(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】パワー半導体デバイスおよび製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/29 20060101AFI20240214BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20240214BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20240214BHJP
【FI】
H01L23/30 R
H01L23/36 A
H01L25/04 C
H01L25/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551215
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 EP2022051078
(87)【国際公開番号】W WO2022179770
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パブリチェク,ニコ
(72)【発明者】
【氏名】トリューセル,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】マレキ,ミラド
(72)【発明者】
【氏名】サントラリア,リュイス
【テーマコード(参考)】
4M109
5F136
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA03
4M109DA03
4M109DA06
4M109DA07
4M109DB15
4M109EA02
4M109EB13
4M109GA05
5F136BA30
5F136BB04
5F136BB18
5F136DA08
5F136DA27
5F136FA52
(57)【要約】
少なくとも1つの実施形態では、パワー半導体デバイス(1)は、- 少なくとも1つのパワー半導体チップ(24)が支持体上面(20)に配置される、少なくとも1つの支持体(2)と、- ヒートシンク上面(30)を有するヒートシンク(3)であって、少なくとも1つの支持体(2)がヒートシンク上面(30)に配置される、ヒートシンク(3)と、- 少なくとも1つの支持体(2)およびヒートシンク(3)と直接接触している電気的絶縁性材料のモールドボディ(4)とを備え、モールドボディ(4)が、少なくとも1つの支持体(2)をヒートシンク(3)上に固定し押し付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー半導体デバイス(1)であって、
- 少なくとも1つのパワー半導体チップ(24)が支持体上面(20)に配置される、少なくとも1つの支持体(2)と、
- ヒートシンク上面(30)を有するヒートシンク(3)であって、前記少なくとも1つの支持体(2)が前記ヒートシンク上面(30)に配置される、ヒートシンク(3)と、
- 前記少なくとも1つの支持体(2)および前記ヒートシンク(3)と直接接触している電気的絶縁性材料のモールドボディ(4)と
を備え、
前記モールドボディ(4)が前記少なくとも1つの支持体(2)を前記ヒートシンク(3)上に固定し押し付け、
- 前記モールドボディ(4)が、前記ヒートシンク(3)に接着接合された、前記パワー半導体デバイス(1)内の唯一の構成部品であり、前記少なくとも1つの支持体(2)が圧力ばめ方式で前記モールドボディ(4)を用いて前記ヒートシンク(3)に固定され、
- 前記ヒートシンク(3)から遠くに面するモールドボディ上面(40)から前記支持体上面(20)に達する前記モールドボディ(4)内に少なくとも1つのリセス(41)があり、少なくとも1つの電気配線(51)が前記少なくとも1つのリセス(41)を貫通する、
パワー半導体デバイス(1)。
【請求項2】
前記ヒートシンク上面(30)の上面図で見て、前記ヒートシンク上面(30)が前記モールドボディ(4)から全面にわたって突き出し、前記少なくとも1つの支持体(2)が前記ヒートシンク上面(30)に直接配置される、
先行する請求項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの支持体(2)の支持体底面(29)が、それぞれの前記支持体上面(20)とは反対であり、平坦で連続する面である、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項4】
前記モールドボディ(4)は、前記モールドボディ(4)が前記ヒートシンク上面(30)に入り込むように、または前記ヒートシンク(30)が前記モールドボディ(4)底面に入り込むように、少なくとも1つのフォームロックトジョイン(42)を用いて前記ヒートシンク(3)に取り付けられる、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項5】
前記フォームロックトジョイン(42)が、前記ヒートシンク(3)の断面で見て、前記ヒートシンク(3)の中に達する下記の素子、すなわち、T字形アンカリング素子、L字形アンカリング素子、V字形突起物、台形突起物、長方形突起物、ラフニング(7)のうちの少なくとも1つを備える、
先行する請求項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのリセス(41)を通して、前記少なくとも1つの支持体(2)が、電気的に接触され、前記少なくとも1つのリセス(41)が、電気的絶縁性材料で埋められる、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの支柱(45)をさらに備え、
前記少なくとも1つの支柱(45)が、前記少なくとも1つのリセス(41)内に設置され、前記支持体上面(20)に触れ、前記ヒートシンク(3)から遠くの方向に前記モールドボディ上面(40)から突き出す、
先行する請求項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項8】
前記ヒートシンク(3)が、前記ヒートシンク(3)を通り供給される冷却剤(33)が、前記支持体(2)内を循環するように構成される開放式冷却器であって、
前記モールドボディ(4)が、前記冷却剤(33)用のシーリングを提供する、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項9】
前記支持体(2)が、2つのメタライゼーション層(21)の間に電気的絶縁性ボディ(22)を備え、前記支持体上面(20)が、メタライゼーション層(21)のうちの1つにより形成される、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項10】
前記電気的絶縁性ボディ(22)が、前記モールドボディ(4)の中に突き出している前記支持体(2)の側面のところに少なくとも1つの締め具(23)を備える、
先行する請求項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項11】
前記モールドボディ(4)が、297Kの温度で、5GPaから30GPaまでの間の曲げ弾性率を有する少なくとも1つの樹脂から作られる、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項12】
前記モールドボディ(4)が、無機材料であって前記モールドボディ(4)内に分散された粒子の形態で与えられる少なくとも1つのフィラー(46)を含み、
前記モールドボディ(4)全体について前記少なくとも1つのフィラー(46)の質量分率が、30%から70%までの間である、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項13】
