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特表2024-507824毛髪改変製品におけるアンモニアの置換
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】毛髪改変製品におけるアンモニアの置換
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20240214BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/23 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61K8/41
A61Q5/00
A61Q5/10
A61K8/67
A61K8/19
A61K8/23
A61K8/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550010
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2022017063
(87)【国際公開番号】W WO2022182596
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/152,544
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591252611
【氏名又は名称】アドバンシオン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Advancion Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】ダムデレ ムルナリニ シリーシュ
(72)【発明者】
【氏名】クリヤマ ルース ケイコ
(72)【発明者】
【氏名】ピゾウスキー ボニー エイ.
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB111
4C083AB211
4C083AB351
4C083AB352
4C083AB411
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC081
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC311
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC541
4C083AC542
4C083AC552
4C083AC581
4C083AC641
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC771
4C083AC781
4C083AD441
4C083AD641
4C083AD642
4C083AD661
4C083BB21
4C083BB47
4C083BB51
4C083CC31
4C083CC36
4C083DD31
4C083EE26
(57)【要約】
本技術は、2-アミノプロパノール(DL-2AP)を含む毛髪改変組成物を提供する。本技術はまた、毛髪改変組成物を含むキット及び毛髪改変組成物を使用する方法を提供する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-アミノプロパノールを含むアルカリ剤を含む、毛髪改変組成物。
【請求項2】
前記2-アミノプロパノールが、約2wt%~約15wt%の量で存在する、請求項1に記載の毛髪改変組成物。
【請求項3】
アンモニア、2-アミノプロパノールとは異なるアルカノールアミン、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項1又は2に記載の毛髪改変組成物。
【請求項4】
前記アルカノールアミンが、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール(DMAMP)、2-アミノ-1-ブタノール(AB)、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD)、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール(AEPD)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TA)、モノエタノールアミン(MEA)、モノイソプロパノールアミン(MIPA)、トリエタノールアミン(TEA)トリイソプロパノールアミン(TIPA)、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項3に記載の毛髪改変組成物。
【請求項5】
前記組成物が、アンモニアを実質的に含まない、かつ/又はMEAを実質的に含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項6】
カラーリング剤を更に含み、
前記カラーリング剤が、アニオン染料、カチオン染料、中性染料、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項7】
抗酸化剤を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項8】
前記抗酸化剤が、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、α-トコフェロール、酢酸トコフェリル、パンテノール、硫化セレン、ホルムスルホキシル酸亜鉛、イソアスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルグルコシド、システイン、チオ尿素、モノチオグリコール酸グリセリル、チオグリセロール、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、エリソルビン酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項7に記載の毛髪改変組成物。
【請求項9】
1つ以上の表面活性剤を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項10】
前記1つ以上の表面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、PEG-40水素化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、オレス-20、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-40、セテアレス-20、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項9に記載の毛髪改変組成物。
【請求項11】
アルコールを更に含み、
前記アルコールが、直鎖飽和C14~C20アルコール、直鎖不飽和C14~C20アルコール、又はそれらの組み合わせを含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項12】
前記アルコールが、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、又はそれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の毛髪改変組成物。
【請求項13】
皮膚コンディショニング剤及び/又は香料を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項14】
カール修飾剤を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項15】
前記カール修飾剤が、アルカリ縮毛矯正剤、チオグリコレート、ケラチン、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項14に記載の毛髪改変組成物。
【請求項16】
ディベロッパーを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項17】
前記ディベロッパーが、過酸化水素を含む、請求項16に記載の毛髪改変組成物。
【請求項18】
水を更に含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項19】
ヘアカラー改変組成物である、請求項1~18のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項20】
前記組成物で処理された毛髪が、アンモニアが前記2-アミノプロパノールに置換された対照組成物と比較して、約2.5未満のヘアカラー改変ΔEを示す、請求項19に記載の毛髪改変組成物。
【請求項21】
前記ΔEが、1回以上のカラー処理サイクル後に測定される、請求項20に記載の毛髪改変組成物。
【請求項22】
カール、縮れ、又は髪質改変組成物である、請求項1~21のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物。
【請求項23】
ジスルフィド結合破壊組成物である、請求項22に記載の毛髪改変組成物。
【請求項24】
毛髪を改変するための方法であって、
請求項1~23のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物を毛髪に塗布することと、
前記組成物を毛髪から水ですすぎ流して、前記改変された毛髪を提供することと
含む、方法。
【請求項25】
前記すすぎが、前記塗布の少なくとも約10分後に行われる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物が、カラー改変組成物であり、前記改変された毛髪が、アンモニアが前記2-アミノプロパノールに置換された対照組成物で処理された毛髪と比較して、約2.5未満のヘアカラー改変ΔEを示す、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記ΔEが、1回以上の塗布及びすすぎ後に測定される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記組成物が、カール改変組成物である、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
請求項1~23のいずれか一項に記載の毛髪改変組成物を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年2月23日に出願された米国仮特許出願第63/152,544号に対する優先権の利益を主張し、これは、いずれか又は全ての目的に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、毛髪改変組成物及び組成物を使用するプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
毛髪改変組成物は、一般に、組成物のpHを調整する、かつ/又は毛髪キューティクルを開くために、アンモニアを含む。例えば、パーマネントヘアカラー改変組成物は、典型的には、毛髪塗布直前に混合された2つの組成物を含む。第1の組成物は、アンモニアと、多くの場合、1つ以上のカラーリング剤(例えば、染料、色素、及び/又はカップリング剤)と、を含み、多くの場合、ディベロッパーと称される、第2の組成物は、酸化剤(例えば、過酸化水素などの過酸化物)を含む。アンモニアは、毛髪のキューティクル層を開き、よってディベロッパー及びカラーリング剤は、一緒に毛皮質を貫通することができる。最終カラーリング剤を達成するために、一般的には、染料/色素は、酸化剤によって酸化され、カップリング剤と反応し、次いで更に酸化され得る(すなわち、酸化縮合反応)。酸化縮合反応は、多くの場合、皮質内で完了し、毛髪繊維内に閉じ込められた大きなサイズのカラーリング剤複合体を提供して、パーマネントヘアカラー改変を提供する。暗いヘアカラーがより明るいヘアカラーに改変されるためには、一般的には、毛髪のカラーをリフトし、カラーリング剤を沈着するために、より高い濃度のディベロッパーが必要とされる。セミパーマネントカラー改変(すなわち、いくつかのサイクルのシャンプー洗浄にわたって毛髪からの染料/色素の除去に抵抗する)を達成するために、染料/色素は、多くの場合、カラーリング剤中の染料/色素がヘアカラーを改変するために直接使用されるように、酸化縮合によって化学的に修飾されないが、それらの大きなサイズによる皮質を貫通する難しさのために、皮質内に閉じ込められる可能性は著しく低い。セミパーマネントカラー改変組成物は、酸化剤を含んでもよく、又は含まなくてもよい。
【0004】
アンモニアは、刺激臭を有する。より高濃度では、腐食性及び危険性があり得、低濃度であっても、皮膚刺激を引き起こし得る。適切なpHを有する、かつ/又はアンモニアの欠点なしに毛髪のキューティクル層を開くことができる毛髪改変組成物の必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、2-アミノプロパン-1-オール(本明細書では2-アミノプロパノール又はDL-2APとも称されるが、エナンチオマーのラセミ混合物に限定されない)を含む、アルカリ剤を含む、毛髪改変組成物を提供する。任意の実施形態では、組成物は、約3wt%~約14wt%、約3wt%~約10wt%、又は約6wt%~約11wt%を含む、約2wt%~約15wt%のDL-2APを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、DL-2APを同じ量のアンモニアで置換することによってのみ異なる組成物と比較して、有意により低い臭気を有する。任意の実施形態では、組成物は、毛髪のカール、縮れ、質感、及び/又はカラーを改変するためのものであり得る。任意の実施形態では、組成物は、毛髪のカール、縮れ、及び/又は質感を改変する(例えば、自然にカールした若しくは縮れた毛髪の弛緩、又は自然にストレートな毛髪をカールさせる)ためのものであり得る。任意の実施形態では、組成物は、毛髪のカラーを改変するためのものであり得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、アンモニアがDL-2APに置換された対照組成物で処理された毛髪と比較して、約2.5未満のヘアカラー改変ΔEを示し得る(すなわち、DL-2AP組成物で処理された毛髪及びアンモニア組成物で処理された毛髪は、約2.5未満のΔEを有する)。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、アンモニアが2-アミノプロパノールに置換された対照組成物と比較して、約40%未満のシステイン酸差を示し得る。
