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特表2024-508015直交プリント回路基板インターフェース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】直交プリント回路基板インターフェース
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/24 20060101AFI20240214BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01Q21/24
H01Q21/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552503
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 US2022018601
(87)【国際公開番号】W WO2022192053
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】17/200,155
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シキナ,トーマス ヴイ.
(72)【発明者】
【氏名】ファヴロー,チャニング ピー.
(72)【発明者】
【氏名】クレック,エリカ
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA09
5J021AB06
5J021CA03
5J021DB03
5J021GA02
5J021HA04
5J021HA05
5J021JA05
(57)【要約】
【課題】二重偏波PCBアレイアンテナを提供する。
【解決手段】 二重偏波PCBアレイアンテナは、1つ以上のPCBと放射アンテナアレイとを含む。各PCBは、第1のPCB端部から対向する第2のPCB端部まで延びるPCB実装面を有する。放射アンテナアレイは1つ以上の放射体基板を含む。各放射体基板は、第1の基板端部から対向する第2の基板端部まで延びるパッチ実装面を有する。二重偏波PCBアレイアンテナはさらに、所与の放射体基板のパッチ実装面を所与のPCBのPCB実装面に対して直交位置に配列するように構成された1つ以上の直交インターフェースを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重偏波PCBアレイアンテナであって、
複数のPCBであって、各PCBは、PCB幅を画定する第1の軸、前記第1の軸に直交してPCB高さを画定する第2の軸、前記第1の軸及び前記第2の軸に直交してPCB長さを画定する第3の軸に沿って延び、各PCBは、PCB実装面であって、前記第2の軸に沿って第1のPCB端部から対向する第2のPCB端部まで延び、前記第3の軸に沿って第3のPCB端部から第4のPCB端部まで延びる前記PCB実装面を有する、前記複数のPCBと、
複数の放射体基板を含む放射アンテナアレイであって、各放射体基板は、パッチ実装面であって、前記第1の軸に沿って第1の基板端部から対向する第2の基板端部まで延び、前記第3の軸に沿って第3の基板端部から対向する第4の基板端部まで延びる前記パッチ実装面を有する、前記放射アンテナアレイと、
複数の直交インターフェースであって、前記複数の放射体基板の中の所与の放射体基板の前記パッチ実装面を、前記複数のPCBの中の所与のPCBの前記PCB実装面に対して直交位置に配列するように構成された前記複数の直交インターフェースと、
を含む、二重偏波PCBアレイアンテナ。
【請求項2】
前記放射アンテナアレイは、前記パッチ実装面上に配置された複数の放射アンテナ素子を含む、請求項1に記載の二重偏波PCBアレイアンテナ。
【請求項3】
各放射体基板は対応するPCBの前記第1のPCB端部に配置される、請求項2に記載の二重偏波PCBアレイアンテナ。
【請求項4】
前記複数の直交インターフェースの中の所与の直交インターフェースは、所与の放射体基板の前記パッチ実装面を所与のPCBの前記PCB実装面に対して直交位置に配列する、請求項3に記載の二重偏波PCBアレイアンテナ。
【請求項5】
前記所与の直交インターフェースは、
前記所与のPCB実装面上に形成された複数の導電性トレースと、
前記パッチ実装面を通って延び、前記導電性トレースに接触する複数の導電性ピンと、を含む、請求項4に記載の二重偏波PCBアレイアンテナ。
【請求項6】
前記複数の導電性トレースと前記複数の導電性ピンとの間の接触は、シールドされたチャネルインターフェースを確立する、請求項5に記載の二重偏波PCBアレイアンテナ。
【請求項7】
前記シールドされたチャネルインターフェースは接地信号接地構成を含む、請求項6に記載の二重偏波PCBアレイアンテナ。
【請求項8】
前記シールドされたチャネルインターフェースは信号接地信号構成を含む、請求項6に記載の二重偏波PCBアレイアンテナ。
