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特表2024-507869微粒子材料送達のための管構成要素および形成の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】微粒子材料送達のための管構成要素および形成の方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/08 20060101AFI20240214BHJP
   A61M 39/12 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61M39/08
A61M39/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550581
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 US2021019015
(87)【国際公開番号】W WO2022177580
(87)【国際公開日】2022-08-25
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ,ブランドン・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ドロブニク,クリストファー・ディーン
(72)【発明者】
【氏名】キングマン,アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】ヘバート,カシー・タイラー
(72)【発明者】
【氏名】ライト,マーク・ニコラス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066JJ02
4C066JJ10
4C066LL19
(57)【要約】
混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素、およびこれを形成する方法。管構成要素は、ある材料密度を含む材料と、微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な決定された厚さとを含む。送達管路コネクタは、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイスから受容するように構成され、管構成要素の決定された厚さは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために材料密度に基づいて計算される。管構成要素は、送達管路コネクタの一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素であって、当該管構成要素は、
ある材料密度を含む材料と、
前記微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な決定された厚さであって、前記送達管路コネクタは、前記混合微粒子溶液を前記微粒子材料送達アセンブリの前記微粒子送達デバイスから受容するように構成される、決定された厚さと、を備え、
前記管構成要素の前記決定された厚さは、前記材料による前記放射線量の少なくとも90%の前記送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、前記材料密度に基づいて計算され、
前記管構成要素は、前記送達管路コネクタの一体壁、前記送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを備える、管構成要素。
【請求項2】
前記材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、ポリウレタン、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリプロポレン(PP)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、EVA、ポリエーテルブロックアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、タングステン充填ポリブチレンサクシネート(PBS)、またはそれらの組み合わせのうちの1つを含む、請求項1に記載の管構成要素。
【請求項3】
前記管構成要素は、内側管壁および外側管壁を備え、前記決定された厚さは、前記外側管壁と前記内側管壁との間の厚さを含む、請求項1に記載の管構成要素。
【請求項4】
前記内側管壁は、内径を含み、前記厚さは、前記内径よりも少なくとも8倍大きい、請求項3に記載の管構成要素。
【請求項5】
前記内径は、1mmを含む、請求項4に記載の管構成要素。
【請求項6】
別の材料密度を含む別の材料をさらに含む、請求項1に記載の管構成要素。
【請求項7】
前記別の材料は、共押し出しプロセスにおいて、押し出されて前記材料に接着されるように構成される、請求項6に記載の管構成要素。
【請求項8】
前記共押し出しプロセスは、入れ子押し出し、オーバーモールディング直接堆積押し出し、またはそれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の管構成要素。
【請求項9】
内側可塑性管構成要素および可撓性金属遮蔽管を備え、前記可撓性金属遮蔽管は、前記内側可塑性管構成要素の上に配設されるように構成される、請求項1に記載の管構成要素。
【請求項10】
前記可撓性金属遮蔽管は、ある構造を含み、前記構造は、前記内側可塑性管構成要素を受容するように構成されるスリットを含み、前記構造は、編組チューブ、らせんチューブ、円筒状ラップ、連結セグメント、またはそれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の管構成要素。
【請求項11】
前記可撓性金属遮蔽管は、アルミニウム、ステンレス鋼、タングステン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の管構成要素。
【請求項12】
前記管構成要素の前記決定された厚さは、前記材料による前記放射線量の少なくとも90%の前記送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、前記材料密度を使用した等式に基づいて計算機ツールを使用して計算され、前記等式は、
【数1】
を含む、請求項1に記載の管構成要素。
【請求項13】
前記管構成要素は、単層押し出しまたは多層押し出しから形成される、請求項1に記載の管構成要素。
【請求項14】
前記管構成要素が前記多層押し出しから形成されるとき、前記多層押し出しの各層は、前記管構成要素の前記材料を形成するために同じ材料で作製される、請求項13に記載の管構成要素。
【請求項15】
前記管構成要素が前記多層押し出しから形成されるとき、前記多層押し出しの少なくとも2つの層は、前記管構成要素の前記材料を形成するために異なる材料を含む、請求項13に記載の管構成要素。
【請求項16】
前記管構成要素は、少なくとも2つの層を備え、前記少なくとも2つの層は、同じ材料または異なる材料から形成される、請求項1に記載の管構成要素。
【請求項17】
前記管構成要素が前記外側スリーブを備えるとき、前記外側スリーブは、前記決定された厚さおよびスリットを含み、前記スリットは、内側管構成要素を受容および遮蔽するように構成される、請求項1に記載の管構成要素。
【請求項18】
混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素であって、当該管構成要素は、
ある材料密度を含む材料と、
外径が内径よりも少なくとも8倍大きくなるように前記内径と前記外径との間の、および前記微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な、決定された厚さであって、前記送達管路コネクタは、前記混合微粒子溶液を前記微粒子材料送達アセンブリの前記微粒子送達デバイスから受容するように構成される、決定された厚さと、を備え、
前記管構成要素の前記決定された厚さは、前記材料による前記放射線量の少なくとも90%の前記送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、前記材料密度に基づいて計算され、
前記管構成要素は、前記送達管路コネクタの一体壁、前記送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを備え、
前記管構成要素は、単層押し出しまたは多層押し出しから形成される、管構成要素。
【請求項19】
前記多層押し出しは、入れ子押し出し、オーバーモールディング直接堆積押し出し、またはそれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の管構成要素。
【請求項20】
混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素を形成する方法であって、当該方法は、
前記微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な、内径と外径との間の決定された厚さを決定するステップであって、前記管構成要素の前記決定された厚さは、前記材料による前記放射線量の少なくとも90%の前記送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、ある材料密度に基づいて計算され、前記送達管路コネクタは、前記混合微粒子溶液を前記微粒子材料送達アセンブリの前記微粒子送達デバイスから受容するように構成される、決定するステップと、
前記決定された厚さに基づいて前記管構成要素を形成するステップであって、前記管構成要素は、前記送達管路コネクタの一体壁、前記送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを備える、形成するステップと、
単層押し出しまたは多層押し出しから前記管構成要素を形成するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、がんを治療するための医療デバイスの構成要素に、およびより詳細には、経動脈的放射線塞栓療法などの手技において患者の身体内の治療領域に放射性化合物を送達するために構成され、またそのように動作可能である医療デバイスの管構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]放射線療法を伴うがん治療において、放射性治療薬からの放射線への不用意または過剰な曝露は、患者または医療従事者にとって有害であり得、死を招く可能性もあり得る。したがって、放射線療法のための医療機器は、患者の身体の特定の領域への放射性物質の送達を局部にとどめながら、その他の領域が不必要に放射線に曝露されることから守るように構成されなければならない。
【0003】
[0003]経動脈的放射線塞栓療法は、画像下治療によって実施される経カテーテル動脈内手技であり、一般的には、悪性腫瘍の治療のために用いられる。この医療手技の間、マイクロカテーテルが、患者の肝臓内へナビゲートされ、そこでイットリウム-90(90Y)などの放射性化合物で充填された放射線塞栓ミクロスフェアが、標的腫瘍へ送達される。このミクロスフェアが、腫瘍に供給する血管を閉塞すると同時に、腫瘍細胞を殺すために放射線を送達する。一般に、臨床医または患者は、この送達から放出される放射線の危険にさらされ得る。
【0004】
