(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】パネルのための機械式接続装置
(51)【国際特許分類】
F16B 12/12 20060101AFI20240214BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
F16B12/12 B
A47B96/20 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552132
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2022053886
(87)【国際公開番号】W WO2022184446
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ヨーアン、スベンソン
(72)【発明者】
【氏名】ペーター、デレレブ
【テーマコード(参考)】
3J024
【Fターム(参考)】
3J024AA12
3J024BA02
3J024BA03
3J024CA14
(57)【要約】
パネル(1、2)のための機械式接続装置は、第1のパネル(1)と、第2のパネル(2)と、第1のパネル(1)を第2のパネル(2)にロックするための機械式ロックデバイスと、を含む。第1のパネル(1)の表面および第2のパネル(2)の表面は、第1および第2のパネル(1、2)のロック位置において、平行であり、また接触状態にある。機械式ロックデバイスは、第1のパネル(1)の上記表面に少なくとも1つの棒状要素(3)、および第2のパネル(2)の上記表面に少なくとも1つの対応する挿入凹部(4)を含む。棒状要素(3)は、挿入凹部(4)内に挿入されるように構成される。棒状要素(3)の外側面は、第1のパネル(1)の表面から第1の角度(α)で延び、挿入凹部(4)の外側は、第2のパネル(2)の表面から第2の角度(β)で第2のパネル(2)内へ延びる。第1の角度(α)と第2の角度(β)との間の差は、第1および第2のパネル(1、2)のアンロック位置において、0.5°~6°、2°~4°、または約3°である。棒状要素(3)および挿入凹部(4)は、第1の角度(α)と第2の角度(β)との間の差が、アンロック位置にあるときと比較して、ロック位置においてより小さくなるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパネル(1)と、
第2のパネル(2)と、
前記第1のパネル(1)を前記第2のパネル(2)にロックするための機械式ロックデバイスと、を含み、
前記第1のパネル(1)の表面(21)および前記第2のパネル(2)の表面(22)は、前記第1および第2のパネル(1、2)のロック位置において、平行であり、また接触状態にあり、
前記機械式ロックデバイスは、前記第1のパネル(1)の前記表面に少なくとも1つの棒状要素(3)、および前記第2のパネル(2)の前記表面に少なくとも1つの対応する挿入凹部(4)を含み、
前記棒状要素(3)は、前記挿入凹部(4)に挿入されるように構成され、
前記棒状要素(3)の外側面は、前記第1のパネル(1)の前記表面(21)から第1の角度(α)で延び、
前記挿入凹部(4)の外側面は、前記第2のパネル(2)の前記表面(22)から第2の角度(β)で前記第2のパネル(2)内へ延びる、パネル(1、2)のための機械式接続装置であって、
前記第1の角度(α)と前記第2の角度(β)との間の差は、前記第1および第2のパネル(1、2)のアンロック位置において約0.5°~約6°の範囲内であり、
前記棒状要素(3)および前記挿入凹部(4)は、前記第1の角度(α)と前記第2の角度(β)との間の差がアンロック位置にあるときと比較してロック位置においてより小さくなるように、構成されることを特徴とする、機械式接続装置。
【請求項2】
前記アンロック位置において、前記第1の角度(α)と前記第2の角度(β)との間の前記差は、前記第1および第2のパネル(1、2)が、約2°~約4°の範囲内、または約3°である、請求項1に記載の機械式接続装置。
【請求項3】
前記棒状要素(3)は、少なくとも前記第2のパネル(2)の芯(5)よりも硬い材料で作製される、請求項1または2に記載の機械式接続装置。
【請求項4】
前記第2のパネル(2)は、前記表面に隣接し前記パネルの前記芯(5)における材料よりも硬い、外層(6)を有する、請求項1~3のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項5】
前記棒状要素(3)は、木質系材料、高分子、および金属のうちの1つまたはこれらの組み合わせから作製される、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
少なくとも前記第2のパネル(2)の前記芯(5)は、充填材有りまたは無しの木質系またはプラスチックである、請求項1~5のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項7】
前記棒状要素(3)は、円筒形状であり、前記挿入凹部(4)は、円形断面を有し、前記棒状要素(3)の直径は、前記挿入凹部(4)の直径の約90%~98%、より好ましくは、前記挿入凹部(4)の直径の92%~97%、および最も好ましくは、前記挿入凹部(4)の直径の94%~96%である、請求項1~6のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項8】
前記第1および第2の角度(α、β)の両方が、約30°~約60°の範囲内、または約40°~約50°の範囲内である、請求項1~7のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項9】
前記第2のパネル(2)の厚さは、円筒状の棒状要素(3)の直径よりも大きく、前記円筒状の棒状要素(3)の直径の3倍よりも小さい、請求項1~8のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項10】
前記第1の角度(α)は、前記第2の角度(β)よりも小さい、請求項1~9のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項11】
前記挿入凹部(4)は、上側(14)および反対の下側(16)を含み、
