(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】消化剤を含む発泡体の組成物およびクッション、ならびに関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 75/04 20060101AFI20240214BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20240214BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20240214BHJP
C08G 18/08 20060101ALI20240214BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
C08L75/04
C08K3/013
C08G18/00 J
C08G18/08 038
C08G101:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552135
(86)(22)【出願日】2022-02-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022018063
(87)【国際公開番号】W WO2022183091
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523323077
【氏名又は名称】ソフテックス グループ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SOFT-TEX GROUP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】スミダール,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ポウエル,カール ヒルトン ジュニア
【テーマコード(参考)】
4J002
4J034
【Fターム(参考)】
4J002CK031
4J002CK041
4J002CK051
4J002DE236
4J002DG046
4J002DJ016
4J002DM006
4J002FB287
4J002FD016
4J002FD207
4J002GB00
4J002GC00
4J002GL00
4J002GM00
4J034BA07
4J034DF01
4J034DG01
4J034EA00
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC12
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034MA01
4J034NA01
4J034NA03
4J034QA01
4J034QB13
4J034QD06
4J034RA03
4J034RA10
4J034RA12
(57)【要約】
発泡体組成物、クッション、および関連する製造方法が開示される。発泡体組成物またはクッションは、(a)(i)複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、および(ii)50%未満のイソシアネートを含むポリマーと、(b)ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤と、(c)ポリマー中に懸濁された複数の消化剤とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、
50%未満のイソシアネート
を含むポリマーと、
前記ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤と、
前記ポリマー中に懸濁された複数の消化剤と
を含む、発泡体組成物。
【請求項2】
前記ポリマーは、ポリウレタンを含む、請求項1に記載の発泡体組成物。
【請求項3】
前記ポリマーは、ポリイソシアヌレートを含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項4】
前記ポリマーは、約2%~約60%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項5】
前記ポリマーは、約2%~約55%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項6】
前記ポリマーは、約2%~約50%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項7】
前記ポリマーは、約2%~約45%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項8】
前記ポリマーは、約2%~約40%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項9】
前記ポリマーは、約2%~約35%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項10】
前記ポリマーは、約2%~約30%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項11】
前記ポリマーは、約2%~約25%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項12】
前記ポリマーは、約2%~約20%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項13】
前記ポリマーは、約2%~約15%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項14】
前記ポリマーは、約2%~約10%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項15】
前記ポリマーは、約2%~約8%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項16】
前記ポリオールは、石油を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項17】
前記ポリオールは、天然油を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項18】
前記ポリオールは、動物副生成物を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項19】
前記ポリオールは、植物油を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項20】
前記ポリマーは、約1%~約50%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項21】
前記ポリマーは、約1%~約45%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項22】
前記ポリマーは、約1%~約40%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項23】
前記ポリマーは、約1%~約35%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項24】
前記ポリマーは、約1%~約30%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項25】
