(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】自動貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240214BHJP
F16L 59/02 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
F16L59/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553038
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2022054107
(87)【国際公開番号】W WO2022184472
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
【テーマコード(参考)】
3F022
3H036
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3H036AA09
3H036AB18
3H036AC06
3H036AE13
(57)【要約】
本発明は、貯蔵システム用のフレームワーク構造(100’、100”)であって、フレームワーク構造(100’、100”)が、複数の垂直カラムプロファイル(102)と、垂直カラムプロファイル(102)上に支持された水平レールシステム(108)とを備え、カラムプロファイル(102)のそれぞれの少なくとも下部セクションが、カラムプロファイルの下部セクションとレールシステムへの接続部との間の各カラムプロファイルに配置された断熱層(2、2’)によってレールシステムから熱的に分割され、断熱層が、カラムプロファイル(102)の下部セクションとレールシステム(108)との間の熱伝導率を制限するように構成される、フレームワーク構造(100’、100”)を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵システム用のフレームワーク構造(100’、100”)であって、前記フレームワーク構造(100’、100”)は、複数の垂直カラムプロファイル(102)と、前記垂直カラムプロファイル(102)上に支持された水平レールシステム(108)とを備え、前記カラムプロファイル(102)のそれぞれの少なくとも下部セクションは、前記カラムプロファイルの下部セクションと前記レールシステムへの接続部との間の各カラムプロファイルに配置された断熱層(2、2’)によって前記レールシステムから熱的に分割され、前記断熱層は、前記カラムプロファイル(102)の前記下部セクションと前記レールシステム(108)との間の熱伝導率を制限するように構成される、フレームワーク構造(100’、100”)。
【請求項2】
前記カラムプロファイル(102)は、アルミニウム合金で作製され、前記断熱層(2、2’)は、20W/mK未満の熱伝導率を有する断熱材料を含む、請求項1に記載のフレームワーク構造。
【請求項3】
前記断熱材料は、合成ポリマーまたは木材である、請求項1または2に記載のフレームワーク構造。
【請求項4】
前記断熱層(2、2’)は、前記カラムプロファイル(102)の前記下部セクションと前記レールシステム(108)との間で伝導される熱が前記断熱材料を通過しなければならないように構成される、先行する請求項のいずれかに記載のフレームワーク構造。
【請求項5】
前記断熱層(2、2’)は、前記レールシステム(108)と前記カラムプロファイル(102)の少なくとも前記下部セクションとの間に配置された水平プレート(3)を備える、先行する請求項のいずれかに記載のフレームワーク構造。
【請求項6】
各断熱層(2、2’)の前記水平プレート(3)は、前記レールシステム(108)と前記カラムプロファイル(102)の少なくとも前記下部セクションとの間に配置された共通の高さで、前記カラムプロファイルに対して横方向に延在する、請求項5に記載のフレームワーク構造。
【請求項7】
前記断熱層は、垂直突起(4、5、6)を備え、前記垂直突起は、前記断熱層(2、2’)と前記カラムプロファイル(102)または前記レールシステム(108)との間の水平移動をそれぞれ制限するために、前記カラムプロファイル(102)または前記レールシステム(108)の表面と相互作用するように配置される、先行する請求項のいずれかに記載のフレームワーク構造。
【請求項8】
前記カラムプロファイル(102)のそれぞれは、中空中央セクション(7)および4つのコーナーセクション(8)を有し、各コーナーセクション(8)は、垂直に延在し、外向きに突出する一対の垂直フランジ(11)によって画定される、先行する請求項のいずれかに記載のフレームワーク構造。
【請求項9】
前記断熱層(2、2’)は、前記カラムプロファイル(102)の前記それぞれの4つのコーナーセクション(8)に完全に重なる4つのコーナーセクション(9)を含む、請求項8に記載のフレームワーク構造。
【請求項10】
前記断熱層(2、2’)は、前記中空中央セクション(7)の内面または外面と相互作用して前記断熱層(2、2’)と前記カラムプロファイル(102)との間の水平移動を制限するように配置された垂直突起(4、6)を備える、請求項8または9に記載のフレームワーク構造。
【請求項11】
前記断熱層(2)は、前記カラムプロファイル(102)の最上端(10)に配置され、前記レールシステム(108)は、前記断熱層上に支持される、先行する請求項のいずれかに記載のフレームワーク構造。
【請求項12】
前記断熱層(2)は、前記レールシステム(108)の少なくとも1つのレール(110、111)の両側に配置された垂直突起(5)を備え、前記垂直突起(5)は、前記レール(110、111)の長手方向に垂直な方向における前記断熱層(2)と前記レール(110、111)との間の水平移動を制限する、請求項11に記載のフレームワーク構造。
【請求項13】
前記カラムプロファイル(102)は、前記断熱層(2’)を介して相互接続された下部プロファイルセクション(102a)および上部プロファイルセクション(102b)を備える、請求項1から10のいずれかに記載のフレームワーク構造。
【請求項14】
貯蔵コンテナが垂直スタック内で互いに積み重ねられ得る複数の貯蔵カラム(105)を備え、各貯蔵カラムは、4つのカラムプロファイル(102)のそれぞれからの1つのコーナーセクション(8)によって画定され、前記コーナーセクション(8)は、貯蔵コンテナ(106)のコーナーを収容するように配置され、各カラムプロファイル(102)の前記断熱層(2、2’)は、前記コーナーセクション(8)が前記レールシステムと前記貯蔵カラム(102)の下端との間で遮られないように、前記カラムプロファイル(102)の前記コーナーセクション(8)と同一平面上にあるか、またはそこから陥没するように構成される、請求項8に記載のフレームワーク構造。
