(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】モジュール式骨組システム
(51)【国際特許分類】
E04B 2/76 20060101AFI20240214BHJP
E04B 1/348 20060101ALI20240214BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
E04B2/76
E04B1/348 H
E04B2/74 561H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552120
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 AU2022050160
(87)【国際公開番号】W WO2022178596
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517292756
【氏名又は名称】ポリプラス インターナショナル ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Polyplas International Pty Ltd
【住所又は居所原語表記】3 Corporate Avenue Rowville Victoria 3178 Australia
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ラスカム、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、ダリル
(57)【要約】
モジュール式骨組システムは、複数の架設部材であって、架設部材のうちの少なくともいくつかは中空であり、所定の公称壁厚を有する、架設部材と、固定具と、中空の架設部材のうちの2つ以上にそれぞれ固定可能な複数の連結具とを具備する。各連結具は、接続部分と、接続部分の隣り合う対を相互接続する少なくとも1つのウェブ部分とを有し、中空の架設部材の所定の公称壁厚より大きい最小厚さを有する。各接続部分は、固定具が連結具を架設部材に固定するための貫通穴を有する。ウェブ部分は、それぞれの接続部分の隣り合う対を離間し、接続部分の隣り合う対に固定された架設部材は、非平行となり、且つ共通平面内に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式骨組システムにおいて、前記モジュール式骨組システムは、
複数の架設部材であって、前記架設部材のうちの少なくともいくつかは中空であり、所定の公称壁厚を有する、架設部材と、
固定具と、
前記中空の架設部材のうちの2つ以上にそれぞれ固定可能な複数の連結具とを具備し、各連結具は、
2つ以上の接続部分であって、各接続部分は、前記連結具を前記架設部材のうちの1つに固定するときに前記固定具のうちの1つを通過させるための2つ以上の貫通穴を有する、接続部分と、
前記接続部分の隣り合う対を相互接続する少なくとも1つのウェブ部分であって、前記ウェブ部分は、それぞれの前記接続部分の隣り合う対を離間し、前記接続部分の隣り合う対に固定された架設部材が非平行となり、且つ共通平面内に位置するように、構成されている、ウェブ部分と、
前記中空の架設部材の前記所定の公称壁厚より大きい最小厚さとを有し、
前記モジュール式骨組システムから骨組構造が組み立て可能であり、各骨組構造は、前記連結具を前記架設部材に固定することによって相互接続される架設部材から形成され、各固定具は、前記連結具のうちの1つの接続部分における貫通穴のそれぞれを通過し、それぞれの前記架設部材に係合することにより前記相互接続を形成し、前記連結具は、組み立てられた骨組構造において前記架設部材の側方外側面に対して、接続部分で相互接続される、モジュール式骨組システム。
【請求項2】
各連結具は、第1の主縁部及び第2の主縁部を有し、前記第1の主縁部は、前記架設部材のうちの1つの断面形状の少なくとも一部を補完するように形作られている、請求項1に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項3】
前記第1の主縁部は、表面に対する法線が1点に向かう2つ以上の部分を有する非平面表面である、請求項2に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項4】
前記第1の主縁部は、前記架設部材の断面形状の少なくとも1つのセグメントを補完するように形作られた配置部分を備える、請求項2又は3に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項5】
2つ以上の架設部材の各相互接続は概念的節点を規定し、各連結具は、組み立てられた骨組構造において前記概念的節点を通って3つの非平行な方向に延在する前記架設部材のうちの1つに適応するように形作られている、請求項1~4のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項6】
各架設部材は、2つの相反する端部を有し、前記相反する端部の間に延びる長さ方向を規定し、前記長さ方向を横切る各平面においてほぼ同様の断面形状も有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項7】
前記連結具の各々は、各ウェブ部分が前記接続部分の隣り合う対の間に介在するように形成されており、そのような対内の各接続部分はそれぞれの前記ウェブ部分と連続している、請求項1~6のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項8】
介在するウェブ部分と連続している一対の接続部分の一部である各接続部分は、平面状の取付け面を画定し、そのような一対の接続部分における前記平面状の取付け面は、同一平面上に位置する、請求項7に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項9】
前記介在するウェブ部分はほぼ平面状の表面を有することができ、前記連結具は、接続部分の各対及び対応する前記介在するウェブ部分について、前記平面状の取付け面及び前記ほぼ平面状の表面がすべて共通平面内に位置するように形成され得る、請求項8に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項10】
前記複数の連結具は、一組の第1の連結具を含み、前記第1の連結具は、2つの接続部分と1つのウェブ部分とをそれぞれ有し、
これにより、前記第1の連結具のそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの前記第1の連結具に固定された架設部材は、それぞれの前記第1の連結具から外側に最大2方向に突出する、請求項1~9のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項11】
前記複数の連結具は、一組の第2の連結具を含み、前記第2の連結具は、3つの接続部分と2つのウェブ部分とをそれぞれ有し、
これにより、前記第2の連結具のそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの前記第2の連結具に固定された架設部材は、それぞれの前記第2の連結具から外側に最大3方向に突出する、請求項1~10のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項12】
前記複数の連結具は、一組の第2の連結具を含み、前記第2の連結具は、3つの接続部分と2つのウェブ部分とをそれぞれ有し、これにより、前記第2の連結具のそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの前記第2の連結具に固定された架設部材は、それぞれの前記第2の連結具から外側に最大3方向に突出し、
前記第1の主縁部は、前記架設部材の断面形状の少なくとも1つのセグメントを補完するように形作られた配置部分を備え、
前記第2の連結具の各々の前記第1の主縁部の前記配置部分は、前記架設部材の断面形状を受け入れるように形作られた凹んだ凹部を備えることができる、請求項1~10のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項13】
前記第2の連結具は、組み立てられた骨組構造において前記第2の連結具のそれぞれ、前記3つの接続部分のうちの2つに固定された2つの架設部材がそれぞれの前記第2の連結具から外側にほぼ平行且つ同軸の方向に突出するように構成されている、請求項11又は12に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項14】
1つ以上の交差ブレースをさらに具備し、
前記連結具のうちの少なくともいくつかの前記ウェブ部分は、取付け穴を備え、
前記交差ブレースのそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの前記交差ブレースの両端部領域は、前記取付け穴を通じて一対の連結具に取り付けられる、請求項1~13のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項15】
各連結具は、各交差ブレースが、それぞれの前記連結具から、それぞれの前記連結具に固定された架設部材に対して斜角で突出することになるように構成されている、請求項14に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項16】