前記ヒートシンク上面(30)が、前記少なくとも1つの支持体(2)および前記モールドボディ(4)とだけ直接接触しており、前記ヒートシンク(3)が、前記少なくとも1つのパワー半導体チップ(24)から電気的に絶縁されている、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項14】
複数の前記支持体(2)を備え、
すべての前記支持体(2)が、前記ヒートシンク上面(30)に互いに距離を空けて配置され、前記ヒートシンク(3)と前記モールドボディ(4)との間に設置される、
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項15】
先行する請求項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)を製造するための方法であって、
A)前記ヒートシンク(3)を用意するステップと、
B)前記ヒートシンク上面(30)に直接前記少なくとも1つの支持体(2)を設置するステップと、
C)前記少なくとも1つの支持体(2)を前記ヒートシンク(3)上に押し付け、同時に、前記少なくとも1つの支持体(2)上におよび前記ヒートシンク上面(30)上に前記モールドボディ(4)を形成するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
パワー半導体デバイスおよびこのようなパワー半導体デバイスを製造するための方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2018/0114740(A1)号という文献は、トランジスタパッケージに言及する。
【0003】
WO2018/202615A1という文献は、露出した端子領域を有する樹脂カプセル封止型パワー半導体モジュールを開示する。
【0004】
KR2003 0080900A、米国特許第5105259(A)号、米国特許出願公開第2014/0332951(A1)号、米国特許出願公開第2015/0137344(A1)号、米国特許出願公開第2005/0082690(A1)号およびEP0577966A1という文献は、電気デバイスに言及する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決すべき問題は、例えば、はんだ付けすること、焼結すること、接着剤付けすることまたはねじ止めすることのような接続方法を使用せずに、改善された熱挙動を有するパワー半導体デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、とりわけ、独立特許請求項に規定されたようなパワー半導体デバイスによりおよび方法により達成される。例示的なさらなる発展が、従属請求項の主題を構成する。
【0007】
例えば、本明細書において説明するパワー半導体デバイスは、支持体と、ヒートシンクと、モールドボディとを備える。支持体は、ヒートシンク上に支持体を取り付けるためまたは保持するためのさらなる手段が必要とされないように、モールドボディによりヒートシンク上に直接押し付けられる。このように、例えば、サーマルペースト、はんだ、またはシンタジョインに起因する追加の熱抵抗のない支持体からヒートシンクへの直接の熱経路があり得る。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、パワー半導体デバイスは、少なくとも1つの支持体を備え、少なくとも1つのパワー半導体チップが少なくとも1つの支持体の支持体上面に配置される。さらに、パワー半導体デバイスは、ヒートシンク上面を有するヒートシンクを含み、少なくとも1つの支持体がヒートシンク上面に配置される。電気的絶縁性材料のモールドボディが、少なくとも1つの支持体とおよびヒートシンクと直接接触している。モールドボディは、少なくとも1つの支持体をヒートシンク上に固定し押し付ける。任意選択で、モールドボディは、ヒートシンクに接着接合された、パワー半導体デバイス内の唯一の構成部品であり、少なくとも1つの支持体が、圧力ばめ方式でモールドボディを用いてヒートシンクに固定され、ヒートシンクから遠くに面するモールドボディ上面から支持体上面に達する少なくとも1つのリセスがモールドボディ内にあり、少なくとも1つの電気配線が少なくとも1つのリセスを貫通する。
【0009】
パワー半導体デバイスは、動作中に熱を発生するインバータの重要な構成要素である。熱を散逸させることは、インバータを効率的に動作させるために重要である。この目的で、パワー半導体チップを搬送する支持体が、ヒートシンクに取り付けられ、空気または液体が冷却媒体または冷却剤としてしばしば利用される。その上、パワー半導体デバイスは、高電圧で動作する。このことが、典型的には、シリコーンゲルを用いてまたは多くの場合にエポキシ系であるポッティングコンパウンドもしくはモールディングコンパウンドを用いてパワーデバイス構造体をカプセル封止することによるデバイスの効率的な電気的絶縁を必要とする。
【0010】
支持体をヒートシンク上に固定するための代わりの可能性は、ヒートシンクにねじ等を用いてパワー半導体デバイスをクランプすることおよび適切な熱接触を確実にするために間にサーマルインターフェースマテリアル、略してTIM、を適用することである。TIMの比較的低い熱伝導性を克服するために、一体型冷却構造体を有するパワー半導体デバイスを製造することが可能である。このように、パワー半導体デバイスは、例えば、ねじにより取り付けられることが必要であり、また、液体冷却を利用するための冷却器ハウジングに、例えば、ゴムガスケットによりシールされることも必要である。
【0011】
すなわち、TIMの使用は、熱経路、およびこれによりパワー半導体デバイスの性能を制限し、結局は高いシステムコストをもたらす。一体型冷却構造体の使用は、冷却剤液体に対する追加のシールを必要とし、追加の部品およびプロセスステップのコストを追加する。
【0012】
本明細書において説明するパワー半導体デバイスでは、カプセル封止材料、すなわちモールドボディもまた、支持体をヒートシンクに取り付けるために利用され、可能性としてさらにシーリング材料としても利用される。この目的のために、開放式非カプセル封止型パワーモジュール、すなわちパワー半導体チップを搬送する支持体が、開放式または密閉式冷却器であり得るヒートシンク上に組み立てられる。組み立ては、例えば、ピックアンドプレイスプロセスにより行われる。ヒートシンク上の支持体の横方向の位置を精密に定めるために、アライメントフィーチャが、任意選択的で使用されてもよい。次いで、支持体は、例えば、少なくとも1つのハードモールドコンパウンドのトランスファ成形または圧縮成形であるカプセル封止プロセス中にヒートシンク上にしっかりと押し付けられる。
【0013】
結果として、電気的絶縁のモールドボディの目的に加えて、カプセル封止材料としてのモールドボディもまた、支持体をヒートシンク上に固定し、支持体-ヒートシンク界面に圧力を恒久的に与える。ヒートシンクは、信頼性があり強い熱的および機械的接触を与えるために、モールドコンパウンドに対するボンディング強度を最大にするためのフィーチャを含むことができる。
【0014】
これゆえに、追加のクランピング、シーリング、ボンディング材料およびプロセスステップに関するいかなるコストも、本明細書において説明するパワー半導体デバイスを使用することによって節約され得る。
【0015】
