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特表2024-507890心室接続コンポーネント及び心室補助システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】心室接続コンポーネント及び心室補助システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/861 20210101AFI20240214BHJP
【FI】
A61M60/861
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550691
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 CN2022107971
(87)【国際公開番号】W WO2023029818
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111037283.3
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520245301
【氏名又は名称】シェンジェン コア メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CORE MEDICAL TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】謝 端▲チン▼
(72)【発明者】
【氏名】余 順周
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD22
4C077KK25
(57)【要約】
心室接続コンポーネント及び心室補助システムである。心室接続コンポーネント(100)は、クランプコンポーネント(20)とロックコンポーネント(40)を含み、クランプコンポーネント(20)はスプリットリング(21)、第1接続アーム(22)及び第2接続アーム(23)を含み、スプリットリング(21)は第1端(211)及び第2端(212)を有し、第1接続アーム(22)及び第2接続アーム(23)は第1端(211)及び第2端(212)にそれぞれ接続され、ロックコンポーネント(40)はコネクタ(41)とロッキングピース(42)を含み、コネクタ(41)は第2接続アーム(23)に接続され、ロッキングピース(42)はコネクタ(41)に接続され、ロッキングピース(42)は第1接続アーム(22)に回転可能に当接し、ロッキングピース(42)は回転時にスプリットリング(21)の内径を調整可能であり、ロッキングピース(42)は第2接続アーム(23)に係合することによって、スプリットリング(21)をクランプ状態に維持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリットリング、第1接続アーム及び第2接続アームを含むクランプコンポーネントであって、前記スプリットリングは、第1端と、前記第1端から間隔を開けた第2端とを有し、前記スプリットリングがクランプ状態と非クランプ状態を有するように、前記スプリットリングの内径のサイズが調整可能であり、前記第1接続アーム及び前記第2接続アームは前記スプリットリングの前記第1端及び前記第2端にそれぞれ接続される前記クランプコンポーネントと、
コネクタとロッキングピースとを含むロックコンポーネントであって、前記コネクタは前記第2接続アームに接続され、前記ロッキングピースは前記コネクタに回転可能に接続され、前記ロッキングピースは前記第1接続アームに回転可能に当接し、前記スプリットリングの内径のサイズを調整するように、前記ロッキングピースは回転時に前記第1接続アームと前記第2接続アームとの相対位置を調整可能であり、前記ロッキングピースは前記第2接続アームに係合することにより前記スプリットリングを前記クランプ状態に維持する前記ロックコンポーネントと、を含むことを特徴とする心室接続コンポーネント。
【請求項2】
前記ロッキングピースはカム端を有し、前記カム端は、前記第2接続アームから離れる前記第1接続アームの一側に回転可能に当接し、且つ前記カム端は、前記第1接続アームに対して回転する時に、前記第1接続アームと前記第2接続アームとの相対位置を調整可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項3】
前記ロッキングピースは、接続部及びハンドル部を更に含み、前記接続部の一端は、前記カム端に固定的に接続され、前記ハンドル部は、前記カム端から離れる前記接続部の一端に固定的に接続され、前記第1接続アームから離れる前記第2接続アームの一側には係合部が設けられ、前記ロッキングピースには、前記係合部に嵌合される嵌合部が設けられ、前記嵌合部は前記ハンドル部に設けられ、且つ前記カム端と対向して設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項4】
前記ロッキングピースのカム端には、間隔をあけた2つのカム部が設けられ、前記スプリットリングから離れる前記第1接続アームの一端にはU形部が形成され、2つの前記カム部はそれぞれ前記U形部の2つのサポートアームに回転可能に当接する、ことを特徴とする請求項3に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項5】
前記第1接続アームから離れる前記第2接続アームの一側には係合部が設けられ、前記ロッキングピースには前記係合部に嵌合される嵌合部が設けられ、前記ロッキングピースは、前記第1接続アームに対して回転することによって、前記嵌合部と前記係合部を係合、離間させることができる、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項6】
前記係合部及び前記嵌合部のうちの一方は溝として設けられ、他方は突起として設けられる、ことを特徴とする請求項5に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項7】
前記コネクタは、ロッド部と、前記ロッド部の一端に設けられる制限ブロックとを含み、前記制限ブロックから離れる前記ロッド部の一端は、前記ロッキングピースに回転可能に接続され、前記制限ブロックは、前記第1接続アームに近い前記第2接続アームの一側に当接可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項8】