【請求項15】
貯蔵コンテナ(106)用の貯蔵システムであって、前記貯蔵システムは、先行する請求項のいずれかに記載のフレームワーク構造(100’、100”)と、前記レールシステム(108)上で動作するように配置された複数のコンテナハンドリング車両(201、301、401)とを備える、貯蔵システム。
【請求項16】
前記垂直カラムプロファイル(102)は、貯蔵コンテナ(106)が垂直スタック内で互いに積み重ねられて貯蔵される貯蔵カラム(105)を画定する、請求項15に記載の貯蔵システム。
【請求項17】
前記レールシステムの下方に配置された前記貯蔵システムのセクションに冷却空気を供給するように配置された冷却システム(11)を備える、請求項15または16に記載の貯蔵システム。
【請求項18】
冷却貯蔵構造用のフレームワーク構造(100’、100”)を構築する方法であって、前記フレームワーク構造(100’)は、複数の垂直カラムプロファイル(102)と、コンテナハンドリング車両(201、301、401)がその上を2つの垂直方向に移動し得るレールシステム(108)とを備え、前記方法は、
前記カラムプロファイル(102)のそれぞれに断熱層(2、2’)を提供するステップと、
前記レールシステム(108)を支持することができるように前記プロファイルカラム(102)を取り付けるステップと、
前記プロファイルカラム(102)の少なくとも下部セクションと前記プロファイルカラム(102)によって支持される前記レールシステム(108)との間の熱伝導率が制限されるように、前記レールシステムから各カラムプロファイルの少なくとも前記下部セクションを熱的に分割する位置に前記断熱層(2、2’)を配置するステップと、
前記プロファイルカラムによって支持された前記レールシステム(108)を構築するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
冷却貯蔵システムのレールシステム(108)上で動作するコンテナハンドリング車両(201、301、401)の車輪牽引力の喪失を防止する方法であって、前記冷却貯蔵システムは、前記レールシステム(108)が支持される複数の垂直カラムプロファイル(102)を備え、前記方法は、
前記カラムプロファイル(102)のそれぞれに断熱層(2、2’)を提供するステップと、
前記カラムプロファイル(102)の下部セクションと前記カラムプロファイル(102)が接続される前記レールシステム(108)との間の熱伝導率が制限されるように、前記カラムプロファイル(102)のそれぞれの少なくとも下部セクションを前記レールシステムから熱的に分割するように前記断熱層(2、2’)を配置するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、コンテナハンドリング車両用のレールシステムが下方に配置された低温セクションから断熱されている貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景および従来技術
図1は、フレームワーク構造100を有する従来技術の自動貯蔵回収システム1を開示しており、
図2、
図3および
図4は、そのようなシステム1上で動作するのに適した3つの異なる従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401を開示している。
【0003】
フレームワーク構造100は、直立部材102と、直立部材102の間に並んで配置された貯蔵カラム105を備える貯蔵容積とを備える。これらの貯蔵カラム105では、ビンとしても知られている貯蔵コンテナ106が互いに積み重ねられてスタック107を形成する。部材102は、典型的には、金属、例えば押出アルミニウムプロファイルから作製されてもよく、あるいは垂直カラムプロファイルと呼ばれてもよい。
【0004】
自動貯蔵回収システム1のフレームワーク構造100は、フレームワーク構造100の上部にわたって配置されたレールシステム108(すなわち、レールグリッド)を備え、そのレールシステム108上で複数のコンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム内に下降させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105の上方に輸送するように動作され得る。レールシステム108は、フレーム構造100の上部を横切る第1の方向Xへのコンテナハンドリング車両201、301、401の移動をガイドするように配置された第1のセットの平行レール110と、第1の方向Xに垂直な第2の方向Yへのコンテナハンドリング車両201、301、401の移動をガイドするために第1のセットのレール110に垂直に配置された第2のセットの平行レール111とを備える。カラム105に貯蔵されたコンテナ106は、レールシステム108のアクセス開口部112を介してコンテナハンドリング車両201、301、401によってアクセスされる。コンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵カラム105の上方で、すなわち水平X-Y平面に平行な平面内で横方向に移動することができる。
【0005】
フレームワーク構造100の直立部材102が使用されて、コンテナをカラム105から上昇させ、コンテナをカラム内に下降させる間に貯蔵コンテナをガイドし得る。コンテナ106のスタック107は、典型的には自立型である。
【0006】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401は、車体201a、301a、401aと、それぞれX方向およびY方向へのコンテナハンドリング車両201、301、401の横方向移動を可能にする第1および第2のセットの車輪201b、201c、301b、301c、401b、401cとを備える。
図2、
図3および
図4では、各セットの2つの車輪が完全に見える。第1のセットの車輪201b、301b、401bは、第1のセットのレール110の隣り合う2つのレールと係合するように配置され、第2のセットの車輪201c、301c、401cは、第2のセットのレール111の隣り合う2つのレールと係合するように配置される。車輪のセット201b、201c、301b、301c、401b、401cのうちの少なくとも1つが昇降されることができ、その結果、第1のセットの車輪201b、301b、401bおよび/または第2のセットの車輪201c、301c、401cは、任意の時点でそれぞれのセットのレール110、111と係合されることができる。