要するに、本明細書において説明するパワー半導体デバイスでは、パワーモジュールの基板、すなわち、支持体が、カプセル封止材料、すなわち、モールドボディを用いてヒートシンクに機械的に取り付けられ、ここでは、はんだ層もしくは焼結層または接着のような追加の相互接続層が、基板とヒートシンクとの間に必要とされない。パワーモジュールは、少なくとも1つの電気的絶縁性基板、シリコンまたは炭化ケイ素製の、MOSFET、IGBT、またはダイオードのような少なくとも1つのパワー半導体デバイスを備えることができる。カプセル封止材料は、エポキシ系のモールド構成材またはシリコーン系のモールドコンパウンドであってもよい。カプセル封止材料は、直接、パワーデバイスとヒートシンクとの間の熱経路内にはない。支持体とヒートシンクとの間の接続の機械的強度を最大にするために、アンカリングフィーチャが、ヒートシンクの上面に製造されることが可能であり、アンカリングフィーチャは、例えば、T字形断面、L字形断面、または製造することが容易である角度付き溝をカプセル封止材料によって埋められることになる。開放式または密閉式冷却器が使用されることがある。絶縁性支持体は、一体型冷却構造を備えることができる。そのケースでは、ヒートシンクは、冷却媒体用の少なくとも1つの注入口および1つの排出口を有し、開口部内に支持体の冷却構造体が少なくとも部分的に浸漬される支持体当たり少なくとも1つの開口部を有する開放式冷却器である。別の実施形態では、ヒートシンクは、冷却媒体用の少なくとも1つの注入口および1つの排出口を有し、フィンおよび/またはチャネルのような一体型冷却構造を有する密閉式冷却器である。そのケースでは、基板と密閉式冷却器との間の熱接触が、サーマルインターフェースマテリアル、または金属粒子のような追加の非ボンディング材料により改善されることがある。フィーチャは、カプセル封止プロセス中に強い機械的接触を実現するために必要とされる最終構造物に残ることがある。可能性のあるフィーチャは、例えば、トランスファ成形もしくは圧縮成形により作られる絶縁型支柱、または露出した領域であってもよい。
【0016】
少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの支持体には、1つまたは複数のパワー半導体チップが設けられる。これゆえに、支持体は、パワー半導体モジュールの基板であってもよい。例えば、パワー半導体デバイスの1つまたは複数のパワー半導体チップは、少なくとも400Vのまたは少なくとも650Vのまたは少なくとも1.0kVのまたは少なくとも1.2kVのまたは少なくとも1.6kVの電圧用に構成される。加えて、少なくとも1つのパワー半導体チップは、少なくとも1Aのまたは少なくとも10Aのまたは少なくとも50Aの電流用に構成されることがある。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つのパワー半導体チップは、下記の群:金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、金属-絶縁体-半導体電界効果トランジスタ(MISFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、ゲート整流型サイリスタ(GCT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、およびダイオードから選択される。複数のパワー半導体チップがある場合には、すべての半導体チップが同じタイプのものであってもよい、または異なるタイプの半導体チップがある。
【0018】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体上面は、全体として見て平坦な様式のものである。言い換えると、支持体は、平行平板ボードであってもよい。このことは、支持体上面に、支持体上面の金属層の中に構造化された導体トラックが設けられてもよいことを含まない。
【0019】
少なくとも1つの実施形態によれば、モールドボディは、パワー半導体デバイス内でヒートシンク上面にまたはヒートシンクに接着接合された唯一の構成要素である。例えば、ヒートシンクと支持体との間には接着接合がなく、支持体は、直接、ヒートシンク上面に付けられることがある。支持体とヒートシンクとの間の金属接続および/または導電性接続だけが支持体それ自体によるものであり、その結果、はんだ、焼結層またはペーストでの伝導性粒子を用いないことが可能である。そうでなければ、ヒートシンクと支持体との間に中間層があることが可能であり、中間層は、例えば、TIM層である。中間層を用いて、ヒートシンク上面のおよび/または支持体底面の不均一さまたは粗さが、ヒートシンクと支持体との間の熱的接触を高めるために埋められることがある。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの支持体は、圧力ばめ方式でモールドボディを用いてヒートシンクに固定される。言い換えると、モールドボディを用いて、ヒートシンクに対する支持体の横方向の動きが摩擦により妨げられるように、支持体は、ヒートシンク上に非常に強く押し付けられることがある。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、ヒートシンク上面は、平坦な様式のものである。すなわち、ヒートシンク上面は、何も湾曲がないことがある。さらに、ヒートシンク上面は、平滑であってもよい。例えば、ヒートシンク上面の平均粗さ、また、Raとも呼ばれる、は、少なくとも0.5μmまたは大きくとも10μmもしくは大きくとも5μmである。例えば、ヒートシンク上面は、研磨された表面である。同じことが、ヒートシンク上面と接触する基板底面についても当てはまることがある。そうでなければ、ヒートシンク上面および/または支持体底面は、ペーストまたはTIMのような追加の中間層を用いてもまたは用いなくても熱的接触を向上させるためにある程度の粗さを有することがある。
【0022】
少なくとも1つの実施形態によれば、ヒートシンク上面の上面図に見られるが、ヒートシンク上面は、少なくともある特定の場所でまたは全面にわたってモールドボディから突き出す。例えば、ヒートシンク上面の上面図に見られるが、モールドボディがヒートシンクから突き出す場所はない。横方向では、ヒートシンクおよびモールドボディは、互いに同一平面で終端化されてもよいことが可能である。
【0023】
代替として、モールドボディがヒートシンクの側面までまたは底面まで延びてもよいように、モールドボディは、ヒートシンクを部分的に囲むことができ、前記底面は、ヒートシンク上面とは反対である。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、それぞれの支持体上面とは反対である少なくとも1つの支持体の支持体底面は、平坦で連続した面である。支持体底面は、いずれの湾曲もないことがあり、研磨された面であってもよい。例えば、ねじ等が支持体底面を進まないように、支持体底面には穴がない。
【0025】
少なくとも1つの実施形態によれば、モールドボディが、少なくとも1つのフォームロックトジョインを用いてヒートシンクに取り付けられる。言い換えると、モールドボディがヒートシンク上面に入り込み、ヒートシンク内のインターロッキングフィーチャが、モールドプロセス中に埋められることになる。例えば、モールドボディは、ヒートシンク上面を通りヒートシンクの中に達するフォームロックトジョインとしての1つまたは複数の突起物を備える。加えてまたは代わりに、ヒートシンクは、アンカリング素子のところにまたはその周りに、モールドボディが機械的な接触の改善を実現するために成形することにより形成されるアンカリング素子としての少なくとも1つの突起物を備えることができる。
【0026】
少なくとも1つの実施形態によれば、フォームロックトジョインは、ヒートシンク上面に垂直なヒートシンクの断面に見られるが、ヒートシンクの中に達する下記の素子:T字形アンカリング素子、L字形アンカリング素子、V字形突起物、台形突起物、長方形突起物のうちの少なくとも1つを備える。これゆえに、それぞれの突起物は、直接ヒートシンク上面のところで比較的細くてもよく、ヒートシンク内部で太くなってもよい。また少なくとも1回のラフニングが、アンカリング構造体として可能である。同じことがヒートシンクの突起物に、そして結果としてモールドボディ内のリセスに当てはまることがある。