[0004]したがって、放射性化合物を患者の身体に送達するときに、そのような放射線から遮蔽するように構成され、またそのように動作可能である医療デバイスの構成要素が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本開示の実施形態によると、患者に混合微粒子溶液を送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素は、ある材料密度を含む材料と、微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な決定された厚さとを含む。送達管路コネクタは、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイスから受容するように構成される。管構成要素の決定された厚さは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度に基づいて計算される。管構成要素は、送達管路コネクタの一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0006】
[0006]別の実施形態において、患者に混合微粒子溶液を送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素は、ある材料密度を含む材料と、外径が内径よりも少なくとも8倍大きくなるように内径と外径との間の、および微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な決定された厚さとを含む。送達管路コネクタは、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイスから受容するように構成される。管構成要素の決定された厚さは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度に基づいて計算される。管構成要素は、送達管路コネクタの一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含み、管構成要素は、単層押し出しまたは多層押し出しから形成される。
【0007】
[0007]さらに別の実施形態において、混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素を形成する方法は、微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な、内径と外径との間の決定された厚さを決定するステップと、決定された厚さに基づいて管構成要素を形成するステップと、単層押し出しまたは多層押し出しから管構成要素を形成するステップとを含む。管構成要素の決定された厚さは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度に基づいて計算され、送達管路コネクタは、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイスから受容するように構成される。管構成要素は、送達管路コネクタの一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0008】
[0008]本明細書に説明される実施形態によって提供されるこれらおよび追加の特徴は、図面と併せて、以下の詳細な説明を考慮してより完全に理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、防護遮蔽体およびバイアル摺動部を含む送達デバイスの斜視図である。
図2】[0010]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、図1のバイアル摺動部の、図1の線2-2に沿った断面図である。
図3】[0011]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、係合ヘッドを含むバイアルアセンブリの斜視図である。
図4】[0012]図4のバイアルアセンブリの、図3の線4-4に沿って取られた部分断面図である。
図5】[0013]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、一連の送達管路がバイアル摺動部に結合された状態の、図3のバイアルアセンブリが中に受容されている図1のバイアル摺動部の斜視図である。
図6】[0014]本明細書に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、図1の送達デバイスの管構成要素の厚さを計算するための計算機ツールの画面ビューを示す図である。
図7】[0015]本明細書に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、図6の計算機ツールを利用するためのコンピュータおよびソフトウェアベースの方法を実装するためのシステムを示す図である。
図8】[0016]本明細書に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、図1の送達デバイスとの使用のための単一押し出し管構成要素の概略側面図である。
図9】[0017]本明細書に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、異なる内側および外側管材料を含む、および入れ子または接着プロセスから形成される複数押し出し管構成要素の概略側面図である。
図10A】[0018]本明細書に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、同じ内側および外側管材料を含む、およびオーバーモールディングから形成される複数押し出し管構成要素の概略側面図である。
図10B】[0019]本明細書に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、異なる内側および外側管材料を含む、およびオーバーモールディングから形成される複数押し出し管構成要素の概略側面図である。
図11】[0020]本明細書に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、変形可能なスリット特徴部を伴う外側スリーブを含む管構成要素の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0021]これより、患者に放射性化合物を投与するための送達デバイスの様々な実施形態について詳細に言及し、これらの実施形態の例は、添付の図面に例証される。可能な場合、同じ参照番号が、同じまたは同様の部分に言及するために図面全体を通して使用される。本明細書で使用されるような方向の用語、例えば、上、下、右、左、前、後、上部、下部、遠位、および近位は、描写されるような図に関連してのみ用いられるものであり、絶対的な配向を示唆することは意図されない。
【0011】
[0022]範囲は、本明細書では、“約”1つの特定の値から、および/または“約”別の特定の値まで、として表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行する“約”の使用により近似値として表現されるとき、その特定の値が別の実施形態を形成するということを理解されたい。範囲の各々の終点は、他の終点に関連して、および他の終点とは独立して、有意であるということをさらに理解されたい。
【0012】
[0023]別途明示的に記載のない限り、本明細書に明記されるいかなる方法も、そのステップが特定の順序で実施されること、または任意の装置固有の配向が必要とされることを必要とすると解釈されることはいかようにも意図されない。したがって、方法クレームがそのステップに適用されるべき順序を実際に列挙しない場合、または、任意の装置クレームが、個々の構成要素に対する順序もしくは配向を実際に列挙しない場合、または、ステップが特定の順序に限定されるべきであることが特許請求の範囲もしくは説明に別途具体的に記載されない場合、または、装置の構成要素に対する特定の順序もしくは配向が列挙されない場合、順序または配向が推測されることはいかようにも一切意図されない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の配向に関する論理的な事柄、文法的な機構または句読点から導き出される明白な意味、および本明細書に説明される実施形態の数またはタイプを含む、解釈についての可能性のあるあらゆる不明確な基準に当てはまる。
【0013】
[0024]別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書内の説明で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することは意図されない。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈が別段に明確に示さない限りは、複数形も同様に含むことが意図される。
【0014】
[0025]本明細書で使用される場合、用語“水平”、“垂直”、“遠位”、および“近位”は、単に相対的な用語であり、単に全体的な相対配向を示し、必ずしも垂直度を示さない。これらの用語はまた、図内で使用される配向に言及するために便宜上使用され得、このような配向は、単に慣例として使用され、示されるデバイスの特性としては意図されない。本明細書に説明されることになる本開示およびその実施形態は、任意の所望の配向で使用され得る。さらには、水平および垂直の壁は、単に、交差する壁であることが概して必要であり、直角である必要はない。本明細書で使用される場合、単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈が別段に明確に示さない限り、複数指示対象を含む。したがって、例えば、“1つの(a)”構成要素への言及は、文脈が別段に明確に示さない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0015】
[0026]本明細書に説明される実施形態において、微粒子材料送達アセンブリは、放射線塞栓療法送達デバイスを含み得る。放射線塞栓療法送達デバイスは、経動脈的放射線塞栓療法などの手技において患者の身体内の治療領域に放射性化合物を送達するように構成される医療デバイスを備える。放射性化合物は、バイアルアセンブリのバイアル内で混合される生理食塩水および放射性ミクロスフェア(すなわち、微粒子)の混合溶液であり得る。針は、注射器またはカテーテル線からなど、放射性ミクロスフェアを含むバイアル内へ流体(すなわち、生理食塩水)を注入して混合溶液を生成するための出口として、および混合溶液を患者へ送達するための入口として、1つまたは複数のポートを含み得る。
【0016】
[0027]下に説明される図1図5は、微粒子を送達するための送達デバイス500の実施形態を対象とし、さらに下でより詳細に説明される図6図11は、微粒子から放出される放射線から遮蔽する手助けをする、本明細書に説明されるような送達デバイス500の1つまたは複数のシステムまたは構成要素の実施形態を対象とする。いくつかの実施形態において、下により詳細に説明されるように、送達デバイス500は、放射線塞栓療法送達デバイスであり、微粒子は、複数の放射線塞栓療法ビーズであり、流体は、生理食塩水溶液であり、結果として生じる混合流体(例えば、混合流体溶液)は、放射線塞栓療法ビーズ-生理食塩水溶液である。針559は、正圧方向におけるバイアル係合機構520の作動の際など、放射線塞栓療法送達デバイスを通じて放射線塞栓療法ビーズ-生理食塩水溶液を混合流体溶液として送達するように構成され得る。いくつかの実施形態において、流体は、造影剤を含む造影剤-生理食塩水溶液であり、結果として生じる混合流体(例えば、混合流体溶液)は、放射線塞栓療法ビーズ-造影剤-生理食塩水溶液である。針559は、放射線塞栓療法送達デバイスを通じて放射線塞栓療法ビーズ-造影剤-生理食塩水溶液を混合流体溶液として送達するように構成され得る。いくつかの実施形態において、送達デバイス500は、化学塞栓療法送達デバイスであり、微粒子は、複数の化学塞栓療法ビーズであり、混合流体溶液は、ビーズ-生理食塩水溶液またはビーズ-造影剤-生理食塩水溶液である。