【0007】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401はまた、貯蔵コンテナ106を垂直方向に輸送するため、例えば貯蔵コンテナ106を貯蔵カラムから上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105内に下降させるためのリフトデバイスを備える。リフトデバイスは、貯蔵コンテナ106と係合するように適合された1つ以上の把持/係合デバイスを備え、把持/係合デバイスは、車両201、301、401に対する把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yと直交する第3の方向Zに調整されることができるように、車両201、301、401から下降されることができる。コンテナハンドリング車両301、401の把持デバイスの一部が、参照符号304、404によって示される
図3および
図4に示されている。コンテナハンドリングデバイス201の把持デバイスは、
図2の車体201a内に位置している。
【0008】
従来、また本出願の目的のために、Z=1は、貯蔵コンテナの最上層、すなわちレールシステム108の直下の層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別する。
図1に開示される例示的な従来技術では、Z=8は、貯蔵コンテナの最下層を識別する。同様に、X=1...nおよびY=1...nは、水平面内における各貯蔵カラム105の位置を識別する。したがって、例として、
図1に示す直交座標系X、Y、Zを使用すると、
図1において106’として識別される貯蔵コンテナは、貯蔵位置X=17、Y=1、Z=6を占有していると言うことができる。コンテナハンドリング車両201、301、401は、層Z=0において移動していると言うことができ、各貯蔵カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。したがって、レールシステム108の上方に延在する
図1に示される貯蔵コンテナもまた、層Z=0に配置されると言われる。
【0009】
フレームワーク構造100の貯蔵容積は、グリッド104と呼ばれることが多く、このグリッド内の可能な貯蔵位置は、貯蔵セルと呼ばれる。各貯蔵カラムは、X方向およびY方向の位置によって識別されてもよく、各貯蔵セルは、X方向、Y方向およびZ方向のコンテナ番号によって識別されてもよい。
【0010】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106をレールシステム108を横切って輸送するときに貯蔵コンテナ106を受け入れて収容するための貯蔵区画または空間を備える。貯蔵空間は、
図2および
図4に示され、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278A1号および国際公開第2019/206487A1号に記載されているように、車体201a内の内部に配置されたキャビティを備えてもよい。
【0011】
図3は、片持ち構造を有するコンテナハンドリング車両301の代替的な構成を示している。そのような車両は、例えばノルウェー国特許第317366号に詳細に記載されており、その内容も参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
図2に示すキャビティコンテナハンドリング車両201は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278A1号に記載されているように、貯蔵カラム105の横方向範囲にほぼ等しいXおよびY方向の寸法を有する領域を覆うフットプリントを有し得る。本明細書で使用される「横方向」という用語は、「水平」を意味し得る。
【0013】
あるいは、キャビティコンテナハンドリング車両401は、例えば国際公開第2014/090684A1号または国際公開第2019/206487A1号に開示されているように、
図1および
図4に示されるような貯蔵カラム105によって画定される横方向領域よりも大きいフットプリントを有してもよい。
【0014】
レールシステム108は、典型的には、車両の車輪が走行する溝を有するレールを備える。あるいは、レールは、上方に突出する要素を備えてもよく、車両の車輪は、脱輪を防止するためのフランジを備える。これらの溝および上方に突出する要素は、まとめて軌道として知られている。各レールは、1つの軌道を備えてもよく、または各レールは、2つの平行な軌道を備えてもよい。各レールは、互いに固定された2つの平行な軌道部材によって提供されてもよく、各軌道部材は、2つの軌道レールについての軌道のうちの1つを提供する。
【0015】
その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018/146304A1号は、レールとレールグリッドを形成するX方向およびY方向の両方の平行な軌道とを備えるレールシステム108の典型的な構成を示している。
【0016】
フレームワーク構造100において、ほとんどのカラム105は、貯蔵カラム105、すなわち貯蔵コンテナ106がスタック107に貯蔵されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有してもよい。
