(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-22
(54)【発明の名称】表示パネル、表示パネルの製造方法及び表示パネル製造用の機台
(51)【国際特許分類】
H10K 59/131 20230101AFI20240215BHJP
H10K 50/16 20230101ALI20240215BHJP
H10K 50/17 20230101ALI20240215BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240215BHJP
H10K 50/15 20230101ALI20240215BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240215BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20240215BHJP
H10K 71/13 20230101ALI20240215BHJP
H10K 50/82 20230101ALI20240215BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240215BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240215BHJP
C23C 14/34 20060101ALI20240215BHJP
H10K 71/16 20230101ALI20240215BHJP
【FI】
H10K59/131
H10K50/16
H10K50/17
H10K59/124
H10K50/15
H10K59/122
H10K71/60
H10K71/13
H10K50/82
G09F9/30 330
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/00 342
G09F9/00 338
C23C14/34 S
H10K71/16 166
H10K71/16 164
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576634
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2021140173
(87)【国際公開番号】W WO2023108729
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111534479.3
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】万 之君
(72)【発明者】
【氏名】魏 鋒
(72)【発明者】
【氏名】李 金川
(72)【発明者】
【氏名】曹 蔚然
【テーマコード(参考)】
3K107
4K029
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC11
3K107CC45
3K107DD38
3K107DD71
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3K107GG05
3K107GG33
3K107GG41
3K107GG54
4K029AA24
4K029BA62
4K029BB03
4K029BC07
4K029BD01
4K029CA01
4K029CA05
4K029DB06
4K029DB23
4K029DC06
4K029EA00
4K029HA01
4K029JA01
5C094BA27
5C094DA13
5C094DB03
5C094EA07
5C094EC04
5C094GB10
5G435BB05
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
本願は、表示パネル、表示パネルの製造方法及び表示パネル製造用の機台を提供する。本願によれば、前記有機電子機能層のオーバースプレー領域が前記コンタクトパッドパターンの一部を被覆し、前記陰極のオーバースプレー領域が前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆することにより、従来技術における、表示パネルのプロセスの簡略化、陰極膜層と金属配線のボンディング等の問題を同時に解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域とコンタクトパッド領域に区分された表示パネルであって、
基板と、
前記基板に設けられ、前記コンタクトパッド領域に位置するコンタクトパッドパターンと、
前記基板に設けられ、前記表示領域に位置する陽極と、
前記陽極に設けられた発光層と、
前記発光層を被覆する有機電子機能層と、
前記有機電子機能層を被覆する陰極と、を含み、
前記有機電子機能層は、前記コンタクトパッドパターンの一部をさらに被覆し、
前記陰極は、前記コンタクトパッドパターンの他の一部をさらに被覆する、
表示パネル。
【請求項2】
前記有機電子機能層は、積層された電子輸送層及び電子注入層を含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記有機電子機能層は、前記表示領域から前記コンタクトパッド領域へ延在し、
前記陰極は、前記表示領域から前記コンタクトパッド領域へ延在する、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記基板に設けられた駆動回路層と、
前記駆動回路層を被覆する平坦化層と、
前記平坦化層に設けられた陽極と、
前記平坦化層に設けられ、前記陽極の一部を被覆する画素定義層と、をさらに含み、
前記画素定義層には、開孔が形成され、
前記開孔には、正孔注入層及び正孔輸送層が積層して設けられ、
前記発光層は、前記正孔輸送層に設けられる、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記有機電子機能層は、
前記発光層、前記画素定義層、及び前記駆動回路層の一部を被覆し、前記コンタクトパッドパターンに接触する電子輸送層と、
前記電子輸送層を被覆し、前記コンタクトパッドパターンに接触し、前記コンタクトパッドパターンの一部を被覆する電子注入層と、を含み、
前記陰極は、前記電子注入層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する、
請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
表示領域とコンタクトパッド領域に区画され、前記コンタクトパッド領域に設けられたコンタクトパッドパターンと、前記表示領域に設けられた発光層とを含む基板を提供するステップと、
