(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】器具フィーダーデバイスの係合制御
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20240214BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549626
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 IB2022051395
(87)【国際公開番号】W WO2022175850
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リン・ジャイー
(72)【発明者】
【氏名】ランディ・ケイシー・ティール
(72)【発明者】
【氏名】グレッツェル・チョーンシー・エフ
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA22
4C130AA24
4C130AA34
4C130AD30
(57)【要約】
医療器具と係合し、かつ/又は医療器具を制御するように器具フィーダーデバイスを制御するためのシステム、デバイス、及び方法が本明細書で説明される。例えば、器具フィーダーデバイスは、ロボットアームの駆動出力部に結合するように、かつ/又は医療器具の細長いシャフトと係合するように構成することができる。駆動出力部は、係合アセンブリを制御して、細長いシャフトと選択的に係合し、かつ/又は細長いシャフトを保持するように構成することができる。係合アセンブリの状態は、駆動出力部によって加えられた力の量、駆動出力部の位置、及び/又は他の情報に基づいて決定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
駆動出力部に結合するように構成され、医療器具の細長いシャフトと係合するように構成された係合アセンブリを含む器具フィーダーデバイスと、
制御回路であって、
前記駆動出力部に前記係合アセンブリを作動させることと、
前記駆動出力部によって加えられた力の量又は前記駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記係合アセンブリの状態を決定することと、を行うように構成された制御回路と、を備える、システム。
【請求項2】
前記制御回路は、前記駆動出力部によって加えられた前記力の量と1つ以上の閾値との比較、又は前記駆動出力部の前記位置と1つ以上の基準位置との比較のうちの少なくとも1つに基づいて、前記係合アセンブリの前記状態を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記係合アセンブリは、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、前記細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記係合アセンブリの前記状態は、前記アクチュエータが前記細長いシャフトと係合されているかどうかを示す、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記係合アセンブリの前記状態は、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に位置付けられているかどうかを示す、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを、前記アクチュエータが係合されている係合状態から、前記アクチュエータが係合解除される係合解除状態へと作動させることと、
前記係合アセンブリを前記係合状態から前記係合解除状態へと移動させる間に生じた、前記駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第1の位置を決定することであって、力の前記第1の変化が、第1の閾値よりも大きい、ことと、を行うように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御回路は、
前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを前記係合解除状態から前記係合状態へと作動させることと、
前記駆動出力部によって加えられた力の第2の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第2の位置を決定することであって、力の前記第2の変化が、前記第1の閾値又は第2の閾値よりも大きい、ことと、を行うように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記アクチュエータが前記細長いシャフトから係合解除された中間状態と関連付けられた、前記駆動出力部の第3の位置を特定することと、
前記第1の位置及び前記第3の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、
前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかの前記判定に少なくとも部分的に基づいて、前記器具フィーダーデバイスを制御することと、を行うように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御回路は、
(i)前記器具フィーダーデバイスが前記駆動出力部と関連付けられたロボットシステムに結合されたこと、(ii)前記医療器具が前記ロボットシステムに結合されたこと、(iii)前記細長いシャフトの回転が命令されたこと、又は(iv)前記ロボットシステムのロボットアームの手動移動が可能にされたこと、のうちの少なくとも1つを検出することと、
前記検出に少なくとも部分的に基づいて、前記駆動出力部に前記係合アセンブリを作動させることと、を行うように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
システムであって、
細長いシャフトを含む医療器具と、
前記細長いシャフトを受容し、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成された係合アセンブリを含む器具フィーダーであって、前記器具フィーダーは、駆動出力部を含むロボットアームに結合するように構成されている、器具フィーダーと、
制御回路であって、
前記駆動出力部を作動させて前記係合アセンブリを移動させることと、
前記駆動出力部によって加えられた力の量又は前記駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記係合アセンブリの状態を決定することと、を行うように構成された制御回路と、を備える、システム。
【請求項11】
前記係合アセンブリは、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、前記細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記器具フィーダーデバイスは、前記アクチュエータを係合状態又は係合解除状態に付勢するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記係合アセンブリの前記状態は、前記アクチュエータが前記細長いシャフトと係合されているかどうかを示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記係合アセンブリの前記状態は、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に位置付けられているかどうかを示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御回路は、
前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを、前記アクチュエータが係合されている係合状態から、前記アクチュエータが係合解除される係合解除状態へと作動させることと、
前記係合アセンブリを前記係合状態から前記係合解除状態へと移動させる間に生じた、前記駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第1の位置を決定することと、を行うように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御回路は、
前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを前記係合解除状態から前記係合状態に向けて作動させることと、
力の第2の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第2の位置を決定することと、を行うように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御回路は、
前記第1の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、
前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかの前記判定に少なくとも部分的に基づいて、前記器具フィーダーデバイスを制御することと、を行うように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御回路は、
前記第1の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は前記係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つを決定することと、
前記細長いシャフトが前記係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は前記係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つの前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを前記係合解除状態に作動させることと、を行うように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記係合アセンブリは、前記チャネルを選択的に開閉するように構成された保持機構を更に含み、前記制御回路は、
前記保持機構が閉じ、前記アクチュエータが前記細長いシャフトから係合解除された中間状態と関連付けられた、前記駆動出力部の第3の位置を特定することと、
前記第1の位置及び前記第3の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は前記係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つを決定することと、
前記細長いシャフトが前記係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は前記係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つの前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを前記係合解除状態に作動させることと、を行うように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
駆動出力部を制御して、医療器具に結合するように構成された器具フィーダーデバイスの作動を引き起こすことと、
前記駆動出力部によって加えられた力の量又は前記駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つを決定することと、
前記駆動出力部によって出力された前記力の量又は前記駆動出力部の前記位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記器具フィーダーデバイスと前記医療器具との係合状態を決定することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記器具フィーダーデバイスの前記状態は、前記駆動出力部によって加えられた前記力の量と1つ以上の閾値との比較、又は前記駆動出力部の前記位置と1つ以上の基準位置との比較のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記係合アセンブリは、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、前記細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記器具フィーダーデバイスの前記状態は、前記アクチュエータが前記細長いシャフトと係合されているかどうか、又は前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に位置付けられているかどうか、のうちの少なくとも1つを示す、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記駆動出力部を制御して、前記係合アセンブリを前記アクチュエータが係合解除される係合解除状態に作動させることと、
前記係合アセンブリを前記係合解除状態へと移動させている間に生じた、前記駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第1の位置を決定することと、
前記駆動出力部を制御して、前記係合アセンブリを前記係合解除状態から、前記アクチュエータが係合される係合状態に向けて作動させることと、
力の第2の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第2の位置を決定することと、
前記第1の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記アクチュエータが前記細長いシャフトから係合解除され、前記係合アセンブリの保持機構が閉じている状態と関連付けられた、前記駆動出力部の第3の位置を特定することを更に含み、
前記細長いシャフトが前記チャネル内に受容されているかどうかの前記判定は、前記第1の位置及び前記第3の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づく、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ロボットシステムであって、
ロボットアームと、
前記ロボットアームの遠位端と関連付けられたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、器具フィーダーの第1の駆動入力部を作動させて、前記器具フィーダーと器具の細長いシャフトとの係合を制御するように構成された第1の駆動出力部を含む、エンドエフェクタと、
制御回路であって、前記ロボットアームに通信可能に結合され、前記第1の駆動出力部によって加えられた力の量又は前記第1の駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、器具フィーダーデバイスの状態を決定するように構成された制御回路と、を備える、ロボットシステム。
【請求項27】
前記エンドエフェクタは、前記器具フィーダーの第2の駆動入力部を作動させて前記細長いシャフトの軸方向運動を引き起こすように構成された第2の駆動出力部を更に含む、請求項26に記載のロボットシステム。
【請求項28】
前記器具フィーダーは、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、前記細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、前記チャネルを選択的に開閉するように構成された保持機構と、を含む、請求項26に記載のロボットシステム。
【請求項29】
前記器具フィーダーデバイスの前記状態は、前記アクチュエータが前記細長いシャフトと係合されているかどうか、前記保持機構が閉じているかどうか、又は前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に位置付けられているかどうか、のうちの少なくとも1つを示す、請求項28に記載のロボットシステム。
【請求項30】
前記制御回路は、
前記器具フィーダーを、前記アクチュエータが係合解除される係合解除状態に移行させることと、
前記器具フィーダーを係合状態に向けて移動させることと、
前記器具フィーダーを前記係合状態に向けて移動させている間に生じた、前記第1の駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第1の位置を決定することと、
(i)前記第1の駆動出力部によって加えられた力の第2の変化、又は(ii)前記アクチュエータが前記細長いシャフトから係合解除され、前記保持機構が閉じている状態、のうちの少なくとも1つと関連付けられた、前記駆動出力部の第2の位置を特定することと、
前記第2の位置に対する前記第1の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、を行うように構成されている、請求項28に記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年2月17日に出願され、「ENGAGEMENT CONTROL OF INSTRUMENT FEEDER DEVICES」と題する、米国仮特許出願第63/150,527号、及び2021年2月17日に出願され、「INSTRUMENT SHAFT TENSIONING SYSTEM AND METHOD」と題する、米国仮特許出願第63/150,533号に対する優先権を主張するものであり、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、医療処置及び医療デバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療処置は、患者内の標的解剖学的部位にアクセスするための、1つ以上の医療デバイスの使用を伴う。いくつかの例では、処置に関連して部位にアクセスするときの、ある特定のデバイスの不適切な使用は、患者の健康、医療デバイス(複数可)の完全性、及び/又は処置の有効性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実装形態では、本開示は、器具フィーダーデバイスと、制御回路と、を備えるシステムに関する。器具フィーダーデバイスは、駆動出力部に結合するように構成され、医療器具の細長いシャフトと係合するように構成された係合アセンブリを含む。制御回路は、駆動出力部に係合アセンブリを作動させ、駆動出力部によって加えられた力の量又は駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、係合アセンブリの状態を決定するように構成されている。
【0005】
いくつかの実施形態では、制御回路は、駆動出力部によって加えられた力の量と1つ以上の閾値との比較、又は駆動出力部の位置と1つ以上の基準位置との比較のうちの少なくとも1つに基づいて、係合アセンブリの状態を決定するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、係合アセンブリは、細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む。実施例では、係合アセンブリの状態は、アクチュエータが細長いシャフトと係合されているかどうかを示す。実施例では、係合アセンブリの状態は、細長いシャフトがチャネル内に適切に位置付けられているかどうかを示す。
【0007】
いくつかの実施形態では、制御回路は、駆動出力部に、係合アセンブリを、アクチュエータが係合されている係合状態から、アクチュエータが係合解除される係合解除状態へと作動させることと、係合アセンブリを係合状態から係合解除状態へと移動させる間に生じた、駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、駆動出力部の第1の位置を決定することと、を行うように構成されている。力の第1の変化は、第1の閾値よりも大きくてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、制御回路は、駆動出力部に、係合アセンブリを係合解除状態から係合状態に向けて作動させることと、駆動出力部によって加えられた力の第2の変化と関連付けられた、駆動出力部の第2の位置を決定することと、を行うように構成されている。力の第2の変化は、第1の閾値又は第2の閾値よりも大きくてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、制御回路は、アクチュエータが細長いシャフトから係合解除される中間状態と関連付けられた、駆動出力部の第3の位置を特定することと、第1の位置及び第3の位置に対する第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、細長いシャフトがチャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、を行うように構成されている。更に、制御回路は、細長いシャフトがチャネル内に適切に受容されているかどうかの判定に少なくとも部分的に基づいて、器具フィーダーデバイスを制御するように構成することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、制御回路は、(i)器具フィーダーデバイスが駆動出力部と関連付けられたロボットシステムに結合されたこと、(ii)医療器具がロボットシステムに結合されたこと、(iii)細長いシャフトの回転が命令されたこと、又は(iv)ロボットシステムのロボットアームの手動移動が可能にされたこと、のうちの少なくとも1つを検出するように構成されている。更に、制御回路は、検出に少なくとも部分的に基づいて、駆動出力部に係合アセンブリを作動させるように構成することができる。
【0011】
いくつかの実装形態では、本開示は、細長いシャフトを含む医療器具と、細長いシャフトを受容し、細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成された係合アセンブリを含む器具フィーダーと、制御回路と、を備える、システムに関する。器具フィーダーは、駆動出力部を含むロボットアームに結合するように構成されている。制御回路は、駆動出力部を作動させて、係合アセンブリを移動させることと、駆動出力部によって加えられた力の量又は駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、係合アセンブリの状態を決定することと、を行うように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、係合アセンブリは、細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む。実施例では、器具フィーダーデバイスは、アクチュエータを係合状態又は係合解除状態に付勢するように構成されている。実施例では、係合アセンブリの状態は、アクチュエータが細長いシャフトと係合されているかどうかを示す。更に、実施例では、係合アセンブリの状態は、細長いシャフトがチャネル内に適切に位置付けられているかどうかを示す。
【0013】
いくつかの実施形態では、制御回路は、駆動出力部に、係合アセンブリを、アクチュエータが係合されている係合状態から、アクチュエータが係合解除されている係合解除状態へと作動させることと、係合アセンブリを係合状態から係合解除状態へと移動させる間に生じた、駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、駆動出力部の第1の位置を決定することと、を行うように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、制御回路は、駆動出力部に、係合アセンブリを係合解除状態から係合状態に向けて作動させることと、力の第2の変化と関連付けられた、駆動出力部の第2の位置を決定することと、を行うように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、制御回路は、第1の位置に対する第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、細長いシャフトがチャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、細長いシャフトがチャネル内に適切に受容されているかどうかの判定に少なくとも部分的に基づいて、器具フィーダーデバイスを制御することと、を行うように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、制御回路は、第1の位置に対する第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、細長いシャフトが係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つを決定することと、細長いシャフトが係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つの決定に少なくとも部分的に基づいて、駆動出力部に、係合アセンブリを係合解除状態に作動させることと、を行うように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、係合アセンブリは、チャネルを選択的に開閉するように構成された保持機構を更に含む。制御回路は、保持機構が閉じ、アクチュエータが細長いシャフトから係合解除される中間状態と関連付けられた、駆動出力部の第3の位置を特定することと、第1の位置及び第3の位置に対する第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、細長いシャフトが係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つを決定することと、を行うように構成することができる。更に、制御回路は、細長いシャフトが係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つの決定に少なくとも部分的に基づいて、駆動出力部に、係合アセンブリを係合解除状態に作動させるように構成することができる。
【0018】
いくつかの実装形態では、本開示は、駆動出力部を制御して、医療器具に結合するように構成された器具フィーダーデバイスの作動を引き起こすことと、駆動出力部によって加えられた力の量又は駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つを決定することと、駆動出力部によって出力された力の量又は駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、器具フィーダーデバイスと医療器具との係合状態を決定することと、を含む、方法に関する。
【0019】
いくつかの実施形態では、器具フィーダーデバイスの状態は、駆動出力部によって加えられた力の量と1つ以上の閾値との比較、又は駆動出力部の位置と1つ以上の基準位置との比較のうちの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0020】
いくつかの実施形態では、係合アセンブリは、細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む。実施例では、器具フィーダーデバイスの状態は、アクチュエータが細長いシャフトと係合されているかどうか、又は細長いシャフトがチャネル内に適切に位置付けられているかどうか、のうちの少なくとも1つを示す。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、駆動出力部を制御して、係合アセンブリをアクチュエータが係合解除される係合解除状態に作動させることと、係合アセンブリを係合解除状態へと移動させている間に生じた、駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、駆動出力部の第1の位置を決定することと、駆動出力部を制御して、係合アセンブリを係合解除状態から、アクチュエータが係合される係合状態に向けて作動させることと、を更に含む。更に、本方法は、力の第2の変化と関連付けられた、駆動出力部の第2の位置を決定することと、第1の位置に対する第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、細長いシャフトがチャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、を更に含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法は、アクチュエータが細長いシャフトから係合解除され、係合アセンブリの保持機構が閉じている状態と関連付けられた、駆動出力部の第3の位置を特定することを更に含む。細長いシャフトがチャネル内に受容されているかどうかの判定は、第1の位置及び第3の位置に対する第2の位置に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0023】
いくつかの実装形態では、本開示は、ロボットアームと、ロボットアームの遠位端と関連付けられたエンドエフェクタと、ロボットアームに通信可能に結合された制御回路と、を備える、ロボットシステムに関する。エンドエフェクタは、器具フィーダーの第1の駆動入力部を作動させて、器具フィーダーと器具の細長いシャフトとの係合を制御するように構成された第1の駆動出力部を含む。制御回路は、第1の駆動出力部によって加えられた力の量又は第1の駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、器具フィーダーデバイスの状態を決定するように構成されている。
【0024】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、器具フィーダーの第2の駆動入力部を作動させて細長いシャフトの軸方向運動を引き起こすように構成された第2の駆動出力部を更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、器具フィーダーは、細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータ、細長いシャフトを受容するように構成されたチャネル、及びチャネルを選択的に開閉するように構成された保持機構を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、器具フィーダーデバイスの状態は、アクチュエータが細長いシャフトと係合されているかどうか、保持機構が閉じているかどうか、又は細長いシャフトがチャネル内に適切に位置付けられているかどうか、のうちの少なくとも1つを示す。
【0027】
いくつかの実施形態では、制御回路は、器具フィーダーを、アクチュエータが係合解除される係合解除状態に移行させることと、器具フィーダーを係合状態に向けて移動させることと、器具フィーダーを係合状態に向けて移動させる間に生じた、第1の駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた駆動出力部の第1の位置を決定することと、を行うように構成されている。更に、制御回路は、(i)第1の駆動出力部によって加えられた力の第2の変化、又は(ii)アクチュエータが細長いシャフトから係合解除され、保持機構が閉じている状態のうちの少なくとも1つと関連付けられた、駆動出力部の第2の位置を特定することと、第2の位置に対する第1の位置に少なくとも部分的に基づいて、細長いシャフトがチャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、を行うように構成することができる。
【0028】
本開示をまとめる目的で、ある特定の態様、利点、及び特徴について説明する。必ずしもこのような利点が全て、何らかの特定の実施形態により実現され得るわけではないことを理解されたい。したがって、開示した実施形態は、本明細書で教示される1つの利点又は利点の群の実現又は最適化を、本明細書で教示又は示唆され得るような他の利点を必ずしも実現することなく行う方法で実行し得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
様々な実施形態を説明を目的として添付図面に示すが、決して本開示の範囲を限定するものと解釈するべきではない。加えて、開示した異なる実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である更なる実施形態を形成することができる。図面の全体を通して、参照番号を、参照要素間の対応関係を示すために再使用する場合がある。
【
図1】1つ以上の実施形態による、診断上及び/又は治療上の尿管鏡検査処置のために配置された例示的なロボット医療システムを例解する。
【
図2】1つ以上の実施形態実施形態による、診断上及び/又は治療上の気管支鏡検査処置のために配置された、
図1の例示的なロボット医療システムを例解する。
【
図3】1つ以上の実施形態による、医療処置を実施するように構成されたテーブルベースのロボットシステムを例解する。
【
図4】1つ以上の実施形態による、本明細書で説明される医療システムのいずれかにおいて実装され得る医療システム構成要素を例解する。
【
図5】1つ以上の実施形態による、本明細書で説明される医療システムのいずれかにおいて実装され得る、スコープアセンブリ/システム及び器具フィーダーアセンブリを含む、医療システム構成要素を例解する。
【
図6A】1つ以上の実施形態による、例示的な器具フィーダーデバイスの斜視図を例解する。
【
図6B】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスの様々な特徴を示すためにハウジングの一部分が除去された器具フィーダーデバイスを例解する。
【
図6C】1つ以上の実施形態による、ハウジングの一部分及び保持機構(複数可)が除去された器具フィーダーデバイスを例解する。
【
図6D】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスに実装され得る例示的なアクチュエータ/ローラアセンブリの斜視図を例解する。
【
図6E】1つ以上の実施形態による、例示的な歯車アセンブリを説明するためにローラ及びキャリアプレートの一部分が除去されたローラアセンブリの斜視図を例解する。
【
図6F】1つ以上の実施形態による、例示的な歯車アセンブリの上面図を例解する。
【
図6G】1つ以上の実施形態による、ローラアセンブリの底面図を例解する。
【
図7】1つ以上の実施形態による、ロボットアームと関連付けられた例示的な器具デバイスマニピュレータアセンブリの分解図を例解する。
【
図8-1】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスのローラが係合され、カバーが閉じられている状態を例解する。
【
図8-2】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスのローラが係合され、カバーが閉じられている状態を例解する。
【
図9-1】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスのローラが器具シャフトと係合され、カバーが閉じられている状態を例解する。
【
図9-2】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスのローラが器具シャフトと係合され、カバーが閉じられている状態を例解する。
【
