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特表2024-507907リパーゼ固定用のポリスチレン/ジビニルベンゼン粒子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】リパーゼ固定用のポリスチレン/ジビニルベンゼン粒子
(51)【国際特許分類】
   C12N 9/20 20060101AFI20240214BHJP
   C12P 7/6454 20220101ALI20240214BHJP
   C12P 7/64 20220101ALI20240214BHJP
【FI】
C12N9/20 ZNA
C12P7/6454
C12P7/64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551209
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2022055000
(87)【国際公開番号】W WO2022180273
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】21159635.8
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500586299
【氏名又は名称】ノボザイムス アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】パウリ アンドリク
【テーマコード(参考)】
4B064
【Fターム(参考)】
4B064AD85
4B064CA05
4B064CA21
4B064CB03
4B064CD04
4B064DA16
(57)【要約】
本発明は、固定化1,3特異的リパーゼ、並びにスチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーを含む酵素粒子を提供する。粒子は、トリグリセリドの酵素によるエステル交換、並びに以降の、濾過による酵素及びトリグリセリドの分離に適している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)50~99w/w%の、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマー;並びに
(b)1~20w/w%の、酵素クラスEC3.1.1.3由来の1,3特異的リパーゼの活性酵素タンパク質
を含む酵素粒子であって、
前記1,3特異的リパーゼは、配列番号1に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、酵素粒子。
【請求項2】
スチレン及びジビニルベンゼンの前記コポリマーを80~99w/w%の量で含む、請求項1に記載の酵素粒子。
【請求項3】
スチレン及びジビニルベンゼンの前記コポリマーは、スチレンユニット及びジビニルベンゼンユニットを100:1~2:1の比率、好ましくは50:1~3:1の比率で含む、請求項1又は2に記載の酵素粒子。
【請求項4】
前記1,3特異的リパーゼを1~15w/w%の活性酵素タンパク質の量で含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項5】
表面積が5~1000m/g;好ましくは表面積が10~750m/gである、請求項1~4のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項6】
平均細孔サイズが0.05~0.1μm;好ましくは平均細孔サイズが0.1~0.5μmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項7】
細孔容積が、粒子グラムあたり少なくとも0.5グラムの油、特に粒子グラムあたり少なくとも1グラムの油の油吸収に相当する、請求項1~6のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項8】
平均直径が200~1200μm;好ましくは平均直径が300~900μmである、請求項1~7のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項9】
前記1,3特異的リパーゼは、リゾムコール(Rhizomucor)属リパーゼ、好ましくはリゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼである、請求項1~8のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項10】
前記1,3特異的リパーゼは、配列番号1に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、好ましくは配列番号1に対して少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項11】