図1では、カラム119および120は、貯蔵コンテナ106がフレームワーク構造100の外部からアクセスされることができ、またはフレームワーク構造100の外部または内部に移送されることができるアクセスステーション(図示せず)に輸送されることができるように、貯蔵コンテナ106をドロップオフおよび/またはピックアップするためにコンテナハンドリング車両201、301、401によって使用されるそのような専用のカラムである。当該技術分野では、そのような位置は、通常「ポート」と呼ばれ、ポートが位置するカラムは、「ポートカラム」119、120と呼ばれることがある。アクセスステーションへの輸送は、任意の方向、すなわち水平、傾斜および/または垂直であってもよい。例えば、貯蔵コンテナ106は、フレームワーク構造100内のランダムまたは専用のカラム105に配置され、その後、任意のコンテナハンドリング車両によってピックアップされ、アクセスステーションへのさらなる輸送のためにポートカラム119、120に輸送されてもよい。「傾斜」という用語は、水平と垂直との間のどこかに一般的な輸送方向を有する貯蔵コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナハンドリング車両201、301が移送ステーションにアクセスまたは輸送される貯蔵コンテナ106をドロップオフすることができる専用のドロップオフポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナハンドリング車両201、301、401が移送ステーションからアクセスまたは輸送された貯蔵コンテナ106をピックアップすることができる専用のピックアップポートカラムであってもよい。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品が貯蔵コンテナ106から取り出されるかまたはその中に配置されるピッキングまたはストックステーションであってもよい。ピッキングまたはストックステーションでは、貯蔵コンテナ106は、通常、自動貯蔵回収システム1から取り出されず、一旦アクセスされると再びフレームワーク構造100に戻される。ポートはまた、貯蔵コンテナを別の貯蔵施設に(例えば、別のフレームワーク構造に、または別の自動貯蔵回収システムに)、輸送車両(例えば、列車またはトラック)、または生産施設に移送するために使用されることもできる。
【0019】
コンベヤを備えるコンベヤシステムは、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナを輸送するために使用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが異なるレベルに配置されている場合、コンベヤシステムは、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナ106を垂直に輸送するための垂直構成要素を有するリフトデバイスを備えてもよい。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2014/075937A1号に記載されているように、異なるフレームワーク構造の間で貯蔵コンテナ106を移送するように配置されてもよい。
【0022】
図1に開示されているカラム105のうちの1つに貯蔵されている貯蔵コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナハンドリング車両201、301、401のうちの1つは、その位置から標的貯蔵コンテナ106を回収し、それをドロップオフポートカラム119に輸送するように指示される。この動作は、標的貯蔵コンテナ106が配置されている貯蔵カラム105の上方の位置にコンテナハンドリング車両201、301を移動させ、コンテナハンドリング車両201、301、401のリフトデバイス(図示せず)を使用して貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を回収し、貯蔵コンテナ106をドロップオフポートカラム119に輸送することを含む。標的貯蔵コンテナ106がスタック107内の奥深くに配置されている場合、すなわち、標的貯蔵コンテナ106の上方に複数の他の貯蔵コンテナ106が配置されている場合、動作はまた、標的貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から持ち上げる前に、上方に配置された貯蔵コンテナを一時的に移動させることを含む。当該技術分野では「採掘」と呼ばれることもあるこのステップは、標的貯蔵コンテナをドロップオフポートカラム119に輸送するためにその後に使用されるのと同じコンテナハンドリング車両、または複数の他の協働するコンテナハンドリング車両によって実行され得る。代替的に、または追加的に、自動貯蔵回収システム1は、貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を一時的に取り外すタスク専用のコンテナハンドリング車両201、301、401を有してもよい。標的貯蔵コンテナ106が貯蔵カラム105から取り出されると、一時的に取り出された貯蔵コンテナ106は、元の貯蔵カラム105に再配置されることができる。しかしながら、取り出された貯蔵コンテナ106は、代替的に他の貯蔵カラム105に再配置されてもよい。
【0023】
貯蔵コンテナ106がカラム105のうちの1つに貯蔵される場合、コンテナハンドリング車両201、301、401のうちの1つは、貯蔵コンテナ106をピックアップポートカラム120からピックアップし、貯蔵コンテナが貯蔵される貯蔵カラム105の上方の位置に輸送するように指示される。スタック107内の標的位置またはその上方に配置された任意の貯蔵コンテナ106が取り出された後、コンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106を所望の位置に配置する。次いで、取り出された貯蔵コンテナ106は、貯蔵カラム105内に戻されてもよく、または他の貯蔵カラム105に再配置されてもよい。
【0024】
自動貯蔵回収システム1を監視および制御するために、例えば、コンテナハンドリング車両201、301、401が互いに衝突することなく所望の貯蔵コンテナ106が所望の時間に所望の位置に送達されることができるように、フレームワーク構造100内のそれぞれの貯蔵コンテナ106の位置、各貯蔵コンテナ106の内容物、およびコンテナハンドリング車両201、301、401の移動を監視および制御するために、自動貯蔵回収システム1は、典型的にはコンピュータ化され、典型的には貯蔵コンテナ106を追跡するためのデータベースを備える制御システム500を備える。
【0025】
上述した従来技術の貯蔵システムは、貯蔵された物品の冷凍および/または冷却にも使用され得る。国際公開第2015/124610A1号は、積み重ねられた貯蔵コンテナ106に貯蔵された物品を冷却するように構成された貯蔵システム(
図5を参照)を開示している。貯蔵システムは、貯蔵コンテナを上方の周囲から断熱するために、各貯蔵カラム105の上端に配置された断熱蓋(図示せず)を特徴とし得る。貯蔵された物品を冷凍または冷却するために必要とされる低温でフレームワーク構造100の下部セクションを有する潜在的な問題は、垂直カラムプロファイル102を介したレールシステム108の伝導冷却が、結露およびレール110、111上の氷形成さえも引き起こし得ることである。レール上の水および/または氷は、その上で動作するコンテナハンドリング車両201、301、401にとって、例えば車輪牽引力の喪失などの問題を引き起こし得る。