【請求項9】
二重偏波アレイアンテナに含まれる直交プリント回路基板(PCB)インターフェースであって、前記直交PCBインターフェースは、
第1の複数の導電性要素を含むPCB実装面を含むPCBと、
第2の複数の導電性要素を含むパッチ実装面を含む放射体基板と、を含み、
前記第2の複数の導電性要素は前記第1の複数の導電性要素に、前記放射体基板の前記パッチ実装面が前記PCBの前記PCB実装面に対して直交位置に配列されるように結合される、直交PCBインターフェース。
【請求項10】
前記PCBは、PCB幅を画定する第1の軸、前記第1の軸に直交してPCB高さを画定する第2の軸、前記第1の軸及び前記第2の軸に直交してPCB長さを画定する第3の軸に沿って延び、前記PCB実装面は、前記第2の軸に沿って第1のPCB端部から対向する第2のPCB端部まで延び、前記第3の軸に沿って第3のPCB端部から第4のPCB端部まで延びる、請求項9に記載の直交PCBインターフェース。
【請求項11】
前記パッチ実装面は、前記第1の軸に沿って第1の基板端部から対向する第2の基板端部まで延び、前記第3の軸(たとえば、Z軸)に沿って第3の基板端部から対向する第4の基板端部まで延びる、請求項10に記載の直交PCBインターフェース。
【請求項12】
前記放射体基板は前記PCBの前記第1のPCB端部に配置される、請求項11に記載の直交PCBインターフェース。
【請求項13】
前記二重偏波アレイアンテナは、前記パッチ実装面上に配置された複数の放射アンテナ素子を含む、請求項12に記載の直交PCBインターフェース。
【請求項14】
前記第1の複数の導電性要素は、前記PCB実装面上に形成された複数の導電性トレースを含み、前記第2の複数の導電性要素は、前記パッチ実装面を通って延び、前記導電性トレースに接触する複数の導電性ピンを含む、請求項13に記載の直交PCBインターフェース。
【請求項15】
前記複数の導電性トレースと前記複数の導電性ピンとの間の接触は、シールドされたチャネルインターフェースを確立する、請求項14に記載の直交PCBインターフェース。
【請求項16】
前記シールドされたチャネルインターフェースは接地信号接地構成を含む、請求項15に記載の直交PCBインターフェース。
【請求項17】
前記シールドされたチャネルインターフェースは信号接地信号構成を含む、請求項15に記載の直交PCBインターフェース。
【請求項18】
二重偏波プリント回路基板(PCB)アレイアンテナに含まれるシールドされたチャネルインターフェースであって、前記シールドされたチャネルインターフェースは、
PCBのPCB実装面に結合された複数の第1の導電性要素と、
放射体基板のパッチ実装面に結合された複数の第2の導電性要素であって、前記パッチ実装面から垂直に延びて、前記複数の第1の導電性要素への電気接続を確立する、前記複数の第2の導電性要素と、を含み、
前記電気接続の中の少なくとも2つの第1の接続は、第1の信号を受け取るように構成され、前記電気接続の中の少なくとも1つの第2の接続は、前記第1の信号とは異なる第2の信号を受け取るように構成され、前記少なくとも1つの第2の接続は、前記少なくとも2つの第1の接続の間に置かれる、シールドされたチャネルインターフェース。
【請求項19】
前記電気接続は接地信号接地構成を確立する、請求項18に記載のシールドされたチャネルインターフェース。
【請求項20】
前記電気接続は信号接地信号構成を確立する、請求項19に記載のシールドされたチャネルインターフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国出願第17/200155号(2021年3月12日に出願)の利益を主張する。なおこの文献は、その全体において参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、アンテナに関し、特にフェーズドアレイアンテナに関する。
【0003】
フェーズドアレイアンテナ(「フェーズドアレイ」とも言われる)が、通信、レーダ、方向探知システム、ならびに他の多機能無線周波数(RF)システムで使用される。フェーズドアレイアンテナは通常、個々の放射アンテナ素子のアレイを含む。個々の放射素子の選択及びそのような要素の配列は、複数の偏波を有するRF信号を効率的に送受信する能力に影響する。
【0004】
フェーズドアレイアンテナを容易にするために使用されるアーキテクチャの一例は、「PCBアレイ」と言われる。PCBアレイアーキテクチャは通常、比較的長いプリント回路基板(PCB)の対向する表面上に2つの別個のアレイパッケージを実装するため、「PCB」アレイという名前になっている。それぞれの個々のPCBの深さにわたって存在する大きな表面積は、コンポーネント及び送信/受信モジュールを実装するための広い領域を提供すると同時に、熱負荷を大きな体積にわたって分散する。
【発明の概要】
【0005】
