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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】エクソソームの単離方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/071 20100101AFI20240214BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
C12N5/071
A61K47/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550596
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2022017554
(87)【国際公開番号】W WO2022182782
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/152,784
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】501326584
【氏名又は名称】バージニア テック インテレクチュアル プロパティーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ,スペンサー
(72)【発明者】
【氏名】プリダム,ケヴィン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン,リンダ ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】ゴーディー,ロバート ジー.
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA93X
4B065AC20
4B065BA30
4B065CA43
4B065CA44
4B065CA46
4C076AA95
4C076EE56
(57)【要約】
本明細書の特定の例示的な実施形態では、カゼインを含むものなどの生体液からエクソソームを単離する方法が記載される。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体液からエクソソームを単離する方法であって、
a.生体液の1つまたは複数の他の成分から脂肪を分離するのに適した条件下で前記生体液を遠心分離することと、
b.前記分離された脂肪を前記生体液から除去することと、
c.ステップ(b)の後、残った生体液を1回または複数回遠心分離し、ステップ(c)の各遠心分離後に任意の顕著に分離された脂肪をスキミングすることと、
d.ステップ(c)の後に前記残った生体液を濾過することと、
e.任意選択的に(d)の後に1回または複数回超遠心分離ステップを実行することと、
f.約10mM~約100mMのEDTAを用いて、摂氏約30~42度で、(d)または任意選択的に(e)の後、任意選択的に約15~120分間、二価カチオンをキレート化することと、
g.(f)の後、任意選択的にタンジェンシャルフローフィルトレーションを行って保持液を得て、ここで、前記保持液は任意選択的に1回または複数回の超遠心分離ステップによって超遠心分離されるか、または-80℃で保存され、前記保持液が任意選択的に超遠心分離されるか、または-80℃で保存された後、任意選択的にカラム分離によって前記保持液の画分を分離することと、
を含み、
前記方法は、ステップ(e)またはステップ(g)を含むが、両方は含まない、前記方法。
【請求項2】
二価カチオンのキレート化が約30mMのEDTAで起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
二価カチオンのキレート化が摂氏約37度で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生体液が哺乳動物の乳である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生体液が低温殺菌されていない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(a)及び(b)を合わせて1~5回繰り返す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)、またはそれらの任意の組み合わせが、摂氏約4度で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(a)が、前記生体液を約2,000~3,000rcfで遠心分離することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
(a)が、前記生体液を約2,500rcfで遠心分離することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)が、1~3回繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
(b)が、第1の遠心分離とそれに続く第2の遠心分離を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の遠心分離が、前記残りの生体液を約13,500~15,500rcfで約45~75分間遠心分離することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の遠心分離が、前記残りの生体液を約14,500rcfで約60分間遠心分離することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の遠心分離が、前記第1の遠心分離後に残った前記生体液に対して行われ、前記第2の遠心分離が、約24,800~26,800rcfで約45~75分間行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の遠心分離が、前記第1の遠心分離後に残った前記生体液に対して行われ、前記第2の遠心分離が、約25,800rcfで約60分間行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の遠心分離が1~3回繰り返され、各繰り返しは直前の前記遠心分離からの前記残りの生体液に対して行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
(d)が、約0.45ミクロンフィルタ~約0.22ミクロンフィルタの範囲の直列した1つまたは複数のフィルタを通して前記残りの生体液を濾過することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
(d)が、約0.45ミクロンフィルタを通して前記残りの生体液を濾過し、続いて約0.22ミクロンフィルタを通して前記残りの生体液を濾過することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(e)が、2つ以上の連続する超遠心分離ステップを含み、各ステップは前の超遠心分離からの前記残りの生体液に対して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
(e)が、約45,000~55,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約65,000~75,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約90,000~110,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
(e)が、約50,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約70,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約100,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数が、それぞれ約45~75分間実施される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数が、それぞれ約60分間実施される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
(e)が、約115,000~145,000rcfで約90~150分間実施される最終超遠心ステップを含み、得られた流体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な溶液の好適な量に再懸濁される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
(e)が、約130,000rcfで約120分間実施される最終超遠心ステップを含み、得られた流体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な溶液の好適な量に再懸濁される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
(g)の前記タンジェンシャルフローフィルトレーションが、約250kDa~約750kDaの範囲のカットオフを有する限外濾過膜を使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
(g)の前記タンジェンシャルフローフィルトレーションが、250kDaの限外濾過膜を使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
(g)の前記タンジェンシャルフローフィルトレーションが、毎分約5~15mLの流量で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
(g)の前記タンジェンシャルフローフィルトレーションが、毎分約10mLの流量で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
ステップ(g)において、前記残りの生体液の量がタンジェンシャルフローフィルトレーション前のその開始体積の約10パーセントに達すると、前記保持液が好適な緩衝液でダイアフィルトレーションされる、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記保持液が開始ダイアフィルトレーション量の約20パーセントに達した場合、前記保持液を超遠心分離することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記超遠心分離が、摂氏約4度で、約115,000~145,000rcfで約90~150分間行われる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記超遠心分離が、摂氏約4度で、約130,000rcfで約120分間行われる、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記保持液が、開始ダイアフィルトレーション量の約20パーセントに達した後、かつカラム分離前に、前記保持液が-80℃で保存される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記方法が、乳の開始量の少なくとも7.5パーセント、8パーセント、8.5パーセント、9パーセント、9.5パーセント、10パーセント、10.5パーセント、11パーセント、11.5パーセント、12パーセント、12.5パーセント、13パーセント、13.5パーセント、14パーセント、14.5パーセント、15パーセント、15.5パーセント、16パーセント、16.5パーセント、17パーセント、17.5パーセント、18パーセント、18.5パーセント、19パーセント、19.5パーセント、または少なくとも20パーセントであるエクソソーム濃縮物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記方法が、先行請求項のいずれか一項に記載の方法から得られる製剤のエクソソームに、1つまたは複数のカーゴを搭載することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
エクソソームを含む製剤であって、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法によって少なくとも部分的に製造される、前記製剤。
【請求項38】
1つまたは複数の前記エクソソームに1つまたは複数のカーゴが搭載される、請求項37に記載の製剤。
【請求項39】
請求項38に記載される製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項40】
前記1つまたは複数のカーゴが治療用カーゴである、請求項39に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月23日に出願された「エクソソーム単離方法」と題する同時係属中の米国仮特許出願第63/152,784号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府支援の研究に関する声明文
本発明は、国立衛生研究所により授与されたHL161237、HL056728、及びHL141855に基づく政府の支援によりなされた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
【0003】
本明細書に開示される主題は、一般に、エクソソームの単離及び調製に関する。
【背景技術】
【0004】
エクソソームは、細胞によって放出される膜結合ナノ小胞であり、長距離細胞間シグナル伝達の進化的に保存された機構として機能する (Boulanger、2017)。ヒト及び他の哺乳類では、エクソソームはほぼすべての細胞型によって細胞外環境に分泌され、血液、リンパ、尿、乳を含むほとんどの生体液に豊富に含まれている(Gyorgy,B.S.(2011).Membrane vesicles,current state-of-the-art:emerging role of extracellular vesicles.Cellular and molecular life sciences,2667)。エクソソームは直径50~150nmと比較的均一で小さいサイズであり、CD81、CD9、シンテニンを含む多くのタンパク質の優先的な発現を示すが、カルネキシンなどの他のタンパク質では示さない (Vlassov,A.M.(2012).Exosomes: Current knowledge of their composition,biological functions,and diagnostic and therapeutic potentials.BBA-General Subjects,940-947)。そうは言っても、エクソソームの構成要素は、それらが分泌される細胞の種類及び/または生理学的状態を反映して、大幅に変化する可能性がある(Blaser MC,A.E.(2018).Roles and Regulation of Extracellular Vesicles in Cardiovascular Mineral Metabolism.Front Cardiovasc Med)。エクソソームカーゴには、脂質、タンパク質、及びヌクレオチド配列(例えば、マイクロRNA)が含まれ、これらは内部にカプセル化されるか、受容体や小胞膜上の接着分子などの外部部分として存在する可能性がある(Rana,S.Z.(2011).Exosome target cell selection and the importance of exosomal tetraspanins: a hypothesis.Biochem Soc Trans,559-562)インビボで生体シグナル伝達分子を輸送及び保護するエクソソームの能力は、薬物送達プラットフォームとして利用できることが明らかになり、製薬業界の注目を集めている。この魅力は、皮膚バリアなどの組織境界を通過する特定のエクソソーム集団の独特の能力によってさらに強化される(Carrasco E,S.-H.G.(2019).The role of extracellular vesicles in Cutaneous Remodeling and Hair Follicle Dynamics.Int J Mol Sci,2758),blood-brain-barrier(Yang T,M.P.(2015).Exosome delivered anticancer drugs across the blood-brain barrier for brain cancer therapy in Danio rerio.Pharm Res,2003-2014),and gut-blood barrier (Vashisht M,R.P.(2017).Curcumin encapsulated in milk exosomes resists human digestion and possesses enhanced intestinal permeability in vitro.Applied Biochem Biotechnol,993-1007)。エクソソームはまた、免疫監視を逃れているようであり、個体間及び種間で自家的に導入された場合でも免疫学的に良好な忍容性を示すことが報告されている(Antes TJ,M.R.(2018).Targeting extracellular vesicles to injured tissue using membrane cloaking and surface display.J Nanobiotechnology)-薬物送達の安全性を向上させるための新しい手段として臨床に応用できる可能性への関心がさらに高まっている。エクソソームの臨床的及び実際的な使用に対する制限は、特に大量の場合、費用対効果の高い精製方法が利用できないことである。したがって、エクソソーム単離の改善された方法、特に工業規模のエクソソーム調製に拡張できる方法の必要性が存在する。
【0005】
本出願におけるいずれの文献の引用または特定も、かかる文献が本発明の先行技術として利用可能であることを承認するものではない。
【発明の概要】
【0006】
本明細書の特定の例示的な実施形態では、生体液からエクソソーム(小細胞外小胞とも呼ばれる)を単離する方法が記載されており、この方法は、生体液の1つまたは複数の他の成分から脂肪を分離するのに好適な条件下で生体液を遠心分離するステップと、分離した脂肪を生体液から除去するステップと、ステップ(b)の後、残りの生体液を1回以上遠心分離し、ステップ(c)の各遠心分離後に顕著に分離した脂肪をスキミングするステップと、ステップ(c)の後に残りの生体液を濾過し、任意選択で、(d)の後に1回以上の超遠心分離ステップを実行するステップと、(d)または場合により(e)の後に、場合により約15~120分間、摂氏約30~42度で、約10mM~約100mMのEDTAを用いて二価カチオンをキレートするステップと、(f)の後、任意にタンジェンシャルフローフィルトレーションを行って保持液を得るステップであって、保持液は任意選択で1つまたは複数の超遠心分離ステップによって超遠心分離されるか、または、-80℃で保存され、任意選択で保持液が超遠心分離、または-80℃で保存された後に、任意選択でカラム分離によって保持液を分別するステップと、を含み、本方法は、ステップ(e)またはステップ(g)を含むが両方ではない。
【0007】
特定の例示的な実施形態では、二価カチオンキレート化は、約30mMのEDTAで生じる。
【0008】
特定の例示的な実施形態では、二価カチオンキレート化は、摂氏約37度で生じる。
【0009】
特定の例示的な実施形態では、約37度での二価イオンのキレート化は、60分間生じる。
【0010】
特定の例示的な実施形態では、生体液は哺乳動物の乳である。
【0011】
特定の例示的な実施形態では、生体液は低温殺菌されていない。
【0012】
特定の例示的な実施形態では、ステップ(a)及び(b)を合わせて1~5回繰り返す。
【0013】
特定の例示的な実施形態では、ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)、またはそれらの任意の組み合わせは、摂氏約4度で実行される。
【0014】
特定の例示的な実施形態では、(a)は、生体液を約2,000~3,000rcfで遠心分離することを含む。特定の例示的な実施形態では、(a)は、生体液を約2,500rcfで遠心分離することを含む。
【0015】
特定の例示的な実施形態では、ステップ(a)を1~3回繰り返す。
【0016】
特定の例示的な実施形態では、(b)は、第1の遠心分離とそれに続く第2の遠心分離を含む。特定の例示的な実施形態では、第1の遠心分離は、残りの生体液を約13,500~15,500rcfで約45~75分間遠心分離することを含む。特定の例示的な実施形態では、第1の遠心分離は、残りの生体液を約14,500rcfで約60分間遠心分離することを含む。特定の例示的な実施形態では、第2の遠心分離は、第1の遠心分離後に残った生体液に対して行われ、第2の遠心分離は、約24,800~26,800rcfで約45~75分間行われる。特定の例示的な実施形態では、第2の遠心分離は、第1の遠心分離後に残った生体液に対して行われ、第2の遠心分離は、約25,800rcfで約60分間行われる。特定の例示的な実施形態では、第2の遠心分離が1~3回繰り返され、各繰り返しは直前の遠心分離からの残りの生体液に対して行われる。
【0017】
特定の例示的な実施形態では、(d)は、連続して約0.45ミクロンフィルタ~約0.22ミクロンフィルタの範囲の直列した1つまたは複数のフィルタを通して残りの生体液を濾過することを含む。特定の例示的な実施形態では、(d)は、約0.45ミクロンフィルタを通して残りの生体液を濾過し、続いて約0.22ミクロンフィルタを通して残りの生体液を濾過することを含む。
【0018】
特定の例示的な実施形態では、(e)は、2つ以上の連続する超遠心分離ステップを含み、各ステップは前の超遠心分離からの残りの生体液に対して実行される。特定の例示的な実施形態では、(e)は、約45,000~55,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約65,000~75,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約90,000~110,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの組み合わせを含む。特定の例示的な実施形態では、(e)は、約50,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約70,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約100,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの組み合わせを含む。特定の例示的な実施形態では、1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数は、それぞれ約45~75分間実施される。特定の例示的な実施形態では、1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数は、それぞれ約60分間実施される。
【0019】
特定の例示的な実施形態では、(e)は、約115,000~145,000rcfで約90~150分間実施される最終超遠心ステップを含み、得られた流体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な溶液の好適な量に再懸濁される。特定の例示的な実施形態では、(e)は、約130,000rcfで約120分間実施される最終超遠心ステップを含み、得られた流体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な溶液の好適な量に再懸濁される。
【0020】
特定の例示的な実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、約250kDa~約750kDaの範囲のカットオフを有する限外濾過膜を使用して行われる。特定の例示的な実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、250kDaの限外濾過膜を使用して行われる。
【0021】
特定の例示的な実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、毎分約5~15mLの流量で行われる。特定の例示的な実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、毎分約10mLの流量で行われる。
【0022】
特定の例示的な実施形態では、ステップ(g)において、残りの生体液の量がタンジェンシャルフローフィルトレーション前の開始体積の約10パーセントに達すると、保持液が好適な緩衝液でダイアフィルトレーションされる。
【0023】
特定の例示的な実施形態では、本方法は、保持液が開始ダイアフィルトレーション量の約20パーセントに達した場合、保持液を超遠心分離するステップをさらに含む。特定の例示的な実施形態では、超遠心分離は、摂氏約4度で、約115,000~145,000rcfで約90~150分間行われる。特定の例示的な実施形態では、超遠心分離は、摂氏約4度で、約130,000rcfで約120分間行われる。
【0024】
特定の例示的な実施形態では、本方法は、保持液が開始ダイアフィルトレーション量の約20パーセントに達した場合に、保持液を超遠心分離するステップを含まない。特定の例示的な実施形態では、保持液が開始ダイアフィルトレーション量の約20パーセントに達した後、かつカラム分離前に、保持液は-80℃で保存される。
【0025】
特定の例示的な実施形態では、本方法は、乳の開始量の少なくとも7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、または少なくとも20パーセントであるエクソソーム濃縮物を生成する。
【0026】
特定の例示的な実施形態では、本方法は、先行請求項のいずれか一項に記載の方法から得られる製剤のエクソソームに、1つまたは複数のカーゴを搭載することをさらに含む。
【0027】
本明細書のある例示的な実施形態では、製剤、場合によっては医薬製剤が記載され、製剤は、本明細書に記載の方法によって少なくとも部分的にまたは全体が製造される。特定の例示的な実施形態では、1つまたは複数のエクソソームに1つまたは複数のカーゴが装填される。
【0028】
本明細書のある例示的な実施形態では、エクソソームを含む製剤、及び/または本明細書に記載のエクソソーム単離方法によって製造される製剤などの本明細書に記載の製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む方法が記載される。特定の例示的な実施形態では、1つまたは複数のカーゴは治療用カーゴである。
【0029】
