(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチング廃棄溶媒を処理する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/308 20060101AFI20240214BHJP
C23F 1/46 20060101ALI20240214BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20240214BHJP
C02F 1/42 20230101ALN20240214BHJP
【FI】
H01L21/308 F
C23F1/46
C02F1/44 E
C02F1/42 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552070
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2022055095
(87)【国際公開番号】W WO2022184688
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519063934
【氏名又は名称】エーティーアンドエス オーストリア テクノロジー アンド システムテクニック アクツィエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーン、コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】ザンカー、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】モイツィ、ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】レドル、アロイス
(72)【発明者】
【氏名】グロス、フリードリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】クロチェク、ジョランタ
(72)【発明者】
【氏名】シュライ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】エビンガー、クリストフ
【テーマコード(参考)】
4D006
4D025
4K057
5F043
【Fターム(参考)】
4D006GA02
4D006KA01
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4K057WN01
5F043AA25
5F043AA26
5F043BB17
5F043BB18
5F043EE33
(57)【要約】
サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチング廃棄溶媒を処理する方法が説明され、前記方法は:i)前記エッチング廃棄溶媒である、特にエッチングプロセス(150)からの、処理対象溶媒(11)を提供する段階、ここで、前記処理対象溶媒(11)は、処理対象金属塩及び酸(15)を有する;ii)前記処理対象溶媒(11)を、イオン交換プロセス(145)内で処理し、その結果、前記処理対象金属塩は、金属塩と交換され、金属塩含有溶媒(10)は、前記処理対象溶媒(11)から取得される段階;これによりa)第1プロセスサイクル(170)を、前記イオン交換プロセス(145)を通って流す段階、ここで、前記第1プロセスサイクル(170)は、実質的に金属元素(50)のみを産出する第1閉ループである;及びb)第2プロセスサイクル(180)を、前記イオン交換プロセス(145)を通って流す段階、ここで、前記第2プロセスサイクル(180)は、実質的に精製水(188)及び/又は金属欠乏塩濃縮物(186b)のみを産出する第2閉ループである、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチング廃棄溶媒を処理する方法であって、前記方法は:
前記エッチング廃棄溶媒を、処理対象溶媒として、特にエッチングプロセスから、提供する段階、ここで、前記処理対象溶媒は、処理対象金属塩及び酸を有する;
イオン交換プロセス内で前記処理対象溶媒を処理する結果、前記処理対象金属塩は金属塩と交換され、金属塩含有溶媒は前記処理対象溶媒から取得される段階;これにより
第1プロセスサイクルを、前記イオン交換プロセスを通って流す段階、ここで、前記第1プロセスサイクルは、実質的に金属元素のみを産出する第1閉ループである;及び
第2プロセスサイクルを、前記イオン交換プロセスを通って流す段階、ここで、前記第2プロセスサイクルは、実質的に精製水及び/又は金属欠乏塩濃縮物のみを産出する第2閉ループである、
を備える、方法。
【請求項2】
前記金属塩中の金属及び前記処理対象金属塩中の金属は同じ金属であり、且つ
前記金属は、銅、ニッケル、コバルト、スズ、カドミウム、マグネシウム、ナトリウム、銀、金からなる群のうちの少なくとも1つである;及び/又は
前記金属塩中の塩及び前記処理対象金属塩中の塩は、異なる塩であり、且つ
前記塩は、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩からなる群のうちの少なくとも2つを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1プロセスサイクルは更に:
前記酸とは異なる、更なる酸を、前記イオン交換プロセスを通って、特に再生溶媒として、流す結果、前記更なる酸は、前記金属塩含有溶媒を提供するために、前記イオン交換プロセスからの金属を取り除く段階;
前記金属塩含有溶媒を、金属元素回収プロセスへ輸送し、前記金属塩含有溶媒から、前記金属元素及び前記更なる酸を取得する段階;及び
前記更なる酸を、前記イオン交換プロセスへフィードバックする段階
を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属元素回収プロセスは、電解プロセスを備え、
前記金属塩含有溶媒は、前記電解プロセスに入る金属濃縮電解質に似ており、且つ
前記更なる酸は、前記電解プロセスを出る金属欠乏電解質に似る、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2プロセスサイクルは更に:
前記処理対象溶媒を、前記イオン交換プロセスを通って流す段階、ここで、前記処理対象溶媒は、分離後に前記イオン交換プロセス内に残留する金属、及び金属欠乏酸性溶媒へと分離される;
前記金属欠乏酸性溶媒を、水処理プロセス内において処理する結果、前記精製水が取得される段階;及び
前記精製水を、前記イオン交換プロセスへフィードバックする段階、及び/又は
前記精製水を、更なるサーキットボード及び/又は基板製造プロセスへフィードバックする段階、及び/又は、
前記精製水を、排水水質を満たす水として排水する段階
を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記水処理プロセスは、膜ろ過プロセスを含み、
透過液は、前記精製水を含み、且つ
濃縮物は、塩濃縮物を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2プロセスサイクルは更に:
前記塩濃縮物を、前記イオン交換プロセスへフィードバックする結果、前記塩濃縮物の金属は、前記イオン交換プロセス内に残留する段階;及びそれにより
前記金属欠乏塩濃縮物を提供する段階
を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記金属欠乏塩濃縮物は、重金属を実質的に含まない、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は更に:
塩基を、前記金属欠乏酸性溶媒へ追加する段階、
ここで、前記塩基及び前記金属欠乏酸性溶媒の前記酸は、塩濃縮物の塩を形成する、
を備える、請求項5~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記イオン交換プロセスは:
イオン交換樹脂を有するイオン交換体を適用する段階;及び/又は
炭化水素系イオン交換溶媒を使用して、液/液抽出を適用する段階
を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記処理対象溶媒を提供する段階は、第3閉ループであり実質的に廃棄物を産出しない第3プロセスサイクル内に統合されている、
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第3プロセスサイクルは:
前記処理対象溶媒からの前記酸を、膜透析によって取り除き、無酸処理対象溶媒及び酸性拡散物を提供する段階、
特に、前記酸性拡散物を、酸濃縮プロセス内で更に酸濃縮し、酸濃縮拡散物を取得する段階;及び
前記酸性拡散物及び/又は前記酸濃縮拡散物を、前記エッチングプロセスへ、前記処理対象溶媒を生成するために、フィードバックする段階
を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記処理対象溶媒を提供する段階が:
過酸化水素、H
2O
2、除去プロセスを遂行する段階
を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
エッチング廃棄溶媒を、処理対象溶媒として生成するエッチングプロセスモジュール、ここで、前記処理対象溶媒は、処理対象金属塩及び酸を有する;
前記処理対象溶媒を処理する結果、前記処理対象金属塩は金属塩と交換され、金属塩含有溶媒は前記処理対象溶媒から取得されるように構成されているイオン交換プロセスモジュール;
前記イオン交換プロセスモジュールを通って流れる第1プロセスサイクル、ここで、前記第1プロセスサイクルは、実質的に金属元素のみを産出する第1閉ループである;及び
前記イオン交換プロセスモジュールを通って流れる第2プロセスサイクル、ここで、前記第2プロセスサイクルは、実質的に精製水及び/又は金属欠乏塩濃縮物のみを産出する第2閉ループである、
を備える、サーキットボード及び/又は基板製造産業プラント。
【請求項15】
イオン交換プロセスの使用であって、
第1閉ループプロセスサイクル内の電解プロセス及び第2閉ループプロセスサイクル内の膜ろ過に結合されたイオン交換プロセスを使用して、実質的に銅元素、精製水、及び重金属欠乏塩濃縮物のみが産出されるように、サーキットボード及び/又は基板製造エッチング廃水を処理する、
イオン交換プロセスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチング廃棄溶媒を処理する方法に関する。更に、本発明は、方法を遂行するように構成された、サーキットボード及び/又は基板製造産業プラントに関する。更に、本発明は、イオン交換プロセスの特定の使用に関する。
【0002】
したがって、本発明は、サーキットボード及び/又は基板製造の技術分野に関し得る。特に、本発明は、サーキットボード及び/又は基板製造からの金属塩含有溶媒の処理(特に金属の回収)の技術分野に関し得る。更に、本発明は、サーキットボード及び/又は基板製造におけるリサイクル(特に排水水質を満たす廃水の提供)の技術分野に関し得る。
【背景技術】
【0003】
サーキットボード及び/又は基板の生産のために、原理的に、大量の金属、特に重金属(例えば、銅、ニッケル、金、銀、パラジウム、スズ、鉄)が要求される。したがって、製造プロセスにおいて、金属含有残留物及び金属含有溶媒(特に溶液)は、それぞれ、様々なプロセスにおいて生じる。
【0004】
金属(塩)含有溶媒(及びそれぞれ、処理対象廃棄物及び残留物濃縮物)は、実質的に、サーキットボード及び/又は基板製造における2つの異なる処理プロセスから生じる:i)エッチングプロセス(例えば、銅箔のエッチング)及びii)めっきプロセス(例えば、銅層を用いためっき処理)。加えて、金属(塩)含有処理対象溶媒は、エッチングプロセス及びめっきプロセスからの洗浄プロセス中に生じる。これらの洗浄水は低濃度の金属、特に銅のみを含有する。対照的に、エッチングプロセス及びめっきプロセスからの金属(塩)含有処理対象溶媒は、比較的高濃度の金属を含む。