前記1,3特異的リパーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項12】
スチレン及びジビニルベンゼンの前記コポリマーは、90%超のスチレンユニット及びジビニルベンゼンユニットを含み;好ましくはスチレンユニット及びジビニルベンゼンユニットからなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の酵素粒子。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の酵素粒子、及び少なくとも10%の油又は脂肪を含む粉末又はスラリー/懸濁液。
【請求項14】
酵素によるエステル交換方法であって、トリグリセリド及び遊離脂肪酸又は遊離脂肪酸エステルの混合物を、請求項1~12のいずれか一項に記載の酵素粒子と接触させることを含む方法。
【請求項15】
エステル化反応における請求項1~12のいずれか一項に記載の酵素粒子の使用であって、対称型トリグリセリドの生成のために、カルボン酸及びアルコールを前記酵素粒子と接触させることを含み;好ましくは、前記反応はカラム内で実行される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれるコンピュータ可読形式の配列表を含む。
【0002】
本発明は、位置的に1,3部位特異的なリパーゼの固定用のポリスチレン/ジビニルベンゼン粒子に関する。結果として生じるリパーゼ粒子は、酵素によるエステル化/エステル交換において対称型トリグリセリドを調製するのに有用である。
【背景技術】
【0003】
脂肪分解酵素の固定が、長年にわたって知られている。固定化酵素生成物は、有機化合物の酵素による修飾に、例えば有機合成プロセス、植物油エステル交換、バイオディーゼル製造その他に用いられ得る。
【0004】
酵素固定は、酵素が固定されて、そのうえ官能性である担体上への酵素タンパク質の付加であり、酵素は、酵素が接触する液体中に放出(ウォッシュアウト)されない。最も共通して固定される酵素は、異性化反応に用いられるグルコースイソメラーゼ、並びに、例えば、植物油及び有機合成のエステル交換に用いられるリパーゼである。
【0005】
非水性溶液で用いるために、リパーゼは、いくつかの様々な多孔性の無機担体上に、担体の細孔容積中へのリパーゼの水溶液の吸収によって、又は担体の表面への吸着によって、又は吸着及び吸収の双方の組合せによって(その後、乾燥による水除去が続く)、固定され得る。
【0006】
特開平5-292965号公報は、固定化リパーゼ及びこれを調製する方法を開示している。
【0007】
国際公開第95/22606号パンフレットは、顆粒形成プロセスに基づく固定プロセスを記載している。
【0008】
国際公開第99/33964号パンフレットは、酵素が微粒子多孔性担体にアプライされる固定プロセスを記載している。
【0009】
固定化酵素が、廃水処理、医薬の生成、高フルクトースコーンシロップ生産、植物油プロセシング、及び化学物質の合成が挙げられる、種々の産業用途内で連続酵素反応及びバッチ酵素反応の双方に用いられることが知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は、(複数の)酵素粒子であって、
(a)50~99w/w%の、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマー;並びに
(b)1~20w/w%の、1,3部位特異的リパーゼの活性酵素タンパク質
を含み、
1,3特異的リパーゼは、配列番号1に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、酵素粒子を提供する。
【0011】
本発明の別の態様において、提供されるのは、酵素によるエステル化及びエステル交換方法であって、遊離脂肪酸/アルコール又はトリグリセリドの混合物を、本発明の酵素粒子と接触させることを含む方法である。
【0012】
本発明の他の態様及び実施形態は、説明及び実施例から明らかにされる。
【0013】
特に明記しない限り、又は文脈から他の何かを意味することが明らかであるならば、全てのパーセンテージは重量パーセンテージ(w/w%)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明者らは、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーが、1,3-特異的リパーゼ(例えばリゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ)の固定用の有益なポリマー担持体を提供することを見出した。固定化1,3-特異的リパーゼのパフォーマンスは、驚くべきことに、対称型トリグリセリドの生成に良好である。
【0015】