【0006】
本出願はまた、毛髪改変組成物を含むキットを提供する。キットは、DL-2APを含む第1の組成物と、ディベロッパーを含む第2の組成物と、を含み得る。第1の組成物と第2の組成物との組み合わせ後、本明細書に開示される毛髪改変組成物が達成される。
【0007】
別の態様では、本出願は、本明細書に開示される組成物を毛髪に塗布することと、組成物を毛髪から水ですすぎ流して、改変された毛髪を提供することと、を含む、毛髪を改変するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】カラートーン変化を介してブライトニング又はブリーチング力を示すグラフである。
図2A】実施例に従った、7wt%のDL-2AP(図2A)又は11wt%のDL-2AP(図2B)でFTIR-ATRによって測定された毛髪繊維のシステイン酸の増加によって示される累積タンパク質損失を示すグラフである。
図2B】実施例に従った、7wt%のDL-2AP(図2A)又は11wt%のDL-2AP(図2B)でFTIR-ATRによって測定された毛髪繊維のシステイン酸の増加によって示される累積タンパク質損失を示すグラフである。
図3】ブロンドカラー沈着及び堅牢度を示す毛髪試料の写真である。
図4】ダークブラウンカラー沈着及び堅牢度を示す毛髪試料の写真である。
図5】レッドカラー沈着及び堅牢度を示す毛髪試料の写真である。
図6】それぞれ、アンモニウム、MEA、及びDL-2APを含むブロンドカラー沈着で処理された毛髪試料間のカラー洗浄堅牢度差を示すグラフである。
図7】それぞれ、アンモニウム、MEA、及びDL-2AP(5%及び3%)を含むダークブラウンカラー沈着で処理された毛髪試料間のカラー洗浄堅牢度差を示すグラフの写真である。
図8】それぞれ、アンモニウム、MEA、及びDL-2APを含むレッドカラー沈着で処理された毛髪試料間のカラー洗浄堅牢度差を示すグラフの写真である。
図9A】実施例に従った、アンモニア、DL-2AP、MEA、AMP、又はAMPDを含む縮毛矯正組成物での処理後の毛髪試料の写真である。
図9B】実施例に従った、アンモニア、DL-2AP、MEA、AMP、又はAMPDを含む縮毛矯正組成物での処理後の毛髪試料の写真である。
図9C】実施例に従った、アンモニア、DL-2AP、MEA、AMP、又はAMPDを含む縮毛矯正組成物での処理後の毛髪試料の写真である。
図9D】実施例に従った、アンモニア、DL-2AP、MEA、AMP、又はAMPDを含む縮毛矯正組成物での処理後の毛髪試料の写真である。
図10】白髪カバレッジ並びにカラー沈着及び堅牢度を示す毛髪試料の写真である。
図11】それぞれ、アンモニウム、MEA、及びDL-2AP(5%及び3%)を含む毛髪沈着で処理された図10における毛髪試料間のカラー洗浄堅牢度差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
以下で定義されるように、以下の用語が全体を通して使用される。
【0010】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、要素を記載する文脈において(特に、後続の特許請求の範囲の文脈において)、「a」及び「an」及び「the」及び同様の指示語等の単数形冠詞は、本明細書において別段の記載がないか、又は文脈によって明確に矛盾することがない限り、単数形及び複数形の両方を網羅するよう解釈されるものとする。本明細書の値の範囲の列挙は、別段本明細書で示されない限り、その範囲内に収まる各別の値を個々に参照する簡略表記法として機能するようにのみ意図されており、各別個の値は、本明細書に個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の方法は全て、別段本明細書で示されない限り、又は文脈によって明確に矛盾することがない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供されるあらゆる例、又は例示的な言語的表現(例えば、「など」)の使用は単に、実施形態をより良好に明らかにするよう意図されており、別段の記載がない限り、特許請求の範囲に制限を与えるものではない。本明細書におけるいかなる文言も、主張されていないいかなる要素も不可欠なものとして示すものと解釈されるべきではない。
【0011】
本明細書で使用される場合、「約」は当業者に理解され、使用される文脈に応じてある程度変化する。当業者には明らかでない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮すると、「約」はその特定の用語のプラス又はマイナス10%を意味する。
【0012】
一般に、「置換基」は、その中に含まれる水素原子への1つ以上の結合が、非水素又は非炭素原子への結合によって置き換えられている、以下に定義される有機基(例えば、アルキル基)を指す。置換されている基は、炭素原子又は水素原子への1つ以上の結合が、二重又は三重結合を含む1つ以上の結合によってヘテロ原子に置き換えられている基も含む。したがって、別段の指定がない限り、置換されている基は、1つ以上の置換基で置換されている。任意の実施形態では、置換基は、1、2、3、4、5、又は6個の置換基で置換されている。置換基の例には、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、及びI);CF;ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、及びヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシレート;エステル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;ペンタフルオロスルファニル(すなわち、SF)、スルホンアミド;アミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;アミン;尿素;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;イミン;ニトロ基;ニトリル(すなわち、CN)などが含まれる。
【0013】
置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基などの置換されている環基には、水素原子への結合が炭素原子への結合で置き換えられている環及び環系も含まれる。したがって、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリール基もまた、置換されてもよい。
【0014】
「アルキル」という用語は、単独又は別の基の(例えば、ジアルキルアミノにおける)一部かにかかわらず、基を指し、直鎖及び分岐鎖脂肪族基(すなわち、飽和ヒドロカルビル鎖)を包含し、別段の記載がない限り、1~10、あるいは1~8、あるいは1~6のアルキル炭素原子を有する。好ましいアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、及びヘキシルが含まれるがこれらに限定されない。別段の記載がない限り、アルキル基は、本明細書に記載の化合物、モノマー、及びポリマーと適合する1、2、又は3つ、好ましくは1又は2つ、より好ましくは1つの置換基で任意に置換される。代表的な置換アルキル基は、上記に列記された置換基などの置換基で1回以上置換されていてもよく、限定されないが、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキルなどを含む。任意の実施形態では、アルキル基は、非置換である。
【0015】
アルケニル基には、2個の炭素原子間に少なくとも1つの二重結合が存在することを除いて、上記で定義した直鎖及び分岐鎖アルキル基が含まれる。アルケニル基は、2~12個の炭素原子、典型的には、2~10個の炭素、又は任意の実施形態では、2~8、2~6、若しくは2~4個の炭素原子を有する。任意の実施形態では、アルケニル基は、1、2、又は3つの炭素-炭素二重結合を有する。例としては、とりわけ、これらに限定されないが、ビニル、アリル、-CH=CH(CH)、-CH=C(CH、-C(CH)=CH、-C(CH)=CH(CH)、-C(CHCH)=CHが挙げられる。代表的な置換アルケニル基は、一置換されてもよいか、又は1回より多く置換されてもよく、例えば、限定されないが、上記に列記された置換基などの置換基で一置換、二置換、又は三置換されてもよい。
【0016】
「(ヘテロ)シクロアルキル」という用語は、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキル基を指す。
【0017】
「シクロアルキル」という用語は、飽和環状炭化水素基を指す。別段の記載がない限り、シクロアルキル基は、3~12個の環炭素原子、あるいは3~8個の環炭素原子、あるいは3~6個の環炭素原子を有する。好ましいシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、及びシクロヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。別段の記載がない限り、シクロアルキル基は、1、2、又は3つ、好ましくは1又は2つ、より好ましくは1つのアルキル基で任意に置換される。任意の実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子を含み得、好ましくは、アルキル基は、非置換であり、1~4個の炭素原子を含む。任意の実施形態では、シクロアルキル基は、非置換である。
【0018】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、5つ以上の環員を含む非芳香族環化合物を指し、そのうちの少なくとも3つが炭素原子であり、そのうちの少なくとも1つが窒素原子である。任意の実施形態では、ヘテロシクリル基は、1個又は2個のヘテロ原子を含有する。任意の実施形態では、ヘテロシクリル基は、少なくとも4個又は少なくとも5個の炭素原子を含み得る。典型的には、ヘテロシクロアルキル基は、非置換である。
【0019】
「(ヘテロ)アリール」という用語は、アリール及びヘテロアリール基を指す。
【0020】
アリール基は、ヘテロ原子を含まない環状芳香族炭化水素である。本明細書のアリール基には、単環式、二環式、及び三環式環系が含まれる。したがって、アリール基には、限定されないが、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、及びナフチル基が含まれる。任意の実施形態では、アリール基は、6~14個の炭素原子、他では、基の環部分に6~12個又は6~10個の炭素原子を含有する。任意の実施形態では、アリール基は、フェニル又はナフチルである。「アリール基」という語句は、縮合芳香族-脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)などの縮合環を含む基を含むが、環員の1つに結合したアルキル基又はハロ基などの他の基を有するアリール基は含まない。むしろ、トリルなどの基は、置換アリール基と称される。代表的な置換アリール基は、一置換されてもよいか、又は1回より多く置換されてもよい。例えば、一置換アリール基には、限定されないが、上記に列記された置換基などの置換基で置換されてもよい、二、三、四、五、若しくは六置換のフェニル基又はナフチル基が含まれる。
【0021】
ヘテロアリール基は、5つ以上の環員を含む芳香族環化合物であり、そのうちの1つ以上は、限定されないが、N、O、及びSなどのヘテロ原子である。ヘテロアリール基には、限定されないが、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル(ピロロピリジニル)、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾピリジニル(アザベンズイミダゾリル)、ピラゾロピリジニル、トリアゾロピリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソオキサゾロピリジニル、チアナフチル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、及びキナゾリニル基が含まれる。ヘテロアリール基には、インドリル基などの全ての環が芳香族である縮合環化合物が含まれ、2,3-ジヒドロインドリル基などの環の1つのみが芳香族である縮合環化合物が含まれる。「ヘテロアリール基」という語句は、縮合環化合物を含むが、この語句は、アルキル基などの環員の1つに結合した他の基を有するヘテロアリール基は含まない。むしろ、そのような置換を有するヘテロアリール基は、「置換ヘテロアリール基」と称される。代表的な置換ヘテロアリール基は、上記に列挙されたものなどの様々な置換基で1回以上置換され得る。
【0022】
アルコキシ基は、水素原子への結合が上記で定義した置換若しくは非置換のアルキル基の炭素原子への結合によって置き換えられているヒドロキシル基(-OH)である。線状アルコキシ基の例には、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが含まれる。分岐状アルコキシ基の例には、限定されないが、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペントキシ、イソヘキソキシなどが含まれる。シクロアルコキシ基の例には、限定されないが、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。代表的な置換アルコキシ基は、上記に列記された置換基などの置換基で1回以上置換されてもよい。
【0023】
