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特表2024-507848被覆された入口部分を有するソノトロード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】被覆された入口部分を有するソノトロード
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20240214BHJP
   B06B 3/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B23K20/10
B06B3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550222
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2022055215
(87)【国際公開番号】W WO2022184750
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021105265.3
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520062177
【氏名又は名称】ヘルマン ウルトラシャルテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ラケール ロウッセル-ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】ロビン アレクサンダー ボーデ
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ローゼンクランツ
【テーマコード(参考)】
4E167
5D107
【Fターム(参考)】
4E167BE04
4E167BE07
5D107BB01
(57)【要約】
本発明は、材料を超音波加工するためのソノトロード又は超音波溶接装置であって、被加工材と接触するのに適した密封面と、密封面と反対側の裏面と、密封面を裏面に接続する周方向の横側面とを備え、横側面は、互いに略平行に配置された2つの側面と、互いに略平行に配置された2つの端面を有する、装置に関する。材料の損傷を少なくとも低減しかつ同時に生産速度を損なわない、材料を加工するためのソノトロード又は超音波溶接装置を提供するために、密封面が、横側面に隣接する凸状に湾曲した入口部分を有し、密封面が少なくとも一部分で被覆を有することが、本発明に基づいて提案される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料(10)を超音波加工するためのソノトロード(1)であって、
前記ソノトロード(1)は、
被加工材(10)に接触することが意図された密封面(2)と、
前記密封面(2)に対向する裏面と、
前記密封面(2)を前記裏面と接続する周方向の横側面とを備え、
前記横側面は、互いに略平行に配置された2つの側面(3,4)と、互いに略平行に配置された2つの端面(5,6)とを有する、ソノトロード(1)において、
前記密封面(2)は、前記横側面に隣接する凸状に湾曲した入口部分(7)を有し、
前記密封面(2)は、少なくとも一部分に被覆(9)を有することを特徴とする、ソノトロード(1)。
【請求項2】
前記入口部分(7)は曲率半径Rで湾曲しており、好ましくは前記曲率半径Rは少なくとも3mmであり、好ましくは前記曲率半径Rは少なくとも5mmであり、特に好ましくは前記曲率半径Rは少なくとも7mmであることを特徴とする、請求項1に記載のソノトロード(1)。
【請求項3】
前記端面(5,6)が両方の前記側面(3,4)よりも小さく、前記凸状に湾曲した入口部分(7)は、両方の前記側面(3,4)の一方の側面(3)に隣接することを特徴とする、請求項1又は2に記載のソノトロード(1)。
【請求項4】
前記密封面(2)が、前記2つの側面(3、4)の内の他方の側面(4)に隣接する、凸状に湾曲した出口部分(8)を有し、好ましくは前記出口部分(8)は、曲率半径Rで湾曲し、特に好ましくは前記曲率半径Rは、前記曲率半径Rとは50%以下で異なり、好ましくは前記曲率半径Rとは10%以下で異なり、最も好ましくは前記曲率半径Rと前記曲率半径Rが等しいことを特徴とする、請求項3に記載のソノトロード(1)。
【請求項5】
前記ソノトロード(1)が、その密封面側端部(20)において、好ましくは2R≦d≦20R、好ましくは2R≦d≦10R、特に好ましくは2R≦d≦5R、特に好ましくは2R≦d≦3Rの式が適用される、厚さdを有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のソノトロード(1)。
【請求項6】