【0005】
エッチングプロセスからの金属(塩)含有処理対象溶媒は通常、金属が(エッチングプロセスからの)酸の塩に化学的に結合されている金属塩(例えば塩化銅、当該塩化物は塩酸から生じる)を含有する。また、めっきプロセスからの金属(塩)含有処理対象溶媒は通常、金属が電解の酸の塩に化学的に結合される金属塩(例えば硫酸銅、当該硫酸塩は硫酸から生じる)を含有する。加えて、めっきプロセスからの調製対象の金属(塩)含有溶媒は一般に、高濃度の異金属、例えば鉄を含有する。
【0006】
説明された金属(塩)含有溶媒から金属を回収する方法は原理的に公知である。しかしながら、非常に純粋な形態(例えば99%から最大99.99%、特に、約99.9%純度)の回収された金属のみが、サーキットボード及び/又は基板製造の対象となる。そのような回収は、例えば電解によって遂行され得る。しかしながら、上記で説明された金属(塩)含有溶媒は、この目的のためには非常に不適である。なぜなら、純粋な金属(例えば銅)の析出が阻害される、又は複雑化するからである。高濃度の酸、過酸化水素(及び異金属)は、高品質な電解を無効化する。
【0007】
この理由から、サーキットボード及び/又は基板製造からの廃棄濃縮物は従来、コスト集約的で環境に優しくない、及び、耐久性が高くない方式で、それぞれ処分されてきた。
【発明の概要】
【0008】
サーキットボード及び/又は基板製造からの(特にエッチングプロセスからの)廃棄溶媒の、コスト効率が高く、環境に優しく、かつ耐久性が高い処理を可能にすることが、本発明の目的である。
【0009】
この目的は、独立特許請求項に係る主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属特許請求項からもたらされる。
【0010】
本発明の1つの態様によれば、サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチング(プロセス)廃棄溶媒の処理の方法が説明される。前記方法は:
i)前記エッチング廃棄溶媒を、処理対象溶媒として(特にエッチングプロセスから)提供する段階、ここで、前記処理対象溶媒は、処理対象金属塩及び酸を有する、
ii)イオン交換プロセス内で前記処理対象溶媒を処理し、その結果、前記処理対象金属塩は金属塩と交換され、金属塩含有溶媒は前記処理対象溶媒から取得される段階、これにより
第1プロセスサイクルを、前記イオン交換プロセスを通って流す段階、ここで、前記第1プロセスサイクルは、(実質的に)金属元素のみを(例えば電解プロセスを使用して)産出する第1(閉)ループである、
を含む。
【0011】
特に、前記方法は更に、
第2プロセスサイクルを、前記イオン交換プロセスを通って流す段階、ここで、前記第2プロセスサイクルは、(実質的に)精製水及び/又は金属欠乏塩濃縮物のみを(例えば逆浸透プロセスを使用して)産出する第2(閉)ループである、
を備え得る。
【0012】
本発明の更なる態様によれば、
i)エッチング廃棄溶媒を、処理対象溶媒として生成するエッチングプロセスモジュール、ここで、前記処理対象溶媒は、処理対象金属塩及び酸を有する、
ii)前記処理対象溶媒を処理し、その結果、前記処理対象金属塩は金属塩と交換され、金属塩含有溶媒は前記処理対象溶媒から取得されるように構成されているイオン交換プロセスモジュール、
iii)前記イオン交換プロセスモジュールを通って流れる(例えば電解モジュールを介する流体輸送システムとして実装されている)第1プロセスサイクル、ここで、前記第1プロセスサイクルは、実質的に前記金属元素のみを産出する第1閉ループである、及び
iv)前記イオン交換プロセスを通って流れる(例えば逆浸透モジュールを介する流体輸送システムとして実装されている)第2プロセスサイクル、ここで、前記第2プロセスサイクルは、実質的に精製水及び/又は金属欠乏塩濃縮物のみを産出する第2閉ループである
を備えるサーキットボード及び/又は基板製造産業プラントが説明される。
【0013】
本発明の更なる態様によれば、第1閉ループプロセスサイクル内の電解プロセスへ、及び第2閉ループプロセスサイクル内の膜ろ過プロセスへ結合されたイオン交換プロセスを使用し、(実質的に)銅元素、精製水、及び/又は重金属欠乏塩濃縮物のみが産出されるように、サーキットボード及び/又は基板製造エッチング廃水を処理することが説明される。
【0014】
本発明の更なる態様によれば、上記で説明された方法及び/又は上記で説明された装置を調整するためのプロセス制御装置が議論される。プロセス制御装置は:
i)実行中のプロセスからの少なくとも1つのプロセスパラメータ(及びそれぞれ実際の値)、特に複数のプロセスパラメータを捕捉するためのデータベース、
ii)少なくとも1つの予め定められたプロセスパラメータ(及び目標値のそれぞれ)、特に複数の予め定められたプロセスパラメータを格納するように適合されたデータモデルユニット、及びiii)
a)捕捉されたプロセスパラメータを予め定められたプロセスパラメータと(及びそれぞれ複数のパラメータを互いと)比較する、
b)比較の結果に基づく制御動作を決定する(例えば、実際の値及び目標値の間の差を能動的に補償する)、及び、c)予め定められた制御動作を遂行する(例えば、流速等を適合させる)
ように適合された演算装置
を備える。
【0015】
本発明の更なる態様によれば、サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチング廃棄溶媒を処理するための方法を制御するためのコンピュータプログラム製品が説明され、このコンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のプロセッサ(及びそれぞれ1つ又は複数のコンピュータ)によって実行されるとき、(上記で説明されたような)当該方法及び/又は(上記で説明されたような)当該装置及び/又は(上記で説明されたような)プロセス制御装置を制御する。
【0016】
本明細書の文脈において、「金属塩含有溶媒」という用語は、特に、金属塩を含む任意の(液体)溶媒を示し得る。金属塩は、金属及び酸の間の化学的化合物である。そのような金属の例は:銅、ニッケル、金、銀、コバルト、カドミウム、マグネシウム、ナトリウム、パラジウム、スズを包含し得る。酸の例は:硫酸、塩酸、亜硝酸、リン酸を包含し得;一方で金属塩はそれに対応して、例えば、硫酸塩、塩化物、硝酸塩又はリン酸塩として存在する。対応して、金属塩は例えば、硫酸銅又は塩化銅であり得る。これは、金属イオン及び塩イオンとして金属塩含有溶媒内に存在し得る。金属塩含有溶媒は、金属塩の他に、例えば金属塩が溶解される、水性又は酸性であり得る溶液を含み得る。例えば、溶媒は水の他にもまた、塩酸及び/又は硫酸も含み得る。1つの例において、金属塩含有溶媒は、サーキットボード及び/又は基板の製造から生じ、対応する残留物を含み得る。更に、金属塩含有溶媒は、実質的に金属塩のみが存在するように処理され得る。1つの例において、金属塩含有溶媒は、(望ましくない)異金属(鉄等)を(実質的に)含まない。更なる例において、金属塩含有溶媒は、異金属(の残留物)を含む。「処理対象溶媒」という用語は、後続の処理段階において更に処理されることになる溶媒を示し得る。これにより、処理対象溶媒は、処理対象の(例えば塩が別の塩と交換される)金属塩を含み得、処理対象金属塩が金属塩と交換されるとき、溶媒は処理対象溶媒から取得される。例示的な実施形態において、処理対象金属塩は塩化銅を含み、金属塩は硫酸銅を含む。
【0017】
本明細書の文脈において、「プロセスサイクル」という用語は、特に、サイクル状の方式で接続されている、ある量のプロセス段階(及び/又はプロセスモジュール)を示し得る。特に、プロセスサイクルは、1つの第1段階の生成物が、第1段階に対して上流にあるプロセスである第2段階へフィードバックされるように、配置され得る。より更には特に、最終段階の生成物は、第1段階のインプットとしてフィードバックされる。そのような実施形態は、閉ループプロセスサイクルという用語で呼ばれ得る。好ましくは、閉ループプロセスサイクルは、廃棄物を生成しないように、遂行される。これは、例えば、第3プロセスサイクルを使用して実現され得、ここで、エッチングプロセスからの強酸は、膜透析内で分離され、次に、濃縮段階を介して、エッチングプロセスへフィードバックされる。別の実施形態において、第1プロセスサイクルは、廃棄物として、金属元素のみを、(例えば、酸性溶媒をイオン交換プロセスを通って流し、固定化金属イオンを金属元素を生成する電解プロセスへ輸送し、金属欠乏酸性溶媒をフィードバックすることによって、)産出し得、ここで金属元素は、しかしながら、別の製造プロセスへフィードバックされることができる望ましい生成物である。別の実施形態において、第2プロセスサイクルは、廃棄物として、精製水及び金属が欠乏した(及びそのため排水しやすい)塩濃縮物のみを、(例えば、更なる酸性溶媒を、イオン交換プロセスを通って、逆浸透プロセスを通って、及びイオン交換プロセスへ戻るように流すことによって)産出し得る。
【0018】
本明細書の文脈において、「異金属」という用語は、特に、金属塩含有溶媒内に(溶解の方式で)、存在するが、そこでは(特定の用途にとって)望ましくない金属を示し得る。用途の場合に応じて、そのような異金属(及びそれぞれそれらのイオン)の例は:鉄(Fe3+、Fe2+)、鉛(Pb2+)、スズ(Sn2+)、モリブデン(Mo3+)、ニッケル(Ni2+)、コバルト(Co2+)、インジウム(In3+)、カドミウム(Cd2+)、亜鉛(Zn2+)、クロム(Cr3+)、ナトリウム(Na+)、パラジウム(Pd2+)を包含し得る。1つの実施形態において、金属塩含有溶媒は、金属塩の金属が元素形態で存在し、リサイクルできるように処理されるべきである。異金属は、(例えば電解によって)処理の妨害又は失敗を引き起こし得、それにより、異金属を予め取り除くことが推奨され得る。例示的な実施形態において、金属塩含有溶媒は、めっきプロセスから生じ、銅元素は、金属塩硫酸銅から取得されるべきである。めっきプロセスに起因して、金属塩含有溶媒は、異金属、特に鉄を含み得る。異金属は異金属塩(例えば硫酸鉄)として存在し得る。これにより、硫酸銅の電解が大きく妨害され得る(カソードにおける銅析出を抑制する)。より低い(残留物)濃度において、異金属は、回収中に酸化され得、一方で、金属は還元(及びそれぞれ析出)される。
【0019】
本明細書の文脈において、「異金属及び金属塩含有溶媒」という用語は、特に、(上記で説明されたような)金属塩含有溶媒及び(上記で説明されたような)異金属を含む溶媒を示し得る。1つの実施形態において、異金属及び金属塩含有溶媒は、めっき処理から生じる。特に、異金属及び金属塩含有溶媒は、強酸性溶媒である(例えばpH値<1を有する)。これは、異金属及び金属塩含有溶媒が高濃度(例えば、100~200g/Lの範囲)の硫酸等の強酸を含むという事実から生じ得る。
【0020】
本明細書の文脈において、「処理」という用語は、特に、処理対象溶媒(特に、少なくとも1つの望ましくない特性を有する溶媒)が1つ又は複数のプロセス段階中に処理され、その結果、処理済み溶媒(特に、望ましくない特性をもはや含まない溶媒)が存在することを示し得る。例えば、処理対象溶媒は、少なくとも1つの金属塩が望ましくない金属塩含有溶媒であり得る。対応して、望ましくない金属塩をもはや(実質的に)含まない処理済み溶媒としての金属塩含有溶媒が存在するように処理対象溶媒が(例えば膜透析及び化学反応の遂行によって)処理され得る。
【0021】
