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特表2024-507999ネットワーク機器間の時刻同期を維持するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ネットワーク機器間の時刻同期を維持するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/14 20090101AFI20240214BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20240214BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240214BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20240214BHJP
【FI】
H04W28/14
H04W56/00 110
H04W84/18
H04W4/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552250
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 US2022017380
(87)【国際公開番号】W WO2022182683
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】17/187,392
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523325484
【氏名又は名称】ランディス・ギア・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】ハートマン,ジェイムズ ピー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB27
5K067BB37
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE16
5K067HH21
(57)【要約】
時刻同期保守方法は、メッシュ通信ネットワークのノードによって、送信キュー内のデータを送信するための送信時間を決定することを含む。この方法はまた、ノードによって、メッシュ通信ネットワークのノードまたは別のノードから時刻同期ビーコン信号を送信するために使用される次のビーコン信号スロットの開始までの時間を決定することを含む。更に方法は、送信時間が次のビーコン信号スロットの開始までの時間よりも長い場合、送信キュー内のデータの少なくとも一部の送信を、次のビーコン信号スロットが完了するまでノードで遅延させることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻同期維持の方法であって、
メッシュ通信ネットワークのノードによって、送信キュー内のデータを送信するための送信時間を決定することと、
メッシュ通信ネットワークのノードまたは他のノードから時刻同期ビーコン信号を送信するために使用される次のビーコン信号スロットの開始までの時間を、ノードによって、決定することと、
送信時間が次のビーコン信号スロットの開始までの時間よりも長い場合、次のビーコン信号スロットが完了するまで、送信キュー内のデータの少なくとも一部の送信をノードによって遅延させることと
を含む、方法。
【請求項2】
次のビーコン信号スロットが、ノードの親ノードが時刻同期ビーコン信号を送信する親ビーコン信号スロットを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
送信キュー内のデータを送信するための送信時間を決定することが、
ノードの現在の通信リンクのボーレートを識別することと、
データ内のバイト数を検出することと、
データ内のバイト数をボーレートで除算することと
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
時刻同期ビーコン信号が、メッシュ通信ネットワークの一連のノード間の時刻同期を維持するように構成されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
更に、
送信時間が次のビーコン信号スロットまでの時間よりも長い場合、次のビーコン信号スロットの前に、送信キュー内のデータの少なくとも第2の一部を、ノードによって、送信すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
データが、ノードによって、またはノードの子によって、収集される計量データを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
更に、