前記ソノトロード(1)は、前記密封面(2)の少なくとも一部分にわたって延びる凹部(21)を有し、前記凹部(21)内に被覆(9)が配置されており、前記ソノトロード(1)の被覆面(22)が前記ソノトロード(1)の非被覆面(23)と面一になるように、前記被覆(9)は好ましくは前記凹部(21)の深さに対応する厚さを有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のソノトロード(1)。
【請求項7】
前記凹部(21)に配置された前記被覆(9)が前記非被覆面(23)の方向に減少する厚さを有するように、前記凹部(21)はその縁部において深さが連続的に変化する部分を有することを特徴とする、請求項6に記載のソノトロード(1)。
【請求項8】
前記凹部(21)が一方の側面(3、4)及び好ましくは両方の側面(3、4)に延びていることを特徴とする、請求項6又は7に記載のソノトロード(1)。
【請求項9】
前記2つの端面(5、6)は、間隔Aだけ互いに離間しており、一方の前記端面(5)から他方の前記端面(6)に延びる方向における前記凹部(21)の延長線Aについて、0.5A<A≦1のAが適用されることを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載のソノトロード(1)。
【請求項10】
前記被覆(9)は、少なくとも一部分において凸状に湾曲していることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のソノトロード(1)。
【請求項11】
前記被覆(9)が硬質金属及び好ましくは非酸化物セラミックからなることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のソノトロード(1)。
【請求項12】
前記密封面(2)が少なくとも1つの溝を有し、好ましくは、一方の側面(3)から他方の側面(4)に向かう方向に延びている、互いに平行に並ぶ複数の溝を有する、ことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のソノトロード(1)。
【請求項13】
少なくとも一つの溝が専ら前記被覆(9)に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載のソノトロード(1)。
【請求項14】
材料を超音波加工するための装置において、
前記超音波加工するための装置は、
請求項1~13のいずれか1項に記載のソノトロード(1)と、
前記ソノトロード(1)の密封面(2)とは反対側において密封面を有するカウンタツール(11)であって、2つの反対側の前記密封面により形成される間隙(15)を介して加工時に被加工材(10)を導くことができるように配置された密封面を有する、カウンタツール(11)と、
前記間隙(15)を介して前記被加工材(10)を導くことができる、材料供給部とを備える、材料を超音波加工するための装置。
【請求項15】
前記材料供給部は、前記被加工材(10)が前記入口部分(7)にわたって案内されるように設計されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料を超音波加工するためのソノトロードであって、被加工材と接触させることが意図された密封面と、前記密封面と反対側の裏面と、前記密封面を前記裏面に接続する周方向の横側面とを備え、前記横側面は、互いに略平行に配置された2つの側面と、互いに略平行に配置された2つの端面とを有する、材料を超音波加工するためのソノトロードに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、側面と端面は互いに平行に配置されている。しかし、特に、いくつかのソノトロードを、その端面が互いに正確には平行でないように、その端面が互いに向き合うように隣り合うように配置する場合にも用途がある。
【0003】
さらに、本発明は、上記タイプのソノトロードと、密封面を有するカウンタツールと、材料供給部とを有する、材料を超音波加工するための装置に関する。カウンタツールの密封面は、被加工材が、加工中において材料供給部によって、2つの反対側の密封面によって形成される間隙を通って案内され得るように、ソノトロードの密封面の反対側に配置されている。
【0004】
超音波で材料を加工するために、装置のソノトロードは超音波振動に作動させられる。超音波振動の伝搬方向はソノトロードの裏面と密封面の間を延びている。ソノトロードの超音波振動によって、ソノトロードの密封面とカウンタツールの密封面との間の間隙内に位置する材料の局所的な加熱を引き起こす。この局部的な加熱により、間隙内に配置された、材料の異なる層を互いに融合させ、したがって、損傷を生じさせることなく解放することができないしっかりとした接続を形成する。
【0005】