ポリメタクリラートベースの粒子が、吸着によるリパーゼの固定に広く用いられている。なぜなら、リパーゼに対する当該材料の高親和性のためである。同様に、ポリスチレンは、リパーゼのこの種の固定に特に適した材料とみなされない。なぜなら、リパーゼの親和性がより低いため、吸着がより低いためである。これは不運である。なぜなら、比較的高価なメタクリル吸着剤とは対照的に、ポリスチレンは比較的より安価な材料であるためである。
【0016】
発明者らは、本明細書中で、1,3-特異的リパーゼの固定用の、低コストのポリスチレンベースのポリマー担持体を用いることを提示する。当該材料は、粒子中への酵素侵入を可能にし、そして同じタイプにて、以降の酵素反応にとって良好な物質移動状態、及び材料の高い疎水性に起因する有利な水遊離状態を提供する、より大きな孔を有する。利点は、特に、ステアリン-オレイン-ステアリン、及びオレイン-パルミチン-オレインから誘導されるトリグリセリドのような対称型トリグリセリドの生成中に見られる。
【0017】
脂肪/油のリパーゼ触媒エステル交換の使用は、十分に確立されている。反応は、300~1200μmの典型的な粒子サイズを有する固定化酵素で満たされた、1~5メートルの高さを有するカラム内で起こり、油は、一セットのカラムを通って、特定の変換を達成するのに必要とされる総保持時間、ポンプ輸送される。
【0018】
本発明のポリスチレンベースのポリマー担持体を用いる高度に所望される特性は、固定化リパーゼ粒子の機械的強度の向上である。リパーゼ粒子が、高いカラム内に充填される場合、カラムの底部の粒子は、先の粒子の蓄積重量に曝されることとなる。これは、底部での粒子の崩壊、及び結果として起こる、カラムを通る油フローの引下げに至る虞がある。ポリスチレンベースのポリマー担持体でできている粒子は、メタクリラートベースのポリマー担持体と比較して、特に強い。その疎水性性質に起因して、ポリスチレンベースのポリマー担持体はまた、メタクリラートベースのポリマー担持体のような親水性材料と比較して、膨張に対して高度に耐性化している。また、固定化リパーゼ粒子の膨張は、カラムを通る油フローの引下げを引き起こす。
【0019】
別段の指示がない限り、全てのパーセンテージが、本出願の全体を通じて、重量パーセント(w/w%)として示される。
【0020】
酵素粒子
本発明の粒子は、位置的に1,3部位特異的な固定化リパーゼ、並びにスチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーを含むか、又はこれからなるポリマー材料からなる。粒子は、油又は脂肪内にカプセル化されて;例えば、油性の粉末又はスラリー/懸濁液を形成してもよい。
【0021】
粒子は好ましくは多孔性である。細孔容積は、粒子グラムあたり少なくとも0.5グラムの油、特に粒子グラムあたり少なくとも1グラムの油の油吸収に相当し得る。細孔容積は、5~1000m/g、10~1000m/g、特に10~700m/g、より詳細には10~500m/gの表面積を有し得る。
【0022】
粒子は、容積ベースの粒子サイズ(D50)が200~1200μm、好ましくは200~1000μm、より好ましくは300~900μmであり得る。粒子サイズは、レーザー回折粒子サイズアナライザにより測定される。
【0023】
粒子は、60w/w%超、好ましくは80w/w%超の量でポリマー材料を含み得る。
【0024】
粉じん特性が低く、且つ/又は用いられることとなるプロセス(例えば、エステル交換プロセス)との適合性が向上した最終生成物を製造するために、結果として生じる粒子は、油と共にスプレーされ得、又は油性の粉末、若しくは粒子を油中にカプセル化するスラリー/懸濁液を得るために油と混ぜ合わされ得る。油は、植物由来の油、例えば、ヒマワリ油、又は粒子が用いられることとなるプロセスと適合する別の油であり得る。少量の油のみが用いられるならば、粒子は、粉じんの量を実質的に引き下げることができるより大きな粒子に凝集され得る。また、油カプセル化粒子はその後、乾燥させることができる。
【0025】
また、粒子は、脂肪と共にスプレーされるか、若しくは混ぜ合わされて、脂肪及び小さな粒子を含有する固体ブロックを生成することができるか、又は押出成形及びペレット化装置によりプロセシングされて、「ビヒクル」として加えられる脂肪をも含み得る大きなペレットを得ることができる。そのような粒子はその後、保存剤、例えば粉末化保存剤でコーティングされ得る。
【0026】
粉じんは、空気動力学径が50μm未満の粒子と定義される。エーロゾル科学において、空気動力学径が50μm超の粒子は、非常に長い間、一般的に空気伝搬性のままでないことが一般に認められている。この文脈において、空気動力学径は、「その幾何学的サイズ、形状、及び真密度に拘わらず、問題となっている粒子と、穏やかな空気中で終末沈降速度が同じ1g/cmの仮定の球密度の直径」と定義される(WHO、1997)。
【0027】
リパーゼ
本発明に従って固定されることとなるリパーゼは、Enzyme Classification番号EC3.1.1.3に従って分類される、位置的に1,3部位特異的なリパーゼ(sn-1,3-特異的リパーゼ)である(トリアシルグリセロールリパーゼ)。