本明細書の文脈において、「部分ストリーム」という用語は、特に、(製造)プロセス中に溶媒(特に液体溶媒)が特定の(望ましい)プロセス方向に流されることを示し得る。換言すれば、(製造)プロセス中の溶媒の流れは、望ましい方式で制御され得る。「部分ストリーム」という用語は特に、対応する(製造)プロセスが少なくとも2つのそのような(異なるプロセス段階からの)ストリームを含むという事実に関し得る。同じ(製造)プロセス及びそれぞれ同じ産業プラントの中の(好ましい液体溶媒の)各単一ストリームは、部分ストリームとして示され得る。部分ストリームは(具体的に)生産の廃棄溶媒の制御された流れであり得る。少なくとも部分ストリームのうちの少なくとも2つ(特に3つ以上)が全ストリームへ組み合わされ得る。1つの実施形態において、第1部分ストリームは、サーキットボード及び/又は基板製造のエッチングプロセスからの処理済み金属塩含有溶媒(例えば硫酸銅及び塩酸を含む)及びそれぞれ廃棄物ストリームを含み、一方で第2部分ストリームは、サーキットボード及び/又は基板製造のめっきプロセスからの処理済み金属塩含有溶媒(例えば硫酸銅、硫酸鉄及び硫酸を含む)及びそれぞれ廃棄物ストリームを含む。1つの例において、これらは、全ストリームと合流され得、全ストリームは次に、例えば金属塩の金属を元素形態で回収するために処理される。
【0022】
本明細書の文脈において、「サーキットボード及び/又は基板製造」という用語は、特に、産業プラント、例えばサーキットボード工場において遂行される、サーキットボード及び/又は基板を製造するためのプロセスを示し得る。「サーキットボード」という用語は特に、プリントサーキットボード(PCB)に関し得、一方で「基板」という用語は例えば、集積回路又は有機インターポーザ等の半導体チップの基板に関し得る。サーキットボード及び/又は基板製造は通常、望ましい金属構造が取得されるようにエッチングによって金属が取り除かれるエッチングプロセス、及び、金属がめっき処理によって配設されるめっきプロセスを包含する。サーキットボード及び/又は基板製造の出発材料は、実質的に、金属、及び、樹脂等の有機材料であることが多い、電気絶縁材料を包含する。プロセスの生成物は、完成したサーキットボード及びそれぞれ基板であり得る、又は、中間生成物でもあり得る。
【0023】
本明細書において、「エッチングプロセス」という用語は特に、金属、特に銅をエッチングして、それにより、望ましい金属(導電)構造を提供することを含む、サーキットボード及び/又は基板製造のプロセスを示し得る。例示的な実施形態によれば、このプロセスは、下記のように遂行され得る:フォトレジストが、エッチングで除去されるべきでない銅の経路を保護し、一方でエッチングで除去されるべき銅領域はフォトレジストでカバーされない。最初に、この目的のために、銅層の全体がフォトレジストで被覆される。次に、マスクを通じて、フォトレジストが紫外線によって現像される。マスクは、フォトレジストが残留するべき位置(すなわち、望ましい導体トレースが提供されるべき位置)においてのみ、紫外線を通過させる。現像中、レジスト(及びそれぞれポリマー)は、紫外線に曝露された位置で架橋結合する。現像後、曝露されなかった(及びそれぞれ現像されなかった)フォトレジストは、容易に洗い流されることができる。その後、パネル(及びそれぞれコンポーネントキャリアのプリフォーム)がエッチングされる。フォトレジストは導体トレースを保護し、一方でフォトレジストでカバーされなかった銅はエッチングされる/取り除かれる。エッチングプロセスが完了したとき、フォトレジストが取り除かれ、及びそれぞれ剥がされ(レジストは架橋結合されており、固体である)、導体トレースが残留する。ストリップされたフォトレジストは、後に塩化鉄によって沈殿されることができる。
【0024】
本明細書の文脈において、「めっきプロセス」という用語は特に、めっき処理が遂行される、サーキットボード及び/又は基板製造中のプロセスを示し得る。めっき処理は、装置上での金属沈殿物の電気化学的析出を示し得る。装置は、金属沈殿物(例えば銅)が例えば、導電層構造及びそれぞれ導体トレースとして機能し得るサーキットボード及び/又は基板として機能する。更に、例えば、横方向にめっきすることにより、又は、めっきによって完全に充填することにより、穴(ビア)を導電性にすることができる。1つの例において、電流が電解槽に加えられる。正極(アノード)には、配設されるべき金属(例えば、銅又はニッケル)が配置され、負極(カソード)には、被覆対象物(例えばサーキットボード)が配置される。電流によって、金属イオンは、還元によって対象物上に析出する。1つの例において、本プロセスは、一連の電解槽によって実現され得る。めっきプロセスは、連続的に、又は不連続的に(バッチ式の方式で)遂行され得る。通常、ある量の金属塩含有溶媒が廃棄濃縮物(「ブリード」)として本プロセスにおいて取得される。プロセスに起因して、これは一般に、異金属及び強酸の内容物を含有し、その結果、従来は金属(金属塩)のリサイクルを経済的な方式で行うことが可能でない。
【0025】
本明細書の文脈において、「反応セル」という用語は特に、金属塩含有溶媒から元素の形態で及び非常に純粋な形態で金属塩の金属を回収することを可能にする任意の反応器を示し得る。「回収」という用語は特に、金属塩含有溶媒からの金属元素が(再利用の目的で)分離及びそれぞれ単離されることを示し得る。反応セルの例は電解セルであり得る。「電解」という用語は特に、化学的酸化還元反応を可能にするために電流が利用されることを意味し得る。したがって、電解セルは、カソード(負極)及びアノード(正極)と結合された、電流を提供するための直流電圧源を含み得る。電圧源は、アノードにおいて電子の欠乏を、カソードにおいて電子の過剰を引き起こし得る。1つの実施形態において、金属塩含有溶媒が電解セルに追加され、それは金属としての銅、及び異金属としての鉄を含む。銅は、より高い酸化還元電位を有し(より不活性であり)、したがって、カソードにおいて還元及びそれぞれ析出される。対照的に、鉄はアノードにおいて酸化される。例示的な実施形態において、反応セルは好ましくは、複数の(例えば20の)電解モジュールを含み、当該電解モジュールの中で、金属元素(例えば銅)がカソードで析出される。この反応において、析出される金属より化学的に不活性でない(電解質の)異金属の酸化が生じる。1つの例において、回収は一連の電解槽として実現され得る。回収は連続的又は不連続的に(バッチ式に)遂行され得る。
【0026】
本明細書の文脈において、「イオン交換プロセス」という用語は、特に、液体溶媒のイオンの交換のために好適な任意のプロセスを示し得る。「イオン交換体」という用語は、その材料によって、溶解したイオンが同じ電荷(正又は負)の他のイオンによって置換されることができる材料(及びそれぞれ装置)を包含し得る(更に下記の詳細な説明を参照)。
【0027】
本明細書の文脈において、「透析」という用語は、特に、濃度駆動膜プロセスを使用して分子(特にイオン)を溶液から取り除くことを示し得る。1つの実施形態において、金属塩含有溶媒が、膜の第1の側における第1フィード(透析液フィード)を介して提供され、第2フィード(拡散物フィード)を介して、更なる溶媒(例えば水)が膜の第2の側(第1の反対側)において提供される。膜は半透性であり得、アニオン(例えば塩化物)が通過することを可能にするが(アニオン膜)、一方でカチオン(例えばCu2+)が通過することを可能にしない。したがって、透析液として金属塩含有溶媒においてカチオンが濃縮され、一方で拡散物として更なる溶媒においてアニオンが濃縮される。塩化物アニオンの例において、拡散物は強酸性になり、その結果、「酸透析」という用語も使用され得る。
【0028】
下記で説明される膜透析については、それぞれ、同じ膜が利用され得る、又は、(好ましくは)異なる膜が使用される。アニオン膜は、例えば臭素(Br-)で官能化され得、ここでキャリア材料は例えばPET又はPVCであり得る。特定の場合において、金属塩含有溶液は過酸化水素(H2O2)を含み得る。この場合、好ましくは、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)に基づく耐酸化性膜が使用され得る。
【0029】
本明細書の文脈において、「再生」という用語は特に、(選択的)イオン交換体が第1動作状態から第2動作状態に移されることを示し得る。特に、第1動作状態において、金属(特にカチオン)がイオン交換体(及びそれぞれイオン交換樹脂)で吸着される。更に、特に第2動作状態において、金属は実質的に脱離される。したがって、第2動作状態において、イオン交換体は、再度ロードされるように操作可能であり得、対応して、再度第1動作状態になり得る。有利に、再生は複数回にわたり繰り返され得る。1つの例において、再生は再生溶媒、特に、硫酸及び/又は塩酸等の再生酸によって遂行される。再生において、再生溶媒は吸着された金属を脱離し得る。浄化後、再生溶媒は再度使用され得る。更なる例において、再生溶媒を浄化する必要はなく、その結果、イオン交換体を通る各(再生)サイクルごとに再生溶媒における金属濃度が増加する。このように、本明細書において、「再生」はまた、回収される金属を濃縮することであり得る。
【0030】
換言すれば、1つの実施形態によれば、金属濃度が増加し、一方で酸濃度が減少する。脱離された金属イオンを既に含有する再生酸は、取得された酸濃度が低すぎて金属イオンを樹脂から解放できなくなるまで再利用される。次に、酸のプロトン(H+)が連続的に樹脂に残留するので、酸濃度は減少する。
【0031】
本明細書の文脈において、「有用材料サイクル」という用語は、特に、複数の有用材料(製造方法のために要求される物質、例えば、主成分及び/又は出発材料/原材料)が製造プロセス(及びそれぞれ産業プラント)内に常に(及び、それぞれ、連続的に)リサイクルされることを示し得る。特に、単一プロセス段階からの複数の有用材料が処理及び/又は回収され、単一プロセス段階に再度供給される。有用材料は、廃棄溶媒の構成物、及び、それぞれ発生残留物としてプロセス段階を出るが、プロセス中のプロセス内プロセスの後にフィードバックされ得る。有用材料は、例えば、銅、ニッケル、金等の重金属等を包含し得る。これらは、様々なプロセス段階において、金属塩含有溶媒内に生じ得る。発生残留物は、部分ストリームにおいて流され得(溶媒の流れが具体的に制御され得る)、有用材料が回収され得るように、少なくとも部分的に共通に処理され得る。最後に(特に全ストリームの処理を介して)単一プロセス段階にフィードバックされる部分ストリームから、分離ストリームが分離され得、これは更に、単一プロセス段階にフィードバックされ得る、及び/又は、濃縮(及びそれぞれ濃度の調節)等のプロセスを介して再度部分ストリームへ供給され得る。
【0032】
本明細書の文脈において、「排水水質を満たす溶媒」という用語は、特に、法定基準及び境界値を遵守して、廃水処理プラント及び/又は水域環境へと流されることが許容される(液体)溶媒を示し得る。1つの例において、給水水質を満たす溶媒は、サーキットボード/基板製造の主成分を(実質的に)含まず、単に水、(非重金属)塩、及び(場合によっては)有機材料からなる。好ましい実施形態において、給水水質を満たす溶媒は、重金属をもはや(実質的に)含まない。給水水質を満たす溶媒は、廃水処理プラントにおいて、又は、例えば活性炭フィルタによって取り除かれ得る有機残留物を含み得る。
【0033】
例示的な例において、排水水質を満たす溶媒は、廃水処理プラント内の排水水質を含む。重金属の濃度は15mg/L以下であり得、特に、銅の濃度は0.5mg/L以下(したがって、例えば、オーストリア共和国の法定境界値内)であり得、溶媒が水域環境に供給され得るように、排水水質を満たす溶媒が(例えば、プロセス内廃水処理プラントにおいて)浄化され得る。この浄化は重金属に関連せずに、有機物質残留物に関連するという可能性がある。これらは、例えば活性炭フィルタによって単純に取り除かれ得る。例えば、浄化後、排水水質を満たす溶媒における、有機化合物の濃度の指標であるCSB(化学的酸素要求量)は、300mg/L未満,特に、75mg/L未満(更には、特に65mg/L未満)であり得る。CSB値は、酸素が酸化剤である場合に、被酸化性物質の酸化に要求される酸素の量を(mg/Lで)指定し得る。例えば、この境界値は、オーストリアでは法律で75mg/Lである。廃水処理プラントのCSB境界値は、大きく変動し得、1つの例において、300mg/Lである。
【0034】