本明細書で使用される「アルカノイル」及び「アルカノイルオキシ」という用語は、それぞれ、各々2~5個の炭素原子を含有する、-C(O)-アルキル基及び-O-C(O)-アルキル基を指すことができる。同様に、「アリーロイル」及び「アリーロイルオキシ」は、-C(O)-アリール基及び-O-C(O)-アリール基を指す。
【0024】
「アリールオキシ」及び「アリールアルコキシ」という用語は、それぞれ、酸素原子に結合した置換若しくは非置換のアリール基、及びアルキルの酸素原子に結合した置換若しくは非置換のアラルキル基を指す。例には、限定されないが、フェノキシ、ナフチルオキシ、及びベンジルオキシが挙げられる。代表的な置換アリールオキシ及びアリールアルコキシ基は、上記に列記された置換基などの置換基で1回以上置換されてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「カルボキシレート」という用語は、-COOH基又はそのイオン化形態-COOを指す。
【0026】
本明細書で使用される「エステル」という用語は、-COOR70及び-C(O)O-G基を指す。R70は、本明細書で定義される置換又は非置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、又はヘテロシクリル基である。Gは、カルボキシレート保護基である。カルボキシレート保護基は、当業者に周知である。本明細書に記載される手順を使用して付加又は除去することができるカルボキシレート基機能の保護基の広範なリストは、本明細書に完全に記載されているのと同程度、参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる、Protective Groups in Organic Synthesis,Greene,T.W.,Wuts,P.G.M.,John Wiley & Sons,New York,NY,(第3版、1999)に見出すことができる。
【0027】
「アミド(amide又はamido)」という用語には、C-及びN-アミド基、すなわち、それぞれ、-C(O)NR7172及び-NR71C(O)R72基が含まれる。R71及びR72は、独立して、水素、又は本明細書で定義される置換若しくは非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、若しくはヘテロシクリル基である。したがって、アミド基には、これらに限定されないが、カルバモイル基(-C(O)NH)及びホルムアミド基(-NHC(O)H)が含まれる。任意の実施形態では、アミドは、-NR71C(O)-(C1~5アルキル)であり、基は、「カルボニルアミノ」と呼ばれ、他では、アミドは、-NHC(O)-アルキルであり、基は、「アルカノイルアミノ」と呼ばれる。
【0028】
本明細書で使用される「ニトリル」又は「シアノ」という用語は、-CN基を指す。
【0029】
本明細書で使用される「アミン」(又は「アミノ」)という用語は、-NR7576基を指し、R75及びR76は、独立して、水素、又は本明細書で定義される置換若しくは非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、又はヘテロシクリル基である。任意の実施形態では、アミンは、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、又はアルキルアリールアミノである。他の実施形態では、アミンは、NH、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、フェニルアミノ、又はベンジルアミノである。
【0030】
本明細書で使用される「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、臭素、塩素、フッ素、又はヨウ素を指す。任意の実施形態では、ハロゲンは、フッ素である。他の実施形態では、ハロゲンは、塩素又は臭素である。
【0031】
本明細書で使用される「ヒドロキシル」という用語は、-OH又はそのイオン化形態、-Oを指すことができる。「ヒドロキシアルキル」基は、HO-CH-などの、ヒドロキシル置換アルキル基である。
【0032】
「イミド」という用語は、-C(O)NR98C(O)R99を指し、R98及びR99は、各々独立して、水素、又は本明細書で定義される置換若しくは非置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアラルキル、ヘテロシクリル、若しくはヘテロシクリルアルキル基である。
【0033】
「イミン」という用語は、-CR100(NR101)及び-N(CR100101)基を指し、R100及びR101は、各々独立して、水素、又は本明細書で定義される置換若しくは非置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアラルキル、ヘテロシクリル、若しくはヘテロシクリルアルキル基であり、但し、R100及びR101は、両方同時に水素ではない。
【0034】
本明細書で使用される「ニトロ」という用語は、-NO基を指す。
【0035】
本技術の化合物内に2つ以上の結合点(すなわち、二価、三価、又は多価)を有する本明細書に記載される基は、接尾辞、「エン(ene)」の使用によって示される。例えば、二価アルキル基は、アルキレン基であり、二価シクロアルキル基は、シクロアルキレン基などである。本技術の化合物への単一の結合点を有する置換基は、「エン(ene)」の表示を使用しては言及されない。したがって、例えば、クロロエチルは、本明細書ではクロロエチレンと呼ばれない。
【0036】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」は、本組成物の総重量に基づいて、約2重量%未満の特定の構成成分を指す。任意の実施形態では、組成物は、約1wt%未満、約0.5wt%未満、又は約0.1wt%未満を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、検出可能な量の成分を含まない場合がある。
【0037】
本明細書で使用される場合、「ΔE」は、以下の式を使用して計算される。
式は、1976年に国際照明委員会(CIE)によって定義されたL*a*b*とも称されるCIELABカラースペースに従っている。それは、カラーを3つの値で表す:L*0(黒)~100(白)の明度値、a*軸は緑-赤成分を表し、b*軸は青-黄成分を表す。ΔEの計算は、カラーの小さな差を検出するために業界において有用である。本明細書では、三次元L*a*b*パラメータは、BYK Gardner Spectro-Guide Sphereを使用して測定され得る。DL-2APを含む組成物で処理された毛髪及びDL-2APではなくアンモニアを含む対照組成物で処理された毛髪を比較するために、本明細書ではΔEが提供される。対照組成物は、DL-2APを置き換えるアンモニア(約1:1のモル置換)によってのみ、DL-2APとは異なる。カラーリフティング試験について、ΔEは、未処理のバージンヘアとカラー処理された毛髪との間で決定される。カラー沈着試験について、ΔEは、未処理の毛髪、並びに5、10、及び15回の洗浄後の測定について計算された。
【0038】
当業者には理解されるであろうように、あらゆる目的のために、特に書面による説明を提供する観点から、本明細書に開示される全ての範囲は、あらゆる可能な部分範囲及びその部分範囲の組み合わせをも包含する。列挙されたいずれの範囲も、十分に説明されており、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを可能にすると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分解することができる。また、当業者によって理解されるであろうように、「最大」、「少なくとも」、「~超」、「~未満」などのような全ての文言は、列挙された数を含み、上記で考察されたように続いて部分範囲に分解することができる範囲を指す。最後に、当業者には理解されるであろうように、範囲は各々の個別のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の原子を有する群は、1、2、又は3個の原子を有する群を指す。同様に、1~5個の原子を有する群は、1、2、3、4、又は5個の原子を有する群などを指す。
【0039】
アンモニアは、毛髪のキューティクル層を開くアルキル化剤として毛髪改変組成物において一般的に使用される。しかしながら、アンモニアは、キューティクル層を開くのに効率的であるが、非常に強い臭気を有し、皮膚に対して刺激性であり得る。そのようなものとして、毛髪改変組成物中のアンモニアの代替物が必要である。モノエタノールアミン(MEA)は、その微妙な臭気のために1つの既知の代替物である。しかしながら、MEAは、アンモニアほど効率的にキューティクル層を開かず、予測不可能な結果をもたらし、皮膚刺激を引き起こし得る。本技術は、2-アミノプロパノールを含むアルカリ剤を含む毛髪改変組成物を提供する。任意の実施形態では、アルカリ剤において使用される2-アミノプロパノールは、ラセミである。しかしながら、エナンチオマー又はエナンチオマーの混合物のいずれかが、アルカリ剤において使用され得る。本技術の組成物は、毛髪のキューティクル層を効率的に開く。
【0040】
任意の実施形態では、2-アミノプロパノールは、約20wt%未満で存在し得る。任意の実施形態では、2-アミノプロパノールは、約2wt%~約15wt%の量で存在し得る。任意の実施形態では、2-アミノプロパノールは、約3wt%~約10wt%の量で存在し得る。任意の実施形態では、2-アミノプロパノールは、約3wt%~約14wt%、約4wt%~約12wt%、約5wt%~約12wt%、約6wt%~約12wt%、約5wt%~約11wt%、又は約6wt%~約11wt%の量で存在し得る。
【0041】
任意の実施形態では、組成物は、2-アミノプロパノール、アンモニア、アルギニン、水酸化物系縮毛矯正剤(例えば、水酸化グアニジン)、又はそれらの2つ以上の組み合わせとは異なる1つ以上のアルカノールアミンを更に含み得る。任意の実施形態では、組成物は、アンモニアを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、アルギニンを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、水酸化物系毛髪矯正剤(例えば、水酸化グアニジン)を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、2-アミノプロパノール、アンモニア、アルギニン、水酸化物系縮毛矯正剤(例えば、水酸化グアニジン)、又はそれらの組み合わせとは異なる1つ以上のアルカノールアミンを含み得る。任意の実施形態では、1つ以上のアルカノールアミンは、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール(DMAMP)、2-アミノ-1-ブタノール(AB)、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD)、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール(AEPD)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TA)、モノエタノールアミン(MEA)、モノイソプロパノールアミン(MIPA)、トリエタノールアミン(TEA)トリイソプロパノールアミン(TIPA)、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.1wt%~約15wt%の、1つ以上のアルカノールアミン、アンモニア、アルギニン、水酸化物系縮毛矯正剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.5wt%~約12wt%の、1つ以上のアルカノールアミン、アンモニア、アルギニン、水酸化物系縮毛矯正剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約2wt%~約10wt%の、1つ以上のアルカノールアミン、アンモニア、アルギニン、水酸化物系縮毛矯正剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約3wt%~約10wt%の、1つ以上のアルカノールアミン、アンモニア、アルギニン、水酸化物系縮毛矯正剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約2wt%~約5wt%の、1つ以上のアルカノールアミン、アンモニア、アルギニン、水酸化物系縮毛矯正剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0042】
他の実施形態では、組成物は、DL-2APとは異なる1つ以上のアルカノールアミン、アンモニア、アルギニン、水酸化物系縮毛矯正剤、若しくはそれらの2つ以上の組み合わせを実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、アンモニアを実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、DL-2AP及びアンモニアとは異なる1つ以上のアルカノールアミンを実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。
【0043】
他の実施形態では、組成物は、pH調整剤を含み得る。任意の実施形態では、pH調整剤は、トコフェロール、グリセリンリン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0044】
任意の実施形態では、毛髪改変組成物は、カラーリング剤を更に含み得る。例えば、組成物は、各々参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0289390号、同第2020/0360257号、同第2019/0365625号、及び同第20140338135号、並びに米国特許第8,343,238号及び同第6,818,022号において提供されるカラーリング剤のうちのいずれかを含み得る。任意の実施形態では、カラーリング剤は、酸化染料又は色素前駆体(カプラー、例えば、メタ-ジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、及びインドール化合物などの、特定の複素環式化合物を含む)を含み得る。任意の実施形態では、カラーリング剤は、直接染料又は色素を含み得る。任意の実施形態では、カラーリング剤は、酸化染料又は色素前駆体及び直接染料又は色素の両方を含み得る。任意の実施形態では、カラーリング剤は、アニオン染料、カチオン染料、中性染料、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0045】