これら及び例示的な実施形態の他の態様、目的、特徴、及び利点は、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することで当業者に明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の特徴及び長所の理解は、図解実施形態を明らかにする以下の詳細な記述を参照することによって得られ、その中で、発明の原理が利用され得、以下の図面が付随する。
図1】乳からエクソソームを単離する超遠心分離ベースの方法の一実施形態におけるステップの概要。
図2】乳からエクソソームを単離するタンジェンシャルフローフィルトレーションベースの方法の一実施形態におけるステップの概要。
図3】A~Eは、エクソソーム精製のための超遠心分離に基づくプロトコルの実施形態。図3Aは、このSEC濾過ステップ中に収集された連続的なナノドロップ画分であり、タンパク質濃度がmg/mlでy軸に示されている。図3Bは、エクソソームマーカーCD-81、CD-9及びシンテニン、並びに非エクソソームマーカーカゼイン、Arf6(微小胞マーカー)及びカルネキシン(細胞膜マーカー)のウェスタンブロット。ピークのエクソソームSEC画分は画分8と9の間に発生。カゼインを含む夾雑タンパク質が画分12以降で優勢になる。HeLa細胞からのライセートが比較対照として含まれる。図3Cは、エクソソーム分離株のNanosight Tracker分析データ。図3Dは、最終的なエクソソーム分離株及び(図3E)カゼイン分離株のネガティブ染色電子顕微鏡観察。図3Dは、最終的なエクソソーム分離株及び(図3E)カゼイン分離株のネガティブ染色電子顕微鏡観察。
図4】A~Dは、TFFに基づくプロトコルの分析の概要。図4Aは、最適化されたTFF-UCプロトコルから得られるナノドロップは、関連するエクソソーム及びタンパク質画分を示す。図4Bは、エクソソームマーカーCD-81、CD-9及びシンテニン、並びに干渉タンパク質マーカーカゼイン、微小胞マーカーArf6及びカルネキシンのウェスタンブロット分析。これらの結果は、タンパク質または微小胞を妨害することなく、高純度のエクソソームであることを示している。(図4C)エクソソーム分離株のNanosight Tracker分析データ。NTA分析で示される濃度(図4D)ピークSEC画分におけるエクソソームの超高密度蓄積及び(図4D)ピークタンパク質画分における高レベルのカゼインマクロ構造を示す、最終分離株のネガティブ染色電子顕微鏡検査
図5】分離された乳エクソソームへのカルセインの取り込み。TFFベースの方法で生成されたSEC画分を含むピークエクソソームをHepes緩衝液で1:10に希釈した。画像は、Calcein-AMでの1、2、3、及び4時間のインキュベーションによる取り込みを示している。色素の取り込みは、細胞外小胞がエステラーゼ活性を含み、脱エステル化されたカルセイン分子を保持できることを示唆している。
図6】乳エクソソームの単離を示す代表的な写真及びTEM画像。左上の写真画像は乳の開始量(1L)を示し、左下の写真画像はTFFベースのエクソソーム単離によって取得されたエクソソーム濃縮物の典型的な単離後の体積約125mLを示している。右のTEM画像は、TFFで単離されたエクソソームの代表的な高倍率画像を示している。挿入されたTEM画像は、標準エクソソームの高倍率を示している。代表的なTEM画像はSEC後であり、エクソソームには図4Aの画分番号8.5が含まれている。
図7】A及びBは、超遠心分離プロトコル中のエクソソームの損失の概要。UCプロトコル中に大量のエクソソームが失われるため、UCスピンの削減と手順にTFFを組み込む必要性を強調している。図7Aは、SECで分離した100,000rcfペレットのヒストグラムを示し、下にピーク画分8.0~9.0のネガティブ染色されたEM画像を示す。図7Bは、SECで分離した70,000rcfペレットのヒストグラムを示し、下にピーク画分8.0~9.0のネガティブ染色されたEM画像を示す。
図8】130,000RCFスピン後の超遠心分離プロトコル中のエクソソームの損失の概要。UCプロトコルの終了時には多数のエクソソームが上清中に残されており、効率を最適化するために干渉タンパク質のTFF削減の必要性を強調している。
図9】A~Dは、エクソソーム試料に対する温度支援キレート化の様々な側面の影響。生の「ゴールドスタンダード」従来のUC単離エクソソームインサートは、高いカゼインミセル構造を示す。図9Bは、SECまたはTFF濾過のいずれかを利用しないEDTA処理と組み合わせた完全な「ゴールドスタンダード」の従来の単離。図9Cは、37℃で1時間、EDTA処理を行わずにSEC濾過を行った本開示の改変UCプロトコルによる結果。図9Dは、室温(20℃)で30mM EDTAで処理し、SEC濾過した本開示の改変UCプロトコルの結果。
図10】37℃での10~100mM EDTA処理では、全体的なエクソソームの損失だけでなく、ブラックボックスで示すようにエクソソームの超微細構造への損傷が発生し、エクソソーム単離の効率も低下する。
図11A】超遠心分離法の実施形態によるヒト母乳からのエクソソームの単離。各画分におけるエクソソームまたはタンパク質の濃度(x軸)をmg/mL(y軸)で示すグラフを示す。
図11B】超遠心分離法の実施形態によるヒト母乳からのエクソソームの単離。エクソソーム分離株のNanosight Tracker分析データを示す。
図11C】超遠心分離法の実施形態によるヒト母乳からのエクソソームの単離。単離されたエクソソームの高倍率TEM画像(図11C)及び様々なエクソソーム画分の代表的なTEM画像(図11D)を示す。
図11D】超遠心分離法の実施形態によるヒト母乳からのエクソソームの単離。単離されたエクソソームの高倍率TEM画像(図11C)及び様々なエクソソーム画分の代表的なTEM画像(図11D)を示す。
図12】単離されたエクソソームに対するSEC後の保存の影響を示す代表的なTEM画像。保存条件はTEM画像の下に指定されている
図13】A及びBは、SEC前に保存した後の単離されたエクソソームの代表的なTEM画像である。図13Aは、-80℃で保存していない新鮮な単離エクソソームを示す。図13Bは、TFF後及びSEC前-80℃でSEC処理前に6か月間保存された単離エクソソームを示す。
【0031】
ここでの図は説明のみを目的としており、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示を詳細に説明する前に、本開示は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、言うまでもなく、変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語が特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定するようには意図されていないことも理解されたい。
【0033】
他に定義されない限り、本明細書中で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法及び物質と同様もしくは同等の任意の方法及び物質を本開示の実践または試験において使用することもできるが、好ましい方法及び物質は、これから説明される。
【0034】
本明細書で引用されるすべての刊行物及び特許は、それらの刊行物が引用される方法及び/または材料を開示及び説明するためである。係るすべての刊行物及び特許は、各個別の刊行物または特許が、参照することにより具体的かつ個別に組み込まれるように、参照することにより本明細書に組み込まれる。係る参照による組み込みは、引用された刊行物及び特許に記載されている方法及び/または材料に明示的に限定され、引用された刊行物及び特許の辞書編集上の定義には拡張されない。引用した刊行物及び特許における辞書編集上の定義で、本出願において明示的に繰り返していないものは、そのように取り扱われるべきではなく、添付の特許請求の範囲に登場する用語を定義するものとして読まれるべきではない。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示に対するものであり、本開示の範囲が先行開示のためにそのような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈すべきではない。さらに、提供される出版物の日付は、実際の出版日とは異なる場合があり、別々に確認する必要があり得る。
【0035】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載及び例示される個々の実施形態のそれぞれは、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に切り離されるか、または組み合わされ得る別個の成分及び特徴を有する。任意の列挙される方法は、列挙される事象の順で、または論理的に可能な任意の他の順序で行うことができる。
【0036】
範囲が表される場合、さらなる態様は、該1つの特定の値から、及び/または該他の特定の値までを含む。値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、下限値の単位の10分の1までの、その範囲の上限値から下限値の間の各介在値、並びにその表示範囲の任意の他の表示値または介在値が、本開示に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値及び下限値は、より小さい範囲内に独立して含まれてもよく、表示範囲内の任意の具体的に除外された値に従って本発明内にも包含される。表示範囲が1つまたは両方の限界値を含む場合、それらの含まれる限定値の片方または両方を除外する範囲もまた、本開示に含まれる。例えば、表示範囲が1つまたは両方の限界値を含む場合、それらの含まれる限定値の片方または両方を除外する範囲もまた、本開示に含まれ、例えば、「x~y」という表現は、「x」~「y」の範囲、及び「x」超と「y」未満を含む。本範囲は、例えば、「約x、y、z、またはそれ以下」などの上限として表すこともでき、「約x」、「約y」、及び「約z」の特定の範囲、並びに「x未満」、「y未満」、及び「z未満」の範囲も含むと解釈されるべきである。同様に、「約x、y、z、またはそれ以上」という表現は、「約x」、「約y」、及び「約z」の特定の範囲、並びに「xよりも大きい」、「yより大きい」、及び「zより大きい」の範囲も含むと解釈されるべきである。また、「x」及び「y」は数値である「約「x」~「y」」という表現は、「約「x」~約「y」」を含む。
【0037】
比率、濃度、量、及び他の数値データは、本明細書では範囲形式で表現され得ることに留意されたい。範囲のそれぞれの終点が、他の終点と関連してだけではなく、他の終点とは無関係でも、意味を表わすことが、更に理解されることになる。また、本明細書に開示されているいくつかの値があり、各々の値は、値自体に加えてその特定の値の「約(about)」としても本明細書に開示されているということが理解される。例えば、「10」という値が開示されている場合、「約10」も開示される。本明細書では、範囲は、「約(about)」である1つの特定の値から、及び/または「約(about)」である別の特定の値までのものとして表すことができる。同様に、先行の「約(about)」を使用して値が近似値として表される場合、特定の値がさらなる態様を形成することが理解される。例えば、「約10」という値が開示されている場合、「10」も開示される。
【0038】
係る範囲形式が便宜上、及び簡略に使用され、したがって、範囲の制限として明示的に記載された数値のみを含むのではなく、あたかも各数値及び部分的な範囲が明示的に指定されるかのように、その範囲内に包含されたすべての個々の数値または部分的な範囲も含むと柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例示すると、「約0.1%~5%」という数値範囲は、明示的に記載された約0.1%~約5%の値だけでなく、示された範囲内の個々の値(例えば、約1%、約2%、約3%、及び約4%)及び部分範囲(例えば、約0.5%~約1.1%、約5%~約2.4%、約0.5%~約3.2%、及び約0.5%~約4.4%、及びその他の可能なサブ範囲)も含むものと解釈されるべきである。
一般的な定義
【0039】
他に定義されない限り、本明細書中で使用する技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。分子生物学における一般的な用語と技術の定義は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd edition(1989)(Sambrook,Fritsch,and Maniatis);Molecular Cloning:A Laboratory Manual,4th edition(2012)(Green and Sambrook);Current Protocols in Molecular Biology (1987)(F.M.Ausubel et al.eds.);the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(1995)(M.J.MacPherson,B.D.Hames,and G.R.Taylor eds.):Antibodies,A Laboratory Manual(1988)(Harlow and Lane,eds.):Antibodies A Laboratory Manual,2nd edition 2013(E.A.Greenfield ed.);Animal Cell Culture(1987)(R.I.Freshney,ed.);Benjamin Lewin,Genes IX,published by Jones and Bartlet,2008(ISBN 0763752223);Kendrew et al.(eds.),The Encyclopedia of Molecular Biology,published by Blackwell Science Ltd.,1994(ISBN 0632021829);Robert A.Meyers(ed.),Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,published by VCH Publishers,Inc.,1995(ISBN 9780471185710);Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2nd ed.,J.Wiley&Sons(New York,N.Y.1994),March,Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure 4thed.,John Wiley & Sons (New York,N.Y.1992);及びMarten H.Hofker and Jan van Deursen,Transgenic Mouse Methods and Protocols,2ndedition(2011)に見出され得る。
【0040】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「ある、1つの(a:不定冠詞)」、「ある、1つの(an:不定冠詞)」及び「この、その(the:定冠詞)」という単数形には、単数及び複数両方の言及物が含まれる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「約」、「およそ」、「実質的に」等は、パラメータ、量、時間的持続時間等の測定可能な変数に関連して使用される場合、以下の変化を包含することを意味する。及び実験誤差内の値を含む特定の値から(これは、例えば所与のデータセット、当該技術分野で認められた標準によって、及び/または例えば所与の信頼区間(例えば平均からの90%、95%、またはそれ以上の信頼区間)を用いて決定することができる)指定された値からの+/-10%以下、+/-5%以下、+/-1%以下、及び+/-0.1%以下の変動など、そのような変動が適切である限り、開示された発明を実行する。本明細書で使用される場合、「約」、「およそ」、「または約」、及び「実質的に」という用語は、問題の量または値が、本明細書の特許請求の範囲に記載されるまたは教示されるものと同等の結果または効果をもたらす正確な値、またはある値であり得ることを意味し得る。つまり、量、サイズ、配合、パラメータ、及びその他の量と特性は正確ではなく、またその必要もないが、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、及び同等の結果または効果が得られるような当業者に知られている他の要因を反映して、必要に応じて近似値及び/またはそれより大きくまたは小さくてもよいことが理解される。状況によっては、同等の結果または効果をもたらす値を合理的に決定できない場合がある。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、または他の量もしくは特徴は、そのように明示的に述べられているか否かにかかわらず、「約」、「およそ」、または「ほぼ」である。「約」、「およそ」、または「または約」が定量値の前に使用される場合、特に明記しない限り、パラメータには特定の定量値自体も含まれることが理解される。
【0042】
本明細書で使用される場合、「任意選択」または「任意選択に」という用語は、後に記載される事象または状況が発生する場合と発生しない場合があり、説明には当該の事象または状況が発生する場合と発生しない場合が含まれることを意味する。
【0043】
端点による数値範囲の記載には、記載された端点だけでなく、それぞれの範囲内に包含されるすべての数値及び分数が含まれる。
【0044】
本明細書で使用される場合、「生体試料」は、全細胞及び/または生細胞及び/または細胞破片を含み得る。生体試料には「生体液」が含まれ得る(または生体液に由来し得る)。本発明は、生体液が羊水、房水、硝子生体液、胆汁、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳び、糜粥、内リンパ、外リンパ、滲出液、糞便、女性精液、胃酸、胃液、リンパ、粘液(鼻水、痰を含む)、心嚢液、腹膜液、胸水、膿、ダイオウ、唾液、皮脂(皮膚油)、精液、喀痰、滑液、汗、涙、尿、膣分泌物、嘔吐物、及びそれらの1つ以上の混合物から選択される実施形態を包含する。生体試料には、細胞培養物、生体液、生体液からの細胞培養物を含む。生体液は、例えば穿刺、または他の収集またはサンプリング手順によって哺乳動物から得ることができる。
【0045】
「対象」、「個体」、または「患者」は本明細書では同義に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトを指す。哺乳類としては、マウス、サル、ヒト、家畜、狩猟動物、及び愛玩動物が挙げられるが、これらに限定されない。インビボで得られたまたはインビトロで培養された生物学的実体の組織、細胞、及びそれらの後代もまた包含される。
【0046】
以下、様々な実施形態について説明する。特定の実施形態は、網羅的な説明または本明細書で論じるより広範な態様への限定を意図したものではないことに留意されたい。特定の実施形態に関連して説明される一態様は、必ずしもその実施形態に限定されるわけではなく、他の任意の実施形態でも実施することができる。本明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的実施形態(an example embodiment)」への言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本明細書全体の多様な場所で「一実施形態では」、「ある実施形態では」または「例示的実施形態では」という句の出現は、必ずしも全て同じ態様を言及しているわけではないが、そうである場合もある。さらに、特定の特徴、構造、または特色は、1つまたは複数の実施形態における、本開示から当業者には明らかであろう任意の好適な方法で組み合わせることができる。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、他の特徴は含まないが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは本発明の範囲内にあることを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲では、請求された実施形態のいずれも任意の組み合わせで使用することができる。
【0047】
この本明細書に記載される全ての刊行物、公告された特許書類、及び特許出願は、各個別の刊行物、公告された特許書類、または特許出願が、明確かつ個別に参照により組み込まれることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
概要
【0048】
エクソソームは、細胞によって放出される膜結合ナノ小胞であり、長距離細胞間シグナル伝達の進化的に保存された機構として機能する(Boulanger、2017)。ヒト及び他の哺乳類では、エクソソームはほぼすべての細胞型によって細胞外環境に分泌され、血液、リンパ、尿、乳を含むほとんどの生体液に豊富に含まれている、小細胞外小胞である(Gyorgy,B.S.2011).Membrane vesicles,current state-of-the-art:emerging role of extracellular vesicles.Cellular and molecular life sciences,2667)。エクソソームは直径50~150nmと比較的均一で小さいサイズであり、CD81、CD9、シンテニンを含む多くのタンパク質の優先的な発現を示すが、カルネキシンなどの他のタンパク質では示さない(Vlassov,A.M.(2012).Exosomes:Current knowledge of their composition,biological functions,and diagnostic and therapeutic potentials.BBA-General Subjects,940-947)。そうは言っても、エクソソームの構成要素は、それらが分泌される細胞の種類及び/または生理学的状態を反映して、大幅に変化する可能性がある(Blaser MC,A.E.(2018).Roles and Regulation of Extracellular Vesicles in Cardiovascular Mineral Metabolism.Front Cardiovasc Med.)。エクソソームカーゴには、脂質、タンパク質、及びヌクレオチド配列(例えば、マイクロRNA)が含まれ、これらは内部にカプセル化されるか、受容体や小胞膜上の接着分子などの外部部分として存在する可能性がある(Rana,S.Z.(2011).Exosome target cell selection and the importance of exosomal tetraspanins:a hypothesis.Biochem Soc Trans,559-562)。インビボで生体シグナル伝達分子を輸送及び保護するエクソソームの能力は、薬物送達プラットフォームとして利用できることが明らかになり、製薬業界の注目を集めている。この魅力は、皮膚バリアなどの組織境界を通過する特定のエクソソーム集団の独特の能力によってさらに強化される(Carrasco E,S.-H.G.(2019).The role of extracellular vesicles in Cutaneous Remodeling and Hair Follicle Dynamics.Int J Mol Sci,2758),blood-brain-barrier(Yang T,M.P.(2015).Exosome delivered anticancer drugs across the blood-brain barrier for brain cancer therapy in Danio rerio.Pharm Res,2003-2014),and gut-blood barrier(Vashisht M,R.P.(2017).Curcumin encapsulated in milk exosomes resists human digestion and possesses enhanced intestinal permeability in vitro.Applied Biochem Biotechnol,993-1007)。エクソソームはまた、免疫監視を逃れているようであり、個体間及び種間で自家的に導入された場合でも免疫学的に良好な忍容性を示すことが報告されている(Antes TJ,M.R.(2018).Targeting extracellular vesicles to injured tissue using membrane cloaking and surface display.J Nanobiotechnology)-薬物送達の安全性を向上させるための新しい手段として臨床に応用できる可能性への関心がさらに高まっている。
【0049】
生体液からエクソソームを分離する方法は数多くあるが、現在の「ゴールドスタンダード」技術は超遠心分離(UC)に基づいている。これらの方法には通常、分画遠心分離ステップ及び/または密度勾配UCベースの分離を含む。ただし、エクソソームを大量に生成する能力は、複数のUCステップが必要であることと、UCが少量しかスピンできないという事実によって制限される。さらに、繰り返しのUCスピン中に加えられるせん断力が、エクソソームの構造的完全性に悪影響を与える可能性があることも残されている(Taylor DD,S.S.(2015).Methods of isolating extracellular vesicles impact down-stream analyses of their cargoes.Methods,3-10)。エクソソーム単離中に物理的厳密性がそれほど高くない他の技術としては、限外濾過、タンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、及びポリエチレングリコール沈殿ベースの方法が挙げられる。それぞれの使用法は十分に文書化されており、大多数のグループは1つの単独の方法ではなく、これらのアプローチを組み合わせて使用している(Pin Li,M.K.(2017).Progress in exosome isolation techniques.Theranostics,789-804;Escudier.(2005).Vaccination of metastatic melanoma patients with autologous dendritic cell derived exosomes:results of the first phase I clinical trial.J transl.med,1-13;Rood.(2010).Comparison of three methods for isolation of urinary microvesicles to identify biomarkers of nephrotic syndrome.Kidney Int,810-816; and An M.,W.J.(2018).Comparison of an optimized ultracentrifugation method versus size-exclusion chromatography for isolation of exosomes from human serum.J Proteome Res,3599-3605)。
