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特表2024-507821再使用可能なバッテリ組立体の形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】再使用可能なバッテリ組立体の形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/54 20060101AFI20240214BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20240214BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20240214BHJP
   H01M 50/186 20210101ALI20240214BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01M10/54
H01M50/184 A
H01M50/193
H01M50/186
H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549995
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 US2022017357
(87)【国際公開番号】W WO2022178442
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】63/151,459
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/256,253
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514105033
【氏名又は名称】アドバンスト バッテリー コンセプツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】エドワード オー.シャッファー
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ハーモン
(72)【発明者】
【氏名】リード エー.シック
【テーマコード(参考)】
5H011
5H030
5H031
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011AA17
5H011FF03
5H011GG02
5H011HH02
5H030AA09
5H030AS01
5H030FF41
5H031AA09
5H031BB02
5H031BB09
5H031CC01
5H031EE04
5H031RR02
(57)【要約】
バイポーラバッテリなどのバッテリ(中古バッテリ組立体)の構成要素を別のバッテリ(再生バッテリ組立体)の形成のために再使用する方法。本方法は、バッテリの使用、分解、リサイクルまたは再処理、組み立て、および再使用、の全てを単一施設内で可能にする上で有用であり得る。再生バッテリ組立体の作製方法は、a)中古バッテリ組立体の分解と、b)1つ以上の再生構成要素を提供するための、中古バッテリ組立体からの1つ以上の中古構成要素の回収と、c)1つ以上の再生構成要素を用いた再生バッテリ組立体の組み立てと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生バッテリ組立体の作製方法であって、
a)中古バッテリ組立体の分解と、
b)1つ以上の再生構成要素を提供するための、前記中古バッテリ組立体からの1つ以上の中古構成要素の回収と、
c)前記1つ以上の再生構成要素を使用した再生バッテリ組立体の組み立てと、
を含む方法。
【請求項2】
前記中古バッテリ組立体および前記再生バッテリ組立体はどちらもバイポーラバッテリ組立体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中古バッテリ組立体は、フルバッテリパックである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記中古バッテリ組立体の分解対象部分の特定を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記中古バッテリ組立体の試験を含み、
試験は前記中古バッテリ組立体の1つ以上の脆弱セクションを特定する、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
試験は、1つ以上の性能値を判定するための、前記中古バッテリ組立体の1つ以上の個々の電気化学セル、バッテリユニット、またはこの両方、の試験と、前記1つ以上の個々の電気化学セル、バッテリユニット、またはこの両方、の前記1つ以上の性能値が1つ以上の性能閾値であるか、またはそれより小さいか大きいか、の判定と、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1つ以上の性能値が前記1つ以上の性能閾値未満であると特定された前記1つ以上の個々の電気化学セル、バッテリユニット、またはこの両方、が前記1つ以上の脆弱セクションとして特定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
試験は、前記1つ以上の個々の電気化学セルのどれが1つ以上の性能閾値未満で動作しているかを判定するために、前記1つ以上の個々の電気化学セルの1つ以上の性能値を判定するための、1つ以上のマルチメータ、比重計、またはこの両方、の使用を含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の性能値、前記1つ以上の性能閾値、またはこの両方、は容量、開回路電圧、抵抗、比重、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記中古バッテリ組立体の1つ以上の脆弱セクションの切り離しを含む、請求項1~9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の脆弱セクションの切り離しは、1つ以上の健全セクションからの前記1つ以上の脆弱セクションの機械的および/または電気的な切り離しを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記中古バッテリ組立体の分解は、1つ以上の脆弱セクションの分解を含む、請求項1~11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の脆弱セクションのみが分解され、前記中古バッテリ組立体の残りの部分は元のままである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記組み立ての一部として、1つ以上の脆弱セクションが再構築される、請求項1~13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記中古バッテリ組立体、前記再生バッテリ組立体、またはこの両方、は複数のバッテリユニットを備え、
前記複数のバッテリユニットの個々のバッテリユニットの各々は、前記複数のバッテリユニットの他の1つ以上の個々のバッテリユニットと同じ、または異なる、サイズ、使用年数、化学的組成、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、である、請求項1~14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法はその全体が単一の施設において実施される、請求項1~15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
分解は、電解液の除去、1つ以上の外側封止の除去、1つ以上のポストの除去、1つ以上の電極プレートの分離、1つ以上の電極プレートの分解、1つ以上のセパレータの除去、1つ以上のセル封止の除去、1つ以上のチャネル封止の除去、使用済み活物質の除去、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、を含む、請求項1~16の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
1つ以上の中古構成要素の回収は、1つ以上の活物質を提供するための、1つ以上の使用済み活物質の再処理、電極プレートの1つ以上の導電性構成要素の除去、洗浄、および/または修理、またはこれらの組み合わせ、を含む、請求項1~17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
再生バッテリの組み立ては、1つ以上の再生電極プレートの形成、電極プレートスタックの形成、外側封止の装着、電解液の組み込み、前記再生バッテリ組立体の充電、またはこれらの組み合わせ、を含む、請求項1~18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記中古バッテリ組立体の1つ以上の弁を介して、前記中古バッテリ組立体から電解液が排出される、請求項1~19の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
力、切断、加熱、1つ以上の溶剤の塗布、振動の付与、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、によって1つ以上の外側封止が除去される、請求項1~20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上の外側封止は、1つ以上の電極プレートの外面とは異なる色を有し、
前記1つ以上の外側封止を除去すると、前記電極プレートの前記外面の色が露出される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1つ以上のポストの除去を含み、複数の電極プレートを1つのスタックに一緒に保持していた圧縮力が除去される、請求項1~22の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上のポストの除去は、前記中古バッテリ組立体の使用済み活物質に貫通延在している1つ以上のチャネルからの前記ポストの除去を含む、請求項1~23の何れか一項に記載の方法。
【請求項25】
1つ以上のポストの除去は、1つ以上のチャネルからの1つ以上のポストの除去を含み、
前記1つ以上のチャネルは、前記中古バッテリ組立体の周囲、1つ以上のコーナー、またはこの両方、に少なくとも部分的に配置されている、請求項1~24の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上のポストは、前記1つ以上のチャネルから除去され、前記1つ以上のチャネルは前記活物質の周囲に配置されており、前記活物質に貫通延在していない(例えば、前記周囲に少なくとも部分的に配置されている)、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
機械力、切断、熱、溶剤、振動、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、によって1つ以上のポストが除去される、請求項1~26の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記1つ以上のポストの除去は、1つ以上のシャフトからの1つ以上の重なり部分の螺合解除を含む、請求項23~27の何れか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上のポストの除去は、1つ以上のシャフトからの1つ以上の重なり部分の離脱を含む、請求項23~28の何れか一項に記載の方法。
【請求項30】
1つ以上のポストの色が1つ以上の基板、セパレータ、活物質、またはこれらの組み合わせ、とは異なり、
1つ以上のチャネルから1つ以上のポストを除去すると、前記1つ以上のチャネルの内部の色が露出される、請求項1~29の何れか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上のポストはねじ切りされている、またはラチェット機構を有する、またはこの両方である、請求項1~30の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上のポストは、1つ以上のエンドピン、Cクリップ、星形ピン、トグルピン、ボルト、スタッド、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、である、請求項1~31の何れか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記分解、前記回収、前記組み立て、またはこれらの組み合わせ、の間、前記中古バッテリ組立体、前記再生バッテリ組立体、またはこの両方、は外部緊締装置によって一体に保持されている、請求項1~32の何れか一項に記載の方法。
【請求項34】
1つ以上の電極プレートの分解は、1つ以上のセパレータ、使用済み活物質、セル封止、チャネル封止、導電性構成要素、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、の除去を含む、請求項1~33の何れか一項に記載の方法。
【請求項35】
回収は、1つ以上の活物質を形成するための、1つ以上の使用済み活物質の再処理を含む、請求項1~34の何れか一項に記載の方法。
【請求項36】
使用済み活物質の回収は、前記使用済み活物質の除去、前記使用済み物質のスラリー化、1つ以上の電極プレートへの前記活物質の貼り付けおよび/または再貼り付け、を含む、請求項1~35の何れか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記使用済み活物質は、正極活物質、負極活物質、またはこの両方、である、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記1つ以上の電極プレートは、前記回収の一部として、正極活物質および/または負極活物質に電鋳される、請求項35~37の何れか一項に記載の方法。
【請求項39】
回収は、除去中および再処理中、正極活物質を負極活物質から分離(例えば、隔離)しておくことを含む、請求項1~38の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記中古バッテリ組立体の一部であった1つ以上の使用済み活物質、前記再生バッテリ組立体の一部になる回収された活物質、またはこの両方、が鉛系、リチウム系、グラファイト系、アルミニウム系、ニッケル系、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、である、請求項1~39の何れか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記1つ以上の使用済み活物質は、硫酸鉛、酸化鉛、鉛、リチウム、リチウム酸化物、リチウムイオン、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物、チタン酸リチウム、鉄空気、ナトリウムイオン、バナジウム、アルミニウム、グラファイト、水素、ニッケル、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、カリウム、水酸化ニッケル、水素、水素合金、またはこれらの組み合わせ、を含む、請求項1~40の何れか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記1つ以上の使用済み活物質は、ペースト状に再構成される、請求項1~41の何れか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記1つ以上の使用済み活物質は、1つ以上の湿式精錬プロセス、高温冶金プロセス、電解採取、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、にかけられる、請求項1~42の何れか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記1つ以上の使用済み活物質は、浸出、脱硫、石灰化、熱劣化、電解処理、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、にかけられる、請求項1~43の何れか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記1つ以上の使用済み活物質は、溶解によって1つ以上の基板および/またはセパレータから除去される、請求項1~44の何れか一項に記載の方法。
【請求項46】
溶解溶剤は、メタンスルホン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、またはこれらの何れかの組み合わせ、を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記1つ以上の使用済み活物質は、溶解後に析出される、請求項39または40に記載の方法。
【請求項48】
前記1つ以上の使用済み活物質は、溶解されずに、1つ以上の基板および/またはセパレータから除去される、請求項1~47の何れか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記中古バッテリ組立体の1つ以上の電極プレートから1つ以上の活物質が収集される、再処理される、形成される、充電される、またはこれらの何れかの組み合わせが行われる、請求項1~48の何れか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記回収中、正極活物質が鉛に還元され、その後、硫酸鉛に形成される、請求項1~49の何れか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記回収中および/または前記組み立て中、1つ以上の活物質が硬化および乾燥される、請求項1~50の何れか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記組み立て中、1つ以上の電極プレートを形成するために、1つ以上の活物質が湿潤ペーストとして1つ以上の基板に塗布される、請求項1~51の何れか一項に記載の方法。
【請求項53】
電極プレートスタックの組み立て中、または前記バッテリ組立体の動作中、またはこの両方において、前記湿潤ペーストは乾燥されず、湿潤ペーストのままである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
1つ以上の導電性構成要素が1つ以上の集電体、導電性材料、電流導管、端子、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を含む、請求項1~53の何れか一項に記載の方法。
【請求項55】
1つ以上の導電性構成要素は、腐食を除去するために、洗浄される、請求項1~54の何れか一項に記載の方法。
【請求項56】