【0017】
I.取り外し可能な摺動部アセンブリを有する機械的送達デバイス
[0028]図1図10は、送達デバイス500の使用中に放射線放出を低減しながら放射性物質(例えば、放射線塞栓ビーズ)を送達するように構成され、またそのように動作可能である送達デバイス500の実施形態を示す。送達デバイス500は、図6図11に関して、および本明細書内の1つまたは複数の実施形態において、下により詳細に説明されるような放射線遮蔽構成要素に関することを除いて、本明細書にその全体が組み込まれる2019年5月17日に提出された、国際PCT出願第PCT/2019/033001号に説明されるように動作し得る。
【0018】
[0029]最初に図1を参照すると、送達デバイス500は、コンソールを含むコンソールアセンブリ510を備える。送達デバイス500は、コンソールアセンブリ510に対して結合状態および分離状態の間で遷移するように動作可能である摺動部アセンブリ540を含み得る。送達デバイス500のコンソールアセンブリ510は、近位端514および遠位端516によって画定され、かつそれらの間に延在する基部512を備える。基部512の近位端514は、コンソールアセンブリ510に移動可能に結合されるハンドル(送達ハンドル)528、およびコンソールアセンブリ510上に位置付けられるインターフェースディスプレイ530を含む。
【0019】
[0030]基部512の近位端514は、外部デバイスをコンソールアセンブリ510の基部512にしっかりと保持するように構成される装着デバイス538をさらに含む。装着デバイス538は、手技中に送達デバイス500と共に使用するためのコンソールアセンブリ510への補完デバイスの装着を促進するように動作可能である。
【0020】
[0031]依然として図1を参照すると、コンソールアセンブリ510の遠位端516は、本明細書により詳細に説明されるように、コンソールアセンブリ510を中に受容するようにサイズ決定および成形されるバイアル収容領域518を画定する。コンソールアセンブリ510は、遠位端516に隣接する基部512から延在するバイアル係合機構520をさらに含む。特に、バイアル係合機構520は、遠位端516の方へコンソールアセンブリ510の基部512から外向きに横方向に延在する。バイアル係合機構520は、コンソールアセンブリ510のバイアル収容領域518内に位置付けられ、ハンドル528に移動可能に結合される。特に、コンソールアセンブリ510のハンドル528は、ハンドル528の作動に応答して、バイアル係合機構520をバイアル収容領域518内で移動させる、および特に、並進させるように動作可能である。
【0021】
[0032]コンソールアセンブリ510は、ハンドル528の手動の動きをバイアル係合機構520の対応する直線変位に変換するように構成され、またそのように動作可能である、基部512内に配設される機械的アセンブリを含む。本例では、機械的アセンブリは、ハンドル528およびバイアル係合機構520に結合され、その結果として、近位端514におけるハンドル528の選択的作動が、遠位端516におけるバイアル係合機構520の同時の作動を引き起こす。
【0022】
[0033]実施形態において、および図2を参照すると、送達デバイス500の流量センサは、送達デバイス500の管セット、ならびに特に、針559、マニホールド555A、555B、および/またはポート556のうちの1つもしくは複数と一直線に位置付けられ得、そこを通過する流体(例えば、治療用粒子が流体媒体と効果的に混合された後の懸濁液)の量を測定するように構成され得る。図1に戻って参照すると、バイアル係合機構520は、バイアル係合機構520のネック524から外向きに延在する一対のレバーアーム522を備え、このネック524は、コンソールアセンブリ510の基部512から外向きに横方向に延在する。バイアル係合機構520のネック524は、バイアル係合機構520の一対のレバーアーム522のみが保護カバー525を通って延在するように、保護カバー525内に配設される。保護カバー525は、コンソールアセンブリ510の1つまたは複数の内部構成要素を、コンソールアセンブリ510の外側から、および特に、バイアル収容領域518から遮蔽するように動作可能である。
【0023】
[0034]一対のレバーアーム522は、コンソールアセンブリ510のハンドル528の作動に応答して、バイアル係合機構520のネック524と共に同時に移動可能である。さらに、一対のレバーアーム522は、一対のレバーアーム522の間に形成される空間が相対的に固定されるように、互いに対して固定される。バイアル係合機構520の一対のレバーアーム522は、それらの間に、および特に、一対のレバーアーム522によって形成される空間内に、バイアルアセンブリ580をしっかりと係合するように構成される。したがって、バイアル係合機構520は、バイアル収容領域518においてバイアルアセンブリ580をコンソールアセンブリ510にしっかりと取り付けるように動作可能である。バイアル係合機構520は、一対のレバーアーム522を含むものとして本明細書に示され説明されるが、バイアル係合機構520は、バイアルアセンブリ580を係合するのに好適な様々な他の構造的構成を含み得るということを理解されたい。
【0024】
[0035]依然として図1を参照すると、コンソールアセンブリ510は、バイアル収容領域518に沿って基部512の遠位端516に固着される安全遮蔽体526をさらに含む。特に、安全遮蔽体526は、コンソールアセンブリ510に固着されるとき、コンソールアセンブリ510のバイアル収容領域518を包囲するようにサイズ決定および成形される保護カバーである。安全遮蔽体526は、基部512の遠位端516に選択的に装着可能であり、また、安全遮蔽体526は、バイアル収容領域518内に格納される1つまたは複数の放射線量からの放射線放出を抑制するように構成される材料で形成される。
【0025】
[0036]コンソールアセンブリ510の遠位端516は、摺動体540を中に受容するようにサイズ決定および成形される摺動空間532をさらに含む。摺動空間532は、その中に延在する一対の位置決め部534を含み、この位置決め部534は、摺動体540の対応位置決め部(例えば、位置決めリブ554)に適合するようにサイズ決定および成形され、それにより、摺動空間532内での摺動体540とコンソールアセンブリ510の基部512との結合が容易に行えるようにする。本明細書により詳細に説明されるように、摺動部アセンブリ540は、そこを通じて治療用粒子(例えば、放射性ビーズ、ミクロスフェア、媒体)を格納および投与するように構成される。特に、摺動部アセンブリ540は、手技中に送達デバイス500から患者へ治療用粒子を投与するため、バイアルアセンブリ580を中に部分的に受容するように構成される。
【0026】
[0037]依然として図1を参照すると、摺動体540は、治療用粒子(例えば、放射性流体媒体)を送達デバイス500から患者へ投与するため、バイアルアセンブリ580を中に部分的に受容するように構成される。特に、摺動体540は、近位端542および遠位端544を備え、その間に一対の側壁546が延在する。摺動体540の近位端542は、そこから近位に延在するハンドル552を含む。ハンドル552は、摺動体540の移動、特に、コンソールアセンブリ510の摺動空間532内への摺動体540の挿入を簡単にできるように構成される。近位端542は、1つまたは複数の送達管路(すなわち、管)を摺動体540に結合するための1つまたは複数のポート556をさらに含む。1つまたは複数の送達管路がポート556の反対側の線の端において1つまたは複数の外部デバイスにさらに結合されるため、ポート556は、摺動体540を1つまたは複数の外部デバイスに、そこに接続される送達管路を介して流体的に結合するように効果的に機能する。摺動体540の一対の側壁546は、そこから外向きに横方向に延在する少なくとも1つの位置決めリブ554を含み、この位置決めリブ554は、コンソールアセンブリ510の一対の位置決め部534と適合し、かつこれに嵌合するようにサイズ決定および成形される。したがって、一対の位置決めリブ554は、遠位端544が基部512の摺動空間532内に摺動自在に受容されるとき、摺動体540のコンソールアセンブリ510との位置合わせおよび係合を容易に行えるように構成される。
【0027】
[0038]摺動体540は、近位端542および遠位端544から延在し、かつ一対の側壁546の間に位置付けられる上表面548をさらに含む。摺動体の上表面548は、凹んだ領域549および係止システム550を含む。凹んだ領域549は、上表面548に沿って凹部および/または腔を形成するようにサイズ決定および成形され、この凹んだ領域549は、例えば、送達デバイス500の使用中の様々な流体媒体の漏出を含め、様々な材料を中に受容および/または回収することが可能である。摺動体540の係止システム550は、プライミングアセンブリ560およびバイアルアセンブリ580など、1つまたは複数のデバイスを中に受容するようにサイズ決定および成形される、上表面548に開口部を形成する。いくつかの実施形態において、摺動体540には、係止システム550内に配設されるプライミングアセンブリ560が予め装填されている。プライミングアセンブリ560は、摺動体540の係止システム550から外向きに延在するプライミング導管562を含む。プライミングアセンブリ560は、手技において送達デバイス500を利用する前に、送達デバイス500から空気をパージする役割を果たす。
【0028】
[0039]これより図2を参照すると、係止システム550は、そこから外向きに延在する環状配列の突起551を含み、突起551は、特に、上表面548に沿って係止システム550によって形成されるアパーチャ内へ横方向に延在する。環状に配列された突起551は、係止システム550の内周の中に形成され、少なくとも2つの連続して配置された列に沿って延在する。係止システム550に包含された環状配列の突起551は、バイアルアセンブリ580の対応する係止特徴部586(図3を参照されたい)に係合し、それによりバイアルアセンブリ580を摺動体540にしっかりと留めるように構成される。係止システム550の突起551の複数の列は、摺動部アセンブリ540、および特に、摺動部アセンブリ540の針559が、手技における送達デバイス500の使用中にバイアルアセンブリ580のセプタム592(図3を参照されたい)を介してしっかりと維持されることを確実にするように、二重係止システムを提供する役割を果たすということを理解されたい。
【0029】
