(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】釣り糸リールモータ・ブレーキ
(51)【国際特許分類】
A01K 89/0155 20060101AFI20240214BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20240214BHJP
A01K 89/01 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A01K89/0155
H02K7/14 Z
A01K89/01 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550315
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 US2022016731
(87)【国際公開番号】W WO2022178085
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521321985
【氏名又は名称】ピュア・フィッシング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、ベンジャミン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、ウィリアム ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ラブビッティ、ウィリアム ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ソレオ、ロバート エフ.
【テーマコード(参考)】
2B108
5H607
【Fターム(参考)】
2B108CB01
2B108CD01
2B108FE01
2B108HE11
2B108HE21
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB13
5H607CC05
5H607DD03
5H607FF11
5H607HH01
5H607HH09
(57)【要約】
釣り糸リールは、ハウジングと、ハウジング内に支持され、シャフトの長手方向に延在したシャフト軸の周りでハウジングに対して回転するように構成されたシャフトと、釣り糸ラインを巻き取ったりほどいたりするために、シャフト軸の周りでシャフトと共に回転するようにシャフトに固定されたスプールとを含む。釣り糸リールはまた、ハウジングに固定されたステータであって、スプールがステータ及びハウジングに対してシャフトと共に回転するように構成される、ステータと、ステータに固定された電磁石であるステータ磁石と、シャフト軸の周りでシャフトと共に回転するためにシャフトに固定された第1のロータ板、及び第1のロータ板に固定された第1のロータ磁石を含むロータとを含む。ステータ磁石は、電流を受け取り、ステータから第1のロータ磁石まで磁場を生成するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に支持され、シャフトの長手方向に延在したシャフト軸の周りで前記ハウジングに対して回転するように構成された前記シャフトと、
釣り糸ラインを巻き取ったりほどいたりするために、前記シャフト軸の周りで前記シャフトと共に回転するように前記シャフトに固定されたスプールと、
前記ハウジングに固定されたステータであって、前記スプールが前記ステータ及び前記ハウジングに対して前記シャフトと共に回転するように構成される、前記ステータと、
前記ステータに固定された電磁石であるステータ磁石と、
前記シャフト軸の周りで前記シャフトと共に回転するために前記シャフトに固定された第1のロータ板、及び前記第1のロータ板に固定された第1のロータ磁石を含むロータとを備え、
前記ステータ磁石は、電流を受け取り、前記ステータから前記第1のロータ磁石まで磁場を生成するように構成される、釣り糸リール。
【請求項2】
前記ロータは、
前記シャフト軸の周りで前記シャフトと共に回転するように前記シャフトに固定され、前記ステータが前記シャフトの前記長手方向に前記第1のロータ板と第2のロータ板との間に置かれ、前記第1のロータ板と前記第2のロータ板を隔てるように、前記第1のロータ板の反対側の前記ステータの側で前記シャフト上に配置される前記第2のロータ板と、
前記第2のロータ板に固定された第2のロータ磁石とをさらに含み、
前記ステータ磁石は、電流を受け取り、前記ステータから前記第2のロータ磁石まで磁場を生成するように構成される、請求項1に記載の釣り糸リール。
【請求項3】
前記第1のロータ磁石は、前記第1のロータ板に固定され、前記シャフト軸に直交する前記第1のロータ板の円周方向に配列された永久磁石である複数の第1のロータ磁石内に含まれ、
前記第2のロータ磁石は、前記第2のロータ板に固定され、前記シャフト軸に直交する前記第2のロータ板の円周方向に配列された永久磁石である複数の第2のロータ磁石内に含まれる、請求項2に記載の釣り糸リール。
【請求項4】
前記ステータは、前記シャフトの前記長手方向に前記第1のステータ面の反対側の前記ステータの側に平面の第1のステータ面及び平面の第2のステータ面を画定し、前記第1のステータ面及び前記第2のステータ面は、前記シャフトの前記長手方向に直交して、前記第1のロータ板及び前記第2のロータ板に沿って延在し、
前記ステータ磁石は、前記第1のステータ面及び前記第2のステータ面のうちの少なくとも一方の上に配設され、電流を受け取り磁場を生成するように構成されたコイル巻き線である、請求項3に記載の釣り糸リール。
【請求項5】
前記第1のロータ板は、平面の第1のロータ面を画定し、前記第1のロータ磁石は、前記シャフトの前記長手方向の前記第1のロータ磁石と前記ステータとの間の空間を画定するように前記第1のロータ面上に配設され、
前記第2のロータ板は、平面の第2のロータ面を画定し、前記第2のロータ磁石は、前記シャフトの前記長手方向の前記第2のロータ磁石と前記ステータとの間の空間を画定するように前記第2のロータ面上に配設される、請求項4に記載の釣り糸リール。
【請求項6】
前記ステータは、前記シャフトの前記長手方向に直交する前記シャフトの半径方向に前記第1のロータ板に沿って延在する平面の第1のステータ面を画定し、
前記ステータ磁石は、前記シャフトの前記長手方向の前記ステータ磁石と前記第1のロータ板との間の空間を画定するように、前記第1のロータ板に沿って前記第1のステータ面上に配設されたコイル巻き線であり、前記コイル巻き線は、電流を受け取り磁場を生成するように構成される、請求項1に記載の釣り糸リール。
【請求項7】
前記ステータは、プリント回路基板であり、前記ステータ磁石は、前記プリント回路基板によって画定された平面の第1のステータ面上に配設される、請求項1に記載の釣り糸リール。
【請求項8】
前記第1のロータ板は、平面の第1のロータ面を画定し、前記第1のロータ磁石は、前記シャフトの前記長手方向の前記第1のロータ磁石と前記ステータとの間の空間を画定するように前記第1のロータ面上に配設される、請求項7に記載の釣り糸リール。
【請求項9】
前記ハウジング内に配設され、回路を通して前記ステータと接続されるバッテリをさらに備え、前記ステータに対して回転する前記ロータは、前記ステータが前記回路内に電流を生成し前記バッテリを充電するように、前記ステータ磁石内に電流を誘発する、請求項1に記載の釣り糸リール。
【請求項10】
前記ステータへの電流の流れを制御するように構成されたコントローラと、
前記ハウジングに固定された回転センサであって、キャスティング動作中の前記ハウジングに対する前記シャフト、前記スプール及び前記ロータのうちの少なくとも1つの回転位置情報を生成するように構成され、前記コントローラに前記回転位置情報を伝送するように構成された回転センサとをさらに備え、
前記コントローラは、
前記回転センサから受け取った前記回転位置情報に基づいて前記キャスティング動作中の前記シャフト、前記ロータ及び前記スプールのうちの前記少なくとも1つの回転速度を判定し、
前記判定した回転速度を所定の閾値と比較し、
前記判定した回転速度が前記所定の閾値を下回るとき、前記ステータ磁石が前記第1のロータ磁石を通して前記ロータ上に能動制動力磁場を生成し、前記能動制動力磁場が、前記釣り糸ラインをほどく間の前記スプールの回転方向に対向するように、ステータ巻き線を通るように電流を誘導し、