前記上側(14)における前記棒状要素(3)と前記挿入凹部(4)との間の接触の長さは、円筒状の棒状要素(3)の半径よりも長く、前記棒状要素(3)の直径の2倍よりも短い、請求項1~10のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項12】
前記挿入凹部(4)は、カウンターシンク(8)を有する、請求項1~11のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項13】
前記挿入凹部(4)は、上側(14)および反対の下側(16)を含み、
前記下側(16)は、前記カウンターシンク(8)を含む、請求項12に記載の機械式接続装置。
【請求項14】
前記第1のパネル(1)は、前記第1の棒状要素(3)と同じ角度で延びる第2の棒状要素(9)をさらに含み、前記第2の棒状要素(9)は、前記第1の棒状要素(3)よりも短い、請求項1~13のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項15】
前記第1のパネル(1)は、第2の棒状要素(9)をさらに含み、
前記ロック位置において、前記第1の棒状要素(3)は、前記第2の棒状要素(9’)が前記第2の挿入凹部(4’)内へ延びるよりも深く前記挿入凹部(4)内へ延びる、請求項1~14のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項16】
前記ロック位置において、前記第1の角度(α’)と前記第2の角度(β’)との間の差は、約0°~約3°の範囲内、約2°~約4°の範囲内、または約3°である、請求項1~15のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項17】
ロック装置(10、11)をさらに含む、請求項1~16のいずれかに記載の機械式接続装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれかに記載の装置を用いて2つのパネル(1、2)を互いと接続するための方法であって、
棒状要素(3)の先端が第2のパネルの挿入凹部(4)の開口部(7)に配置されるように、および前記棒状要素(3)の軸が、前記挿入凹部(4)の軸と整列されるように、前記棒状要素(3)を有する前記パネル(1)を置くステップと、
前記棒状要素(3)を前記挿入凹部(4)内へ挿入することによって前記パネル(1、2)を1つにまとめるステップと、
前記棒状要素(3)が前記挿入凹部(4)の内側を部分的に圧迫して塑性および/もしくは弾性変形に至らせること、ならびに/または前記棒状要素(3)の側面を部分的に圧迫して前記挿入凹部の内側で塑性および/もしくは弾性変形に至らせること、ならびに/または前記前記棒状要素(3)を塑性的および/もしくは弾性的に曲げることによって、前記第1のパネル(1)の表面および前記第2のパネル(2)の表面が、互いと完全に接触してロック位置に入るように、前記パネル(1、2)を一緒に押圧するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルのための機械式接続装置、および該機械式接続装置を使用してパネルを接続するための方法に関する。本装置は、第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルを第2のパネルにロックするための機械式ロックデバイスと、を含む。第1のパネルの表面および第2のパネルの表面は、第1および第2のパネルのロック位置において、平行であり、また接触状態にある。機械式ロックデバイスは、第1のパネルの上記表面に少なくとも1つの棒状要素、および第2のパネルの上記表面に少なくとも1つの対応する挿入凹部を含む。棒状要素は、挿入凹部内に挿入されるように構成される。棒状要素は、第1のパネルの表面から第1の角度で延びる。挿入凹部は、第2のパネルの表面から第2の角度で第2のパネル内へ延びる。
【背景技術】
【0002】
2つ以上の物体を1つに、例えば家具へと組み立てることは、ドリル、スクリュードライバ、ハンマー、およびレンチなどの器具を歴史的に必要としてきた。
【0003】
クリックフロアをはじめとして、器具を必要としない組み立てがさらに開発されており、家庭における多かれ少なかれすべてのタイプの家具が、器具なしで、または少なくとも最低限の器具で組み立てられ得る。
【0004】
国際公開第2020/046193号は、第1のパネル、第2のパネル、および第1のパネルを第2のパネルにロックするための機械式ロックデバイスを含むセットを開示する。第1のパネルは、第1のエッジ面を含み、第2のパネルは、第2のパネル面を含む。機械式ロックデバイスは、第1のエッジ面から第1の角度で延びる少なくとも1つの棒状要素を含む。挿入溝が、第2のパネル面から第2の角度で第2のパネル内へ延びる。機械式ロックデバイスは、少なくとも1つのロック溝および少なくとも1つのロック部をさらに含む。ロック溝は、第1のエッジ面からまたは第2のパネル面から第3の角度で延びる少なくとも1つのロック面を含む。ロック部は、ロック溝内へ挿入され、ロック面に対してロックするように構成される。第3の角度は、第1の角度とは異なる。
【0005】
国際公開第2020/046194号は、第1のパネル、第2のパネル、および第1のパネルを第2のパネルにロックするための機械式ロックデバイスを含むセットを開示する。第1のパネルは、第1のエッジ面を含み、第2のパネルは、第2のパネル面を含む。機械式ロックデバイスは、第1のエッジ面に少なくとも1つの棒状要素、および第2のパネル面に少なくとも1つの挿入溝を含む。棒状要素は、挿入溝内に挿入されるように構成される。上記セットはまた、第1および第2のパネル溝のうちの少なくとも一方に挿入され、これと協働するように構成されるバックパネル、ならびに、第2のパネルへの第1のパネルのロックのための、バックパネルならびに第1および/または第2のパネル溝と協働するように構成される少なくとも1つのロックギアを含んでいる。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本開示の実施形態は、好ましくは、添付の特許クレームに従って機械式接続装置およびそのような機械式接続装置を用いてパネルに接続する方法を提供することによって、最低限の器具を必要とする、および2つのパネルの間の締まりばめを有することを促進する、代替の取り付けソリューションをさらに提供することを求める。
