(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】薬剤送達システム及び関連方法
(51)【国際特許分類】
A61D 7/00 20060101AFI20240214BHJP
A61D 19/02 20060101ALI20240214BHJP
A61M 31/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61D7/00 Z
A61D19/02 Z
A61M31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550029
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 US2022016916
(87)【国際公開番号】W WO2022178206
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515230154
【氏名又は名称】ゾエティス・サービシーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】サチェタ,スーザン・リールズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィックス,ニコラス・アラン
(72)【発明者】
【氏名】ショディン,デリック・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ブロック,クリストファー・ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ライビン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA04
4C066BB03
4C066CC01
4C066FF02
4C066GG12
4C066KK15
(57)【要約】
オリフィス内薬剤送達システム及び形成方法は、長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するハウジングを含み、チャンバ壁は、それを通る1つ以上の開口部を画定する。保持装置は、ハウジングから延在し、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、ハウジングを除去可能に保持するように適合されている。浸透圧送達デバイスは、チャンバ内に配設され、半透膜内に配設されたオスモゲン部分及び薬剤含有部分を含む。オスモゲン部分は、半透膜を透過する身体オリフィス内からの液体の吸収に応答して膨張し、薬剤含有部分に圧力を加える。薬剤含有部分は、膨張したオスモゲン部分によって加えられた圧力に応答して薬剤を放出するように配置されており、薬剤は、半透膜によって画定された膜オリフィスを通って出て、その後、薬剤が身体オリフィス内に送達されるように、1つ以上の開口部を通ってハウジングから出る。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリフィス内薬剤送達システムであって、
長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングであって、前記チャンバ壁が、前記チャンバから前記チャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を更に画定する、ハウジングと、
前記ハウジングと係合し、前記ハウジングから延在する保持装置であって、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、前記ハウジングを除去可能に保持するように適合されている、保持装置と、
前記チャンバ内に配設され、半透膜内に配設されたオスモゲン部分及び薬剤含有部分を含む、浸透圧送達デバイスであって、前記オスモゲン部分が、前記半透膜を透過する前記オリフィス内からの液体の吸収に応答して膨張し、前記薬剤含有部分に圧力を加えるように配置され、前記薬剤含有部分が、前記膨張したオスモゲン部分によって加えられた前記圧力に応答して薬剤を放出するように配置され、前記薬剤が、前記半透膜によって画定された膜オリフィスを通って出て、その後、前記薬剤が前記身体オリフィス内に送達されるように、前記1つ以上の開口部を通って前記ハウジングから出る、浸透圧送達デバイスと、を備える、システム。
【請求項2】
前記ハウジング又は前記保持装置と係合するハウジング除去装置であって、前記身体オリフィスからの前記ハウジングの除去を容易にするように適合されている、ハウジング除去装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハウジング除去装置が、前記ハウジングとの間に配置されたステムを介して前記ハウジングと係合し、前記ステムが、前記長手方向軸に沿って延在する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ハウジング除去装置がリング部材を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記ハウジング除去装置が、前記身体オリフィスからの前記ハウジングの除去を容易にするための、前記リング部材と係合するように配置されたフック部材を含む遠位端部を有する、細長いハンドルを更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記保持装置が、前記ハウジング除去装置と前記ハウジングとの間で直列に係合する、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記保持装置が、前記ハウジングの第1の端部と係合し、前記ハウジング除去装置が、前記ハウジングの第2の端部と係合する、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記保持装置が、前記ハウジング除去装置と前記ハウジングとの間で前記ステムと係合する、請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
前記保持装置が、1つ以上の保持部材であって、前記ハウジングを前記身体オリフィス内に保持するために、前記オリフィス壁に向かって付勢され、前記オリフィス壁と係合状態になるように配置されるように、前記ハウジング又は前記ステムと係合し、前記ハウジング又は前記ステムから離れる方向に延在する、1つ以上の保持部材を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上の保持部材が、前記ハウジング又は前記ステムに対して片持ち式に配置されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上の保持部材が可撓性であるか、又は前記1つ以上の保持部材と前記ハウジング若しくは前記ステムとの間の前記係合が可撓性であり、前記1つ以上の保持部材に関連する前記可撓性が、前記ハウジングを前記身体オリフィス内に保持するために、前記1つ以上の保持部材を前記オリフィス壁と相互作用状態にするように付勢するか、又は、前記身体オリフィスから前記ハウジングを除去するために、前記1つ以上の保持部材の前記オリフィス壁からの係合解除を容易にする、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上の保持部材の遠位端部が、前記遠位端部による前記オリフィス壁の穿孔を防止するために、又は前記ハウジングの前記身体オリフィスからの除去を容易にするために、丸みを帯びているか、又は前記遠位端部と係合する丸みを帯びた部材を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記ハウジングが、前記長手方向軸に垂直な最大直径を画定し、前記1つ以上の保持部材の前記遠位端部、又はそれと係合する前記丸みを帯びた部材が、前記ハウジングの前記最大直径よりも大きく前記ステムから外向きに延在している、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記膜、前記薬剤含有部分、又は前記オスモゲン部分が、前記薬剤含有部分に、所定の速度で前記薬剤を放出させるように配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記チャンバ壁によって画定され、前記チャンバ壁を通って前記チャンバから延在する前記1つ以上の開口部が、前記オリフィスから前記チャンバ内に液体を漏斗式に送るために、前記チャンバ壁の外面の周りの比較的大きな開口領域と、前記チャンバ壁の内面の周りの比較的小さな開口領域と、を画定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記チャンバ壁から前記チャンバ内に延在する1つ以上の突起であって、前記浸透圧送達デバイスの周りの液体の循環を容易にするために、前記浸透圧送達デバイスの前記チャンバ壁から離れた離隔を容易にする、1つ以上の突起を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記チャンバ壁が略円筒状であり、かつ対向する第1の端部及び第2の端部を有し、前記ハウジングが、対向する各端部と係合する端壁を含み、前記端壁のうちの一方が、1つ以上の開口部を画定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記浸透圧送達デバイスの前記薬剤含有部分が、前記1つ以上の開口部を画定する前記端壁のうちの前記一方に隣接して配設されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記チャンバ壁と前記浸透圧送達デバイスとの間で係合する付勢装置であって、前記薬剤を、前記薬剤含有部分から、前記端壁のうちの前記一方によって画定された前記1つ以上の開口部を通して放出することを容易にするために、前記浸透圧送達デバイスを前記端壁のうちの前記一方に対して付勢するように配置されている、付勢装置を備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記オスモゲン部分が、前記薬剤含有部分と接して配設され、前記半透膜が、前記オスモゲン部分及び前記薬剤含有部分の周りに施されたコーティングを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記ハウジングが、2つのインターロック部分であって、それらの間の係合時に、それによって画定された前記チャンバ内の前記浸透圧送達デバイスを含む、2つのインターロック部分を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