前記判定した回転速度が前記所定の閾値を上回るとき、前記ステータ磁石が、前記第1のロータ磁石を通して前記ロータ上に受動制動力磁場を生成し、前記受動制動力磁場が、前記能動制動力磁場と同じ方向であるが、大きさ又は持続時間は相対的に小さくなるように、前記ステータ巻き線を通るように電流を誘導するように構成される、請求項1に記載の釣り糸リール。
【請求項11】
前記回転センサは、前記回転センサが前記ステータを通して前記ハウジングに固定されるように、前記ステータに設置される、請求項10に記載の釣り糸リール。
【請求項12】
前記回転センサは、前記ハウジングに対して固定され、磁場の大きさを検出して前記ロータの回転位置情報を生成するように構成されたホール効果センサを含み、前記コントローラは、前記ロータの前記回転位置情報を受け取って、前記ロータの回転速度を判定する、請求項10に記載の釣り糸リール。
【請求項13】
前記回転センサは、前記第1のロータ板の磁場を検出し、前記回転位置情報を生成するために互いと協働するように構成された複数のホール効果センサを含む、請求項12に記載の釣り糸リール。
【請求項14】
前記ハウジングに固定され、前記シャフトが、前記ロータを通して前記ステータから制動力を受けるように前記ステータを作動させるように構成されたコントローラと、
前記ハウジングに固定された釣り糸ライン状況センサであって、ライン状況情報を生成するために前記スプールからほどかれている釣り糸ラインの一部を検出するように構成され、前記ライン状況情報を前記コントローラに伝送するように構成された前記釣り糸ライン状況センサとをさらに備え、
前記コントローラは、
前記ライン状況情報が、キャスティング動作中に前記スプールからほどかれている前記釣り糸ラインにループが形成されていることを示すかどうか判定し、
前記ステータ磁石が、前記ステータから前記第1のロータ磁石まで磁場を生成し、前記コントローラが、前記キャスティング動作中に前記スプールからほどかれている前記釣り糸ラインにループが形成されていると判定したとき、前記シャフトが前記ロータを通して前記ステータから制動力を受けるように、前記ステータ磁石を通るように電流を誘導した状態で前記ステータを作動させる、請求項1に記載の釣り糸リール。
【請求項15】
前記ハウジングに固定され、キャスティング動作中の前記ハウジングに対する前記シャフト、前記スプール及び前記ロータのうちの少なくとも1つの回転位置情報を生成するように構成され、前記コントローラに前記回転位置情報を伝送するように構成された回転センサをさらに備え、
前記コントローラは、
前記回転センサから受け取った前記回転位置情報に基づいて前記キャスティング動作中の前記シャフト、前記ロータ及び前記スプールのうちの少なくとも1つの回転速度を判定し、
前記コントローラが、前記スプールからほどかれている前記釣り糸ラインにループが形成されていると判定したとき、前記判定した回転速度を所定の閾値と比較し、
前記判定した回転速度が前記所定の閾値を下回るとき、前記ステータ磁石が前記第1のロータ磁石を通して前記ロータ上に能動制動力磁場を生成し、前記能動制動力磁場が、前記釣り糸ラインをほどく間の前記スプールの回転方向に対向するように、ステータ巻き線を通るように電流を誘導し、
前記判定した回転速度が前記所定の閾値を上回るとき、前記ステータ磁石が前記第1のロータ磁石を通して前記ロータ上に受動制動力磁場を生成し、前記受動制動力磁場が、前記能動制動力磁場と同じ方向であるが、大きさ又は持続時間は相対的に小さくなるように、前記ステータ巻き線を通るように電流を誘導するように構成される、請求項14に記載の釣り糸リール。
【請求項16】
前記釣り糸ライン状況センサは、光源と、前記ハウジングに固定された光学センサとを含み、前記光学センサは、前記光源から放出され、前記スプールからほどかれている釣り糸ラインの前記一部を横切る光を検出して、前記ライン状況情報を生成するように構成され、前記ライン状況情報を前記コントローラに伝送するように構成される、請求項14に記載の釣り糸リール。
【請求項17】
前記シャフトが前記ロータを通して前記ステータから制動力を受けるように、前記ステータを作動させるように構成されたコントローラをさらに備え、
前記シャフト軸の周りで第1の回転方向に前記ハウジングに対して前記シャフトを回転させるキャスティング動作中、前記コントローラは、前記シャフトが、前記第1の回転方向とは反対の第2の回転方向で前記ロータを通して前記ステータから制動力を受けるように、前記ステータ磁石を通るように電流を誘導して、前記ロータで逆電流制動を実行するように構成される、請求項1に記載の釣り糸リール。
【請求項18】
前記シャフトの回転速度が所定の閾値を下回るとき、前記コントローラは、前記ステータ磁石が前記第1のロータ磁石を通して前記ロータ上に能動制動力磁場を生成し、前記能動制動力磁場が前記第1の回転方向に対向するように、ステータ巻き線を通るように電流を誘導することによって前記逆電流制動を実行するように構成される、請求項17に記載の釣り糸リール。
【請求項19】
前記シャフトの前記回転速度が前記所定の閾値を上回るとき、前記コントローラは、前記ステータ磁石が前記第1のロータ磁石を通して前記ロータ上に受動制動力磁場を生成し、前記受動制動力磁場が、前記能動制動力磁場と同じ方向であるが、大きさ又は持続時間は相対的に小さくなるように、前記ステータ巻き線を通るように電流を誘導することによって前記逆電流制動を実行するように構成される、請求項18に記載の釣り糸リール。
【請求項20】
前記ハウジングに固定され、前記シャフトが前記ロータを通して前記ステータから制動力を受けるように、前記ステータを作動させるように構成されたコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、前記ステータ及び前記ロータが、前記ステータから前記シャフト上に制動力を及ぼすように構成された3相モータを形成するように、前記ステータ磁石を通るように電流を誘導するように構成され、前記コントローラは、前記シャフトの感知された回転速度に基づいてパルス幅変調又は信号制御を介して前記制動力の持続時間を制御するようにさらに構成される、請求項1に記載の釣り糸リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ベイト・キャスト釣り糸リールは、バックラッシュと呼ばれる欠点を有し、これは、スプールが放出されるラインを超過させ、放出されるラインが捕らえられ、回転するスプールの下で引き戻され、結果として、一般に「鳥の巣」と呼ばれるラインの固く結ばれたもつれが生じることになる。リールは、ラインがもつれる可能性を低減するために、バックラッシュ状況より前にリールにブレーキをかけるための制動デバイスを含むことができる。
【0002】
既知の制動デバイスは、第2の永久磁石、又はそうでなければ第1の永久磁石に引き寄せられる磁気機能部に近接して選択式に配置された第1の永久磁石に依拠している。第1の永久磁石と第2の永久磁石又は磁気機能部との間の相対運動が、直接の機械的接触を必要とせずにシャフト上に制動力を生成する。しかしながらそのような磁気制動デバイスは、シャフト上に十分な制動力を生成するのに適したサイズ及び対応する磁場強度を有する永久磁石及び磁気機能部を必要とする。さらに、そのような磁気制動デバイスは、シャフト上に制動力を選択的に生成したり取り除いたりするために有効な距離だけ第1の永久磁石及び第2の永久磁石又は磁気機能部のうちの1つを繰り返し移動させるために必要な空間を必要とする。その結果、そのような磁気制動デバイスは、釣り糸リールを停止させるために、重量及び体積の点で大きすぎて実用的ではない場合が多い。したがってシャフト上に制動力を生成するのに過剰な摩耗を受けない相対的にコンパクトな制動機構に対する要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮特許出願第63/128895号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