前記ポリマーは、約1%~約25%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項26】
前記ポリマーは、約1%~約20%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項27】
前記ポリマーは、約1%~約15%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項28】
前記ポリマーは、約1%~約10%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項29】
前記ポリマーは、約1%~約5%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項30】
前記イソシアネートは、メチレンイソシアネート系液体を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項31】
前記イソシアネートは、トルエンイソシアネート系液体を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項32】
安定化添加剤をさらに含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項33】
界面活性剤をさらに含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項34】
発泡触媒をさらに含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項35】
ゲル化触媒をさらに含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項36】
発泡剤をさらに含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項37】
前記充填剤の量は、約40%~95%の範囲内である、請求項1~36のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項38】
前記充填剤の量は、約45%~95%の範囲内である、請求項1~37のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項39】
前記充填剤の量は、約50%~95%の範囲内である、請求項1~38のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項40】
前記充填剤の量は、約55%~95%の範囲内である、請求項1~39のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項41】
前記充填剤の量は、約60%~95%の範囲内である、請求項1~40のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項42】
前記充填剤の量は、約65%~95%の範囲内である、請求項1~41のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項43】
前記充填剤の量は、約70%~95%の範囲内である、請求項1~42のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項44】
前記充填剤の量は、約75%~95%の範囲内である、請求項1~43のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項45】
前記充填剤の量は、約80%~95%の範囲内である、請求項1~44のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項46】
前記充填剤の量は、約82%~90%の範囲内である、請求項1~45のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項47】
前記発泡体組成物は、85%の充填剤を含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項48】
前記充填剤の量は、約90%~95%の範囲内である、請求項1~43のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項49】
前記充填剤は、無機充填剤を含む、請求項1~48のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項50】
前記無機充填剤は、炭酸カルシウムを含む、請求項47に記載の発泡体組成物。
【請求項51】
前記無機充填剤は、シリカを含む、請求項47に記載の発泡体組成物。
【請求項52】
前記無機充填剤は、フライアッシュを含む、請求項47に記載の発泡体組成物。
【請求項53】
前記無機充填剤は、硫酸バリウムを含む、請求項47に記載の発泡体組成物。
【請求項54】
前記充填剤は、有機充填剤を含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項55】
前記有機充填剤は、炭化水素ゲルを含む、請求項52に記載の発泡体組成物。
【請求項56】
前記有機充填剤は、相変化材料を含む、請求項52に記載の発泡体組成物。
【請求項57】
前記充填剤は、導電性材料を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項58】
前記充填剤は、磁化可能材料を含む、請求項1~57のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項59】
前記充填剤は、前記複数の消化剤を含む、請求項1~58のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項60】
前記充填剤は、前記複数の消化剤からなる、請求項1~59のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項61】
前記複数の消化剤は、藻類を含む、請求項1~60のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項62】
前記複数の消化剤は、微生物を含む、請求項1~61のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項63】
前記複数の消化剤は、真菌を含む、請求項1~62のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項64】
前記複数の消化剤は、個々にカプセル化される、請求項1~63のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項65】
バリアが、前記ポリマーをカプセル化する、請求項1~64のいずれか一項に記載の発泡体組成物。
【請求項66】
複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、
50%未満のイソシアネート
を含むポリマーと、
前記ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤と、
前記ポリマー中に懸濁された複数の消化剤と
を含む、クッション。
【請求項67】
前記ポリマーは、ポリウレタンを含む、請求項66に記載のクッション。
【請求項68】
前記ポリマーは、ポリイソシアヌレートを含む、請求項66または67に記載のクッション。
【請求項69】