【0026】
本発明の目的は、冷却貯蔵システムのための改良されたフレームワーク構造を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号
【特許文献2】国際公開第2014/090684号
【特許文献3】国際公開第2019/206487号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0028】
発明の概要
本発明は、添付の特許請求の範囲および以下によって定義される:
【0029】
第1の態様では、本発明は、貯蔵システム用のフレームワーク構造であって、フレームワーク構造が、複数の垂直カラムプロファイルと、垂直カラムプロファイル上に支持された水平レールシステムとを備え、カラムプロファイルのそれぞれの少なくとも下部セクションが、カラムプロファイルの下部セクションとレールシステムへの接続部との間の各カラムプロファイルに配置された断熱層によってレールシステムから熱的に分割され、断熱層が、カラムプロファイルの下部セクションとレールシステムとの間の熱伝導率を制限するように構成される、フレームワーク構造を提供する。
【0030】
換言すれば、断熱層は、カラムプロファイルの少なくとも下部セクションとカラムプロファイルが接続されるレールシステムとの間の熱伝導率を制限するように構成される。
【0031】
フレームワーク構造の実施形態では、カラムプロファイルおよび必要に応じてレールシステムの少なくとも一部は、アルミニウム合金で作製されてもよく、断熱層は、20W/mK未満の熱伝導率を有する断熱材料を含み得る。
【0032】
断熱材料は、10W/mK未満、5W/mK未満、または好ましくは1W/mK未満の熱伝導率を有し得る。
【0033】
アルミニウム合金は、115~226W/mKの熱伝導率を有してもよく、6000または7000シリーズのアルミニウム合金に属してもよい。断熱材料の熱伝導率とアルミニウム合金の熱伝導率との比は、0.2~0.001の範囲であり得る。
【0034】
フレームワーク構造の実施形態では、断熱材料は、合成ポリマーまたは木材であり得る。合成ポリマーは、有利には、様々なタイプのポリ塩化ビニル(PVC)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)から選択され得る。
【0035】
断熱層は、カラムプロファイルの下部セクションとレールシステムとの間の熱の伝導性伝達、または最大熱伝導率が断熱材料の熱伝導率に実質的に等しくなるように構成され得る。換言すれば、カラムプロファイルの下部セクションおよびレールシステムの両方と熱伝導接触している断熱層の少なくとも一部は、断熱材料で作製される。
【0036】
断熱層は、例えばサンドイッチ構造として追加の層を含んでもよく、断熱を提供する材料、すなわち断熱材料は、他の特性、例えば、垂直カラムを通って上方から下方へのレールシステムからの負荷伝達を支援するための強度および/または靱性の増加を提供する他の層の間に挟まれる。あるいは、断熱材料の層は、それらの間に挟まれた他の層を有してもよい。
【0037】
フレームワーク構造の実施形態では、断熱層は、カラムプロファイルの下部セクションとレールシステムとの間で伝導される熱が断熱材料を通過しなければならないように構成されてもよい。
【0038】
フレームワーク構造の実施形態では、断熱層は、レールシステムとカラムプロファイルの少なくとも下部セクションとの間に配置された水平プレートを備えてもよい。水平プレートは、断熱材料から作製されてもよい。水平プレートは、レールシステムをカラムプロファイルの少なくとも下部セクションから伝導的に分離し、あるいは分離プレートと呼ばれてもよい。
【0039】
フレームワーク構造の実施形態では、各断熱層の水平プレートは、レールシステムとカラムプロファイルの少なくとも下部セクションとの間に配置された共通の高さで、カラムプロファイルに対して横方向に延在し得る。
【0040】
フレームワーク構造の実施形態では、断熱層は、垂直突起を備えてもよく、垂直突起は、断熱層とカラムプロファイルまたはレールシステムとの間の水平移動をそれぞれ制限するために、カラムプロファイルまたはレールシステムの表面と相互作用するように配置されてもよい。垂直突起が相互作用するカラムプロファイルまたはレールシステムの表面は、実質的に垂直な表面であってもよい。垂直突起は、断熱層の水平プレートから延在してもよい。
【0041】
垂直突起は、断熱層とカラムプロファイルまたはレールシステムとの間の水平移動を制限するのに適している限り、ピンまたはリブなどの任意の形状または形態であってもよい。
【0042】
フレームワーク構造の実施形態では、垂直突起は、断熱層とレールシステムとの間の水平移動を防止するように構成され、垂直突起は、レールシステムの下向き部分で対応する凹部内に延在するか、または少なくとも1つのレールの対向する両側に配置されてもよい。
【0043】
フレームワーク構造の実施形態では、カラムプロファイルのそれぞれは、中空中央セクションおよび4つのコーナーセクションを有してもよく、各コーナーセクションは、垂直に延在し、外向きに突出する一対の垂直フランジによって画定されてもよい。コーナーセクションは、あるいはコーナー空間と呼ばれてもよい。換言すれば、カラムプロファイルは、中空中央セクションおよび4つのコーナーセクションを含む断面を有する。
【0044】
中空中央セクションは、4つの垂直延在壁セクションを備え得る。壁セクションは、カラムプロファイルの断面の実質的に正方形の中空部分を形成し得る。各壁セクションは、外面および内面を特徴とし得る。外面は、2つのコーナーセクションの間に配置されてもよく、すなわち、2つの平行なフランジの間に配置され得る。
【0045】
水平プレートは、中空中央セクションの断面の外周に等しい外周を有する主要部分を備えてもよい。
【0046】
フレームワーク構造の実施形態では、断熱層は、カラムプロファイルがレールシステムからカラムプロファイルの最下端まで延在する4つの連続したコーナーセクションを有するように、カラムプロファイルのそれぞれの4つのコーナーセクションに完全に重なる4つのコーナーセクション(あるいはコーナー空間またはコーナー凹部)を含んでもよい。4つのコーナーセクションは、水平プレートに配置されてもよい。
【0047】