釣り糸リールは、ハウジングと、ハウジング内に支持され、シャフトの長手方向に延在したシャフト軸の周りでハウジングに対して回転するように構成されたシャフトと、釣り糸ラインを巻き取ったりほどいたりするために、シャフト軸の周りでシャフトと共に回転するようにシャフトに固定されたスプールとを含む。釣り糸リールはまた、ハウジングに固定され、スプールがステータ及びハウジングに対してシャフトと共に回転するように構成される、ステータと、ステータに固定された電磁石であるステータ磁石と、シャフト軸の周りでシャフトと共に回転するためにシャフトに固定された第1のロータ板、及び第1のロータ板に固定された第1のロータ磁石を含むロータとを備え、ステータ磁石は、電流を受け取り、ステータから第1のロータ磁石まで磁場を生成するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図3】ハウジングの一部が取り外された、釣り糸リールの斜視図である。
【
図4】一部が分解された、釣り糸リールの第1の側部斜視図である。
【
図5】一部が分解された、釣り糸リールの第2の側部斜視図である。
【
図6】一部が分解された、釣り糸リールの前方図である。
【
図7】一部が分解された、釣り糸リールの後方斜視図である。
【
図8】釣り糸リールを能動制動及び受動制動で作動させるためのフロー図である。
【
図9】別の態様による釣り糸リールの分解組立前方斜視図である。
【
図10】
図9の釣り糸リールの分解組立後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書の記載及び図面は単なる例示であり、本開示から逸脱することなく、種々の修正及び変更を開示される構造に行うことができる。図面を参照すると、複数の図面を通して同様の番号が同様の部品を指しており、
図1は、ハウジング102、シャフト104及びスプール110を含む釣り糸リール100を描いている。シャフト104は、ハウジング102内に支持され、釣り糸リール100の幅方向に沿ってシャフト104の長手方向に延在したシャフト軸112の周りでハウジング102に対して回転するように構成される。スプール110は、釣り糸ライン(図示せず)を釣り糸リール100に対して巻き取ったりほどいたりするために、シャフト軸112の周りでシャフト104と共に回転するように、シャフト104に固定される。釣り糸リール100は、シャフト104を手動で回し、ひいてはスプール110が釣り糸リール100に対して釣り糸ラインを巻き取ったりほどいたりするためのハンドル114を含む。
【0007】
図2に示されるように、釣り糸リール100は、ハウジング102及びシャフト104に固定されたモータ・ブレーキ120を含む。モータ・ブレーキ120は、ステータ122と、ロータ124とを含み、ロータは、第1のロータ板130と、第2のロータ板132から形成され得る。ステータ122は、シャフト104がハウジング102に対してシャフト軸112の周りを回転するとき、ハウジング102と共に静止したままでいるためにハウジング102に固定される。第1のロータ板130は、ハウジング102に対してシャフト104と共に回転するようにシャフト104に固定される。第2のロータ板132は、ハウジング102に対してシャフト104と共に回転するようにシャフト104に固定される。このような構造で、第1のロータ板130及び第2のロータ板132を含むロータ124は、釣り糸ラインが釣り糸リール100に対して巻き付いたりほどけたりするとき、ハウジング102及びステータ122に対してシャフト104及びスプール110と共に回転するように構成される。
【0008】
釣り糸リール100は、シャフト104、スプール110及びロータ124がハウジング102に対して回転するとき、ハウジング102と共に静止したままでいるために、ステータ122と共に固定される電磁石であるステータ磁石142を含む。ステータ磁石142は、電流を受け取り磁場を生成するように構成され、且つ変化する磁場に曝されたとき、電流を生成するように構成されたコイル巻き線であるステータ巻き線144(概略的に描かれる)から形成される。
【0009】
ロータ124は、ハウジング102、及びステータ磁石142を含むステータ122に対してシャフト104と共に回転するために第1のロータ板130に固定された永久磁石である複数の第1のロータ磁石150を含む。ロータ124は、ハウジング102及びステータ磁石142を含むステータ122に対してシャフト104と共に回転するために第2のロータ板132に固定された永久磁石である複数の第2のロータ磁石152を含む。複数の第1のロータ磁石150及び複数の第2のロータ磁石152は各々、概略的に描かれた8つの磁石を含むのに対して、複数の第1のロータ磁石150及び複数の第2のロータ磁石152は各々、本開示の範囲から逸脱することなくより多くの磁石又はより少ない磁石を含む場合もある。
【0010】
釣り糸リール100は、シャフト104、スプール110及びロータ124がハウジング102に対して回転するとき、ハウジング102と共に静止したままでいるために、ハウジング102に固定された釣り糸ライン状況センサ154を含む。釣り糸ライン状況センサ154は、スプール110からほどかれている釣り糸ラインにループが形成されているかどうかを示すライン状況情報を生成するために、スプール110からほどかれている釣り糸ラインの一部を検出するように構成される。
【0011】
釣り糸リール100は、シャフト104、スプール110及びロータ124がハウジング102に対して回転するとき、ハウジング102と共に静止したままでいるために、ハウジング102に固定された回転センサ160を含む。回転センサ160は、フレックス回路164上に配設された、ホール効果センサ162などの複数の磁束センサを含む。フレックス回路164は、ステータ122に固定された取り付け台170の上に支持される。回転センサ160は、複数のホール効果センサ162でロータ124からの磁場を検出するように構成される。ロータ124から検出された磁場に基づいて、回転センサ160は、ハウジング102に対するシャフト104、スプール110及びロータ124の回転位置情報を生成するように構成される。
【0012】
図3は、ハウジング102の一部が取り外された釣り糸リール100を描く。
図3に示されるように、釣り糸リール100は、ハウジング102内に配設され、回路174を通してステータ122と接続されたバッテリ172を含む。第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152からの磁場は、ステータ122に対して回転するロータ124がステータ磁石142内に電流を誘発するように、ステータ磁石142まで延在する。この方式では、ロータ124がステータ122に対して回転するとき、ステータ122は、回路174内に電流を生成し、バッテリ172を充電する。
【0013】
釣り糸リール100は、回路174と接続され、バッテリ172から回路174を通してステータ122への電流の流れを制御するように構成されたコントローラ180及びメモリ182を含む。コントローラ180、メモリ182及びバッテリ172は、ハウジング102に固定されたプリント回路基板である支持台184上に配設される。この方式では、コントローラ180及びメモリ182は、ハウジング102に固定され、ステータ122がロータ124を通してシャフト104上に制動力を及ぼすように、逆電流制動を開始するためにステータ122を作動させるように構成される。
【0014】
描かれるように、コントローラ180及びメモリは、回路174を介してバッテリ172、釣り糸ライン状況センサ154及び回転センサ160に接続されるが、コントローラ180及びバッテリ172は追加で、又は代替として、本開示の範囲から逸脱することなく、ステータ122を作動させるための回路174、バッテリ172、釣り糸ライン状況センサ154及び回転センサ160への無線接続を通してステータ122を作動させてもよい。
【0015】
コントローラ180は、信号を処理し、一般的な計算及び算術機能を実行するコンピューティング・デバイスである。コントローラ180によって処理される信号は、受信され得る、伝送され得る、及び/又は検出され得るデジタル信号、コンピュータ命令、プロセッサ命令、メッセージ、ビット、ビット・ストリームを含むことができる。コントローラ180は、多数の単一プロセッサ及びマルチコア・プロセッサ及びコプロセッサ並びに他の多数の単一プロセッサ及びマルチコア・プロセッサ及びコプロセッサ・アーキテクチャを含む、多様な種々のプロセッサであり得る。コントローラ180は、メモリ182に記憶された行動、命令及び/又はアルゴリズムを実行するための論理回路を含むことができる。