送信時間が次のビーコン信号スロットの開始までの時間よりも短い場合、次のビーコン信号スロットの前に、送信キュー内のデータの少なくとも第2の一部を、ノードによって、送信すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ノードが、電気、水、または天然ガスの消費量を計量するように構成された計量デバイスを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
送信キュー内のデータの送信が時刻同期チャネルホッピング(TSCH)方式を使用して行われ、メッシュ通信ネットワークがRFメッシュまたはRFメッシュIP標準を使用して確立される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ネットワーク化されたシステムのノードであって、
コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、
前記コンピュータ可読命令を格納するように構成されたメモリと
を含み、
前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサに、
送信キュー内のデータを送信するための送信時間を決定することと、
前記ノード、又は、メッシュ通信ネットワークの他のノードからの時刻同期ビーコン信号のための次のビーコンスロットの開始までの時間を決定することと、
送信時間が次のビーコンスロットの開始までの時間よりも長い場合、次のビーコンスロットが完了するまで、送信キュー内のデータの少なくとも一部の送信を遅延させることと
を含む動作を、実行させるものである、
ノード。
【請求項11】
次のビーコンスロットが、ノードの親ノードが時刻同期ビーコン信号を送信する親ビーコンスロットを含む、
請求項10に記載のノード。
【請求項12】
送信キュー内のデータを送信するための送信時間を決定することが、
ノードの現在の通信リンクのボーレートを識別することと、
データ内のバイト数を検出することと、
データ内のバイト数をボーレートで除算することと
を含む、
請求項10に記載のノード。
【請求項13】
時刻同期ビーコン信号が、メッシュ通信ネットワークの一連のノード間の時刻同期を維持するように構成されている、
請求項10に記載のノード。
【請求項14】
更に、
メッシュ通信ネットワークと通信するように設定された無線と、
前記無線と通信する計量デバイスと
を含む、請求項10に記載のノード。
【請求項15】
前記計量デバイスが、電気、水、又は天然ガスの消費量を計量するように構成され、
送信キュー内のデータが、前記計量デバイスからの計量データを含む、
請求項14に記載のノード。
【請求項16】
動作を実行するための、処理デバイスにより実行可能である命令を、格納した非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記動作は、
送信キュー内のデータを送信するための送信時間を決定することと、
メッシュ通信ネットワークのノードからの時刻同期ビーコン信号のための次のビーコンスロットの開始までの時間を決定することと、
送信時間が次のビーコンスロットの開始までの時間よりも長い場合、次のビーコンスロットが完了するまで送信キュー内のデータの少なくとも一部の送信を遅延させることと
を含む、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
次のビーコンスロットが、前記ノードの親ノードが時刻同期ビーコン信号を送信する親ビーコンスロットを含む、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
送信時間が次のビーコンスロットまでの時間よりも長い場合、次のビーコンスロットの前に送信キュー内のデータの少なくとも第2の一部を、前記ノードにより、送信すること
を含む、動作を実行するために、前記命令は前記処理デバイスにより、更に実行可能である、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
送信時間が次のビーコンスロットの開始までの時間よりも短い場合、次のビーコンスロットの前に送信キュー内のデータを、前記ノードにより、送信すること
を含む、動作を実行するために、前記命令は前記処理デバイスにより、更に実行可能である、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
データが、非一時的コンピュータ可読媒体を含むノードによって、又は前記ノードの子によって、収集される計量データを含む、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、デバイス間の無線通信に関する。より具体的には、本開示は、ネットワーク接続されたデバイス間の時刻同期を維持するために使用される技術に関する。
【背景技術】
【0002】
