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特表2024-508001プロセスおよび供給電圧変動に対する遅延感度を低減するための調整可能な電流ソース/シンクを有するインバータベースの遅延素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】プロセスおよび供給電圧変動に対する遅延感度を低減するための調整可能な電流ソース/シンクを有するインバータベースの遅延素子
(51)【国際特許分類】
   H03L 7/081 20060101AFI20240214BHJP
   H03L 7/099 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H03L7/081
H03L7/099 150
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552258
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 US2022016994
(87)【国際公開番号】W WO2022186998
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】17/194,084
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルチュ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】セトゥラム、アシュウィン
【テーマコード(参考)】
5J106
【Fターム(参考)】
5J106AA04
5J106CC01
5J106CC21
5J106CC52
5J106CC59
5J106DD24
5J106DD32
5J106GG01
5J106KK31
5J106KK37
(57)【要約】
遅延素子(300)が、第1の制御電圧(VBP)を受信するように構成されたゲートを有する、第1のセットの電界効果トランジスタ、FET(M1N)と、第1の電圧レール(VDD)と第1のノード(n1)との間で、それぞれ、第1のセットのFET(M1N)と直列に結合された第2のセットのFET(/MSN)と、第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号(/SN)のセットを受信するように構成されたゲートを含み、それぞれ、非相補セレクト信号(SN)のセットを受信するように構成されたゲートを含む第3のセットのFET(MSN)と、第2のノード(n2)と第2の電圧レール(VSS)との間で、それぞれ、第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFET(M4N)と、第4のセットのFETは、第2の制御電圧(VBN)を受信するように構成されたゲートを含み、第1のノードと第2のノードとの間に結合されたインバータ(310)と、インバータは、入力信号(Si)を受信するように構成された入力と、出力信号(So)を生成するように構成された出力と、を含む、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
遅延素子を備え、前記遅延素子は、
互いに結合されかつ第1の制御電圧を受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET)と、
第1の電圧レールと第1のノードとの間で、それぞれ、前記第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、前記第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、
第3のセットのFETと、ここにおいて、前記第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、
第2のノードと第2の電圧レールとの間で、それぞれ、前記第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、前記第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたインバータと、ここにおいて、前記インバータは、入力信号を受信するように構成された入力と、出力信号を生成するように構成された出力と、を含む、
を備える、装置。
【請求項2】
プロセス速度決定回路と、
前記プロセス速度決定回路に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含むコントローラと、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1、第2、第3、および第4のセットのFETに関連するプロセス速度を示すプロセス速度信号を生成するように構成されたプロセス速度決定回路と、
前記プロセス速度信号に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
第1の速度(first speed)を示す前記プロセス速度信号に基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第1の数量(first amount)をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、
前記第1の速度より低い第2の速度(second speed)を示す前記プロセス速度信号に基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第2の数量(second speed)をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、ここにおいて、前記第1の数量は、前記第2の数量より少ない、
を行うように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の電圧レールまたは前記第2の電圧レールのうちの少なくとも1つに結合された出力を含む供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧ジェネレータの前記出力に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含むコントローラと、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電圧レールと前記第2の電圧レールとの間の供給電圧差を生成するように構成された供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧差に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記供給電圧差が第1のレベル(first level)にあることに基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第1の数量をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、
前記供給電圧差が前記第1のレベルより低い第2のレベル(second level)にあることに基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第2の数量をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、ここにおいて、前記第1の数量は、前記第2の数量より少ない、
を行なうように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1および第4のFETのそれぞれ前記第1および第4のセットのゲートに結合された出力を含む制御回路をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成された制御回路をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記制御回路は、前記出力信号と前記入力信号との間に特定の遅延を生成するために、前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御回路は、前記相補信号のセットおよび前記非相補信号のセットに基づいて、前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記制御回路は、クロック分配回路(CDC)を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記CDCは、
基準信号を受信するように構成された第1の入力を含む位相検出器と、
前記位相検出器の少なくとも1つの出力にそれぞれ結合された少なくとも1つの入力を含むチャージポンプと、ここにおいて、前記チャージポンプは、前記第2の制御電圧を生成するように構成された出力を含み、
前記チャージポンプの前記出力に結合された入力と、前記第1の制御電圧を生成するように構成された出力と、を含む第1の制御電圧ジェネレータと、
リング発振器であって、
前記チャージポンプの前記出力および前記第1の制御電圧ジェネレータの前記出力にそれぞれ結合された第1のセットの入力と、
前記相補信号のセットおよび前記非相補信号のセットをそれぞれ受信するように構成された第2のセットの入力と、
を備えるリング発振器と、
前記リング発振器の出力に結合された入力と、前記位相検出器の第2の入力に結合された出力と、を含む分周器と、
を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リング発振器は、前記遅延素子でそれぞれ構成された遅延素子のリングを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記遅延素子でそれぞれ構成された、カスケード接続された遅延素子のセットをそれぞれ備える、少なくとも1つの調整可能な遅延線をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットのうちの少なくとも1つは、動作中にオンにされる前記第2および第3のセットの前記FETのうちの対応する少なくとも1つを維持するように固定される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
方法であって、
遅延素子に関連付けられたプロセス速度または前記遅延素子に与えられる供給電圧を決定することと、ここにおいて、前記遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース、インバータ、および電流シンクを備え、
前記プロセス速度または前記供給電圧に基づいて、前記電流ソースおよび前記電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えることと、
前記インバータの入力に印加される入力信号と、前記インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、前記電流ソースおよび前記電流シンクに電流制御電圧を与えることと、
を備える方法。
【請求項18】
前記制御信号を与えることは、前記プロセス速度に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定することを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記制御信号を与えることは、前記供給電圧に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定することを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定した後に、前記電流制御電圧を設定することをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
装置であって、
