IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングの特許一覧

特表2024-507955切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置
<>
  • 特表-切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置 図1
  • 特表-切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置 図2
  • 特表-切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置 図3
  • 特表-切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置 図4
  • 特表-切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置 図5
  • 特表-切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置 図6
  • 特表-切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】切換器及び切換器を有する負荷時タップ切換装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/04 20060101AFI20240214BHJP
   H01F 29/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01F29/04 502D
H01F29/04 502A
H01F29/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552056
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2022053057
(87)【国際公開番号】W WO2022184389
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021104923.7
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ハンマー・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】フロッツィンガー・ジーモン
(57)【要約】
-第1の固定接触子3及び第2の固定接触子4と、
-第1の吸引要素6を有する可動接触子5とを含む負荷時タップ切換装置30用の切換器1であって、
-前記可動接触子5が、前記第1吸引要素6と前記切換器1の外側に配置されている第2の吸引要素31とによって第1位置40から第2位置41に移動可能であり、
-前記可動接触子5は、その第1位置40でこれらの固定接触子3,4のいずれの固定接触子にも接触しないか、又はこれらの固定接触子3,4のうちの1つの固定接触子だけに接触し、その第2位置41で両固定接触子3,4に接触する当該負荷時タップ切換装置30用の切換器1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-第1の固定接触子(3)及び第2の固定接触子(4)と、
-第1の吸引要素(6)を有する可動接触子(5)とを含む負荷時タップ切換装置(30)用の切換器(1)であって、
-前記可動接触子(5)が、前記第1の吸引要素(6)と前記切換器(1)の外側に配置されている第2の吸引要素(31)とによって第1位置(40)から第2位置(41)に移動可能であり、
-前記可動接触子(5)は、その第1位置(40)でこれらの固定接触子(3,4)のいずれの固定接触子にも接触しないか、又はこれらの固定接触子(3,4)のうちの1つの固定接触子だけに接触し、その第2位置(41)で両固定接触子(3,4)に接触する当該負荷時タップ切換装置(30)用の切換器(1)。
【請求項2】
-複数の前記吸引要素(6,31)のうちの少なくとも1つの吸引要素が、磁石又は永久磁石である請求項1に記載の負荷時タップ切換装置(30)用の切換器(1)。
【請求項3】
-前記第1の吸引要素(6)は、前記固定接触子(5)に固定されていて、
-第1の弾性要素(7)が、前記可動接触子(5)と第2のハウジング部(2.2)との間に配置されていて、