メッシュ通信ネットワークは、リソースメータリングで使用され得る。たとえば、メータリング・デバイスなどのネットワークエンドポイントは、メッシュ通信ネットワークに含まれる他のノードまたはデバイスと無線通信することができる。メッシュ通信ネットワークが通信のために時刻同期チャネルホッピング(TSCH)技術に依存している場合、デバイス間の通信リンクを維持するために、デバイス間の時刻同期を維持することが必要になり得る。例えば、デバイス間の時刻同期により、デバイスが同じ予定時刻に新しい通信周波数チャネルにホップすることが可能になる場合がある。リンクされた2つのデバイス間の時刻同期が失敗すると、デバイスは正しい時刻に新しい通信周波数にホップしない可能性があり、その結果、リンクされた2つのデバイス間の通信リンクが失敗する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
デバイスのタイミング非同期の可能性を防止するために、メッシュ通信ネットワーク内のデバイスによってネットワークビーコンが定期的に送信される。あるデバイスがビーコンのタイムスロット中にデータを送信している場合、そのデバイスは、2つのデバイスの時刻同期を意図した別のデバイスからのネットワークビーコンを見逃す可能性がある。そのため、送信側のデバイスがネットワークビーコンを見逃すと、2つのデバイスの同期がすぐに外れてしまう可能性がある。同期が外れると、子デバイスは、前の親デバイスまたは新しい隣接デバイスとの新しい同期関係を生成するために、発見プロセスを実行する可能性がある。不要な発見プロセスは、メッシュ通信ネットワークの帯域幅に過負荷をかける可能性があり、メッシュ通信ネットワークの全体的なパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、新しい発見プロセスを実行するデバイスの子デバイスも、子デバイスがメッシュ通信ネットワークと通信していない間に悪影響を受ける可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ネットワーク化されたデバイス間の時刻同期を維持するための方法が提供される。本開示の様々な態様によれば、時刻同期維持方法は、メッシュ通信ネットワークのノードによって、送信キュー内のデータを送信するための送信時間を決定することを含む。本方法はまた、ノードによって、ノードまたはメッシュ通信ネットワークの別のノードから時刻同期ビーコン信号を送信するために使用される次のビーコン信号スロットの開始までの時間を決定することを含む。更に、送信時間が次のビーコン信号スロットの開始までの時間よりも長い場合、本方法は、ノードにより、次のビーコン信号スロットの完了まで、送信キュー内のデータの少なくとも一部の送信を遅延させることを含む。
【0005】
更なる実施例では、ネットワーク化されたシステムのノードは、コンピュータ可読命令を実行するプロセッサと、プロセッサによって実行されるとプロセッサに動作を実行させるコンピュータ可読命令を記憶するメモリとを含む。動作は、送信キュー内のデータを送信する送信時間を決定することを含む。また、動作は、ノードまたはメッシュ通信ネットワークの別のノードからの時刻同期ビーコン信号のための次のビーコンスロットの開始までの時間を決定することを含む。更に、送信時間が次のビーコンスロットの開始までの時間よりも長い場合、動作は、次のビーコンスロットの完了まで送信キュー内のデータの少なくとも一部の送信を遅延させることを含む。
【0006】
別の実施例では、非一時的コンピュータ可読媒体は、動作を実行するための、処理デバイスによって実行可能である命令を格納している。動作は、送信キュー内のデータを送信する送信時間を決定することを含む。また、動作は、メッシュ通信ネットワークのノードからの時刻同期ビーコン信号のための次のビーコンスロットの開始までの時間を決定することも含む。更に、送信時間が次のビーコンスロットの開始までの時間よりも長い場合、動作は、次のビーコンスロットの完了まで送信キュー内のデータの少なくとも一部の送信を遅延させることを含む。
【0007】
これらの例示的な態様および特徴は、現在説明されている発明の趣旨を限定又は定義するために言及されているのではなく、本願で記載する概念の理解を助けるべく例を提供するために言及されている。現下記載する発明の趣旨の他の態様、利点、及び特徴は、本出願全体を検討した後に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
様々な実施例の態様および特徴は、添付の図面を参照して実施例を説明することにより、より明らかになるであろう。
【0009】
図1図1は、本開示の特定の実施例による、ネットワーク化システムおよびノードのメッシュ通信ネットワークのブロック図である。
図2図2は、本開示の特定の実施例による、ビーコンタイムスロットとオーバーラップする大容量データ送信を含む通信タイムスロットチャートである。
図3図3は、本開示の特定の実施例による、ビーコンタイムスロット後にタイムシフトされた図2の大容量データ送信を含む通信タイムスロットチャートである。
図4図4は、本開示の特定の実施例による、ビーコンタイムスロットを取り囲む2つの送信タイムスロットの間で分割された図2の大容量データ送信を含む通信タイムスロットチャートである。
図5図5は、1つまたは複数の実施例による、図1のネットワーク化システムのノードのブロック図の一例である。
図6図6は、本開示の特定の実施例による、ネットワーク化されたデバイス間の時刻同期を維持するためのプロセスのフローチャートである。