遅延素子に関連付けられたプロセス速度または前記遅延素子に与えられる供給電圧を決定するための手段と、ここにおいて、前記遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース、インバータ、および電流シンクを備え、
前記プロセス速度または前記供給電圧に基づいて、前記電流ソースおよび前記電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えるための手段と、
前記インバータの入力に印加される入力信号と、前記インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、前記電流ソースおよび前記電流シンクに電流制御電圧を与えるための手段と、
を備える装置。
【請求項22】
前記制御信号を与えるための前記手段は、前記プロセス速度に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための手段を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記制御信号を与えるための前記手段は、前記供給電圧に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための手段を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記電流制御電圧を設定するための前記手段は、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための前記手段が前記サイズを設定した後に、前記電流制御電圧を設定するように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
ワイヤレス通信デバイスであって、
メモリデバイスと、
前記メモリデバイスに結合されたメモリインターフェースと、ここにおいて、前記メモリインターフェースは、複数の遅延素子を備え、前記複数の遅延素子は、
互いに結合されかつ第1の制御電圧を受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET)と、
第1の電圧レールと第1のノードとの間で、それぞれ、前記第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、前記第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、
第3のセットのFETと、ここにおいて、前記第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、
第2のノードと第2の電圧レールとの間で、それぞれ、前記第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、前記第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたインバータと、ここにおいて、前記インバータは、入力信号を受信するように構成された入力と、出力信号を生成するように構成された出力と、を含む、
をそれぞれ備え、
前記メモリインターフェースに結合された少なくとも1つのデジタル信号処理コアと、
前記少なくとも1つのデジタル信号処理コアに結合されたトランシーバと、
前記トランシーバに結合された少なくとも1つのアンテナと、
を備えるワイヤレス通信デバイス。
【請求項26】
プロセス速度決定回路と、
前記プロセス速度決定回路に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含むコントローラと、
をさらに備える、請求項25に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項27】
前記第1、第2、第3、および第4のセットのFETに関連するプロセス速度を示すプロセス速度信号を生成するように構成されたプロセス速度決定回路と、
前記プロセス速度信号に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、請求項25に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項28】
前記メモリインターフェースは、
供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧ジェネレータの出力に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含むコントローラと、
をさらに備える、請求項25に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項29】
前記メモリインターフェースは、
前記第1の電圧レールと前記第2の電圧レールとの間の供給電圧差を生成するように構成された供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧差に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、請求項25に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項30】
前記メモリインターフェースは、前記第1および第4のFETのそれぞれ前記第1および第4のセットのゲートに結合された出力を含む制御回路をさらに備える、請求項25に記載のワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本特許出願は、以下に完全に記載されているかのように、かつすべての適用可能な目的のために、参照により本明細書に組み込まれている、2021年3月5日に出願され、本出願の譲受人に譲渡された係属中の米国非仮出願第17/194,084号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本開示の態様は、一般に信号遅延素子に関し、詳細には、プロセスおよび供給電圧変動(supply voltage variation)に対する遅延感度(delay sensitivity)を低減または制御するための調整可能な電流ソース/シンクを有するインバータベースの遅延素子(delay element)に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)は、様々な動作を実行するために複数の遅延素子を含み得る。例えば、遅延素子は、データ信号を対応するクロック信号に、および/またはその逆など、2つ以上の信号を時間的に揃えるために使用され得る。遅延素子はまた、クロック信号を生成するために、リング発振器(ring oscillator)などの発振器において使用され得、これは、シーケンシャルデータ回路によって使用される実質的に周期的なタイミング信号であり得る。このような遅延素子のパフォーマンスは、本開示において重要である。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 以下は、1つまたは複数の実装形態の基本的な理解を提供するために、そのような実装形態の簡略化された概要を提示する。この概要は、すべての企図される実装形態の広範な概観ではなく、また、すべての実装形態の主要または重要な要素を特定することも、任意またはすべての実装形態の範囲を定めることも意図しない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明への前置きとして、簡略化された形で1つまたは複数の実装形態のいくつかの概念を提示することである。
【0005】
[0005] 本開示の一態様は、装置(apparatus)に関する。この装置は、以下を含む遅延素子を含む:互いに結合されかつ第1の制御電圧(first control voltage)を受信するように構成された第1のセットのゲート(gate)を含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)と、第1の電圧レール(first voltage rail)と第1のノード(first node)との間で、それぞれ、第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号(complementary select signal)のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、第3のセットのFETと、ここにおいて、第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号(non-complementary select signal)のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、第2のノード(second node)と第2の電圧レール(second voltage rail)との間で、それぞれ、第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧(second control voltage)を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、第1のノードと第2のノードとの間に結合されたインバータ(inverter)、ここにおいて、インバータは、入力信号(input signal)を受信するように構成された入力(input)と、出力信号(output signal)を生成するように構成された出力(output)と、を含む。
【0006】
[0006] 本開示の別の態様は、方法に関する。この方法は、遅延素子に関連付けられたプロセス速度(process speed)または遅延素子に与えられる供給電圧(supply voltage)を決定することと、ここにおいて、遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース(current source)、インバータ、および電流シンク(current sink)を備え、プロセス速度または供給電圧に基づいて、電流ソースおよび電流シンクのサイズ(size)を設定するための制御信号を与えることと、インバータの入力に印加される入力信号と、インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延(delay)を設定するために、電流ソースおよび電流シンクに電流制御電圧(current control voltage)を与えることと、を含む。
【0007】
[0007] 本開示の別の態様は、装置に関する。この装置は、遅延素子に関連付けられたプロセス速度または遅延素子に与えられる供給電圧を決定するための手段と、ここにおいて、遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース、インバータ、および電流シンクを備え、プロセス速度または供給電圧に基づいて、電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えるための手段と、インバータの入力に印加される入力信号と、インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、電流ソースおよび電流シンクに電流制御電圧を与えるための手段と、を含む。
【0008】