-前記第1の弾性要素(7)は、前記可動接触子(5)を前記第1位置(40)に保持する請求項1又は2に記載の負荷時タップ切換装置(30)用の切換器(1)。
【請求項4】
-第1のハウジング部(2.1)が設けられていて、
-前記第1のハウジング部(2.1)及び前記第2のハウジング部(2.2)は、切換器ハウジング(2)を構成していて、
-前記可動接触子(5)と前記第1の吸引要素(6)と前記第1の弾性要素(7)とが、前記切換器ハウジング(2)の内部に配置されていて、
-前記第1の固定接触子(3)及び前記第2の固定接触子(4)が、前記切換器ハウジング(2)の内部(29)から外向きに延在するように、前記第1の固定接触子(3)及び前記第2の固定接触子(4)は配置されている請求項1~3のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換装置(30)用の切換器(1)。
【請求項5】
-前記可動接触子(5)及び前記第1の吸引要素(6)は、支持部(8)に配置されていて、1つのユニットを構成していて、
-前記支持部(8)は、前記切換器ハウジング(8)内に可動に支承されていて、
-前記切換器ハウジング(2)は、前記可動接触子(5)を前記第1位置(40)から前記第2位置(41)に移動させる時の前記支持部(8)用のガイドとして使用される請求項1~4のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換装置(30)用の切換器(1)。
【請求項6】
-第2の吸引要素(31)を有する負荷切換開閉器ロッド(32)を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の切換器(1)を有する負荷時タップ切換装置(30)。
【請求項7】
-第1の選択器ロッド(21)及び第2の選択器ロッド(25)が設けられていて、
-前記第1の選択器ロッド(21)と前記第2の選択器ロッド(25)と前記負荷切換開閉器ロッド(32)とが、共線状に配置されていて、
-ギヤボックス(19)が設けられていて、前記切換器(1)を操作するため、
・これらの選択器ロッド(21,25)を、切り換え中に1つの選択器接触子(28)から隣接した1つの選択器接触子(28)に第1方向に移動させ、
・前記負荷切換開閉器ロッド(32)を、切り換え中に前記第1方向とこの第1方向の反対である第2方向とに移動させるように、前記ギヤボックス(19)は構成されている請求項6に記載の負荷時タップ切換装置(10)。
【請求項8】
-ギヤボックス(19)は、クランク(53)とコンロッド(54)とを含み、
-駆動軸(18)が、前記第2の吸引要素(31)を有する前記負荷切換開閉器ロッド(32)を前記クランク(53)とコンロッド(54)とを介して移動させ、結果として前記切換器(1)を、前記負荷時タップ切換装置の切り換え中に前記第1の吸引要素(6)によって操作する請求項6~7のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換装置(10)。
【請求項9】
-ギヤボックス(19)は、切り換え中に第1の選択器ロッド(21)を第1方向に移動させ、その後に前記負荷切換開閉器ロッド(32)を第1方向と第2方向とに移動させ、その後に第2の選択器ロッド(25)を第1方向に移動させるように構成されている請求項6~8のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換装置(10)。
【請求項10】
-ギヤボックス(19)は、切り換え中に前記負荷切換開閉器ロッド(32)を第1方向及び/又は第2方向に複数回移動させるように構成されている請求項6~9のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換装置(10)。
【請求項11】