【0050】
したがって、エクソソームの臨床的及び実際的な使用に対する明らかな制限は、特に大量の場合の費用対効果の高い精製方法が存在することと、改善されたエクソソーム単離方法、特に工業規模のエクソソーム調製に拡張できる方法の必要性が存在することである。
【0051】
そうは言っても、本明細書に開示される実施形態は、エクソソームの大規模な収量を提供できる、エクソソーム、特に乳エクソソームの単離及び/または精製の方法及び技術を提供することができる。本開示の他の組成物、化合物、方法、特徴、及び/または利点は、以下の図面及び発明を実施するための形態、及び実施例を検討することにより当業者に明らかになるであろう。このような追加の組成物、化合物、方法、特徴、及び利点のすべてがこの説明に含まれ、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0052】
エクソソームの単離方法
近年、哺乳類の乳にはエクソソームが豊富に含まれており、これらの小さな細胞外小胞の大規模生産源となる可能性があることが認識されるようになった。ウシ乳は乳業によって大量に生産され、広く消費されており、一般に人間の免疫学的耐容性が良い。さらに、乳エクソソームは腸から血液循環に入り、脳、心臓、腸、肺などの様々な臓器に移動することが報告されてい(Wolf T,B.S.(2015).The intestinal transport of bovine milk exosomes is mediated by endocytosis in human colon carcinoma Caco-2 cells and rat small intestinal IEC-6 cells.J Nutr,2201-2206)、これらは、カーゴ(治療薬を含むがこれに限定されない)を搭載したエクソソームの経口投与の基礎を提供できる特性である。そうは言っても、乳にはタンパク質、ミネラル、脂質、その他の高分子の多様な混合物が含まれている。乳成分の複雑さにより、これらの細胞外小胞の精製に大きな課題が生じる。カゼインタンパク質は乳の主要成分であり、全乳タンパク質の約80%を占める。カゼインは、リン酸カルシウム及び他の乳タンパク質と大きなコロイド複合体に凝集して、カゼインミセルと呼ばれるものを形成する。これらのミセルは直径約10nmであり、さらに合体してより大きな凝固構造を形成することができる(Bhat,M.T.(2016).Casein Proteins:structural and functional aspects.Intech)。カゼインミセル凝集体は、静水圧相互作用を介してエクソソームに結合し、捕らえられ、汚染された乳タンパク質からの分離を妨げると考えられている;乳由来エクソソーム調製物の透過型電子顕微鏡(TEM)分析によって確認された観察結果(Sedykh SE、B.E.(2020).Milk Exosomes:Isolation,Biochemistry,Morphology,and Perspectives of Use.In C.J.De Bona A.G.,Extracellular Vesicles and their importance in human health.Intech Open)。その結果、乳から高純度のエクソソームを単離する現在の方法は、カゼインなどの混在タンパク質によって制限される。本明細書のいくつかの実施形態では、乳タンパク質から構造的及び機能的に無傷のエクソソームを高収率で分離する、特定の温度でのCa2+及び他の二価カチオンのキレート化を組み込むことを含む方法が記載される。いくつかの実施形態では、カゼインミセル可溶化ステップは、エクソソーム単離のためのUCベース及び/またはTFF及びSEC濾過ステップを伴う方法に含めることができ、それによって、乳から精製された高品質エクソソームの大規模生産の基礎が提供される。
【0053】
特定の例示的な実施形態では、生体液からエクソソームを単離する方法が記載されており、(a)生体液の1つまたは複数の他の成分から脂肪を分離するのに好適な条件下で生体液を遠心分離するステップと、(b)分離した脂肪を生体液から除去するステップと、(c)ステップ(b)の後、残りの生体液を1回以上遠心分離し、ステップ(c)の各遠心分離後に顕著に分離した脂肪をスキミングするステップと、(d)ステップ(c)の後に残りの生体液を濾過するステップと、(e)任意選択で、(d)の後に1回以上の超遠心分離ステップを実行するステップと、(f)(d)または場合により(e)の後に、同等のキレート化濃度で、摂氏約30~42度で、場合により約15~120分間、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び/または1,2-ビス(o-アミノフェノキシ)エタン-N,N,N′,N′-テトラ酢酸(BAPTA)、エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N′,N′-テトラ酢酸(EGTA)、クエン酸ナトリウム、及びニトロフェンを含むが、これらに限定されない他のキレート剤により二価カチオンをキレートするステップと、(g)(f)の後、任意にタンジェンシャルフローフィルトレーションを行って保持液を得るステップであって、保持液は任意選択で1つまたは複数の超遠心分離ステップによって超遠心分離されるか、または、-80℃で保存され、任意選択で保持液が超遠心分離、または-80℃で保存された後に、任意選択でカラム分離によって保持液を分別するステップと、を含み、本方法は、ステップ(e)またはステップ(g)を含むが両方ではない。例えば、図1~2を参照のこと。
【0054】
いくつかの実施形態では、イオン濃度を低下させる方法において透析を使用することができる。いくつかの実施形態では、キレート剤は二価カチオンキレート剤である。いくつかの実施形態では、キレート剤はEDTA及び/または他のキレート剤であり、限定されないが、等価のキレート化濃度で含まれるBAPDTA、EGTA、クエン酸ナトリウム、ニトロフェンが挙げられる。いくつかの実施形態では、キレート剤の濃度は、約10mM~約100mMの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、キレート剤はEDTAであり、約30mMで存在する。いくつかの実施形態では、二価カチオンキレート化は、摂氏約37度で生じる。いくつかの実施形態では、二価カチオンキレート化は、摂氏約37度で生じ、約60分間実行される。
【0055】
特定の実施例では、実施形態は、生体液からエクソソームを単離する方法であり、(a)生体液の1つまたは複数の他の成分から脂肪を分離するのに好適な条件下で生体液を遠心分離するステップと、(b)分離した脂肪を生体液から除去するステップと、(c)ステップ(b)の後、残りの生体液を1回以上遠心分離し、ステップ(c)の各遠心分離後に顕著に分離した脂肪をスキミングするステップと、(d)ステップ(c)の後に残りの生体液を濾過するステップと、(e)任意選択で、(d)の後に1回以上の超遠心分離ステップを実行するステップと、(f)(d)または場合により(e)の後に、場合により約15~120分間、摂氏約30~42度、約30mMでのEDTAを用いて二価カチオンをキレートするステップと、(g)(f)の後、任意にタンジェンシャルフローフィルトレーションを行って保持液を得るステップであって、保持液は任意選択で1つまたは複数の超遠心分離ステップによって超遠心分離されるか、または、-80℃で保存され、任意選択で保持液が超遠心分離、または-80℃で保存された後に、任意選択でカラム分離によって保持液を分別するステップと、を含み、本方法は、ステップ(e)またはステップ(g)を含むが両方ではない。
【0056】
特定の実施例では、実施形態は、生体液からエクソソームを単離する方法であり、(a)生体液の1つまたは複数の他の成分から脂肪を分離するのに好適な条件下で生体液を遠心分離するステップと、(b)分離した脂肪を生体液から除去するステップと、(c)ステップ(b)の後、残りの生体液を1回以上遠心分離し、ステップ(c)の各遠心分離後に顕著に分離した脂肪をスキミングするステップと、(d)ステップ(c)の後に残りの生体液を濾過するステップと、(e)任意選択で、(d)の後に1回以上の超遠心分離ステップを実行するステップと、(f)(d)または場合により(e)の後に、場合により約60分間、摂氏約37度、約30mMでのEDTAを用いて二価カチオンをキレートするステップと、(g)(f)の後、任意にタンジェンシャルフローフィルトレーションを行って保持液を得るステップであって、保持液は任意選択で1つまたは複数の超遠心分離ステップによって超遠心分離されるか、または、-80℃で保存され、任意選択で保持液が超遠心分離、または-80℃で保存された後に、任意選択でカラム分離によって保持液を分別するステップと、を含み、本方法は、ステップ(e)またはステップ(g)を含むが両方ではない。
【0057】
いくつかの実施形態では、(f)は約30℃、30.5℃、31℃、31.5℃、32℃、32.5℃、33℃、33.5℃、34℃、34.5℃、35℃、35.5℃、36℃、36.5℃、37℃、37.5℃、38℃、38.5℃、39℃、39.5℃、40℃、40.5℃、41℃、41.5℃、または約42℃で実行される。
【0058】
いくつかの実施形態では、(f)は、約5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分、30分、31分、32分、33分、34分、35分、36分、37分、38分、39分、40分、41分、42分、43分、44分、45分、46分、47分、48分、49分、50分、51分、52分、53分、54分、55分、56分、57分、58分、59分、60分、61分、62分、63分、64分、65分、66分、67分、68分、69分、70分、71分、72分、73分、74分、75分、76分、77分、78分、79分、80分、81分、82分、83分、84分、85分、86分、87分、88分、89分、90分、91分、92分、93分、94分、95分、96分、97分、98分、99分、100分、101分、102分、103分、104分、105分、106分、107分、108分、109分、110分、111分、112分、113分、114分、115分、116分、117分、118分、119分、120分、121分、122分、123分、124分、125分、126分、127分、128分、129分、130分、131分、132分、133分、134分、135分、136分、137分、138分、139分、140分、141分、142分、143分、144分、145分、146分、147分、148分、149分、150分、151分、152分、153分、154分、155分、156分、157分、158分、159分、160分、161分、162分、163分、164分、165分、166分、167分、168分、169分、170分、171分、172分、173分、174分、175分、176分、177分、178分、179分、または約180分間まで実行される。
【0059】
いくつかの実施形態では、EDTA、BAPDTA、EGTA、クエン酸ナトリウム、ニトロペン及び/または同様のものなどのキレート剤の濃度は、約0mM、10.5mM、11mM、11.5mM、12mM、12.5mM、13mM、13.5mM、14mM、14.5mM、15mM、15.5mM、16mM、16.5mM、17mM、17.5mM、18mM、18.5mM、19mM、19.5mM、20mM、20.5mM、21mM、21.5mM、22mM、22.5mM、23mM、23.5mM、24mM、24.5mM、25mM、25.5mM、26mM、26.5mM、27mM、27.5mM、28mM、28.5mM、29mM、29.5mM、30mM、30.5mM、31mM、31.5mM、32mM、32.5mM、33mM、33.5mM、34mM、34.5mM、35mM、35.5mM、36mM、36.5mM、37mM、37.5mM、38mM、38.5mM、39mM、39.5mM、40mM、40.5mM、41mM、41.5mM、42mM、42.5mM、43mM、43.5mM、44mM、44.5mM、45mM、45.5mM、46mM、46.5mM、47mM、47.5mM、48mM、48.5mM、49mM、49.5mM、50mM、50.5mM、51mM、51.5mM、52mM、52.5mM、53mM、53.5mM、54mM、54.5mM、55mM、55.5mM、56mM、56.5mM、57mM、57.5mM、58mM、58.5mM、59mM、59.5mM、60mM、60.5mM、61mM、61.5mM、62mM、62.5mM、63mM、63.5mM、64mM、64.5mM、65mM、65.5mM、66mM、66.5mM、67mM、67.5mM、68mM、68.5mM、69mM、69.5mM、70mM、70.5mM、71mM、71.5mM、72mM、72.5mM、73mM、73.5mM、74mM、74.5mM、75mM、75.5mM、76mM、76.5mM、77mM、77.5mM、78mM、78.5mM、79mM、79.5mM、80mM、80.5mM、81mM、81.5mM、82mM、82.5mM、83mM、83.5mM、84mM、84.5mM、85mM、85.5mM、86mM、86.5mM、87mM、87.5mM、88mM、88.5mM、89mM、89.5mM、90mM、90.5mM、91mM、91.5mM、92mM、92.5mM、93mM、93.5mM、94mM、94.5mM、95mM、95.5mM、96mM、96.5mM、97mM、97.5mM、98mM、98.5mM、99mM、99.5mM、まで/または約100mMである。
【0060】
特定の例示的な実施形態では、生体液はカゼインを含有する。特定の例示的な実施形態では、生体液は哺乳動物の乳である。特定の例示的な実施形態では、生体液は低温殺菌されていない。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳は低温殺菌されていない。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳は低温殺菌されている。いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳は、ウシ乳、ヒツジ乳、ブタ乳、ラクダ乳、ウマ乳、キャプラ乳、ヒト乳及び/または同様のものである。
【0061】
特定の例示的な実施形態では、ステップ(a)及び(b)を合わせて1~5回繰り返す。いくつかの実施形態では、ステップ(a)及び(b)を合わせて1、2、3、4または5回繰り返す。
【0062】
特定の例示的な実施形態では、ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)、またはそれらの任意の組み合わせは、摂氏4度または約4度で実行される。
【0063】
特定の例示的な実施形態では、(a)は、生体液を約2,500rcfで遠心分離することを含む。特定の例示的な実施形態では、(a)は、生体液を約2,000~3,000rcfで遠心分離することを含む。特定の例示的な実施形態では、(a)は、生体液を約2000rcf、2010rcf、2020rcf、2030rcf、2040rcf、2050rcf、2060rcf、2070rcf、2080rcf、2090rcf、2100rcf、2110rcf、2120rcf、2130rcf、2140rcf、2150rcf、2160rcf、2170rcf、2180rcf、2190rcf、2200rcf、2210rcf、2220rcf、2230rcf、2240rcf、2250rcf、2260rcf、2270rcf、2280rcf、2290rcf、2300rcf、2310rcf、2320rcf、2330rcf、2340rcf、2350rcf、2360rcf、2370rcf、2380rcf、2390rcf、2400rcf、2410rcf、2420rcf、2430rcf、2440rcf、2450rcf、2460rcf、2470rcf、2480rcf、2490rcf、2500rcf、2510rcf、2520rcf、2530rcf、2540rcf、2550rcf、2560rcf、2570rcf、2580rcf、2590rcf、2600rcf、2610rcf、2620rcf、2630rcf、2640rcf、2650rcf、2660rcf、2670rcf、2680rcf、2690rcf、2700rcf、2710rcf、2720rcf、2730rcf、2740rcf、2750rcf、2760rcf、2770rcf、2780rcf、2790rcf、2800rcf、2810rcf、2820rcf、2830rcf、2840rcf、2850rcf、2860rcf、2870rcf、2880rcf、2890rcf、2900rcf、2910rcf、2920rcf、2930rcf、2940rcf、2950rcf、2960rcf、2970rcf、2980rcf、2990rcf、~/または約3000rcfで遠心分離することを含む。
【0064】
特定の例示的な実施形態では、ステップ(a)を1~3回繰り返す。いくつかの実施形態では、ステップ(a)を1~3回繰り返す。
【0065】
特定の例示的な実施形態では、(b)は、第1の遠心分離とそれに続く第2の遠心分離を含む。特定の例示的な実施形態では、第1の遠心分離は、残りの生体液を約14,500rcfで約60分間遠心分離することを含む。特定の例示的な実施形態では、第1の遠心分離は、残りの生体液を約13,500rcf~約15,500rcfで約45~75分間遠心分離することを含む。いくつかの実施形態では、第1の遠心分離は、残りの生体液を約13500rcf、13550rcf、13600rcf、13650rcf、13700rcf、13750rcf、13800rcf、13850rcf、13900rcf、13950rcf、14000rcf、14050rcf、14100rcf、14150rcf、14200rcf、14250rcf、14300rcf、14350rcf、14400rcf、14450rcf、14500rcf、14550rcf、14600rcf、14650rcf、14700rcf、14750rcf、14800rcf、14850rcf、14900rcf、14950rcf、15000rcf、15050rcf、15100rcf、15150rcf、15200rcf、15250rcf、15300rcf、15350rcf、15400rcf、15450rcf、または約15500rcfで約45分、46分、47分、48分、49分、50分、51分、52分、53分、54分、55分、56分、57分、58分、59分、60分、61分、62分、63分、64分分、65分、66分、67分、68分、69分、70分、71分、72分、73分、74分、または約75分間遠心分離することを含む。
【0066】
特定の例示的な実施形態では、第2の遠心分離は、第1の遠心分離後に残った生体液に対して行われ、第2の遠心分離は、約25,800rcfで約60分間行われる。特定の例示的な実施形態では、第2の遠心分離は、第1の遠心分離後に残った生体液に対して行われ、第2の遠心分離は、約24,800~約26,800rcfで約45~約75分間行われる。いくつかの実施形態では、第2の遠心分離は、第1の遠心分離後に残った生体液に対して行われ、第2の遠心分離は、約24800rcf、24850rcf、24900rcf、24950rcf、25000rcf、25050rcf、25100rcf、25150rcf、25200rcf、25250rcf、25300rcf、25350rcf、25400rcf、25450rcf、25500rcf、25550rcf、25600rcf、25650rcf、25700rcf、25750rcf、25800rcf、25850rcf、25900rcf、25950rcf、26000rcf、26050rcf、26100rcf、26150rcf、26200rcf、26250rcf、26300rcf、26350rcf、26400rcf、26450rcf、26500rcf、26550rcf、26600rcf、26650rcf、26700rcf、26750rcf、26800rcfで約45分、46分、47分、48分、49分、50分、51分、52分、53分、54分、55分、56分、57分、58分、59分、60分、61分、62分、63分、64分分、65分、66分、67分、68分、69分、70分、71分、72分、73分、74分、または約75分間行われる。
【0067】
特定の例示的な実施形態では、第2の遠心分離が1~3回繰り返され、各繰り返しは直前の遠心分離からの残りの生体液に対して行われる。特定の例示的な実施形態では、第2の遠心分離が1、2または3回繰り返され、各繰り返しは直前の遠心分離からの残りの生体液に対して行われる。
【0068】
特定の例示的な実施形態では、(d)は、約0.45ミクロンフィルタ~約0.22ミクロンフィルタの範囲の直列した1つまたは複数のフィルタを通して残りの生体液を濾過することを含む。いくつかの実施形態では、直列の各フィルタは、0.22ミクロン、0.23ミクロン、0.24ミクロン、0.25ミクロン、0.26ミクロン、0.27ミクロン、0.28ミクロン、0.29ミクロン、0.3ミクロン、0.31ミクロン、0.32ミクロン、0.33ミクロン、0.34ミクロン、0.35ミクロン、0.36ミクロン、0.37ミクロン、0.38ミクロン、0.39ミクロン、0.4ミクロン、0.41ミクロン、0.42ミクロン、0.43ミクロン、0.44ミクロン、または0.45ミクロンのフィルタから独立して選択される。いくつかの実施形態では、直列のフィルタの数は、1~10の範囲であり、例えば、直列の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のフィルタである。いくつかの実施形態では、直列のフィルタはすべて同じサイズでカットオフされる。いくつかの実施形態では、直列の少なくとも2つのフィルタは同じサイズのカットオフを有する。いくつかの実施形態では、直列の少なくとも2つのフィルタは異なるサイズのカットオフを有する。いくつかの実施形態では、直列の全てのフィルタが異なるサイズのカットオフを有する。いくつかの実施形態では、サイズ排除は、直列のフィルタに沿って大から小へと減少する。例えば、直列の3つのフィルタでは、第1のフィルタは0.45ミクロンのフィルタ、第2のフィルタは0.3ミクロンのフィルタ、最後のフィルタは0.22フィルタであり得る。直列フィルタの他の構成は、本明細書の説明を考慮すれば理解されるであろう。いくつかの実施形態では、直列のフィルタはすべて同じ材料である。いくつかの実施形態では、直列のフィルタはすべて異なる材料である。いくつかの実施形態では、直列の少なくとも2つのフィルタはすべて同じ材料である。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのフィルタは異なる材料でできている。例示的なフィルタとしては、膜フィルタ(例えば、ポリエーテルスルホン膜フィルタ、ポリフッ化ビニリデン膜フィルタ、セルロース膜フィルタ、混合セルロースエステル膜フィルタ、酢酸セルロース膜フィルタ、硝酸セルロース膜フィルタ、ポリアミド膜フィルタ、ポリカーボネート膜フィルタ、ポリテトラフルオロエチレン膜フィルタ、ポリプロピレン膜フィルタ、ニトロセルロース膜フィルタ及び/または同様のもの)、ガラス繊維またはビーズフィルタ及び/または同様のものなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
特定の例示的な実施形態では、(d)は、約0.45ミクロンフィルタを通して残りの生体液を濾過し、続いて約0.22ミクロンフィルタを通して残りの生体液を濾過することを含む。
【0070】