図10-1】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスのローラが係合解除され、カバーが閉じられている状態を例解する。
【
図10-2】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスのローラが係合解除され、カバーが閉じられている状態を例解する。
【
図11-1】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスのローラが係合解除され、カバーが開いている状態を例解する。
【
図11-2】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスのローラが係合解除され、カバーが開いている状態を例解する。
【
図12】1つ以上の実施形態による、器具シャフトが係合アセンブリ内に配設/装填されていないときの係合アセンブリの例示的な状態を例解する。
【
図13】1つ以上の実施形態による、器具シャフトが係合アセンブリ内に配設/装填されているときの係合アセンブリの例示的な状態を例解する。
【
図14】1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスの係合アセンブリの状態を決定するための例示的なプロセスを例解する。
【
図15】1つ以上の実施形態による、医療器具の細長いシャフトが器具フィーダーデバイスに装填されている/適切に装填されているかどうかを判定するための例示的なプロセスを例解する。
【
図16-1】1つ以上の実施形態による、医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去するための例示的なプロセスを例解する。
【
図16-2】1つ以上の実施形態による、医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去するための例示的なプロセスを例解する。
【
図16-3】1つ以上の実施形態による、医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去するための例示的なプロセスを例解する。
【
図17】1つ以上の実施形態による、細長いシャフトを挿入する文脈において医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去するための例示的なプロセスを例解する。
【
図18-1】1つ以上の実施形態による、アドミタンス制御モードを有効にすること及び/又は細長いシャフトを回転させることに関連して、医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去するための例示的なプロセスを例解する。
【
図18-2】1つ以上の実施形態による、アドミタンス制御モードを有効にすること及び/又は細長いシャフトを回転させることに関連して、医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去するための例示的なプロセスを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ある特定の実施形態及び例を以下に開示するが、主題は、具体的に開示した実施形態を越えて他の代替的な実施形態及び/又は使用まで、かつそれらの変更及び均等物にまで及ぶ。したがって、本開示の範囲は、以下に記載される特定の実施例のうちのいずれかによって限定されるものではない。例えば、本明細書で開示した任意の方法又はプロセスにおいて、方法又はプロセスの行為又は動作は、任意の好適な順序で実施されてもよく、必ずしも任意の特定の開示された順序に限定されるものではない。様々な動作を、ある特定の実施形態を理解することに役立ち得る方法で、複数の別個の動作として順々に説明する場合があるが、説明の順番は、これらの動作が順番に依存することを意味すると解釈すべきではない。加えて、本明細書に記載される構造、システム、及び/又はデバイスは、統合された構成要素又は別個の構成要素として具体化され得る。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の、ある特定の態様及び利点について説明する。必ずしもこのような態様又は利点が全て、任意の特定の実施形態によって実現されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態を、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点の群の実現又は最適化を、やはり本明細書で教示又は示唆され得る他の態様又は利点を必ずしも実現することなく行う方法で実行し得る。
【0031】
「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」、「頂部」「底部」、及び同様の用語などの、ある特定の空間的に相対的な用語は、本明細書では、あるデバイス/要素又は解剖学的構造の別のデバイス/要素又は解剖学的構造に対する空間的関係を説明するために用いられるが、これらの用語は、本明細書では、図面に例解されるように、要素(複数可)/構造(複数可)間の位置関係を説明するために説明を簡単にするために用いられることを理解されたい。空間的に相対的な用語は、図面に示す配向に加えて、使用又は動作時に、要素(複数可)/構造(複数可)の異なる配向を包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、要素/構造が別の要素/構造の「上方」にあると説明される場合、対象患者又は要素/構造の代替的な配向に対してこのような他の要素/構造の下方又は脇にある位置を表すことがあり、逆もまた同様である。上に列挙されたものを含む空間的に相対的な用語は、参照される図のそれぞれの図示された配向に対して理解され得ることを理解されたい。
【0032】
1つ以上の点で類似する特徴を有するデバイス、構成要素、システム、特徴、及び/又はモジュールの便宜のために、本開示の図のセットの異なる図にわたってある特定の参照番号が再使用される。しかしながら、本明細書に開示される実施形態のいずれかに関して、図面における共通の参照番号の再使用は、そのような特徴、デバイス、構成要素、又はモジュールが同一又は類似であることを必ずしも示さない。むしろ、当業者は、共通の参照番号の使用が、参照される主題の間の類似性を暗示することができる程度に関して、文脈によって通知され得る。特定の図の説明の文脈における特定の参照番号の使用は、その特定の図における識別されたデバイス、構成要素、態様、特徴、モジュール、又はシステムに関連すると理解することができ、必ずしも別の図において同じ参照番号によって識別される任意のデバイス、構成要素、態様、特徴、モジュール、又はシステムに関連しないと理解することができる。更に、共通の参照番号で識別される別個の図の態様は、特性を共有するように、又は互いに完全に独立しているように解釈することができる。
【0033】
本開示のある特定の態様は、腎臓結石の除去/治療処置などの腎臓、泌尿器、及び/又は腎臓学的な処置の文脈において本明細書で詳細に説明されるが、このような文脈は、便宜上提供され、本明細書に開示される概念は、気管支鏡検査などの任意の好適な医療処置に適用可能であることを理解されたい。しかしながら、腎臓/泌尿器の解剖学的構造並びに関連する医学的な問題及び処置の説明を、本明細書で開示する概念の説明を助けるために以下に提示する。
【0034】
腎臓結石疾患は、尿路結石症としても知られているが、尿路において、「腎臓結石」、「尿路結石」、「腎結石」、「腎臓結石症」、又は「腎結石症」と言われる物質の固体片が形成されることを含む医学的状態である。尿路結石は、腎臓、尿管、及び膀胱内で形成及び/又は見出される場合がある(「膀胱結石」と言われる)。このような尿路結石は、尿中のミネラルが濃縮した結果として形成される可能性があり、このような結石が、尿管又は尿道を通る尿流を妨げるのに十分なサイズに達すると、著しい腹痛を引き起こす可能性がある。尿路結石は、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、尿酸、シスチン、及び/若しくは他の化合物、又はこれらの組み合わせから形成される場合がある。
【0035】
腎臓結石患者の治療には、観察、内科的治療(排出療法など)、非侵襲的治療(体外衝撃波結石破砕術(extracorporeal shock wave lithotripsy、ESWL)など)、低侵襲的又は外科的治療(尿管鏡検査及び経皮的腎結石摘出術(percutaneous nephrolithotomy、PCNL)など)など、いくつかの方法を用いることができる。いくつかのアプローチ(例えば、尿管鏡検査及びPCNL)では、医師が結石にアクセスし、結石をより小さな破片又は断片に破砕し、バスケットデバイス及び/又は吸引を使用して、比較的小さな結石断片/微粒子を腎臓から取り出す。
【0036】
尿管鏡検査処置では、医師は、膀胱及び尿管から尿路結石を除去するために、尿管鏡を尿道を通して尿路に挿入する場合がある。通常、尿管鏡は、その遠位端に、尿路の視覚化を可能にするように構成された撮像デバイスを含む。尿管鏡はまた、尿路結石を捕捉又は破砕するための砕石デバイスを含むことができる。尿管鏡検査処置中に、1人の医師/技師が、尿管鏡の位置を制御し得る一方で、別の他の医師/技師は、砕石デバイス(複数可)を制御し得る。
【0037】
比較的大きい結石を除去するために使用され得るPCNL処置では、医師は、皮膚を通して(すなわち、経皮的に)、及び介在組織を通して、腎臓鏡を挿入して、結石(複数可)を破砕及び/又は除去するための治療部位へのアクセスを提供し得る。PCNL処置中に、流体工学を適用して、治療部位及び/又は視野から石塵、小片、及び/又は血栓を一掃することができる。いくつかの例では、比較的真っ直ぐな及び/又は剛性の腎臓鏡が使用され、医師は、患者の身体に対してデバイスを押す/てこ作用させることによって、腎臓鏡の先端部を腎臓(例えば、腎杯)内の適切な場所に位置付ける。この動きは、患者にとって有害である可能性がある(例えば、組織損傷を引き起こす)。
【0038】
本明細書で説明されるいくつかの処置では、ロボットツールを、医師が標的解剖学的部位へのアクセスを得る、かつ/又はこれを治療することを可能にするように実装することができる。例えば、医療システムは、スコープ又は別の医療器具などの細長いシャフトを含む医療器具と係合するように構成することができる。医療システムは、患者から腎臓結石を除去し、かつ/又は他の方法で標的部位を治療するなどの処置を実施するために、医療器具を制御するように構成することができる。医療システムは、医療器具の器具基部/ハンドルに結合するように、かつ/又は医療器具の細長いシャフトに結合するように構成された1つ以上のロボットアームを含むことができる。
【0039】
いくつかの例では、医療システムは、ある特定の機能の実施を支援するために器具フィーダーデバイスを実装する。器具フィーダーデバイスは、医療器具の細長いシャフトと選択的に係合し、細長いシャフトの動きを制御し、かつ/又は他の方法で細長いシャフトを支持することができる。例えば、器具フィーダーデバイスは、細長いシャフトの軸方向運動(例えば、シャフトを挿入する/後退させる)を容易にし、シャフトの回転中にシャフトを保持し、ロボットアームの手動移動中にシャフトを保持することなどができる。例示すると、器具フィーダーデバイスは、細長いシャフトと係合して医療器具の駆動中に細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成された1つ以上のアクチュエータを含むことができる。更に、器具フィーダーデバイスは、細長いシャフトを保持する一方で、器具フィーダーデバイス内で細長いシャフトを回転させ、細長いシャフトを器具フィーダーデバイスを通して摺動させるなど、細長いシャフトの動きのいくらかの自由度を依然として提供する保持機構を含むことができる。多くの場合、器具フィーダーデバイスは、細長いシャフトを挿入又は後退させ、かつ/又は細長いシャフトの耐座屈支持を提供するなど、細長いシャフトの動きを効率的に/迅速に制御することができる。
【0040】
器具フィーダーデバイスは、概して、1つのロボットアーム/構成要素に結合することができ、医療器具の器具基部は、概して、別のロボットアーム/構成要素に結合することができる。いくつかの例では、器具フィーダーデバイスは、器具ハンドルの動きと相関させる方法で制御することができる。例えば、シャフトを挿入するために、器具フィーダーデバイスは、挿入方向へのシャフトの軸方向運動を引き起こすことができ、一方、器具ハンドルに結合されたロボットアームは、軸方向運動の速度に相関させる方法で、器具フィーダーデバイスに結合されたロボットアームに近づくように移動する。同様に、シャフトを後退させるために、器具フィーダーデバイスは、後退方向への細長いシャフトの軸方向運動を引き起こすことができ、一方、器具ハンドルに結合されたロボットアームは、軸方向運動の速度に相関させる方法で、器具フィーダーデバイスに結合されたロボットアームから遠ざかるように移動する。
【0041】
本開示は、とりわけ、医療器具と知的に係合し、かつ/又は医療器具を制御するように器具フィーダーデバイスを制御するためのデバイス、システム、及び方法に関する。これは、医師が器具フィーダーデバイス及び/又は医療器具を異なる方法/シナリオで使用するのを支援することができる。例えば、医療システムは、医療器具を器具フィーダーデバイスに装填する、医療器具の細長いシャフトの動きを制御する、医療システムのデバイス/構成要素を調整することを可能にするなど、医療器具を使用するための様々な構成/状態を実装するために器具フィーダーデバイスを制御するように構成される。例えば、医療システムは、医師が細長いシャフトを器具フィーダーデバイスに装填できるように、器具フィーダーデバイスを適切な時間に開放/係合解除させることができる。更に、医療システムは、器具フィーダーデバイスを適切な時間に細長いシャフトと係合させることができ、その結果、医療システムは、細長いシャフトを挿入又は後退させることなどによって、医療器具を駆動/ナビゲートすることができる。更に、医療システムは、細長いシャフトを回転させる、細長いシャフトと器具フィーダーデバイスとの係合による抵抗を受けることなくロボットアームを自由に移動させるなど、ある特定の動作を容易にするために、適切な時間に器具フィーダーデバイスを細長いシャフトから係合解除させ、細長いシャフトを保持することができる。
【0042】
更に、本開示は、器具フィーダーデバイス及び/又は器具フィーダーデバイスに対する医療器具の状態を決定するためのデバイス、システム、及び方法に関する。例えば、ロボットアームは、医療器具の細長いシャフトとの係合を制御するために、器具フィーダーデバイスに結合して出力を提供するように構成された駆動出力部を含むことができる。医療システムは、駆動出力部によって加えられた力、駆動出力部の位置、器具フィーダーデバイス上のセンサに基づいて、かつ/又は別の方法で、器具フィーダーデバイスと細長いシャフトとの係合状態及び/又は医療器具の状態を決定することができる。器具フィーダーデバイス/医療器具の状態は、医療器具が器具フィーダーデバイスに装填されているか/適切に装填されているか、器具フィーダーデバイスが医療器具と係合しているか、器具フィーダーデバイスが医療器具を保持し、医療器具の動きの自由度を可能にするように構成されているか、などを示すことができる。これにより、医療システムは、器具フィーダーデバイスが適切な構成/状態で実施されており、かつ/又は、医療器具が適切な時間に装填されている/適切に装填されていることを確認/決定することを可能にすることができる。例えば、医療器具が器具フィーダーデバイスに適切に装填されていると判定された場合、医療システムは、医療器具の駆動/ナビゲーションを進めることができる。更に、医療器具が装填されていない又は適切に装填されていない(例えば、シャフトの駆動を容易にするための適切な位置内に配置されていない)と判定された場合、医療システムは、通知/信号を提供して、このような状態をユーザ/構成要素に通知し、かつ/又は医療器具が適切に装填されるまで医療器具を駆動するのを待機することができる。
【0043】
したがって、実施例では、本明細書で説明される医療システムは、器具フィーダーデバイスを制御して、医療器具と知的に係合し、かつ/又は医療器具を制御するように構成することができる。例えば、医療システムは、器具フィーダーデバイスを適切な時間に適切な状態で配置し、かつ/又は器具フィーダーデバイス/医療器具の状態を確認することができる。これにより、医師が、器具フィーダーデバイス及び/又は医療器具を、医療器具を装填する/取り外す、医療器具を挿入する/後退させる、ロボットアーム若しくは医療システムの別の構成要素の位置を調整する、医療器具を回転させるなどのスムーズなワークフロー移行を可能にすることによって、異なる方法/シナリオで使用するのを支援することができる。実施例では、器具フィーダーデバイスは、器具フィーダーデバイス/医療器具の状態に関してユーザからの確認を受けることなく制御することができる。更に、器具フィーダーデバイス/医療器具の状態を制御及び/又は確認することによって、医療システムは、医療器具を不適切に装填することに関連する問題を回避/解決することができる(例えば、保持機構/カバーが細長いシャフトを挟む(細長いシャフトを損傷する可能性がある)ことを回避する、細長いシャフトが不適切に装填された状態で細長いシャフトを駆動する(細長いシャフトを損傷する可能性もある)ことを回避するなど)。
【0044】
更に、本開示は、医療器具の細長いシャフトの弛みを評価及び/又は除去するためのデバイス、システム、及び方法に関する。例えば、上述したように、器具フィーダーデバイスは、医療器具の細長いシャフトを制御するために実装することができる。器具フィーダーデバイスは、概して、1つのロボットアーム/構成要素に結合することができ、医療器具の器具基部は、概して、別のロボットアーム/構成要素に結合される。場合によっては、細長いシャフトは、器具基部と器具フィーダーデバイスとの間に弛みを含むことがあり、この弛みは、医療器具の装填、器具フィーダーデバイス/ロボットアーム/ハンドルなどの1つ以上の構成要素におけるバックラッシュ/遊び、実際のバックラッシュとソフトウェア構成によるバックラッシュとの間の不一致、細長いシャフト上での器具フィーダーデバイスの滑りなどに起因して生じ得る。このような弛みは、望ましくない問題を引き起こす可能性がある。例えば、シャフトが挿入されるときに細長いシャフトに弛みがある場合、器具ハンドルが器具フィーダーデバイスに近づくように移動するにつれて、弛みの曲率が増大する場合があり、これは、潜在的に、細長いシャフトを損傷するかつ/又は他の問題を引き起こす可能性がある。更に、(例えば、細長いシャフトの回転を開始するために、ロボットアームの手動移動を可能にするために、かつ/又は他の理由のために)器具フィーダーデバイスが細長いシャフトから係合解除されるときに細長いシャフトに弛みがある場合、細長いシャフトは、シャフト内のエネルギーが解放されるにつれて挿入方向に移動し得る。これは、(例えば、細長いシャフトの先端部が比較的強い力で組織に接触することに起因して)患者に害を及ぼす可能性がある。このような問題を防止するために、医療システムは、器具ハンドルと器具フィーダーデバイスとの間の細長いシャフトに弛みがあるかどうかを判定し、場合によっては、細長いシャフトに弛みがある場合、それを除去/低減することができる。
【0045】
医療システムは、様々な方法で細長いシャフトの弛みの量を決定することができる。例えば、医療システムは、医療器具の器具基部に結合されたロボットアームによって加えられたアーム力の量を決定し、かつ/又は器具フィーダーデバイスに結合されたロボットアームの駆動出力部(複数可)によって加えられた駆動出力部の力の量を決定することができる。駆動出力部(複数可)は、細長いシャフトの軸方向運動を制御するように構成することができる。アームの力及び/又は駆動出力部の力の量は、細長いシャフトに弛み又は張力があるかどうかを決定するために使用することができる。追加的又は代替的に、医療システムは、細長いシャフトの形状を示す形状感知データ、細長いシャフトの少なくとも一部分の位置を示す位置センサデータ、及び/又は他のデータに基づいて、細長いシャフトの弛みの量を決定することができる。
【0046】
実施例では、医療システムは、細長いシャフトの弛みを除去/低減することができる。例えば、医療システムは、器具ハンドルに結合されたロボットアームを、器具フィーダーデバイスに結合されたロボットアームから離れる方向に移動させることができる。これは、器具フィーダーデバイスを使用して細長いシャフトを能動的に作動させることなく行うことができる。代替的又は追加的に、医療システムは、器具フィーダーデバイスに、細長いシャフトを器具ハンドルから離れる挿入方向に移動させることができる。これは、器具ハンドルに結合されたロボットアームを能動的に作動させることなく行うことができる。いくつかの例では、医療システムは、器具フィーダーデバイスを細長いシャフトから係合解除する前、細長いシャフトを回転させる前、細長いシャフトを挿入することの一部として、かつ/又は他の状況など、ある特定の機能を実施する前及び/又はその一部として、細長いシャフトの弛みを特定し、かつ/又はそのような弛みを除去することができる。
【0047】
したがって、実施例では、本明細書で説明される医療システムは、医療器具の弛みを知的に評価し、かつ/又はそのような弛みを除去するように構成することができる。これにより、細長いシャフトが、患者に害を及ぼす可能性がある(例えば、器具フィーダーデバイスがシャフトから係合解除されるときの)挿入方向に意図せずに移動するのを防止することができる。更に、細長いシャフトの弛みを評価及び/又は除去することにより、(例えば、器具ハンドルと器具フィーダーデバイスとの間に過剰な弛みが導入されたときに細長いシャフトを過度に曲げることによる)医療器具の損傷を回避することができる。更に、処置を実施する際の中断を回避することができる(例えば、ユーザが医療器具の弛みをチェックし、医療器具を再装填しなければならないことなどを回避する)。例えば、医療システムは、処置前、処置中、又は処置後のある特定の時点で、細長いシャフトの弛みを自動的に評価及び/又は除去することができる。場合によっては、本技術は、細長いシャフトに弛みを導入する未知の原因を考慮することができる。
【0048】
医療器具に結合するために2つのロボットアームを実装する文脈で様々な技術が説明されるが、これらの技術は、単一のロボットアームに含まれる複数の構成要素を用いて実施することができる。例えば、ロボットアームは、器具フィーダーデバイスに結合するための第1の結合要素/ロボット構成要素と、器具ハンドルに結合するための第2の結合要素/ロボット構成要素と、を含むことができ、フィーダーデバイス及びハンドルは、レール又は他の特徴に沿ってなど、互いに対して移動することができる。
【0049】
更に、いくつかの技法がロボット支援型医療処置の文脈で説明されているが、それらの技法は、ロボットツールを実装しない、又は比較的少ない動作(例えば、閾値数未満)のためにロボットツールを実装する処置など、他のタイプの医療処置に適用可能であり得る。例えば、本技法は、医師が完全に制御する手動カテーテル及び/又はスコープなどの手動で動作される医療器具が実装される処置に適用可能である可能性がある。
【0050】
本開示のある特定の態様は、腎臓結石除去/治療処置などの腎臓、泌尿器、及び/又は腎臓の処置の文脈で本明細書に記載されている。しかしながら、このような文脈は便宜上提供され、本明細書に開示される概念は、任意の好適な医療処置に適用可能であることを理解されたい。例えば、以下の説明は、例えば、胆嚢結石除去、肺(肺/経胸腔)腫瘍生検、白内障除去など、経皮的アクセス及び/又は内視鏡的アクセスを介して治療部位又は患者の体腔(例えば、食道、尿管、腸、眼球など)から除去することができる任意の対象物を含む、患者からの対象物の除去に関係する他の外科的/医療手術又は医療処置にも適用可能である。しかしながら、前述のように、腎臓/泌尿器の解剖学的構造並びに関連する医学的な問題及び処置の説明を、本明細書に開示される概念の説明を助けるために以下に提示する。
【0051】
図1は、1つ以上の実施形態による、診断上及び/又は治療上の尿管鏡検査処置のために配置された例示的なロボット医療システム100を例解する。医療システム100は、患者120に対する処置を行うために1つ以上の医療器具/医療デバイスと係合し、かつ/又は制御するように構成されたロボットシステム110を含む。
図1の例では、ロボットシステム110は、スコープ130及び電磁(electromagnetic、EM)場発生器140に結合する。しかしながら、ロボットシステム110は、任意のタイプのデバイス/器具に結合することができる。医療システム100はまた、ロボットシステム110及び/又は医師160とインターフェースで接続し、処置に関する情報を提供し、かつ/又は様々な他の動作を実施するように構成された制御システム150を含む。例えば、制御システム150は、ある特定の情報を提示するように構成されたディスプレイ(複数可)152、及び/又はロボットシステム110を制御するためなど、医師160からの入力を受信するように構成された入力/出力(input/output、I/O)デバイス154(この例ではコントローラ)を含むことができる。医療システム100は、患者120を保持するためのテーブル170(例えば、ベッド)を含むことができる。様々な行為は、医師160が実施すると本明細書に記載されている。これらの行為は、医師160、医師160の指示の下でのユーザ、別のユーザ(例えば、技師)、これらの組み合わせ、及び/又は任意の他のユーザが直接実施することができる。医療システム100のデバイス/構成要素は、処置のタイプ、処置の段階、ユーザの選好などに応じて、様々な方法で配置することができる。
【0052】
制御システム150は、一般に、ロボットシステム110と協働して動作して、医療処置を実施することができる。例えば、制御システム150は、無線接続又は有線接続を介してロボットシステム110と通信して、ロボットシステム110に接続された器具/デバイスを制御し、医療器具によって取得された画像(複数可)を受信することなどができる。例えば、制御システム150は、スコープ130(例えば、スコープ130と関連付けられた撮像デバイス)から画像データを受信し、その画像データ(及び/又はそこから生成された表示)をディスプレイ(複数可)152を介して表示して、医師160がスコープ130及び/又は別の器具を患者120内でナビゲートするのを支援することができる。医師160は、I/Oデバイス154又は別のI/Oデバイスを介して入力を提供することができ、制御システム150は、制御信号をロボットシステム110に送信して、ロボットシステム110に接続されたスコープ130の移動を制御することができる。スコープ130(及び/又は別の医療器具)は、関節運動する、回転するなど、様々な方法で動くように構成することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、1つ以上の電気接続を介してロボットシステム110に電力を提供し、1つ以上の光ファイバ又は他の構成要素を介してロボットシステム110に光学系を提供することなどができる。実施例では、制御システム150は、(ロボットシステム110を介して、かつ/又は医療器具から直接)センサデータを受信するために医療器具と通信することができる。センサデータは、医療器具の位置及び/又は配向を示すことができ、又は決定するために使用することができる。更に、実施例では、制御システム150は、テーブル170と通信して、テーブル170を配向するか、又はその他の方法でテーブル170を制御することができる。更に、実施例では、制御システム150は、EM場発生器140と通信して、患者120の周りのEM場の生成を制御することができる。
【0054】
ロボットシステム110は、医療器具(複数可)/医療デバイスと係合し、かつ/又はこれらを制御するように構成された1つ以上のロボットアーム112を含むことができる。各ロボットアーム112は、ジョイントに結合された複数のアームセグメントを含むことができ、これにより、複数の動きの度合いを提供することができる。ロボットアーム112(例えば、エンドエフェクタ)の遠位端は、器具/デバイスに結合するように構成することができる。
図1の例では、ロボットアーム112(A)は、EM場発生器140に結合されている。第2のロボットアーム112(B)は、スコープ130のロボット制御/前進を容易にすることができる器具フィーダーデバイス180に結合されている。更に、第3のロボットアーム112(C)は、スコープ130のハンドル132に結合されており、これは、スコープ130、及び/又はスコープ130の作業チャネルを通して展開される器具など、スコープ130を通して展開することができる医療器具の前進及び/又は動作を容易にするように構成することができる。この例では、第2のロボットアーム112(B)及び/又は第3のロボットアーム112(C)は、スコープ130の動き(例えば、関節運動、回転など)を制御することができる。
図1では、3つのロボットアームが特定の器具/デバイスに接続されているが、ロボットシステム110は、任意のタイプの医療器具/医療デバイスに接続するように構成された任意の数のロボットアームを含むことができる。
【0055】
ロボットシステム110は、医療システム100の任意の構成要素に通信可能に結合することができる。例えば、ロボットシステム110は、制御システム150に通信可能に結合されて、制御システム150からの制御信号を受信して、ロボットアーム112を特定の方法で制御する、器具/デバイスを操作するなどの動作を実施することができる。更に、ロボットシステム110は、患者120の内部解剖学的構造を示す画像(画像データとも称される)をスコープ130から受信し、かつ/又は、その画像を制御システム150に送信するように構成することができ、次いで、その画像をディスプレイ(複数可)152上に表示することができる。更に、ロボットシステム110は、制御システム150などの医療システム100の構成要素に、かつ/又は流体管理システムに、流体、光学系、電力などを構成要素から受け取ることができるような方法で結合されている。
【0056】
医療器具は、(「内視鏡」と称されることもある)スコープ、カテーテル、針、ガイドワイヤ、砕石器、バスケット回収デバイス、鉗子、バキューム、針、外科用メス、撮像プローブ、撮像デバイス、掴み具、ハサミ、握持器具、針ホルダ、マイクロ解剖器具、ステープルアプライヤ、タッカ、吸引/灌注ツール、クリップアプライヤなどの様々なタイプの器具を含むことができる。医療器具は、直接進入器具、経皮進入器具、及び/又は別のタイプの器具を含むことができる。いくつかの実施形態では、医療器具は、操縦可能なデバイスであり、一方で、他の実施形態では、医療器具は、操縦不可能なデバイスである。いくつかの実施形態では、外科用ツールとは、針、外科用メス、ガイドワイヤなどの、ヒトの解剖学的構造を穿刺するか又はヒトの解剖学的構造を通って挿入されるように構成されたデバイスを指す。しかしながら、外科用ツールとは、他のタイプの医療器具を指すことができる。
【0057】
「スコープ」又は「内視鏡」という用語は、画像生成、視認、及び/又は捕捉機能を有し(又は作業チャネルを通して展開される撮像デバイスを用いてこのような機能を提供するように構成され)、身体の任意のタイプの器官、体腔、管腔、チャンバ、及び/又は体の空間に導入されるように構成される、任意のタイプの細長い医療器具を指すことができる。例えば、スコープ130などのスコープ又は内視鏡は、尿管鏡(例えば、尿路にアクセスするための)、腹腔鏡、腎臓鏡(例えば、腎臓にアクセスするための)、気管支鏡(例えば、気管支などの気道にアクセスするための)、結腸鏡(例えば、結腸にアクセスするための)、関節鏡(例えば、関節にアクセスするための)、膀胱鏡(例えば、膀胱にアクセスするための)、ボアスコープなどを指すことができる。スコープ/内視鏡は、いくつかの例では、剛性又は可撓性の管を含んでもよく、かつ/又は外側シース、カテーテル、導入器、若しくは他の管腔型デバイス内を通過するように寸法決めされてもよく、又はこのようなデバイスなしで使用されてもよい。いくつかの実施形態では、スコープは、砕石器、バスケットデバイス、鉗子、レーザデバイス、撮像デバイスなどの更なるツール/医療器具を処置部位内に導入することができる1つ以上の作業チャネルを含む。
【0058】
「直接侵入」又は「直接アクセス」という用語は、患者の身体内の自然開口部又は人工開口部を通る器具の任意の侵入を指すことができる。例えば、スコープ130は、尿道を介して患者の尿路内に侵入するため、スコープ130は直接アクセス器具と称されてもよい。
【0059】
「経皮侵入」又は「経皮的アクセス」という用語は、患者の皮膚、及び処置と関連付けられた標的解剖学的位置(例えば、腎臓の腎杯網)に到達するために必要な任意の他の身体層を通る器具の穿刺及び/又は小切開などによる侵入を指すことができる。したがって、経皮的アクセス器具は、針、外科用メス、ガイドワイヤ、シース、シャフト、スコープ、カテーテルなど、皮膚及び/又は他の組織/解剖学的構造を通って穿刺するか又はそれを通って挿入されるように構成された医療器具、デバイス、又はアセンブリを指すことができる。しかし、経皮的アクセス器具は、本開示の文脈において他のタイプの医療器具を指すことができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、経皮的アクセス器具は、患者の皮膚を通った穿刺及び/又は小切開を容易にするデバイスによって挿入又は実装される器具/デバイスを指す。例えば、カテーテルは、患者の皮膚に挿入されたシース/シャフトを通って挿入されるときに、経皮的アクセス器具と称され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、医療器具は、センサデータを生成するように構成された(位置センサとも称される)センサを含む。実施例では、センサデータは、医療器具の位置及び/若しくは配向を示すことができ、かつ/又は医療器具の位置及び/若しくは配向を決定するために使用することができる。例えば、センサデータは、スコープの位置及び/又は配向を示すことができ、これはスコープの遠位端の回転を示すことができる。医療器具の位置及び配向は、医療器具の姿勢と称され得る。センサは、医療器具の遠位端及び/又は任意の他の場所に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、センサは、センサデータを制御システム150、ロボットシステム110、及び/又は別のシステム/デバイスに提供して、医療器具の位置及び/又は配向を決定/追跡するための1つ以上の位置特定技法を実施することができる。
【0061】
いくつかの実装形態では、センサは、導電性材料のコイルを伴う電磁気(EM)センサを含むことができる。ここで、EM場発生器は、医療器具上のEMセンサによって検出されるEM場を提供することができる。磁場は、EMセンサのコイル内に小電流を誘導することができ、小電流を分析して、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び/又は角度/配向を決定することができる。更に、センサは、カメラ、距離センサ(例えば、深度センサ)、レーダデバイス、形状感知ファイバ、加速度計、ジャイロスコープ、加速度計、衛星ベースの測位センサ(例えば、全地球測位システム(global positioning system、GPS))、無線周波数トランシーバなどの別のタイプのセンサを含むことができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、医療システム100はまた、C型アームに一体化され、かつ/又は蛍光透視術タイプの処置の場合などの処置中に撮像するように構成することができる撮像デバイス(