【0028】
本発明に用いられる位置的に1,3部位特異的なリパーゼの例として、アミノ酸配列同一性が80%を超える(1,3部位特異的リパーゼ活性を示す)リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ(国際公開第2015/181119号パンフレットも参照)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)リパーゼ、リゾプス・デレマリ(Rhizopus delemari)リパーゼ、マルブランチア・シナモメア(Malbranchea cinnamomea)リパーゼ(Biotechnol Appl Biochem,63(4),pp471-478(2016)も参照)、サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)リパーゼ、及びそれらの変異型が挙げられる。
【0029】
一実施形態において、リパーゼは、配列番号1に対するアミノ酸配列同一性が80%超(又は90%若しくは95%超)であるリゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ又はその変異型である。好ましい実施形態において、リパーゼは、リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、例えば配列番号1である。
【0030】
本発明の一実施形態において、酵素粒子は、1,3部位特異的リパーゼを、1~20w/w%の活性酵素タンパク質の量で含む。別の実施形態において、酵素粒子は、1,3部位特異的リパーゼを、1~20w/w%の活性酵素タンパク質の量で含む。特定の実施形態において、酵素粒子は、1,3部位特異的リパーゼを、1~10w/w%の活性酵素タンパク質の量で含む。
【0031】
活性酵素タンパク質は、本明細書中で、リパーゼ活性を示すリパーゼタンパク質の量と定義される。これは、活性ベースの分析酵素アッセイを用いて求めることができる。そのようなアッセイでは、酵素は典型的に、着色した化合物を生成する反応を触媒する。着色した化合物の量は、測定することができて、活性酵素タンパク質の濃度に相関し得る。この技術は、当該技術において周知である。
【0032】
1,3部位特異的リパーゼは、位置2から位置1又は3への自然発生的なアシル移動を触媒する。
【0033】
本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性は、好ましくはバージョン6.6.0以降の、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48;443-453)を用いて、「最長の同一性」の出力として求められる。用いたパラメータは、ギャップオープンペナルティが10、ギャップエクステンションペナルティが0.5、そしてEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needleプログラムが最長の同一性を報告するために、nobriefオプションをコマンドラインに指定しなければならない。「最長の同一性」と標識されるNeedleの出力は、以下のように算出される:
(同一の残基×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント内のギャップの総数)
【0034】
ポリマー材料
本発明の粒子は、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーを含み、これは、1,3部位特異的リパーゼの吸着用の疎水性表面を提供する。
【0035】
また、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、及びアクリル酸オクタデシルのような、他のモノマーの残基を含んでもよい。
【0036】
一実施形態において、コポリマーは、90w/w%超のスチレン及びジビニルベンゼンの残基(ユニット)を含む。好ましくは、コポリマーは、スチレン残基及びジビニルベンゼン残基からなる。
【0037】
一実施形態において、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーは、スチレン残基及びジビニルベンゼン残基を、100:1~2:1の比率で;好ましくは50:1~3:1の比率で;より好ましくは20:1~3:1の比率で含む。
【0038】
コポリマーは、マクロ多孔性材料、例えば、マクロ多孔性ポリマーマトリックス又はマクロ多孔性ポリマービーズの形態で提供され得る。
【0039】
そのようなマクロ多孔性材料は、コポリマー含有量が少なくとも50w/w%、好ましくは少なくとも80w/w%、より好ましくは少なくとも90w/w%であり得る。最も好ましくは、材料は、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーからなる。材料は、平均粒度が200~1000μm、例えば300~900μmの範囲内であり得る。