特定の例示的な実施形態では、(e)は、2つ以上の連続する超遠心分離ステップを含み、各ステップは前の超遠心分離からの残りの生体液に対して実行される。特定の例示的な実施形態では、(e)は、2~10(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)直列超遠心分離ステップを含み、各ステップは前の超遠心分離からの残りの生体液に対して実行される。特定の例示的な実施形態では、(e)は、約50,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約70,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約100,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの組み合わせを含む。特定の例示的な実施形態では、(e)は、約45,000~約55,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約65,000~約75,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約90,000~約110,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの組み合わせを含む。特定の例示的な実施形態では、(e)は、約45,000~約55,000rcf(例えば、約45000rcf、45100rcf、45200rcf、45300rcf、45400rcf、45500rcf、45600rcf、45700rcf、45800rcf、45900rcf、46000rcf、46100rcf、46200rcf、46300rcf、46400rcf、46500rcf、46600rcf、46700rcf、46800rcf、46900rcf、47000rcf、47100rcf、47200rcf、47300rcf、47400rcf、47500rcf、47600rcf、47700rcf、47800rcf、47900rcf、48000rcf、48100rcf、48200rcf、48300rcf、48400rcf、48500rcf、48600rcf、48700rcf、48800rcf、48900rcf、49000rcf、49100rcf、49200rcf、49300rcf、49400rcf、49500rcf、49600rcf、49700rcf、49800rcf、49900rcf、50000rcf、50100rcf、50200rcf、50300rcf、50400rcf、50500rcf、50600rcf、50700rcf、50800rcf、50900rcf、51000rcf、51100rcf、51200rcf、51300rcf、51400rcf、51500rcf、51600rcf、51700rcf、51800rcf、51900rcf、52000rcf、52100rcf、52200rcf、52300rcf、52400rcf、52500rcf、52600rcf、52700rcf、52800rcf、52900rcf、53000rcf、53100rcf、53200rcf、53300rcf、53400rcf、53500rcf、53600rcf、53700rcf、53800rcf、53900rcf、54000rcf、54100rcf、54200rcf、54300rcf、54400rcf、54500rcf、54600rcf、54700rcf、54800rcf、54900rcf、または約55000rcf)で行われる超遠心分離ステップ、約65,000~約75,000rcf(例えば、約65000rcf、65100rcf、65200rcf、65300rcf、65400rcf、65500rcf、65600rcf、65700rcf、65800rcf、65900rcf、66000rcf、66100rcf、66200rcf、66300rcf、66400rcf、66500rcf、66600rcf、66700rcf、66800rcf、66900rcf、67000rcf、67100rcf、67200rcf、67300rcf、67400rcf、67500rcf、67600rcf、67700rcf、67800rcf、67900rcf、68000rcf、68100rcf、68200rcf、68300rcf、68400rcf、68500rcf、68600rcf、68700rcf、68800rcf、68900rcf、69000rcf、69100rcf、69200rcf、69300rcf、69400rcf、69500rcf、69600rcf、69700rcf、69800rcf、69900rcf、70000rcf、70100rcf、70200rcf、70300rcf、70400rcf、70500rcf、70600rcf、70700rcf、70800rcf、70900rcf、71000rcf、71100rcf、71200rcf、71300rcf、71400rcf、71500rcf、71600rcf、71700rcf、71800rcf、71900rcf、72000rcf、72100rcf、72200rcf、72300rcf、72400rcf、72500rcf、72600rcf、72700rcf、72800rcf、72900rcf、73000rcf、73100rcf、73200rcf、73300rcf、73400rcf、73500rcf、73600rcf、73700rcf、73800rcf、73900rcf、74000rcf、74100rcf、74200rcf、74300rcf、74400rcf、74500rcf、74600rcf、74700rcf、74800rcf、74900rcf、または約75000rcf)で行われる超遠心分離ステップ、約90,000~約110,000rcf(例えば、90000rcf、90100rcf、90200rcf、90300rcf、90400rcf、90500rcf、90600rcf、90700rcf、90800rcf、90900rcf、91000rcf、91100rcf、91200rcf、91300rcf、91400rcf、91500rcf、91600rcf、91700rcf、91800rcf、91900rcf、92000rcf、92100rcf、92200rcf、92300rcf、92400rcf、92500rcf、92600rcf、92700rcf、92800rcf、92900rcf、93000rcf、93100rcf、93200rcf、93300rcf、93400rcf、93500rcf、93600rcf、93700rcf、93800rcf、93900rcf、94000rcf、94100rcf、94200rcf、94300rcf、94400rcf、94500rcf、94600rcf、94700rcf、94800rcf、94900rcf、95000rcf、95100rcf、95200rcf、95300rcf、95400rcf、95500rcf、95600rcf、95700rcf、95800rcf、95900rcf、96000rcf、96100rcf、96200rcf、96300rcf、96400rcf、96500rcf、96600rcf、96700rcf、96800rcf、96900rcf、97000rcf、97100rcf、97200rcf、97300rcf、97400rcf、97500rcf、97600rcf、97700rcf、97800rcf、97900rcf、98000rcf、98100rcf、98200rcf、98300rcf、98400rcf、98500rcf、98600rcf、98700rcf、98800rcf、98900rcf、99000rcf、99100rcf、99200rcf、99300rcf、99400rcf、99500rcf、99600rcf、99700rcf、99800rcf、99900rcf、100000rcf、100100rcf、100200rcf、100300rcf、100400rcf、100500rcf、100600rcf、100700rcf、100800rcf、100900rcf、101000rcf、101100rcf、101200rcf、101300rcf、101400rcf、101500rcf、101600rcf、101700rcf、101800rcf、101900rcf、102000rcf、102100rcf、102200rcf、102300rcf、102400rcf、102500rcf、102600rcf、102700rcf、102800rcf、102900rcf、103000rcf、103100rcf、103200rcf、103300rcf、103400rcf、103500rcf、103600rcf、103700rcf、103800rcf、103900rcf、104000rcf、104100rcf、104200rcf、104300rcf、104400rcf、104500rcf、104600rcf、104700rcf、104800rcf、104900rcf、105000rcf、105100rcf、105200rcf、105300rcf、105400rcf、105500rcf、105600rcf、105700rcf、105800rcf、105900rcf、106000rcf、106100rcf、106200rcf、106300rcf、106400rcf、106500rcf、106600rcf、106700rcf、106800rcf、106900rcf、107000rcf、107100rcf、107200rcf、107300rcf、107400rcf、107500rcf、107600rcf、107700rcf、107800rcf、107900rcf、108000rcf、108100rcf、108200rcf、108300rcf、108400rcf、108500rcf、108600rcf、108700rcf、108800rcf、108900rcf、109000rcf、109100rcf、109200rcf、109300rcf、109400rcf、109500rcf、109600rcf、109700rcf、109800rcf、109900rcf、または約110000rcf)で行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。特定の例示的な実施形態では、1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数は、それぞれ約60分間実施される。特定の例示的な実施形態では、1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数は、それぞれ約45~75分間実施される。特定の例示的な実施形態では、1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数は、それぞれ約45分、46分、47分、48分、49分、50分、51分、52分、53分、54分、55分、56分、57分、58分、59分、60分、61分、62分、63分、64分、65分、66分、67分、68分、69分、70分、71分、72分、73分、74分、または約75分間実施される。
【0071】
特定の例示的な実施形態では、(e)は、約130,000rcfで約130,000rcfで約120分間実施される最終超遠心ステップを含み、得られた流体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な溶液の好適な量に再懸濁される。特定の例示的な実施形態では、(e)は、約115,000~約145,000rcfで約90~150分間実施される最終超遠心ステップを含み、得られた流体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な溶液の好適な量に再懸濁される。特定の例示的な実施形態では、(e)は、約115,000~約145,000rcf(例えば、115000rcf、115100rcf、115200rcf、115300rcf、115400rcf、115500rcf、115600rcf、115700rcf、115800rcf、115900rcf、116000rcf、116100rcf、116200rcf、116300rcf、116400rcf、116500rcf、116600rcf、116700rcf、116800rcf、116900rcf、117000rcf、117100rcf、117200rcf、117300rcf、117400rcf、117500rcf、117600rcf、117700rcf、117800rcf、117900rcf、118000rcf、118100rcf、118200rcf、118300rcf、118400rcf、118500rcf、118600rcf、118700rcf、118800rcf、118900rcf、119000rcf、119100rcf、119200rcf、119300rcf、119400rcf、119500rcf、119600rcf、119700rcf、119800rcf、119900rcf、120000rcf、120100rcf、120200rcf、120300rcf、120400rcf、120500rcf、120600rcf、120700rcf、120800rcf、120900rcf、121000rcf、121100rcf、121200rcf、121300rcf、121400rcf、121500rcf、121600rcf、121700rcf、121800rcf、121900rcf、122000rcf、122100rcf、122200rcf、122300rcf、122400rcf、122500rcf、122600rcf、122700rcf、122800rcf、122900rcf、123000rcf、123100rcf、123200rcf、123300rcf、123400rcf、123500rcf、123600rcf、123700rcf、123800rcf、123900rcf、124000rcf、124100rcf、124200rcf、124300rcf、124400rcf、124500rcf、124600rcf、124700rcf、124800rcf、124900rcf、125000rcf、125100rcf、125200rcf、125300rcf、125400rcf、125500rcf、125600rcf、125700rcf、125800rcf、125900rcf、126000rcf、126100rcf、126200rcf、126300rcf、126400rcf、126500rcf、126600rcf、126700rcf、126800rcf、126900rcf、127000rcf、127100rcf、127200rcf、127300rcf、127400rcf、127500rcf、127600rcf、127700rcf、127800rcf、127900rcf、128000rcf、128100rcf、128200rcf、128300rcf、128400rcf、128500rcf、128600rcf、128700rcf、128800rcf、128900rcf、129000rcf、129100rcf、129200rcf、129300rcf、129400rcf、129500rcf、129600rcf、129700rcf、129800rcf、129900rcf、130000rcf、130100rcf、130200rcf、130300rcf、130400rcf、130500rcf、130600rcf、130700rcf、130800rcf、130900rcf、131000rcf、131100rcf、131200rcf、131300rcf、131400rcf、131500rcf、131600rcf、131700rcf、131800rcf、131900rcf、132000rcf、132100rcf、132200rcf、132300rcf、132400rcf、132500rcf、132600rcf、132700rcf、132800rcf、132900rcf、133000rcf、133100rcf、133200rcf、133300rcf、133400rcf、133500rcf、133600rcf、133700rcf、133800rcf、133900rcf、134000rcf、134100rcf、134200rcf、134300rcf、134400rcf、134500rcf、134600rcf、134700rcf、134800rcf、134900rcf、135000rcf、135100rcf、135200rcf、135300rcf、135400rcf、135500rcf、135600rcf、135700rcf、135800rcf、135900rcf、136000rcf、136100rcf、136200rcf、136300rcf、136400rcf、136500rcf、136600rcf、136700rcf、136800rcf、136900rcf、137000rcf、137100rcf、137200rcf、137300rcf、137400rcf、137500rcf、137600rcf、137700rcf、137800rcf、137900rcf、138000rcf、138100rcf、138200rcf、138300rcf、138400rcf、138500rcf、138600rcf、138700rcf、138800rcf、138900rcf、139000rcf、139100rcf、139200rcf、139300rcf、139400rcf、139500rcf、139600rcf、139700rcf、139800rcf、139900rcf、140000rcf、140100rcf、140200rcf、140300rcf、140400rcf、140500rcf、140600rcf、140700rcf、140800rcf、140900rcf、141000rcf、141100rcf、141200rcf、141300rcf、141400rcf、141500rcf、141600rcf、141700rcf、141800rcf、141900rcf、142000rcf、142100rcf、142200rcf、142300rcf、142400rcf、142500rcf、142600rcf、142700rcf、142800rcf、142900rcf、143000rcf、143100rcf、143200rcf、143300rcf、143400rcf、143500rcf、143600rcf、143700rcf、143800rcf、143900rcf、144000rcf、144100rcf、144200rcf、144300rcf、144400rcf、144500rcf、144600rcf、144700rcf、144800rcf、144900rcf、または約145000rcf)で、約90~150分間(例えば、90分、91分、92分、93分、94分、95分、96分、97分、98分、99分、100分、101分、102分、103分、104分、105分、106分、107分、108分、109分、110分、111分、112分、113分、114分、115分、116分、117分、118分、119分、120分、121分、122分、123分、124分、125分、126分、127分、128分、129分、130分、131分、132分、133分、134分、135分、136分、137分、138分、139分、140分、141分、142分、143分、144分、145分、146分、147分、148分、149分、または約150分間)行われる最終超遠心分離ステップを含み、得られた液体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な量の好適な溶液中で再懸濁される。
【0072】
特定の例示的な実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、500kDaの限外濾過膜を使用して行われる。特定の例示的な実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、約250kDa~約750kDaの範囲の分画分子量を有する限外濾過膜を使用して行われる。いくつかの実施形態では、約250kDa、260kDa、270kDa、280kDa、290kDa、300kDa、310kDa、320kDa、330kDa、340kDa、350kDa、360kDa、370kDa、380kDa、390kDa、400kDa、410kDa、420kDa、430kDa、440kDa、450kDa、460kDa、470kDa、480kDa、490kDa、500kDa、510kDa、520kDa、530kDa、540kDa、550kDa、560kDa、570kDa、580kDa、590kDa、600kDa、610kDa、620kDa、630kDa、640kDa、650kDa、660kDa、670kDa、680kDa、690kDa、700kDa、710kDa、720kDa、730kDa、740kDa、または約750kDaの分画分子量を有する限外濾過膜の分画分子量。
【0073】
特定の例示的な実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、毎分約10mLの流量で行われる。特定の例示的な実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、毎分約5mL~15mLの範囲の流量で行われる。いくつかの実施形態では、(g)のタンジェンシャルフローフィルトレーションは、約5mL/分、約5.5mL/分、約6mL/分、約6.5mL/分、約7mL/分、約7.5mL/分、約8mL/分、約8.5mL/分、約9mL/分、約9.5mL/分、約10mL/分、約10.5mL/分、約11mL/分、約11.5mL/分、約12mL/分、約12.5mL/分、約13mL/分、約13.5mL/分、約14mL/分、約14.5mL/分、または約15mL/分の流量で行われる。
【0074】
特定の例示的な実施形態では、ステップ(g)において、残りの生体液の量がタンジェンシャルフローフィルトレーション前の開始体積の約10パーセントに達すると、保持液が好適な緩衝液でダイアフィルトレーションされる。
【0075】
特定の例示的な実施形態では、本方法は、保持液が開始ダイアフィルトレーション量の約20パーセントに達した場合、保持液を超遠心分離するステップをさらに含む。特定の例示的な実施形態では、保持液の超遠心分離は、摂氏約4度で、約130,000rcfで約120分間行われる。特定の例示的な実施形態では、保持液の超遠心分離は、約115,000~約145,000rcf(例えば、115000rcf、115050rcf、115100rcf、115150rcf、115200rcf、115250rcf、115300rcf、115350rcf、115400rcf、115450rcf、115500rcf、115550rcf、115600rcf、115650rcf、115700rcf、115750rcf、115800rcf、115850rcf、115900rcf、115950rcf、116000rcf、116050rcf、116100rcf、116150rcf、116200rcf、116250rcf、116300rcf、116350rcf、116400rcf、116450rcf、116500rcf、116550rcf、116600rcf、116650rcf、116700rcf、116750rcf、116800rcf、116850rcf、116900rcf、116950rcf、117000rcf、117050rcf、117100rcf、117150rcf、117200rcf、117250rcf、117300rcf、117350rcf、117400rcf、117450rcf、117500rcf、117550rcf、117600rcf、117650rcf、117700rcf、117750rcf、117800rcf、117850rcf、117900rcf、117950rcf、118000rcf、118050rcf、118100rcf、118150rcf、118200rcf、118250rcf、118300rcf、118350rcf、118400rcf、118450rcf、118500rcf、118550rcf、118600rcf、118650rcf、118700rcf、118750rcf、118800rcf、118850rcf、118900rcf、118950rcf、119000rcf、119050rcf、119100rcf、119150rcf、119200rcf、119250rcf、119300rcf、119350rcf、119400rcf、119450rcf、119500rcf、119550rcf、119600rcf、119650rcf、119700rcf、119750rcf、119800rcf、119850rcf、119900rcf、119950rcf、120000rcf、120050rcf、120100rcf、120150rcf、120200rcf、120250rcf、120300rcf、120350rcf、120400rcf、120450rcf、120500rcf、120550rcf、120600rcf、120650rcf、120700rcf、120750rcf、120800rcf、120850rcf、120900rcf、120950rcf、121000rcf、121050rcf、121100rcf、121150rcf、121200rcf、121250rcf、121300rcf、121350rcf、121400rcf、121450rcf、121500rcf、121550rcf、121600rcf、121650rcf、121700rcf、121750rcf、121800rcf、121850rcf、121900rcf、121950rcf、122000rcf、122050rcf、122100rcf、122150rcf、122200rcf、122250rcf、122300rcf、122350rcf、122400rcf、122450rcf、122500rcf、122550rcf、122600rcf、122650rcf、122700rcf、122750rcf、122800rcf、122850rcf、122900rcf、122950rcf、123000rcf、123050rcf、123100rcf、123150rcf、123200rcf、123250rcf、123300rcf、123350rcf、123400rcf、123450rcf、123500rcf、123550rcf、123600rcf、123650rcf、123700rcf、123750rcf、123800rcf、123850rcf、123900rcf、123950rcf、124000rcf、124050rcf、124100rcf、124150rcf、124200rcf、124250rcf、124300rcf、124350rcf、124400rcf、124450rcf、124500rcf、124550rcf、124600rcf、124650rcf、124700rcf、124750rcf、124800rcf、124850rcf、124900rcf、124950rcf、125000rcf、125050rcf、125100rcf、125150rcf、125200rcf、125250rcf、125300rcf、125350rcf、125400rcf、125450rcf、125500rcf、125550rcf、125600rcf、125650rcf、125700rcf、125750rcf、125800rcf、125850rcf、125900rcf、125950rcf、126000rcf、126050rcf、126100rcf、126150rcf、126200rcf、126250rcf、126300rcf、126350rcf、126400rcf、126450rcf、126500rcf、126550rcf、126600rcf、126650rcf、126700rcf、126750rcf、126800rcf、126850rcf、126900rcf、126950rcf、127000rcf、127050rcf、127100rcf、127150rcf、127200rcf、127250rcf、127300rcf、127350rcf、127400rcf、127450rcf、127500rcf、127550rcf、127600rcf、127650rcf、127700rcf、127750rcf、127800rcf、127850rcf、127900rcf、127950rcf、128000rcf、128050rcf、128100rcf、128150rcf、128200rcf、128250rcf、128300rcf、128350rcf、128400rcf、128450rcf、128500rcf、128550rcf、128600rcf、128650rcf、128700rcf、128750rcf、128800rcf、128850rcf、128900rcf、128950rcf、129000rcf、129050rcf、129100rcf、129150rcf、129200rcf、129250rcf、129300rcf、129350rcf、129400rcf、129450rcf、129500rcf、129550rcf、129600rcf、129650rcf、129700rcf、129750rcf、129800rcf、129850rcf、129900rcf、129950rcf、130000rcf、130050rcf、130100rcf、130150rcf、130200rcf、130250rcf、130300rcf、130350rcf、130400rcf、130450rcf、130500rcf、130550rcf、130600rcf、130650rcf、130700rcf、130750rcf、130800rcf、130850rcf、130900rcf、130950rcf、131000rcf、131050rcf、131100rcf、131150rcf、131200rcf、131250rcf、131300rcf、131350rcf、131400rcf、131450rcf、131500rcf、131550rcf、131600rcf、131650rcf、131700rcf、131750rcf、131800rcf、131850rcf、131900rcf、131950rcf、132000rcf、132050rcf、132100rcf、132150rcf、132200rcf、132250rcf、132300rcf、132350rcf、132400rcf、132450rcf、132500rcf、132550rcf、132600rcf、132650rcf、132700rcf、132750rcf、132800rcf、132850rcf、132900rcf、132950rcf、133000rcf、133050rcf、133100rcf、133150rcf、133200rcf、133250rcf、133300rcf、133350rcf、133400rcf、133450rcf、133500rcf、133550rcf、133600rcf、133650rcf、133700rcf、133750rcf、133800rcf、133850rcf、133900rcf、133950rcf、134000rcf、134050rcf、134100rcf、134150rcf、134200rcf、134250rcf、134300rcf、134350rcf、134400rcf、134450rcf、134500rcf、134550rcf、134600rcf、134650rcf、134700rcf、134750rcf、134800rcf、134850rcf、134900rcf、134950rcf、135000rcf、135050rcf、135100rcf、135150rcf、135200rcf、135250rcf、135300rcf、135350rcf、135400rcf、135450rcf、135500rcf、135550rcf、135600rcf、135650rcf、135700rcf、135750rcf、135800rcf、135850rcf、135900rcf、135950rcf、136000rcf、136050rcf、136100rcf、136150rcf、136200rcf、136250rcf、136300rcf、136350rcf、136400rcf、136450rcf、136500rcf、136550rcf、136600rcf、136650rcf、136700rcf、136750rcf、136800rcf、136850rcf、136900rcf、136950rcf、137000rcf、137050rcf、137100rcf、137150rcf、137200rcf、137250rcf、137300rcf、137350rcf、137400rcf、137450rcf、137500rcf、137550rcf、137600rcf、137650rcf、137700rcf、137750rcf、137800rcf、137850rcf、137900rcf、137950rcf、138000rcf、138050rcf、138100rcf、138150rcf、138200rcf、138250rcf、138300rcf、138350rcf、138400rcf、138450rcf、138500rcf、138550rcf、138600rcf、138650rcf、138700rcf、138750rcf、138800rcf、138850rcf、138900rcf、138950rcf、139000rcf、139050rcf、139100rcf、139150rcf、139200rcf、139250rcf、139300rcf、139350rcf、139400rcf、139450rcf、139500rcf、139550rcf、139600rcf、139650rcf