図7図7は、本開示の特定の実施例による、図6のプロセスを使用するデータ送信例のチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書には特定の実施例が記載されているが、これらの実施例は例示としてのみ提示されており、保護の範囲を限定することを意図していない。本明細書に記載の装置、方法、およびシステムは、他の様々な形態で具現化され得る。さらに、保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される例示的な方法およびシステムの形態の様々な省略、置換、および変更を行い得る。
【0011】
本開示の特定の態様および実施例は、メッシュ通信ネットワークのデバイス間の時刻同期の維持に関する。デバイスまたはノードは、リソースメータリングに関連するメッシュ通信ネットワークのコンポーネントであり得る。このような例では、ノードは、リソース計量情報、ステータス情報、または他のデータ通信を、(メッシュ通信ネットワークの、追加の計量ノード、若しくはヘッドエンドシステムなどの)メッシュ通信ネットワーク内の他のデバイスに提供するために使用され得る。
【0012】
メッシュ通信ネットワークが時刻同期チャネルホッピング(TSCH)方式を使用する場合、メッシュ通信ネットワーク内のデバイスは、デバイスが適切な時間にスケジュールされた周波数チャネルにホップすることを保証するために、時刻同期を維持する必要がある。デバイス間の時刻同期を維持するために、時刻同期ビーコン信号がメッシュ通信ネットワークのあるデバイスから別のデバイスに送信され得る。メッシュ通信ネットワークのデバイスが時刻同期ビーコン信号を逃すと、非同期状態になり得る。デバイスの非同期化により、親ノードとのリンクが失われ、デバイスが新たな隣接検出プロセスを受ける必要が生じ得る。
【0013】
記載された実施例は、メッシュ通信ネットワーク内のデバイスの同期を維持する技術を提供する。特に、この技術は、メッシュ通信ネットワーク内のデバイスが、時刻同期ビーコン信号の欠落を回避する方法でデータ送信をスケジュールすることを保証する。例えば、メッシュ通信ネットワークのデバイスは、データ送信の送信長を能動的に決定し、時刻同期ビーコン信号と重ならない時間帯にデータ送信を再スケジュールする。
【0014】
図1は、ネットワーク化システム100およびノードのメッシュ通信ネットワーク101の一例を示すブロック図である。ネットワーク化システム100およびメッシュ通信ネットワーク101は、デバイス(例えば、通信技術を含む資源消費メータ、車両、家電製品など)がノード(すなわち、他のデバイス)のネットワーク、インターネット、および/またはイントラネットを介して通信するためのネットワーク・インフラストラクチャを提供する。ネットワーク化システム100は、ネットワーク104からデータのストリームを受信する中央処理システムとして機能し得るヘッドエンドシステム102を含む。ネットワーク104は、インターネット、イントラネット、または任意の他のデータ通信ネットワークであってもよい。メッシュ通信ネットワーク101は、ネットワーク104と他のノード108aおよび108bとの間の通信経路を提供するルートノード106を含むことができる。例えば、ルートノード106は、ノード108aおよび108bからデータを収集し、収集したデータをネットワーク104に、最終的にはネットワーク化システム100のヘッドエンドシステム102に送信し得る。ルートノード106は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータ、インターネットゲートウェイ、またはネットワーク104に接続可能な任意の他のデバイスであってもよい。さらに、ノード112aは、ノード108aを介してルートノード106と通信することができ、ノード112bおよび112cは、ノード108bを介してルートノード106と通信することができる。
【0015】
ルートノード106の下のノードレイヤ(例えば、レイヤ1)に位置するノード108aおよび108bとのデータリンクにより、ルートノード106は一般に親ノードと呼ばれ得る。例えば、ルートノード106はネットワーク104と直接通信するように図示されている。図示されているように、ノード108aおよび108bは、ノード108aおよび108bの下のノードレイヤ(たとえば、レイヤ2)に位置するノード112aおよびノード112bおよび112cそれぞれとのデータリンクにより、親ノードとも呼ばれ得る。ノード108a、108b、112a、112b、および112cはすべて、ノード層を介してルートノード106、ネットワーク104、および最終的にヘッドエンドシステム102に情報を漏らす可能性がある。
【0016】
ノード106、108a、108b、112a、112b、および112cの各々は、他のノード106、108a、108b、112a、112b、および112cの少なくとも1つとリンクされている。通信リンク114は、ノード106、108a、108b、112a、112b、112c間の通信を可能にするために、ノード106、108a、108b、112a、112b、112c間に作成され得る。たとえば、ノード106、108a、108b、112a、112b、および112cの各々は、有線または無線の通信リンク114を使用して互いに通信し得る。