非限定的な実施形態によれば、二重偏波PCBアレイアンテナが提供される。二重偏波PCBアレイアンテナは、複数のPCBS及び放射アンテナアレイを含む。複数のPCBは、各PCBが、PCB幅を画定する第1の軸、第1の軸に直交してPCB高さを画定する第2の軸、第1の軸及び第2の軸に直交してPCB長さを画定する第3の軸に沿って延びる。各PCBは、PCB実装面であって、第2の軸に沿って第1のPCB端部から対向する第2のPCB端部まで延び、第3の軸に沿って第3のPCB端部から第4のPCB端部まで延びるPCB実装面を有する。放射アンテナアレイは複数の放射体基板を含む。各放射体基板は、パッチ実装面であって、第1の軸に沿って第1の基板端部から対向する第2の基板端部まで延び、第3の軸第3の基板端部から対向する第4の基板端部まで延びるパッチ実装面を有する。二重偏波PCBアレイアンテナはさらに、複数の放射体基板のパッチ実装面を複数のPCBのPCB実装面に対して直交位置に配列するように構成された複数の直交インターフェースを含む。
【0006】
他の非限定的な実施形態によれば、二重偏波アレイアンテナに含まれる直交プリント回路基板(PCB)インターフェースが提供される。直交PCBインターフェースはPCB及び放射体基板を含む。PCBは、第1の複数の導電性要素を含むPCB実装面を含む。放射体基板は、第2の複数の導電性要素を含むパッチ実装面を含む。第2の複数の導電性要素は第1の複数の導電性要素に、放射体基板のパッチ実装面がPCBのPCB実装面に対して直交位置に配列されるように結合される。
【0007】
さらに別の非限定的な実施形態によれば、二重偏波プリント回路基板(PCB)アレイアンテナに含まれるシールドされたチャネルインターフェースが提供される。シールドされたチャネルインターフェースは、PCBのPCB実装面に結合された複数の第1の導電性要素と、放射体基板のパッチ実装面に結合された複数の第2の導電性要素とを含む。複数の第2の導電性要素は、パッチ実装面から垂直に延びて、複数の第1の導電性要素への電気接続を確立する。電気接続の中の少なくとも2つの第1の接続は、第1の信号を受け取るように構成され、電気接続の中の少なくとも1つの第2の接続は、第1の信号とは異なる第2の信号を受け取るように構成され、少なくとも1つの第2の接続は、少なくとも2つの第1の接続の間に置かれる。
【0008】
さらなる特徴及び利点が、本開示の技法を通して実現される。本明細書では、他の実施形態及び態様が詳細に説明され、請求される開示の一部と考えられる。利点及び特徴を伴う本開示をより良好に理解するために、説明及び図面を参照する。
【0009】
本開示をより完全に理解するために、次に、以下の簡単な説明を添付図面及び詳細な説明とともに参照する。ここでは、同様の参照数字は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】非限定的な実施形態による二重偏波PCBアレイアンテナの斜視図である。
図2】非限定的な実施形態による図1に示す二重偏波PCBアレイアンテナに含まれる直交PCBインターフェースを示す図である。
図3】非限定的な実施形態による図2に示す直交PCBインターフェースに含まれる放射体PCBを示す図である。
図4】非限定的な実施形態による図3に示す放射体PCBの分解図である。
図5A】非限定的な実施形態による図4に示す放射体PCBに含まれるパッチアンテナを示す図である。
図5B】非限定的な実施形態による図2に示す直交放射体PCBインターフェースに含まれるPCBに結合される図5Aに示すパッチアンテナを示す図である。
図6】非限定的な実施形態による二重偏波PCBアレイアンテナによって提供されるシールドされたチャネルインターフェースを示す図である。
図7】他の非限定的な実施形態による二重偏波PCBアレイアンテナによって提供されるシールドされたチャネルインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載の種々の非限定的な実施形態によって、二重偏波PCBアレイアンテナにおいて実装するための直交プリント回路基板(PCB)インターフェースが提供される。直交プリント回路基板(PCB)インターフェースは、単一のPCBのみを使用することを含む技術ギャップを克服するとともに、相手側PCBに対して直交して配列された対応する放射体基板上に統合された二重偏波パッチ及びスタックパッチ放射体を介して効率的な二重偏波を容易にする。
【0012】
少なくとも1つの非限定的な実施形態によれば、直交PCBインターフェースは、PCBに対して直交位置に配列された放射体基板との高効率な接続を提供し、フェーズドアレイフロントエンドにおいて信号を交換するために必要な機能を完成させる。加えて、直交PCBインターフェースは、最新のフェーズドアレイと適合する動作周波数範囲内で最小の反射係数性能を提供するとともに、放射体基板及びPCBに含まれる電子回路及び/またはコンポーネント(たとえば、増幅器、スイッチ、またはハイブリッド回路)との干渉を最小限にする。また直交PCBインターフェースは、放射体基板とPCBとの間に十分な熱境界及び交換媒体を提供する構造的インターフェースを確立する。このようにして、直交PCBインターフェースは、最新の製造プロセス、及びフェーズドアレイの動作、搬送、及び保管中の予想されるストレスに耐えることができる。