、139700rcf、139750rcf、139800rcf、139850rcf、139900rcf、139950rcf、140000rcf、140050rcf、140100rcf、140150rcf、140200rcf、140250rcf、140300rcf、140350rcf、140400rcf、140450rcf、140500rcf、140550rcf、140600rcf、140650rcf、140700rcf、140750rcf、140800rcf、140850rcf、140900rcf、140950rcf、141000rcf、141050rcf、141100rcf、141150rcf、141200rcf、141250rcf、141300rcf、141350rcf、141400rcf、141450rcf、141500rcf、141550rcf、141600rcf、141650rcf、141700rcf、141750rcf、141800rcf、141850rcf、141900rcf、141950rcf、142000rcf、142050rcf、142100rcf、142150rcf、142200rcf、142250rcf、142300rcf、142350rcf、142400rcf、142450rcf、142500rcf、142550rcf、142600rcf、142650rcf、142700rcf、142750rcf、142800rcf、142850rcf、142900rcf、142950rcf、143000rcf、143050rcf、143100rcf、143150rcf、143200rcf、143250rcf、143300rcf、143350rcf、143400rcf、143450rcf、143500rcf、143550rcf、143600rcf、143650rcf、143700rcf、143750rcf、143800rcf、143850rcf、143900rcf、143950rcf、144000rcf、144050rcf、144100rcf、144150rcf、144200rcf、144250rcf、144300rcf、144350rcf、144400rcf、144450rcf、144500rcf、144550rcf、144600rcf、144650rcf、144700rcf、144750rcf、144800rcf、144850rcf、144900rcf、144950rcf、または約145000rcf)で、約90分~約150分間、例えば、(約90分、91分、92分、93分、94分、94分)分、95分、96分、97分、98分、99分、100分、101分、102分、103分、104分、105分、106分、107分、108分、109分、110分、111分、112分、113分、114分、115分、116分、117分、118分、119分、120分、121分、122分、123分、124分、125分、126分、127分、128分、129分、130分、131分、132分、133分、134分、135分、136分、137分、138分、139分、140分、141分、142分、143分、144分、145分、146分、147分、148分、149分、または約150分)、摂氏約4度で行われる。
【0076】
特定の例示的な実施形態では、任意に保持液を分画する前に、保持液は超遠心分離されない。これらの実施形態では、保持液は、カラム分離によって任意に実施される分別の前に、約-80℃で保存される。
【0077】
保持液の任意の分画は、カラム分離(サイズ、電荷、親和性、結合力、または他の方法または分離戦略に基づく)を含むがこれらに限定されない任意の好適な方法によって行うことができる。エクソソームを含む画分は保存することができる。
【0078】
特定の例示的な実施形態では、本方法は、乳などの生体液の開始量の少なくとも7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、または少なくとも20パーセントであるエクソソーム濃縮物を生成する。特定の例示的な実施形態では、本方法は、乳などの生体液の開始量の約7パーセント、7.5パーセント、8パーセント、8.5パーセント、9パーセント、9.5パーセント、10パーセント、10.5パーセント、11パーセント、11.5パーセント、12パーセント、12.5パーセント、13パーセント、13.5パーセント、14パーセント、14.5パーセント、15パーセント、15.5パーセント、16パーセント、16.5パーセント、17パーセント、17.5パーセント、18パーセント、18.5パーセント、19パーセント、19.5パーセント、または約20パーセントであるエクソソーム濃縮物を生成する。
【0079】
エクソソーム搭載
特定の例示的な実施形態では、本方法は本明細書に記載の方法から得られる製剤のエクソソームに、1つまたは複数のカーゴを搭載することをさらに含む。エクソソームは、任意の適切な方法で充填することができる。本明細書に記載の方法によって調製されたものなどの乳エクソソームを充填する例示的な方法は、国際特許出願公開WO2020/028439、特に83~87ページに記載されている方法のいずれかである。
【0080】
代表的なカーゴ
乳エクソソームには、好適なまたは所望のカーゴを充填することができる。いくつかの実施形態では、カーゴ(複数可)は治療用化合物または分子である。例示的なカーゴには、DNA、RNA、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体、アプタマー、リボザイム、ホルモン、免疫調節薬、解熱薬、抗不安薬、抗精神病薬、鎮痛薬、鎮痙薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、抗感染症薬、放射線増感剤、化学療法剤、造影剤、免疫原、抗がん剤、それらの任意の組み合わせ、及び/または同様のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
特定の例示的な実施形態では、カーゴは、ACT-11ペプチドを含むがこれに限定されないペプチドである。特定の例示的な実施形態では、カーゴは、ACT-11-Iペプチドを含むがこれに限定されないペプチドである。他のペプチドカーゴには、国際特許出願公開WO2020/028439、特に67~82、85、及び106~111ページに記載されているものが含まれる。いくつかの実施形態では、国際特許出願公開WO2020/028439の81~86ページに記載されているように、カーゴ化合物はエステル化されている。いくつかの実施形態では、国際特許出願公開WO2020/028439の81~86ページに記載されているように、カーゴ化合物は複数のエステル化を有する。
【0082】
例示的なホルモンには、アミノ酸由来ホルモン(例えば、メラトニン及びチロキシン)、低分子ペプチドホルモン及びタンパク質ホルモン(例えば、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、バソプレシン、インスリン、成長ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、及び甲状腺刺激ホルモン)、エイコサノイド(例えば、アラキドン酸、リポキシン、プロスタグランジン)、プリン(例えば、ATP)、酵素(例えば、クレアチン)、ステロイドホルモン(例えば、エストラジオール、テストステロン、テトラヒドロテストステロン、コルチゾール)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
例示的な免疫調節剤には、プレドニゾン、アザチオプリン、6-MP、シクロスポリン、タクロリムス、メトトレキサート、インターロイキン(例えば、IL-2、IL-7、及びIL-12)、サイトカイン(例えば、インターフェロン(例えば、IFN-a、IFN-β、IFN-ε、IFN-K、IFN-ω、及びIFN-γ)、顆粒球コロニー刺激因子、及びイミキモド)、ケモカイン(例えば:CCL3、CCL26、及びCXCL7)、シトシンリン酸-グアノシン、オリゴデオキシヌクレオチド、グルカン、抗体、及びアプタマー)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
例示的な解熱薬には、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、及びニメスリド)、アスピリン及び関連サリチル酸塩(例えば、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、及びサリチル酸ナトリウム)、パラセタモール/アセトアミノフェン、メタミゾール、ナブメトン、フェナゾン、キニーネが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
例示的な抗不安薬には、ベンゾジアゼピン(例えば、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、及びトフィソパム)、セロトニン作動性抗うつ薬(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、三環系抗うつ薬、及びモノアミンオキシダーゼ阻害薬)、テムギコルリル、ファボモチゾール、セランク、ブロマンタン、エモキシピン、アザピロン、バルビツール酸塩、ヒドロキシジン、プレガバリン、イソ吉草酸、及びベータ遮断薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
例示的な抗精神病薬には、ベンペリドール、ブロムペリドール、ドロペリドール、ハロペリドール、モペロン、ピパンペロン、チミペロン、フルスピリレン、ペンフルリドール、ピモジド、アセプロマジン、クロルプロマジン、シアメマジン、ジキシラジン、フルフェナジン、レボメプロマジン、メソリダジン、ペラジン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピポチアジン、プロクロルペラジン、プロマジン、プロメタジン、プロチペンジル、チオプロペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、クロルプロチキセン、クロペンチキソール、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロチアピン、ロキサピン、プロチペンジル、カルピプラミン、クロカプラミン、モリンドン、モサプラミン、スルピリド、ベラリプリド、アミスルプリド、アモキサピン、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、メルペロン、ネモナプリド、オランザピン、パリペリドン、ペロスピロン、クエチアピン、レモキシプリド、リスペリドン、セルチンドール、トリミプラミン、ジプラシドン、ゾテピン、アルストニー、ビフェプルノックス、ビトペルチン、ブレクスピプラゾール、カンナビジオール、カリプラジン、ピマバンセリン、ポマグルメタドメチオニル、バビカセリン、ザノメリン、及びジクロナピンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
例示的な鎮痛剤には、パラセタモール/アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、及びニメスリド)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、及びエトリコキシブ)、オピオイド(例えば、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロモルヒネ、ペチジン、ブプレノルフィン)、トラマドール、ノルエピネフリン、フルピルチン、ネフォパム、オルフェナドリン、プレガバリン、ガバペンチン、シクロベンザプリン、スコポラミン、メタドン、ケトベミドン、ピリトラミド、アスピリン及び関連サリチル酸塩(例えば:サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
例示的な鎮痙薬には、メベベリン、パパベリン、シクロベンザプリン、カリソプロドール、オルフェナドリン、チザニジン、メタキサロン、メトカルバモール、クロルゾキサゾン、バクロフェン、ダントロレン、バクロフェン、チザニジン、及びダントロレンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な抗炎症薬には、プレドニゾン、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、及びニメスリド)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、及びエトリコキシブ)、及び免疫選択的抗炎症誘導体(例えば、顎下腺ペプチド-T及びその誘導体)が含まれるが、これらに限定されない。
【0089】
例示的な抗ヒスタミン薬には、H1受容体アンタゴニスト(例えば、アクリバスチン、アゼラスチン、ビラスチン、ブロムフェニラミン、ブクリジン、ブロモジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、セチリジン、クロルプロマジン、シクリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デスロラタジン、デクスブロムフェニルアミン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ドキシルアミン、エバスチン、エンブラミン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、レボセチリジン、ロラタジン、メクリジン、ミルタザピン、オロパタジン、オルフェナドリン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、クエチアピン、ルパタジン、トリペレナミン、トリプロリジン)、H2-受容体アンタゴニスト(例えば、シメチジン、ファモチジン、ラフチジン、ニザチジン、ラニチジン、及びロキサチジン)、トリトクアリン、カテキン、クロモグリケート、ネドクロミル、及びp2-アドレナリン作動性アゴニスト)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
例示的な抗感染症薬には、アメーバ系殺虫剤(例えば、ニタゾキサニド、パロモマイシン、メトロニダゾール、チニダゾール、クロロキン、ミルテフォシン、アムホテリシンb、及びヨードキノール)、アミノグリコシド(例えば、パロモマイシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、及びネオマイシン)、駆虫薬(例えば、ピランテル、メベンダゾール、イベルメクチン、プラジカンテル、アルベンダゾール、チアベンダゾール、オキサムニキン)、抗真菌薬(例えば、アゾール系抗真菌薬(例えば、イトラコナゾール、フルコナゾール、ポサコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、ミコナゾール、ボリコナゾール)、エキノキャンディ(例えば、カスポファンギン、アニデュラファンギン、及びミカファンギン)、グリセオフルビン、テルビナフィン、フルシトシン、及びポリエン(例えば、ナイスタチン、アムホテリシンb)、抗マラリア薬(例えば、ピリメタミン/スルファドキシン、アルテメテル/ルメファントリン、アトバクオン/プロクアニル、キニーネ、ヒドロキシクロロキン、メフロキン、クロロキン、ドキシサイクリン、ピリメタミン、及びハロファントリン)、抗結核薬(例えば、アミノサリチル酸塩(例えば、アミノサリチル酸)、イソニアジド/リファンピン、イソニアジド/ピラジナミド/リファンピン、ベダキリン、イソニアジド、エタンブトール、リファンピン、リファブチン、リファペンチン、カプレオマイシン、及びサイクロセリン)、抗ウイルス薬(例えば、アマンタジン、リマンタジン、アバカビル/ラミブジン、エムトリシタビン/テノホビル、コビシスタット/エルビテグラビル/エムトリシタビン/テノホビル、エファビレンツ/エムトリシタビン/テノホビル、アバカビル/ラミブジン/ジドブジン、ラミブジン/ジドブジン、エムトリシタビン/テノホビル、エムトリシタビン/ロピナビル/リトナビル/テノホビル、インターフェロンアルファ-2v/リバビリン、ペグインターフェロンアルファ-2b、マラビロック、ラルテグラビル、ドルテグラビル、エンフビルチド、ホスカルネット、フォミビルセン、オセルタミビル、ザナミビル、ネビラピン、エファビレンツ、エトラビリン、リルピビリン、デラビルジン、ネビラピン、エンテカビル、ラムイブジン、アデホビル、ソホスブビル、ジダノシン、テノホビル、アバカビル、ジドブジン、スタブジン、エムトリシタビン、ザルシタビン、テルビブジン、シメプレビル、ボセプレビル、テラプレビル、ロピナビル/リトナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビル、リトナビル、チプラナビル、アタザナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、インディナビル、サキナビル、リバビリン、バラシクロビル、アシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、及びバルガンシクロビル)、カルバペネム類(例、ドリペネム、メロペネム、エルタペネム、及びシラスタチン/イミペネム)、セファロスポリン類(例えば、セファドロキシル、セフラジン、セファゾリン、セファレキシン、セフェピム、セフラロリン、ロラカルベフ、セフォテタン、セフロキシ)私、セフプロジル、ロラカルベフ、セフォキシチン、セファクロル、セフチブテン、セフトリアキソン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフジニル、セフィキシム、セフジトレン、セフィゾキシム、及びセフタジジム)、グリコペプチド系抗生物質(例えば、バンコマイシン、ダルババンシン、オリタバンシン、及びテラバンシン)、グリシルサイクリン系薬剤(例えば、チゲサイクリン)、ハンセン病薬(例えば、クロファジミン及びサリドマイド)、リンコマイシン及びその誘導体(例えば、クリンダマイシン及びリンコマイシン)、マクロライド及びその誘導体(例えば、テリスロマイシン、フィダキソマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、及びトロアンドマイシン)、リネゾリド、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、リファキシミン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、メトロニダゾール、アズトレオナム、バシトラシン、ペニシリン類(アモキシシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、ピペラシリン、チカルシリン、アモキシシリン/クラブラン酸、アンピシリン/スルバクタム、ピペラシリン/タゾバクタム、クラブラン酸/チカルシリン、ペニシリン、プロカインペニシリン、オキサシリン、ジクロキサック)イリン、ナフシリン)、キノロン類(例えば、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、モキシフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、ゲミフロキサシン、モキシフロキサシン、シノキサシン、ナリジクス酸、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、トロバフロキサシン、及びスパルフロキサシン)、スルホンアミド(例えば、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、スルファサラジン、スルファソキサゾール)、テトラサイクリン(例えば、ドキシサイクリン、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン/サリチル酸、ドキシサイクリン/オメガ-3多価不飽和脂肪酸、及びテトラサイクリン)、及び尿中抗感染症薬(例えば、ニトロフラントイン、メテナミン、ホスホマイシン、シノキサシン、ナリジクス酸、トリメトプリム、及びメチレンブルー)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0091】
例示的な化学療法薬には、パクリタキセル、ブレンツキシマブベドチン、ドキソルビシン、5-FU(フルオロウラシル)、エベロリムス、ペメトレキセド、メルファラン、パミドロン酸、アナストロゾール、エキセメスタン、ネララビン、オファツムマブ、ベバシズマブ、ベリノスタット、トシツモマブ、カルムスチン、ブレオマイシン、ボスチニブ、ブスルファン、アレムツズマブ、イリノテカン、バンデタニブ、ビカルタミド、ロムスチン、ダウノルビシン、クロファラビン、カボザンチニブ、ダクチノマイシン、ラムシルマブ、シタラビン、シトキサン、シクロホスファミド、デシタビン、デキサメタゾン、ドセタキセル、ヒドロキシ尿素、ダカルバジン、リュープロリド、エピルビシン、オキサリプラチン、アスパラギナーゼ、エストラムスチン、セツキシマブ、ビスモデギブ、アスパラギナーゼErwinia、クリサンテミン、アミホスチン、エトポシド、フルタミド、トレミフェン、フルベストラント、レトロゾール、デガレリクス、プララトレキサート、メトトレキサート、フロクスウリジン、オビヌツズマブ、ゲムシタビン、アファチニブ、イマチニブ、メシラート、カルムスチン、エリブリン、トラスツズマブ、アルトレタミン、トポテカン、ポナチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イブルチニブ、アキシチニブ、インターフェロンアルファ-2a、ゲフィチニブ、ロミデプシン、イクサベピロン、ルキソリチニブ、カバジタキセル、ado-トラスツズマブエムタンシン、カーフィルゾミブ、クロラムブシル、サルグラモスチム、クラドリビン、ミトタン、ビンクリスチン、プロカルバジン、メゲストロール、トラメチニブ、メスナ、ストロンチウム-89塩化物、メクロレタミン、マイトマイシン、ブスルファン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ビノレルビン、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、ソラフェニブ、ニルタミド、ペントスタチン、タモキシフェン、ミトキサントロン、ペグアスパルガーゼ、デニロイキンジフチトクス、アリトレチノイン、カルボプラチン、ペルツズマブ、シスプラチン、ポマリドミド、プレドニゾン、アルデスロイキン、メルカプトプリン、ゾレドロン酸、レナリドミド、リツキシマブ、オクトレオチド、ダサチニブ、レゴラフェニブ、ヒストレリン、スニチニブ、シルツキシマブ、オマセタキシン、チオグアニン(チオグアニン(tioguanine))、ダブラフェニブ、エルロチニブ、ベキサロテン、テモゾロミド、チオテパ、サリドマイド、BCG、テムシロリムス、ベンダムスチン塩酸塩、トリプトレリン、亜ヒ酸、ラパチニブ、バルルビシン、パニツムマブ、ビンブラスチン、ボルテゾミブ、トレチノイン、アザシチジン、パゾパニブ、テニポシド、ロイコボリン、クリゾチニブ、カペシタビン、エンザルタミド、イピリムマブ、ゴセレリン、ボリノスタット、イデラリシブ、セリチニブ、アビラテロン、エポチロン、タフルポシド、アザチオプリン、ドキシフルリジン、ビンデシン、及び全トランス型レチノイン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
好適な放射線増感剤には、5-フルオロウラシル、白金類似体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、及びオキサリプラチン)、ゲムシタビン、DNAトポイソメラーゼI標的薬物(例えば、カンプトテシン誘導体(例えば、トポテカン及びイリノテカン))上皮成長因子受容体遮断ファミリー薬剤(例えば、セツキシマブ、ゲフィチニブ)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、L-778-123)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、及びエトリコキシブ)、bFGF及びVEGF標的化剤(例、ベバズシマブ及びサリドマイド)、NBTXR3、ニモラル、トランスクロセチン酸ナトリウム、NVX-108、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Kvols,L.K..,J Nucl Med2005;46:187S―190Sも参照されたい。
【0093】