[0040]摺動体540は、プライミングアセンブリ560およびバイアルアセンブリ580をそれぞれ中に受容するようにサイズ決定および成形されるバイアルチャンバ558をさらに含む。言い換えると、バイアルチャンバ558は、プライミングアセンブリ560およびバイアルアセンブリ580の両方を互いから分離して個々に受容するようにサイズ決定される。バイアルチャンバ558は、バイアルチャンバ558の周りに配設される防護チャンバまたは遮蔽体557に封入される。防護遮蔽体557は、例えば、金属など、放射線放出がバイアルチャンバ558から外側に放出することを抑制するように構成される材料で形成される。加えて、摺動体540は、防護遮蔽体557を通って、およびバイアルチャンバ558内へ延在する針をバイアルチャンバ558の下端部に沿って含む。針559は、バイアルチャンバ558に対してしっかりと固着され、その結果として、係止システム550のアパーチャを通じて、およびバイアルチャンバ558内へ受容されるいかなるデバイスも、針559(例えば、プライミングアセンブリ560、バイアルアセンブリ580、および同様のもの)と接触し、これと相互作用することになる。
【0030】
[0041]依然として図2を参照すると、針559は、摺動体540内に配設される遠位マニホールド555Aおよび近位マニホールド555Bに結合され、特に、マニホールド555A、555Bは、バイアルチャンバ558および防護遮蔽体557の下に位置付けられる。近位マニホールド555Bは、針559に流体的に結合され、遠位マニホールド555Aは、摺動体540の1つまたは複数のポート556に流体的に結合される。近位マニホールド555Bは、遠位マニホールド555Aと、それらの間に配設される一方向逆止弁553を通じて流体連通している。
【0031】
[0042]したがって、近位マニホールド555Bは、遠位マニホールド555Aを介して1つまたは複数のポート556と流体連通しているが、1つまたは複数のポート556は、マニホールド555A、555Bの間に配設される一方向逆止弁553の位置に起因して、近位マニホールド555Bとは流体連通していない。したがって、針559は、1つまたは複数のポート556において摺動体540に結合される1つまたは複数の送達管路および/またはデバイスと、それらの間に固着されるマニホールド555A、555Bを介して流体連通している。摺動部アセンブリ540の1つまたは複数のポート556は、バッグ(例えば、生理食塩水バッグ)、注射器、カテーテル、および/または同様のものに、それらに結合される1つまたは複数の送達管路を介して結合され得る。他の実施形態において、針559は、カニューレ、カテーテル、または同様の機構であり得、これを通じて、本明細書に説明されるように流体および/または溶液を注入および受容する。
【0032】
[0043]依然として図2を参照すると、摺動体540は、遠位端544に沿って摺動体540に結合される取り外し可能なバッテリパック570を含む。取り外し可能なバッテリパック570は、バッテリ572、電気接点574、および取り外し可能なタブ576を備える。送達デバイス500のバッテリ572は、取り外し可能なバッテリパック570内のバッテリ572の場所に起因して、1つまたは複数の流路および放射線源から隔離される。
【0033】
[0044]取り外し可能なバッテリパック570の電気接点574は、取り外し可能なバッテリパック570から外向きに延在し、摺動体540が摺動空間532において基部512に結合されるとき、コンソールアセンブリ510の対応する電気接点511(図1を参照されたい)と接触し、またこれと相互作用するように動作可能である。したがって、取り外し可能なバッテリパック570は、摺動体540がコンソールアセンブリ510に結合されるとき、送達デバイス500、および特に、コンソールアセンブリ510に、電力を提供するように動作可能である。
【0034】
[0045]加えて、本明細書により詳細に説明されるように、いくつかの実施形態において、係止システム550は、少なくとも1つの平面壁を、係止システム550のその他の円形構成に対して含み得る。この場合、摺動体540の上表面548を通って係止システム550によって形成されるアパーチャは、上に示され説明されるような円形形状ではなく、不規則な形状にされる。この場合、バイアルアセンブリ580は、係止システム550、および特に、少なくとも1つの平面壁に対応する形状およびサイズを有する係止特徴部586を含み、その結果として、バイアルアセンブリ580は、バイアルアセンブリ580の向きが係止特徴部586および係止システム550の向きと対応するときにのみ、摺動体540内に受容される。言い換えると、係止特徴部586の対応する平面壁586A(図3を参照されたい)は、バイアルアセンブリ580が摺動体540の係止システム550によって形成されるアパーチャ内に受容可能であるように、係止システム550の平面壁と揃えなければならない。
【0035】
[0046]これより図3を参照すると、送達デバイス500のバイアルアセンブリ580が描写される。バイアルアセンブリ580は、係合ヘッド582、プランジャ584、係止特徴部586、およびバイアル本体589を備える。特に、バイアルアセンブリ580の係合ヘッド582は、係止特徴部586およびバイアル本体589の反対側のプランジャ584の終端に位置付けられる。係合ヘッド582は、そこから下方に延在するプランジャ584の長手方向の長さに対して外向きに横方向に延在する一対のアーム581を含む。本例では、係合ヘッド582は、プランジャ584と一体に形成されるが、他の実施形態では、係合ヘッド582およびプランジャ584は、相互にしっかりと固定できる別個の特徴部であってもよいということを理解されたい。いずれの場合においても、係合ヘッド582およびプランジャ584は、係合ヘッド582およびプランジャ584が、係止特徴部586およびバイアル本体589を通って摺動自在に並進可能であるように、係止特徴部586およびバイアル本体589に対して移動可能である。特に、本明細書により詳細に説明されるように、プランジャ584は、係合ヘッド582が一対のレバーアーム522に固着されるとき、バイアル係合機構520の直線並進運動に応答して、バイアル本体589の内部チャンバ588の内外に並進し得る。
【0036】
[0047]プランジャ584は、プランジャ584の長手方向の長さに沿って位置付けられる複数の標識および/または目盛り583を含む。複数の目盛り583は、係止特徴部586およびバイアル本体589からの係合ヘッド582およびプランジャ584の相対的延長を示す。上に簡単に記されるように、係合ヘッド582は、バイアルアセンブリ580をバイアル係合機構520に装着するように構成される。特に、係合ヘッド582の一対のアーム581は、バイアルアセンブリ580が摺動体540内に受容され、摺動体がコンソールアセンブリ510の摺動空間532内に挿入されるとき、バイアル係合機構520の一対のレバーアーム522と結合するようにサイズ決定および成形される。本明細書により詳細に説明されるように、一対のレバーアーム522は、バイアル係合機構520に印加される既定の並進力に応答して、係合ヘッド582の一対のアーム581とプランジャ584との間に受容される。係合ヘッド582およびプランジャ584は、限定されるものではないが、金属、プラスチック、および/または同様のものを含む、様々な材料で形成され得る。
【0037】
[0048]依然として図3を参照すると、バイアルアセンブリ580は、相対的に係止特徴部586の上および係合ヘッド582の下にプランジャ584に結合される安全タブ585をさらに含み、その結果として、安全タブ585は、プランジャ584の長手方向の長さに沿って位置付けられる。安全タブ585は、例えば、プラスチックなどの様々な材料で形成され得、送達デバイス500の使用の前に、バイアルアセンブリ580に予め組み立てられる。安全タブ585は、プランジャ584に取り外し可能に留められ、プランジャ584がバイアル本体589に対して並進することを抑制する。特に、安全タブ585は、プランジャ584をバイアル本体589内へ相対的に下方に並進させるためのプランジャ584に対する直線力の印加に応答して、係止特徴部586に当接する。この場合、安全タブ585は、プランジャ584の不用意に動いてしまうこと、およびそれに応じた、バイアル本体589の内部チャンバ588内に格納される流体媒体(例えば、治療用粒子、放射線塞栓ビーズ)の不用意な送達を抑制するように構成される。本明細書により詳細に説明されるように、安全タブ585は、バイアルアセンブリ580とバイアル係合機構520との結合、および特に、一対のレバーアーム522と係合ヘッド582との係合に応答して、プランジャ584から選択的に取り外される。
【0038】
[0049]図3に戻って参照すると、係止特徴部586は、バイアル本体589の上端の周りに延在する。本例では、バイアルアセンブリ580の係止特徴部586は、係止特徴部586の外周に沿って外向きに横方向に延在する側縁587を画定するブッシュ(軸受筒)を備える。係止特徴部586の側縁587は、バイアルアセンブリ580が摺動体540のバイアルチャンバ558内に受容されるときに、係止システム550の環状配置の突起551に係合するようにサイズ決定および成形される。本明細書により詳細に説明されるように、係止特徴部586、特に、係止特徴部586の側縁587は、バイアルアセンブリ580を係止システム550にしっかりと留めて、手技における送達デバイス500の使用中に摺動体540のバイアルチャンバ558からのバイアル本体589の取り外しを抑制するように構成される。いくつかの実施形態において、上に簡単に説明されるように、係止特徴部586は、係止特徴部586が不規則な形状を備えるように、少なくとも1つの平面壁586Aを含む。少なくとも1つの平面壁586Aは、係止システム550の平面壁550Aに対応するように構成され、その結果として、平面壁550Aと586Aとの位置合わせをするには、バイアルアセンブリ580が係止システム550によって形成されるアパーチャを通って受容されることを必要とされる。
【0039】
[0050]依然として図3を参照すると、バイアル本体589は、係止特徴部586から相対的に下方に延在し、プランジャ584の長手方向の長さの少なくとも一部分を中に受容するようにサイズ決定される長手方向の長さを有する。単に例として、バイアル本体589の長手方向の長さは、約8ミリメートル~約10ミリメートルであり得、また本例では、9ミリメートルを含む一方、プランジャ584の長手方向の長さは、約9ミリメートル~約11ミリメートルであり得、また本例では、10ミリメートルを含む。したがって、いくつかの実施形態において、プランジャ584の長手方向の長さは、バイアル本体589の長手方向の長さを超え、その結果として、バイアル本体589の内部チャンバ588内へのプランジャ584の並進運動により、そこに格納される流体媒体がバイアル本体589から外へ送られることになる。本明細書により詳細に説明されるように、バイアル本体589の内部チャンバ588を通じたプランジャ584の並進運動により、バイアル本体589内に格納される流体媒体をバイアルアセンブリ580から外への投与できるようになっている。バイアル本体589は、例えば、熱可塑性ポリマー、コポリエステル、ポリカーボネート、生体適合性プラスチック、ポリスルホン、セラミック、金属、および/または同様のものを含む、様々な材料で形成され得る。
【0040】
[0051]本例のバイアル本体589は、バイアル本体589の内部チャンバ588内に格納される流体媒体からの放射線放出を抑制するように構成される材料で形成される。例えば、バイアル本体589は、ポリカーボネートなどのプラスチックで形成され得、また、およそ9ミリメートル(mm)の幅を有し得る。バイアル本体589の密度と材料組成との組み合わせにより、内部チャンバ588内に格納される電子粒子からのベータ放射線放出を抑制できるようになっている。本例では、バイアル本体589のプラスチックの化学組成は、9mmの壁厚との組み合わせで、バイアル本体589内に配設される複数の原子を設けるものであり、そのような複数の原子は、電子を発生するベータ放射線に対処し、バイアルアセンブリ580からの上記放射線の放出を低減することができるものである。したがって、バイアルアセンブリ580は、オペレータが、ベータ放射線に曝露されることなく、バイアル本体589内に格納される放射性物質を取り扱うことを可能にする。他の実施形態では、様々な他の材料および/または壁区域が、本開示の範囲から逸脱することなく、バイアルアセンブリ580のバイアル本体589内に組み込まれ得るということを理解されたい。