【0027】
そうでなければ、それぞれの突起物の幅は、ヒートシンクの内向きの方向に沿って短調にまたは厳密に短調に減少することがあり、したがって支持体から遠くに向かう。「フォームロックト」は、モールドボディのそれぞれの突起物がヒートシンクと全面にわたって直接接触していることを意味することがある。組み合わせで異なる種類の突起物があること、またはすべての突起物が同じ形状のものであることが可能である。
【0028】
少なくとも1つの実施形態によれば、モールドボディ内に1つまたは複数のリセスがある。例えば、少なくとも1つのリセスは、ヒートシンクから遠くに面するモールドボディ上面から支持体上面に達する。これゆえに、支持体上面は、モールドボディが部分的にないことがある。
【0029】
例えば、支持体上面の上面図に見られるが、少なくとも1つのリセスが、それぞれの支持体上面の面積の大きくとも20%または10%になる。これゆえに、少なくとも1つのリセスは、支持体上面の比較的小さな部分上だけにある。少なくとも1つのリセスによっては影響を受けない支持体上面の他の部分は、モールドボディにより好ましくは覆われる。
【0030】
少なくとも1つのリセスが直接支持体上面で終わるが、支持体上面の上面図に見られるが、少なくとも1つのリセスの領域内の支持体上面上にモールドボディの材料がないことは必要ない。すなわち、少なくとも1つのリセスもまた、少なくとも1つのパワー半導体チップまで達することもある。
【0031】
少なくとも1つの実施形態によれば、パワー半導体デバイスは、1つまたは複数の支柱をさらに備える。少なくとも1つの支柱は、少なくとも1つのリセス内に部分的にまたは完全に設置される。例えば、少なくとも1つの支柱は、支持体上面または少なくとも1つのパワー半導体チップに触れる。少なくとも1つの支柱は、モールドボディ上面と同一平面で終端化させてもよい、またはそうでなければ、ヒートシンクから遠くの方向にモールドボディ上面から突き出すことがある。横方向には、支持体上面と平行に、少なくとも1つの支柱が、モールドボディと全面にわたって直接接触してもよい。これゆえに、モールドボディは、少なくとも1つの支柱上に成形されてもよく、または逆も同様である。
【0032】
例えば、少なくとも1つの支柱は、硬質材料製、すなわちモールドボディよりもさらに堅固な材料製である。少なくとも1つの支柱が、硬質プラスチック製または金属製またはセラミック製であることが可能である。そうでなければ、少なくとも1つの支柱は、軟質材料製、すなわちモールドボディより堅固でない材料製であることが可能である。後者のケースでは、少なくとも1つのモールドボディは、少なくとも1つのリセスを閉じるために、シリコーン樹脂またはシリコーンゴムのような軟質プラスチック製であってもよい。
【0033】
さらに、少なくとも1つのリセス内に電気配線があることが可能である。これゆえに、リセスを介して、少なくとも1つの支持体が、電気的に接触されることがある。このケースでは、電気的絶縁の目的で、リセスは、シリコーン系の材料のような電気的絶縁性材料を用いて埋められてもよい。
【0034】
少なくとも1つの実施形態によれば、ヒートシンクを通して供給される冷却剤が支持体内を循環するように構成されるように、ヒートシンクは、開放式冷却器である。すなわち、ヒートシンクにより、支持体は、冷却剤を供給される。これゆえに、支持体には、冷却剤用の少なくとも1つのチャネルが設けられることがある。そうでなければ、冷却剤が、支持体底面のところを直接流れることがあるが、支持体に浸透しないことがある、または密閉式冷却器のケースでは、冷却剤は、ヒートシンクの内部に制限されることがあるおよび/または支持体と直接接触しないことがある。例えば、冷却剤は、空気のようなガスまたは水もしくは油のような液体である。
【0035】
少なくとも1つの実施形態によれば、モールドボディは、冷却剤のためのシーリングを提供する。言い換えると、モールドボディのために、冷却剤が支持体と直接接触するとしても、支持体とヒートシンクとの間には冷却剤の漏れがない。例えば、モールドボディは、支持体-ヒートシンク界面のところの冷却剤用の唯一のシーリングである。これゆえに、追加のガスケット等の必要がない。この点で、モールドボディが、マルチステップ成形プロセスで、例えば、シーリング用に1つの材料ならびに絶縁および機械的強度のためにもう1つの材料というように2つの異なる材料を用いる2ステップを使用するマルチステップ成形プロセスで製作されてもよいことが可能である。
【0036】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体は、電気的絶縁性ボディを備える。前記電気的絶縁性ボディは、支持体を機械的に搬送する支持体の部分、したがって、少なくとも1つのパワー半導体チップであってもよい。例えば、電気的絶縁性ボディは、セラミック製である。
【0037】
少なくとも1つの実施形態によれば、電気的絶縁性ボディには、少なくとも1つのメタライゼーション層が設けられる。例えば、支持体上面がメタライゼーション層のうちの一方により形成され、支持体底面がメタライゼーション層の他方により形成されてもよいように、電気的絶縁性ボディは、2つのメタライゼーション層の間に設置される。
【0038】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体は、絶縁された基板、例えば、直接接合銅基板、活性金属蝋付け基板、絶縁された金属基板であり、絶縁された金属基板は、例えば、Al2O3、SiN、またはAlNのようなセラミック製である中央電気的絶縁性ボディおよび電気的絶縁性ボディの各々の主面上の少なくとも1つのメタライゼーション層を含む。これゆえに、支持体は、ヒートシンクと少なくとも1つのパワー半導体チップとの間の低熱抵抗のために最適化されてもよい。
【0039】
少なくとも1つの実施形態によれば、電気的絶縁性ボディおよび/または少なくとも1つのメタライゼーション層は、支持体の側面のところに少なくとも1つの締め具を備える。締め具は、それぞれの支持体の他の部品と比較して薄い厚さであってもよい。締め具は、モールドボディと支持体との間の機械的な接続を高めるためにモールドボディの中に突き出すことがある。例えば、締め具は、モールドボディに向かう少なくとも1つの突起物および/またはラフニングを含む。
【0040】
少なくとも1つの実施形態によれば、モールドボディは、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、または窒化シリコン等のフィラー材料を、例えば少なくとも70%および/または多くとも95%の高い含有量で含む、例えば、多芳香族樹脂または多機能樹脂等のエポキシ樹脂系の、例えばエポキシモールドコンパウンドの、比較的硬質な材料で作られる。例えば、モールドボディは、例えば、297Kの温度で、少なくとも5GPaもしくは少なくとも10GPaおよび/または大きくとも40GPaもしくは大きくとも30GPaの曲げ弾性率を有する、代わりにまたは加えて、モールドボディは、例えば、シリコーン樹脂系の比較的軟質な材料から作られ、少なくとも5MPaもしくは少なくとも10MPaおよび/または大きくとも100MPaもしくは大きくとも70MPaの曲げ強度を有する。
【0041】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体上面は、Cu、AlおよびNiのうちの少なくとも1つを含むまたはこれらから構成される。例えば、支持体上面を形成するメタライゼーション層は、銅層である。このような材料を使用することによって、メタライゼーション層とモールドボディとの間の接着の改善が実現されることがある。薄いコーティングが、電気的接続を阻害する、例えば酸化物層を避けるために、厚い銅層のようなメタライゼーション層上に付けられることもまた可能である。この文脈では、「薄い」は、大きくとも1μmを意味することができ、「厚い」は、少なくとも10μmを意味することができる。