前記第1接続アームにはガイド溝が設けられ、前記コネクタは一端が前記第2接続アームに固定的に接続され、他端が前記ロッキングピースに回転可能に接続され、前記コネクタの中部は前記ガイド溝を摺動可能に貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項9】
前記クランプコンポーネントは、開口を有する環状ディスクをさらに含み、前記スプリットリングは前記環状ディスクの内環に設けられ、前記スプリットリングの開口位置は、前記環状ディスクの開口位置に対応し、前記スプリットリングの前記第2端に近い外環面は、前記環状ディスクの内環面に固定的に接続され、前記スプリットリングの前記第1端に近い外環面は前記環状ディスクから分離される、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項10】
前記環状ディスクの内環面に固定的に接続された前記スプリットリングの外環面の部分の長さは、前記スプリットリングの外環面の長さの半分以下である、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項11】
前記スプリットリングの外環面と前記環状ディスクの内環面との分離・接続の境界の位置は、前記スプリットリングの開口位置に対向する、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項12】
前記心室接続コンポーネントは縫着リングをさらに含み、前記縫着リングは前記環状ディスクに固定的に接続され、前記スプリットリングは、前記縫着リングから離れる前記環状ディスクの一面と共面である、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項13】
前記心室接続コンポーネントは縫着リングをさらに含み、前記縫着リングは前記環状ディスクに固定的に接続され、前記縫着リングから離れる前記環状ディスクの一側の外周にはフランジが設けられる、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項14】
前記スプリットリングと前記環状ディスクは一体成形構造である、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項15】
入口パイプを有する血液ポンプと、
請求項1から14のいずれか一項に記載の心室接続コンポーネントと、を含み、
前記入口パイプは前記スプリットリングを貫通可能であり、前記スプリットリングは前記クランプ状態にある場合に、前記入口パイプをクランプ可能である、ことを特徴とする心室補助システム。
【請求項16】
前記スプリットリングの内環壁には位置決めスロットが設けられ、前記入口パイプの外周面には位置決め突起が設けられ、前記位置決め突起は前記位置決めスロット内に収容可能である、ことを特徴とする請求項15に記載の心室補助システム。
【請求項17】
入口パイプを有する血液ポンプと、心室接続コンポーネントを含む心室補助システムであって、
前記心室接続コンポーネントは、
縫着リングと、
スプリットリング、第1接続アーム、第2接続アーム及び環状ディスクを含むクランプコンポーネントであって、前記スプリットリングは、第1端と、前記第1端から間隔を開けた第2端とを有し、前記スプリットリングがクランプ状態と非クランプ状態を有するように、前記スプリットリングの内径のサイズが調整可能であり、前記第1接続アーム及び前記第2接続アームは前記スプリットリングの前記第1端及び前記第2端にそれぞれ接続され、前記環状ディスクは開口を有する環状であり、前記環状ディスクは前記縫着リングに接続され、前記スプリットリングは前記環状ディスクの内環に設けられ、前記スプリットリングの開口位置は前記環状ディスクの開口位置に対応し、前記スプリットリングの前記第2端に近い外環面は、前記環状ディスクの内環面に固定的に接続され、前記スプリットリングの前記第1端に近い外環面は、前記環状ディスクから分離される前記クランプコンポーネントと、
コネクタとロッキングピースとを含むロックコンポーネントであって、前記コネクタは前記第2接続アームに接続され、前記ロッキングピースは前記コネクタに回転可能に接続され、前記ロッキングピースは前記第1接続アームに回転可能に当接し、前記スプリットリングの内径のサイズを調整するように、前記ロッキングピースは回転時に前記第1接続アームと前記第2接続アームとの相対位置を調整可能であり、前記ロッキングピースは前記第2接続アームに係合することにより前記スプリットリングを前記クランプ状態に維持する前記ロックコンポーネントと、を含み、
前記入口パイプは前記スプリットリングを貫通可能であり、前記スプリットリングは前記クランプ状態にある場合に、前記入口パイプをクランプ可能である、ことを特徴とする心室補助システム。
【請求項18】
前記スプリットリングの内環壁には位置決めスロットが設けられ、前記入口パイプの外周面には位置決め突起が設けられ、前記位置決め突起は前記位置決めスロット内に収容可能である、ことを特徴とする請求項17に記載の心室補助システム。
【請求項19】
前記位置決め突起は複数あり、複数の前記位置決め突起は前記入口パイプを囲んで設けられる、ことを特徴とする請求項18に記載の心室補助システム。
【請求項20】
前記位置決めスロットは前記環状ディスクに固定的に接続された前記スプリットリングの部分の内環壁に設けられ、前記環状ディスクから分離する前記スプリットリングの部分の内環壁には、前記スプリットリングの周方向に延びる退避溝がさらに設けられ、一部の前記位置決め突起は、前記位置決めスロットに収容可能であり、残りの前記位置決め突起は、前記退避溝に収容可能である、ことを特徴とする請求項19に記載の心室補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年09月06日に中国特許庁に提出された、出願番号202111037283.3の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容が引用によって本出願に組み込まれる。本出願は、医療機器技術分野に関し、特に心室接続コンポーネント及び心室補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液ポンプインプラント手術において、通常、心室接続コンポーネントを用いて血液ポンプを生体組織に固定する必要がある。しかしながら、現在の心室接続コンポーネントは、操作に比較的手間がかかり、使用中に血液ポンプの取付にたくさんの不便をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、心室接続コンポーネントの操作に比較的手間がかかり、使用中に血液ポンプの取付にたくさんの不便をもたらすという問題を解決するために、心室接続コンポーネント及び心室補助システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様で、本出願は、