超音波を用いた種々の機械加工プロセスが従来技術において知られている。例えば、一変形例では、材料をソノトロードとカウンタツールとの間の間隙を通して連続的に移動させ、連続的に又は特定の間隔でソノトロードによって材料を加工する。あるいは、材料が最初に間隙内に配置され、材料が超音波加工の持続時間の間は移動させないシステムも知られている。
【0006】
超音波は、特に、材料のいくつかの層を共に溶接するために使用することもできる。この場合、材料を装置に送る供給ローラは対応するスペースを必要とするので、通常、個々の材料層が異なる方向から間隙内に供給されることが起こる。
【0007】
また、省資源化を図る中で、今日では、薄肉化しかつ損傷しやすく溶接される材料が用いられている。超音波加工によって製造される典型的な製品は、例えば、管状の包装材料であるが、衛生物品でもあり、これらはしばしば繊維含有材料のいくつかの層から互いに接合される。
【0008】
従って、超音波加工の間、材料の供給及び加工が、材料のいかなる望ましくない破壊をもたらさず、したがって製品品質を損なわないことを保証するために、特別な注意が払われなければならない。従来技術から知られているソノトロードは、多くの場合、被加工材をもたらす幾何学的結果を有し、特に、不織布などの特殊な材料が関与する場合、ソノトロードとカウンタツールとの間の間隙に供給されると直ちに損傷する。さらに、既知のソノトロードの形状は、材料がソノトロード密封面に対してある角度で超音波加工装置に供給される場合に、材料の損傷をもたらすこともある。その結果として、加工工程中の材料破損と製品品質の低下となる。
【0009】
これらの不都合は、特に、ソノトロードとカウンタツールの間の間隙に異なる方向から送り込まれる、いくつかの材料層を互いに溶接すべきときに生じる。この場合、材料の一部がソノトロード又はカウンタツールの縁部をこすれて、結果として損傷する。
【0010】
従来技術から、超音波加工中に使用される力及び速度を低減することによって、これらの欠点を低減することが知られている。しかし、これにより、同じ時間で製造することができる製品はより少なくなる。一部の材料は、加工中に材料を動かさない場合には超音波加工しかできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、材料に対する損傷を少なくとも低減しかつ同時に生産速度を損なわない、材料を加工するためのソノトロード又は超音波溶接装置を提供する課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、この課題は、前記タイプのソノトロードであって、前記密封面は、前記横側面に隣接する凸状に湾曲した入口部分を有し、前記密封面は、少なくとも一部分において被覆を有する、前記タイプのソノトロードによって解決される。
【0013】
密封面の凸状に湾曲した入口部分によって、ソノトロードとカウンタツールとの間の間隙に導入された材料がソノトロードの外面上で受ける摩擦がより少なくなり、ひいては、受ける損傷がより少なくなることを意味する。さらに、いくつかの部分において密封面に施される被覆によって、被加工材とソノトロードの密封面との間の摩擦を低減する。したがって、被覆は、好ましくは、材料と接触するソノトロードの領域に施される。
【0014】
一実施形態では、入口部分は曲率半径Rで湾曲しており、好ましくは曲率半径Rは少なくとも3mmであり、好ましくは少なくとも5mmであり、より好ましくは少なくとも7mmである。
【0015】
一定の曲率半径の凸状に湾曲した入口部分の設計は、生産技術の観点から有利である。さらに、特許請求された曲率半径は、この場合、被機械加工材とソノトロードとの間の摩擦が特に効果的に低減されるという利点を提供する。同時に、ソノトロードの振動挙動、ひいては超音波溶接装置の超音波加工結果は、選択された曲率半径によって著しく損なわれることはない。
【0016】
別の実施形態では、端面は側面よりも小さく、凸状に湾曲した入口部分は2つの側面の内の1つに隣接する。対応する形状のソノトロードは、大きな幅にわたって材料を加工することができ、その幅は、好ましくは側面の範囲に対応するという利点を提供する。
【0017】
供給方向が、ソノトロードとカウンタツールとの間の間隙内で材料が案内される方向として定義される場合、特定の一実施形態では、複数の側面は、供給方向に垂直に次々に配置され、ソノトロードの複数の端面は、供給方向に平行に配置される。
【0018】
さらなる実施形態では、密封面は、2つの側面の内の他方に隣接する凸状に湾曲した出口部分を有し、好ましくは、この出口部分は、曲率半径Rで湾曲しており、特に好ましくは、曲率半径Rは、曲率半径Rと50%以下、好ましくは10%以下で異なり、最も好ましくは、曲率半径RとRは等しい。この実施形態は、一方で、生産技術の観点で製造が容易であり、他方で、ソノトロードと材料との間の摩擦によるさらなる損傷を受けずに、加工された材料を超音波加工装置から導出することもできるという利点を提供する。さらに、これは、振動関連の利点を有する。さらに、振動工学の観点から、入口部分と出口部分の同様の半径は有利であり、ソノトロードの誤った取り付けを、対称的な設計のために避けることができる。
