(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】スピーカー付きの車両前コンソール及びそれを備える車両
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20240214BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20240214BHJP
H04R 1/40 20060101ALI20240214BHJP
H04R 5/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B60R11/02 S
H04R1/02 102B
H04R1/40 310
H04R5/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549921
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2022053821
(87)【国際公開番号】W WO2022175328
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521362874
【氏名又は名称】スーチョウ ソナボックス エレクトロニクス カンパニー,リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショヴォー,マルク-オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ルヴァスール,マルク
【テーマコード(参考)】
3D020
5D011
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC10
3D020BE03
5D011AA01
5D011AA16
5D017AE11
5D018AF24
(57)【要約】
本発明は、客室においてスピーカー(2a、2b)によって低周波スペクトルの音声を再現する装置を含み、前記装置は、2つの対向端部を含む少なくとも1つのエンクロージャー(1、3、8、11)と、内部に位置し、同じで同一のエンクロージャー軸線に配置される一対のスピーカー(2a、2b)とを含み、前記エンクロージャー軸線に垂直なエンクロージャーの横正中面に対して対称であり、2つの前記スピーカー(2a、2b)は、前記エンクロージャー(1、3、8、11)の2つの対向端部で互いに向かい合いまたは背中を向け、前記装置は、運転席(5)と助手席(6)との間の前部中間スペース(10)内に取り付けられ、且つ前記2つの前側壁(9a、9b)には、前記低周波スペクトルの音声を再現する部材が含まれない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、前記車両の客室(7)においてスピーカー(2a、2b)によって音声を再現する音声再現装置を含み、前記客室は前記客室前部で2つの前側壁(9a、9b)の間において、車両コンソールを含む前部中間スペース(10)によって区切られた運転席(5)及び助手席(6)を含む座席(6)を含み、前記音声再現装置で再現された音声は、人間の可聴スペクトルにおける低周波スペクトルをカバーし、前記音声再現装置は、前記車両のコンソール内に取り付けられた単一のエンクロージャー(1、3、8、11)を含み、前記エンクロージャー(1、3、8、11)は2つの対向端部を含み、内部に一対のスピーカー(2a、2b)が含まれ、前記スピーカー(2a、2b)のそれぞれは、2つの対向する、前側前面を有する前側及び後側裏面を有する後側を含み、前記エンクロージャー(1、3、8、11)の2つのスピーカー(2a、2b)は同じで、同一のエンクロージャー軸線(15)上に設けられ、前記エンクロージャー軸線に垂直なエンクロージャー横正中面に対して対称であり、2つの前記スピーカー(2a、2b)は、前記エンクロージャー(1、3、8、11)の2つの対向端で互いに向かい合いまたは背中を向け、前記音声再現装置は、前記運転席(5)と前記助手席(6)との間の前部中間スペース(10)内に取り付けられ、且つ前記客室の前記2つの前側壁(9a、9b)には、前記低周波スペクトルの音声再現部材が含まれず、
単一のエンクロージャーを備える前記音声再現装置は、車両コンソールの一部として設けられ、前記コンソールの後部において、前記音声再現装置のエンクロージャーは封止され、内部が中空であり、その2つの対向端で2つの孔が含まれ、前記スピーカーは前記孔に接近して設けられ、
前記エンクロージャーの軸線は水平であり、前記エンクロージャーの軸線は、運転席及び助手席に向くように位置付けられ、且つ
前記エンクロージャーは、前記2つのスピーカーがその共振周波数の前後およびそれ以下の負荷において使用されることを許容する容積を有する車両。
【請求項2】