[0008] 本開示の別の態様は、ワイヤレス通信デバイス(wireless communication device)に関する。このワイヤレス通信デバイスは、メモリデバイス(memory device)と、メモリデバイスに結合されたメモリインターフェース(memory interface)と、を含み、ここにおいて、メモリインターフェースは、複数の遅延素子を備え、複数の遅延素子は、互いに結合されかつ第1の制御電圧を受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET)と、第1の電圧レールと第1のノードとの間で、それぞれ、第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、第3のセットのFETと、ここにおいて、第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、第2のノードと第2の電圧レールとの間で、それぞれ、第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、第1のノードと第2のノードとの間に結合されたインバータと、ここにおいて、インバータは、入力信号を受信するように構成された入力と、出力信号を生成するように構成された出力と、を含む、をそれぞれ含む。このワイヤレス通信デバイスは、メモリインターフェースに結合された少なくとも1つのデジタル信号処理コア(digital signal processing core)と、少なくとも1つのデジタル信号処理コアに結合されたトランシーバ(transceiver)と、トランシーバに結合された少なくとも1つのアンテナ(antenna)と、さらに含み得る。
【0009】
[0009] 前述の目的および関連する目的を達成するために、1つまたは複数の実装形態は、以下で十分に説明されかつ特許請求の範囲において具体的に示される特徴を含む。以下の説明および添付の図面は、1つまたは複数の実装形態のある特定の例示的な態様を詳細に示す。しかしながら、これらの態様は、様々な実装形態の原理が用いられ得る様々な方法のうちのごく一部を示すものであり、本説明の実装形態は、すべてのこのような態様およびそれらの同等物を含むように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010] 図1は、本開示の一態様による、例となるインバータベースの遅延素子のブロック図を例示する。
図2】[0011] 図2は、本開示の別の態様による、インバータベースの遅延素子に関連付けられた、遅延対電流ソース/シンク駆動の間の関係を図示するグラフを例示する。
図3】[0012] 図3は、本開示の別の態様による、別の例となるインバータベースの遅延素子の概略図を例示する。
図4】[0013] 図4は、本開示の別の態様による、例となる遅延線システムのブロック/概略図を例示する。
図5】[0014] 図5は、本開示の別の態様による、別の例となる遅延線システムのブロック/概略図を例示する。
図6】[0015] 図6は、本開示の別の態様による、インバータベースの遅延素子のセットを用いる、例となるダブルデータレート(DDR)メモリインターフェースのブロック図を例示する。
図7】[0016] 図7は、本開示の別の態様による、例となるクロック分配回路(CDC:clock distribution circuit)のブロック図を例示する。
図8】[0017] 図8は、本開示の別の態様による、信号を遅延させる例となる方法のフロー図を例示する。
図9】[0018] 図9は、本開示の別の態様による、例となるワイヤレス通信デバイスのブロック図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0019] 添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、本明細書で説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すようには意図されない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念が、これらの特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、周知の構造および構成要素が、このような概念を曖昧にすることを避けるために、ブロック図形式で示される。
【0012】
[0020] 図1は、本開示の一態様による、インバータベースの遅延素子100(電流枯渇インバータ(current starved inverter)とも呼ばれる)の概略図を例示する。遅延素子100は、p型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOS FET)M1として構成された電流ソースと、PMOS FET M2およびn型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOS FET)M3を含むインバータ110と、NMOS FET M4として構成された電流シンクと、を含み、すべてが、上側電圧レールVDDと下側電圧レールVSS(例えば、接地)との間に直列に結合または接続されている。
【0013】
[0021] インバータ110のPMOS FET M2およびNMOS FET M3のゲートは、互いに結合され、遅延されるべき入力信号Sを受信するための遅延素子100への入力として機能する。インバータ110のPMOS FET M2およびNMOS FET M3のドレインは、互いに結合され、入力信号の遅延されたバージョンである出力信号Sを生成するための遅延素子100の出力として機能する。電流ソースPMOS FET M1および電流シンクNMOS FET M2は、それぞれ、遅延素子100の特定の遅延(particular delay)を設定するために、制御電圧(control voltage)VBPおよびVBNを受信するためのゲートを含む。
【0014】
[0022] 遅延素子100の遅延は、プルダウン遅延(Tdown)と合計されたプルアップ遅延(Tup)に関連する。プルアップ遅延(Tup)は、以下の関係によって与えられ得る:
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、CLは、遅延素子100の出力に与えられる負荷キャパシタンスであり、Iupは、プルアップ電流であり、Mは、PMOS FET M1のサイズ(例えば、有効チャネル幅対チャネル長比(W/L))であり、μは、PMOS FET M1におけるキャリア(正孔)の移動度であり、VTHは、PMOS FET M1の閾値電圧であり、VBPは、PMOS FET M1のゲートに印加される制御電圧である。代替として、PMOS FET M1は、並列に結合された、同一サイズをそれぞれ有する複数のPMOS FETで構成され得、Mは、オンにされる(アクティブ化される)PMOS FETの数を指し得る。
【0017】
[0023] 同様に、プルダウン遅延(Tdown)は、以下の関係によって与えられ得る:
【0018】
【数2】
【0019】
ここで、CLは、遅延素子100の出力に与えられる負荷キャパシタンスであり、Idownは、プルダウン電流であり、Mは、NMOS FET M4のサイズ(W/L)であり、μは、NMOS FET M4におけるキャリア(電子)の移動度であり、VTHは、NMOS FET M4の閾値電圧であり、VBNは、NMOS FET M4のゲートに印加される制御電圧である。代替として、NMOS FET M4は、並列に結合された、同一サイズをそれぞれ有する複数のNMOS FETで構成され得、Mは、オンにされる(アクティブ化される)NMOS FETの数を指し得る。
【0020】
[0024] Tdown(以下の説明は、Tupにも適用可能である)を考慮し、FET M1およびM4のサイズが実質的に同じ(例えば、プロセス公差内)であると仮定すると、負荷キャパシタンスCLが比較的高く、キャリアの移動度μが比較的低い場合の低速プロセスコーナー(slow process corner)では、特定のターゲット遅延Tdownを達成するために、ゲート電圧と閾値電圧の差VBN-VTHは、式2に従って比較的高くなり得る。負荷キャパシタンスCLが比較的低く、キャリアの移動度μが比較的高い場合の高速プロセスコーナー(fast process corner)では、同じターゲット遅延Tdownを達成するために、ゲート電圧と閾値電圧の差VBN-VTHは、式2に従って比較的低くなるべきである。ゲート電圧と閾値電圧の差VBN-VTHは、対応するFETの駆動とも呼ばれ得る。
【0021】
[0025] 図2は、遅延素子100の遅延と、NMOS FET M4のゲート制御電圧と閾値電圧との間の差VBN-VTH(駆動)との間の関係を図示するグラフを例示する。y軸すなわち垂直軸は、遅延をピコ秒(ps)で表し、x軸すなわち水平軸は、NMOS FET M4のゲート制御電圧と閾値電圧との間の電圧差VBN-VTHをミリボルト(mv)で表す。PMOS FET M1の閾値電圧とゲート制御電圧との間の電圧差VTH-VBPは、(例えば、TupがTdownに実質的に等しくなるように)VBN-VTHのものと同様であり得ることを理解されたい。
【0022】
[0026] 実線プロットは、12という比較的大きいデバイスサイズMを有する比較的低速なプロセスコーナーに関し、一点鎖線プロットは、同じく12であるデバイスサイズMを有する比較的高速なプロセスコーナーに関し、大きい破線プロットは、2個(2)というより小さいデバイスサイズMを有する高速プロセスコーナーに関する。この例では、水平の小さい破線プロットによって表されるように、遅延素子100についてのターゲット遅延は、38psであり、垂直の破線プロットは、ターゲット遅延線をNMOS FET M4の対応する駆動(VBN-VTH)にマッピングする。
【0023】
[0027] 低速プロセスコーナー(実線プロット)では、38psのターゲット遅延を達成するためのVBN-VTHは、約425mVであり、低速プロセスコーナーのプロットは、プロットの傾きを表す太線によって示されるように、その領域においては比較的平坦であり、これは、閾値電圧VTH変動に対する遅延の感度が比較的小さいことを意味することに留意されたい。
【0024】
[0028] 一方、高速プロセスコーナー/大きいM(一点鎖線プロット)では、38psの遅延を達成するためのVBN-VTHは、約80mVであり、高速プロセスコーナー/大きいMのプロットは、対応する太い傾斜線によって示されるように、その領域においては比較的高い傾斜を有し、これは、閾値電圧VTH変動に対する遅延の感度が比較的高いことを意味する。
【0025】
[0029] したがって、VBN-VTHが高いほど、閾値電圧VTH変動に対する遅延の感度が低くなる。閾値電圧VTHは、集積回路(IC)ダイにわたって著しく異なり得るので、高速コーナーでは、ICの異なる領域に位置する遅延素子の結果として生じる遅延の著しい変動があり得る。
【0026】
[0030] 要約すると、再び図2および式2を参照すると、高速コーナーにある場合、FET M1およびM4の有効サイズMは、より小さくされ得、VBN-VTHは、より高くされ得る。図2に例示されるように、大きい破線プロットは、より小さいM(例えば、M=2)を有する高速プロセスコーナーに関する。したがって、38psのターゲット遅延を使用すると、より小さいデバイスサイズM=2を有する高速コーナーでは、VBN-VTHは、約370mVであり、これは、高速コーナーおよびより大きいデバイスサイズM=12のものと比較して、(対応する太い傾斜線によって示されるように)比較的平坦な領域にある。したがって、閾値電圧VTH変動に対する遅延の感度は、比較的小さい。
【0027】
[0031] したがって、プロセスコーナーに基づいてMを調整することによって(例えば、低速コーナー→高いM、高速コーナー→低いM)、閾値電圧変動に対する遅延に対する感度は、IC全体にわたってインスタンス化された遅延素子について小さく保たれ得る。
【0028】
[0032] 図3は、本開示の別の態様による、インバータベースの遅延素子300の概略図を例示する。遅延素子300は、互いに結合されかつ第1の制御電圧VBPを受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットのPMOS FET M10~M1Nを含み、ここで、Nは、整数である。遅延素子300は、上側電圧レールVDDと第1のノードn1との間で、それぞれ、第1のセットのFET M10~M1Nと直列に結合または接続された第2のセットのPMOS FET
【0029】
【数3】
【0030】
をさらに含む。第2のセットのFET
【0031】
【数4】
【0032】
は、それぞれ、相補セレクト信号