図1に図示せず)を含むことができる。撮像デバイスは、1つ以上のX線又はCT画像など、処置中に患者120の1つ以上の画像を取得/生成するように構成することができる。実施例では、撮像デバイスからの画像を、医師160が処置を実施するのを支援するために患者120内の解剖学的構造及び/又は医療器具を視認するように、リアルタイムで提供することができる。撮像デバイスを使用して、(例えば、患者120内で造影剤を用いた)蛍光透視法又は別のタイプの撮像技法を実行し得る。
【0063】
更に、いくつかの実施形態では、医療システム100はまた、カテーテル、スコープ130、カテーテル/スコープと関連付けられた器具/デバイス(例えば、1つ以上のアクセスシース)、及び/又は別の器具/デバイスなどを介して、標的部位への吸引及び/又は灌注を制御/提供するように構成されている、流体管理システム(「吸引システム」又は「灌注システム」と称されることもある)を含むことができる。流体管理システムは、1つ以上の流体バッグ/容器を保持し、かつ/又はこれらのへの/これらからのを流体流を制御するように構成することができる。実施例では、流体管理システムは、ディスプレイ、流量制御機構、及び/又は制御回路などのある特定の電子構成要素を含む。流体管理システムは、独立型タワー/カートを含んでもよい。流体管理システムは、カテーテル/スコープに結合された吸引チャネル/管を介して吸引流体を収集容器/カートリッジ内に引き込み得るポンプを含んでもよい。
【0064】
医療システム100の様々な構成要素を、無線ネットワーク及び/又は有線ネットワークを含むことができるネットワークを介して互いに通信可能に結合することができる。例示的なネットワークとしては、1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、インターネットエリアネットワーク(Internet area network、IAN)、ボディエリアネットワーク(body area network、BAN)、セルラーネットワーク、インターネットなどが挙げられる。更に、いくつかの実施形態では、医療システム100の構成要素は、1つ以上の支持ケーブル、管などを介して、データ通信、流体/ガス交換、電力交換などのために接続されている。
【0065】
いくつかの例では、医療システム100は、腎臓結石を治療するなど、腎臓の解剖学的構造に関連する医療処置を実施するように実装される。例えば、ロボット支援型経皮的処置を実施することができ、ロボットツール(例えば、医療システム100の1つ以上の構成要素)は、医師/泌尿器科医が内視鏡(例えば、尿管鏡検査)標的アクセス並びに経皮的アクセス/治療を実施することを可能にすることができる。しかしながら、本開示は、腎臓結石除去及び/又はロボット支援型処置に限定されるものではない。いくつかの実装態様では、ロボット医療ソリューションによって、厳密に手動の処置と比較して、ある特定の器具に対して比較的高い精度、優れた制御、及び/又は優れた視覚と手の協調を得ることができる。例えば、いくつかの処置による腎臓へのロボット支援型経皮的アクセスによって、泌尿器科医が直接侵入の内視鏡腎臓アクセスと経皮的腎臓アクセスとの両方を実施することを可能にすることができる。本開示のいくつかの実施形態は、カテーテル、腎臓鏡、尿管鏡、及び/又はヒトの腎臓の解剖学的構造の文脈で提示されているが、本明細書で開示した原理は、任意のタイプの内視鏡/経皮的処置又は別のタイプの処置において実装され得ることを理解されたい。
【0066】
1つの例示的かつ非限定的な処置では、医療システム100を、腎臓190を検査し、かつ/又は腎臓結石191を除去するために使用することができる。処置のためのセットアップ中、医師160は、ロボットシステム110のロボットアーム112を所望の構成に位置付けし、かつ/又は適切な医療器具を取り付けることができる。例えば、医師160は、第1のロボットアーム112(A)を治療部位の近くに位置付け、EM場発生器140を取り付けることができ、EM場発生器140は、処置中にスコープ130及び/又は他の器具/デバイスの場所を追跡することを支援することができる。更に、医師160は、第2のロボットアーム112(B)を患者120の脚の間に位置付け、スコープ130のロボット制御/前進を容易にすることができる器具フィーダーデバイス180を取り付けることができる。いくつかの例では、医師160は、シース/アクセス器具134を患者120の尿道192内に、膀胱193を通して、かつ/又は尿管194の上に挿入することができる。医師160は、シース/アクセス器具134を器具フィーダーデバイス180に接続することができる。シース/アクセス器具134は、スコープ130を受容するように構成された管腔型デバイスを含むことができ、それにより、スコープ130を患者120の解剖学的構造内に挿入するのを支援する。しかしながら、いくつかの実施形態では、シース/アクセス器具134は使用されない(例えば、スコープ130は尿道192内に直接挿入される)。次いで、医師160は、スコープ130をシース/アクセス器具134に手動で、ロボットで、又はこれらの組み合わせで挿入することができる。医師160は、スコープ130のハンドル132を第3のロボットアーム112(C)に取り付けることができ、第3のロボットアーム112(C)は、ハンドル132の動き、スコープ130を通して展開されるバスケットデバイス/レーザデバイス/別の医療器具の動作を容易にするように、かつ/又は他の機能を容易にするように構成することができる。
【0067】
医師160は、制御システム150と対話して、ロボットシステム110に、スコープ130を腎臓190の中へ前進及び/又はナビゲートさせることができる。例えば、医師160は、コントローラ154又は別のI/Oデバイスを使用してスコープ130をナビゲートして、腎臓結石191の位置を特定することができる。制御システム150は、画像表現(例えば、スコープ130によって取得されたリアルタイム画像(複数可))を視認するなど、医師160がスコープ130をナビゲートするのを支援するために、スコープ130に関する情報を、ディスプレイ(複数可)152を介して提供することができる。いくつかの実施形態では、制御システム150は、位置特定技法を使用して、スコープ130の位置及び/又は配向を決定することができ、スコープ130は、ディスプレイ(複数可)152を通じて医師160が視認することができる。更に、医師160がスコープ130を制御するのを支援するために、患者120の内部解剖学的構造のX線画像又は他の画像など、他のタイプの情報をディスプレイ(複数可)152を通じて提示することもできる。
【0068】
スコープ130が、(例えば、腎臓190の腎杯内の)腎臓結石191の部位に達すると、スコープ130を使用して、腎臓190に経皮的にアクセスするために、カテーテルの標的場所を指定/タグ付けすることができる。腎臓190及び/又は周りの解剖学的構造に対する損傷を最小限にするために、医師160は、腎臓190に経皮的に侵入するための標的場所として乳頭を指定することができる。しかしながら、他の標的場所を指定又は決定することができる。乳頭を指定するいくつかの実施形態では、医師160は、乳頭に接触するようにスコープ130をナビゲートすることができ、制御システム150は、位置特定技法を使用して、スコープ130の場所(例えば、スコープ130の遠位端の場所)を決定することができ、制御システム150は、スコープ130の場所と標的場所とを関連付けることができる。更に、いくつかの実施形態では、医師160は、乳頭まで特定の距離内にある(例えば、乳頭の前に留置する)ようにスコープ130をナビゲートし、標的場所がスコープ130の視野内にあることを示す入力を提供することができる。制御システム150は、標的場所の場所を決定するために、画像分析及び/又は他の位置特定技法を実施することができる。更に、いくつかの実施形態では、スコープ130は、標的場所として乳頭をマークするための基準点を送達することができる。
【0069】
標的場所が指定されると、カテーテル又は他の器具は、(例えば、スコープ130と集結して)標的部位に達するように、経皮的アクセス経路を通して患者120に挿入することができる。例えば、EM場発生器140を取り外すことができ、カテーテル(図示せず)を第1のロボットアーム112(A)に接続することができる。医師160は、制御システム150と対話して、ロボットシステム110に、カテーテルを前進及び/又はナビゲートさせることができる。代替的又は追加的に、カテーテルは、カテーテルが手動制御可能なカテーテルとして実装されるときなどに、手動で挿入及び/又は制御することができる。制御システム150は、カテーテルに関する情報をディスプレイ(複数可)152を介して提供して、医師160がカテーテルをナビゲートするのを支援することができる。例えば、ディスプレイ(複数可)152は、スコープ130の視点から画像データを提供することができ、画像データは、(例えば、スコープ130の撮像デバイスの視野内にあるときに)カテーテルを示し得る。いくつかの実施形態では、針又は別の医療器具を患者120に挿入して、カテーテルが進入するための経皮的アクセス経路を作成する。更に、いくつかの実施形態では、経皮的アクセスデバイス/アセンブリ(例えば、1つ以上のシース及び/又はシャフト)は、カテーテルが標的場所に到達するためのアクセス経路を提供するために、針又は別の器具によって作成された経路に挿入される。ここで、カテーテルは、経皮的アクセスデバイスに挿入することができる。経皮的アクセスデバイスは、標的解剖学的構造に灌注を提供することができ、一方、カテーテルは、(例えば、カテーテル内の管腔を介して)吸引を提供することができる。
【0070】
スコープ130及び/又はカテーテルが標的場所に位置付けられると、医師160は、スコープ130を使用して、腎臓結石191を破砕し、かつ/又はカテーテルを使用して、腎臓結石191の破片を患者120から取り出すことができる。例えば、スコープ130は、腎臓結石191を破片に断片化するために、作業チャネルを通してツール(例えば、レーザ、切断器具など)を展開することができ、カテーテルは、腎臓190から、経皮的アクセス経路を通して破片を吸引することができる。カテーテルは、
図1に示すように、スコープ130がツール(例えば、レーザ)を使用して腎臓結石191を断片化する間、カテーテルの遠位端及び/又は相対的に固定された位置で腎臓結石191を維持/保持するために吸引を提供することができる。流体管理システムは、カテーテルと関連付けられた経皮的アクセスデバイス/アセンブリを介して標的部位に灌注を提供し、かつ/又はカテーテル(例えば、カテーテル140内の管腔)を介して標的部位に吸引を提供することができる。
【0071】
様々な例が、カテーテル及び/又は経皮的アクセスデバイス/アセンブリを介して灌注/吸引を提供する文脈で説明されているが、灌注流体及び/又は吸引は、場合によっては、スコープ130などの別のデバイスを通して治療部位(例えば、腎臓)に提供されてもよい。更に、灌注及び吸引は、同じ器具(複数可)を通して提供されてもよく、又は提供されなくてもよい。器具のうちの1つ以上が灌注及び/又は吸引機能を提供する場合、器具のうちの1つ以上の他のものは、除去される対象物を破砕することなどの、他の機能のために使用されてもよい。
【0072】
更に、様々な例示的な処置が、ロボット制御カテーテルを実装する文脈で説明されているが、処置は、手動制御可能カテーテルを用いて実施することができる。例えば、カテーテルは、医師160が保持/操作するように構成された手動制御可能なハンドルを含むことができる。医師160は、ハンドルを動かすこと及び/又は手動アクチュエータを操作することによってカテーテルをナビゲートすることができ、これにより、カテーテルの遠位部分の関節運動をもたらすことができる。
【0073】
医療システム100(及び/又は本明細書で説明される他の医療システム)によって、医師が処置(例えば、器具追跡、器具ナビゲーション、器具較正など)を実施するのを支援するための案内を提供する、医師が、熟練を要するアームの動き及び/又は位置を必要とせずに人間工学的位置から処置を実施することができる、1人の医師が1つ以上の医療器具を用いて処置を実施することができる、放射線被曝(例えば、蛍光透視法技法と関連付けられた)が回避される、処置を単一の手術設定で実施することができる、連続吸引/灌注を提供して対象物がより効率的に除去される(例えば、腎臓結石を除去する)などの、様々な利益を提供することができる。例えば、医療システム100は、医師が、解剖学的構造(例えば、決定臓器、血管など)に対する出血及び/又は損傷を最小限に抑えながら、標的解剖学的構造にアクセスするために様々な医療器具を使用するのを支援するための案内情報を提供することができる。更に、医療システム100は、医師及び患者の放射線への曝露を低減し、かつ/又は手術室内の機器の量を低減するための非放射線ベースのナビゲーション及び/若しくは位置特定技法を提供することができる。更に、医療システム100は、少なくとも制御システム150とロボットシステム110との間に分散された機能を提供することができ、これにより、独立して移動可能になることができる。このような機能及び/又は可動性の分散は、制御システム150及び/又はロボットシステム110が、特定の医療処置に対して最適である場所に配置されることを可能にすることができ、これにより、患者の周りの作業エリアを最大化し、かつ/又は医師が処置を実施するための最適化された場所を提供することができる。
【0074】
様々な技術/システムが、ロボット支援処置(例えば、医療システム100を少なくとも部分的に使用する処置)として実施されるものとして説明されているが、これらの技術/システムは、完全ロボット医療処置、人間のみの処置(例えば、ロボットシステムがない)などの他の処置において実施されてもよい。例えば、医療システム100は、医師が医療器具を保持/操作することなく、かつ医師がロボットシステム/アームの動きを制御することなく処置を実施するために使用されてもよい(例えば、処置を指示するために比較的少ない入力に依存する完全ロボット処置)。すなわち、処置中に使用される医療器具は各々、ロボットシステム110のロボットアーム112などの、医療システム100の構成要素によって保持/制御することができる。
【0075】
図2は、1つ以上の実施形態による、診断上及び/又は治療上の気管支鏡検査処置のために配置された例示的なロボット医療システム100を例解する。気管支鏡検査の間、ロボットシステム110のアーム(複数可)112は、気管支鏡検査のための処置特有気管支鏡であり得る操縦可能な内視鏡210(「気管支鏡210」とも称される)などの医療器具を、診断ツール及び/又は治療ツールを送達するための自然開口アクセスポイント(すなわち、本例ではテーブル170に位置付けられた患者120の口)に送達するように構成され得る。図示のように、ロボットシステム110は、アクセスポイントへのアクセスを提供するために、患者の上部胴体に近接して位置付けてもよい。同様に、アクセスポイントに対して気管支鏡210を位置付けるように、ロボットアーム112を作動させてもよい。消化管(gastro-intestinal、GI)処置を、GI処置に特化した内視鏡である胃内視鏡を用いて実施するときにも
図2の配置を利用し得る。
【0076】
ロボットシステム110が適切に位置付けられると、ロボットアーム112は、操縦可能な内視鏡210をロボットで、手動で、又はこれらの組み合わせで患者に挿入し得る。操縦可能な内視鏡210は、内側リーダー部分及び外側シース部分などの少なくとも2つの入れ子式部品を含み得、各部分は、器具駆動部のセットから別個の器具駆動部に結合され、かつ/又は各器具駆動部は、それぞれのロボットアーム112の遠位端に結合されている。器具駆動部のこの線形配置は、1つ以上のロボットアーム112を異なる角度及び/又は位置に操作することによって、空間において再位置付けされ得る「仮想レール」220を作成する。本明細書に記載される仮想レール/経路は、一般にシステムの任意の物理的構造を示さない破線を使用して図に示している。仮想レール220に沿った器具駆動部のうちの1つ以上の平行移動は、患者120から内視鏡210を前進又は後退させることができる。
【0077】
内視鏡210は、標的手術部位に到達するまで、ロボットシステム110からの正確なコマンドを使用して挿入後に患者の気管及び肺の下流に方向付けられてもよい。別個の器具駆動部の使用は、内視鏡/アセンブリ210の別個の部分の独立した駆動を可能にすることができる。例えば、患者の肺内の病巣又は小結節などの標的に生検針を送達するように、内視鏡210を方向付けてもよい。針は、内視鏡210の長さにわたる作業チャネルの下流に展開されて、病理医が分析する組織サンプルを得てもよい。病理の結果に応じて、更なる生検で、更なるツールが内視鏡210の作業チャネルを下流に展開させてもよい。例えば、小結節を悪性であると特定したとき、内視鏡210は、ツールを内視鏡下で送達して、潜在的な癌組織を切除してもよい。いくつかの例では、診断的治療及び治療的治療を別の処置で果たすことができる。これらの状況では、基準を送達して、標的小結節の場所を「マーク」するのにも、内視鏡210を使用し得る。他の例では、診断的治療及び治療的治療を同じ処置中に果たすことができる。
【0078】
図2のシステム100の配置では、患者導入器230は、ポート(図示せず、例えば、外科用管)を介して患者120に取り付けられる。患者導入器230は、(例えば、導入器230を支持し、テーブル170又は他の構造体に対して患者導入器230の位置を固着するように構成された患者導入器ホルダを介して)テーブル170に固着され得る。いくつかの実施形態では、患者導入器230は、近位端と、遠位端と、これらの間の導入管と、を含み得る。患者導入器230の近位端は、器具210(例えば、気管支鏡)を受容するように構成され得る開口部/開口を提供することができ、患者導入器230の遠位端は、器具210を患者アクセスポートに案内するように構成され得る第2の開口部を提供することができる。導入器230の湾曲した管構成要素は、その近位端と遠位端とを接続し、導入器230を通して器具210を案内することができる。
【0079】
導入器230の湾曲は、ロボットシステム110が、患者アクセスポートと直接軸方向に整列していない位置から器具210を操作することを可能にし得、それにより、室内でのロボットシステム110の配置におけるより大きな可撓性を可能にする。更に、導入器230の湾曲は、ロボットシステム110のロボットアーム112が患者導入器230と実質的に水平に位置合わせされることを可能にし得、これにより、必要に応じてロボットアーム(複数可)112の手動移動が容易になり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される器具フィーダーデバイスのうちの1つ以上は、
図2に例解されるものなどの気管支鏡検査処置において実装することができる。例えば、器具フィーダーデバイスは、内視鏡210と協働して実装され、内視鏡210の動きを少なくとも部分的に制御することができる。
【0081】
図3は、1つ以上の実施形態による、医療処置を実施するように構成されたテーブルベースのロボットシステム300を例解する。ここで、ロボット医療システム100のロボット構成要素のうちの1つ以上は、テーブル302に組み込むことができ、これにより、カートベースのロボットシステムと比較して、手術室内の資本設備の量を低減し、かつ/又は患者120へのより多くのアクセスを可能にすることができる。例えば、システム300は、制御システム150及び/又はロボットシステム110の1つ以上の構成要素を含むことができる。
【0082】
図示のように、テーブル302は、医療器具(複数可)/医療デバイスと係合するか、かつ/又はこれらを制御するように構成された1つ以上のロボットアーム304を含む/これらを組み込むことができる。各ロボットアーム304は、ジョイントに結合された複数のアームセグメントを含むことができ、これにより、複数の動きの度合いを提供することができる。ロボットアーム304(すなわち、エンドエフェクタ)の遠位端は、器具/デバイスに結合するように構成することができ、器具/デバイスは、カテーテル、針、スコープなど、本明細書で説明される医療器具/デバイスのいずれかを含むことができる。例えば、ロボットアーム304(B)は、
図3に示すように、器具フィーダーデバイス180に結合することができ、かつ/又はロボットアーム304(C)は、スコープ130のハンドル132に結合することができる。各ロボットアーム304は、
図1及び
図2のシステム100のロボットアーム112と同様であっても、異なっていてもよい。更に、各エンドエフェクタは、ロボットシステム110のエンドエフェクタと同様であっても、異なっていてもよい。
【0083】
図示のように、ロボット対応テーブルシステム300は、1つ以上のキャリッジ312(例えば、リング状の可動構造体)に結合されたカラム310を含むことができ、そこから1つ以上のロボットアーム304が出てくることができる。キャリッジ(複数可)312は、カラム310の長さの少なくとも一部分を走る垂直カラム接合部分に沿って並進して、そこからロボットアーム304を患者120に到達させるように位置付け得る、異なる視座を提供してもよい。キャリッジ(複数可)312は、いくつかの実施形態では、カラム310内に位置付けられた機械式モータを使用してカラム310を中心に回転して、ロボットアーム304に、テーブル302の複数の側面へアクセスさせることができ得る。キャリッジ(複数可)312の回転及び/又は並進により、システム300は、内視鏡及び/又はカテーテルなどの医療器具を患者120の異なるアクセスポイントに位置合わせすることを可能にすることができる。垂直方向の調整を提供することによって、ロボットアーム304は、テーブルシステム300のプラットフォームの下にコンパクトに収容され、その後、処置中に上げるように構成することができる。ロボットアーム304は、ロボットアーム304に追加の構成可能性を提供するために、個々に回転し得る、かつ/又は入れ子式に拡張し得る一連のジョイントを含み得る1つ以上のアームマウント314を通じてキャリッジ312(複数可)に搭載されてもよい。カラム310は、テーブルプラットフォームの支持及びキャリッジ(複数可)312の垂直方向の並進のための経路を構造的に提供する。カラム310はまた、キャリッジ(複数可)312及び/又はその上に搭載されたロボットアーム304に電力及び制御信号を伝達してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、テーブルベースのロボットシステム300は、医師とインターフェース接続し、かつ/又は医療処置に関する情報を提供するために、制御システム150と同様の制御システムを含むか、又はこれと関連付けることができる。例えば、制御システムは、医師が1つ以上のロボットアーム304及び/又は1つ以上のロボットアーム304に取り付けられた医療器具を制御することを可能にする入力構成要素(複数可)を含むことができる。いくつかの実装形態では、入力構成要素(複数可)は、医師が医療器具を物理的に保持/操作しているのと同様の方法で、医師が医療器具を制御するための入力を提供することを可能にする。
【0085】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、
図1~
図3の医療システムのいずれかにおいて実装され得る医療システム構成要素を例解する。
図4には、ある特定の構成要素を図示しているが、図示していない追加の構成要素が本開示による実施形態に含まれ得ることを理解されたい。更に、例解された構成要素のうちのいずれも、省略し、交換し、かつ/又はテーブル170、医療器具などの他のデバイス/システムに一体化することができる。
【0086】
制御システム150は、以下の構成要素、デバイス、モジュール、及び/又はユニット(本明細書では「構成要素」と称される)、すなわち、制御回路401、1つ以上の通信インターフェース402、1つ以上の電源ユニット403、1つ以上のI/O構成要素404、1つ以上の可動化構成要素405(例えば、キャスタ又は他のタイプの車輪)、及び/又はメモリ/データ記憶装置406のうちの1つ以上を、別個に/個々に、かつ/又は組み合わせて/集合的にのいずれかで含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム150は、制御システム150の構成要素のうちの1つ以上の少なくとも一部を収容又は含むように構成され、かつ/又は寸法決めされたハウジング/エンクロージャを含むことができる。この例では、制御システム150は、1つ以上の可動化構成要素405と共に移動可能なカートベースのシステムとして例解されている。場合によっては、適切な位置に到達した後に、1つ以上の可動化構成要素405を車輪ロックを使用して固定して、制御システム150を所定の位置に保持することができる。しかしながら、制御システム150は、固定システムとして実装され、別のシステム/デバイスなどに一体化することができる。
【0087】
制御システム150の様々な構成要素は、制御回路の一部であってもなくてもよい、ある特定の接続回路/デバイス/特徴を使用して、電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。例えば、接続機構(複数可)は、制御システム150の様々な構成要素/回路のうちの少なくともいくつかの搭載及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ以上のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム150の構成要素のうちの2つ以上を、互いに電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。
【0088】
1つ以上の通信インターフェース402は、1つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ以上の通信インターフェース402は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の通信インターフェース402は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(near field communication、NFC)などの無線技術を実装することができる。
【0089】
1つ以上の電源ユニット403は、制御システム150(及び/又は、場合によってはロボットシステム110)に対する電力を管理及び/又は提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット403は、リチウム系電池、鉛蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの、1つ以上の電池を含む。すなわち、1つ以上の電源ユニット403は、電源を提供し、かつ/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ以上のデバイス及び/又は回路を含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット403は、交流(alternating current、AC)又は直流(direct current、DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。
【0090】
1つ以上のI/O構成要素/デバイス404は、医療処置を実施することを支援するためにユーザとインターフェース接続するなどのために、入力を受信し、かつ/又は出力を提供するための様々な構成要素を含むことができる。1つ以上のI/O構成要素404は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受信するように構成することができる。実施例では、1つ以上のI/O構成要素404は、ロボットシステム110を制御する、ロボットシステム110に取り付けられた、かつ/又はスコープを通じて展開されたスコープ/カテーテル若しくは他の医療器具をナビゲートする、テーブル170を制御する、蛍光透視デバイスを制御するなど、デバイス/システムの制御に関する入力を提供するために使用することができる。例えば、医師(図示せず)は、I/O構成要素(複数可)404を介して入力を提供することができ、これに応答して、制御システム150は、医療器具を操作するための制御信号をロボットシステム110に送信することができる。実施例では、医師は、同じI/Oデバイスを使用して、複数の医療器具を制御する(例えば、器具間の制御を切り替える)ことができる。
【0091】
図示のように、1つ以上のI/O構成要素404は、データを表示するように構成された1つ以上のディスプレイ152(「1つ以上のディスプレイデバイス152」と称される場合がある)を含むことができる。1つ以上のディスプレイ152は、1つ以上の液晶ディスプレイ(liquid-crystal display、LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプ(複数可)の技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイ152は、入力を受信し、かつ/又はデータを表示するように構成された1つ以上のタッチスクリーンを含む。更に、1つ以上のI/O構成要素404は、コントローラ154(例えば、ハンドヘルドコントローラ、ビデオゲームタイプコントローラ、指のような動きを可能にするフィンガーベースの制御部など)、タッチパッド、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想現実デバイス又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)、フットパネル(例えば、ユーザの足下のボタン)などを含むことができる、1つ以上のI/Oデバイス/制御部407を含むことができる。加えて、1つ以上のI/O構成要素404は、オーディオ信号に基づいて音声を出力するように構成された1つ以上のスピーカ、及び/又は音声を受信してオーディオ信号を生成するように構成された1つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素404は、コンソールを含むか又はコンソールとして実装される。
【0092】
いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素404は、処置に関連した情報を出力することができる。例えば、制御システム150は、スコープによって取得されたリアルタイム画像を受信し、リアルタイム画像及び/又はリアルタイム画像の視覚的表現/画像表現をディスプレイ(複数可)152を介して表示することができる。ディスプレイ(複数可)152は、スコープ及び/又は別の医療器具からの画像データを含むことができるインターフェース(複数可)を提示することができる。追加的又は代替的に、制御システム150は、患者と関連付けられた医療用モニタ及び/又はセンサから信号(例えば、アナログ信号、デジタル信号、電気信号、音響信号/音波信号、空気圧信号、タクタイル信号、油圧信号など)を受信することができ、ディスプレイ(複数可)152は、患者の健康又は環境に関する情報を提示することができる。このような情報には、医療用モニタを介して表示される、例えば、心拍数(例えば、ECG、HRVなど)、血圧/血流速度、筋肉生体信号(例えば、EMG)、体温、血液酸素飽和度(例えば、SpO2)、CO2、脳波(例えば、EEG)、環境温度及び/又は局部温度若しくは中核体温などの情報を含めることができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、1つ以上のケーブル又は接続部(図示せず)を通じて、ロボットシステム110、テーブル170若しくは別のテーブル、及び/又は医療器具に結合することができる。いくつかの実装態様では、制御システム150からの支持機能を単一のケーブルを通じて提供し、手術室を簡素化して片付けることができる。他の実装態様では、特定の機能を別個のケーブル線及び接続部において結合することができる。例えば、電力は単一の電源ケーブルを通じて提供することができるが、制御、光学系、流体工学、及び/又はナビゲーションに対する支持は、別個のケーブルを通じて提供することができる。
【0094】
ロボットシステム110は、一般に、(「カラム」とも称される)細長い支持構造体410、ロボットシステム基部411、及びカラム410の頂部におけるコンソール412を含む。カラム410は、1つ以上のロボットアーム112の展開を支持するための(「アーム支持体413」とも称される)1つ以上のキャリッジ413を含むことができる。キャリッジ413は、患者に対して位置付けるために、垂直軸に沿って回転してロボットアーム112の基部を調整する個々に構成可能なアームマウントを含むことができる。キャリッジ413はまた、キャリッジ413がカラム410に沿って垂直方向に並進するのを可能にするキャリッジ接合部分414を含む。キャリッジ接合部分414は、キャリッジ413の垂直方向の並進を案内するためにカラム410の両側に位置付けられたスロット415などのスロットを通じて、カラム410に接続することができる。スロット415は、キャリッジ413を基部411に対して様々な垂直方向の高さに位置付け、かつ/又は保持するための垂直方向の並進接合部分を含むことができる。キャリッジ413が垂直方向に並進すると、ロボットシステム110は、ロボットアーム112の到達範囲を調整して、様々なテーブル高さ、患者サイズ、医師の選好などを満たすことができる。同様に、キャリッジ413上の個々に構成可能なアームマウントによって、ロボットアーム112のロボットアーム基部416を、様々な構成で角度付けすることができる。カラム410は、歯車及び/又はモータなどの装置であって、I/Oデバイス(複数可)からの入力などのユーザ入力に応答して生成された制御信号に応答して、キャリッジ413を機械化された方式で並進させるように、垂直方向に位置合わせされた親ねじを使用するように設計された装置を内部に含むことができる。
【0095】
基部411は、フロアなどの表面上で、カラム410、キャリッジ413、及び/又はロボットアーム112の重量のバランスをとることができる。したがって、基部411は、1つ以上の電子機器、モータ、電源などのより重い構成要素、並びにロボットシステム110の移動を可能にし、かつ/又は固定する構成要素を収容することができる。例えば、基部411は、ロボットシステム110が処置のために部屋を動き回ることを可能にする(「キャスタ417」又は「可動化構成要素417」とも称される)回転可能な車輪417を含むことができる。適切な位置に到達した後に、キャスタ417は、処置中にロボットシステム110を所定の位置に保持するために車輪ロックを使用して固定することができる。図示のように、ロボットシステム110はまた、ロボットシステム110の操縦、及び/又は安定化を支援するためのハンドル418を含む。この例では、ロボットシステム110は、移動可能であるカートベースのシステムとして例解されている。しかしながら、ロボットシステム110は、固定システムとして実装されるか、テーブルに一体化されるなどが可能である。
【0096】
ロボットアーム112は、一般に、一連のジョイント421によって接続された(「アームセグメント420」とも称される)一連のリンク機構420によって分離された、ロボットアーム基部416及びエンドエフェクタ419を含むことができる。各ジョイント421は、独立したアクチュエータを含むことができ、各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを含むことができる。各独立して制御可能なジョイント421は、ロボットアーム112が利用できる独立した自由度を表す。例えば、アーム112の各々は、7つのジョイントを有することができ、したがって、7つの自由度を得ることができる。しかしながら、任意の数のジョイントを任意の自由度を伴って実装することができる。実施例では、多数のジョイントによって多数の自由度を得ることができ、「冗長」自由度が可能になる。冗長自由度によって、ロボットアーム112は、それぞれのエンドエフェクタ419を、異なるリンク機構位置及び/又はジョイント角度を使用して、空間内の特定の位置、配向、及び/又は軌跡に位置付けることを可能にする。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ419は、医療器具、デバイス、対象物などと係合する、かつ/又はこれらを制御するように構成することができる。アーム112の動きの自由度により、ロボットシステム110が、空間内の所望の点から医療器具を位置付け、かつ/若しくは方向付けることを可能にし、かつ/又は医師が、アーム112を患者から離れた臨床的に有利な位置に移動させて、アームの衝突を回避しながらアクセスすることを可能にするができる。