前記ポリマーは、約2%~約60%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~68のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項70】
前記ポリマーは、約2~約55%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~69のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項71】
前記ポリマーは、約2%~約50%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~70のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項72】
前記ポリマーは、約2%~約45%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~71のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項73】
前記ポリマーは、約2%~約40%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~72のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項74】
前記ポリマーは、約2%~約35%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~73のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項75】
前記ポリマーは、約2%~約30%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~74のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項76】
前記ポリマーは、約2%~約25%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~75のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項77】
前記ポリマーは、約2%~約20%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~76のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項78】
前記ポリマーは、約2%~約15%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~77のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項79】
前記ポリマーは、約2%~約10%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~78のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項80】
前記ポリマーは、約2%~約8%の範囲内の量のポリオールを含む、請求項66~79のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項81】
前記ポリオールは、石油を含む、請求項66~80のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項82】
前記ポリオールは、天然油を含む、請求項66~81のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項83】
前記ポリオールは、動物副生成物を含む、請求項66~82のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項84】
前記ポリオールは、植物油を含む、請求項66~83のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項85】
前記ポリマーは、約1%~約50%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~84のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項86】
前記ポリマーは、約1%~約45%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~85のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項87】
前記ポリマーは、約1%~約40%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~86のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項88】
前記ポリマーは、約1%~約35%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~87のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項89】
前記ポリマーは、約1%~約30%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~88のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項90】
前記ポリマーは、約1%~約25%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~89のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項91】
前記ポリマーは、約1%~約20%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~90のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項92】
前記ポリマーは、約1%~約15%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~91のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項93】
前記ポリマーは、約1%~約10%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~92のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項94】
前記ポリマーは、約1%~約5%の範囲内の量のイソシアネートを含む、請求項66~93のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項95】
前記イソシアネートは、メチレンイソシアネート系液体を含む、請求項66~94のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項96】
前記イソシアネートは、トルエンイソシアネート系液体を含む、請求項66~95のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項97】