水平プレートは、十字形であってもよい。十字形プレートの中心または中心線は、カラムプロファイルの中心線と同一線上にあってもよい。
【0048】
フレームワーク構造の実施形態では、断熱層(または水平プレート)は、中空中央セクションの内面または外面と相互作用して断熱層とカラムプロファイルとの間の水平移動を制限するように配置された垂直突起を備え得る。
【0049】
フレームワーク構造の実施形態では、断熱層は、カラムプロファイルの最上端に配置されてもよく、レールシステムは、断熱層上に支持される。
【0050】
フレームワーク構造の実施形態では、断熱層(または水平プレート)は、レールシステムの少なくとも1つのレールの両側に配置された垂直突起を備え得て、垂直突起は、レールの長手方向に垂直な方向における断熱層とレールとの間の水平移動を制限する。垂直突起は、水平プレートから上方に延在してもよい。
【0051】
フレームワーク構造の実施形態では、カラムプロファイルは、断熱層を介して相互接続された下部プロファイルセクションおよび上部プロファイルセクションを備え得る。
【0052】
実施形態では、フレームワーク構造は、貯蔵コンテナが垂直スタック内で互いに積み重ねられ得る複数の貯蔵カラムを備えてもよく、各貯蔵カラムは、4つのカラムプロファイルのそれぞれからの1つのコーナーセクションによって画定され、コーナーセクションは、貯蔵コンテナのコーナーを収容するように配置され、各カラムプロファイル(102)の断熱層は、コーナーセクションがレールシステムと貯蔵カラムの下端との間で遮られないように、カラムプロファイルのコーナーセクションと同一平面上にあるか、またはそこから陥没するように構成される。
【0053】
第2の態様では、本発明は、貯蔵コンテナ用の貯蔵システムであって、第1の態様の任意の実施形態にかかるフレームワーク構造と、レールシステム上で動作するように配置された複数のコンテナハンドリング車両と、を備える、貯蔵システムを提供する。
【0054】
貯蔵システムの実施形態では、垂直カラムプロファイルは、貯蔵コンテナが垂直スタック内で互いに積み重ねられて貯蔵される貯蔵カラムを画定する。
【0055】
コンテナハンドリング車両は、それらがレールシステム上で2つの垂直方向に移動することを可能にする車輪と、貯蔵コンテナを貯蔵カラムに対して下降/上昇させるための昇降デバイスと、を備え得る。
【0056】
実施形態では、貯蔵システムは、冷却貯蔵システムであってもよく、レールシステムの下方に配置された貯蔵システムのセクションに冷却空気を供給するように配置された冷却システムを備えてもよい。冷却空気が供給される貯蔵システムのセクションは、断熱層のレベルよりも低いレベルに配置されてもよい。
【0057】
貯蔵システムの実施形態では、レールシステムから熱的に分割されたカラムプロファイルによって画定された貯蔵カラムは、フレームワーク内の貯蔵カラムの総数のセクションを提供し、フレームワーク内に別個の冷却ゾーンを提供する。冷却ゾーンは、断熱壁によってフレームワークの残りの貯蔵カラムから分離されてもよい。
【0058】
第3の態様では、本発明は、冷却貯蔵構造についてのフレームワーク構造を構築する方法であって、フレームワーク構造が、複数の垂直カラムプロファイルと、コンテナハンドリング車両がその上を2つの垂直方向に移動し得るレールシステムとを備え、方法が、
カラムプロファイルのそれぞれに断熱層を提供するステップと、
レールシステムを支持することができるようにプロファイルカラムを取り付けるステップと、
プロファイルカラムの少なくとも下部セクションとプロファイルカラムによって支持されるレールシステムとの間の熱伝導率が制限されるように、レールシステムからの各カラムプロファイルの少なくとも下部セクションを熱的に分割する位置に断熱層を配置するステップと、
プロファイルカラムによって支持されるレールシステムを構築するステップとを含む、方法を提供する。
【0059】
第3の態様にかかる方法によって構築されるフレームワーク構造は、第1の態様にかかるフレームワークの特徴のいずれかを含み得る。
【0060】
第4の態様では、本発明は、冷却貯蔵システムのレールシステム上で動作するコンテナハンドリング車両の車輪牽引力の喪失を防止する方法であって、冷却貯蔵システムのフレームワークが、レールシステムが支持される複数の垂直カラムプロファイルを備え、方法が、
カラムプロファイルのそれぞれに断熱層を提供するステップと、
カラムプロファイルの下部セクションとカラムプロファイルが接続されるレールシステムとの間の熱伝導率が制限されるように、すなわち、レールシステム上の水の凝縮が防止または最小化されるように、レールシステムからのカラムプロファイルのそれぞれの少なくとも下部セクションを熱的に分割するように断熱層を配置するステップとを含む、方法を提供する。
【0061】
第4の態様にかかる方法において使用される断熱層、レールシステムおよびカラムプロファイルは、第1の態様にかかるフレームワークに関連して定義された特徴のいずれかを含み得る。
【0062】
本発明の全ての態様では、垂直カラムプロファイルおよび/またはレールシステムは、押出可能な金属、好ましくはアルミニウム合金で作製され得る。
【0063】
「熱的に分割された」という用語は、本出願では、(熱的に分割された)2つの構造間の伝導性熱伝達が制限または最小化されることを定義することを意図している。
【0064】
あるいは、第1の態様にかかるフレームワーク構造は、複数の垂直カラムプロファイルと、垂直カラムプロファイル上に支持された水平レールシステムとを備え、カラムプロファイルのそれぞれの少なくとも下部セクションが、カラムプロファイルの少なくとも下部セクションとレールシステムとの間の熱伝導率を制限するように構成された断熱層を介してレールシステムに接続されるものとして定義されてもよい。換言すれば、カラムプロファイルの少なくとも下部セクションは、断熱層を介してレールシステムに接続されてもよく、断熱層は、カラムプロファイルの下部セクションの上部レベルとレールシステムとの間の任意のレベルに配置されてもよい。
【0065】
断熱層はまた、断熱要素または断熱ブラケットと呼ばれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
以下の図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0067】
【
図1】
図1は、従来技術の自動貯蔵回収システムのフレームワーク構造の斜視図である。
【
図2】
図2は、貯蔵コンテナを内部に運ぶための中央に配置されたキャビティを有する従来技術のコンテナハンドリング車両の斜視図である。