-前記負荷切換開閉器ロッド(32)は、前記負荷時タップ切換装置(1)の切り換え中に前記切換器(1)を開くか又は閉じる請求項6~10のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷時タップ切換装置用の切換器に関する。さらに、本発明は、切換器を有する負荷時タップ切換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷時タップ切換装置は、従来の技術から公知であり、一般に負荷切換開閉器及び選択器を有する。負荷下で切り換えを実行するため、一般に、真空バルブが、メンテナンスフリーの負荷切換開閉器で使用されている。真空バルブでは、接点がほんの少ししか消耗しない。これは、特に大きい遮断電流の場合に有益である。切換経路の速い回復が、特に高い回復電圧の場合に有益である。真空バルブの欠点は、当該真空バルブの操作に必要な操作力が特に密封形変圧器の場合に強く変化し得る外圧に強く依存することである。さらに、真空バルブは、比較的高価である。特に変圧器の負荷電流及びタップ電圧が小さい場合、当該真空バルブの当該有益な特性は、必要でない一方で、当該欠点はなくならないままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故に、本発明の課題は、簡単に且つコンパクトに構成されていて、特に小さい負荷電流及びタップ電圧用の負荷時タップ切換装置に適していて、当該切換器の操作に必要な力が外力に依存しない、負荷時タップ切換装置用の切換器を提供することにある。
【0004】
さらに、本発明の課題は、コンパクトに且つ低コストで構成されている、切換器を有する負荷時タップ切換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前者の課題は、請求項1に記載の切換器によって解決される。この場合、本発明の好適なその他の構成の特徴は、従属請求項に記載されている。
【0006】
後者の課題は、請求項6に記載の負荷時タップ切換装置によって解決される。この場合、本発明の好適なその他の構成の特徴は、従属請求項に記載されている。
【0007】
第1の観点によれば、本発明は、
-第1の固定接触子及び第2の固定接触子と、
-第1の吸引要素を有する可動接触子とを含む負荷時タップ切換装置用の切換器を提唱する。
【0008】
この場合、
-当該可動接触子が、当該第1吸引要素と当該切換器の外側に配置されている第2の吸引要素とによって第1位置から第2位置に移動可能であり、
-当該可動接触子は、その第1位置でこれらの固定接触子のいずれの固定接触子にも接触しないか、又はこれらの固定接触子のうちの1つの固定接触子だけに接触し、その第2位置で両固定接触子に接触する。
【0009】
本発明の切換器は、非常に簡単に且つコンパクトに構成されている。可動部分が、切換器の内部から外向きに移動されなければならないことなしに、可動接触子が、外部から操作され得る結果として、全体の構造が、非常に簡単に且つ良好に実現可能である。
【0010】
真空バルブの場合、可動接触子用プランジャが、ベローズによって常に密閉されなければならない。このベローズは、高価で壊れやすく、組み立て時に容易に損傷され得る。これに対して、切換器は、完全に閉鎖されていて、それ故に頑丈であり且つ不浸透性である。当該切換器の操作に必要な力は、外圧に依存しない。可動接触子は、第1の吸引要素を有する。当該可動接触子は、当該切換器の外側の第2の吸引要素によって移動される。当該切換器内では、当該第2の吸引要素が、当該第1の吸引要素の近くに移動される。この場合、当該切換器の内部の可動接触子が、第1位置から第2位置に移動する。この場合、可動接触子は、当該第2位置で2つの固定接触子に接触し、第1位置でこれらの固定接触子に接触しないか又はこれらの固定接触子のうちの1つの固定接触子だけに接触する。代わりに、可動接触子が、第1位置で2つの固定接触子に接触し、第2位置でこれらの固定接触子に接触しないか又はこれらの固定接触子のうちの1つの固定接触子だけに接触するように、切換器が構成されてもよい。これは、第2の吸引要素が、第1の吸引要素の近くに移動される時に、当該切換器が開く装置として構成されなければならないか、又は閉じる装置として構成されなければならないかに専ら依存する。
【0011】
切換要素は、単式遮断器又は二重式遮断器として構成され得る。二重式遮断器としては、可動接触子が、対応する第1位置でいずれの固定接触子にも接触しなく、対応する第2位置で2つの固定接触子に接触する。単式遮断器としては、1つの可動接触子が、これらの固定接触子のうちの1つの固定接触子に常に接触しているか、又はこの固定接触子と1つのユニットを構成しているか、又はこの可動接触子とこれらの固定接触子のうちの1つの固定接触子とが一体的に構成されている。これにより、この可動接触子は、対応する第1位置でこれらの固定接触子のうちの1つの固定接触子だけに接触し、第2位置で2つの固定接触子に接触する。固定接触子と可動接触子とから成る当該組み合わせは、例えば湾曲可能な接触舌片として構成されている。