【0033】
【数5】
【0034】
のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含む。
【0035】
[0033] 遅延素子300は、第3のセットのFET MS0~MSNをさらに含み、ここにおいて、第3のセットのFET MS0~MSNは、それぞれ、非相補セレクト信号S0~SNのセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含む。追加として、遅延素子300は、第2のノードn2と下側電圧レール(例えば、接地)との間で、それぞれ、第3のセットのFET MS0~MSNと直列に結合された第4のセットのFET M40~M4Nを含む。第4のセットのFET M40~M4Nは、互いに結合されかつ第2の制御電圧VBNを受信するように構成された第4のセットのゲートを含む。
【0036】
[0034] 遅延素子300はまた、ゲートが遅延されるべき入力信号Sを受信するために入力において互いに結合され、ドレインが入力信号Sの遅延されたバージョンである出力信号Sを生成するために出力において互いに結合された状態で、ノードn1とn2の間に直列に結合または接続されたPMOS FET M2およびNMOS FET M3を含むインバータ310を含む。
【0037】
[0035] 低速プロセスコーナーでは、電流ソース(例えば、オンにされたPMOS FET
【0038】
【数6】
【0039】
の数)および電流シンク(例えば、オンにされたNMOS FET MS0~MSNの数)の有効サイズMは、比較的大きく設定され得る。したがって、相補セレクト信号
【0040】
【数7】
【0041】
のセットおよび非相補セレクト信号S0~SNのセットは、それぞれ、PMOS FET
【0042】
【数8】
【0043】
のセットおよびNMOS FET MS0~MSNのセットのうちの多数またはすべてをオンにするように構成され得る。例えば、特定の比較的低速なプロセス速度で、N=11であるケースでは、PMOS FET
【0044】
【数9】
【0045】
およびNMOS FET MS0~MSNのオンにされる数は9個(9)であり得、オフにされる数は3個(3)であり得る。このようなケースでは、相補セレクト信号
【0046】
【数10】
【0047】
のセットおよび非相補セレクト信号S0~S8のセットは、それぞれ、VSSおよびVDD電位にあり、相補セレクト信号
【0048】
【数11】
【0049】
のセットおよび非相補セレクト信号S9~S11のセットは、それぞれ、VDDおよびVSS電位にある。あるいは、別のケースでは、PMOS FET
【0050】
【数12】
【0051】
およびNMOS FET MS0~MSNのすべてがオンにされ、このケースでは、相補セレクト信号
【0052】
【数13】
【0053】
のセットおよび非相補セレクト信号S0~S11のセットは、それぞれ、VSSおよびVDD電位にある。
【0054】
[0036] 高速プロセスコーナーでは、電流ソース(例えば、オンにされたPMOS FET
【0055】
【数14】
【0056】
の数)および電流シンク(例えば、オンにされたNMOS FET MS0~MSNの数)の有効サイズMは、比較的小さく設定され得る。したがって、相補セレクト信号
【0057】
【数15】
【0058】
のセットおよび非相補セレクト信号S0~SNのセットは、それぞれ、PMOS FET
【0059】
【数16】
【0060】
のセットおよびNMOS FET MS0~MSNのセットのうちのほんの少数だけをオンにするように構成され得る。例えば、特定の比較的高速なプロセス速度で、N=11であるケースでは、PMOS FET
【0061】
【数17】
【0062】
およびNMOS FET MS0~MSNのオンにされる数は3個(3)であり得、オフにされる数は9個(9)であり得る。このようなケースでは、相補セレクト信号
【0063】
【数18】
【0064】
のセットおよび非相補セレクト信号S0~S2のセットは、それぞれ、VSSおよびVDD電位にあり、相補セレクト信号
【0065】
【数19】
【0066】
のセットおよび非相補セレクト信号S3~S11のセットは、それぞれ、VDDおよびVSS電位にある。高速プロセスコーナーのケースでオンにされるFETの数は、低速プロセスコーナーのケースでオンにされるFETの数より少ない。
【0067】
[0037] PMOS FET
【0068】
【数20】
【0069】
およびNMOS FET MS0~MSNの各々は、実質的に同じサイズを有するように構成され得る。したがって、単一のPMOS FET
【0070】
【数21】
【0071】
および単一のNMOS FET(MS0~MSNのうちの1つ)がオンにされる場合、電流ソース/電流シンクの有効サイズMは、1個(1)に正規化され得る。このようなケースでは、例えば、9個(9)のPMOS FET
【0072】
【数22】
【0073】
およびNMOS FET MS0およびMS8がオンにされ、3個(3)のPMOS FET
【0074】
【数23】
【0075】
およびNMOS FET MS9およびMS11がオフにされる場合、電流ソース/電流シンクの有効サイズMは、9個(9)である。示されたように、PMOS FET
【0076】
【数24】
【0077】
およびNMOS FET MS0~MSNが実質的に同じサイズを有するように構成される場合、オンにされるPMOS FET
【0078】
【数25】
【0079】
の数は、オンにされるNMOS FET MS0~MSNの数と同じであり得る。しかしながら、PMOS FET
【0080】
【数26】
【0081】
およびNMOS FET MS0~MSNのサイズは、実質的に同じに構成される必要はないことを理解されたい。
【0082】
[0038] さらに、相補セレクト信号
【0083】
【数27】
【0084】
のセットおよび非相補セレクト信号S0~SNのセットのすべてが、対応するPMOS FET
【0085】
【数28】
【0086】
およびNMOS FET MS0~MSNをオンおよびオフにするように構成可能であり得るが、これらセレクト信号のうちの1つまたは複数が、動作中、対応する1つまたは複数のFETをオンに維持するように固定され得ることを理解されたい。例えば、N=11であるケースを再び考慮すると、すべての使用ケースに対してオンである最小数のPMOS FET
【0087】
【数29】
【0088】
およびNMOS FET MS0~MSNが存在することが決定され得る。したがって、対応するセレクト信号は、PMOS FETのケースでは、ゲート電圧をVSSに固定し、NMOS FETのケースでは、ゲート電圧をVDDに固定することなどによって、そのような最小数のFETをオンに保つように構成され得る。
【0089】
[0039] 図4は、本開示の別の態様による、例となる遅延線システム400のブロック/概略図を例示する。遅延線システム400は、遅延線(delay line)405と、プロセス速度決定回路(process speed determination circuit)450と、遅延感度コントローラ(delay sensitivity controller)460と、遅延制御回路(delay control circuit)470と、を含む。
【0090】
[0040] 遅延線405は、カスケード接続された遅延素子(cascaded delay elements)408-1~408-Jのセットを含み、これらの各々は、前述した遅延素子300と同様に構成され得る。例えば、遅延線405は、上側電圧レールVDDと下側電圧レールVSSとの間に直列に結合または接続された、電流ソース410-1と、インバータ420-1と、電流シンク430-1と、を含む第1の遅延素子408-1を含む。電流ソース410-1は、制御信号
【0091】
【数30】
【0092】
によって制御され、ここで、
【0093】
【数31】
【0094】
部分は、遅延感度目的のために電流ソースのサイズを制御し、
【0095】
【数32】
【0096】
部分は、遅延設定目的のために電流ソースの駆動を制御する。同様に、電流シンク430-1は、制御信号SVによって制御され、ここで、S部分は、遅延感度目的のために電流シンクのサイズを制御し、V部分は、遅延設定目的のために電流シンクの駆動を制御する。
【0097】
[0041] 残りのカスケード接続された遅延素子408-2~408-Jも同様に構成され、それぞれ、上側電圧レールVDDと下側電圧レールVSSとの間に直列に結合または接続された、電流ソース410-2~410-Jと、インバータ420-2~420-Jと、電流シンク430-2~430-Jと、を含む。添え字Jは、整数であり得る。遅延線405が入力信号を遅延させて出力信号を生成するために使用される場合、入力信号は、インバータ420-1の入力に印加され得、出力信号は、インバータ420-Jの出力において生成され得る。遅延線405がリング発振器において使用される場合、インバータ420-Jの出力は、インバータ420-1の入力に結合され、ここで、Jは、このケースでは奇数の整数である。
【0098】
[0042] プロセス速度決定回路450は、(例えば、遅延線405の電流ソース、インバータ、および電流シンクを形成するFETに関連する)遅延線405を含むICのプロセス速度を示すプロセス速度信号(process speed signal)PSを生成するように構成される。一例として、プロセス速度決定回路450は、その周波数がICのプロセス速度に関連する発振信号を生成するように構成されたリング発振器であり得る。例えば、比較的高い周波数は、比較的高速なプロセス速度を示し、比較的低い周波数は、比較的低速なプロセス速度を示す。
【0099】
[0043] 遅延感度コントローラ460は、プロセス速度決定回路450の出力に結合された入力を含む。遅延感度コントローラ460は、プロセス速度信号PSに基づいて、それぞれ、電流ソースサイズ設定制御信号
【0100】
【数33】
【0101】
および電流シンクサイズ設定制御信号Sを生成するように構成される。したがって、遅延感度コントローラ460は、遅延線405の電流ソースおよび電流シンクに(例えば、遅延線405の電流ソースおよび電流シンクを形成するFETのゲートに)結合された出力を含む。
【0102】
[0044] 前述されたように、遅延線405に関連付けられた遅延感度を低減または制御するために、遅延線405の遅延素子408-1~408-Jの電流ソースおよび電流シンクのサイズは、プロセス速度信号に反比例して設定され得る。すなわち、プロセス速度信号PSが比較的低いプロセス速度を示す場合、電流ソースおよび電流シンクのサイズは、比較的大きく設定され得る。プロセス速度信号PSが比較的高いプロセス速度を示す場合、電流ソースおよび電流シンクのサイズは、比較的低く設定され得る。2つのサイズレベル(例えば、高いおよび低い)より多くのサイズレベルが存在し得、複数のレベル(例えば、非常に高い、高い、中間、低い、非常に低い)が存在し得ることを理解されたい。したがって、遅延感度コントローラ460は、プロセス速度をサイズ設定制御信号(size setting control signal)
【0103】
【数34】
【0104】
にマッピングするために、式またはテーブルを使用し得る。
【0105】
[0045] 遅延制御回路470は、遅延線405の特定の遅延を制御または設定するために、遅延線405の電流ソースおよび電流シンクの駆動を設定するための第1および第2の制御電圧VBPおよびVBNを生成するように構成される。したがって、遅延制御回路470は、遅延線405の電流ソースおよび電流シンクに(例えば、遅延線405の電流ソースおよび電流シンクを形成するFETのゲートに)結合された出力を含む。遅延制御回路470は、サイズ設定制御信号
【0106】
【数35】
【0107】
に基づいて(例えば、あるいは、サイズ設定制御信号
【0108】
【数36】
【0109】
が遅延感度コントローラ460によって決定された後に)、制御信号VBPおよびVBNを生成し得る。
【0110】