スプリットリング、第1接続アーム及び第2接続アームを含むクランプコンポーネントであって、前記スプリットリングは、第1端と、前記第1端から間隔を開けた第2端とを有し、前記スプリットリングがクランプ状態と非クランプ状態を有するように、前記スプリットリングの内径のサイズが調整可能であり、前記第1接続アーム及び前記第2接続アームは前記スプリットリングの前記第1端及び前記第2端にそれぞれ接続される前記クランプコンポーネントと、
コネクタとロッキングピースとを含むロックコンポーネントであって、前記コネクタは前記第2接続アームに接続され、前記ロッキングピースは前記コネクタに回転可能に接続され、前記ロッキングピースは前記第1接続アームに回転可能に当接し、前記スプリットリングの内径のサイズを調整するように、前記ロッキングピースは回転時に前記第1接続アームと前記第2接続アームとの相対位置を調整可能であり、前記ロッキングピースは前記第2接続アームに係合することにより前記スプリットリングを前記クランプ状態に維持する前記ロックコンポーネントと、を含む心室接続コンポーネントを提供する。
【0005】
第2態様で、本出願は、
入口パイプを有する血液ポンプと、
上記の心室接続コンポーネントと、を含み、
前記入口パイプは前記スプリットリングを貫通可能であり、前記スプリットリングは前記クランプ状態にある場合に、前記入口パイプをクランプ可能である心室補助システムをさらに提供する。
【0006】
第3態様で、本出願は、
入口パイプを有する血液ポンプと、心室接続コンポーネントとを含む心室補助システムであって、前記心室接続コンポーネントは、
縫着リングと、
スプリットリング、第1接続アーム、第2接続アーム及び環状ディスクを含むクランプコンポーネントであって、前記スプリットリングは、第1端と、前記第1端から間隔を開けた第2端とを有し、前記スプリットリングがクランプ状態と非クランプ状態を有するように、前記スプリットリングの内径のサイズが調整可能であり、前記第1接続アーム及び前記第2接続アームは前記スプリットリングの前記第1端及び前記第2端にそれぞれ接続され、前記環状ディスクは開口を有する環状であり、前記環状ディスクは前記縫着リングに接続され、前記スプリットリングは前記環状ディスクの内環に設けられ、前記スプリットリングの開口位置は前記環状ディスクの開口位置に対応し、前記スプリットリングの前記第2端に近い外環面は、前記環状ディスクの内環面に固定的に接続され、前記スプリットリングの前記第1端に近い外環面は、前記環状ディスクから分離される前記クランプコンポーネントと、
コネクタとロッキングピースとを含むロックコンポーネントであって、前記コネクタは前記第2接続アームに接続され、前記ロッキングピースは前記コネクタに回転可能に接続され、前記ロッキングピースは前記第1接続アームに回転可能に当接し、前記スプリットリングの内径のサイズを調整するように、前記ロッキングピースは回転時に前記第1接続アームと前記第2接続アームとの相対位置を調整可能であり、前記ロッキングピースは前記第2接続アームに係合することにより前記スプリットリングを前記クランプ状態に維持する前記ロックコンポーネントと、を含み、
前記入口パイプは前記スプリットリングを貫通可能であり、前記スプリットリングは前記クランプ状態にある場合に、前記入口パイプをクランプ可能である心室補助システムをさらに提供する。
【0007】
本出願の実施例における技術的解決策をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎなく、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本出願で提供される一実施例の心室接続コンポーネントの構成模式図である。
図2図1に示す心室接続コンポーネントの別の角度による構成模式図である。
図3図1に示す心室接続コンポーネントの分解図である。
図4図1に示す心室接続コンポーネントのクランプコンポーネントの構成模式図である。
図5図4に示すクランプコンポーネントの別の角度による構成模式図である。
図6図1に示す心室接続コンポーネントの別の角度による構成模式図である。
図7図2に示す心室接続コンポーネントのロッキングピースの構成模式図である。
図8】本出願で提供される血液ポンプの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願の目的、技術的手段及び利点をより明確化するために、以下、添付図面及び実施例を参照しながら、本出願をさらに詳細に説明する。理解されるように、ここで説明される具体的な実施例は本発明を説明するために用いられ、本発明を限定するものではない。
【0010】
なお、素子は他方の素子に「固定され」又は「設けられる」と呼ばれる場合に、他方の素子に直接的に位置してもよく、又は他方の素子に間接的に位置してもよい。一方の素子は他方の素子に「接続される」と呼ばれる場合に、他方の素子に直接的に接続されてもよく、又はこの他方の素子に間接的に接続されてもよい。
【0011】
また、「第1」、「第2」の用語は単に説明するために用いられ、相対的な重要性を指示し又は暗示し、或いは指示された技術的特徴の数を暗示すると理解することができない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は1つ又はそれ以上の当該特徴を含むと明示しまたは暗示することができる。本出願の説明において、「複数」とは、特に明確な具体的限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0012】
本出願の技術的手段を説明するために、以下、具体的な図面及び実施例を参照しながら説明する。
【0013】
図1に示すように、本出願の第1態様の実施例は、心室接続コンポーネント100を提供し、特に、血液ポンプを生体組織(例えば、心臓組織)に接続することができる心室接続コンポーネント100に関する。この心室接続コンポーネント100は、縫着リング10、クランプコンポーネント20及びロックコンポーネント40を含む。
【0014】