腐食は、水溶液、水による洗浄、レーザ、サンディング、他の機械力、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって除去される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
1つ以上の導電性構成要素の修理および/または除去、および置換は、前記電極プレートの基板上で行われる、請求項1~56の何れか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記1つ以上の中古構成要素は、1つ以上の導電性構成要を含む、請求項1~57の何れか一項に記載の方法。
【請求項59】
1つ以上の再生電極プレートの形成は、電極プレートの1つ以上の再生構成要素の組み立てを含む、請求項1~58の何れか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記中古バッテリ組立体、前記再生バッテリ組立体、またはこの両方、は1つ以上の集電体を含む、請求項1~59の何れか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ以上の集電体は、耐久性のある導体を1つ以上備える、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記1つ以上の集電体は、再利用可能な箔を含む、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
再利用可能な箔はチタンを含む、請求項60~62の何れか一項に記載の方法。
【請求項64】
1つ以上の再生電極プレートは、1つ以上の再生基板、再生セル封止、再生チャネル封止、再処理済み活物質、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を使用して組み立てられる、請求項1~63の何れか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記1つ以上の再生電極プレートは、前記再処理済み活物質の上に配置された再生セパレータを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項66】
組み立ては、電極プレートスタックの形成を含む、請求項1~65の何れか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記電極プレートスタックの形成は、1つ以上の電気化学セルをその間に形成するために、複数の電極プレートの位置合わせと積み重ねとを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記電極プレートスタックの前記複数の電極プレートのうちの1つ以上が中古電極プレートであり、他の1つ以上の電極プレートが再生電極プレートであり、または前記複数の電極プレートの全てが再生電極プレートである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
1つの電極プレートの1つ以上のフレーム、インサート、封止部材、またはこれらの組み合わせ、が隣接する電極プレートの他の1つ以上のフレーム、インサート、封止部材、またはこれらの組み合わせ、と位置合わせされて噛み合わされる、請求項67または68に記載の方法。
【請求項70】
複数の電極プレートのインサートの位置合わせおよび噛み合わせによって、1つ以上のチャネルが形成される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
隣接する電極プレートの1つ以上の封止部材の位置合わせおよび嵌め込みによって、1つ以上の一体化された内側セル封止が形成される、請求項69または70に記載の方法。
【請求項72】
液密および/または気密の封止を1つ以上の電気化学セルの周囲に設けるために、前記1つ以上の封止部材が嵌合されて締まり嵌めを形成する、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
組み立ては、電極プレートスタックの圧縮を含む、請求項1~72の何れか一項に記載の方法。
【請求項74】
圧縮は、1つ以上のチャネル内への1つ以上のポストの配置および/または形成を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記1つ以上のポストは、再生ポスト、再処理済みポスト、またはこの両方、である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
組み立ては、電極プレートスタックの周囲への1つ以上の外側封止の装着を含む、請求項1~75の何れか一項に記載の方法。
【請求項77】
組み立ては、前記再生バッテリ組立体を形成するための、前記電極プレートスタックの複数の電気化学セルへの電解液の組み込みを含む、請求項1~76の何れか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記電解液は液体電解質である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記再生バッテリ組立体への電解液の充填は真空下で行われる、請求項77または78に記載の方法。
【請求項80】
電極プレートであって、
a)1つ以上の活物質が1つ以上の表面に配設された基板と、
b)前記1つ以上の活物質の周囲のフレームであって、前記基板に一体化または固着されたフレームと、
c)前記フレームの内向き面に一体化および/または固着された1つ以上の封止部材と、
を有する電極プレート。
【請求項81】
請求項1~79の何れか一項に記載の再生電極プレートとして形成された電極プレート。
【請求項82】
前記1つ以上の封止部材は、前記フレームの上に直接成形される、請求項80または81に記載の電極プレート。
【請求項83】
前記1つ以上の封止部材は、前記フレームから突出している1つ以上の雄封止部材、前記フレームに窪みとして形成されている1つ以上の雌封止部材、またはこの両方、を含む、請求項80~82の何れか一項に記載の電極プレート。
【請求項84】
前記1つ以上の雄封止部材は、他の1つ以上のフレームの1つ以上の雌封止部材と嵌合するように構成されている、請求項83に記載の電極プレート。
【請求項85】
前記1つ以上の封止部材は電解液との接触に耐えられる、請求項80~84の何れか一項に記載の電極プレート。
【請求項86】
前記1つ以上の封止部材は弾性である、請求項80~85の何れか一項に記載の電極プレート。
【請求項87】
前記1つ以上の封止部材は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、またはこの両方、から成る、請求項80~86の何れか一項に記載の電極プレート。
【請求項88】
前記1つ以上の封止部材は、前記フレームと共にインサート成形されている、成形されている、またはこの両方である、請求項80~87の何れか一項に記載の電極プレート。
【請求項89】
前記1つ以上の封止部材は二次元形状を有し、前記二次元形状は、部分的に、またはほぼ、台形、不等辺四角形、矩形、正方形、三角形、円形、斜方形、楕円形、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、である、請求項80~88の何れか一項に記載の電極プレート。
【請求項90】
前記二次元形状は、ほぼ、前記台形または前記不等辺四角形である、請求項89に記載の電極プレート。
【請求項91】
1つ以上の雄封止部材が1つ以上の雌封止部材と相補的である(例えば、対向する)、請求項80~90の何れか一項に記載の電極プレート。
【請求項92】
1つ以上の雄封止部材は、1つ以上の雌封止部材と締まり嵌めを形成するように構成されている、請求項80~91の何れか一項に記載の電極プレート。
【請求項93】
前記締まり嵌めは、一体化された内側セル封止をもたらす、請求項83に記載の電極プレート。
【請求項94】
請求項80~93の何れか一項に記載の複数の電極プレートで形成されたバッテリ組立体であって、複数の雄封止部材が複数の雌封止部材と締まり嵌めを形成しているバッテリ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイポーラバッテリ組立体の大半または全ての構成要素を再使用するための方法に関する。本開示は、バッテリの使用および再使用に伴う温室効果ガスの発生を回避する上で有用であり得る、更には、環境により優しいバッテリ寿命延伸手段を提供し得る。本開示は、バイポーラバッテリ組立体の組み立て、充電、放電、分解、再組み立て、再充電、および使用、を繰り返し行える閉ループエネルギー貯蔵施設を設ける上で特に有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
バイポーラバッテリ組立体は、一般に、隣接し合う複数の電気化学セルから成るスタックとして形成されている。これらバッテリは、積み重ねられたいくつかの電極プレートを備え、両端の単極プレートの間に複数の双極プレートが存在する。これら電極プレートは、1つのプレートのアノード物質が次のプレートのカソード物質に面するように、スタック状に配置されている。大半の組立体においては、隣接し合うプレートの間にバッテリセパレータが配置されている。バッテリセパレータは、カソード物質からアノード物質への電解液の流れを可能にする。プレート間の空間に電解液が配設される。電解液は、アノード物質とカソード物質との間での電子およびイオンの流れを可能にする物質である。セパレータを有する双極プレートの隣接し合う表面とこれらプレートの間に配設された電解液とは、電気化学セルを形成する。電気化学セルでは、アノード物質とカソード物質との間で電子およびイオンが交換される。
【0003】
バイポーラバッテリ組立体は、一般に、サイクル寿命が限られている。サイクル寿命は、ディープサイクリングによって影響され得る。ディープサイクリングは、充填および動作条件の故に、追加の歪み、電極の腐食、活物質の枯渇、バッテリプレートの変形、および同様のもの、を引き起こす。バッテリ組立体のサイクル寿命を延ばすための周知の解決策は、より長い寿命を示し得る、より小型で軽量の組立体に対するニーズに逆行する傾向がある。この技術は、バッテリの化学的性質に依存しないが、大半の説明例では、バイポーラ型鉛蓄電池が使用されることになる。例えば、バッテリプレートおよび集電体が厚いほど、腐食が低速になり得るが、組立体のサイズおよび重量が大きくなり得る。別の例として、密閉型鉛蓄電池(SLA)および制御弁式鉛蓄電池(VRLA)では、内部ガス発生とそれに起因するバッテリプレートの膨張および変形とを回避するために、それぞれの全潜在能力までの充電が防止される。更に別の例として、吸収性ガラスマット(AGM)電池は、吸収性ガラスマットをバッテリプレートの間に利用することによって、自己放電を減らし、再充電前の長期蓄電を可能にしようとしている。ただし、AGM電池は酸飢餓状態であり、一般に、酸素クロスオーバがより大きく、サイクル寿命がより短い。すなわち、バイポーラバッテリ組立体の寿命を延ばすための解決策がいくつか考案されているが、バッテリ組立体の充電および/または放電が最早不可能になる前の耐用寿命が依然として限られているという課題が依然として存在する。
【0004】
耐用寿命に達した後のバイポーラバッテリ組立体の一般的な処分方法は、砕いてリサイクルすることである。リサイクルは、バッテリの失活/放電、バッテリの分解、個々の部分構成要素を得るための機械的プロセス、および組立体の材料を分解してリサイクル可能な形態で得るための抽出および剥離プロセス、の故に時間がかかり複雑であり得る。リサイクル後、抽出された材料は、その後、バッテリ組立体の構成要素に再形成され得る。または、他の業界で使用されることもあり得る。これは、廃棄とは対照的に、環境に優しい代替案として見做され得るが、リサイクルプロセスは、材料の回収およびリサイクルに大量のエネルギーを依然として必要とし、著しいカーボンフットプリントを発生させ、高くつき、材料の再使用のために、新しい材料を使用する場合と同じ複数プロセスのうちの多くを必要とする。
【0005】
すなわち、必要とされているのは、バイポーラバッテリ組立体の構成要素がリサイクルされるだけでなく、同じ、または以降の、バイポーラバッテリ組立体のために実際に再使用される方法である。必要とされているのは、閉ループエネルギー貯蔵施設を提供するために、耐用寿命の最後に達したバイポーラバッテリ組立体の分解および別のバイポーラバッテリ組立体への再製造を同じ場所で行える方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本教示は、再生バッテリ組立体の作製方法に関する。本方法は、a)中古バッテリ組立体の分解と、b)再生構成要素を提供するための、中古バッテリ組立体からの中古構成要素の回収と、c)再生構成要素を使用した再生バッテリ組立体の組み立てと、を含む。
【0007】
本方法は、以下のステップおよび/または特徴のうちの1つ以上を任意の組み合わせで含み得る。本方法は、その全体が単一の施設で実施され得る。分解は、電解液の除去、1つ以上の外側封止の除去、1つ以上のポストの除去、1つ以上の電極プレートの分離、1つ以上の電極プレートの分解、1つ以上のセパレータの除去、1つ以上のセル封止の除去、1つ以上のチャネル封止の除去、使用済み活物質の除去、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。1つ以上の中古構成要素の回収は、1つ以上の活物質を提供するための、1つ以上の使用済み活物質の再処理、電極プレートの1つ以上の導電性構成要素の除去、洗浄、および/または修理、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。再生バッテリの組み立ては、1つ以上の再生電極プレートの形成、電極プレートスタックの形成、外側封止の装着、電解液の組み込み、再生バッテリ組立体の充電、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。中古バッテリ組立体の1つ以上の弁を介して液体電解質が排出され得る。1つ以上の外側封止の除去は、力、切断、加熱、1つ以上の溶剤の塗布、振動の付与、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、によって行われ得る。1つ以上の外側封止は、1つ以上の電極プレートの外面とは異なる色を有し得る。1つ以上の外側封止を除去すると、電極プレートの外面の色が露出され得る。1つ以上のポストを除去すると、複数の電極プレートを1つのスタックに一緒に保持していた圧縮力が除去され得る。1つ以上のポストの除去は、中古バッテリ組立体の使用済み活物質に貫通延在している1つ以上のチャネルからの当該ポストの除去を含み得る。1つ以上のポストの除去は、機械力、切断、熱、溶剤、振動、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、によって行われ得る。1つ以上のポストの除去は、1つ以上のシャフトからの1つ以上の重なり部分の螺合解除を含み得る。1つ以上のポストの除去は、1つ以上のシャフトからの1つ以上の重なり部分の離脱を含み得る。1つ以上のポストの色は、1つ以上の基板、セパレータ、活物質、またはこれらの組み合わせ、とは異なり得る。1つ以上のチャネルから1つ以上のポストを除去すると、1つ以上のチャネルの内部の色が露出され得る。1つ以上の電極プレートの分解は、1つ以上のセパレータ、使用済み活物質、セル封止、チャネル封止、導電性構成要素、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、の除去を含み得る。回収は、1つ以上の活物質を作製するための、1つ以上の使用済み活物質の再処理を含み得る。回収は、除去中および再処理中、正極活物質を負極活物質から分離しておくことを含み得る。1つ以上の使用済み活物質は、硫酸鉛、酸化鉛、鉛、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、リチウムイオン、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物、チタン酸リチウム、鉄空気、ナトリウムイオン、バナジウム、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。1つ以上の使用済み活物質は、ペースト状に再構成され得る。1つ以上の使用済み活物質は、1つ以上の湿式精錬プロセス、高温冶金プロセス、電解採取、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、にかけられ得る。1つ以上の使用済み活物質は、浸出、脱硫、石灰化、熱劣化、電解処理、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、にかけられ得る。1つ以上の導電性構成要素は、1つ以上の集電体、導電性材料、電流導管、端子、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。1つ以上の導電性構成要素は、腐食を除去するために、洗浄され得る。腐食の除去は、水溶液、水による洗浄、レーザ、サンディング、他の機械力、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって行われ得る。1つ以上の導電性構成要素の修理および/または除去および置換は、電極プレートの基板上で行われ得る。1つ以上の再生電極プレートの形成は、電極プレートの1つ以上の再生構成要素の組み立てを含み得る。1つ以上の再生電極プレートの組み立ては、1つ以上の再生基板、再生セル封止、再生チャネル封止、再処理済み活物質、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を使用して行われ得る。1つ以上の再生電極プレートは、再処理済み活物質の上に配置された再生セパレータを含み得る。組み立ては、電極プレートスタックの形成を含み得る。電極プレートスタックの形成は、1つ以上の電気化学セルをその間に形成するための、複数の電極プレートの位置合わせおよび積み重ねを含み得る。1つの電極プレートの1つ以上のフレーム、インサート、またはこの両方は、隣接する電極プレートの他の1つ以上のフレーム、インサート、またはこの両方と位置合わせされて噛み合わされ得る。複数の電極プレートのインサートを位置合わせして噛み合わせることによって、1つ以上のチャネルが形成され得る。組み立ては、電極プレートスタックの圧縮を含み得る。圧縮は、1つ以上のチャネル内への1つ以上のポストの配置および/または形成を含み得る。1つ以上のポストは、再生ポスト、再処理済みポスト、またはこの両方、であり得る。組み立ては、電極プレートスタックの周囲への1つ以上の外側封止の装着を含み得る。組み立ては、再生バッテリ組立体を形成するための、電極プレートスタックの複数の電気化学セルへの電解液の組み込みを含み得る。電解液は、液体電解質でもよい。
【0008】
本教示は、a)1つ以上の活物質が1つ以上の表面に配設された基板と、b)1つ以上の活物質の周囲のフレームであって、基板に一体化または固着されたフレームと、c)フレームの内向き面に一体化および/または固着された1つ以上の封止部材と、を有する電極プレートを提供する。