[0046] 図5は、本開示の別の態様による、例となる遅延線システム500のブロック/概略図を例示する。遅延線システム500は、遅延線505と、供給電圧ジェネレータ(supply voltage generator)550と、遅延感度コントローラ560と、遅延制御回路(delay control circuit)570と、を含む。
【0111】
[0047] 遅延線505は、カスケード接続された遅延素子508-1~508-Kのセットを含み、これらの各々は、前述した遅延素子300と同様に構成され得る。例えば、遅延線505は、上側電圧レールVDDと下側電圧レールVSSとの間に直列に結合または接続された、電流ソース510-1と、インバータ520-1と、電流シンク530-1と、を含む第1の遅延素子508-1を含む。電流ソース510-1は、制御信号
【0112】
【数37】
【0113】
によって制御され、ここで、
【0114】
【数38】
【0115】
部分は、遅延感度目的のために電流ソースのサイズを制御し、
【0116】
【数39】
【0117】
部分は、遅延設定目的のために電流ソースの駆動を制御する。同様に、電流シンク530-1は、制御信号SVによって制御され、ここで、S部分は、遅延感度目的のために電流シンクのサイズを制御し、V部分は、遅延設定目的のために電流シンクの駆動を制御する。
【0118】
[0048] 残りのカスケード接続された遅延素子508-2~508-Kも同様に構成され、それぞれ、上側電圧レールVDDと下側電圧レールVSSとの間に直列に結合または接続された、電流ソース510-2~510-Kと、インバータ520-2~520-Kと、電流シンク530-2~530-Kと、を含む。添え字Kは、整数であり得る。遅延線505が入力信号を遅延させて出力信号を生成するために使用される場合、入力信号は、インバータ520-1の入力に印加され得、出力信号は、インバータ520-Kの出力において生成され得る。遅延線505がリング発振器において使用される場合、インバータ520-Kの出力は、インバータ520-1の入力に結合され、ここで、Kは、このケースでは奇数の整数である。
【0119】
[0049] 供給電圧ジェネレータ550は、遅延線505の上側電圧レールのための供給電圧VDDを生成するように、またはより正確には、上側電圧レールと下側電圧レールとの間の供給電圧差(supply voltage difference)(VDD-VSS)を設定するように構成される。これは、異なる周波数または帯域幅に対して遅延線505を動作させるために行われ得る。例えば、遅延線505を比較的高い周波数または帯域幅で動作させるためには、供給電圧差(VDD-VSS)は、遅延線505の遅延を低減するために、比較的高く設定され得る。逆に、遅延線505を比較的低い周波数または帯域幅で動作させるためには、供給電圧差(VDD-VSS)は、電力消費を低減するために、比較的低く設定され得る。
【0120】
[0050] 遅延感度コントローラ560は、供給電圧ジェネレータ550の出力に結合された入力を含む。遅延感度コントローラ560は、供給電圧差(VDD-VSS、または、VSSが接地などの特定の電位に固定され得るので、VDD)に基づいて、それぞれ、電流ソースサイズ設定制御信号
【0121】
【数40】
【0122】
および電流シンクサイズ設定制御信号Sを生成するように構成される。したがって、遅延感度コントローラ560は、遅延線505の電流ソースおよび電流シンクに(例えば、遅延線505の電流ソースおよび電流シンクを形成するFETのゲートに)結合された出力を含む。
【0123】
[0051] 前述されたように、遅延線505に関連付けられた遅延感度を低減または制御するために、遅延線505の遅延素子の電流ソースおよび電流シンクのサイズは、供給電圧差VDD-VSSに反比例して設定され得る。すなわち、供給電圧差VDD-VSSが比較的低い(例えば、より低い周波数アプリケーションのためのものである)場合、電流ソースおよび電流シンクのサイズは、比較的大きく設定され得る。供給電圧差VDD-VSSが比較的高い(例えば、より高い周波数アプリケーションのためのものである)場合、電流ソースおよび電流シンクのサイズは、比較的低く設定され得る。同様に、2つのサイズレベル(例えば、高いおよび低い)より多くのサイズレベルが存在し得、複数のレベル(例えば、非常に高い、高い、中間、低い、非常に低い)が存在し得ることを理解されたい。したがって、遅延感度コントローラ560は、供給電圧差VDD-VSSをサイズ設定制御信号
【0124】
【数41】
【0125】
にマッピングするために、式またはテーブルを使用し得る。
【0126】
[0052] 遅延制御回路570は、遅延線505の特定の遅延を制御または設定するために、遅延線505の電流ソースおよび電流シンクの駆動を設定するための第1および第2の制御電圧VBPおよびVBNを生成するように構成される。したがって、遅延制御回路570は、遅延線505の電流ソースおよび電流シンクに(例えば、遅延線505の電流ソースおよび電流シンクを形成するFETのゲートに)結合された出力を含む。遅延制御回路570は、サイズ設定制御信号
【0127】
【数42】
【0128】
に基づいて(例えば、あるいは、サイズ設定制御信号
【0129】
【数43】
【0130】
が遅延感度コントローラ560によって決定された後に)、制御信号VBPおよびVBNを生成し得る。
【0131】
[0053] 図6は、前述したインバータベースの遅延素子を使用する、例となるメモリインターフェース600のブロック図を例示する。一例として、メモリインターフェース600は、DDR5または別のバージョンなどの、ダブルデータレート(DDR)メモリインターフェースであり得る。メモリインターフェース600は、粗遅延ユニット(coarse delay unit)630と、細密遅延ユニット(fine delay unit)640と、デューティサイクル調整器ユニット(duty cycle adjuster unit)650と、を含む調整可能な遅延線(adjustable delay line)620のインバータベースの遅延素子に対して実質的に同じ遅延を設定するための制御電圧VBPおよびVBNを生成するように構成されたクロック分配回路(CDC)610を含む。メモリインターフェース600は、それぞれ、CDC610の遅延素子および調整可能な遅延線620の遅延素子の電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定するための、相補信号(complementary signal)
【0132】
【数44】
【0133】
のセットおよび非相補信号(non-complementary signal)Sのセットを生成するように構成された遅延感度コントローラ615をさらに含む。
【0134】
[0054] データ信号DQまたはクロック(「ストローブ(strobe)」と呼ばれることもある)信号DQSが、調整可能な遅延線620の入力に印加され得る。調整可能な遅延線620は、出力Tx/Rxにおいて出力データ信号を生成するために、制御電圧VBPおよびVBNならびに相補信号
【0135】
【数45】
【0136】
のセットおよび非相補信号Sのセットに基づいて、データ信号DQまたはクロック信号DQSを遅延させるように構成される。調整可能な遅延線620は、ビット0など、メモリインターフェース600の特定のビットに関連付けられ得る。メモリインターフェース600は、並列ビット(例えば、64ビットまたはその他)を含み得、各ビットの各データ信号DQおよびクロック信号DQSについて調整可能な遅延線が存在することを理解されたい。各ビットについての一対の調整可能な遅延線は、データ信号DQをクロック信号DQSに時間的に揃えるためのものであり、これにより、クロックDQSは、データ抽出のために受信機においてデータ信号DQをサンプリングするために使用され得る。
【0137】
[0055] 粗遅延ユニット630は、カスケード接続された遅延素子632のセットを含み、これらのうちの1つまたは複数が、粗遅延ユニット630の遅延を設定するためにバイパスされ得る。粗遅延ユニット630は、データ信号DQまたはクロック信号DQSを受信するように構成された入力遅延素子632-1を含む。粗遅延ユニット630の遅延素子632-1、632-2などの各々は、前述した遅延素子300、408-1~408-J、およびまたは508-1~508-Kのいずれかで(per any)構成され得る。説明されたように、遅延素子の各々は、遅延感度コントローラ615によって生成される相補信号
【0138】
【数46】
【0139】
のセットおよび非相補信号Sのセットと、CDC610によって生成される制御電圧VBPおよびVBNと、によって制御されるように構成され得る。
【0140】
[0056] 細密遅延ユニット640は、入力遅延素子642-iと、出力遅延素子642-oと、選択可能なシャントキャパシタ(shunt capacitor)Cのセットと、を含む。入力遅延素子642-iは、粗遅延ユニット630の出力に結合された入力と、出力遅延素子642-oの入力に結合された出力と、を含む。選択可能なシャントキャパシタのセットは、入力遅延素子642-iの出力(出力遅延素子642-oの入力)と、下側電圧レール(例えば、接地)との間に選択的に結合される。細密遅延ユニット640の遅延量は、選択されたシャントキャパシタCの数に関連する。細密遅延ユニット640の入力遅延素子642-iおよび出力遅延素子642-oの各々は、前述した遅延素子300、408-1~408-J、およびまたは508-1~508-Kのいずれかで構成され得る。説明されたように、遅延素子642-iおよび642-oの各々は、前述されたように、遅延感度コントローラ615によって生成される相補信号
【0141】
【数47】
【0142】
のセットおよび非相補信号Sのセットと、CDC610によって生成される制御電圧VBPおよびVBNと、によって制御されるように構成され得る。
【0143】
[0057] デューティサイクル調整器650は、第1の遅延素子「1」652と、第2の遅延素子「2」654と、マルチプレクサ656と、を含む。第1および第2の遅延素子652および654は、細密遅延ユニット640の出力(例えば、出力遅延素子642-oの出力)に結合されたそれぞれの入力を含む。第1および第2の遅延素子652および654は、それぞれ、マルチプレクサ656の入力に結合された出力を含む。第2の遅延素子の出力はまた、マルチプレクサ656のセレクト入力にも結合される。マルチプレクサ656は、調整可能な遅延線620の出力信号を生成するように構成された出力を含む。第1および第2の遅延素子626および654は、カスケード接続された遅延素子のセットを備え得、前述した遅延素子300、408-1~408-J、およびまたは508-1~508-Kのうちのいずれかでそれぞれ構成される。すなわち、各遅延素子は、前述されたように、遅延感度コントローラ615によって生成される相補信号
【0144】
【数48】
【0145】
のセットおよび非相補信号Sのセットと、CDC610によって生成される制御電圧VBPおよびVBNと、によって制御されるように構成される。第1および第2の遅延素子652および654は、細密遅延ユニット640の出力における信号に異なる遅延を適用し得る。
【0146】
[0058] 図7は、本開示の別の態様による、例となるクロック分配回路(CDC)700のブロック図を例示する。CDC700は、前述したメモリインターフェース600のCDC610の例となる実装形態であり得る。CDC700は、位相ロックループ(PLL:phase locked loop)として構成され得る。例えば、CDC700は、位相検出器(phase detector)710と、チャージポンプ(charge pump)720と、VBP制御電圧ジェネレータ(control voltage generator)730と、リング発振器(ring oscillator)740と、分周器(frequency divider)750と、を含む。
【0147】