【0040】
好ましい実施形態において、疎水性ポリマーは、平均粒度が200~1000μmの範囲のスチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーからなるマクロ多孔性粒子として提供される。
【0041】
本発明の酵素粒子は、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーを、50~99w/w%、好ましくは80~99w/w%の量で含み得る。
【0042】
粒子の使用
本発明に従う、固定化1,3部位特異的リパーゼを含む粒子は、広範な酵素使用プロセスにおける、例えば、医薬の製造、専門コモディティケミカル、及び植物油プロセシングにおける潜在的な用途を有する。
【0043】
本発明の文脈において調製される固定化酵素は、有機物質の加水分解、合成、又は修飾に用いられ得る。加水分解、合成、又は修飾は、好ましくは、遊離水が本質的にない媒体中で起こる。
【0044】
したがって、本発明は、有機化合物の酵素による修飾プロセスであって、反応媒体中で、前記有機化合物を、本発明に従う固定化酵素製品と接触させることを含むプロセスを包含する。
【0045】
本発明の固定化酵素は、有機化合物の酵素による修飾であって、反応媒体中で、前記有機化合物を、本発明のプロセスによって生成される固定化酵素と接触させることを含む酵素による修飾に用いられ得る。
【0046】
本発明の特定の実施形態において、修飾は、カルボン酸である第1の反応体及びアルコールである第2の反応体を、本発明の固定化リパーゼと接触させることを含むエステル化反応である。カルボン酸は、以下に限定されないが、脂肪酸、乳酸、安息香酸、アクリル酸、及びメタクリル酸からなる群から選択され得、そしてアルコールは、以下に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ポリオール、例えば、グリセロール、ソルビトール、イソソルビド、キシリトール、グルコシド、例えば、エチルグルコシド及びメチルグルコシド、ネオペンチルアルコール、並びにプロピレングリコールからなる群から選択され得る。
【0047】
修飾は、カルボン酸エステル又はアミドのエナンチオ選択性合成若しくは加水分解が挙げられるキラル再溶媒和;2つのアルデヒド間のアルドール縮合反応;又は固定化酵素によってインサイチュで生成される過カルボン酸によるオレフィン基のエポキシ化であり得る。
【0048】
修飾は、ポリエステル化反応であり得、修飾されることとなる有機化合物は、ヒドロキシカルボン酸又はそのような化合物のオリゴマー、例えば乳酸又は3-ヒドロキシプロパン酸である。又はカルボン酸は、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、2,5-フランジカルボン酸、グルカル酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸からなる群から選択されるジカルボン酸であり、第2の反応体は、ポリオール、例えば、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロール、ソルビトール、イソソルビド、ネオペンチルアルコール、若しくはプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0049】
別の特定の実施形態において、修飾は、ラクトンを、本プロセスによって生成される固定化リパーゼと接触させることを含む開環重合反応である。調製されるポリマーは、ホモポリマー又はヘテロポリマーであり得る。
【0050】
修飾は、カルボン酸エステルである第1の反応体及びアルコールである第2の反応体を、本プロセスによって生成される固定化リパーゼと接触させることを含むエステル転移反応であり得る。
【0051】
修飾は、カルボン酸エステルである第1の反応体及び第2のカルボン酸エステルである第2の反応体を、本プロセスによって生成される固定化リパーゼと接触させることを含むエステル交換反応であり得る。より特定の実施形態において、修飾は、ポリカルボン酸エステルである第1の反応体及び第2のポリカルボン酸エステルである第2の反応体を、本発明の固定化リパーゼと接触させることを含むエステル交換反応である。
【0052】
2つの異なる脂肪/油のエステル交換によって、エステル交換に由来する脂肪酸位置の変化は、油/脂肪混合物の溶融プロファイルに影響を与えることとなる。これは、NMRによって測定されて、典型的な範囲10℃~40℃内の所与の温度での固体脂肪のパーセンテージとして表される。構成要素の例として、ココナッツファット及びパームステアリンがある。
【0053】