前記交差ブレースそれぞれの端部領域をそれぞれの連結具に取り付けることにより、前記取付け穴に対する前記交差ブレースのそれぞれの端部の位置の調節が容易となる、請求項14又は15に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項17】
前記連結具のうちの少なくともいくつかは、一定の厚さを有する材料でそれぞれ形成されている、請求項1~16のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項18】
前記連結具の前記最小厚さの前記所定の公称壁厚に対する比は、少なくとも1.5:1である、請求項1~17のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項19】
前記システムから組み立てられた骨組構造を支持構造に接続するための複数の足部をさらに具備し、各足部は、
そのような足部が接続される前記支持構造に面することになる第1の面を備えたベースプレートと、
前記第1の面に対する前記ベースプレートの反対面において前記ベースプレートに取り付けられる嵌め合い部分とを備え、
前記嵌め合い部分は、前記架設部材のうちの1つの端部部分と嵌り合って、嵌り合った前記架設部材が前記ベースプレートから前記第1の面とはほぼ反対の方向に突出するように構成されている、請求項1~18のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項20】
前記嵌め合い部分は、前記足部及び嵌り合った架設部材を互いに固定するために固定具を通過させるための1つ以上の貫通穴を備える、請求項19に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項21】
前記嵌め合い部分は、前記架設部材のうちの1つの端部部分を受け入れるように形作られたスリーブ構成部である、請求項19又は20に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項22】
各足部は、前記スリーブ構成部の外側面及び前記ベースプレートの前記反対面にそれぞれ取り付けられた1つ以上のガセットをさらに備える、請求項21に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項23】
前記固定具は、雄ねじを備えた軸部と、セルフドリリング構成を備えた先端部とを有し、これにより、前記固定具は設置中に前記架設部材に穴を形成する、請求項1~22のいずれか1項に記載のモジュール式骨組システム。
【請求項24】
所定の公称壁厚を有する中空の架設部材と固定具とを備えるモジュール式骨組システム用の連結具において、前記連結具は、
2つ以上の接続部分であって、各接続部分は、前記連結具を前記架設部材のうちの1つに固定するときに前記固定具のうちの1つを通過させるための2つ以上の貫通穴を有する、接続部分と、
前記接続部分の隣り合う対を相互接続する少なくとも1つのウェブ部分であって、前記ウェブ部分は、それぞれの前記接続部分の隣り合う対を離間し、前記接続部分の隣り合う対に固定された架設部材が非平行となり、且つ共通平面内に位置するように、構成されている、ウェブ部分と、
前記中空の架設部材の前記所定の公称壁厚より大きい最小厚さとを具備する、連結具。
【請求項25】
各接続部分は、少なくとも2つの貫通穴を有する、請求項24に記載の連結具。
【請求項26】
前記連結具の接続部分は、前記接続部分に固定される前記2つ以上の架設部材の各々の長手方向の交点が概念的節点を規定するように構成され、
各連結具は、第1の主縁部及び第2の主縁部を有し、前記第1の主縁部は、前記連結具を用いて組み立てられた骨組構造において前記概念的節点を通って少なくとも2つの非平行な方向に延在する前記架設部材のうちの1つに適応するように形作られている、請求項24又は25に記載の連結具。
【請求項27】
各連結具の前記第1の主縁部は、前記概念的節点を通って3つの非平行な方向に延在する前記架設部材のうちの1つに適応するように形作られている、請求項26に記載の連結具。
【請求項28】
第1の主縁部は、一点に向かう2本以上の法線を有する非平面表面である配置部分を備える、請求項24~27のいずれか1項に記載の連結具。
【請求項29】
前記第1の主縁部の前記配置部分は、前記架設部材の断面形状を受け入れるように形作られた凹んだ凹部を備える、請求項28に記載の連結具。
【請求項30】
各ウェブ部分は、前記接続部分の隣り合う対の間に介在し、そのような対内の各接続部分はそれぞれの前記ウェブ部分と連続している、請求項24~29のいずれか1項に記載の連結具。
【請求項31】
介在するウェブ部分と連続している一対の接続部分の一部である各接続部分は、平面状の取付け面を画定し、そのような一対の接続部分における前記平面状の取付け面は、同一平面上に位置する、請求項30に記載の連結具。
【請求項32】
前記介在するウェブ部分はほぼ平面状の表面を有し、前記連結具は、接続部分の各対及び対応する前記介在するウェブ部分について、前記平面状の取付け面及び前記ほぼ平面状の表面がすべて共通平面内に位置するように形成され得る、請求項30又は31に記載の連結具。
【請求項33】
2つの接続部分と、1つのウェブ部分とを有し、これにより、前記連結具に固定された架設部材は、前記連結具から外側に最大2方向に突出する、請求項24~32のいずれか1項に記載の連結具。
【請求項34】
前記接続部分のそれぞれにそれぞれ固定される2つ以上の架設部材の各相互接続は、概念的節点を規定し、
各接続部分は、それぞれの前記平面状の取付け面に直交するとともにそれぞれの前記接続部分の前記貫通穴と一致する法平面を有し、前記法平面は、前記連結具の前記概念的節点と交差する、請求項31に記載の連結具。
【請求項35】
前記連結具は、前記接続部分のすべての法平面が前記概念的節点と一致する直線に沿ってさらに交差するように形成されている、請求項34に記載の連結具。
【請求項36】
前記連結具の各ウェブ部分は、前記連結具に交差ブレースを取り付ける際に用いるための取付け穴を備える、請求項24~35のいずれか1項に記載の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式骨組システム及びモジュール式骨組アセンブリに用いるための構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール式骨組構造は、多くの産業状況において幅広い用途に用いられている。これらの用途としては、ユーティリティ/サービス構成要素(プラント設備など)、ワークステーション、機械防護物、構台、囲いなどを支持するための構造が挙げられる。
【0003】
各モジュール式骨組システムは、一連の連結構成要素及び連結構成要素と相互接続可能な架設部材を用いて構造を形成する。システムのモジュール式態様は、用途に最も適切な構造の構築を可能にするが、構築には、モジュール式骨組システムの所有者によって決定される使用荷重限界及びシステム構成要素の幾何学的特性を含む制約がある。多くのモジュール式骨組システムは、比較的低い使用荷重限界によって制限されている。
【0004】
いくつかの支持体用途では、高い構造的強度及び耐久性が必要とされる。例として、いくつかのユーティリティ/サービス構成要素は、地震事象に対して所定の震度まで耐え抜き、そのような事象が過ぎた後に稼働を継続することができる必要がある。この必要性により、支持構造には強度及び耐久性の要件が課される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高い構造的強度及び耐久性が支持体用途に関連のある要素である場合、特別注文の支持構造を設計及び製作することが知られている。この種の構造は複雑で高価であり、また多くの場合、設置が複雑である。
【0006】
上記に対処し、且つ/又は少なくとも有用な代替案を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
モジュール式骨組システムが提供され、モジュール式骨組システムは、
複数の架設部材であって、架設部材のうちの少なくともいくつかは中空であり、所定の公称壁厚を有する、架設部材と、
固定具と、
中空の架設部材のうちの2つ以上にそれぞれ固定可能な複数の連結具とを具備し、各連結具は、
2つ以上の接続部分であって、各接続部分は、連結具を架設部材のうちの1つに固定するときに固定具のうちの1つを通過させるための2つ以上の貫通穴を有する、接続部分と、
接続部分の隣り合う対を相互接続する少なくとも1つのウェブ部分であって、ウェブ部分は、接続部分のそれぞれの隣り合う対を離間し、接続部分の隣り合う対に固定された架設部材が非平行となり、且つ共通平面内に位置するように、構成されている、ウェブ部分と、
中空の架設部材の所定の公称壁厚より大きい最小厚さとを有し、
モジュール式骨組システムから骨組構造が組み立て可能であり、各骨組構造は、連結具を架設部材に固定することによって相互接続される架設部材から形成され、各固定具は、連結具のうちの1つの接続部分における貫通穴のそれぞれを通過し、それぞれの架設部材に係合することにより相互接続を形成し、連結具は、組み立てられた骨組構造において架設部材の側方外側面に対して、接続部分で相互接続される。
【0008】