【0013】
次に図1を参照して、非限定的な実施形態による二重偏波PCBアレイアンテナ100を例示する。二重偏波PCBアレイアンテナ100は、複数の個々のPCB102及び放射アンテナアレイ104を含む。PCB102は、第1の軸(たとえば、X軸)に沿って並んで配列され、空隙106によって互いに分離されている。各PCB102は、PCB幅(Wst)を画定する第1の軸(たとえば、X軸)、第1の軸に直交してPCB高さ(Hst)を画定する第2の軸(たとえば、Y軸)、及びX軸及びY軸に直交してPCB長さ(Lst)を画定する第3の軸(たとえば、Z軸)に沿って延びる。PCB102は、たとえば約2.0~約6の範囲に渡る誘電率(k)、たとえば約0.0005~約0.03の範囲に渡る誘電正接(tanδ)、たとえば約10ppm/℃~約220ppm/℃の範囲に渡る熱膨張係数(CTE)を与える種々の材料から形成することができる。1つ以上の実施形態では、PCB102は、種々の回路、トレース、及び/または電気部品を含むプリント回路基板(PCB)として作製することができる。
【0014】
各PCB102は、PCB実装面108であって、Y軸に沿って第1のPCB端部(たとえば、上端部)から対向する第2のPCB端部(たとえば、下端部)まで延び、Z軸に沿って第3のPCB端部(たとえば、左端部)から第4のPCB端部(たとえば、右端部)まで延びるPCB実装面108を有する。PCB実装面108は、Z軸に沿って並んで配列された複数のトレース群109を含む。トレース群109は、後で詳述するように、所与のPCB102と放射アンテナアレイ104との間のインターフェースを容易にするのに役立つ。
【0015】
放射アンテナアレイ104は、複数のPCB102の第1のPCB端部に配置され、PCB実装面108に対して直交して配列される。放射アンテナアレイ104は、X軸に沿って並んで配列された複数の個々の放射体基板110を含む。1つ以上の実施形態では、放射体基板110は、種々の回路、トレース、及び/または電気部品を含むプリント回路基板(PCB)として作製することができる。
【0016】
各放射体基板110は、対応するPCB102の第1の端部に配置され、第1の軸(たとえば、X軸)に沿って延びて基板幅(Ws)を画定し、第1の軸に直交する第2の軸(たとえば、Y軸)に沿って延びて基板高さ(Hs)を画定し、X軸及びY軸に直交する第3の軸(たとえば、Z軸)に沿って延びて基板長さ(Ls)を画定する。放射体基板110は、たとえば約1~約4の範囲に渡る誘電率(k)、たとえば約0.0005~約0.03の範囲に渡る誘電正接(tanδ)、たとえば約10ppm/℃~約220ppm/℃の範囲に渡る熱膨張係数(CTE)を与える種々の材料から形成することができる。1つ以上の実施形態では、放射体基板110は、種々の回路、トレース、及び/または電気部品を含むプリント回路基板(PCB)として作製することができる。
【0017】
各放射体基板110は、X軸に沿って第1の基板端部から対向する第2の基板端部まで延び、Z軸に沿って第3の基板端部から対向する第4の基板端部まで延びるパッチ実装面112及び対向する接触面114を有する。したがって、接触面114は、パッチ実装面112がPCB実装面108に対して直交して配列されるように、対応するPCB102の第1の端部に対して直接配置される。1つ以上の非限定的な実施形態では、放射体基板110の第1及び第2の端部は互いに直接接触する。
【0018】
各放射体基板110は、パッチ実装面112上に配置され、Z軸に沿って並んで配列された複数の放射アンテナ素子116を含む。以下、放射アンテナ素子116はパッチアンテナ116として説明するが、本発明の範囲から逸脱することなく、他のタイプの放射アンテナ素子116を実装することができる。
【0019】
図2を参照して、二重偏波PCBアレイアンテナ100に含まれるPCB102及び放射体基板110を、より詳細に例示する。PCB102を、PCB実装面108上に形成された複数の導電性トレース111を含むトレース群109とともに例示する。トレース111は、導電性材料(たとえば、銅)を含み、PCB実装面108上に、たとえば、プリント回路基板(PCB)エッチングプロセス、付加製造(たとえば、3次元印刷)などの種々の製造プロセスを用いて形成することができる。5つのトレース111を示しているが、当然のことながら、トレース群109は、本発明の範囲から逸脱することなく、より多いかまたは少ないトレース111を含むことができる。
【0020】