【0016】
メモリ182は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリは、例えば、ROM(リード・オンリ・メモリ)、PROM(プログラマブル・リード・オンリ・メモリ)、EPROM(消去可能PROM)及びEEPROM(電気的消去可能PROM)を含むことができる。揮発性メモリは、例えば、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)、同期RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDRSDRAM)及び直接RAMバスRAM(DRRAM)を含むことができる。メモリ182は、コントローラ180のリソースを制御する、又は割り当てるオペレーティング・システムを格納することができる。
【0017】
図4は、
図3のバッテリ172、コントローラ180及び支持台184が取り外され、ハウジング102が隠れた線で描かれる釣り糸リール100を描く。
図4に示されるように、スプール110及びロータ124は、ステータ122、釣り糸ライン状況センサ154、回転センサ160及びハウジング102に対してシャフト104と共に回転するように構成される。
【0018】
複数のホール効果センサ162が、取り付け台170の上に支持され、ハウジング102に対して固定される。複数のホール効果センサ162は、第1のロータ板130及び第1のロータ磁石150の円周方向に、第1のロータ板130及び第1のロータ磁石150の外周190に沿って配設される。
【0019】
複数のホール効果センサ162は各々、第1のロータ板130の磁場の大きさを検出し、ロータ124、シャフト104及びスプール110の回転位置情報を生成するために互いと協働するように構成される。回転センサ160によって生成された回転位置情報は、ハウジング102に対するロータ124、シャフト104及びスプール110のシャフト軸112の周りでの回転位置を示す。この構成で、回転センサ160は、複数のホール効果センサ162を介して第1のロータ板130からの磁場を検出して、ハウジング102に対するロータ124、シャフト104及びスプール110のシャフト軸112の周りでの回転位置を検出するように構成される。
【0020】
回転センサ160は、回路174を介してコントローラ180に回転位置情報を伝送するように構成される。フレックス回路164は、回転センサ160、バッテリ172及びコントローラ180の間で電力及び情報を伝達するために、回路174に接続される。コントローラ180は、回転センサ160によって伝送された回転位置情報を受け取って、ロータ124、シャフト104及びスプール110の回転速度を判定するように構成される。
【0021】
図4を参照して続けると、釣り糸ライン状況センサ154は、光源192と、ハウジング102に固定された光学センサ194とを含む。光学センサ194は、光源192から放出され、スプール110からほどかれている釣り糸ラインの一部(図示せず)を横切る光200を検出するように構成される。この方式では、釣り糸ライン状況センサ154は、光学センサ194によって検出された、釣り糸ラインを横切る光200に基づいて、ライン状況情報を生成するように構成される。
【0022】
スプール110は、第1のフランジ202及び第2のフランジ204と、スプール110がスプール・シャフト210上に巻き取られた釣り糸ラインをシャフト104の長手方向に保持するように構成されるように、シャフト104の長手方向で第1のフランジ202と第2のフランジ204との間に置かれ、第1のフランジ202と第2のフランジ204を隔てる、スプール・シャフト210とを含む。
図4及び
図5に示されるように、光源192は、ビーム・エミッタ212と、ハウジング102内でステータ122に固定された光学機器214とを含む。ビーム・エミッタ212及び光学機器214は、シャフト104の長手方向にスプール・シャフト210の反対側の第1のフランジ202の側で、ハウジング102内に支持される。ビーム・エミッタ212は、光源192内に光を生成するように構成される。光学機器214は、光源が第1の光ビーム220及び第2の光ビーム222をシャフト104の長手方向に第1のフランジ202の背後から光学センサ194に向けて放出するように、ビーム・エミッタ212からの光を平行にするように構成される。
【0023】
光学センサ194は、シャフト104の長手方向にスプール・シャフト210の反対側の第2のフランジ204の側でハウジング102内に固定された第1の受信機224及び第2の受信機230を含む。第1の受信機224及び第2の受信機230は、光源192からの第1の光ビーム220及び第2の光ビーム222を受け取り検出するようにそれぞれ構成される。光学センサ194は、有線接続又は無線接続を使用してコントローラ180にライン状況情報を伝送するように構成される。
【0024】
図6に示されるように、ステータ122は、第1のロータ磁石150を有する第1のロータ板130と、シャフト104の長手方向で第2のロータ磁石152を有する第2のロータ板132との間に置かれ、第1のロータ板130と第2のロータ板132とを隔てる。この構造で、第1のロータ磁石150は、シャフト104の長手方向に第2のロータ磁石152の反対側のステータ122の側で、シャフト104上に配置される。第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152は、コントローラ180がステータ122を作動させるとき、ステータ磁石142がステータ122から第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152まで磁場を生成するように、ステータ122から離間される。
【0025】
ステータ122は、第1のステータ面232、及びシャフト104の長手方向に第1のステータ面232の反対側の第2のステータ面234を画定するプリント回路基板から形成される。一実例として、ステータ122は、多層回路基板、例えば12以上の層になった回路基板から形成することができる。第1のステータ面232及び第2のステータ面234は、平面であり、シャフト104の長手方向に直交するシャフト104の半径方向に、第1のロータ板130及び第2のロータ板132に沿ってそれぞれ延在する。
【0026】
ステータ磁石142は、第1のステータ面232、第2のステータ面234、中間層上に配設され得るコイル巻き線である複数のステータ巻き線240であり、回路174から電流を受け取り、磁場を生成するように構成される。ステータ巻き線240は、第1のロータ板130と第2のロータ板132との間の空間を画定するように、第1のロータ板130及び第2のロータ板132に沿って配設される。
【0027】
図6を参照して続けると、第1のロータ板130は、第1のステータ面232に沿ってシャフト104の半径方向に延在する平面の第1のロータ面242を画定する。第1のロータ磁石150は、シャフト104の長手方向に第1のロータ磁石150とステータ122との間に第1の空間244を画定するように第1のロータ面242に配設される。第1のロータ磁石150は、シャフト軸112の周りでの均衡した回転のために第1のロータ板130の円周方向に配列される。そのような実施例では、第1のステータ面232上のステータ巻き線240は、コントローラ180がステータ122を作動させるとき、ステータ巻き線240が、ステータから第1の空間244を横切り第1のロータ磁石150まで磁場を生成するように、第1のロータ磁石150から離間される。
【0028】
第2のロータ板132は、第2のステータ面234に沿ってシャフト104の半径方向に延在する平面の第2のロータ面250を画定する。第2のロータ磁石152は、シャフト104の長手方向に第2のロータ磁石152とステータ122との間に第2の空間252を画定するように第2のロータ面250に配設される。第1のロータ磁石150は、シャフト軸112の周りでの均衡した回転のために第2のロータ板132の円周方向に配列される。この構造では、第2のステータ面234上のステータ巻き線240は、コントローラ180がステータ122を作動させるとき、ステータ巻き線240が、ステータ122から第2の空間252を横切り第2のロータ磁石152まで磁場を生成するように、第2のロータ磁石152から離間される。