【0019】
さらなる実施形態において、ソノトロードは、その密封面側端部において、2R≦d≦20R、好ましくは2R≦d≦10R、特に好ましくは2R≦d≦5R、特に好ましくは2R≦d≦3Rの式が適用される厚さdを有する。換言すれば、ソノトロードは、一方の限定的な場合には密封面全体が凸状に湾曲し、別の場合には密封面が基本的に扁平状である、すなわち湾曲していない領域を付加的に有するように、その密封面端部において設計されている。しかしながら、この平坦な領域は、その範囲で入口部分の半径の18倍、好ましくは8倍、特に好ましくは3倍、特に好ましくは1倍に制限される。密封面の正確な設計は、例えば、ソノトロードによって同時に加工される面積がどれくらい大きいかに依って、異なる用途に適応させることができる。
【0020】
さらなる実施形態では、ソノトロードは、密封面にわたって少なくとも一部分に延びるする凹部を有し、この凹部内に被覆が配置されており、この被覆は、好ましくは凹部の深さに対応する厚さを有することによって、ソノトロードの被覆された表面がソノトロードの非被覆面と面一となるようにする。
【0021】
この凹部は、ソノトロードの密封面において被覆がより安定して固定されるという利点を提供する。このように、加工中に生じる力による被覆の緩みが低減され、超音波加工装置における本発明によるソノトロードの耐用年数が長くなる。
【0022】
さらなる実施形態では、凹部は、その縁部で連続的に深さが変化する部分を有し、その結果、凹部内に配置された被覆は、非被覆面の方向に減少する厚さを有する。一方で、これは製造上の利点を提供し、他方で、この場合の被覆は、被覆によって完全には充填されない可能性がある凹部に角がないので、より高い品質のものとすることができる。このような不十分に被覆された領域は、被覆のより早い破壊につながり、ひいてはソノトロードの耐用年数の短縮につながる。
【0023】
さらなる実施形態では、凹部は一方の側面内に、好ましくは両方の側面内に延びる。これにより、被覆が入口部分又は出口部分も完全に覆うか又はこれらの入口部分又は出口部分を越えて延び、従って、被加工材又は被機械加工材とソノトロードとの間の摩擦を特に効果的に回避することを保証する。
【0024】
他の実施形態において、2つの端面は距離Aだけ離間しており、一方の端面から他方の端面まで延びる方向における前記凹部の延長線Aについては、0.5A<A≦1Aが適用される。すなわち、本実施形態では、限定的な場合において、凹部は、一方の端面から完全に密封面を横断して他方の端面まで延びており、凹部及び被覆の挿入を容易にしている。
【0025】
別の実施形態では、凹部は複数の端面の内の一方の端面からから他の端面まで完全には延びていないが、複数の端面の少なくとも1つの縁領域が残っており、これが被覆を制限する。これにより、また、ソノトロードの端面に作用する力が被覆に直接作用しえないので、ソノトロード密封面上の被覆の安定性を増加させる。
【0026】
さらなる実施形態では、被覆は、少なくとも一部分において凸状に湾曲する。被覆の凸状の曲率は、入口部分や出口部分の凸状の曲率と同様に、被加工材との摩擦が低減されるという利点を有する。
【0027】
さらなる実施形態では、被覆は、硬質金属と、好ましくは非酸化物セラミックとからなる。これらの材料は、特に安定しており、長い耐用年数を特徴とし、本発明によるソノトロードの長い耐用年数を達成することができる。同時に、被加工材との摩擦を十分に低減することができる。
【0028】
さらなる実施形態では、密封面は、少なくとも1つの溝、好ましくは、一方の側面から他方の側面へ向かう方向に延びる、互いに平行に並ぶ複数の溝を有している。
【0029】
このような溝は、典型的には、スレッド部(thread)を溝内で案内するために使用され、集合可能又は集合させられた材料を製造するために使用される。この目的のために、1つ又は複数のスレッド部が、2つの材料ウェブの間に配置され、ソノトロードとカウンタツールとの間の間隙を通して案内される。ソノトロードの溝内にスレッド部を案内することにより、材料システムの超音波加工は、溝が形成されていない密封面のそれらの領域でのみ行われる。これは、一般に、材料の2つの外側層の溶接をもたらすが、スレッド部の溶接にはならない。これは、最終的には材料を集めるために使用できる。
【0030】
一実施形態では、少なくとも1つの溝は、専ら被覆内に配置される。これは、標準的な形状のソノトロードを製造することができ、被覆のみをそれぞれの用途に適合させなければならないという利点を提供する。また、被覆における溝の形成は、溝の表面も被覆され、したがって、溝内又は溝の縁部でさえも材料を損傷することができないという利点を提供する。