カルボン酸エステルは、以下に限定されないが、脂肪酸、乳酸、グルカル酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸のアルキルエステルからなる群から選択され得、アルキルは、メチル、エチル、ブチルであってよく、アルコールは、以下に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ポリオール、例えばグリセロール、アルキルグルコシド、例えば、エチルグルコシド又はメチルグルコシド、ソルビトール、シリコーン及びシリコーン誘導体、イソソルビド、ネオペンチルアルコール、並びにプロピレングリコールからなる群から選択され得る。
【0054】
修飾は、エナンチオピュア化合物を生成する加水分解又は合成であり得る;アミド化反応は、カルボン酸である第1の反応体及びアミンである第2の反応体を、本発明の固定化リパーゼと接触させることを含む。
【0055】
特定の実施形態において、修飾は、本プロセスによって生成される固定化酵素による、エポキシ化剤のインサイチュ生成を含むエポキシ化反応である。
【0056】
本発明の一実施形態において、固定化リパーゼ酵素が、遊離水が本質的にない媒体中でのエステル化、エステル転移、又はエステル交換プロセスに用いられる。エステル転移は、脂肪酸置換に用いられ得、第1の反応体及び第2の反応体を、前記固定化リパーゼと接触させることを含み、これにより置換反応が起こる。
【0057】
第1の反応体は、脂肪酸エステル、好ましくはトリグリセリド又はトリグリセリドの混合物であり得る。
【0058】
第2の反応体は、第1の反応体、好ましくはトリグリセリド又はトリグリセリドの混合物と異なる別の脂肪酸エステルであり得る。さらに、第2の反応体は、アルコール又は遊離脂肪酸であり得る。
【0059】
本発明のこの好ましい実施形態における媒体は、有機溶媒を含むか、又はトリグリセリドから本質的になってもよい。
【0060】
本発明の前記使用は、例えば、化粧品、バイオ燃料その他用のエステルの生成のための、食品、例えば、マーガリン又はカカオバター代用品の生成に応用され得る。
【0061】
プロセス
また、本発明は、本発明の1,3部位特異的リパーゼ粒子によって触媒される反応を行うプロセスであって:
a)反応のために反応体を含む反応混合液を調製することと、
b)反応を行うのに有効な条件にて反応混合液を固定化1,3部位特異的リパーゼ粒子と接触させることと
を含むプロセスを提供する。
【0062】
接触は、場合によっては撹拌があるバッチリアクタ内で、又は所望の反応が実行され得る他のあらゆるタイプのリアクタ若しくはリアクタの組合せ内で、固定化1,3部位特異的リパーゼの充填層カラム、固定化リパーゼを保持している連続撹拌タンクリアクタ、固定化酵素の充填層の移動が、反応混合液への並流又は対向流である移動層リアクタに反応混合液を通すことによって行われ得る。
【0063】
反応体は、脂肪アシルドナー及びアルコールを含み得、そして反応は、脂肪酸アルキルエステルを形成し得る。
【0064】
反応体は、少なくとも2つのトリグリセリドを含み得、そして反応は、異なるトリグリセリドを形成し得る。ゆえに、反応は、トリグリセリドの混合物の溶融特性を変えるのに十分な時間実行され得る。
【0065】
本発明は、以下の付番された実施形態によってさらに説明される。
【0066】
実施形態1. (複数の)酵素粒子であって、
(a)50~99w/w%の、スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマー;並びに
(b)1~20w/w%の、酵素クラスEC3.1.1.3由来の1,3特異的リパーゼの活性酵素タンパク質
を含む酵素粒子。
【0067】
実施形態2. スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーを80~99w/w%の量で含む、実施形態1の酵素粒子。
【0068】
実施形態3. スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーは、スチレンユニット及びジビニルベンゼンユニットを100:1~2:1の比率で含む、実施形態1~2のいずれかの酵素粒子。
【0069】
実施形態4. スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーは、スチレンユニット及びジビニルベンゼンユニットを50:1~3:1の比率で含む、実施形態1~3のいずれかの酵素粒子。
【0070】
実施形態5. スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーは、スチレンユニット及びジビニルベンゼンユニットを20:1~3:1の比率で含む、実施形態1~4のいずれかの酵素粒子。
【0071】
実施形態6. 1,3特異的リパーゼを1~15w/w%の活性酵素タンパク質の量で含む、実施形態1~5のいずれかの酵素粒子。
【0072】
実施形態7. 表面積が5~1000m/gである、実施形態1~6のいずれかの酵素粒子。
【0073】
実施形態8. 表面積が10~750m/gである、実施形態1~7のいずれかの酵素粒子。