本明細書の文脈において、「プロセス制御装置」という用語は特に、プロセス制御の遂行に好適な各装置(又は複数の装置)を示し得、ここで、プロセスは(少なくとも部分的に)サーキットボード及び/又は基板製造に関する。特に、プロセス制御装置は、(少なくとも部分的に)有用材料サイクルを制御及びそれぞれ調整するよう適合され、ここで、生産の残留物は、(重金属及び/又は酸)廃棄物が実質的に生じないようにフィードバックされる。この目的のため、プロセス制御装置は特に、データベース(ユニット)及びデータモデルユニットを含み得、ここで、前者は、捕捉された処理済みデータを格納し、一方で後者は、意図される望ましいプロセスデータを格納する。プロセス制御装置は、この方式で、異なるプロセスステーションにおける実際のパラメータを決定するために、複数のセンサ及び測定装置に結合され得る。更に、プロセス制御装置は、捕捉されたパラメータを望ましいパラメータと比較し、それに基づき、制御動作を決定及び遂行する演算装置を含み得る。好ましい実施形態において、プロセス制御装置は、プロセスの制御及びそれぞれ調整を連続的に改善できる自己学習アルゴリズム(AI)を含む。
【0035】
本明細書の文脈において、「実質的に」という用語は、許容可能な労力でそれ以上取り除くことができない、無視できる残留物及び/又は汚染が包含され得るように解釈され得る。これらの無視できる残留物及びそれぞれ汚染は、1つの実施形態において(意図的に)望ましくないが、合理的な労力でそれ以上取り除かれることができない。例えば、排水水質を有する溶媒は、重金属を実質的に含まないことがあり、このことは、無視できる残留物及びそれぞれ汚染が(例えば、より低いパーセント、パーミル、又は更にはppmの範囲において)存在し得ることを示し得る。これらの残留物及び/又は汚染は望ましくないが、それにもかかわらず、許容可能な技術的労力を伴う方式で分離できないことを当業者であれば理解する。特に、「排水水質」という用語は、重金属濃縮が、残留物/汚染のみからなり、とても低いので水性環境内での排水が可能であるために、「実質的に」重金属が存在しないということを示し得る。
【0036】
本明細書の文脈において、「(プリント)サーキットボード」(PCB)という用語は特に、実質的にプレート形状のコンポーネントキャリア(柔軟、剛体、又は半柔軟であり得る)を示し得、これは、例えば、圧力を加えることによって、及び/又は、熱エネルギーを供給することによって、複数の導電層構造を複数の電気絶縁層構造と積層することによって形成される。PCB技術に好ましい材料として、導電層構造は、銅からできており、一方で電気絶縁層構造は、樹脂及び/又はガラスファイバ、いわゆるプリプレグ又はFR4材料を含み得る。異なる導電層構造は、例えば、レーザ穿孔又は機械的穿孔によって積層を通る貫通開口部を形成することによって、及び、それらを導電材料(特に銅)で充填することによって、望ましい方式で互いへ接続され得、それにより、貫通開口部接続としてのビアがそこに形成される。プリントサーキットボード内に埋め込まれ得る1つ又は複数のコンポーネントの他に、プリントサーキットボードは典型的には、プレート形状のプリントサーキットボードの互いに反対側の表面の一方又は両方に1つ又は複数のコンポーネントを受けるよう構成される。それらは、はんだ付けによって、対応する主要な表面に接続され得る。これらのコンポーネントも埋め込まれ得る。PCBの誘電体部は、補強構造(例えばガラスファイバ又はガラス球)を有する樹脂を包含し得る。
【0037】
本明細書の文脈において、「基板」という用語は特に、(チップスケールパッケージ(CSP)と同様に)その上に搭載されるコンポーネント(特に電子コンポーネント)と実質的に同じサイズを有する小さいコンポーネントキャリアを示し得る。特に、基板は、電気接続又は電気ネットワークのためのキャリアを、又は、プリントサーキットボード(PCB)と同等であるが、しかしながら、明確により高い密度の横方向及び/又は鉛直方向に配置される接続を有するコンポーネントキャリアも示し得る。例えば、横方向の接続は導電経路であり、一方で鉛直方向の接続は例えばボアホールであり得る。これら横方向及び/又は鉛直方向の接続は、基板において配置され、プリントサーキットボード又は中間プリントサーキットボードとの、特にICチップの、収容されているコンポーネント又は収容されていないコンポーネント(例えばダイ)の電気的及び/又は機械的接続を提供するために使用され得る。したがって、「基板」という用語には「IC基板」も含まれる。基板の誘電体部は、補強粒子(例えば補強球、特にガラス球)を有する樹脂を包含し得る。
【0038】
基板又はインターポーザは、少なくとも1つのガラス層(ケイ素(Si))又は光構造化可能又はドライエッチング可能有機層からなり得る。有機材料/有機層として、エポキシ系ビルドアップ材料(例えばエポキシ系ビルドアップフィルム)、又は、例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、又はベンゾシクロブテン官能化ポリマー等のポリマー化合物が使用され得る。
【0039】
1つの実施形態において、コンポーネントキャリアは積層型コンポーネントキャリアである。そのような実施形態において、コンポーネントキャリアは、圧力及び/又は熱を加えることにより、スタックされて互いに接続される複数の層構造から構成される複合体である。
【0040】
1つの実施形態において、導電層構造のうちの少なくとも1つは、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、パラジウム、マグネシウム及びタングステンからなる群のうちの少なくとも1つを含む。典型的には銅が好ましいが、他の材料及びその被覆バージョン、特にグラフェン等の超伝導材料での被覆も可能である。
【0041】
本明細書において、「重金属」という用語は特に、5.0g/cm3より大きい(代替的に4.5g/cm3より大きい)密度を有する金属を示し得る。これは、例えば、銅、ニッケル、コバルト、金、銀、パラジウム、タングステン、スズ、亜鉛、鉄、鉛、クロム、ロジウム、カドミウム等を含む。この定義によれば、アルミニウム、ケイ素、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等は、例えば重金属として示されない。
【0042】
例示的な実施形態によれば、本発明は、サーキットボード及び/又は基板製造の金属塩含有エッチング廃棄溶媒の、コスト効率が高く、環境にやさしく、かつ耐久性が高い処理は、イオン交換プロセスが2つの閉ループプロセスサイクルの間で統合されている場合に、(有用材料サイクル内で)効率的かつロバストな方式で可能となり、ここで、第1プロセスサイクルは、金属元素のみを産出し、第2プロセスサイクルは、精製水及び/又は金属欠乏塩濃縮物のみを産出する、という着想に基づき得る。
【0043】
従来、サーキットボード及び/又は基板製造からの廃棄物及び(金属塩及び酸が豊富な)廃棄濃縮物は、コスト集約的で環境に優しくなく、耐久性が高くない方式で処分されていた。更に、これらのエッチングプロセスからの廃棄物は通常、強酸性であり、そのため、特別な廃棄物として、入念に処分されることが予め定められる。そのため、量的に多い方式の回収(リサイクルに必須である)は、コスト効率が高い方式では可能でないと考えられる。
【0044】
ここで驚くべきことに、金属塩含有廃棄溶媒から経済的に(特に金属元素を)回収することが可能であるということが発見された。コスト及び労力を節約できる処理の後に、回収された材料を異なるプロセス段階へフィードバックすることが可能である。例えば、銅元素は、めっきプロセスへ直接的にフィードバックされ得、一方で分離された酸はエッチングプロセスへフィードされ得る。好ましい実施形態において、回収が連続的に遂行され得、その結果、異なるプロセス段階からの発生廃棄物を永続的に処理でき、リサイクルしたものが単一プロセス段階へ直接提供され得る。
【0045】
有利には、ストリームを流し処理することは、高い酸濃度が、有用材料サイクル内の処理プロセスを妨害せず、その一部として酸自体が維持されてフィードバックされるように、遂行される。これらの処理は、水集約的であり得るので、精製水は、有利には、異なるプロセスへとフィードバックされ得る。
【0046】
サーキットボード及び/又は基板製造からの金属塩含有溶媒は従来(とりわけ、高濃度の異金属及び酸に起因して)、入念に処分されるべき廃棄物とみなされてきたが、ここで、完全に対照的に、1つの同じ生産プロセス内で金属及び酸を経済的に、効率的にフィードバックすることが可能であると説明されている。
[例示的な実施形態]
例示的な実施形態によれば、前記金属塩中の前記金属及び前記処理対象金属塩中の前記金属は同じ金属である。前記金属は、特に、銅、ニッケル、コバルト、スズ、カドミウム、マグネシウム、ナトリウム、銀、金からなる群のうちの少なくとも1つである。それにより産業的に関連する金属は、コスト集約的に排水される代わりに、効率的に回収される。
【0047】
更なる例示的な実施形態によれば、前記金属塩(例えば硫酸銅)中の前記塩及び前記処理対象金属塩(例えば塩化銅)中の前記塩は、異なる塩である。前記塩は、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩からなる群のうちの少なくとも2つを有する。これは、複数の処理対象金属塩が、柔軟な方式で、プロセス内で望ましい金属塩に変換され得るという利点を有し得る。
【0048】
例示的な例によれば、(処理対象金属塩としての)塩化銅の形態の銅及び酸としての塩酸が、処理対象溶媒としてエッチングプロセスから生じる。高含量の塩化物イオンは、回収、例えば電解中に、塩素ガスの制御不能な形成を促す。加えて、塩化物イオンは、電解電極で共析出し得、これにより、析出した銅の純度は負の影響を受ける。
【0049】
更なる例示的な実施形態によれば、前記第1プロセスサイクルは更に:
i)前記酸とは異なる、更なる酸(特に、更なる酸は:硫酸(H2SO4)、塩酸(HCl)、亜硝酸(HNO3)、リン酸(H3PO4)からなる群のうちの少なくとも1つを含む)を、前記イオン交換プロセスを通って流し、その結果、前記更なる酸は、前記金属塩含有溶媒(例えば硫酸銅濃縮溶媒)を提供するために、(例えばイオン交換樹脂からの金属イオンを脱離する)前記イオン交換プロセスからの前記金属を取り除く段階(前記更なる酸は、(前記更なる酸を含む/それからなる)再生溶媒という用語でも呼ばれ得る)、
ii)前記金属塩含有溶媒を、金属元素回収プロセスへ輸送し、前記金属塩含有溶媒から、前記金属元素及び前記更なる酸を(例えば電解によって)取得する段階、及び
iii)前記(金属が欠乏した)更なる酸(前記金属は、金属元素として取り除かれている)を、(再生溶媒として)前記イオン交換プロセスへフィードバックする段階
を有する。
【0050】
このようにして、酸性溶媒(更なる酸)は、第1プロセスサイクルの閉ループ内で流される。酸性溶媒の酸は、コスト集約的な方式で排水される必要はなく、有用材料サイクル内に保たれる。そうして、第1プロセスサイクルの廃棄物は(実質的に)、実際に有用リサイクル材料である金属元素のみである。
【0051】
また、更なる酸/酸性溶媒は、イオン交換プロセスの「再生溶媒」という用語で呼ばれ得る。そのような再生溶媒は、(例えば硫酸の)高い酸濃度、特に≧100g/L、更には特に≧200g/L、更には特に≧250g/Lを有し得る。
【0052】
金属が銅である1つの例において、処理対象溶媒は、塩化銅を含み、更なる酸は硫酸を含み、下記の反応が起こり得る:
【0053】
CuCl2(処理対象溶媒内)→2Cl-(金属欠乏酸性溶媒内)+Cu2+(固定化された)、及び次に、
Cu2+(固定化された)+H2SO4(更なる酸内)→CuSO4(金属塩含有溶媒内)+2H+(固定化された)。
【0054】
再生中、Cu2+イオンはそのため、2つのH+イオンによって交換され、H2SO4及びCuSO4の濃縮された電解質が取得され、これは電解において直接使用されることができる(金属濃縮電解質)。
【0055】
塩化銅を硫酸銅に交換する説明された例の他にもまた、(それぞれ、対応する酸との)例えば、下記の塩交換反応は起こり得る(抽出物に応じて、両方の方向に実現可能であり得る):