【0007】
本開示の1つの態様によると、パネルのための機械式接続装置は、第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルを第2のパネルにロックするための機械式ロックデバイスと、を含む。第1のパネルの表面および第2のパネルの表面は、第1および第2のパネルのロック位置において、平行であり、また接触状態にある。機械式ロックデバイスは、第1のパネルの上記表面に少なくとも1つの棒状要素、および第2のパネルの上記表面に少なくとも1つの対応する挿入凹部を含む。棒状要素は、挿入凹部内に挿入されるように構成される。棒状要素の外側は、第1のパネルの表面から第1の角度で延び、挿入凹部の外側は、第2のパネルの表面から第2の角度で第2のパネル内へ延びる。第1の角度と第2の角度との間の差は、第1および第2のパネルのアンロック位置において約0.5°~約6°の範囲内であり、棒状要素および挿入凹部は、第1の角度と第2の角度との間の差が、非ロック位置にあるときと比較してロック位置においてより小さくなるように配置される。
【0008】
本開示の文脈において、パネルは、表面の一部または完全な表面を形成するために作製される構成材料の平坦な部品である。一般的には、家具のために使用されるパネルは、それらが2つの対向する平坦な表面側および2つ一組で平行である4つのエッジ面を有するように、矩形である。しかしながら、例えば、三角形パネルなど、他の形状を有するパネルは除外されない。また、2つのパネルが留め継ぎを形成することができるように、通常各々45°の少なくとも1つの面取りされたエッジを有するパネルもまた、本開示の文脈において検討される。
【0009】
また、棒状要素は、長さ全体にわたって等しく大きい断面積を有し得、挿入凹部は対応する形状を有する。更なる考えられる実施形態において、棒状要素は、円錐台の形状を有し得、挿入凹部は、棒状要素および挿入凹部の外側の角度の不整合を可能にする形状を有し得る。故に、本概念は、例えば、円筒状の棒状要素および内向きに狭小断面を有する挿入凹部により達成され得る。
【0010】
孔を掘削/作成するときの角度に対する許容度は、一般的には、現代の生産設備においては0.5°をはるかに下回る。本ソリューションに伴う提案のうちの1つは、2つのパネルが棒状要素および挿入凹部を使用して接続されることになるとき、一方のパネルにおける挿入凹部の角度と他方のパネルから突出する棒状要素の角度の不整合を意図的に提供することである。理解を促進するため、挿入凹部は、円筒孔であり得、これは、孔の開口部が存在する表面に対して指定の角度を有する軸を伴う。棒状要素は、円筒形状であり得、すなわち、円筒断面、およびまた、棒状要素が突出している表面に対して別の角度にある軸を有する。通常、棒状要素を有するパネルは、パネル内に掘削された、または何らかの他のやり方で作製された孔の中へ棒状要素を挿入することによって作製される。
【0011】
挿入凹部および棒状要素の意図的な不整合は、第1のパネルの表面および第2のパネルの表面が互いと完全に接触するようにパネルを一緒に押圧することが、棒状要素が挿入凹部の内側を部分的に圧迫して塑性および/もしくは弾性変形に至らせること、ならびに/または棒状要素の側面を部分的に圧迫して挿入凹部の内側で塑性および/もしくは弾性変形に至らせること、ならびに/または棒状要素を塑性的および/もしくは弾性的に曲げることを結果的にもたらすため、2つのパネルの間に締まりばめを提供する。挿入凹部および/または棒状要素のいずれかの変形/圧迫は、挿入凹部および棒状要素が典型的なプラグおよびソケット接続のために通常整列される場合よりも、2つのパネルの間により強力な接続を提供する。これは、棒状要素および挿入凹部が、第1の角度と第2の角度との間の差が、非ロック位置にあるときと比較して、パネルのロック位置においてより小さくなるように配置されるためである。
【0012】
本開示の一態様によると、アンロック位置における第1の角度と第2の角度との間の差は、約0.5°~約6°の範囲内、約2°~約4°の範囲内、または約3°である。家具のために使用されるパネルに関する用途では、この角度範囲が有利であり得る。
【0013】
本開示の別の態様によると、棒状要素は、少なくとも第2のパネルの芯よりも硬い材料で作製される。故に、第2のパネルの内側は、棒状要素と比較して、いくらかより大きい圧迫/変形に供される。
【0014】
本開示の代替の態様によると、第2のパネルは、上記表面に隣接しパネルの芯における材料よりも硬い外層を有する。挿入凹部開口部は、圧迫/変形によって影響を及ぼされる可能性が低く、このことは、2つのパネルの互いに対する位置付けに有利である。むしろ、パネルの内側は、挿入凹部の開口部が圧迫/変形される前に圧迫/変形される。
【0015】
本開示のさらに別の態様によると、棒状要素は、木質系材料、高分子、および金属のうちの1つまたはこれらの組み合わせから作製される。
【0016】
さらに材料について、本開示の1つの態様によると、少なくとも第2のパネルの芯は、充填材有りまたは無しの木質系またはプラスチックである。
【0017】
本開示の更なる態様によると、棒状要素は、円筒形状であり、挿入凹部は、円形断面を有する。棒状要素の直径は、挿入凹部の直径の約90%~98%、より好ましくは、挿入凹部の直径の92%~97%、および最も好ましくは、挿入凹部の直径の94%~96%である。
【0018】
依然として更なる態様によると、第1の角度および第2の角度の両方が、30°~60°、およびより好ましくは40°~50°の範囲内である。従来、家具を組み立てるとき、棒状要素および対応する挿入凹部は、垂直整列、すなわち、90°の角度にされる。しかしながら、不整合戦略では、垂直整列を有することから逸脱することが有利であることが示されている。また、2つのパネルが各々、面取りされたエッジを45°で有し、この面取りされたエッジが留め継ぎを作るために接続されることになる場合、角度もまた、好ましくは、従来の垂直整列から、すなわち、パネルの接触面に対して、逸脱している。
【0019】
本開示のさらに別の態様によると、第2のパネルの厚さは、円筒状の棒状要素の直径よりも大きく、円筒状の棒状要素の直径の3倍よりも小さい。
【0020】
本開示の一態様によると、第1の角度は、第2の角度よりも小さい。これは、2つのパネルの組み立てをわずかに促進する。しかしながら、ロック原理は、逆の状況、すなわち、第1の角度が第2の角度よりも大きい場合にも依然として機能する。