【
図3】
図3は、貯蔵コンテナを下方に運ぶための片持ち梁セクションを有する従来技術のコンテナハンドリング車両の斜視図である。
【
図4】
図4は、従来技術のコンテナハンドリング車両の下方からの斜視図であり、コンテナ・リフト・アセンブリが示されている。
【
図5】
図5は、従来技術の冷却貯蔵システムの側面図である。
【
図6】
図6は、本発明にかかる第1の例示的なフレームワーク構造の上面斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6の例示的なフレームワーク構造の上面分解図である。
【
図8】
図8は、
図6の例示的なフレームワーク構造の下方からの分解図である。
【
図9】
図9は、
図6~
図8のフレームワーク構造に使用される断熱層の斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明にかかる第2の例示的なフレームワーク構造を特徴とする冷却貯蔵システムの斜視側面図である。
【
図11】
図11は、本発明にかかる第2の例示的なフレームワーク構造を特徴とする冷却貯蔵システムの斜視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
発明の詳細な説明
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。図面は、本発明を図示の主題に限定することを意図するものではない。
【0069】
本発明は、冷却貯蔵システム、例えば
図5に示す従来技術の貯蔵システムにおいて使用するためのフレームワーク構造を提供する。
【0070】
従来技術の貯蔵システム、および本発明にかかるフレームワークでは、カラムプロファイル102およびレールシステム108は、高い熱伝導率を有する適切なアルミニウム合金で作製される。構造部品の押出に使用される典型的なアルミニウム合金、例えば6000および7000シリーズ合金は、115~226W/mKの熱伝導率を有する。
【0071】
従来技術の冷却貯蔵システムでは、カラムプロファイル102およびレールシステム108の高い熱伝導率は、レールシステムの望ましくない冷却をもたらすことがある。レールシステム108が例えば室温に保たれた周囲の空気と接触している場合、凝縮水および氷がレール上に蓄積することがある。レール上の水または氷は、レールシステム上で動作するコンテナハンドリング車両の車輪間の摩擦を低減し、コンテナハンドリング車両の脱輪も引き起こすことがある。車輪の摩擦の低減は、貯蔵システム内で貯蔵コンテナを取り出して貯蔵するためにコンテナハンドリング車両が制御されなければならない必要な正確さを妨げることがある。
【0072】
本発明にかかるフレームワーク構造100’の第1の例示的な実施形態が
図6~
図9に示されている。
【0073】
フレームワーク構造100’は、複数の垂直カラムプロファイル102と、垂直カラムプロファイル102上に支持された水平レールシステム108とを備える。カラムプロファイル102およびレールシステム108は、上記の従来技術の冷却貯蔵システムについて説明したようにアルミニウム合金で作製されている。カラムプロファイル102の少なくとも下部セクションとレールシステム108との間の熱伝導率が制限または最小化されることを保証するために、カラムプロファイル102のそれぞれは、断熱層2によってレールシステム108から熱的に分割される。断熱層2は、対応するカラムプロファイル102の最上端10に配置される。レールシステム108は、断熱層2上に支持されており、カラムプロファイルと直接接触していない。
【0074】
カラムプロファイルの詳細が
図7に示されている。各カラムプロファイルは、中空中央セクション7と、4つのコーナーセクション8とを有し、各コーナーセクション8は、垂直に延在する外向きに突出する一対の垂直フランジ11によって画定される。中央セクションは、4つの垂直延在壁要素14を備える。各壁要素14は、2つのコーナーセクション8の2つの平行なフランジ11の間に配置される。
【0075】
図6~
図9の第1の例示的な実施形態では、断熱層は、20W/mK未満の熱伝導率を有する断熱材料から作製される。熱伝導率は、可能な限り低くなければならず、好ましくは1W/mK未満であり得る。適切な断熱材料の例は、様々なタイプのポリ塩化ビニル(PVC)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)などの十分な強度の合成ポリマーである。様々なタイプの木材などの他の断熱材料が使用されてもよい。
【0076】
合成ポリマーの熱伝導率は、ISO22007-1:2017による適切な方法のいずれかにしたがって、または示差走査熱量測定(DSC)の使用(https://www.mt.com/hk/en/home/supportive_content/matchar_apps/MatChar_UC226.html)によって測定され得る。木材の熱伝導率は、ASTM5334にしたがって測定され得る。
【0077】
全ての合成ポリマーおよび木材は、本発明にかかるフレームワーク構造を構築するのに適したアルミニウム合金の熱伝導率よりも著しく低い熱伝導率を有することに留意されたい。
【0078】
第1の例示的な実施形態では、断熱層2は、適切な合成ポリマーを所望の形状に成形することによって得られる。しかしながら、他の実施形態では、断熱層2は、カラムプロファイル102とレールシステム108との間で伝導される熱が断熱材料を通過しなければならないように構成されている限り、高い熱伝導率を有する材料を含み得ることに留意されたい。
【0079】
断熱層2(
図9を参照)は、レールシステム108とカラムプロファイル102との間に配置され、これらを分離する、すなわちレールシステム108とカラムプロファイル102の少なくとも下部セクションとの間に配置された水平プレート3を特徴とする。各断熱層2の水平プレート3は、それぞれのカラムプロファイルに対して横方向に延在する。水平プレート3はまた、カラムプロファイル102のそれぞれの4つのコーナーセクション8と完全に重なる4つのコーナーセクション9を特徴とし得る。換言すれば、水平プレートは、カラムプロファイル102の4つのコーナーセクション8内に延在しない。本発明にかかるフレームワークが、
図1および