【0009】
本教示は、バッテリ組立体の中古構成要素を回収して再使用する手段を提供する。本方法は、バッテリ組立体がその耐用寿命の最後に達した際の一部または全ての構成要素の再使用において特に有用であり得る。本方法は、閉ループシステムの提供のために有用であると証明され得る。この閉ループシステムでは、バッテリが使用され、その耐用寿命の最後に達し、回収された後、同じ施設内で再生バイポーラバッテリ組立体を形成するために再利用され得る。本教示は、代替エネルギー源と連携しうる蓄電施設での使用に特に有用であり得る。本開示の教示は、埋立地へのバッテリ構成要素の廃棄と、カーボンフットプリントが依然として大きいプロセスによるバッテリ構成要素のリサイクルと、を排除し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】バッテリ組立体の電極プレートスタックの部分分解図を示す。
図2】バッテリ組立体の電極プレートスタックの部分分解図を示す。
図3】電極プレートの斜視図を示す。
図4】バッテリ組立体の横断面図を示す。
図5】バッテリ組立体の電極プレートの積み重ねを示す。
図6】再生バッテリ組立体の作製方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願明細書に提示されている説明および図は、本教示とその原理およびその実際の応用例とを他の当業者に知らせることを意図している。以下に記載の本教示の具体的実施形態は、網羅的であることも本教示を限定することも意図していない。本教示の範囲は、添付の特許請求の範囲、ならびにこのような特許請求の範囲の権利が与えられる均等物の全範囲、への参照によって決定されるものとする。特許出願および公開を含む全ての記事および引例の開示内容は、参照によってあらゆる目的のために組み込まれるものとする。添付の特許請求の範囲から分かるように、他の組み合わせも可能である。これら組み合わせも参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0012】
<再生バッテリ組立体の作製方法>
本開示は、再生バッテリ組立体の作製方法に関する。本方法は、再生バッテリ組立体を形成するための、中古バッテリ組立体の構成要素の抽出、回収、および/または再処理、および再使用、において特に有用であり得る。本方法は、閉ループエネルギー貯蔵施設を可能にし得るという点で極めて有利であり得る。これは、本方法全体の実施を単一の施設内で完全に行い得ることを意味し得る。閉ループとは、バッテリ組立体の送達先および/または構築、その初期耐用寿命のための充電および放電の繰り返し、分解および回収、その後の組み立て、および新しい耐用寿命のための再充電、の全てを同じ施設内で行えることを意味し得る。閉ループエネルギー貯蔵施設は、風および太陽などの代替エネルギー源からのエネルギーとの連携、エネルギーの貯蔵および放出、のために有用であると証明され得る。本方法は、中古バッテリ組立体の分解、中古構成要素の回収、再生バッテリ組立体の組み立て、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。分解は、再使用、リサイクル、再処理、および同様のこと、のための、構成要素の抽出および洗浄を可能にし得る。分解は、以下のバッテリ組立体の項で説明するように、1つ以上の構成要素をもたらし得る。分解は、その後に洗浄および/または修理が可能な、且つその後に再生バッテリ組立体に再使用可能な、バッテリ組立体の中古構成要素をもたらし得る。分解は、中古バッテリ組立体からの1つ以上の脆弱セクションの除去を含み得る。分解は、中古バッテリ組立体の1つ以上の脆弱セクションの分解を含み得る。分解は、電解液の除去、1つ以上の外側封止の除去、1つ以上のポストの除去、1つ以上の電極プレートの分離、1つ以上の電極プレートの分解、1つ以上のセパレータの除去、1つ以上のセル封止および/またはチャネル封止の除去、使用済み活物質の除去、1つ以上の集電体および/または導電性材料の除去、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。本方法は、バッテリ組立体の1つ以上の中古構成要素の回収を含み得る。1つ以上の中古構成要素の回収は、1つ以上の使用済み活物質の再処理、1つ以上の導電性構成要素の除去、洗浄、および/または修理、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。本方法は、再生構成要素を使用した再生バッテリ組立体の組み立てを含み得る。組み立ては、1つ以上の脆弱セクションの再構築を含み得る。組み立ては、再生バッテリ組立体を形成するための、1つ以上の再生構成要素の組み立てを含み得る。組み立ては、再生バッテリ組立体を形成するために、中古バッテリ組立体の1つ以上の健全セクションに1つ以上の再構築セクション(すなわち、以前の脆弱セクション)を組み付けることを含み得る。組み立ては、健全セクションが何も特定または再使用されなかった(例えば、中古バッテリが全面的に分解された)場合は、1つ以上の再生構成要素の組み立てを含み得る。組み立ては、1つ以上の再生電極プレートの形成、電極プレートスタックの形成、外側封止の装着、電解液の組み込み、バッテリ組立体の充電、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。
【0013】
本方法は、バッテリ組立体(すなわち、中古バッテリ組立体)の分解対象部分の特定を含み得る。バッテリ組立体のこの部分は、バッテリ組立体内の個々のセル、1つのバッテリ、またはいくつかのバッテリ、であり得る。分解対象部分の特定は、修理、置換、および/または回収が必要であり得るバッテリ組立体の部分のみの特定に役立ち得るので、バッテリ組立体の全体を分解する必要がなくなる。1つ以上の部分の特定は、中古バッテリ組立体の試験を含み得る。試験は、バッテリ組立体全体、1つ以上のバッテリユニット、1つ以上の電気化学セル、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、の試験を含み得る。試験は、中古バッテリ組立体の1つ以上の脆弱セクションを特定し得る。試験は、バッテリ組立体、1つ以上のバッテリユニット、1つ以上の電気化学セル、またはこれらの組み合わせ、の1つ以上の性能値の判定を含み得る。試験は、バッテリ組立体の1つ以上のバッテリユニットの充電、放電、および/またはこの両方、の監視および/または判定を含み得る。試験は、1つ以上の試験装置で行われ得る。この場合、1つ以上の試験装置は、1つ以上の電気化学セル、バッテリユニット、および/またはバッテリ組立体、の1つ以上の性能値を判定し得る。1つ以上の試験装置として、電圧計、電流計、ACインピーダンスメータ、DCインピーダンスメータ、抵抗計、静電容量メータ、マルチメータ、バッテリ比重計、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、が挙げられ得る。試験は、手動、部分的に自動、および/または完全に自動、で行われ得る。試験は、試験ステーションへのバッテリ組立体および/またはバッテリユニットの載置を含み得る。1つの試験ステーションは、1つ以上の試験装置を含み得る。1つ以上の試験装置は、バッテリ組立体の全体および/または一部を自動的に試験するように構成され得る。例えば、1つ以上のロボットアームおよび/またはバランサーは、試験装置の1つ以上のプローブおよび/またはリード線を含み得る、更にはバッテリ組立体の1つ以上の端子および/またはセル内部に自動的に接続するために自動化され得る、更にはバッテリ組立体の1つ以上の性能状態を判定し得る。試験は、バッテリ組立体が期待どおりに(例えば、1つ以上の性能閾値以上で)動作しているかどうかを調べるために、バッテリ組立体全体を監視し得る。試験は、バッテリ組立体、1つ以上のバッテリユニット、1つ以上の電気化学セル、またはこれらの組み合わせ、が1つ以上の性能閾値で、あるいはそれ以上または以下で、動作しているかどうかを判定し得る。例えば、バッテリ組立体の総電圧を求めるために、マルチメータが正端子および負端子に固着され得る。バッテリ組立体がバッテリ全体のための性能閾値未満で動作している場合は、各バッテリユニットおよび/または電気化学セルが試験され得る。性能値は、実際に測定されたバッテリ組立体の性能であり得るので、その後、性能閾値と比較され得る。例えば、各バッテリユニットの試験は、メータの一方のリード線をバッテリユニットの正端子に固着し、メータのもう一方のリード線をバッテリユニットの負端子に固着することによって、またはセルの内部で電解液に接触させて、行われ得る。一例として、鉛酸電気化学では、各セルが約2Vの蓄電が可能能な場合、良好な動作状態であれば、各セルはバッテリ組立体および/またはバッテリユニットの総電圧の約2Vを占めるはずである。その寄与が2V未満であるセルは、個々のセルの性能閾値未満の性能であるセルとして特定され得る。別の例として、各セルからの電解液は、比重計に引き込まれ得る。比重計によって求められた電解液の比重は、その後、セルが貯蔵しているパーセント電荷に関連付けられ得る。1つ以上の試験用リード線、プローブ、および/または同様のもの、による1つ以上の電気化学セル内へのアクセスは、1つ以上のベント、チャネル、および/または開口部、を介して行われ得る。充電、放電、またはこの両方、のための1つ以上の性能閾値が設定され得る。1つ以上の性能閾値、性能値、またはこの両方は、容量、開回路電圧、抵抗、比重、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。1つ以上の性能閾値は、バッテリ組立体が満充電に達したときにバッテリ組立体内の各セルに蓄電されている電圧を含み得る。1つ以上の性能閾値は、70%以上、75%以上、または80%以上、充電されているセル、バッテリユニット、および/またはバッテリ組立体であり得る。1つ以上の性能閾値は、95%以下、90%以下、または85%以下、充電されているセル、バッテリユニット、および/またはバッテリ組立体であり得る。例えば、性能閾値が80%以上の充電を保持している場合、試験によるセルの充電測定値が75%であると、そのセルの性能は80%の性能閾値未満であると判定され得る。試験中に、充電および/または放電中の1つ以上の性能値が1つ以上の性能閾値未満に下がると、そのバッテリユニットおよび/またはセルは、中古バッテリ組立体の脆弱セクションとして特定され得る。
【0014】
本方法は、1つ以上のセクションの切り離しを含み得る。この1つ以上のセクションは、1つ以上の脆弱セクションであり得る。1つ以上の脆弱セクションの切り離しは、分解の開始前に行われ得る。脆弱セクションの切り離しとは、中古バッテリ組立体の脆弱セクションの切り離しを指し得る。脆弱セクションの切り離しは、バッテリ組立体全体を分解する必要なしに、1つ以上の脆弱セクションの分解を可能にし得る。切り離しとは、1つ以上の健全セクションから1つ以上の脆弱セクションを機械的および/または電気的に切り離すことを意味し得る。健全セクションとは、それぞれの性能閾値以上で動作している1つ以上の電気化学セルおよび/またはバッテリユニットを意味し得る。切り離しは、1つ以上の健全セクション、脆弱セクション、またはこの両方、の緊締を含み得る。切り離しは、1つ以上のセルと他の1つ以上のセルとの間の流体接続の遮断を含み得る。例えば、1つ以上のセルを他の1つ以上のセルに接続している1つ以上の弁、開口部、および/またはチャネル、が一時的に遮断され得る。流体接続の一時的遮断は、バッテリ組立体全体から全ての電解液を排出せずに、1つ以上の脆弱セクションの除去を可能にし得る。分解、組み立て、またはこの両方、の1つ以上のステップのみが1つ以上の脆弱セクション、バッテリ組立体全体、またはこの両方、に対して実施され得る。1つ以上の脆弱セクションが分解され得る一方で、中古バッテリ組立体の残りの部分は元のままである。
【0015】
本方法は、緊締装置の当てがいを含み得る。分解前、組み立て中、またはこの両方、において、緊締装置がバッテリ組立体に当てがわれ得る。緊締装置は、圧縮によるバッテリ組立体の一体保持、互いに位置合わせされた1つ以上の電極プレートの保持、1つ以上の封止の維持、1つ以上の電気化学セルの一括保持、またはこれらの何れかの組み合わせ、に役立ち得る。バッテリ組立体の第1端部および第2端部、脆弱セクションとして特定されなかった(例えば、分解不要な)バッテリユニットの2つ以上の電極プレート、および/または同様のもの、を圧縮するように、緊締装置が当てがわれ得る。1つ以上の緊締装置が1つのバッテリ組立体に当てがわれ得る。例えば、脆弱セクションの片側に隣接している電極プレートスタックを第1の緊締装置が緊締し得る一方で、第2の緊締装置は脆弱セクションの別の側に隣接している電極プレートスタックを緊締し得る。これにより、脆弱セクションの除去が可能になる一方で、健全に動作している複数のセクションの電極プレートは1つ以上の電極プレートスタックとして一緒に保持されている。緊締装置として、積み重ねられた複数の電極プレートを一緒に保持して圧縮力を加えるために適した任意の装置が挙げられ得る。緊締装置は、外部緊締装置でもよい。緊締装置として、Cクランプ、ハンドクランプ、クイックアクションクランプ、エッジクランプ、ベンチクランプ、機械式クランプ、スプリングクランプ、シザークランプ、Fクランプ、液圧式クランプ、テーブルクランプ、空気圧式クランプ、ビームクランプ、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。
【0016】
分解は、バッテリ組立体内からの電解液の除去を含み得る。電解液の除去は、その後の1つ以上の外側封止および/またはセル封止の除去を可能にし得る。電解液の除去は、バッテリ組立体全体、1つ以上のバッテリユニット、および/または1つ以上の電気化学セル、からの電解液の除去を含み得る。電解液の除去は、1つ以上の弁、開口部、および/またはチャネル、を介した電解液の排出および/または引き抜きを伴い得る。1つ以上の弁、開口部、および/またはチャネル、を介して真空が加えられ得る。真空は、液体電解質を1つ以上の電気化学セルからバッテリ組立体の外部に引き出し得る。バッテリ組立体から真空引きするために、バッテリ組立体または電極プレートスタックは、真空室内に載置され得る、または真空ポンプに固着され得る、またはこの両方が行われ得る。1つ以上のチャネル、開口部、および/またはベント、が真空引きに役立ち得る。1つ以上のチャネルを1つ以上の電気化学セル内の空間に流体連通させ得る。電解液は、この空間内に貯蔵され得る。内部真空引きが行われるように、1つ以上のポンプを1つ以上のチャネルに流体連通させ得る。真空引きは、電極プレートスタック内の内圧が大気圧未満になるように、または電解液を電気化学セルから引き出すように、またはこの両方のために、排気を含み得る。1つ以上の補強構造、エンドプレート、単極プレート、フレーム、インサート、ポスト、および/または同様のもの、が真空引き中および電解液の除去中の内向き座屈に対する補強をもたらし得る。電解液は、強酸性材料との接触に適した何れかの容器に貯蔵され得る。
【0017】
分解は、1つ以上の外側封止の除去を含み得る。外側封止を除去すると、スタック内の複数の電極プレートの相互分離が可能になり得る、またはバッテリ組立体の内部へのアクセスが可能になり得る、またはこの両方が可能になり得る。外側封止の除去は、ケースの除去、膜の除去、縁部封止の離脱、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。除去は、力の印加、切断、加熱、1つ以上の溶剤の塗布、振動の付与、またはこれらの何れかの組み合わせ、を含み得る。力の印加は、ケースの内部からの電極プレートスタックの物理的除去(例えば、引き抜き、剥離)、または他の1つ以上のフレームからの1つ以上のフレームの引き離し、またはこの両方、を含み得る。切断として、1つ以上の機械的な刃、レーザ、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、による切断が挙げられ得る。切断は、1つ以上の電極プレートおよび/またはセパレータの周囲、外側封止と電極プレートスタックとの間、またはこの両方、で行われ得る。例えば、電極プレートの隣接フレーム間の接合部が切断され得る。加熱は、外側封止および/または電極プレートの熱可塑性材料が十分に軟化して溶融し、分離可能になるように、十分な熱を加えることを含み得る。1つ以上の溶剤の塗布は、外側封止および/または電極プレートの熱可塑性材料の軟化および加圧による除去を可能にし得る。1つ以上の溶剤は、1つ以上の熱可塑性プラスチックに対応可能な1つ以上の溶剤を含み得る。1つ以上の溶剤として、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチレン塩化物、二塩化エチレン、三塩化ビニル、アセトン、トルエン、キシレン、ベンゼン、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上の外側封止は、1つ以上の電極プレートの外面とは異なる色を有し得る。外面とは、フレーム、基板、またはこの両方、を指し得る。色が異なると、外側封止全体が電極プレートスタックの外側から除去されたことの視覚的検証を個人および/または画像センサが行えるようになり得る。
【0018】
分解は、電極プレートスタックの1つ以上の電極プレートからの1つ以上の圧縮力の除去を含み得る。1つ以上の圧縮力を除去すると、電極プレートスタックからの1つ以上の電極プレートの除去が可能になり得る。1つ以上の圧縮力の除去は、1つ以上のポストの除去を含み得る。1つ以上のポストを除去すると、一緒に積み重ねられていた複数の電極プレートを保持していた1つ以上の圧縮力が除去され得る。1つ以上のポストの除去は、1つ以上の重なり部分の除去によって行われ得る。重なり部分の除去は、螺合解除、引き抜き、切断、溶剤の塗布、加熱、振動の付与、同様のこと、またはこれらの何れかの組み合わせ、を含み得る。重なり部分の除去は、1つ以上のシャフト、チャネル、外面(例えば、エンドプレートの外面)、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、からの重なり部分の除去を伴い得る。重なり部分を除去すると、1つ以上のシャフトが露出され得る。重なり部分の除去後、ポストの1つ以上のシャフトが除去され得る。シャフトは、1つ以上のチャネルから除去され得る。シャフトの除去は、螺合解除、引き抜き、切断、溶剤の塗布、加熱、振動の付与、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって行われ得る。ポストの除去方法は、外側封止の除去のために開示されている方法と同様であり得る。ポストの1つ以上の部分の色は、1つ以上の基板、セパレータ、インサート、活物質、1つ以上の開口部の内面、またはこれらの組み合わせ、とは異なる色にし得る。1つ以上のポストを1つ以上のチャネルから除去すると、1つ以上のチャネルの内部の色が露出される。ポストの色が異なると、ポスト全体がチャネルから除去されたことの視覚的検証を個人および/または画像センサが行えるようになり得る。
【0019】