カーゴとして運ばれる、または単離されたエクソソームの外表面に付着する免疫原の例としては、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、コンコレパス・コンコレパス・ヘモシアニン(CCH)(ブルーキャリア免疫原性タンパク質とも)、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン(OVA)、及びジフテリア、破傷風、百日咳、麻疹、おたふく風邪、風疹、A型肝炎、B型肝炎、髄膜炎菌性疾患(例えば:髄膜炎)、ヒトパピローマウイルス水痘、狂犬病、インフルエンザ、ロトウイルス、HIV、マラリア、及びコロナウイルス疾患などの疾患を引き起こす病原体に対する免疫応答を生成するために使用される抗原などが挙げられ得る。
【0094】
乳エクソソーム製剤とキット
また、本明細書には、本明細書の他の箇所でより詳細に記載される、ある量、有効量、及び/または最小有効量、及び/または治療有効量のカーゴ搭載乳エクソソームなどの1つまたは複数の乳エクソソームを含有することができる医薬製剤、及び薬学的に許容される担体または賦形剤が記載される。本明細書のある例示的な実施形態では、エクソソームを含む製剤が記載されており、本製剤は、前述の段落のいずれか1つ及び/または以下の実施例など、本明細書の他の場所に記載されている方法のいずれか1つによって少なくとも部分的に生成される。本明細書のある例示的な実施形態では、前述の段落のいずれか1つ及び/または以下の実施例など、本明細書の他の場所に記載されている製剤を対象に投与することを含む方法が記載される。いくつかの実施形態では、対象に投与される製剤には、例えば、本明細書の他の場所に記載される、及び/または本明細書の他の場所に記載される方法によって調製されるいずれかの乳エクソソームが含まれる。いくつかの実施形態では、乳エクソソームは、カーゴを搭載した乳エクソソームである。
【0095】
いくつかの実施形態では、乳エクソソームまたはその製剤が投与される対象は、疾患または障害を有する。例示的な疾患または障害には、がん、ウイルス感染、細菌感染、寄生虫感染、外部及び内部の創傷及び組織損傷、がん、虚血性及び/または低酸素性損傷(例えば、心筋梗塞、虚血性損傷創傷及び/または脳卒中)、多発性硬化症、乾癬、強皮症、座瘡、湿疹、または皮膚及び/または結合組織の疾患、心臓疾患または障害、神経変性疾患または障害、神経障害、アテローム性動脈硬化症、上皮透過性及び/または血管新生(例えば、血管新生または脈管形成)、呼吸窮迫症候群(RDS)、再灌流傷害、皮膚血管傷または奇形、黄斑変性、ブルッフ膜を通る脈絡毛細血管の新生血管新生、糖尿病性網膜症、(炎症性及び炎症関連疾患及び障害)及び放射線皮膚炎が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
創傷は、慢性的な創傷または完全に治癒していないように見える創傷であり得る。例えば、3か月以内に治らない傷は慢性的であると言われる。慢性創傷には、糖尿病性足潰瘍、虚血性潰瘍、静脈性潰瘍、静脈性下腿潰瘍、静脈うっ滞、動脈性、圧迫性、血管炎性、感染性、褥瘡、熱傷、外傷性潰瘍、壊疽性及び混合性潰瘍が挙げられる。慢性創傷には、慢性炎症、欠損及び過剰な肉芽組織分化、及び再上皮化及び創傷閉鎖の不全、並びにより長い修復時間を特徴とする創傷が挙げられる。慢性創傷には、角膜潰瘍を含む眼潰瘍が含まれ得る。創傷治癒及び組織再生における開示された発明の使用には、ヒト、農業動物、スポーツ動物及びペット動物が含まれ得る。
【0097】
組織損傷は、例えば、切り傷、擦り傷、圧迫創傷、伸展傷害、裂傷傷、圧壊傷、噛み傷、すり傷、弾丸傷、爆発傷、ボディピアス、刺し傷、外科的傷、外科的介入、医療介入、細胞、組織、または臓器移植後の宿主拒絶反応、薬学的効果、薬学的副作用、褥瘡、放射線傷害、放射線疾患、美容皮膚傷、内臓傷害、疾患過程(例えば、喘息、がん)、感染症、伝染性病原体、発育過程、成熟過程(例えば、座瘡)、遺伝子異常、発育異常、環境毒素、アレルゲン、頭皮損傷、顔面損傷、顎損傷、性器損傷、関節損傷、排泄器官損傷、足損傷、指損傷、足指損傷、骨損傷、目の損傷、角膜損傷、筋肉損傷、脂肪組織損傷、肺損傷、気道損傷、ヘルニア、肛門損傷、杭打ち、耳損傷、皮膚損傷、腹部損傷、網膜損傷、目の損傷、角膜損傷、腕の損傷、脚の損傷、運動障害、背中の損傷、出生時の損傷、早産の損傷、中毒咬傷、刺され、バリア機能の損傷、内皮バリア機能の損傷、上皮バリア機能の損傷、腱損傷、靱帯損傷、心臓外傷、心臓弁損傷、血管系損傷、軟骨損傷、リンパ系損傷、頭蓋脳外傷、脱臼、食道穿孔、瘻孔、爪損傷、異物、骨折、凍傷、手の損傷、熱ストレス障害、裂傷、頸部損傷、自己-切断、ショック、外傷性軟部組織損傷、脊髄損傷、脊髄損傷、捻挫、挫傷、腱損傷、靱帯損傷、軟骨損傷、胸部損傷、歯の損傷、外傷、神経系損傷、火傷、熱傷、風火傷、日焼け、化学熱傷、老化、動脈瘤、脳卒中、外科的放射線傷害、消化管傷害、梗塞、または虚血性傷害によって生じ得る。
【0098】
心臓の疾患及び障害としては、心筋梗塞、心筋症(例えば、肥大型心筋症)、不整脈、うっ血性心不全が挙げられるが、これらに限定されない。提供された組成物の再生効果は、心臓の膜興奮性及びイオン過渡現象に有益な変化をもたらし得る。人間の心臓の機能異常を引き起こす可能性のある不整脈には、様々な異なる種類がある。不整脈には、徐脈、頻脈、交互脈、自動性欠損、リエントリー性不整脈、細動、房室結節性不整脈、心房性不整脈及び誘発性拍動、QT延長症候群、QT短縮症候群、ブルガダ症候群、心房性期外収縮、徘徊性心房ペースメーカー、多巣性心房性頻脈、心房粗動、心房細動、上室性頻拍、房室結節リエントリー性頻脈は発作性上室性頻脈の最も一般的な原因である、接合部調律、接合部性頻脈、早発接合部複合体、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、ロウン・ガノン・レビン症候群、心室期外収縮とも呼ばれる心室性期外収縮(PVC)、交互脈及び不一致交互脈、加速された固有心室調律、単形性心室頻拍、多形性心室頻拍、心室細動、PR延長として現れる第1度心ブロック、第2度心ブロック、1型2度心臓ブロック、2型2度心臓ブロック、3度心臓ブロック、及び、いくつかの副経路障害(例えば、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
神経変性疾患及び神経障害には、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病及び関連するPD疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患、統合失調症、脊髄小脳失調症、プリオン病、脊髄性筋萎縮症(SMA)、多発性硬化症、てんかん及びその他の発作性疾患、及びハンチントン病が挙げられるが、それらに限定されない。
【0100】
炎症性疾患及び炎症関連疾患及び障害は、喘息、湿疹、副鼻腔炎、アテローム性動脈硬化症、関節炎(関節リウマチを含むがこれらに限定されない)、炎症性腸疾患、皮膚及び全身性肥満細胞症、乾癬、及び多発性硬化症であり得る。本明細書で使用される場合、用語「炎症性障害」には、炎症によって少なくとも部分的に引き起こされる、または悪化する疾患または障害が含まれ得、これは一般に、影響を受けた組織や臓器における血流の増加、浮腫、免疫細胞の活性化(例えば、増殖、サイトカイン産生、強化食菌作用)、熱、発赤、腫れ、痛み、及び/または機能喪失を特徴とする。炎症の原因は、物理的損傷、化学物質、微生物、組織壊死、がん、またはその他の病原体や状態に起因し得る。
【0101】
炎症性障害には、急性炎症性障害、慢性炎症性障害、及び再発性炎症性障害が含まれる。急性炎症性障害は一般に比較的短期間であり、約数分~約1日、2日間続くが、数週間続く場合もある。急性炎症性疾患の特徴には、血流の増加、生体液及び血漿タンパク質の浸出(浮腫)、好中球などの白血球の遊走が含まれる。慢性炎症性障害は、一般に、より長期間、例えば、数週間~数ヶ月~数年以上続き、組織学的にリンパ球及びマクロファージの存在、並びに血管及び結合組織の増殖と関連している。再発性炎症性疾患には、一定期間後に再発する疾患、または周期的に発症する疾患が含まれる。いくつかの炎症性疾患は、1つまたは複数のカテゴリーに分類される。例示的な炎症性疾患には、アテローム性動脈硬化症;関節炎;炎症によって促進されるがん;喘息;自己免疫性ブドウ膜炎;養子免疫反応;皮膚炎;多発性硬化症;糖尿病の合併症;骨粗鬆症;アルツハイマー病;脳性マラリア;出血熱;自己免疫疾患;及び炎症性腸疾患が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、炎症性障害は、いくつかの態様では、狼瘡、関節リウマチ、及び自己免疫性脳脊髄炎から選択される自己免疫障害である。
【0102】
いくつかの実施形態では、炎症性障害は脳関連炎症性障害である。「脳関連炎症性」障害という用語は、本明細書では、対象の脳における炎症によって、少なくとも部分的に引き起こされる、またはその起源もしくは悪化する炎症性障害のサブセットを指すために使用される。
【0103】
本明細書で使用される場合、「医薬製剤」とは、薬学的に許容される担体または賦形剤と、活性剤、化合物、または成分との組み合わせを指し、組成物をインビトロ、インビボ、またはエクスビボでの診断、治療、または予防的使用に適したものにする。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体または賦形剤」とは、一般に安全で、無毒であり、生物学的にもその他の点でも望ましくないものではない、医薬製剤を調製するのに有用な担体または賦形剤を指し、獣医学用途及びヒト医薬用にも許容される、担体または賦形剤を含む。本明細書及び特許請求の範囲で使用される、「薬学的に許容される担体または賦形剤」は、係る担体または賦形剤を、両方及び1つまたは複数含む。カーゴが存在する場合、場合により、カーゴは薬学的に許容される塩として医薬製剤中に存在することができる。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、活性成分など、本明細書の他の箇所でより詳細に記載される、カーゴ搭載乳エクソソームなどの1つまたは複数の乳エクソソームを含むことができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、カーゴは、活性成分の薬学的に許容される塩として存在する。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」とは、その対イオンが、薬学的用量の塩で投与される対象に対して非毒性である任意の酸または塩基付加塩を指す。好適な塩には、水素酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルコロン酸塩(glucaronate)、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、樟脳スルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、リンゴ酸塩、フタル酸塩、及びパモ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
本明細書に記載の医薬製剤は、それを必要とする対象に、それを必要とする対象への任意の好適な方法または経路を介して投与することができる。好適な投与経路には、耳(auricular)(耳(otic))、頬側、結膜、皮膚、歯、電気浸透、子宮頸管内、副鼻腔内、気管内、腸内、硬膜外、羊水外、体外関節内、血液透析、浸潤、間質性、腹腔内、羊水内、動脈内、関節内、胆管内、気管支内、嚢状内、心臓内、軟骨内、尾内、空洞内、体腔内、脳内、槽内、角膜間、歯冠内(歯)、冠内、体内、海綿体、皮内、円板内、管内、十二指腸内、硬膜内、表皮内、食道内、胃内、歯肉内、回腸内、病巣内、腔内、リンパ内、髄内、髄膜内、筋肉内、眼内、卵巣内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、シナル内、脊髄内、関節滑液嚢内、肘頭腱内包、精巣内、髄腔内、胸腔内、管内、腫瘍内、中耳内、子宮内、血管内、静脈内、静脈内ボーラス、点滴静注、脳室内、膀胱内、硝子体内、イオン泳動、洗浄、喉頭、鼻、鼻腔胃、閉塞ドレッシング・テクニック、目、経口、中咽頭、other、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外、神経周囲、歯周、直腸、呼吸(吸入)、眼球後、軟組織、くも膜下、結膜下、皮下、舌下、粘膜下、局所、経皮、経粘膜、経胎盤、経気管、鼓膜、尿管、尿道、及び/または腟投与、及び/または上記の投与経路のいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されず、それは治療される疾患及び/または活性成分(複数可)及び/またはカーゴに典型的には依存する。
【0106】
本明細書の他の箇所でより詳細に記載される、カーゴ搭載乳エクソソームなどの1つまたは複数の乳エクソソームは、活性成分または活性剤などの成分を医薬製剤中に、それを必要とする対象に提供することができる。したがって、薬学的に許容される塩の形態であるカーゴを含む、本明細書の他の場所でより詳細に記載されるカ搭載乳エクソソームなどの、1つまたは複数の乳エクソソームを含有する医薬製剤も記載される。好適な塩には、水素酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルコロン酸塩(glucaronate)、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、樟脳スルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、リンゴ酸塩、フタル酸塩、及びパモ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
本明細書で使用される場合、「剤」とは、生物学的に活性であることができる、またはそれが投与される対象に対して生物学的及び/または生理学的効果を誘発することができる任意の物質、化合物、分子等を指す。本明細書で使用される場合、「活性剤」または「活性成分」とは、生物学的に活性である、またはそれが投与される対象に対して生物学的または生理学的効果を誘発する物質、化合物、分子を指す。換言すれば、「活性剤」または「活性成分」は、組成物の効果の全体または一部が寄与する成分または組成物の成分を指す。剤は一次活性剤であり得、換言すれば、組成物の効果の全体または一部が寄与する組成物の成分(複数可)であり得る。剤は二次活性剤であり得、換言すれば、組成物の効果の追加の部分及び/または他が寄与する組成物の成分(複数可)であり得る。いくつかの実施形態では、活性剤は、乳エクソソームまたはカーゴ搭載乳エクソソームである。いくつかの実施形態では、活性剤は、カーゴを搭載した乳エクソソームのカーゴを含むか、そのカーゴである。
【0108】
特定の実施形態では、乳エクソソームは、本明細書の他の場所に記載される任意の方法によって調製される。特定の実施形態では、カーゴ搭載乳エクソソームは記載されるものである、及び/または本明細書の他の場所に記載される任意の方法によって調製される。
【0109】
いくつかの実施形態では、乳エクソソームまたはその製剤は、対象に乳エクソソームまたはその配合物を投与するための材料に含まれる。材料の非限定的な例としては、包帯、ステミストリップ、縫合糸、ステープル、または移植片(例えば皮膚移植片)などの創傷の治療に使用されるものが挙げられる。他の例示的な材料としては、医療機器またはインプラント(またはその構成要素)が挙げられる。医療用インプラントの非限定的な例には、義肢、乳房インプラント、陰茎インプラント、精巣インプラント、義眼、顔面インプラント、人工関節、心臓弁補綴物、血管補綴物、歯科補綴物、顔面補綴物、傾斜ディスク弁、ケージドボール弁、人工耳、人工鼻、ペースメーカー、人工内耳、ステント、シャント、カテーテル、フィルタ、メッシュ、フィラー(例、脂肪及び真皮フィラー)、及び代用皮膚(例、ブタ異種移植片/豚皮、BIOBRANE、培養ケラチノサイト)、及び/または同様のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
薬学的に許容される担体及び二次成分及び剤
医薬製剤は、薬学的に許容される担体を含むことができる。好適な薬学的に許容される担体には、水、乳及び乳製品(例えば、カゼイン、アイスクリーム、カスタード、クリーマーなど)、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロースまたはデンプンなどの炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、及びポリビニルピロリドン(これらは活性組成物と有害に反応しない)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
医薬製剤は滅菌し、所望の場合、活性化合物と有害に反応しない、潤滑剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝液、着色、香料及び/または芳香物質などの剤と混合することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、医薬製剤はまた、限定されないが、例えば、ポリヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体、アプタマー、リボザイム、ホルモン、免疫調節薬、解熱薬、抗不安薬、抗精神病薬、鎮痛薬、鎮痙薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、抗感染症薬、化学療法薬、及びそれらの任意の組み合わせを含む生物薬剤または分子を含むがこれらに限定されない、有効量の二次活性剤を含むことができる。
有効量
【0113】
いくつかの実施形態では、一次活性剤(例えば、乳エクソソーム、カーゴ搭載乳エクソソーム、及び/またはカーゴ)及び/または任意の二次薬剤の量は、有効量、最小有効量、及び/または治療有効量であり得る。本明細書で使用される場合、「有効量」とは、1つまたは複数の治療効果または所望の効果を達成する、医薬製剤中に含まれる一次薬剤及び/または任意の二次薬剤の量を指す。本明細書で使用される場合、「最小有効」量とは、1つまたは複数の治療効果または所望の効果を達成する、医薬製剤中に含まれる一次薬剤及び/または任意の二次薬剤の最小量を指す。本明細書で使用される場合、「治療有効量」とは、1つまたは複数の治療効果を達成する、医薬製剤中に含まれる一次薬剤及び/または任意の二次薬剤の量を指す。
【0114】
本明細書の他の場所に記載される、医薬製剤中に含まれる一次及び任意の二次活性剤の有効量、最小有効量、及び/または治療有効量は、ゼロではない約0~10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000pg、ng、μg、mg、もしくはgの範囲の量、またはこれらの範囲内の任意の数値または部分範囲であり得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、有効量、最小有効量、及び/または治療有効量は、それぞれが、ゼロではない約0~10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000pM、nM、μM、mM、もしくはMの範囲の量、またはこれらの範囲内の任意の数値または部分範囲であり得る、有効濃度、最小有効濃度、及び/または治療有効濃度であり得る。
【0116】
他の実施形態では、一次及び任意の二次活性剤の有効量、最小有効量、及び/または治療有効量は、ゼロではない約0~10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000IUの範囲の量、またはこれらの範囲内の任意の数値もしくは部分範囲であり得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、医薬製剤中に存在する一次及び/または任意の二次活性剤は、ゼロではない、約0~0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.9~1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9%w/w、v/v、もしくはw/v、またはこれらの範囲内の任意の数値もしくは部分範囲であり得る。
【0118】
細胞または細胞集団が医薬製剤中に(例えば、二次活性剤として)存在するいくつかの実施形態では、細胞の有効量は、約1または2細胞から1×10/mL、1×1020/mL以上、例えば、約1×10/mL、1×10/mL、1×10/mL、1×10/mL、1×10/mL、1×10/mL、1×10/mL、1×10/mL、1×10/mL、1×1010/mL、1×1011/mL、1×1012/mL、1×1013/mL、1×1014/mL、1×1015/mL、1×1016/mL、1×1017/mL、1×1018/mL、1×1019/mL、~/または約1×1020/mL、またはこれらの範囲内の任意の数値または部分範囲であり得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、量または有効量(特に感染性粒子が送達される場合(例えば、一次または二次因子としてのウイルスまたはウイルス様粒子、例えばカーゴとして))、有効量のウイルス粒子を、力価(単位体積当たりのプラーク形成単位)またはMOI(感染多重度)として発現させることができる。いくつかの実施形態では、有効量は、pL、nL、μL、mL、またはLあたり約1×10粒子~pL、nL、μL、mL、またはLあたり1×1020/粒子以上、例えば、pL、nL、μL、mL、またはLあたり約1×10、1×10、1X10、1X10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015、1×1016、1×1017、1×1018、1×1019~/1×1020粒子であり得る。いくつかの実施形態では、有効力価は、pL、nL、μL、mL、またはLあたり約1×10変換単位~pL、nL、μL、mL、またはLあたり1×1020/変換単位以上、例えば、pL、nL、μL、mL、またはLあたり約1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015、1×1016、1×1017、1×1018、1×1019、~/または約1×1020変換単位または任意の数値またはこれらの範囲内の部分範囲であり得る。いくつかの実施形態では、医薬製剤のMOIは、約0.1~10以上の範囲、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10以上、またはこれらの範囲内の任意の数値または部分範囲であり得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、医薬製剤中に含まれる本明細書に記載の1つまたは複数の活性剤の量または有効量は、それを必要とする対象の体重に基づいて約1pg/kg~約10mg/kgの範囲、または医薬製剤を投与できる特定の患者集団の平均体重であり得る。
【0121】
医薬製剤中に二次剤が含まれる実施形態では、二次活性剤の有効量は、とりわけ、二次剤、一次剤、投与経路、対象の年齢、疾患、疾患の段階に応じて変化し、これは当業者の通常の知識の一つであろう。
【0122】
医薬製剤中に任意に存在する場合、二次活性剤は、医薬製剤中に含めることができるか、または化合物、その誘導体、またはその医薬製剤と同時にまたは逐次的に投与できる独立した化合物または医薬製剤として存在することができる。
【0123】
いくつかの実施形態において、二次活性剤の有効量は、任意に存在する場合、医薬製剤中に存在する全活性剤の、ゼロではない、約0~1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9%w/w、v/v、もしくはw/v、または、これらの範囲内の任意の数値もしくは部分範囲である。追加の実施形態において、二次活性剤の有効量は、全医薬製剤の、ゼロではない、約0~1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9%w/w、v/v、もしくはw/v、または、これらの範囲内の任意の数値もしくは部分範囲である。
【0124】
剤形
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、剤形で提供することができる。剤形は、それを必要とする対象に投与することができる。剤形は、それを必要とする対象の所定の部位で、有効濃度などの特定の濃度を効果的に生成することができる。本明細書で使用される場合、「用量」、「単位用量」、または「投薬量」は、対象における使用に適した物理的に別個の単位を指すことができ、各単位は、所定量の一次活性剤、及び任意に存在する二次活性成分を含有し、及び/またはその投与に関連して所望の応答を生じるように計算されたその医薬製剤を指し得る。いくつかの実施形態では、所定の部位は投与部位の近位にある。いくつかの実施形態では、所定の部位は投与部位の遠位にある。いくつかの場合では、剤形は、対象体内の特定の領域または位置に到達するのに必要な最終意図量よりも多量の、医薬製剤中に存在する1つまたは複数の活性成分を含有し、第1及び第2の通過代謝を介して活性成分の損失を補う。
【0125】
剤形は、任意の適切な経路による投与に適合させることができる。適切な経路には、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、眼内、吸入、鼻内、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、鼻内、及び皮内が挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な経路については、本明細書の他の場所で説明される。このような製剤は、当技術分野で知られている任意の方法によって調製することができる。
【0126】
経口投与に適した剤形は、カプセル、ペレットまたは錠剤、粉末または顆粒、水性または非水性液体の溶液または懸濁液;食用のフォームまたはホイップ、または水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションなどの個別の投与単位にすることができる。いくつかの実施形態では、経口投与に適した医薬製剤はまた、医薬製剤に風味付与、保存、着色、または医薬製剤の分散を助ける1つまたは複数の薬剤を含む。経口投与用に調製された剤形は、泡、スプレー、または溶液として送達できる溶液の形態であってもよい。剤形は、それを必要とする対象に投与することができる。必要に応じて、本明細書に記載の剤形はマイクロカプセル化することができる。
【0127】