【0097】
ロボットアーム112の各々のエンドエフェクタ419は、器具デバイスマニピュレータ(instrument device manipulator、IDM)を含むことができる。いくつかの実施形態では、IDMを除去し、異なるタイプのIDMで置き換えることができる。例えば、第1のタイプのIDMは、内視鏡を操作することができ、第2のタイプのIDMは、カテーテルを操作することができ、第3のタイプのIDMは、EM場発生器などを保持することができる。しかしながら、同じIDMを使用することができる。いくつかの例では、IDMは、空気圧、電力、電気信号、及び/又は光信号をロボットアーム112間に伝達するためのコネクタを含むことができる。IDMは、例えば、直接駆動、ハーモニック駆動、ギア駆動、ベルト/プーリ、磁気駆動などを含む技法を使用して、医療器具を操作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、IDMをロボットアーム112のそれぞれ1つに取り付けることができ、ロボットアーム112は、それぞれの結合された医療器具を治療部位に挿入するか、又はそこから後退させるように構成されている。
【0098】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム112は、これに取り付けられた医療器具の位置、配向、及び/又は関節運動を制御するように構成することができる。例えば、ロボットアーム112は、細長い移動部材を使用してスコープ/カテーテルを操作するように構成/構成可能とすることができる。細長い移動部材としては、1つ以上のプルワイヤ、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを挙げることができる。例示すると、ロボットアーム112は、スコープ/カテーテルの複数のプルワイヤを作動し、スコープ/カテーテルの先端部を偏向するように構成することができる。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、カーボンファイバなどの金属材料及び/又は非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、スコープ/カテーテルは、細長い移動部材によって加えられた力に応答して、非線形挙動を示すように構成されている。非線形挙動は、スコープ/カテーテルの剛性及び/又は圧縮性、並びに異なる細長い移動部材間の弛み又は剛性の変動性に基づき得る。
【0099】
図示のように、コンソール412は、ロボットシステム110のカラム410の上端に位置付けられている。コンソール412は、術前データ、術中データ、ロボットシステム110を構成するための情報などを医師/ユーザに提供するなどのために、ユーザ入力を受信し、かつ/又は出力を提供するためのユーザインターフェースを提供するためのディスプレイ(複数可)(例えば、タッチスクリーンなどの兼用デバイス)を含むことができる。潜在的な術前データは、術前計画、術前のコンピュータ断層撮影(computerized tomography、CT)スキャンから得られたナビゲーション及びマッピングデータ、並びに/又は術前の患者面接からのメモを含むことができる。術中データは、ツールから提供される光学情報、センサ及び/又はセンサからの座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又は脈拍などのバイタル患者統計を含むことができる。コンソール412は、医師がアーム基部416の反対側のカラム410側からコンソール412にアクセスすることを可能にするように位置付けられ、傾斜され得る。この位置から、医師は、コンソール412をロボットシステム110の背後から動作させながら、コンソール412、ロボットアーム112、及び患者を視認してもよい。
【0100】
ロボットシステム110はまた、制御回路422、1つ以上の通信インターフェース423、1つ以上の電源ユニット424、1つ以上の入力/出力構成要素425、1つ以上のアクチュエータ/ハードウェア426、及び/又はメモリ/データ記憶装置427を含むことができる。1つ以上の通信インターフェース423は、1つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ以上の通信インターフェース423は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。
【0101】
1つ以上の電源ユニット424は、ロボットシステム110に対する電力を管理及び/又は提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット424は、リチウム系電池、鉛蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの、1つ以上の電池を含む。すなわち、1つ以上の電源ユニット424は、電源を提供し、かつ/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ以上のデバイス及び/又は回路を含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット424は、交流(AC)又は直流(DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット424は、制御システム150から電力を受け取るために制御システム150に結合するように構成されたコネクタを含む。
【0102】
1つ以上のI/O構成要素/デバイス425は、ユーザとのインターフェース接続などのために、入力を受信し、かつ/又は出力を提供するように構成することができる。1つ以上のI/O構成要素425は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受信するように構成することができる。実施例では、1つ以上のI/O構成要素425は、ロボットシステム110を制御する/構成するなどのために、デバイス/システムの制御に関する入力を提供するために使用することができる。1つ以上のI/O構成要素425は、データを表示するように構成された1つ以上のディスプレイを含むことができる。1つ以上のディスプレイは、1つ以上の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプ(複数可)の技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイは、入力を受信し、かつ/又はデータを表示するように構成された1つ以上のタッチスクリーンを含む。更に、1つ以上のI/O構成要素425は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想現実デバイス又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを含むことができる。加えて、1つ以上のI/O構成要素425は、オーディオ信号に基づいて音声を出力するように構成された1つ以上のスピーカ、及び/又は音声を受信してオーディオ信号を生成するように構成された1つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素425は、コンソール412を含むか又はコンソール412として実装される。更に、1つ以上のI/O構成要素425は、(ロボットアーム112の手動操作/移動のためにロボットアーム112のアドミッタンス制御モードを有効/無効にすることができる)ロボットアーム112の遠位端上のボタンなどの、物理的に押すことができる1つ以上のボタンを含むことができる。
【0103】
1つ以上のアクチュエータ/ハードウェア426は、ロボットアーム112の移動を容易にするように構成することができる。各アクチュエータ426は、モータを含むことができ、モータは、ジョイント及び/又は接続されたアームセグメント/リンク機構の移動を容易にするために、ロボットアーム112内のジョイント又は他の場所に実装することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、電子ユーザ制御部を使用することなく、ロボットアーム112を手動で操作することができる。例えば、外科手術室におけるセットアップ中、又は処置中の任意の時点で、ユーザは、ロボットアーム112の遠位端上のボタンを選択して、アドミタンス制御モードを有効にし、次いで、ロボットアーム112を特定の配向/位置に手動で移動させてもよい。
【0104】
ロボットシステム110の様々な構成要素は、制御回路422の一部であってもなくてもよい、ある特定の接続回路/デバイス/特徴を使用して、電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。例えば、接続機構(複数可)は、ロボットシステム110の様々な構成要素/回路のうちの少なくともいくつかの搭載及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ以上のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110の構成要素のうちの2つ以上は、互いに電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。
【0105】
上記で参照したように、システム150及び110は、それぞれ、本明細書に記載される、ある特定の機能を実施するように構成された制御回路401及び422を含むことができる。「制御回路」という用語は、1つ以上のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、1つ以上の能動デバイス及び/若しくは受動デバイス並びに/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス、ステートマシン(例えば、ハードウェアステートマシン)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/又は回路及び/若しくは動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集合を指すことができる。制御回路は、1つ以上の記憶デバイスを更に含むことができ、これは、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの埋め込み回路において具体化することができる。このようなデータ記憶装置としては、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶装置レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを挙げることができる。制御回路がハードウェアステートマシンを含み(かつ/又はソフトウェアステートマシンを実装し)、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む実施形態では、任意の関連付けられた動作命令を記憶するデータ記憶デバイス(複数可)/レジスタ(複数可)は、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路の内部に又はその外部に埋め込めることに留意されたい。
【0106】
制御回路は、制御システム150/ロボットシステム110の他の構成要素とは別個の構成要素として例示されているが、制御システム150/ロボットシステム110の他の構成要素のいずれか又は全てが、制御回路において少なくとも部分的に具体化することができる。例えば、制御回路は、様々なデバイス(能動及び/又は受動)、半導体材料及び/又はエリア、層、領域、及び/又はそれらの一部分、導体、リード、ビア、接続部などを含むことができ、制御システム150/ロボットシステム110の他の構成要素のうちの1つ以上及び/又はそれらの一部分は、このような回路構成要素/デバイスにおいて少なくとも部分的に形成及び/又は具体化することができる。
【0107】
更に、メモリ/データ記憶装置406/427は、データ/命令を記憶するように構成することができる。例えば、データ記憶装置/メモリ406/427は、ある特定の機能/動作を実施するために制御回路によって実行可能な命令を記憶することができる。用語「メモリ」は、任意の好適な又は望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。例えば、1つ以上のコンピュータ可読媒体としては、1つ以上の揮発性データ記憶デバイス、不揮発性データ記憶デバイス、取り外し可能なデータ記憶デバイス、及び/又は取り外し不可能なデータ記憶デバイスであって、任意の技術、レイアウト、及び/又はデータ構造(複数可)/プロトコルを用いて実装されるものを挙げることができ、これらは、任意の好適な又は望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のタイプのデータを含む。本開示の実施形態に従って実装することができる、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、これらに限定されないが、相変化メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random-access memory、DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disk read-only memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用できる任意の他の非一時的媒体を含む。本明細書において、ある特定の文脈で使用する場合、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、全般的に、変調データ信号及びキャリア波などの通信媒体を含まない場合がある。したがって、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、全般的に、非一時的媒体を指すと理解すべきである。
【0108】
いくつかの例では、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、対象物/医療器具の配向/位置を決定/追跡するために1つ以上の位置特定技法を実施するように構成されている。例えば、1つ以上の位置特定技法は、入力データを処理して、医療器具の位置/配向データを生成することができる。対象物/医療器具の位置/配向データは、基準枠に対する対象物/医療器具の位置/配向を示すことができる。基準枠は、患者の解剖学的構造、既知の対象物(例えば、EM場発生器、システムなど)、座標系/空間などに対する基準枠とすることができる。いくつかの実装形態では、位置/配向データは、医療器具の遠位端(及び/又は、場合によっては、近位端)の位置/配向を示すことができる。例えば、スコープの位置/配向データは、スコープの遠位端の回転の量を含む、スコープの遠位端の位置及び配向を示すことができる。対象物の位置及び配向は、対象物の姿勢と言うことができる。
【0109】
対象物/医療器具の位置/配向データを生成するために使用することができる例示的な入力データとしては、医療器具と関連付けられたセンサからのセンサデータ(例えば、EM場センサデータ、医療器具上の撮像デバイス/深度センサ/レーダデバイスによって取得された視覚/画像データ、医療器具上の加速度計からの加速度計データ、医療器具上のジャイロスコープからのジャイロスコープデータ、衛星ベースのセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS))からの衛星ベースの測位データなど)、ロボットアーム/構成要素からの(「運動学データ」とも称される)フィードバックデータ(例えば、ロボットアーム/構成要素がどのように移動/作動したかを示すデータ)、ロボットアーム/構成要素のためのロボットコマンドデータ(例えば、ロボットアーム112/医療器具の移動を制御するためにロボットシステム110/ロボットアーム112に送信される制御信号)、形状感知ファイバからの形状感知データ(医療器具の位置/形状に関する情報を提供することができる)、患者の解剖学的構造に関するモデルデータ(例えば、患者の解剖学的構造の内部/外部部分のモデル)、患者の位置データ(例えば、患者がテーブル上にどのように位置付けられているかを示すデータ)、術前データ、などを挙げることができる。
【0110】
図5は、1つ以上の実施形態による、本明細書で説明される医療システムのいずれかにおいて実装され得る、スコープアセンブリ/システム502及び器具フィーダーアセンブリ504を含む、医療システム構成要素を例解する。スコープシステム502及び/又は送りアセンブリ504は、様々なハードウェア及び制御構成要素を含むことができる。実施例では、スコープシステム502は、スコープ130及び/又は本明細書で説明される他のスコープを表す/含むことができる。更に、器具フィーダーアセンブリ504は、器具フィーダーデバイス180及び/又は本明細書で説明される任意の他の器具フィーダーデバイスを含むことができる。
【0111】
図5に示すように、スコープシステム502は、細長いシャフト508に結合されたハンドル/器具基部506を含む。ハンドル506は、ロボット的に操作されるロボットアームに結合するように構成することができ、かつ/又は(いくつかの例では)ユーザが保持し、手動で操作するように構成することができる。例えば、ハンドル506は、細長いシャフト508の作動を制御するように構成することができる。細長いシャフト508は、剛性又は可撓性の管又は別の要素を含むことができる。いくつかの例では、スコープシステム502の細長いシャフト508及び/又は他の構成要素は、外側シース、カテーテル、導入器、又は他の管腔型デバイス内を通過するように寸法決めされる。
【0112】
図示のように、スコープシステム502は、細長いシャフト508の遠位端に少なくとも部分的に配設されて遠位端において光を提供する1つ以上のライト510を含むことができる。実施例では、スコープ502は、光ファイバを収容して、発光ダイオードなどの近位に位置される光源から細長いシャフト508の遠位端に光を搬送するように構成することができる。細長いシャフト508の遠位端は、解剖学的空間を照明するための光源用のポートを含むことができ、これは、撮像デバイス(複数可)/カメラ(複数可)512を使用するときに有用であり得る。スコープシステム502は、任意の数の光源を用いて実装することができる。
【0113】
スコープシステム502はまた、患者の内部解剖学的構造を表す画像データなどの画像データを取得するように構成されたカメラ/撮像デバイス(複数可)512を含むことができる。実施例では、撮像デバイス512は、光ファイバ、ファイバアレイ、及び/又はレンズを含むことができる。撮像デバイス512の1つ以上の光学的構成要素は、スコープシステム502の先端部と共に移動することができ、その結果、先端部の移動は、撮像デバイス512によって取得された画像に変化をもたらす。したがって、撮像デバイス512は、細長いシャフト508の遠位端からデータを取得することができる。いくつかの実施形態では、スコープシステム502は、光学アセンブリと、スコープシステム502の遠位端との間で、信号を伝達するためのワイヤ及び/又は光ファイバを収容することができる。
【0114】
スコープシステム502はまた、器具(複数可)/ツール(複数可)516を展開するための、及び/又は他の機能のための作業チャネル(複数可)514を含むことができる。例示的な器具516は、レーザを提供するように構成されたレーザデバイス、対象物(例えば、腎臓結石の断片)を捕捉/回収するように構成されたバスケットデバイス、対象物を握持/保持するように構成された鉗子、対象物を切断するように構成された外科用メス、砕石器、標的部位に灌注/吸引を提供するように構成された灌注/吸引デバイスなどを含む。
図5の例では、バスケットデバイスは、作業チャネル514を通して展開される。作業チャネル(複数可)514は、スコープシステム502を通って近位端から遠位端まで長手方向に延在することができる。実施例では、作業チャネル(複数可)514は、
図5に例示するように、細長いシャフト508の片側にオフセットされる(例えば、長手方向軸からオフセットされる)。他の例では、作業チャネル(複数可)514は、スコープシステム502の中心又は別の場所に位置付けられる。撮像デバイス(複数可)512は、スコープシステム502の遠位端に取り付けられる(例えば、スコープシステム502と一体化される)ものとして示されているが、場合によっては、撮像デバイス(複数可)512は、作業チャネル(複数可)514を通して展開される別個のデバイスである。更に、単一の作業チャネル514が示されているが、任意の数の作業チャネルが実装されてもよい。
【0115】
いくつかの例では、スコープシステム502は、電力インターフェース518を通して電力供給され得、かつ/又は制御インターフェース520を通して制御され得、これらの各々又は両方は、ロボットシステム110のロボットアーム/構成要素とインターフェース接続され得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、スコープシステム502は、センサデータを生成し、かつ/又は別のデバイスに送信するように構成された(「位置センサ」と称されることもある)センサ(複数可)522を含む。センサデータは、スコープシステム502(例えば、その遠位端)の位置及び/若しくは配向を示すことができ、かつ/又は、スコープシステム502の位置/配向を決定/推定するために使用することができる。例えば、センサ522は、センサデータを制御システムに提供することができ、そのセンサデータは、次いで、スコープシステム502の位置及び/又は配向を決定するために使用される。センサ522は、スコープシステム502の遠位端及び/又は別の場所に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、センサ522としては、導電性材料のコイルを有する電磁(EM)センサ、又はアンテナの別の形態/実施形態を挙げることができる。しかしながら、スコープシステム502は、形状感知ファイバ、加速度計(複数可)、ジャイロスコープ(複数可)、衛星ベースの測位センサ(複数可)(例えば、全地球測位システム(GPS)センサ)、無線周波数トランシーバ(複数可)など、他のタイプのセンサを含むことができる。
【0117】
スコープシステム502は、スコープシステム502をヒトの解剖学的構造内で操縦できるように、スコープの少なくとも遠位部分に対してなど、関節運動可能である可能性がある。いくつかの実施形態では、スコープシステム502は、例えば、XYZ座標移動、並びにピッチ及びヨーを含む、5自由度(degrees of freedom、DOF)で関節運動されるように構成されている。更に、いくつかの実施形態では、スコープシステム502は、XYZ座標移動、並びにピッチ、ヨー、及び回転を含む、6DOFで関節運動可能である。他の実施形態では、スコープシステム502は、他のDOFで関節運動可能である。スコープシステム502が位置センサを装備する実施形態では、位置センサは、5DOF位置情報(例えば、x、y、及びz座標、並びにピッチ角及びヨー角)、6DOF位置情報(例えば、x、y、及びz座標、並びにピッチ角、ヨー角、及び回転角)などの位置情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、スコープシステム502は、スコープシステム502を入れ子式に伸長するように操作することができる、内側リーダー部分及び外側シース部分などの入れ子式部品を含むことができる。
【0118】
スコープシステム502は、スコープシステム502の遠位端など、細長いシャフト508の移動を制御するように構成された1つ以上の細長い移動部材(図示せず)を含むことができる。細長い移動部材は、1つ以上のワイヤ(例えば、プルワイヤ又はプッシュワイヤ)、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを含んでもよい。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、炭素繊維などの金属及び非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含み得る。いくつかの実施形態では、スコープシステム502は、細長い移動部材によって加えられた力に応答して、非線形挙動を示すように構成されている。非線形挙動は、スコープシステム502の剛性及び/又は圧縮性、並びに異なる細長い移動部材間の弛み又は剛性の変動性に基づき得る。ロボットの実装態様では、ロボットアームは、スコープシステム502に結合された1つ以上のプルワイヤを作動させて、細長いシャフト508の先端部を偏向させるように構成されてもよい。代替的に、ユーザハンドヘルドの実装態様では、ユーザは、アクチュエータを介して手動入力を提供して、スコープシステム502の1つ以上のプルワイヤを作動させて、細長いシャフト508の先端部を偏向させることができる。
【0119】
図5は、器具フィーダーデバイス530(「器具フィーダー530」と称されることもある)と、器具フィーダーデバイス530に物理的に結合され得るアクセスシースアセンブリ560と、を含む器具フィーダーアセンブリ504を更に例解する。
【0120】
器具フィーダーデバイス530は、スコープ130などのシャフト型器具の少なくとも一部分と係合し、かつ/又はこれを制御するように構成された係合アセンブリ532を含むことができる。係合アセンブリ532は、シャフト型器具の少なくとも一部分を内部に配置するように寸法決め及び/又は構成されたチャネル534を含むことができる。例えば、器具フィーダーデバイス530がこのような器具を軸方向に駆動することを可能にするためにスコープなどを配置するとき、器具は、チャネル534内に少なくとも部分的に入れ子にされ得る。係合アセンブリ532はまた、チャネル534内に器具を維持するための保持機構(複数可)536を含むことができる。例えば、保持機構(複数可)536は、チャネル534が選択的に開閉されることを可能にするロボット作動式カバーを含むことができる。更に、係合アセンブリ532は、チャネル534に装填されたときなどにシャフト/器具を軸方向に移動させるためのアクチュエータ手段/機構(複数可)538を含むことができる。係合アセンブリ532内に含まれるものとして様々な構成要素が例解されているが、係合アセンブリ532は、より少ない又はより多い構成要素を含むことができる。いくつかの例では、器具フィーダーデバイス530は、器具フィーダーデバイス530の状態を検出するためのセンサなどのセンサ(複数可)を含まないが、他の例では、器具フィーダーデバイス530は、このようなセンサ(複数可)を含む。
【0121】
アクチュエータ538は、これと係合して配置されたシャフト型器具を器具の軸線に対して移動させるように構成することができる。実施例では、アクチュエータ(複数可)538は、1つ以上のシャフト係合車輪/ローラ、コンベヤベルト、歯車、トラック、指状/針機構、又は他のアクチュエータ(複数可)を含む。アクチュエータ(複数可)538は、1つ以上の駆動入力部540との係合を通して制御することができ、これは、アクチュエータ手段/機構538を作動させ、かつ/又はアクチュエータ手段/機構538を直接作動させ得る器具フィーダーデバイス530の機械的構成要素との物理的係合を可能にし得る。一例では、アクチュエータ(複数可)538は、1つ以上の送りローラを含む。本明細書で使用される場合、「送りローラ」という用語は、これと係合されたシャフトの軸方向移動をもたらすように構成された任意の数のローラ(複数可)/車輪(複数可)を含み得る。「送りローラ」は、直接又は間接的に、ローラ(複数可)/車輪(複数可)の移動を引き起こす、器具フィーダーデバイス530と関連付けられた入力駆動部又は出力駆動部を更に含み得る。いくつかの実施形態では、ローラ538は、ローラ538と細長いシャフト508との間にグリップ、摩擦、牽引力、又は圧力を提供する変形可能な材料を備える又は含むことができる。変形可能な材料は、シリコーンゴム又は別の材料を含むことができる。
【0122】
器具フィーダーデバイス530は、アクセスシースアセンブリ560の少なくとも一部分を所定の位置に固着又は保持するように構成され得るシース結合部材/クリップ542を更に含む。例えば、シースクリップ542は、図示のように、アクセスシースアセンブリ560の漏斗ポート構造体562の少なくとも一部分上に、又はこれを覆って締め付けるように構成されてもよい。クリップ542は、1つ以上のクリップ支持アーム544によって支持され得る。シースクリップ542は、器具フィーダーデバイス530の遠位端部において位置付けることができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、器具フィーダーアセンブリ504は、器具フィーダーアセンブリ504の1つ以上の構成要素に少なくとも部分的に固着され得る検体コレクタ構造体546を含むか、又はこれと関連付けられる。検体コレクタ546は、器具シャフトを通して展開されるバスケットツールを使用することなどによって、アクセスシースアセンブリ560を通して後退させられた腎臓結石又は他の検体若しくは破片の配置又は落下を可能にするように構成された、カップ状又は他の構造体を備えてもよい。いくつかの実施形態では、検体コレクタ546は、チャネル534の遠位開口部と漏斗ポート構造体562との間に配設され、器具(例えば、バスケットデバイス)は、結石/検体が検体コレクタ546内に落下又は配置され得るように、検体コレクタ上の位置に後退させられてもよい。
【0124】
図示のように、アクセスシースアセンブリ560は、アクセスシース管又は導管564を含むことができ、これらは、その近位端において漏斗ポート構造体562に物理的に結合され得る。漏斗ポート構造体562は、アクセスシース564内への少なくとも部分的に円錐形の導入器開口部を提供することができ、ポート562の近位開口部は、アクセスシース564の断面積又は直径よりも大きい面積又は直径を有する。いくつかの実施形態では、アクセスシース564は、器具フィーダーデバイス530にドッキングされず、むしろ、ロボットアーム、スタンド、又は他の構造体に結合される。アクセスシース564は、細長いシャフト508を挿入することのできる管又は他の構造体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクセスシース564は、解剖学的管腔に挿入されるように構成された細長い可撓性アクセスシースを含み得る。いくつかの実施形態では、アクセスシースは使用されず、スコープアセンブリ502の細長いシャフト508を、患者に直接(例えば、患者の自然な開口又は他の外科的アクセスポート若しくは切開部を通じて)挿入することができる。本明細書に記載されるある特定の例は、ポート/導入器構造体及びシース構成要素を含むアクセスシースアセンブリに言及しているが、本開示の実施形態は、一体化されたポート及びシース構成要素を有するアクセスシースを実装し得ることを理解されたい。したがって、本明細書における「アクセスシース」又は単に「シース」への言及は、アクセスシース/アセンブリのシース部分、ポート部分、又はこれらの両方を指す場合がある。更に、本明細書に記載されるアクセスシースアセンブリは、別個の構成要素のアセンブリではなく、単一デバイス、形態、又は構造体であってもよい。
【0125】
図6A~
図6Gは、1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイス530の例示的な詳細を例解する。具体的には、
図6Aは、器具フィーダーデバイス530の斜視図を例解し、
図6Bは、器具フィーダーデバイス530の様々な特徴を示すためにハウジングの一部分が除去された器具フィーダーデバイス530を例解し、
図6Cは、ハウジングの一部分及び保持機構(複数可)536が除去された器具フィーダーデバイス530を例解し、
図6D~
図6Gは、ローラ538の移動を容易にするために実装することができる例示的な機構/歯車を例解する。
【0126】
図6Aに示すように、器具フィーダーデバイス530は、器具フィーダーデバイス530の様々な内部構成要素を(部分的に又は完全に)囲む/取り囲むように構成されたハウジング602を含むことができる。ハウジング602は、上側部分604及び下側部分606を含むことができ、下側部分606は、ロボットアーム、滅菌アダプタ、及び/又は他の機構/構成要素に取り付けるように構成することができる。上側部分604は、内部に形成され、器具シャフトを受容するように構成されたチャネル534を含むことができる。このような構成は、器具シャフトが上部から及び/又は横方向に器具フィーダーデバイス530に装填されることを可能にすることができる。チャネル534は、チャネル534が概して器具シャフトの外径よりも大きい幅を有するように、器具シャフトを受容するように寸法決めすることができる。C字形クリップ支持アーム544は、ハウジング602の一部であるか、又は別個の構成要素である可能性がある。
【0127】
いくつかの実施形態では、器具フィーダーデバイス504は、チャネル534内に器具シャフトを固着するように構成された1つ以上のクリップ/保持機構608を含むことができる。例えば、第1のクリップ(A)608は、チャネル534の近位端に位置付けることができ、第2のクリップ608(B)は、チャネル534の遠位端に位置付けることができる。クリップは、チャネル534を通るシャフトの軸方向運動を実質的に制限することなく、器具シャフトを固着するように構成することができる。クリップ608の保持部分の内径は、概して、器具シャフトの外径よりも大きくすることができる。いくつかの例では、クリップ608は、クリップ608の入口部分を通してスナップ留めすることなどによって、器具シャフトがチャネル534内に適切に装填されていることをユーザに示す触覚フィードバックを提供するように構成することができる。いくつかの例では、器具シャフトは、接触点が比較的小さくなり得るため、器具シャフトがアクチュエータに接触する点を中心としたいくらかの量の枢動/傾斜運動を示すことができる。したがって、チャネル534、クリップ608、及び/又は器具フィーダーデバイス504の他の機構は、器具シャフトを器具フィーダーデバイス530内に適切な配向で維持するのを支援することができる。場合によっては、チャネル534は、器具シャフトの位置ずれを制限/防止するのに十分な長さを有することができる。
【0128】
図示の例では、チャネル534は、チャネル534の近位端に位置付けることができるフレア部分又はテーパ状部分610を含む。いくつかの例では、器具シャフト(比較的可撓性であり得る)は、器具フィーダーデバイス530と、器具シャフトと関連付けられた器具基部/ハンドルに結合されて位置付けられた追加のロボットアームとの間にサービスループ又は他の過剰な弛みを形成する可能性がある。テーパ状部分610は、器具シャフトの鋭い曲がりを回避しながら、角度のついた状態及び/又はサービスループの存在下で器具シャフトを器具フィーダーデバイス530に送り込むことを容易にすることができる。例えば、テーパ状部分610は、細長いシャフトを様々な角度でチャネル534の近位端に送り込むための空間を提供することができ、一方、テーパ状部分610の側壁は、器具シャフトが器具フィーダーデバイス530に入る領域において、器具シャフトのための拡大された曲げ半径又は平滑な入口部分を提供することができる。テーパ状部分610はまた、器具フィーダーデバイス530と、器具シャフトと関連付けられた器具基部/ハンドルとの間のある程度の位置ずれに対応することができる。更に、テーパ状部分610は、細長いシャフトが軸方向に駆動されるときに、器具フィーダーデバイス530を通してシャフトを送り込むことを容易にすることができる。