【0031】
別の実施形態において、溝は、ソノトロードの密封面に直接導入され、材料及びソノトロードの摩耗を低減させるために薄膜被覆で被覆される。
【0032】
さらに、本発明の根底にある課題は、材料を超音波加工するための装置であって、上述の実施形態の内の1つに係るソノトロードと、2つの対向する密封面によって形成される間隙を通って加工中に被加工材を案内することができるように、ソノトロードの密封面の反対側に配置される密封面を有するカウンタツールと、それによって材料が間隙を通って案内されることができる、材料供給部とを備える、材料を超音波加工するための装置によって解決される。
【0033】
さらなる実施形態では、材料供給部は、材料又は材料の少なくとも一部分が入口部分を介して案内されるように設計されている。特に、ソノトロードとカウンタツールとの間の間隙に異なる方向から供給される複数層の材料を超音波加工するとき、これは、入口部分を介して供給される材料が損傷するのを防止することができる。
【0034】
さらなる利点、特徴及び可能な用途は、2つの実施形態の以下の説明及び添付の図から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明の一実施形態のソノトロードの三次元模式図を示している。
図1a図1aは、図1に示す本発明の実施形態のソノトロードの断面図を示す。
図1b図1bは、図1に示すソノトロードの密封面端部の概略拡大図である。
図2図2は、本発明の一実施形態の被覆を有するソノトロードの断面図を示す。
図3図3は、本発明のさらなる実施形態の被覆を有するソノトロードの断面の断面図を示す。
図4図4は、本発明の一実施形態の超音波加工装置の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1図1a及び図1bによれば、ソノトロード1は、その密封面2上に、凸状に湾曲した入口部分7と凸状に湾曲した出口部分8とを有する。凸状に湾曲した入口部分7はソノトロード1の側面3に隣接し、一方、凸状に湾曲した出口部分8はソノトロード1の他方の側面4に隣接する。凸状に湾曲した入口部分7と凸状に湾曲した出口部分8の両方は、それぞれ、7.5mmの一定の曲率半径R及びRで湾曲している。代替の実施形態では、入口部分及び出口部分は、異なる曲率半径で湾曲させることもできる。
【0037】
側面3、4は、ソノトロード1の2つの端面5、6を接続し、これらは、ソノトロード1の横側面を形成し、これは、次に、ソノトロード1の裏面をソノトロード1の密封面2に接続する。図1に示すように、端面5、6も側面3、4よりもより小さい。
【0038】
ソノトロード1は、その密封面側端部において、入口部分7の曲率半径Rの3倍に相当する厚さdを有する。
【0039】
上述の構造は、図2及び図3に示されるソノトロードの実施形態にも存在する。したがって、図2及び図3は、ソノトロードの部分のみを示す。
【0040】
図2に示す本発明の実施形態に係るソノトロード1では、密封面2は、被覆9がその中に配置された凹部21を有する。被覆9は凹部21の深さに対応する厚さを有し、ソノトロード1の被覆面22がソノトロード1の非被覆面23と面一になるようにする。
【0041】
また、凹部21は、その縁部において深さが連続的に変化する部分を有しているので、凹部21内に配置された被覆9は、非被覆面23に向かって減少する厚さを有している。さらに、被覆4も凸状に湾曲しており、非酸化物セラミックで作られている。
【0042】
しかしながら、図3に示す実施形態では、凹部21はソノトロード1の両方の側面3、4内に延びている。
【0043】
図4に示す超音波加工装置の略図では、本発明によるソノトロード1をカウンタツール11と共に示す。被加工材のシステム10は、ソノトロード1の密封面2とカウンタツール11の密封面との間に形成される間隙に案内される。この場合、被加工材のシステム10は、2つの材料層12、13と、2つの材料層12、13の間に配置されるスレッド部14からなる。スレッド部14を案内するために、ソノトロード1の密封面2は、一方の側面3から他方の側面4に向かう方向に延びる、複数の溝を有する。
【0044】
複数の材料層12の一方は、ソノトロード1の密封面2の入口部分7にわたって案内される。他方の材料層13は、筒状である、カウンタツール11の密封面にわたって案内される。このようにして、超音波加工装置によって被加工材のシステムが損傷することが防止される。
【符号の説明】
【0045】
1 ソノトロード
2 ソノトロードの密封面
3 側面
4 側面
5 端面
6 端面
7 入口部分
8 出口部分
9 被覆
10 材料
11 カウンタツール
12 材料層
13 材料層
14 スレッド部
15 間隙
20 ソノトロードの密封端部
21 凹部
22 被覆面
23 非被覆面
図1
図1a
図1b
図2
図3
図4
【国際調査報告】