アニオン染料の例には、これらに限定されないが、Acid Black 1、Acid Blue 1、Acid Blue 3、Food Blue No.2、Food Blue No.5、Acid Blue 7、Acid Blue 9、Acid Blue 74、Acid Orange 3、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Red 1、Acid Red 14、Acid Red 18、Acid Red 27、Acid Red 50、Acid Red 52、Acid Red 73、Acid Red 87、Acid Red 88、Acid Red 92、Acid Red 155、Acid Red 180、Acid Violet 9、Acid Violet 43、Acid Violet 49、Acid Yellow 1、Acid Yellow 23、Acid Yellow 3、Food Yellow No.8、Acid Orange 24、Acid Green 25、Solvent Green 7、Solvent Red 73、Acid Red 95、Solvent Red 43、Solvent Red 48、Acid Red 33、Solvent Violet 13、Acid Yellow 73、Food Red No.17、Food Red No.1、Food Yellow No.3、Food Blue No.2、Food Black No.1、Food Black No.2、Disperse Black 9、Disperse Violet 1、それらのアルカリ金属(ナトリウム塩及びカリウム塩)、又はそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0046】
カチオン染料の例には、これらに限定されないが、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Natural Brown 7、Basic Green 1、Basic Red 2、Basic Red 12、Basic Red 22、Basic Red 76、Basic Violet 1、Basic Violet 2、Basic Violet 3、Basic Violet 10、Basic Violet 14、Basic Yellow 57、Basic Red 51、Basic Yellow 87、Basic Blue 17、Basic Orange 31、又はそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0047】
中性染料の例には、これらに限定されないが、ニトロ染料、HC Blue 2、HC Blue 4、HC Blue 5、HC Blue 6、HC Blue 7、HC Blue 8、HC Blue 9、HC Blue 10、HC Blue 11、HC Blue 12、HC Blue 13、HC Brown 1、HC Brown 2、HC Green 1、HC Orange 1、HC Orange 2、HC Orange 3、HC Orange 5、HC Red BN、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 7、HC Red 8、HC Red 9、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red 54、HC Red 14、HC Violet BS、HC Violet 1、HC Violet 2、HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 7、HC Yellow 8、HC Yellow 9、HC Yellow 10、HC Yellow 11、HC Yellow 12、HC Yellow 13、HC Yellow 14、HC Yellow 15、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、ピクラミン酸、1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン、1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-アミノフェロール、1-ヒドロキシ-2-アミノ-3-ニトロベンゼン、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、及びN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2’-ニトロ-p-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、p-アミノフェノール、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、4-アミノメタクレゾール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-メチル-5-アミノフェノール、レゾルシン、2-メチルレゾルシン、4-クロロレゾルシノール、1-ナフトール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-4-(6-ヒドロキシエチル)アミノアニソール、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、複素環式塩基、それらの塩、又はそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0048】
p-フェニレンジアミンには、例えば、p-フェニレンジアミン、p-トルエンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-メトキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4’-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン、及び3-ヒドロキシ-1-(4’-アミノフェニル)ピロリジン、並びに酸を含むそれらの付加塩、又はそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0049】
p-アミノフェノールには、これらに限定されないが、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、及び4-アミノ-2-フルオロフェノール、並びに酸を含むそれらの付加塩、又はそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0050】
o-アミノフェノールには、これらに限定されないが、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、及び5-アセトアミド-2-アミノフェノール、並びにそれらの付加塩、又はそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0051】
言及され得るビス(フェニル)アルキレンジアミンは、例えば、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノ-l、N,N’-ビス(3-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(エチル)-N,N’-ビス(4’-アミノ-3’-メチルフェニル)エチレンジアミン、及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、並びにそれらの付加塩、又はそれらの2つ以上の組み合わせである。
【0052】
言及され得る複素環式塩基の中には、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、及びピラゾール誘導体、又はそれらの2つ以上の組み合わせがある。言及され得るピリジン誘導体の中には、例えば、特許GB1026978及びGB1153 196に記載される化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン及び3,4-ジアミノピリジン、並びにそれらの付加塩がある。
【0053】
他のピリジン酸化塩基には、例えば、特許出願FR2801308に記載される、追加の3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化塩基又はそれらの付加塩が含まれ得る。言及され得る例には、ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)エタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、2-.直交.-ヒドロキシエトキシ-3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン、2-(4-ジメチルピペラジニウム-1-イル)-3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン、及びそれらの付加塩、又はそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0054】
直接染料/色素の非限定的な例には、ニトロ(ヘテロ)アリール直接染料、例えば、ニトロベンゼン及びニトロピリジン、アントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、メチン、アゾメチン、キサンテン、アクリジン、アジン、カルボニル、及びトリ(ヘテロ)アリールメタン直接染料、並びにそれらの付加塩が、単独又は混合物として含まれる。例示的な直接染料/色素には、ジアザカルボシアニン及びそれらの異性体、並びにテトラアザカルボシアニン、アントラキノン、ナフトキノン又はベンゾキノン染料、インドアミン直接染料、インジゴイド直接染料、フタロシアニン及びポルフィリン直接染料も含まれる。
【0055】
任意の実施形態では、カラーリング剤は、これらに限定されないが、ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、ラッカイン酸、プルプロガリン、アントラガロール、プロトカテカルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、クロロフィル、クロロフィリン、オルセイン、ヘマチン、ヘマトキシリン、ブラジリン、ブラジレイン、サフラワー染料(例えば、カルタミン)、フラボノイド(例えば、モリン、アピゲニジン、及びサンダルウッドを含む)、アントシアン(アピゲニニジン型の)、カロテノイド、タンニン、ソルガム、及びコチニールカルミン、これらの天然染料を含有する抽出物若しくは煎剤、並びに特にヘナ系抽出物、又はそれらの混合物を含む、天然染料を含み得る。
【0056】
任意の実施形態では、組成物は、約0.01wt%~約8wt%のカラーリング剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.1wt%~約4wt%のカラーリング剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約1wt%~約4wt%のカラーリング剤を含み得る。
【0057】
任意の実施形態では、毛髪改変組成物は、抗酸化剤を更に含み得る。例えば、組成物は、各々参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0289390号、同第2020/0360257号、同第2019/0365625号、及び同第20140338135号、並びに米国特許第8,343,238号及び同第6,818,022号において提供される抗酸化剤のうちのいずれかを含み得る。任意の実施形態では、抗酸化剤は、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、α-トコフェロール、酢酸トコフェリル、パンテノール、硫化セレン、ホルムスルホキシル酸亜鉛、イソアスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルグルコシド、システイン、チオ尿素、モノチオグリコール酸グリセリル、チオグリセロール、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、エリソルビン酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0058】
任意の実施形態では、組成物は、約0.01wt%~約5wt%の抗酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.05wt%~約3wt%の抗酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.1wt%~約2wt%の抗酸化剤を含み得る。
【0059】