[0059] 位相検出器710は、(例えば、水晶発振器から)基準信号(reference signal)(REF)を受信するように構成された第1の入力(first input)と、分周器750からフィードバック信号(FB)を受信するために、分周器750の出力に結合された第2の入力と、を含む。位相検出器710は、チャージポンプ720の少なくとも1つの入力にそれぞれ結合された、「UP」および「DN」出力などの少なくとも1つの出力を含む。チャージポンプ720は、調整可能な遅延線620などの調整可能な遅延線およびリング発振器740の遅延素子のリングの電流シンクを制御するために、第2の制御電圧VBNを生成するように構成された出力を含む。位相検出器710は、チャージポンプ720に、第2の制御電圧VBNを増大させるために、UP出力において信号をアサート(assert)することと、チャージポンプ720に、第2の制御電圧VBNを低減させるために、DN出力において信号をアサートすることと、を行うように構成される。位相検出器710は、基準信号とフィードバック信号とを、実質的に周波数および位相で揃えるために、UP信号およびDN信号を生成する。
【0148】
[0060] VBPジェネレータ730は、調整可能な遅延線620などの調整可能な遅延線およびリング発振器740の遅延素子のリングの電流ソースを制御するために、第2の制御電圧VBNに基づいて、第1の制御電圧VBPを生成する。シャントキャパシタCは、それぞれ、リング発振器信号に関連付けられたノイズおよび周波数成分を低減するために、チャージポンプ720の出力とVBP制御電圧ジェネレータ730の出力との間に結合される。リング発振器740の遅延素子は、前述した任意の遅延素子300、408-1~408-J、およびまたは508-1~508-Kで構成され得る。したがって、リング発振器740の各遅延素子は、例えば遅延感度コントローラ615によって生成される相補信号
【0149】
【数49】
【0150】
のセットおよび非相補信号Sのセットと、それぞれ、VBPジェネレータ730およびチャージポンプ720によって生成される制御電圧VBPおよびVBNと、によって制御されるように構成される。リング発振器740によって生成された信号は、分周器750に与えられ、これは、フィードバック信号を生成するために、リング発振器信号を周波数分割する。
【0151】
[0061] 図8は、本開示の別の態様による、信号を遅延させる例となる方法800のフロー図を例示する。方法800は、遅延素子に関連付けられたプロセス速度または遅延素子に与えられる供給電圧を決定すること、ここにおいて、遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース、インバータ、および電流シンクを備える(ブロック810)、を含む。遅延素子に関連付けられたプロセス速度または遅延素子に与えられる供給電圧を決定するための手段の例は、プロセス速度決定回路450および/または供給電圧ジェネレータ550を含む。
【0152】
[0062] 方法800は、プロセス速度または供給電圧に基づいて、電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えること(ブロック820)をさらに含む。プロセス速度または供給電圧に基づいて、電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えるための手段の例は、遅延感度コントローラ460、560、および615のいずれかを含む。
【0153】
[0063] 追加として、方法800は、インバータの入力に印加される入力信号と、インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、電流ソースおよび電流シンクに電流制御電圧を与えること(ブロック830)を含む。インバータの入力に印加される入力信号と、インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、電流ソースおよび電流シンクに電流制御電圧を与えるための手段の例は、遅延制御回路470、570、CDC610、およびCDC700のいずれかを含む。
【0154】
[0064] 方法800によれば、制御信号を与えることは、決定されたプロセス速度に反比例して、電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定することを含み得る。決定されたプロセス速度に反比例して、電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定するための手段の例は、遅延感度コントローラ460、560、および615のいずれかを含む。さらに、方法800によれば、制御信号を与えることは、供給電圧に反比例して、電流ソースおよび電流シンクの前記サイズを設定することを含み得る。供給電圧に反比例して、電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定するための手段の例は、遅延感度コントローラ460、560、および615のいずれかを含む。追加として、方法800は、電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定した後に、電流制御電圧を設定することを含み得る。電流ソースおよび電流シンクのサイズを設定した後に、電流制御電圧を設定するための手段の例は、遅延制御回路と遅延感度コントローラのいずれかの間のインタラクションを含む。
【0155】
[0065] 図9は、本開示の別の態様による、例となるワイヤレス通信デバイス900のブロック図を例示する。ワイヤレス通信デバイス900は、システムオンチップ(SOC)として構成され得る集積回路(IC)910と、メモリインターフェース930(例えば、DDRメモリインターフェース)と、メモリデバイス940と、トランシーバ950と、少なくとも1つのアンテナ960と、を含む。メモリインターフェース930は、少なくとも部分的に、前述したメモリインターフェース600で構成され得る。したがって、メモリインターフェース930は、遅延素子300または遅延素子408-1~408-Mもしくは508-1~508-Mのいずれかで構成された遅延素子を含み得る。
【0156】
[0066] 少なくとも1つのアンテナ960は、無線周波数(RF)受信信号をワイヤレスに受信し、RF送信信号をワイヤレスに送信するように構成される。トランシーバ950は、RF受信信号をベースバンド(BB)受信信号に変換し、ベースバンド(BB)送信信号をRF送信信号に変換するように構成される。1つまたは複数のデジタル信号処理コア920は、第1のセットのデータを生成するために、ベースバンド(BB)受信信号を処理することと、第2のセットのデータに基づいて、ベースバンド(BB)送信信号を生成することと、を行なうように構成され得る。
【0157】
[0067] 1つまたは複数のデジタル信号処理コア920は、第1のセットのデータをメモリデバイス940に記憶するように構成され得、それによって、メモリインターフェース930は、1つまたは複数のデジタル信号処理コア920からメモリデバイス940へ第1のセットのデータを転送するのを支援する。1つまたは複数のデジタル信号処理コア920は、メモリデバイス940からの第2のセットのデータにアクセスするように構成され得、それによって、メモリインターフェース930は、メモリデバイス940から1つまたは複数のデジタル信号処理コア920へ第2のセットのデータを転送するのを支援する。
【0158】
[0068] 本開示の先の説明は、いかなる当業者であっても、本開示の製造または使用を可能にするように提供される。本開示への様々な変更は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明された例に限定されるようには意図されず、本明細書で開示された原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられることとなる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
遅延素子、前記遅延素子は、
互いに結合されかつ第1の制御電圧を受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET)と、
第1の電圧レールと第1のノードとの間で、それぞれ、前記第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、前記第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、
第3のセットのFETと、ここにおいて、前記第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、
第2のノードと第2の電圧レールとの間で、それぞれ、前記第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、前記第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたインバータと、ここにおいて、前記インバータは、入力信号を受信するように構成された入力と、出力信号を生成するように構成された出力と、を含む、
を備え、
前記第1、第2、第3、および第4のセットのFETのプロセス速度を示すプロセス速度信号を生成するように構成された第1のリング発振器と、
前記プロセス速度信号に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
を備える装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
第1の速度を示す前記プロセス速度信号に基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第1の数量をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、
前記第1の速度より低い第2の速度を示す前記プロセス速度信号に基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第2の数量をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、ここにおいて、前記第1の数量は、前記第2の数量より少ない、
を行うように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の電圧レールまたは前記第2の電圧レールのうちの少なくとも1つに結合された出力を含む供給電圧ジェネレータをさらに備えここにおいて、前記コントローラは、前記供給電圧ジェネレータの前記出力に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
装置であって、
遅延素子と、前記遅延素子は、
互いに結合されかつ第1の制御電圧を受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET)と、
第1の電圧レールと第1のノードとの間で、それぞれ、前記第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、前記第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、
第3のセットのFETと、ここにおいて、前記第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、
第2のノードと第2の電圧レールとの間で、それぞれ、前記第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、前記第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたインバータと、ここにおいて、前記インバータは、入力信号を受信するように構成された入力と、出力信号を生成するように構成された出力と、を含む、
を備え、