オリフィス内薬剤送達システムを形成する方法であって、
長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングを形成し、前記チャンバ壁が、前記チャンバから前記チャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を画定するようにすることと、
保持装置を前記ハウジングと係合させ、前記保持装置が、前記ハウジングから延在し、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、前記ハウジングを除去可能に保持するように適合されるようにすることと、
半透膜内に配設されたオスモゲン部分及び薬剤含有部分を含む浸透圧送達デバイスを、前記チャンバ内に配設し、前記オスモゲン部分が、前記半透膜を透過する前記オリフィス内からの液体の吸収に応答して膨張し、前記薬剤含有部分に圧力を加えるように配置されるように、前記薬剤含有部分が、前記膨張したオスモゲン部分によって加えられた前記圧力に応答して薬剤を放出するように配置されるように、かつ、前記薬剤が、前記半透膜によって画定された膜オリフィスを通って出て、その後、前記1つ以上の開口部を通って前記ハウジングから出て、前記身体オリフィス内に送達されるようにすることと、を含む、方法。
【請求項23】
ハウジング除去装置を前記ハウジング又は前記保持装置と係合させることを含み、前記ハウジング除去装置が、前記身体オリフィスからの前記ハウジングの除去を容易にするように適合されている、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ハウジング除去装置を係合させることが、前記ハウジングとの間に配置され、前記長手方向軸に沿って延在するステムを介して、前記ハウジング除去装置を前記ハウジングと係合させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ハウジング除去装置を係合させることが、前記ハウジング除去装置のリング部材を、前記ハウジング又は前記保持装置と係合させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記ハウジング除去装置の前記リング部材を、細長いハンドルの遠位端部と係合させることを含み、前記遠位端部が、前記身体オリフィスからの前記ハウジングの除去を容易にするための、前記リング部材と係合するように配置されたフック部材を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記保持装置を係合させることが、前記ハウジング除去装置と前記ハウジングとの間で前記保持装置と直列に係合させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記保持装置を係合させることが、前記保持装置を前記ハウジングの第1の端部と係合させることと、前記ハウジング除去装置を前記ハウジングの第2の端部と係合させることと、を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記保持装置と係合させることが、前記ハウジング除去装置と前記ハウジングとの間で前記保持装置を前記ステムと係合させることを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記保持装置と係合させることが、1つ以上の保持部材を前記ハウジング又は前記ステムと係合させ、前記ハウジング又は前記ステムから離れる方向に延在させ、前記1つ以上の保持部材が、前記ハウジングを前記身体オリフィス内に保持するために、前記オリフィス壁に向かって付勢され、前記オリフィス壁と係合状態になるように配置されるようにすることを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上の保持部材を、前記ハウジング又は前記ステムに対して片持ち式に配置することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記遠位端部による前記オリフィス壁の穿孔を防止するために、又は、前記ハウジングの前記身体オリフィスからの除去を容易にするために、前記1つ以上の保持部材の前記遠位端部を丸めること、又は、丸みを帯びた部材を前記遠位端部の各々と係合させることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記ハウジングが、前記長手方向軸に垂直な最大直径を画定し、前記遠位端部を丸めること、又は前記丸みを帯びた部材を係合させることが、前記1つ以上の保持部材の前記遠位端部、又はそれと係合する前記丸みを帯びた部材が、前記ハウジングの前記最大直径よりも大きく、前記ステムから外向きに延在するように、前記遠位端部を丸めること、又は前記丸みを帯びた部材を前記遠位端部の各々と係合させることと、を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記薬剤含有部分に、所定の速度で前記薬剤を放出させるように、前記半透膜、前記薬剤含有部分、又は前記オスモゲン部分を配置することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
前記チャンバ壁によって画定された前記1つ以上の開口部を形成し、前記1つ以上の開口部が、前記チャンバ壁の外面の周りの比較的大きな開口領域と、前記チャンバ壁の内面の周りの比較的小さな開口領域と、を画定するようにすることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項36】
前記チャンバ壁から前記チャンバ内に延在する1つ以上の突起を形成することであって、前記1つ以上の突起が、前記浸透圧送達デバイスの周りの液体の循環を容易にするために、前記浸透圧送達デバイスの前記チャンバ壁から離れた離隔を容易にする、形成することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項37】
前記ハウジングを形成することが、前記チャンバ壁が略円筒状であり、かつ対向する第1の端部及び第2の端部を有するように前記ハウジングを形成することと、端壁を、対向する各端部と係合させることと、を含み、前記端壁のうちの一方が、1つ以上の開口部を画定する、請求項22に記載の方法。
【請求項38】
前記浸透圧送達デバイスを配設することが、前記浸透圧送達デバイスの前記薬剤含有部分が、前記1つ以上の開口部を画定する前記端壁のうちの前記一方に隣接して配設されるように、前記浸透圧送達デバイスを前記チャンバ内に配設することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記チャンバ壁と前記浸透圧送達デバイスとの間で付勢装置を係合させ、前記付勢装置が、前記薬剤を、前記薬剤含有部分から、前記端壁のうちの前記一方によって画定された前記1つ以上の開口部を通して放出することを容易にするために、前記浸透圧送達デバイスを前記端壁のうちの前記一方に対して付勢するように配置されるようにすることを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記浸透圧送達デバイスを配設することが、前記浸透圧送達デバイスを前記ハウジングの第1の部分内に配設することと、前記ハウジングの第2の部分を前記第1の部分と係合させることと、を行い、前記2つの部分が、それらの間の係合時に、それによって画定された前記チャンバ内の前記浸透圧送達デバイスを含むように連動するようにすることと、を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項41】
オリフィス内薬剤送達システムであって、
長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングであって、前記チャンバ壁が、前記チャンバから前記チャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を更に画定する、ハウジングと、
前記ハウジングと係合し、前記ハウジングから延在する保持装置であって、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、前記ハウジングを除去可能に保持するように適合されている、保持装置と、