【0021】
本開示の別の態様によると、挿入凹部を有するパネル側に最も近い側面における棒状要素と挿入凹部との間の接触の長さは、円筒状の棒状要素の半径よりも長く、棒状要素の直径の2倍よりも短い。接触長さが短すぎる場合、最低限のロック原理が存在する。接触長さが長すぎる場合、それは、棒状要素および/または挿入凹部に対する張力または負荷が強度よりも高く、締まりばめおよびロックの代わりに、棒状要素、および/または挿入凹部を有するパネルが破損し得るという結果をもたらし得る。また、長すぎる接触長さは、2つのパネルが互いと接触状態になることができないということを引き起こし得る。
【0022】
挿入凹部は、本開示の更なる態様によると、カウンターシンクを有する。これは、挿入凹部を有するパネルがパネルの芯と比較してより硬い外層を有する場合に特に有利である。より硬い外層の厚さに対応するカウンターシンクを作製することは、棒状要素が第2のパネルの表面に影響を及ぼすことを防ぎ得る。また、より硬い表面は、棒状要素に影響を及ぼさない。パネルおよび棒状要素における材料の組み合わせによっては、棒状要素が挿入凹部のエッジを押圧し、これにより、カウンターシンクが存在しない場合には挿入凹部の周りの表面を変形させるということがあり得る。
【0023】
本開示の更なる態様によると、第1のパネルは、第1の棒状要素と同じ角度で延びる第2の棒状要素をさらに含み、第2の棒状要素は、上記第1の棒状要素よりも短い。故に、第2の棒状要素は、第2のパネルのその挿入凹部の中へ上記第1の棒状要素ほど遠くへは延びない。これは、2つのパネルのより容易な組み立て/接続を可能にする。例えば、1つの接続に3つ以上の棒状要素が存在する場合、1つおきの棒状要素がより短くなり得る。
【0024】
2つのパネルの接続をさらに確実にするため、本開示の更なる態様によると、本接続装置は、ロック装置をさらに含む。ロック装置は、棒状要素および挿入凹部が離れない、故に、2つのパネルが離れないように配置される。例えば、棒状要素とは異なる角度で延びるばね負荷要素が、2つのパネルが互いに対して最終/所望の位置にあるときに挿入凹部内へはまるように配置され得る。更なる代替案は、挿入凹部から外へ出る軸方向における棒状要素の動きが防がれるように、単純なネジまたはクギであり得る。
【0025】
本開示の更なる態様によると、先に開示されたような装置を用いて2つのパネルを互いに接続するための方法が提供される。本方法は、棒状要素の先端が第2のパネルの挿入凹部の開口部に配置されるように、および棒状要素の軸が、挿入凹部の軸と整列状態にあるように、棒状要素を有するパネルを置くステップを含む。
【0026】
また、棒状要素を挿入凹部内へ挿入することによってパネルを1つにまとめるステップ、棒状要素が挿入凹部の内側を部分的に圧迫して塑性および/もしくは弾性変形に至らせること、ならびに/または棒状要素の側面を部分的に圧迫して挿入凹部の内側で塑性および/もしくは弾性変形に至らせること、ならびに/または棒状要素を塑性的および/もしくは弾性的に曲げることによって、第1のパネルの表面および第2のパネルの表面が、互いと完全に接触してロック位置に入るように、パネルを一緒に押圧するステップ。
【0027】
用語「含む(comprise)/含むこと(comprising)」は、本明細書内で使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を指定すると取られるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはそれらの群の存在または追加を排除しないということを強調されたい。
【0028】
本発明の更なる特徴、および本発明に伴う利点は、添付のクレームおよび以下の説明を探求するときに明らかになるものとする。当業者は、本発明の異なる特徴が、本発明の範囲から逸脱することなく、以下に説明されるもの以外の実施形態を作成するために組合され得ることを認識するものとする。
【0029】
本発明の実施形態により可能であるこれらおよび他の態様、特徴、および利点は、本発明の実施形態の以下の説明から明らかであり、また解明され、添付の図面に対して参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】本開示による更なる実施形態の部分側面図である。
【
図3】
図2に示される実施形態の部分斜視図である。
【
図5】本開示による代替の挿入凹部の斜視図である。
【
図6】本開示による接続装置の代替の実施形態の側面図である。
【
図7】本開示の接続装置を用いて互いに装着される2つのパネルの斜視図である。
【
図9】パネル内に作製されているカウンターシンクの側面図である。
【
図10】ドリルが除去された後の
図9内のパネルの側面図である。
【
図11】2つのパネルの接続前の挿入凹部および棒状要素を示す部分側面図である。
【
図12】第1の接触ステージにおける挿入凹部内の棒状要素を示す部分側面図である。
【
図13】第1の接触ステージにおける挿入凹部の別の実施形態における棒状要素を示す部分側面図である。
【
図14】挿入凹部に完全に挿入された棒状要素を示す部分側面図である。
【
図15】第1の接触ステージにおける2つのパネルの側面図である。
【
図16】第1の接触ステージにおける2つのパネルの別の実施形態の側面図である。
【
図17】ロックステージにおける2つのパネルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の特定の実施形態が、これより添付の図面を参照して説明される。しかしながら、本発明は、異なる形態で具現化され得、本明細書に明記される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、徹底的および完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるものであるように提供される。添付の図面に例証される実施形態の詳細な説明に使用される用語は、本発明の限定であることは意図されない。図面において、および説明において、同じ番号は同じ要素を指す。
【0032】