前記低周波スペクトルは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、具体的に、前記音声再現装置については、最大400Hzである請求項1に記載の車両。
【請求項3】
少なくとも1つのパッシブフィルタは、前記エンクロージャー(1、3、8、11)内に取り付けられ、前記一対のスピーカー(2a、2b)は、オーディオ信号によって前記少なくとも1つのパッシブフィルタを介して給電される請求項1または請求項2に記載の車両。
【請求項4】
オーディオ信号を発生する一組のオーディオパワーアンプコンポーネントを含むマルチチャンネルオーディオエレクトロニクスを含み、前記オーディオパワーアンプは、前記音声再現装置に、上流から前記マルチチャンネルオーディオエレクトロニクスのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタでフィルタリングされた増幅対象のオーディオ信号を受信させるように、オーディオ信号を発生する請求項1から3のいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記音声再現装置は、出力端がオーディオパワーアンプから構成され、入力端がローパスフィルタ又はバンドパスフィルタから構成される少なくとも1つのターミナルコンポーネントを含み、前記入力端は増幅対象のオーディオ信号を受信し、前記出力端は、前記音声再現装置の少なくとも1つのエンクロージャー(1、3、8、11)に接続され、前記音声再現装置は電源による給電をさらに受信する請求項1から3のいずれか一項に記載の車両。
【請求項6】
前記エンクロージャーは、前記エンクロージャー軸線に平行な補強スペーサー又はドローバーを含む請求項1から5のいずれか一項に記載の車両。
【請求項7】
前記エンクロージャーの内部には、ファイバ及び/又は多孔質泡材料を含む吸音材が含まれる請求項1から6のいずれか一項に記載の車両。
【請求項8】
前記エンクロージャー(1、3、8、11)の形状は、円筒形、および立方体または直方体を含む直角柱形から選択される請求項1から7のいずれか一項に記載の車両。
【請求項9】
前記エンクロージャーは、プッシュ-プッシュ設置の一対スピーカーを含む請求項1から8のいずれか一項に記載の車両。
【請求項10】
車両コンソールであって、車両の客室(7)のスピーカー(2a、2b)によって音声を再現する音声再現装置を含み、再現された音声は、人間の可聴スペクトルにおける低周波スペクトルをカバーし、前記客室(7)は前記客室前部で2つの前側壁(9a、9b)の間に含まれ、前記車両コンソールの前部中間スペース(10)によって区切られた運転席(5)及び助手席(6)に収容される座席を含み、前記音声再現装置は、単一のエンクロージャー(1、3、8、11)を含み、前記エンクロージャー(1、3、8、11)は2つの対向端部を含み、内部に一対のスピーカー(2a、2b)が含まれ、前記スピーカー(2a、2b)のそれぞれは、2つの対向する、前側前面を有する前側及び後側裏面を有する後側を含み、前記エンクロージャー(1、3、8、11)の2つのスピーカー(2a、2b)は同じで、同一のエンクロージャー軸線(15)上に設けられ、エンクロージャー軸線に垂直な前記エンクロージャー(1、3、8、11)の横正中面に対して対称であり、2つの前記スピーカー(2a、2b)は、前記エンクロージャー(1、3、8、11)の2つの対向端部で互いに向かい合いまたは背中を向け、前記音声再現装置は、前記運転席(5)と前記助手席(6)との間の前部中間スペース(10)内に取り付けられるように、前記コンソールの後部に設けられ、前記音声再現装置のエンクロージャーは封止され、内部が中空であり、その2つの対向端部で2つの孔が含まれ、2つの前記スピーカーは前記孔に設けられ、前記エンクロージャー軸線は水平であり、前記エンクロージャー軸線は横向きに配置され、これによって、前記コンソールは、請求項1から9のいずれか一項に記載の車両を取得することができるように配置される車両コンソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体として車両音響分野に関し、より具体的に音声再現装置を含む車両に関し、前記音声再現装置は車両客室の前部中間スペース内に設けられ、即ち客室の前部にある。本発明は、音声再現装置に関する。本発明は、車両スピーカー及びカーオーディオ機器の製造に用いられることができる。
【背景技術】
【0002】
人間が聴取可能な音声/スペクトルを再現する低周波再現領域、いわゆる低音再現領域において、通常は、周波数は200Hz以下であり、既知で有利なものは、スピーカーを含むエンクロージャーを使用することであり、このスピーカーはエンクロージャーの軸線に沿って対になるように相対的に設けられる。特に、このような設置は、エンクロージャー振動を低減させることができる。例示としては、下記の文献:WO2020129262、WO2009130778、WO9116798、FR2373936、及びUS2004017920が挙げられる。JP2010215074A、WO2016/123360A1、EP1558056A1、及びFR2627341A1がさらに挙げられる。