組み立てられた骨組構造において、2つ以上の架設部材の各相互接続は概念的節点(notional node point)を規定する。好ましくは、各連結具は、第1の主縁部及び第2の主縁部を有し、第1の主縁部は、架設部材のうちの1つの断面形状の少なくとも一部を補完するように形作られている。より好ましくは、各連結具は、組み立てられた骨組構造において概念的節点を通って3つの非平行な方向に延在する架設部材のうちの1つに適応するように形作られている。代わりに又は加えて、第1の主縁部は、表面に対する法線が1点に向かう2つ以上の部分を有する非平面表面である。
【0009】
各架設部材は、好ましくは、2つの相反する端部を有し、これらの相反する端部の間に延びる長さ方向を規定し、長さ方向を横切る各平面においてほぼ同様の断面形状も有する。少なくともいくつかの実施形態において、架設部材は、長さ方向において直線状である。好ましくは、架設部材の外側面は、非円筒形である。好ましくは、架設部材は、中空であり、内部空洞を有する。より好ましくは、架設部材は、ほぼ正方形の断面形状を有する。
【0010】
代わりに又は加えて、第1の主縁部は、架設部材の断面形状の少なくとも1つのセグメントを補完するように形作られた配置部分を備える。
好ましくは、連結具の各々は、各ウェブ部分が接続部分の隣り合う対の間に介在するように形成されており、そのような対内の各接続部分はそれぞれのウェブ部分と連続している。
【0011】
特定の場合において、介在するウェブ部分と連続している一対の接続部分の一部である各接続部分は、平面状の取付け面を画定し、そのような一対の接続部分における平面状の取付け面は、同一平面上に位置する。このような場合、介在するウェブ部分はほぼ平面状の表面を有することができ、連結具は、接続部分の各対及び対応する介在するウェブ部分について、平面状の取付け面及びほぼ平面状の表面がすべて共通平面内に位置するように形成され得る。
【0012】
いくつかの他の場合において、介在するウェブ部分と連続している一対の接続部分の一部である各接続部分は、平面状の取付け面を画定し、連結具は、そのような一対の接続部分における平面状の取付け面が非平行な平面に配置されるように形作られている。このような場合、介在するウェブ部分は弓形であり得る。
【0013】
システムのいくつかの実施形態において、複数の連結具は、一組の第1の連結具を含み、第1の連結具は、2つの接続部分と1つのウェブ部分とをそれぞれ有し、
これにより、第1の連結具のそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの第1の連結具に固定された架設部材は、それぞれの第1の連結具から外側に最大2方向に突出する。第1の連結具のうちの少なくともいくつかは、2つの接続部分と1つのウェブ部分とのみからなる。
【0014】
複数の連結具は、代わりに又は加えて、一組の第2の連結具を含み、第2の連結具は、3つの接続部分と2つのウェブ部分とをそれぞれ有し、
これにより、第2の連結具のそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの第2の連結具に固定された架設部材は、それぞれの第2の連結具から外側に最大3方向に突出する。第2の連結具のうちの少なくともいくつかは、3つの接続部分と2つのウェブ部分とのみからなる。
【0015】
第2の連結具の各々の第1の主縁部の配置部分は、架設部材の断面形状を受け入れるように形作られた凹んだ凹部を備えることができる。好ましくは、第2の連結具は、組み立てられた骨組構造において第2の連結具のそれぞれ、3つの接続部分のうちの2つに固定された2つの架設部材がそれぞれの第2の連結具から外側にほぼ平行且つ同軸の方向に突出するように構成されている。さらにより好ましくは、第2の連結具は、第2の連結具のそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、3つの接続部分に固定される3つの架設部材がほぼ同一平面上に位置するように構成されている。
【0016】
複数の連結具は、代わりに又は加えて、一組の第3の連結具を含み、第3の連結具は4つの接続部分と4つのウェブ部分とをそれぞれ有し、
これにより、第3の連結具のそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの第3の連結具に固定された架設部材は、それぞれの第3の連結具から外側に最大4方向に突出する。第3の連結具のうちの少なくともいくつかは、4つの接続部分と4つのウェブ部分とのみからなる。
【0017】
好ましくは、第3連結具はほぼ環状の形状を有し、第1の主縁部は、そのような環状形状の内側に面する縁部を画定する。
好ましくは、第1の組の各連結具における第1の主縁部の配置部分は、2つの平面状セグメントを備え、これらの2つの平面状セグメントに対する2本の法線は一点に向かっている。
【0018】
好ましくは、第2の組の各連結具における第1の主縁部の配置部分は、3つの平面状セグメントを備え、これらの3つの平面状セグメントに対する3本の法線は一点に向かっている。
【0019】
好ましくは、第3の組の各連結具における第1の主縁部の配置部分は、4つの平面状セグメントを備え、これらの4つの平面状セグメントに対する4本の法線は一点に向かっている。
【0020】
モジュール式骨組システムの連結具は、各接続部分が、それぞれの平面状の取付け面に直交するとともにそれぞれの接続部分の貫通穴と一致する法平面を有するように形成され得、
法平面は連結具の概念的節点と交差する。
【0021】
特定の連結具は、接続部分のすべての法平面が、概念的節点と一致する直線に沿ってさらに交差するように形成され得る。
いくつかの実施形態において、連結具のうちの少なくともいくつかのウェブ部分は、取付け穴を備え、
モジュール式骨組システムは1つ以上の交差ブレースさらに備え、
交差ブレースのそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの交差ブレースの両端部領域は、取付け穴を通じて一対の連結具に取り付けられる。
【0022】
各連結具は、各交差ブレースが、それぞれの連結具から、それぞれの連結具に固定される架設部材に対して斜角で突出することになるように構成され得る。いくつかの実施形態において、交差ブレースそれぞれの端部領域をそれぞれの連結具に取り付けることにより、取付け穴に対する交差ブレースのそれぞれの端部の位置の調節が容易となる。いくつかの別の例において、交差ブレースは、有効長を調節するためのアジャスタを備える。
【0023】
交差ブレースは、ねじ棒、チャネルストラット、ケーブル、ワイヤのいずれかを含むことができる。
連結具のうちの少なくともいくつかは、一定の厚さを有する材料でそれぞれ形成されている。好ましくは、各架設部材は所定の公称壁厚を有し、連結具の最小厚さは所定の公称壁厚より大きい。より好ましくは、連結具の最小厚さの所定の公称壁厚に対する比は、少なくとも1.5:1である。さらに好ましくは、連結具の最小厚さの所定の公称壁厚に対する比は、1.75:1~2.25:1の範囲である。
【0024】
いくつかの例において、連結具のうちのいくつか又はすべては、板状構成を有する。他のいくつかの例において、連結具のうちのいくつか又はすべては、板材を折り曲げることによって形成される。
【0025】
モジュール式骨組システムは、システムから組み立てられた骨組構造を支持構造に接続するための複数の足部をさらに具備することができ、各足部は、
そのような足部が接続される支持構造に面することになる第1の面を備えたベースプレートと、
第1の面に対するベースプレートの反対面においてベースプレートに取り付けられる嵌め合い部分とを備え、
嵌め合い部分は、架設部材のうちの1つの端部部分と嵌り合って、嵌り合った架設部材がベースプレートから第1の面とはほぼ反対の方向に突出するように構成されている。
【0026】
少なくともいくつかの実施形態において、嵌め合い部分は、足部及び嵌り合った架設部材を互いに固定するために固定具を通過させるための1つ以上の貫通穴を備える。
いくつかの実施形態において、嵌め合い部分は、架設部材のうちの1つの端部部分を受け入れるように形作られたスリーブ構成部である。各足部は、スリーブ構成部の外側面及びベースプレートの反対面にそれぞれ取り付けられた1つ以上のガセットをさらに備えることができる。
【0027】
好ましくは、ベースプレートは、それぞれの足部を支持構造に接続する際に用いるための1つ以上の取付け穴を備える。
モジュール式骨組システムは、複数のアングル接続ブラケットをさらに具備することができ、アングル接続ブラケットは、
2つの接続部分であって、各接続部分は、連結具を架設部材のうちの1つに固定するために固定具を通過させるための1つ以上の貫通穴を有し、平面状の取付け面を画定する、接続部分と、
2つの接続部分を相互接続する中間部分であって、中間部分は、そのような一対の接続部分における平面状の取付け面が非平行な平面に配置されるように形作られている、中間部分とをそれぞれ有する。
【0028】
いくつかの例において、それぞれのアングル接続ブラケットの中間部分は、そのような一対の接続部分における平面状の取付け面が、直交する平面上に配置されるように形作られている。いくつかの代替案又は付加的なアングルにおいて、それぞれのアングル接続ブラケットの中間部分は、そのような一対の接続部分における平面状の取付け面が、斜交する平面上に配置されるように形作られている。
【0029】
いくつかの他の例において、中間部分は、それぞれのアングルブラケットを組み込む組み立てられた骨組構造において交差ブレースが取付け可能な取付台を含む架橋部を備えることができる。好ましくは、架橋部は、それぞれのアングル接続ブラケットの平面状の取付け面に対して斜めに延在する。