【0041】
[0052]依然として図3を参照すると、バイアルアセンブリ580のバイアル本体589は、係止特徴部586によって第1の終端598において密閉される。バイアルアセンブリ580は、係止特徴部586の反対側のバイアル本体589の対向する終端に位置付けられるキャップ590をさらに含み、その結果として、キャップ590が、バイアルアセンブリ580のバイアル本体589の第2の終端を密閉する。追加的に、バイアルアセンブリ580はセプタム592を含む、セプタム592はキャップ590に隣接して位置付けられ、かつ係止特徴部586の反対側のバイアル本体589の終端と流体連通している。セプタム592は、バイアル本体589の終端に対してシールを形成し、キャップ590が、セプタム592を中に保持する。セプタム592は、例えば、エラストマ、シリコーン、ブロモブチルエラストマ、ゴム、ウレタン、および/または同様のものを含む、様々な材料で形成され得る。セプタム592は、バイアル本体589のための気密シールを提供し、それにより、中に格納された流体媒体(例えば、放射線塞栓ビーズ)の放出を抑制するように構成される。本明細書により詳細に説明されるように、バイアルアセンブリ580のセプタム592は、バイアルアセンブリ580がバイアルチャンバ558内に受容されるときに摺動体540の針559によって穿刺され、それにより、バイアル本体589と摺動体540との間の流体連通を確立するように構成される。他の実施形態において、セプタム592の代わりに、例えば、弁システム、針注入ポート、および/または同様のものなど、代替のデバイスを使用することもできる。
【0042】
[0053]図4を参照すると、バイアルアセンブリ580は、係合ヘッド582の反対側のプランジャ584の終端に固定的に結合されるストッパ594をさらに含む。この場合、プランジャ584がバイアル本体589の内部チャンバ588に結合され、またそれを通って摺動自在に並進可能であるため、ストッパ594は、バイアル本体589内で効果的に配設される。したがって、ストッパ594は、バイアル本体589の内部チャンバ588のサイズ(例えば、直径)に従ってサイズ決定および成形されるということを理解されたい。ストッパ594はプランジャ584に固定されており、ストッパ594が、バイアル本体589を通るプランジャ584の並進運動に応答して、バイアル本体589を通って摺動自在に並進可能になっている。ストッパ594は、外向きに横方向に延在する2つ以上のリブ593と、少なくとも2つのリブ593の間に画定される1つまたは複数のくぼみ595と、によって画定される。
【0043】
[0054]ストッパ594は、バイアル本体589の内部チャンバ588に対する液密シールを形成するように構成され、既定の粘弾性を有する様々なポリマーで形成される。例えば、いくつかの実施形態において、ストッパ594は、エラストマ、シリコーン、ゴム、ウレタン、プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、および/または同様のもので形成される。この場合、ストッパ594は、バイアル本体589内に格納された流体媒体が、ストッパ594を過ぎてバイアル本体589の外へ拡散する(すなわち、漏出する)ことを抑制するように動作可能である。特に、ストッパ594の2つ以上のリブ593は、バイアル本体589の内部チャンバ588に当接し、かつこれに沿ってシールを形成し、それにより、流体媒体がリブ593を越えることを抑制する。ストッパ594の2つ以上のリブ593の間に形成される1つまたは複数のくぼみ595は、ストッパ594のリブ593を不用意に越えて拡散(すなわち、漏出)し得るいかなる流体媒体も受容するように、より具体的には、捕捉するように構成される。したがって、1つまたは複数のくぼみ595は、流体媒体が、バイアル本体589内に維持され、バイアルアセンブリ580を越えて曝露されないことを確実にするために、バイアルアセンブリ580の安全機構としての役割を果たす。
【0044】
[0055]依然として図4を参照すると、ストッパ594の2つ以上のリブ593は、追加的に、プランジャ584の並進運動に応答して、バイアル本体589内に格納された流体媒体をバイアル本体589内で1つまたは複数の方向に(例えば、キャップ590の方へ)押圧ように構成される。ストッパ594のリブ593がバイアル本体589の内部チャンバ588に対して押圧された状態で、プランジャ584の並進運動が、バイアル本体589の内部チャンバ588に対する、またこれに沿った、リブ593の並進運動をもたらし、その結果として、ストッパ594の前(すなわち、下)に位置するいかなる流体媒体も、プランジャ584およびストッパ594の進行の方向に、バイアル本体589内で効果的に再び向けられる。バイアルアセンブリ580は、バイアル本体589内に配設される環状座金596をさらに含む。特に、環状座金596は、ストッパ594に隣接してプランジャ584にしっかりと固定され、このストッパ594は、係合ヘッド582の反対側の終端においてプランジャ584に固着される。したがって、環状座金596は、プランジャ584に固着され、ストッパ594に隣接してバイアル本体589内に配設される。環状座金596がストッパ594に隣接してプランジャ584に固着されているため、環状座金596は、バイアル本体589内に効果的に配設される。
【0045】
[0056]これより図5を参照すると、バッテリ572が十分な量の電力を含むこと、または他の電源がこれを提供することを決定することに応答して、1つまたは複数の送達管路が、1つまたは複数のポート556を介して摺動部アセンブリ540に結合される。特に、用量送達管路10Aは、送達ポート556Aにおいて摺動体540に結合され、造影剤導管10Bは、造影剤ポート556Bにおいて摺動体540に結合され、フラッシング導管10Cは、フラッシングポート556Cにおいて摺動体540に結合される。用量送達管路10Aの反対端は、最初、例えば、回収ボウルなどの流体リザーバに結合される。本明細書により詳細に説明されるように、一旦摺動体540が造影剤導管10Bを介して流体媒体によって効果的にプライムされると、用量送達管路10Aは、続いて、カテーテルなどの外部デバイスに結合され得る。フラッシング導管10Cの反対端は、例えば、注射器などの外部デバイスに結合される。用量送達管路10Aおよびフラッシング導管10Cの両方が摺動体540に結合された状態で、摺動体540は、フラッシング導管10Cに結合された注射器からの流体媒体(例えば、生理食塩水)でフラッシングされる。この場合、流体媒体は、フラッシング導管10Cを通って、摺動体540の遠位マニホールド555A内へ注入されて、用量送達管路10Aを通って摺動体540の外へ出る。したがって、流体媒体は、最終的には、用量送達管路10Aによって、回収ボウルに受容され、またそこに配置(または、そこで処理)される。
【0046】
[0057]摺動体540の遠位マニホールド555Aが、近位マニホールド555Bから、それらの間に配設される一方向弁553によって分離されているため、注射器から(フラッシングポート556Cを介して)遠位マニホールド555Aを通ってフラッシングされる流体媒体は、近位マニホールド555Bおよびそこに結合される針559を通過することを防がれる。むしろ、注射器からフラッシング導管10Cを通って注入される流体媒体は、フラッシングポート556Cにおいて受容され、フラッシングポート556Cと流体連通している遠位マニホールド555Aに通され、一方向弁553によって、用量送達管路10Aに結合される用量送達ポート556Aの方へ再び誘導される。この場合、用量送達管路10Aは、流体媒体を受容して、そこに結合された回収ボウルへ輸送し、その結果として、流体媒体は、一方向弁553を越えて、および針559と流体連通している近位マニホールド555B内へは、向けられない。
【0047】
[0058]造影剤導管10Bは、造影剤ポート556Bにおいて摺動体540に結合される。造影剤導管10Bの反対端は、例えば、装着デバイス538によりコンソールアセンブリ510に固着されるバッグなど、流体媒体供給部に結合される。本例では、バッグは、生理食塩水バッグであり、そのため、そこに格納される流体媒体は、生理食塩水である。この場合、プライミングアセンブリ560を含む摺動体540がバイアルチャンバ558内に位置付けられ、針端部が針559と流体連通している状態で、注射器は、プライミングアセンブリ560のプライミング導管562に流体的に結合され、注射器のプランジャは引き戻され、それによって、生理食塩水バッグから、造影剤導管10B、造影剤ポート556B、摺動体540、プライミング導管562を通じて、注射器内へと生理食塩水を引き入れる。注射器のプランジャは、その後、内向きに押されて、引き入れた生理食塩水を、プライミング導管562、中央本体部、細長シャフト、およびプライミングアセンブリ560の針端部を通じて反対方向に送り、その結果として、生理食塩水は、摺動体540の針559内へ受容される。したがって、摺動体540のマニホールド555A、555Bは、プライミングアセンブリ560から生理食塩水を受容した針559がマニホールド555A、555Bと流体連通しているため、注射器からの生理食塩水で効果的にプライムされる。マニホールド555A、555Bが送達ポート556Aを介して用量送達管路10Aとさらに流体連通しているため、生理食塩水は、用量送達管路10Aに結合された回収ボウルに効果的に供給される。
【0048】
[0059]これより図5を参照すると、摺動体540は、1つまたは複数のポート556を介して1つまたは複数の外部デバイスに結合される。特に、摺動体540は、摺動体540の送達ポート556Aに結合される用量送達管路10Aを介してカテーテル(例えば、マイクロカテーテル)に流体的に結合される。この場合、カテーテルは、用量送達管路10Aを介して摺動体540と流体連通している。さらに、摺動体540は、例えば、装着デバイス538(図1を参照されたい)を介してコンソールアセンブリ510に固着される生理食塩水バッグなど、造影剤源に流体的に結合され得る。摺動体540は、摺動体540の造影剤ポート556Bに結合される造影剤導管10Bを介して生理食塩水バッグと流体連通している。この場合、生理食塩水バッグは、造影剤ポート556Bに固着される造影剤導管10Bを介して摺動体540と流体連通している。
【0049】
[0060]造影剤ポート556Bは、近位マニホールド555Bと流体連通している一方、送達ポート556Aは、遠位マニホールド555Aと流体連通している。本明細書により詳細に説明されるように、造影剤ポート556Bが、近位マニホールド555Bから間に配設される一方向逆止弁553によって分離される遠位マニホールド555Aではなく、近位マニホールド555Bに結合されるため、生理食塩水バッグからの生理食塩水は、摺動体540の針559を通って、バイアルアセンブリ580のバイアル本体589内へ引き出され得る。
【0050】