分解は、他の1つ以上の電極プレートからの1つ以上の電極プレートの分離を含み得る。これら電極プレートの積み重ねおよび噛み合わせは、1つ以上のフレーム、インサート、封止部材、またはこれらの組み合わせ、を介して行われ得る。1つ以上の電極プレートの分離は、1つ以上の隣接電極プレートへの反力の印加を含み得る。分離は、手動および/または機械式であり得る。手動とは、1つ以上の電極プレートを分離するために、個人がその手および/または1つ以上の手工具を使用することを指し得る。機械式とは、1つ以上の電極プレートを分離するために、1つ以上の自動装置による力の印加を指し得る。これら電極プレートの分離は、1つ以上のフレーム、インサート、封止部材、またはこれらの組み合わせ、を他の1つ以上のフレーム、インサート、封止部材、またはこれらの組み合わせ、から係合解除することを含み得る。これら電極プレートを分離すると、基板の片面または両面に配置された使用済み活物質、この活物質に接着された1つ以上のセパレータ、基板および/またはフレームの周囲に固着されたセル封止、またはこれらの何れかの組み合わせ、を有する1つ以上の電極プレートがもたらされ得る。
【0020】
分解は、1つ以上の電極プレートの分解を含み得る。電極プレートの分解は、洗浄、修理、再処理、および同様のこと、などによる1つ以上の構成要素の回収を可能にし得る。電極プレートの分解は、1つ以上のセパレータ、トランスファシート、セル封止、チャネル封止、活物質(例えば、使用済み活物質)、集電体、電流導管、導電性構成要素、および同様のもの、の除去を含み得る。
【0021】
分解は、1つ以上の電極プレートからの1つ以上のセパレータおよび/またはトランスファシートの分離を含み得る。この分離は、分解プロセスの一部にし得る。1つ以上のセパレータおよび/またはトランスファシートが1つ以上の活物質、別のセパレータおよび/またはトランスファシート、またはこの両方、から除去され得る。1つ以上のセパレータおよび/またはトランスファシートが1つ以上の活物質、セパレータ、および/またはトランスファシートから剥離され得る。1つ以上のセパレータおよび/またはトランスファシートは、活物質の洗浄、リサイクル、廃棄、またはこれらの何れかの組み合わせ、が行われ得る。1つ以上のセパレータおよび/またはトランスファシートの除去、スタックからの電極プレートの分離、またはこの両方、の後、1つ以上の活物質が露出され得る。
【0022】
分解は、1つ以上の基板および/またはセパレータからの1つ以上の活物質の除去を含み得る。活物質(使用済み活物質)の除去も回収の一部と見做され得る。この除去は、分解プロセスの一部にし得る。1つ以上の活物質の除去は、物理的力、溶解、またはこの両方、によって行われ得る。物理的力として、ひっかき、真空除去、および/または同様のもの、が挙げられ得る。溶解は、溶解溶剤の使用を含み得る。1つ以上の活物質への溶解溶剤の塗布は、この活物質が1つ以上の基板および/またはセパレータの上にまだあるときに行われ得る。この溶解溶剤として、メタンスルホン酸、酢酸、または水酸化ナトリウム、または何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上の活物質は、溶解溶剤の塗布前および/または塗布後の使用済み活物質であり得る。溶解後、1つ以上の使用済み活物質が析出され得る。一代替案として、1つ以上の使用済み活物質の除去は、溶解なしに行われ得る。1つ以上の使用済み活物質は、廃棄されず、再処理および再使用のために収集され得る。1つ以上の使用済み活物質の除去後、1つ以上の基板、集電体、および/または導電性材料、が露出され得る。1つ以上の集電体および/または導電性材料は、バッテリ組立体の以前の充電および放電による腐食のために、著しく劣化していることもあり得る。
【0023】
分解は、1つ以上のセル封止、チャネル封止、またはこの両方、の除去を含み得る。1つ以上の封止の除去は、当該封止の再使用を可能にし得る。この除去は、分解プロセスの一部にし得る。1つ以上の電極プレートを他の1つ以上の電極プレートから分離すると、1つ以上のセル封止、チャネル封止、またはこの両方、が露出され得る。1つ以上のセル封止、チャネル封止、またはこの両方、は1つ以上のフレーム、基板、インサート、開口部、またはこれらの何れかの組み合わせ、から除去され得る。1つ以上のセル封止および/またはチャネル封止の除去は、力、熱、溶剤、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって行われ得る。1つ以上のセル封止、チャネル封止、またはこの両方、の除去は、1つ以上の外側封止、重なり部分、シャフト、またはこれらの組み合わせ、の除去に適した1つ以上のプロセスを使用して、行われ得る。1つ以上のセル封止および/またはチャネル封止は、1つ以上の活物質、電解液残渣、またはこの両方、が洗浄され得る。残留活物質、電解液残渣、またはこの両方、を除去することによって、1つ以上の封止は、機械的封止の再使用および作成のために適切になり得る。
【0024】
回収は、1つ以上の使用済み活物質の再処理を含み得る。再処理は、1つ以上の使用済み活物質からの1つ以上の活物質の作製、再生バッテリ組立体における活物質としての再使用、使用済み活物質のリサイクルおよび/または廃棄の回避、またはこの両方、を可能にし得る。再処理は、隔離、再構成、リサイクル、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。基板からの除去中および除去後、1つ以上の活物質は、それぞれの極性に基づき、分離しておかれ得る。正極活物質(PAM)は、負極活物質(NAM)から隔離され得る、負極活物質(NAM)から隔離され続け得る、および/または負極活物質(NAM)と組み合わされ得る。使用済み活物質は、硫酸鉛、酸化鉛、鉛、二酸化鉛、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。基板から除去された使用済み活物質は、活物質に再構成され得る。使用済み活物質は、ペースト状に再構成され得る。使用済み活物質は、スラリーに変換され得る。活物質の再構成は、鉛への活物質の還元を含み得る。活物質の再構成は、硫酸鉛、酸化鉛、二酸化鉛、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、の中へのリード線の形成を含み得る。再構成のために、使用済み活物質は脱硫され得る。再構成のために、使用済み活物質に1つ以上の結合剤が追加され得る。別の選択肢として、新しい活物質の作製に使用するために、1つ以上の使用済み活物質がリサイクルされ得る。再処理は、1つ以上の湿式精錬プロセス、高温冶金プロセス、またはこの両方、を含み得る。湿式精錬処理は、二酸化鉛および/または二酸化硫黄粉塵の排出低減とエネルギー消費の低減とにおいて有利であり得る。リサイクルは、浸出、電解採取、脱硫、石灰化、熱劣化、電解処理、同様のこと、またはこれらの何れかの組み合わせ、を含み得る。使用済み活物質は、1つ以上の浸出用試薬で浸出され得る。浸出用試薬として、クエン酸ナトリウム、酢酸、過酸化水素、ハライド、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上の浸出用試薬との反応によって、鉛、酸化鉛、硫酸鉛、またはこれらの組み合わせ、が再使用のために分離され得る。水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液が除去対象の硫酸鉛を溶解し得る。その後、焼成により、酸化鉛粉末がもたらされ得る。使用済み活物質は、使用可能な1つ以上の活物質に再処理および/またはリサイクルされ得る。1つ以上の使用済み活物質の再処理は、活物質の充電を含み得る。適した1つ以上の活物質として、参照によりそれぞれの全体が本願明細書に組み込まれるものとする米国特許第10,141,598号、国際公開第2020/0091521号、および国際公開第2020/0102677号に記載のものが挙げられ得る。
【0025】
回収は、1つ以上の導電性構成要素の除去、洗浄、および/または修理、を含み得る。1つ以上の導電性構成要素として、1つ以上の集電体、導電性材料、電流導管、および/または端子、が挙げられ得る。1つ以上の導電性構成要素は、洗浄によって腐食が除去され得る。腐食の除去は、水溶液、水による洗浄、レーザ、サンディング、他の機械力、化学的溶解、同様のこと、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって行われ得る。腐食の除去後、1つ以上の導電性構成要素は、修理、除去、またはこの両方、の対象として評価され得る。腐食を除去する代わりに、またはそれに加え、1つ以上の導電性構成要素が基板から除去され得る。1つ以上の集電体が基板の表面から除去され得る。この1つ以上の集電体は、活物質と基板との間に配置されていた。1つ以上の導電性材料が基板の1つ以上の導電開口部の中から除去され得る。1つ以上の導電性材料の除去は、力、レーザ、熱、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって行われ得る。1つ以上の新しい導電性材料が1つ以上の導電開口部の中に配置され得る。1つ以上の新しい導電性材料が1つ以上の洗浄済み導電性材料の一部として、接合および/または形成され得る。1つ以上の新しい集電体が基板上に配置され得る。1つ以上の中古集電体が修理されて基板上に配置され得る。修理は、中古集電体への追加の集電体材料の追加を含み得る。
【0026】
本方法は、再生バッテリ組立体の組み立てを含み得る。再生バッテリ組立体の組み立ては、同じ、または異なる、バッテリ組立体に以前使用されていた、再処理された、および/またはリサイクルされた、構成要素を使用したバッテリ組立体の組み立てをもたらし得る。再生バッテリ組立体は、以前使用されていた、再処理された、および/またはリサイクルされた、1つ以上の構成要素と組み合わされた、いくつかの新しい構成要素を更に含み得る。
【0027】
組み立ては、1つ以上の再生電極プレートの形成を含み得る。1つ以上の再生電極プレートの形成は、以前使用されていた電極プレートを使用して、バッテリ組立体内で有用な1つ以上の電極を作製し得る。1つ以上の再生電極プレートの形成は、1つ以上の導電性材料の再構築、1つ以上の導電性材料の載置、1つ以上の活物質の配置、1つ以上のセル封止の装着、1つ以上のチャネル封止の装着、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。1つ以上の再生電極プレートの形成は、中古電極プレートの1つ以上の再生構成要素の使用を含み得る。1つ以上の再生電極プレートの形成は、電鋳を含み得る。電鋳は、正極活物質および/または負極活物質への電鋳を含み得る。1つ以上の再生電極プレートの組み立ては、1つ以上の再生基板、再生セル封止、再生チャネル封止、再処理済み活物質、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を使用して行われ得る。
【0028】
1つ以上の再生電極プレートの形成は、1つ以上の導電開口部における1つ以上の導電性材料の再構築、基板への1つ以上の集電体の載置、またはこの両方、を含み得る。1つ以上の再生電極プレートの形成は、1つ以上の導電性材料の再構築、および/または1つ以上の集電体の載置、なしに行われ得る。これは、例えば、導電性材料および/または集電体は、十分な導電率、表面積をもたらすために、および/または腐食を取り除くために、洗浄のみが必要であると判明した場合である。1つ以上の集電体は、耐久性のある導体を1つ以上含み得る。耐久性のある導体とは、バッテリ組立体の動作中、長期にわたって腐食しない何れかの導電性材料であり得る。耐久性のある導体は、再利用可能な箔を含み得る。再利用可能な箔は、チタンを備え得る。
【0029】
1つ以上の再生電極プレートの形成は、基板の片面または両面への1つ以上の活物質の配置を含み得る。1つ以上の活物質は、再処理および/またはリサイクルされた1つ以上の活物質製であり得る。1つ以上の活物質は、基板に貼り付けられ得る。1つ以上の活物質は、湿潤ペーストとして塗布され得る。1つ以上の活物質は、硬化され得る、乾燥され得る、湿潤ペーストのままであり得る、またはこれらの何れかの組み合わせであり得る。1つ以上の再生電極プレートは、再処理および/またはリサイクルされた活物質の上に配置された再生セパレータを含み得る。セパレータがトランスファシートであるように、基板への活物質の配置前に、活物質はセパレータに装着され得る。活物質上へのセパレータの装着は、積み重ね中、または基板への活物質の装着後に、行われ得る。1つ以上の活物質の装着は、参照によってそれぞれの全体が本願明細書に組み込まれるものとする国際公開第2020/0091521号および国際公開第2020/0102677号に記載されているような装着プロセスによって行われ得る。
【0030】
1つ以上の再生電極プレートの形成は、1つ以上のセル封止、チャネル封止、またはこの両方、の装着を含み得る。1つ以上のセル封止、チャネル封止、またはこの両方、の装着は、1つ以上の活物質の装着前、装着中、または装着後、に行われ得る。1つ以上のセル封止が基板、フレーム、またはこの両方、に装着され得る。1つ以上のチャネル封止が1つ以上のチャネル開口部に、1つ以上のチャネル開口部の周囲に、1つ以上のインサートの周囲に、1つ以上のインサートに、またはこれらの何れかの組み合わせに、装着され得る。1つ以上のセル封止、チャネル封止、またはこの両方、は再生セル封止、中古チャネル封止、またはこの両方、であり得る。1つ以上のセル封止、チャネル封止、またはこの両方、は接着剤、締まり嵌め、形状嵌合、重力、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、によって1つ以上の対向溝に配置されることによって保持され得る。
【0031】
組み立ては、電極プレートスタックの形成を含み得る。電極プレートスタックの形成は、1つ以上の電気化学セルをその間に形成するために、複数の電極プレートの位置合わせおよび積み重ねを含み得る。電極プレートスタックの1つ以上の電極プレートが中古電極プレートである一方で、他の1つ以上の電極プレートが再生電極プレートである、または全ての電極プレートが再生電極プレートである。1つ以上のセパレータが各対の電極プレートの間に配置され得る。セパレータは、ペーストの塗布と同時に、トランスファシートの形態などで、配置され得る。セパレータは、積み重ね中に、セル間に配置され得る。セパレータは、再生セパレータであり得る。複数の電極プレートを位置合わせして積み重ねるとき、電極プレートとセパレータとは交互に配置されて積み重ねられ得る。1つ以上の電極プレートの1つ以上のフレーム、インサート、封止部材、またはこれらの組み合わせ、が隣接する電極プレートおよび/またはセパレータの1つ以上のフレーム、インサート、封止部材と位置合わせされ得る、および/または噛み合わされ得る。1つ以上のフレームの周面が電極プレートスタックの外面の一部を形成し得る。複数のインサートの位置合わせおよび噛み合わせによって、1つ以上のチャネルが形成され得る。複数の封止部材の位置合わせおよび噛み合わせによって、一体化された内側セル封止が形成され得る。本方法は、一体化された縁部封止の形成を含むことも含まないこともあり得る。
【0032】
組み立ては、電極プレートスタックの圧縮を含み得る。圧縮は、1つ以上の電気化学セル、チャネル、またはこの両方、の周囲における1つ以上の封止の維持、動作中の膨張の防止、電解液の充填または排出中の座屈の防止、またはこれらの何れかの組み合わせ、を可能にし得る。圧縮は、1つ以上のチャネル内への1つ以上のポストの配置および/または形成を含み得る。1つ以上のポストの配置および/または形成は、1つ以上のチャネル内への1つ以上のシャフトの配置および/または形成を含み得る。圧縮は、1つ以上のエンドプレートおよび/または単極プレートへの圧縮力の印加など、1つ以上のポストの1つ以上の重なり部分の形成を含み得る。1つ以上の重なり部分は、1つ以上のシャフト、1つ以上のエンドプレートの外面、またはこの両方、への1つ以上の重なり部分の螺合、接着、および/または同様のこと、を含み得る。圧縮は、噛み合わせ用の1つ以上の特徴によって圧縮力を印加し得る。噛み合わせ用の特徴は、1つ以上のフレーム、インサート、封止部材、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。圧縮は、一体化された防漏セル封止を形成するために、1つ以上の封止部材を他の1つ以上の封止部材に圧縮嵌入させ得る。1つ以上のポストは再生ポストであり得る。例えば、1つ以上のシャフトが1つ以上のチャネルに挿入され、その後、1つ以上のヘッドをその上に配置(例えば、螺合)することによって、シャフトが所定位置に固定され得る。一代替案として、1つ以上のポストは、1つ以上の中古ポストから再処理された材料で形成され得る。例えば、1つ以上の中古ポストは、中古バッテリ組立体からの除去中および/または除去後に溶融され、その後、再生バッテリ組立体の1つ以上のチャネルに溶融接合される、熱可塑材料製であり得る。
【0033】
再生バッテリ組立体の組み立ては、外側封止の装着を含み得る。外側封止の装着は、一体化された封止の形成、膜の装着、ケースへの電極プレートスタックの挿入、またはこれらの組み合わせ、を含むことも含まないこともあり得る。
【0034】
電極プレートスタックの形成は、一体化された縁部封止の形成を含むことも含まないこともあり得る。一体化された封止の形成は、外側封止の装着の一部にし得る。一体化された縁部封止の形成は、1つ以上の再生電極プレートを他の1つ以上の電極プレート、セパレータ、またはこの両方、に積み重ねた後に行われ得る。1つ以上の一体化された縁部封止の形成は、1つ以上のフレーム、隆起縁部、外面、突起、またはこれらの組み合わせ、を1つ以上の隣接する電極プレート、セパレータ、またはこの両方、の他の1つ以上の突起、フレーム、隆起縁部、外面、および/または、同様のもの、に嵌合、係合、および/または接合、することによって行われ得る。一体化された縁部封止の形成は、1つの電極プレートを隣接する電極プレートおよび/またはセパレータに接合するために適した何れかの方法によって行われ得る。接合は、別個の接着剤、溶融接合、またはこの両方、の使用を含み得る。接合は、任意の溶接方法によって実施され得る。溶接として、熱溶接、溶着、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。溶接は、加熱されたプラテン、摩擦または振動が発生させた熱、超音波、無線周波数、誘導ループ線、溶剤、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって実現され得る。溶接または他の接合方法は、1つ以上の電気化学セルの周囲に一体化された一続きの封止をもたらし得る。溶接または他の接合方法は、1つ以上の電気化学セルの周囲に機械的に強固な封止をもたらし得る。一体化された縁部封止の例示的形成方法が、参照によってその全体があらゆる目的のために本願明細書に組み込まれるものとする国際公開第2020/243093号に記載されている。
【0035】