【0074】
実施形態9. 細孔容積が、粒子グラムあたり少なくとも0.5グラムの油、特に粒子グラムあたり少なくとも1グラムの油の油吸収に相当する、実施形態1~8のいずれかの酵素粒子。
【0075】
実施形態10. 平均細孔サイズが0.05~0.1μmである、実施形態1~9のいずれかの酵素粒子。
【0076】
実施形態11. 平均細孔サイズが0.1~0.5μmである、実施形態1~10のいずれかの酵素粒子。
【0077】
実施形態12. 平均直径が200~1200μmである、実施形態1~11のいずれかの酵素粒子。
【0078】
実施形態13. 平均直径が200~1000μmである、実施形態1~12のいずれかの酵素粒子。
【0079】
実施形態14. 平均直径が300~900μmである、実施形態1~13のいずれかの酵素粒子。
【0080】
実施形態15. 1,3特異的リパーゼは、リゾムコール(Rhizomucor)属リパーゼである、実施形態1~14のいずれかの酵素粒子。
【0081】
実施形態16. 1,3特異的リパーゼは、リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼである、実施形態1~15のいずれかの酵素粒子。
【0082】
実施形態17. 1,3特異的リパーゼは、配列番号1に対して少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を有する、実施形態1~16のいずれかの酵素粒子。
【0083】
実施形態18. 1,3特異的リパーゼは、配列番号1に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、実施形態1~17のいずれかの酵素粒子。
【0084】
実施形態19. 1,3特異的リパーゼは、配列番号1に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する、実施形態1~18のいずれかの酵素粒子。
【0085】
実施形態20. 1,3特異的リパーゼは、配列番号1に対して少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有する、実施形態1~19のいずれかの酵素粒子。
【0086】
実施形態21. 1,3特異的リパーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する、実施形態1~20のいずれかの酵素粒子。
【0087】
実施形態22. 1,3特異的リパーゼは、クモノスカビ(Rhizopus)属リパーゼである、実施形態1~14のいずれかの酵素粒子。
【0088】
実施形態23. 1,3特異的リパーゼは、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)リパーゼである、実施形態1~14のいずれかの酵素粒子。
【0089】
実施形態24. 1,3特異的リパーゼは、サーモマイセス(Thermomyces)属リパーゼである、実施形態1~14のいずれかの酵素粒子。
【0090】
実施形態25. 1,3特異的リパーゼは、サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)リパーゼである、実施形態1~14のいずれかの酵素粒子。
【0091】
実施形態26. 1,3特異的リパーゼは、マルブランチア(Malbranchea)属リパーゼである、実施形態1~14のいずれかの酵素粒子。
【0092】
実施形態27. 1,3特異的リパーゼは、マルブランチア・シナモメア(Malbranchea cinnamomea)リパーゼである、実施形態1~14のいずれかの酵素粒子。
【0093】
実施形態28. スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーは、90%超のスチレンユニット及びジビニルベンゼンユニットを含む、実施形態1~27のいずれかの酵素粒子。
【0094】
実施形態29. スチレン及びジビニルベンゼンのコポリマーは、スチレンユニット及びジビニルベンゼンユニットからなる、実施形態1~28のいずれかの酵素粒子。
【0095】
実施形態30. 実施形態1~29のいずれかの酵素粒子、及び少なくとも10%の油又は脂肪を含む粉末又はスラリー/懸濁液。
【0096】
実施形態31. 酵素によるエステル交換方法であって、トリグリセリド及び遊離脂肪酸又は遊離脂肪酸エステルの混合物を、実施形態1~29のいずれかに従う酵素粒子と接触させることを含む方法。
【0097】
実施形態32. 酵素によるエステル化方法であって、カルボン酸及びアルコールを、実施形態1~29のいずれかの酵素粒子と接触させることを含み;好ましくは、反応はカラム内で実行される、方法。
【0098】
実施形態33. 酵素によるエステル化による対称型トリグリセリドの生成方法である、実施形態32の方法。
【0099】