【0017】
いくつかの例では、ノード112a、112b、および112cは、バッテリエンドポイント(BEP)または別のタイプの低電力エンドポイントおよび損失性エンドポイントを表し得る。すなわち、ノード112a、112b、および112cの構成要素は、主電源以外の電源によって電力が供給される(たとえば、バッテリ電力、太陽光発電電力、風力発電電力などによって電力が供給される)。一例として、バッテリエンドポイントは、必ずしも主電源に近接したアクセス可能な範囲内に配置されていないガスまたは水道計量デバイスで使用される。バッテリエンドポイントはまた、電気計量デバイスまたはその他の計量デバイスで使用され得る。
【0018】
メッシュ通信ネットワーク101内のデバイス間のワイヤレス通信は、ワイヤレス媒体の予測不可能性のために信頼性が低い場合がある。信頼性を高めるために、無線データ送信用のメッシュ通信ネットワーク101に時刻同期チャネルホッピング(TSCH)方式が実装され得る。TSCH方式は、無線媒体の予測不可能性の影響を低減し、バッテリエンドポイントなどのメッシュ通信ネットワーク101上の低電力及び損失性デバイスの信頼性を高めることができる。
【0019】
一例では、TSCH方式は、異なる周波数チャネルおよび異なるタイムスロットにわたる通信に依存し得る。メッシュ通信ネットワーク101、およびメッシュ通信ネットワーク101内のノード106、108a、108b、112a、112b、112cは、既知の周波数チャネルホッピングシーケンスを使用して動作し得る。言い換えれば、ノード106、108a、108b、112a、112b、112cは周波数チャネルホッピングシーケンスを認識しており、ノード106、108a、108b、112a、112b、112cは指定されたタイムスロットで適切な周波数チャネルにシフトすることができる。
【0020】
ノード106、108a、108b、112a、112b、および112c間の通信は、TSCH方式のデータ送信スロットごとに新しい無線周波数チャネルで行われ得る。したがって、TSCH方式は、子ノード(例えば、ノード112a)と子ノードの親ノード(例えば、108a)との間の信頼性の高い時刻保持に大きく依存する。同期を維持するために、定期的な時刻同期ビーコン信号が親ノードから子ノードに送信される。定期的な時刻同期ビーコン信号は、ビーコン信号スロットの間に送信され得る。TSCH方式のデータ送信スロットとビーコン信号スロットは、同じ時間長(例えば、25ミリ秒)であってもよい。
【0021】
ノードが親ノードと同期すると、デバイスは、定期的な時刻同期ビーコン信号を受信しなくても、有限の時刻同期を維持することができる。親ノードから定期的な時刻同期ビーコン信号を受信すると、子ノードは親ノードと再同期することができる。子ノードが定期的な時刻同期ビーコン信号を逃した場合、子ノードは親ノードとの同期を失うことがあり、子ノードを新しい親ノードまたは前の親ノードと再同期させるために新しい隣接ノード発見プロセスが必要になる。
【0022】
動作時には、より少ないノードまたはより多くのノードがメッシュ通信ネットワーク101に含まれ得、より多くのルートノード106もネットワーク化システム100に含まれ得る。一例では、ルートノード106は、1000ノードのパーソナルエリアネットワーク(PAN)サイズを含み得る。言い換えれば、ルートノード106は、ノード108a、108b、112a、112b、および112cなどの1000個のノードでメッシュ通信ネットワーク101をサポートし得る。このような例では、データ送信のためのタイムスロットが25msである場合、同期ビーコン信号のタイムスロットは、11番目のスロットごとにスケジュールされ得る。ルートノード106のPANサイズが2倍になると、周波数オフセットシステムが確立され得る。周波数オフセットシステムは、周期的な時刻同期ビーコン信号を送信するために、ノードの半分に周波数オフセットを割り当て得る。周波数オフセットの割り当てにより、周期的な時刻同期ビーコン信号に必要な時間を2倍にすることなく、ノードの数を2倍にすることができる。
【0023】
いくつかの例では、ノード108a、108b、112a、112b、および112cの各々は、異なるビーコン信号スロットを割り当てられる。言い換えると、11番目のタイムスロットごとに、メッシュ通信ネットワーク101内の異なるノード108a、108b、112a、112b、または112cに割り当てられたビーコン信号タイムスロットになり得る。時刻同期ビーコン信号の欠落を回避するために、ノード108a、108b、112a、112b、および112cは、メッシュ通信ネットワーク101の各ビーコン信号タイムスロットの間、既知であれば親ノードのビーコン信号タイムスロットの間、または既知であれば親ノードのビーコン信号タイムスロットと自身のビーコン信号タイムスロットの組み合わせの間のデータ送信を回避し得る。
