巡回及び関連するセンサ/カメラのロケーションを示す。セグメントウィンドウ1250は、ウィンドウ1260に表示する視覚イベントの選択も可能にする。
【0064】
C. レポート
【0065】
図13~16は、それぞれ荷役手順1300、保守活動1400、船橋行動/活動1500、及び安全1600に関係するレポートのためのディスプレイを示す。サイドメニュー1302は、レポートの選択を可能にする。このようなレポートは、ユーザー及び管理者に後続データを提供して、ベースラインを確定し、人員管理、規則、及び作業に関する決定を行うことができるようにするために作成できる。
図13のディスプレイ1300を参照すると、選択ボックスは、特定の端末ロケーション1310、日付の範囲1312、及び船舶1314に基づくフィルタリングを可能にする。全活動1320は、関連付けられた警報、警告、及び警報解除の統計が一覧表示される。総合性能1322も、関連付けられた棒グラフで一覧表示される。図示されているように様々な性能パラメータをチャート化するために、プロットグラフ1324及びヒストグラム1326、1328も表示することができる。性能の履歴ベースラインチャートも、ウィンドウ1330に表示される。フリート内の2隻以上の船舶の比較チャート(網掛け又は色分け)が、ウィンドウ140に描かれる。履歴ベースラインは、円グラフ1350として表示することもできる。このようなレポートを作成するための適切な統計と情報が存在するならば、このレポートや他のレポートのための別の実施形態において、任意の許容可能な統計グラフィック又はディスプレイを設けることができることに留意されたい。これらのレポートは、当業者には自明であるはずの適切なコンピューテーション技術を使用して作成することができる。
【0066】
図14は、日付の範囲1410、船舶1412、及びロケーション(上甲板、機関室など)1414に対するフィルタを含む、保守活動レポートのためのディスプレイ1400を示す。関連付けられた船舶甲板のマップ1416が、関心領域の甲板ハイライト1418と共に表示されている。全活動ボックス1420は、警報、警告、及び警報解除状態を報告する。総合性能ボックス1422は、性能レベルを示すバーを含む。棒グラフ(ヒストグラム)1424は、船舶ごとの性能を示す。活動性能ウィンドウ1440は、活動のレベルを示すために、色分け又は網掛けされたスケールを使用して、日付の範囲に対して時間ごとの保守をプロットする。
【0067】
図15は、船橋行動/活動に関するレポートを作成するためのディスプレイ1500を示し、このディスプレイは日付の範囲1510と少なくとも1隻の船舶1512に対するフィルタを含む。ディスプレイは、警報、警告、及び警報解除状態を伴う船橋活動シーケンスを示すウィンドウを提供する。インジケーターバーにより総合性能を示すウィンドウ1522も設けられている。表1524は、フリート内の船舶間の比較性能を示すことができ、時間に対する性能のプロット1526を提供することができる。更に、現在及び過去の各船舶の性能は、棒グラフ(ヒストグラム)1530で提供できる。また、複数のフリート船舶について、時間に対する船橋活動の比較プロット1540を描くことができる。
【0068】
図16 は、日付の範囲 1610、船舶 1612、及びレポートタイプ 1614(例えば安全巡回、PPE 使用状況など)に基づいて関連付けられたフィルタを含む、安全レポートを作成するためのディスプレイ 1600 を示す。全活動ウィンドウ1620(例えば7日間)は、警報、警告、及び警報解除状態を一覧表示する。インジケーターバーを用いる総合性能ウィンドウ1622も表示されている。分単位のベースライン安全活動が棒グラフ(ヒストグラム)で示される。フリート内の船舶間の過去の性能も棒グラフ1632で示される。ある日付の範囲における時間当たりの安全性能が、ウィンドウ1640にレベルに応じて色分け又は網掛けされたプロットで表示される。
【0069】
V.結論
【0070】
上述のシステム及び方法が、船舶の安全で効率的な運用に不可欠な様々な活動のステータス及び性能に関する有意義な情報を効果的にユーザーに提供することは明らかであろう。この情報は、活動を理解し、追跡分析のための証拠を提供することなどに非常に有益であり得る、関連する視覚情報を含んでいる。システム及び方法は、小さい帯域幅の通信チャンネルを介して、有意味な視覚情報及びその他の情報をほぼリアルタイムで配信するように動作することができる。システム及び方法を制御して、優先順位を設定し、活動を追跡し、必要があれば報告するために、グラフィカルユーザーインターフェースを設けることができる。このシステム及び方法は、大きい帯域幅のチャンネルで及び/又は他のタイプの遠隔地(島、地下/地中、北極及び南極基地、宇宙基地など)と通信するように適合させることもできる。
【0071】
以上、本発明の例示的な実施形態について詳細に説明した。本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な修正及び追加を行うことができる。上述した様々な実施形態の各々の特徴は、関連する新たな実施形態で組み合わせの多様性を提供するために、説明した他の実施形態の特徴と適宜組み合わせることができる。更に、上記では本発明の装置と方法の多数の別個の実施形態について説明したが、本明細書に記載されたことは、本発明の原理の適用を例示するものに過ぎない。例えば本明細書で使用される場合、「プロセス」及び/又は「プロセッサ」という用語は、様々な電子ハードウェア及び/又はソフトウェアベースの機能及び構成要素(及び代替的に機能「モジュール」又は「要素」と呼ぶことができる)を含むように広く取られるべきである。更に、記述されたプロセス又はプロセッサは、他のプロセス及び/又はプロセッサと組み合わせることができ、又は様々なサブプロセス又はプロセッサに分割することができる。そのようなサブプロセス及び/又はサブプロセッサは、本明細書の実施形態に従って様々に組み合わせることができる。同様に、本明細書における任意の機能、プロセス及び/又はプロセッサは、電子ハードウェア、プログラム命令の非一時的コンピュータ可読媒体からなるソフトウェア、或いはハードウェアとソフトウェアとの組合せを用いて実施できることが明確に想定されている。加えて、本明細書で使用される様々な方向及び/又は配置を表わす用語(及びそれらの文法的変化)、例えば「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「底部」、「頂部」、「側部」、「前部」、「後部」、「左」、「右」、「前方」、「後方」、及びこれに類するものは、相対的な表現法としてのみ用いられ、重力の作用方向など固定した座標空間に対する絶対的な方向/配置としては用いられない。更に、所与の測定値、値又は特性に関して「実質的に」又は「近似的に」という用語が使用される場合、それは所望の結果を達成するための通常の動作範囲内にあるが、システムの許容公差内の固有の不正確性や誤差による多少の変動を含む量(例えば1~5%)を指す。したがって、この説明は例示としてのみ取られることを意図しており、それ以外に本発明の範囲を限定するものではない。
【0072】
以下に特許請求の範囲を記載する。
【国際調査報告】