【0003】
このようなエンクロージャーは、車内音響に使用されている。
【0004】
さらに、車両で使用されるオーディオシステムには、複数の音声再現チャンネルが含まれ、ステレオ用の左右チャンネルも含まれる。ただし、低周波再現の場合、人間による音源空間化識別能力は高周波の場合よりも効果的ではない。
【0005】
出願人は、人間の右側と左側にエンクロージャーを設置するよりも、低周波スピーカーを人間の片側に設置するのが、エンクロージャーが車両客室の特定の位置に取り付けられるため、受信された音声の主観的な品質にほとんど影響を与えないと認定する。
【0006】
出願人は、車両客室の前部中間スペースに低周波スピーカーを設置することを提案し、これは運転席と助手席との間に位置し、通常は車両の縦中心軸線または矢状軸線に沿って配置され、さらに、車両の2つの前ドアにおいて、2つの前側壁に通常に設けられた2つの低周波スピーカーが省略される。
【発明の概要】
【0007】
より具体的に、出願人は、本発明により、車両であって、車両の客室においてスピーカーによって音声を再現する装置を含み、客室は客室前部で2つの前側壁の間において、前部中間スペースによって区切られた運転席及び助手席を含む座席を含み、この音声再現装置で再現された音声は、人間の可聴スペクトルにおける低周波スペクトルをカバーし、この音声再現装置は、少なくとも1つのエンクロージャーを含み、少なくとも1つの前記エンクロージャーは2つの対向端部を含み、内部に一対のスピーカーが含まれ、スピーカーのそれぞれは、2つの対向する、前側前面を有する前側及び後側裏面を有する後側を含み、エンクロージャーの2つのスピーカーは同じで、同一のエンクロージャー軸線上に設けられ、エンクロージャー軸線に垂直なエンクロージャー横正中面に対して対称であり、2つのスピーカーは、エンクロージャーの2つの対向端部で互いに向かい合いまたは背中を向け、この音声再現装置は、運転席と助手席との間の前部中間スペース内に取り付けられ、且つそのうちの2つの前側壁には、前記低周波スペクトルの音声再現部材が含まれない車両を提出する。本発明による車両の他の制約なしで有利な特徴は下記の通りであり、これらの特徴は個別で、または適宜の技術の組み合わせに従って組み合わせることができる。
【0008】
- 車両は、1つ/複数の本発明による音声再現装置をさらに含むが、それらは、前部中間スペースの外に設けられる。
- 客室は床を含み、スピーカーによって音声が再現される装置は床に置かれる。
- 客室は、ルーフにより覆われ、スピーカーによって音声が再現される装置はルーフに接近してルーフの下方に設けられる。
- エンクロージャーはオーディオ信号から給電される。
- 音声再現装置のエンクロージャーの一対のスピーカーは、オーディオ信号から給電される。
- 音声再現装置は、オーディオ信号から給電される。
- 音声再現装置のエンクロージャーは封止され、内部が中空であり、その2つの対向端で2つの孔が含まれ、スピーカーはエンクロージャーにおいて前記孔に接近して設けられる。
- 音声再現装置のエンクロージャーは封止され、内部が中空であり、その2つの対向端で2つの孔が含まれ、スピーカーはエンクロージャーの外部に前記孔に接近して設けられる。
- スピーカーのそれぞれの前面側にはダイヤフラムが含まれる。
- スピーカーのそれぞれの裏面側には、ブラケットまたはベースが含まれる。
- スピーカーは電動スピーカーである。
- 音声再現装置のオーディオ信号は、ステレオオーディオシステムの左右信号から組み合わせたものである。
- 低周波スペクトルは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、具体的に、前記音声再現装置については、400Hzである。
- 低周波スペクトルは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、具体的に、前記音声再現装置については、最大400Hzである。
- 有利に、低周波スペクトルは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、具体的に、前記音声再現装置については、200Hzである。
- より有利に、低周波スペクトルは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、具体的に、前記音声再現装置については、150Hzである。
- 有利に、低周波スペクトルは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、具体的に、前記音声再現装置については、100Hzである。
- 少なくとも1つのパッシブフィルタはエンクロージャー内に取り付けられ、この一対のスピーカーは、少なくとも1つの前記パッシブフィルタによってオーディオ信号から給電され、