【0030】
モジュール式骨組システムは、複数の充填スペーサをさらに具備することができ、
組み立てられた骨組構造において、1つ以上の充填スペーサは、連結具のうちの1つと架設部材のうちの1つとの間に設置され得る。
【0031】
モジュール式骨組システムは、複数の取付け座をさらに具備することができ、取付け座は、
一対の側壁部分及び一対の側壁と相互接続されてそれらの側壁の間に延在する支持壁部分を有するサドルと、
サドル部分からそれぞれ突出する1つ以上のウィングとをそれぞれ備え、
サドル及びウィングは貫通穴を有し、架設部材のうちの第1の架設部材は、固定具がそれぞれの貫通穴を通過し、第1の架設部材と係合することによって、それぞれの取付け座のウィングに固定可能であり、
架設部材のうちの第2の架設部材の端部部分は、側壁部分の間のサドル内に受け入れ可能であり、固定具がそれぞれの貫通穴を通過し、第2の架設部材と係合することによって、それぞれの取付け座のサドルに固定可能である。
【0032】
好ましくは、取付け座のうちの少なくともいくつかは、一対のウィングをそれぞれ有し、一対のウィングの各々は、サドルのそれぞれの側壁から突出する。
モジュール式骨組システムは、複数の結合具をさらに具備することができ、結合具は、
ハブ部分と、
ハブ部分によって互いに相互接続される2つ以上の舌部分とをそれぞれ備え、
各舌部分は、
ハブ部分から外側に突出し、
舌部分内に又は舌部分を通って延在する1つ以上の接続穴を備え、
それぞれの架設部材の端部で開口を通って架設部材のうちの1つの内部空洞に受け入れられるように形作られており、
結合具のそれぞれを組み込む組み立てられた骨組構造において、架設部材は、固定具がそれぞれの架設部材を通過し、それぞれの舌部分の貫通穴内に又は貫通穴を通って延在することによって、それぞれの結合具に固定される。
【0033】
好ましくは、各結合具は、ハブ部分から外側に突出するタインをさらに備え、各タインは、舌部分のうちの1つに隣り合い、1つ以上の貫通穴を有し、
タイン及び舌部分の対向する面によって通路が形成され、架設部材の壁は通路に受け入れ可能であり、
舌部分及び隣り合う1つ又は複数のタインの貫通穴は、軸線方向に整合されており、
それぞれの結合具を組み込む組み立てられた骨組構造において、それぞれの固定具はタインの貫通穴も通って延在する。
【0034】
結合具は2つ~6つの舌部分を有することができる。好ましくは、各結合具の各舌部分は、それぞれのハブ部分を中心とする3本の直交軸のうちの1つと整合されている。
少なくともいくつかの実施形態において、固定具は雄ねじを備えた軸部を有する。いくつかの実施形態において、連結具の接続部分の貫通穴は、固定具のねじ径に対して隙間嵌めを有する。
【0035】
いくつかの例において、固定具は、セルフドリリング構成を備えた先端部を有し、これにより、固定具は設置中に架設部材に穴を形成する。
いくつかの別の例において、固定具はボルトである。架設部材は、連結具の接続部分の貫通穴と合わさるように端部領域に形成された穴を有し得る。
【0036】
モジュール式骨組システムは、システムから組み立てられる骨組構造によってサービス構成要素が支持可能となるようにサービス構成要素を接続する際に用いるための複数のコネクタをさらに備えることができ、各コネクタは、
コネクタを架設部材に固定するために固定具を通過させるための1つ以上の貫通穴を備えた第1の構成部と、
それぞれサービス構成要素に直接的又は間接的に接続する際に用いるための1つ以上の第2の構成部とを有する。
【0037】
好ましくは、第1の構成部は、架設部材のまわりに少なくとも部分的に周方向に延在するように形作られている。より好ましくは、第1の構成部はほぼC字形の形を有する。
第2の構成部は、第1の構成部から延びる、及び/又は第1の構成部と一体であるタブ構成部の形とすることができる。タブ構成部は、固定具の軸部を通過させるための取付け穴を有する。
【0038】
第2の構成部は、代わりに又は加えて、第1の構成部から外側に突出するねじ付き軸部を備えることができる。
所定の公称壁厚を有する中空の架設部材と固定具とを備えるモジュール式骨組システム用の連結具も提供される。連結具は、
2つ以上の接続部分であって、各接続部分は、連結具を架設部材のうちの1つに固定するときに固定具のうちの1つを通過させるための2つ以上の貫通穴を有する、接続部分と、
接続部分の隣り合う対を相互接続する少なくとも1つのウェブ部分であって、ウェブ部分は、それぞれの接続部分の隣り合う対を離間し、接続部分の隣り合う対に固定された架設部材が非平行となり、且つ共通平面内に位置するように、構成されている、ウェブ部分と、
中空の架設部材の所定の公称壁厚より大きい最小厚さとを具備する。
【0039】
好ましくは、各接続部分は、少なくとも2つの貫通穴を有する。
連結具の接続部分は、好ましくは、接続部分に固定される2つ以上の架設部材の各々の長手方向の交点が概念的節点を規定するように構成されている。
【0040】
好ましくは、各連結具は、第1の主縁部及び第2の主縁部を有し、第1の主縁部は、連結具を用いて組み立てられた骨組構造において概念的節点を通って少なくとも2つの非平行な方向に延在する架設部材のうちの1つに適応するように形作られている。より好ましくは、各連結具の第1の主縁部は、概念的節点を通って3つの非平行な方向に延在する架設部材のうちの1つに適応するように形作られている。代わりに又は加えて、第1の主縁部の配置部分は、一点に向かう2本以上の法線を有する非平面表面である。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の主縁部の配置部分は、2つの平面状セグメントを備え、これらの2つの平面状セグメントに対する2本の法線は一点に向かっている。
いくつかの別の実施形態において、第1の主縁部の配置部分は、3つの平面状セグメントを備え、これらの3つの平面状セグメントに対する3本の法線は一点に向かっている。
【0042】
いくつかのさらに別の実施形態において、第1の主縁部の配置部分は、4つの平面状セグメントを備え、これらの4つの平面状セグメントに対する4本の法線は一点に向かっている。
【0043】
代わりに又は加えて、第1の主縁部は、架設部材の断面形状の少なくとも1つのセグメントを補完するように形作られた配置部分を備える。
好ましくは、連結具は、各ウェブ部分が接続部分の隣り合う対の間に介在するように形成されており、そのような対内の各接続部分はそれぞれのウェブ部分と連続している。
【0044】
特定の場合において、介在するウェブ部分と連続している一対の接続部分の一部である各接続部分は、平面状の取付け面を画定し、そのような一対の接続部分における平面状の取付け面は、同一平面上に位置する。このような場合、介在するウェブ部分はほぼ平面状の表面を有することができ、連結具は、接続部分の各対及び対応する介在するウェブ部分について、平面状の取付け面及びほぼ平面状の表面がすべて共通平面内に位置するように形成され得る。
【0045】
いくつかの他の場合において、介在するウェブ部分と連続している一対の接続部分の一部である各接続部分は、平面状の取付け面を画定し、連結具は、そのような一対の接続部分における平面状の取付け面が非平行な平面に配置されるように形作られている。このような場合、介在するウェブ部分は弓形であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、連結具は、2つの接続部分と、1つのウェブ部分とを有し、これにより、連結具に固定された架設部材は、連結具から外側に最大2方向に突出する。連結具は、2つの接続部分と1つのウェブ部分とのみからなることができる。
【0047】
いくつかの他の実施形態において、連結具は、3つの接続部分と、2つのウェブ部分とを有し、これにより、連結具に固定された架設部材は、それぞれの第2の連結具から外側に最大3方向に突出する。連結具の第1の主縁部の配置部分は、架設部材の断面形状を受け入れるように形作られた凹んだ凹部を備えることができる。
【0048】
連結具は、3つの接続部分と2つのウェブ部分とのみからなることができる。好ましくは、連結具は、3つの接続部分のうちの2つに固定された2つの架設部材が、連結具から外側にほぼ平行且つ同軸の方向に突出するように構成されている。さらにより好ましくは、連結具は、3つの接続部分に固定される3つの架設部材がほぼ同一平面上に位置するように構成されている。
【0049】
いくつかの実施形態において、連結具は、4つの接続部分と、4つのウェブ部分とを有し、これにより、連結具に固定された架設部材は、連結具から外側に最大4方向に突出する。連結具は、4つの接続部分と4つのウェブ部分とのみからなることができる。このような実施形態において、連結具は、ほぼ環状の形状を有し、第1の主縁部は、そのような環状形状の内側に面する縁部を画定する。
【0050】
好ましくは、各接続部分は、少なくとも2つの貫通穴を有する。
連結具は、各接続部分が、それぞれの平面状の取付け面に直交するとともにそれぞれの接続部分の貫通穴と一致する法平面を有するように形成され得、法平面は、連結具の概念的節点と交差する。
【0051】
連結具は、接続部分のすべての法平面が、概念的節点と一致する直線に沿ってさらに交差するように形成され得る。
いくつかの実施形態において、連結具の各ウェブ部分は、連結具に交差ブレースを取り付ける際に用いるための取付け穴を備える。
【0052】