安定化添加剤をさらに含む、請求項66~96のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項98】
界面活性剤をさらに含む、請求項66~97のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項99】
発泡触媒をさらに含む、請求項66~98のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項100】
ゲル化触媒をさらに含む、請求項66~99のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項101】
発泡剤をさらに含む、請求項66~100のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項102】
前記充填剤の量は、約40%~95%の範囲内である、請求項66~101のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項103】
前記充填剤の量は、約45%~95%の範囲内である、請求項66~102のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項104】
前記充填剤の量は、約50%~95%の範囲内である、請求項66~103のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項105】
前記充填剤の量は、約55%~95%の範囲内である、請求項66~104のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項106】
前記充填剤の量は、約60%~95%の範囲内である、請求項66~105のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項107】
前記充填剤の量は、約65%~95%の範囲内である、請求項66~106のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項108】
前記充填剤の量は、約70%~95%の範囲内である、請求項66~107のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項109】
前記充填剤の量は、約75%~95%の範囲内である、請求項66~108のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項110】
前記充填剤の量は、約80%~95%の範囲内である、請求項66~109のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項111】
前記充填剤の量は、約82%~90%の範囲内である、請求項66~110のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項112】
前記発泡体組成物は、85%の充填剤を含む、請求項66~111のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項113】
前記充填剤の量は、約90%~95%の範囲内である、請求項66~110のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項114】
前記充填剤は、無機充填剤を含む、請求項66~113のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項115】
前記無機充填剤は、炭酸カルシウムを含む、請求項114に記載のクッション。
【請求項116】
前記無機充填剤は、シリカを含む、請求項114に記載のクッション。
【請求項117】
前記無機充填剤は、フライアッシュを含む、請求項114に記載のクッション。
【請求項118】
前記無機充填剤は、硫酸バリウムを含む、請求項114に記載のクッション。
【請求項119】
前記充填剤は、有機充填剤を含む、請求項66~113のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項120】
前記有機充填剤は、炭化水素ゲルを含む、請求項119に記載のクッション。
【請求項121】
前記有機充填剤は、相変化材料を含む、請求項119に記載のクッション。
【請求項122】
前記充填剤は、導電性材料を含む、請求項66~121のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項123】
前記充填剤は、磁化可能材料を含む、請求項66~122のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項124】
前記充填剤は、前記複数の消化剤を含む、請求項66~123のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項125】
前記充填剤は、前記複数の消化剤からなる、請求項66~124のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項126】
前記複数の消化剤は、藻類を含む、請求項66~125のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項127】
前記複数の消化剤は、微生物を含む、請求項66~126のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項128】
前記複数の消化剤は、真菌を含む、請求項66~127のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項129】
前記複数の消化剤は、個々にカプセル化される、請求項66~128のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項130】
バリアが、前記ポリマーをカプセル化する、請求項66~129のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項131】
製造方法であって、
請求項1~130のいずれか一項に記載の発泡体組成物またはクッションを生産すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年2月26日に出願され、「Composition of Foam,Cushions,and Related Methods of Manufacture」と題する米国仮特許出願第63/154,317号の優先権の利益を主張し、その全内容は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【開示の分野】
【0002】
本開示は、一般に、発泡体に関し、より詳細には、消化剤(digester)を含む発泡体の組成物およびクッション、ならびに関連する製造方法に関する。
【背景】
【0003】