【0056】
NiCl2+H2SO4←→NiSO4+2HCl
NiCl2+2HNO3←→Ni(NO3)2+2HCl
CoCl2+H2SO4←→CoSO4+2HCl
CoCl2+2HNO3←→Co(NO3)2+2HCl
3CoCl2+2H3PO4←→Co3(PO4)2+6HCl
SnCl2+H2SO4←→SnSO4+2HCl
SnCl2+2HNO3←→Sn(NO3)2+2HCl
CdCl2+H2SO4←→CdSO4+2HCl
CdCl2+2HNO3←→Cd(NO3)2+2HCl
3CdCl2+2H3PO4←→Cd3(PO4)2+6HCl
MgCl2+H2SO4←→MgSO4+2HCl
MgCl2+2HNO3←→Mg(NO3)2+2HCl
3MgCl2+2H3PO4←→Mg3(PO4)2+6HCl
2NaCl+H2SO4←→Na2SO4+2HCl
NaCl+HNO3←→NaNO3+HCl
3NaCl+H3PO4←→Na3PO4+3HCl
更なる実施形態によれば、前記金属元素回収プロセスは電解プロセスを備え、前記金属塩含有溶媒は前記電解プロセスに入る金属濃縮電解質に似ており、前記更なる酸は前記電解プロセスを出る金属欠乏電解質に似る。これは、電解に好適な溶媒が追加の労力なしに提供される、という利点を提供し得る。金属元素は、電解によって、約99.999%の純度まで回収され得、これは製造プロセスへフィードバックするために必要であり得る。
【0057】
更なる実施形態によれば、金属塩含有溶媒は、単独で、又はサーキットボード及び/又は基板製造からの他の金属塩含有溶媒と組み合わせて、金属濃縮電解質として、適用される。そのようなストリーム(又は全ストリーム)の処理(及びそれぞれ組成の調節)は、下記の特徴のうちの少なくとも1つを備え得る:
i)有機物構成物を、フィルタ、好ましくは活性炭フィルタによって、金属塩含有溶媒(電解質)からフィルタすること。
ii)(酸化)異金属(特に鉄)を、更なるイオン交換体によって、金属塩含有溶媒(電解質)から分離すること。これは、金属塩含有溶媒が電解質として浄化され、一方で異金属は他のプロセス段階のための原材料として取得されるという利点を有し得る。
iii)酸(特に硫酸)を、金属塩含有溶媒(電解質)から分離すること。これは、選択的に調節(再調節)することを可能にし、分離された物質は、少なくとも部分的に方法内で再利用される。
【0058】
更なる実施形態によれば、金属元素は、反応セル内で(特に電解によって)金属塩含有溶媒から回収される。金属塩含有溶媒の金属元素(例えば銅)は、サーキットボード及び/又は基板を製造するための、ある/当該プロセスに再供給されるために、(非常に)純粋な形態で反応セルにおいて回収されるべきである。特に、取得された金属元素は、めっきプロセスにフィードバックされる。
【0059】
更なる実施形態によれば、前記第2プロセスサイクルは更に:
i)前記処理対象溶媒を、前記イオン交換プロセスを通って流す段階、ここで、前記処理対象溶媒は、分離後に前記イオン交換プロセス内に残留する(例えばイオン交換樹脂によって吸着される)前記金属、及び金属が欠乏した(塩酸)酸性溶媒へと分離される、
ii)前記金属欠乏酸性溶媒を、水処理プロセス内において処理し、その結果、前記精製水が取得される段階、及び前記精製水を
a)前記精製水を、前記イオン交換プロセスへフィードバックする段階、
b)前記精製水を、更なるサーキットボード及び/又は基板製造プロセス(例えば膜透析、希釈プロセス、洗浄水処理プロセス等)へフィードバックする段階、
c)前記精製水を、排水水質を満たす水として排水する段階
からなる群のうちの少なくとも1つに従って使用する段階
を有する。
【0060】
これは、(従来はコスト集約的で環境に優しくない方式で排水される)強酸性溶媒が効率的に精製水へと処理される、という利点を提供し得る。説明されたプロセスは、非常に水集約的であり得るので、処理水を連続的にリサイクルすることが非常に望ましい可能性がある。
【0061】
排水水質を満たす溶媒(水)は、サーキットボード/基板製造の主成分(特に重金属)をもはや(実質的に)含まず、単に水、塩、及び有機材料からなる。
【0062】
更なる実施形態によれば、前記水処理プロセスは、膜ろ過プロセス、特に逆浸透プロセスを含み、前記透過液は、前記精製水を含み、前記濃縮物は、塩濃縮物を含む。これは、確立された産業プロセスは、プロセス内でリサイクルされることが可能である精製水を産出するように、直接実装されることが可能であるという利点を提供し得る。
【0063】
「膜ろ過」という用語は、本明細書の文脈では、部分的に浸透可能な膜を使用してイオン、望ましくない分子、及びより大きな粒子を水から分離する、確立された浄水プロセスを指し得る。膜ろ過の例は、精密ろ過、ナノろ過、及び逆浸透を含み得る。逆浸透において、加えられる圧力は、浸透圧に打ち勝つために使用され得る。それにより逆浸透は、多種の溶解した及び懸濁された化学種及び生物学的なもの(主にバクテリア)を、水から取り除き得る。逆浸透プロセスは、2つの生成物:透過液(精製水)及び濃縮物(塩濃縮物、特に金属塩)を産出し得る。
【0064】
更なる実施形態によれば、前記第2プロセスサイクルは更に:前記塩濃縮物を、前記イオン交換プロセスへフィードバックし、その結果、前記塩濃縮物の金属は、前記イオン交換プロセス内に残留する段階;及びそれにより前記金属欠乏塩濃縮物を提供する段階を有する。
【0065】
塩濃縮物は、特に、依然としてエッチングプロセスからの(重)金属を含有する金属塩濃縮物である。したがって、金属塩濃縮物は、排水されるのに好適ではないことがある。結果的に、及び金属元素の産出を更に増加させるために、塩濃縮物は、イオン交換プロセスへ戻るように、輸送される(優先的に希釈される、特に精製水及び/又は洗浄水を用いて希釈される)。ここで、金属は、希釈済み金属塩濃縮物から、(例えばイオン交換樹脂によって吸着されて)再度取り除かれ得、特に第2プロセスサイクル内での複数(例えば3、7等)サイクル後に、金属塩濃縮物は金属欠乏塩濃縮物になる。
【0066】
更なる実施形態によれば、前記金属欠乏塩濃縮物は、重金属を(実質的に)含まず(特に、塩及び任意選択的に水/有機物のみを含有する)、低コストかつ環境に優しい方式で排水され得る。
【0067】
更なる実施形態によれば、前記方法は更に、塩基(例えば水酸化ナトリウム)を、前記金属欠乏酸性溶媒へ追加する段階、ここで、前記塩基及び前記金属欠乏酸性溶媒の前記酸は、前記塩濃縮物(例えば塩化ナトリウム)の前記塩を形成する、を備える。これは強酸がコスト効率が良い方式で中和されるという利点を提供し得る。
【0068】
更なる実施形態によれば、前記イオン交換プロセスは、イオン交換体を適用する段階、特にここで前記イオン交換体はイオン交換樹脂を有する、を有する。イオン交換体は、例えば、イオン交換材料が充填されたカラムとして、又は、溶液が流れる膜として実現され得る。交換対象のイオンは、イオン交換材料において結合及びそれぞれ吸着される。1つの例において、イオン交換体は選択的イオン交換樹脂を含み、更に、特に二重官能化イオン交換樹脂を含む。
【0069】
1つの実施形態において、イオン交換体のイオン交換樹脂のキャリア材料はポリスチレンを含む。特に、それは、2つの官能基(二重官能基イオン交換樹脂)、例えば、i)ホスホン酸残基及びii)スルホン酸残基を含む。第1の酸の群は、第2の酸の群より高いpK値を有する。より高いpK値の酸は、より低いpK値の酸(強酸)より弱い酸であり、熱分解がより生じにくい。それにより、再生中、異金属は、樹脂によってより容易に脱離され得る。
【0070】
1つの実施形態によれば、驚くべきことに、厳密に2つの官能基を有する特別なイオン交換樹脂の使用により、金属(特に鉄)の(効率的)脱離が可能になることが分かった。
【0071】
例示的な例において、イオン交換体は2つの段階で構築される。第1イオン交換体(上流)は、金属の大部分を吸着するための強酸性イオン交換樹脂を備え得る。第2イオン交換体(下流)は、残留する金属を(特に金属欠乏酸性溶媒が(重金属含量の観点から)排水水質を満たすような程度まで)吸着する弱酸性イオン交換樹脂を備え得る。
【0072】
例示的な例において、強酸性イオン交換樹脂は、樹脂に適用された、ある(任意の)カチオンを吸着し得る。したがって、初期イオン交換樹脂は、選択的イオン交換樹脂でなくともよい。しかしながら、強酸性イオン交換樹脂は、著しく増加した吸収容量を有し得、これは有利であるとみなされ得る。(異なる)カチオンの量が著しくない場合において、そのような選択性の欠如は良く機能し得る。弱酸性イオン交換樹脂は、残留する量の銅を選択的に吸着し得る。後続のプロセス段階では、pH値は増加され得る。そうでなければ、ナトリウムイオンがプロセスに導入され得、それが電解質を更に汚染する(また、初期イオン交換樹脂の容量は、ナトリウムが樹脂上へ吸着するにつれて、減少する)。
【0073】
更なる実施形態によれば、イオン交換プロセスは、液/液抽出を適用する段階を有する。好ましい実施形態において、液/液抽出は、抽出溶媒(炭化水素系イオン交換溶媒)として、高い引火点を有する炭化水素系希釈剤を使用して遂行され得る。そのような炭化水素希釈剤は、様々な金属カチオン、例えば銅を用いて水不溶性錯体を形成し得る。イオン交換プロセス中に、下記の反応が起こり得る:2RH(org)+Cu2+
(aq)→R2Cu(org)+2H+
(aq)。
【0074】
これにより、炭化水素希釈剤は、それがイオン交換反応によってカチオン(特に銅)を可逆的に吸収するので、イオン交換樹脂と同様に作用し得る。更に、カチオンはその後2つのH+イオンによって交換されもする。
【0075】
1つの例において、濃縮され脱酸された処理対象溶媒(例えば塩化銅を含有する)ストリームは、高引火点炭化水素希釈剤を用いて(イオン)抽出されることになる。両方の液体は、互いと混和できないが、イオン抽出/交換プロセス中に、これらの2つの液体は、例えば(イオン交換プロセス/システム内で)混合することによって、互いに密着させられる。混合することによって、2つの混和できない液体は、液/液界面においてイオン交換(移動)が生じるような方式で、互いに密着させられる。結果的に、カチオン(銅)はその後、高引火点炭化水素希釈剤溶媒内に存在することになり、一方でアニオン(例えば塩化物イオン)は新しく取得された金属欠乏酸性溶媒内に残留することになる。これらの2つの溶媒は互いに混和できないので、それらは、いくらか時間が経った後も分離していることになる。これは、例えば(イオン交換プロセスの一部であり得る)沈殿槽を使用して、なされ得る。(カチオン濃縮された)高引火点炭化水素希釈剤は、次に、更なる酸(特に硫酸)を用いて更に再生(「ストリップ」)され得、それにより金属塩含有溶媒(例えば硫酸銅を有する電解質)の生産を可能にする。金属塩含有溶媒及び(カチオンが欠乏した)高引火点炭化水素希釈剤も互いに混和できないので、金属塩(硫酸銅)は、容易に分離され得、高引火点炭化水素希釈剤(炭化水素抽出溶媒)は、イオン交換樹脂と同様の方式で再利用され得る。高引火点炭化水素希釈剤(炭化水素抽出溶媒)の例示的な例は、1:1比における5-ノニルサリチルアルドキシムと2-ヒドロキシ-5-ノニルアセトフェノンオキシムの混合物であり得る。
【0076】
更なる実施形態によれば、前記処理対象溶媒を提供する段階は、第3(閉)ループであり(実質的に)廃棄物を産出しない第3プロセスサイクル内に統合されている。このようにして、エッチングプロセスからの酸性廃棄物は、1つの同じサーキットボード/基板製造内で効率的にリサイクルされることが可能である。
【0077】
更なる実施形態によれば、前記第3プロセスサイクルは更に:
i)前記処理対象溶媒からの前記酸を、膜透析によって取り除き、酸が欠乏した(酸性が弱まった)処理対象溶媒及び酸性拡散物を提供する段階(特に、前記酸性拡散物を、酸濃縮プロセス内で更に酸濃縮し、酸濃縮拡散物を取得する段階)、及び
ii)前記酸性拡散物及び/又は前記酸濃縮拡散物を、前記エッチングプロセスへ、前記処理対象溶媒を(再度)生成するために、フィードバックする段階
を有する。
【0078】