【0129】
図6B及び
図6Cに示すように、器具フィーダーデバイス530は、器具シャフトの軸方向運動を駆動するように構成されたアクチュエータ538を含むことができる。この例では、アクチュエータ538は、送りローラとして実装されているが、他のタイプのアクチュエータを実装することもできる。ローラ538は、器具シャフトが器具フィーダーデバイス530に装填されたときにローラ538が器具シャフトの両側に位置付けられるように、チャネル534の両側に位置付けることができる。したがって、ローラ538は、対向ローラと称され得る。ローラは、係合状態と概して関連付けられた第1の位置、係合解除状態と概して関連付けられた第2の位置、及び/又は他の位置の間で移動するように構成することができる。例えば、第1の位置では、ローラ538は、器具シャフトの反対側/両側を、及び/又は互いに押圧するか、又は他の方法でこれらと係合することができる。実施例では、ローラ538が第1の位置に位置付けられるとき、ローラ538を、器具シャフトの挿入/後退を駆動するように回転することができる。更に、実施例では、ローラ538が第2の位置に位置付けられるとき、ローラ538を、器具シャフト及び/又はチャネル534から離間することができる。第2の位置は、器具シャフトを装填すること、シャフトを回転させることなどと関連付けることができる。ローラ538の例示的な状態/位置及び/又は係合アセンブリ532の他の機構は、以下で更に詳細に説明される。
【0130】
図6Bに示すように、器具フィーダーデバイス530は、保持機構(複数可)536を含むことができる。この例では、保持機構536は、カバーとして実装されているが、他の保持機構が、実装されてもよい。ここで、カバー536は、ローラ538(A)などの器具フィーダーデバイスの1つ以上の他の機構に結合/機械的に連結されている。実施例では、ローラ538(A)が様々な位置/状態(例えば、係合状態又は係合解除状態)の間で移動するとき、カバー536は、自動的に開閉することができる。図示のように、カバー536は、ローラ538(A)の上に位置付けられたプレートを含むことができる。カバー536は、ローラ538(A)から延在できるカム/シャフト618を受容/これらと係合するためのスロット616又は他の開口部を含むことができる。この例では、ローラ538(A)が移動すると、カム618がスロット616と係合して、ローラ538(A)の移動と共にカバー536を開閉するなど、カバー536の対応する移動を引き起こす。様々な例が、カバーとして実装されている保持機構536の文脈で説明されているが、他の機構が実装されてもよい。例えば、クリップ608は、いくつかの例では、チャネル534の開閉を容易にするために選択的に開閉されるように構成することができる。図示の実施形態では、スライド式又は並進式のカバーを開/閉するためにカム機構を利用しているが、駆動入力部とカバー536との間に動作可能な結合を形成するために他の機構を使用してもよい。追加的又は代替的に、カバー536は、枢動式カバーであってもよく、又は、他の動きによって開閉するように作動してもよい。
【0131】
(図示の例のように)カバー536の位置がローラ538の位置に機械的に連結されているいくつかの実施形態では、カバー536は、最初にローラ538が器具シャフトから係合解除されてもチャネル534を閉じ続けるように、十分に長くすることができる。その後、ローラ538がシャフトから離れ続けると、カバー536は移動を続け、チャネル534のカバーを外すことができる。他の実施形態では、カバー536の位置を異なる方法で制御することができる。例えば、カバー536は、ローラ538(A)に機械的に結合されている必要はない。いくつかの例では、カバー536が独立して制御され、かつ/又はローラ538(A)に機械的に連結されておらず、その場合、完全に開く、閉じる、又はカバー536の任意の他の中間位置を、別の駆動入力部によって及び/又は別の方法で制御することができる。すなわち、いくつかの例では、カバー536は、それ自体の駆動入力部に結合される。
【0132】
器具フィーダーデバイス530は、ローラ538に力を加えるように構成することができる1つ以上のばね612を更に含むことができる。いくつかの例では、ばね612は、ローラ538が係合される第1の位置(例えば、閉鎖/係合状態)などの特定の位置に向けてローラ538を付勢することができる。ここで、ローラ538が係合解除される第2の位置にローラ538を移動させるために、駆動出力部は、ばね612の力を克服する力を提供する/加えることができる。実施例では、ばね612は、ローラ538を係合位置に向けて付勢することに加えて、ローラ538を器具シャフトと係合させるための圧力又は摩擦力を提供するように構成することもできる。したがって、ばね力は、ローラ538が所定の負荷で器具シャフト上で滑り始めるように選択することができる。この駆動力/ばね力を調整することにより、システムは、患者にとって許容可能又は安全であると判断又は定義される、加えられる力のレベルを維持することができる。様々な例が、ローラが係合される第1の位置に向けてローラ538を付勢するばね612の文脈で説明されているが、ばね612は、ローラ538が係合解除される第2の位置に向けてローラ538を付勢するように、かつ/又はローラ538を別の位置に付勢するように構成することができる。いくつかの例では、1つ以上のばね612は、係合アセンブリ532の一部である。
【0133】
実施例では、1つ以上のばね612は、トーションばねなどの機械的なばねを含む。しかしながら、コイルばね又は他のタイプのばねなど、他のタイプのばねを実装することができる。機械的なばねの場合、ばね612のサイズ及び/又はばね612が作製される材料を調整することによって、(上述した安全機構を提供するために)ばね612の力を調整することができる。加えて、器具フィーダーデバイス530の様々な他のパラメータを考慮することができる。例えば、器具シャフトとローラ538との間の異なる摩擦係数を提供するために、ローラ538の接触領域の材料を調整することができる。同様に、器具シャフトの摩擦係数を調整することができる。これらのパラメータの1つ以上は、ローラ538が器具シャフトに対して滑り、シャフトが患者の解剖学的構造に過度の力をかけることを低減又は防止するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ばね612を省略することができ、器具フィーダーデバイス530は、駆動シャフト又は駆動出力部の動作を介して制御されて器具シャフトに対して力を加える仮想ばねを含むことができる。例えば、ばね612を含む代わりに又はこれに加えて、駆動入力部540は、機械的なばねの機能と同様の機能を提供するように動作することができ、したがって、器具シャフトを把持することができる仮想ばねを提供する。
【0134】
実施例では、ローラ538は、ローラ538の回転を容易にするために駆動シャフト614に結合されている。例えば、駆動シャフト614は、器具フィーダーデバイス530の駆動入力部540に結合されて、ロボットアームの駆動出力部から入力を受信してローラ538の回転を制御することができる。駆動シャフト614を回転させて、ローラ538において対応する回転を提供することができる。一例では、(
図7に例解されるように)駆動シャフト614(A)を駆動入力部540(A)に結合することができ、かつ/又は駆動シャフト614(B)を駆動入力部540(B)に結合することができる。実施例では、ローラ538の各々を独立して駆動することができる。ローラ538は、直接接続を通して、並びに/又は歯車アセンブリ、ベルト駆動システム、及び/若しくは他の手段/機構を通して、駆動入力部540及び/又は駆動シャフト614に接続することができる。この例では2つのローラ538及び2つの駆動シャフト614が例解されているが、任意の数のローラ及び/又は駆動シャフトを実装することができる。例えば、1つ以上のローラを駆動するために単一の駆動シャフトを実装することができる。
【0135】
実施例では、ローラ538は、協働関係で動作し、その結果、ローラ538を相関させる方法で互いに近づくように、又は互いから離れるように移動する。例えば、ローラ538の各々は、キャリア/支持プレートに結合することができ、2つのキャリアプレートは、以下の
図6D~
図6Gの実施例で説明されるように、一方のキャリアプレートの回転が、他方のキャリアプレートの反対側及び対応する回転を引き起こすように、噛合されるか、又はその他の方法で一緒に結合されている。このようにして、両方のキャリアプレートの回転を、(
図7及び他の場所に例解されるように)駆動入力部540(C)などの単一の開/閉駆動入力部によって駆動することができる。したがって、いくつかの例では、単一の駆動入力部が、器具フィーダーデバイス530の係合アセンブリ532を制御することができる。
【0136】
図6Dは、ローラ538の移動を容易にするために器具フィーダーデバイス530内に実装され得る例示的なアクチュエータ/ローラアセンブリ620の斜視図を例解する。これは、多くの例示的な実装形態のうちの1つを示す。図示の例では、ローラアセンブリ620は、右アセンブリ及び左アセンブリを含む。右アセンブリ及び左アセンブリの各々は、キャリアプレート622を含むことができる。プレートという用語は、一般に支持構造体を指すことができ、キャリアプレート622は、必ずしも平坦又は平面と考える必要はない。むしろ、キャリアプレート622は、ローラアセンブリ620の様々な構成要素を支持するように構成された様々な形状及び/又は幾何学的形状を含むことができる。キャリアプレート622は、リンク機構又は他の支持構造体とも称され得る。
【0137】
一般に、キャリアプレート622は、ローラアセンブリ620の様々な他の機構又は構造体を支持しているか、又はこれらに接続されている。例えば、各キャリアプレート622は、ローラ538のうちの1つと、ローラ駆動シャフト614のうちの1つとを支持するか、又はこれらに接続することができ。
図6Dに示すように、各ローラ538は、ローラ軸線626を中心に回転するように構成されている。各ローラ駆動シャフト614は、駆動入力軸線628を中心に回転するように構成することができる。図示されるように、ローラ軸線626及び駆動入力軸線628は、同軸である必要はない。いくつかの例では、ローラ軸線626及び駆動入力軸線628は、(例えば、図示されるように)平行である。また、キャリアプレート622は、
図6E及び
図6Fを参照して以下に説明されるように歯車アセンブリ630を支持するか、又は歯車アセンブリ630に接続することができ、歯車アセンブリ630は、ローラ駆動入力部540(A)、540(B)の回転がローラ538の回転を引き起こすことができるように、ローラ駆動シャフト614をローラ538に接続している。
【0138】
図示の例では、キャリアプレート622は、駆動入力軸線628を中心に回転するように構成することができる。駆動入力軸線628を中心としたキャリアプレート622の回転は、ローラ538を様々な位置の間で移動させることができる。
図6Gに示すように、器具フィーダーデバイス530は、ローラ538を様々な位置の間で移動させるように構成された駆動入力部540(C)(「開/閉駆動入力部540(C)」とも称される)を含むことができる。開/閉駆動入力部540(C)は、
図6Dに示した開/閉駆動シャフト632に接続することができる。開/閉駆動入力部540(C)の回転は、開/閉駆動シャフト632の回転を引き起こすことができる。開/閉駆動入力部540(C)及び開/閉駆動シャフト632は、開/閉駆動軸線634を中心に回転することができる。開/閉駆動シャフト632は、軸外突出部636に更に接続することができる。したがって、開/閉駆動シャフト632が回転すると、軸外突出部636も開/閉駆動軸線634を中心に回転する。しかしながら、軸外突出部636は、開/閉軸線634に関して対称でなくてもよい。したがって、軸外突出部636は、開/閉軸線634を中心に円弧状に移動できる偏心部材を提供することができる。
【0139】
図6Dに示すように、キャリアプレート622は各々、ポケット/空洞638を含むことができる。図示の実施形態では、軸外突出部636は、少なくとも部分的に、キャリアプレート622のうちの一方のポケット638内に位置付けられている。軸外突出部636が開/閉軸線634を中心に回転すると、軸外突出部636は、ポケット638の壁に接触することができ、これによりキャリアプレート622を駆動入力軸線628を中心に回転させることができる。また、軸外突出部636は、ポケット638の壁に接触しない位置まで回転させることができる。軸外突出部636がポケット638に接触していないこの位置では、ローラ538によって医療用器具のシャフトに加えられる力は、完全にばね612によって決定することができ、ばね612は、所望の力を提供するように調整することができる。この位置では、キャリアプレート622を、ローラ538が特定の位置(例えば、閉位置)である位置まで回転するようにばね612によって付勢することができる。軸外突出部636を、ポケット638の側壁に接触して押圧するように回転させると、キャリアプレート622が、ばね612のばね力に打ち勝って回転することができる。いくつかの例では、軸外突出部636は、開/閉駆動軸線634と同軸ではない軸線を中心に回転するように構成されたローラを含む。このようなローラは、軸外突出部636とポケット638との間の摩擦を低減し得る。
【0140】
図6Dの例では、ローラアセンブリ620は、1つの開/閉駆動シャフト632及び1つの軸外突出部636を含む。この例などのいくつかの例では(及び
図6E~
図6Gに見られるように)、2つのキャリアプレート622は、一方のキャリアプレート622の回転が、他方のキャリアプレート622の反対側及び対応する回転を引き起こすように、一緒に噛合することができる。このようにして、両方のキャリアプレート622の回転を、単一の開/閉駆動入力部540(C)によって駆動することができる。これはまた、ローラ538が器具フィーダーデバイス530のチャネル534に対して対称に位置付けられることを可能にすることができる。図示の例では、1つの軸外突出部636が含まれているが、両方のキャリアプレート622がポケット638を含み、ポケット638の1つは空である可能性がある。空のポケットを含めることで、各キャリアプレート622用に同じ又は同様の金型を使用することができるため、製造を容易にし得る。追加的又は代替的に、第2の開閉軸外突出部又は他の駆動部材を使用して、他方のキャリアプレートを独立して回転させることができ、この場合には2つのキャリアプレートを一緒に噛合する必要はない。更に、キャリアプレート622の1つは、ポケットを含まなくてもよい。
【0141】
図6E及び
図6Fは、例示的な歯車アセンブリ630を説明するためにローラ538及びキャリアプレート622の一部分を除去した状態の、ローラアセンブリ620の等角図及び上面図を例解する。歯車アセンブリ630は、駆動入力部540(A)、540(B)とローラ538との間で回転運動を伝達することができる。図示のように、歯車アセンブリ630は、(各キャリアプレート622について)第1の歯車640(例えば、太陽歯車)及び第2の歯車642(例えば、軌道歯車)を含み得る。図示の例では、各第1の歯車640は、ローラ駆動シャフト614/ローラ駆動入力部540(A)、540(B)の回転が第1の歯車640の回転を引き起こすように、ローラ駆動シャフト614/ローラ駆動入力部540(A)、540(B)に接続することができる。第1の歯車640は、第1の歯車640がキャリアプレート622に対して回転できるように、キャリアプレート622に装備することができる。各第1の歯車640は、それぞれの駆動入力軸線628(
図6Dに示す)を中心に回転することができる。
【0142】
各第1の歯車640は、第1の歯車640の回転が第2の歯車642の回転を引き起こすように、関連する第2の歯車642と係合することができる。第2の歯車642は、第2の歯車642がキャリアプレート622に対して回転できるように、キャリアプレート622に装備することができる。第2の歯車642は、それぞれのローラ軸線626(
図6Dに示す)を中心に回転することができる。また、第2の歯車642は、第2の歯車642の回転がローラ538の回転を引き起こすように、ローラ538に取り付ける(又は他の方法でローラ538と係合する)ことができる。したがって、ローラ駆動入力部540(A)、540(B)の回転により、第1の歯車640及び第2の歯車642による伝達を通じて、ローラ538を回転させることができる。
【0143】
上述したように、キャリアプレート622は、駆動入力軸線628を中心に回転して、ローラ538を様々な位置(例えば、閉位置と開位置)との間で移動させることができる。図示の例では、第2の歯車642は、駆動入力軸線628から距離を置いた位置でキャリアプレート622に装備されており、したがって、駆動入力軸線628を中心に(キャリアプレート622と共に)回転する。第2/軌道歯車642は、キャリアプレート622と一緒に駆動入力軸線628を中心に回転するとき、更も第1/太陽歯車640を中心に回転する。
【0144】
第2/軌道歯車642が第1/太陽歯車640の周りを回転するこの配置は、
図6Fの上面図で見ることができる。図示のように、軸外突出部636を、キャリアプレート622のポケット638に接触するように回転させて、キャリアプレート622の回転を
図6Fの矢印で示した方向に駆動することができる。特に、図に示した配向に対して、キャリアプレート622の底部を、ページの中央に向かって、内側に回転させることができ、キャリアプレート622の上部を、ページの外縁に向かって、外側に回転させることができる。プレート622間の歯車装置644は、一方のキャリアプレート622の対応する反対方向の回転を他方のプレート622が移動/回転するときに引き起こすことができる。キャリアプレート622の各々は、対応する駆動入力軸線628を中心に回転することができる。キャリアプレート622が回転すると、第2/軌道歯車642が外向きに駆動され、太陽歯車640を中心に回転する。この配置は、キャリアプレート622の回転位置に関係なく、ローラ538(
図6Fには示していないが、第2/軌道歯車642に結合されている)を駆動することを可能にすることができる。この配置は、例えば、異なる直径を有する器具のシャフトに対応することができる。
【0145】
図6Gは、実施例による、ローラアセンブリ620のローラ駆動入力部540(A)、540(B)と開/閉駆動入力部540(C)との関係を図示するローラアセンブリ620の底面図である。
【0146】
図6D~
図6Gは、器具フィーダーデバイス530内に実装できる1つの例示的なアクチュエータ/ローラアセンブリ620を例解する。様々な機構が特定の配置で示されているが、これらの機構は、他の方法で実装することができ、かつ/又は他の機構は、ローラ538の移動を容易にするために実装することができる。
【0147】
器具フィーダーアセンブリの例示的な機構は、2020年8月14日に出願され、「Axial Motion Drive Devices,System,and Methods for a Robotic Medical System」と題される出願第16/994,504号において説明されており、その全体的な内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0148】
図7は、1つ以上の実施形態による、ロボットアーム112と関連付けられた例示的な器具デバイスマニピュレータアセンブリ702の分解図を例解する。器具デバイスマニピュレータアセンブリ702は、ロボットアーム112の遠位端と関連付けられたエンドエフェクタ704を含む。器具マニピュレータアセンブリ702は、器具フィーダー530/器具フィーダーアセンブリ504を更に含む。器具フィーダー530/器具フィーダーアセンブリ504は、スコープ502又は他のシャフト型器具などの器具706を作動させるための電気機械的手段を組み込むことができる。実施例では、器具マニピュレータアセンブリ702はまた、エンドエフェクタ704と器具フィーダー530/器具フィーダーアセンブリ504との間に駆動部接合部分を提供するように構成されたアダプタ708を含むことができる。本明細書における上向き表面及び下向き表面、プレート、面、構成要素、及び/又は他の機構若しくは構造体の説明は、
図7に示す器具デバイスマニピュレータアセンブリ702の特定の配向を参照して理解され得る。すなわち、エンドエフェクタ704は、概して、ある範囲の方向及び配向に面する、かつ/又は配向されるように構成可能であり得るが、便宜上、本明細書におけるこのような構成要素の説明は、エンドエフェクタ704の概して垂直に面する配向の文脈においてであり得る。
【0149】
図示のように、ロボットアーム112のエンドエフェクタ704は、アダプタ708、器具フィーダーアセンブリ504、アクセスシースアセンブリ560、及び/又は器具706の構成要素に接続する、かつ/又はこれらと整列するように構成された様々な構成要素/要素を含むことができる。例えば、エンドエフェクタ704は、医療器具を制御する/作動させるための駆動出力部710(例えば、係合機構を有する駆動スプライン、歯車、又は回転可能ディスク)、医療器具からデータを読み取るためのリーダ712(例えば、医療器具からシリアル番号を読み取るための無線周波数識別(radio-frequency identification、RFID)リーダ)、器具フィーダー530/器具フィーダーアセンブリ504及び/又はアダプタ708に取り付けるための1つ以上の締結具714、患者に手動で取り付けられる器具(例えば、アクセスシース564)と位置合わせするための、及び/又はデバイスマニピュレータアセンブリ702の前面を画定するためのマーカ716を含むことができる。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ704及び/又はロボットアーム112は、ロボットアーム112を手動で移動させることができるアドミタンス制御モードを有効にするためのボタン718を含む。
【0150】
この例では、器具デバイスマニピュレータアセンブリ702は、エンドエフェクタ704と器具フィーダー530/器具フィーダーアセンブリ504との間に駆動部接合部分を提供するように構成されたアダプタ構成要素708を含む。アダプタ708及び/又は器具フィーダー530は、ロボットアーム112から除去可能又は取り外し可能であってもよく、いくつかの実施形態では、モータなどの任意の電気機械的構成要素を欠いていてもよい。この二分は、医療処置において使用される医療器具を滅菌する必要性と、医療器具の複雑な機械組立と敏感な電子機器とに起因して高価な資本設備を十分に滅菌することができないこと、によって引き起こされる可能性がある。したがって、器具フィーダー530/器具フィーダーアセンブリ504及び/又はアダプタ708は、個々の滅菌又は廃棄のためにエンドエフェクタ704(したがってシステム)から取り外され、除去され、交換されるように設計されてもよい。例えば、器具フィーダーアセンブリ504を除去し、異なるタイプの器具で置き換えることができる。代替的に、エンドエフェクタ704は、場合によっては交換又は滅菌される必要はなく、保護のために(例えば、ドレープ711を使用して)覆われてもよい。アダプタ708は、ロボットアーム112及び/又はエンドエフェクタ704から器具フィーダー530/器具フィーダーアセンブリ504に、空気圧、電力、電気信号、及び/又は光信号を伝達するためのコネクタを含むことができる。実施例では、アダプタ708は、エンドエフェクタ704の駆動出力部710を器具フィーダーアセンブリ504の駆動入力部540に結合するように構成されたカプラ(複数可)/駆動機構(複数可)720を含む。更に、いくつかの例では、アダプタ708は、アダプタ708をエンドエフェクタ704に結合するように構成された締結具(複数可)722を含むことができる。
【0151】
いくつかの構成では、ロボットアーム112と器具フィーダーアセンブリ504との間に滅菌バリアを提供するために、プラスチックシートなどの滅菌ドレープ711がエンドエフェクタ704とアダプタ708との間に配設されてもよい。例えば、ドレープ711は、エンドエフェクタ704からアダプタ708への機械的トルクの伝達を可能にするように、アダプタ708に結合されてもよい。アダプタ708は、概して、アダプタ708自体が滅菌バリアを提供するように、その作動構成要素の周りにシールを維持するように構成されてもよい。アダプタ708及び/又はデバイスマニピュレータアセンブリ702のより多くの他の構成要素(複数可)に結合されたドレープ711の使用は、ロボットアーム112と術野との間に滅菌バリアを提供し得、それにより、滅菌術野におけるアーム112と関連付けられたロボットカートの使用を可能にする。エンドエフェクタ704は、ロボットアーム112のエンドエフェクタ704上に装填され得る、かつ/又はそこから除去され得る、様々なタイプの滅菌アダプタに結合されるように構成されてもよい。アーム112がプラスチックで覆われた状態で、医師及び/又は他の技師(複数可)は、処置中にアーム112及び/又はロボットカートの他の構成要素(例えば、スクリーン)と対話してもよい。ドレーピングにより、機器のバイオハザード汚染から更に保護し、かつ/又は処置後の清掃を最小限に抑え得る。
【0152】
この例では、器具フィーダー530は、複数の駆動入力部540を含む。図示の実施形態では、器具フィーダー530は、3つの駆動入力部540を含むが、他の数の駆動入力部を含むことができる。駆動入力部540は、器具フィーダー530の下側合わせ面724に沿って離間した固定位置にあってもよく、これにより、駆動入力部540を対応する駆動出力部(例えば、滅菌アダプタ708及び/又はエンドエフェクタ704上の)に結合することが容易になる。駆動入力部540は、モジュール式の使用及び様々な他の器具への取り付けのために設計された対応する合わせ面に沿って離間した固定位置にあってもよい。様々な例では、固定位置に実装された駆動入力部540について説明しているが、場合によっては、駆動入力部540は、下面724内で移動することができる。例えば、駆動入力部540(A)及び540(B)は、対向するローラ538を互いに及び/又は器具シャフトから係合及び/又は係合解除させるように、下面724内で再位置付けすることができる。
【0153】
器具フィーダー530内の機械アセンブリは、駆動入力部540が、器具シャフトの軸方向運動のためにアクチュエータ(複数可)538の回転を駆動する(例えば、対向するローラの回転を駆動する)ために使用されること、及び/又は係合アセンブリ532と器具シャフトとの係合状態の変化を容易にするために使用されることを可能にすることができる。例えば、駆動入力部540(A)及び540(B)は、チャネル534内に配設されたシャフトを軸方向に駆動するようにアクチュエータ(複数可)538を制御するための入力を受信することができる。駆動入力部540(A)及び/又は540(B)は、駆動出力部によって加えられたトルク/力を受け取ることができ、これにより、送りローラ又は他のアクチュエータがシャフト状器具を軸方向に駆動する。更に、駆動入力部540(C)(「開/閉駆動入力部」とも称される)は、駆動出力部から入力を受信して、係合アセンブリ532を制御して器具シャフトと係合/係合解除し、チャネル534を(例えば、保持機構(複数可)536を使用して)開く/閉じるか、又は以下で更に詳細に説明されるように、別の状態を実装することができる。係合アセンブリ532の様々な状態は、器具シャフトの装填若しくは取り外し、器具シャフトとの係合、器具シャフトの駆動、又は他の機能を容易にすることができる。図示の例では、3つの駆動入力部540が示されているが、任意の数の駆動入力部を実装することができる。駆動入力部540の各々は、ロボットアーム112及び/又は滅菌アダプタ708上の対応する駆動出力部と係合するように構成することができる。例えば、各駆動入力部540は、スプラインとして構成されている駆動出力部と嵌合するように構成されたレセプタクルを含むことができる。駆動入力部及び駆動出力部は、これらの間で運動を伝達するために係合するように構成することができる。したがって、駆動出力部を回転させて、駆動入力部540の対応する回転を引き起こして、器具フィーダー530の様々な機能を制御することができる。
【0154】
本明細書における「器具デバイスマニピュレータアセンブリ」、「器具マニピュレータアセンブリ」、「マニピュレータ」、「マニピュレータアセンブリ」、並びにこれらの他の変形例への言及は、ロボットアーム、ロボットアームのエンドエフェクタ、ロボットエンドエフェクタに結合されるように構成されたアダプタ、エンドエフェクタ及び/若しくはアダプタに結合されるように構成された器具フィーダー、器具フィーダーのアクチュエータ(例えば、送りローラ(複数可)、シャフトチャネル、保持機構、及び/若しくは他の構成要素(複数可))、並びに/又は器具フィーダーと関連付けられた手段/機構を含む、
図702に示すアセンブリ702の構成要素の任意のサブセットを指すことができる。更に、本明細書における「アクチュエータ」への言及は、器具フィーダーと係合された、これに結合された、又はそうでなければ器具フィーダーによって作動可能な器具の移動に直接又は間接的に影響を及ぼすか、又は移動を引き起こすアセンブリ702の任意の構成要素を指すことができることを理解されたい。例えば、本明細書に開示される実施形態によると、「アクチュエータ」は、送りローラ(複数可)、シャフト作動車輪(複数可)/ローラ(複数可)、送りローラチャネル(複数可)、器具送り駆動入力部(複数可)、アダプタ駆動出力部(複数可)、アダプタ駆動入力部(複数可)、及び/又はエンドエフェクタ駆動出力部(複数可)というデバイス又は構成要素の任意のセット又はサブセットを含んでもよい。
【0155】
図8~
図11は、1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイス530の係合アセンブリ532の例示的な状態/位置を例解する。一般に、駆動出力部は、器具フィーダーデバイス530の1つ以上の駆動入力部540(図示せず)と係合して、係合アセンブリ532の1つ以上の構成要素を作動させ、係合アセンブリ532/器具フィーダーデバイス530を、ある状態/位置に入らせることができる。この例では、係合アセンブリ532は、対向する送りローラ538、チャネル534、及び/又はカバー536を用いて実装されている。しかしながら、送りローラ538は、他のタイプのアクチュエータとして実装することができ、かつ/又はカバー536は、別のタイプの保持機構として実装することができる。更に、係合アセンブリ532の図示された構成要素のうちの1つ以上は、取り除く、かつ/又は他の方法で実装することができる。例えば、カバー536は、場合によっては実装されなくてもよい。
【0156】
図8-1及び
図8-2は、ローラ538が係合され、カバー536が閉じられた状態を例解する。実施例では、ローラ538は、係合されているときに、互いに、かつ/又はハードストップ機構(図示せず)にいくらかの量の力を加えることができ、これは、1つ以上のばね612(図示せず)の付勢力、駆動出力部によって加えられた力、及び/又はローラ538を互いに向かって作動させるために加えられた別の力に起因し得る。実施例では、ローラ538は、互いに接触していてもよい。しかしながら、ローラ538は、互いに接触しなくてもよいが、互いの閾値距離内にあってもよい(これは、ハードストップ機構によって容易にされ得る)。
【0157】
この例では、カバー536は、対象物がチャネル534に出入りするのを防止するために閉じられている。上述したように、いくつかの例では、カバー536は、ローラ538の動きがカバー536を開閉させるように、ローラ538のうちの1つ以上に結合することができる。しかしながら、カバー536は、独立して作動することができる。カバー536は、様々な形状及び/又はサイズを有することができる。この例では、カバー536は、チャネル534の上に位置付けられたときにチャネル534を実質的に閉じる/覆う寸法を含む。
【0158】
いくつかの例では、ローラ538(A)/538(B)の外縁部分538(A)(1)/538(B)(1)は、ローラ538の内側部分538(A)(2)/538(B)(2)とは異なる材料で形成することができる。例えば、外側/円周方向部分538(A)(1)/538(B)(1)は、細長いシャフトを軸方向に駆動し、かつ/又は細長いシャフトへの損傷を回避するために器具シャフトを把持する/これに接触するように構成された変形可能な材料を含むことができる。しかしながら、外縁部分538(A)(1)/538(B)(1)及び内側部分538(A)(2)/538(B)(2)は、同じ材料で形成することができる。
【0159】
図9-1及び
図9-2は、ローラ538が器具シャフト902と係合され、カバー536が閉じられている状態を例解する。図示のように、ローラ538は、チャネル534内のローラ538の間に位置付けられる、細長いシャフト902の反対側又は対向する側面と係合又はその他の方法で接触することができる。例解されるように、細長いシャフト902は、チャネル534に装填され、アクセスシースアセンブリ560に挿入される。ローラ538は、細長いシャフト902に圧入されるか、又は他の方法で細長いシャフト902と係合される。実施例では、ローラ538は、細長いシャフト902と係合するためにいくらかの量の力を加えることができ、これは、1つ以上のばね612(図示せず)の付勢力、駆動出力部によって加えられた力、及び/又はローラ538を互いに向かって作動させるために加えられる別の力に起因し得る。
【0160】
この位置/状態では、ローラ538は、器具シャフト902の軸方向運動を駆動する(例えば、シャフト902を挿入する/後退させる)ように回転することができる。例えば、ローラ538を第1の方向に回転させると、(例えば、患者に向かう遠位方向への)シャフト902の挿入を引き起こすことができ、ローラ538を反対の第2の方向に回転させると、(例えば、患者から離れる近位方向へのシャフト902の後退を引き起こすことができる。ここで、ローラ538の方向は、ローラ538の一部分の動きの方向を指すことができる。例えば、シャフト902の挿入のための第1の方向への回転は、遠位方向へのローラ538の係合部分の回転を指すことができ、後退のための回転は、近位方向へのローラ538の係合部分の回転を指すことができる。
図9-2におけるローラ538の図に関して、左ローラ538(B)は、反時計回りに回転することができ、右ローラ538(A)は、時計回りに回転してローラ538を遠位方向に回転させ(例えば、シャフト902を挿入し)、逆もまた同様であり、ローラ538を近位方向に回転させる(例えば、シャフト902を後退させる)。
【0161】
この例では、カバー536は、少なくとも部分的に閉じられて、ローラ538がシャフト902をチャネル534から上方及び/又は横方向に排出するのを防止するなど、器具シャフト902をチャネル534内に保持するのを助ける。換言すれば、カバー536は、シャフト902がチャネル534から離れることを防止するために、器具シャフト902が位置するチャネル534の少なくとも一部分を取り囲む。しかしながら、上述したように、カバー536は、場合によっては取り除くことができる。
【0162】
図10-1及び