有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップと、
陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップと、を含む、
表示パネルの製造方法。
【請求項7】
同一のマスクを用いることで、
前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップと、
前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップと、を行う、
請求項6に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項8】
前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップは、蒸着法により前記有機電子機能層を堆積するステップを含み、
前記有機電子機能層のオーバースプレー領域は、前記コンタクトパッドパターンの一部を被覆する、
請求項6に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項9】
前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップは、前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域を小さくするように蒸着源と前記基板との距離を減少させるステップをさらに含む、
請求項8に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項10】
前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップは、前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域を小さくするように蒸着源の蒸着角を変更するステップをさらに含む、
請求項8に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項11】
前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、蒸着法により前記陰極を堆積するステップを含み、
前記陰極のオーバースプレー領域は、前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する、
請求項6に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項12】
前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるように蒸着源の蒸着角を変更するステップをさらに含む、
請求項11に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項13】
前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるように蒸着源と前記基板との距離を増加させるステップをさらに含む、
請求項11に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項14】
前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるようにマスクと前記基板との距離を増加させるステップをさらに含む、
請求項11に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項15】
前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、スパッタリング法により前記陰極を堆積するステップを含み、
前記陰極のオーバースプレー領域は、前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する、
請求項6に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項16】
前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるようにスパッタリングターゲットと前記基板との距離を増加させるステップをさらに含む、
請求項15に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項17】
前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるようにマスクと前記基板との距離を増加させるステップをさらに含む、
請求項15に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項18】
請求項6に記載の表示パネルの製造方法を実行する表示パネル製造用の機台であって、
前記基板を搬送して収容するバッファチャンバーと、
マスクを前記基板に位置合わせするように前記基板の表面に被覆するマスク位置合わせチャンバーと、
前記基板に対して、前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップと、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップとを行う蒸着/スパッタリングチャンバーと、
前記マスクを前記基板から除去するマスク分離チャンバーと、を含む、
表示パネル製造用の機台。
【請求項19】
マスク回転チャンバーをさらに含み、
前記マスク回転チャンバーと前記マスク位置合わせチャンバーとの間及び前記マスク回転チャンバーと前記マスク分離チャンバーとの間にそれぞれ1つの前記バッファチャンバーが設けられ、
2つの前記バッファチャンバーは、適切な前記マスクを選択し、前記マスク位置合わせチャンバーに搬送して前記マスクの位置合わせを行うように前記マスク回転チャンバーと係合する、
請求項18に記載の表示パネル製造用の機台。
【請求項20】
前記マスク位置合わせチャンバーの近傍に1つの前記バッファチャンバーがさらに設けられ、
前記バッファチャンバーは、表示パネル製造用の機台の外部から、正孔注入層、正孔輸送層及び前記発光層が印刷された前記基板を受け取って収容し、前記基板を前記マスク位置合わせチャンバーに搬送して前記マスクの位置合わせを行う、