電極プレートスタックの形成は、1つ以上の膜の装着を含み得る。膜の装着は、外側封止の装着の一部にし得る。膜の装着は、電極プレートスタックの1つ以上の外面の予熱を含んでも含まなくてもよい。外面の予熱は、装着中、1つ以上の膜シートの予熱温度および可撓性の維持、外面への1つ以上の膜シートの形状嵌合、またはこの両方、を助け得る。予熱が有用であり得るのは、1つ以上の膜が装着前に予熱されていなかった場合である。熱の印加は、直接または間接的に行われ得る。熱源は、外面から遠ざけられ得る。温度は、電極プレートスタックの全ての構成要素の軟化点(ガラス転移温度)および/または融点未満であり得る。温度は、1つ以上の膜のガラス転移温度に等しい、またはそれより低いか高い温度、であり得る。本方法は、1つ以上の膜の予熱を含むことも含まないこともあり得る。1つ以上の膜の予熱は、1つ以上の膜が外面の輪郭に適合し、外面の周囲に形状嵌合し、他の1つ以上の膜シートに接合し、電極プレートスタックの1つ以上の表面に接合するように、またはこれらの何れかの組み合わせが実現されるように、膜を軟化させ得る。予熱がより一層有利であることが証明され得るのは、膜の装着前にスタックの外側が予熱されていなかった場合である。予熱は、膜の装着前のスタックの外側の予熱を補完し得る。この熱の印加は、直接または間接的に行われ得る。この熱源は、1つ以上の膜から遠ざけられ得る。この温度は、1つ以上の膜の融点未満であり得る。この温度は、1つ以上の膜の軟化点(ガラス転移温度)以上であり得る。この熱源は、この1つ以上の膜が軟化して外面の形状に適合可能になる温度まで、この1つ以上の膜を予熱し得る。1つ以上の外面、1つ以上の膜シート、またはこの両方、の予熱は、1つ以上の熱源によって行われ得る。1つ以上の熱源は、熱を印加するために機能し得る。1つ以上の熱源は、1つ以上の乾式熱源、湿式熱源、またはこの両方、を含み得る。1つ以上の熱源として、対流ヒータ、輻射ヒータ、またはこの両方の組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上の例示的熱源として、1つ以上の熱線銃、赤外線ヒータ、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上の膜は、予熱された膜、予熱されていない(例えば、周囲温度の)膜、またはこの両方、を含み得る。膜の装着は、当該膜による電極プレートスタックの周囲の膜の形成を可能にし得る。1つ以上の膜は、1つ以上の外面の周囲にぴったり装着され得る。ぴったり装着されるとは、形状嵌合、接合、対向輪郭の形成、同様のこと、またはこれらの組み合わせ、を意味し得る。ぴったり装着されるとは、オーバーモールドを意味し得る。1つ以上の膜シートの装着は、電極プレートスタック内の真空引きを含み得る。真空は、1つ以上の膜シートを1つ以上の外面に向けて内側に引き込むこと、1つ以上の外面の1つ以上の輪郭に適合させること、1つ以上の外面に形状嵌合させること、またはこれらの何れかの組み合わせ、を可能にし得る。
【0036】
組み立ては、電解液の組み込みを含み得る。1つ以上の電気化学セルが電解液で充填され得る。バッテリ組立体の電気化学セルの全てまたは一部が電解液で充填され得る。バッテリ組立体の充填は、1つ以上のポートから1つ以上のベントおよび/またはチャネルへの電解液の流入、1つ以上のベントから1つ以上のチャネルへの電解液の流入、1つ以上のチャネルおよび/またはベントから1つ以上の開口部、1つ以上のチャネル、開口部への電解液の流入、および/またはベントから1つ以上の電気化学セルへの電解液の流入、を含み得る。充填は、真空下で行われ得る。充填は、バッテリ組立体の内部が大気圧未満であるときに、バッテリ組立体を1つ以上の流体で充填することを含み得る。大気圧未満は、排出によって達成され得る。大気圧未満は、真空下での充填と見做され得る。真空は、1つ以上の流体で充填しているときに、同時に真空引きを行うための真空室下の複数の個別ポートを含み得る。その際、単一ポートが真空ポート(例えば、排出部)および充填ポート、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、として利用される。バッテリ組立体は、参照によってそれぞれの全体が本願明細書に組み込まれるものとする国際公開第2013/062623号および米国特許第10,141,598号に開示されているような電解液で充填される。バッテリ組立体に真空下で電解液を充填するための例示的解決策が、参照によってそれぞれの全体が本願明細書に組み込まれるものとする米国特許出願公開第2014/0349147号および第2017/0077545号に開示されている。
【0037】
組み立ては、バッテリ組立体の充電を含み得る。電荷の供給は、バッテリ組立体を動作可能にし得る。バッテリ組立体は、電気化学セルを含む回路を形成するように、電源に取り付けられ得る。電源は、組立体の端子に固着され得る。充電中、電気化学セルは、放電時とは逆方向に、電子およびイオンを流し得る。バッテリ組立体は、その後、動作中に外部負荷およびコンシデレーションに放電され得る。バッテリ組立体は、その耐用寿命に達するまで、充電および放電が複数回行われ得る。その後、耐用寿命の最後に、バッテリ組立体は分解され、再び分解および組み立てプロセスにかけられ得る。
【0038】
<バッテリ組立体>
本開示のバッテリ組立体は、全般的にバッテリ組立体に関し、バイポーラバッテリ組立体としての用途に特に有用であり得る。このバッテリ組立体は、何れか適した化学的性質を有し得る。このバッテリ組立体の化学的性質は、1つ以上の鉛酸蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、亜鉛電池、アルミニウム電池、ナトリウムイオン電池、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、を提供し得る。換言すると、本願明細書に開示されている教示は、種々のバッテリの化学的性質にわたって適用可能であり得る。バッテリ組立体は、新規、中古、および/または再生、バッテリ組立体であり得る。新規とは、全ての構成要素が一度も使用されていない(例えば、放電されていない、バッテリ組立体の一部が動作中でない)ことを指し得る。中古とは、バッテリ組立体が少なくとも1回使用されたこと(例えば、少なくとも1回の充電および放電サイクル)を意味し得る。再生とは、バッテリ組立体の1つ以上の構成要素が以前、中古バッテリ組立体の一部であったこと、バッテリ組立体の1つ以上の構成要素が回収されたこと、またはこの両方であること、を意味し得る。中古バッテリ組立体は、再生バッテリ組立体と同じことも、異なることもあり得る。換言すると、再生バッテリ組立体の構成要素の大多数または少数が同じ、ただし回収後の、中古バッテリ組立体からのものであり得る。例えば、再生バッテリ組立体は、回収された構成要素を有する単一または複数の電気化学セルを有し得る。別の例として、バッテリ組立体の大多数または全ての電気化学セルは、以前使用されていた同じバッテリから、または他の複数の中古バッテリから、回収された1つ以上の構成要を利用し得る。バッテリ組立体は、部分および/またはフルバッテリパックであり得る。1つのバッテリパックは、このパックを形成する複数の電気化学セル、複数のバッテリユニット、またはこの両方、であり得る。バッテリ組立体は、1つ以上のバッテリユニットを含み得る。複数のバッテリユニットは、同じまたは異なるサイズ、使用年数、化学的組成、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、であり得る。1つのバッテリユニットは、1つの電極プレートスタック、1つの電気化学セル、またはこれらの組み合わせ、であり得る。バッテリ組立体は、複数の電極プレートから成るスタックを1つ以上含み得る。複数の電極プレートは、1つ以上の双極プレート、単極プレート、デュアルポーラープレート、エンドプレート、またはこれらの何れかの組み合わせ、を含み得る。スタックは、隣接し合う電極プレート対の間に配置されたセパレータと電解液とを含み得る。電解液は、電気化学セルを形成するために、アノードおよびカソードと連携し得る。バッテリ組立体は、1つ以上のチャネルを含み得る。1つ以上のチャネルは、1つ以上の電極プレート、電解液、セパレータ、またはこれらの組み合わせ、を横断方向に貫通し得る。1つ以上のチャネルは、横断チャネルと称され得る。1つ以上のチャネルは、開口部、インサート、またはこの両方、によって形成され得る。1つ以上の開口部、インサート、またはこの両方は、1つ以上の電極プレート、セパレータ、またはこの両方、の一部であり得る(例えば、取り付けられている、一体化されている)。1つ以上のチャネルは、そこを通過する液体電解質から密封され得る。この1つ以上のチャネルを通って1つ以上の流体が循環し得る。この1つ以上の流体は、酸洗、形成、充電、放電、またはこれらの何れかの組み合わせ、の間、バッテリ組立体の温度制御に役立ち得る。
【0039】
バッテリ組立体は、複数の電極プレートを含み得る。これら電極プレートは、双極プレート、単極プレート、デュアルポーラープレート、エンドプレート、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、として有用であり得る。1つの電極プレートは、1つ以上の電極として機能し得る、または1つ以上の電気活性物質を含み得る、または電気化学セルの一部であり得る、または1つ以上の封止構造の一部を形成し得る、またはこれらの何れかの組み合わせであり得る。複数の電極プレートは、電流(すなわち、イオンおよび電子の流れ)をバッテリ組立体の内部で伝導するために機能し得る。複数の電極プレートは、1つ以上の電気化学セルを形成し得る。例えば、セパレータおよび/または電解液をその間に有し得る一対の電極プレートが電気化学セルを形成し得る。バッテリの所望の電圧を提供するために、存在させる電極プレートの数を選択できる。バッテリ組立体の設計は、生成可能な電圧の融通性をもたらす。複数の電極プレートは、何れか所望の横断面形状を有することができる。この横断面形状は、使用環境において利用可能なパッケージングスペースに合わせて設計可能である。横断面形状とは、基板の各面の観点からのプレートの形状を指し得る。横断面形状およびサイズに融通性があると、バッテリが使用されるシステムの電圧およびサイズのニーズに合わせて、開示されている組立体を作製できる。この1つ以上の電極プレートは、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとするPCT/US2018/033435号に記載されているような、非平面構造を1つ以上含み得る。
【0040】
電極プレートは、1つ以上の活物質(すなわち、アノード、カソード)を片面または両面に有する基板を含み得る。1つ以上の双極プレートは、アノードを一面に有し、カソードを反対側の面に有する基板を含む。1つの単極プレートは、一面に蒸着されたアノードまたはカソードのどちらかを含み得る。1つの単極プレートは、活物質を有する面とは反対側の面に活物質がなくてもよい。1つ以上のスタックの両端に第1単極プレートおよび第2単極プレートが配置され得る。第1単極プレートおよび第2単極プレートの間に、双極プレート、デュアルポーラープレート、またはこの両方、が配置され得る。バッテリ組立体は、第1エンドプレートおよび第2エンドプレートなど、1つ以上のエンドプレートを含み得る。1つ以上のエンドプレートは、スタックの1つ以上の端部に取り付けられる。この1つ以上のエンドプレートを1つ以上の単極プレートにし得る、またはこれら単極プレートから分離させ得る。例えば、第1エンドプレートは、第2エンドプレートとは反対側のスタックの端部に取り付けられ得る。1つ以上のエンドプレートは、バッテリ組立体の真空引き中、バッテリ組立体の充填中、バッテリ組立体の充電および/または放電サイクルにおける動作中、またはこれらの何れかの組み合わせにおいて、1つ以上の電極プレートを補強するために特に有用であり得る。1つ以上のエンドプレートおよび/または単極プレートは、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとする米国特許第10,141,598号に開示されているような、内部補強構造を有し得る。1つ以上の電極プレートは、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとする国際公開第2018/0213730号に開示されているような、1つ以上の特徴を有し得る。
【0041】
1つ以上の電極プレートは、1つ以上の基板を含み得る。1つ以上の基板は、カソードおよび/またはアノードのための構造的支持をもたらすために機能し得る、更には、隣接し合う電気化学セルの間での電解液の流れを防止するように、セル隔壁として機能し得る、更には、バッテリの外面に存在し得る双極プレートの縁部の周囲に、電解液を通さない封止を形成するために、他のバッテリ構成要素と連携し得る、更に、一部の実施形態においては、電子を一方の表面からもう一方の表面に透過させるために機能し得る。基板は、機能またはバッテリの化学的性質に応じて、種々の材料から形成可能である。基板は、所望のバイポーラ電極プレートのバックボーンを提供するために構造的に十分に堅牢な材料から形成され得る。この材料とは、バッテリ構造に使用されている何れかの導電性材料の融点を超える温度に耐えられ、更には、基板が電解液との接触によって劣化しないように、電解液(例えば、硫酸溶液)との接触中に高い化学的安定性を有する、材料である。基板は、適した材料から形成され得る、および/または、基板の一面から反対側の基板面への電気の伝達を可能にするように構成される。基板は、導電性材料、例えば金属材料、から形成され得る、または非導電性材料から形成可能である。例示的非導電性材料として、熱硬化性ポリマー、エラストマーポリマー、または熱可塑性ポリマー、またはこれらの何れかの組み合わせなど、1つ以上のポリマーが挙げられ得る。非導電性基板は、その内部に、またはその上に、構築された導電性の特徴を有し得る。採用され得る高分子材料の例として、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、(ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、および低密度ポリエチレンを含む)ポリエチレン、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、バイオベースプラスチック/バイオポリマー(例えば、ポリ乳酸)、シリコーン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、または、PC/ABS(ポリカーボネートとアクリロニトリルブタジエンスチレンとの混合)など、これらの何れかの組み合わせ、が挙げられる。複合基板が利用され得る。複合基板は、当該技術分野において周知の繊維または充填材などの補強材、熱硬化性コアおよび熱可塑性シェルなど、2つの異なる高分子材料、または熱硬化性ポリマーの周囲の熱可塑性縁部、または非導電性ポリマーに配設された導電性材料、を含み得る。基板は、接合可能な、好ましくは溶融接合可能な、熱可塑性材料をプレートの縁部に備え得る、または有し得る。
【0042】
1つ以上の電極プレートは、1つ以上のフレームを含み得る。1つ以上のフレームは、電極プレートの積み重ね、電気化学セルの形成、電気化学セル内の電解液の封止、および同様のこと、を容易にし得る。1つ以上のフレームは、少なくとも部分的に、または全体が、1つ以上の基板の周囲に配置され得る。1つ以上のフレームは、1つ以上の基板から分離され得る、または1つ以上の基板に一体化され得る。例えば、フレームは、基板の周囲に一体化されて配置され得る。1つ以上のフレームは、隆起縁部でもよい。隆起縁部は、積み重ねを容易にし得る。1つの隆起縁部は、電極プレート(例えば、基板)の2つの対向面のうちの少なくとも一方から突出する隆起縁部であり得る。隆起縁部の1つ以上の側面は、隣接する電極プレートのフレームまたはセパレータと嵌合するように、1つ以上の窪みを含み得る。フレームは、セパレータとして機能し得る。フレームは、熱可塑性材料などの非導電性材料で構成され得る。非導電性材料の使用は、バッテリスタックの外面周りの封止を向上させ得る。フレームは、基板の材料と同じ、または異なる、熱可塑性材料製にし得る。電極プレートのフレーム、エンドプレート、またはこの両方、はセパレータのフレームに適用可能な特性と同様の特性を有し得る。適した1つ以上のフレームおよび縁部封止が、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとする国際公開第2020/0243093に開示されている。1つ以上のフレームは、1つ以上のセル封止と連携し得る、または1つ以上のセル封止に置換され得る。
【0043】
バッテリ組立体は、1つ以上のセル封止を備え得る。1つ以上のセル封止は、電解液と動作中に放出されたガスとがセルからバッテリの外部に漏洩することを防止し得る、またはセルを互いに切り離し得る、またはこの両方を行い得る。1つ以上のセル封止は、隣接し合う基板、フレーム、またはこの両方、の間に配置され得る。例えば、セル封止は、隣接し合うフレームの間に配置され得る。1つ以上のセル封止は、1つ以上の電気化学セルの周囲に配置され得る。1つ以上のセル封止は、1つ以上の外側封止、内側封止、またはこの両方、によって形成され得る、またはこれらから分離され得る。外側封止として、縁部封止、膜、および/またはケーシング、が挙げられ得る。内側封止は、1つ以上の封止用特徴を含み得る。1つ以上のセル封止は、圧縮によって所定位置に保持され得る。1つ以上のポストおよび重なり部分によって付与される圧縮は、1つ以上のセル封止を保持および/または圧縮する圧縮力を電極プレートのスタックに加え得る。1つ以上のセル封止は、1つ以上のガスケットを含み得る。1つ以上のガスケットは、剛性、弾性、またはこの両方、でもよい。1つ以上のセル封止は、電解液との接触に適切であり得る。1つ以上のガスケットとして、1つ以上の同時成形された適合可能な特徴(molded-in compliable features)、液体ガスケット、フラットガスケット、Oリング、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上のセル封止は、非金属、半金属、および/または金属材料で構成され得る。1つ以上のセル封止は、1つ以上の高分子材料で構成され得る。
【0044】