縫着リング10は、生体組織に固定され得る。縫着リング10は環状構造である。いくつかの実施例において、縫着リング10は、縫着糸によって生体組織に縫着される。いくつかの実施例において、縫着リング10は、環状クッションと、環状クッションを覆うファブリック層とを含み、例えば、環状クッションは、埋め込み型シリコンパーツであり、ファブリック層はポリエステルクロスである。
【0015】
クランプコンポーネント20は縫着リング10に接続される。いくつかの実施例において、クランプコンポーネント20は縫着糸によって縫着リング10に固定的に接続される。他の実施例において、クランプコンポーネント20は接着剤等によって縫着リング10に接続されてもよい。クランプコンポーネント20は血液ポンプ(例えば、血液ポンプの入口パイプ)をクランプするためのものである。ここで、クランプコンポーネント20はクランプポート30を有し、血液ポンプの入口パイプは、このクランプポート30を貫通するとともに、このクランプポート30にクランプされ得る。図2を参照すると、具体的には、クランプコンポーネント20は、スプリットリング21、第1接続アーム22、第2接続アーム23及び環状ディスク24を含む。
【0016】
図3及び図4を参照すると、スプリットリング21は血液ポンプをクランプするためのものである。スプリットリング21は、第1端211と、第1端211から間隔を開けた第2端212とを有し、スプリットリング21がクランプ状態と非クランプ状態を有するように、スプリットリング21の内径のサイズが調整可能である。クランプポート30は、スプリットリング21で囲まれたものである。第1端211と第2端212との相対位置を調整することにより、スプリットリング21の内径のサイズ(即ちクランプポート30のサイズ)の調整を実現することができる。
【0017】
図示する実施例において、スプリットリング21は、おおよそ開口213を有する環状構造を呈する。スプリットリング21の第1端211と第2端212とは相対的に設けられ、第1端211と第2端212とが間隔を開けて開口213を形成する。第1端211と第2端212との間の距離(或いは開口213のサイズ)を調整すると、スプリットリング21の内径のサイズの調整を実現することができる。スプリットリング21の内径が大きくなると、スプリットリング21の第1端211と第2端212との距離が大きくなり、スプリットリング21の内径が小さくなると、スプリットリング21の第1端211と第2端212との距離が小さくなる。
【0018】
ここで、スプリットリング21のクランプ状態における内径は、スプリットリング21の非クランプ状態における内径よりも小さい。即ち、スプリットリング21がクランプ状態にある場合には、スプリットリング21は小さい内径を有し、この場合、スプリットリング21は、血液ポンプの入口パイプをクランプすることができる。スプリットリング21が非クランプ状態にある場合には、スプリットリング21は大きい内径を有し、スプリットリング21は血液ポンプの入口パイプをクランプすることができず、この場合、スプリットリング21は入口パイプを解放し、又は血液ポンプの入口パイプが穿入する。
【0019】
第1接続アーム22及び第2接続アーム23は、スプリットリング21の第1端211及び第2端212にそれぞれ接続される。ここで、スプリットリング21の内径が大きくなると、第1接続アーム22と第2接続アーム23との距離が大きくなり、スプリットリング21の内径が小さくなると、第1接続アーム22と第2接続アーム23との距離が小さくなる。具体的には、第1接続アーム22及び第2接続アーム23は、それぞれスプリットリング21の第1端211及び第2端212からスプリットリング21から離れる方向へ折り曲げて延びる。
【0020】
そのうちの一実施例において、非クランプ状態(又は初期状態)では、第2接続アーム23に向く第1接続アーム22の一側は、第1接続アーム22に向く第2接続アーム23の一側に平行である。別のいくつかの実施例において、非クランプ状態(又は初期状態)では、スプリットリング21に接近する一端から、スプリットリング21から離れる一端へ、第2接続アーム23に向く第1接続アーム22の一側と、第1接続アーム22に向く第2接続アーム23の一側との間の距離は徐々に大きくなる。理解されるように、別の実施例において、非クランプ状態では、スプリットリング21に接近する一端から、スプリットリング21から離れる一端へ、第2接続アーム23に向く第1接続アーム22の一側と、第1接続アーム22に向く第2接続アーム23の一側との間の距離は徐々に小さくなる。
【0021】
いくつかの実施例において、第1接続アーム22とスプリットリング21の第1端211は、一体成形構造であってもいし、別体の第1接続アーム22とスプリットリング21の第1端211とが例えば溶接により接続されるように設けられてもよい。第2接続アーム23とスプリットリング21の第2端212は一体成形されてもよく、別体の第2接続アーム23とスプリットリング21の第2端212とが例えば溶接により接続されるように設けられてもよい。
【0022】
環状ディスク24は、縫着リング10に固定的に接続される。そのうちの一実施例において、環状ディスク24は、縫着糸により縫着リング10に固定的に接続される。図示する実施例において、環状ディスク24には、縫着孔241が設けられ、縫着リング10と環状ディスク24とは縫着糸が縫着リング10及び縫着孔241を貫通して固定的な接続が実現される。理解されるように、別の実施例において、環状ディスク24は、接着剤等により縫着リング10に接続されてもよい。
【0023】
図5を参照すると、環状ディスク24は、開口242を有する環状である。ここで、スプリットリング21は、環状ディスク24の内環に設けられ、スプリットリングの開口213の位置は、環状ディスク24の開口242の位置に対応し、スプリットリング21の第2端212に近い外環面(図中の弧線ABに対応する外環面部分)は、環状ディスク24の内環面に固定的に接続され、スプリットリング21の第1端211に近い外環面(図中の弧線ACに対応する外環面部分)は環状ディスク24から分離される。即ち、スプリットリング21の外環面の一部は、環状ディスク24の内環面に固定的に接続され、スプリットリング21の外環面の他方部分は、環状ディスク24の内環面から分離される。このように、スプリットリング21と環状ディスク24との確実な接続を保証する上で、スプリットリング21の一定の弾性を保証し、その内径を調整可能にすることができる。
【0024】