- パッシブフィルタは、ローパス誘導フィルタである。
- パッシブフィルタは、ローパスLCフィルタである。
- パッシブフィルタは、ローパスRLCフィルタである。
- パッシブフィルタは、バンドパス誘導フィルタである。
- パッシブフィルタは、バンドパスLCフィルタである。
- パッシブフィルタは、バンドパスRLCフィルタである。
- 車両は、オーディオ信号を発生するオーディオパワーアンプコンポネントを含むマルチチャンネルオーディオエレクトロニクスを含み、このオーディオパワーアンプは、音声復元装置に、上流からマルチチャンネルオーディオエレクトロニクスのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタでフィルタリングされた増幅対象のオーディオ信号を受信させるように、オーディオ信号を発生する。
- マルチチャンネルオーディオエレクトロニクスのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタは、アクティブ(actif)アナログ及び/又はデジタルのものである。
- マルチチャンネルオーディオエレクトロニクスはカーラジオである。
- 音声再現装置は、出力端がオーディオパワーアンプから構成され、入力端がローパスフィルタ又はバンドパスフィルタから構成される少なくとも1つのターミナルコンポーネントを含み、入力端は増幅対象のオーディオ信号を受信し、出力端は、前記音声再現装置の少なくとも1つのエンクロージャーに接続され、この音声再現装置は電源による給電をさらに受信する。
- ターミナルコンポーネントは、エンクロージャー内にある。
- オーディオパワーアンプ及びローパスフィルタまたはバンドパスフィルタからなるターミナルコンポーネントのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタは、アクティブアナログ及び/又はデジタルのものである。
- オーディオパワーアンプ及びローパスフィルタまたはバンドパスフィルタからなるターミナルコンポーネントは、音声再現装置内に設けられる。
- オーディオパワーアンプ及びローパスフィルタまたはバンドパスフィルタからなるターミナルコンポーネントは、エンクロージャー内に設けられる。
- マルチチャンネルオーディオエレクトロニクス又はターミナルコンポーネントのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、400Hzである。
- マルチチャンネルオーディオエレクトロニクス又はターミナルコンポーネントのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、最大400Hzである。
- 有利には、マルチチャンネルオーディオエレクトロニクス又はターミナルコンポーネントのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、200Hzである。
- より有利には、マルチチャンネルオーディオエレクトロニクス又はターミナルコンポーネントのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、150Hzである。
- 好ましくは、マルチチャンネルオーディオエレクトロニクス又はターミナルコンポーネントのローパスフィルタまたはバンドパスフィルタは、-3dBハイカットオフ周波数を有し、100Hzである。
- 2つのスピーカーは、それらのダイヤフラムが同位相振動と逆平行運動を行うように、電気的に接続される。
- 2つのスピーカーは、それらのダイヤフラムが反位相振動と平行運動を行うように、電気的に接続される。
- エンクロージャーは、具体的に運転席と助手席との間の前部中間スペース内に水平に取り付けられるように配置され、エンクロージャー軸線は水平である。
- 前部中間スペースは、具体的に運転席と助手席との間の前部中間スペース内に垂直に取り付けられるように配置される床を含み、エンクロージャーの軸線は垂直であり、前部中間スペースの床とエンクロージャーとの間にはフリースペースが設けられる。
- エンクロージャーは、具体的に水平に取り付けられるように配置され、そのエンクロージャーの軸線は、縦向きに設定され、車両の前部と後部との間に介在する。
- エンクロージャーは、具体的に水平に取り付けられるように配置され、そのエンクロージャー軸線は、横向きに配置され、運転席及び助手席に向く。
- エンクロージャーは、具体的に水平に取り付けられるように配置され、その2つの対向端が運転席下方及び助手席下方まで延びることがない。
- エンクロージャーは、具体的に水平に取り付けられるように配置され、その2つの対向端が運転席下方及び助手席下方まで延びる。
- エンクロージャーは一体なものである。
- エンクロージャーはハウジングを含む。