剤形は、任意の成分の放出を延長または持続するように調製することもできる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物、分子、組成物、ベクター、ベクター系、細胞、またはそれらの組み合わせは、放出が遅延される成分であり得る。いくつかの実施形態では、一次活性剤は、その放出が遅延される成分である。いくつかの実施形態では、任意の二次活性剤は、その放出が遅延される成分であり得る。成分の放出を遅らせるための適切な方法には、ポリマー、ワックス、ゲルなどの材料に成分をコーティングまたは埋め込むことが含まれるが、これらに限定されない。遅延放出剤形は、「Pharmaceutical dosage form tablets,」eds.Libermanet.al.(New York,Marcel Dekker,Inc.,1989)、「Remington-Thescience and practice of pharmacy」,20thed.,Lippincott Williams&Wilkins,Baltimore,MD,2000及び「Pharmaceutical dosage forms and drug delivery systems」,6th Edition,Ansel et al.,(Media,PA:Williams and Wilkins,1995)などの標準参考文献に記載されているように調製することができる。これらの参考文献は、錠剤及びカプセル、並びに錠剤及びペレット、カプセル、及び顆粒の遅延放出剤形を調製するための賦形剤、材料、機器、及びプロセスに関する情報を提供する。遅延放出は、約1時間~約3か月以上であり得る。
【0128】
好適なコーティング材料の例としては、例えば、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートなどのセルロースポリマー、ポリビニルアセテートフタレート、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びに、EUDRAGIT(登録商標)(Roth Pharma、Westerstadt、ドイツ)の商品名で市販されているメタクリル樹脂、ゼイン、セラック、並びに多糖類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
所望の放出プロフィールを生成するために、コーティングは、水不溶性/水溶性非ポリマー賦形剤の有無にかかわらず、異なる比率の水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、及び/またはpH依存性ポリマーを用いて形成され得る。コーティングは、錠剤(コーティングされたビーズの有無にかかわらず圧縮されたもの)、カプセル(コーティングされたビーズの有無にかかわらず)、ビーズ、粒子組成物、懸濁状に製剤化された「成分そのまま」を含むがこれらに限定されない剤形(マトリックスまたは単純)、またはスプリンクル剤形としてのいずれかで実施されるが、これらに限定されない。
【0130】
必要に応じて、本明細書に記載の剤形はリポソームであり得る。これらの実施形態では、一次活性成分(複数可)及び/または任意の二次活性成分(複数可)及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩がリポソームに組み込まれる。したがって、剤形がリポソームである実施形態では、医薬製剤はリポソーム製剤である。リポソーム製剤は、それを必要とする対象に投与することができる。
【0131】
局所投与に適した剤形は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾール、またはオイルとして製剤化することができる。目または他の外部組織、例えば、口または皮膚の治療のためのいくつかの実施形態では、医薬製剤は局所軟膏またはクリームとして適用される。軟膏に配合する場合、一次活性成分、任意の二次活性成分、及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩を、パラフィン系または水混和性軟膏基剤とともに製剤化することができる。他の実施形態では、一次及び/または二次活性成分は、水中油型クリーム基剤または油中水型クリーム基剤を用いてクリームに製剤化することができる。口内への局所投与に適した剤形には、トローチ(lozenge)、トローチ(pastille)、マウスウォッシュが挙げられる。
【0132】
経鼻投与または吸入投与に適した剤形には、エアロゾル、溶液、懸濁液滴、ゲル、または乾燥粉末が挙げられる。いくつかの実施形態では、一次活性成分、任意の二次活性成分、及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩は、吸入に適合した剤形であり得、微粉化によって得られるか、または得ることが可能である粒子サイズが低減された形態である。いくつかの実施形態では、サイズが低減された(例えば、微粉化された)化合物またはその塩もしくは溶媒和物の粒子サイズは、当技術分野で公知の適切な方法によって測定される約0.5~約10ミクロンのD50値によって定義される。吸入による投与に適した剤形には、粒子ダストまたはミストも含まれる。担体または賦形剤が点鼻スプレーまたは点鼻薬として投与するための液体である好適な剤形には、活性(一次及び/または二次)成分の水溶液または油溶液/懸濁液が含まれ、これは様々なタイプの定量加圧エアロゾル、ネブライザー、または吸入器によって生成され得る。経鼻/吸引製剤は、それを必要とする対象に投与することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、剤形は、吸入による投与に適したエアロゾル製剤である。これらの実施形態のいくつかでは、エアロゾル製剤は、必要に応じて、一次活性成分、二次活性成分、及び/またはその薬学的に許容される塩の溶液または微細懸濁液、及び薬学的に許容される水性または非水性溶媒を含む。エアロゾル製剤は、密封容器内の滅菌形態で1回または複数回の投与量で提供され得る。これらの実施形態のいくつかでは、密封容器は、容器の内容物が使い果たされた後に廃棄されることを意図した、単回用量または複数回用量の経鼻または定量バルブを備えたエアロゾルディスペンサー(例えば、定量吸入器)である。
【0134】
エアロゾル剤形がエアロゾルディスペンサーに含まれる場合、ディスペンサーは、圧縮空気、二酸化炭素、またはヒドロフルオロカーボンを含むがこれらに限定されない有機噴射剤などの加圧下の適切な噴射剤を含有する。他の実施形態におけるエアロゾル製剤剤形は、ポンプ噴霧器内に含まれる。加圧エアロゾル製剤はまた、一次活性成分、任意の二次活性成分、及び/またはその薬学的に許容される塩の溶液または懸濁液を含有することもできる。さらなる実施形態では、エアロゾル製剤は、例えば製剤の安定性及び/または味及び/または微粒子質量特性(量及び/またはプロフィール)を改善するために組み込まれる共溶媒及び/または改質剤も含有する。エアロゾル製剤の投与は、1日1回または1日に数回、例えば、1日2、3、4、または8回であり得、毎回1、2、3またはそれ以上の用量が送達される。エアロゾル製剤は、それを必要とする対象に投与することができる。
【0135】
吸入投与に好適な及び/または適合されたいくつかの剤形では、医薬製剤は乾燥粉末吸入可能製剤である。一次活性剤、任意の二次活性成分、及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩に加えて、そのような剤形は、乳糖、グルコース、トレハロース、マンニトール、及び/またはデンプンなどの粉末基剤を含有することができる。これらのいくつかの実施形態では、一次活性剤、任意の二次活性成分、及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩は、粒子サイズが低減された形態である。さらなる実施形態では、L-ロイシンまたは別のアミノ酸、セロビオースオクタ酢酸、及び/またはステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムなどのステアリン酸の金属塩などの性能調整剤。いくつかの実施形態では、エアロゾル製剤は、エアロゾルの各定量投与量が、本明細書に記載される組成物、化合物、ベクター(複数可)、分子、細胞、及びそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数などの所定量の活性成分を含むように手配される。ここで。
【0136】
膣内投与に適した剤形は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレー製剤として提供され得る。直腸投与に適した剤形には、坐剤または浣腸剤が挙げられる。経膣製剤は、それを必要とする対象に投与することができる。
【0137】
非経口投与に適合した及び/または注射に適合した製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、対象の血液で組成物を等張にする溶質を含有することができる、水性及び/または非水性の滅菌注射溶液、並びに懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性の滅菌懸濁液が挙げられ得る。非経口投与に適した剤形は、密封されたアンプルまたはバイアルを含むがこれらに限定されない、単一単位用量または複数単位用量の容器で提供することができる。用量を凍結乾燥し、滅菌担体に再懸濁して、投与前に用量を再構成することができる。いくつかの実施形態では、即時注射溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒剤、及び錠剤から調製することができる。非経口製剤は、それを必要とする対象に投与することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、剤形は、一単位用量あたり、所定量の一次活性剤、任意の二次活性成分、及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩を含有する。一実施形態では、一次活性剤、二次活性成分、及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩の所定量は、有効量、最小効果量、及び/または治療有効量であり得る。他の実施形態では、一次活性剤、二次活性剤、及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩の所定量は、活性成分の有効量の適切な画分であり得る。
共同療法及び併用療法
【0139】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤(複数可)は、併用治療または併用療法の一部である。併用治療には、本明細書に記載の医薬製剤及び追加の治療モダリティが含まれ得る。追加の治療モダリティは、化学療法、生物学的治療、手術、放射線、食事の調節、環境の調節、身体活動の調節、及びそれらの組み合わせであり得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、共同療法または併用療法にはさらに、ポリヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体、アプタマー、リボザイム、ホルモン、免疫調節薬、解熱薬、抗不安薬、抗精神病薬、鎮痛薬、鎮痙薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、抗感染症薬、放射線増感剤、化学療法剤、造影剤、免疫原、抗がん剤、それらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
医薬製剤の投与
本明細書に記載の医薬製剤またはその剤形は、毎時、毎日、毎月、または毎年(例えば、毎時、毎日、毎月、または毎年1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上)投与することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤またはその剤形は、数分~数時間、あるいは数日の範囲の期間にわたって連続的に投与することができる。本明細書に記載の医薬製剤の連続投与を提供するのに有効な装置及び剤形は当技術分野で知られており、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、投与される最初の1つまたはいくつかの初期量は、その後の用量よりも高い用量であり得る。これは、当技術分野では通常、それぞれ負荷用量及び維持用量と呼ばれる。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、対象を医薬製剤から徐々に離脱させるか、または対象に医薬製剤を徐々に導入するために、経時的に用量が漸減(増加または減少)するように投与することができる。
【0142】
前述のように、剤形は、一単位用量あたり、所定量の一次活性剤、任意の二次活性剤、及び/または必要に応じてその薬学的に許容される塩を含有することができる。これらのいくつかの実施形態では、所定量は、有効成分の有効量の適切な画分であり得る。したがって、そのような単位用量は、1日、1か月、または1年に1回または複数回(例えば、1日、1か月、または1年に1、2、3、4、5、6回、またはそれ以上)投与され得る。このような医薬製剤は、当技術分野でよく知られている任意の方法によって調製され得る。
【0143】
共同療法または複数の医薬製剤が対象に送達される場合、異なる療法または製剤を逐次にまたは同時に投与することができる。逐次投与は、投与の間にかなりの時間、例えば、約15、20、30、45、60分以上が経過する投与である。逐次投与における投与間の時間は、各投与に存在する活性剤に応じて、約数時間、数日、数か月、さらには数年であり得る。同時投与は、2つ以上の製剤を同時にまたは実質的に同時に(例えば、数秒以内またはわずか数分間隔で)投与することを指し、製剤を同時に投与することが意図されている。
【0144】
キット
本明細書に記載される化合物、組成物、製剤、及び/もしくはエクソソームのいずれか、またはそれらの組み合わせは、組み合わせキットとして提供され得る。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の方法に従って乳エクソソームを調製するために使用される1つまたは複数のフィルタ、チューブ、デバイスなどを含む。本明細書で使用される「組み合わせキット」または「部品のキット」という用語は、中に含まれる複数の要素または有効成分などの単一要素の組み合わせを、包装、販売、取引、送達、及び/または投与するために使用される化合物、組成物、製剤、粒子、細胞及び任意の追加の構成要素を指す。このような追加の構成要素には、パッケージ、シリンジ、ブリスターパッケージ、ボトル等が挙げられるが、これらに限定されない。キットに含まれる本明細書に記載の化合物、組成物、製剤、粒子、細胞の1つまたは複数、またはそれらの組み合わせ(例えば薬剤)が同時に投与される場合、組み合わせキットは、医薬製剤(例えば、錠剤)など単一の製剤中または別個の製剤中に活性剤を含むことができる。本明細書に記載の化合物、組成物、製剤、粒子、及び細胞、またはそれらの組み合わせ及び/またはキット構成要素が同時に投与されない場合、組み合わせキットは、各剤または他の構成要素を別個の医薬製剤中に含むことができる。別個のキット構成要素は、単一のパッケージに含めることも、キット内の別のパッケージに含めることもできる。
【0145】
いくつかの実施形態では、組み合わせキットはまた、有形の発現媒体上に印刷された、またはそうでなければ有形の発現媒体に含まれる説明書を含む。説明書は、本明細書に記載される化合物、組成物、製剤、粒子、及び/またはエクソソームの内容物、またはそれに含まれるそれらの任意の組み合わせに関する情報、本明細書に記載される化合物、組成物、製剤(例えば、医薬製剤)粒子、及び/またはエクソソームの内容物、またはそれに含まれるそれらの任意の組み合わせに関する安全性情報、中に含まれる化合物(複数可)及び/または医薬製剤の用量、使用のための指示及び/または推奨される治療計画(複数可)に関する情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、説明書は、本明細書の他の場所に記載される方法に従って乳エクソソームを調製する方法についての指示を提供する。いくつかの実施形態では、説明書は、本明細書に記載の化合物、組成物、製剤、粒子、及び細胞、またはそれらの組み合わせを、それを必要とする対象に投与するための指示を提供することができる。
【実施例
【0146】
ここまで本開示の実施形態を説明してきたが、一般に、以下の実施例は本開示のいくつかの追加の実施形態を説明する。本開示の実施形態は、以下の実施例及び対応する本文及び図に関連して説明されるが、本開示の実施形態をこの説明に限定する意図はない。反対に、本開示の精神及び実施形態の範囲内に含まれる全ての代替形、修正形、及び同等物を網羅することを意図するものである。以下の実施例は、当業者に、本明細書に開示され特許請求される方法を実施する方法及びプローブを使用する方法の完全な開示及び説明を提供するために提示される。数字(例えば、量、温度など)については、精度を確保するように努めてあるが、ある程度の誤差と偏差は考慮されたい。別段に示されていない限り、部は、重量部であり、温度は、℃であり、圧力は、大気圧または大気圧近傍である。標準の温度及び圧力は20℃及び1気圧と定義されている。
【0147】
実施例1ウシ乳からのエクソソームの単離
結果
最適化された超遠心分離ベースの単離プロトコル
乳から精製エクソソームを単離するために、2つの異なるプロトコルを最適化した。各プロトコルの重要なステップは、30mM EDTAを使用した、37℃で1時間の二価陽イオンキレート化によるカゼインミセル構造の化学的可溶化のタイミングであった。第1のプロトコルは、超遠心分離(UC)ベースの方法と呼ばれる(図1)。第2の組み込まれたタンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)は、以後TFFベースの方法と呼ばれる(図2)。UCベースの方法では、最終セファロースカラム(SEC)濾過ステップの前に一次キレート化ステップを配置することによって、高レベルのエクソソーム収率及び純度を達成した(図3A~3E)。図3Aのヒストグラムは、SEC濾過中に収集された連続画分を示し、y軸はナノドロップによって測定されたタンパク質濃度(mg/ml)を示す。ウェスタンブロッティングでは、ピークのエクソソームSEC画分、すなわち画分8.5及び9.0にはカルネキシン(細胞膜マーカー)、Arf6(微小胞マーカー)、及びカゼインに対応するバンドが存在しないことに関連して、エクソソームマーカーCD81、CD9、及びシンテニンのシグナルが示された(図3B)。エクソソームタンパク質マーカーは、後のSEC画分15~18には存在していない(例えば、図3B)。図3Cのナノ粒子追跡分析(NTA)グラフは画分8.5から測定され、ネガティブ染色透過型電子顕微鏡法(TEM)によって示されるように、エクソソームが最も豊富であった(図3D)。NTA分析では、1mLあたり約1×1013粒子の濃度でエクソソーム(モード約133nm)と一致する粒子サイズが示された。図3DのTEM画像は、ピークSEC画分における高密度に詰まったエクソソームのネガティブ染色を示している。図3Eは、画分17のカゼインのマクロ構造を示しており、これらの画分に見られる典型的なカゼインミセルが、高倍率で挿入図に示されている。まとめると、TEM、NTA、及びウェスタンブロッティングにより、ピークSEC画分8.0~9.0に非常に高密度で純粋かつ超微細構造的に決定的なエクソソームが存在することが確認され、カゼイン及びカゼインミセル凝集体に対応する低レベルのタンパク質シグナル及び粒子状物質であり、これは後のSEC画分で見られる。注目すべき点は、UCベースのプロトコルの開始時の典型的な開始量1000mLの乳から、これらの最終的な超高密度エクソソーム濃縮物は平均75mL(+/-10mL)、すなわち乳の開始量の7.5%を構成する(図6)。
【0148】
UC中に加えられるせん断力は、エクソソームの構造に悪影響を与え得ると考えられている(MogiK,2018)(Lasser C,2012)。我々の観察は、UCが乳からのエクソソームの収量と純度に影響を与える可能性があることも示唆している。70,000RCF及び100,000RCFスピンからのペレットの組成物を、UCベースの方法の130,000RCFスピン後にTFF濃縮された上清とともに、それぞれ図7A~7B及び8に示す。これらのサンプルのSEC濾過とそれに続くTEMは、これらのサンプルすべてに多数のエクソソームが存在することを示している。これらのペレット及び上清は廃棄されるため、最適化されたUCベースの方法では、これらの画分に存在する多数の細胞外小胞が失われる。さらに、SECから生じるピーク画分中の汚染カゼインのレベルが最適化された方法と比べて高かったため、これらの低速スピンをスキップして130,000rcfスピンに直接移動することはできない(データは示さず)。
【0149】
最適化されたTFFベースの単離プロトコル
UCベースの方法における図7A~7B及び8に示されるエクソソームの損失により、代替アプローチとしてTFFを検討することにした。我々の研究から開発されたTFFベースのエクソソーム単離のための最適化されたプロトコルを図2に要約する。TFF後の連続SEC画分のタンパク質濃度から得られたヒストグラムを図4Aに示しており、タンパク質濃度がmg/mLでY軸に示されている。TFFベースのプロトコルの結果は多くの点でUCベースの方法と類似していたが、カゼイン可溶化ステップはTFF濾過の前に最適に配置され、最終収率がUCベースの方法より約100%多かったことがわかった。ピークエクソソームSEC画分のウェスタンブロッティングは、微小胞マーカーカルネキシン及びArf6の不在とともに、エクソソームマーカーCD81、CD9及びシンテニンの存在、及び後のSEC画分、例えば、画分17と比較してカゼインの大幅な減少を示した(図4B)。示されるNTA分析は、ピーク画分8.5からのものであり、最終溶液1mLあたり1×1013個を超える粒子の濃度での100nmのモードを示す(図4C)。ヒストグラムの下のTEM画像(図4D)は、ピークSEC画分(8.5及び9.0)における高濃度で純粋なエクソソーム溶液を示しているが、その後のSEC画分のTEMは、高レベルのカゼインミセル凝集体を示した(図4E)。TFFベースのプロトコルでは、乳1000mlあたり、ピーク画分で平均200ml(+/-10mL)のエクソソーム濃縮物、すなわち、乳の開始量の20%が提供された。
【0150】
図5は、TFFベースの方法によって生成された、1:10に希釈されたHepes緩衝液に懸濁されたピークSEC画分におけるカルセイン標識エクソソームの共焦点光学切片を示す。画像は、脱エステル化によって活性化されるまで非蛍光性の色素であるCalcein-AMでの1、2、3、及び4時間のインキュベーションから得られた取り込みを示している。斑状蛍光シグナルは、我々のエクソソーム濃縮物中の細胞外小胞がエステラーゼ活性を含み、脱エステル化されたカルセイン分子を保持できることを示唆している。カルセインシグナルのレベルは、インキュベーションが長くなるほど強くなり、色素の蓄積保持と単離されたエクソソームの構造的/機能的完全性を示唆している。カルセインの蛍光と保持の同様のパターンが、UCベースのプロトコルを使用して単離されたエクソソームで観察された(データは示さず)。
【0151】
最適化されたプロトコルからの逸脱の影響
比較のため、図9Aは、UCベースの方法を使用して単離されたエクソソームの典型的なTEM陰性染色の外観を示し、この方法は最適化されたプロトコルで実施されるような、最終的なカゼイン可溶化及びSEC濾過ステップは行われない。エクソソームは超微細構造的に明らかであるが、最適化されたプロトコルよりも密度が大幅に低くなる。エクソソームにはカゼインミセルも豊富に含まれている。図9B~9Dは、我々の最適化されたプロトコルのSEC濾過(図9B)、二価カチオンキレート化(図9C)及び/または37℃の温度(図9D)の側面が省略された場合の、エクソソーム密度及びカゼイン汚染に関する他の次善の結果の例を示す。二価カチオンキレート化または37℃温度でのインキュベーションが実行されなかった場合、これらの同じSEC画分のカゼインに対応するカゼインミセル及び20~25kDaのゲルバンドの超微細構造の存在によって証明されるように、ピークSEC画分におけるエクソソーム密度が減少し、カゼイン汚染が増加した。また、30mM未満のEDTA濃度、37℃未満の温度、60分より短いインキュベーション期間、及びUCベース及びTFFベースの方法のそれぞれpre-SECまたはpre-TFF以外のプロトコルの様々な段階でのカゼイン可溶化ステップの実施でのカゼイン可溶化の影響も調査した。最適なプロトコルからのこれらすべてが逸脱することにより、図9A~9Dに示されるものと同様に、より低いエクソソーム密度及び増加したカゼイン汚染レベルを示すピークSEC画分をもたらした(データは示さず)。30mMのEDTA中で最大2時間のインキュベーションは、有害ではないものの、エクソソームの収率及び可溶化に関してそれ以上の利益をもたらさないように見え、その一方で、30mMを超えるEDTA濃度では、エクソソームの超微細構造に水疱状の変形が生じた(図10)。
【0152】
考察
EVサブタイプの存在の違い、及びタンパク質性凝集体の汚染を含む、異なる単離プロトコルによって生成されるエクソソームの純度の変動は、この分野の進歩を妨げる問題である(Vaswani K.,2019)。汚染の問題は、乳からエクソソームを単離する場合に特に懸念され、カゼインミセル及びカゼインを含有する高次ポリマー構造が、エクソソーム画分の精製中に日常的に共沈殿する(yamauchi M,2019)。この実施例は、少なくとも、エクソソーム分離株における夾雑タンパク質の負担を大幅に軽減するアプローチを実証する。このアプローチの中心となるのは、カゼインミセル構造の可溶化を促進する37℃での二価カチオンキレート処理の戦略的展開である。この1時間の処理を、本明細書に記載されるTFFベース及びUCベースのプロトコルの特定の時点で使用すると、カゼインを含む凝集体からのエクソソームの高効率な分離を達成することができる。30mM未満の濃度のEDTAの使用及び37℃未満の温度でのインキュベーションを含む、最適化されたプロトコルから逸脱すること、並びに図1~2に特定されるもの以外の方法の段階でキレート化ステップを展開することにより、分離されたエクソソームの純度は低く、乳タンパク質による汚染レベルは高くなる。
【0153】
この分野へのさらなる障害は、エクソソームを安価かつ効率的に大規模に生産する能力が現時点では限られていることである。通常、開始時に大量の生体液または組織(血漿、尿、脂肪組織など)、または培地を必要とし、それでも最終的なエクソソーム分離株の収率は控えめになる傾向にある(Lasser C,2012)。この方法により、費用対効果が高く簡単な一連のステップで、乳から大量の精製エクソソームを高密度で生成することができる。実際、エクソソームが体積で乳のかなりの部分を占める程度は、我々の研究の予想外の結果であった。乳には細胞外小胞がこの程度まで詰め込まれており、その多くには情報伝達またはシグナル伝達の可能性を持つmiRNAやその他の分子が含まれていることが文献で報告されている(Golan-Gerstl R.,2017)という事実は、発達上の指導的機能と哺乳類の看護の栄養的機能の興味深い新見解となった。
【0154】