それにより、(排水が難しくコスト集約的である)酸性廃棄物は生成されない。むしろ、エッチングプロセスからの酸は処理対象溶媒から分離され、エッチングプロセスへフィードバックされることが可能である。
【0079】
非常に低い濃度の金属塩のみを含む(処理のための膜透析段階の後の)酸性拡散物は、エッチングプロセスへ再度輸送される前に、(例えばガス吸着を使用して)酸を(他のプロセスの更なる分離ストリームと共に)濃縮され得る。代替的に、酸性拡散物は、中央処理へ供給され得る(例えば洗浄水)。酸はサーキットボード及び/又は基板製造プロセスにおいて再利用され得る一方で、金属塩は(例えば、洗浄水処理を介して)濃縮され、再度回収され得る。別の実施形態において、酸は、塩化鉄、FeCl3の生産のための再生酸として使用される。
【0080】
更なる実施形態によれば、前記処理対象溶媒を提供する段階は:過酸化水素(H2O2)除去プロセスを遂行する段階を有する。処理対象溶媒は、エッチングプロセスからの過酸化水素等の酸化剤を含有し得る。これらの酸化剤は、膜透析の膜及び/又はイオン交換樹脂を攻撃し得る。酸化剤の還元及び/又は除去は、化学的に、熱的に、電気的に、又は触媒を用いてなされ得る。過酸化水素除去は、下記の化学反応を含み得る:2H2O2→2H2O+O2。例えば、熱分解は、約50~60℃で生じる。触媒反応は、例えば塩化鉄(FeCl3)を触媒として用いて、活性炭フィルタを使用して、遂行することが可能であり、又はカタラーゼと呼ばれる酵素は、除去反応を誘導するために使用され得る。電気分解は、電位(電圧)が加えられるとすぐに、生じ得る。更に、過酸化水素は、亜硫酸水素ナトリウム等の任意の還元剤を使用して化学的に除去され得る。
【0081】
更なる実施形態によれば、処理は連続的に遂行される。これは、それぞれ、処理対象溶媒の連続的な濃縮が起こり、イオン交換体が特に効率的に再生され得るという利点を有し得る。
【0082】
更なる実施形態によれば、方法は更に、イオン交換プロセスの前に、(特に混合反応器内で)処理対象溶媒を希釈する段階を備える。酸欠乏処理対象溶媒は、依然として比較的高い酸濃度を有し得る。そうして、更なる希釈段階は、有利/必要であり得る。希釈する段階は更に、サーキットボード及び/又は基板製造からの(処理済み)洗浄水及び/又は精製水を使用して希釈する段階を有し得る。酸欠乏溶媒を希釈することによって、pH値は増加し得、それはイオン交換プロセスの保持容量を更に増加させる。そうして、より多くの銅イオンは、イオン交換プロセスによって抽出/吸着されることが可能である。
【0083】
更なる実施形態によれば、約40%のHClは、説明されたプロセス中で節約され得る。
【0084】
更なる実施形態によれば、(産出された生成物、廃棄物である)アウトプットストリームは、塩酸(約10%)、排水水質を満たす水、逆浸透の濃縮物(特に金属欠乏塩)、及び99.999%の純粋な銅であり得る。
【0085】
上記で定義された態様、及び本発明の更なる態様は、以降で説明される実施形態の例から明らかであり、実施形態のこれらの例を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係る、サーキットボード及び/又は基板の製造における、部分ストリームの概要を示す図である。
【0087】
【
図2】本発明の実施形態に係る、サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチングプロセスからのエッチング廃棄溶媒を処理する方法を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る、サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチングプロセスからのエッチング廃棄溶媒を処理する方法を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る、サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチングプロセスからのエッチング廃棄溶媒を処理する方法を示す図である。
【0088】
【
図5】本発明の1つの実施形態に係る、上記で説明された方法(及び産業プラントのそれぞれ)の少なくとも一部を調整するためのプロセス制御装置を示す図である。
【0089】
図中の例示は概略的なものである。異なる図中において、同様の又は同一の要素は、同じ参照符号を提供される。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る、サーキットボード及び/又は基板の製造における、例えば産業プラント60における、ストリーム1~7の概要を示す。サーキットボード及び/又は基板を製造するための方法は、発生する処理残留物11、21、31が、3つの主要な部分ストリーム1、2、3(及び、特に、少なくとも部分的に全ストリーム4として)及び(特に酸残留物を含む)3つの主要な分離ストリーム5、6、7における有用材料サイクルにおいて流され、フィードバック(及び、それぞれ、リサイクル)がなされるように行われ、その結果、製造方法の(示される)動作状態において、(実質的に)排水(給水)水質を満たす溶媒350(及び/又は金属欠乏塩濃縮物186b)のみが廃棄物(換言すれば:製造プロセスを出る、実質的に唯一の廃棄物)として生じる。換言すれば、排水水質を満たす溶媒350及び/又は金属欠乏塩濃縮物186bは、サーキットボード/基板製造の主成分をもはや(実質的に)含まず(特に重金属を含まず)、単に(多くとも)水、塩、及び有機材料からなる。(示される)動作状態において、(実質的に)水352及びエネルギーのみが、製造方法に供給される必要がある(発生する酸残留物も(実質的に)有用材料サイクルにフィードバックされる)。したがって、実質的にそのような主成分(特に、銅等の重金属)のみが製造方法に供給され、完成したプリントサーキットボード及び/又は基板の構成物として製造方法を出る。原理的には、説明される有用材料サイクルにおいて、重金属残留物(例えば銅残留物)の95%以上、特に98%以上がフィードバックされ得る。有用材料サイクルの例示的な実施形態において、分離された塩酸の少なくとも80%(特に、少なくとも85%、更には特に、少なくとも90%)がフィードバックされ、要求される硫酸の少なくとも70%(特に少なくとも75%、更には特に、少なくとも80%、より更には特に少なくとも90%、更には特に、少なくとも95%)が方法内で生成される。したがって、廃棄物として製造方法を出た主成分は、製造プロセスに(実質的に)追加されることはない。実際、原理的に、そのような廃棄物は(実質的に)生じない。
【0091】
発生する処理残留物11、21、31、及び、それぞれ廃棄濃縮物は、金属塩含有処理対象溶媒として示され、例示的な実施形態において、とりわけ:銅、硫酸銅、塩化銅、鉄、ニッケル、金、塩酸、硫酸を含み得る。金属塩含有処理対象溶媒11、21及び31はそれぞれ、対応する処理プロセス100、200、300において処理され、次に、処理済み金属塩含有溶媒10、20、30をそれぞれ含む部分ストリーム1、2、3として、回収プロセス400へ供給される。処理後、回収された金属元素50は最後に、製造プロセスへ再度供給される(矢印52及び54)。下記において、有用材料サイクルにおける部分ストリーム1~7の原理的概要が与えられる。更に下記で、本明細書の中心的な態様を形成するプロセスの詳細な説明が提供される。
【0092】
第1部分ストリーム1は、第1処理プロセス100において処理される、サーキットボード及び/又は基板製造のエッチングプロセス150からの第1処理済み金属塩含有溶媒10を含む。当該第1プロセス100は、本明細書の主要な態様としてみなされ得る。(処理対象金属塩を実質的に含まない)第1処理済み金属塩含有溶媒10が、エッチングプロセス150からの処理対象溶媒11から、エッチング廃棄溶媒として、取得される。処理対象溶媒11は、処理対象金属塩(例えば、塩化銅)及び酸(例えば、塩酸)を含む。処理100は、(優先的に多段階の)膜透析110、120によって酸15を取り除くこと、及びイオン交換プロセス145(特に多段階イオン交換プロセス)を遂行することを包含する。多段階膜透析110、120において、第1酸含有拡散物116が生じる。第2酸性拡散物126は、エッチングプロセス150へ、(優先的に濃縮されて)戻るように直接提供され得る。
【0093】
イオン交換プロセス145において、処理対象金属塩(例えば塩化銅)は、金属塩(例えば硫酸銅)によって交換され、金属塩含有溶媒10(例えば硫酸銅)はそれにより、処理対象溶媒11(例えば塩化銅)から取得される。金属塩含有溶媒10は、第1部分ストリーム1として、金属元素回収プロセス400(下記の説明を参照)へ供給される。更に、金属欠乏酸性溶媒136(例えば塩酸)は、イオン交換プロセス145中に生成される。当該金属欠乏酸性溶媒136は、第1分離ストリーム5として、洗浄水処理プロセス300(下記の説明を参照)へ、(少なくとも部分的に)流され得る。金属欠乏酸性溶媒136の更なる部分は(特に塩基(例えば塩化ナトリウム)187によって供給された後に)逆浸透プロセス185として実装される膜ろ過プロセスを通して流される。逆浸透プロセス185は、i)(混合反応器140を介して)イオン交換プロセス145、又は製造プラント60のサーキットボード製造プロセスのうちの別の1つへ、戻るように流される透過液(例えば精製水188)を産出する。更に、精製水188は、排水水質を満たす(すなわち、水及び少量の塩及び有機物のみを含む)水350として排水され得る。逆浸透プロセス185は更に、ii)塩及び金属残留物の塩濃縮物186aを産出する。当該塩濃縮物186aは、希釈され(189)、イオン交換プロセス145を通って再度流され得る。それにより、希釈された塩濃縮物186aは、金属(特に重金属)が欠乏した(すなわち塩及び少量の有機物のみを含む)塩濃縮物186bになり、当該塩濃縮物186bは、濃縮物として、又は希釈された形態のいずれかで、排水されることができる。そうして、エッチングプロセス150からの廃棄溶媒11を処理することは、精製水188(排水水質を満たす水350)及び/又は金属欠乏塩濃縮物186bのみを産出する。全ての他の生成される生成物は、サーキットボード及び/又は基板製造プロセスの中でリサイクルされ得る。
【0094】
第2部分ストリーム2は、サーキットボード及び/又は基板製造のめっきプロセス250からの第2処理済み金属塩含有溶媒20を含む。(鉄を実質的に含まない)第2処理済み金属塩含有溶媒20は、めっきプロセス250からの鉄及び金属塩含有溶媒21から取得される。処理200は、イオン交換体によって鉄及び金属塩含有溶媒21から鉄を分離することを包含する。イオン交換体を再生する際に、第2酸含有拡散物が生じ、第2分離ストリーム6として洗浄水処理プロセス300へ供給されることができる。
【0095】
第3部分ストリーム3は、サーキットボード及び/又は基板製造の洗浄水及びそれぞれ洗浄水混合物31からの第3処理済み金属塩含有溶媒30を含む。第3処理済み金属塩含有溶媒30は、イオン交換体を使用して第3処理プロセス300において取得され、処理済み金属塩含有溶媒30における金属塩は、洗浄水混合物31と比較して濃縮される。また、説明された洗浄水処理プロセス300は、イオン交換プロセス145内に実装されている、又はイオン交換プロセス145と結合されていることが可能であるということがここで加えられるべきである。この場合、洗浄水(の混合物)31は、処理対象溶媒12と、混合反応器140内で混合されており、両方は、イオン交換プロセス145及びそれぞれ第1プロセスサイクル170(及び任意選択的に第2プロセスサイクル180も)の対象とされる。
【0096】
部分ストリーム1、2、3は、全ストリーム4に(少なくとも部分的に)合流され得る(段階405を参照)、又は、個別にも処理され得る。処理400は、(電解)反応セルにおける金属塩含有溶媒40から金属元素50(例えば銅元素)を回収すること400を包含する。金属塩含有溶媒40の組成を電解質として(連続的に)調節することは、膜透析によって酸を分離することを包含し、ここで、第3酸含有拡散物446が生じる。代替的に、拡散物446は、洗浄水を処理するためのイオン交換体の再生のために使用され得る(第3分離ストリーム7を参照)。