本発明をより容易に理解できるように、添付図面を参照しながら、ほんの一例として実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の第1の実施形態によるモジュール式骨組システムの構成要素から構築された例示的な構造の斜視図。
【
図3】
図1に示したシステムの第1の連結具の斜視図。
【
図5】
図2の2つの架設部材と
図3の第1の連結具との間の例示的な相互接続の左側立面図。
【
図11】
図8の平面Mに対して垂直に見た構造の一部の横断面図。
【
図16】
図14の平面Nに対して垂直に見た構造の一部の横断面図。
【
図20】システムの足部を示す、
図1の中の領域Aの拡大図。
【
図22】システムの交差ブレースを示す、
図1の構造の一部の上方斜視図。
【
図24】別の実施形態のモジュール式骨組システムの連結具の斜視図。
【
図26】別の実施形態のモジュール式骨組システムの連結具の斜視図。
【
図28】本発明の第2の実施形態によるモジュール式骨組システムの構成要素から構築された例示的な構造の斜視図。
【
図32】本発明の第3の実施形態によるモジュール式骨組システムの構成要素から構築された例示的な構造の斜視図。
【
図34】本発明の実施形態によるモジュール式骨組システムの充填スペーサの斜視図。
【
図35】本発明の実施形態によるモジュール式骨組システムの直角接続ブラケットの斜視図。
【
図36】本発明の実施形態によるモジュール式骨組システムの内部ブレース接続ブラケットの斜視図。
【
図37】本発明の実施形態による交差ブレースコネクタの斜視図。
【
図38】本発明の実施形態による第1のサドルコネクタの斜視図。
【
図39】本発明の実施形態による第2のサドルコネクタの斜視図。
【
図40】本発明の実施形態による第3のサドルコネクタの斜視図。
【
図41】本発明の実施形態による第4のサドルコネクタの斜視図。
【
図42】開示するモジュール式骨組システムの構成要素から構築された例示的な構造、並びにこの構造によって支持されたケーブルトレイの斜視図。
【
図44】開示するモジュール式骨組システムの構成要素から構築された例示的な構造、並びにこの構造によって支持されたパイプの一部の斜視図。
【
図45】開示するモジュール式骨組システムの構成要素から構築された例示的な構造、並びにこの構造によって支持された一定長のHVACダクトの斜視図。
【
図46】本発明のさらなる実施形態に従ったモジュール式骨組システムの連結具の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、一実施形態によるモジュール式骨組システムから組み立てられる例示的な構造2を示す。骨組システムは、構造2などの組み立てられた骨組構造において、架設部材5、連結具10、足部32、及びシステムの他の構成要素を互いに固定する固定具を備える。
図2及び
図2aは、構造2に用いられる架設部材5を例示する。
図3~
図6は、構造2に用いられるモジュール式骨組システムの連結具10を示す。
図7~
図21は、構造2の様々な部分の拡大図である。
【0055】
図1から明らかなように、架設部材5は構造2内においてリンクを形成し、架設部材5は構造2の節点において連結具10及び固定具によって相互接続される。
モジュール式骨組システムから組み立てられた骨組構造は、プラント構成要素、設備構成要素、サービス構成要素などを支持するのに適している。典型的には、これらの目的に用いられる骨組構造は、建物に内部又は外部から固定され、且つ/又は土台上に固定される。さらに、モジュール式骨組システムから組み立てられた骨組構造は、死荷重(換言すると、支持される構成要素に作用する重力によって骨組構造にかかる静荷重)と動荷重(骨組構造自体にかかる又は支持された物体の運動によってかかる横力、及び一時的な鉛直力を含む)との双方を支持するのに適している。当業者には理解されるように、動荷重は、環境事象(風荷重、地面伝搬振動及びインパルス、並びに地震活動)によって、又は支持される物体の運動(支持される物体によって生じるトルク負荷や振動等など)によって生じ得る。
【0056】
この特定の実施形態において、各架設部材5は、2つの相反する端部6a,6bを有し、端面7をそれぞれ有する両端部6a,6bの間に延びる長さ方向Eを規定する。
この例では簡潔にするために、架設部材5は長さ方向Eにおいて直線状である。しかしながら、場合によっては、システム内の架設部材のうちのいくつか又はすべてが長さ方向において非直線状であることが望ましいか、又は必要である場合があることが理解されよう。さらに、各架設部材5は、長さ方向Eを横切る各平面においてほぼ同様の断面形状を有する。
図2及び
図2aに示すように、架設部材5の外側外面9は非円筒形であり、架設部材は中空であり、内部空洞8を有する。当業者には認識されるように、
図2の架設部材5は、角形鋼管片の断面を有する。しかしながら、場合によっては、システム内の架設部材のうちのいくつか又はすべてが別の断面を有することが望ましいか、又は必要である場合があることが理解されよう。
【0057】
各端部6a,5bの端面7は、それぞれの架設部材5の長さ方向Eを横切る平面内に位置する。
図2aに示すように、架設部材5は、所定の公称壁厚t
1を有する。
図3及び
図4は、構造2に用いられるシステムの連結具10を示す。第1の連結具10は、2つの接続部分12と、接続部分12の隣り合う対を相互接続するウェブ部分14とを有する。さらに、ウェブ部分14は、接続部分12の隣り合う対を離間している。ウェブ部分14は接続部分12の対の間に介在する。各接続部分12はウェブ部分14と連続している。
【0058】
2つの接続部分12はウェブ部分14と連続している。換言すると、連結具10は一体構造である。したがって、接続部分12及びウェブ部分14への描写は、連結具10(以下でさらに詳細に説明される)のそれらの部分の機能から生じており、構造的というよりは機能的/概念的なものである。
図4において、2本の破線Xは、接続部分12とウェブ部分14との境界を示している。
【0059】
連結具10は、第1の主縁部16と第2の主縁部18とを有する。以下でさらに詳細に論じるように、第1の主縁部16は、架設部材5のうちの1つの断面形状の少なくとも一部を補完するように形作られた配置部分を有する。換言すると、第1の主縁部16の配置部分は、架設部材の長さ方向Eを横切る方向における外側外面9の断面形状の少なくとも1つのセグメントを補完するように形作られている。第1の主縁部及び第2の主縁部16,18の間には2つの側方副縁部20がそれぞれ延在する。
【0060】
この実施形態の連結具10は板状構成を有する。特に
図3から明らかなように、連結具10は、平面状であり、且つ互いに平行な2つの主面22(このうちの1つを
図3及び
図4に図示)を有する。
【0061】
この例では、連結具10の第1の主縁部16は、架設部材が2つの平面状の主面22に対して長さ方向Eが垂直になるように配置されるとき、架設部材5の外側外面9の2つの隣り合う平面状の面及び2つの隣り合う平面状の面の間に介在する面取り部を実質的に補完するように形作られている。第1の主縁部16は、外側外面9の面取り部よりも大きな半径を有するフィレットを備える。
【0062】
連結具10の各接続部分12は、連結具10を架設部材5のうちの1つに固定するために固定具のうちの1つを通過させるための貫通穴24を有する。
図3及び
図4の例では、連結具10の接続部分12の各々は、3つの貫通穴24を有する。各接続部分12に少なくとも2つの貫通穴24を有することにより、連結具をそれぞれの架設部材5に固定する際に2つの固定具を受け入れて、そのような架設部材5の相対回転を抑制するという利点が得られることが理解されよう。各接続部分12における付加的な貫通穴24は、場合によって必要とされ得る増大した剪断抵抗を構成要素間の接続に与えるのに有益であり得る。さらに、連結具が異なる固定具サイズに適応することが望ましい場合がある。
【0063】
図5及び
図6は、固定具26を用いた2つの架設部材5a,5bに対する連結具10のうちの1つの例示的な相互接続を例示する。この相互接続は、本明細書で開示されるモジュール式骨組システムの他の構成部分と共に構造の一部を形成し得る。
【0064】
図6から特に明らかなように、各固定具26は、連結具10内のそれぞれの貫通穴24を通過して、それぞれの架設部材5a,5bと係合する。
2つ以上の架設部材5と構造2との各相互接続は、概念的節点を規定する。この例では、各概念的節点は、架設部材5の長手方向軸線によって規定される。
図5及び
図6において、概念的節点NPは、丸で囲まれたバツ印によって示されている。
【0065】
ウェブ部分14による2つの接続部分12の離間により、2つの架設部材5a,5bも互いに関して回転及び平行移動で離間される。そのために、
図5及び
図6に例示した特定の例では、架設部材5a,5bは、互いに90°で固定される。
【0066】
図6は、連結具10を側面図で示している。連結具10は、架設部材5a,5bの所定の公称壁厚よりも大きな最小厚さを有する。これにより、
図5および
図6に例示するような、単一の連結具10による2つの架設部材5a,5bの相互接続において、連結具10が個々の架設部材の材料自体のそれと同様の強度及びスティフネスを有するという利点が得られる。
【0067】
架設部材5a,5b及び連結具10がすべて同一材料で作製されている例では、相互接続の不具合は固定具26で起こる可能性が最も高い。しかしながら、理解されるように、固定具26(及び同様に貫通穴24)のサイズ、形、及び数は、構造における実働荷重の管理を容易にするように調整され得る。