図10-2は、ローラ538が係合解除され、カバー536が閉じられた状態を例解する。このような状態/位置は、閉鎖/係合状態と開放/装填状態との間の中間状態であり得る。図示のように、ローラ538は、細長いシャフト902と係合解除するか、又は他の方法で細長いシャフト902との接触から離れるように移動することができる。更に、カバー536は、器具シャフト902が依然としてチャネル534内に保持されるように、チャネル534の少なくとも一部分を覆って閉じることができる。この状態/位置では、ローラ538は、器具シャフト902から係合解除することができ、シャフト902がチャネル534内で自由に摺動又は回転することを可能にする。
【0163】
実施例では、この位置/状態は、器具シャフトの保持が所望されるが、器具フィーダーデバイス530に対するシャフトのより自由な動きが所望されるときの、処置中の様々なケースに使用される。例えば、この状態/位置は、器具シャフト902がその長手方向軸線を中心に回転することを可能にし、器具フィーダーデバイス530に結合されたロボットアームが(シャフト902の挿入/後退を回避しながら)再位置付けされることを可能にし、シャフト902のハンドル/器具基部に結合されたロボットアームが再位置付けされることを可能にし(かつシャフト902がチャネル534内で自由に摺動することを可能にし)、かつ/又はシャフト902と係合することなく他の機能を可能にするために使用することができる。場合によっては、ロボットアームは、アドミタンス/手動モードで動作している間に移動することができる。しかしながら、ロボットアームは、制御信号又は他の入力に基づいて移動するように制御することができる。
【0164】
一例では、器具フィーダーデバイス530に結合されたロボットアームは、ロボットアームに結合されたアクセスシースの位置/配置を調整するために、処置中に(又は他の時間に)移動することができる。アクセスシースは、少なくとも部分的に患者内に配設され、医療器具を患者内に挿入するために使用することができる。器具フィーダーデバイス530内で維持するために、器具フィーダーデバイス530は、この中間状態を実装して、細長いシャフト610が器具フィーダーデバイス530内で自由に移動することを可能にする一方で、器具フィーダーデバイスに結合されたロボットアームは、再位置付けされる。実施例では、ロボットアームは、アドミタンス制御モードを使用して移動するが、ロボットアームは、他の方法で移動することができる。
【0165】
図11-1及び
図11-2は、ローラ538が係合解除され、カバー536が開いている状態を例解する。このような状態/位置は、完全な開放状態/係合解除状態、又は装填状態と称され得る。図示のように、ローラ538は、細長いシャフト902と係合解除するか、又は他の方法で細長いシャフト902との接触から離れるように移動することができ、カバー536は、チャネル534へのアクセスを可能にするように完全に開いている。ローラ538は、
図10-1及び
図10-2の中間状態よりも互いに離れて位置付けられているように図示されているが、ローラ538は、
図10-1及び
図10-2と同じ位置及び/又は別の係合解除位置に位置付けることができる。カバー536は、チャネル534への(例えば、上方からの)アクセスを提供するために、開くか、又は他の方法で再位置付けすることができる。図示の例では、カバー536は、完全に上部ハウジング604の下に位置付けられている。しかしながら、カバー536は、少なくとも部分的にチャネル534内にあってもよいが、そうでなければ、器具シャフト902がチャネル534から装填又は取り外されることを可能にしてもよい、他の場所に位置付けることができる。
【0166】
実施例では、開放状態/完全な係合解除状態は、器具シャフト902の器具フィーダーデバイス530への装填又は取り外しを容易にすることができ、これにより、デバイスの使用を簡素化し、かつ/又は動作時間を短縮することができる。例えば、開放チャネルは、医療処置の前、間、又は後に器具シャフト902の装填及び/又は取り外しを容易にすることができる。一例では、完全な開放状態/係合解除状態により、ユーザは、シャフト902を患者内から完全に後退させる必要なく、シャフト902及び/又は関連する医療器具を手動で調整することを可能にするができる。
【0167】
図12及び
図13は、1つ以上の実施形態による、係合アセンブリ532の例示的な状態、及び係合アセンブリ532の状態の例示的な駆動出力部1202に関する様々な詳細を例解する。具体的には、
図12は、器具シャフトが内部に配設/装填されていない係合アセンブリ532(ブロック1206内)の状態1204を例解し、
図13は、器具シャフトが内部に配置/装填されている係合アセンブリ532の状態1204を例解する。これらの図は、本明細書で説明される係合アセンブリ532の多くの例示的な状態のうちのいくつかを例解する。様々な状態が例解されているが、図示の状態間で移行するため、かつ/又は明示的に示されていない他の状態を実装するなどのために、任意の数の状態を実装することができる。
【0168】
図12及び
図13では、ブロック1208内の画像は、ロボットアームのエンドエフェクタ1210と関連付けられた駆動出力部1202の例示的な位置(例えば、回転角度)を例解する。ここで、エンドエフェクタ1210は、器具フィーダーデバイス530に結合されており、器具フィーダーデバイス530は、説明を目的としてエンドエフェクタ1210から分離されて示されている。これらの例では、駆動出力部1202は、係合アセンブリ532の様々な状態1204を実装するために回転する。説明を容易にするために、駆動出力部1202は、歯車(歯車の回転位置を示すためのマーキングを含む)として示されているが、駆動出力部1202は、他の方法で実装することができる。駆動出力部1202の図示の位置は、互いに対する相対位置を示し、係合アセンブリ532の特定の状態を容易にするための、駆動出力部1202の実際の回転の量を示さなくてもよい。例えば、駆動出力部1202は、特定の位置を容易にするために任意の回数回転することができる。
【0169】
いくつかの例では、駆動出力部1202は、係合アセンブリ532の駆動入力部540に異なる量の力を加えて、異なる状態1204を容易にするように構成されている。
図12及び
図13のグラフ1212及び1312は、駆動出力部1202の位置に対して駆動出力部1202によって加えられ得る/受け得る例示的な力をそれぞれ例解する。加えられる力は、線形(例えば、実線)又は非線形(例えば、点線)であり得る。これらのグラフにおける線は、例示の目的で提供されており、駆動出力部1202によって加えられた実際の力の量を反映していない場合がある。この例では、係合アセンブリ532の状態を制御するために異なる力が加えられているが、他の例では、係合アセンブリ532は、他の方法で制御することができる。
【0170】
これらの例では、係合アセンブリ532は、概して、係合状態/閉鎖状態に向かって付勢するように構成することができる。このような付勢は、本明細書で説明されるように、1つ以上のばね612(図示せず)及び/又は他の手段/機構を通じて容易にすることができる。1つ以上のばね612の表現1214は、1つ以上のばね612及び/又は器具フィーダーデバイス530の他の構成要素によって及ぼされる圧縮及び/又は力の量を示すために、ブロック1206内に提供される。この表現1214は、単に説明を目的として提供されており、器具フィーダーデバイス530(1つ以上のばね612を含む)の機構を限定するために使用されるべきではないことを理解されたい。実施例では、係合アセンブリ532は、器具フィーダーデバイス530がロボットアームに取り付けられていないとき、閾値量未満の力が駆動入力部540に加えられるときなどに、係合状態に位置付けることができる。したがって、駆動出力部1202は、概して、力(例えば、トルク)を駆動入力部540に加えて、係合アセンブリ532を開放状態/係合解除状態に向けて作動させるように構成することができる。
【0171】
いくつかの例では、係合状態に向けて付勢するように構成された器具フィーダーデバイス530について説明しているが、器具フィーダーデバイス530は、他の方法で実装することができる。例えば、係合アセンブリ532は、異なる構成のばねを使用すること、及び/又は他の機構を実装することによって、係合解除状態/開放状態に向けて付勢するように構成することができる。更に、いくつかの例では、係合アセンブリ532は、任意の状態に向けて付勢するように構成されていなくてもよい。ここで、係合アセンブリ532は、器具フィーダーデバイス530がロボットアームから切り離されているときであっても、任意の状態のままであるように構成され得る。
【0172】
図12は、器具シャフトが係合アセンブリ532内に配設/装填されていないときの、係合アセンブリ532の例示的な状態1204を例解する。1218に示すように、1204(1)から1204(3)までの状態は、概して、ローラ538が係合解除される係合解除状態と関連付けられ、一方、状態1204(3)~1204(5)は、概して、ローラ538が係合される係合状態と関連付けられている。係合状態とは、ローラ538が互いに接触していること、ハードストップ位置に配設されていること(これは、ローラ538が互いに接触しないようにする器具フィーダーデバイス530上のハードストップ機構によって容易にすることができる)、互いに所定の距離内に配設されていること、軸線/領域に対して所定の距離内に配設されていることなどを指すことができる。対照的に、係合解除状態とは、ローラ538が互いに接触していないこと、器具シャフトに接触していないこと、ハードストップ位置に配設されていないこと、互いに所定の距離を超えて位置付けられていること、軸線/領域に対して所定の距離を超えて位置付けられていることなどを指すことができる。更に、カバー538は、開放状態又は閉鎖状態を容易にするように実装することができる。例えば、カバー538は、1204(1)から1204(2)まで開放状態/部分的な開放状態にあり、1204(2)~1204(5)まで閉鎖状態にあることができる。ブロック1218は、説明を目的として提供されており、これらの要素の状態は、図示されているものとは異なる可能性がある。例えば、異なる状態間の移行例えば、係合状態から係合解除状態へ、及び/又はカバー開放状態からカバー閉鎖状態へ)は、図示されたもの以外の異なる点で生じる可能性がある。
【0173】
図12では、状態1204(1)~1204(5)は、回転位置1202(A)~1202(E)及び加えられた力1216(A)~1216(E)とそれぞれ関連付けられている。例えば、状態1204(2)は、駆動出力部1202が回転位置1202(B)に位置付けられたとき、かつ/又はある量の力1216(B)を加えたときに実装することができる。いくつかの例では、位置1202(A)及び/又は1202(E)は、器具フィーダーデバイス530上のハードストップ機構によって容易にされるハードストップ位置と関連付けられる。ハードストップ位置は、駆動出力部1202によって加えられた力の変化(例えば、加えられた力のスパイク)に基づいて検出することができる。場合によっては、位置1202(A)及び/又は1202(E)が基準位置として使用される。
【0174】
例示的な状態1204は、係合アセンブリ532が駆動出力部1202の様々な回転位置(例えば、位置1202(C)~1202(E))に対して係合状態のままである浮動ゾーンと共に示されている。これにより、器具フィーダーデバイス530の構成要素間にいくらかの量の遊び/バックラッシュを提供するように実装することができ、これは、器具フィーダーデバイス530内のハードストップ機構及び/又は他の機構によって容易にすることができる。しかしながら、他の例では、浮動ゾーンは実装されず、かつ/又はより少ない係合状態が実装される。
【0175】
図12の例では、係合アセンブリ532を係合状態から係合解除状態に移行するために、駆動出力部1202は、回転し、かつ/又は特定の量の力を加えることができる。例えば、駆動出力部1202が位置1202(D)から時計回りに回転して回転位置1202(C)に到達すると、器具フィーダーデバイス530の1つ以上のばね612は、係合アセンブリ532を係合解除状態に移行させるために(グラフ1212に示すように)閾値量を超える力1220が必要とされるように、駆動出力部1202に力を戻し始めることができる。位置1202(C)におけるこの力の変化は、(例えば、力スパイクとして)検出することができる。場合によっては、位置1202(C)が基準位置として使用される。器具シャフトが装填されていないこの例では、状態1204(3)は、概して、係合状態から係合解除状態への移行と関連付けられる。
【0176】
図12に示すように、駆動出力部1202は、時計回りに回転し続け、かつ/又は追加の力を加えて、係合アセンブリ532を状態1204(2)に到達させることができる。例えば、駆動出力部1202が時計回りに回転すると、ローラ538間の距離が増加し、かつ/又はカバー536が移動し/開き始める。1つ以上のばね610は、状態1204(2)に到達するために加えられた力(例えば、トルク)の量を増加させるために、駆動出力部1202を必要とするように圧縮することができる。状態1204(2)において、ローラ538は、係合解除され(例えば、互いに特定の距離だけ分離され)、カバー536は、カバー536が開き始めていても、チャネル534を覆って閉じたままである。状態1204(2)は、閉鎖状態/係合状態と完全な開放状態/装填状態との間の中間状態と称され得る。更に、駆動出力部1202は、状態1204(1)に到達するように時計回りに回転し続けることができ、ローラ538は、係合解除され(例えば、互いから更に分離され)、カバー536は、完全に開く。
【0177】
この例では、(グラフ1212に示すように)係合アセンブリ532を状態1204(3)から状態1204(1)に移行させるために増加する量の力(例えば、トルク)が必要とされるが、このような移行は、減少する量の力、一定の量の力を加え、駆動出力部1202の回転位置を単に変更するなどの他の方法で実施することができる。更に、この例は、係合状態から係合解除状態へと移行するための時計回りの回転を説明しているが、駆動出力部1202は、反時計回り又は別の方法で回転することができる。
【0178】
図13は、器具シャフトが係合アセンブリ532内に配設/装填されているときの、係合アセンブリ532の例示的な状態1204を例解する。ここで、係合アセンブリ532は、駆動出力部1202の異なる回転位置における状態1204のうちの少なくともいくつかの間で移行することができる。具体的には、器具シャフトが係合アセンブリ532に装填されるので、1つ以上のばね612が駆動出力部1202に力を及ぼし始める点が(例えば、この図では左に)移動する。図示のように、係合アセンブリ532は、ここで、駆動出力部1202が位置1202(C)(1)まで回転されるときに、係合状態から係合解除状態へと移行する。係合アセンブリ532は、グラフ1312に示すように、駆動出力部1202が閾値量を超える力1318を加えるとき、係合状態1204(3)(A)から移行し始めることができる。更に、この例では、浮動ゾーンは、ゾーンの端部が駆動出力部1202の回転位置1202(E)(1)及び係合状態1204(5)(A)と関連付けられるようにシフトしている。これは、場合によっては、ハードストップ位置を容易にする係合アセンブリ532の構成要素の回転変位又はシフトに起因して生じる可能性がある。例えば、回転位置1202(E)(1)は、器具フィーダーデバイス530のハードストップ機構に関連付けることができる。しかしながら、他の例では、浮動ゾーンは、駆動出力部1202が以前の回転位置1202(E)に到達することを可能にするために、更に拡張することができる。更に、浮動ゾーンは、駆動出力部1202の他の回転位置を含むように拡張し、かつ/又は他の方法で実装することができる。
【0179】
様々な例が、駆動出力部によって加えられた力及び/又は駆動出力部の位置に基づいて、器具フィーダーデバイスの状態を決定する文脈で説明されているが、器具フィーダーデバイスの状態は、追加的又は代替的に、他の情報に基づいて決定することができる。例えば、器具フィーダーデバイスは、近接度、圧力、及び/又は別の特性を検出するように構成されたローラ、カバー、チャネル、及び/又は他の構成要素のための/これら上の1つ以上のセンサを含むことができる。一例では、センサは、ローラ及び/又はローラの周りの別の構成要素上に実装されて、ローラの互いの近接度及び/又は器具シャフトの近接度を決定することができる。更に、器具フィーダーデバイスの駆動入力部は、駆動入力部の回転位置を検出するためのセンサ/機構を含むことができ、センサ/機構は、器具フィーダーデバイスの状態を決定するために使用することができる。更に、センサをカバー上に実装して、カバーが開いているとき、部分的に開いているとき、又は閉じているときを検出することができる。追加的又は代替的に、医療器具の細長いシャフトは、係合アセンブリのローラによって加えられた圧力などの圧力/近接度を検出するように構成されたセンサを含むことができる。場合によっては、器具フィーダーデバイスは、ローラを特定の状態に付勢する(例えば、器具シャフト上に締め付ける)ためのばね(複数可)を実装しなくてもよい。ここで、器具フィーダーデバイスの状態は、駆動出力部の位置及び/又は駆動出力部によって加えられた力に基づくことができる(これは、器具シャフトとの接触による力のスパイクに基づいて完全な係合状態を検出することを含むことができる)。ばね(複数可)が実装されないいくつかの場合では、駆動出力部は、器具シャフトを完全に係合する/締め付けるために、いくらかの量の力を加えることができる。
【0180】
いくつかの例では、器具フィーダーデバイスは、ローラの係合(例えば、ローラ間の距離)を制御するように構成された第1の駆動入力部と、カバーの作動を制御する(例えば、カバーを開閉する)ように構成された第2の駆動入力部とを用いて実装することができる。したがって、別個の駆動出力部を、係合アセンブリの異なる状態を制御するために実装することができ、ローラの状態は、カバーの状態から独立して制御することができる。更に、いくつかの例では、第1の構成要素(例えば、ローラ又はカバー)の状態を、手動で制御し、センサ(複数可)によって検出することができ、このような検出された状態により、第2の構成要素(例えば、カバー又はローラ)を、係合アセンブリのための特定の状態を容易にするように制御することができる。
【0181】
図14~
図18は、本明細書で説明される様々な技法を実施するためのプロセス1400、1500、1600、1700、及び1800の例示的なフロー図をそれぞれ例解する。プロセス1400、1500、1600、1700、及び1800と関連付けられた様々な動作/行為は、制御システム150、ロボットシステム110、テーブル170、医療器具、器具フィーダーデバイス、及び/又は別のデバイスなどの、本明細書で説明されるデバイス/システムのいずれか、又はこれらの組み合わせに実装された制御回路によって実施することができる。様々なブロックをプロセス1400、1500、1600、1700、及び/又は1800の一部であると図示しているが、このようなブロックのいずれも削除することができる。更に、追加のブロックを、プロセス1400、1500、1600、1700、及び/又は1800の一部として実装することができる。ブロックを図示した順番は、単に説明を目的として示しており、ブロックは、任意の順番で実装することができる。いくつかの実施形態では、プロセス1400、1500、1600、1700、及び/又は1800のブロックのうちの1つ以上は、実行可能命令であって、制御回路によって実行されたときに、説明された機能/動作を制御回路に実施させる実行可能命令として実装される。しかしながら、プロセス1400、1500、1600、1700、及び/又は1800のブロックのうちの1つ以上を、他のデバイス/システム、ユーザ(複数可)などによるなどの他の方法で実装することができる。
【0182】
図14は、1つ以上の実施形態による、器具フィーダーデバイスの係合アセンブリの状態を決定するための例示的なプロセス1400を例解する。
【0183】
ブロック1402において、プロセス1400は、1つ以上の事象を検出することを含むことができる。例えば、制御回路は、器具フィーダーデバイス、医療器具、ロボットシステム、及び/又は医療処置を実施するように構成された医療システムの別のデバイス/構成要素と関連付けられた1つ以上の事象を検出することができる。例示すると、制御回路は、ロボットシステムのロボットアームへの器具フィーダーデバイスの結合(例えば、ロボットアーム/器具フィーダーデバイスからのセンサデータに基づく)、ロボットアームへの医療器具の器具基部の結合/切り離し(例えば、ロボットアーム/医療器具基部からのセンサデータに基づく)、所定期間の経過、器具基部のロボットアームへの結合、細長いシャフトを回転させるための要求/命令(例えば、ユーザ入力、システム決定などに基づく)、ロボットアームの手動移動を有効/無効にする要求/命令(例えば、アドミタンス制御モードが有効にされる)などを検出することができる。
【0184】
本明細書で説明されるように、医療システムは、医療器具、器具フィーダーデバイス、及び/又は別のデバイス/構成要素に結合するように構成された1つ以上のロボットアームを有するロボットシステムを含むことができる。例えば、ロボットシステムは、(医療器具の細長いシャフトと係合することができる)器具フィーダーデバイスに結合するように構成されたエンドエフェクタを有する第1のロボットアームと、医療器具の器具基部に結合するように構成された第2のロボットアームと、を含むことができる。第1のロボットアームは、器具フィーダーデバイスの1つ以上の駆動入力部に結合し、かつ/又はこれを作動させるように構成された1つ以上の駆動出力部を含むことができる。例えば、第1の駆動出力部は、器具フィーダーデバイスの第1の駆動入力部を作動させて、器具フィーダーと医療器具の細長いシャフトとの係合を制御するように構成することができ、第2の駆動出力部は、器具フィーダーデバイスの第2の駆動入力部を作動させて、細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成することができる。
【0185】
更に、器具フィーダーデバイスは、医療器具の細長いシャフトを受容する、かつ/又はこれと係合するように構成された係合アセンブリを含むことができる。係合アセンブリは、細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータ、細長いシャフトを受容するように構成されたチャネル、及び/又はチャネルを選択的に開閉するように構成された保持機構を含み得る。いくつかの例では、器具フィーダーデバイスは、アクチュエータを係合状態又は係合解除状態に付勢するように構成されている。
【0186】
ブロック1404において、プロセス1400は、第1の駆動出力部に器具フィーダーデバイスの係合アセンブリを作動させることを含むことができる。例えば、制御回路は、ロボットアームの第1の駆動出力部を作動させることができ、それにより、器具フィーダーデバイスの係合アセンブリと関連付けられた第1の駆動入力部の作動を引き起こす。第1の駆動入力部は、係合アセンブリの係合状態を制御するように構成することができる。
【0187】
いくつかの例では、制御回路は、ブロック1402において1つ以上の事象を検出したことに基づいて、第1の駆動出力部を作動させる。これは、係合アセンブリとのユーザ対話を伴わずになど、係合アセンブリを知的/自動的に制御することができる。いくつかの例では、制御回路は、処置のためのセットアップ中などに、関連付けられた器具フィーダーデバイスがロボットアームに装填/結合されていることを検出すると、係合状態から完全な開放状態/係合解除状態へと作動するように係合アセンブリを制御することができる。これは、ユーザが医療器具のシャフトを係合アセンブリに装填することを可能にすることができる。
【0188】
更に、いくつかの例では、制御回路は、医療器具の器具基部がロボットアームに結合されたことを検出すると、かつ/又は器具基部のロボットアームへの結合を検出してから所定の期間が経過した後に、係合解除状態(例えば、完全な開放状態)から係合状態に向けて/係合状態へと作動するように係合アセンブリを制御することができる。例えば、ユーザは、最初に、第1のロボットアームに結合された器具フィーダーデバイスに器具シャフトを装填し、次いで、器具基部を第2のロボットアームに結合してもよい。しかしながら、ユーザは、医療器具の構成要素を任意の順番で結合/装填することができる。ここで、器具基部の第2のロボットアームへの結合を検出した後に器具フィーダーデバイスを係合状態へと移行することによって、制御回路は、医療器具と係合して医療器具の駆動を開始することができる。
【0189】
更に、いくつかの例では、制御回路は、医療器具の細長いシャフトを回転させることを決定すると、かつ/又はロボットアームのアドミタンス制御モードを有効にすることを決定すると、係合状態から係合解除/中間状態へと作動するように係合アセンブリを制御することができる。例えば、ユーザは、シャフトを回転させるための入力を提供するか、又は器具フィーダーデバイスに結合されたロボットアーム及び/又は器具基部に結合されたロボットアームのアドミタンス制御モードを有効にすることができる。アドミタンス制御モードは、様々な目的のためにロボットアームの位置を調整するために使用することができる。回転/アドミタンス制御検出に応答して、制御回路は、係合アセンブリを係合状態から、カバーが実質的に閉じられ、ローラがシャフトから係合解除される中間状態へと移行させることができる。これにより、係合アセンブリは、シャフトの動きを制限することなくシャフトを保持することを可能にすることができる。回転が完了し、かつ/又はアドミタンス制御モードが無効にされたとき、制御回路は、係合アセンブリを係合状態に戻すことができる。
【0190】
更に、いくつかの例では、制御回路は、ロボットアームから器具基部の切り離しを決定すると、係合状態から係合解除状態へと作動するように係合アセンブリを制御することができる。例えば、ユーザは、処置の完了時に、かつ/又は医療器具の手動駆動を容易にするために、ロボットアームから器具基部を切り離してもよい。ここで、制御回路は、器具基部がロボットアームから取り外されたことを検出し、完全な開放状態へと作動するように係合アセンブリを制御することができ、シャフトを係合アセンブリから取り外すことができる。
【0191】
様々な説明が提供されているが、制御回路は、第1の駆動出力部を、係合アセンブリを任意の状態間で移行する、係合アセンブリを、状態を変化させずにある状態に向けて移行する、係合アセンブリを(例えば、器具フィーダーデバイスをロボットアームに結合するときに)ハードストップ位置へと移行するなどの他のシナリオにおいて作動させることができる。したがって、制御回路は、第1の駆動出力部を様々な目的のために作動させることができる。
【0192】
実施例では、制御回路は、器具/デバイスが、エンドエフェクタ、器具フィーダーデバイス、医療器具基部、器具シャフトなどのセンサ(複数可)からのデータに基づいて、ロボットアームに結合/ロボットアームから切り離されたことを検出することができる。このようなセンサ(複数可)は、近接センサ(複数可)、磁気センサ(複数可)などを含むことができる。例えば、器具フィーダーデバイス/器具基部は、磁石、無線周波数識別(RFID)タグ、クイックレスポンス/バーコード、及び/又は別の要素を含むことができ、ロボットアームのエンドエフェクタは、器具フィーダーデバイス/器具基部がエンドエフェクタに近接して配置されたときなどに、このような要素を検出するように構成されたセンサ/デバイスを含むことができる。
【0193】
ブロック1406において、プロセス1400は、第1の駆動出力部によって加えられた力の量及び/又は第1の駆動出力部の位置を決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、1つ以上のセンサ(例えば、第1の駆動出力部の力センサ/トルクセンサ)からの読み取り値/データ、第1の駆動出力部を制御するために生成/送信される1つ以上の信号などに基づいて、第1の駆動出力部によって加えられた力の量、及び/又は第1の駆動出力部の位置を決定することができる。いくつかの例では、第1の駆動出力部によって加えられた力の量は、第1の駆動出力部を駆動するモータ/機構によって加えられた力(例えば、トルク)の量、及び/又は器具フィーダーデバイスの駆動入力部によって加えられたフィードバック力の量(例えば、係合アセンブリを付勢する1つ以上のばねに起因し得る)を考慮した正味の合力を表す。更に、いくつかの例では、第1の駆動出力部の位置は、第1の駆動出力部の回転位置を含むことができ、これは、第1の駆動出力部の任意の回転数/旋回数を含む/示すことができる。
【0194】
ブロック1408において、プロセス1400は、第1の駆動出力部によって加えられた力の量及び/又は第1の駆動出力部の位置に基づいて、係合アセンブリの状態を決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、第1の駆動出力部によって加えられた力の量が、1つ以上の閾値を上回る/下回るかどうか、所定の力の範囲内であるかどうかなどを判定することができる。したがって、いくつかの例では、制御回路は、第1の駆動出力部によって加えられた力の量と1つ以上の閾値とを比較することができる。更に、制御回路は、第1の駆動出力部の位置と、1つ以上の所定の位置/基準位置、位置の範囲などとを比較することができる。係合アセンブリの状態は、係合アセンブリが係合/係合解除されているかどうか、係合アセンブリの保持機構が開いている/閉じている(又は部分的に開いている/閉じている)かどうか、医療器具の細長いシャフトが係合アセンブリ内に受容されられている/適切に受容されているかどうかなどを示すことができる。
【0195】
一例では、制御回路は、係合アセンブリが、第1の駆動出力部によって加えられた力の量が第1の閾値未満であるときに、係合状態(例えば、完全な係合状態)と関連付けられていると決定することができる。例示的な係合状態が、
図8-1~
図8-2及び
図9-1~
図9-2に図示されている。更に、制御回路は、係合アセンブリが、第1の駆動出力部によって加えられた力の量が第1の閾値を超え、かつ第2の閾値未満であるときに、第1の係合解除状態(例えば、中間状態)と関連付けられていると決定することができる。第1の係合解除状態は、
図10-1及び
図10-2に図示される係合状態など、係合アセンブリのアクチュエータが細長いシャフトから係合解除され、係合アセンブリの保持機構が実質的に閉じられて細長いシャフトを保持する状態とすることができる。更に、制御回路は、係合アセンブリが、第1の駆動出力部によって加えられた力の量が第2の閾値を超えるときに、第2の係合解除状態(例えば、完全な開放状態)と関連付けられていると決定することができる。このような係合解除状態の一例が、
図11-1及び
図11-2に図示されている。
【0196】
別の例では、制御回路は、閾値量を超える力変化(例えば、第1の駆動出力部によって加えられた力のスパイク)と関連付けられる基準位置(複数可)を決定することができる。例えば、制御回路は、器具フィーダーデバイスが最初にロボットアームに結合されたときに、第1の駆動出力部をハードストップ位置に作動させ、かつ/又はハードストップ位置に向かう方向に作動させることができる。制御回路は、このような作動中に第1の駆動出力部によって加えられた力のスパイク(複数可)を検出し、その力のスパイクにおける第1の駆動出力部の位置を基準位置(例えば、係合状態と係合解除状態との間の移行位置、係合アセンブリのハードストップ位置、又は別の位置/状態)として指定することができる。その後、制御回路は、基準位置に対する第1の駆動出力部の現在位置の近接度(例えば、基準回転位置に対する現在の回転位置の近接度)に基づいて、係合アセンブリの状態を決定することができる。
【0197】
更に他の例では、制御回路は、第1の駆動出力部によって加えられた力及び/又は第1の駆動出力部の位置に基づいて、他の方法で係合アセンブリの状態を決定することができる。
【0198】
ブロック1410において、プロセス1400は、第2の駆動出力部を作動させて細長いシャフトを軸方向に移動させることを含むことができる。例えば、係合アセンブリが係合状態(例えば、駆動準備完了)に位置付けられたとき、制御回路は、係合アセンブリの第2の駆動入力部の作動を引き起こすように、ロボットアームの第2の駆動出力部を制御することができ、第2の駆動入力部は、細長いシャフトの軸方向運動を制御するように構成することができる。したがって、第2の駆動出力部は、細長いシャフトを軸方向に移動させる(例えば、挿入又は後退させる)ことができる。実施例では、第2の駆動出力部は、細長いシャフトを挿入する/後退させるためのI/Oデバイスからの信号、細長いシャフトを挿入する/後退させるためのシステム決定(例えば、ユーザ入力を受信することなく)などに基づいて制御することができる。
【0199】
図15は、1つ以上の実施形態による、医療器具の細長いシャフトが器具フィーダーデバイスに装填されている/適切に装填されているかどうかを判定するための例示的なプロセス1500を例解する。
【0200】
ブロック1502において、プロセス1500は、駆動出力部に、係合アセンブリを、アクチュエータが係合されている係合状態から、アクチュエータが係合解除される係合解除状態へと作動させることを含むことができる。例えば、制御回路は、ロボットアームの駆動出力部を作動(例えば、回転)させて、ロボットアームに結合された器具フィーダーデバイスの係合アセンブリの、関連する駆動入力部を作動(例えば、回転)させることができる。駆動入力部の作動は、係合アセンブリを係合状態(器具フィーダーデバイスのデフォルト状態であり得る)から係合解除状態へと変化させることができる。いくつかの例では、係合アセンブリは、
図11-1及び
図11-2に図示されるものなど、完全な係合解除状態/開放状態に移行することができる。完全な係合解除状態/開放状態は、器具シャフトが係合アセンブリに装填されることを可能にすることができる。
【0201】
ブロック1504において、プロセス1500は、係合アセンブリを係合状態から係合解除状態へと移動させる間に生じた、駆動出力部によって加えられた力(例えば、トルク)の第1の変化と関連付けられた、駆動出力部の第1の位置を決定することを含むことができる。例えば、係合アセンブリを係合状態から係合解除状態へと移行する間、制御回路は、駆動出力部によって加えられた力の量を監視することができる。駆動出力部が、特定の量(例えば、所定の回転量に対する力の閾値増加/減少)だけ駆動出力部を移動させるために、力の閾値変化量を超える変化を受ける/加えるとき、制御回路は、その時点における駆動出力部の位置(「力変化の最初の位置」又は「基準位置」とも称される)を特定することができる。一例では、
図12の文脈において、制御回路は、係合アセンブリ532を係合状態1204(4)から係合解除状態1204(1)へと移行させ、位置1202(C)において駆動出力部1202によって加えられた力の変化を検出することができ、このような変化は、閾値よりも大きい。
【0202】
ブロック1506において、プロセス1500は、駆動出力部に、係合アセンブリを係合解除状態から係合状態に向けて作動させることを含むことができる。例えば、制御回路は、駆動出力部に、係合アセンブリを完全な係合解除状態/開放状態から係合状態に向けて作動させることができる。いくつかの例では、これは、動作1502/1504を実施してから所定の期間が経過した後、医療器具の器具基部がロボットアーム(例えば、第2のロボットアーム)に結合されたことを検出したとき、器具基部をロボットアームに結合してから所定の期間が経過した後(結合が行われたときにタイマを開始することに基づくことができる)、及び/又は別の事象が検出されたときに行うことができる。一例では、動作1506は、細長いシャフトが係合アセンブリに装填されたことを決定/推定するときなどに、係合アセンブリを医療器具の細長いシャフトと係合させる試みにおいて実施することができる。
【0203】