ポリウレタン(PU)は、生産される全プラスチックのほぼ8%を占めると考えられており、世界で6番目に使用されるポリマーであると考えられている(Kemona,A.,&Piotrowska,M.(2020).Polyurethane Recycling and Disposal:Methods and Prospects.Polymers,12(8),1752.https://doi.org/10.3390/polym12081752参照)。2015年のポリウレタンの年間生産量は1790万メートルトンと推定され、2021年には26.4メートルトンが生産されると予想されている(Research and Markets,2016参照)。PUは、発泡体に、またはコーティング、接着剤、シーラント、およびエラストマーとして使用されることが多い。1つのタイプの発泡体は、典型的には独立気泡発泡体である剛性または硬質の発泡体である。別のタイプの発泡体は、マットレス、クッション(例えば、枕、自動車用シート、カーシート、靴底など)、他の家具、および様々な他の製品に使用される可撓性ポリウレタン発泡体(FPF)である。FPFは、1分子当たり2つ以上の反応性ヒドロキシル(-OH)基を含有するアルコール(例えば、ジオール、トリオール、ポリオール)(R’-(OH)n)が、1分子当たり2つ以上のイソシアネート(-NCO)基を含有するイソシアネート(例えば、ジイソシアネート、ポリイソシアネート)(R-(N=C=O)n)と触媒の存在下で、または紫外線による活性化によって反応するときに発熱反応中に生成されるポリマーである。この反応の結果として形成される基は、ウレタン結合として知られている。
【0004】
工業的には、最も一般的であり、全ポリウレタンの推定95%の基礎を形成する2つの芳香族および脂肪族ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネートもしくはメチルベンゼンジイソシアネート(「TDI」と総称される)、またはメチレンジフェニルジイソシアネートもしくはジフェニルメタンジイソシアネート(「MDI」と総称される)を含む。TDIは、クッション用の低密度の可撓性発泡体に使用されることが多く、MDIは、典型的には剛性発泡体を製造するために使用される。
【0005】
一部のポリウレタンは、完全に分解するのに1,000年かかると推定される。しかしながら、ポリウレタンは、毎日使用される多くの製品の重要な成分のままである。ポリウレタンをリサイクルまたは再利用するための様々な努力がなされており、かつポリウレタンの環境への影響を低減するための努力がなされている。ポリウレタンの環境への影響に対処するための既存の方法およびプロセスにもかかわらず、ポリウレタンの環境への影響を低減し、かつポリウレタンの分解を加速するためには、さらなる努力および技術的進歩が必要である。
【0006】
本発明の開示を容易にするために従来技術の特定の態様が議論されてきたが、出願人は決してこれらの技術的態様を否定せず、特許請求される発明は、本明細書で説明される従来の技術的態様の1つまたは複数を包含し得ることが企図される。
【0007】
本明細書において、文書、行為、もしくは知識の項目が参照または議論される場合、この参照もしくは議論は、文書、行為、もしくは知識の項目またはそれらの任意の組合せが、優先日に公衆に利用可能であったこと、公然知られていたこと、一般的な通常の知識の一部であったこと、または別の方法で適用される法律の条項下で先行技術を構成すること、または本明細書が関与するいずれかの問題を解決する試みと関連があると知られていることを認めるものではない。
【概要】
【0008】
先行技術の欠点は克服され、本明細書に開示される改善された発泡体およびクッション組成物ならびに関連する製造方法によってさらなる利点が提供される。特に、本明細書に開示されるTDIおよびMDI発泡体などの発泡体、クッション(例えば、マットレス、枕、シートクッション、カーシート、パッド、マットなど)、およびそれらの関連する製造方法は、ポリウレタンの環境への影響を低減するのに役立つことができる。特に、高濃度で生分解性充填剤または懸濁固体を、発泡体および/またはクッションへの消化剤の組込みと組み合わせて組み込むことにより、ポリウレタンを組み込んだ製品の生分解性を高めることができる。改善された発泡体およびクッション組成物ならびに関連する方法は、いくつかの技術分野における他の問題および欠陥に対処するのに有用であると判明し得ることも企図される。したがって、開示された発泡体組成物、クッション組成物、および関連する製造方法は、本明細書で論じられる特定の問題または欠陥のいずれかに対処することに必ずしも限定されると解釈されるべきではない。
【0009】
ここに開示される発泡体組成物、クッション組成物、および製造方法の特定の実施形態は、いくつかの特徴を有し、そのうちの1つだけがそれらの望ましい属性を担うわけではない。以下の特許請求の範囲によって定義される発泡体組成物、クッション、および製造方法の範囲を限定することなく、それらのより顕著な特徴をここで簡単に説明する。この説明を考慮した後、特に「詳細な説明」と題された本明細書のセクションを読んだ後、本明細書に開示された様々な実施形態の特徴が現在の技術水準を超えるいくつかの利点をどのように提供するかを理解するであろう。
【0010】
一態様では、ポリマーと、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤と、ポリマー中に懸濁された複数の消化剤とを含む発泡体組成物が本明細書に開示される。ポリマーは、複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、および50%未満のイソシアネートをさらに含む。
【0011】
別の態様では、ポリマーと、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤と、ポリマー中に懸濁された複数の消化剤とを含むクッション組成物である。ポリマーは、複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、および50%未満のイソシアネートをさらに含む。
【0012】
別の態様では、ポリマーと、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤と、ポリマー中に懸濁された複数の消化剤とを含む発泡体組成物またはクッションを生産することを含む製造方法である。ポリマーは、複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、および50%未満のイソシアネートをさらに含む。
【0013】
本開示および本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および添付の図面と併せて、本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書に記載の態様は、本明細書の最後に特許請求の範囲の例として特に指摘され、明確に特許請求される。本開示の上記および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかになる。
【0015】
【
図1】本開示による、例示的な発泡体スラブの立面斜視図である。
【0016】
【
図2A】本開示による、例示的な発泡体スラブの拡大側面図である。
【0017】
【
図2B】本開示による、より高い濃度の懸濁固体を有する
図2Aの例示的な発泡体スラブの拡大側面図である。
【0018】
【
図2C】ポリマー中に懸濁された複数の消化剤を有する
図2Bの例示的な発泡体スラブの拡大側面図である。
【0019】
【
図3】本開示による、例示的なクッションの立面斜視図である。
【0020】
【
図4】本開示による、別の例示的なクッションの立面斜視図である。
【詳細な説明】
【0021】