【0068】
図6に示すように、連結具10は厚さt
2を有する。この例では、連結具厚さt
2の所定の公称壁厚t
1に対する比は、約1.8:1である。この特定に比は、軟鋼で形成された架設部材及び連結具に適切であり得る。異なる材料が用いられる実施形態には、別の厚さ比が適切であり得ることが理解されよう。架設部材が連結具のそれとは異なる材料で形成された実施形態についても同様である。
【0069】
動荷重が骨組構造体2に加えられるとき、架設部材5上における力の分配は、概念的節点NPを通って作用する力、及び概念的節点NPのまわりに作用するトルクを生じるように作用し得る。連結具10による架設部材5の相互接続は、これらの生じた力及びトルクに耐える。
【0070】
図5及び
図6に例示する例では、架設部材5aは、その端面7が架設部材5bの外側外面9とほぼ面一となり、また2つの側方副縁部20のうちの1つともほぼ面一となるように配置されている。換言すると、架設部材5aの端部領域6aは、第1の主縁部16及び連結具10の概念的節点NPの双方を通過して延在する。架設部材5bの端面7は、架設部材5aの外側外面9に当接する。さらに、架設部材5bの端面7は、連結具10の第1の主縁部16とほぼ面一となる。
【0071】
ウェブ部分14は、
図26及び
図27に関してさらに詳細に説明するように、交差ブレースを取り付けるのに適した取付け穴28を備える。
図5及び
図6は、連結具10に対する架設部材の別の形態を示す。そのために、
図5は、架設部材5bの端面7が架設部材5aの外面に対してそのような架設部材5aの両端部領域の中間の位置で当接する架設部材5aの別の位置を示す破線5’を含む。架設部材5bのこの別の位置では、架設部材5aは、概念的節点NPから反対方向外側に突出する。
【0072】
図6は、概念的節点NPを通って延在するが、連結具10に固定されていない第3の架設部材を示す一点鎖線5”を含む。一点鎖線5”で示した位置における第3の架設部材に適応するために、架設部材5a,5bの各々は、それらの各端面7が第1の主縁部16とほぼ面一となるように配置される必要がある。架設部材5a,5bが連結具10に対してこの位置にある状態で、第3の架設部材の外側外面の一部が第1の主面の配置部分内に配置される。連結具10に対する3つの架設部材のこの配置は
図18及び
図19にも例示されている。
【0073】
図5及び
図6は、単一の連結具10が相互接続を形成している2つの架設部材5の間の相互接続を例示している。2つの架設部材間の相互接続の強度及びスティフネスは(他の架設部材との相互接続の有無にかかわらず)、連結具10と同一平面上に位置する第2の連結具の追加によって増大させることができる。この配置は、
図14~
図16に1つの形で例示されている。
【0074】
図7~
図11は、3つの架設部材5が3つの連結具10によって相互接続されている、
図1における構造2の領域Bの拡大図である。よって、この配置では、2つの連結具10が各架設部材5に固定される。これらの図において、固定具は、架設部材5及び連結具10の相対位置を明瞭にするために省略されている(
図12~
図20に関しても同様)。
【0075】
3つの架設部材5は、3つの架設部材5によって規定される3本の長手方向軸線の交点に位置する概念的節点NP(
図8、
図9及び
図11に図示)から外側に突出するように配置される。連結具10の形、特に各連結具10の2つの接続部分12が同一平面上に位置する特性により、3つの架設部材の長さ方向が互いに対して相互に直交することが保証される。
【0076】
3つの架設部材5の間の相互接続における3つの連結具10の配置は、各直交方向においてほぼ等しい強度特性を有する相互接続をもたらす。しかしながら、
図10及び
図11から明らかなように、3つの架設部材5のうちの2つが3つの連結具10(及び2つの連結具10に固定された第3の架設部材)に固定されるように、追加の連結具10を用いて構造を組み立てることも可能であろう。このシナリオでは、強度特性は各直交方向において等しくならないであろう。
【0077】
図12及び
図13は、
図1における構造2の領域Cの拡大図である。構造2のこの領域における配置は、3つの架設部材のうちの1つ(
図12及び
図13の架設部材5a)が、両端部領域(
図12及び
図13には図示せず)の中間の位置で固定される連結具10を有するという点で、領域Bにおける配置と異なる。この配置では、架設部材5aの外側外面9は、連結具10aの配置部分内に第1の主縁部16に隣接して配置される。
【0078】
図14~
図16は、4つの架設部材5が6つの連結具10によって相互接続されている、
図1における構造2の領域Dの拡大図である。この配置では、4つの連結具10が架設部材のうちの2つ(これらの図では架設部材5a,5b)に固定され、2つの連結具10が他の2つ(これらの図では架設部材5c,5d)に固定される。
【0079】
架設部材5a,5bの各々については、4つのそれぞれの連結具10が、外側外面の4つの平面状の面のうちの3つに固定される。この配置に適応するために、これらの4つの連結具10のうちの2つの接続部分12は重ね合わせられる。理解されるように、4つの群内のこれらの連結具のうちの1つ(これらの図の連結具10x)について、この形態により、そのような連結具10xの接続部分12とそのような連結具10xが固定される他の架設部材5の外側外面との間に偏った間隙が形成される。モジュール式骨組システムは、連結具10xと対応する架設部材5との間に設置されて、そのような偏った間隙を埋める充填スペーサ30(
図34にさらに詳細に図示)を備える。
【0080】
各架設部材5c,5dの端面のうちの1つは、架設部材5aの外側外面に当接している。よって、これらの架設部材5c,5dの端部領域は、連結具のうちの2つ(
図14及び
図16の連結具10y)の配置部分内に配置される。
【0081】
理解されるように、
図14~
図16では、架設部材5a,5bは、2つの連結具10yの間に「サンドイッチ」式の配置で相互接続されている。
特に
図14を参照すると、
図14に例示したものと同様であるが別の配置において、架設部材5aは、連結具10がそれぞれの両端部領域の中間の位置で固定され、架設部材5aの外側外面が連結具10のうちの2つの配置部分内に配置されるように、配置され得ることが理解されよう。
【0082】
図17~
図19は、5つの架設部材5が8つの連結具10によって相互接続されている、
図1における構造2の領域Eの拡大図である。よって、この配置では、3つの連結具10が各架設部材5に固定される。この相互接続では、架設部材のうちの4つ(これらの図では架設部材5b~5e)が、架設部材5aの外側外面9と当接しているそれらの各端面のうちの1つをそれぞれ有する。よって、これらの架設部材5b~5eの端部領域は、連結具のうちの4つ(
図19の連結具10y)の配置部分内に配置される。
【0083】
図20及び
図21は、
図1における構造2の領域Aの拡大図である。
図1の例示的な構造2は、土台などのような支持構造に取り付けられるように構成されている。モジュール式骨組システムの足部32は、構造2の架設部材5をそのような支持構造に接続するために用いられる。これらの図に示すように、各足部32は、ベースプレート34と、架設部材5のうちの1つの端部部分6と嵌り合うように構成された嵌め合い部分とを有する。
【0084】
この実施形態では、嵌め合い部分は、架設部材のうちの1つの端部部分を受け入れるように形作られたスリーブ構成部36の形にある。そのために、スリーブ構成部36の内寸は、少なくとも架設部材5に対して隙間嵌めを提供する。
【0085】
ベースプレート34は、それぞれの足部32が接続される支持構造に面する第1の面(上記図では見えない)を有する。スリーブ構成部36は、第1の面とは反対面においてベースプレート34に取り付けられている。
図20及び
図21に例示される足部32の向きにおいて、反対面は上面35である。したがって、足部32と嵌め合わせられる架設部材5は、ベースプレート34から第1の面とはほぼ反対の方向に突出する。
【0086】
図20に示すように、スリーブ構成部36は、足部32と嵌め合わせられた架設部材5とを互いに固定するためにシステムの固定具26(
図21に図示)のうちの1つを通過させるための貫通穴38(
図20に図示)を備える。この特定の実施形態では、スリーブ構成部36は8つの貫通穴38を有し、最大8つの固定具26を用いて架設部材5を足部32に固定することができる。
【0087】
足部32はまた、スリーブ構成部36の外側面及びベースプレート34の上面35にそれぞれ取り付けられたガセット40を有する。ガセット40により、増強された取付け及び剛性がスリーブ構成部36にもたらされる。
【0088】
ベースプレート34は、足部32を支持構造に接続する際に用いるための取付け穴42(
図20に図示)を備える。そのため、固定具44(
図21に図示)の軸部は、各取付け穴を通過することができる。用いられる固定具の種類は、支持構造によって決まるであろう。
【0089】
モジュール式骨組システムは、標準化された構成要素(連結具10及び足部32など)を容易に入手可能で非専売の材料で形成された架設部材5及び固定具26と共に用いて、異なる形状及び形態の骨組構造を構築できるという利点を提供する。例として、構造用鋼角管を架設部材に用いるモジュール骨組システムでは、架設部材の長さは、所望の用途に適するように選択することができ、低コストで得ることができる。さらに、連結具10及び固定具26は、架設部材を高レベルの構造的強度及び剛性で相互接続する。所定の限度内において、組み立てられた骨組構造は、地震事象に対して特定のマグニチュードまで耐えられ、且つ/又は火災安全規制に準拠して高温に対する曝露に耐えられるように等級付けされ得る。