前記チャンバ内に配設され、薬剤成分を含む浸食性物体であって、前記身体オリフィス内からの液体との相互作用に応答して溶解するように配置され、それによって、前記薬剤成分が前記身体オリフィス内に送達されるように、前記1つ以上の開口部を通って前記ハウジングから出るように前記薬剤成分を放出する、浸食性物体と、を備える、システム。
【請求項42】
オリフィス内薬剤送達システムを形成する方法であって、
長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングを形成し、前記チャンバ壁が、前記チャンバから前記チャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を画定するようにすることと、
保持装置を前記ハウジングと係合させ、前記保持装置が、前記ハウジングから延在し、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、前記ハウジングを除去可能に保持するように適合されるようにすることと、
薬剤成分を含む浸食性物体を前記チャンバ内に配設し、前記浸食性物体が、前記身体オリフィス内からの液体との相互作用に応答して溶解するように配置され、それによって、前記身体オリフィス内への送達のために、前記1つ以上の開口部を通って前記ハウジングから出るように前記薬剤成分を放出するようにすることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤送達システム及び方法に関し、より具体的には、薬剤を作製及び使用するための薬剤送達システム及び方法に関し、薬剤送達システムは、浸透圧送達デバイス又は浸食性物体であって、そこへ薬剤を送達するために、身体オリフィス内に除去可能に浸透圧送達デバイス又は浸食性物体を保持するための保持装置と係合する、浸透圧送達デバイス又は浸食性物体を有する。
【背景技術】
【0002】
動物用のいくつかの薬剤は、個々の用量とは対照的に、長期間にわたって送達される必要がある。従来、そのような薬剤は、例えば、膣口などの身体オリフィスを通して動物に送達され得る。例えば、薬剤の経膣送達は、例えばブタ、ウシ及び/又はヒツジであり得る動物の繁殖周期を制御するように機能してもよい。いくつかの先行技術の膣内薬剤送達デバイスは、薬剤放出部分を有する物理的フレームワークであって、薬剤放出部分が、外部に露出されるように、物理的フレームワークの一部分と係合し、一部分を取り囲んでいる、物理的フレームワークを実装する。薬剤放出部分は、例えば、避妊薬を徐々に放出するように構成されてもよい。そのような先行技術の膣内薬剤送達デバイスに関連付けられた制限には、薬物放出形態の可撓性の欠如と、受動拡散と、薬物負荷の低下と、無分別な再利用を可能にする最初の使用後の薬物残渣とが含まれる。
【0003】
したがって、動物の身体オリフィス内に薬剤を送達するための改善された薬剤送達システムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
上記及び他の必要性は、本開示の態様によって満たされ、以下の例示的な実施形態を含むが、これらに限定されず、特定の一態様では、オリフィス内薬剤送達システムであって、長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングを含む、システムを提供し、チャンバ壁は、チャンバからチャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を更に画定する。保持装置は、ハウジングと係合し、ハウジングから延在し、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に除去可能にハウジングを保持するように適合されている。浸透圧送達デバイスは、チャンバ内に配設され、半透膜内に配設されたオスモゲン部分及び薬剤含有部分を含む。オスモゲン部分は、半透膜を透過する身体オリフィス内からの液体の吸収に応答して膨張し、薬剤含有部分に圧力を加えるように配置されている。薬剤含有部分は、膨張したオスモゲン部分によって加えられた圧力に応答して薬剤を放出するように配置されており、薬剤は、半透膜によって画定された膜オリフィスを通って出て、その後、薬剤が身体オリフィス内に送達されるように、1つ以上の開口部を通ってハウジングから出る。
【0005】
本開示の別の態様は、オリフィス内薬剤送達システムを形成する方法であって、長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングを形成し、チャンバ壁が、チャンバからチャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を画定するようにすることと、保持装置をハウジングと係合させ、保持装置が、ハウジングから延在し、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、ハウジングを除去可能に保持するように適合されるようにすることと、半透膜内に配設されたオスモゲン部分及び薬剤含有部分を含む浸透圧送達デバイスを、チャンバ内に配設し、オスモゲン部分が、半透膜を透過する身体オリフィス内からの液体の吸収に応答して膨張し、薬剤含有部分に圧力を加えるように配置されるように、薬剤含有部分が、膨張したオスモゲン部分によって加えられた圧力に応答して薬剤を放出するように配置されるように、かつ、薬剤が、半透膜によって画定された膜オリフィスを通って出て、その後、1つ以上の開口部を通ってハウジングから出て、身体オリフィス内に送達されるようにすることと、を含む、方法を提供する。
【0006】
本開示の更に別の態様は、オリフィス内薬剤送達システムであって、長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングを含む、システムを提供し、チャンバ壁は、チャンバからチャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を更に画定する。保持装置は、ハウジングと係合し、ハウジングから延在し、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に除去可能にハウジングを保持するように適合されている。浸食性物体は、チャンバ内に配設され、薬剤成分を含む。浸食性物体は、身体オリフィス内からの液体との相互作用に応答して溶解するように配置され、それによって、薬剤成分が身体オリフィス内に送達されるように、1つ以上の開口部を通ってハウジングから出るように薬剤成分を放出する。
【0007】
本開示の更にまた別の態様は、オリフィス内薬剤送達システムを形成する方法であって、長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングを形成し、チャンバ壁が、チャンバからチャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を画定するようにすることと、保持装置をハウジングと係合させ、保持装置が、ハウジングから延在し、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、ハウジングを除去可能に保持するように適合されるようにすることと、薬剤成分を含む浸食性物体をチャンバ内に配設し、浸食性物体が、身体オリフィス内からの液体との相互作用に応答して溶解するように配置され、それによって、身体オリフィス内への送達のために、1つ以上の開口部を通ってハウジングから出るように薬剤成分を放出するようにすることと、を含む、方法を提供する。
【0008】
したがって、本開示は、以下の例示的な実施形態を含むが、これらに限定されない。
【0009】
例示的な実施形態1:オリフィス内薬剤送達システムであって、長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングであって、チャンバ壁が、チャンバからチャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を更に画定する、ハウジングと、ハウジングと係合し、ハウジングから延在する保持装置であって、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、ハウジングを除去可能に保持するように適合されている、保持装置と、チャンバ内に配設され、半透膜内に配設されたオスモゲン部分及び薬剤含有部分を含む、浸透圧送達デバイスであって、オスモゲン部分が、半透膜を透過する身体オリフィス内からの液体の吸収に応答して膨張し、薬剤含有部分に圧力を加えるように配置され、薬剤含有部分が、膨張したオスモゲン部分によって加えられた圧力に応答して薬剤を放出するように配置され、薬剤が、半透膜によって画定された膜オリフィスを通って出て、その後、薬剤が身体オリフィス内に送達されるように、1つ以上の開口部を通ってハウジングから出る、浸透圧送達デバイスと、を備える、システム。
【0010】
例示的な実施形態2:ハウジング又は保持装置と係合するハウジング除去装置であって、身体オリフィスからのハウジングの除去を容易にするように適合されている、ハウジング除去装置を備える、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0011】
例示的な実施形態3:ハウジング除去装置が、ハウジングとの間に配置されたステムを介してハウジングと係合し、ステムが、長手方向軸に沿って延在する、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0012】