任意の実施形態では、毛髪改変組成物は、毛髪のカール、縮れ、及び/又は質感を改変する(例えば、自然にカールした若しくは縮れた毛髪の弛緩、又は自然にストレートな毛髪をカールさせる)1つ以上の添加剤(本明細書では「カール修飾剤」と称される)を更に含み得る。任意の実施形態では、1つ以上のカール修飾剤は、縮毛矯正剤を含み得る。任意の実施形態では、1つ以上のカール修飾剤は、アルカリ縮毛矯正剤(例えば、水酸化グアニジン、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び/若しくは水酸化カリウム)、チオグリコレート、ケラチン、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、1つ以上のカール修飾剤は、チオグリコレートを含み得る。例えば、組成物は、各々参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2013/0306095号、米国特許第4,898,726号及び同第7,226,585号、並びにEP2953610B1において提供されるカール修飾剤のうちのいずれかを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.1wt%~約20wt%のカール修飾剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約1wt%~約15wt%のカール修飾剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約5wt%~約10wt%のカール修飾剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、アルカリ剤と一緒に、約3wt%~約20wt%のカール修飾剤を含み得る。
【0060】
任意の実施形態では、毛髪改変組成物は、界面活性剤、乳化剤、及び/又は可溶化剤などの1つ以上の表面活性剤を更に含み得る。例えば、組成物は、各々参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0289390号、同第2020/0360257号、2019/0365625号、及び同第20140338135号、並びに米国特許第8,815,225号、同第8,343,238号、及び同第6,818,022号において提供される表面活性剤のうちのいずれかを含み得る。
【0061】
任意の実施形態では、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0062】
アニオン性界面活性剤の例には、これらに限定されないが、C10~C18、C10~C14、及びC12~C14硫酸アルキル及び硫酸エーテルを含む硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、及びリン酸塩型アニオン性界面活性剤が含まれる。硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、及びリン酸塩型アニオン性界面活性剤は、分子中に1~50個のエチレンオキシド基(例えば、1~5、1~10、又は1~20)を含み得る。アニオン性界面活性剤の例には、硫酸脂肪酸アミド、並びに長鎖リン酸モノ及びジアルキルも含まれる。任意の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、分子中に1~50個のエチレンオキシド基(1~5、1~10、又は1~20を含む)を有するものを含む、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又はラウレス硫酸ナトリウムを含み得る。
【0063】
非イオン性界面活性剤の例には、これらに限定されないが、長鎖脂肪酸モノ及びジアルカノールアミド、例えば、ココナッツ脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ミリスチン酸モノ又はジエタノールアミド、ステアリン酸モノ又はジエタノールアミド;C~C18アルキル基及び1~5個のグルコシド単位を有するアルキルポリグルコシド;ソルビタンエステル、例えば、ポリエチレングリコールソルビタンステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びラウリン酸エステル;脂肪酸ポリグリコールエステル;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの重縮合物(Pluronic(登録商標)の商標名で市販される);C10~C22、C16~C20、及びC12~C14アルキル基、並びに分子中に1~100個のエチレンオキシド基(1~5、5~50、6~40、又は10~30)を含む飽和又は不飽和(ポリ)オキシエチレンアルキルエーテルが含まれる。
【0064】
両性界面活性剤の例には、これらに限定されないが、アルキルベタインなどの様々な既知のベタイン、コカミドプロピルベタインなどの脂肪酸アミドアルキルベタイン、並びにラウリルヒドロキシスルホベタインのようなスルホベタイン、ココアミノ酢酸塩、ココアミノプロピオン酸塩、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、及びココアンホ酢酸ナトリウムなどの長鎖アルキルアミノ酸が含まれる。
【0065】
好適なカチオン性界面活性剤の例には、これらに限定されないが、以下の一般式のモノ-又はジ-長鎖アルキル四級アンモニウム塩が含まれる:N。Rは、飽和若しくは不飽和直鎖若しくは分岐C~C22アルキル基、又はRCONH(CH-若しくはRCOO(CH-の基を表し(Rは、飽和若しくは不飽和直鎖若しくは分岐C~C21アルキル基を表し、nは、1~4の数を表し)、Rは、水素原子、飽和若しくは不飽和直鎖若しくは分岐C~C22アルキル基、又はRCONH(CH-若しくはRCOO(CH-の基を表し、R及びRは、独立して、水素原子又はC1~4低級アルキル基を表し、Xは、塩化物イオン、臭化物イオン、又はメト硫酸塩イオンを表す。上記カチオン性界面活性剤の具体例には、塩化セトリモニウム、塩化ステアルトリモニウム、塩化ベヘントリモニウム、塩化ジパルミトイルジモニウム、塩化ジステアリルジモニウム、塩化ステアラミドプロピルトリモニウム、メト硫酸ジオレオイルエチルジモニウム、及びメト硫酸ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムが含まれる。
【0066】
任意の実施形態では、表面活性剤は、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ポリグリセリル-3-ジイソステアリン酸塩、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ヘキサリシノール酸ポリグリセリル-6、ポリグリセリル-4-オレイン酸塩、ポリグリセリル-4-オレイン酸塩/PEG-8プロピレングリコールコールココエート、オレアミドDEA、ミリスチン酸TEA、ステアリン酸TEA、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸ポリエチレンオキシド(例えば、分子中に1~100個のエチレンオキシド基(例えば、1~5、10~80、20~60、又は30~50)、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ナトリウムココエート、牛脂脂肪酸ナトリウム、カリウムカストレート、オレイン酸ナトリウム、及びそれらの混合物を含み得る。更なる例示的な乳化剤は、リン酸エステル及びその塩、例えば、リン酸セチル(Amphisol(登録商標)A)、リン酸ジエタノールアミンセチル(Amphisol(登録商標))、リン酸カリウムセチル(Amphisol(登録商標)K)、オレイン酸グリセリルリン酸ナトリウム、リン酸水素化植物グリセリド、及びそれらの混合物である。更に、1つ以上の合成ポリマーが使用され得る。例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリル酸塩/C10~30アクリル酸アルキルクロスポリマー、アクリル酸塩/メタクリル酸ステアレス-20コポリマー、PEG-22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー、及びそれらの混合物。更なる例示的な脂肪アルコールには、セテアリルアルコール(Lanette O、Cognis Coopearation)、セチルアルコール(Lanette 16、Cognis Cooperation)、ステアリルアルコール(Lanette 18、Cognis Coopearation)、Laneth-5(Polychol 5、Croda Chemicals)、更にスクロール及びグルコース誘導体、例えば、二ステアリン酸スクロース(Crodesta F-10、Croda Chemicals)、イソステアリン酸メチルグルコース(Isolan IS、Degussa Care Chemicals)、更にエトキシル化カルボン酸又はポリエチレングリコールエステル及びポリエチレングリコールエーテル、例えば、オレス-20、ステアレス-2(Brij 72、Uniqema)、ステアレス-21(Brij 721、Uniqema)、セテアレス-20、セテアレス-25(Cremophor A25、BASF Cooperation)、PEG-40水素化ヒマシ油(Cremophor RH-40、BASF Cooperation)、PEG-7水素化ヒマシ油(Cremophor WO7、BASF Cooperation)、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30(Arlacel P 135、Uniqema)、更にグリセリルエステル及びポリグリセリルエステル、例えば、C10~C22グリセリル及びポリグリセリルエステル、ポリグリセリル-3-ジイソステアリン酸塩(Hostacerin TGI、Clariant Cooperation)、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアリン酸塩(Dehymuls PGPH、Cognis Cooperation)、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース(Tego Care 450、Degussa Care Chemicals)、ステアリン酸グリセリル、リン酸セチル(Amphisol(登録商標)A)、リン酸ジエタノールアミンセチル(Amphisol(登録商標))、セチルリン酸カルシウム(Amphisol(登録商標)K)、PVPエイコセンスコポリマー、アクリル酸塩/C10~30-アクリル酸アルキルクロスポリマー、イソステアリン酸PEG-20ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0067】
任意の実施形態では、1つ以上の表面活性剤は、コカミドプロピルベタイン、PEG-40水素化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、オレス-20、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-40、セテアレス-20、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、1つ以上の表面活性剤は、コカミドプロピルベタイン、PEG-40水素化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、オレス-20、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-40、セテアレス-20、鉱物油、ステアレス-20、PEG-4レイプシードアミド、脂肪アルコール(例えば、セテアリルアルコール)、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0068】
任意の実施形態では、組成物は、約0.01wt%~約20wt%の1つ以上の表面活性剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.1wt%~約10wt%の1つ以上の表面活性剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約1wt%~約8wt%の1つ以上の表面活性剤を含み得る。
【0069】
任意の実施形態では、毛髪改変組成物は、1つ以上の溶媒を更に含み得る。任意の実施形態では、溶媒は、水を含み得る。任意の実施形態では、溶媒は、有機溶媒を含み得る。任意の実施形態では、有機溶媒は、アルコールを含み得る。例えば、組成物は、各々参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0289390号、同第2020/0360257号、同第2019/0365625号、及び同第20140338135号、並びに米国特許第8,815,225号、同第8,343,238号、及び同第6,818,022号において提供される溶媒のうちのいずれかを含み得る。任意の実施形態では、アルコールは、C~C30アルコールを含み得る。任意の実施形態では、アルコールは、直鎖飽和C14~C20アルコール、直鎖不飽和C14~C20アルコール、又はそれらの組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、アルコールは、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0070】
任意の実施形態では、組成物は、約25wt%~約75wt%の水を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約30wt%~約70wt%の水を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約40wt%~約60wt%の水を含み得る。
【0071】
任意の実施形態では、組成物は、約0.01wt%~約10wt%の脂肪アルコールを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約1wt%~約8wt%のアルコールを含み得る。
【0072】
任意の実施形態では、組成物は、皮膚コンディショニング剤を含み得る。例えば、組成物は、各々参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0289390号、同第2020/0360257号、同第2019/0365625号、及び同第20140338135号、並びに米国特許第8,815,225号、同第8,343,238号、及び同第6,818,022号において提供される皮膚コンディショニング剤のうちのいずれかを含み得る。任意の実施形態では、皮膚コンディショニング剤には、シリコーン材料、アミノシリコーン、C~C30脂肪酸アルコール、ポリマー樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、不溶性油及び油由来材料、鉱物油及び他の油、例えば、グリセリン及びソルビトール、カチオン性ポリマー(例えば、主ポリマー鎖の一部を形成し得るか、又は主ポリマー鎖に直接結合している側置換基によって担持され得る一級、二級、三級、及び四級アミン基から選択される少なくとも1つのアミン基の単位を含むもの)、並びにそれらの混合物が含まれ得る。