【0090】
モジュール式骨組システムの構成要素からの骨組構造体2の組み立ては、
ステップ1-足部32を支持構造に取り付けることによって足部32を所望の場所に設置すること、
ステップ2-架設部材5をステップ1で設置した足部32に固定具26を用いて固定することによって架設部材5を設置すること、
ステップ3-1つ以上の連結具10をステップ2で設置した架設部材5に固定具26を用いて固定すること、及び
ステップ4-
4.1: ステップ1~3を繰り返して、付加的な足部32及び架設部材5を設置することと、
4.2: 反復して、
4.2.1: 以前に設置した連結具10を付加的な架設部材5に固定具26を用いて固定し、
4.2.2: 1つ以上の付加的な連結具10をステップ4.2.2で設置した架設部材5に固定具26を用いて固定することとの一方又は双方
を含むことができる。
【0091】
固定具26がセルフドリリング構成を備えた先端部を有する実施形態では、ステップ2、ステップ3、及びステップ4.2は、それぞれの連結具10の接続部分12における貫通穴24のうちの1つに各固定具26を設置することと、そのような固定具26を駆動して、架設部材5の壁に穴を形成し、次いで架設部材5に係合させることとを含むことができる。
【0092】
固定具26がナット及びボルトの対を含むいくつかの代替実施形態では、ステップ2、ステップ3、及びステップ4.2の各々は、それぞれの架設部材5に穴を形成することをさらに含むことができる。
【0093】
場合によっては、組み立て方法が、固定具を設置する前に、連結具と架設部材との間に恒久的又は一時的な非構造的接続を確立することをさらに含むことが望ましいか、又は必要である場合がある。このような恒久的又は一時的な非構造的接続の例としては、クランプ、治具、急速固定接着材(特に感圧性接着剤、例えば両面テープの形のもの)が挙げられる。
【0094】
図22及び
図23は、
図1に示す構造2とほぼ同様の骨組構造52の一部を示す。組み立てられた構造52は、同一のモジュール式骨組システムの構成要素、具体的には例示されるように、架設部材5、連結具10、及び固定具26を用いて構築されている。骨組構造52は、交差ブレース54をさらに組み込んでいる。交差ブレース54の両端部領域56は、
図23にさらに詳細に示すように、ウェブ部分14における取付け穴28を通じて、一対の連結具10に取り付けられる。
【0095】
連結具10は、
図22に例示するように、交差ブレース54がそれぞれの連結具10からこれらの同一の連結具10に固定される架設部材5に対して斜角で突出することができるように、構成されている。
【0096】
図22及び
図23の例では、交差ブレース54は、ストラットナット60とウェブ部分14の取付け穴28を通って延在する固定具62とによってウェブ部分14に固定される一定長のチャネルストラット58を備える。この固定配置により、連結具10に対するチャネルストラット58の端部領域56の位置を調節することが可能となる。このように、交差ブレース54の有効長は調節可能である。
【0097】
図24及び
図25は別の実施形態の連結具110を示す。連結具110は、
図1の構造2が組み立てられるモジュール式骨組システム内に含めて用いるのに適している。連結具10の部分と同一又は同様である連結具110の部分は、頭に「1」を付けた同一の参考番号を有し、簡潔にするために再度説明されない。
【0098】
連結具110は、3つの接続部分112と、2つのウェブ部分114とを有する。2つのウェブ部分114の各々は、接続部分112の隣り合う対の間に介在する。
図25において、4本の破線Xは、3つの接続部分112と2つのウェブ部分114との境界を示している。
【0099】
連結具110は、
図14~
図19に示すものなどの相互接続において、重なり合った連結具10のうちの2つの代わりとして用いることができる。連結具110が骨組構造に用いられる場合、3つの接続部分112のうちの2つに固定される2つの架設部材5は、連結具110から外側に、ほぼ平行且つ同軸の方向に突出するであろう。連結具110の第3の接続部分112に固定される架設部材5のうちの3つめは、連結具110から外側に、他の2つの架設部材5にほぼ垂直な方向に突出するであろう。3つの接続部分112に固定される3つの架設部材5は、互いにほぼ同一平面上に位置するであろう。
【0100】
連結具110を組み込んでいる組み立てられた骨組構造の別の架設部材5の一部は、第1の主縁部116の配置部分に配置され得る。
図26及び
図27は別の実施形態の連結具210を示す。連結具210は、
図1の構造2が組み立てられるモジュール式骨組システム内に含めて用いるのに適している。連結具10の部分と同一又は同様である連結具210の部分は、頭に「2」を付けた同一の参考番号を有し、簡潔にするために再度説明されない。
【0101】
連結具210は、4つの接続部分212と、4つのウェブ部分214とを有する。4つのウェブ部分214の各々は、接続部分212の隣り合う対の間に介在する。
図27において、8本の破線Xは、4つの接続部分212と4つのウェブ部分214との境界を示している。
【0102】
連結具210は、ほぼ環状の形状を有する。
図26及び
図27に示すように、第1の主縁部216は、そのような環状形状の内側に面する縁部を画定する。
連結具210は、
図17図~
図19に示すものなどの相互接続において、4つの重なり合った連結具10の代わりとして用いることができる。連結具210が骨組構造に用いられる場合、4つの接続部分212の各々に固定される4つの架設部材5は、連結具210から外側に、他の3つの架設部材5のうちの2つにほぼ垂直であり、且つ残りの架設部材5に平行な方向に突出するであろう。3つの接続部分212に固定される4つの架設部材5は、互いにほぼ同一平面上に位置するであろう。
【0103】
連結具210を組み込んでいる組み立てられた骨組構造の別の架設部材5の一部は、第1の主縁部216によって形成される開口部に配置され得る。
図28は、別の実施形態によるモジュール式骨組システムから組み立てられる例示的な構造302を示す。骨組システムは、
図1に関して説明し例示したシステムのものとほぼ同様の架設部材305、足部332、及び固定具を備える。骨組システムは連結具310も備え、そのうちの1つを
図29~
図31に例示する。
【0104】
連結具310は、連結具10のそれと同様の特徴を有し、
図29~
図31では、これらの同様の特徴は、連結具10に関して上記で用いた参照番号を300ずつ増大させた参照番号で示されている。
【0105】
連結具310は、2つの外側接続部分346と、2つの弓形介在ウェブ部分348とを有する。各弓形介在ウェブ部分348は、接続部分312のうちの1つ及び外側接続部分346のうちの1つと連続している。弓形介在ウェブ部分346は、外側接続部分346が接続部分312及びウェブ部分316の平面に対して垂直になるように形作られている。さらに、2つの外側接続部分346は、互いに直交する平面上にある。
【0106】
各外側接続部分346は、連結具310を架設部材305のうちの1つに固定するために固定具のうちの1つを通過させるための貫通穴324を有する。
図28から明らかなように、連結具310は、2つの架設部材305に固定されるように、骨組構造302内に組み付けられることが可能である。これら2つの架設部材のいずれかは、これらの架設部材の長手方向軸線の交点によって規定される概念的節点を通って延在することができる。
【0107】
図32は、別の実施形態によるモジュール式骨組システムから組み立てられる例示的な構造402を示す。骨組システムは、
図1に関して説明し例示したシステムのものとほぼ同様の架設部材405、足部432、及び固定具を備える。骨組システムはまた連結具410も備え、そのうちの1つを
図33に例示する。
【0108】
連結具410は、連結具10のそれと同様の特徴を有し、
図33では、これらの同様の特徴は、連結具10に関して上記で用いた参照番号を400ずつ増大させた参照番号で示されている。
【0109】
連結具410は、4つの接続部分412と、2つのウェブ部分416とを有する。連結具410は、2つの外側接続部分446と、2つの外側弓形介在ウェブ部分448とをさらに有する。各外側弓形介在ウェブ部分448は、接続部分412のうちの1つ及び外側接続部分446のうちの1つと連続している。弓形介在ウェブ部分448は、外側接続部分446が隣り合う接続部分412及びウェブ部分416の平面に対して垂直になるように形作られている。
【0110】
中央弓形介在ウェブ部分449は、接続部分412のうちの2つと連続しており、2つのウェブ部分416が直交平面に位置するように形作られている。中央弓形介在ウェブ部分及び外側弓形介在ウェブ部分448,449のおかげで、2つの外側接続部分446は同一平面上に位置する。
【0111】
図32から明らかなように、連結具410は、3つの架設部材405に固定されるように、骨組構造402内に組み付けられることが可能である。これらの3つの架設部材のうちのいずれか1つは、相互接続された架設部材の長手方向軸線の交点によって規定される概念的節点を通って延在することができる。
【0112】
図35及び