【0029】
上記の実例を続けると、第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152は、第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152がステータ122に直接接触することなく、シャフト軸112の周りでシャフト104と共に回転するように構成されるように、ステータ122から離間されてシャフト104に沿って配置される。この方式では、モータ・ブレーキ120は、ロータ124及びシャフト104を通してスプール110を制動する、及び/又は駆動するように構成されたブラシレス・モータを形成し、スプール110を制動する、及び/又は駆動するときに過剰な摩耗を受けることはない。
【0030】
第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152は、シャフト104の長手方向に第1の空間244及び第2の空間252を最小限にするように、且つステータ磁石142が、ステータ122からロータ124上に制動力及び/又は駆動力を及ぼすのに有効な、第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152を通る磁場を生成するのに十分にステータ122に近接した状態で、ステータ122に近づけて配置される。第1のロータ板130、第1のロータ磁石150、第2のロータ板132、第2のロータ磁石152、及びステータ122は、シャフト104の長手方向にモータ・ブレーキ120の全体の厚さを縮小するために、シャフト104の長手方向に最小の厚さを有するプレート形状をそれぞれ形成する。この構造で、モータ・ブレーキ120は、ステータ122及びロータ124をハウジング102に嵌合させるのに必要なハウジング102のサイズが縮小される、相対的にコンパクトな構造を特徴とする。
【0031】
図7に示されるように、回転センサ160は、回転センサ160がステータ122を通してハウジング102に固定されるように、ステータ122に設置される。描かれる実施例では、取り付け台170は、第1のロータ磁石150に沿ってホール効果センサ162を配置するために、ステータ122から延出してもよい。別の実施例では、取り付け台170は、追加として、又は代替として、第2のロータ磁石152から検出された磁場に基づいて回転位置情報を生成するために、第2のロータ磁石152に沿ってホール効果センサ162を配置するために、ステータ122から延出してもよい。
【0032】
釣り糸ライン状況センサ154は、例えば、釣り糸ラインをスプール110からほどくキャスティング動作中に、コントローラ180にライン状況情報を伝送するように構成される。回転センサ160は、釣り糸ラインをスプール110からほどくキャスティング動作中を含め、コントローラ180に回転位置情報を伝送するように構成される。
【0033】
図3から
図7を参照すると、キャスティング動作中、シャフト104は、シャフト軸112の周りで第1の回転方向にハウジング102に対して回転する。コントローラ180は、シャフト104が、第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に、ロータ124を通してステータ122からの制動力に直面するように、ロータ124で逆電流制動を実行するようにステータ磁石142を通って電流を誘導するように構成される。コントローラ180は、ステータ122及びロータ124が、ハウジング102からシャフト104上に制動力を及ぼすように構成された3相モータを形成するように、ステータ磁石142を通って電流を誘導するように構成される。
【0034】
コントローラ180は、ロータ124、シャフト104及びスプール110のうちの1つ又は複数の回転速度に基づいて逆電流制動を開始するように構成されてよい。例えば、ロータ124、シャフト104及び/又はスプール110の回転速度が所定の閾値を下回る場合、コントローラ180は、ステータ巻き線240を通るように電流を誘導することによって逆電流制動を実行するように構成されてよい。したがって、ステータ磁石142は、第1のロータ磁石150を通してロータ124上に能動制動力磁場を生成する。ステータ122によって生成された能動制動力磁場は、シャフト104の第1の回転方向とは反対の、シャフト104の第2の回転方向に回転するようにロータ124を促す。
【0035】
別の実例では、ロータ124、シャフト104及び/又はスプール110の回転速度が所定の閾値を超える場合、コントローラ180は、受動制動力で逆電流制動を実行するように構成される。例えば、コントローラ180は、受動制動中、ステータ巻き線240の1つ又は複数を短絡しつつ、ステータ巻き線240を通るように電流を誘導することができる。したがって、ステータ磁石142は、第1のロータ磁石150を通してロータ124上に受動制動力磁場を生成する。ステータ122によって生成された受動制動力磁場は、能動制動力磁場と同じ方向であるが、相対的に小さい大きさで回転するようにロータ124を促す。コントローラ180はまた、受動制動力磁場が、能動制動力磁場と比較したとき、より短い持続時間にわたって適用されるような方式で、適用された制動力の持続時間を制御するように構成されてもよい。例えば、受動制動中と比較したとき、能動制動中により長い持続時間にわたってステータ巻き線240を通るように電流を誘導するが、生成される磁場の大きさは、相対的に同じであり得るために、パルス幅変調(PWM)又は別の制御信号方法が利用される場合がある。
【0036】
図8は、キャスティング動作中の釣り糸リール100を作動させる方法300の詳細を描くフロー図を描く。この方式では、方法300は、釣り糸ライン状況センサ154からの釣り糸ライン状況情報及び回転センサ160からの回転位置情報に基づいて、コントローラ180で、ブロック302で釣り糸ラインのライン状況をモニタするステップを実現し、ブロック304でロータ124、シャフト104及びスプール110の回転速度をモニタするステップを実現する。キャスティング動作中に経時的にコントローラ180によって受信される回転位置情報は、ロータ124、シャフト104及びスプール110の回転速度を判定するために、コントローラ180によって処理される。回転センサ160からの情報はまた、能動制動中ステータ122に送られた駆動電流のタイミング(整流)のために使用される。回転センサ160はまた、バッテリ172充電のために生成器機能をオン及びオフにするため、且つ充電のために捕捉された電力の量に対応する、充電中の抵抗設定の振幅を制御するための電子作業を知らせるために使用されてもよい。
【0037】
方法300のブロック306で、コントローラ180は、釣り糸ライン状況センサ154からの釣り糸ライン状況情報に基づいてスプール110からほどかれている釣り糸ラインにループが形成されているかどうかを判定する。ループが形成されていない場合、このとき、釣り糸ラインのライン状況並びにロータ124、シャフト104及びスプール110の回転速度は継続してモニタされる。コントローラ180が釣り糸ラインにループが形成されていると判定したとき、方法は、方法300のブロック310へと進む。ブロック310で、コントローラ180は、回転センサ160からの回転位置情報に基づいたロータ124、シャフト104及びスプール110の回転速度を所定の閾値と比較する。
【0038】
方法のブロック310で、コントローラ180は、回転速度が所定の閾値を下回るかどうかを判定する。所定の閾値は、所定の回転速度に対応する値であってよい。ブロック304で判定した回転速度が所定の閾値である、又はそれを下回るかどうか判定するために、コントローラ180は、回転速度を所定の閾値と比較してもよい。回転速度が、所定の閾値を下回る場合、方法300は、ブロック312へと続き、回転速度が所定の閾値を上回る場合、方法300は、ブロック314へと続く。
【0039】