本開示の態様ならびにその特定の特徴、利点、および詳細は、添付の図面に示される非限定的な実施形態を参照して以下でより完全に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないために、周知の材料、造形ツール、加工技術などの説明は省略する。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、本開示の発明の実施形態を示しているが、例示のみを目的として与えられており、限定を目的とするものではないことを理解されたい。基礎となる発明概念の精神および/または範囲内の様々な置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0022】
本開示を通して本明細書で使用される近似を表す文言は、関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく許容可能に変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」または「実質的に」などの用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されない。
【0023】
ポリウレタンが少ない発泡体およびクッションの組成物が本明細書で説明され、本明細書に開示される発泡体および/またはクッションの廃棄は、発泡体および発泡体を含むクッションの既存の組成物の廃棄よりも環境への影響が少なくなる。一態様では、ポリマーと、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤とを含む発泡体組成物および/またはクッションが本明細書に開示される。40%の充填剤は、発泡体および/またはクッション中のポリマー(例えば、ポリウレタン)の量を減少させ、それによって既存の発泡体および/またはクッションと比較した場合に発泡体および/またはクッションの廃棄から生じる環境への影響を減少させる。さらに、ポリマー中に懸濁された消化剤(例えば、ウレタンを代謝する真菌、酸を排出する微生物、および/またはバイオフィルムを破壊するための藻類など)は、発泡体組成物および/またはクッションのポリマーの分解を触媒することができる。ポリマーは、複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、および50%未満のイソシアネートをさらに含む。イソシアネートは、例えば、TDIまたはMDIを含むことができる。発泡体組成物および/またはクッションを形成する際、イソシアネートおよびポリオールを発泡剤(例えば、水)と組み合わせてもよい。ポリオールおよびイソシアネートは発泡体ネットワークを形成してもよく、発泡剤はイソシアネートと反応してCO2ガスを発生させ、熱を生成してもよい。
【0024】
ポリオールは、例えば、発泡体組成物またはクッションのポリマーの約2%~約60%の重量の範囲内であり得、ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレート系ポリマーの形成に使用され得る。ポリオールは、例えば、様々な製品に由来する1~6つのポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオールであってもよい。例えば、ポリオールは、石油、動物副生成物、または天然油に由来し得る。イソシアネートは、例えば、発泡体組成物またはクッションのポリマーの約1%~約50%の重量の範囲内であってもよい。イソシアネートは、ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレート系ポリマーの形成に使用され得る。ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレート系ポリマーの形成におけるイソシアネート当量対ポリオール当量の比であるイソシアネートインデックスは、約0.6~1.4の範囲内であり得る。さらに、発泡剤は、ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレート系ポリマーを膨張させるために使用することができる1~5つの炭化水素系液体および/または気体化合物を含むことができる。発泡剤は、例えば、発泡体組成物またはクッションのポリマーの約0%~約6%の重量の範囲内であってもよい。
【0025】
発泡触媒、界面活性剤、安定化添加剤、補助剤、および/またはゲル化触媒などの他の補助化学物質も含まれ得る。発泡触媒(例えば、1~4つのアミンおよび/または金属含有液体)は、発泡剤との反応(例えば、ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレート反応)を触媒し、ポリウレア構造をもたらすことができる。発泡触媒は、ポリマーの約0%~約3%の重量の範囲であってもよい。界面活性剤(例えば、1~3つのシロキサン含有液体)は、例えば、発泡体組成物またはクッションのポリマーの約0%~約3%の重量の範囲内であってもよく、ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレート系ポリマーを修飾するために使用されてもよい。安定化/流動添加剤(例えば、1~3つの炭化水素系液体)は、発泡体組成物またはクッションのポリマーの約0%~約3%の重量の範囲であってもよい。安定化添加剤は、ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレート系ポリマーの流動および/または湿潤性質を改善するために使用され得る。液体CO2などの補助剤を使用して発泡体を軟化させてもよく、ゲル触媒(例えばオクタン酸スズ)を使用してイソシアネートとポリオールの反応を触媒してもよい。ゲル化触媒(例えば、1~4つのアミンおよび/または四級塩含有液体)は、発泡体組成物またはクッションのポリマーの約0%~約6%の重量の範囲であってもよい。ゲル化触媒は、ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレート反応を触媒するために使用され得る。
【0026】
発泡体組成物および/またはクッションはまた、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤(すなわち懸濁固体)を含んでもよい。例えば、充填剤は、無機充填剤(例えば、炭酸カルシウム、シリカ、フライアッシュ、硫酸バリウムなど)および/または有機充填剤(例えば、炭化水素ゲル、相変化材料など)であってもよく、またはそれらを含んでもよい。充填剤の様々な実施形態は、追加的または代替的に、導電性であり、かつ/または例えば、金属材料などの、磁化されているか、または磁化され得る充填剤を含んでもよい。
【0027】
発泡体組成物および/またはクッションは、ポリマー中に懸濁された複数の消化剤を含む。充填剤自体は、一実施形態によれば、複数の消化剤からなってもよく、または別の実施形態によれば、複数の消化剤が充填剤に加えて含まれてもよい。例えば、発泡体中のポリマーの量を減少させるために充填剤を使用してもよく、充填剤に加えて消化剤を添加してもよい。
【0028】
一実施形態によれば、消化剤は、一定期間休止していてもよく、次いで、発泡体および/またはクッションの通例の廃棄中に典型的である条件の間に活性化されてもよい。例えば、カプセルが破壊されるか、あるいは破られるまで消化剤が不活性であるように、消化剤をカプセル化することができる。カプセルを破ることで、消化剤を活性化することができる。他の実施形態では、消化剤は、個々のカプセルを必要としなくてもよく、ポリマー中に懸濁されてもよい。具体的には、消化剤は、ウレタン結合を破壊する、あるいはポリマーを劣化もしくは分解させる消化剤の能力に基づいて選択され得る。カプセルは、例えば、発泡体またはクッションが廃棄される典型的な環境条件(例えば、埋立地)に起因して破られ得る。カプセルを破る可能性があるそのような環境条件は、水、光、土壌などを含むことができる。