【0073】
任意の実施形態では、組成物は、約0.01wt%~約10wt%のコンディショニング剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.1wt%~約5wt%のコンディショニング剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.2wt%~約4wt%のコンディショニング剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.2wt%~約2wt%のコンディショニング剤を含み得る。
【0074】
任意の実施形態では、組成物は、香料を含み得る。例えば、組成物は、各々参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0289390号、同第2020/0360257号、同第2019/0365625号、及び同第20140338135号、並びに米国特許第8,815,225号、同第8,343,238号、及び6,818,022号において提供される香料のうちのいずれかを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.001wt%~約5wt%の香料を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.005wt%~約2wt%の香料を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.01wt%~約1wt%の香料を含み得る。
【0075】
任意の実施形態では、組成物は、ディベロッパーを含み得る。任意の実施形態では、ディベロッパーは、酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、酸化剤は、毛髪中のメラニン色素をブリーチし、かつ/又は染料/色素前駆体を酸化するのに十分な量で存在し得る。任意の実施形態では、酸化剤には、これらに限定されないが、過酸化水素;無機アルカリ金属過酸化物(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム);有機過酸化物(例えば、過酸化尿素、過酸化メラミン);一水和物、四水和物などとして組み込まれ得る、無機過水和物塩漂白化合物(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及び過硫酸塩のアルカリ金属塩、いくつかの実施形態では、それらのナトリウム塩);アルカリ金属臭素酸塩;酵素;並びにそれらの混合物が含まれ得る。任意の実施形態では、酸化剤は、過酸化水素を含み得る。
【0076】
任意の実施形態では、ディベロッパーは、約5wt%~約80wt%の酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、ディベロッパーは、約5wt%~約50wt%の酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、ディベロッパーは、約10wt%~約40wt%の酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、ディベロッパーは、約25wt%~約35wt%の酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、ディベロッパーは、約15wt%~約25wt%の酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、ディベロッパーは、約5wt%~約15wt%の酸化剤を含み得る。
【0077】
任意の実施形態では、組成物は、約1wt%~約20wt%の酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約1wt%~約15wt%の酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約3wt%~約12wt%の酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約6wt%~約10wt%の酸化剤を含み得る。
【0078】
任意の実施形態では、組成物は、キレート剤を含み得る。任意の実施形態では、キレート化は、通常、2個以上のリガンド原子を通して、金属イオンに結合して、キレートを形成することができる化合物又はリガンドを含み得る。キレートは、通常、Co2+、Ni2+、Cu2+、Ca2+、又はZn2+などの、中心金属イオンが、同じ分子中の、2個以上の非金属原子、すなわち、リガンドに配位結合によって結合している、一種の配位化合物である。任意の実施形態では、キレート剤には、これらに限定されないが、エチレン-ジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸、エチレングリコール-ビス(β-アミノ-エチルエーテル)-N,N-四酢酸、及び前述のいずれかの塩が含まれ得る。
【0079】
任意の実施形態では、組成物は、約0.001wt%~約5wt%のキレート剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.01wt%~約2wt%のキレート剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.1wt%~約1wt%のキレート剤を含み得る。任意の実施形態では、組成物は、約0.1wt%~約0.5wt%のキレート剤を含み得る。
【0080】
任意の実施形態では、組成物は、約7以上のpHを有し得る。任意の実施形態では、組成物は、約7.5~約13のpHを有し得る。任意の実施形態では、組成物は、約8~約12.5のpHを有し得る。任意の実施形態では、組成物は、約9~約12のpHを有し得る。任意の実施形態では、組成物は、約10~約10.5のpHを有し得る。
【0081】
任意の実施形態では、組成物は、DL-2AP、及び脂肪アルコール、脂肪酸、カチオン性界面活性剤、四級ポリマー、又は本明細書に開示されるもののうちのいずれかを含むそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、DL-2AP、及び脂肪アルコール、脂肪酸、カチオン性界面活性剤、四級ポリマー、過酸素化塩(例えば、過硫酸ナトリウム、カリウム、及び/又はアンモニウム)、鉱物(例えば、炭酸マグネシウム(任意に水和物形態))、膨張剤(例えば、カルボキシメチルセルロース及び/又はガム)、又は本明細書に開示されるもののいずれかを含むそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、DL-2AP、及び水、ラウリン酸、セテアリルアルコール、ポリオキシエチレンアルキル(12-14)エーテル(3 EO)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(12 EO)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ジステアリン酸グリコール、二酸化チタン、ジメチコン/ジメチコンコポリマー、プロピレングリコール、塩化ヘキサジメトリン、ポリ塩化ジメチルピロリジニウム溶液、オレイン酸ジヒドロスフィンゴシン、シリル化シリカ、EDTA、カルボマー、香料、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、クリームの形態であり得る。
【0082】
任意の実施形態では、毛髪改変組成物は、任意に、1つ以上の防腐剤を更に含み得る。そのような防腐剤は、当業者に周知である。例えば、防腐剤には、これらに限定されないが、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、DMDMヒダントイン、イマドゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素;細菌及びいくつかの真菌に対する保護として);グリコールエーテル(例えば、フェノキシエタノール及びカプリリルグリコール;いくつかの細菌に対する保護として);イソチアゾリノン(例えば、メチルイソチアゾリノン;細菌及び真菌に対する保護として);有機酸(例えば、安息香酸、ソルビン酸、レブリン酸、アニス酸;真菌及びいくつかの細菌に対する保護として);パラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン;真菌及びいくつかの細菌に対する保護として)、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
【0083】
任意の実施形態では、組成物は、過酸素化塩(例えば、過硫酸ナトリウム、カリウム、及び/若しくはアンモニウム)、鉱物(例えば、炭酸マグネシウム(任意に水和物形態)、膨張剤(例えば、カルボキシメチルセルロース及び/若しくはガム)、又は本明細書に開示されるもののいずれかを含むそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、ステアリン酸カルシウム、水和シリカ、液体パラフィン、二酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、無水物メタケイ酸ナトリウム、EDTA、グアーガム、又は本明細書に開示されるもののいずれかを含むそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物は、粉末の形態であり得る。任意の実施形態では、ディベロッパーは、水、過酸化水素、脂肪アルコール、界面活性剤、リン酸、キレート剤、又は本明細書に開示されるもののいずれかを含むそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、組成物はまた、水、セテアリルアルコール、塩化ベヘントリモニウム、アモジメチコン、セチルアルコール、安息香酸C12~C15アルキル、塩化グアルヒドロキシプロピルトリモニウム、ココナッツ油、ヒドロキシエチルセルロース、水酸化ナトリウム、トリデセス-6、ジグルコン酸クロルヘキシジン、フマル酸、イソプロパノール、クエン酸、塩化セトリモニウム、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0084】
任意の実施形態では、組成物は、液体、ゲル、クリーム、ペースト、エマルジョン、懸濁液、又はフォームの形態であり得る。任意の実施形態では、組成物は、ゲルの形態であり得る。任意の実施形態では、組成物は、クリームの形態であり得る。
【0085】
任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、アンモニアがDL-2APに置換された対照組成物と比較して、約2.5未満のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、対照組成物は、アンモニアについてDL-2APの約1:1モル置換を有する。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約2以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約1.95以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約1.9以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約1.75以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約1.6以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約1.5以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約1.25以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約1以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約0.75以下のヘアカラー改変ΔEを示し得る。
【0086】
ブリーチングと称されることもある、カラーリフティングが、所望のカラー改変を達成するために一般的に必要であることは、当該技術分野において周知である。具体的には、より明るいトーンが望まれる場合、カラーリフティングが必要とされる。それはまた、白髪及び色素沈着した毛髪の同様のカラー改変を達成するのに役立つ。カラーリフティングは、典型的には、トーン変化の観点から言及される(図1)。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、少なくとも約2のカラートーン変化を示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、少なくとも約2.5のカラートーン変化を示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、少なくとも約3のカラートーン変化を示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、少なくとも約3.5のカラートーン変化を示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、少なくとも約4のカラートーン変化を示し得る。
【0087】