方法300のブロック312、314で、コントローラ180は、ステータ磁石142がステータ122から第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152まで磁場を生成するように、ステータ磁石142を通るように誘導された電流でステータ122を作動させる。したがって、ステータ122は、ロータ124を通してシャフト104上に制動力を及ぼす。この方式では、コントローラ180は、コントローラ180が釣り糸ラインにループが形成されていると判定したとき、比較した回転速度が、所定の閾値を上回っても、下回っても、ステータ122を介してモータ・ブレーキ120を作動させるように構成される。
【0040】
図8を参照し続けると、ブロック310で、コントローラ180が、ロータ124、シャフト104及びスプール110の1つ又は複数の比較した回転速度が所定の閾値を下回ると判定したとき、方法300は、ブロック312へと進む。ブロック312で、コントローラ180は、ステータ磁石142が第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152を通してロータ124上に能動制動力磁場を生成するように、ステータ巻き線240を通るように電流を誘導する。ステータ122によって生成された能動制動力磁場は、釣り糸ラインをほどく間のスプール110の回転方向と対向している。したがって、コントローラ180は、ブロック306で、コントローラ180がキャスティング動作中にスプール110からほどかれている釣り糸ラインにループが形成されていると判定したこと、及びブロック310で、回転速度が所定の閾値である、又は所定の閾値を下回ることに応答して、ステータ122にロータ124上の能動制動力磁場に影響を及ぼすようにさせる。制動がロータ124、シャフト104及びスプール110の回転の頻度よりはるかに高い頻度でオン/オフ・デューティ・サイクルに適用される、パルス幅変調(PWM)又は同様の制御信号を介して適用され、制御される能動制動のレベルを抑制するために他の閾値が決定されてもよい。コントローラ180はまた、感知された回転速度に基づいて制動力をどのくらい長く適用するかを前もって決定してもよい。
【0041】
ブロック310で、コントローラ180は、比較した回転速度が所定の閾値であるか、又はそれを超えると判定したとき、方法300はブロック314へと進む。ブロック314で、コントローラ180は、ステータ磁石142が、第1のロータ磁石150及び第2のロータ磁石152を通してロータ124上に受動制動力磁場を生成するように、ステータ巻き線240を通るように電流を誘導する。上記で述べたように、ステータ122によって生成された受動制動力磁場は、スプール110の回転方向と反対の、能動制動力磁場と同じ方向であるが、能動制動力磁場より大きさ又は持続時間が相対的に小さくなる。したがって、コントローラ180は、ブロック306で、コントローラ180がキャスティング動作中にスプール110からほどかれている釣り糸ラインにループが形成されていると判定したこと、及びブロック310で、回転速度が所定の閾値を上回ることに応答して、ステータ122にロータ124上の受動制動力磁場に影響を及ぼすようにさせる。この方式では、コントローラ180は、ロータ124、シャフト104及びスプール110のうちの1つ又は複数の回転速度に基づく動的逆電流制動を作動させる。
【0042】
図9から
図12は、本開示の別の態様による釣り糸リールのためのモータ・ブレーキ400を描く。そうでないことが述べられなければ、
図9から
図12を参照して記載した釣り糸リールのためのモータ・ブレーキ400は、
図1から
図8を参照して記載した釣り糸リール100と同様の方式で同様の特徴及び機能を含む。
【0043】
図9に示されるように、モータ・ブレーキ400は、シャフト404の長手方向に延在したシャフト軸410の周りでシャフト404と共に回転するように、シャフト404に固定されたスプール402を含む。第1のロータ412は、第1のロータ412がスプール402を通してシャフト404に固定されるようにスプール402に装着され、シャフト軸410の周りでスプール402及びシャフト404と共に回転するように構成される。例示される実施例では、第1のロータ412は、シャフト軸410に垂直な対向する平面を有する右側ロータ板であり、シャフト軸410に直交する半径方向で配向された円形板であり得る。第1のロータ412は、シャフト軸410に沿って延在した第1の開口414を画定し、ここで、シャフト404は、シャフト軸410に沿って第1の開口414を通って延び、第1のロータ412は、シャフト軸410のところでシャフト404を囲むように中心に置かれる。第1のロータ412は、スプール402の第1の(右)フランジ420に装着し、第1のフランジ420内に設けられた凹部422の内部に受け入れることができる。
【0044】
第1のロータ412は、シャフト軸410に直交する第1のロータ412の円周方向に配列され、シャフト404の半径方向である第1のロータ412の半径方向に延在する、第1のロータ412に固定された第1の複数の磁石を含む。第1の複数の磁石424における各磁石は、第1の開口414を画定する第1のロータ412の内縁430と、第1のロータ412の半径方向に第1のロータ412の外周を画定する第1のロータ412の外縁432との間で、第1のロータ412の半径方向に延在する永久磁石である。第1の複数の磁石424における各磁石は、第1のロータ412の、スプール402に対する外面434に設けられる。第1のロータ412の内面(見ることはできない)は、第1のフランジ420に当接する。
【0045】
モータ・ブレーキ400は、シャフト軸410の周りで、スプール402、シャフト404及び第1のロータ412と共に回転する、シャフト404に固定された第2のロータ440を含む。例示の実施例では、第2のロータ440は、対向する平面を有する左側ロータ板であり、シャフト軸410に直交する半径方向で配向された円形板である。第2のロータ440は、シャフト軸410に沿って延びる第2の開口442を画定し、ここで、シャフト404は、シャフト軸410に沿って第2の開口442を通って延び、第2のロータ440は、シャフト軸410のところでシャフト404を囲むように中心に置かれる。
【0046】
図10に示されるように、第2のロータ440は、シャフト軸410に直交する第2のロータ440の円周方向に配列され、シャフト404の半径方向である第2のロータ440の半径方向に延在した、第2のロータ440に固定された第2の複数の磁石444を含む。第2の複数の磁石444における各磁石は、第2の開口442を画定する第2のロータ440の内縁450と、第2のロータ440の半径方向に第2のロータ440の外周を画定する第2のロータ440の外縁452との間で、第2のロータ440の半径方向に延在する永久磁石である。第2の複数の磁石444における各磁石は、第2のロータ440の、スプール402に対する内面454に設けられる。
【0047】
モータ・ブレーキ400は、スプール402、シャフト104、第1のロータ412及び第2のロータ440がシャフト軸410の周りで回転するとき、スプール402、シャフト404、第1のロータ412及び第2のロータ440に対して静止したままでいるように構成されたステータ460を含む。例示の実施例では、ステータ460は、シャフト軸410に直交する半径方向で配向された実質的に円形板であり、シャフト軸410に沿って延在した第3の開口462を画定し、ここで、シャフト404は、シャフト軸410に沿って第3の開口462を通って延在し、ステータ460は、シャフト404を囲むように中心に置かれる。
【0048】
ステータ460は、シャフト軸410に直交するステータ460の円周方向に配列され、シャフト404の半径方向であるステータ460の半径方向に延在する、ステータ460に固定された第3の複数の磁石464を含む。第3の複数の磁石464における各磁石は、第3の開口462を画定するステータ460の内縁470と、ステータ460の半径方向にステータ460の外周を画定するステータ460の外縁472との間で、ステータ460の半径方向に延在する電磁石である。第3の複数の磁石464における各磁石は、リード線474を通して供給される電流を選択的に受け取り、ステータ460から磁場を生成するように構成される。
【0049】