- ハウジングは、一体なもの、又は、ハウジングのセクションから組み立てられたものである。
- ハウジングは、ハウジングのセクションから組立てられたものである。
- エンクロージャーは、少なくとも2セクションのハウジングを組み立てて構成されたものである。
- ハウジングのセクションは、スピーカーアタッチメントエンド部のセクション及び中間セクションである。
- 音声再現装置は、単一のエンクロージャーを含み、エンクロージャー軸線は、横向きや縦向きや垂直に配置されてもよい。
- 単一エンクロージャーの音声再現装置は、車両コンソール上に取り付けられる。
- 単一エンクロージャーの音声再現装置は、車両コンソールの一部である形式である。
- 単一エンクロージャーの音声再現装置は、車両コンソールの一部である形式で、好ましくは、コンソールの後部である。
- 単一エンクロージャーの音声再現装置は、車両コンソールの形式である。
- 音声再現装置は、1つから4つのエンクロージャーを含む。
- 音声再現装置は、1つのエンクロージャーを含む。
- 音声再現装置は、複数のエンクロージャーを含む。
- マルチエンクロージャーの音声再現装置は一体なものである。
- マルチエンクロージャーの音声再現装置はコンパクトのものである。
- マルチエンクロージャーの音声再現装置は、車両コンソール内に取り付けられる。
- マルチエンクロージャーの音声再現装置は、車両コンソールの一部である形式である。
- マルチエンクロージャーの音声再現装置は、車両コンソールの一部である形式で、好ましくは、コンソールの後部である。
- マルチエンクロージャーの音声再現装置は、車両コンソールの形式である。
- 音声再現装置は、2つのエンクロージャーを含む。
- 音声再現装置は、2つのエンクロージャーを含み、第一エンクロージャーのエンクロージャー軸線は横向きに配置される一方、第二エンクロージャーのエンクロージャー軸線は縦向きに配置される。
- 音声再現装置は、2つのエンクロージャーを含み、第一エンクロージャーのエンクロージャー軸線は横向きに配置される一方、第二エンクロージャーのエンクロージャー軸線は垂直に配置される。
- 音声再現装置は、2つのエンクロージャーを含み、第一エンクロージャーのエンクロージャー軸線は縦向きに配置される一方、第二エンクロージャーのエンクロージャー軸線は垂直に配置される。
- 音声再現装置は、3つのエンクロージャーを含む。
- 音声再現装置は3つのエンクロージャーを含み、第一エンクロージャーのエンクロージャー軸線は横向きに配置され、第二エンクロージャーのエンクロージャー軸線は縦向きに配置され、第三エンクロージャーのエンクロージャー軸線は垂直に配置される。
- 音声再現装置は4つのエンクロージャーを含む。
- エンクロージャーの形状は、円筒形、および立方体または直方体を含む直角柱形から選択される。
- エンクロージャーが円筒形形状を有する場合には、エンクロージャーの断面は円形状である。
- エンクロージャーが直角柱形を有する場合に、立方体または直方体を含み、エンクロージャーの断面が四角形である。
- エンクロージャーの容積は0.5~5リットルである。
- エンクロージャーの容積は4リットルよりも小さい。
- 有利には、エンクロージャーの容積は1~4リットルである。
- スピーカーのそれぞれの前面側には円形状のダイヤフラムが含まれる。
- 各スピーカーの正面側面には楕円形または卵形の振動板があり、エンクロージャーの断面は楕円形または卵形である。
- 特別な場合に、エンクロージャーの容積は約3リットルである。
- 特別な場合に、各スピーカーの前面側には、直径が13cmである円形ダイヤフラムが含まれる。
- エンクロージャーは、エンクロージャー軸線に平行な補強スペーサー又はドローバーを含む。
- エンクロージャーは、エンクロージャー軸線に垂直な補強スペーサー又はドローバーを含む。
- エンクロージャーは、スピーカーの間で延びる補強スペーサー又はドローバーを含む。
- エンクロージャーの内部には、エンクロージャー軸線に垂直な横型中仕切りが含まれ、横型中仕切りと2つのスピーカーとがアイソメトリックで設けられる。
- 横型中仕切りは、封止され、2つのスピーカーと共にエンクロージャー内で容積がほぼ同等である2つの内部空間を制限する。
- エンクロージャーには、内部の横型中仕切りがない。
- エンクロージャーは壁が含まれ、前記壁は基本的に剛性である。
- エンクロージャーはプラスチック壁を含む。
- エンクロージャーは木の壁を含む。
- エンクロージャーの内部には吸音材が含まれ、特にファイバ及び/又は多孔質泡材料である。
- エンクロージャーには、エンクロージャーの2つの対向端を封止する2つのグリルが含まれる。
- エンクロージャーは封止され、内部容積が外気から隔離される。
- エンクロージャーは、内部容積に繋がる少なくとも1つの通風口が含まれる。
- 車両は、個人用または商用車である。
- 客室は、個人用または商用車の客室、或いは、トラックの客室、及び/或いは、更に下記の通りである。