【0012】
吸引要素は、任意に構成され得る。特に、複数の吸引要素のうちの1つの吸引要素が、常に磁石又は永久磁石として構成されていて、他方の吸引要素は、軟磁性材料から構成されている。この場合、第1の吸引要素は、磁石であり、第2の吸引要素は、軟磁性材料から成るか、又は、第1の吸引要素は、軟磁性材料から成り、第2の吸引要素は、磁石である。さらに、両吸引要素が、磁石又は永久磁石として構成されてもよい。これは、可動接触子が非常に速く又は大きい力で移動するか又は操作されなければならない時に有益である。
-当該第1の吸引要素が、当該固定接触子に固定されていて、
-第1の弾性要素が、当該可動接触子と第2のハウジング部との間に配置されていて、
-当該第1の弾性要素が、当該可動接触子を当該第1位置に保持することが提唱され得る。
【0013】
第1の弾性要素は、任意に、例えば圧縮ばね又は引張ばねとして構成され得る。これは、切換要素が開く装置として構成されているか、又は閉じる装置として構成されているか、又は切換要素の操作時に、可動接触子が固定接触子に接触しなければならないか、又は接触してはならないかに常に依存する。
-第1のハウジング部が設けられていて、
-当該第1のハウジング部及び当該第2のハウジング部が、切換器ハウジングを構成していて、
-当該可動接触子と当該第1の吸引要素と当該第1の弾性要素とが、当該切換器ハウジングの内部に配置されていて、
-当該第1の固定接触子及び当該第2の固定接触子が、当該切換器ハウジングの内部から外向きに延在するように、当該第1の固定接触子及び当該第2の固定接触子が配置されていることが提唱され得る。
【0014】
切換器ハウジングは、任意に構成され得て、例えば、第1のハウジング部と第2のハウジング部とを有し得るか、又は複数の別のハウジング部を有してもよい。この第1のハウジング部とこの第2のハウジング部とは、例えば接着等によって互いに密に接合されている。その結果、外側から当該切換器ハウジングの内部に侵入できない。
【0015】
固定接触子は、任意に構成され得て、例えば導電性の材料から構成され得る。当該固定接触子は、例えば係止又はインサート成形によって切換器ハウジングに結合されている。当該固定接触子は、1つ又は複数の部品から構成され得る。
-当該可動接触子及び当該第1の吸引要素が、支持部に配置されていて、1つのユニットを構成していて、
-当該支持部が、当該切換器ハウジング内に可動に支承されていて、
-当該切換器ハウジングが、当該可動接触子を当該第1位置から当該第2位置に移動させる時の当該支持部用のガイドとして使用されることが提唱され得る。
【0016】
可動接触子は、任意に構成され得て、例えば支持部及び第1の吸引要素と一緒に1つのユニットを構成する。当該可動接触子の移動時に、当該支持部及び当該第1の吸引要素が一緒に移動する。換言すれば、可動接触子、支持部又は第1の吸引要素が移動すると、その他の部品も移動する。例えば、当該支持部は、切換器ハウジングの輪郭又は内形の少なくとも一部に一致する輪郭又は外形を有し得る。これにより、当該可動接触子又は当該支持部が、第1位置から第2位置に及び/又は第2位置から第1位置に移動する時に、当該切換器ハウジングの少なくとも一部が、ガイドとして使用される。可動接触子が、第1吸引要素と一緒に1つのユニットを構成する支持部内でさらなるばねによって弾性支承されてもよい。
【0017】
第2の観点によれば、本発明は、
-第2の吸引要素を有する負荷切換開閉器ロッドを含む切換器を有する負荷時タップ切換装置を提唱する。
【0018】
この場合、負荷時タップ切換装置は、非常に簡単に構成されていて、第1の固定接触子と第2の固定接触子と第1の吸引要素を有する可動接触子とを備える切換要素を使用する。この切換要素は、負荷切換開閉器ロッドに固定されている第2の吸引要素によって操作される。この切換要素とこの負荷切換開閉器ロッドとの間の機械式の接続が省略される。その結果、当該負荷時タップ切換装置の構成が簡略化され、操作機構によって引き起こされる異常が減少する。切換器が間接的に操作される。一般に負荷時タップ切換装置で使用される高価で壊れやすい真空バルブが、当該切換器によって代替され得る。したがって、負荷時タップ切換装置の全体が、より安全になり、より低コストになり、より簡単に組み立てられる。さらに、当該負荷時タップ切換装置の切換器は、タップ変圧器内で残留する絶縁油によって密封されている。