【0024】
図1に描かれるメッシュ通信ネットワーク101は、ルートノードレイヤ(すなわち、ルートノード106)、レイヤ1(すなわち、ノード108aおよび108b)、およびレイヤ2(すなわち、ノード112a、112b、および112c)を含むが、より少ないまたはより多いノードレイヤも企図される。さらに、図1は特定のネットワークトポロジ(例えば、DODAGツリートポロジ)を描いているが、他のネットワークトポロジも可能である(例えば、リングトポロジ、メッシュトポロジ、スタートポロジなど)。
【0025】
図2は、ビーコンタイムスロット204に重なる大容量データ送信202を含む通信タイムスロットチャート200である。通信タイムスロットチャート200は、メッシュ通信ネットワーク101のタイムスロットを表し得る。他のノード108a、108b、112b、および112cは、同様の通信タイムスロットチャートを含んでもよい。図示されるように、通信タイムスロットチャート200は、ビーコンタイムスロット204の間のタイムスロット数をカウントするために0から4までの番号が付けられたタイムスロット206を含む。ビーコンタイムスロット204は、タイムスロット206のセットの一部であってもよい。例えば、ビーコンタイムスロット204は、5番目のタイムスロットごとにあり、「0」のラベルを含んでよい。時刻同期ビーコン信号208は、親ノードと子ノードとの間の同期を維持するために、ビーコンタイムスロット204のそれぞれの間に送信されてもよい。
【0026】
一例では、通信タイムスロットチャート200で通信するノード112aは、通信リンクがTSCH方式で確立される場合に、親ノードとの通信リンクが劣化する前に、7つのタイムスロット206の期間210の間、親ノードとの同期を維持することができる場合がある。親ノードとの同期を維持するために、ノード112aは、期間210内に時刻同期ビーコン信号208を受信する。
【0027】
一例では、大容量データ送信202がノード112aによって隣接ノードに送信され得る。図示されるように、大容量データ送信202はビーコンタイムスロット204と重複する。大容量データ送信202が時刻同期ビーコン信号208と重なるため、ノード112aは、時刻同期ビーコン信号208を見逃すことがある。時刻同期ビーコン信号208を見逃すことにより、ノード112aのクロックは、タイムスロット212で親ノードと通信できなくなるほど同期を失う可能性がある。この同期の喪失は、後続の時刻同期ビーコン信号208がノード112aによって受信される前に発生することがあり、ノード112aと親ノードとの間の通信リンクが失われることがある。通信リンクを失うと、ノード112aは、親ノードまたはノード112aに隣接する追加のノード(例えば、図1のノード108b)との新しい通信リンクを生成するために、追加のノード発見動作を受けることがある。
【0028】
図3は、ビーコンタイムスロット204の後に発生するタイムスロット302にタイムシフトされた大容量データ送信202を含む通信タイムスロットチャート300である。一例において、ノード112aは、図2に描かれた大容量データ送信202がビーコンタイムスロット204の前に完了することができないと決定することがある。その決定を行うと、ノード112aは、ビーコンタイムスロット204に、投入されるべき時刻同期ビーコン信号が投入されていない場合(例えば、ルートノード106のPANサイズが子ノードで完全に満たされていない場合)であっても、ビーコンタイムスロット204が完了するまで大容量データ送信202の送信を開始しないことがある。
【0029】
図4は、ビーコンタイムスロット204を取り囲む2つの送信期間402および404の間で分割された大容量データ送信202を含む通信タイムスロットチャート400である。一例において、ノード112aは、ビーコンタイムスロット204の前に大容量データ送信202を完了することができないと再び決定することがある。その決定を行うと、ノード112aは、ビーコンタイムスロット204の前の第1の送信期間402の間に大容量データ送信202の送信を開始し、ビーコンタイムスロット204の間に送信を一時停止し、ビーコンタイムスロット204の後の第2の送信期間404の間に大容量データ送信202の送信を再開することができる。付加的な実施例では、ノード112aは、第1の送信期間402中に大容量データ送信202の第1のフラグメントが送信され、第2の送信期間404中に大容量データ送信202の第2のフラグメントが送信されるように、大容量データ送信202をフラグメント化してもよい。
【0030】
通信タイムスロットチャート300および400のいずれかにおいて、ノード112aは、時刻同期ビーコン信号208の欠落を回避する。したがって、ノード112aは、親ノードとの同期を維持し、大容量データ送信202を送信することができる。
【0031】