- 車両は、本発明の音声再現装置以外の他のスピーカーを含む。
-他のスピーカーは高周波スペクトルを再現することを目的とする。
- 他のスピーカーはIFスペクトルを再現することを目的とする。
- 他のスピーカーは低周波スペクトルを再現することを目的とする。
- 他のスピーカーは、低周波数と中周波数の混合帯域における周波数スペクトルを再現することを目的とする。
- 他のスピーカーは、中周波数と高周波数の混合帯域における周波数スペクトルを再現することを目的とする。
- 他のスピーカーは、低周波数、中周波数及び高周波数の混合帯域における周波数スペクトルを再現することを目的とする。
- 少なくとも1つの他のスピーカーは、前部中間スペース内に設けられる。
- 他のスピーカーは前部中間スペースの外に設けられる。
【0009】
本発明は、車両の客室のスピーカーによって音声を再現する装置にも関し、再現された音声は、人間の可聴スペクトルにおける低周波スペクトルをカバーし、客室は客室前部で2つの前側壁の間に含まれ、前部中間スペースによって区切られた運転席及び助手席を含む座席を含み、この音声再現装置は、少なくとも1つのエンクロージャーを含み、前記エンクロージャーは2つの対向端部を含み、内部に一対のスピーカーが含まれ、スピーカーのそれぞれは、2つの対向する、前側前面を有する前側及び後側裏面を有する後側を含み、エンクロージャーの2つのスピーカーは同じで、同一のエンクロージャー軸線上に設けられ、エンクロージャー軸線に垂直なエンクロージャーの横正中面に対して対称であり、2つのスピーカーは、エンクロージャーの2つの対向端部で互いに向かい合いまたは背中を向け、この音声再現装置は、運転席と助手席との間の前部中間スペース内に取り付けられて、前記車両が得られる。本発明は、最後に、車両客室に、スピーカーによって低周波スペクトルを再現する音声再現装置を取り付ける方法に関し、前記音声再現装置は、上記した通りであり、この方法では、前記音声再現装置は運転席と助手席との間の中間スペースに取り付けられ、2つの前面側壁に低周波スペクトル音声再現部材が取り付けられない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】背中合わせに設けられた一対のスピーカーを含む円筒形エンクロージャーの概略図を示す。
【
図2】向かい合って設けられた一対のスピーカーを含む円筒形エンクロージャーの概略図を示す。
【
図3】背中合わせに設けられた一対のスピーカーを含む円筒形エンクロージャーの概略図を示し、前記エンクロージャーの内部には、エンクロージャー軸線に直交し、エンクロージャーの内部負荷容積を二つに分ける横型中仕切りを含む。
【
図4】背中合わせに設けられた一対のスピーカーを含む立方体エンクロージャーの概略図を示し、前記エンクロージャーは、2つのスピーカー間で延びる円筒形状の補強スペーサーである。
【
図5】車両客室のハーフトップ斜視図を示し、車両客室は、2つの前側壁の間で前部中間スペースによって区切られた運転席及び助手席を含み、音声再現装置は、前部中間スペース内において床に垂直に取り付けられたエンクロージャーを含む。
【
図6】車両客室の俯瞰透視図を示し、車両客室は、2つの前側壁間において前部中間スペースによって区切られた運転席及び助手席を含み、音声再現装置は、前部中間スペース内において水平横向きに床に取り付けられたエンクロージャーを含む。
【
図8】再生された音声の装置の音響/音響応答の測定結果を示しており、再生された音声の装置は前部中間スペースに設置されたエンクロージャーを含み、一方では、測定は車両の客室内で運転席の位置で行われ、もう一方では半遮音条件で行われ、どちらの場合も「均衡」/補償が実施されていない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明により、図面および非制限的な例を参照しながら、本発明およびその実施形態をより理解することができる。
【0012】
原則的に、本発明は、少なくとも1つのエンクロージャーから構成され、このエンクロージャーが一対のプッシュ-プッシュ設置のスピーカーを含み、車両客室において低周波数を再現するためのものである、スピーカーにより音声を再現する装置に関する。音声再現装置は、客室とのより優れた音響的結合を実現することができ、特にモード励起と客室全体での均一な音圧分布によって、スピーカーの動作による振動を減少させ、従来の解決策と比較してよりコンパクトな特性を持つ。提出される解決策は、ドア内の低音スピーカーの除去を許容することもできる。
【0013】
音声再現装置の各スピーカーは、その作動による振動を除去するために、背中合わせまたは向かい合わせで配置された2つのスピーカーを使用する。音声再現装置は、車両前部の中間部に、前部座席の間で、特に前部座席間に設けられた部分に配置される。
【0014】