【0042】
少なくとも1つの実施形態によれば、モールドボディは、少なくとも1つのフィラーを含む。フィラーは、二酸化シリコン、酸化アルミニウム、または窒化シリコンのような無機材料製であってもよい。しかしながら、有機フィラーおよび無機フィラーが、モールドボディ内で組み合わせられてもよい。少なくとも1つのフィラーを用いて、モールドボディの熱膨張係数、略してCTE、は、支持体のおよび/またはヒートシンクのCTEに応じるように適合されてもよい。
【0043】
少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つのフィラーは、モールドボディ内に分散された粒子の形態で提供される。例えば、前記粒子は、モールドボディ全体内に均一な方式で分散される。そうでなければ、フィラーまたは複数のフィラーのうちの少なくとも1つは、不均一な方式で、例えば、支持体の近くだけにまたは質量分率のある種の勾配で与えられてもよい。複数のフィラーがある場合には、それぞれの種類の粒子が、異なる形状および/またはサイズを有することがある。
【0044】
少なくとも1つの実施形態によれば、モールドボディ全体について、少なくとも1つのフィラーの質量分率、またはすべてのフィラーを合わせた質量分率は、少なくとも20%または少なくとも70%または少なくとも80%である。代わりにまたは加えて、前記質量分率は、大きくとも60%または大きくとも90%または大きくとも95%である。
【0045】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体上面に垂直な断面に見られるが、支持体上面と平行な少なくとも1つの支持体の平均エッジ長さまたは最大エッジ長さのようなエッジ長さは、少なくとも2cmもしくは少なくとも3cm、および/または大きくとも10cmである。
【0046】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体上面に垂直な断面に見られるが、モールドボディの厚さは、少なくとも0.2cmもしくは少なくとも0.3cmおよび/または大きくとも2cmもしくは大きくとも1cmである。例えば、モールドボディの厚さは、支持体の厚さを少なくとも2倍だけおよび/または大きくとも10倍だけもしくは大きくとも5倍だけ超える。
【0047】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体上面に垂直な断面に見られるが、支持体上面と平行なそれぞれの支持体上面にわたるモールドボディの投影長さは、少なくとも1mmもしくは少なくとも2mmおよび/または大きくとも8mmもしくは大きくとも6mmである。
【0048】
少なくとも1つの実施形態によれば、例えば、297Kの温度で、少なくとも1つの支持体は、少なくとも0.05MPaのもしくは少なくとも0.2MPaのおよび/または大きくとも5MPaのもしくは大きくとも2MPaの圧力でモールドボディによりヒートシンク上面の上に押し付けられる。前記圧力は、支持体底面全体にわたって平均した平均圧力であってもよい。例えば、平均圧力は、支持体がモールドボディのためにヒートシンク上に押し付けられる力と、支持体底面の面積含有量の比率である。
【0049】
少なくとも1つの実施形態によれば、パワー半導体デバイスは、複数の支持体を備える。すべての支持体が、ヒートシンク上面に互いに距離を置いて配置されることがある。このように、隣接する支持体は、互いに触れないことがある。支持体は、規則的な格子に配置されことがある。例えば、少なくとも2つまたは少なくとも4つの支持体があるおよび/または多くとも64個のまたは多くとも16個の支持体がある。
【0050】
少なくとも1つの実施形態によれば、すべての支持体は、ヒートシンクとモールドボディとの間に設置される。例えば、任意選択の少なくとも1つのリセスおよび任意選択の冷却剤を考慮に入れなければ、すべての支持体は、ヒートシンクおよびモールドボディと接触するだけである。
【0051】
パワー半導体デバイスは、例えば、電池からの直流電流を、例えば、ハイブリッド車両またはプラグイン電気車両のような車両内の電気モータ用の交流電流に変換するパワーモジュールである。
【0052】
パワー半導体デバイスを製造するための方法が加えて提供される。上記方法を用いて、パワー半導体デバイスは、上に述べた実施形態のうちの少なくとも1つに関連して指示されたように製作される。パワー半導体デバイスの特徴が、これゆえにさらに方法についても開示され、逆も同様である。
【0053】
少なくとも1つの実施形態では、パワー半導体デバイスを製造するための方法は、例えば、述べられる順番で、
A)ヒートシンクを用意するステップと、
B)ヒートシンク上面に直接少なくとも1つの支持体を設置するステップと、
C)少なくとも1つの支持体をヒートシンク上に押し付け、同時に、少なくとも1つの支持体上に、およびヒートシンク上面の上にモールドボディを形成するステップと
を含む。
【0054】
本明細書において説明されるパワー半導体デバイスおよび方法が、図面を参照して例示的な実施形態を用いて下記に非常に詳細に説明される。個別の図で同じである要素は、同じ参照番号を用いて指示される。要素間の関係は、等尺では示されない、しかしながら、むしろ、個々の要素は、理解する際に助けるために誇張して大きく示されることがある。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本明細書において説明するパワー半導体デバイスの例示的な実施形態の模式的断面図である。
【
図2】本明細書において説明するパワー半導体デバイスの例示的な実施形態の模式的断面図である。
【
図3】本明細書において説明するパワー半導体デバイスの例示的な実施形態の模式的断面図である。
【
図4】本明細書において説明するパワー半導体デバイスの例示的な実施形態の模式的上面図である。
【
図5】本明細書において説明するパワー半導体デバイスの例示的な実施形態の模式的上面図である。
【
図6】本明細書において説明するパワー半導体デバイスの例示的な実施形態の模式的上面図である。
【
図7】本明細書において説明するパワー半導体デバイスを製造するための方法の例示的な実施形態の模式的ブロック図である。
【
図8】本明細書において説明するパワー半導体デバイスの例示的な実施形態の模式的断面図である。
【
図9】本明細書において説明するパワー半導体デバイスの例示的な実施形態の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1には、パワー半導体デバイス1の例示的な実施形態が図示される。パワー半導体デバイス1は、ヒートシンク上面30を有するヒートシンク3を備える。ヒートシンク上面30は、全体的に見れば平坦な様式のものである。さらに、パワー半導体デバイス1は、パワー半導体チップ24を搬送する支持体2を備える。パワー半導体チップ24のようなすべての構成要素をその上に有する支持体2もまた、パワーモジュールとも呼ばれることがある。
【0057】
例えば、支持体2は、直接接合銅基板であり、支持体上面20におよび支持体底面29にメタライゼーション層21を有する電気的絶縁性ボディ22から構成される。支持体上面20ならびに支持体底面29は、平坦な様式のものであるが、選択肢として、支持体上面20のメタライゼーション層21が、図示されない、電気的コンタクト領域および導電体トラックを含むように構造化されてもよい。
【0058】