【0097】
更なる可能性は、電解質10から全く酸が取り除かれないことである。代わりに、使用された電解質175が再生剤として使用され得る。
【0098】
電解400中の酸濃度が増加し一方で銅イオン濃度が減少するにつれて、使用された電解質175は、強酸性になり、イオン交換プロセス145からの銅イオンのより良い脱離を可能にする。加えて、まだ析出済みでない銅は、プロセスサイクル内に保たれる。そうして、電解質10中の酸濃度は増加され、再生剤としてそれを更に使用することが可能である。加えて、更なる膜透析を使用しないことによって、水及びエネルギーは、節約されることが可能である。
【0099】
また、金属(特に銅)は有用材料サイクルに残留し、したがって、ほぼ完全に金属塩含有溶媒から取り除かれ得る。これは、膜透析による更なる処理段階が省略され得るという利点を有する。取得された非常に純粋な金属50は、更に、エッチングプロセスへ再度フィードバックされる(矢印52を参照)、及び/又は、めっきプロセス250へフィードバックされる(矢印54を参照)ために好適である。
【0100】
第1分離ストリーム5は、第1処理プロセス100から生じ、酸性拡散物136を含む。第2分離ストリーム6は、第2処理プロセス200から生じ、第2酸含有拡散物236を含む。第3分離ストリーム7は、全ストリーム4の処理プロセスから生じ、第3酸含有拡散物446を含む。分離ストリーム5、6、7はそれぞれ、低濃度の金属塩(例えば硫酸銅)を含み、それぞれ、第3部分ストリーム3における金属塩の濃度より低い濃度である。分離ストリーム5、6、7は、処理対象溶媒31、また洗浄水の混合物(全分離ストリーム)にそれぞれ(少なくとも部分的に)組み合わされる。また、製造方法の更なる洗浄水がここで注入され得る。処理対象溶媒31は、第3処理プロセス300によって上記で説明されたように処理され、回収400のために濃度を明確に増加させる。
【0101】
また、説明された洗浄水処理プロセス300は、イオン交換プロセス145内に実装されている、又はイオン交換プロセス145と結合されている(上記を参照)ことが可能である、ということがここで加えられるべきである。
【0102】
図2は、サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチング廃棄溶媒を処理する方法の例示的な実施形態を詳細に示す。エッチング廃棄溶媒は、エッチングプロセス150から処理対象溶媒11として提供され、処理対象金属塩(例えば塩化銅)及び酸15(例えば塩酸)を含む。処理対象溶媒11は、エッチング溶液からの高濃度の過酸化水素を含み得、そのことが下記の処理を妨害し、膜透析110、120の膜を傷つけ得る。そのため、過酸化水素除去プロセス160、例えば、触媒分解、熱分解、化学分解、又は電気分解内で、過酸化水素濃度は下げられる、又は過酸化水素は取り除かれる。過酸化水素除去160の後で、処理対象溶媒11は、2段階の膜透析110、120(詳細な説明については
図3及び
図4を参照)を通って流される。
【0103】
膜透析110、120は、(外部から)プロセスへと注入され得る、及び/又はプロセス内で後で生成されフィードバックされ得る精製水188を含み得る脱塩水352によって供給される。酸性が弱まった処理対象溶媒12を取得するために、膜透析110、120中に、酸15は、処理対象溶媒11から実質的に取り除かれる。ここで、酸15は、酸性拡散物126(酸濃度約10%)の一部であり、当該酸性拡散物126はエッチングプロセス150にフィードバックされ得る。エッチングプロセス150は、約30%の酸濃度を有するエッチング溶媒を適用し得るので、酸性拡散物126は、酸濃縮プロセス128において任意選択的に濃縮される。次に、濃縮酸性溶媒129は、エッチングプロセス150へフィードバックされ得る。これにより、エッチングプロセス150、過酸化水素除去160、及び膜透析110、120(任意選択的にまた酸濃縮プロセス128)は、(酸15は閉ループサイクル内で輸送されるので)廃棄物を(実質的に)産出しない第3閉ループとして構成される第3プロセスサイクル190を形成し得る。
【0104】
酸性が弱まった処理対象溶媒12は、混合反応器140へと注入され、ここで当該酸性が弱まった処理対象溶媒12は他の金属塩溶媒と混合され得る。例えば、洗浄水31は、酸性が弱まった処理対象溶媒12と混合され得、ここで洗浄水31は、サーキットボード製造プロセスの様々なプロセスからの少量の金属塩(例えば硫酸銅)を含み得る。更に、混合反応器140は、酸性が弱まった処理対象溶媒12を、(特に、それが依然として顕著な酸濃度を含有する場合に)希釈するために適用される。希釈は、例えば、洗浄水31、外部水352、又はフィードバック精製水188を使用して行われ得る。混合反応器140から、(混合)処理対象溶媒12は、イオン交換プロセス145へと提供される。
【0105】
イオン交換プロセス145は、イオン交換体(例えばイオン交換樹脂を有するイオン交換体)又は液-液イオン交換プロセスを備え得る。希釈済み処理対象溶媒12がイオン交換プロセス145を通って流されるとき、金属イオン(例えば銅イオン)は、(少なくとも部分的に)イオン交換プロセス145内に残留し、例えば、銅イオンは、イオン交換樹脂によって吸着される。(金属が残留した)イオン交換プロセス145を通って流れた後で、金属欠乏酸性溶媒136が取得される。この溶媒136は金属が著しく欠乏しているが、それは依然として重金属を(銅も)含有し得る。そこで、金属欠乏酸性溶媒136は、排水水質を有さず、更に浄水プロセス185へ流される。
【0106】
イオン交換プロセス145は、第1閉ループとして構成される第1プロセスサイクル170内に統合される。これにより、酸15とは異なる、更なる酸(例えば硫酸)175は、イオン交換プロセス145を通って流され、その結果、更なる酸175は、金属塩含有溶媒10を提供するために、(例えば、イオン交換樹脂から銅イオンを、これらをH+イオンと交換することによって、脱離する)イオン交換プロセス145からの金属を取り除く。また、更なる酸175は、更なる酸175を含む/それからなる再生溶媒とみなされ得る。説明された例示的な例において、イオン交換プロセス145からの金属(銅)及び更なる酸からの塩(硫酸塩)は、金属塩(硫酸銅)含有溶媒10をもたらす。金属塩含有溶媒10は、金属元素回収プロセス400(上記の説明を参照)へ輸送され、金属塩含有溶媒10から、金属元素50(例えば電解後の銅元素)及び再度更なる酸175(再生溶媒)を取得する。次に、ループを閉じるために、更なる酸175は、再度(固定化)金属を取り除くために、イオン交換プロセス145へフィードバックされる。
【0107】
1つの例において、更なる酸175は、銅を硫酸銅として依然として含有し得る。ゆえに、この更なる酸175は、電解質を含み、ここで銅濃度は望ましい銅析出速度を達成するためには低すぎる。加えて、酸濃度は、電解400中に連続的に増加する。そうして、更なる酸175は低いpH値を有し、イオン交換プロセス145上に吸着された銅を回収するのに、完全に好適である。
【0108】
上記で説明されたように、金属元素回収プロセス400は、電解プロセスを優先的に備え、ここで、金属塩含有溶媒10は、電解プロセスに入る金属濃縮電解質に似る。金属元素50が取得された後で、金属欠乏電解質は電解プロセスを出、当該金属欠乏電解質は、更なる酸175を実質的に含む。
【0109】
イオン交換プロセス145は、第2閉ループとして構成される第2プロセスサイクル180内に更に統合される。第2プロセスサイクル180は、金属欠乏酸性溶媒136が流される際に通る浄水プロセス185を備える。このプロセスから、第2プロセスサイクル180内のイオン交換プロセス145へ(混合反応器140を介して)フィードバックされ得る精製水188が取得される。加えて、又は代替的に、精製水188は更なるサーキットボード及び/又は基板製造プロセス(例えば膜透析110、120、洗浄水処理プロセス300)へフィードバックされる、又は排水水質を満たす水350として排水される。1つの実施形態において、強塩基187(例えば水酸化ナトリウム)は、金属欠乏酸性溶媒136に加えられる。次に、塩基187、及び金属欠乏酸性溶媒136の酸(塩酸)は塩(例えば塩化ナトリウム)を形成する。
【0110】
優先的に、水処理プロセス185は、逆浸透プロセスを備え、当該逆浸透プロセスにおいて、透過液185aは、精製水188を含み、濃縮物185bは塩濃縮物186aを含む。上記で述べられる通り、塩濃縮物186aは酸15からの高塩濃度(例えば塩化ナトリウム)及び(依然としてエッチングプロセス150からの)重金属も有する。当該塩濃縮物186aは、第2プロセスサイクル180内のイオン交換プロセス145へフィードバックされ、その結果、塩濃縮物186aからの(重)金属は、処理対象溶媒12からの金属と同じ方式で(例えばイオン交換樹脂によって吸着されて)イオン交換プロセス145内に残留する。この状況が、金属欠乏塩濃縮物186bを提供し、それは、濃縮物として、又は希釈された形態でのいずれかで、破棄され得る。金属欠乏塩濃縮物186bは、実質的に重金属を含まない(且つ塩及び任意選択的に水及び有機物のみを含有する)。塩濃縮物186aは、希釈プロセス189で希釈され、別個のストリームとしてイオン交換プロセス145へフィードバックされ得る。塩濃縮物186aは、混合反応器140において(例えば洗浄水31、外部水352、精製水188を用いて)希釈され、及び/又は処理対象溶媒12と混合され得る。加えて、又は代替的に、塩濃縮物186aは、精製水188を用いて少なくとも部分的に希釈され、統一ストリームとしてイオン交換プロセス145へと戻るように流され得る。説明されたプロセスは、連続的に、又はバッチ式に行われ得る。
【0111】
図3は、本発明の例示的な実施形態に係る、膜透析110、120を使用して、酸性が弱まった処理対象溶媒12を提供する1つの例を示す。下記の実施形態において、主に、銅が例示的な例として使用される。しかしながらまた、ニッケル、コバルト、ロジウム、スズ、カドミウム、マグネシウム、ナトリウム、銀、金等、更なる金属にも同じことが当てはまる。これらは、酸(例えば、塩酸、硫酸、亜硝酸、リン酸)と共に金属塩を形成し得る。例示的な実施形態によれば、エッチングプロセス150から、処理対象溶媒11内の銅が、塩化銅の形態で(処理対象金属塩として)生じ、塩酸が酸15として生じる。高含量の塩化物イオンは、回収、例えば電解中の塩素ガスの制御不能な形成を促進する。加えて、塩化物イオンが電極で共析出し得、析出した銅の純度に負の影響を与える。したがって、第1処理プロセス100において、塩化銅は硫酸銅へと変換され、一方で遊離酸15が分離される。金属塩含有処理対象溶媒11は、エッチングプロセス150のオーバーフロー槽に収集され、透析液11として第1膜透析110に供給される。更に、脱塩水は、第1拡散物フィード113を介して膜透析110に供給される。膜112は例えば、巻き膜、又は、プレート状の膜を含み得る。膜112は半透性であり、アニオン(例えば塩化物)は通過可能であるが(アニオン膜)、一方でカチオン(例えばCu
2+)は通過できない。膜透析110は、0.5~5L/hm
2(特に、1~2L/hm
2)の範囲のスループットを備える。下記で説明される膜透析については、それぞれ同じ膜が利用され得る、又は、(好ましくは)(例えば、それぞれの金属塩含有溶液が、どの(エッチング)プロセスから生じるかに従って)異なる膜が使用される。アニオン膜は、例えば臭素(Br
-)で官能化され得、ここでキャリア材料は例えばPET又はPVCであり得る。特定の場合において、金属塩含有溶液は過酸化水素(H
2O
2)を含み得る。この場合、好ましくは、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)に基づく耐酸化性膜が使用され得る。
【0112】