1つ以上の電極プレートは、1つ以上の封止部材を含み得る。この1つ以上の封止部材は、一体化された内側セル封止をもたらすように、他の1つ以上の封止部材と連携して1つ以上の電気化学セルからのガスおよび液体電解質の漏洩を防止するために、または、スタックを形成するために1つ以上の電極プレートと別の電極プレートとの位置合わせを助けるために、またはこの両方を行うために、機能し得る。この1つ以上の封止部材は、液密および気密の内側セル封止を引き続きもたらしながら、組み立てと他の1つ以上の封止部材からの分解とを繰り返し行える点で有利であり得る。1つ以上の封止部材は、バッテリ組立体が1つ以上の、または何れかの、外側封止がなくてもよいように、十分なセル封止をもたらし得るので、有利であり得る。1つ以上の封止部材は、内側セル封止をもたらすために必要とされる何れか適したサイズ、形状、および/または構成、を有し得る。内側セル封止は、1つ以上の電極プレート、フレーム、またはこの両方、の周囲に配置されている、または隣接し合う電極フレームおよび/またはセパレータの間に配置されている、またはこれらの組み合わせである、と規定され得る。1つ以上の封止用特徴は、1つ以上のタブ、フィンガ、ティースポスト(teeth post)、ウェル(well)、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、として形成され得る。1つ以上の封止用特徴は、部分的に、またはほぼ、台形プリズム、不等辺四角形プリズム、矩形プリズム、円筒体、ピラミッド、錐体、正四面体、三角柱、立方体、球体、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、である、三次元形状を有し得る。1つ以上の封止用特徴は、部分的に、またはほぼ、台形、不等辺四角形、矩形、正方形、三角形、円形、斜方形、楕円形、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、である二次元形状を有し得る。二次元形状とは、フレームの外周面に平行な、スタックの縦軸に平行な、またはこの両方である、平面に関し得る。三次元形状および/または二次元形状は、ベースの方が広く、端部の方が狭い(例えば、先細る、狭まる)形状である。ベースは、フレームおよび/または基板に密接した、固着された、あるいは一体化された、部分であり得る。狭まる形状は、他の1つ以上の封止部材との位置合わせおよび嵌め込みに役立ち得る。1つ以上の封止部材は、1つ以上の突起、窪み、またはこの両方、を含み得る。1つ以上の窪みは、1つ以上の突起を収容するように、および/または1つ以上の突起に対向するように、構成され得る。1つ以上の窪みは、電極プレートのフレーム、基板、またはこの両方、に形成され得る。1つ以上の突起は、電極プレートのフレーム、基板、またはこの両方、に固着および/または一体化され得る。固着とは、1つ以上の接着剤および/または締結具(例えば、ねじ付きスタッド、ねじ)による固定、インサート成形、成形、またはこれらの組み合わせ、であり得る。1つ以上の窪みは、1つ以上の雌封止部材と称され得る。1つ以上の突起は、1つ以上の雄封止部材と称され得る。1つ以上の雄封止部材は、内向き面から延在し得る。内向き面とは、隣接する電極プレート、基板、またはこの両方、に面する面であり得る。積み重ね時、個々の電極プレートの1つ以上の雄封止部材は、別の個々の電極プレートの1つ以上の雌封止部材に位置合わせされて嵌め込まれ得る。1つ以上のポストなどによる圧縮力の付与によって、1つ以上の雄封止部材は、1つ以上の雌封止部材と(例えば、圧縮による)締まり嵌めを形成し得る。1つ以上の雄封止部材は、1つ以上の雌封止部材の幅と等しい、またはそれより僅かに大きい、幅を有し得る。幅は、フレームおよび/または基板の内向き面に平行に測定され得る。締まり嵌めは、圧力嵌め、焼き嵌め、またはこの両方、であり得る。締まり嵌めは、分解および組み立ての容易さおよび繰り返しを可能にし、封止部材の一体性を維持しながら、密な封止を繰り返し提供できる嵌合関係を提供する上で有利であり得る。1つ以上の雄封止部材は、積み重ねおよび/または圧縮前は、隣接する電極プレートに向かって延在し得る、あるいは積み重ねおよび/または圧縮中および/または後は、隣接する電極プレートの中に配置され得る、あるいはこの両方であり得る。1つ以上の雄封止部材は、基板に対して斜めに延在し得る。1つ以上の雄封止部材は、基板に対して略鋭角、垂直、または鈍角、の角度で延在し得る。1つ以上の封止部材は、フレーム、基板、またはこの両方、の周囲に連続的、不連続的、等間隔、ランダム間隔、またはこれらの組み合わせ、で存在し得る。1つ以上の封止部材は、液体電解質からの封止をもたらすために適切な材料製にし得る。1つ以上の封止部材は、ほぼ剛性、可撓性、弾性、またはこれらの組み合わせ、にし得る。1つ以上の封止部材は、耐薬品性を有する材料製にし得る。1つ以上の封止部材は、電極プレートの基板、フレーム、またはこの両方と同じ、または異なる、材料製にし得る。1つ以上の封止部材は、1つ以上のポリマーなど、1つ以上の非導電性材料で構成され得る。この1つ以上のポリマーとして、1つ以上の熱可塑性ポリマー、エラストマーポリマー、熱硬化性ポリマー、またはこれらの組み合わせ、が挙げられ得る。高分子材料の例として、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、が挙げられ得る。
【0045】
1つ以上の電極プレートは、1つ以上の活物質を含み得る。この1つ以上の活物質は、電極プレートのカソード、アノード、またはこの両方、として機能し得る。この1つ以上の活物質は、アノード、カソード、またはこの両方、として機能するために、バッテリに一般に使用されている何れかの形態にし得る。双極プレートは、カソードとして機能する1つ以上の活物質を一面に、およびアノードとして機能する1つ以上の活物質を反対側の面に有し得る。単極プレートは、カソードまたはアノードとして機能する1つ以上の活物質を一面に有し得るが、反対側の面にはアノードおよびカソードの両方がない。デュアルポーラープレートは、カソードまたはアノードとして機能する1つ以上の活物質を一面に有し得る一方で、カソードまたはアノードとしても機能する同様の1つ以上の活物質が反対側の面に存在する。1つの電極プレートのカソードは、別の電極プレートのアノードに対向し得る。カソードは、1つ以上の正極活物質(PAM)と称され得る。アノードは、1つ以上の負極活物質(NAM)と称され得る。この1つ以上の活物質として、同じ電気化学セルの電解液、対向する1つ以上の活物質、またはこの両方、との電気化学反応を助長する何れか適した活物質が挙げられ得る。この1つ以上の活物質は、電解液との還元および/または酸化反応を有するように選択され得る。
【0046】
この1つ以上の活物質は、鉛酸蓄電池、リチウムイオン電池、および/またはニッケル水素電池を含む、二次電池に一般に使用されている1つ以上の材料を備え得る。この1つ以上の活物質として、リチウム、鉛、炭素、グラファイト、ニッケル、アルミニウム、または遷移金属、の複合酸化物、硫酸化合物、またはリン酸化合物、が挙げられ得る。複合酸化物の例として、LiCoOなどのLi/Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi/Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi/Mn系複合酸化物、およびLiFeOなどのLi/Fe系複合材料、が挙げられる。遷移金属およびリチウムの例示的リン酸および硫黄化合物として、LiFePO、V、MnO、TiS、MoS、MoO、PbO、AgO、NiOOH、FeSO、NaSO、MgSO、および同様のもの、が挙げられる。例えば、鉛酸蓄電池では、1つ以上の活物質は、二酸化鉛(PbO2)、三塩基性酸化鉛(3PbO)、三塩基性硫酸鉛(3PbO・3PbSO4)、四塩基性酸化鉛(4PbO)、四塩基性硫酸鉛(4PbO・4PbSO4)、またはこれらの何れかの組み合わせ、であり得る、またはこれらを含み得る。この1つ以上の活物質は、この1つ以上の活物質を電気化学セルのカソード、アノード、またはこの両方、として機能させる何れかの形態であり得る。例示的形態として、成形品、ペースト状、事前製作されたシートまたはフィルム、スポンジ、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられる。例えば、1つ以上の活物質は、海面状鉛を含み得る。海面状鉛は、その多孔性の故に、有用であり得る。1つ以上の適した活物質および/またはその形態が、参照によりそれぞれの全体があらゆる目的のために本願明細書に組み込まれるものとする国際公開第2018/0213730号および国際公開第2020/0102677号に記載されている。
【0047】
バッテリ組立体は、1つ以上の電気化学セルを含み得る。電気化学セルは、一対の対向する電極プレートとその間のアノードおよびカソードの対向対とで形成され得る。1つ以上の電気化学セルが封止され得る。電気化学セルの空間(すなわち、アノードおよびカソードの対向対の間)は、電解液を収容し得る。電気化学セルは、1つ以上のチャネル、電極プレートの1つ以上の縁部、またはこの両方、の周囲に形成された1つ以上の封止によって封止され得るので、閉じられた電気化学セルを形成し得る。閉じられた電気化学セルは、セルからの漏洩およびセルの短絡を防止するために、環境から密封され得る。
【0048】
バッテリ組立体は、電解液を含み得る。電解液は、アノードとカソードとの間での電子およびイオンの流れを可能にし得る。電解液は、電気化学セルの中に配置され得る。1つ以上の電気化学セルが封止され得るので、電解液は液体電解質でもよい。電解液は、使用されているアノードおよびカソードとの電気化学反応を容易にする任意の液体電解質とすることができる。電解液は、電気化学セルのセパレータを通り抜けることができ得る。電解液は、水性または有機系にすることができる。適した1つ以上の電解液は、バッテリ組立体の外側への漏洩を防止するために、1つ以上の膜、フレーム、一体化された縁部封止、封止、同様のもの、またはこれらの組み合わせ、によって、封止され得る。適した形態の電解液が、参照によってそれぞれの全体が本願明細書に組み込まれるものとする国際公開第2013/062623号、国際公開第2018/213730号、および国際公開第2020/243093号、国際公開第2020/102677号、および米国特許第10,141,598号に開示されている。
【0049】
バッテリ組立体は、1つ以上のセパレータを含み得る。この1つ以上のセパレータは、電気化学セルを区切る(すなわち、1つの電気化学セルのカソードを1つの電気化学セルのアノードから分離する)ために、あるいはデンドライト形成の故のセルの短絡を防止するために、あるいは液体電解質、イオン、電子、またはこれら要素の何れかの組み合わせ、を通過させるために、あるいは、これらの何れかの組み合わせのために、機能し得る。上記機能のうちの1つ以上を実現する何れか公知のバッテリセパレータが本発明の組立体に利用され得る。1つの電気化学セルのアノードとカソードの間に、1つ以上のセパレータが配置され得る。1つ以上のセパレータは、一対の隣接し合う電極プレートの間に配置され得る。これは、双極プレートの間、または双極プレートと単極プレートとの間、を含み得る。これらセパレータは、1つ以上のエンドプレート、電極プレート、他のセパレータ、またはこれらの何れかの組み合わせ、の周囲および/または内部に取り付けられ得る。これらセパレータは、1つ以上の電極プレートの1つ以上のフレームに向かって延在し得るが、1つ以上のフレームの内周の中に配置され得る。これらセパレータは、隣接するカソードおよびアノードの面積と同じかそれより大きい断面積を有し得る。セパレータは、セルのカソード部分をセルのアノード部分から完全に分離し得る。セパレータの各縁部は、隣接する電極プレートの周縁に接触してもしなくてもよい。この周縁は、フレームの内向面であり得る。あるいは、セパレータは、電極プレートのフレームと同様のフレームを含み得る。セパレータのフレームは、電極プレートの隣接フレームに位置合わせされて積み重ねられ得る。1つのセパレータは、1つ以上のシートとして形成され得る。1つのセパレータは、1つ以上のトランスファシートを含み得る、または1つ以上のトランスファシートから分離され得る。1つ以上のトランスファシートは、1つ以上のセパレータの代わりに、または1つ以上のセパレータと組み合わせて、使用され得る。セパレータとの併用、またはセパレータとしての使用、に適した例示的トランスファシートが、参照によりそれぞれの全体があらゆる目的のために本願明細書に組み込まれるものとする、国際公開第2018/0213730号および国際公開第2020/0102677号に記載されている。
【0050】
セパレータの1つ以上のシートは、非導電性でもよい。非導電性であることによって、活物質間の分離が容易になる。1つ以上の非導電性材料を無機、有機、またはこの両方、にし得る。有機材料として、綿、ゴム、アスベスト、木材、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上の無機材料として、1つ以上のポリマー、ガラス、セラミック、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上のポリマーとして、1つ以上のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、イオンゲル、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上のシートは、不織繊維、織繊維、フィルム、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって形成され得る。例えば、1つ以上のシートは、吸収性ガラスマット(AGM)でもよい。別の例として、このシートは、多孔質の超高分子量ポリオレフィン膜でもよい。シートは、多孔質でもよい。細孔は、電解液、イオン、電子、またはこれらの組み合わせ、のセパレータの通過を可能にし得る。細孔は、シートの厚さをほぼ直線状に、または蛇行して、またはこれらの組み合わせで、貫通し得る。シートは、厚さを有する。この厚さは、シートの外面間の距離として測定され得る。これら外面は、隣接するアノード、カソード、またはこの両方、に対向する、またはほぼ平行な、またはこの両方である、面であり得る。その厚さは、バッテリ組立体のエネルギーおよび電力密度を助長するために適切であればよい。バッテリ組立体全体のサイズに基づき、適切な厚さが選択され得る。シートの厚さは、約10μm以上、約25μm以上、約100μm以上、または約500μm以上、であり得る。シートの厚さは、約1cm(10,000μm)以下、約0.5cm(5,000μm)以下、約0.3cm(3,000μm)以下、または約0.1cm(1,000μm)以下、であり得る。例えば、シートの厚さは、約500μm~約0.3cmであり得る。シートの厚さは、シートの全体または一部にわたって一様または可変であり得る。可変厚は、セパレータに形成された1つ以上のトラフに起因し得る。
【0051】
1つ以上の電極プレート、エンドプレート、セパレータ、またはこれらの組み合わせ、が1つ以上の開口部を含み得る。この1つ以上の開口部は、取り付け機構を貫通させるための開口部を提供するために、または1つ以上の電極プレート、セパレータ、エンドプレート、および/またはインサートと連携して1つ以上のチャネルの一部を形成するために、または1つ以上の封止を収容する、または1つ以上の封止の一部となる、ために、または1つ以上のポストを収容するために、またはバッテリ組立体の真空引き、充填、および/または通気を可能にするために、または1つ以上のチャネル経由の流体の循環をもたらすために、または1つ以上の導電性材料を保持するために、またはこれらの何れかの組み合わせのために、機能し得る。この1つ以上の開口部は、所望の機能の任意の組み合わせをもたらすために、任意のサイズ、形状、および/または構成、を有し得る。この1つ以上の開口部は、1つ以上の電極プレート、エンドプレート、および/または基板、の開口部および/または穴の上記特徴の何れかの組み合わせを有し得る。1つ以上のチャネルを形成するように、1つ以上の電極プレート、エンドプレート、および/またはセパレータ、の1つ以上の開口部が他の1つ以上の電極プレート、エンドプレート、および/またはセパレータ、の1つ以上の開口部に位置合わせされ得る(すなわち、同心であり得る)。位置合わせは、横断方向で行われ得る。横断方向とは、基板および/またはセパレータの面にほぼ垂直な方向、バッテリ組立体の長さを横切る方向、バッテリ組立体の縦軸に平行な方向、またはこれらの組み合わせ、を意味し得る。横断方向は、カソードおよび/またはアノードが蒸着され得る基板の相対する面にほぼ垂直であり得る。横断とは、1つ以上の開口部の横断面の一般幅、直径、またはこの両方、が基板および/またはセパレータの一面にほぼ平行であることを意味し得る。電極プレート、エンドプレート、および/または基板、の1つ以上の開口部は、隣接し得る別の電極プレート、エンドプレート、および/またはセパレータ、の1つ以上の開口部と同様の形状および/またはサイズを有し得る。この1つ以上の開口部は、取り付け機構を収容するために、ポストを収容するために、またはインサートと連携するために、または開口部の所望の機能の何れかの組み合わせのために、機能する断面形状を有し得る。この1つ以上の開口部は、略矩形、円形、三角形、楕円形、卵形、またはこれらの何れかの組み合わせ、であり得る。この1つ以上の開口部は、1つ以上の取り付け機構、1つ以上のポスト、1つ以上の弁、またはこれらの何れかの組み合わせ、を収容するために十分な断面幅を有し得る。これら開口部は、機械加工(例えば、フライス切削)され得る、または基板の製作中に形成され得る(例えば、成形または造形作業によって)、または別様に製作され得る。これら開口部は、直線状の、および/または滑らかな、内壁または内面を有し得る。基板に形成された開口部のサイズおよび頻度は、バッテリの抵抗力に影響を及ぼし得る。1つ以上の開口部は、同じエンドプレート、および/または隣接する電極プレート、に形成された1つ以上の開口部の直径と同じ、それより小さい、または大きい、断面幅を有し得る。1つ以上の開口部の断面幅は、1つの開口部の長さに沿って連続し得る、先細りし得る、または拡大し得る。1つ以上の開口部の断面幅は、1つ以上のポスト、ロッド、流体、電解液、またはこれらの組み合わせ、を通すために適切であり得る。1つ以上の開口部の断面幅は、約0.2mm以上、1mm以上、約3mm以上、または約5mm以上、であり得る。1つ以上の開口部の断面幅は、約30mm以下、約25mm以下、または約20mm以下、であり得る。開口部の断面幅は、開口部の直径と同じであると見做され得る。この1つ以上の開口部は、インサート、ベース、基板、セパレータ、補強構造、リブ構造、またはこれらの何れかの組み合わせ、を部分的または完全に貫通し得る。この1つ以上の開口部は、エンドプレート、電極プレート、セパレータ、またはこれらの組み合わせの周囲に、または周囲に隣接して、内部に、またはこの両方に、配置され得る。この1つ以上の開口部は、エンドプレート、電極プレート、セパレータ、またはこれらの組み合わせ、の周囲に、または周囲の内側に画成された内部に、またはこの両方に、分散され得る。1つ以上の開口部は、1つ以上のリブ構造に隣接して、または2つ以上のリブ構造の間に、またはセルの中に、または1つ以上のインサートに隣接して、または1つ以上のインサートの中に、またはこれらの何れかの組み合わせで、配置され得る。1つ以上の開口部は、反復パターンを形成し得る、または他の1つ以上の開口部と位置合わせされ得る、または他の1つ以上の開口部と互い違いに、または他の1つ以上の開口部からずらして、配置され得る、またはこれらの何れかの組み合わせで、あり得る。電極プレート、エンドプレート、および/または基板、の1つ以上の開口部は、同じ電極プレート、エンドプレート、および/または基板、の他の1つ以上の開口部より大きな直径を有し得る。1つの開口部は、別の開口部の少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、または少なくとも約2.5倍、であり得る。1つの開口部は、別の開口部の約4倍以下、約3.5倍以下、または約3倍以下、であり得る。これら開口部は、1cm当たり少なくとも約0.02開口部の密度で形成され得る。これら開口部は、1cm当たり約4開口部未満の密度で形成され得る。これら開口部は、1cm当たり約2.0開口部から1cm当たり約2.8開口部までの密度で形成され得る。この1つ以上の開口部として、1つ以上の周辺開口部、1つ以上の内部開口部、1つ以上のチャネル開口部、1つ以上の導電開口部、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。