[0061]再び図1および図3を参照すると、バイアルアセンブリ580が摺動体540にしっかりと結合された状態で、摺動体540は、摺動体540の近位端542をコンソールアセンブリ510の遠位端516の方へ、またその中へ並進させることによって、コンソールアセンブリ510に結合される。特に、摺動体540の近位端542は、摺動体540の位置決めリブ554をコンソールアセンブリ510の位置決め部534と位置合わせすることによって、コンソールアセンブリ510の摺動空間532内へ向けられる。一旦、摺動体540の遠位端544および近位端542がコンソールアセンブリ510の摺動空間532内に完全に密閉されると、取り外し可能なバッテリパック570の電気接点574(図2)は、コンソールアセンブリ510の対応する電気接点511(図1)と相互作用する。この場合、バッテリ572からの電力は、電気接点574を介してコンソールアセンブリ510に伝送され、それにより、送達デバイス500のコンソールアセンブリ510が作動する。この場合、コンソールアセンブリ510のインターフェースディスプレイ530が作動して、手技中、送達デバイス500に関する適切なリアルタイム情報を表示する。
【0051】
[0062]再び図5を参照すると、バイアル係合機構520およびプランジャ584がバイアル収容領域518内で同時に並進されると、ストッパ594の引き込みに起因して、バイアル本体589の内部チャンバ588内に負圧が発生する。この場合、生理食塩水バッグが造影剤導管10Bおよび造影剤ポート556Bを介して摺動体540に結合された状態で、生理食塩水バッグからの生理食塩水は、近位マニホールド555Bおよび針559を通って、バイアル本体589の内部チャンバ588内へ引き込まれる。したがって、バイアル本体589に放射性流体媒体(例えば、放射線塞栓ミクロスフェア)が予め充填されている場合、生理食塩水は、プランジャ584が内部チャンバ588から引き込まれ、負圧が送達デバイス500を通じて発生すると、バイアル本体589内の放射性流体媒体と効果的に混合される。
【0052】
[0063]摺動体540は、造影剤導管10Bおよびフラッシング導管10Cに沿って一方向逆止弁553Aをさらに含む。特に、一方向逆止弁553Aは、造影剤ポート556Bおよびフラッシングポート556Cからマニホールド555A、555B内への流体連通を可能にするように構成され、マニホールド555A、555Bから造影剤ポート556Bおよびフラッシングポート556Cへの流体連通を防ぐようにさらに構成される。したがって、バイアル本体589からマニホールド555A、555Bへ送達される用量を造影剤導管10Bまたはフラッシング導管10C内へ向けることは、その中に位置付けられる一方向逆止弁553Aがあるため、不可能であるということを理解されたい。このように、用量は、用量送達ポート556Aへ向けられ、用量送達管路10Aによって流体的に結合されたカテーテルにおいて受容される。言い換えると、一方向逆止弁553Aは、摺動体540および/またはそこに結合されるバイアルアセンブリ580内への流体の逆流を防ぐ。
【0053】
II. 放射線遮蔽実施形態
[0064]上に簡単に記述されるように、本明細書に説明される送達デバイス500は、計算機ツールおよびシステムによって計算される厚さを有する管構成要素を含み得、その実施形態は、図6図11に関して以下により詳細に説明される。そのような計算機ツール600は、以下により詳細に説明されるように、図7に示されるようなシステム700と共に動作するために図6に示される。管構成要素の実施形態は、以下により詳細に説明されるように、図8図11に示される。
【0054】
[0065]図6を参照すると、計算機ツール600は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)601を含む。グラフィカルユーザインターフェース601は、計算機エントリ画面602のための計算機タブなど、複数のタブを含み得る。他のタブは、その計算のために利用される他のパラメータおよび計算機ツール600の入力を含み得る。例として、および限定としてではなく、他のタブは、追加の出力、等式、線減衰係数、吸収係数、例、参照、およびガンマ情報などのパラメータおよび入力に向けられ得る。
【0055】
[0066]計算機エントリ画面602は、入力604、出力606、および計算領域608を含み得る。入力604は、GUI601内へ入力され得るか、ドロップダウンメニューから選択され得る。入力604は、限定されることなく、同位体選択、アクティビティ選択、Brem遮蔽材料および厚さ選択、ならびに関連線減衰係数、最大エネルギー、平均エネルギー、線エネルギー吸収係数、遮蔽密度、遮蔽のZe、ベータ遮蔽厚、ならびに中心からの距離を含み得る。出力606は、限定されることなく、同位体からの熱、推奨される厚さ、ベータからの用量、遮蔽なしでのBremからの用量、および遮蔽内のBremからの用量を含み得る。計算機領域608は、出力606において表示するために計算機エントリ画面602のエントリに基づいて本明細書に説明されるような推奨される厚さを計算するためにボタンオプションを含み得る。
【0056】
[0067]以下の表1は、計算機ツール600のための異なる材料についての線減衰係数のいくつかの例示的な入力604を明記する。
【表1】
【0057】
[0068]以下の表2は、計算機ツール600のための異なる材料についてのいくつかの他の例示的な入力を明記する。
【表2】
【0058】
[0069]図7を参照すると、材料による、送達管路コネクタ(例えば、送達デバイス500の用量送達管路10A)を通じて投与される、およびこれの、放射線量の少なくとも90%の遮蔽など、遮蔽を達成するために、管構成要素材料の材料密度に基づいて本明細書に説明されるような管構成要素の厚さを計算するために図6の計算機ツール600を利用するためのコンピュータおよびソフトウェアベースの方法を実装するためのシステム700が示される。そのような遮蔽を達成するための決定された厚さは、管構成要素材料の材料密度ならびに管構成要素材料の元素組成の関数であり得る。例として、および限定としてではなく、1つまたは複数のより高い原子番号の元素は、1つまたは複数のより低い原子番号の元素よりも増大した遮蔽を提供し得る。システム700は、計算機ツール600、通信経路702、1つまたは複数のプロセッサ704、メモリ構成要素706、ネットワークインターフェースハードウェア708、ネットワーク710、サーバ712、およびストレージまたはデータベース714を含む。サーバ712は、クラウドベースのサーバを含み得る。計算機ツール600は、GUI601を含むコンピューティングデバイスに通信可能に結合され得る。システム700の様々な構成要素およびそれらの相互作用は、以下に詳細に説明される。
【0059】
[0070]いくつかの実施形態において、システム700は、イントラネットまたはインターネットなど、広域ネットワーク(WAN)またはネットワーク710を使用して実装される。計算機ツール600に通信可能に結合されるコンピューティングデバイスは、ネットワーク710への接続およびこれのナビゲーションを可能にするデジタルシステムおよび他のデバイスを含み得る。コンピューティングデバイスは、ラップトップもしくはデスクトップコンピュータ、または、スマートフォン、タブレット、もしくは同様の携帯型ハンドヘルドスマートデバイスなどのスマートモバイルデバイスであり得る。図7に描写される線は、様々な構成要素同士の物理的な接続というよりも通信を示す。
【0060】
[0071]上に記載されるように、システム700は、通信経路702を含む。通信経路702は、例えば、導電ワイヤ、導電トレース、光導波路、もしくは同様のものなど、信号を伝送することができる任意の媒体から、または信号を伝送することができる媒体の組み合わせから形成され得る。通信経路702は、システム700の様々な構成要素を通信可能に結合する。本明細書で使用される場合、用語「通信可能に結合される」とは、結合された構成要素が、例えば、導電媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光導波路を介した光学信号、および同様のものなど、互いとデータ信号を交換することができることを意味する。
【0061】
[0072]上に記載されるように、システム700は、プロセッサ704を含む。プロセッサ704は、マシン可読命令を実行することができる任意のデバイスであり得る。本明細書に説明される1つまたは複数のアルゴリズムは、プロセッサ704などのハードウェア内へ直接統合され得る。実施形態におけるプロセッサ704は、ローカルであり得る、および/またはクラウドサーバに格納され得るデータベース714から、アルゴリズムおよび/またはアルゴリズムパラメータを取得し得る。したがって、プロセッサ704は、制御器、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または任意の他のコンピューティングデバイスであり得る。プロセッサ704は、通信経路702によってシステム700の他の構成要素に通信可能に結合される。したがって、通信経路702は、任意の数のプロセッサを互いと通信可能に結合し、通信経路702に結合されるモジュールが分散コンピューティング環境で動作することを可能にし得る。具体的には、モジュールの各々は、データを送信および/または受信するノードとして動作し得る。
【0062】
[0073]上に記載されるように、システム700は、通信経路702に結合され、プロセッサ704に通信可能に結合されるメモリ構成要素706を含む。メモリ構成要素706は、非一時的なコンピュータ可読媒体または非一時的なコンピュータ可読メモリであり得、不揮発性コンピュータ可読媒体として構成され得る。メモリ構成要素706は、マシン可読命令がプロセッサ704によってアクセスおよび実行され得るようにマシン可読命令を格納することができる、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または任意のデバイスを含み得る。
【0063】
[0074]マシン可読命令は、マシン可読命令内へコンパイルされ得る、または組み込まれ得る、およびメモリ構成要素706に格納され得る、例えば、プロセッサによって直接的に実行され得るマシン言語、またはアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなど、任意のプログラミング言語で書かれた論理またはアルゴリズムを含み得る。代替的に、マシン可読命令は、フィールドプログマブルゲートアレイ(FPGA)構成または特定用途向け集積回路(ASIC)のいずれか、またはそれらの等価物を介して実装される論理など、ハードウェア記述言語(HDL)で書かれ得る。したがって、本明細書に説明される方法は、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で、予めプログラミングされたハードウェア要素として、またはハードウェアおよびソフトウェア構成要素の組み合わせとして、実装され得る。実施形態において、プロセッサ1304は、本明細書に説明される計算機ツール600のためのプロセスを実装するためにメモリ構成要素1306に格納される命令を実行し得る。
【0064】