TFFベースの方法及びUCベースの方法から得られる絶対収率の違いは注目に値する。TFFベースの方法から得られるピークSEC画分におけるエクソソームの超高密度の蓄積(例えば、図6)は、乳の開始体積の約20%に相当する。UCベースの方法は、開始体積の約7.5%と依然として優れたエクソソーム濃縮物をもたらす(図3A~3E)。そうは言っても、我々のEM分析は、UCベースの方法の収率がより低いことは、図7~8に示すように、このプロトコルのより低い効率による可能性があることを示唆している。TFFベースの方法で得られる収量が大きいことを考慮すると、TFFベースの方法が好ましいアプローチであるように思われる。この優先度は、2つの方法で生成されたエクソソームの純度及び単位体積あたりの粒子密度が同等であることを示すウェスタンブロッティング及びNTAの結果によって補強される。さらに考慮すべき点は、TFF分離を組み込んだプロトコルは、複数のUCステップに依存するプロトコルよりも本質的に拡張性が高い可能性があり、最終的には工業規模での乳からのエクソソームの生産の基盤となる可能性があることである。
【0155】
これらの方法で生成された大量の純粋なエクソソームは、低分子薬剤やペプチド、高分子薬剤、miRNAなどのカーゴをエクソソームにロードするための技術的アプローチの開発を含む、進行中の実験及び方法の実験のための十分な基礎となる。動物モデルにおける安全かつ効果的な薬物送達は、ドキソルビシン(Yang T.,2015)、(Tian T.,2014)、クルクミン(Zhuang X.、2011)、及びパクリタキセル(Agrawal AK、2017)、並びにsiRNA(Alvarez-Erviti L.,2011)及びmiRNA(Wang F.,2018)、(Momen-Heravi F.,2014)を含むエクソソームによってカーゴされた薬物について示されている。文献で報告されている外因性分子をエクソソームに搭載するための技術には、エレクトロポレーション、超音波処理、凍結融解、押出成形及び膜けん化(Momen-Heravi F.,2014)、(Haney M.J.,2015)が挙げられる。ある程度効果的ではあるものの、このような技術の欠点はエクソソーム膜への損傷であり、薬物の保持力及び細胞への治療用カーゴの効果的な送達が低下させることである。我々の単離プロトコルの様々な反復によるエクソソーム画分のEM分析の結果は、エクソソーム膜が機械的及び化学的破壊に敏感であり得ることを示唆している(例えば、図9A~9D及び10)。さらに、薬物搭載に対する新規かつ比較的穏やかなアプローチが、図5のカルセイン保持アッセイによって示唆されており、エクソソームへの外因性分子の取り込みと保持が、搭載された分子にエステル基を追加することによって強化される可能性がある。コネキシン43(C×43)カルボキシル末端に基づく短い治療用ペプチドのデータ(Jiang J.、2019)は、エステル化がエクソソーム薬物搭載の戦略となり得ることを示唆している。エクソソームの取り込みを促進するためにカーゴ化合物がエステル化される実施形態は、国際特許出願公開WO2020/028439の81~86ページに記載されている。
【0156】
エクソソームは、超音波標的化マイクロバブル破壊などのシステムと組み合わされている多くのグループによって薬物送達デバイスとして(Sun W、2019)、神経疾患の単純な薬物担体として(Yang T.,2015)利用されてきたほか、直接送達のために細胞集団を特異的に標的とするためにデザイナー細胞により操作されている(Kojima R,2018)エクソソームをDDDとして利用する最も有望な方法は、エクソソームカーゴの特異的送達のために目的のマーカーを特異的に上方制御するために、単離後にエクソソーム表面を操作することである(Si Y,2020)。他のグループは、単純に搭載されたカーゴでエクソソームを経口的に適用し、医薬品カーゴの送達に非常に効果的な単純な投与方法を示している(Agrawal AK,2017)。DDDとしてのエクソソームは、以前のレビューで広範にレビューされている(Vader P,2016)。本明細書に記載及び実証された方法は、工業的及び臨床的に適切な量のエクソソームの生産を促進することができる。
【0157】
追加の方法
エクソソームの単離-超遠心分離ベースの方法
図1は、最適化されたUCベースのプロトコルの手順をまとめたものである。4℃で殺菌されていない乳を、Homestead Creamery of Wirtz,VAから入手した。キレート化及び温度処理に至るまでのすべてのその後のステップは4℃で実行した。乳を滅菌大型ポリプロピレン遠心分離管(Thermo Scientific、75007585)に移し、5,000rcf(Sorval TX-400 75003629ローターを備えたSorval Legend X1R遠心分離機)で30分間遠心分離した。脂肪(クリーム)は、上清(SN)からデカントするか、濾紙で泡立てて取り除くことによって除去した。残ったSNを新しい容器に移し、ペレットを廃棄した。これらの手順を2~3回繰り返して、確実に脱脂させた。次いで、乳を250mLの遠心分離容器(Nalgene)に移し、14,500rcf(JLA16.25ローターを備えたBeckmann Coulter Avanti J-26XP遠心分離機)で60分間遠心分離した。次いで、SNを250mLのポリプロピレン(Beckmann)に移し、22,600rcf(JLA16.25ローターを備えたBeckmann Coulter Avanti J-26XP遠心分離機)で60分間遠心分離した。各遠心分離の後、SNをデカントし、ペレットを廃棄し、目に見える脂肪をすべて取り除いた。この遠心分離、脂肪除去及びSNデカントステップを22,600rcfで3~4回繰り返した。次いで、SNを0.45μm及び0.22μmフィルタ(Millipore)を通して連続的に濾過し、Beckmann355631超遠心分離管に移し、56,000rcf(JA25.5ローターを備えたBeckmann Coulter Avanti J-26XP遠心分離機)で60分間遠心分離した。これらの低速遠心分離の後、ペレットを廃棄し、SNを新しい355631 Beckmann管に移し、70,000rcf(SW.32.Tiローターを備えたBeckmann Coulter Optima L-100XP超遠心機)で60分間遠心分離した。次いで、SNを新しいBeckmann355631管に移し、100,000rcf(SW.32.Tiローターを備えたBeckmann Coulter Optima L-100XP超遠心機)で60分間遠心分離した。得られたSNをさらに130,000rcf(SW.32.Tiローターを備えたBeckmann Coulter Optima L-100XP超遠心機)で120分間遠心分離した。次いで、得られたペレットを2~3mlのHepes緩衝液(100mM NaCl、4mM KCl、20mM Hepes、pH6.7)に4℃で一晩溶解した(ペレット10体積%)。翌朝、溶液を粉砕し、500μLにアリコートした。これらのアリコートは、さらに使用するまで-80℃で保存した。氷上で解凍した後、EDTAをアリコートに30mMの濃度まで添加し、溶液を37℃で60分間インキュベートした。次に、溶液をIZON qEVオリジナル70nmセファロースカラム(1006881)に通した。得られた画分のタンパク質濃度を、標準的な方法及びブランク対照溶液としてHepes緩衝液を使用し、260/280分光光度法によりNanodrop2000ソフトウェアを実行するNanodrop2000cを使用して分析した。タンパク質の定量後、サンプルをアリコートし、さらに使用するまで-80℃で保存した。
【0158】
エクソソームの単離-タンジェンシャルフローフィルトレーションベースのプロトコル
図2は、最適化されたTFFベースのプロトコルの手順をまとめたものである。4℃の殺菌されていない乳をHomestead Creamery of Wirtz,VAから入手し、滅菌大型ポリプロピレン遠心管(Thermo Scientific、75007585)に移し、ミリポア0.45um及び0.22umフィルタにより得られたSNの濾過まで、上記のUCベースの方法と同様に、同一の低速遠心分離及び脂肪スキミングステップで処理した。次いで、得られた溶液を30mM EDTAで37℃で60分間処理した。処理後、500kDa MidiKros TFFフィルタ(Repligen)上のRepligen KrosFlo TFFシステムを10mL/分で使用して溶液を濾過した。溶液が開始体積の約10%に達したら、UCベースの方法の場合と同様に、溶液を約10倍体積の標準Hepes緩衝液組成物でさらにダイアフィルトレーションした。次に、このTFF保持液が開始体積の約20%に達したら、カラム分離前に溶液を-80℃で保存した。他の実施例では、TFF保持液が開始体積の約20%に達した後、溶液をBeckmann355631管に移し、Beckmann Coulter Optima L-100XP超遠心分離機においてSW.32.Tiローターを使用して4℃で130,000rcfで120分間超遠心分離した。得られたペレットを出発体積の約10%(約2.5mL)の緩衝液に再懸濁し、この溶液に4℃で一晩溶解させた。翌朝、溶液を粉砕し、500μL体積にアリコートした。-80℃での保存または保持液の超遠心分離の後、IZON qEVオリジナル70nmセファロースカラム(1006881)で溶液を分離し、得られた画分を上記のUCベースの方法で説明したようにNanodrop及び分光光度法で分析した。タンパク質の定量後、サンプルを画分でアリコートし、さらに使用するまで-80℃で保存した。
【0159】
ゲル電気泳動及びウェスタンブロッティング
電気泳動用のサンプルを調製するために、サンプルを、0.05%ベータ-メルカプトエタノール(Thermo Fisher)を含有するLamelliのサンプルバッファー(BioRad)と混合した。次にサンプルを5分間煮沸し、6.25mgのタンパク質を4%~20%Biorad無染色ゲル(BioRad-5678093)の各レーンにロードした。電気泳動は、Bioradモジュール(CRITERION Cell 135BR0030876)で標準泳動用緩衝液(25mMトリス、192mMグリシン、0.1%SDS)中で200Vで40分間実施した。次に、Bio-Radイメージャー(BioRad Universal Hood III731BR00622)で、5分間の活性化イメージングを使用して、ステインフリーゲルをイメージングした。ゲルからのタンパク質の転写は、Bio-Radトランスブロットターボを使用し、標準転写緩衝液(25mMトリス、192mMグリシン、0.01%SDS)中で25V、1.0Aで30分間、PVDF(Millipore IPFL00010)膜上に実行した。続いて、膜を室温(RT)で1時間乾燥させ、タンパク質を固定させた。次に、PVDF転写膜をメタノールで再水和し、蒸留水で洗浄し、TBST(20mMTris、150mMNaCl、0.1%Tween-20、pH7.6)中の3%魚皮ゼラチン抽出物(FSE)(Thermo Fisher)で、室温で1時間ブロックした。一次抗体の一晩インキュベーションは製造業者の指示に従って実施し、TBST中の3%FSEで希釈し、4℃で一晩放置した。使用した抗体:CD81(Cell Signaling Technology、56039S)、TSG-101(Invitrogen、MA1-23296)、CD9(Novus、NB500-494)、Calnexin(EMD Millipore、AB2301)、カゼイン(Abcam、ab166596)、ARF6(Novus、NBP1-58310)、Syntenin-1(Santa Cruz、SC-100336)、関連する二次抗体:抗マウス(Jackson Immuno、715-035-150)及び抗ウサギ(Southern Biotechnology、4050-05)。次いで、膜をオービタルシェーカー(VWRモデル100 10M0219G)上で室温で5分間、TBST中で5回洗浄して、結合していない抗体を除去した。洗浄後、膜を、1:1TBST:3%FSEで1:20,000に希釈した二次抗体中で室温で1時間インキュベートし、次いでシェーカー上で5分間、TBSTで5回洗浄した。次に、ブロット膜をThermo Scientific Pico活性化緩衝液(Thermo Scientific)によって5分間活性化し、化学検出設定の下でBioradイメージャーで画像化した。バンドは、ImageLabバージョン6.1(BioRad)の濃度測定分析を使用して定量化した。
【0160】
Nanosight Tracker Analysis
Nanosight Tracker Analysis(NTA)分析を、NanosightNS300で実行した。SEC後に得られたエクソソーム濃縮物をHepes緩衝液で1:10に希釈し、Branson2510バスソニケーターで室温で1分間バス超音波処理してサンプルの凝集を減少させた。次に、エクソソームを希釈し(サンプルに応じて1:1000~1:10,000)、1mLシリンジに加え、シリンジポンプにセットしてNTAフローセルにロードした。各サンプルを、NTAソフトウェア(バージョン3.4)で10に設定した一定の流量で、405nmレーザーを使用して3回連続した1分間のビデオ録画で分析した。流量はソフトウェアで設定され、単位を含まない。すべてのビデオをNTAソフトウェアでまとめて分析し、データは生の形式で収集及び保存した。
【0161】
共焦点顕微鏡分析
SECエクソソーム濃縮物をHepes緩衝液で1:10に希釈し、10μMのCalcein-AM(Thermo Fisher Scientific C1430)とともに1、2、3または4時間間隔で37℃でインキュベートした。インキュベートした後、小胞外色素をセファロースG50カラム(USA Scientific 1415-1601)で除去し、Hepes緩衝液で予め平衡化した。次いで、この溶液6μLを顕微鏡スライド(Premiere75×25×1mm、9105)上に分注し、カバースリップをかけた(Fisherbrand、12541A)。カルセイン強度と色素保持率は、この溶液に懸濁した粒子で、488レーザー、HyD、1AU、スライドあたり6フィールドの走査周波数700Hzを備えたLeica SP8共焦点顕微鏡で63倍の対物レンズ(オイル、1.4NA)を使用した光学切片によって直接監視した。
【0162】
透過型電子顕微鏡-ネガティブ染色
ホルムバールでコーティングされた200メッシュの銅グリッド(電子顕微鏡サイエンス、FCF200-CU)を、Pelcoグロー放電ユニット(Pelco)で0.29mBARで1分間グロー放電させた。0.1%ポリ-L-リジンをグリッドに1分間適用し、その後過剰な溶液をワットマン#1濾紙で取り除いた。グリッドを10μLのmilli-Q水で2回洗浄し、過剰な液体を濾紙で除去した。次いで、グリッドを室温で一晩乾燥させた。調製したSECエクソソーム濃縮物10μLをグリッドに5分間適用することにより、サンプルをロードした。過剰な溶液を濾紙で吸い取り、サンプルを10μLのウランレス染色液(電子顕微鏡サイエンス、22409)で室温で1分間ネガティブ染色した。その後、余分な染色を吸い取った。次いで、グリッドを室温で一晩乾燥させた後、透過型電子顕微鏡(TEM)で画像化した。ネガティブに染色された調製物のイメージングを、FEI Tecnai G20 Biotwin TEMで120kVで実行し、画像はEagle 4K HSカメラを使用してキャプチャした。
【0163】
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【0210】
実施例2-ヒト母乳からのエクソソームの単離
この実施例は少なくとも、本明細書の他の場所に記載される超遠心分離法を使用したヒト母乳からの乳エクソソームの単離を実証する(例えば、図1を参照)。乳を収集した後、エクソソームを単離する前に、乳サンプルを-80℃で6か月間保存した。ヒト乳エクソソームは、UCベースの単離方法を使用して単離した。例えば、図11及び関連する議論は本明細書の他の場所で参照されたい。図11A~11Dは、超遠心分離法の一実施形態によるヒト母乳からのエクソソームの単離の結果を示す。図11Aは、各画分におけるエクソソームまたはタンパク質の濃度(x軸)をmg/mL(y軸)で示すグラフを示す。図11Bは、エクソソーム分離株のNanosight Tracker分析データを示す。図11C~11Dは、単離されたエクソソームの高倍率TEM画像(図11C)及び様々なエクソソーム画分の代表的なTEM画像(図11D)を示す。
【0211】
実施例3 分離された乳エクソソームに対するSEC前及びSEC後の保存の影響
この実施例は、乳エクソソームに対するSEC前保存及びSEC後保存の影響を評価する。2つの別個の分析、つまり、SEC前の保存とSEC前の保存を使用した。理論に束縛されるものではないが、ゲル分離前のエクソソームはより安定していると考えられているため、SEC前の保存は重要である。図12に示される結果については、サンプルは、TFF後、SEC前に、-80℃で最長3ヶ月保存した。次いで、SECを実行し、サンプルを、図12の各代表的なTEM画像の下に示される期間、4℃で保存した。図13A~13Bに示される結果については、サンプルは、-80℃でまったく保存されていなかったか(図13A)、またはTFF後に-80℃で保存したが、SEC処理前にSEC前に6ヶ月間保存した(図13B)新鮮なサンプルであった。6か月サンプルのTEMは、SEC処理前の長期保存が可能であることを少なくとも示している。スクロース、ラクトース、またはトレハロースを含む凍結保護剤の使用も、我々の単離されたエクソソームを-80℃で保存するために使用できることが企図される。
***
【0212】
記載される本発明の方法、医薬組成物及びキットの種々の修正及び変形は、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく当業者には明白である。本発明を特定の実施形態に関連して記載してきたが、特許請求の範囲に記載されるような本発明は、さらなる修正が可能であり、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、当業者に明らかである本発明を実施するための記載の手法の様々な修正は、本発明の範囲内であると意図される。本出願は、一般に本発明の原理に従う、本発明の任意の変形例、用途、または適合を対象とすることを目的としており、本開示からのそのような逸脱を含むことは、本発明が関連する既知または慣例的実践の範囲内であり、以上で記載される不可欠な特徴に適用され得ることを理解されるであろう。
【0213】
本発明のさらなる属性、特徴、及び実施形態は、開示される発明の以下の番号付けされた態様を参照することによって理解され得る。前述の態様のいずれかにおける開示への参照は、実施可能な先行態様の任意の組み合わせにおける適切な先行開示によって認識されるように、任意の先行番号付き態様及び任意の数の先行態様の任意の組み合わせに適用可能である。次の番号付きの態様が提供される。
1.生体液からエクソソームを単離する方法であって、
a.生体液の1つまたは複数の他の成分から脂肪を分離するのに適した条件下で前記生体液を遠心分離することと、
b.前記分離された脂肪を前記生体液から除去することと、
c.ステップ(b)の後、残った生体液を1回または複数回遠心分離し、ステップ(c)の各遠心分離後に任意の顕著に分離された脂肪をスキミングすることと、
d.ステップ(c)の後に前記残った生体液を濾過することと、
e.任意選択的に(d)の後に1回または複数回超遠心分離ステップを実行することと、
f.約10mM~約100mMのEDTAを用いて、摂氏約30~42度で、任意選択的に(d)または任意選択的に(e)の後、任意選択で約15~120分間、二価カチオンをキレート化することと、
g.(f)の後、任意選択的にタンジェンシャルフローフィルトレーションを行って保持液を得ることであって、前記保持液は任意選択的に1回または複数回の超遠心分離ステップによって超遠心分離されるか、または-80℃で保存され、前記保持液が任意選択的に超遠心分離されるか、または-80℃で保存された後、任意選択的にカラム分離によって前記保持液の画分を分離することと、を含み、
前記方法は、ステップ(e)またはステップ(g)を含むが、両方は含まない、前記方法。
2.二価カチオンのキレート化が約30mMのEDTAで起こる、態様1に記載の方法。
3.二価カチオンのキレート化が摂氏約37度で起こる、態様1または2の方法。
4.前記生体液が哺乳動物の乳である、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.前記生体液が低温殺菌されていない、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
6.ステップ(a)及び(b)を合わせて1~5回繰り返す、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
7.ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)、またはそれらの任意の組み合わせが、摂氏約4度で実行される、態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
8.(a)が、前記生体液を約2,000~3,000rcfで遠心分離することを含む、態様1~7のいずれか1つに記載の方法。
9.(a)が、前記生体液を約2,500rcfで遠心分離することを含む、態様1~8のいずれか1つに記載の方法。
10.ステップ(a)が、1~3回繰り返される、態様1~9のいずれか1つに記載の方法。
11.(b)が、第1の遠心分離とそれに続く第2の遠心分離を含む、態様1~10のいずれか1つに記載の方法。
12.前記第1の遠心分離が、前記残りの生体液を約13,500~15,500rcfで約45~75分間遠心分離することを含む、態様11に記載の方法。
13.前記第1の遠心分離が、前記残りの生体液を約14,500rcfで約60分間遠心分離することを含む、態様11または12に記載の方法。
14.前記第2の遠心分離が、前記第1の遠心分離後に残った前記生体液に対して行われ、前記第2の遠心分離が、約24,800~26,800rcfで約45~75分間行われる、態様11~13のいずれか1つに記載の方法。
15.前記第2の遠心分離が、前記第1の遠心分離後に残った前記生体液に対して行われ、前記第2の遠心分離が、約25,800rcfで約60分間行われる、態様14に記載の方法。
16.前記第2の遠心分離が1~3回繰り返され、各繰り返しは直前の前記遠心分離からの前記残りの生体液に対して行われる、態様11~15に記載の方法。
17.(d)が、約0.45ミクロンフィルタ~約0.22ミクロンフィルタの範囲の直列した1つまたは複数のフィルタを通して前記残りの生体液を濾過することを含む、態様1~16のいずれか1つに記載の方法。
18.(d)が、約0.45ミクロンフィルタを通して前記残りの生体液を濾過し、続いて約0.22ミクロンフィルタを通して前記残りの生体液を濾過することを含む、態様17に記載の方法。
19.(e)が、2つ以上の連続する超遠心分離ステップを含み、各ステップは前の超遠心分離からの前記残りの生体液に対して実行される、態様1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.(e)が、約45,000~55,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約65,000~75,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約90,000~110,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの組み合わせを含む、態様19に記載の方法。
21.(e)が、約50,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約70,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、約100,000rcfで行われる超遠心分離ステップ、またはそれらの組み合わせを含む、態様19または20に記載の方法。
22.前記1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数が、それぞれ約45~75分間実施される、態様19~21のいずれか1つに記載の方法。
23.前記1つまたは複数の超遠心分離ステップのうちの1つまたは複数が、それぞれ約60分間実施される、態様19~22のいずれか1つに記載の方法。
24.(e)が、約115,000~145,000rcfで約90~150分間実施される最終超遠心ステップを含み、得られた流体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な溶液の好適な量に再懸濁される、態様19~23のいずれか1つに記載の方法。
25.(e)が、約130,000rcfで約120分間実施される最終超遠心ステップを含み、得られた流体は廃棄され、残りのペレットは、(f)の前に好適な溶液の好適な量に再懸濁される、態様1~24のいずれか1つに記載の方法。
26.(g)の前記タンジェンシャルフローフィルトレーションが、約250kDa~約750kDaの範囲のカットオフを有する限外濾過膜を使用して行われる、態様1~25のいずれか1つに記載の方法。
27.(g)の前記タンジェンシャルフローフィルトレーションが、約250kDaの限外濾過膜を使用して行われる、態様1~26のいずれか1つに記載の方法。
28.(g)の前記タンジェンシャルフローフィルトレーションが、毎分約5~15mLの流量で行われる、態様1~27のいずれか1つに記載の方法。
29.(g)の前記タンジェンシャルフローフィルトレーションが、毎分約10mLの流量で行われる、態様1~28のいずれか1つに記載の方法。
30.ステップ(g)において、前記残りの生体液の量がタンジェンシャルフローフィルトレーション前のその開始体積の約10パーセントに達すると、前記保持液が好適な緩衝液でダイアフィルトレーションされる、態様1~29のいずれか1つに記載の方法。
31.前記保持液が開始ダイアフィルトレーション量の約20パーセントに達した場合、前記保持液を超遠心分離することをさらに含む、態様30に記載の方法。
32.前記超遠心分離が、摂氏約4度で、約115,000~145,000rcfで約90~150分間行われる、態様31に記載の方法。
33.前記超遠心分離が、摂氏約4度で、約130,000rcfで約120分間行われる、態様31または32に記載の方法。
34.前記保持液が、開始ダイアフィルトレーション量の約20パーセントに達した後、かつカラム分離前に、前記保持液が-80℃で保存される、態様30に記載の方法。
35.前記方法が、乳の開始量の少なくとも7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、または少なくとも20パーセントであるエクソソーム濃縮物を生成する、態様1~34のいずれか1つに記載の方法。
36.前記方法が、先行請求項のいずれか一項に記載の方法から得られる製剤のエクソソームに、1つまたは複数のカーゴを搭載することをさらに含む、態様1~35のいずれか1つに記載の方法。
37.エクソソームを含む製剤であって、態様1~36のいずれか1つに記載の方法によって少なくとも部分的に製造される、前記製剤。
38.1つまたは複数の前記エクソソームに1つまたは複数のカーゴが搭載される、態様37に記載の製剤。
39.態様38に記載される製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
40.前記1つまたは複数のカーゴが治療用カーゴである、態様39に記載の方法。

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【国際調査報告】