さらに図2を参照し、さらに図3及び4を参照して、放射体基板110は、Z軸に沿って並んで配列された複数のスルーホール群118を有する(図4を参照)。各スルーホール群118は、所与のパッチアンテナ116とパッチ実装面112の第1の端部119との間に置かれる。各スルーホール群118は、放射体基板110内に形成され、パッチ実装面112から接触面114まで完全に通って延びる複数のスルーホール120を含む。各スルーホール120は、Y軸に沿って、対応するトレース111(たとえば、図2に示す)と位置合わせされている。
【0021】
スルーホール120は、Z軸に沿って並んで配列された導電性ピン122を受け取って複数のピン群124を提供するように構成されている。ピン122は、たとえば銅などの導電性材料から形成され、端子として機能する。各導電性ピン122は、実装端126から対向する接触端128まで延び、対応するスルーホール120内に配置される(図3を参照)。したがって、図2に示すように、実装端126はパッチ実装面112に当接し、接触端128は位置合わせされたトレース111に接触する。1つ以上の非限定的な実施形態では、放射体基板110は、所与のパッチアンテナ116を、隣接するピン群124に含まれるピン122に接続する1つ以上の基板トレース(図示せず)を含むことができる。このようにして、PCB102上の所与のトレース群109のトレース111に印加された信号(たとえば、RF信号)を、それぞれに位置合わせされたピン122を介して、放射体基板110上のパッチアンテナ116に送出することができる。5つのピン122を示しているが、より多いかまたは少ないピン122を、PCB実装面108上に形成されたトレース111の数に基づいて、含めることができる。
【0022】
図2を再び参照して、PCB102、トレース111、放射体基板110、及びピン122のアセンブリは、直交PCBインターフェース200を確立する。本明細書に記載するように、直交PCBインターフェース200は、放射体基板110のパッチ実装面112を、PCB102のPCB実装面108に対して直交位置に配列する。この直交配列により、二重偏波パッチアンテナまたはスタックパッチ放射体をPCB102と統合して、二重偏波PCBアレイアンテナ100を可能にすることができる。加えて、トレース111及びピン122によって確立された電気接続によって、後で詳述するように、PCB102とパッチアンテナ116との間のシールドされたチャネルインターフェースを容易にすることができる。
【0023】
またピン122とトレース111との間の接続によって、大きくてかさばる直角コネクタを実装する必要なく、二重偏波RF信号の送信及び/または受信が容易になる。図5A及び5Bに、ピン/トレース接続を確立する一例を例示する。ピン122は、当業者によって理解されるように、たとえばピックアンドプレース装置を用いてトレース111の上方に位置合わせすることができる。位置合わせしたら、接触面114がPCB102の第1の端部119に当接し、ピン122がトレース111に接触するように(図5Aを参照)、放射体基板110をPCB102に対して配置することができる(波線の矢印で示すように)。そして、たとえばハンダなどの導電性充填材130を、PCB実装面108上に堆積させて、ピン122の接触端128とトレース111との間に導電性ノードを形成することができる。(図5Bを参照)。導電性充填材130は、図示ではピン接触端128の一部を覆っているが、当然のことながら、導電性充填材130は、接触端128全体を覆うように堆積させることができる。
【0024】
図6を参照して、非限定的な実施形態により、二重偏波PCBアレイアンテナ100によって提供されるシールドされたチャネルインターフェース300を示す。本明細書に記載するように、二重偏波PCBアレイアンテナ100は、直交PCBインターフェース200を介して放射体基板110に対して直交して配列された1つ以上のPCB102を含む。単一のPCB102及び単一の放射体基板110を例示しているが、当然のことながら、さらなるPCB102及びさらなる基板110を、本発明の範囲から逸脱することなく実装することができる。
【0025】
図6に示す非限定的な実施形態によれば、PCB102は、第1の複数の導電性要素111a、111b、及び111cを含む。1つ以上の非限定的な実施形態では、第1の複数の導電性要素は、第1の導電性トレース111a、第2の導電性トレース111b、及び第3の導電性トレース111cを含む。少なくとも1つの非限定的な実施形態では、導電性トレース111a~111cのうちの1つ以上が、PCB実装面108上に形成され、第1のPCB端部から第2のPCB端部まで延びる。第1のトレース111aは第1のポート302に接続することができ、トレース111bは第2のポート304に接続することができ、第3の導電性トレース111cは、PCB102内に埋め込まれたビア(図示せず)を用いて接地面に接続することができる。第1及び第2のポート302及び304は、図示では第2のPCB端部に配置されているが、第1及び第2のポート302及び304の場所はこれに限定されず、異なる場所に実装してもよい。