[0075]システム700は、システム700をネットワーク710などのコンピュータネットワークと通信可能に結合するためのネットワークインターフェースハードウェア708を含む。ネットワークインターフェースハードウェア708は、通信経路702がネットワークインターフェースハードウェア708をシステム700の他のモジュールに通信可能に結合するように、通信経路702に結合される。ネットワークインターフェースハードウェア708は、ワイヤレスネットワークを介してデータを伝送および/または受信することができる任意のデバイスであり得る。したがって、ネットワークインターフェースハードウェア708は、任意のワイヤレス通信規格に従ってデータを送信および/または受信するための通信トランシーバを含み得る。例えば、ネットワークインターフェースハードウェア708は、例えば、ワイファイ(Wi-Fi)、WiMax、ブルートゥース(登録商標)、IrDA、ワイヤレスUSB、Z-Wave、ZigBee、または同様のものなど、有線および/またはワイヤレスコンピュータネットワークを通じて通信するために、チップセット(例えば、アンテナ、プロセッサ、マシン可読命令など)を含み得る。
【0065】
[0076]依然として図7を参照すると、計算機ツール600上で実行する様々なアプリケーションからのデータは、ネットワークインターフェースハードウェア708を介してコンピューティングデバイスからシステム700へ提供され得る。コンピューティングデバイスは、ネットワークインターフェースハードウェア708およびネットワーク710と通信可能に結合するためのハードウェア(例えば、チップセット、プロセッサ、メモリなど)を有する任意のデバイスであり得る。
【0066】
[0077]ネットワーク710は、例えば、広域ネットワーク、都市圏ネットワーク、インターネット、イントラネット、衛星ネットワーク、または同様のものなど、任意の有線および/またはワイヤレスネットワークを含み得る。したがって、ネットワーク710は、1つまたは複数のサーバ(例えば、サーバ712)へアクセスするためのワイヤレスアクセスポイントとして利用され得る。サーバ712および任意の追加のサーバは、一般的に、プロセッサ、メモリ、およびネットワーク710を介してリソースを送達するためのチップセットを含む。リソースは、ネットワーク710を介してサーバ712からシステム700へ、ストレージ、ソフトウェア、および情報を提供すること、例えば、処理することを含み得る。追加的に、サーバ712および任意の追加のサーバは、ネットワーク710を通じて、例えば、ネットワークの有線部分、ネットワークのワイヤレス部分、またはそれらの組み合わせを介して、互いとリソースを共有し得るということに留意されたい。
【0067】
[0078]図6図7の計算機ツール600およびシステム700は、以下により詳細に説明されるような所望の放射線遮蔽を達成するために管構成要素材料の材料密度に基づいて、図8図11に示されるような管構成要素800、900の実施形態の厚さT(図8)を決定するために使用され得る。管構成要素800、900は、混合微粒子溶液を患者に送達するための送達デバイス500などの微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリとの使用のために構成される。管構成要素800、900は、ある材料密度を含む材料、および以下により詳細に説明されるような厚さTを含み得る。材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、ポリウレタン、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリプロポレン(PP)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、EVA、ポリエーテルブロックアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、タングステン充填ポリブチレンサクシネート(PBS)、またはそれらの組み合わせのうちの1つを含み得る。
【0068】
[0079]管構成要素800、900の決定された厚さTは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、非限定的な例として、材料密度に基づいて計算機ツール600によって計算される。管構成要素800、900は、さらに以下により詳細に説明されるように、送達管路コネクタ(例えば、用量送達管路10A)の一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0069】
[0080]実施形態において、管構成要素800、900の決定された厚さTは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度を使用した等式に基づいて計算機ツール600を使用して計算される。等式は、以下に明記されるような等式1であり得る。
【数1】
【0070】
[0081]実施例1
[0082]以下の表3において、実施例は、対応する密度を有する異なる管材料であり、等式1を使用して厚さTを決定することは、ベータ遮蔽のための決定された厚さTを決定する前に1mmの仮定した基本厚に基づいて示される。
【表3】
【0071】
[0083]さらに、管構成要素800、900は、単層押し出しまたは多層押し出しから形成され得る。図8を参照すると、管構成要素800は、用量送達管路10Aを介して送達されている微粒子を遮蔽するために図1の送達デバイス500と共に使用するための単一押し出し管構成要素800Aとして示される。管構成要素800Aは、ある材料密度を含む材料、および決定された厚さTを含む。決定された厚さTは、送達デバイス500の用量送達管路10Aなど、微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分である。送達管路コネクタ(例えば、用量送達管路10A)は、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイス(例えば、送達デバイス500)から受容するように構成される。
【0072】
[0084]管構成要素800Aは、内側管壁804および外側管壁806を含み、決定された厚さTは、外側管壁804と内側管壁806との間の厚さを画定する。内側管壁804は、孔802および対応する内径IDを画定する壁を含み得る。厚さTは、内径IDよりも少なくとも8倍大きくてもよい。実施形態において、内径IDは、厚さTが少なくとも8mm以上であるように、1mmであり得る。管構成要素800Aに関して説明されるが、本明細書に説明される管構成要素800、900のいずれかが、それぞれの内径IDよりも少なくとも8倍大きいそのような厚さTを含み得ることは本開示の範囲内である。
【0073】
[0085]管構成要素800、900は、同じ材料または異なる材料から形成される少なくとも2つの層を含み得る。実施形態において、本明細書に説明される管構成要素800、900は、異なる材料を含み得、その結果として、ある材料密度を含む材料に加えて、管構成要素800、900は、別の材料密度を含む別の材料を含む。別の材料は、共押し出しプロセスにおいて、押し出されて材料に接着されるように構成され得る。共押し出しプロセスは、入れ子押し出し、オーバーモールディング直接堆積押し出し、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0074】
[0086]非限定的な例として、および図9を参照すると、管構成要素800は、異なる内側および外側管材料を含み、入れ子または接着プロセスから形成される複数押し出し管構成要素800Bとして示される。複数押し出し管構成要素800Bは、内側管808および外側管810を含む。内側管808は、外側管810とは異なる材料で作製される。内側管808は、孔802Aを画定する壁を含む。外側管810は、内側管808に当接するように成形および構成される孔802Bを画定する壁を含む。
【0075】
[0087]実施形態において、管構成要素800、900は、多層押し出しから形成され、多層押し出しの各層は、管構成要素の材料を形成するために同じ材料であり得る。図10Aを参照すると、複数押し出し管構成要素800Cが、同じ内側および外側管材料を含み、オーバーモールディングから形成される。複数押し出し管構成要素800Cは、内側管808Aおよび外側管810Aを含む。内側管808Aは、外側管810Aと同じ材料で作製される。内側管808Aは、孔802Aを画定する壁を含み、外側管810Aは、内側管808Aに当接するように成形および構成される孔802Bを画定する壁を含む。
【0076】
[0088]代替的に、管構成要素800、900が多層押し出しから形成されるとき、多層押し出しの少なくとも2つの層は、管構成要素の材料を形成するために異なる材料を含む。図10Bを参照すると、複数押し出し管構成要素800Dは、異なる内側および外側管材料を含んで示され、オーバーモールディングから形成される。複数押し出し管構成要素800Dは、内側管808Bおよび外側管810Bを含む。内側管808Bは、外側管810Bとは異なる材料で作製される。内側管808Bは、孔802Aを画定する壁を含む。外側管810Bは、内側管808Bに当接するように成形および構成される孔802Bを画定する壁を含む。
【0077】
[0089]本明細書内の管構成要素800、900は、管構成要素800、900のための1つまたは複数の層を形成するために、押し出し、心棒への浸漬塗布、単一押し出し、または複数押し出し、または他の好適なプロセスなどのプロセスを通じて形成される可塑性構成要素で作製され得る。複数押し出しの場合、管は、決定された厚さTを達成するために、入れ子にされて接着され得るか、または管は二重に、オーバーモールディングプロセスを通じてより小さい管の上に直接押し出され得る。複数押し出しを組み立てることにより、異なる密度の様々なプラスチック(例えば、PVC、EVA、LDPE管)が利用され得る。可塑性管は、可撓性金属管によってさらに遮蔽され得る。管は、それを編組チューブ、らせんラップ、円筒状ラップ、または連結セグメントとして製造することによって、可撓性にされ得る。
【0078】
[0090]故に、管構成要素800、900は、内側可塑性管構成要素および可撓性金属遮蔽管を含み得る。可撓性金属遮蔽管は、内側可塑性管構成要素の上に配設されるように構成され得る。可撓性金属遮蔽管は、ある構造を含み得る。本構造は、内側可塑性管構成要素を受容するように構成されるスリット912(図11)を含み得る。上に説明されるように、本構造は、編組チューブ、らせんチューブ、円筒状ラップ、連結セグメント、またはそれらの組み合わせであり得る。可撓性金属遮蔽管は、アルミニウム、ステンレス鋼、タングステン、またはそれらの組み合わせを含み得る。実施形態において、可撓性金属遮蔽管は、2.7g/ccのアルミニウムを、7.8g/ccのステンレス鋼を、またはタングステンを含み得る。
【0079】
[0091]管構成要素800、900は、可撓性金属遮蔽管または代替の材料であり得る外側スリーブを含み、外側スリーブは、決定された厚さT、ならびに内側管構成要素を受容および遮蔽するように構成されるスリット912(図11)を含み得る。
【0080】
[0092]図11を参照すると、管構成要素900は、内側管構成要素908を受容するように構成されるスリット912として変形可能なスリット特徴部を有する外側スリーブ910を含んで示される。内側管構成要素908は、孔902Aを画定する内壁を含み得、外側スリーブ910は、内側管構成要素908を保持するように成形および構成される孔902Bを画定する内壁を含み得る。外側スリーブ910は、内側管構成要素908として内側送達管路管の周りの再使用可能スリーブとして取り外し可能に配設される別個のより厚い管構成要素であり得る。内側管構成要素908は、低密度材料(例えば、PVC)による高エネルギー放射をブロックするために内層構成要素を含み得る一方、外側スリーブ910は、高密度材料(例えば、ABS)による低エネルギー放射をブロックするために外層構成要素を含み得る。
【0081】