そのうちの一実施例において、環状ディスク24の内環面に固定的に接続されたスプリットリング21の外環面の部分の長さ(大体図中の弧線ABの長さ)は、スプリットリング21の外環面の長さ(大体図中の弧線BCの長さ)の半分以下である。即ち、スプリットリング21の周方向において、環状ディスク24の内環面に固定的に接続されたスプリットリング21の外環面の部分の長さは、スプリットリング21の外環面の長さの半分以下である。上記手段を採用することにより、スプリットリング21が一定の弾性を有することを保証すると同時に、スプリットリング21と環状ディスク24との接続強度が高いことを確保することができる。
【0025】
理解されるように、別の実施例において、環状ディスク24の内環面に固定的に接続されたスプリットリング21の外環面の部分の長さは、スプリットリング21の外環面の長さの半分よりも大きくてもよい。
【0026】
そのうちの一実施例において、スプリットリング21の外環面と環状ディスク24の内環面との分離・接続の境界(大体図中のA点の位置)の位置は、スプリットリング21の開口213の位置に対向する。
【0027】
スプリットリング21は、縫着リング10から離れる環状ディスク24の一面と共面である。即ち、縫着リング10から離れるスプリットリング21の表面214と、縫着リング10から離れる環状ディスク24の表面243とが共面であり、これによってクランプコンポーネント20の厚さを低減し、構造を簡略化することができる。具体的には、縫着リング10に向くスプリットリング21の表面と、縫着リング10に向く環状ディスク24の表面とは共面である。
【0028】
図6を参照すると、いくつかの実施例において、縫着リング10から離れる環状ディスク24の一側の外周にはフランジ244が設けられることにより、縫着リング10とフランジ244との間に、外科用クランプが心室接続コンポーネント100をクランプするための凹みである制限領域35が形成され、手術中にオペレータが心室接続コンポーネント100を外科用クランプでクランプするのは便利である。
【0029】
そのうちの一実施例において、スプリットリング21と環状ディスク24は一体成形構造である。例えば、開口した環形板の一端に周方向に延びるスロットを設け、且つスロットが環形板の一端から環形板の周方向における中部まで延びることによって、一体のスプリットリング21及び環状ディスク24を形成してもよいし、或いは、金属射出成形、金属鋳造成形等の方法によって形成してもよい。いくつかの実施例において、スプリットリング21、第1接続アーム22、第2接続アーム23及び環状ディスク24は一体成形構造であり、即ち、クランプコンポーネント20全体は一体成形構造である。この場合に、一体成形されたクランプコンポーネント20は依然として上記方法によって製造されてもよい。
【0030】
図2及び図3を再び参照すると、ロックコンポーネント40は、スプリットリング21の内径のサイズを調整することができるとともに、スプリットリング21をクランプ状態に維持することができる。ロックコンポーネント40は、コネクタ41及びロッキングピース42を含み、コネクタ41は第2接続アーム23に接続され、ロッキングピース42はコネクタ41に回転可能に接続される。一実施形態として、独立する回転シャフト43が設けられてもよく、回転シャフト43は、ロッキングピース42及びコネクタ41を移動可能に貫通し、或いは、回転シャフト43はロッキングピース42に固定的に接続され、コネクタ41は回転シャフト43に回転可能に接続され、或いは、回転シャフト43はロッキングピース42に回転可能に接続され、コネクタ41に固定的に接続される。
【0031】
ロッキングピース42は、第1接続アーム22に回転可能に当接し、ロッキングピース42の回転時に第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を調整して、スプリットリング21の内径のサイズを調整し、スプリットリング21のクランプ状態と非クランプ状態との切り換えを実現することができる。
【0032】
ロッキングピース42は、第2接続アーム23に係合することによって、第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を維持し、第1接続アーム22と第2接続アーム23との距離を一定に保持し、スプリットリング21をクランプ状態に維持して、血液ポンプの入口パイプをクランプして固定する。第1接続アーム23に対してロッキングピース42を回転させることによって、ロッキングピース42と第2接続アーム23との係合及び分離を実現する。
【0033】
本出願の実施例で提供される心室接続コンポーネント100は、ロッキングピース42の回転により第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を調整して、スプリットリング21の内径のサイズを調整し、スプリットリング21がクランプ状態と非クランプ状態との間で変換されるようにして、血液ポンプの入口パイプのロック及びアンロックを実現し、操作が簡単で便利である。また、ロッキングピース42と第2接続アーム23との係合によって、第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を維持し、スプリットリング21をクランプ状態に維持して、血液ポンプの入口パイプをクランプして固定するため、縫着や留め具によってスプリットリング21のクランプ状態を維持する必要がなく、血液ポンプの取付も簡単になる。
【0034】
そのうちの一実施例において、第1接続アーム22は可動アームであり、第2接続アーム23は固定アームであり、ロッキングピース42の回転時に第1接続アーム22を第2接続アーム23に対して接近又は離間する方向へ移動させることができる。別のいくつかの実施例において、第1接続アーム22と第2接続アーム23はいずれも可動アームであり、ロッキングピース42の回転時に、第1接続アーム22と第2接続アーム23を互いに接近又は離間させることができ、或いは、第1接続アーム22は固定アームであり、第2接続アーム23は可動アームであり、ロッキングピース42の回転的に第2接続アーム23を第1接続アーム22に対して接近又は離間する方向へ移動させることができる。
【0035】