その上、パワー半導体デバイス1は、ヒートシンク3から遠くに面するモールドボディ上面40を有するモールドボディ4を有する。例えば、断面に見られるモールドボディ4は、長方形の外形を有する。モールドボディ4は、ヒートシンク3と、および支持体2と直接接触している。支持体2をしっかり留めるために追加の手段が必要ないように、モールドボディ4を用いて、支持体2は、ヒートシンク上に直接押し付けられ固定される。したがって、支持体2とヒートシンク3との間の境界面には、はんだもしくは接着剤のような何らかの接着層またはサーマルインターフェースマテリアルがない。モールドボディ4により引き起こされるヒートシンク上面30上の支持体底面29の圧力は、例えば、1MPaである。
【0059】
選択肢として、接着力を高めるために、モールドボディ4とヒートシンク3との間の接触領域では、ラフニング43をされることがある。例えば、ラフニング43の平均粗さRaは、少なくとも10μmもしくは少なくとも30μmおよび/または大きくとも0.3mmもしくは大きくとも0.1mmである。例えば、モールドボディ4はエポキシ樹脂製であり、メタライゼーション層21は銅製である。
【0060】
さらなる選択肢として、モールドボディ4と支持体2との間の接着力を高めるために、支持体2は、側面上に締め具23を有することがある。示したもの以外では、このような締め具はまた、支持体上面20のところにも存在してもよい。このような締め具23は、ラフニングまたはモールドボディ4の中に延びる少なくとも1つの突起物であってもよい。例えば、メタライゼーション層21は、電気的絶縁性ボディ22と比較して後退される。
【0061】
パワー半導体デバイス1の製造中にヒートシンク3上に支持体2を押し付けるために、支柱45があってもよい。支柱45は、モールドボディ4が製作される前に支持体2上に付けられてもよい。これゆえに、モールドボディ4用のモールド材料は、支柱45と全面にわたって直接接触することがある。
【0062】
例えば、支柱4は、また、金属製または硬質エポキシ樹脂のような電気的絶縁性材料製である。モールドボディ4を形成した後で、支柱45は、パワー半導体デバイス1内に残ることがあり、樹脂ボディ4から突き出すことがある。支柱45は、先行する成形プロセスにより製造されてもよい、または別々に成形したプラスチックダウエルのような別々に事前に製造された部品として作られてもよい。
【0063】
その上、
図1には、パワー半導体デバイス1がモールドボディ4を突き通る電気端子5を備えることができることが示される。選択肢として、電気端子5は、モールドボディ4の製造中にヒートシンク3上に支持体2を押し付けるために支柱45の代わりにまたは加えて使用されてもよい。この目的のために、例えば、電気端子5は、
図1に図示したようにモールドボディの側面を貫通しなくてもよいが、代わりにモールドボディ上面を貫通することがある。
【0064】
パワー半導体デバイス1のもう1つの例示的な実施形態が、
図2に図示される。
図2によれば、ヒートシンク3は、密閉式冷却器である。すなわち、ヒートシンク3はチャネル31を備え、チャネル内をガスまたは液体が冷却剤33としてヒートシンク3を引き回される。このような密閉式冷却器は、また、すべての他の例示的な実施形態でも使用されてもよい。
【0065】
その上、
図2では、モールドボディ4が、例えば、成形プロセス中に埋められるフォームロックトジョイン42を用いてフォームロックト方式でヒートシンク3に取り付けられることが選択肢として示される。フォームロックトジョイン42は、ヒートシンク2へとかみ合い、結果としてヒートシンク上面30を横切るT字形アンカリング素子から構成される。示したもの以外に、フォームロックトジョイン42は、L字形アンカリング素子、V字形突起物、台形突起物、または長方形突起物を代わりにまたは加えて含むことができる。このようなフィーチャは、支持体2とヒートシンク3との間の強い結合強度を容易にできる。
【0066】
さらに、
図2によれば、モールドボディ上面40から支持体上面20に達するモールドボディ4内にリセス41がある。
図1の支柱45上に押し付ける代わりに、モールドツール内のフィーチャ、図示せず、が、モールドボディ4のための成形プロセス中に支持体2上に押し付けることもまた可能である。その時には、露出した領域が、支持体上面20に残ることになり、リセス41が形成される。
【0067】
選択肢として、露出した領域は、いずれか、端子および/またはバスバーを取り付けるために補助制御コンタクトを作るために使用されてもよい、またはその後のプロセスステップ、図示せず、においてカプセル封止材料を用いて完全にもしくは部分的に埋められてもよい。モールドボディ4上の歪みを減少させるために柔らかいカプセル封止材料を用いてリセス41を埋めることが有益なことがある。これゆえに、少なくとも1つのリセス41を貫通する少なくとも1つの電気配線51があってもよい。このような電気配線51はまた、すべての他の例示的な実施形態に存在してもよい。
【0068】
例えば、モールドボディ4の厚さTは、6mmであり、支持体底面29から支持体上面20までの支持体2の厚さDは、2mmである。これゆえに、モールドボディ4は、支持体2の3倍厚くてもよい。
【0069】
それ以外に、
図1と同じことがまた、
図2にも当てはまることがある。
図3によれば、モールドボディ4は、モールドツールの取り外しを単純化するために傾斜した側面を有することがある。ヒートシンク3との接着を改善するために、例えば、2列に配置されたフォームロックトジョイン42のためのヒートシンク3内に多数のV字形溝があり得る。このような溝は、ヒートシンク3の中に容易に製造されることが可能である。
【0070】
選択肢として、リセス41が、支柱45を用いて埋められ、頭を切り詰めたピラミッドまたは頭を切り詰めた円錐の形状を有することがある。これゆえに、リセス41は、支持体2に向かって狭くなることがある。さらなる選択肢として、支柱45が、支持体2を電気的に接触させるために使用されることがあり、これゆえに、電気端子5として作用することができる。この目的のために、電気的コンタクト領域が、モールドボディ上面40に形成されてもよい、図示せず。
【0071】
例えば、モールドボディ4は、エポキシ樹脂のような母材44、およびフィラー46の粒子から構成される。フィラー46は、例えば、二酸化シリコンである。
図3に示されたものとは対照的に、フィラー46が全モールドボディ4の全体にわたって均一に分散されることが可能である。
【0072】
さらに、ヒートシンク3は、開放式冷却器であってもよい。これゆえに、
図2に図示されたものとは対照的に、冷却剤33は、支持体2と密接に接触するようになることがある。第1の変形形態では、チャネル31は、冷却剤が支持体底面29の全体にわたり導かれるが、支持体2には入らないように、支持体底面29に冷却剤を導く。破線により示された第2の変形形態では、支持体2を直接通って冷却剤33を導くために支持体2内に内部冷却用構造体25がある。
【0073】
モールドボディ4は、ここでは、支持体2とヒートシンク3との間の界面からの冷却剤33の漏れを避けるために、シールとしても働き、そのため、ドライコンタクト、例えば、ヒートシンク3と支持体2との間に、はんだのような追加の接着剤を用いないコンタクトが、維持されることがある。このようなヒートシンク3はまた、すべての他の例示的な実施形態で使用されることもある。
【0074】
それ以外には、
図1および
図2と同じことがまた、
図3にも当てはまることがある。
図4には、フォームロックトジョイン42が、上面図で見たときに、支持体2の周りに部分的にまたはさらに完全に延びることがあることが図示される。選択肢として、フォームロックトジョイン42は、任意選択の冷却剤33が使用されるときにシーリング手段として働くことがある。例えば、支持体2の最大エッジ長さLは55mmであり、支持体上面20を超えるモールドボディ4の投影長さPは2mmである。
【0075】
選択肢として、ヒートシンク3上に支持体2を精密に設置することを可能にするアライメントマーク35があってもよい。これはまた、すべての他の例示的な実施形態においても真実であり得る。