図5は、1つまたは複数の実施例による、ネットワーク化システム100のノード106、108、または112のブロック図の一例である。コンピューティングシステム500のコンポーネントの一部またはすべてが、図1のノード106、108a、108b、112a、112b、および112cのうちの1つまたは複数に属することができる。コンピューティングシステム500は、1つまたは複数のメモリデバイス514に通信可能に結合された1つまたは複数のプロセッサ502を含む。コンピューティングシステム500は、プロセッサ502を構成するプログラムコードを実行して、本明細書で説明する1つ以上の動作を実行する。例えば、メモリデバイス514は、(例えば、ノード106、108a、108b、112a、112b、および112cの計量機能の動作を制御する)計量アプリケーション516および(例えば、ノード106、108a、108b、112a、112b、および112c間の通信を制御する)通信アプリケーション518を含み得る。非一時的コンピュータ実行可能命令の形態とすることができる、計量アプリケーション516および通信アプリケーション518のプログラムコードは、メモリデバイス514または任意の適切なコンピュータ可読媒体に常駐させることができ、プロセッサ502によって実行することができる。このようなプログラムコードの実行は、ノード106、108a、108b、112a、112b、および112cに関して本明細書で説明する動作をプロセッサに構成または実行させる。図5には、メモリデバイス514内に格納された計量アプリケーション516が描かれているが、ノード106、108a、108b、112a、112b、および112cの他の動作に関連する他のアプリケーションは、ノード106、108a、108b、112a、112b、および112cの機能に応じて、計量アプリケーション516を置き換えるか、または計量アプリケーション516に追加することができる。さらに、通信アプリケーション518は、ノード106、108a、108b、112a、112b、112cが、RFメッシュ、RFメッシュIP、または他の有線通信規格もしくは無線通信規格を含む複数の通信規格を実装するための命令を提供することができる。
【0032】
コンピューティングシステム500は、入力デバイスから入力を受信したり、出力デバイスに出力を提供したりできる入力/出力(「I/O」)インタフェース508を含むこともある。インタフェース508には、メッシュ通信ネットワーク101内の他のノード106、108または112からのRF通信を送受信できるRFアンテナを含め得る。コンピューティングシステム500は、インタフェース508を使用して、1つ以上の他のコンピューティングデバイスまたはコンピュータが読み取り可能なデータソースと通信することもできる。さらに、コンピューティングシステム500はクロック510を含み得る。クロック510は、親ノードから受信した同期ビーコン信号を使用してリフレッシュされ、TSCH方式の周波数チャネルホッピングシーケンスのタイミングに使用される。さらに、バス506をコンピューティングシステム500に含めることもできる。バス506は、コンピューティングシステム500の1つ以上のコンポーネントを通信的に結合し、そのようなコンポーネント間の通信を可能にすることができる。
【0033】
図6は、ノード106、108a、108b、112a、112b、112cのうちの二つ以上のようなネットワーク化されたデバイス間の時刻同期を維持するためのプロセス600のフローチャートである。プロセス600は、ノード112aによって実行されるものとして以下に説明する。ただし、ノード106、108a、108b、112a、112b、112cのいずれでも、同様の方法でプロセス600を実行できる。ブロック602で、ノード112aのプロセッサ502は、送信キューにデータが存在すると判定する。データは、計量アプリケーション516からの計量データ、ノード112aと通信している親または子ノードからの通信、または送信が望ましいノード112aで受信または取得されたその他のデータであってもよい。例として、送信キューにデータが存在するという判定は、現在のタイムスロットの開始後に行われる。
【0034】
ブロック604で、プロセッサ502は、現在のスロットと後続のビーコン送信スロットの先頭との間の使用可能なタイムスロット数を決定する。たとえば、ビーコン送信スロットは、通常の送信タイムスロット数の後に発生し得る。たとえば、11番目のタイムスロットごとにビーコン送信スロットであってもよい。他のビーコン送信スロット周波数も利用でき得る。
【0035】
現在のスロットのスロット番号がビーコンスロットのスロット番号よりも小さい場合、現在のスロットと後続または次のビーコン送信スロットの先頭との間の使用可能なタイムスロット数の決定は、ビーコンスロットのスロット番号から現在のスロットのスロット番号を減算することによって行うことができる。たとえば、ビーコンスロットのスロット番号が55で、現在のスロットのスロット番号が53の場合、使用可能な時間スロットは2つになる(例:2=55-53)。
【0036】