いくつかの実施例において、ロッキングピース42が回転して第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を調整すると同時に、ロッキングピース42と第2接続アーム23との係合によって第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置の維持を実現するために、ロッキングピース42は、第2接続アーム23から離れる第1接続アーム22の一側に回転可能に当接し、ロッキングピース42と第2接続アーム23とが係合する時に、第2接続アーム23に係合するロッキングピース42の部位は、第1接続アーム22に向かう方向の力又は分力を第2接続アーム23に加える。即ち、ロッキングピース42と第2接続アーム23とが係合する時に、ロッキングピース42は、第2接続アーム22に向かう方向の第1力又は第1分力を第1接続アーム22に加え、第2接続アーム23に係合するロッキングピース42の部位は、第1接続アーム22に向かう第2力又は第2分力を第2接続アーム23に加え、この第1力又は第1分力、第2力又は第2分力の作用で、第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を維持する。このように、ロッキングピース42と第2接続アーム23との係合方式としては、例えば、ロッキングピース42が、第1接続アーム22から離れる第2接続アーム23の一側に係合し、或いは、第2接続アーム23にはロッキングピース42に嵌合する嵌合部位が設けられ、この嵌合部位は、開口が第1接続アーム22から離れる溝、第1接続アーム22から離れる面、又は第1接続アーム22から離れる方向に延びる突起であってもよい。
【0036】
図7を参照して、一実施例において、ロッキングピース42は、カム端421を有し、カム端421は、第2接続アーム23から離れる第1接続アーム22の一側に当接し、カム端421は、第1接続アーム22に対して回転して、第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を調整することができる。カム端421は、第1接続アーム22に対して回転する過程において、第1接続アーム22を押圧して第2接続アーム23に対して離間又は接近させて、第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を調整し、さらにスプリットリング21の内径を調整し、スプリットリング21のクランプ状態と非クランプ状態の切り換えを実現する。
【0037】
上記手段を採用することにより、第1接続アーム22に対するカム端421の回転によって第1接続アーム22と第2接続アーム23との間の距離を調整し、操作を簡略化できるだけではなく、ロッキングピース42と第2接続アーム23との係合の安定性を強化し、係合されたロッキングピース42及び第2接続アーム23の間の外れリスクを小さくすることをさらに確保することもできる。
【0038】
図5及び図7を共に参照すると、そのうちのいくつかの実施例において、第1接続アーム22から離れる第2接続アーム23の一側には係合部231が設けられ、ロッキングピース42には係合部231に嵌合される嵌合部422が設けられ、第1接続アーム22に対してロッキングピース42を回転させることによって、嵌合部422と係合部231を係合、離間させることができる。具体的には、係合部231は溝として設けられ、嵌合部422は突起として設けられ、或いは、係合部31は突起として設けられ、嵌合部422は溝として設けられる。
【0039】
図示する実施例において、ロッキングピース42は、一端がカム端421に固定的に接続された接続部423と、カム端421から離れる接続部423の一端に固定的に接続されたハンドル部424とを更に含み、嵌合部422はハンドル部424に設けられる。ここで、カム端421は、嵌合部422と対向して設けられる。具体的には、接続部423は略円弧状である。
【0040】
上記手段を採用することによって、ロッキングピース42と第2接続アーム23との迅速な係合を実現するとともに、ロッキングピース42と第2接続アーム23との係合を安定化して、血液ポンプの入口パイプをクランプして固定することができ、構造が簡単で、操作が便利である。
【0041】
そのうちのいくつかの実施例において、第1接続アーム22にはガイド溝222が設けられ、コネクタ41は一端が第2接続アーム23に固定的に接続され、他端がロッキングピース42に回転可能に接続され、コネクタ41の中部はガイド溝222を摺動可能に貫通する。このように設けると、コネクタ41対して制限作用を果たし、ずれが発生しないようにすることができ、ロッキングピース42が第2接続アーム23に対して回転する過程において、コネクタ41に位置ずれが発生することを防止し、さらに血液ポンプの入口パイプをクランプする時に第1接続アーム22と第2接続アーム23との位置ずれが発生しないように保証する。
【0042】
図3を再び参照すると、そのうちのいくつかの実施例において、コネクタ41は、ロッド部411と、ロッド部411の一端に設けられた制限ブロック412とを含み、制限ブロック412から離れるロッド部411の一端は、ロッキングピース42に回転可能に接続され、制限ブロック412は、第1接続アーム22に接近する第2接続アーム23の一側に当接して、第2接続アーム23の方向への第1接続アーム22の継続的な移動を阻止し、第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を保持し、ロッキングピース42と第2接続アーム23との外れリスクを低減させることができる。具体的には、コネクタ41のロッド部411は、ガイド溝222を摺動可能に貫通する。
【0043】
図7を再び参照すると、図示する実施例において、ロッキングピース42のカム端421には、間隔をあけた2つのカム部421aが設けられ、スプリットリング21から離れる第1接続アーム22の一端にはU形部224が設けられ、このU形部224取り囲んでガイド溝222を形成する。2つのカム部421aはそれぞれU形部224の2つのサポートアームに回転可能に当接する。回転シャフト43はコネクタ41を貫通し、両端がそれぞれ2つのカム部421aに接続される。2つのカム部421aは平行である。
【0044】
図1図3図4及び図8を参照すると、本出願の第2態様の実施例は、血液ポンプ200と、上記心室接続コンポーネント100とを含む心室補助システムを提供する。
【0045】
血液ポンプ200は入口パイプ210を有し、入口パイプ210はスプリットリング21を貫通することができ、スプリットリング21はクランプ状態にある場合に、入口パイプ210をクランプすることができる。
【0046】