【0076】
それ以外は、
図1から
図3と同じことがまた、
図4にも当てはまることがある。
図5によれば、ヒートシンク3および支持体2は、上面図に見られるが、正方形形状のものである。選択肢として、フォームロックトジョイント42は、規則的な格子に支持体上面20の全面にわたって配置される。
【0077】
その上、
図5では、リセス41は、
図4のように、必ずしも円形様式のものである必要はないが、さらに長方形形状等のものであってもよいことが図示される。
【0078】
両方の構成、すなわち、
図4のような枠状のまたは線状のフォームロックトジョイント42および
図5のような点状のフォームロックトジョイント42が、すべての例示的な実施形態において、さらに組み合わせて使用されてもよく、そのため、少なくとも1つの点状のフォームロックトジョイント42ならびに少なくとも1つの枠状のまたは線状のフォームロックトジョイント42があってもよい。さらに、複数の点状のフォームロックトジョイント42がある場合には、これらのフォームロックトジョイント42は、断面に見られる異なる形状を有することができる。少なくとも1つの枠状のまたは線状のフォームロックトジョイント42がある場合には、それぞれのフォームロックトジョイント42に沿って、断面が変化する、例えば、上面図に見られるように、それぞれのフォームロックトジョイント42が狭くなることも広くなることもあり、真珠のネックレスまたはひし形が線に沿って次々に続くひし形線のように見えてもよいことが可能である。同じことがすべての他の例示的な実施形態に当てはまる。
【0079】
それ以外は、
図1から
図4と同じことがまた、
図5にも当てはまることがあり、逆も同様である。
【0080】
図6の例示的な実施形態では、共通ヒートシンク3上に複数の支持体2があることが図示される。例えば、支持体2は、規則的な格子に配置される。投影長さPはまた、隣接する支持体2の間でも維持されることがある。
【0081】
その上、モールドボディ4は、少なくとも1つの補強構造体47を備えることができる。例えば、補強構造体47は、モールドボディ上面40の残りの部分から突き出しているモールドボディ4の厚くなった部分により形成される。補強構造体47が、上面図に見られるように、モールドボディ上面40のコーナー部で固定される十字形により、または一辺から他辺への垂直な直線により形成されることが可能である。このような補強構造体47を用いて、ヒートシンク3上への支持体2のより均一な圧力が支持体底面29の全面にわたって実現されることがある。
【0082】
任意選択のリセス41が、
図6に示したものの他に、補強構造体47内部に配置されてもよい、または補強構造体47の隣に配置されてもよい。その上、さらなる選択肢として、リセス41は、パワー半導体チップ42の隣でなくてもよいが、パワー半導体チップ24の上にあってもよい。
【0083】
それ以外は、
図1から
図5と同じことがまた、
図6にも当てはまることがある。
図7には、パワー半導体デバイス1を製作するための方法が、簡単に図示される。方法ステップS1では、ヒートシンク3が用意される。方法ステップS2によれば、支持体2または複数の支持体2が、ヒートシンク上面30に直接置かれる。方法ステップS3では、少なくとも1つの支持体2が、ヒートシンク3上に押し付けられ、同時に、モールドボディ4が少なくとも1つの支持体2上に、およびヒートシンク上面30の上に形成される。
【0084】
モールドボディ4は、例えば、1ステージもしくは多ステージ圧縮成形またはトランスファ成形または鋳込成形を用いて形成される。モールドボディ4がパワー半導体デバイス1の所期の動作温度よりもかなり高い高温で製作されることが可能である。これゆえに、製作温度から冷却するときに、モールドボディ4は、モールドボディ4の熱収縮のために支持体2上にさらに押し付けることができる。
【0085】
図8の例示的な実施形態では、支持体2とヒートシンク3との間に中間層6がある。例えば、中間層6は、サーマルインターフェースマテリアル製である。中間層6は、支持体2とヒートシンク3との間に完全に広がり、支持体2から突き出すことがあることも可能である。
【0086】
例えば、そのような中間層6を用いて、支持体底面29は、意図的にラフニング7を行われてもよい。さらなる選択肢として、
図8には図示しないが、このようなラフニング7が、モールドボディ4とヒートシンク3との間の接着およびアンカリングを改善するためにヒートシンク上面30に追加でまたは代わりに存在してもよい。
【0087】
さらなる選択肢として、フォームロックトジョイン42のためのアンカリング構造体が、ヒートシンク上面30からの突起物により実現されることが可能である。モールドボディ4は、これらの突起物の周りに成形されるか、または例えば、プレストレシングを有するケースでは、事前成形され次いでフォームロックトジョイン42のところに押し付けられ、固定されてもよい。
【0088】
その上、モールドボディ4がヒートシンク3上に付けられる前に事前成形される場合に、モールドボディ4は、例えば、プレストレシングをより上手く可能にするために、断面に見られる湾曲したモールドボディ上面40を含むことが、任意選択で可能である。さらに、ヒートシンク3は、冷却フィンを備えることができる。
【0089】
それ以外は、
図1から
図7と同じことがまた、
図8にも当てはまることがあり、逆も同様である。
【0090】
図9によれば、支持体2は、ベースプレート27および1つまたは複数の基板26から構成される。基板は、半導体材料製であってもよい、またはそれどころか少なくとも1つのパワー半導体チップ24を含むウェハであってもよい。ベースプレート27は、例えば、金属プレートである。
図9に示したもの以外は、複数のベースプレート27があってもよい。
【0091】
さらに、
図9によれば、モールドボディ4は、第1の部分4aおよび第2の部分4bから構成される。例えば、第1の部分4aは、シリコーン樹脂のような柔らかい材料製である。第1の部分4aを用いて、
図9には図示されないが、冷却剤用の改善したシーリングが確立されてもよい。第2の部分4bは、第1の部分の周りに形成され、第1の部分4aよりもっと堅固な材料製、例えば、エポキシ樹脂製であってもよい。
【0092】
フォームロックトジョイン42用に、ヒートシンク上面30に多数のリセスがあることが可能である。例えば、第1の部分4a用に1つの内側フォームロックトジョイン42および第2の部分4b用に1つの外側フォームロックトジョイン42がある。これらのフォームロックトジョイン42は、異なる形状を有することがある。例えば、内側フォームロックトジョイン42は、上面図で見て、支持体2を完全に取り囲み、外側フォームロックトジョイン42が、
図5に図示したように、上面図で見て、多点状の様式のものであってもよい。
【0093】
それ以外は、
図1から
図8と同じことがまた、
図8にも当てはまることがあり、逆も同様である。
【0094】
図に示した構成要素は、別段の指示がない限り、好ましくは、1つが他のものの上に直接指定された順番で続く。図では接触していない構成要素は、好ましくは互いに間隔を空けられる。線が互いに平行に描かれる場合に、対応する表面は、好ましくは互いに平行に向けられる。同様に、別段の指示がない限り、描かれた構成要素の互いに対する位置は、図では正しく再現される。
【0095】
ここで説明したパワー半導体デバイスは、例示的な実施形態を参照して与えられた説明により限定されない。むしろ、パワー半導体デバイスは、新規な特徴またはその組み合わせが特許請求の範囲または例示的な実施形態にそれ自体が明示的に示されない場合でも、任意の新規な特徴および特に特許請求の範囲の特徴の任意の組み合わせを含め特徴の任意の組み合わせを包含する。
【0096】