図5に示されるような従来技術の貯蔵システムにおいて使用されるべきである場合、断熱層は、貯蔵コンテナ106がカラムプロファイル102によって画定された貯蔵カラム105に入るのを防止するように、コーナーセクション9を越えて水平に延在すべきではない。しかしながら、例えば貯蔵コンテナが水平方向などの異なる方法でフレームワークに導入される他のタイプの貯蔵システムにおいて使用される場合、断熱層の構成は、同じ方法で制限されなくてもよい。
【0080】
第1のセットの垂直突起5は、レールシステム108と相互作用するように水平プレート3から延在する。第1のセットの垂直突起5は、レールシステム108の2つの垂直レール110、111の両側に配置され、断熱層2とレール110、111との間の水平移動を制限する。
【0081】
第2のセットの垂直突起4は、カラムプロファイル102の上端と相互作用するように水平プレート3から延在する。第2のセットの突起4は、カラムプロファイル102の中空中央セクション7の内面と相互作用して、断熱層2とカラムプロファイル102との間の水平移動を制限するように構成される。代替的な実施形態では、第2のセットの突起は、中空中央セクション7の外面と相互作用するように構成されてもよい。
【0082】
第1の例示的な実施形態では、垂直突起4、5は、リブとして成形されているが、断熱層2とレールシステム108またはカラムプロファイル102との間の水平移動を防止する機能が得られる限り、ピンなどの任意の適切な形態を有してもよい。
【0083】
突起4、5の代替構成が考えられ、第1のセットの突起5は、例えば、壁要素14の延長部として構成されてもよい。そのような構成では、断熱層2とレールシステムとの間の水平移動は、レールシステム108の凹部13との相互作用によって制限され得る。凹部13は、断熱層2を含まないフレームワーク100内のカラムプロファイル102の上端10と相互作用するように構成される。
【0084】
本発明にかかるフレームワーク構造100”の第2の例示的な実施形態が
図10~
図13に示されている。図示のフレームワーク構造100”は、コンテナハンドリング車両201および冷却システム11を備える冷却貯蔵システムの一部である。冷却貯蔵システムでは、カラムプロファイル102は、貯蔵コンテナ106が互いに積み重ねられて貯蔵される複数の貯蔵カラム105を画定する。貯蔵カラム105の冷却セクションは、断熱壁19によって周囲または貯蔵システムの非冷却部分から断熱されてもよい。
【0085】
第1の例示的な実施形態を考慮した第2の例示的な実施形態の主な相違点は、カラムプロファイル102が下部プロファイルセクション102aおよび上部プロファイルセクション102bを備え、断熱層2’が下部プロファイルセクション102aと上部プロファイルセクション102bとを相互接続するように配置されることである。
【0086】
カラムプロファイルの下部セクション間の熱伝達を制限することに加えて、フレームワーク構造10”の断熱層2’は、取り外し可能な蓋12の使用を可能にする蓋構成のための接続を提供する。蓋構成は、本発明の本質的な特徴ではなく、本明細書ではこれ以上詳細に説明しない。
【0087】
断熱層2’は、上述した断熱材料を含む。
【0088】
断熱層2’(
図13を参照)は、カラムプロファイル102の下部プロファイルセクション102aと上部プロファイルセクション102bとの間(すなわち、レールシステム108とカラムプロファイル102の少なくとも下部セクションとの間)に配置された水平プレート3を特徴とする。各断熱層2の水平プレート3は、それぞれのカラムプロファイル102に対して横方向に延在する。水平プレート3はまた、カラムプロファイル102のそれぞれの4つのコーナーセクション8と完全に重なる4つのコーナーセクション9を特徴とし得る。換言すれば、水平プレートは、カラムプロファイル102の4つのコーナーセクション8内に延在しない。
【0089】
垂直突起6、6’は、下部プロファイルセクション102aの上端16および上部プロファイルセクション102bの下端17と相互作用するように、水平プレート3の両側から延在する。垂直突起6、6’は、断熱層2’、下部プロファイルセクション102a、および上部プロファイルセクション102bの間の水平移動が制限されることを確実にする。垂直突起6、6’は、それぞれのプロファイルセクション102a、102bの中空中央セクション7の内面と相互作用するように構成される。下部プロファイルセクション102aを上部プロファイルセクション102bに固定するために、断熱層2’は、プロファイル接続要素15を備え得る。プロファイル接続要素15のそれぞれは、下部プロファイルセクション102aにボルト接続するための第1の貫通孔18と、上部プロファイルセクション102bに接続するための第2の貫通孔18’とを特徴とする。
【0090】
(参照番号のリスト)
1 従来技術の自動貯蔵回収システム
2 断熱層
3 水平プレート
4 垂直突起、リブ
5 垂直突起、リブ
6 垂直突起、ピン
7 中空中央セクション
8(カラムプロファイルの)コーナーセクション
9(断熱層の)コーナーセクション
10(カラムプロファイルの)最上端
11(カラムプロファイルの)フランジ
12 蓋
13 凹部
14 壁要素
15 プロファイル接続要素
16(下部プロファイルセクションの)上端
17(上部プロファイルセクションの)下端
18,18’ 貫通孔
19 断熱壁
100 フレームワーク構造
102 フレームワーク構造の直立部材、垂直カラムプロファイル
102a 下部プロファイルセクション
102b 上部プロファイルセクション
105 貯蔵カラム
106 貯蔵コンテナ
106’ 貯蔵コンテナの特定位置
107 スタック
108 レールシステム
110 第1の方向(X)の平行レール
110a 第1の方向(X)の第1のレール
110b 第1の方向(X)の第2のレール
111 第2の方向(Y)の平行レール
111a 第2の方向(Y)の第1のレール
111b 第2の方向(Y)の第2のレール
112 アクセス開口部
119 第1のポートカラム
120 第2のポートカラム
201 従来技術のコンテナハンドリング車両
201a コンテナハンドリング車両201の車体
201b 駆動手段/車輪構成、第1の方向(X)
201c 駆動手段/車輪構成、第2の方向(Y)
301 従来技術の片持ち梁コンテナハンドリング車両
301a コンテナハンドリング車両301の車体
301b 第1の方向(X)の駆動手段
301c 第2の方向(Y)の駆動手段
304 把持デバイス
401 従来技術のコンテナハンドリング車両
401a コンテナハンドリング車両401の車体
401b 第1の方向(X)の駆動手段
401c 第2の方向(Y)の駆動手段
404 把持デバイス
Y 第2の方向
Z 第3の方向
【国際調査報告】