有利に、各エンクロージャーの2つのスピーカーは、車両幅方向に放射し、つまり、エンクロージャーの軸線は横向きである。このような配置およびプッシュ-プッシュ動作により、客室への最適な音響カップリングが実現され、特に客室固有の音響モードの励起が減少する。さらに、例えば、車両のトランクに配置された従来のサブウーファーと比較して、音源は聴取者からより近い位置にある。低周波帯域の拡張と車内全体での音圧の均一な分布を実現する。したがって、ドア内の低音スピーカーを完全に除去ことができる。ただし、一部の実施例では、車のドアと前部中間以外の他の位置に追加の低周波数スピーカーを1つまたは複数設置することができ、例えば車のトランク内や車の座席の下に取り付ける。
【0015】
一変形では、各エンクロージャーの2つのスピーカーは車両長手方向に放射し、つまり、エンクロージャー軸線は縦向きである。他の変形では、各エンクロージャーの2つのスピーカーは車両高さ方向に放射し、つまり、エンクロージャー軸線は垂直である。本発明の音声再現装置によれば、各エンクロージャーの2つのスピーカーは、音声再現装置をできるだけコンパクトにするように、小容積負荷を採用する。各エンクロージャーの容積は実施例によって異なる形状を持ってもよい。各エンクロージャーの容積は、2つのスピーカーが主にその共振周波数およびそれ以下(負荷において)で使用されることを許容し、この負荷容積は2つのスピーカーで共有され、またはエンクロージャー内部の横型中間仕切りによって分離して使用することができる。
【0016】
このために、例えば屋外共振周波数が60Hzであるスピーカーを使用し、そして2つのスピーカーの音箱容積は共に4リットル未満である。この容積のスピーカーの共振周波数は90-100Hzであり、これをやや上回る可能性もある。スピーカーに送信する信号のローパスフィルタまたはバンドパスフィルタの-3dBハイカットオフ周波数は、好ましくは100Hzから400Hzであり、より好ましくは100Hzから150Hzである。したがって、スピーカーは、主にエンクロージャーの共振周波数で使用される。
【0017】
実際に、エンクロージャーの容積は0.5リットルから5リットルであってもよく、通常は3から4リットルである。
【0018】
例示としては、直径13cmのスピーカーが用いられてもよく、その屋外共振周波数が60Hz(Vas=2.65L)であり、ここで2つのスピーカーの負荷容積は3.7リットルであり、即ち各エンクロージャーは1.85リットルである。エンクロージャーにおけるスピーカーの共振周波数は93Hzであり、スピーカーに送信するフィルタリング信号のカットオフ周波数は100Hzであり、デジタルフィルターを使用する。
【0019】
他の例示において、直径10cmのスピーカーが用いられてもよく、その屋外共振周波数が65Hz(Vas=1.9L)であり、ここで2つのスピーカーの負荷容積は2.8リットルであり、即ち各エンクロージャーは1.4リットルである。エンクロージャーにおけるスピーカーの共振周波数は100Hzであり、スピーカーに送信するフィルタリング信号のカットオフ周波数は120Hzであり、デジタルフィルターも使用する。
【0020】
理解されるように、この発明はスピーカー、エンクロージャーの容積、および異なる信号によりフィルタリングして実施されることができ、このため、下記の式で、密閉箱やエンクロージャーの容積VBにおける共振周波数FCを計算することができる。
FC=FS*(VAS/VB+1)0.5
【0021】
ここで、VAS=c2*R0*CMS*Sd
2であり、CMS=スピーカーのサスペンションフレキシブルであり、Sd=スピーカーの放射面積であり、音速cは通常は343.707m/sであり、かつ空気密度R0は通常は1.2Kg/m3である。この式は、エンクロージャーにおけるスピーカーに対応し、このため本発明の半分のエンクロージャーに対応する。
【0022】
図面において、図示するスピーカーについて、壁が示され、エンクロージャーの他の部材、例えば開口又はスピーカーにおけるグリル、インナーキルティング、内部パッシブフィルタ、電気接続線および/またはコネクタは示されない。また、理解されるように、スピーカーは客室の部品に統合することができ、特に、車両コンソールの一部または全体に統合されることができ、スピーカーを含む形状は比較的複雑かもしれない。ハウジングを形成するエンクロージャー壁は剛性で、通常はプラスチック材料から製造される。エンクロージャーを実際に製造するために、それは2つの半殻で組み立てることができ、例えば、2つの半殻は剛性に組み立てられ、固定され、十分なシール性を持つ。2つ以上のハウジングセクションを使用することができ、例えば、スピーカーを固定するための2つのハウジング端部セクションと、これら2つのセクション間に位置する1つ以上のハウジングセクションとを使用することで、多かれ少なかれ細長いスピーカーを製造することができる。中間セクションは特定の部材、例えば横型中仕切り、1つ/2つのパッシブフィルタ、オーディオアンプ、外部コネクタなどを含んでもよい。