例示的な実施形態4:ハウジング除去装置がリング部材を含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0013】
例示的な実施形態5:ハウジング除去装置が、身体オリフィスからのハウジングの除去を容易にするための、リング部材と係合するように配置されたフック部材を含む遠位端部を有する、細長いハンドルを更に含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0014】
例示的な実施形態6:保持装置が、ハウジング除去装置とハウジングとの間で直列に係合する、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0015】
例示的な実施形態7:保持装置が、ハウジングの第1の端部と係合し、ハウジング除去装置が、ハウジングの第2の端部と係合する、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0016】
例示的な実施形態8:保持装置が、ハウジング除去装置とハウジングとの間でステムと係合する、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0017】
例示的な実施形態9:保持装置が、1つ以上の保持部材であって、ハウジングを身体オリフィス内に保持するために、オリフィス壁に向かって付勢され、オリフィス壁と係合状態になるように配置されるように、ハウジング又はステムと係合し、ハウジング又はステムから離れる方向に延在する、1つ以上の保持部材を含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0018】
例示的な実施形態10:1つ以上の保持部材が、ハウジング又はステムに対して片持ち式に配置されている、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0019】
例示的な実施形態11:1つ以上の保持部材が可撓性であるか、又は、1つ以上の保持部材とハウジング若しくはステムとの間の係合が可撓性であり、1つ以上の保持部材に関連する可撓性が、ハウジングを身体オリフィス内に保持するために、1つ以上の保持部材をオリフィス壁と相互作用状態にするように付勢するか、又は、身体オリフィスからハウジングを除去するために、1つ以上の保持部材のオリフィス壁からの係合解除を容易にする、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0020】
例示的な実施形態12:1つ以上の保持部材の遠位端部が、遠位端部によるオリフィス壁の穿孔を防止するために、又は、ハウジングの身体オリフィスからの除去を容易にするために、丸みを帯びているか、又は、遠位端部と係合する丸みを帯びた部材を含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0021】
例示的な実施形態13:ハウジングが、長手方向軸に垂直な最大直径を画定し、1つ以上の保持部材の遠位端部、又はそれと係合する丸みを帯びた部材が、ハウジングの最大直径よりも大きく、ステムから外向きに延在している、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0022】
例示的な実施形態14:薬剤含有部分の周りの膜が、1つ以上の細孔を画定し、薬剤含有部分によって放出された薬剤が、1つ以上の細孔を介して膜を出る、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0023】
例示的な実施形態15:膜、薬剤含有部分、又はオスモゲン部分が、薬剤含有部分に、所定の速度で薬剤を放出させるように配置されている、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0024】
例示的な実施形態16:チャンバ壁によって画定され、チャンバ壁を通ってチャンバから延在する1つ以上の開口部が、身体オリフィスからチャンバ内に液体を漏斗式に送るために、チャンバ壁の外面の周りの比較的大きな開口領域と、チャンバ壁の内面の周りの比較的小さな開口領域と、を画定する、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0025】
例示的な実施形態17:チャンバ壁からチャンバ内に延在する1つ以上の突起であって、浸透圧送達デバイスの周りの液体の循環を容易にするために、浸透圧送達デバイスのチャンバ壁から離れた離隔を容易にする、1つ以上の突起を含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0026】
例示的な実施形態18:チャンバ壁が略円筒状であり、かつ対向する第1の端部及び第2の端部を有し、ハウジングが、対向する各端部と係合する端壁を含み、端壁のうちの一方が、1つ以上の開口部を画定する、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0027】
例示的な実施形態19:浸透圧送達デバイスの薬剤含有部分が、1つ以上の開口部を画定する端壁のうちの一方に隣接して配設されている、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0028】
例示的な実施形態20:チャンバ壁と浸透圧送達デバイスとの間で係合する付勢装置であって、薬剤を、薬剤含有部分から、端壁のうちの一方によって画定された1つ以上の開口部を通して放出することを容易にするために、浸透圧送達デバイスを端壁のうちの一方に対して付勢するように配置されている、付勢装置を備える、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0029】
例示的な実施形態21:オスモゲン部分が、薬剤含有部分と接して配設され、半透膜が、オスモゲン部分及び薬剤含有部分の周りに施されたコーティングを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0030】
例示的な実施形態22:ハウジングが、2つのインターロック部分であって、それらの間の係合時に、それによって画定されたチャンバ内の浸透圧送達デバイスを含む、2つのインターロック部分を備える、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0031】
例示的な実施形態23:薬剤含有部分が、ステロイド、ホルモン、サイトカインシグナル伝達分子、疼痛管理薬、心臓脈管薬、免疫調節剤、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質、又はそれらの組み合わせを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0032】
例示的な実施形態24:オスモゲン部分が、ステアリン酸マグネシウムを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせのシステム。
【0033】
例示的な実施形態25:オリフィス内薬剤送達システムを形成する方法であって、長手方向軸に沿って延在する内側チャンバを画定するチャンバ壁を有するハウジングを形成し、チャンバ壁が、チャンバからチャンバ壁を通って延在する1つ以上の開口部を画定するようにすることと、保持装置をハウジングと係合させ、保持装置が、ハウジングから延在し、オリフィス壁によって画定された身体オリフィス内に、ハウジングを除去可能に保持するように適合されるようにすることと、半透膜内に配設されたオスモゲン部分及び薬剤含有部分を含む浸透圧送達デバイスを、チャンバ内に配設し、オスモゲン部分が、半透膜を透過する身体オリフィス内からの液体の吸収に応答して膨張し、薬剤含有部分に圧力を加えるように配置されるように、薬剤含有部分が、膨張したオスモゲン部分によって加えられた圧力に応答して薬剤を放出するように配置されるように、かつ、薬剤が、半透膜によって画定された膜オリフィスを通って出て、その後、1つ以上の開口部を通ってハウジングから出て、身体オリフィス内に送達されるようにすることと、を含む、方法。
【0034】
例示的な実施形態26:ハウジング除去装置をハウジング又は保持装置と係合させることを含み、ハウジング除去装置が、身体オリフィスからのハウジングの除去を容易にするように適合されている、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0035】
例示的な実施形態27:ハウジング除去装置を係合させることが、ハウジングとの間に配置され、長手方向軸に沿って延在するステムを介して、ハウジング除去装置をハウジングと係合させることを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0036】
例示的な実施形態28:ハウジング除去装置を係合させることが、ハウジング除去装置のリング部材を、ハウジング又は保持装置と係合させることを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0037】
例示的な実施形態29:ハウジング除去装置のリング部材を、細長いハンドルの遠位端部と係合させることを含み、遠位端部が、身体オリフィスからのハウジングの除去を容易にするための、リング部材と係合するように配置されたフック部材を含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0038】