図36は、アングル接続ブラケット501,502を示す。ブラケット501,502は、互いに隣り合ってほぼ90°の内角を有する2つの架設部材の面に固定されるように形作られている。このように、ブラケット501,502は、組み立てられた骨組構造内の架設部材に相互接続するように構成されている。
【0113】
ブラケット502は、交差ブレースが取付け可能な取付台を有する架橋部503をさらに有する。
図37は、連結具10及び架設部材5に固定されるように構成された交差ブレースコネクタ504を示す。そのために、交差ブレースコネクタ504は、交差ブレースコネクタ504を連結具10のウェブ部分14に固定具によって固定するための取付け穴565を備えた第1の端部部分564を有する。交差ブレースコネクタ504はまた、架設部材5を交差ブレースコネクタ504に固定具によって固定する際に用いるための一組の貫通穴566も有する。
【0114】
図42及び
図43は、一対の交差ブレースコネクタ504をそれぞれ備える例示的な構造を示し、交差ブレースコネクタ504には架設部材5が取り付けられて、それぞれの構造に交差ブレースを提供している。交差ブレースコネクタ504の各々は、取付け穴28,565を通過するボルトによって連結具10に固定され、貫通穴566を通って架設部材5内に延びるセルフドリリング固定具によって交差ブレース架設部材5に固定される。
【0115】
図38~
図40は、サドルコネクタ505a,505b,505cを示す。サドルコネクタ505a,505b,505cの各々は、サドルコネクタ505a,505b,505cを架設部材5に固定するためにシステムの固定具26を通過させるための貫通穴548を有するほぼC字形の構成を有する。サドルコネクタ505a,505b,505cの各々におけるC字形の構成は、架設部材5のまわりに周方向に延在するように形作られている。
【0116】
サドルコネクタ505a,505cは、サドルコネクタを架設部材5に固定するためにシステムの固定具26を通過させるための貫通穴548を備えたほぼC字形の構成を同様に有する。サドルコネクタ505cは、ボルト軸部、ねじ棒などのような固定具を通過させるための取付け穴528をそれぞれ有する2つのタブ構成部527を有する。サドルコネクタ505bは、取付け穴528を備えた単一のタブ構成部527を有する。取付け穴548を通って延在する固定具を用いて、サービス構成要素を、
図42~
図45に関してさらに詳細に説明するように、それぞれのサドルコネクタ505a,505b,505cに留めることができる。それぞれのサドルコネクタ505a,505b,505cが組み立てられた骨組構造の架設部材5のうちの1つに固定されると、サービス構成要素は、組み立てられた骨組構造に接続され、骨組構造によって支持される。
【0117】
図41は、貫通穴548を備えたほぼC字形の構成を同様に有するサドルコネクタ505dを示す。ねじ付き軸部568は、サドルコネクタ505dの中心から外側にサドルの凹面とは反対の方向に突出する。サドルコネクタ505dはまた、サドルコネクタ505a,505b,505cを架設部材5に固定するためにシステムの固定具26を通過させるための貫通穴548を有する。
【0118】
図42及び
図43は、前述したように、足部32、架設部材5、及び連結具10を用いて組み立てられる例示的な組み立てられた骨組構造2aを示す。構造2aは、一対の交差ブレースコネクタ504で組み立てられる交差ブレースと架設部材5とを備える。
【0119】
組み立てられた骨組構造2aは、一組のケーブルが置かれるケーブルトレイS1を支持する。そのために、構造2aは、一対の空中ぶらんこ(trapeze)サブアセンブリを有する。各空中ぶらんこサブアセンブリは、セルフドリリングねじを用いて架設部材5のうちの1つに固定される一対のサドルコネクタ505aを有する。一定長のねじ棒570がサドルコネクタ505aの貫通穴548に接続される。一定長のストラットチャネル572は、ストラットナットを用いて、ねじ棒570の下方端部の間に横切る方向に延在して接続を形成する。ケーブルトレイS1は、一定長のストラットチャネル572の上部に支持され、固定具でストラットチャネル572に固定され得る。
【0120】
図44は、前述したように、足部32、架設部材5、及び連結具10を用いて同様に組み立てられる例示的な組み立てられた骨組構造2bを示す。構造2bは、4本のパイプS
2,S
3,S
4,S
5を支持する。例示を目的として、3つの異なる支持方式が示されている。パイプS
2,S
3は、構造2bの架設部材5によって下から支持されており、サドルコネクタ505dをパイプサドル574と共に用いて、ナットがパイプサドル574をねじ山付き軸部568に固定すると、架設部材5に拘束される。
【0121】
パイプS
4は、
図42に示す空中ぶらんこサブアセンブリと同様の形の吊り下げられた空中ぶらんこサブアセンブリの一部である一定長のストラットチャネル572上に支持されている。空中ぶらんこサブアセンブリは、サドルコネクタ505bを用いて、架設部材5に接続される。パイプサドル574は、パイプS
4をストラットチャネル上に拘束する。
【0122】
パイプS
5は、パイプクランプ575及びねじ棒570、並びにサドルコネクタ505bによって構造2bから吊り下げられている。
図45は、前述したように、足部32、架設部材5、及び連結具10を用いて同様に組み立てられる例示的な組み立てられた骨組構造2cを示す。構造2bは、HVACダクトS
6を構造2cの架設部材5によって下から支持する。HVACダクトS
6は、サドルコネクタ505d及びアングル接続ブラケット501を用いて、架設部材5に拘束される。
【0123】
図46及び
図47は別の実施形態の連結具610を示す。連結具610は、
図1の構造2が組み立てられるモジュール式骨組システム内に含めて用いるのに適している。連結具10の部分と同一又は同様である連結具610の部分は、頭に「6」を付けた同一の参考番号を有し、簡潔にするために再度説明されない。
【0124】
連結具610は、2つの接続部分612と、接続部分612の隣り合う対を相互接続するウェブ部分614とを有する。さらに、ウェブ部分614は、接続部分612の隣り合う対を離間している。ウェブ部分614は一対の接続部分612の間に介在する。各接続部分612はウェブ部分614と連続している。
【0125】
続く図面及び説明から明らかなように、連結具610は、モジュール式骨組システム内において2つの架設部材5に固定されるのに適している。
連結具610は、第1の主縁部616と第2の主縁部618とを有する。以下でさらに詳細に論じるように、第1の主縁部616は、架設部材5のうちの1つの断面形状の少なくとも一部を補完するように形作られた配置部分を有する。換言すると、第1の主縁部616の配置部分は、架設部材の長さ方向を横切る方向における外側外面9の断面形状の少なくとも1つのセグメントを補完するように形作られている。第1の主縁部及び第2の主縁部616,618の間には2つの側方副縁部620がそれぞれ延在する。
【0126】
この実施形態の連結具610は板状構成を有する。連結具610の2つの主面622(そのうちの1つを
図46及び47に図示)は、平面状であり、且つ互いに平行である。
連結具610の各接続部分612は、連結具610を架設部材5のそれぞれに固定するために固定具を通過させるための9つの貫通穴を有する。
図46及び
図47の例では、連結具10の2つの接続部分12の各々は、第1の組の貫通穴624aと2組の貫通穴624bとを有する。この例では、第1の組には3つの貫通穴624aが存在する。さらに、2組の各々にも3つの貫通穴624bが存在する。図に示すように、貫通穴624aの直径は、貫通穴624bの直径よりわずかに大きい。
【0127】
この特定の例では、貫通穴624aは、連結具610及び同様に架設部材5を通過するボルトと共に用いることが意図される。貫通穴624aは、連結具610及び架設部材5の壁を通過するセルフドリリングねじと共に用いることが意図される。他のいくつかの実施形態では、貫通穴の組における穴の数は、
図46及び
図47に示すものと異なっていてもよいことが理解されよう。
【0128】
上述したモジュール式骨組システムより、様々なサービスについて支持方式及び/又は構成要素を交換するために大きな柔軟性がもたらされることが理解されよう。任意の特定の場合に用いられる支持方式/構成要素は、いくつかの要因によって決まるであろう。これらの要因には、規制上の考慮事項、サービスへのアクセス(設置の前、最中、及び後)及び/又はその他が含まれ得る。
【0129】
本明細書、及び続く特許請求の範囲の全体にわたって、文脈上別段の解釈が必要でない限り、「備える(comprise)」という語句、並びに「備える(comprises)」及び「備えている(comprising)」などの変化形は、記載される整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を包含することを示唆するが、任意の他の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を除外することは示唆しないものと理解されよう。
【0130】
本明細書における任意の以前の刊行物(若しくはそれから得られる情報)又は任意の既知事項への言及は、そのような以前の刊行物(若しくはそれから得られる情報)又は既知事項が、本明細書が関連する努力分野での共通の一般知識の一部をなすものと承認又は容認又はいかなる形で示唆するものではなく、そのように解釈されるべきではない。
【国際調査報告】