任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約40%未満のシステイン酸差を示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約35%未満のシステイン酸差を示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約30%未満のシステイン酸差を示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約25%未満のシステイン酸差を示し得る。任意の実施形態では、組成物で処理された毛髪は、対照組成物と比較して、約20%未満のシステイン酸差を示し得る。任意の実施形態では、ΔE及び/又はシステイン酸は、1回のカラー処理サイクル後に測定される。任意の実施形態では、ΔE及び/又はシステイン酸は、2回以上のカラー処理サイクル後に測定される。任意の実施形態では、ΔE及び/又はシステイン酸は、3回以上のカラー処理サイクル後に測定される。任意の実施形態では、ΔE及び/又はシステイン酸は、5回のカラー処理サイクル後に測定される。
【0088】
別の態様では、本出願はまた、毛髪改変組成物を含むキットを提供する。キットは、DL-2APを含む第1の組成物を含み得る。任意の実施形態では、キットは、第1の組成物と、ディベロッパーを含む第2の組成物と、を含み得る。第1の組成物と第2の組成物との組み合わせ後、本明細書に開示される毛髪改変組成物が達成される。任意の実施形態では、ディベロッパーは、本明細書に開示される酸化剤を含み得る。任意の実施形態では、第1の組成物は、本明細書に開示されるカラーリング剤を含み得る。任意の実施形態では、第1の組成物は、本明細書に開示されるカール修飾剤を含み得る。任意の実施形態では、第1の組成物は、本明細書に開示されるpH調整剤を含み得る。任意の実施形態では、第1の組成物及び/又は第2の組成物は、2-アミノプロパノール、アンモニア、アルギニン、又はそれらの組み合わせとは異なるアルカノールアミン、抗酸化剤、カール修飾剤、pH調整剤、表面活性剤、溶媒、皮膚コンディショニング剤、香料、キレート剤、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、本明細書に開示される他の成分のいずれかを含み得る。任意の実施形態では、第1の組成物は、2-アミノプロパノール、アンモニア、アルギニン、又はそれらの組み合わせとは異なるアルカノールアミン、抗酸化剤、カール修飾剤、pH調整剤、表面活性剤、溶媒、皮膚コンディショニング剤、香料、キレート剤、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、本明細書に開示される他の成分のいずれかを含み得る。キットは、改変後に毛髪をすすぐ際における使用のためのシャンプー及び/又はコンディショナーを更に含み得る。任意の実施形態では、キットは、第3の組成物を更に含み得る。任意の実施形態では、第3の組成物は、過酸素化塩(例えば、過硫酸ナトリウム、カリウム、及び/又はアンモニウム)、鉱物(例えば、炭酸マグネシウム(任意に水和物形態)、膨張剤(例えば、カルボキシメチルセルロース及び/又はガム)、又は本明細書に開示されるもののいずれかを含むそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。任意の実施形態では、第1の組成物は、クリームの形態であり得る。任意の実施形態では、第2の組成物は、液体の形態であり得る。任意の実施形態では、第3の組成物は、粉末の形態であり得る。
【0089】
本出願はまた、本明細書に開示される組成物を毛髪に塗布することと、組成物を毛髪から水ですすぎ流して、改変された毛髪を提供することと、を含む、毛髪を改変するための方法を提供する。任意の実施形態では、すすぎは、塗布の少なくとも約10分後に行われ得る。任意の実施形態では、すすぎは、塗布の少なくとも約20分後に行われ得る。任意の実施形態では、すすぎは、塗布の少なくとも約30分後に行われ得る。任意の実施形態では、方法は、組成物を塗布した後、毛髪に熱を印加することを更に含み得る。任意の実施形態では、改変された毛髪は、改変されたカラーであり得る。任意の実施形態では、カラー改変された毛髪は、本明細書に開示されるΔE及び/又はシステイン酸差を示し得る。任意の実施形態では、改変された毛髪は、改変されたカール、縮れ、又は髪質であり得る。任意の実施形態では、毛髪改変組成物は、ケラチン改変組成物及び/又はジスルフィド結合破壊組成物である。任意の実施形態では、方法は、組成物を塗布した後、毛髪に熱を印加することを更に含み得る。任意の実施形態では、熱は、平鉄によって印加され得る。任意の実施形態では、改変された毛髪は、改変されたカラー、及び改変されたカール、縮れ、又は髪質であり得る。
【0090】
本明細書の実施例は、本技術の利点を例示し、本技術の組成物を調製又は使用することで当業者を更に支援するために提供される。本技術の好ましい態様をより完全に示すために、本明細書において実施例も提示される。実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本技術の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。実施例は、上記の本技術の変形、態様(複数可)のいずれかを含むか、又は組み込むことができる。上記の変形、態様(複数可)は、更に各々、本技術のいずれか又は全ての他の変形、態様(複数可)の変形を含むか、又は組み込むこともできる。
【実施例
【0091】
実施例1.方法及び材料
アルカライザーシステム。水酸化アンモニウムとしての、アンモニア、28~30%活性材料をAldrichから得た。モノエタノールアミン(MEA)、99%活性材料をDow Chemical Companyから得た。DMAMP及びDL-2AP試料をANGUS Chemical Companyから得た。カラーリフト試験を除き、DMAMPを試験に含めた。コンディショニングクリームベース製剤を実験室において調製し、アルカライザーを試験前に所望の量(w/w%)で添加し、よく混合した。コンディショナーベースマスターバッチを、アルカリ化剤の添加を可能にする約10%のギャップで調製した。
【0092】
試験に使用される毛髪のタイプ:1.カラーリフティング用途のためのバージンブラウンヘア、2.ブロンドカラーのための95%白髪、3.ダークブラウン及びレッドカラーのための2回ブリーチされた毛髪、4.白髪カバレッジ用途のための75%白髪、及び5.ミディアムブラウンカラーのための100%天然白髪。
【0093】
毛髪トレス調製。毛髪トレスを購入し、使用前に徹底的に洗浄した。2.5%w/vのSuave Clarifying Shampoo溶液を、1000mLの温かい水道水中で25gのシャンプーを混合することによって調製した。5つの毛髪トレスを一緒にクリップし、シャンプー溶液に10分間浸漬した。トレスを温水中ですすぎ、空気乾燥させた。
【0094】
適用プロトコル。目標pHが得られるまでベースを所望のアルカリ化剤と混合することによって、カラーリフティングフォーミュラを完成させた。次いで、この完全に製剤化されたクリームを、1:1.5の比(w/w)での過酸化物の添加によって活性化した。30体積の過酸化物をリフティング試験に使用した。8グラムの得られたクリームカラーフォーミュラを毛髪トレスに塗布し、毛髪に均等に広げた。それを放置し、室温で50分間反応させた。トレスを水道水ですすぎ、空気乾燥させた。
【0095】
カラー沈着試験について、ダークブラウンカラーには20体積の過酸化物、並びにブロンド及びレッドカラー製剤には30体積の過酸化物で、同様のプロトコルに従った。
【0096】
カラー堅牢度。毛髪におけるカラーの保持は、毛髪の繰り返し洗浄を使用して測定される。トレスを流れる水道水で濡らし、0.2gのSuave Clarifying Shampooを塗布し、30秒間揉み込んだ。次いで、トレスを温水で90秒間すすぎ、完全に乾くまで40℃の対流オーブンで乾燥させた。このプロトコルを15サイクル繰り返し、5サイクル毎にカラーリーディングを記録した。
【0097】
毛髪損傷。毛髪損傷を、FTIR-ATR技法を使用してシステイン酸の増加を監視することによって測定した。カラーリフト試験について、バージンブラウンヘアを損傷していない対照として使用し、2回ブリーチした毛髪を陰性対照として使用した。測定を、1回及び5回のカラー処理後に実施し、カラー処理間に5回洗浄した。走査電子顕微鏡写真を撮影して、毛髪損傷を視覚的に評価した。
【0098】
実施例2.カラーリフト組成物
A相中の全ての成分を混合し、75℃に加熱して、A相を提供した。B相中の全ての成分を混合し、75℃に加熱して、B相を提供した。撹拌下、A相をB相に注ぎ、撹拌を5分間を継続した。熱を除去し、混合物を更に30分間撹拌した後、C相を添加して、アルカリ組成物を提供した。アルカリ組成物を30vol%の過酸化水素組成物と1:1.5(アルカリ組成物:過酸化水素組成物)の体積比で混合して、カラーリフト組成物を提供した(表1)。各カラーリフト組成物をバージンヘア試料に塗布した。室温で50分後、カラーリフト組成物を水道水できれいになるまで毛髪試料から洗浄し、毛髪を空気乾燥させて、カラー改変された毛髪試料を提供した。上記で考察されたように、ΔEの計算は、カラーの小さな差を検出するために業界において有用である。アンモニア処理された毛髪と比較された2未満の差を有するΔE結果は、同等の性能(すなわち、肉眼では不可視)であるとみなされる。BYK Gardner Spectro-Guide Sphereを用いて、各カラー改変された毛髪試料のΔEを測定し、アンモニア処理された毛髪試料と比較された差を報告した(表2)。バージンヘア試料の第2のセットを、同じ方法に従ってカラーリフト組成物で5回(合計5サイクル)処理した。各カラー改変された毛髪試料のΔEを、1サイクル後及び5サイクル後に測定した(表3)。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
7wt%又は11wt%のアルカリ化剤を有するバージンヘア及びカラー改変された毛髪試料(1及び5回の処理サイクル後)中のシステイン酸含有量を、還元及び酸化を介してジスルフィド結合(-S-S-)を測定することによって、FTIR-ATRを使用して決定した(報告された平均で5回測定した)(図2A及び2B)。1040cm-1でのSOバンドの存在及び強度は、酸化剤(例えば、過酸化水素)、UV放射、又は化学的縮毛矯正手順での毛髪の処理によって、切断され、次いでシステイン酸の残基に酸化された、ジスルフィド結合を示す(V.Signoir,et al.,Int.J.Cosmet.Sci.19,1-13(1997)を参照されたい。より高いシステイン酸含有量は、より高い毛髪への損傷を示す。
【0103】
実施例3.カラー沈着
カラー現像に対するDL-2APの性能は、3つのカラーファミリー、すなわち、ブロンド、ダークブラウン、及びレッドについて試験した。アルカライザー性能をアンモニア及びMEAの業界標準と比較した。3つのカラーファミリーについて、得られたカラーを区別することができるように最良の出発毛髪を選択した。ブロンドヘアカラーを、95%バージン白髪で評価した。ダークブラウン及びレッドを、2回ブリーチされた毛髪で評価した。そのカラーのパーマネントカラー現像及び堅牢度は、図3~5に報告される。
【0104】
実施例3.1.ブロンドカラー組成物
アンモニア、MEA、又はDL-2APを含有するブロンドカラーアルカリ組成物(表4)を、以下の手順に従って調製した:
1.Aを調製する:撹拌下で成分を組み合わせ、温度が75℃に到達するまで加熱する。
2.B成分を別の混合物に組み合わせ、75℃に加熱する。
3.4000rpmで3分間ホモジナイザーを使用してBをAに乳化する。200rpmでパドルブレードを使用して撹拌下で混合物を40℃まで冷却する。
4.水損失を計算し、それに応じて調整する。
5.C及びDを加え、10分間混合する。
【0105】
毛髪試料(2回ブリーチ)をブロンド組成物で処理した。各カラー改変された毛髪試料のΔEを測定し、DL-2AP処理された毛髪試料の差を、MEA又はアンモニア処理された毛髪試料と比較した(表5)。図6は、カラー堅牢度差を表す。DL-2APは、NH及びMEAと同等のカラー堅牢度を示す。
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】
実施例3.2.ダークブラウンカラー組成物
MEA、アンモニア、又はDL-2APを含有するダークブラウンカラー組成物(表6)を、実施例3.1のブロンドカラー組成物について示されるものと同じ手順に従って調製した。
【0109】
毛髪試料(2回ブリーチ)をダークブラウンカラー組成物で処理した。各カラー改変された毛髪試料のΔEを測定し、DL-2AP処理された毛髪試料の差を、MEA又はアンモニア処理された毛髪試料と比較した(表7)。DL-2APは、優れたカラー沈着を表し、MEA又はNHと比較して、レッド及びイエロー座標において顕著な差が有した。図7における洗浄堅牢度は、低減したレベルでのDL-2APが、複数のシャンプー洗浄後の対照に対して改善されたカラー堅牢度を示すことを示す。
【0110】
【表6】
【0111】
【表7】
【0112】
実施例3.3.レッドカラー組成物
MEA、アンモニア、又はDL-2APを含有するレッドカラー組成物(表8)を、実施例3.1のブロンドカラー組成物について示されるものと同じ手順に従って調製した。
【0113】
毛髪試料(2回ブリーチ)をレッドカラー組成物で処理した。各カラー改変された毛髪試料のΔEを測定し、DL-2AP処理された毛髪試料の差を、MEA又はアンモニア処理された毛髪試料と比較した(表9)。図8は、カラー堅牢度差を表す。DL-2APは、NH及びMEAと同等のカラー堅牢度を示す。
【0114】
【表8】
【0115】
【表9】
【0116】
実施例4.縮毛矯正組成物
A相中の全ての成分を混合し、75℃に加熱して、A相を提供した。B相中の全ての成分を混合し、75℃に加熱して、B相を提供した。撹拌下、A相をB相に注ぎ、撹拌を10分間を継続した。温度を40℃に低減し、C相の成分を撹拌下で添加して、組成物1を提供した。組成物2を、撹拌下で組成物1に添加して、アルカリ剤アンモニア、DL-2AP、MEA、AMP、又はAMPDを含有する組成物を提供した(表10)。各縮毛矯正組成物を、毛髪にブラッシングすることによって、バージンヘア試料に塗布した。室温で30分後、縮毛矯正組成物を水道水できれいになるまで毛髪試料から洗浄し、毛髪を空気乾燥させて、カール改変された毛髪試料を提供した(図9A及び9B)。毛髪をストレートに保ちながら、フラットアイロンを各乾燥毛髪試料に3回適用し、20vol%の過酸化水素溶液を塗布した。5分後、溶液を毛髪試料から洗浄し、毛髪を空気乾燥させて、カール改変された毛髪試料を提供した(図9C及び9D)。