例示的な実施形態30:保持装置を係合させることが、ハウジング除去装置とハウジングとの間で保持装置と直列に係合させることを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0039】
例示的な実施形態31:保持装置を係合させることが、保持装置をハウジングの第1の端部と係合させることと、ハウジング除去装置をハウジングの第2の端部と係合させることと、を含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0040】
例示的な実施形態32:保持装置と係合させることが、ハウジング除去装置とハウジングとの間で保持装置をステムと係合させることを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0041】
例示的な実施形態33:保持装置と係合させることが、1つ以上の保持部材をハウジング又はステムと係合させ、ハウジング又はステムから離れる方向に延在させ、1つ以上の保持部材が、ハウジングを身体オリフィス内に保持するために、オリフィス壁に向かって付勢され、オリフィス壁と係合状態になるように配置されるようにすることを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0042】
例示的な実施形態34:1つ以上の保持部材を、ハウジング又はステムに対して片持ち式に配置することを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0043】
例示的な実施形態35:遠位端部によるオリフィス壁の穿孔を防止するために、又は、ハウジングの身体オリフィスからの除去を容易にするために、1つ以上の保持部材の遠位端部を丸めること、又は、丸みを帯びた部材を遠位端部の各々と係合させることを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0044】
例示的な実施形態36:ハウジングが、長手方向軸に垂直な最大直径を画定し、遠位端部を丸めること、又は丸みを帯びた部材を係合させることが、1つ以上の保持部材の遠位端部、又はそれと係合する丸みを帯びた部材が、ハウジングの最大直径よりも大きく、ステムから外向きに延在するように、遠位端部を丸めること、又は丸みを帯びた部材を遠位端部の各々と係合させることと、を含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0045】
例示的な実施形態37:1つ以上の細孔を画定する膜を薬剤含有部分の周りに形成することであって、薬剤含有部分によって放出された薬剤が、1つ以上の細孔を介して膜を出るように、形成することを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0046】
例示的な実施形態38:薬剤含有部分に、所定の速度で薬剤を放出させるように、膜、薬剤含有部分、又はオスモゲン部分を配置することを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0047】
例示的な実施形態39:チャンバ壁によって画定された1つ以上の開口部を形成し、1つ以上の開口部が、チャンバ壁の外面の周りの比較的大きな開口領域と、チャンバ壁の内面の周りの比較的小さな開口領域と、を画定することを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0048】
例示的な実施形態40:チャンバ壁からチャンバ内に延在する1つ以上の突起を形成することであって、1つ以上の突起が、浸透圧送達デバイスの周りの液体の循環を容易にするために、浸透圧送達デバイスのチャンバ壁から離れた離隔を容易にする、形成することを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0049】
例示的な実施形態41:ハウジングを形成することが、チャンバ壁が略円筒状であり、かつ対向する第1の端部及び第2の端部を有するようにハウジングを形成することと、端壁を、対向する各端部と係合させることと、を含み、端壁のうちの一方が、1つ以上の開口部を画定する、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0050】
例示的な実施形態42:浸透圧送達デバイスを配設することが、浸透圧送達デバイスの薬剤含有部分が、1つ以上の開口部を画定する端壁のうちの一方に隣接して配設されるように、浸透圧送達デバイスをチャンバ内に配設することを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0051】
例示的な実施形態43:チャンバ壁と浸透圧送達デバイスとの間で付勢装置を係合させ、付勢装置が、薬剤を、薬剤含有部分から、端壁のうちの一方によって画定された1つ以上の開口部を通して放出することを容易にするために、浸透圧送達デバイスを端壁のうちの一方に対して付勢するように配置されるようにすることを含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0052】
例示的な実施形態44:浸透圧送達デバイスを配設することが、浸透圧送達デバイスをハウジングの第1の部分内に配設することと、ハウジングの第2の部分を第1の部分と係合させることと、を行い、2つの部分が、それらの間の係合時に、それによって画定されたチャンバ内の浸透圧送達デバイスを含むように連動するようにすることと、を含む、先行の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の、又はそれらの組み合わせの方法。
【0053】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下に簡潔に記載される添付の図面とともに以下の詳細な説明を閲読することで明らかになるであろう。本開示は、本開示に記載の2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の特徴又は要素の任意の組み合わせを、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明で明示的に組み合わされているか、別様に記載されているかに関わらず、含む。本開示は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、本開示のいずれかの分けることが可能な特徴又は要素が、その態様及び実施形態のいずれかにおいて、意図されていると考えられるべきであり、すなわち、組み合わせ可能であると考えられるべきであるように、全体として読み取られることを意図している。
【0054】
本明細書の要約は、本開示の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な態様を要約する目的のために提供されるだけであることが理解されよう。したがって、上記の例示的な態様は単なる例であり、いかなる方法によっても本開示の範囲又は趣旨を狭めるように解釈されるべきではないことが理解されよう。本開示の範囲は、本明細書に要約されるものに加えて、そのうちのいくつかを、以下に更に説明する多くの潜在的な態様を包含することが理解されよう。更に、本明細書に開示されるそのような態様の他の態様及び利点は、例として、説明された態様の原理を例示する添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
したがって、本開示を一般的な用語で記載しながら、ここで、添付の図面で参照されるが、必ずしも縮尺通りに描画されるとは限らない。
【0056】
【
図1A】本開示の例示的な態様による、薬剤送達システムを概略的に例示する。
【
図1B】本開示の様々な態様による、薬剤送達システムで使用可能な浸透圧送達デバイスを概略的に例示する。
【
図2A】
図1Aに示される例示的な態様による、薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図2B】
図1Aに示される例示的な態様による、薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図2C】
図1Aに示される例示的な態様による、薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図3A】本開示の別の例示的な態様による、異なるハウジング除去装置を有する薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図3B】本開示の別の例示的な態様による、異なるハウジング除去装置を有する薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図3C】本開示の別の例示的な態様による、異なるハウジング除去装置を有する薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図4A】本開示の更なる例示的な態様による、別の異なるハウジング除去装置を有する薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図4B】本開示の更なる例示的な態様による、別の異なるハウジング除去装置を有する薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図4C】本開示の更なる例示的な態様による、別の異なるハウジング除去装置を有する薬剤送達システムの斜視図、上面図、及び側面図をそれぞれ概略的に例示する。