【0026】
放射体基板110は、第2の複数の導電性要素122a、122b、122c、122d、及び122e(集合的に122a~122eと言う)を含む。少なくとも1つの非限定的な実施形態では、導電性要素122a~122eは、本明細書に記載するような導電性ピンとして形成することができ、シールドされたチャネルインターフェース300を容易にするための複数の端子として機能する。少なくとも1つの非限定的な実施形態では、導電性要素122a~122eは、放射体基板110のパッチ実装面112に対して垂直に延びる。したがって、第2の導電性要素(たとえば、ピン122a~122e)は、対応する第1の導電性要素(たとえば、トレース111a~111c)と接触することができる。
【0027】
図6に示すように、たとえば、端子122bは第1のトレース111aに接続することができ、一方で、端子122dは第2のトレース111bに接続することができる。端子122a、122c、及び122eは、PCB102内に埋め込まれて接地面に短絡されるビア(図示せず)に接続することができる。したがって、RF信号が端子122b及び122dに印加されて、第1及び第2の端子111a及び111bにそれぞれ送信される間、システム全体にわたってPCB102と放射体基板110の両方の間の接地電位を維持することを可能にする接地信号接地信号接地(GSGSG)シールドされたチャネルインターフェース300が確立される。当然のことながら、端子122a~122eはGSGSG構成に限定されず、シールドされたチャネルインターフェース300を確立できる他の端子構成を、本開示の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0028】
図7に示す非限定的な実施形態によれば、シールドされたチャネルインターフェース300は、最外側の端子122a及び122eを使用せずに、内側の端子122b、122c、及び122dを使用することによって確立することができる。この例では、端子122cは、第1及び第2のRF端子122b及び122dの間に置かれた(すなわち、挟まれた)接地端子として機能することができる。したがって、PCB102と放射体基板110との間の信号インターフェースを容易にするRF信号接地信号(SGS)シールドされたチャネルインターフェース3000が確立される。SGSシールドされたチャネルインターフェース300を記載しているが、構成はこれに限定されない。たとえば、端子122cを、第1及び第2の接地端子122b及び122dの間に置かれた(すなわち、挟まれた)RF端子として使用することによって、接地信号接地(GSG)シールドされたチャネルインターフェース300を、本開示の範囲から逸脱することなく確立することができる。
【0029】
本明細書に記載するように、種々の非限定的な実施形態によって、二重偏波PCBアレイアンテナにおいて実装するための直交インターフェースが提供される。直交インターフェースによって、ツインPCBを実装する必要性が克服されると同時に、1つ以上のPCB上に統合された二重偏波パッチ及びスタックパッチ放射体を介して効率的な二重偏波が促進される。
【0030】
以下の特許請求の範囲におけるすべてのミーンズまたはステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に請求される他の請求される要素と組み合わせて機能を行うための任意の構造、材料、または行為を含むことが意図されている。本発明の説明は、例示及び説明の目的で提示しているが、網羅的であることも、開示した形で本発明に限定されることも意図されていない。多くの変更及び変形が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかである。実施形態の選択及び説明は、本開示の原理及び実際の応用を最良に説明するために、及び他の当業者が、意図した特定の用途に適した種々の変更とともに種々の実施形態に対する本開示を理解できるようにするために行った。
【0031】
本開示に対する好ましい実施形態について説明してきたが、当業者が、現在及び将来の両方において、以下の特許請求の範囲に含まれる種々の改善及び強化を行い得ることを理解されたい。これらの特許請求の範囲は、最初に説明した開示に対する適切な保護を維持するものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0032】
102 PCB
110 放射体基板
112 パッチ実装面
114 接触面
116 放射アンテナ素子
122 導電性ピン
124 ピン群
200 直交PCBインターフェース

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】