第2のロータ440は、スプール402に画定されたノッチから形成される、
図10に描かれるキー溝482と噛み合うように構成されたキー480を含む。
図9及び
図10に示されるように、キー480は、第3の開口462を通してシャフト軸410の方向に、キー溝482に向かってその中に入るように延出するように構成される。キー480がキー溝482の中に延在する状態で、キー480及びキー溝482は、シャフト軸410の周りでのスプール402の回転方向に対して、第2のロータ440とスプール402と噛み合わせる。描かれるように、スプール402及び第2のロータ440は、キー480及びキー溝482を通して、シャフト軸410の周りでのスプール402の回転方向で噛み合うのに対して、第2のロータ440及びスプール402は、追加として、又は代替として、キー480及びキー溝482と同様の構造をそれぞれ有するキー及びキー溝の追加の相補的な対、第3の開口462を通して接続された他の噛み合う部分、接着剤、溶接、又は本開示の範囲から逸脱することなくスプール402を第2のロータ440に固定するための他の接合手段で一緒に固定されてもよい。
【0050】
図9に示されるように、シャフト404は、シャフト軸410に垂直に見たとき、円形の外形を有する肩部484を含み、ここで肩部484は、第2のロータ440が肩部484のところでシャフト404上に着座するように、第2のロータ440の内縁450に相補的な直径を有する外面490を有し、肩部484は、シャフト軸410に直交する方向でシャフト404上に第2のロータ440を支持する。ステータ460の内縁470によって画定された第3の開口462は、ステータ460がシャフト404、及びキー480を含む第2のロータ440から離間されるように、肩部484のところでステータ460の外縁472の直径より大きな内径を有する。この方式では、ステータ460は、第2のロータ440及びシャフト404がシャフト軸410の周りで回転するときシャフト404又は第2のロータ440と直接接触せず、第2のロータ440及びシャフト404がシャフト軸410の周りで回転するとき、第2のロータ440及びシャフト404に対して静止するように構成される。
【0051】
図11は、シャフト404と共に組み立てられたスプール402、ステータ460及び第2のロータ440を含むモータ・ブレーキ400の軸方向の図を描いており、
図12は、概略的に描かれるハウジング492及びバッテリ494を含む、モータ・ブレーキ400の部分的な分解組立側面図を描いている。
図12に示されるように、ハウジング492は、シャフト404の半径方向にモータ・ブレーキ400及びスプール402の周りで互いに係合するように構成された第1のハウジング部分500と、第2のハウジング部分502とを含む。第1のハウジング部分500は、シャフト404の近位端510が、シャフト軸410に直交する方向で第1のハウジング部分500内に支持され、シャフト404の近位端510が、第1のハウジング部分500に対してシャフト軸410の周りで回転するように構成されるように、隠れた線で示されシャフト404の近位端510を受け入れるように構成された第1の心棒軸受504を含む。第2のハウジング部分502は、シャフト404の遠位端514が、シャフト軸410に直交する方向で第2のハウジング部分502内に支持され、シャフト404の遠位端514が、第2のハウジング部分502に対してシャフト軸410の周りで回転するように構成されるように、隠れた線で示されシャフト404の遠位端514を受け入れるように構成された第2の心棒軸受512を含む。この方式では、ハウジング492は、シャフト軸410に直交する方向でシャフト404を支持し、シャフト404は、ハウジング492に対してシャフト軸410の周りで回転するように構成される。遠位端514は、従来の方式でスプール402を回転させるために、クラッチ機構(図示せず)を通してクランク・ハンドル(図示せず)と協働することができる。
【0052】
ステータ460は、ハウジング492内に画定された開口部522を通してハウジング492内に誘導され、ステータ460内に画定された
図9に示される穴524の中に誘導される締め具520でハウジング492に固定される。
図9に示されるように、ステータ460は、締め具520を受け入れるように構成された、ステータ460内の穴524を画定するフランジ530を含み、ここでフランジ530は、ステータ460の円周方向でステータ460の外縁472に沿って配置される。描かれる締め具520はねじであるが、締め具520は、本開示の範囲から逸脱することなく、代替的に、ボルト、ピン又は同様のタイプの締め具を含んでもよい。描かれるモータ・ブレーキ400は、ステータ460をハウジング492に固定するための締め具520を含むが、モータ・ブレーキ400は、本開示の範囲から逸脱することなく、追加として、又は代替として、接着剤、溶接、又はステータ460をハウジング492に固定するための他の接合手段を特徴としてもよい。ステータ460がハウジング492内に支持され、そこに固定された状態で、スプール402、シャフト404、第1のロータ412及び第2のロータ440は、ステータ460及びハウジング492に対して一緒に回転するように構成される。
【0053】
図12に示されるように、ステータ460は、シャフト軸410の方向でシャフト404に沿って、第1のロータ412と第2のロータ440との間に置かれ、第1のロータ412と第2のロータ440とを隔てており、ここで、第1のロータ412及び第2のロータ440は、第1のロータ412及び第2のロータ440がステータ460に直接接触することなく、シャフト404と共に回転するように構成され、ステータ460は、第1のロータ412及び第2のロータ440がハウジング492に対してシャフト軸410の周りでシャフト404と共に回転するとき、第1のロータ412及び第2のロータ440に対して静止したままでいるように、ステータ460から離間されてシャフト404に沿って配置される。第1のロータ412及び第2のロータ440は、第3の複数の磁石464が電流を受け取り磁場を生成するとき、磁場が、第1のロータ412及び第2のロータ440のために第1のロータ412内の第1の複数の磁石424及び第2のロータ440内の第2の複数の磁石444を通って延在し、シャフト104が、第1のロータ412及び第2のロータ440がステータ460に対してシャフト軸410の周りで回転するとき、ステータ460から第1のロータ412及び第2のロータ440を通して制動力を受けて、スプール402及びシャフト404がステータ460及びハウジング492に対してシャフト軸410の周りで回転するのを減速させ、停止させるように、ステータ460と共にシャフト104に沿って配置される。第3の複数の磁石464が電流を受け取らないとき、第3の複数は、第1のロータ412及び第2のロータ440に対して磁場を生成せず、制動力を及ぼすこともない。
【0054】
バッテリ494は、第1のロータ412、第2のロータ440及びステータ460と共にハウジング492の内部に配設され、ここで、バッテリ494は、ハウジング492の内部を画定する、ハウジング492の内面532に設置される。バッテリ494がハウジング492の内面352に設置された状態で、バッテリ494は、スプール402、シャフト404、第1のロータ412及び第2のロータ440がハウジング492に対してシャフト軸410の周りで回転するとき、ハウジング492及びステータ460に対して静止している。バッテリ494は、第1のロータ412及び第2のロータ440がステータ460に対して制動力をそれぞれ受けるのに十分な強度で、第3の複数の磁石464が、第1のロータ412内の第1の複数の磁石424及び第2のロータ440内の第2の複数の磁石444を通って延在する磁場を生成するように、リード線474を通して第3の磁石464に電流を供給するように構成され、ここで、制動力は、スプール402がステータ460及びハウジング492に対してシャフト軸410の周りで回転するのを減速させる、及び/又は停止させるのに十分である。この方式では、スプール402が、シャフト404、第1のロータ412及び第2のロータ440がハウジング492に対してシャフト軸410の周りで回転するように釣り糸ライン(図示せず)を投げるのに利用される場合、モータ・ブレーキ400は、キャストの終わりに第1のロータ412、第2のロータ440及びステータ460を通してシャフト404上に制動力を適用して、ハウジング492に対してスプール402を減速させ停止させ、バックラッシュを阻止するように構成される。モータ・ブレーキ440が、スプール402上に釣り糸ラインをリールに巻き取るために、又は増加したキャスティング距離のために釣り糸ラインを送り出すのを助けるためにスプール402を駆動するように構成される一実施例では、バッテリ494は、第3の複数の磁石464に電流を供給して、シャフト軸410の周りで、第1の複数の磁石424を通して第1のロータ412を駆動し、第2の複数の磁石444を通して第2のロータ440を駆動するように構成された磁場を生成し、これは、シャフト404を駆動し、ひいてはスプール402をシャフト軸410の周りで駆動する。