【
図5A】本開示の他の例示的な態様による、異なる保持装置を有する薬剤送達システムの斜視図を概略的に例示する。
【
図5B】本開示の他の例示的な態様による、異なる保持装置を有する薬剤送達システムの斜視図を概略的に例示する。
【
図6】2つのインターロック部分及び片持ち式蛇行保持部材を有するハウジングを有する、本開示による薬剤送達システムの例示的な代替的な態様を概略的に例示する。
【
図7】2つのインターロック部分及び片持ち式蛇行保持部材を有するハウジングを有する、本開示による薬剤送達システムの例示的な代替的な態様を概略的に例示する。
【
図8】2つのインターロック部分及び片持ち式蛇行保持部材を有するハウジングを有する、本開示による薬剤送達システムの例示的な代替的な態様を概略的に例示する。
【
図9】2つのインターロック部分及び、楕円リングを含む保持部材を有するハウジングを有する、本開示による薬剤送達システムの例示的な代替的な態様を概略的に例示する。
【
図10】2つのインターロック部分及び、楕円リングを含む保持部材を有するハウジングを有する、本開示による薬剤送達システムの例示的な代替的な態様を概略的に例示する。
【
図11】2つのインターロック部分及び、楕円リングを含む保持部材を有するハウジングを有する、本開示による薬剤送達システムの例示的な代替的な態様を概略的に例示する。
【
図12】本開示の一態様による、身体オリフィスからハウジングを除去するために、薬剤送達システムのハウジング除去装置を係合するための、ハンドルの遠位端部と係合するフック部材を有する細長いハンドルを概略的に例示する。
【
図13A】本開示の一態様による、薬剤送達システムのハウジングの除去可能なエンドキャップを概略的に例示する。
【
図13B】本開示の一態様による、薬剤送達システムのハウジングの除去可能なエンドキャップであって、身体オリフィスから薬剤送達システムを除去するためのハウジング除去装置の一部分として、エンドキャップと係合する細長いテザーを有する、エンドキャップを概略的に例示する。
【
図14】本開示の一態様による、薬剤送達システムのハウジングの代替的な除去可能なエンドキャップを概略的に例示する。
【
図15】本開示の一態様による、ハウジングから延在するステムの遠位端部から延在する対向保持部材を含む保持装置を有する、薬剤送達システムを概略的に例示する。
【
図16】本開示の一態様による、ハウジングから延在するステムの遠位端部から延在する対向保持部材を含む保持装置を有する、薬剤送達システムを概略的に例示する。
【
図17】本開示の代替的な態様による、ハウジングから延在するステムの遠位端部から延在する対向保持部材を含む保持装置を有する、薬剤送達システムを概略的に例示する。
【
図18】本開示の代替的な態様による、ハウジングから延在するステムの遠位端部から延在する対向保持部材を含む保持装置を有する、薬剤送達システムを概略的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本開示は、ここで、添付の図面を参照して、以下でより完全に記載されることになり、図面中、本開示の全てではないが、いくつかの態様が示される。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される態様に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろこれらの態様は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。類似の数字は、全体を通して類似の要素を指す。
【0058】
図1Aは、本開示の一態様による、番号100によって概して示される、オリフィス内薬剤送達システムを概略的に例示する。そのような態様では、システム100は、第1の端部115から第2の端部116まで長手方向軸Dに沿って延在する内側チャンバ113を画定するチャンバ壁112を有する、ハウジング110を含む。チャンバ壁112は、チャンバ113からチャンバ壁112を通って延在する、1つ以上の開口部114を更に画定する。特定の態様では、浸透圧送達デバイス120(
図1Bも参照のこと)は、チャンバ113内に配設され、半透膜125内に配設されたオスモゲン部分122及び薬剤含有部分124を含む。
【0059】
保持装置135は、直接的又は間接的に、ハウジング110と係合しており、ハウジング110から延在している。
図1Aに示される態様では、細長いステム126は、長手方向軸Dに沿って、ハウジング110の第1の端部115から延在し、保持装置135は、ステム126から延在する1つ以上の保持部材140を含む。いくつかの態様では、各保持部材140は、ステム126と係合し、遠位端部まで延在する近位端部を有する、本体141を含む。いくつかの例では、端末部材142は、本体141の遠位端部と係合する。
【0060】
例示的な一実施形態では、ハウジング110及び保持装置135を含むシステム100は、動物(例えば、ブタなどの雌哺乳類)の身体オリフィス内に挿入されるように特に適合されており、身体オリフィス(例えば、膣口)は、オリフィス壁によって画定されている。オリフィス内への挿入時に、システム100は、薬剤がオリフィス壁を通して動物の体内に吸収されるように、薬剤をチャンバ113から(例えば、浸透圧送達デバイス120の薬剤含有部分124から)、開口部114を通って、身体オリフィス内に送達するように配置されている。したがって、本開示の特定の態様では、システム100は、保持装置135が、オリフィス壁によって画定されたオリフィス内にハウジング110を除去可能に保持するように適合されるように、更に配置されている。
【0061】
オリフィスからのシステム100の除去性を容易にするために、本開示のいくつかの態様は、ハウジング110又は保持装置135と係合するハウジング除去装置150を更に含み、ハウジング除去装置150は、ハウジング110のオリフィスからの除去を容易にするように適合されている。
図1Aに示される例示的な態様では、ハウジング除去装置150は、ステム126を介してハウジング110と係合する。すなわち、ハウジング除去装置150は、ステム126の近位端部の、ハウジング110の第1の端部115との係合と対向する、ステム126の遠位端部と係合する。保持装置135は、ハウジング除去装置150とハウジング110との間で直列に係合することができ、又は、
図1Aに示すように、保持装置135は、ハウジング除去装置150とハウジング110との間でステム126と係合する。
図1Aに示される特定の態様では、ハウジング除去装置150は、リング部材155を含む。
【0062】
いくつかの態様では、システム100は、身体オリフィス内に挿入されたとき、ハウジング110及び保持装置135がオリフィス内に配設され、一方、ハウジング除去装置150が、オリフィスの外側に配設されるように配置され得る。しかしながら、他の例では、ハウジング除去装置150はまた、システム100の挿入時にオリフィス内に配設され得る。いくつかの例では、(例えば、十分な用量の薬剤のオリフィスへの送達の後に)システム100をオリフィスから除去するために、ハウジング除去装置150を直接係合する代わりに、ハウジング除去装置150は、除去部材を更に含むことができる(例えば、
図6の要素660、
図9の要素960、又は
図12の要素1260を参照のこと)。より具体的には、除去部材は、ハウジング110のオリフィスからの除去を容易にするためのリング部材155と係合するように配置されたフック部材を含む遠位端部を有する、細長いハンドルを含むことができる。
【0063】
図1Aの態様に示すように、保持装置135は、1つ以上の保持部材140が、ハウジング110をオリフィス内に保持するために、オリフィス壁に向かって付勢され、オリフィス壁と係合状態になるように配置されるように、ハウジング110又はステム126と係合し、ハウジング110又はステム126から離れる方向に延在する、1つ以上の保持部材140(例えば、その本体141)を含む。例えば、1つ以上の保持部材140は、ハウジング110又はステム126に対して片持ち式に配置され得る。そのような配置では、1つ以上の保持部材140は可撓性であり、又は、1つ以上の保持部材140とハウジング110又はステム126との間の係合は可撓性である。したがって、1つ以上の保持部材140に関連する可撓性は、1つ以上の保持部材140の少なくとも遠位端部を、身体オリフィス内にハウジングを保持するために、オリフィス壁と相互作用状態にするように付勢させる。いくつかの態様では、ハウジング110は、長手方向軸Dに垂直な最大直径を画定し、1つ以上の保持部材140の遠位端部、又はそれと係合する丸みを帯びた部材(例えば、端末部材142)は、ハウジング110又はステム126から、ハウジング110の最大直径よりも大きく、外向きに延在している。ハウジング110の直径の外側の1つ以上の保持部材140のより大きな延在により、1つ以上の保持部材140の遠位端部とオリフィス壁との間の係合を容易にし、確実にする。
【0064】