図1は、第1のパネル1と、第2のパネル2と、第1のパネル1を第2のパネル2にロックするための機械式ロックデバイスと、を含む、パネル1、2のための機械式接続装置を示す。第1のパネル1の表面21および第2のパネル2の表面22は、第1および第2のパネル1、2のロック位置において、平行であり、また接触状態にある。機械式ロックデバイスは、第1のパネル1の上記表面において棒状要素3、および第2のパネル2の上記表面において1つの対応する挿入凹部4を含む。棒状要素3は、挿入凹部4内に挿入される。棒状要素3は、第1のパネル1の表面21から第1の角度α’で延び、挿入凹部4は、第2のパネル2の表面から第2の角度β’で第2のパネル2内へ延びる。
【0033】
図1は、ロック位置にある第1のパネル1および第2のパネル2を示す。ロック位置における第1の角度α’と第2の角度β’との間の差は、約0~約3°の範囲内、およびより好ましくは、約1°~約2°の範囲内である。示される実施形態において、第1の角度α’は、第2の角度β’よりも小さい。
【0034】
第1のパネル1および/または第2のパネル2は、MDF、HDF、OSB、WPC、合板、またはパーティークルボードを含むなど、木質系パネルであり得る。
【0035】
第1のパネル1および/または第2のパネル2は、熱硬化性プラスチックまたは熱可塑性、例えば、ビニル、PVC、PU、またはPETなど、プラスチック材料を含み得る。プラスチック材料は、充填材を含み得る。
【0036】
第1のパネル1および/または第2のパネル2はまた、中実の木板を含み得る。
【0037】
第1のパネル1および/または第2のパネル2は、1つまたは複数の表面に、ホイルまたはベニアなどの装飾層を含み得る。
【0038】
図7を見ると、第1のパネル1の厚さ31、および/または第2のパネル2の厚さ32は、約8mm~約30mmの範囲内、または約12mm~約25mmの範囲内、または約20mmである。
【0039】
図1にも例証されるように、第2のパネル2は、パネルの芯5における材料よりも硬い、上記表面に隣接する外層6を有する。例えば、第2のパネル2は、木質系材料のものであり得、これは、表面に最も近い外層6がより高い密度を有し、故により硬くなるように、パネル2の上面および下面において圧迫される。外層6の厚さは、0.5~4mm、例えば1~3mm、例えば1.5~2.5mmであり得る。
【0040】
さらに、示される実施形態において、棒状要素3は、第2のパネル2の芯5よりも硬い材料で作製される。硬度は、ASTM E10-18に従うブリネル試験によって、または木質系材料の場合はASTM D143-21に従うジャンカ硬度試験によって測定され得る。この実施形態において、相対硬度は、棒状要素3が影響を受けていないこと、すなわち、それが依然として均一の直径を有し得ることによって示され得る。また、表面に最も近い側の挿入凹部4において、棒状要素3は、挿入凹部側が圧迫されるように、パネルの芯内へ押し込まれている。これは、不整合、または角度α、βに差があることの効果である。
【0041】
挿入凹部4は、上側14および反対の下側16を含む。
【0042】
示される実施形態において、棒状要素3は、円筒形状であり、挿入凹部4は、円形断面を有する。棒状要素3の直径は、挿入凹部4の直径の約90%~98%、より好ましくは、挿入凹部4の直径の92%~97%、および最も好ましくは、挿入凹部4の直径の94%~96%である。好ましい直径の例は、8mmの直径を有する棒状要素3および8.4mmの直径を有する挿入凹部4を有することである。
【0043】
第2のパネル2が木質系材料で作製される場合、棒状要素3も木質系材料で作製されることが好ましい。しかしながら、任意の組み合わせが機能し得、例えば、パネルが充填材有りまたは無しの木質系またはプラスチックである場合、棒状要素は、木質系材料、高分子、および金属のうちの1つ、またはこれらの組み合わせから作製され得る。例示的な充填材は、白亜、ガラス繊維、または炭素繊維のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0044】
一実施形態において、第1および第2の角度α、βの両方が、示される実施形態のように、30°~60°の範囲内、およびより好ましくは40°~50°、または約45°である。
【0045】
一実施形態において、第2のパネル2の厚さは、棒状要素3の直径よりも大きく、棒状要素3の直径の3倍よりも小さい。また、一実施形態において、上側14における棒状要素3と挿入凹部4との間の接触の長さは、棒状要素3の半径よりも長く、棒状要素3の直径の2倍よりも短い。
【0046】
故に、組み立てられるとき、棒状要素3を有するパネル1は、棒状要素3の先端が第2のパネルの挿入凹部4の開口部に配置されるように、および棒状要素3の軸が挿入凹部4の軸と整列されるように、置かれる。次に、パネル1、2は、棒状要素3を挿入凹部4内へ挿入することによって、1つにまとめられる。最後に、パネル1、2は、棒状要素3が挿入凹部4の内側を部分的に圧迫することによって、第1のパネル1の表面および第2のパネル2の表面が互いと完全に接触してロック位置に入るように、一緒に押圧される。圧迫は、塑性および/もしくは弾性変形、ならびに/または棒状要素3の側面を部分的に、挿入凹部の内側で塑性および/もしくは弾性変形させる、ならびに/または棒状要素3を塑性的および/もしくは弾性的に曲げることを結果としてもたらす。示される例においては、挿入凹部4の内側のみが、圧迫によって塑性的および/または弾性的に変形される。また、示される実施形態において、パネル2の外層6がパネル2の芯5よりも硬いため、挿入凹部4の開口部は、棒状要素のための枢動点として機能し、すなわち、パネル1、2が一緒に押圧されて互いと完全に接触するとき、芯5のみ、または少なくとも主に芯5のみが、棒状要素3の軸と挿入凹部4の軸との間の不整合によって影響を受ける。
【0047】
図1において、棒状要素3を有するパネル1は、パネル1の接触面がエッジ表面であり、パネル2の接触面がフェース表面であるという意味で、直方体と見なされ得る。
【0048】
図2~
図4へ移ると、
図1に示される接触面に対する代替案が示される。各パネル1、2の1つのエッジは、面取りを有し、これらの面取りされたエッジは、留め継ぎ(マイター・ジョイント)を形成するために互いと接触状態にある。図は、第1のパネル1と、第2のパネル2と、第1のパネル1を第2のパネル2にロックするための機械式ロックデバイスと、を含む、パネル1、2のための機械式接続装置を示す。第1のパネル1の表面および第2のパネル2の表面は、第1および第2のパネル1、2のロック位置において、平行であり、また接触状態にある。機械式ロックデバイスは、第1のパネル1の上記表面において棒状要素3、および第2のパネル2の上記表面において1つの対応する挿入凹部4を含む。棒状要素3は、挿入凹部4内に挿入される。棒状要素3は、第1のパネル1の表面から第1の角度で延び、挿入凹部4は、第2のパネル2の表面から第2の角度で第2のパネル2内へ延びる。