実施形態34. エステル化反応における実施形態1~29のいずれかの酵素粒子の使用であって、対称型トリグリセリドの生成のために、カルボン酸及びアルコールを酵素粒子と接触させることを含み;好ましくは、反応はカラム内で実行される、使用。
【実施例
【0100】
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これは、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
【0101】
化学物質は、少なくとも試薬グレードの市販品であった。リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する。
【0102】
実施例1
リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼの固定を、吸着工程において、同じ酵素濃度(担体材料のグラムあたりに加えられる活性酵素タンパク質のグラム)を用いて、2つのタイプの粒子/担体上での吸着によって実行した。2つのタイプの粒子/担体は:
(a)マクロ多孔性ポリスチレン樹脂/吸着剤(ジビニルベンゼンとのコポリマー)、及び
(b)メタクリラート樹脂/吸着剤(ジビニルベンゼンとのコポリマー)
であった。
【0103】
この方法は、一般的に用いられており、当業者に周知である。簡潔に、液体リパーゼ濃縮物を、固体担体材料と混合して、担体材料と1~2日間接触させたままにした。
【0104】
濾過、及び水による洗浄の後に、生成された固定化酵素粒子(それぞれ、スチレン/ジビニルベンゼン及びメタクリラート/ジビニルベンゼン上のリパーゼ)を、残りの非吸着酵素を含有する上清から分離して、乾燥させた。
【0105】
上清中の残りの酵素の量を測定して、メタクリラート/ジビニルベンゼン粒子上での固定がかなり効率的であり、上清中の残りの酵素が5~10倍低い濃度となることが示された。ゆえに、スチレン/ジビニルベンゼン粒子上に吸着される酵素の量は、メタクリラート/ジビニルベンゼン粒子上に吸着される量よりもかなり低かった。上清由来の非吸着酵素を回収した。
【0106】
2つのタイプの固定化酵素粒子を用いて、トリグリセリド(トリオレイン、OOO)とステアリン酸との間でエステル交換反応を実行して、対称型トリグリセリド(ステアリン-オレイン-ステアリン、SOS)を生成した。
【0107】
反応を、固定層リアクタ内で固定化酵素を反応体と接触させることによって実行した。反応を、75℃にて、反応体をリアクタ(55%/45%ステアリン酸:トリグリセリド混合液)に連続的にフィードすることによって実行して、リアクタ由来の放出口の組成(生成物流)を、SOS及びSSS濃度について、ガスクロマトグラフィによって測定した。
【0108】
簡潔に、フィード混合液を調製する手順及びpH調整は、以下の通りであった:
1. ステアリン酸を、85℃オーブン/水浴内のボトル内で加熱(およそ3時間)。
2. ハイオレイックヒマワリ油を加えて、キャップタイト前にボトルを窒素でパージ。
3. 油混合液を、75℃オーブン/水浴内で再インキュベート(およそ1時間)。
4. 油混合液を、高剪断ミキサーにより24000rpmにて30秒間混合。
5. 腐食剤中に加えながら、高剪断混合(固体化を防止するため)。
6. 十分にキャッピングしたボトル内に保存して、窒素でブランケット。
【0109】
ポリスチレン/ジビニルベンゼン粒子のパフォーマンスを、SOS生成物及びSSS副産物の形成によって測定して、メタクリラート/ジビニルベンゼン粒子と少なくとも同程度に良好であることが見出された。双方のタイプの粒子を用いたエステル交換は、>25%のSOS及び約1~1.1%のSSSをもたらした。
【0110】
2つのタイプの粒子のパフォーマンスは等しかったので、スチレン/ジビニルベンゼン固定化リパーゼのパフォーマンスは、一般的に用いられるメタクリラート/ジビニルベンゼン固定化リパーゼよりも約5~10倍良好であった。
【0111】
実施例2
反応を、実施例1に用いた2つのタイプの固定化リパーゼ粒子により実行した。反応を、以下の条件下で、カラムモード(連続的)で75℃にて走らせた:
2gの固定化酵素(乾燥パッキング);
ステアリン酸:ハイオレイックヒマワリ油からなる油混合液(55:45の重量比);並びに
水及び200ppm NaOH(4N)+0.1%を加えた。
【0112】
SOS(ステアリン-オレイン-ステアリン)及びSSS(ステアリン-ステアリン-ステアリン)への変換を測定した。
【0113】
3g/g/hの油混合液流量にて、SOS(所望の生成物)への変換は増大し続けた一方、SSS(不所望の副産物)は、ポリスチレン/ジビニルベンゼン粒子について一定のままであった;一方、メタクリラート/ジビニルベンゼン粒子について、SSSへの変換は、SOSと同じ速度にて増大し続けた。
【0114】
この結果は、同じタイプの固定化リパーゼを用いて、SOSに向けたポリスチレン/ジビニルベンゼン粒子の所望の選択性を示す。
【配列表】
2024507907000001.app
【国際調査報告】