この特許出願は、欧州特許出願第21159002.1号の優先権を主張し、その開示内容は、援用により本明細書に組み込まれている。
【符号の説明】
【0097】
参照符号のリスト
1 パワー半導体デバイス
2 支持体
20 支持体上面
21 メタライゼーション層
22 電気的絶縁性ボディ
23 締め具
24 パワー半導体チップ
25 内部冷却用構造体
26 基板
27 ベースプレート
29 支持体底面
3 ヒートシンク
30 ヒートシンク上面
31 チャネル
33 冷却剤
35 アライメントマーク
4 モールドボディ
4a モールドボディの第1の部分
4b モールドボディの第2の部分
40 モールドボディ上面
41 リセス
42 フォームロックトジョイン
43 ラフニング
44 母材
45 支柱
46 フィラー
47 補強構造体
48 共通面
5 電気端子
51 電気配線
6 中間層
7 ラフニング
D 支持体の厚さ
L 支持体のエッジ長さ
P 投影長さモールドボディ-支持体上面
S.. 方法ステップ
T モールドボディの厚さ
【手続補正書】
【提出日】2023-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー半導体半導体デバイス(1)であって、
- 少なくとも1つのパワー半導体チップ(24)が支持体上面(20)に配置される、少なくとも1つの支持体(2)と、
- ヒートシンク上面(30)を有するヒートシンク(3)であって、前記少なくとも1つの支持体(2)が前記ヒートシンク上面(30)に配置される、ヒートシンク(3)と、
- 前記少なくとも1つの支持体(2)および前記ヒートシンク(3)と直接接触している電気的絶縁性材料のモールドボディ(4)と
を備え、
前記少なくとも1つの支持体(2)が前記ヒートシンク上面(30)上に直接配置されるように、前記モールドボディ(4)が前記少なくとも1つの支持体(2)を前記ヒートシンク(3)上に固定し押し付け、
- 前記モールドボディ(4)が、前記ヒートシンク(3)に接着接合された、前記パワー半導体デバイス(1)内の唯一の構成部品であり、前記少なくとも1つの支持体(2)が圧力ばめ方式で前記モールドボディ(4)を用いて前記ヒートシンク(3)に固定され、
- 前記ヒートシンク(3)から遠くに面するモールドボディ上面(40)から前記支持体上面(20)に達する前記モールドボディ(4)内に少なくとも1つのリセス(41)があり、少なくとも1つの電気配線(51)が前記少なくとも1つのリセス(41)を貫通する
ことを特徴とする、
パワー半導体デバイス(1)。
【請求項2】
前記ヒートシンク上面(30)の上面図で見て、前記ヒートシンク上面(30)が前記モールドボディ(4)から全面にわたって突き出
す、
請求項
1に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの支持体(2)の支持体底面(29)が、それぞれの前記支持体上面(20)とは反対であり、平坦で連続する面である、
請求項1または2に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項4】
前記モールドボディ(4)は、前記モールドボディ(4)が前記ヒートシンク上面(30)に入り込むように、または前記ヒートシンク(
3)が前記モールドボディ(4)底面に入り込むように、少なくとも1つのフォームロックトジョイン(42)を用いて前記ヒートシンク(3)に取り付けられる
、
請求項
1~3のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項5】
前記フォームロックトジョイン(42)が、前記ヒートシンク(3)の断面で見て、前記ヒートシンク(3)の中に達する下記の素子、すなわち、T字形アンカリング素子、L字形アンカリング素子、V字形突起物、台形突起物、長方形突起物、ラフニング(7)のうちの少なくとも1つを備える
、
請求項
4に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのリセス(41)を通して、前記少なくとも1つの支持体(2)が、電気的に接触され、前記少なくとも1つのリセス(41)が、電気的絶縁性材料で埋められる
、
請求項
1~5のいずれか1項のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの支柱(45)をさらに備え、
前記少なくとも1つの支柱(45)が、前記少なくとも1つのリセス(41)内に設置され、前記支持体上面(20)に触れ、前記ヒートシンク(3)から遠くの方向に前記モールドボディ上面(40)から突き出す
、
請求項
6に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項8】
前記ヒートシンク(3)が、前記ヒートシンク(3)を通り供給される冷却剤(33)が、前記
少なくとも1つの支持体(2)内を循環するように構成される開放式冷却器であって、
前記モールドボディ(4)が、前記冷却剤(33)用のシーリングを提供する
、
請求項
1~7のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項9】
前記
少なくとも1つの支持体(2)が、2つのメタライゼーション層(21)の間に電気的絶縁性ボディ(22)を備え、前記支持体上面(20)が、メタライゼーション層(21)のうちの1つにより形成される
、
請求項
1~8のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項10】
前記電気的絶縁性ボディ(22)が、前記モールドボディ(4)の中に突き出している前記
少なくとも1つの支持体(2)の側面のところに少なくとも1つの締め具(23)を備える
、
請求項
9に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項11】
前記モールドボディ(4)が、297Kの温度で、5GPaから30GPaまでの間の曲げ弾性率を有する少なくとも1つの樹脂から作られる
、
請求項
1~10のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項12】
前記モールドボディ(4)が、無機材料であって前記モールドボディ(4)内に分散された粒子の形態で与えられる少なくとも1つのフィラー(46)を含み、
前記モールドボディ(4)全体について前記少なくとも1つのフィラー(46)の質量分率が、30%から70%までの間である
、
請求項
1~11のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項13】
前記ヒートシンク上面(30)が、前記少なくとも1つの支持体(2)および前記モールドボディ(4)とだけ直接接触し
ている
、
請求項
1~12のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項14】
複数の前記
少なくとも1つの支持体(2)を備え、
すべての前記
少なくとも1つの支持体(2)が、前記ヒートシンク上面(30)に互いに距離を空けて配置され、前記ヒートシンク(3)と前記モールドボディ(4)との間に設置される
、
請求項
1~13のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)。
【請求項15】
請求項
1~14のいずれか1項に記載のパワー半導体デバイス(1)を製造するための方法であって、
A)前記ヒートシンク(3)を用意するステップと、
B)前記ヒートシンク上面(30)に直接前記少なくとも1つの支持体(2)を設置するステップと、
C)前記少なくとも1つの支持体(2)を前記ヒートシンク(3)上に押し付け、同時に、前記少なくとも1つの支持体(2)上におよび前記ヒートシンク上面(30)上に前記モールドボディ(4)を形成するステップと
を含む、方法。
【国際調査報告】