【0055】
バッテリ494は再充電可能であり得、ハウジング492は、バッテリ494を再充電するために外部電源から電力を受け取るように構成された電力入口(図示せず)を含むことができる。代替の実施例では、モータ・ブレーキ400は、バッテリを含まず、外部電源から直接第3の複数の磁石464に電流を供給するように構成される。
【0056】
一実施例では、モータ・ブレーキ400は、第1のロータ412及び第2のロータ440が、キャスティング中などにステータ460に対してシャフト軸410の周りで回転するとき、電流を生成し、バッテリ494を再充電するように構成される。この目的のために、第1のロータ412及び第2のロータ440が、ステータ460に対してシャフト軸410の周りで回転するとき、第1の複数の磁石424及び第2の複数の磁石444は、第3の複数の磁石464及びリード線474に対してシャフト軸410の周りで回転し、ここで、第3の複数の磁石464及びリード線474が受けた磁束が、第3の複数の磁石464及びリード線474内に電流を誘発させてバッテリ494を再充電する。
【0057】
図12を参照して続けると、モータ・ブレーキ400は、第3の複数の磁石464に電流を供給するためにバッテリ494を作動させるように構成されたコントローラ534を含み、コントローラ534は、ハウジング492の内部に配設され、バッテリ494と共にハウジング492の内面532に設置されている。スプール402が釣り糸ラインを投げるのに利用される場合、コントローラ534は、ハウジング492上に支持されたセンサ540から受け取った信号に応答して「バックラッシュ」事象の発生を判定する、又は予測するように構成され、且つモータ・ブレーキ440が、コントローラ24、センサ20及び制動機構26に関して米国仮特許出願第63/128895号に記載されるものと同様の方式で、制動力をシャフト404上に適用して、スプール402を減速させ、停止させるように、バッテリ494を作動させるように構成される。代替の実施例では、モータ・ブレーキ400は、第3の複数の磁石464に電流を供給するためにバッテリ494を作動させるように構成されたコントローラを含み、ここで、コントローラは、ハウジング492の外に配設される。モータ・ブレーキ400はまた、バッテリ494を作動させるために、ユーザ・インターフェース542を通してユーザからコントローラ534への入力を受け取るように構成される。コントローラ534は、例えばバッテリ494と電源(図示せず)との間の回路接続を制御して、電流が電源からバッテリ494に流れるのを選択的に阻止したり可能にしたりすることによって、バッテリ494の充電を制御することができる。
【0058】
描かれるモータ・ブレーキ400は、シャフト404に沿って第1のロータ412と第2のロータ440との間に置かれたステータ460を含むが、モータ・ブレーキ400は、各ステータが、シャフト404に沿って一対のロータの間に置かれており、各ロータが、第1のロータ412及び第2のロータ440と同様の構造を有する、ステータ460と同様の構造を有する2つ以上のステータを含む場合がある。
【0059】
描かれるモータ・ブレーキ400は、ハウジング492に対する、スプール402及びシャフト404など釣り糸リールの一部における回転を制御するように構成されているが、モータ・ブレーキ400は、本開示の範囲から逸脱することなく、ハウジング又は他の静止構造に対する、シャフト及びシャフト上に固定された要素を含む、デバイスの一部における回転をそれ以外の方法で制御するように構成されてもよい。
【0060】
図12を参照して続けると、第1のロータ412及び第2のロータ440は、第1のロータ412及び第2のロータ440がステータ460と直接接触することなくシャフト軸410の周りでシャフト404と共に回転するように構成され、ステータ460は、第1のロータ412及び第2のロータ440を通してシャフト404に制動力及び/又は駆動力を適用するように構成されるように、ステータ460から離間されてシャフト404に沿って配置される。この方式では、モータ・ブレーキ400は、スプール402を制動する、及び/又は駆動するように構成されたブラシレス・モータを形成し、スプール402を制動する、及び/又は駆動するとき、過剰な摩耗を受けることがない。
【0061】
ステータ460は、第1のロータ412及び第2のロータ440がステータ460をはさみ、ステータ460に近づけて配置されることで、シャフト軸410の方向でシャフト404に沿った第1のロータ412の内面と第2のロータ440の外面544との間の距離を最小限にするように、且つ第3の複数の磁石464が、ステータ460から第1のロータ412及び第2のロータ440に制動力及び/又は駆動力を及ぼすのに有効な磁場を、第1の複数の磁石424及び第2の複数の磁石444を通して生成するためにステータ460に十分近接した状態で、シャフト軸410の方向でシャフト404に沿って第1のロータ412と第2のロータ440との間に置かれ、第1のロータ412と第2のロータ440を隔てる。このような構造で、モータ・ブレーキ400は、シャフト軸410の方向で、第1のロータ412、第2のロータ440及びステータ460をハウジング492の内部に嵌合させるのに必要なハウジング492のサイズが縮小される、相対的にコンパクトな構造を特徴とする。
【0062】
スプール402は、第1のロータ412が、第1のフランジ420に設けられた凹部422の内部に収容された状態で、シャフト軸410に対して第1のフランジ420とは反対のスプール402の側に配置された第2のフランジ550を含み、モータ・ブレーキ400の一部としての第1のロータ412、第2のロータ440及びステータ460は、第1のフランジ420の中へ引っ込められ、第1のロータ412が第1のフランジ420内に収容されていない構造と比べて、シャフト軸410に対して第2のフランジ550により近づけて配置され、これにより、シャフト軸410の方向で第2のロータ440の外面544と第2のフランジ550との距離を縮小する。このような構造で、モータ・ブレーキ400は、シャフト軸410の方向で、スプール402、第1のロータ412、第2のロータ440及びステータ460をハウジング492の内部に嵌合させるのに必要なハウジング492のサイズが縮小される、相対的にコンパクトな構造を特徴とする。
【0063】
第1のロータ412、第2のロータ440及びステータ460は、シャフト軸410の方向に伸張された厚さを有するプレートからそれぞれ形成され、第1のロータ412、第2のロータ440及びステータ460のそれぞれの厚さは、第1のロータ412の内面と、第2のロータ440の外面544との間の距離をさらに縮小するために最小限にされる。このような構造で、モータ・ブレーキ400は、シャフト軸410の方向で、第1のロータ412、第2のロータ440及びステータ460をハウジング492の内部に嵌合させるのに必要なハウジング492のサイズが縮小される、相対的にコンパクトな構造を特徴とする。
【0064】
上記に開示した多様な実施例及び他の特徴及び機能、或いはその代替形態又は変形形態は、多くの他の異なるシステム又は用途に所望により組み込まれる場合があることを理解されたい。また、その種々の目下予測されない、又は予期されない、その中での代替形態、修正形態、変形形態又は改善は、当業者によってその後成される可能性があり、これはまた以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【国際調査報告】