ブロック1508において、プロセス1500は、第2の力の変化と関連付けられた、駆動出力部の第2の位置を決定することを含むことができる。一実施例では、係合アセンブリは、完全な係合解除状態/開放状態から係合状態へと移行することができる(例えば、ブロック1506)。係合が完了すると、係合アセンブリは、係合解除状態に向かって戻る方向に移動することができ、制御回路は、駆動出力部によって加えられた力の量を監視することができる。これは、係合解除方向に比較的少量(例えば、特定の量未満)だけ移動することを含むことができる。駆動出力部が、特定の量(例えば、所定の回転量に対する力の閾値増加/減少)だけ駆動出力部を移動させるために、力の閾値変化量を超える変化を受ける/加えるとき、制御回路は、その時点における駆動出力部の位置(「力変化の二次位置」とも称される)を特定することができる。力変化の閾値量は、ブロック1504について上述した閾値及び/又は別の閾値よりも大きくすることができる。したがって、力変化の二次位置は、係合解除方向への力(接触力)の変化を検出することによって特定することができる。しかしながら、他の例では、力変化の二次位置は、係合方向への力(接触力)の変化(例えば、係合状態へと移行する間の接触の喪失)を検出することなどによって、他の方法で検出することができる。いくつかの例では、力変化の二次位置が特定されると、係合アセンブリは、浮動ゾーンに入ることができる。
【0204】
ブロック1510において、プロセス1500は、保持機構が開き始める状態と関連付けられた、駆動出力部の第3の位置を特定することを含むことができる。例えば、制御回路は、係合アセンブリのカバーが閉じられており(しかし、開き始めている)、ローラが細長いシャフトから係合解除される中間状態と関連付けられた、駆動出力部の位置を特定することができる。いくつかの例では、このような位置は、完全な係合解除状態/開放状態と関連付けられた位置、係合状態と関連付けられた位置、基準位置、及び/又は別の位置などの、駆動出力部の別の位置に関連して定義/参照される、所定の位置とすることができる。一例では、
図12の文脈において、制御回路は、位置1202(B)が位置1202(A)/1202(C)及び/又は別の位置(例えば、力の変化に基づいて検出できる任意の基準位置)から所定の回転角度にあることを知ることに基づいて、位置1202(B)(カバー536が閉鎖状態と開放状態との間で移行する)を特定することができる。
【0205】
ブロック1512において、プロセス1500は、医療器具の細長いシャフトが係合アセンブリ内に受容されている、かつ/又は適切に受容されているかどうかを判定することができる。例えば、制御回路は、細長いシャフトが係合アセンブリのチャネルに装填されているかどうか、かつ/又は細長いシャフトがチャネルに適切に装填されているかどうかを判定することができる。このような決定は、第1の位置及び第3の位置に対する第2の位置(すなわち、力変化の二次位置)(例えば、第1の位置と第3の位置との間の力変化の二次位置)の場所に基づくことができる。
【0206】
一例では、
図12の文脈において、器具シャフトが係合アセンブリ532に装填されていないと仮定する。例えば、係合アセンブリ532は、器具シャフトの係合アセンブリ532への装填を容易にするために、(ブロック1502において)完全な開放状態/係合解除状態に移行することができるが、器具シャフトは装填されない。制御回路は、(ブロック1504において)位置1202(C)を力変化の最初の位置として検出することができる。ここで、制御回路は、係合アセンブリ532を(ブロック1506において)完全な開放状態/係合解除状態1204(1)から係合状態1204(3)に向けて移行し、(ブロック1508において)位置1202(C)(すなわち、力変化の二次位置)において駆動出力部1202によって加えられた力の変化を検出することができる。ブロック1512において、制御回路は、力変化の二次位置(1202(C))が力変化の最初の位置(1202(C))と同じであることに基づいて、器具シャフトが係合アセンブリ532に装填されていないと決定することができる。ここで、制御回路は、力変化の両方の場合について同じ位置を決定した。同様に、制御回路は、力変化の二次位置が位置1202(E)に更に近い(例えば、力変化の二次位置が位置1202(C)と位置1202(E)との間にある)とき、器具シャフトが装填されていないと決定することができる。
【0207】
別の例では、
図13の文脈において、器具シャフトが係合アセンブリ532に適切に装填されていると仮定する。例えば、係合アセンブリ532は、(ブロック1502において)完全な開放状態/係合解除状態に移行することができ、器具シャフトは、ユーザによって装填される。制御回路は、(ブロック1504において)、完全な開放状態/係合解除状態に移行するときの力変化の最初の位置として位置1202(C)を決定することができる。更に、制御回路は、係合アセンブリ532を(ブロック1506において)完全な開放状態/係合解除状態1204(1)から係合状態1204(3)に向けて移行することができ、(ブロック1508において)、位置1202(C)(1)(すなわち、力変化の二次位置)において駆動出力部1202によって加えられた力の変化を検出することができる。制御回路は、(ブロック1510において)位置1202(B)を第3の位置(すなわち、中間位置)として特定することができる。ブロック1512において、制御回路は、力変化の二次位置(1202(C)(1))が(回転に関して)力変化の最初の位置(1202(C))と中間位置(1202(B))との間にあることに基づいて、器具シャフトが係合アセンブリ532に適切に装填されていると決定することができる。
【0208】
更なる例では、カバー536が完全に閉じるのを防止するように、器具シャフトをチャネル534に部分的に位置付けることなどによって、器具シャフトが係合アセンブリ532に不適切に装填されていると仮定する。例えば、係合アセンブリ532は、(ブロック1502において)完全な開放状態/係合解除状態へと移行することができ、器具シャフトは、チャネル534の上部分に位置付けられる。制御回路は、(ブロック1504において)位置1202(C)を力変化の最初の位置として決定することができる。更に、制御回路は、係合アセンブリ532を(ブロック1506において)完全な開放状態/係合解除状態1204(1)から係合状態1204(3)に向けて移行し、(ブロック1508において)位置1202(B)の前の位置(すなわち、力の変化の二次位置)において駆動出力部1202によって加えられた力の変化を検出することができ、これは、器具シャフトの不適切な装填に起因して生じる可能性がある。制御回路は、(ブロック1510において)位置1202(B)を第3の位置(すなわち、中間位置)として特定することができる。ブロック1512において、制御回路は、力変化の二次位置が中間位置(1202(B))の前に位置することに基づいて、器具シャフトが係合アセンブリ532に不適切に装填されていると決定することができる。
【0209】
また更なる例では、器具シャフトは、力変化の第2の位置が力変化の最初の位置の後にある/これを過ぎたときに、不適切に装填されていると決定することができる。
【0210】
いずれにしても、1512において、細長いシャフトが係合アセンブリ内に受容されている/適切に受容されていると判定された場合、プロセス1500は、ブロック1514(すなわち、YES分岐)に進むことができる。代替的に、細長いシャフトが係合アセンブリ内に受容されていない/適切に受容されていないと判定された場合、プロセス1500は、ブロック1516(すなわち、NO分岐)に進むことができる。
【0211】
ブロック1514において、プロセス1500は、駆動出力部に係合アセンブリを係合状態に向けて/係合状態へと作動させること、及び/又は細長いシャフトを駆動することを含むことができる。例えば、制御回路は、駆動出力部に係合アセンブリを係合状態に作動させることができ、制御回路は、細長いシャフトが係合アセンブリに適切に装填された状態で細長いシャフト/医療器具を駆動することができる。一例では、
図13の文脈において、制御回路は、係合アセンブリ532を状態1204(4)へと移行させ、次いで、医療器具を駆動/制御する(例えば、挿入する/後退させるための入力をユーザから受信し、細長いシャフトを挿入する/後退させるように制御する)ことができる。
【0212】
ブロック1516において、プロセス1500は、駆動出力部に係合アセンブリを係合解除状態へと作動させることを含むことができる。例えば、制御回路は、駆動出力部に係合アセンブリを完全な開放状態/係合解除状態に作動させて、医療器具の細長いシャフトの装填/再装填を容易にすることができる。一例では、
図12の文脈において、制御回路は、係合アセンブリ532を状態1204(1)に移行させることができる。
【0213】
ブロック1518において、プロセス1500は、細長いシャフトがチャネル内に受容されていない/適切に受容されていないことを示す信号を生成することを含むことができる。例えば、制御回路は、細長いシャフトが係合アセンブリに装填されていない/適切に装填されていないことを示す信号(例えば、故障/エラー信号)を生成し、かつ/又は追加の処理を容易にするために別の構成要素/デバイスに信号を送信することができる。いくつかの例では、信号は、ユーザインターフェースを介して通知を提供させることができ、このような通知は、医療器具の細長いシャフトを装填/再装填するようにユーザに知らせることができる。
【0214】
ブロック1520において、プロセス1500は、信号がアドレス指定されているかどうかを判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、(i)細長いシャフトが現在装填されている/適切に装填されていることを示すユーザ入力が受信されたかどうか、(ii)故障/エラー通知を提供してからある期間が経過したかどうか、(iii)器具フィーダーデバイス/係合アセンブリ上のセンサ(例えば、光バリアセンサ、力センサなど)からのデータが、細長いシャフトが装填されている/適切に装填されていることを示すかどうか、(iv)(例えば、細長いシャフト内の形状センサからのデータに基づいて)細長いシャフトが器具フィーダーデバイス/係合アセンブリに対して適切に位置付けられているかどうか、及び/又は別の決定を決定することができる。
【0215】
信号がアドレス指定されていると判定された場合、プロセス1500は、ブロック1506(すなわち、YES分岐)に戻ることができる。代替的に、信号がアドレス指定されていないと判定された場合、プロセス1500は、ブロック1520(すなわち、NO分岐)に戻り、(例えば、ある期間が経過した後に)動作1520を再び実施することができる。
【0216】
図16-1及び
図16-2は、1つ以上の実施形態による、医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去するための例示的なプロセス1600を例解する。
【0217】
図16-1では、ブロック1602において、プロセス1600は、医療器具の細長いシャフトの弛みをチェックすることを決定することを含むことができる。例えば、医療器具は、細長いシャフト及び器具ハンドルを含むことができ、細長いシャフトは、第1のロボットアーム/構成要素に結合された器具フィーダーデバイスに結合/これと係合することができ、器具ハンドルは、第2のロボットアーム/構成要素に結合することができる。いくつかの例では、制御回路は、器具ハンドルと器具フィーダーデバイスとの間の細長いシャフトの弛みの量を評価することを決定することができる。このような評価は、細長いシャフトを挿入する(又は場合によっては後退させる)、器具シャフトを回転させる、ロボットアームのアドミタンス制御モードを有効にする、処置が完了した、細長いシャフトの弛みの最後のチェックからある期間が経過した、医療器具が最近ロボットアーム(複数可)に結合された(例えば、医療器具の駆動を開始するために器具ハンドル/細長いシャフトが装填された)、処置が開始されようとしている、などの決定がなされたときに開始することができる。場合によっては、この決定は、ユーザ入力の受信、システム処理(例えば、システムが、事象が発生したと決定すること)などに基づいて行われる。
【0218】
一例では、細長いシャフトの弛みのチェックは、細長いシャフトを挿入するためのユーザ入力が受信されたとき、又は細長いシャフトを挿入することが他の方法で決定されたときに開始することができる。医療器具の細長いシャフトを挿入するために、ロボットアームは、協働して動作することができる。例えば、第1のロボットアームを器具フィーダーデバイスに結合することができ、第2のロボットアームを器具ハンドルに結合することができる。器具フィーダーデバイスは、挿入方向への細長いシャフトの軸方向運動を引き起こすことができ、一方、第2のロボットアームは、シャフトの軸方向運動の速度に相関させる方法で、第1のロボットアームに近づくように移動する。シャフトが挿入されるときに細長いシャフト(例えば、サービスループ)に弛みがある場合、弛みの曲率が増大する可能性があり、これは、細長いシャフトを潜在的に損傷させ(例えば、シャフトを閾値量を超えて曲げることによって)、かつ/又は医療器具を再装填/交換するための処置に遅延を引き起こす可能性がある。したがって、このような望ましくない問題を防止するために、細長いシャフトの弛みのチェックを開始することができる。
【0219】
別の例では、細長いシャフトの弛みのチェックは、器具シャフトの回転が命令されたとき、ロボットアームに対してアドミタンス制御モードが有効化/要求されたとき、かつ/又は器具フィーダーデバイスに対して中間状態/係合解除状態を実装することと関連付けられた別の事象が発生したときに開始することができる。例えば、処置/処置のセットアップ中に、医師は、器具フィーダーデバイスに結合されたロボットアームを手動で移動させるアドミタンス制御モードを有効にするためにユーザ入力を提供し、かつ/又は器具シャフトを回転させるためにユーザ入力を提供することができる。このようなユーザ入力に応答して、制御回路は、シャフトを挿入する/アドミタンス制御モードを有効にするための信号を生成/受信することができる。上述したように、アドミタンス制御モードは、医師がロボットアーム及び/又はロボットアームに結合されたアクセスシースを手動で調整することを可能にすることができる。ロボットアーム/アクセスシースの移動及び/又は細長いシャフトの回転を容易にするために、器具フィーダーデバイスは、
図10-1及び
図10-2に図示する状態など、器具フィーダーデバイスが細長いシャフトから係合解除され、細長いシャフトが器具シャフトの移動を可能にするように器具フィーダーデバイス内に保持される中間状態に移行されてもよい。器具フィーダーデバイスが細長いシャフトから係合解除される(例えば、ローラがシャフトから分離する)ときに細長いシャフト(例えば、サービスループ)に弛みがある場合、細長いシャフトは、エネルギー/サービスループが解放されるときに挿入方向に移動する場合があり、これは、細長いシャフトの望ましくない挿入を引き起こす可能性がある。これは、(例えば、細長いシャフトの先端部が比較的強い力で患者の組織に接触することに起因して)患者に害を及ぼす可能性がある。したがって、このような望ましくない問題を防止するために、細長いシャフトの弛みのチェックを開始することができる。
【0220】
更に別の例では、処置が完了したという決定がなされたときに、弛みのチェックを開始することができる。例えば、処置を完了すると、医師は、医療器具を1つ以上のロボットアームから切り離す(例えば、細長いシャフトを器具フィーダーデバイスから除去する)ことを望み得る。これは、器具フィーダーデバイスを完全な開放状態/係合解除状態に移行させることを含むことができる。同様に上で説明されたように、器具フィーダーデバイスが細長いシャフトから係合解除されたときに細長いシャフトに弛みがある場合、細長いシャフトは、挿入方向に移動し得る。したがって、このような問題を防止するために、弛みのチェックを開始することができる。
【0221】
更なる例では、弛みのチェックは、ロボットアームがアイドル状態である(例えば、ある期間にわたって移動されていない)とき、医療器具がロボットアームに結合されているとき、かつ/又は様々な他のタイプの事象/決定の発生時に、周期的に開始することができる。
【0222】
図16-1のブロック1603に示す例では、医療器具は、(第1のロボットアーム112(B)に結合された)器具フィーダーデバイス530に結合された/これと係合された細長いシャフト508と、第2のロボットアーム112(C)に結合された器具ハンドル506と、を含むことができる。細長いシャフト508は、説明を目的としていくらかの量の弛みを伴って示されている。
【0223】
ブロック1604において、プロセス1600は、細長いシャフトの軸方向運動を防止するために、医療器具の細長いシャフトに力を加えることを含むことができる。例えば、制御回路は、(器具フィーダーデバイスに結合された)第1のロボットアームの1つ以上の駆動出力部を制御して、器具フィーダーデバイスに、細長いシャフトに力を加えさせて、器具フィーダーデバイス内に位置付けられた細長いシャフトの一部分の軸方向移動を防止する(例えば、細長いシャフトを挟む)ように作動させることができる。この力は、以下で説明するように、プロセス1600の他の態様又は他のプロセスが実施されている間に、細長いシャフト508の患者からの後退(又は場合によっては挿入)を防止するために加えられてもよい。
【0224】
図16-1のブロック1605(A)~1605(C)に示す例では、ローラ538は、特定の量の力(例えば、ローラ538を互いに向けて付勢するばね力よりも大きい)でローラ538間に細長いシャフト508を挟むなどのために、細長いシャフト508に力を加えるように制御することができる。例えば、上述したように、器具フィーダーデバイス530は、ポケット638内の軸外突出部636の位置に基づいて回転されるキャリアプレート622を含むことができる。キャリアプレート622の回転/移動は、ローラ538を互いに近づくように又は離れるように移動させ、それにより、ローラ538を位置付け、かつ/又は細長いシャフト508に加えられた力の量を調整することができる。
【0225】
例示すると、開/閉駆動シャフト632は、
図16-1の画像に対して時計回りに回転して(図示されない駆動入力部によって)、軸外突出部636(開/閉駆動シャフト632に結合された)を、ブロック1605(B)においてより暗い線で図示される、ポケット638内の第1の表面/縁部に接触させることができる。軸外突出部636によって第1の表面に力を加えて、キャリアプレート622を軸線628の周りで回転させることができ、それにより、ローラ538を互いに離れる方向(例えば、係合解除状態/開放状態)に移動させる。対照的に、開/閉シャフト632は、反時計回りに回転して、軸外突出部636を、ブロック1605(C)においてより暗い線で図示される、第2の表面に向けて移動させ、第2の表面に接触させることができる。軸外突出部636は、第2の表面に力を加えて、キャリアプレート622を反対方向に回転させ、ローラ538が細長いシャフト508に追加の力を加えることができる。いくつかの例では、図示されるように、軸外突出部636は、ポケット638の第1の表面と第2の表面との間で自由に移動することができる(例えば、いずれの表面にも力を加えない)。ここで、ばね力により、ローラ538が細長いシャフト508に力を加えることができる。
【0226】
図16-1の例では、細長いシャフト508は、細長いシャフト508の駆動を容易にするためにローラ538の間に位置付けられてもよい。ブロック1604において、ローラ538は、ブロック1605(C)に示すように、細長いシャフト508に力を加えるように制御することができる。これにより、以下で更に詳細に説明されるように、ロボットアーム112(C)がロボットアーム112(B)から離れるように移動するなど、他の行為が実施されるときに、細長いシャフト508がローラ538の間で滑るのを防止することができる。例えば、これにより、コマンドを出していない/命令していない患者からの細長いシャフト508の後退を防止してもよい。細長いシャフト508に力を加えるこのプロセスは、「アクティブピンチ」と称され得る。
【0227】
図16-2のブロック1606において、プロセス1600は、第1のロボットアームの駆動出力部(複数可)を作動させること、及び/又は第2のロボットアームを作動させることを含むことができる。例えば、器具フィーダーデバイスは、シャフトを挿入する又は後退させるなど、細長いシャフトの軸方向運動を制御するように構成された1つ以上の駆動入力部を含むことができ、1つ以上の駆動入力部は、第1のロボットアームの1つ以上の駆動出力部に結合するように構成することができる。実施例では、制御回路は、第1のロボットアームの1つ以上の駆動出力部を作動(例えば、回転)させて、細長いシャフトの軸方向運動を引き起こすことができる。代替的又は追加的に、制御回路は、器具ハンドルに結合された第2のロボットアームを第1のロボットアームから離れる方向に移動させることができる。制御回路は、場合によっては、1つ以上の駆動出力部及び/又は第2のロボットアームを特定の量だけ作動させることができる。実施例では、第2のロボットアームは、第1のロボットアームから離れるように移動し(又はその逆)、かつ/又は器具フィーダーデバイスは、弛み(もしあれば)が除去/低減される、かつ/若しくは張力が細長いシャフトに加えられる程度まで、細長いシャフトを挿入方向に移動させる。このような張力は、以下に説明するように、制御回路によって検出することができる。
【0228】
図16-2のブロック1607(A)に示す実施例では、ロボットアーム112(C)は、ロボットアーム112(B)から離れる方向(例えば、後退方向)に移動する。これは、ロボットアーム112(B)が比較的静止したままである間に、かつ/又はローラ538の回転を容易にするために器具フィーダーデバイス530に結合されたロボットアーム112(B)の駆動出力部を作動させることなく行うことができる。いくつかの例では、ロボットアーム112(C)は、ロボットアーム112(B)から離れる方向に移動し、一方、ローラ538は、細長いシャフト508を能動的に挟持する/細長いシャフト508に力を加える。換言すれば、ブロック1604は、ロボットアーム112(C)がロボットアーム112(C)から離れるように移動する場合に実施することができる。これにより、患者からの細長いシャフト508の望ましくない後退(例えば、コマンドを出していない/命令していない後退)を防止し得る。
【0229】
更に、
図16-2のブロック1607(B)に示す実施例では、ローラ538は、細長いシャフト508を挿入方向に移動させるように作動される。これは、ロボットアーム112(C)が比較的静止したままである間に(例えば、ロボットアーム112(C)を移動させることなく)行うことができる。
【0230】
ブロック1608において、プロセス1600は、駆動出力部によって加えられた/駆動出力部に加えられる(又は駆動出力部によって検出された)第1の力、第2のロボットアームによって加えられた第2の力、細長いシャフトの形状、及び/又は細長いシャフトの少なくとも一部分の位置を決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、細長いシャフトの軸方向運動を制御するために、第1のロボットアームの駆動出力部(複数可)によって器具フィーダーデバイスに加えられた第1の力(例えば、トルク)を検出することができる。ブロック1607(B)の実施例では、制御回路は、ローラ538がアイドル状態であるか、又は移動しているときに、ロボットアーム112(B)の駆動出力部によって/駆動出力部に加えられる力(例えば、ローラ538の回転位置を維持又は変更するための力)を決定/検出することができる。追加的又は代替的に、制御回路は、第2のロボットアームがアイドル状態であるか、又は移動しているときに、第2のロボットアームによって/第2のロボットアームに加えられた第2の力を検出することができる(例えば、第2のロボットアームの位置を制御するために)。この力は、以下で更に詳細に説明されるように、細長いシャフトに張力がないときに第2のロボットアームによって加えられる最初の基準力を構成することができる。ブロック1607(A)の実施例では、制御回路は、ロボットアーム112(C)の位置を維持(又は移動)するために、ロボットアーム112(C)によって加えられる力を決定することができる。更に、制御回路は、細長いシャフトの形状を示す形状感知データ(応力感知ファイバなどからの引張応力を示すデータを含むことができる)、細長いシャフトの少なくとも一部分の位置(例えば、細長いシャフトの先端部又はセンサと関連付けられた細長いシャフトの別の部分の位置)を示す位置センサデータ、第1のロボットアーム/第2のロボットアームの位置を示す位置データ、及び/又は他のデータを受信/生成することができる。
【0231】
図16-3では、ブロック1610において、プロセス1600は、第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間の細長いシャフトの弛みの量を決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、細長いシャフトの軸方向運動を制御するために、駆動出力部によって/駆動出力部に加えられた(又は駆動出力部によって検出された)第1の力の量、第2のロボットアームによって加えられた第2の力の量、形状感知データによって示された形状、及び/又は細長いシャフト/ロボットアームの位置データによって示された位置に基づいて、細長いシャフトの弛みの量を決定することができる。いくつかの例では、制御回路は、第1の力(駆動出力部の力)が第1の閾値量を超え、第2の力(ロボットアームの力)が第2の閾値量(第1の閾値と同じか又は異なり得る)を超え、形状感知データが、細長いシャフトが相対的に真っ直ぐであることを示し、かつ/又は細長いシャフト/ロボットアームの位置データが、細長いシャフトが相対的に真っ直ぐであることを示すときに、細長いシャフトが相対的に真っ直ぐであると判定することができる。
【0232】
一例では、制御回路は、細長いシャフトの位置データを使用して、細長いシャフトの先端部の位置を決定することができる。制御回路はまた、ロボットアームの位置(ロボットアーム間の距離など)を決定し、かつ/又は細長いシャフトの寸法(例えば、シャフトの既知/所定の長さ)を特定することができる。このような情報に基づいて、制御回路は、ロボットアーム間にある細長いシャフトの長さを計算することができる。ロボットアーム間にある細長いシャフトの長さがロボットアーム間の距離よりも大きい場合、制御回路は、細長いシャフトに弛みがあると判定することができる。実施例では、制御回路は、ロボットアーム間の弛みの量を計算するために、上で説明された情報を使用することができる。
【0233】
ブロック1612において、プロセス1600は、細長いシャフトの弛みの量が所定の量未満であるかどうかを判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間の細長いシャフトの弛みの量が比較的小さい(例えば、ゼロ/シャフトに弛みがない、弛みの量が閾値量未満であるなど)かどうかを判定することができる。
【0234】
細長いシャフトの弛みの量が所定の量以上であると判定された場合、プロセス1600は、
図16-2のブロック1606(すなわち、NO分岐)に戻り、第1のロボットアーム及び/又は第2のロボットアームの駆動出力部を、特定の量だけなど、再び作動させることができる。これは、細長いシャフト内の任意の弛みを除去し、かつ/又は細長いシャフトに張力を加えるために、任意の回数繰り返すことができる。
図16-3のブロック1611に示す実施例では、細長いシャフト508は、いくらかの量の弛みを含む。したがって、ブロック1611は、ブロック1606に戻ることと関連付けられる。
【0235】
細長いシャフトの弛みの量が所定の量未満である(例えば、細長いシャフトには実質的に弛みがない)と判定された場合、プロセス1600は、ブロック1614(すなわち、YES分岐)に進むことができる。
図16-3のブロック1613に示す実施例では、細長いシャフト508には弛みがない。したがって、ブロック1613は、ブロック1614に進むことと関連付けられる。
【0236】
ブロック1614において、プロセス1600は、器具フィーダーデバイス及び/又は第2のロボットアームを制御することを含むことができる。例えば、制御回路は、細長いシャフトを軸方向に移動し、かつ/又は第2のロボットアームを協働して移動して、命令されたがまだ完了していない任意の残りの挿入量などのために、細長いシャフトを挿入するように器具フィーダーデバイスを制御することができる。具体的には、器具フィーダーデバイスは、(例えば、ローラを使用して)挿入方向への細長いシャフトの軸方向運動を引き起こすことができ、一方、第2のロボットアームは、細長いシャフトの軸方向運動の速度(例えば、ローラの回転速度)に相関させる方法で、第1のロボットアームに近づくように移動する。このような移動は、細長いシャフトが決定/命令された量まで挿入されるまで継続することができる。代替的又は追加的に、制御回路は、器具フィーダーデバイスを細長いシャフトから係合解除させることができ、これにより、(器具フィーダーデバイスに対して中間状態を実装することによって)細長いシャフトの回転、(器具フィーダーデバイスに対して中間状態を実装することによって)アドミタンス制御モードにおけるロボットアームの移動、及び/又は(完全な開放状態/係合解除状態を実装することによって)細長いシャフトの取り外しなどを容易にすることができる。
【0237】
いくつかの例では、制御回路は、ブロック1614の動作を実施する前などに、細長いシャフトの張力(例えば、過張力)を緩めることができる。例えば、制御回路は、第1のロボットアームの駆動出力部に、細長いシャフトを後退方向に比較的少量だけ軸方向に移動させ、かつ/又は第2のロボットアームを、第1のロボットアームに向かう方向に比較的少量だけ作動させることができる。このような移動により、プロセス1600を実施している間に加えられていた可能性がある細長いシャフト上の張力を緩めることができる。
【0238】
図17は、1つ以上の実施形態による、細長いシャフトを挿入する文脈において医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去するための例示的なプロセス1700を例解する。いくつかの例では、プロセス1700は、シャフトを挿入するためのユーザ入力、システム決定などを受信したときなど、細長いシャフトを挿入することが決定されたときに開始することができる。
【0239】
ブロック1702において、プロセス1700は、医療器具の器具基部に結合された第1のロボットアームの最初の力を決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、細長いシャフト上に張力がないときに器具基部に結合された第1のロボットアームによって加えられた最初の力/基準力を決定することができる。このような力は、細長いシャフトが挿入される前に決定することができる。
【0240】
ブロック1704において、プロセス1700は、医療器具の細長いシャフトを挿入するかどうかを決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、細長いシャフトが挿入されることを要求するユーザ入力/入力信号が受信されたかどうか、細長いシャフトを挿入するという決定がなされるかどうかなどを判定することができる。
【0241】
細長いシャフトを挿入するという決定がなされた場合、プロセス1700は、ブロック1706(すなわち、YES分岐)に進むことができる。代替的に、細長いシャフトを挿入しないという決定がなされた場合、プロセス1700は、ブロック1704(すなわち、NO分岐)に戻ることができる。したがって、制御回路は、挿入命令が受信/決定されるのを待機することができる。
【0242】
ブロック1706において、プロセス1700は、駆動出力部と関連付けられた駆動出力部の力及び/又はロボットアームと関連付けられたロボットアームの力を決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、シャフトの挿入/後退を容易にするために器具フィーダーデバイスに結合された駆動出力部(複数可)によって加えられる駆動力(例えば、トルク)を決定することができる。更に、制御回路は、器具基部に結合されたロボットアームによって加えられるロボットアームの力を決定することができる。いくつかの例では、ロボットアームの力は、ロボットアームの位置を制御するために加えられた/実装された現在の力(「外力、正味の器具力、又は合力」とも称される)及び/又はロボットアームによって加えられた最初の力/基準力(ブロック1702において決定された)を構成することができる。例えば、ロボットアームの力は、外力から最初の力/基準力を減算することによって計算することができる(すなわち、ロボットアームの力=外力-基準力)。ロボットアームの力とは、重力を除外した外力(例えば、ロボットアームによって感知された)を指すことができる。しかしながら、ロボットアームの力は、他の方法で計算することができる。
【0243】
ブロック1708において、プロセス1700は、駆動出力部の力が第1の閾値よりも大きいかどうか、かつ/又はロボットアームの力が第2の閾値よりも大きいかどうかを判定することを含むことができる。第2の閾値は、第1の閾値と同じであっても異なっていてもよい。例えば、制御回路は、ブロック1706で決定された駆動出力部の力及び/又はブロック1706で決定されたロボットアームの力が、これらのそれぞれの閾値よりも大きいかどうかを判定することができ、これにより、第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間の細長いシャフト上に張力があることを示すことができる。この例では、2つの閾値が使用されるが、本技法は、単一の閾値を用いて実施することができ、駆動出力部の力及びロボットアームの力は、組み合わせられ、単一の閾値と比較され得る。
【0244】
駆動出力部の力が第1の閾値よりも大きく、かつ/又はロボットアームの力が第2の閾値よりも大きいと判定された場合、プロセス1700は、ブロック1712(すなわち、YES分岐)に進むことができる。代替的に、駆動出力部の力が第1の閾値以下であり、かつ/又はロボットアームの力が第2の閾値以下であると判定された場合、プロセス1700は、ブロック1710(すなわち、NO分岐)に進むことができる。
【0245】
ブロック1710において、プロセス1700は、器具基部に結合された第1のロボットアームを作動させることなく、細長いシャフトを挿入するように器具フィーダーデバイスを制御することを含むことができる。例えば、制御回路は、器具基部に結合された第1のロボットアームが閾値量を超えて作動することを防止しながら(例えば、第1のロボットアームが閾値量未満移動することを可能にしながら)、器具フィーダーデバイスに細長いシャフトを挿入させるように駆動出力部を制御することができる。すなわち、制御回路は、第1のロボットアームを能動的に移動させなくてもよいが、例えば、細長いシャフトに加えられた張力に起因して、いくらかの量の力が第1のロボットアームに及ぼされる場合、第1のロボットアームが比較的少量(例えば、閾値量未満)移動することを可能にしてもよい。いずれにしても、制御回路は、細長いシャフトを特定の量だけ挿入させることができ、この特定の量は、ユーザ入力/処理によって定義される挿入限界内にある増分量とすることができる。動作1710は、細長いシャフト上の張力が(ブロック1708で決定されたような)閾値を超えるまで、かつ/又は挿入限界に達するまで、任意の回数繰り返すことができる。したがって、細長いシャフトは、概して、ユーザ入力及び/又はシステムによって要求される量を超えて挿入され得ない。
【0246】