前記第1の電圧レールと前記第2の電圧レールとの間の供給電圧差を生成するように構成された供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧差に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
を備る装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記供給電圧差が第1のレベルにあることに基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第1の数量をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、
前記供給電圧差が前記第1のレベルより低い第2のレベルにあることに基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第2の数量をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、ここにおいて、前記第1の数量は、前記第2の数量より少ない、
を行なうように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1および第4のFETのそれぞれ前記第1および第4のセットのゲートに結合された出力を含む制御回路をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成された制御回路をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記出力信号と前記入力信号との間に特定の遅延を生成するために、前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御回路は、前記相補信号のセットおよび前記非相補信号のセットに基づいて、前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記制御回路は、クロック分配回路(CDC)を備える、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記CDCは、
基準信号を受信するように構成された第1の入力を含む位相検出器と、
前記位相検出器の少なくとも1つの出力にそれぞれ結合された少なくとも1つの入力を含むチャージポンプと、ここにおいて、前記チャージポンプは、前記第2の制御電圧を生成するように構成された出力を含み、
前記チャージポンプの前記出力に結合された入力と、前記第1の制御電圧を生成するように構成された出力と、を含む第1の制御電圧ジェネレータと、
第2のリング発振器であって、
前記チャージポンプの前記出力および前記第1の制御電圧ジェネレータの前記出力にそれぞれ結合された第1のセットの入力と、
前記相補信号のセットおよび前記非相補信号のセットをそれぞれ受信するように構成された第2のセットの入力と、
を備える第2のリング発振器と、
前記第2のリング発振器の出力に結合された入力と、前記位相検出器の第2の入力に結合された出力と、を含む分周器と、
を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2のリング発振器は、前記遅延素子でそれぞれ構成された遅延素子のリングを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記遅延素子でそれぞれ構成された、カスケード接続された遅延素子のセットをそれぞれ備える、少なくとも1つの調整可能な遅延線をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットのうちの少なくとも1つは、動作中にオンにされる前記第2および第3のセットの前記FETのうちの対応する少なくとも1つを維持するように固定される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
方法であって、
遅延素子におけるデバイスのプロセス速度を示す信号を生成するようにリング発振器を動作させることと、ここにおいて、前記遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース、インバータ、および電流シンクを備え、
前記プロセス速度に基づいて、前記電流ソースおよび前記電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えることと、
前記インバータの入力に印加される入力信号と、前記インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、前記電流ソースおよび前記電流シンクに電流制御電圧を与えることと、
を備える方法。
【請求項16】
前記制御信号を与えることは、前記プロセス速度に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記制御信号を与えることは、前記遅延素子に供給される供給電圧に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定した後に、前記電流制御電圧を設定することをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
装置であって、
遅延素子におけるデバイスのプロセス速度を示す信号を生成するためのリング発振器手段と、ここにおいて、前記遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース、インバータ、および電流シンクを備え、
前記プロセス速度に基づいて、前記電流ソースおよび前記電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えるための手段と、
前記インバータの入力に印加される入力信号と、前記インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、前記電流ソースおよび前記電流シンクに電流制御電圧を与えるための手段と、
を備える装置。
【請求項20】
前記制御信号を与えるための前記手段は、前記プロセス速度に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための手段を備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記制御信号を与えるための前記手段は、前記遅延素子に供給される供給電圧に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための手段を備える、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記電流制御電圧を設定するための前記手段は、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための前記手段が前記サイズを設定した後に、前記電流制御電圧を設定するように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
ワイヤレス通信デバイスであって、
メモリデバイスと、
前記メモリデバイスに結合されたメモリインターフェースと、ここにおいて、前記メモリインターフェースは、複数の遅延素子を備え、前記複数の遅延素子は、
互いに結合されかつ第1の制御電圧を受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET)と、
第1の電圧レールと第1のノードとの間で、それぞれ、前記第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、前記第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、
第3のセットのFETと、ここにおいて、前記第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、
第2のノードと第2の電圧レールとの間で、それぞれ、前記第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、前記第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたインバータと、ここにおいて、前記インバータは、入力信号を受信するように構成された入力と、出力信号を生成するように構成された出力と、を含む、
をそれぞれ備え、
前記メモリインターフェースに結合された少なくとも1つのデジタル信号処理コアと、
前記少なくとも1つのデジタル信号処理コアに結合されたトランシーバと、
前記トランシーバに結合された少なくとも1つのアンテナと、
前記第1、第2、第3、および第4のセットのFETのプロセス速度を示すプロセス速度信号を生成するように構成されたリング発振器と、
前記プロセス速度信号に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
を備えるワイヤレス通信デバイス。
【請求項24】
前記メモリインターフェースは、
供給電圧ジェネレータをさらに備えここにおいて、前記コントローラは、前記供給電圧ジェネレータの出力に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含む、
求項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項25】
前記メモリインターフェースは、
前記第1の電圧レールと前記第2の電圧レールとの間の供給電圧差を生成するように構成された供給電圧ジェネレータをさらに備えここにおいて、前記コントローラは、前記供給電圧差に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成され
請求項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項26】
前記メモリインターフェースは、前記第1および第4のセットのFETのそれぞれ前記第1および第4のセットのゲートに結合された出力を含む制御回路をさらに備える、請求項23に記載のワイヤレス通信デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0158】
[0068]本開示の先の説明は、いかなる当業者であっても、本開示の製造または使用を可能にするように提供される。本開示への様々な変更は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明された例に限定されるようには意図されず、本明細書で開示された原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられることとなる。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 装置であって、
遅延素子を備え、前記遅延素子は、
互いに結合されかつ第1の制御電圧を受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET)と、
第1の電圧レールと第1のノードとの間で、それぞれ、前記第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、前記第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、
第3のセットのFETと、ここにおいて、前記第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、
第2のノードと第2の電圧レールとの間で、それぞれ、前記第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、前記第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたインバータと、ここにおいて、前記インバータは、入力信号を受信するように構成された入力と、出力信号を生成するように構成された出力と、を含む、
を備える、装置。
[C2] プロセス速度決定回路と、