【0029】
様々な実施形態において、ポリマー自体は、消化剤がポリマー中に懸濁されるように消化剤を取り囲んでもよい。消化剤は、水に曝されるまで不活性のままである。発泡体またはクッションの通例の廃棄時、水がポリマーの細孔に浸透し得、消化剤が活性化され得る。水は、消化剤に酵素を輸送させ、代謝産物を輸送させ、そして消化剤は成長/増殖する。この継続的なプロセスは、ポリマー(例えば、ポリマーのウレタン結合)が水に曝されている限り、ポリマーを徐々に破壊する。
【0030】
さらに、一実施形態によれば、水が発泡体もしくはクッションに一時的に適用された場合、または発泡体もしくはクッションが洗浄(例えば、洗濯機において)もしくは清掃される場合、これらの条件下で水は劣化プロセスを始めることができるが、発泡体または枕が乾燥すると、可能な劣化プロセスは停止する。したがって、発泡体またはクッションの単一の洗浄または清掃に起因してわずかなレベルの劣化があり得るが、発泡体またはクッションの通例の使用中の水への曝露は、ポリマー破壊の量を制限するであろう。連続的な洗浄または清掃は、最終的に、発泡体またはクッションのポリマーの高度なレベルの劣化をもたらし得るが、限定された洗浄または清掃は、発泡体もしくはクッション構造または機能性全体の寿命に劇的に影響を及ぼすものではない。
【0031】
別の実施形態によれば、ポリマーの外面は、発泡体またはクッションを保護し、消化剤の活性化を防止するカプセル化バリアを有してもよい。特に、通例の廃棄後、外面上のバリアは、水、光、土壌などへの長期間の曝露後に分解し始めることが可能であり、この時点で、外面上の外側バリアが破られ、ポリマー内の消化剤が活性化される。活性化されると、消化剤は、ポリマーを劣化させ始めることができる。バリアは、バリア布または他の材料、発泡体層、スプレーコーティングなどであってもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0032】
発泡体またはクッションの通例の使用中に消化剤の活性化をカプセル化あるいは阻害するための様々な他の方法およびプロセスもまた、本明細書で企図される。
【0033】
さらに、充填剤は、約40%~約95%の範囲内、約45%~約95%の範囲内、約50%~約95%の範囲内、約55%~約95%の範囲内、約60%~約95%の範囲内、約65%~約95%の範囲内、約70%~約95%の範囲内、約75%~約95%の範囲内、約80%~約95%の範囲内、約82%~約90%の範囲内、または約90%~約95%の範囲内の重量パーセントを有してもよい。特定の実施形態では、開示された発泡体組成物および/または枕は、約85%の充填剤を含んでもよい。
【0034】
ポリウレタン中に少なくとも40%の充填剤が懸濁した発泡体を含む発泡体組成物またはクッションをどのように生産するかを決定するために、所与の型、例えばアルミニウム型に対して生産される発泡体の量を計算する必要がある。最初に、型容積B、および発泡体の公称密度Aを考慮すると、型の空隙部を充填するのに必要な発泡体の量は、以下の式:
【数1】
を使用して決定される。発泡体の公称密度Aは、ポンド/立方フィートで表すことができ、型容積Bは、立方インチで表すことができる。公称密度に型容積を乗算した後、積は、グラム/立方インチで表される換算係数0.2625で除算され得る。
【0035】
充填剤(例えば、有機充填剤または無機充填剤)の所望の割合に基づいて、発泡剤が添加された後の発泡体のリフト容量が標準大気圧で計算される。型容積にわたる圧力差と組み合わせると、発泡体リフトの非効率性を相殺するのに必要な真空圧力の量は、以下の式を使用して推定することができる:
【数2】
式中、Cは、充填剤の質量である、および
【数3】
式中、Dは、発泡体の密度であり、Eは、無機充填剤の密度である。さらに、非機械的仕事を行い、熱を放出する発泡体反応の能力は、エンタルピー方程式の以下の変化を使用して計算することができる:ΔHvap=ΔUvap+pΔV、式中、ΔHvapは、気化のエンタルピーであり、ΔUvapは、蒸気の内部エネルギーの変化であり、pは、圧力であり、ΔVは、容積の変化である。
【0036】
充填剤/懸濁固体を含まない発泡体組成物は、以下の100部のポリオール当たりの部(pphp)を含んでもよい:100のポリオール、0.8の流動/安定化添加剤、1.0の界面活性剤、0.10の発泡触媒、0.55のゲル化触媒、3.40の発泡剤、および64.97のイソシアネート。総pphpは、170.82となる。さらに、100のイソシアネートインデックスに基づいて、ポンド/立方フィート(pcf)単位の密度は2.785であり、50%の押込力撓み(IFD)は約79ポンド/平方インチ(psi)である。重量部(pbw)で計算した場合、組成物は、58.55のポリオール、0.47の流動/安定化添加剤、0.59の界面活性剤、0.06の発泡触媒、0.32のゲル化触媒、1.99の発泡剤、および38.03のイソシアネートを含み得る。その場合、総pbwは100.00となる。
【0037】
さらに、819.59のポリオール、6.56の流動/安定化添加剤、8.2の界面活性剤、0.82の発泡触媒、4.51のゲル化触媒、27.87の発泡剤、および532.46のイソシアネートのバッチ湿潤重量を有する発泡体組成物は、1,400.00グラムの総バッチ湿潤重量をもたらす。この組成物のイソシアネートインデックスは100であり、おおよその密度は約2.4pcfであり得る。これにより、おおよそ1,050~1,100グラム、より詳細には約1,075グラムの重量が得られる。
【0038】
55%の充填剤/懸濁固体を含む発泡体組成物の以下の非限定的な例を使用してもよい。特に、発泡体組成物は、468.36のポリオール、3.75の流動/安定化添加剤、4.68の界面活性剤、0.47の発泡触媒、2.58のゲル化触媒、15.92の発泡剤、600の充填剤(例えば、無機充填剤)、および304.24のイソシアネートのバッチ湿潤重量を含み得る。総バッチ湿潤重量は1,400.00グラムであり、これは、長さ584.20mm、幅398.78mm、および高さ120mmを有する発泡体に相当する。イソシアネートインデックスは100であり、密度は約2.61pcfである。これにより、おおよそ約1,168グラムの重量が得られる。
【0039】
ここで
図1を参照すると、例示的な発泡体スラブ100が示されている。発泡体スラブ100は、ポリマーと、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤とを有する発泡複合材を含むことができる。さらに、ポリマーは、複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、および50%未満のイソシアネートを含む。様々な実施形態において、ポリマーは、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート系ポリマーであり得る。さらに、ポリマーは、約2%~約60%の範囲内、約2~約55%の範囲内、約2%~約50%の範囲内、約2%~約45%の範囲内、約2%~約40%の範囲内、約2%~約35%の範囲内、約2%~約30%の範囲内、約2%~約25%の範囲内、約2%~約20%の範囲内、約2%~約15%の範囲内、約2%~約10%の範囲内、または約2%~約8%の範囲内のポリオールを含んでもよい。例示的なポリオールには、石油、天然油、動物副生成物、植物油などが挙げられる。
【0040】