本出願の心室補助システムは、設けられたロッキングピース42の回転時に、第1接続アーム22と第2接続アーム23との相対位置を調整することができるため、スプリットリング21の内径を調整して、スプリットリング21がクランプ状態及び非クランプ状態の間で切り換えられるようにし、血液ポンプ200の入口パイプ210のクランプ及び解放を実現し、構造が簡単で、操作が便利であり、血液ポンプ200の取付が容易になる。
【0047】
そのうちのいくつかの実施例において、スプリットリング21の内環壁には位置決めスロット215が設けられ、入口パイプ210の外周面には位置決め突起220が設けられ、位置決め突起220は、位置決めスロット215内に収容可能であり、入口パイプ210とスプリットリング21との相対回転を回避できる。
【0048】
上記手段を採用することによって、心室接続コンポーネント100が入口パイプ210をクランプして固定する時に、入口パイプ210と心室接続コンポーネント100との相対回転を回避できる。
【0049】
そのうちのいくつかの実施例において、位置決め突起220は複数あり、入口パイプ210とスプリットリング21との相対回転を制限する位置決め突起220の能力を向上させることができ、複数の位置決め突起220は、入口パイプ210を囲んで設けられることにより、複数の部位で入口パイプ210とスプリットリング21との相対回転を制限し、その安定性を向上させることができる。
【0050】
図示する実施例において、位置決めスロット215は、環状ディスク24に固定的に接続されたスプリットリング21の部分の内環壁に設けられ、環状ディスク24から分離するスプリットリング21の部分の内環壁には、スプリットリング21の円周方向に延びる退避溝216がさらに設けられ、一部の位置決め突起220は、位置決めスロット215に収容可能であり、入口パイプ210とスプリットリング21との相対回転を制限することができ、残りの位置決め突起220は退避溝216に収容可能であり、残りの位置決め突起220とスプリットリング21の内環壁との干渉を防止することができる。
【0051】
なお、心室接続コンポーネントは上記構造に限定されない。いくつかの実施例において、縫着リング10は省略され、クランプコンポーネント40は生体組織に直接的に縫着されてもよい。
【0052】
クランプコンポーネント20は、上記構造に限定されない。いくつかの実施例において、スプリットリング21は、環状ディスク24の内環に設けられるものではなく、スプリットリング21と環状ディスク24とは同軸に設けられ、この場合に、環状ディスク24は、開口する環状構造ではなく、完全な環状構造であってもよい。或いは、いくつかの実施例において、スプリットリング21は、一部が環状ディスク24の内環に収容されてもよい。或いは、別のいくつかの実施例において、クランプコンポーネント20は環状ディスク24を有せず、スプリットリング21の一部の外周面は折り曲げて延びて、縫着リング10又は生体組織に固定的に接続されるためのフランジを形成する。
【0053】
上記実施例は本発明の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。前述した実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、依然として前述した各実施例に記載の技術的手段を修正し、又はその一部の技術的特徴を同等に置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的手段の実質を本発明の各実施例の技術的手段の思想及び範囲から逸脱させることがなく、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきであることが当業者にとって理解され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリットリング、第1接続アーム及び第2接続アームを含むクランプコンポーネントであって、前記スプリットリングは、第1端と、前記第1端から間隔を開けた第2端とを有し、前記スプリットリングがクランプ状態と非クランプ状態を有するように、前記スプリットリングの内径のサイズが調整可能であり、前記第1接続アーム及び前記第2接続アームは前記スプリットリングの前記第1端及び前記第2端にそれぞれ接続される前記クランプコンポーネントと、
コネクタとロッキングピースとを含むロックコンポーネントであって、前記コネクタは前記第2接続アームに接続され、前記ロッキングピースは前記コネクタに回転可能に接続され、前記ロッキングピースは前記第1接続アームに回転可能に当接し、前記スプリットリングの内径のサイズを調整するように、前記ロッキングピースは回転時に前記第1接続アームと前記第2接続アームとの相対位置を調整可能であり、前記ロッキングピースは前記第2接続アームに係合することにより前記スプリットリングを前記クランプ状態に維持する前記ロックコンポーネントと、を含むことを特徴とする心室接続コンポーネント。
【請求項2】
前記ロッキングピースはカム端を有し、前記カム端は、前記第2接続アームから離れる前記第1接続アームの一側に回転可能に当接し、且つ前記カム端は、前記第1接続アームに対して回転する時に、前記第1接続アームと前記第2接続アームとの相対位置を調整可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項3】
前記ロッキングピースは、接続部及びハンドル部を更に含み、前記接続部の一端は、前記カム端に固定的に接続され、前記ハンドル部は、前記カム端から離れる前記接続部の一端に固定的に接続され、前記第1接続アームから離れる前記第2接続アームの一側には係合部が設けられ、前記ロッキングピースには、前記係合部に嵌合される嵌合部が設けられ、前記嵌合部は前記ハンドル部に設けられ、且つ前記カム端と対向して設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項4】
前記ロッキングピースのカム端には、間隔をあけた2つのカム部が設けられ、前記スプリットリングから離れる前記第1接続アームの一端にはU形部が形成され、2つの前記カム部はそれぞれ前記U形部の2つのサポートアームに回転可能に当接する、ことを特徴とする請求項3に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項5】
前記第1接続アームから離れる前記第2接続アームの一側には係合部が設けられ、前記ロッキングピースには前記係合部に嵌合される嵌合部が設けられ、前記ロッキングピースは、前記第1接続アームに対して回転することによって、前記嵌合部と前記係合部を係合、離間させることができる、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項6】