ブロック1712において、プロセス1700は、器具フィーダーデバイス、及び器具基部に結合された第1のロボットアームを制御することを含むことができる。例えば、制御回路は、細長いシャフトを挿入方向に軸方向に移動させ、第1のロボットアーム(器具基部に結合された)を挿入方向に移動して、命令されたがまだ完了していない任意の残りの挿入量などのために、細長いシャフトを挿入する/挿入し続けるように器具フィーダーデバイスを制御することができる。器具フィーダーデバイス及び第1のロボットアームは、細長いシャフトを挿入するように協働して作動することができる。
【0247】
いくつかの例では、制御回路は、ブロック1712の動作を実施する前などに、細長いシャフトの張力(例えば、過張力)を緩めることができる。例えば、制御回路は、第2のロボットアームの駆動出力部に、細長いシャフトを後退方向に比較的少量だけ軸方向に移動させ、かつ/又は器具ハンドルに結合された第1のロボットアームを第2のロボットアームに向かう方向に比較的少量だけ作動させるように、器具フィーダーデバイスを制御させることができる。このような移動により、プロセス1700を実施している間に加えられることが可能であった細長いシャフト上の張力を緩めることができる。実施例では、例えば、器具フィーダーデバイスに細長いシャフトを第1の速度で挿入させること、及び器具ハンドルに結合された第1のロボットアームを、第1の速度よりも速い第2の速度で第2のロボットアームに向けて移動させることによって、挿入中に張力を緩めることができる。
【0248】
実施例では、プロセス1700を実施して、医療器具の細長いシャフトの弛みを除去することができる。その後、挿入/後退コマンドが受信されたとき、制御回路は、細長いシャフトを挿入する/後退させるように協働して移動するように、器具フィーダーデバイス、及び器具基部に結合されたロボットアームを制御することができる。
【0249】
図18-1及び
図18-2は、1つ以上の実施形態による、アドミタンス制御モードを有効にすること及び/又は細長いシャフトを回転させることに関連して、医療器具の細長いシャフトの弛みを決定及び/又は除去する例示的なプロセス1800を例解する。いくつかの例では、プロセス1800は、ロボットアームのアドミタンス制御モードを有効にするための入力を受信したとき、細長いシャフトを回転させるための入力を受信したときなど、器具フィーダーデバイスを細長いシャフトから係合解除する(例えば、中間状態、完全な開放状態/係合解除状態などへの移行)と決定されたときに開始され得る。しかしながら、プロセス1800は、他の時間に、かつ/又は細長いシャフトが弛みを含み得る他の状況のために開始され得る。
【0250】
図18-1では、ブロック1802において、プロセス1800は、医療器具を制御することを含むことができる。例えば、医療器具は、(器具フィーダーデバイスを介して)第1のロボットアームに結合された細長いシャフト、及び/又は第2のロボットアームに結合されたハンドル/基部を含むことができる。制御回路は、医療器具の細長いシャフト及び/又はハンドルを操作するなどのために、医療器具の通常の駆動中に第1のロボットアーム、第2のロボットアーム、及び/又は別の構成要素を制御することができる。
【0251】
ブロック1804において、プロセス1800は、アドミタンス制御信号及び/又は回転信号が受信されたかどうかを判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、(例えば、器具フィーダーデバイスに結合された)ロボットアームのアドミタンス制御モードを有効にするための信号、及び/又は医療器具の細長いシャフトを回転させるための信号を受信することができる。このような信号に基づいて、制御回路は、器具フィーダーデバイスを係合解除状態(例えば、中間状態、完全な開放状態/係合解除状態など)に移行することを決定することができる。
【0252】
アドミタンス制御信号及び/又は回転信号が受信された場合、プロセスは、ブロック1806(すなわち、YES分岐)に進むことができる。代替的に、アドミタンス制御信号及び/又は回転信号が受信されない場合、プロセス1800は、ブロック1802(すなわち、NO分岐)に戻り、医療器具の通常の制御/駆動を進めることができる。
【0253】
ブロック1806において、プロセス1800は、最初のロボットアームの力/基準のロボットアームの力を決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、細長いシャフト上に張力がないときに器具基部に結合された第2のロボットアームによって加えられた最初の力/基準力を決定することができる。このような力は、アドミタンス制御モードが有効にされる前に、かつ/又は回転が生じる前に決定することができる。
【0254】
ブロック1808において、プロセス1800は、第2のロボットアームを第1のロボットアームから離れる方向に作動させることを含むことができる。例えば、制御回路は、器具ハンドルに結合された第2のロボットアームを、器具フィーダーデバイスに結合された第1のロボットアームから離れる後退方向に移動させることができる。場合によっては、制御回路は、第2のロボットアームを特定の量だけ作動させることができる。実施例では、第2のロボットアームは、細長いシャフトの軸方向運動を制御するように構成された第1のロボットアームの駆動出力部を作動させることなく(例えば、第2のロボットアームが移動するときに何らかの作動が自然に起こり得るため、駆動出力部を能動的に作動させることなく)、移動することができる。したがって、場合によっては、制御回路は、駆動出力部が、第2のロボットアームが第1のロボットアームから離れるように移動する間に、閾値量未満で作動/回転することを可能にすることができる。
【0255】
ブロック1810において、プロセス1800は、駆動出力部と関連付けられた駆動出力部の力及び/又はロボットアームと関連付けられたロボットアームの力を決定することを含むことができる。例えば、制御回路は、シャフトの挿入/後退を容易にするために器具フィーダーデバイスに結合された駆動出力部(複数可)によって加えられる駆動力(例えば、トルク)を決定することができる。更に、制御回路は、器具基部に結合されたロボットアーム(例えば、第2のロボットアーム)によって加えられるロボットアームの力を決定することができる。いくつかの例では、ロボットアームの力は、ロボットアームの位置を制御するために加えられた/実装された現在の力(「外力、正味の器具力、又は合力」とも称される)及び/又はロボットアームによって加えられた(ブロック1806において決定された)最初の力/基準力を構成することができる。例えば、ロボットアームの力は、外力から最初の力/基準力を減算することによって計算することができる(すなわち、ロボットアームの力=外力-基準力)。しかしながら、ロボットアームの力は、他の方法で計算することができる。
【0256】
ブロック1812において、プロセス1800は、(器具ハンドルに結合された)第2のロボットアームが閾値量を超えて作動したかどうか、かつ/又は作業空間境界に到達したかどうかを判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、(器具ハンドルに結合された)第2のロボットアームが(器具フィーダーデバイスに結合された)第1のロボットアームから移動した距離を監視/検出し、かつ/又は第2のロボットアームの位置を検出することができ、これを使用して、第2のロボットアームが距離限界に到達したかどうか、かつ/又は作業空間境界に到達したかどうかを判定することができる。距離限界及び/又は作業空間境界は、環境内の対象物/患者との衝突を回避するように設定/定義され得る。例えば、作業空間境界は、仮想境界である可能性がある。
【0257】
第2のロボットアームが閾値量を超えて作動した、かつ/又は作業空間境界に到達したと判定された場合、プロセス1800は、ブロック1814(すなわち、YES分岐)に進むことができる。代替的に、第2のロボットアームが閾値を超えて作動していない、かつ/又は作業空間境界に到達していないと判定された場合、プロセス1800は、ブロック1816(すなわち、NO分岐)に進むことができる。
【0258】
ブロック1814において、プロセス1800は、第2のロボットアームが閾値量を超えて作動したこと、及び/又は作業空間境界に到達したことを示す信号を生成することを含むことができる。例えば、制御回路は、ブロック1812における、第2のロボットアームが閾値量を超えて作動した、かつ/又は作業空間境界に到達したという決定に基づいて、信号を生成/送信することができる。信号は、器具ハンドルを取り外して第2のロボットアームに再度取り付けること、第2のロボットアームを移動して弛みを手動で除去することなどによって、医療器具を再装填すること、及び/又は第2のロボットアームを調整することをユーザに命令するための通知を提供させることができる。いくつかの例では、信号は、システムによって除去され得る閾値量を超えるなど、細長いシャフトに過剰な弛みがある場合に生成/送信することができる。
【0259】
ブロック1812及び1814が
図18-1の例に図示されているが、いくつかの例では、このようなブロック(及び/又はプロセス1800の他のブロック)は削除され得る。
【0260】
ブロック1816において、プロセス1800は、駆動出力部の力が第1の閾値よりも大きいかどうか、かつ/又はロボットアームの力が第2の閾値よりも大きいかどうかを判定することを含むことができる。第2の閾値は、第1の閾値と同じであっても異なっていてもよい。例えば、制御回路は、ブロック1810で決定された駆動出力部の力及び/又はブロック1810で決定されたロボットアームの力が、これらのそれぞれの閾値よりも大きいかどうかを判定することができ、これにより、第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間の細長いシャフト上に張力があることを示すことができる。したがって、ブロック1816において、制御回路は、細長いシャフトに所定の量未満の弛みがある(例えば、弛みがない/ゼロである)かどうかを判定することができる。
【0261】
この例では、2つの閾値が使用されるが、本技法は、単一の閾値を用いて実施することができ、駆動出力部の力及びロボットアームの力は、組み合わせられ、単一の閾値と比較され得る。
【0262】
駆動出力部の力が第1の閾値よりも大きく、かつ/又はロボットアームの力が第2の閾値よりも大きいと判定された場合、プロセス1800は、
図18-2のブロック1818(すなわち、YES分岐)に進むことができる。代替的に、駆動出力部の力が第1の閾値以下であり、かつ/又はロボットアームの力が第2の閾値以下であると判定された場合、プロセス1800は、ブロック1808(例えば、NO分岐)に戻ることができる。制御回路は、必要に応じて、細長いシャフトの弛みを除去するために、ブロック1808、1810、及び1812を任意の回数ループすることができる。
【0263】
図18-2では、ブロック1818において、プロセス1800は、細長いシャフト上の張力を緩めることを含むことができる。例えば、制御回路は、器具ハンドルに結合された第2のロボットアームを挿入方向に第1のロボットアームに近づくように移動させ、かつ/又は器具フィーダーデバイスに細長いシャフトを後退方向に移動させることができる。いくつかの例では、ブロック1808において、第2のロボットアームを第1のロボットアームから離れる方向に移動させることにより、細長いシャフトが過剰に引っ張られる可能性がある。したがって、ブロック1818の動作は、このような張力を(例えば、わずかに)緩めるために実施することができる。
【0264】
ブロック1820において、プロセス1800は、第2のロボットアームが第1の所定の距離を移動したかどうか、かつ/又は細長いシャフトが第2の所定の距離を後退したかどうかを判定することを含むことができる。例えば、制御回路は、(ブロック1818において)第2のロボットアームが少なくとも第1の所定の量だけ挿入方向に移動した(例えば、特定の量だけ第1のロボットアームに近づくように移動した)かどうか、かつ/又は(ブロック1818において)細長いシャフトが少なくとも第2の所定の距離だけ器具フィーダーデバイスによって移動したかどうかを判定することができる。第2の所定の距離は、第1の所定の距離と同じであっても異なっていてもよい。追加的又は代替的に、ブロック1820において、制御回路は、器具フィーダーデバイス/係合アセンブリ/ローラを制御するために使用された、駆動出力部によって/駆動出力部に加えられた力の量及び/又は第1のロボットアーム/第2のロボットアームによって実装された/加えられた力の量が閾値量だけ変化したか、又は閾値未満である(例えば、張力が緩んだことを示す)かどうかを判定することができる。
【0265】
第2のロボットアームが第1の所定の距離を移動した、かつ/又は細長いシャフトが第2の所定の距離を後退したと判定された場合、プロセス1800は、ブロック1822(すなわち、YES分岐)に進むことができる。代替的に、第2のロボットアームが第1の所定の距離を移動していない、かつ/又は細長いシャフトが第2の所定の距離を後退していないと判定された場合、プロセス1800は、ブロック1818(すなわち、NO分岐)に戻ることができる。ブロック1818における動作は、1つ以上の基準が満たされるまで、細長いシャフト上の張力を徐々に緩める(例えば、ブロック1818において、毎回、第2のロボットアームを作動させる、かつ/又は細長いシャフトを特定の量だけ軸方向に移動させる)ために、任意の回数実施することができる。
【0266】
ブロック1818及び1820が例示的なプロセス1800に図示されているが、いくつかの例では、このようなブロックを削除することができる。一例では、ブロック1818は、単一の例で実施される(例えば、ブロック1820は削除される)。
【0267】
ブロック1822において、プロセス1800は、細長いシャフトと係合解除し、かつ/又は細長いシャフトが回転することを可能にするように器具フィーダーデバイスを制御することを含むことができる。例えば、制御回路は、器具フィーダーデバイスを係合解除状態(例えば、細長いシャフトが保持される中間状態、完全な開放状態/係合解除状態、又は別の係合解除状態)に移行させることができる。一例では、器具フィーダーデバイスは、ローラ/アクチュエータが細長いシャフトから係合解除され、カバー/保持機構が閉じられる中間状態へと移行することができる。これにより、アドミタンス制御モードが有効にされ(例えば、器具フィーダーデバイスに結合された第1のロボットアームの手動調整のために)、かつ/又は細長いシャフトが回転する(例えば、器具フィーダーデバイス内に保持されながらチャネル内で自由に移動する)ことを可能にすることができる。
【0268】
更なる実施形態
実施形態に応じて、本明細書に記載されるアルゴリズム又はプロセスのうちのいずれかのある特定の行為、事象、又は機能は、異なる順序で実施することができ、追加し、マージし、又は完全に除外してもよい。したがって、ある特定の実施形態では、記載された行為又は事象の全てがプロセスの実行にとって必要なわけではない。
【0269】
とりわけ、「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、及び同等物などの本明細書で使用される条件的文言は、別途具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内で別途理解されない限り、その通常の意味で意図され、全般的に、ある特定の実施形態が、ある特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態が含まないことを伝達することを意図している。したがって、このような条件的文言は、一般に、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ以上の実施形態のために任意の方法で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、オーサ入力若しくはプロンプティングの有無を問わず、これらの特徴、要素、及び/若しくはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実施されるかどうかを決定するための論理を必ず含むことを示唆することを意図しない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同等物などの用語は、これらの通常の意味で使用され、非限定的な様式で包括的に使用され、更なる要素、特徴、行為、動作などを除外しない。また、「又は」という用語は、使用されるとき、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用される。別途具体的に記述されない限り、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続言語は、項目、用語、要素などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝達するために、一般に使用されるような文脈で理解される。したがって、このような接続言語は、全般的に、ある特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが、各々存在することを要求することを暗示することを意図しない。
【0270】
実施形態の上記の説明では、様々な特徴が、時として、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ以上の理解を補助する目的で、単一の実施形態、図、又はその説明において共にグループ化されることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態に例解及び/又は記載される任意の構成要素、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態(複数可)に適用されるか、又はこれと共に使用することができる。更に、いずれの構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、若しくはステップの群も、各実施形態のために必要又は不可欠ではない。したがって、本明細書における本開示の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲の公正に読むことによってのみ判定されるべきであることが意図される。
【0271】
ある特定の序数用語(例えば、「第1」又は「第2」)が参照を容易にするために提供される場合があり、必ずしも物理的特性又は順番付けを暗示するわけではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作などの要素を修正するために使用される序数用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、必ずしも任意の他の要素に対する要素の優先順位又は順番を示すわけではなく、むしろ、全般的に、要素を(序数用語の使用を別として)同様又は同一の名称を有する別の要素と区別し得る。加えて、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ以上」を示し得る。更に、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0272】
別途定義されない限り、本明細書で使用されている全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことを更に理解されたい。
【0273】
「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」という空間的に相対的な用語、及び同様の用語は、図面に例解されるような1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するための説明を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に示す配向に加えて、使用又は動作時のデバイスの異なる配向を包含することを意図していると理解されたい。例えば、図面に示すデバイスが反転される場合、別のデバイスの「下方」又は「下に」位置付けられたデバイスは、別のデバイスの「上方」に配置され得る。したがって、「下方」という例解的用語は、下側及び上側位置の両方を含み得る。デバイスはまた、他の方向に配向される場合があり、したがって、空間的に相対的な用語は、配向に応じて異なって解釈され得る。
【0274】
別途明記されない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は定量的用語は、平等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的意味での「より少ない」だけでなく、「以下」も意味することができる。
【0275】
〔実施の態様〕
(1) システムであって、
駆動出力部に結合するように構成され、医療器具の細長いシャフトと係合するように構成された係合アセンブリを含む器具フィーダーデバイスと、
制御回路であって、
前記駆動出力部に前記係合アセンブリを作動させることと、
前記駆動出力部によって加えられた力の量又は前記駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記係合アセンブリの状態を決定することと、を行うように構成された制御回路と、を備える、システム。
(2) 前記制御回路は、前記駆動出力部によって加えられた前記力の量と1つ以上の閾値との比較、又は前記駆動出力部の前記位置と1つ以上の基準位置との比較のうちの少なくとも1つに基づいて、前記係合アセンブリの前記状態を決定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記係合アセンブリは、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、前記細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記係合アセンブリの前記状態は、前記アクチュエータが前記細長いシャフトと係合されているかどうかを示す、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記係合アセンブリの前記状態は、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に位置付けられているかどうかを示す、実施態様3に記載のシステム。
【0276】
(6) 前記制御回路は、
前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを、前記アクチュエータが係合されている係合状態から、前記アクチュエータが係合解除される係合解除状態へと作動させることと、
前記係合アセンブリを前記係合状態から前記係合解除状態へと移動させる間に生じた、前記駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第1の位置を決定することであって、力の前記第1の変化が、第1の閾値よりも大きい、ことと、を行うように構成されている、実施態様3に記載のシステム。
(7) 前記制御回路は、
前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを前記係合解除状態から前記係合状態へと作動させることと、
前記駆動出力部によって加えられた力の第2の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第2の位置を決定することであって、力の前記第2の変化が、前記第1の閾値又は第2の閾値よりも大きい、ことと、を行うように構成されている、実施態様6に記載のシステム。
(8) 前記制御回路は、
前記アクチュエータが前記細長いシャフトから係合解除された中間状態と関連付けられた、前記駆動出力部の第3の位置を特定することと、
前記第1の位置及び前記第3の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、
前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかの前記判定に少なくとも部分的に基づいて、前記器具フィーダーデバイスを制御することと、を行うように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記制御回路は、
(i)前記器具フィーダーデバイスが前記駆動出力部と関連付けられたロボットシステムに結合されたこと、(ii)前記医療器具が前記ロボットシステムに結合されたこと、(iii)前記細長いシャフトの回転が命令されたこと、又は(iv)前記ロボットシステムのロボットアームの手動移動が可能にされたこと、のうちの少なくとも1つを検出することと、
前記検出に少なくとも部分的に基づいて、前記駆動出力部に前記係合アセンブリを作動させることと、を行うように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) システムであって、
細長いシャフトを含む医療器具と、
前記細長いシャフトを受容し、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成された係合アセンブリを含む器具フィーダーであって、前記器具フィーダーは、駆動出力部を含むロボットアームに結合するように構成されている、器具フィーダーと、
制御回路であって、
前記駆動出力部を作動させて前記係合アセンブリを移動させることと、
前記駆動出力部によって加えられた力の量又は前記駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記係合アセンブリの状態を決定することと、を行うように構成された制御回路と、を備える、システム。
【0277】
(11) 前記係合アセンブリは、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、前記細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記器具フィーダーデバイスは、前記アクチュエータを係合状態又は係合解除状態に付勢するように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記係合アセンブリの前記状態は、前記アクチュエータが前記細長いシャフトと係合されているかどうかを示す、実施態様11に記載のシステム。
(14) 前記係合アセンブリの前記状態は、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に位置付けられているかどうかを示す、実施態様11に記載のシステム。
(15) 前記制御回路は、
前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを、前記アクチュエータが係合されている係合状態から、前記アクチュエータが係合解除される係合解除状態へと作動させることと、
前記係合アセンブリを前記係合状態から前記係合解除状態へと移動させる間に生じた、前記駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第1の位置を決定することと、を行うように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
【0278】
(16) 前記制御回路は、
前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを前記係合解除状態から前記係合状態に向けて作動させることと、
力の第2の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第2の位置を決定することと、を行うように構成されている、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記制御回路は、
前記第1の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、
前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかの前記判定に少なくとも部分的に基づいて、前記器具フィーダーデバイスを制御することと、を行うように構成されている、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記制御回路は、
前記第1の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は前記係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つを決定することと、
前記細長いシャフトが前記係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は前記係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つの前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを前記係合解除状態に作動させることと、を行うように構成されている、実施態様16に記載のシステム。
(19) 前記係合アセンブリは、前記チャネルを選択的に開閉するように構成された保持機構を更に含み、前記制御回路は、
前記保持機構が閉じ、前記アクチュエータが前記細長いシャフトから係合解除された中間状態と関連付けられた、前記駆動出力部の第3の位置を特定することと、
前記第1の位置及び前記第3の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は前記係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つを決定することと、
前記細長いシャフトが前記係合アセンブリ内に受容されていないこと、又は前記係合アセンブリ内に適切に受容されていないこと、のうちの少なくとも1つの前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記駆動出力部に、前記係合アセンブリを前記係合解除状態に作動させることと、を行うように構成されている、実施態様16に記載のシステム。
(20) 駆動出力部を制御して、医療器具に結合するように構成された器具フィーダーデバイスの作動を引き起こすことと、
前記駆動出力部によって加えられた力の量又は前記駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つを決定することと、
前記駆動出力部によって出力された前記力の量又は前記駆動出力部の前記位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記器具フィーダーデバイスと前記医療器具との係合状態を決定することと、を含む、方法。
【0279】
(21) 前記器具フィーダーデバイスの前記状態は、前記駆動出力部によって加えられた前記力の量と1つ以上の閾値との比較、又は前記駆動出力部の前記位置と1つ以上の基準位置との比較のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記係合アセンブリは、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、前記細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、を含む、実施態様20に記載の方法。
(23) 前記器具フィーダーデバイスの前記状態は、前記アクチュエータが前記細長いシャフトと係合されているかどうか、又は前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に位置付けられているかどうか、のうちの少なくとも1つを示す、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記駆動出力部を制御して、前記係合アセンブリを前記アクチュエータが係合解除される係合解除状態に作動させることと、
前記係合アセンブリを前記係合解除状態へと移動させている間に生じた、前記駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第1の位置を決定することと、
前記駆動出力部を制御して、前記係合アセンブリを前記係合解除状態から、前記アクチュエータが係合される係合状態に向けて作動させることと、
力の第2の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第2の位置を決定することと、
前記第1の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、を更に含む、実施態様22に記載の方法。
(25) 前記アクチュエータが前記細長いシャフトから係合解除され、前記係合アセンブリの保持機構が閉じている状態と関連付けられた、前記駆動出力部の第3の位置を特定することを更に含み、
前記細長いシャフトが前記チャネル内に受容されているかどうかの前記判定は、前記第1の位置及び前記第3の位置に対する前記第2の位置に少なくとも部分的に基づく、実施態様24に記載の方法。
【0280】
(26) ロボットシステムであって、
ロボットアームと、
前記ロボットアームの遠位端と関連付けられたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、器具フィーダーの第1の駆動入力部を作動させて、前記器具フィーダーと器具の細長いシャフトとの係合を制御するように構成された第1の駆動出力部を含む、エンドエフェクタと、
制御回路であって、前記ロボットアームに通信可能に結合され、前記第1の駆動出力部によって加えられた力の量又は前記第1の駆動出力部の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、器具フィーダーデバイスの状態を決定するように構成された制御回路と、を備える、ロボットシステム。
(27) 前記エンドエフェクタは、前記器具フィーダーの第2の駆動入力部を作動させて前記細長いシャフトの軸方向運動を引き起こすように構成された第2の駆動出力部を更に含む、実施態様26に記載のロボットシステム。
(28) 前記器具フィーダーは、前記細長いシャフトを軸方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、前記細長いシャフトを受容するように構成されたチャネルと、前記チャネルを選択的に開閉するように構成された保持機構と、を含む、実施態様26に記載のロボットシステム。
(29) 前記器具フィーダーデバイスの前記状態は、前記アクチュエータが前記細長いシャフトと係合されているかどうか、前記保持機構が閉じているかどうか、又は前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に位置付けられているかどうか、のうちの少なくとも1つを示す、実施態様28に記載のロボットシステム。
(30) 前記制御回路は、
前記器具フィーダーを、前記アクチュエータが係合解除される係合解除状態に移行させることと、
前記器具フィーダーを係合状態に向けて移動させることと、
前記器具フィーダーを前記係合状態に向けて移動させている間に生じた、前記第1の駆動出力部によって加えられた力の第1の変化と関連付けられた、前記駆動出力部の第1の位置を決定することと、
(i)前記第1の駆動出力部によって加えられた力の第2の変化、又は(ii)前記アクチュエータが前記細長いシャフトから係合解除され、前記保持機構が閉じている状態、のうちの少なくとも1つと関連付けられた、前記駆動出力部の第2の位置を特定することと、
前記第2の位置に対する前記第1の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記細長いシャフトが前記チャネル内に適切に受容されているかどうかを判定することと、を行うように構成されている、実施態様28に記載のロボットシステム。
【国際調査報告】