第1膜透析110によって、処理対象溶媒11から酸15aの第1部分は取り除かれ、それにより、第1濃度の処理対象金属塩を有する第1透析液115、及び、酸15aの第1部分を含む第1拡散物116を取得する。第1拡散物116は更に、(第1濃度より低い)第2濃度の処理対象金属塩を含む。これは、特に、カチオンが錯体及びそれぞれ凝集体(例えば、銅-塩素の錯体)を形成するとき、カチオンの一部は、依然として膜112を通過するという事実に起因する。任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、そのような凝集体の形成は、溶液におけるカチオンの濃度が増加するときに起こり得ると、現在は考えられている。
【0113】
その後、第1拡散物116が第2膜透析120を受ける。第1拡散物116は、透析液フィードとして第2膜透析120へ供給される。第2拡散物フィード123として、脱塩水が使用される。酸15bの第2部分は、第1拡散物116から取り除かれ、(第2濃度より低い)第3濃度の処理対象金属塩を有する第2透析液125、及び、酸15bの第2部分を含む第2(酸性)拡散物126を取得する。第1拡散物116は更に、第2濃度の処理対象金属塩を含む。第2拡散物126は、第3濃度より低い第4濃度の処理対象金属塩を含む。第1拡散物116において処理対象金属塩のカチオンの濃度は、透析液フィード11におけるカチオン濃度より明確に低い。したがって、凝集体はもはや実質的に形成されず、無視できる量のカチオンのみが膜112、122を通って拡散すると考えられる。この理由から、好ましくは、厳密に2つの膜透析段階110、120が遂行される。それにより、有利な方式において、高濃度の金属塩が達成され得、一方で同時に、利用される液体の量は過大にならない。
【0114】
処理対象金属塩を無視できる量だけ含むが高い酸濃度を有する第2拡散物126は、エッチングプロセス収集樋に収集され、次に、サーキットボード及び/又は基板製造のエッチングプロセス150に再度提供される。特に、第2拡散物126が最初に処理される。第1透析液115及び第2透析液125は組み合わされて、濃縮され酸性が弱まった(又は実質的に無酸の)金属塩含有処理対象溶媒12を提供する。
【0115】
図4は、本発明の例示的な実施形態に係る、膜透析110、120を使用して、酸性が弱まった処理対象溶媒12を提供する1つの例を改めて示し、
図2中に詳細に説明されたイオン交換プロセス145を更に説明する。更に、第1プロセスサイクル170、第2プロセスサイクル180、及び第3プロセスサイクル190が示される(詳細については
図2の説明を参照)。
【0116】
図5は、本発明の1つの実施形態に係る、上記で説明された方法(及び産業プラント60のそれぞれ)の少なくとも一部を調整(及び制御のそれぞれを)するためのプロセス制御装置600を示す。示された例において、サーキットボード及び/又は基板製造からのエッチングプロセス150からの第1金属塩含有溶媒10を提供するために、プロセス制御装置600は第1処理プロセス100において実装される。このようにして、プロセス制御装置600はまた、更なる(上記で説明された)プロセス(及び方法のそれぞれ)において実装され得る。
【0117】
プロセス制御装置600は、i)実行中(動作状態の)プロセス(示された例では第1処理プロセス100)から少なくとも1つのプロセスパラメータ611を捕捉するためのデータベース610を含む。例示的な実施形態において、プロセスパラメータ(値及び/又は範囲)611が全ての処理段階で(例えばセンサによって)捕捉され、データベース610に供給されることが示される。したがって、プロセスパラメータは、「実際」の値(例えば、HCl濃度、銅濃度、圧力差等)を構成する。プロセス制御装置600は更に:ii)少なくとも1つの予め定められたプロセスパラメータ621(値及び/又は範囲)を格納するよう適合されたデータモデルユニット620を含む。示された例において、1つ又は複数のデータモデルによる複数のプロセスパラメータが、異なるプロセス段階について、データモデルユニット620において提供される。したがって、これらの予め定められたプロセスパラメータ621は「目標」値を構成する。プロセス制御装置600は更に:iii)a)捕捉されたプロセスパラメータ611(またそれぞれ複数のこれらのパラメータ)を予め定められたプロセスパラメータ621(またそれぞれ複数のこれらのパラメータ)と比較する(例えば、「実際」の値を「目標」値と比較する)ように、b)比較の結果に基づく制御動作631を決定する(例えば、「実際」の値及び「目標」値の間の差のバランスを能動的にとる)ように、及び、c)決定された制御動作631を遂行する(例えば流速を適合する)ように適合された演算装置630(例えば、単一(別個の)ユニット又は複数のユニット)を含む。
【0118】
(ソフトウェアベースの)プロセス制御装置600の例示的な実施形態によれば、データベース610は、実行中のプロセスからのデータ(プロセスパラメータ611)を収集し、それぞれ、前のプロセス段階からの値(プロセスパラメータ611)にアクセスし、したがって、(全ての)「実際」の値を保存する。(例えばデータベースの形態でもデータモデルユニット620に格納される)互いに依存するデータモデル及び複数のデータモデルのそれぞれは、とりわけ、「目標」値(及び「目標」範囲)を含み、任意選択的に、関係及び変数(例えば、「実際」の値611の検証のために使用される参照値/参照モデルとしてのデータモデル621)も含む。演算装置630は、「実際」の値を「目標」値と比較し(それぞれ、「実際」の値611と組み合わせたデータモデル621に基づいて演算段階を遂行する)、その後、比較結果(例えば、「実際」の値は「目標」値に対応する、「実際」の値は「目標」値から逸脱する、「実際」の値は特定の基準を満たす、等)に対応する動作(制御動作631)を設定する。決定された制御動作631は、上記で説明されたような方法の段階(の少なくとも一部)を含み得る。
【0119】
例示的な実施形態によれば、演算装置630は、比較及び/又は決定のための自己学習アルゴリズム(AI)625(例えば、ニューラルネットワークによって実現される)を含む。自己学習アルゴリズム625は、決定された制御動作631を自動的に遂行する、及び/又は、それを検証のためにユーザに提供するよう適合される。更に、自己学習アルゴリズム625は、比較に基づいて、新しい予め定められたプロセスパラメータ622を決定し、それをデータモデルユニット620に自動的に供給する、及び/又は、それを検証のためにユーザに提供するよう適合される。好ましくは、自己学習アルゴリズム625は、ユーザによる検証結果を学習の基礎として使用するよう適合される。例示的な実施形態によれば、演算ユニット630は、動作(制御動作631)を設定する自己学習アルゴリズム625を含み、当該動作は、システムにおいて直接実装されるか、又は、検証のためにオペレータに提供されるかのいずれかである。加えて、検証におけるオペレータの決定は、更に、AI機能のための学習の基礎を形成し得る。更に、捕捉された「実際」の値611に基づいて、AIは、自動又はオペレータ制御方式のいずれかでデータモデルに取得される新しい「目標」値/範囲621をそれぞれ作成及び提示し得る。
【0120】
具体的な実施形態において、下記のプロセスパラメータ611がそれぞれ監視及び測定され(下記では、それぞれ、例示的な測定方法が指定される)、データベース610において捕捉される。
i)充填レベル;超音波測定、
ii)流量;流量計、
iii)H2O2濃度;酸化還元電位を介する、
iv)酸濃度;pH値(インライン)又は滴定(ドローサンプル)、
v)有機物濃度;測光(インライン)又はサイクリックボルタンメトリー(ドローサンプル)、
vi)塩化物濃度;滴定(ドローサンプル)、
vii)鉄/銅濃度;測光又は密度測定(インライン)又は滴定(ドローサンプル)、
viii)温度;温度センサ(インライン)、
ix)拡散物及び透析液の間の膜透析における圧力差;圧力センサ(インライン)。
【0121】
この具体的な実施形態において、演算装置630によって、決定された(測定された)プロセスパラメータ611及び予め定められたプロセスパラメータ621を比較(及び、評価、データ分析)した後に、例えば、下記の制御動作631(及びそれぞれ動作)が演算装置630によって決定及び遂行(及びそれぞれトリガ)される。
i)塩素ガス形成(例えば、気体センサを介する);制御動作:電解オフ、
ii)過大な過酸化物ロード;制御動作:洗浄水を処理するためのイオン交換体のロードなし、
iii)低すぎる充填レベル;制御動作:ポンプオフ、
iv)電解質における高すぎる鉄濃度;制御動作:イオン交換樹脂のスイッチオン、
v)電解質における高すぎる酸濃度;制御動作:膜透析のスイッチオン、又は、電解セルの排出、
vi)電解質における低い銅濃度;制御動作:電解セルの排出、及び、洗浄水の前処理槽への電解質の供給、
vii)膜透析における高すぎる圧力差;制御動作:流量(流速)の適合、
viii)洗浄水を処理するためのイオン交換体の透過液における銅濃縮;制御動作:再生、
ix)めっき廃水から鉄を除去するためのイオン交換体の透過液における鉄濃縮;制御動作:再生、
x)透析液における高すぎる塩化物濃度;制御動作:流量(流速)の適合。
【符号の説明】
【0122】
1 第1部分ストリーム
2 第2部分ストリーム
3 第3部分ストリーム
4 全ストリーム
5 第1分離ストリーム
6 第2分離ストリーム
7 第3分離ストリーム
40 金属塩含有溶媒、電解質
50 金属元素(銅)
52 エッチングプロセスへの金属のフィードバック
54 めっきプロセスへの金属のフィードバック
60 プリントサーキットボードを製造するための産業プラント
100 プリントサーキットボードの製造からのエッチングプロセスからの金属塩含有(廃棄)溶媒の処理
10 金属塩含有溶媒、金属濃縮電解質
11 処理対象溶媒
12 無酸処理対象溶媒
15 酸
15a 第1部分の酸
15b 第2部分の酸
110 第1膜透析
112 第1膜
113 第1フィード
115 第1透析液
116 第1拡散物
120 第2膜透析
122 第2膜
123 第2フィード
125 第2透析液
126 第2拡散物、酸性拡散物
128 酸濃縮プロセス
129 濃縮酸、酸濃縮拡散物
136 金属欠乏酸性溶媒(第1分離ストリーム)
140 混合/希釈反応器
145 イオン交換プロセス
150 エッチングプロセス
160 過酸化水素除去プロセス
170 第1プロセスサイクル
175 更なる酸、再生溶媒、金属欠乏電解質
180 第2プロセスサイクル
185 膜ろ過プロセス、逆浸透プロセス
185a 透過液
185b 濃縮物
186a 塩濃縮物
186b 金属欠乏塩濃縮物
187 塩基、水酸化ナトリウム
188 精製水
189 追加希釈プロセス
190 第3プロセスサイクル
200 プリントサーキットボードの製造からのめっきプロセスからの金属塩及び異金属含有溶媒の処理
20 金属塩含有溶媒
21 鉄及び金属塩含有溶媒
231 サーキットボードプロセスへ(鉄濃縮酸)の提供
236 酸含有拡散物、第2分離ストリーム
250 めっきプロセス
300 プリントサーキットボードの製造からの洗浄水からの金属塩含有溶媒の処理
30 金属塩含有洗浄水溶媒
31 処理対象溶媒、全分離ストリーム
32 更なる洗浄水
350 廃棄溶媒、排水水質を有する水
352 供給水
400 プリントサーキットボードの製造からの金属塩含有溶媒からの金属元素の回収
405 提供、組み合わせ、濃縮
431 更なるサーキットボードプロセスへ(鉄濃縮酸)の提供
446 酸を有する拡散物(第3分離ストリーム)
500 更なるサーキットボードプロセス、フォトレジスト(塩化鉄)プロセス
600 プロセス制御装置
610 データベース
611 プロセスパラメータ、実際の値
620 データモデルユニット
621 予め定められたプロセスパラメータ、目標値
622 新しい予め定められたプロセスパラメータ
625 自己学習アルゴリズム
630 演算装置
631 決定された制御動作
【国際調査報告】