【0117】
【表10】
【0118】
実施例5.白髪カバレッジ
パーマネントヘアカラーは、白髪をカバーするための使用に人気である。そのような用途について、ヘアカラーフォーミュラにとって、全ての毛髪に対するカラー沈着とともに、より暗い毛髪に対するカラーリフトを提供することが重要である。この研究を、75%白髪を使用して実施して、より暗い毛髪についてカラーリフト及びその後のカラー沈着に対する性能の比較を可能にして、均一なエンドカラーシェードを提供した。DL-2APを、アンモニア及びMEAと比較して、5%及び3%の使用で試験した。パーマネントカラー沈着及び堅牢度の効果は、図10に見ることができる。全てのシステムは、同等のカラー堅牢度を示した。
【0119】
表11は、白髪カラー沈着を示し、DL-2APは、ΔE対NH及びMEAによって測定される同等のカラー変化を示した。図11は、2レベルのDL-2APについてカラー保持を示す。
【0120】
【表11】
【0121】
等価物
ある特定の実施形態を図示し、説明してきたが、当業者は、前述の明細書を読んだ後、本明細書に記載される本技術の化合物若しくは塩、薬学的組成物、誘導体、プロドラッグ、代謝産物、その互変異性体若しくはラセミ混合物に対する変更、同等物の置換、及び他の種類の改変をもたらすことができる。上記の各態様及び実施形態は、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されたそのような変形又は態様もそこに含むか又は組み込むことができる。
【0122】
本技術はまた、本技術の個別の態様の単一の例示として意図される、本明細書に記載の特定の態様に関して限定されない。当業者には明らかとなるであろうように、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、本技術の多くの修正及び変形が行われ得る。本技術の範囲内の機能的に同等の方法は、本明細書に列挙されたものに加えて、前述の説明から当業者に明らかとなる。そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図される。本技術は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生物系に限定されず、これらは当然のことながら変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用する用語は、単に特定の態様を説明するためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。したがって、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その中の定義、及びそれらのいずれの等価物によってのみ示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨によってのみ例示とみなされることが意図される。
【0123】
本明細書で実例として説明される実施形態は、本明細書に具体的には開示されていないいかなる要素(複数可)、制限(複数可)の不在下でも好適に実施され得る。したがって、例えば、「を含んでいる(comprising)」、「を含んでいる(including)」、「を含有している(containing)」などの用語は、広範にかつ制限なしで読まれることになっている。追加的に、本明細書で採用される用語及び表現は、説明の用語として使用されており、制限の用語として使用されてはおらず、このような用語及び表現の使用において、示され及び説明される特徴又はその部分のいかなる等価物も除外することを意図するものではなく、特許請求された技術の範囲内で種々の修正が可能であることが認識される。追加的に、「から本質的になる」という語句は、具体的に引用される複数の要素、及び特許請求される技術の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響しない追加の要素を含むよう理解されるものとする。「からなる」という語句は、指定されていないいかなる要素も除外する。
【0124】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュグループに関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュグループのメンバーの任意の個別のメンバー又はサブグループの観点から記載されることを認識するであろう。一般的な開示に含まれるより狭い種及び亜属のグループ分けの各々も、本発明の一部を形成する。これには、削除された材料が本明細書に具体的に列挙されているかどうかに関係なく、属から任意の対象を除去する条件又は否定的な制限を伴う本発明の一般的な説明が含まれる。
【0125】
当業者には理解されるであろうように、あらゆる目的のために、特に書面による説明を提供する観点から、本明細書に開示される全ての範囲は、あらゆる可能な部分範囲及びその部分範囲の組み合わせをも包含する。列挙されたいずれの範囲も、十分に説明されており、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを可能にすると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分解することができる。また、当業者によって理解されるであろうように、「最大」、「少なくとも」、「~超」、「~未満」などのような全ての文言は、列挙された数を含み、上記で考察されたように続いて部分範囲に分解することができる範囲を指す。最後に、当業者には理解されるであろうように、範囲は各々の個別のメンバーを含む。
【0126】
全ての刊行物、特許出願、発行された特許、及び本明細書で参照される他の文書(例えば、定期刊行物、記事、及び/又は教科書)は、各個別の刊行物、特許出願、発行された特許、又は他の文書が、具体的かつ個別的に示されて、その全体が参照によって組み込まれるように、参照によって本明細書に組み込まれる。参照によって組み込まれる本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
【0127】
本技術は、これらに限定されないが、以下の文字が付された項に列挙される特徴及び特徴の組み合わせを含み得るが、以下の項は、本明細書に添付される特許請求の範囲を限定するもの、又は全てのそのような特徴が必ずしもそのような特許請求の範囲に含まれなければならないことを義務付けるものと解釈されるべきではないことが理解されている。
A.2-アミノプロパノールを含むアルカリ剤を含む、毛髪改変組成物。
B.2-アミノプロパノールが、約2wt%~約15wt%の量で存在する、項Aの毛髪改変組成物。
C.2-アミノプロパノールが、約3wt%~約14wt%の量で存在する、項A又は項Bの毛髪改変組成物。
D.2-アミノプロパノールが、約4wt%~約12wt%の量で存在する、項A~Cのいずれか1つの毛髪改変組成物。
E.2-アミノプロパノールが、約3wt%~約10wt%の量で存在する、項A~Cのいずれか1つの毛髪改変組成物。
F.2-アミノプロパノールが、約6wt%~約11wt%の量で存在する、項A~Eのいずれか1つの毛髪改変組成物。
G.アンモニア、2-アミノプロパノールとは異なるアルカノールアミン、又はそれらの組み合わせを更に含む、項A~F又のいずれか1つの毛髪改変組成物。
H.アルカノールアミンが、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール(DMAMP)、2-アミノ-1-ブタノール(AB)、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD)、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール(AEPD)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TA)、モノエタノールアミン(MEA)、モノイソプロパノールアミン(MIPA)、トリエタノールアミン(TEA)トリイソプロパノールアミン(TIPA)、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、項Gの毛髪改変組成物。
I.組成物が、アンモニアを実質的に含まない、項A~Fのいずれか1つの毛髪改変組成物。
J.組成物が、MEAを実質的に含まない、項A~F又はIのいずれか1つの毛髪改変組成物。
K.カラーリング剤を更に含む、項A~Jのいずれか1つの毛髪改変組成物。
L.カラーリング剤を更に含み、カラーリング剤が、アニオン染料、カチオン染料、中性染料、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、項Kの毛髪改変組成物。
M.抗酸化剤を更に含む、項A~Lのいずれか1つの毛髪改変組成物。
N.抗酸化剤が、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、α-トコフェロール、酢酸トコフェリル、パンテノール、硫化セレン、ホルムスルホキシル酸亜鉛、イソアスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルグルコシド、システイン、チオ尿素、モノチオグリコール酸グリセリル、チオグリセロール、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、エリソルビン酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、項Mの毛髪改変組成物。
O.1つ以上の表面活性剤を更に含む、項A~Nのいずれか1つの毛髪改変組成物。
P.1つ以上の表面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、PEG-40水素化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、オレス-20、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-40、セテアレス-20、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、項Oの毛髪改変組成物。
Q.アルコールを更に含む、項A~Pのいずれか1つの毛髪改変組成物。
R.アルコールが、直鎖飽和C14~C20アルコール、直鎖不飽和C14~C20アルコール、又はそれらの組み合わせを含む、項Qの毛髪改変組成物。
S.アルコールが、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、又はそれらの組み合わせを含む、項Q又は項Rの毛髪改変組成物。
T.皮膚コンディショニング剤を更に含む、項A~Sのいずれか1つの毛髪改変組成物。
U.香料を更に含む、項A~Tのいずれか1つの毛髪改変組成物。
V.カール修飾剤を更に含む、項A~Tのいずれか1つの毛髪改変組成物。
W.カール修飾剤が、アルカリ縮毛矯正剤、チオグリコレート、ケラチン、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含む、項Vの毛髪改変組成物。
X.カール修飾剤が、チオグリコレートを含む、項V又は項Wの毛髪改変組成物。
Y.ディベロッパーを更に含む、項A~Xのいずれか1つの毛髪改変組成物。
Z.ディベロッパーが、過酸化水素を含む、項Yの毛髪改変組成物。
AA.水を更に含む、項A~Zのいずれか1つの毛髪改変組成物。
BB.毛髪改変組成物が、ヘアカラー改変組成物である、項A~AAのいずれか1つの毛髪改変組成物。
CC.組成物で処理された毛髪が、アンモニアが2-アミノプロパノールに置換された対照組成物と比較して、約2.5未満のヘアカラー改変ΔEを示す、項BBの毛髪改変組成物。
DD.組成物で処理された毛髪が、アンモニアが2-アミノプロパノールに置換された対照組成物と比較して、約2未満のヘアカラー改変ΔEを示す、項BB又は項CCの毛髪改変組成物。
EE.ΔEが、1回以上のカラー処理サイクル後に測定される、項CC又は項DDの毛髪改変組成物。
FF.ΔEが、5回以上のカラー処理サイクル後に測定される、項EEの毛髪改変組成物。
GG.毛髪改変組成物が、カール、縮れ、又は髪質改変組成物である、項A~FFのいずれか1つの毛髪改変組成物。
HH.毛髪改変組成物が、ジスルフィド結合破壊組成物である、項GGの毛髪改変組成物。
II.毛髪を改変するための方法であって、
項A~HHのいずれか1つの毛髪改変組成物を毛髪に塗布することと、
組成物を毛髪から水ですすぎ流して、改変された毛髪を提供することと、含む、方法。
JJ.すすぎが、塗布の少なくとも約10分後に行われる、項IIの方法。
KK.すすぎが、塗布の少なくとも約20分後に行われる、項II又は項JJの方法。
LL.すすぎが、塗布の少なくとも約30分後に行われる、項II又は項JJの方法。
MM.組成物が、カラー改変組成物であり、改変された毛髪が、アンモニアが2-アミノプロパノールに置換された対照組成物で処理された毛髪と比較して、約2.5未満のヘアカラー改変ΔEを示す、項II~LLのいずれか1つの方法。
NN.組成物が、カラー改変組成物であり、改変された毛髪が、アンモニアが2-アミノプロパノールに置換された対照組成物で処理された毛髪と比較して、約2未満のヘアカラー改変ΔEを示す、項II~MMのいずれか1つの方法。
OO.ΔEが、1回以上の塗布及びすすぎ後に測定される、項MM又は項NNの方法。
PP.ΔEが、5回以上の塗布及びすすぎ後に測定される、項MM又は項NNの方法。
QQ.組成物が、カール改変組成物である、項II~PPのいずれか1つの方法。
RR.項A~HHのいずれか1つの毛髪改変組成物を含む、キット。
SS.キットが、2-アミノプロパノールを含む第1の組成物と、ディベロッパーを含む第2の組成物と、を含む、項RRのキット。
図1
図2A
図2B
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【国際調査報告】