さらに、発泡体スラブ100の発泡体組成物のポリマーは、50%未満のイソシアネートの量のイソシアネートを含むことができる。様々な実施形態において、イソシアネートは、約1%~約50%の範囲内、約1%~約45%の範囲内、約1%~約40%の範囲内、約1%~約35%の範囲内、約1%~約30%の範囲内、約1%~約25%の範囲内、約1%~約20%の範囲内、約1%~約15%の範囲内、約1%~約10%の範囲内、または約1%~約5%の範囲内であってもよい。例示的なイソシアネートには、メチレンイソシアネート系液体またはトルエンイソシアネート系液体が挙げられる。発泡体スラブ100はまた、上述の無機充填剤または有機充填剤など、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤(すなわち懸濁固体)を含むことができる。さらに、発泡体スラブ100の様々な実施形態は、上に開示された例示的な割合など、様々な割合の充填剤を含むことができる。1つの特定の実施形態では、発泡体スラブ100は、85%の充填剤を含むことができる。
【0041】
図2Aは、例示的な発泡体スラブ200の拡大側面図を示す。発泡体スラブ200は、複数の細孔230を取り囲む複数の充填剤220が内部に懸濁されたポリマー210を含むことができる。特に、必ずしも一定の縮尺で描かれているものではないが、
図2Aに図示されるように、充填剤220は、約40%であってもよい。対照的に、ここで
図2Bを参照すると、他の実施形態は、95%もの充填剤220、より詳細には85%の充填剤220を含むことができる。
【0042】
ここで
図2Cを参照すると、ポリマー210中に懸濁された複数の消化剤240をさらに含む、
図2Bの例示的な発泡体スラブ200の拡大側面図。一実施形態によれば、消化剤240は、充填剤220とは別々であってもよい。
【0043】
ポリマーおよびポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤を含む例示的なクッションが、
図3~
図4に図示される。特に、マットレス300または枕400は、ポリマーと、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤とを含み得る。
【0044】
ポリマー中に懸濁される充填剤の割合を増加させると、ポリマー(例えばポリウレタン)の量が減少することで廃棄中に既存の発泡体組成物を超える改善を提供し得るだけでなく、消化剤が水への曝露中にポリマーの破壊を触媒し、クッションに使用される現在の発泡体を超える別の予想外の利点および改善は、充填剤(すなわち懸濁固体)または消化剤が可燃性に対する改善された耐性を有することができることである。典型的には、発泡体マットレスは、耐火性化学物質で処理されてもよく、または一般的にガラス繊維織物を含む、耐火性/難燃性(FR)防火バリア布/靴下/キャップを使用するために必要とされる。ほとんどの場合、ガラス繊維FR防火バリアは、マットレスが連邦政府によって定められた防火試験を満たすことができるように使用される。ポリマー中の充填剤または懸濁固体および/または消化剤の割合を増加させることによって、クッション(すなわち、マットレス)は、FR防火バリアを必要とせずに連邦政府によって定められた防火試験の要件を満たすことができ、これにより有利には、ガラス繊維FR防火バリアを組み込む必要性を排除する。ガラス繊維FR防火バリアは、実質的に破壊されず、典型的な廃棄後に容易に分解しない。ガラス繊維FR防火バリアの必要性を排除することにより、特定のクッション(すなわち、マットレス)の劣化プロセスをさらに触媒するさらなる環境上の利益がもたらされる。
【0045】
ポリマーと、ポリマー中に懸濁された少なくとも40%の充填剤とを含む発泡体組成物またはクッションを生産することを含む製造方法もまた、本明細書に開示される。さらに、ポリマーは、複数のヒドロキシル基を含む最大60%のポリオール、および50%未満のイソシアネートを含む。
【0046】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。用語「備える(comprise)」(ならびに「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などの任意の形態のcomprise)、「有する(have)」(ならびに「有する(has)」および「有する(having)」などの任意の形態のhave)、「含む(include)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(including)」などの任意の形態のinclude)、「含有する(contain)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有する(containing)」などの任意の形態のcontain)、およびそれらの任意の他の文法的変形は、オープンエンドの連結動詞であることがさらに理解されよう。結果として、1つまたは複数のステップまたは要素を「備える」、「有する」、「含む」、または「含有する」方法または物品は、それらの1つまたは複数のステップまたは要素を有するが、それらの1つまたは複数のステップまたは要素のみを有することに限定されない。同様に、1つまたは複数の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、または「含有する」方法のステップまたは物品の要素は、それらの1つまたは複数の特徴を有するが、それらの1つまたは複数の特徴のみを有することに限定されない。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「備える」、「有する」、「含む」、「含有する」、およびそれらの他の文法的変形は、用語「からなる」および「から本質的になる」を包含する。
【0048】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という語句またはその文法的変形は、記載された特徴、整数、ステップ、または構成要素を指定するものと解釈されるべきであるが、1つまたは複数の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはそれらの群の追加を排除するものではなく、これは追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはそれらの群が、特許請求される組成物または方法の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限る。
【0049】
本明細書で引用されたすべての刊行物は、各個々の刊行物が、完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
参照により組み込まれる主題は、特に明示的に示されていない限り、特許請求の範囲の限定に代わるものとはみなされない。
【0051】
1つまたは複数の範囲が本明細書を通して言及される場合、各範囲は、情報を提示するための省略形式であることを意図しており、範囲は、本明細書に完全に記載されているかのように範囲内の各離散点を包含すると理解される。
【0052】
本発明のいくつかの態様および実施形態を本明細書で説明および図示してきたが、代替の態様および実施形態は、同じ目的を達成するために当業者によって影響を受け得る。したがって、本開示および添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内に含まれるようなすべてのそのようなさらなるおよび代替の態様および実施形態を網羅することを意図している。
【国際調査報告】