【0023】
エンクロージャー自体は、内部負荷容積を限定することによって比較的に簡単な全体形状を有し、円筒形または角柱形である。一対のエンクロージャーの2つのスピーカーは、エンクロージャー軸線に沿って、負荷容積の2つの対向端部に平行に配置され、前記孔はグリルで封鎖され、それぞれのスピーカーの振動板を保護する。
【0024】
図1において、エンクロージャー1の2つのスピーカー2a、2bは円形であり、背中合わせに配置され、また、図示されているエンクロージャーは円柱形であり、エンクロージャー内の中空の円柱形の負荷容積を制限する。スピーカーはエンクロージャー内側に固定され、エンクロージャー軸線15に沿って整列する(
図3参照)。
【0025】
図2において、エンクロージャー1の2つのスピーカー2a、2bは円形であり、向かい合わせに配置され、また、図示されているエンクロージャー1は円柱形であり、エンクロージャー内の中空の円柱形の負荷容積を制限する。図示されたスピーカーは、エンクロージャーの外部に固定され、スピーカーの対向する外表面にはグリル型のカバー(図示なし)がスピーカーの裏面をカバーしそれを保護することができるが、理解されるように、好ましくは、エンクロージャーは2つのスピーカーを完全に封止し、より大きな保護を提供することもできる。
【0026】
図3は
図1におけるエンクロージャー1の実施変形であり、ここで横型中仕切り14を用いて内部負荷容積を2部分に分ける。横型中仕切り14は、構造及び機能の対称性を確保するように、中央にある。
【0027】
図4において、エンクロージャー3の2つのスピーカー2a、2bは円形であり、背中合わせに配置され、また、図示されているエンクロージャー3はここでは正・直方体角柱で、より正確には立方体である。ここで、エンクロージャー内の中空負荷容積は大体立方体である。スピーカー2a、2bは、エンクロージャーの内側に固定され、円筒形状の補強支柱4は、2つのスピーカー2a、2bの間で延びる。
【0028】
上記の例では、エンクロージャーは密閉型であり、スピーカーのエンクロージャー壁への取り付けは十分に密封され、剛性である。
【0029】
図5から
図7は、車両客室7で音声再現装置を使用する2つの実施例を示す。客室前部は、2つの前側壁9a、9bの間、通常はドアの間に、前部中間スペース10によって区切られた運転席5及び助手席6を含む。この2つの実施例で使用される音声再現装置は、単一のエンクロージャーを含む。
図5において、エンクロージャー8は前部中間スペース10に垂直に、客室7の床よりもわずかに高い位置に設置され、これにより、エンクロージャーの底部のスピーカーが「呼吸/発音」できるようになり、つまり、エンクロージャー外部の空気振動が可能となる。したがって、エンクロージャー軸線は垂直である。
【0030】
図6及び
図7において、エンクロージャー11は、横向き設けられ、エンクロージャー軸線は水平の他に、横向きであってもよい。上記と同様に、エンクロージャー11は、前部中間スペース10内に設けられる。エンクロージャー11は客室7の床に位置する。
【0031】
図8において、応答曲線12は、車両客室において、運転者の位置で、音声再現装置の測定結果に対応し、この装置は、客室の前部中間スペースにおいて、床に水平かつ横向きに取り付けられたスピーカーを含む。応答曲線13は、半遮音条件下の測定結果に対応する。縦軸の音圧レベルはdBを単位とし、横軸周波数はヘルツ(Hz)を単位とする。
【0032】
理解されるように、本発明は他の形態でも実施されることができ、例えば、前部中間スペース10の客室の天井に垂直に音声再現装置を取り付けることによって、エンクロージャーの1つまたは複数の軸線は垂直、または横向き、または縦向きであってもよい。また、互いに平行し且つエンクロージャーの直線軸線に沿う2つのスピーカーを有するエンクロージャーが示されるが、理解されるように、同様に、エンクロージャー軸線は曲げてもよく、2つのスピーカーは依然として互いに平行であり、スピーカーは依然として横正中面に対してほぼ対称となる。実際には、車両の床には、駆動軸が車体の下を通過するように、車両の中央縦軸線または矢状軸線に沿った突起部が含まれてもよく、且つ、内部容積が円柱形、四角形または長方形の断面を持つ負荷容積は突起部に合わせて配置されてもよく、2つのスピーカーは、互いに平行に負荷容積の2つの対向端部に固定され、負荷容積は曲がったエンクロージャー軸線を持つ横正中面に対して対称であり、前記平面は、前記負荷容積の中間を通る。エンクロージャーが曲がったエンクロージャー軸線を持つ場合でも、エンクロージャーのハウジングや折りたたみ可能なシェルミッドを使用することができ、例えば、地下ネットワークに使用されるTPC(ケーブル保護管)スリーブ、剛性を有するが曲がることができる壁である。或いは、曲がったエンクロージャー軸線は、初期の形状であってもよく、例えば、成形外殻型のスピーカーの場合である。
【国際調査報告】