【0049】
ロック位置において、第1の角度α’と第2の角度β’との間の差は、約0~約3°の範囲内、およびより好ましくは、約1°~約2°の範囲内であり得る。示される実施形態において、第1の角度α’は、第2の角度β’よりも小さい
【0050】
図2~
図4の示される実施形態において、棒状要素3は、円筒形状であり、挿入凹部4は、円形断面を有する。棒状要素3の直径は、挿入凹部4の直径の約90%~98%、より好ましくは、凹部4の直径の92%~97%、および最も好ましくは、挿入凹部4の直径の94%~96%である。好ましい直径の例は、8mmの直径を有する棒状要素3および8.4mmの直径を有する挿入凹部4を有することである。
【0051】
第2のパネル2が木質系材料で作製される場合、棒状要素3も木質系材料で作製されることが好ましい。しかしながら、任意の組み合わせが機能し得、例えば、パネルが充填材有りまたは無しの木質系またはプラスチックである場合、棒状要素は、木質系材料、高分子、および金属のうちの1つ、またはこれらの組み合わせから作製され得る。
【0052】
一実施形態において、第1および第2の角度の両方が、30°~60°の範囲内、およびより好ましくは、40°~50°の範囲内である。
【0053】
一実施形態において、第2のパネル2の厚さは、棒状要素3の直径よりも大きく、棒状要素3の直径の3倍よりも小さい。また、一実施形態において、上側14における棒状要素3と挿入凹部4との間の接触の長さは、棒状要素3の半径よりも長く、棒状要素3の直径の2倍よりも短い。
【0054】
故に、組み立てられるとき、棒状要素3を有するパネル1は、棒状要素3の先端が第2のパネルの挿入凹部4の開口部7に配置されるように、および棒状要素3の軸が挿入凹部4の軸と整列されるように、置かれる。次に、パネル1、2は、棒状要素3を挿入凹部4内へ挿入することによって、1つにまとめられる。最後に、パネル1、2は、棒状要素3が挿入凹部4の内側を部分的に圧迫することによって、第1のパネル1の表面および第2のパネル2の表面が互いと完全に接触してロック位置に入るように、一緒に押圧される。圧迫は、塑性および/もしくは弾性変形、ならびに/または棒状要素3の側面を部分的に、挿入凹部の内側で塑性および/もしくは弾性変形させる、ならびに/または、棒状要素3を塑性的および/もしくは弾性的に曲げることを結果としてもたらす。示される例においては、挿入凹部4の内側のみが、圧迫によって塑性的および/または弾性的に変形される。
【0055】
2つのパネル1、2の間でのより安定した接続を有するため、少なくとも2つの機械式ロックデバイスが、接触面に沿って配置され、および好ましくは均等に分布されるべきである。
図4では、3つのロックデバイスが示される。
【0056】
一般的には、棒状要素3は、組み立て前ステップにおいて、第1のパネル1内ではるかにより狭い挿入凹部内へ押し入れられる/押圧される。一般的には、棒状要素3が、第2のパネル2の挿入凹部4内へ延びる棒状要素3の長さと比較して、上記パネル内へより長く延びることが好ましい。言い換えると、2つのパネル1、2の組み立てられた状態において挿入凹部4に埋め込まれる棒状要素3の部分は、長さに関して、第1のパネル1に埋め込まれる部分よりも小さい。
【0057】
図5では、挿入凹部4は、カウンターシンク8を伴って示される。挿入凹部4は、上側14および反対の下側16を含む。挿入凹部4は、挿入凹部4の円周の、90~180°など、45~270°に沿ってなど、下側16においてカウンターシンク8を含む。これは、
図6に示されるような挿入凹部4を有するパネル2がパネル2の芯5と比較してより硬い外層6を有する場合に、特に有利である。より硬い外層6の厚さに対応してカウンターシンク8を作製することは、棒状要素3、9が第2のパネル2の表面に影響を及ぼすことを防ぎ得る。また、より硬い外層は、棒状要素3、9に影響を及ぼさないことがあり得る。パネル2および棒状要素3、9における材料の組み合わせによっては、棒状要素3、9が挿入凹部のエッジを押圧し、これにより、カウンターシンク8が存在しない場合には挿入凹部4の周りの表面を変形させるということがあり得る。
【0058】
また、
図6では、第1のパネルは、第1の棒状要素3と同じ角度で延びる別の棒状要素9をさらに含む。一実施形態において、第2の棒状要素9は、第2のパネル2のその挿入凹部4の中へ上記第1の棒状要素3ほど遠くへは延びない。
【0059】
図6に示されるように、第2の棒状要素9は、第1の棒状要素3よりも短く、また、第2の棒状要素9が第2のパネル2のその挿入凹部4の中へ第1の棒状要素3ほど遠くへ延びないように配置される。別の実施形態において、第2の棒状要素9は、第2の棒状要素9が第2のパネル2のその挿入凹部4の中へ第1の棒状要素3ほど遠くへは延びないように、第1のパネル1により深く埋め込まれる。第2のパネル2のその挿入凹部4の中へ第1の棒状要素3ほど遠くへは延びない第2の棒状要素9を有することは、2つのパネルのより容易な組み立て/接続を可能にする。
【0060】
2つのパネルを組み立てる/接続するとき、第1の棒状要素3が、まず、その挿入凹部内へ挿入され、接続が完了に近づいているときにのみ、第2の棒状要素9は、その挿入凹部4に入り、第2のパネル2の方への第1のパネルの最終押圧は、2つの棒状要素が等しく長い場合と比較して、より小さい力を使用して行われ得る。好ましくは、棒状要素のより長いものは、接続されている2つのパネルの隅の最も近くに位置付けられるように配置される。例えば、
図7では、棒状要素のうちの1つがより長いものである場合、それは、図内の右端のものであるべきである。より長い棒状要素では、棒状要素と挿入凹部との間の接触面がより大きいため、2つのパネルの間により強力な接続が形成され、また、不整合に起因して、より大きい圧迫の結果としてより高い摩擦を提供する。
【0061】
2つのパネル1、2の接続をさらに確実にするために、接続装置は、ロック装置10、11をさらに含み得る。ロック装置は、棒状要素3、9および挿入凹部4が離れない、故に、2つのパネル1、2が離れないように配置される。