【0052】
1つ以上の開口部は、1つ以上のチャネル開口部を含み得る。1つ以上のチャネル開口部は、1つ以上のチャネルを形成するための、1つ以上の電極プレートの1つ以上の開口部との位置合わせのために、またはバッテリ組立体の通気、充填、および/または通気のための開口部を設けるために、または1つ以上の流体をバッテリ組立体の内部で循環させるための開口部を設けるために、または1つ以上の弁と連携するために、または電極プレートのスタックを圧縮するための1つ以上のポストを収容するために、または1つ以上のチャネル封止を収容するために、またはこれらの何れかの組み合わせのために、機能し得る。スタックを貫通する1つ以上のチャネルを形成するために、1つ以上のチャネル開口部は、1つ以上の電極プレート、エンドプレート、および/またはセパレータ、の1つ以上の開口部および/または穴と横断方向に位置合わせ(すなわち、同心位置合わせ)され得る。1つ以上のチャネル開口部は、他の1つ以上の電極プレート、エンドプレート、および/またはセパレータ、の1つ以上の穴とほぼ等しいサイズを有し得る。1つ以上のチャネル開口部は、1つ以上のポスト、ロッド、流体、またはこれらの組み合わせ、を通し得る何れかのサイズを有し得る。1つ以上のチャネル開口部は、他の1つ以上のチャネル開口部に等しい、またはそれより小さい、または大きい、断面幅または断面積を有し得る。例えば、1つのチャネル開口部は、バッテリの充填、通気、冷却、および/または加熱、を可能にするために、他の1つ以上のチャネル開口部より大きな直径を有し得る。1つ以上のチャネル開口部は、1つ以上の弁に接続され得る、または連通し得る。例えば、他のチャネル開口部より大きな直径を有する1つのチャネル開口部が弁に接続され得る。1つ以上のチャネル開口部の近くの、および/または隣接する、ベースの表面が封止面であり得る。
【0053】
1つ以上の開口部は、1つ以上の導電開口部を含み得る。この1つ以上の導電開口部は、導電性材料、例えば、金属含有材料、で充填され得る。この1つ以上の導電開口部は、1つ以上の電極プレート、エンドプレート、基板、またはこれらの組み合わせ、に形成され得る。この導電性材料は、相変態温度より低いバッテリ組立体の動作温度において、誘電性基板が当該基板の第1面と第2面との間の材料混合物を介した導電性経路を有するように、基板の熱劣化温度未満の温度で相変態する材料にし得る。更に、相変態温度を超える温度において、この導電性材料混合物は、導電性経路を介した導電性を無効にする相変態を起こす。例えば、この導電性材料は、はんだ材料でも、はんだ材料を含んだ材料でもよい。このはんだ材料は、例えば、鉛、錫、ニッケル、亜鉛、リチウム、アンチモン、銅、ビスマス、インジウム、または銀、のうちの少なくとも1つ、または何れか2つ以上の混合物、を備えたはんだ材料である。この導電性材料は、鉛をほぼ含まない(すなわち、多くとも痕跡量の鉛しか含まない)、または機能的に作用する量のみの鉛を含み得る。この材料は、鉛と錫との混合物を含み得る。例えば、錫が多く、鉛が少ない(例えば、約55~約65重量部の錫と約35~約45重量部の鉛とから成る)混合物にし得る。この材料は、約240℃未満、約230℃未満、約220℃未満、210℃未満、または約200℃未満(例えば、約180~約190℃の範囲内)、の溶融温度を示し得る。この材料は、共融混合物を含み得る。開口部の充填のための導電性材料としてはんだを使用することの特徴は、はんだは規定された溶融温度を有し、バッテリの連続動作のために危険であり得る温度で溶融するように、使用するはんだの種類に応じて、溶融温度の調整が可能であることである。はんだが一旦溶融すると、溶融したはんだを含んでいる基板開口部は導電性でなくなり、電極プレート内に開回路が生じる。開回路は、バイポーラバッテリ内の抵抗を劇的に高めるように動作し得るので、更なる電気的な流れを停止させ、バッテリ内の危険な反応をシャットダウンさせ得る。したがって、開口部の充填のために選択される導電性材料の種類は、そのような内部シャットダウン機構をバッテリ内に含むことが所望されるかどうかに応じて、更に、所望される場合は、このような内部シャットダウンの発生を希望する温度に応じて、変わり得る。基板は、所定の条件を超える動作条件の発生時に、基板経由の導電性を妨害してバッテリの動作を無効にするように基板が機能するべく、構成されることになる。例えば、誘電性基板の穴を充填する導電性材料は、基板全体にわたって導電性が妨害されるように、相変態する(例えば、溶融する)ことになる。この妨害の大きさは、基板経由の導電機能を部分的または完全に無効にし得る。1つ以上の導電開口部は、エンドプレート、電極プレート、基板、またはこれらの組み合わせ、の他の1つ以上の開口部よりも小さい、または同じサイズ(例えば、直径)にし得る。1つ以上の導電開口部は、他の1つ以上の開口部(例えば、チャネル開口部、周辺開口部、内部開口部)の直径より約1%以上、5%以上、10%以上、または約25%以上、大きい直径を有し得る。1つ以上の導電開口部は、他の1つ以上の開口部の直径の約75%以下、約50%以下、または約40%以下、の直径を有し得る。
【0054】
1つ以上の電極プレート、エンドプレート、セパレータ、またはこれらの何れかの組み合わせ、は1つ以上のインサートを含み得る。この1つ以上のインサートは、別の電極プレート、エンドプレート、セパレータ、またはこれらの組み合わせ、の1つ以上のインサートに噛み合うように、またはスタックを貫通する1つ以上のチャネルの一部を画成するように、または1つ以上のチャネルに沿って防漏封止を形成するように、または1つ以上の弁と連携するように、または1つ以上のロッドおよび/またはポストのための筐体を設けるように、または流体を貫流させるように、またはこれらの何れかの組み合わせのために、機能し得る。この1つ以上のインサートは、電極プレート、エンドプレート、および/またはセパレータ、の1つ以上のインサートに噛み合うように、またはチャネルの一部を形成するように、または防漏封止を1つ以上のチャネルに沿って形成するように、または1つ以上の弁と連携するように、またはこれらの何れかの組み合わせのために、任意のサイズおよび/または形状を有し得る。この1つ以上のインサートは、電極プレート、エンドプレート、セパレータ、またはこれらの組み合わせ、に一体化され得る、またはこれらに取り付けられ得る。この1つ以上のインサートは、基板、ベース、またはこの両方、に一体化され得る、またはこれらに取り付けられ得る。この1つ以上のインサートは、1つ以上のボスとして形成され得る。エンドプレート(例えば、ベース)、電極プレート(例えば、基板)、および/またはセパレータ、の表面に一体化されてその表面から突出するインサートは、ボスとして画成され得る。この1つ以上のインサートは、圧縮成形、引張成形、型成形、または同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、によって、一体に形成され得る。圧縮成形として、ダイ成形、押出成形、インデンティング、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。成形は、射出成形を含み得る。電極プレート、エンドプレート、および/またはセパレータ、がインサートとフレームの両方、隆起縁部、および/または凹部を有する場合、これらの部分は、例えば射出成形によって、1段階で成形され得る。1つ以上のインサートは、エンドプレート、電極プレート、および/またはセパレータ、の表面から突出して隆起したインサートを1つ以上形成し得る。1つ以上のインサートは、エンドプレートのベース、電極プレートの基板、セパレータの表面、またはこれらの何れかの組み合わせ、から突出し得る。1つ以上のインサートは、ベース、基板、またはこの両方、から1つ以上のリブ構造と同じ方向または反対方向に突出し得る。1つ以上のインサートは、1つ以上のリブ構造、他の1つ以上のインサート、またはこの両方、と同じ高さおよび/または厚さを有し得る。1つ以上のインサートは、ベース、基板、セパレータ、またはこれらの組み合わせ、の表面からほぼ直角または斜めに突出し得る。1つ以上のインサートは、そこを貫通する1つ以上の開口部を有し得る。1つ以上のインサートは、そこを貫通する1つ以上の周辺開口部、内部開口部、チャネル開口部、またはこれらの組み合わせ、を有し得る。1つ以上のインサートは、1つ以上の開口部の周囲に、開口部と同心に形成され得る。1つ以上のインサートは、開口部の長さを延ばし得る(例えば、開口部は、インサート全体を貫通し得る)。1つ以上の開口部の外径と1つ以上のインサートの内部との間に封止面が形成され得る。例えば、インサートと開口部との間に位置するバッテリの縦軸にほぼ垂直なベースおよび/または基板の表面が封止面になり得る。チャネルの周囲に防漏封止を形成するために、1つ以上のインサートは、隣接する電極プレート、セパレータ、および/またはエンドプレート、の1つ以上のインサートと噛み合い可能であり得る。例えば、隣接する電極プレートおよび/またはセパレータのインサート、スリーブ、またはブッシュ、のための嵌合用凹みをインサートとは反対側の面に含めるために、1つ以上のエンドプレートおよび/または電極プレートが機械加工または成形され得る。インサートは、1つ以上の通気孔を含み得る。1つ以上のセパレータのインサートは、1つ以上の通気孔を含み得る。これら通気孔は、1つ以上の電気化学セルと1つ以上のチャネルとの間の連通を可能にし得る。1つ以上の通気孔は、1つ以上の電気化学セルから1つ以上のチャネルへのガスの通過を可能にし得る。更には、1つ以上の電気化学セルから1つ以上のチャネルへの1つ以上の液体(すなわち、電解液)の通過を防止し得る。
【0055】
バッテリ組立体は、1つ以上のチャネルを含み得る。この1つ以上のチャネルは、1つ以上の通気チャネル、充填チャネル、冷却チャネル、および/または加熱チャネルとして機能し得る、または1つ以上のポストを収容し得る、またはバッテリ組立体の内部全体にわたって1つ以上のポストを分散させ得る、または1つ以上のポストまたは他の構成要素との液体電解質の接触を防止し得る、または1つ以上の流体をバッテリ組立体の内部に循環させ得る、またはこれらの何れかの組み合わせを行い得る。この1つ以上のチャネルは、位置合わせされた1つ以上のエンドプレート、電極プレート、および/またはセパレータ、の1つ以上の開口部によって形成され得る。この1つ以上のチャネルは、他の(例えば、隣接する)エンドプレート、電極プレート、および/またはセパレータ、の1つ以上のチャネル開口部と位置合わせされた1つ以上のエンドプレート、電極プレート、および/またはセパレータ、の1つ以上のチャネル開口部によって形成され得る。この1つ以上のチャネルは、一体化された1つ以上のチャネル、横断チャネル、またはこの両方、と称され得る。この1つ以上のチャネルは、1つ以上の電気化学セルを貫通し得る、または1つ以上の電気化学セルの周囲に少なくとも部分的に配置され得る、またはバッテリ組立体の外側コーナーに配置され得る、またはこれらの何れかの組み合わせであり得る。1つ以上の電気化学セルを貫通することによって、この1つ以上のチャネルは、液体電解質、1つ以上の活物質、またはこの両方、も貫通し得る。周囲および/またはコーナーに配置されることによって、1つ以上のチャネルは、液体電解質、1つ以上の活物質、またはこの両方、の周囲に配置され得る、および/または液体電解質、1つ以上の活物質、またはこの両方、に貫通延在し得ない。これらチャネルは、電解液と動作中に放出されたガスとがこれらチャネルに入ることを防ぐために、封止され得る。この目的を達成する任意の封止方法を利用し得る。1つ以上のエンドプレート、電極プレート、およびセパレータの、インサートなどの、1つ以上の封止は、1つ以上のチャネルへの液体電解質の漏洩を防止するように、この1つ以上のチャネルに噛み合って取り囲み得る。この1つ以上のチャネルは、1つ以上の横断チャネルを形成するために、バッテリ組立体を横断方向に貫通し得る。チャネルのサイズおよび形状は、1つ以上のポストの収容を可能にする任意のサイズまたは形状とすることができる。チャネルの断面形状は、円形、楕円形、あるいは正方形、矩形、六角形などの多角形、および同様の形状、にし得る。この断面形状は、1つ以上の開口部および/またはインサートの断面形状によって決定され得る。1つ以上のポストを収容するチャネルのサイズは、使用されるポストを収容するように選択される。チャネルの直径は、1つ以上のチャネルを形成するために位置合わせされる複数の開口部の直径に等しくし得る。この1つ以上のチャネルは、一連の開口部をこれら構成要素に備え得る。形成されたチャネルの中に1つのポストを載置できるように、あるいは冷却および/または加熱のための、通気のための、または液体電解質の充填のための、またはこれらの何れかの組み合わせのための、流体をチャネルで送ることができるように、一連の開口部が配置され得る。1つ以上の流体を貫流させる1つ以上のチャネルは、1つ以上の冷却チャネルと称され得る。電解液および動作中に発生したガスの漏洩を防止するように、更には動作中に発生した圧縮力による構成要素および個々の電気化学セルのための封止の損傷を防止するように、エンドプレートおよび複数のエンドプレートの縁部、電極プレート、および基板を支持するために、チャネルの数が選択される。動作中に発生した圧縮力を分散するように、複数のチャネルが存在し得る。チャネルの数および設計は、封止の疲労強度を超える縁部応力を最小化するために十分である。複数のチャネルの位置は、動作中に発生した圧縮力を分散するように選択される。これらチャネルは、より良好に応力に対処するために、スタック全体に均等に分散され得る。この複数のチャネルは、約2mm以上、約4mm以上、または約6mm以上、の断面サイズを有し得る。チャネルの断面サイズの上限は、実用性によって決定される。サイズが大き過ぎると、組立体の効率が下がる。チャネルは、約30mm以下、約25mm以下、または約20mm以下、の断面サイズを有し得る。
【0056】
バッテリ組立体は、1つ以上のチャネル封止を備え得る。1つ以上のチャネル封止は、電解液と動作中に発生したガスとがセルからチャネルに漏洩すること、または1つ以上のチャネルを通って循環している1つ以上の流体が1つ以上のセルに漏洩すること、またはこの両方、を防止し得る。1つ以上のチャネル封止は、チャネル内に、チャネルの外側の周囲に、ポストの周囲に、またはこれらの組み合わせに、配置され得る。このチャネル封止は、チャネルに挿入される、および/または開口部の中に存在する、エンドプレート、電極プレート、および/またはセパレータ内の1つ以上の膜、スリーブ、ガスケット、ブッシュ、および/または一連の嵌合インサート、とすることができる。1つ以上のガスケットとして、同時成形された適合可能な特徴、硬化に適した液状ガスケット、フラットガスケット、Oリング、および同様のもの、が挙げられ得る。チャネルは、エンドプレート、電極プレート、および/またはセパレータ、に挿入または一体化された一連のスリーブ、ガスケット、ブッシュ、インサート、またはこれらの組み合わせ、によって形成可能である。防漏封止をチャネルに沿って形成するために、1つ以上のチャネル封止は圧縮可能、または噛み合い可能、である。チャネル封止の作製は、電解液、循環する流体、電気化学セルの動作条件、ポストの挿入によって、またはチャネル内のポストによって、加えられる力、またはこれらの組み合わせ、への暴露に耐えられる任意の材料で行うことができる。この1つ以上のチャネル封止は、1つ以上の高分子材料で構成され得る。この1つ以上の高分子材料を、ほぼ剛性、弾性、またはこれらの組み合わせ、にし得る。例えば、1つ以上のスリーブおよび/またはインサートを相対的に剛性にし得る。例えば、1つ以上のガスケット、ブッシュ、および/または膜、をほぼ弾性にし得る。1つ以上のチャネル封止は、1つ以上の基板、シート、活物質、またはこれらの何れかの組み合わせ、とは異なる色を有し得る。色が異なると、1つ以上のチャネル封止が基板、シート、および/または活物質、から視覚的に識別可能になり得る。
【0057】
バッテリ組立体は1つ以上のポストを含み得る。スタックの構成要素の損傷、またはスタックの構成要素の縁部間の封止の離脱、が防止されるように、更にはセパレータ材料にわたって一様な圧縮が保証されるように、更にはセパレータ材料の一様な厚さが保証されるように、スタックの複数の構成要素を一緒に保持するために、1つ以上のポストが機能し得る。1つ以上のポストは、再使用可能であってもなくてもよい。1つ以上の再使用可能なポストは、分解中に除去可能であり、その後、大幅な再処理なしに再使用され得る。1つ以上のポストは、各エンドプレートの封止面など、対向するエンドプレートの外面に係合する重なり部分を各端部に有し得る。この重なり部分は、スタックの構成要素の損傷またはスタックの構成要素の縁部間の封止の離脱を防止するように、更にはバッテリの動作中、スタックの膨張または他の変位を防止するように、両端のエンドプレートの外面に圧力を加えるために機能し得る。重なり部分は、エンドプレートの封止面に接触し得る。スタックは、別個の構造的または保護用末端部を単極エンドプレート上に有し得るので、重なり部分は、構造的または保護用末端部の外面と接触することになる。この重なり部分は、ポストと連携して、構成要素の損傷またはスタックの構成要素の縁部間の封止の離脱を防止する任意の構造とすることができる。例示的な重なり部分として、ボルト頭、ナット、成形ヘッド、無頭釘、コッタピン、シャフトカラー、および同様のもの、が挙げられる。ポストは、スタック全体を貫通する長さであり、その長さは、バッテリの所望容量に基づき変化する。ポストは、チャネルを埋めるような断面形状およびサイズを有し得る。ポストは、1つ以上のチャネルの断面サイズより大きい断面サイズを有し得る。ポストは、1つ以上のチャネルと締まり嵌めを形成し得る。1つ以上のポストは、1つ以上の電気化学セルの液体電解質、活物質、および/または何れかの活性領域、に貫通延在する、および/または貫通延在しない、1つ以上のチャネルの中に配置され得る。電解液および動作中に発生したガスの漏洩を防止するように、更には動作中に発生した圧縮力による構成要素および個々の電気化学セルのための封止の損傷を防止するように、更には封止の疲労強度を超える縁部応力を最小化するように、エンドプレートおよび基板の縁部を支持するために、ポストの数が選択される。複数のポストは、動作中に発生した圧縮力を分散するように、存在し得る。1つ以上のチャネルが冷却チャネル、加熱チャネル、通気チャネル、充填チャネル、またはこれらの組み合わせ、として利用される場合は、ポストの数はチャネルの数より少なくなり得る。例えば、4つのチャネルが存在し、3つのチャネルの内部に1つのポストがそれぞれ配置され、1つのチャネルが冷却チャネル、加熱チャネル、通気チャネル、および/または充填チャネル、として使用され得る。ポストは、成形ポスト、ねじ付きポスト、ラチェット機構、または1つ以上の端部取り付け具を有するポスト、を含むことができる。1つ以上のポストとして、エンドピン、Cクリップ、星形ピン、トグルピン、ボルト、スタッド、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。ポストは、スタックの一部、例えば基板、チャネル内のインサート、および同様のもの、に接合され得る。接合部は、接着剤、または熱可塑性材料などの高分子材料の融合、から形成可能である。これら部品がねじ切りされている場合は、ねじ付きポストを収容するために、スタックの構造部品がねじ切りされる。ポストは、一端にヘッドを有し、他端にナット、無頭釘またはコッタピン用の穴を有することができる、あるいは、ナット、無頭釘またはコッタピン用の穴を両端に有し得る。これは、通常、非成形ポストの場合である。ポストは、短縮可能な、しかし延長は不可能な、一方向ラチェット装置であるように、構成され得る。このようなポストを所定位置に配置すると、スタックが圧縮されるので、ポストは短縮され、スタックに対する圧力を維持する。この実施形態におけるポストは、ポストを結束バンド様の構造の一部として機能させるように、ラチェットを容易にする突起部を有し得る。ポストが所定位置にあるときに複数の隣接プレートを圧縮するように、対応するナットおよび/またはワッシャがポストと共に使用され得る。ナットおよび/またはワッシャは一方向にポストを超えて進み、ナットおよび/またはワッシャがポストに沿って反対方向に移動するのを防止するために、突起部が存在し得る。使用中、ポストに設けられた穴は、記載の機能を実施するために、適切な無頭釘、コッタピン、および同様のもの、を有することになる。ポストが成形される場合、別個に成形することも、所定の位置に成形することもできる。所定位置に成形される場合、溶融プラスチックを所定位置に保持するために、封止がチャネル内に存在する必要がある。ねじ切りされた非導電ポストが使用され得る。これは、必要な封止を提供できる。あるいは、チャネルを封止するように締まり嵌めをチャネル内に形成するために、予備成形される非導電性ポリマーポストが設計され得る。これらポストは、射出成形などの成形によって、所定位置に形成され得る。1つ以上のポストは、1つ以上の基板、シート、活物質、チャネル封止、またはこれらの何れかの組み合わせ、とは異なる色を有し得る。色が異なると、1つ以上のポストが基板、シート、活物質、チャネル封止、またはこれらの何れかの組み合わせ、から視覚的に識別可能になり得る。