1つ以上の保持部材140に関連する、この同じ可撓性は、ハウジング110を身体オリフィスから除去するために、1つ以上の保持部材140の遠位端部を(例えば、ハウジング除去装置150に加えられた長手方向外向きの力に応答して)オリフィス壁から係合解除することを更に容易にし、可能にする。すなわち、ハウジング除去装置150に加えられた長手方向外向きの力に応答して、可撓性のある1つ以上の保持部材140は、ハウジング110/ステム126に向かって押され、これにより、ハウジング110は、身体オリフィスを通って除去されることが可能になる。いくつかの態様では、ハウジング110の身体オリフィスからの除去を容易にするために、及び/又は、1つ以上の保持部材140の遠位端部によるオリフィス壁の穿孔を防止するために、1つ以上の保持部材140の遠位端部は、丸みを帯びているか、又は、遠位端部と係合する丸みを帯びた部材(例えば、端末部材142)を含む。
【0065】
図1Bに更に示すように、オスモゲン部分122は、薬剤含有部分124と接して配設され、半透膜125は、オスモゲン部分122及び薬剤含有部分124の周りに集合的に施されたコーティングを含む。すなわち、オスモゲン部分122と薬剤含有部分124との間に膜125の一部分又は異なる膜は存在しないが、膜のそのような一部分又は異なる膜は、必要に応じて、又は所望されるように、オスモゲン部分122と薬剤含有部分124との間に含まれ得る。任意の例では、浸透圧送達デバイス120のオスモゲン部分122は、1つ以上の開口部114を通してハウジング110内に入り、膜125を透過する身体オリフィス内からの液体のオスモゲン部分122による吸収に応答して膨張し、薬剤含有部分124に圧力を加えるように配置されている。薬剤含有部分124は、膨張したオスモゲン部分122によって加えられた圧力に応答して薬剤を放出するように更に配置されている。すなわち、浸透圧送達デバイス120は、例えば、薬剤をチャンバ113内に、及びハウジング110から身体オリフィス内に放出するためのポンプとして機能するように配置されている。薬剤含有部分124によって放出されると、薬剤は、薬剤が身体オリフィス内に送達されるように、1つ以上の開口部114を通ってハウジング110から出る。
【0066】
オリフィスからの液体、又は薬剤含有部分124からの薬剤の、膜125を横断する輸送を容易にするために、膜125は、例えば、酢酸セルロース(CA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、及びポリエチレングリコール(PEG)を含むコーティング組成物などの半透性材料で構成され得る。いくつかの態様によれば、半透性材料は、薬剤の流出を防止又は制限しながら、体液(例えば、水)の流入を可能にするように選択される。したがって、いくつかの態様では、1つ以上の膜オリフィス127(
図1B)は、膜125を通した薬剤の放出を容易にするように、(例えば、削孔によって)薬剤含有部分124の周りの膜125内に形成され得る。特定の態様では、膜125内のそのような形成された膜オリフィス127は、薬剤放出部分124の上に延在する膜125の長手方向端部に形成される。したがって、浸透圧送達デバイス120からの薬剤の放出は、無傷の膜125を通る透過機構を介する代わりに、膜125内の物理的に形成された穴を通して生じる。
【0067】
いくつかの態様では、膜125、薬剤含有部分124、及び/又はオスモゲン部分122は、薬剤含有部分124に、所定の速度で薬剤を放出させるように配置されている。例えば、オスモゲン部分122は、例えば、既知の速度又は制御可能な速度で液体を吸収する、ステアリン酸マグネシウムで構成され得る。別の例では、薬剤含有部分124は、担体マトリックスに関連付けられるか、担体マトリックス内で吸収される、例えば、ステロイド、ホルモン、サイトカインシグナル伝達分子、疼痛管理薬、ワクチン抗原、エイコサノイド、免疫調節剤、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質、又はそれらの組み合わせを含む薬剤を含み、担体マトリックスに加えられた圧力は、薬剤を所定の速度又は制御可能な速度で放出させる。
【0068】
いくつかの態様では、チャンバ壁112は略円筒状であり、かつ対向する第1の端部115及び第2の端部116を有し、ハウジング110は、対向する各端部と係合する端壁を含む(例えば、
図13A、
図13B、及び
図14の要素1360及び要素1402を参照のこと)。そのような場合、端壁1360、1402の一方又は両方は、1つ以上の開口部を画定する(例えば、
図13A又は
図13Bの要素1361を参照のこと)。いくつかのそのような態様では、浸透圧送達デバイス120の薬剤含有部分124は、薬剤の少なくとも一部分が、1つ以上の開口部114、1361を通してハウジング110から放出され得るように、1つ以上の開口部1361(又は、例えば、
図1Aの要素114を参照のこと)を画定する端壁1360、1402のうちの一方に隣接して配設されている。更に他の態様では、ハウジング110は、例えば、
図1Aに示すように、本体部分1101及びキャップ部分1102などの2つのインターロック部分を含み、2つの部分は、これらの間の係合時に浸透圧送達デバイス120を含むために、チャンバ113を画定するように協働する。すなわち、チャンバ壁112と係合するエンドキャップ1360、1402、又はキャップ部分1102と係合する本体部分1101は、浸透圧送達デバイス120のチャンバ113内への挿入を容易にする。更に、少なくともハウジング110の外部形状、輪郭、又は外観構成は、ハウジング110(並びに/又はエンドキャップ並びに/又は第1のインターロック部分及び第2のインターロック部分)のオリフィスに対する挿入/除去を容易にするために、及び/又はオリフィス壁への穿孔若しくは他の損傷のリスクを防止又は軽減するために、丸みを帯びている(例えば、鋭利な縁部又は角がない)。
【0069】
いくつかの態様では、浸透圧送達デバイス120は、チャンバ113と対応した円筒形であり、チャンバ113もまた、円筒形である。そのような態様では、チャンバ壁112は、例えば、チャンバ壁112からチャンバ113内に延在する1つ以上の突起(例えば、
図7の要素775を参照のこと)を含むことができる。したがって、チャンバ113に収容された浸透圧送達デバイス120は、チャンバ壁112から離れた1つ以上の突起775によって支持されている。このようにして、開口部114を通してチャンバ113に入るオリフィスからの流体/液体は、例えば、オスモゲン部分122が、開示されたポンプ機能、又は薬剤を放出するための薬剤含有部分124に圧力を提供するために、よりムラなく均一に流体/液体を吸収することを可能にするために、浸透圧送達デバイス120の周りにより均一に分散されている。更に、追加の態様では、ハウジング110によって画定された開口部114は、オリフィスからチャンバ113内への流体/液体の引き出し又は引き出しの増加を提供するように、角度を付けられ得(例えば、チャンバ壁112の外面上のより大きな開口部が、チャンバ壁112の内面上のより小さな開口部に向かって次第に細くなる(例えば、
図2A~
図2C、
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、及び
図5A~
図5Bの要素175を参照))、(例えば、ベンチュリとして)成形され得、又は(例えば、一方向弁として)別様に構成され得る。
【0070】
更に別の態様では、例えば
図1Aに示すように、浸透圧送達システム120のオスモゲン部分122は、ハウジング110の第1の端部115に向かって配設され、一方、薬剤含有部分124は、第2の端部116に向かって配設されている。そのような場合、第2の端部116はまた、1つ以上の穴(例えば、
図1Aの要素114)も含み、一方、浸透圧送達デバイス120の薬剤含有部分124の周りで(例えば、削孔によって)膜125に形成された1つ以上の膜オリフィス127は、その穴に対応している。そのような態様では、薬剤含有部分124の長手方向端部の周りの膜125の膜オリフィス127を通って放出された薬剤は、ハウジング110の第2の端部116の1つ以上の穴を通ってハウジングから放出されることを意図している。しかしながら、薬剤含有部分124が、ハウジング110の第2の端部116の周りのチャンバ壁112としっかりと係合していない場合、薬剤含有部分124によって放出された薬剤は、チャンバ113内、チャンバ壁112と浸透圧送達デバイス120の周りとの間、オスモゲン部分122に向かって移動する傾向があり得る。したがって、いくつかの態様では、薬剤含有部分124は、第2の端部116に向かってチャンバ壁112と精密公差で適合するように構成され得るか、又は、膜125がチャンバ113の端壁に係合するように、浸透圧送達デバイス120を、第2の端部116に向かってチャンバ113の端壁に向かって付勢するように、付勢部材(図示せず)を配置し得る。そのような場合、放出された薬剤は、開口部114を通過し、チャンバ113から出て、チャンバ113内に留まらないように押される。
【0071】
本開示のいくつかの態様によれば、浸透圧送達デバイス120の代わりに、又は浸透圧送達デバイス120と組み合わせて、浸食性物体が使用され得る。いくつかの例では、浸食性物体は、錠剤の形態である。浸食性物体は、例えば、少なくとも7日間などの予測可能な放出速度で薬学的活性成分を放出することができる、薬剤成分を含み得る。浸食性物体は、徐溶性(浸食性)又は膨潤性ポリマーと、他の不活性成分との活性成分の物理的ブレンド又は化学的混合物のいずれかであり得る。浸食性物体からの活性成分の放出速度は、各成分の組成、及びそれらの物理化学的特性の関数であり得る。一般に、浸食性物体からの放出速度制御は、保持装置135内への流体(例えば、水)の流入を制御することによって達成され得る。溶解速度制御は、薬剤放出の所望の速度又は持続時間を達成するために、溶解度向上技術と組み合わせてもよく、又は組み合わせなくてもよい。いくつかの例では、浸食性物体は、1つ以上の活性成分と賦形剤を含み得、薬剤ペイロードの完全放出時に崩壊/溶解(浸食可能)しており、それによって、保持装置135を再利用可能にするか、又は処分しやすくする。薬剤成分は、例えば、ステロイド、ホルモン、サイトカインシグナル伝達分子、疼痛管理薬、ワクチン抗原、エイコサノイド、免疫調節剤、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質、又はそれらの組み合わせを含む薬剤を含み得る。薬剤成分は、担体マトリックスに関連付けられていてもよく、又は担体マトリックス内に吸収されてもよい。