前記係合部及び前記嵌合部のうちの一方は溝として設けられ、他方は突起として設けられる、ことを特徴とする請求項5に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項7】
前記コネクタは、ロッド部と、前記ロッド部の一端に設けられる制限ブロックとを含み、前記制限ブロックから離れる前記ロッド部の一端は、前記ロッキングピースに回転可能に接続され、前記制限ブロックは、前記第1接続アームに近い前記第2接続アームの一側に当接可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項8】
前記第1接続アームにはガイド溝が設けられ、前記コネクタは一端が前記第2接続アームに固定的に接続され、他端が前記ロッキングピースに回転可能に接続され、前記コネクタの中部は前記ガイド溝を摺動可能に貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項9】
前記クランプコンポーネントは、開口を有する環状ディスクをさらに含み、前記スプリットリングは前記環状ディスクの内環に設けられ、前記スプリットリングの開口位置は、前記環状ディスクの開口位置に対応し、前記スプリットリングの前記第2端に近い外環面は、前記環状ディスクの内環面に固定的に接続され、前記スプリットリングの前記第1端に近い外環面は前記環状ディスクから分離される、ことを特徴とする請求項1に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項10】
前記環状ディスクの内環面に固定的に接続された前記スプリットリングの外環面の部分の長さは、前記スプリットリングの外環面の長さの半分以下である、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項11】
前記スプリットリングの外環面と前記環状ディスクの内環面との分離・接続の境界の位置は、前記スプリットリングの開口位置に対向する、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項12】
前記心室接続コンポーネントは縫着リングをさらに含み、前記縫着リングは前記環状ディスクに固定的に接続され、前記スプリットリングは、前記縫着リングから離れる前記環状ディスクの一面と共面である、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項13】
前記心室接続コンポーネントは縫着リングをさらに含み、前記縫着リングは前記環状ディスクに固定的に接続され、前記縫着リングから離れる前記環状ディスクの一側の外周にはフランジが設けられる、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項14】
前記スプリットリングと前記環状ディスクは一体成形構造である、ことを特徴とする請求項9に記載の心室接続コンポーネント。
【請求項15】
入口パイプを有する血液ポンプと、
請求項1から14のいずれか一項に記載の心室接続コンポーネントと、を含み、
前記入口パイプは前記スプリットリングを貫通可能であり、前記スプリットリングは前記クランプ状態にある場合に、前記入口パイプをクランプ可能である、ことを特徴とする心室補助システム。
【請求項16】
前記スプリットリングの内環壁には位置決めスロットが設けられ、前記入口パイプの外周面には位置決め突起が設けられ、前記位置決め突起は前記位置決めスロット内に収容可能である、ことを特徴とする請求項15に記載の心室補助システム。
【請求項17】
入口パイプを有する血液ポンプと、心室接続コンポーネントを含む心室補助システムであって、
前記心室接続コンポーネントは、
縫着リングと、
スプリットリング、第1接続アーム、第2接続アーム及び環状ディスクを含むクランプコンポーネントであって、前記スプリットリングは、第1端と、前記第1端から間隔を開けた第2端とを有し、前記スプリットリングがクランプ状態と非クランプ状態を有するように、前記スプリットリングの内径のサイズが調整可能であり、前記第1接続アーム及び前記第2接続アームは前記スプリットリングの前記第1端及び前記第2端にそれぞれ接続され、前記環状ディスクは開口を有する環状であり、前記環状ディスクは前記縫着リングに接続され、前記スプリットリングは前記環状ディスクの内環に設けられ、前記スプリットリングの開口位置は前記環状ディスクの開口位置に対応し、前記スプリットリングの前記第2端に近い外環面は、前記環状ディスクの内環面に固定的に接続され、前記スプリットリングの前記第1端に近い外環面は、前記環状ディスクから分離される前記クランプコンポーネントと、
コネクタとロッキングピースとを含むロックコンポーネントであって、前記コネクタは前記第2接続アームに接続され、前記ロッキングピースは前記コネクタに回転可能に接続され、前記ロッキングピースは前記第1接続アームに回転可能に当接し、前記スプリットリングの内径のサイズを調整するように、前記ロッキングピースは回転時に前記第1接続アームと前記第2接続アームとの相対位置を調整可能であり、前記ロッキングピースは前記第2接続アームに係合することにより前記スプリットリングを前記クランプ状態に維持する前記ロックコンポーネントと、を含み、
前記入口パイプは前記スプリットリングを貫通可能であり、前記スプリットリングは前記クランプ状態にある場合に、前記入口パイプをクランプ可能である、ことを特徴とする心室補助システム。
【請求項18】
前記スプリットリングの内環壁には位置決めスロットが設けられ、前記入口パイプの外周面には位置決め突起が設けられ、前記位置決め突起は前記位置決めスロット内に収容可能である、ことを特徴とする請求項17に記載の心室補助システム。
【請求項19】
前記位置決め突起は複数あり、複数の前記位置決め突起は前記入口パイプを囲んで設けられる、ことを特徴とする請求項18に記載の心室補助システム。
【請求項20】
前記位置決めスロットは前記環状ディスクに固定的に接続された前記スプリットリングの部分の内環壁に設けられ、前記環状ディスクから分離する前記スプリットリングの部分の内環壁には、前記スプリットリングの周方向に延びる退避溝がさらに設けられ、一部の前記位置決め突起は、前記位置決めスロットに収容可能であり、残りの前記位置決め突起は、前記退避溝に収容可能である、ことを特徴とする請求項19に記載の心室補助システム。
【国際調査報告】