【0058】
バッテリ組立体は、1つ以上の弁を含み得る。1つ以上の弁は、バッテリ組立体の内部の真空引き、バッテリ組立体への電解液の充填、1つ以上のチャネルへの流体の充填またはチャネルからの排出、および/または動作中のバッテリ組立体の通気、のために機能し得る。1つ以上の弁として、圧力解放弁、逆止弁、充填弁、安全弁、および同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。組立体は、セルが危険な内圧に達した場合に圧力を解放するために、1つ以上のセルのための圧力解放弁を含み得る。圧力解放弁は、バッテリが使用されているシステムを損傷するような壊滅的故障を防止するように、設計される。圧力解放弁が一旦解放されると、バッテリはもはや機能しない。開示されている組立体は、危険な圧力に達したとき、または達する前に、組立体全体から圧力を解放する単一の逆止弁を含み得る。この1つ以上の弁は、エンドプレート、電極プレート、セパレータ、またはこれらの何れかの組み合わせ、の1つ以上の開口部によって形成された1つ以上のチャネルに接続および/または連通し得る。この1つ以上の弁は、管状部材が貫通する、または管状部材がない、チャネルなど、1つのチャネルに連通し得る。バッテリ組立体は、参照により本願明細書に組み込まれるものとする米国特許出願公開第2014/0349147号に記載されているような弁を1つ以上含み得る。
【0059】
バッテリ組立体は、1つ以上の端子を含み得る。この1つ以上の端子は、電気化学セル内で生成された電子をシステムに送るために、機能し得る。このシステムは、電気の形態で生成された電子を利用する外部負荷などである。この1つ以上の端子は、1つ以上のエンドプレート、1つ以上の電極プレート、膜、および/またはケース、を貫通し得る。この1つ以上の端子は、エンドプレートから外面まで電極プレートを貫通し得る。あるいは、この1つ以上の端子は、エンドプレートの平面に基本的に平行な膜または組立体の周囲のケースの側面を貫通し得る。この端子は、単極プレートのアノードまたはカソードの極性に対応する。正極集電体を有する単極プレートのカソードおよび1つ以上の双極プレートのカソードは、独立した正端子に接続され得る。負極集電体を有する単極プレートのアノードおよび1つ以上の双極プレートのアノードは、独立した負端子に接続され得る。複数の正極集電体は並列に接続され得る。複数の負極集電体は並列に接続され得る。個々の端子は、接続された単一の正端子および接続された単一の負端子のみを露出させて、膜に覆われ得る。
【0060】
バッテリ組立体は、外側封止を含み得る。外側封止は、1つ以上の電気化学セルの外面の周囲を封止するために、更には1つ以上の電極プレートの外縁を保護するために、更には1つ以上の電気化学セルとそこに収容されている液体電解質を切り離すために、またはこれらの何れかの組み合わせのために、機能し得る。1つの外側封止として、縁部封止、膜、ケース、同様のもの、またはこれらの何れかの組み合わせ、が挙げられ得る。1つ以上の縁部封止は、一体化された1つ以上の縁部封止を含み得る。一体化された縁部封止は、1つ以上の電極プレートと一体であり得る。適した1つ以上の縁部封止が、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとする国際公開第2020/0243093号に開示されている。
【0061】
バッテリ組立体は、膜を含み得る。この膜は、1つ以上のエンドプレート、複数の電極プレート、および/または1つ以上のセパレータ、の縁部に接合され得る。この接合は、エンドプレート、電極プレート、およびセパレータ、の縁部を封止して1つ以上の電気化学セルを切り離す任意の手段によって行われ得る。例示的な接合方法として、とりわけ、接着剤接合、溶融接合、振動溶接、RF溶接、およびマイクロ波溶接、が挙げられる。この膜は、エンドプレート、単極プレート、および双極プレート、の縁部を封止できる、且つバッテリが晒される電解液と内部および外部条件とへの暴露に耐えられる、高分子材料のシートでもよい。電極プレートの基板のために有用な同じ材料がこの膜のために利用され得る。この膜は、単極プレートおよび双極プレートの基板の周囲に溶融接合、振動溶接、または成形、可能な熱可塑性ポリマーでもよい。単極基板、双極基板、および膜、のために同じ熱可塑性ポリマーが利用され得る。例示的材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、およびポリエステルであり、ABSが最も好適である。膜は、それが接合されるスタックの側面のサイズにし得る。膜は、スタックの各側面に接合される。隣接し合う膜の縁部は封止され得る。これら縁部の封止は、接着剤、溶融接合、または成形プロセス、を使用して行える。これら膜は、スタックの周囲全体に巻装される単一のシートを備え得る。この封止を完成させるために、膜の前縁、スタックに接触する第1縁部、およびスタックの後縁、装着された膜シートの端部、は互いに接合され得る。これは、接着剤の使用によって、溶融接合または成形プロセスによって、行われ得る。溶融接合では、膜の表面、および/またはスタックの縁部、は、一方または両方の表面が溶融され、その後、表面が溶融しているときに、膜とスタックの縁部とを接触させる条件に晒される。表面が凝固すると、構成要素を一緒に封止できる接合が形成されるので、膜とスタックの縁部とが接合される。膜は、膜材料の一続きのシートから取られ、所望の長さに切断され得る。膜の幅は、単極プレートおよび双極プレートのスタックの高さに一致させ得る。セルを切り離すために、膜は、単極シートおよび双極シートのスタックの縁部を封止するために十分な厚さを有する。膜は、スタックの縁部を取り囲む保護ケースとしても機能し得る。膜の厚さは、約1mm以上、約1.6mm以上、または約2mm以上、であり得る。膜の厚さは、約5mm以下、4mm以下、または約2.5mm以下、であり得る。膜をスタックの縁部に接合するとき、電解液およびセルの動作条件への暴露に耐えられる任意の接着剤が使用され得る。例示的接着剤は、プラスチックセメント、エポキシ樹脂、シアノアクリレート接着剤、またはアクリレート樹脂である。あるいは、膜は、電極プレートのスタックの一部または全体の周囲に熱可塑性材料または熱硬化性材料を成形することによって、形成され得る。熱成形、反応射出成型、射出成形、回転成形、ブロー成形、圧縮成形、および同様のもの、を含む既知の任意の成形方法が使用され得る。この膜は、電極プレートのスタックの一部または全体の周囲に膜を射出成形することによって、形成され得る。膜が電極プレートのスタックの一部の周囲に形成される場合、膜は、電極プレートまたは電極プレートの縁部、およびセパレータ、の周囲に形成され得る。
【0062】
外側封止は、ケースを含み得る。このケースは、膜でもよく、または膜から分離していてもよい。あるいは、この膜は、スタックの端部の単極プレート全体を覆う保護カバーと組み合わせて、バッテリのためのケースとして使用され得る。代わりに、または加えて、周面の周囲で互いに接合された(例えば、溶融接合された)1つ以上の電極プレートおよび/またはセパレータの1つ以上のフレームがケースを形成し得る。単極プレートは、アノードまたはカソードとは反対側の表面に取り付けられた、または接合された、適切な保護カバーを有し得る。このカバーは、膜と同じ材料、または、膜に接着接合または溶融接合可能な材料、にし得る。カバーの厚さは、膜に関して記載されている範囲内とすることができる。プレートの端部に固着される場合、カバーは、重なり部分を有するポストを含む機械的取り付け部によって固着可能である。ケースは、電極プレートのスタック、および/または単極プレートの相対する側面、の周囲に膜を成形することによって形成され得る。
【0063】
<例示的実施形態>
図1は、バッテリ組立体1を形成する複数の電極プレート10から成るスタック5の部分分解図を示す。バッテリ組立体1は、バイポーラバッテリ組立体と認識され得る。両側のエンドプレート12(例えば、第1エンドプレートおよび第2エンドプレート)が図示されている。エンドプレート12は、単極プレート14でもある。エンドプレート12は、内部補強構造16を含む。エンドプレート12は、複数のチャネル開口部18を含む。各チャネル開口部18は、インサート20によって部分的に取り囲まれている。インサート20は、エンドプレート12のベース22から突出している。ベース22は、単極プレート14の基板24でもある。基板24の周囲にフレーム26が配置されている。単極プレート14にセパレータ28が隣接している。セパレータ28は、シート30の形態である。セパレータ28は、複数のチャネル開口部18を更に含む。セパレータ28のチャネル開口部18は、電極プレート10のインサート20を貫通させる。セパレータ28に双極プレート32が隣接している。双極プレート32は、基板24を含む。双極プレート32の基板24は、その周囲にフレーム26を含む。フレーム26は、基板24の周囲に隆起縁部を形成している。双極プレート32は、複数のチャネル開口部18を含む。各チャネル開口部18は、インサート20によって部分的に取り囲まれている。インサート20は、双極プレート32の基板24から突出している。複数の電極プレート10から成るスタック5を貫通する1つ以上のチャネル34を形成するために、単極プレート14および双極プレート32のインサート20と、単極プレート14、双極プレート32、およびセパレータ28のチャネル開口部18とが位置合わせされて噛み合う。
【0064】
図2は、バッテリ組立体を形成する複数の電極プレート10から成るスタック5の部分分解図を示す。両側のエンドプレート12(例えば、第1エンドプレートおよび第2エンドプレート)が図示されている。両エンドプレート12は、単極プレート14にそれぞれ隣接している。両単極プレート14の間に複数の双極プレート32が配置されている。単極プレート14および双極プレート32の各々は、基板24とフレーム26とを含む。これらエンドプレート12、単極プレート14、および双極プレート32は、チャネル34を形成するために位置合わせされるチャネル開口部18を含む。単極プレート14および双極プレート32のチャネル開口部18は、インサート20を含む。チャネル34の周囲に封止を形成するために、これらインサート20は、位置合わせされて噛み合う。ポスト36がチャネル34内に配置されている。ポスト36は、1つ以上のヘッド38(例えば、重なり部分)によって所定位置に固定され得る。ポスト36およびヘッド38は、スタック5を圧迫する。隣接し合う電極プレート10の間にセパレータ28(不図示)が配置され得る。
【0065】
図3は、双極プレート32などの電極プレート10を示す。双極プレート32は、基板24を含む。基板24は、その周囲にフレーム26を含む。フレーム26は、基板24と一体化され得る。基板24の上に、1つ以上の活物質40が配置されている。基板24に隣接してセパレータ28が配置され得る。セパレータ28は、トランスファシート42の形態でもよい。活物質40およびセパレータ28は、チャネル開口部18を含む。基板24から突出する1つ以上のインサート20が活物質40およびセパレータ28のチャネル開口部18を貫通延在する。インサート20は、基板24のチャネル開口部18の周囲に形成されている。
【0066】
図4は、位置合わせされたチャネル開口部18によって形成されたチャネル34に沿ったバッテリ組立体1の断面図である。チャネル34は、複数の電極プレート10から成るスタックを貫通している。基板24とその上に配設されたカソード44とを有する単極プレート14が図示されている。単極プレート14は、基板24の周囲にフレーム26を含む。単極プレート14のカソード44にセパレータ28が隣接している。セパレータ28に双極プレート32隣接している。双極プレート32は、基板24と、その上に配設されたアノード46およびカソード44とを含む。双極プレート32は、基板24の周囲にフレーム26を含む。フレーム26は、隆起縁部48を含む。隆起縁部48は、セルの周囲に封止を形成し、隣接するフレーム26と嵌合するために、突出している。この図では、複数のセパレータ28と交互に積み重ねられた複数の双極プレート32が存在する。スタックの反対側の端部に、別の単極プレート14が存在する。この単極プレート14は、基板24とその上に配設されたアノード46とを有する。電極プレート10のスタックは、電気化学セル50を形成する。これらのセル50にセパレータ28が配置されている。チャネル30は、電気化学セル50を横断方向に貫通する。ポスト36がチャネル30の内部に配設されている。ポスト36は、各端部に形成された、チャネル30を封止する重なり部分38を含む。他の複数のポスト36が他の複数のチャネル30の内部に配置され得る。
【0067】
図5は、2つの電極プレート10の積み重ねを示す。各電極プレート10は、複数の封止部材52を含む。これら封止部材52は、各電極プレート10のフレーム26に形成されている。一方の電極プレート10の封止部材52は、雌封止部材54である。雌封止部材54は、フレーム26の窪みとして形成されている。隣接する電極プレート10の封止部材52は、雄封止部材56である。雄封止部材56は、フレーム26から延在する突起として形成されている。封止部材50は、台形である。雄封止部材56は、雌封止部材54に位置合わせされる。雄封止部材56は、雌封止部材54に嵌まり込む。ポスト(不図示)による圧迫など、追加の力によって、雄封止部材56は、雌封止部材54と締まり嵌めを形成する。これら封止部材52は互いに連携して、一体化された内側セル封止58を電気化学セル50の周囲に形成する。
【0068】
図6は、再生バッテリ組立体であるバッテリ組立体1(不図示)の作製方法を示す。本方法は、中古バッテリ組立体の1つ以上の分解対象部分の特定を含み得る。本方法は、中古バッテリ組立体の1つ以上のセクションの切り離しを含み得る。これらセクションの特定は、特定ステップによって行われても行われなくてもよい。これらセクションは1つ以上の脆弱セクションである場合も、そうでない場合もあり得る。本方法は、中古バッテリ組立体の1つ以上のセクションへの緊締装置の当てがいを含み得る。本方法は、中古バッテリ組立体の1つ以上の部分または全体の分解を含む。本方法は、中古バッテリ組立体の1つ以上の構成要素の回収を含む。本方法は、1つ以上の中古バッテリ組立体から回収された1つ以上の構成要素を使用した再生バッテリ組立体の組み立てを含む。
【0069】
上記出願に記載の何れの数値も、何れかの低い方の値と何れかの高い方の値の間に少なくとも2単位の隔たりがある場合、低い方の値から高い方の値までの全ての値を1単位刻みで含む。これらは、列挙されている最小値と最大値との間の数値の、特に意図された、および可能な全ての、組み合わせの例に過ぎないが、本出願において同様に明示的に記載されていると見做されるべきである。別様に記載されていない限り、全ての範囲は、両端点とこれら端点の間の全ての数値を含む。
【0070】
角度測定を記述するための用語「略(generally)」または「ほぼ(substantially)」は、約+/-10°以下、約+/-5°以下、または約+/-1°以下、を意味し得る。角度測定を記述するための用語「略」または「ほぼ」は、約+/-0.01°以上、約+/-0.1°以上、または約+/-0.5°以上、を意味し得る。線形測定値、百分率、または比率を記述するための用語「略」または「ほぼ」は、約+/-10%以下、約+/-5%以下、または約+/-1%以下、を意味し得る。線形測定値、百分率、または比率を記述するための用語「略」または「ほぼ」は、約+/-0.01%以上、約+/-0.1%以上、または約+/-0.5%以上、を意味し得る。
【0071】
組み合わせを記述するための表現「から基本的に成る(consisting essentially of)は、特定されている要素、成分、構成要素、またはステップと、この組み合わせの基本的且つ新規の特性に実質的に影響を及ぼさない、そのような他の要素、成分、構成要素、またはステップと、を含むものとする。本願明細書に記載の要素、成分、構成要素、またはステップの組み合わせを記述するための用語「を備えた(comprising)」または「を含む(including)」の使用は、これら要素、成分、構成要素、またはステップで基本的に構成される実施形態も考えている。
【0072】
一体化された単一の要素、成分、構成要素、またはステップによって、複数の要素、成分、構成要素、またはステップを提供できる。あるいは、一体化された単一の要素、成分、構成要素、またはステップが複数の個別の要素、成分、構成要素、またはステップに分割され得る。1つの要素、成分、構成要素、またはステップを記述するための「一(a)」または「1つの(one)」の開示は、追加の要素、成分、構成要素、またはステップ、を排除することを意図していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】