図7および
図8においては、どのようにして、ばね負荷要素10が、棒状要素3、9とは異なる角度で延び、2つのパネル1、2が互いに対して最終/所望の位置にあるときに凹部11内へはまるように配置されるかが示される。
【0062】
図9および
図10に移ると、第2のパネル2内にカウンターシンク8を作製するドリル12を見ることができる。カウンターシンク8は、パネル2の表面がパネルの芯よりも硬い、またはさらには棒状要素3よりも硬い材料で作製されるとき、棒状要素8と挿入凹部4との間の意図的な不整合を可能にする。
【0063】
図11を見て分かるように、第2のパネル2が、棒状要素3が「発見する」ためにより大きい開口部を有するとき、2つのパネル1、2を一緒に取り付けるのはより容易であり得る。カウンターシンクは、棒状要素3を挿入凹部4内へ入れるのに必要とされる力が減少される効果を有し得る。
【0064】
図11は、アンロック位置にある第1のパネル1および第2のパネル2を示す。棒状要素3の外側面は、第1のパネル1の表面21から第1の角度αで延び、挿入凹部4の外側面は、第2のパネル2の表面22から第2の角度βで第2のパネル2内へ延びる。
【0065】
アンロック位置において、第1の角度(α)と第2の角度(β)との間の差は、約0.5°~約6°の範囲内、約2°~約4°の範囲内、または約3°であり得る。
【0066】
挿入凹部4は、上側14および反対の下側16を含む。第2のパネル2は、挿入凹部4の開口部7において、および挿入凹部4の下側16において、カウンターシンク8を含み得る。
【0067】
第2のパネル2は、挿入凹部4の開口部のエッジにおいて、および凹部16の上側16において、面取り部23を含み得る。面取り部23は、開口部のエッジを鈍くするように構成される。鈍いエッジは、棒状要素3が挿入凹部4内へ移動させられるとき、エッジが棒状要素3内へ食いこむことを防ぎ得る。
【0068】
図12へと進むと、棒状要素3は、挿入凹部4内へ移動させられる。
【0069】
最初、棒状要素3の上エッジ13は、挿入凹部4の上側14と接触状態にあり得る。棒状要素3の下エッジ15は、挿入凹部4の下側16から少し離れていてもよい。
【0070】
図13は、カウンターシンクを含まない挿入凹部4の実施形態を示す。この実施形態において、棒状要素3は、挿入凹部4の開口部において挿入凹部4の下側16に対して圧縮される。
【0071】
図14では、パネル1、2は、ロック位置にあり、棒状要素3と挿入凹部4との間の接触は、棒状要素3および挿入凹部4の角度の差がロック位置において減少するように、圧迫が、塑性および/もしくは弾性変形、ならびに/または棒状要素3の側面を部分的に、挿入凹部の内側で塑性および/もしくは弾性変形させる、ならびに/または、棒状要素3を塑性的および/もしくは弾性的に曲げることを結果としてもたらすことに起因して、増加される。
【0072】
ロック位置において、棒状要素3の下エッジ15は、挿入凹部4の下側16から少し離れていてもよい。
【0073】
ロック位置において、棒状要素3の上エッジ13は、挿入凹部4の上側14と接触状態にあり得る。
【0074】
ロック位置において、第1の角度(α)と第2の角度(β)との間の差は、約0°~約3°の範囲内、約2°~約4°の範囲内、または約3°であり得る。
【0075】
ロック位置において、第1の角度α’と第2の角度β’との間の差は、約0~約3°の範囲内、およびより好ましくは、約1°~約2°の範囲内であり得る。示される実施形態において、第1の角度α’は、第2の角度β’よりも小さい。
【0076】
図11~
図14は、2つのパネル1、2が、
・棒状要素3の先端が第2のパネルの挿入凹部4の開口部7に配置されるように、および棒状要素3の軸が、挿入凹部4の軸と整列されるように、棒状要素3を有するパネル1を置くこと、
・棒状要素3を挿入凹部4内へ挿入することによってパネル1、2を1つにまとめること、
・棒状要素3が挿入凹部4の内側を部分的に圧迫して塑性および/もしくは弾性変形に至らせること、ならびに/または棒状要素3の側面を部分的に圧迫して挿入凹部の内側で塑性および/もしくは弾性変形に至らせること、ならびに/または棒状要素3を塑性的および/もしくは弾性的に曲げることによって、第1のパネル1の表面および第2のパネル2の表面が互いと完全に接触してロック位置に入るように、パネル1、2を一緒に押圧することによって
互いに接続され得ることを示す。
【0077】
図15は、2つのパネル1、2の接続、およびより具体的には、ばね負荷要素10の先端が第2のパネル2の表面と初期接触状態にあるロック装置10、11の実施形態の機能を示す。
【0078】
図16は、カウンターシンクを含まない挿入凹部4の実施形態と共にパネル1、2の実施形態の接続を示す。この実施形態において、棒状要素3は、挿入凹部の下側16に対して圧縮される。
【0079】
2つのパネル1、2は、
図17においてはロック位置に示され、ここでは、ばね負荷要素10の先端が凹部11内でその最終位置へと押圧されている。2つのパネル1、2をアンロックするためには、器具(図示せず)が、第1のパネル1の溝17に挿入されて、ばね負荷要素10の傾斜面18を押圧し得る。
【0080】
本発明の更なる実施形態は、以下に説明される。
【0081】
1.第1のパネル1と、第2のパネル2と、第1のパネル1を第2のパネル2にロックするための機械式ロックデバイスと、を含む、パネル1、2のための機械式接続装置であって、第1のパネル1の表面21および第2のパネル2の表面22は、第1および第2のパネル1、2のロック位置において、平行であり、また接触状態にあり、機械式ロックデバイスは、第1のパネル1の上記表面に少なくとも1つの棒状要素3、および第2のパネル2の上記表面に少なくとも1つの対応する挿入凹部4を含み、棒状要素3は、挿入凹部4に挿入されるように構成され、棒状要素3の外側面は、第1のパネル1の表面から第1の角度αで延び、挿入凹部4の外側面は、第2のパネル2の表面22から第2の角度βで第2のパネル2内へ延び、第1の角度αと第2の角度βとの間の差は、約0.5°~約6°の範囲内、約1°~約4°の範囲内、または約3°である、機械式接続装置。
【0082】
2.棒状要素3および挿入凹部4は、第1の角度αと第2の角度βとの間の差が、アンロック位置にあるときと比較して、ロック位置においてより小さくなるように構成される、実施形態1に記載の機械式接続装置。