[0093]実施形態において、混合微粒子溶液を患者に送達するために送達デバイス500などの微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための、本明細書に説明されるような管構成要素800、900を形成するための方法は、微粒子送達デバイス(例えば、送達デバイス500)の送達管路コネクタ(例えば、用量送達管路10A)を放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な内径IDと外径ODとの間の決定された厚さTを決定するステップを含み得る。管構成要素800、900の決定された厚さTは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度に基づいて計算され得る。本明細書に説明されるように、送達管路コネクタ(例えば、用量送達管路10A)は、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイス(例えば、送達デバイス500)から受容するように構成され得る。
【0082】
[0094]本方法は、決定された厚さTに基づいて管構成要素800、900を形成するステップと、単層押し出しまたは多層押し出しから管構成要素800、900を形成するステップとをさらに含み得る。本明細書に説明されるように、形成された管構成要素800、900は、送達管路コネクタ(例えば、用量送達管路10A)の一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0083】
[0095]ベータ放出同位体の放射線曝露を低減するというよりも、本明細書内のシステムおよび方法は、送達デバイス500の用量送達管路10Aを通じて、および送達デバイス500によって患者へ送達される微粒子のベータ放出同位体からベータ放射線量の少なくとも90%をブロックするのに十分な遮蔽として、ある厚さを含む管構成要素を説明する。そのような遮蔽は、手技中に医療提供者および患者の両方を、放射線減衰を通じて、放射線曝露から保護する。
【0084】
[0096]送達デバイス500の用量送達管路10A内で終了する送達管路管は、送達デバイスと患者との間の曝露空間内にあり得、周囲領域を放射線へ曝露し得る。壁厚を増加させることを通じた、本明細書に説明されるようなそのような放射線減衰は、用量送達管路10Aを通じた混合物送達と関連付けられた放射線から周囲領域を遮蔽するために、より大きい遮蔽を使用中に提供して放射線補助具から保護する。
【0085】
III. 態様リスト
[0097]態様1.患者に混合微粒子溶液を送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素は、ある材料密度を含む材料と、微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な決定された厚さとを含み得る。送達管路コネクタは、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイスから受容するように構成され得る。管構成要素の決定された厚さは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度に基づいて計算される。管構成要素は、送達管路コネクタの一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0086】
[0098]態様2.材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、ポリウレタン、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリプロポレン(PP)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、EVA、ポリエーテルブロックアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、タングステン充填ポリブチレンサクシネート(PBS)、またはそれらの組み合わせのうちの1つを含む、態様1の管構成要素。
【0087】
[0099]態様3.管構成要素は、内側管壁および外側管壁を含み、決定された厚さは、外側管壁と内側管壁との間の厚さを含む、態様1または態様2の管構成要素。
【0088】
[00100]態様4.内側管壁は、内径を含み、厚さは、内径よりも少なくとも8倍大きい、態様3の管構成要素。
【0089】
[00101]態様5.内径は、1mmを含む、態様4の管構成要素。
[00102]態様6.別の材料密度を含む別の材料をさらに含む、態様1~態様5のいずれかの管構成要素。
【0090】
[00103]態様7.別の材料は、共押し出しプロセスにおいて、押し出されて材料に接着されるように構成される、態様6の管構成要素。
【0091】
[00104]態様8.共押し出しプロセスは、入れ子押し出し、オーバーモールディング直接堆積押し出し、またはそれらの組み合わせを含む、態様7の管構成要素。
【0092】
[00105]態様9.内側可塑性管構成要素および可撓性金属遮蔽管を含み、可撓性金属遮蔽管は、内側可塑性管構成要素の上に配設されるように構成される、態様1~態様8のいずれかの管構成要素。
【0093】
[00106]態様10.可撓性金属遮蔽管は、ある構造を含み、本構造は、内側可塑性管構成要素を受容するように構成されるスリットを含み、本構造は、編組チューブ、らせんチューブ、円筒状ラップ、連結セグメント、またはそれらの組み合わせを含む、態様9の管構成要素。
【0094】
[00107]態様11.可撓性金属遮蔽管は、アルミニウム、ステンレス鋼、タングステン、またはそれらの組み合わせで作製される、態様10の管構成要素。
【0095】
[00108]態様12.管構成要素の決定された厚さは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度を使用した等式に基づいて計算機ツールを使用して計算される、態様1~態様11のいずれかの管構成要素であり、等式は、以下である。
【数2】
【0096】
[00109]態様13.管構成要素は、単層押し出しまたは多層押し出しから形成される、態様1~態様12のいずれかの管構成要素。
【0097】
[00110]態様14.管構成要素が多層押し出しから形成されるとき、多層押し出しの各層は、管構成要素の材料を形成するために同じ材料で作製される、態様13の管構成要素。
【0098】
[00111]態様15.管構成要素が多層押し出しから形成されるとき、多層押し出しの少なくとも2つの層は、管構成要素の材料を形成するために異なる材料を含む、態様13の管構成要素。
【0099】
[00112]態様16.管構成要素は、少なくとも2つの層を備え、少なくとも2つの層は、同じ材料または異なる材料から形成される、態様1~態様15の管構成要素。
【0100】
[00113]態様17.管構成要素が外側スリーブを含むとき、外側スリーブは、決定された厚さおよびスリットを含み、スリットは、内側管構成要素を受容および遮蔽するように構成される、態様1~態様16の管構成要素。
【0101】
[00114]態様18.患者に混合微粒子溶液を送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素は、ある材料密度を含む材料と、外径が内径よりも少なくとも8倍大きくなるように内径と外径との間の、および微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な決定された厚さとを含み得る。送達管路コネクタは、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイスから受容するように構成される。管構成要素の決定された厚さは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度に基づいて計算される。管構成要素は、送達管路コネクタの一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含み得る。管構成要素は、単層押し出しまたは多層押し出しから形成される。
【0102】
[00115]態様19.多層押し出しは、入れ子押し出し、オーバーモールディング直接堆積押し出し、またはそれらの組み合わせを含む、態様18の管構成要素。
【0103】
[00116]態様20.混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子送達デバイスを含む微粒子材料送達アセンブリのための管構成要素を形成する方法は、微粒子送達デバイスの送達管路コネクタを放射線量の少なくとも90%から遮蔽するのに十分な、内径と外径との間の決定された厚さを決定するステップと、決定された厚さに基づいて管構成要素を形成するステップと、単層押し出しまたは多層押し出しから管構成要素を形成するステップとを含み得る。管構成要素の決定された厚さは、材料による放射線量の少なくとも90%の送達管路コネクタの遮蔽を達成するために、材料密度に基づいて計算される。送達管路コネクタは、混合微粒子溶液を微粒子材料送達アセンブリの微粒子送達デバイスから受容するように構成され、管構成要素は、送達管路コネクタの一体壁、送達管路コネクタの周りに取り外し可能に配設されるように構成される外側スリーブ、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0104】
[00117]用語“実質的に”および“約”は、任意の数量比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る不確実性の本質的な度合いを表すために本明細書では利用され得るということに留意されたい。これらの用語はまた、量的表現が、問題となっている主題の基本機能における変化を結果として生じることなく、記載した参照から変化し得る度合いを表すために本明細書では使用される。
【0105】
[00118]本開示を説明および規定する目的のため、用語“実質的に”は、任意の数量比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る不確実性の本質的な度合いを表すために本明細書では使用されるということに留意されたい。用語“実質的に”もまた、量的表現が、問題となっている主題の基本機能における変化を結果として生じることなく、記載した参照から変化し得る度合いを表すために本明細書では使用される。そのようなものとして、それは、理論上は正確な一致または挙動を提示することが期待されるものの、実際には正確にはわずかに満たないものを具現し得る要素または特徴の配置に関して、任意の数量比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る不確実性の本質的な度合いを表すために本明細書では使用される。
【0106】
[00119]特定の実施形態が本明細書に例証および説明されているが、様々な他の変更および修正が、特許請求された主題の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得るということを理解されたい。さらには、特許請求された主題の様々な態様が本明細書に説明されているが、そのような態様は、組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求された主題の範囲内にあるすべてのそのような変更および修正を網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
【国際調査報告】