【0019】
負荷時タップ切換装置が、第1選択器ロッドと第2選択器ロッドとギヤボックスとを有することが提唱され得る。切換器を第2の吸引要素によって移動させるため、当該ギヤボックスは、当該負荷時タップ切換装置の切り換え中に負荷切換開閉器ロッドを、当該第1方向とこの第1方向の反対である第2方向とに移動させるように構成されている。
-当該第1の選択器ロッドと当該第2の選択器ロッドと当該負荷切換開閉器ロッドとが、共線状に配置されていて、
-当該切換器を操作するため、当該ギヤボックスが、これらの選択器ロッドを、切り換え中に1つの選択器接触子から隣接した1つの選択器接触子に第1方向に移動させ、当該負荷切換開閉器ロッドを、切り換え中に当該第1方向とこの第1方向の反対である第2方向とに移動させるように構成されていることが提唱され得る。
【0020】
ギヤボックスは、任意に構成され得て、複数の駆動歯車と複数の被動歯車とを有し得る。この場合、駆動軸が、切り換え中にこれらの駆動歯車とこれらの被動歯車とを介してこれらの選択器ロッドを移動させる。
-ギヤボックスが、クランクとコンロッドとを含み、
-駆動軸が、当該第2の吸引要素を有する当該負荷切換開閉器ロッドを当該クランクとコンロッドとを介して移動させ、結果として当該切換器を、当該負荷時タップ切換装置の切り換え中に 当該第1の吸引要素によって間接的に操作することが提唱され得る。
-当該負荷切換開閉器ロッドが、ジャンパスイッチを有し、
-当該ギヤボックスが、当該切り換え中にこのジャンパスイッチを操作するように構成されていることが提唱され得る。
-ギヤボックスが、切り換え中に第1の選択器ロッドを第1方向に移動させ、その後に当該負荷切換開閉器ロッドを第1方向と第2方向とに移動させ、その後に第2の選択器ロッドを第1方向に移動させるように構成されていることが提唱され得る。
-ギヤボックスが、切り換え中に当該負荷切換開閉器ロッドを第1方向及び/又は第2方向に複数回移動させ、
-当該負荷切換開閉器ロッドが、切換器の切り換え中に開くか又は閉じることが提唱され得る。
-当該ギヤボックスが、ゼネバ歯車として構成されていることが提唱され得る。
【0021】
負荷時タップ切換装置が、負荷切換開閉器と選択器とギヤボックスとを有することが提唱され得る。この場合、当該負荷切換開閉器は、当該負荷切換開閉器ロッドと少なくとも1つ、特に3つの切換器と3つのジャンパスイッチと3つの限流抵抗とから構成される。当該選択器は、第1の選択器ロッドと第2の選択器ロッドとから構成される。負荷切換開閉器と選択器とが、ギヤボックスを介して操作される。当該選択器と当該負荷切換開閉器との全部の部品が、絶縁材から成る2つの基板間に配置されている。
【0022】
以下に、本発明及び本発明の利点を添付図を参照して詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の切換器の第1正面図である。
図2】本発明の切換器の別の正面図である。
図3】本発明の切換器の別の正面図である。
図4】本発明の切換器の第1断面を示す。
図5】本発明の切換器の第2断面を示す。
図6】少なくとも1つの切換器を有する本発明の負荷時タップ切換装置を示す。
図7】切換器を有する負荷時タップ切換装置の詳細な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、負荷時タップ切換装置30用の本発明の切換器1を示す。切換器1は、第1のハウジング部2.1と第2のハウジング部2.2とを有する切換器ハウジング2を備える。さらに、切換器1は、第1の固定接触子3と第2の固定接触子4とを有する。さらに、可動接触子5が、切換器1の内部29に存在する。可動接触子5は、支持部8に配置又は固定されている。さらに、第1の吸引要素6が、支持部8に設置されている。可動接触子5、支持部8及び第1の吸引要素6は、1つのユニットを構成する。これらの構成要素のうちの1つの構成要素が移動されると、その他の構成要素が一緒に移動する。第1の弾性要素7及び第2の弾性要素9が、支持部8と第2のハウジング部2.2との間に配置されている。弾性要素7,9は、可動接触子5を初期位置40に保持する。この第1位置40では、可動接触子5が、2つの固定接触子3,4のいずれにも接触しない。
【0025】