【0072】
様々な態様では、ハウジング110、ステム126、1つ以上の保持部材140、及びハウジング除去装置150を含むシステム100は、例えば、ナイロン6/6などのポリマー材料で構成され、例えば、射出成形プロセスにおいて形成される。しかしながら、当業者であれば、システム100は、必要に応じて、又は所望されるように、ポリマー又は非ポリマー、又はそれらの組み合わせに関わらず、多くの異なる材料から構成され得ることを理解するであろう。
【0073】
図1A及び
図2A~
図2Cは、保持部材140の端末部材142が、本体141の遠位端部と係合するリングである実施形態を概略的に例示する。ハウジング除去装置150はまた、ステム126の遠位端部と係合し、リング部材155を含む。加えて、ハウジング110は、インターロック本体部分1101及びキャップ部分1102を含むように構成されている。
【0074】
図3A~
図3Cは、
図1A及び
図2A~
図2Cに示される実施形態と同様の薬剤送達システム300の実施形態を概略的に例示しており、システムは、オリフィスに対するシステム300の挿入/除去のために、ユーザーによる把持を容易にするためのテクスチャ付き把持部分350を含むように構成されたハウジング除去装置150を含む。
【0075】
図4A~
図4Cは、
図3A~
図3Cに示される実施形態と同様の薬剤送達システム400の実施形態を概略的に例示しており、ハウジング除去装置150のテクスチャ付き把持部分450は、テーパー状であり、サイズが縮小されている。
【0076】
図5A~
図5Bは、
図1A及び
図2A~
図2Cに示される実施形態と同様の薬剤送達システム500A、500Bの2つの実施形態、ハウジング除去装置150のリング部材155の断面縮小把持部分550を概略的に例示する。加えて、保持部材の端末部材は、リング部材542B(
図5B)とは対照的に、球形端末部材542A(
図5A)であり得る。
【0077】
図6は、
図1A及び
図2A~
図2Cに示される実施形態と同様に、本体部分6101及びインターロックキャップ部分6102を含む薬剤送達システム600の実施形態を概略的に例示する。加えて、弾性保持部材640は、ステム626から遠位端部に延在する蛇行体641を含み、遠位端部は、それに係合する丸みを帯びた(弓形又は凸形)端末部材642を有する。蛇行体641を含む材料の可撓性に加えて、蛇行体641は、丸みを帯びた端末部材をオリフィス壁と係合状態にするように押す、弾力性又は付勢力を提供する。加えて、除去部材660は、ハウジング610のオリフィスからの除去を容易にするためのリング部材655と係合するように配置されたフック部材を有する遠位端部を有する、細長いハンドルを含む。
図6に示される寸法は、例示に過ぎず、非限定的である。
【0078】
図7及び
図8は、
図6に示される実施形態と同様に、薬剤送達システム700、800の代替の実施形態を概略的に例示し、丸みを帯びた端末部材742、842は、オーバーモールドされた外層7401、8401を含む。ハウジング除去装置750、850のリング部材755、855の断面縮小把持部分750、850も示される。
図7及び
図8に示される寸法は、例示に過ぎず、非限定的である。
【0079】
図9~
図11は、
図6~
図8に示される実施形態と同様に、薬剤送達システム900、1000、1100の代替の実施形態を概略的に例示し、弾性保持部材940、1040、1140の本体941、1041、1141が楕円リングとして構成されている。しかしながら、当業者は、必要又は所望される場合、楕円リングを円形リングに置き換えることができることを理解するであろう。楕円リング本体941、1041、1141を含む材料の可撓性に加えて、楕円リング本体941、1041、1141は、丸みを帯びた端末部材をオリフィス壁と係合状態にするように押す、弾力性又は付勢力を提供する。加えて、
図9の除去部材960は、ハウジングのオリフィスからの除去を容易にするためのリング部材と係合するように配置されたフック部材を有する遠位端部を有する、細長いハンドルを含む。
図9~
図11に示される寸法は、例示に過ぎず、非限定的である。
【0080】
図12は、ハウジングのオリフィスからの除去を容易にするための、薬剤送達システムのハウジング除去装置のリング部材と係合するように配置されたフック部材を有する遠位端部を有する細長いハンドルを含む、
図6及び
図9に示されるものと同様の除去部材1260の実施形態を概略的に例示する。
図12に示される寸法は、例示に過ぎず、非限定的である。
【0081】
図13A~
図13B及び
図14は、示されたエンドキャップ部分1360、1402、連動的に収容するように構成された円筒形チャンバ壁を実装する、薬剤送達システムのエンドキャップ部分1360、1402を概略的に例示する。
図13A及び
図14に示される寸法は、例示に過ぎず、非限定的である。
図13A~
図13Bに示される態様では、エンドキャップ部分1360は、浸透圧送達デバイスによって放出された薬剤が分配される開口部1361を画定する。いくつかの例では、エンドキャップ部分は、薬剤送達システムのオリフィスからの除去を容易にするように構成された除去部材1363(例えば、
図13Bを参照のこと)を収容し、係合するための更なる開口部1362を画定し得る。
【0082】
[0001]
図15~
図18は、本開示の更なる態様による、薬剤送達システムの代替的な実施形態を概略的に例示し、そのような態様では、横方向に外向きに延在する保持部材が、保持装置の「T」字形構成を形成する。このようにして、保持装置は、
図13A、
図13B、又は
図14に示されたエンドキャップ部分のいずれか一方又は両方を有するハウジングを係合させるように構成されている。そのような態様では、除去部材1363(例えば、
図13Bを参照のこと)を有するエンドキャップ部分1360は、ハウジングの1つの長手方向端部と係合し、一方、保持部材/保持装置は、ハウジングの反対側の長手方向端部と係合する。このように構成されていると、保持装置は、ハウジング除去装置からハウジングの反対側に配設され、したがって、保持装置は、長手方向軸Dに沿ってオリフィス内に挿入されるときに、ハウジングを導く。
【0083】
本明細書に記載される本発明の多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を有するこれらの開示される実施形態が関連する当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本発明の実施形態が開示される特定の実施形態に限定されず、修正及び他の実施形態が本発明の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせの文脈において例示的な実施形態を説明するが、本開示の範囲から逸脱することなく、要素及び/又は機能の異なる組み合わせが代替的な実施形態によって提供され得ることを理解されたい。これに関して、例えば、上記で明示的に説明されたものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせもまた、本開示の範囲内で企図される。特定の用語が本明細書で採用されるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
【0084】
第1の、第2のなどの用語は、様々なステップ又は計算を説明するために本明細書で使用され得るが、これらのステップ又は計算はこれらの用語によって制限されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある動作又は計算を別のものと区別するためにのみ使用される。例えば、第1の計算は、本発明の範囲から逸脱することなく、第2の計算と称され得、同様に、第2のステップは、第1のステップと称され得る。本明細書で使用される「及び/又は」という用語及び「/」という記号は、関連して列挙された品目の1つ以上のものの任意及び全ての組み合わせを含む。
【0085】
本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈により明らかにそうではないと指示されない限り、複数形も同様に含むことが意図される。「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含んでいる(including)」という用語は、本明細書で使用するとき、述べられる特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらの群の存在又は追加を排除しないことが、更に理解されるであろう。したがって、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を記載する目的のためであり、限定することが意図されない。
【国際調査報告】