現在のスロットのスロット番号がビーコンスロットのスロット番号よりも大きい場合、現在のスロットと後続のビーコン送信スロットの先頭との間の使用可能なタイムスロット数の決定は、全体のTSCHスーパーフレーム長から現在のスロットのスロット番号を減算し、ビーコンスロットのスロット番号を加算することによって行うことができる。たとえば、スーパーフレーム全体の長さが11110、現在のスロットのスロット番号が1387、ビーコンスロットのスロット番号が55の場合、使用可能なタイムスロットは9778になる(例:9778=(11110-1387)+55)。
【0037】
ブロック606で、プロセッサ502は、送信キュー内のデータの送信を完了するために必要な送信タイムスロット数を決定する。送信タイムスロット数の決定には、次の式を使用できる。
【数1】
ここで、Dは送信タイムスロット数、pはデータから送信されるバイト数、bは宛先デバイスと通信するために通信リンクで使用されるボーレート、tはタイムスロット期間である。
【0038】
ブロック608で、プロセッサ502は、ブロック606で決定された送信タイムスロット数が、ブロック604で決定された使用可能タイムスロット数よりも大きいかどうかを決定する。送信タイムスロット数が使用可能なタイムスロット数より大きくない場合、ブロック610で、プロセッサ502は送信キューからのデータの送信を続行する。送信タイムスロット数が使用可能なタイムスロット数よりも多い場合、ブロック612で、プロセッサ502は、後続のビーコン送信スロットの後の後続の送信期間までデータの送信を保持する。いくつかの例では、プロセッサ502は、ブロック612で、ビーコン送信スロットの前後のデータの一部を送信するために、送信を第1のフラグメントと第2のフラグメントに分割することがある。
【0039】
図7は、本開示の特定の例による、プロセス600を使用したデータ送信例のチャート700である。チャート700の各行は、前述の手法を使用したデータ送信の異なる例を表している。第1のカラム710は、データの送信に必要なバイト数pを示している。第2のカラム712は、特定の通信リンクを使用してデータを送信するために使用されるボーレートb(kbps単位)を示している。第3のカラム714は、タイムスロット期間の時間tをミリ秒(ms)単位で示している。第4のカラム716は、データを送信するのに必要な送信タイムスロット数Dを示している。第5のカラム718は、データを送信するための送信時間をms単位で示している。第6のカラム719はTSCHスーパーフレーム長を示している。第7のカラム720は現在のスロット番号を示す。第8のカラム722は、送信を実行するノードのビーコン信号スロット番号を示す。第9のカラム724は、ノードのビーコン信号タイムスロットの開始までのタイムスロット数を示している。第10のカラム726は、図6に関して前述したプロセス600に基づいて、ノードがデータの送信を続行する(proceed)か、またはデータの送信を保留する(hold off)かの、送信の決定を示している。
【0040】
第1の例702では、現在のスロットと後続のビーコン送信スロットの先頭との間の使用可能なタイムスロット数は、ビーコンスロットのスロット番号(例:55)から現在のスロットのスロット番号(例:53)を引くことによって決定される。この結果、使用可能なタイムスロット数「C」は2になる。次に、データを送信するのに必要なタイムスロット数は、上に示したように、[数1]を使用して決定される。その結果、送信タイムスロット数「D」は1となり、使用可能なタイムスロット数「C」よりも少なくなる。従って、データの送信をすぐに進めることができる。
【0041】
第2の例704では、使用可能なタイムスロット数「C」は2のままである。送信のバイト数が増加し、ボーレートが低下した。そのため、送信するデータは例1よりも大きくなり、(例えば、TSCH方式のより低い送信周波数のために)より低い速度で送信される。そのため、送信タイムスロット数「D」は、使用可能なタイムスロット数「C」よりも多い3となる。従って、後続のビーコン送信スロットの後までデータの送信を保留したり、後続のビーコン送信スロットの前後の時間帯にデータをフラグメント化して送信したりする。
【0042】
第3の例706では、使用可能なタイムスロット数「C」は2のままである。送信するバイト数は第2の例704と同じで、ボーレートは第2の例704から増加している。したがって、送信するデータは、第2の例704と同じサイズであり、(例えば、TSCH方式の高い送信周波数のために)より速い速度で送信される。このため、送信タイムスロット数「D」は1であり、使用可能なタイムスロット数「C」より少ない。従って、データの送信をすぐに進めることができる。
【0043】
本発明は、その特定の態様に関して詳細に説明されているが、当業者は、前述の理解を得ることにより、そのような態様に対する変更、バリエーション、および同等のものを容易に作成できることが認められる。したがって、本開示は、限定ではなく例示を目的として提示されたものであり、当業者であれば容易に理解できるような、本発明に対する修正、変形、および/または追加を含めることを妨げるものではないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】