第2の吸引要素31は、負荷切換開閉器ロッド32に配置されている。吸引要素31及び負荷切換開閉器ロッド32は、負荷時タップ切換装置30の一部である。この場合、切換器1、特に第1の吸引要素6は、負荷切換開閉器ロッド32、すなわち第2の吸引要素31のすぐ近くに配置されている。負荷切換開閉器ロッド32は、負荷時タップ切換装置30内に可動に支承されている。負荷時タップ切換装置30の操作時に、第2の吸引要素31が、第1の吸引要素6のすぐ近くに移動され、この第1の吸引要素6からさらに遠ざけられ得るように、特に負荷切換開閉器ロッド32も移動される。第1の吸引要素6と第2の吸引要素31との間の距離が十分に小さく、吸引力が、所定の大きさを超えると、第1の吸引要素6が、可動接触子5及び支持部8と一緒に第2の吸引要素31の方向に移動される。この場合、当該吸引力は、弾性要素7,9の力に逆らって作用するように十分に大きい。この場合、可動接触子5は、切換要素1内で第2位置41を取る。
【0026】
第2位置では、可動接触子5は、両固定接触子3,4に接触する。これにより、可動接触子5と両固定接触子3,4とによる通電が可能になる。第2の吸引要素31を有する負荷切換開閉器ロッド32が、切換器1、特に第1の吸引要素6から遠ざかると、弾性要素7,9が、可動接触子5を支持部8及び第1の吸引要素6と一緒に所定の地点から第1位置40に新たに移動させる。この第1位置は、一点鎖線によって示されている。
【0027】
ここで図示された実施の形態では、負荷切換開閉器ロッド32は、切換器1の下に配置されている。負荷切換開閉器ロッド32は、水平面内で直線移動を実行する。図2に示されているように、第2の吸引要素32が、第1の吸引要素6の真下に存在すると、可動接触子5が、両吸引要素6,32の吸引力に起因して下方へ移動され、可動接触子5と固定接触子3,4とが接触する。図3に示されているように、負荷切換開閉器ロッド32が、切換器1内で水平方向にさらに移動され、第2の吸引要素31が、切換器1から遠ざかると、可動接触子3が、弾性要素7,9によって第1位置40に移動され、当該接触子は、固定接触子3,4に対して分離される。第2位置は、同時に一点鎖線によって示されている。
【0028】
図1~3に示された実施の形態では、第1の吸引要素6及び第2の吸引要素31は、磁石として構成されている。代わりに、これらの吸引要素6,31のうちの1つの吸引要素だけが、磁石として構成されてもよい。この場合、他方の吸引要素は、軟磁性要素として構成されている。この場合、第1吸引要素6又は第2の吸引要素31が磁石として構成されているか否かは重要でない。両吸引要素6,31を磁石として構成する場合、両吸引要素6,31間の吸引力は非常に強い。したがって、これは、可動接触子5の応答時間と移動速度とに影響する。
【0029】
図4及び5は、本発明の切換器1の好適な解決手段を示す。この場合、可動接触子5と第1吸引要素6とが、支持部8によって包囲されているように、この支持部8は構成されている。その結果、1つのユニットが、可動接触子5と第1吸引要素6と支持部8とから構成される。可動接触子5は、1つまたは複数の部品から構成され得る。支持部8は、輪郭又は外面14を有する。支持部8の移動用のガイドが形成されるように、輪郭又は外面14は、切換器ハウジング2の内側に一致する。換言すれば、ハウジング2と支持部8とが、可動に且つ形状を一致させて結合する。さらに、支持部8は、弾性要素7,9を固定又は支持するために使用される第1保持要素11及び第2の保持要素12を有する。消弧要素13が、それぞれの端部間に、特に可動接触子5の接点と固定接触子3,4の接点との間に配置されている。消弧要素13は、可動接触子5と固定接触子3,4との間の接触面を保護し、したがって切換器ハウジング2を内側から発生し得るアークに対して保護する。切換器ハウジング2は、固定ウェブ15を有する。切換器1が、負荷時タップ切換装置30内で固定ウェブ15によって特にプレートに固定されている。固定接触子3,4は、1つまたは複数の部品から構成され得る。特に、可動接触子5と固定接触子3,4との間の接点は、特に耐摩耗性で且つ耐燃性である材料から構成されている。
【0030】