前記プロセス速度決定回路に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含むコントローラと、
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C3] 前記第1、第2、第3、および第4のセットのFETに関連するプロセス速度を示すプロセス速度信号を生成するように構成されたプロセス速度決定回路と、
前記プロセス速度信号に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C4] 前記コントローラは、
第1の速度(first speed)を示す前記プロセス速度信号に基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第1の数量(first amount)をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、
前記第1の速度より低い第2の速度(second speed)を示す前記プロセス速度信号に基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第2の数量(second speed)をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、ここにおいて、前記第1の数量は、前記第2の数量より少ない、
を行うように構成される、C3に記載の装置。
[C5] 前記第1の電圧レールまたは前記第2の電圧レールのうちの少なくとも1つに結合された出力を含む供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧ジェネレータの前記出力に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含むコントローラと、
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C6] 前記第1の電圧レールと前記第2の電圧レールとの間の供給電圧差を生成するように構成された供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧差に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C7] 前記コントローラは、
前記供給電圧差が第1のレベル(first level)にあることに基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第1の数量をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、
前記供給電圧差が前記第1のレベルより低い第2のレベル(second level)にあることに基づいて、前記第2および第3のセットのFETの第2の数量をオンにするように、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成することと、ここにおいて、前記第1の数量は、前記第2の数量より少ない、
を行なうように構成される、C6に記載の装置。
[C8] 前記第1および第4のFETのそれぞれ前記第1および第4のセットのゲートに結合された出力を含む制御回路をさらに備える、C1に記載の装置。
[C9] 前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成された制御回路をさらに備える、C1に記載の装置。
[C10] 前記制御回路は、前記出力信号と前記入力信号との間に特定の遅延を生成するために、前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成される、C9に記載の装置。
[C11] 前記制御回路は、前記相補信号のセットおよび前記非相補信号のセットに基づいて、前記第1および第2の制御電圧を生成するように構成される、C9に記載の装置。
[C12] 前記制御回路は、クロック分配回路(CDC)を備える、C9に記載の装置。
[C13] 前記CDCは、
基準信号を受信するように構成された第1の入力を含む位相検出器と、
前記位相検出器の少なくとも1つの出力にそれぞれ結合された少なくとも1つの入力を含むチャージポンプと、ここにおいて、前記チャージポンプは、前記第2の制御電圧を生成するように構成された出力を含み、
前記チャージポンプの前記出力に結合された入力と、前記第1の制御電圧を生成するように構成された出力と、を含む第1の制御電圧ジェネレータと、
リング発振器であって、
前記チャージポンプの前記出力および前記第1の制御電圧ジェネレータの前記出力にそれぞれ結合された第1のセットの入力と、
前記相補信号のセットおよび前記非相補信号のセットをそれぞれ受信するように構成された第2のセットの入力と、
を備えるリング発振器と、
前記リング発振器の出力に結合された入力と、前記位相検出器の第2の入力に結合された出力と、を含む分周器と、
を備える、C12に記載の装置。
[C14] 前記リング発振器は、前記遅延素子でそれぞれ構成された遅延素子のリングを備える、C13に記載の装置。
[C15] 前記遅延素子でそれぞれ構成された、カスケード接続された遅延素子のセットをそれぞれ備える、少なくとも1つの調整可能な遅延線をさらに備える、C1に記載の装置。
[C16] 前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットのうちの少なくとも1つは、動作中にオンにされる前記第2および第3のセットの前記FETのうちの対応する少なくとも1つを維持するように固定される、C1に記載の装置。
[C17] 方法であって、
遅延素子に関連付けられたプロセス速度または前記遅延素子に与えられる供給電圧を決定することと、ここにおいて、前記遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース、インバータ、および電流シンクを備え、
前記プロセス速度または前記供給電圧に基づいて、前記電流ソースおよび前記電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えることと、
前記インバータの入力に印加される入力信号と、前記インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、前記電流ソースおよび前記電流シンクに電流制御電圧を与えることと、
を備える方法。
[C18] 前記制御信号を与えることは、前記プロセス速度に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定することを備える、C17に記載の方法。
[C19] 前記制御信号を与えることは、前記供給電圧に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定することを備える、C17に記載の方法。
[C20] 前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定した後に、前記電流制御電圧を設定することをさらに備える、C17に記載の方法。
[C21] 装置であって、
遅延素子に関連付けられたプロセス速度または前記遅延素子に与えられる供給電圧を決定するための手段と、ここにおいて、前記遅延素子は、第1の電圧レールと第2の電圧レールとの間に直列に結合された、電流ソース、インバータ、および電流シンクを備え、
前記プロセス速度または前記供給電圧に基づいて、前記電流ソースおよび前記電流シンクのサイズを設定するための制御信号を与えるための手段と、
前記インバータの入力に印加される入力信号と、前記インバータの出力において生成される出力信号との間の遅延を設定するために、前記電流ソースおよび前記電流シンクに電流制御電圧を与えるための手段と、
を備える装置。
[C22] 前記制御信号を与えるための前記手段は、前記プロセス速度に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための手段を備える、C21に記載の装置。
[C23] 前記制御信号を与えるための前記手段は、前記供給電圧に反比例して、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための手段を備える、C21に記載の装置。
[C24] 前記電流制御電圧を設定するための前記手段は、前記電流ソースおよび前記電流シンクの前記サイズを設定するための前記手段が前記サイズを設定した後に、前記電流制御電圧を設定するように構成される、C21に記載の装置。
[C25] ワイヤレス通信デバイスであって、
メモリデバイスと、
前記メモリデバイスに結合されたメモリインターフェースと、ここにおいて、前記メモリインターフェースは、複数の遅延素子を備え、前記複数の遅延素子は、
互いに結合されかつ第1の制御電圧を受信するように構成された第1のセットのゲートを含む、第1のセットの電界効果トランジスタ(FET)と、
第1の電圧レールと第1のノードとの間で、それぞれ、前記第1のセットのFETと直列に結合された第2のセットのFETと、ここにおいて、前記第2のセットのFETは、それぞれ、相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第2のセットのゲートを含み、
第3のセットのFETと、ここにおいて、前記第3のセットのFETは、それぞれ、非相補セレクト信号のセットを受信するように構成された第3のセットのゲートを含み、
第2のノードと第2の電圧レールとの間で、それぞれ、前記第3のセットのFETと直列に結合された第4のセットのFETと、ここにおいて、前記第4のセットのFETは、互いに結合されかつ第2の制御電圧を受信するように構成された第4のセットのゲートを含み、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたインバータと、ここにおいて、前記インバータは、入力信号を受信するように構成された入力と、出力信号を生成するように構成された出力と、を含む、
をそれぞれ備え、
前記メモリインターフェースに結合された少なくとも1つのデジタル信号処理コアと、
前記少なくとも1つのデジタル信号処理コアに結合されたトランシーバと、
前記トランシーバに結合された少なくとも1つのアンテナと、
を備えるワイヤレス通信デバイス。
[C26] プロセス速度決定回路と、
前記プロセス速度決定回路に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含むコントローラと、
をさらに備える、C25に記載のワイヤレス通信デバイス。
[C27] 前記第1、第2、第3、および第4のセットのFETに関連するプロセス速度を示すプロセス速度信号を生成するように構成されたプロセス速度決定回路と、
前記プロセス速度信号に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、C25に記載のワイヤレス通信デバイス。
[C28] 前記メモリインターフェースは、
供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧ジェネレータの出力に結合された入力と、前記第2および第3のセットのFETのそれぞれ前記第2および第3のセットのゲートに結合された出力と、を含むコントローラと、
をさらに備える、C25に記載のワイヤレス通信デバイス。
[C29] 前記メモリインターフェースは、
前記第1の電圧レールと前記第2の電圧レールとの間の供給電圧差を生成するように構成された供給電圧ジェネレータと、
前記供給電圧差に基づいて、前記相補セレクト信号のセットおよび前記非相補セレクト信号のセットを生成するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、C25に記載のワイヤレス通信デバイス。
[C30] 前記メモリインターフェースは、前記第1および第4のFETのそれぞれ前記第1および第4のセットのゲートに結合された出力を含む制御回路をさらに備える、C25に記載のワイヤレス通信デバイス。
【国際調査報告】