【0083】
3.棒状要素3は、少なくとも第2のパネル2の芯5よりも硬い材料で作製される、実施形態1または2に記載の機械式接続装置。
【0084】
4.第2のパネル2は、上記表面に隣接しパネルの芯5における材料よりも硬い、外層6を有する、実施形態1~3のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0085】
5.棒状要素3は、木質系材料、高分子、および金属のうちの1つまたはこれらの組み合わせから作製される、実施形態1~4のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0086】
6.少なくとも第2のパネル2の芯5は、充填材有りまたは無しの木質系またはプラスチックである、実施形態1~5のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0087】
7.棒状要素3は、円筒形状であり、挿入凹部4は、円形断面を有し、棒状要素3の直径は、挿入凹部4の直径の約90%~98%、より好ましくは、挿入凹部4の直径の92%~97%、および最も好ましくは、挿入凹部4の直径の94%~96%である、実施形態1~6のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0088】
8.第1および第2の角度α、βの両方が、約30°~約60°の範囲内、または約40°~約50°の範囲内である、実施形態1~7のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0089】
9.第2のパネル2の厚さは、円筒状の棒状要素3の直径よりも大きく、円筒状の棒状要素3の直径の3倍よりも小さい、実施形態1~8のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0090】
10.第1の角度αは、第2の角度βよりも小さい、実施形態1~9のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0091】
11.挿入凹部4は、上側14および反対の下側16を含み、上側14における棒状要素3と挿入凹部4との間の接触の長さは、円筒状の棒状要素3の半径よりも長く、棒状要素3の直径の2倍よりも短い、実施形態1~10のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0092】
12.挿入凹部4は、カウンターシンク8を有する、実施形態1~11のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0093】
13.第1のパネルは、第1の棒状要素3と同じ角度で延びる第2の棒状要素9をさらに含み、第2の棒状要素9は、第1の棒状要素3よりも短い、実施形態1~12のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0094】
14.ロック装置10、11をさらに含む、実施形態1~13のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0095】
15.ロック位置において、第1の角度α’と第2の角度β’との間の差は、約0°~約3°の範囲内、約2°~約4°の範囲内、または約3°である、実施形態1~14のいずれかに記載の機械式接続装置。
【0096】
本明細書で使用される場合、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」、および「the(その)」は、別途明示的に記載のない限り、複数形を含むことが意図される。用語「含む(include)」、「含む(comprise)」、「含むこと(including)」、および/または「含むこと(comprising)」は、本明細書内で使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないということをさらに理解されたい。要素が別の要素に「接続される」または「結合される」とき、それは、他の要素に直接的に接続もしくは結合され得るか、または介在する要素が存在し得るということを理解されたい。
【0097】
別途規定のない限り、本明細書内で使用されるすべての用語(技術および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書において定義されるものなど、用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一貫する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想化された意味または過度に形式張った意味では、本明細書内で明示的にそのように規定されない限りは、解釈されないということをさらに理解されたい。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書内で説明および例証されているが、当業者は、機能を実施するため、ならびに/または、結果および/もしくは本明細書に説明される利点のうちの1つもしくは複数を獲得するための様々な他の手段および/または構造を容易に想起するものとし、そのような変異形および/または修正形態の各々が、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書内に説明されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示であることが意図されること、ならびに、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明の教示が使用される特定の用途(複数可)に依存するということを容易に理解するものとする。
【0099】
「約」という言葉が数値と関連して本明細書内で使用されるとき、それは、関連付けられた数値が、述べられた数値の周辺+/-10%の許容を含むことが意図される。
【0100】
不定冠詞「a(1つの)」および「an(1つの)」は、本明細書およびクレーム内で使用される場合、逆のことが明白に示されない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。
【国際調査報告】