図6には、選択器20と負荷切換開閉器50とを有する負荷時タップ切換装置30が示されている。負荷時タップ切換装置30は、ギヤボックス19を介した駆動軸18によって駆動される。この場合、選択器20は、第1選択器ロッド21と第2の選択器ロッド25とを有する。負荷切換開閉器50は、負荷切換開閉器ロッド32を有する。図示された負荷時タップ切換装置30の実施の形態は、三相式に構成されているので、負荷切換開閉器50は、それぞれ1つの切換器1をそれぞれ1つの相ごとに有する。駆動軸18は、ギヤボックス19を介して第1の選択器ロッド21及び第2の選択器ロッド25と負荷切換開閉器ロッド32とを移動させる。負荷切換開閉器50及び選択器20は、基板17上に配置されている。さらに、複数の選択器接触子28が、基板17上に配置されている。これらの選択器接触子28は、ここでは図示されていないタップ変圧器、特に変電所変圧器の調整巻線の巻線タップに接続されている。
【0031】
ギヤボックス19は、選択器20の領域内に第1の駆動歯車及び第2の駆動歯車と第1の被動歯車及び第2の被動歯車とを有する。さらに、第1の選択器ロッド21及び第2の選択器ロッド25は、当該ギヤボックスに面した側面上に歯状領域(verzahnten Bereich)を有する。
【0032】
図7には、クランク53とコンロッド54とを有する駆動軸18が示されている。コンロッド54の第1端部が、クランク53に機械接続されていて、このコンロッド54の第2端部が、負荷切換開閉器ロッド32に機械接続されている。駆動軸18を回転させることによって、第1方向への切り換え中と、第1方向の反対である第2方向への切り換え中とに、負荷切換開閉器ロッド32が、クランク53とコンロッド54とを介して移動される。したがって、1つの選択器接触子28から隣接した1つの選択器接触子28への切り換え時に、選択器ロッド21,25が、第1方向に移動され、負荷切換開閉器ロッド32が、当該第1方向と、当該第1方向の反対である当該第2方向とに移動されることが起こる。
【0033】
換言すれば、第1の選択器ロッド21と第2の選択器ロッド25とが、1つの平面内で平行に配置されていて、第1の選択器ロッド21と負荷切換開閉器ロッド32とが、1つの平面内で平行に配置されていて、第2の選択器ロッド25と負荷切換開閉器ロッド32とが、1つの平面内に配置されている。これは、共線(kollinear)を意味する。
【0034】
選択器ロッド21と選択器ロッド25とは、切り換え時に、時間をずらせて第1方向に移動される、すなわち右方向若しくは左方向に移動されるか、又は上方向に若しくは下方向に移動される。これに対して、負荷切換開閉器ロッド32は、切り換え時に、第1方向とこの第1方向の反対である第2方向とに移動される、すなわち右方向に移動され、左方向に移動されるか、又は左方向に移動され、右方向に移動される、又は上方向若しくは下方向に移動されるか、又は下方向若しくは上方向に移動される。
【0035】
しかしながら、負荷切換開閉器ロッド32は、切り換え中に複数回第1方向又は第2方向に移動されてもよい。この場合、当該複数回の方向転換は常に連続して実行される。
【0036】
負荷切換開閉器ロッド32は、それぞれの切換器1の操作用に第2の吸引要素31を有する。ここで説明されている実施の形態では、負荷切換開閉器ロッド32は、3つの吸引要素31を有する。吸引要素31は、切換器1を操作するために使用される。第2の吸引要素31を有する負荷切換開閉器ロッド32が、第1の吸引要素6の作用領域内に到達すると、可動接触子5が、その第2位置41に移動され、切換器1が移動される。さらに、負荷切換開閉器ロッド32は、ジャンパスイッチ56を操作する。この負荷切換開閉器ロッド32は、第1の接触子63と第2の接触子64とを有する。この場合、接触子63,64は、負荷切換開閉器ロッド32に機械接続されている。
【符号の説明】
【0037】
1 切換器(切換要素)
2 切換器ハウジング
2.1 第1のハウジング部
2.2 第2のハウジング部
3 第1の固定接触子
4 第2の固定接触子
5 可動接触子
6 第1の吸引要素
7 第1の弾性要素
8 支持部
9 第2の弾性要素
11 第1の保持要素
12 第2の保持要素
13 消弧要素
14 外面/輪郭
15 固定ウェブ
17 基板
18 駆動軸
19 ギヤボックス
20 選択器
21 第1の選択器ロッド
25 第2の選択器ロッド
28 選択器接触子
29 2の内部
30 負荷時タップ切換装置
31 第2の吸引要素
32 負荷切換開閉器ロッド
40 第1位置
41 第2位置(別の位置)
50 負荷切換開閉器
53 クランク
54 コンロッド
56 ジャンパスイッチ
63 56の第1の接触子
64 56の第2の接触子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】