請求項19に記載の表示パネル製造用の機台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示パネルの技術分野に関し、特に表示パネル、表示パネルの製造方法及び表示パネル製造用の機台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷プロセスIJP(Ink Jet Printing)が製造コストを大幅に低減する可能性があることにより、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)は、テレビ及びタブレットコンピュータを含む製品用途においてよりコスト競争力を有する。OLEDパネルに対して、その製造は、インクジェット印刷プロセス(IJP)を用いる以外、依然として蒸着プロセス(EV)又はスパッタリングプロセス(SPT)を使用する必要がある。ETM(電子輸送材料)及びEIM(電子注入材料)のインクの材料制限のため、現在、OLEDパネルにおいて、IJPプロセスにより、HIL(正孔注入層)、HTL(正孔輸送層)、EML(発光層)等のOLED機能層を堆積し、EV/SPTプロセスにより、ETL(電子輸送層)、EIL(電子注入層)、CAT(陰極)等のOLED機能層を堆積する。
【0003】
CATは、駆動回路がOLEDの発光を制御することを実現するために、基板上の金属配線とボンディングして導通する必要がある。1つの方式は、CAT膜層を金属配線と直接ボンディングすることである。したがって、CATの堆積に必要なマスク開口と、ETL及びEILの堆積に必要なマスク開口とは、サイズが異なることにより、異なる成膜領域を実現し、これにより、導電性の低いETL膜及びEIL膜が金属配線に被覆されてCATと金属配線のボンディング及び導通に影響を与えることを回避する。
【0004】
OLEDパネルの蒸着生産ラインに対して、ステーション設計において、異なるマスクに応じて異なるサイクルフローを設計する必要がある。上述したCATの堆積に必要なマスク開口と、ETL及びEILの堆積に必要なマスク開口とのサイズが異なるという設計に基づいて、生産ラインのステーションのレイアウトにおいて、少なくとも2つのサイクルフローを必要とし、設備投資コストが高い。
【0005】
したがって、現在、上記表示パネルのプロセスの簡略化と、CAT膜層と金属配線のボンディングとの問題を同時に解決することが急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、従来技術における、表示パネルのプロセスの簡略化、陰極膜層と金属配線のボンディング等の問題を解決するために、表示パネル、表示パネルの製造方法及び表示パネル製造用の機台を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施例によれば、表示領域とコンタクトパッド領域に区画された表示パネルであって、
基板と、
前記基板に設けられ、前記コンタクトパッド領域に位置するコンタクトパッドパターンと、
前記基板に設けられ、前記表示領域に位置する陽極と、
前記陽極に設けられた発光層と、
前記発光層を被覆する有機電子機能層と、
前記有機電子機能層を被覆する陰極と、を含み、前記有機電子機能層は、前記コンタクトパッドパターンの一部をさらに被覆し、前記陰極は、前記コンタクトパッドパターンの他の一部をさらに被覆する、表示パネルが提供される。
【0008】
本願の他の実施例に記載の表示パネルにおいて、前記有機電子機能層は、積層された電子輸送層及び電子注入層を含む。
【0009】
本願の他の実施例に記載の表示パネルにおいて、前記有機電子機能層は、前記表示領域から前記コンタクトパッド領域へ延在し、前記陰極は、前記表示領域から前記コンタクトパッド領域へ延在する。
【0010】
本願の他の実施例に記載の表示パネルは、前記基板に設けられた駆動回路層と、前記駆動回路層を被覆する平坦化層と、前記平坦化層に設けられた陽極と、前記平坦化層に設けられ、前記陽極の一部を被覆する画素定義層と、をさらに含み、前記画素定義層には、開孔が形成され、前記開孔には、正孔注入層及び正孔輸送層が積層して設けられ、前記発光層は、前記正孔輸送層に設けられる。
【0011】
本願の他の実施例に記載の表示パネルにおいて、前記有機電子機能層は、前記発光層、前記画素定義層及び前記駆動回路層の一部を被覆し、前記コンタクトパッドパターンに接触する電子輸送層と、前記電子輸送層を被覆し、前記コンタクトパッドパターンに接触し、前記コンタクトパッドパターンの一部を被覆する電子注入層と、を含み、前記陰極は、前記電子注入層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する。
【0012】
別の態様では、本願によれば、
表示領域とコンタクトパッド領域に区画され、前記コンタクトパッド領域に設けられたコンタクトパッドパターンと、前記表示領域に設けられた発光層とを含む、基板を提供するステップと、
有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップと、
陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップと、を含む、表示パネルの製造方法が提供される。
【0013】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、同一のマスクを用いることで、前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップと、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップと、を行う。
【0014】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップは、蒸着法により前記有機電子機能層を堆積するステップを含み、前記有機電子機能層のオーバースプレー領域は、前記コンタクトパッドパターンの一部を被覆する。
【0015】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップは、前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域を小さくするように蒸着源と前記基板との距離を減少させるステップをさらに含む。
【0016】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップは、前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域を小さくするように蒸着源の蒸着角を変更するステップをさらに含む。
【0017】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、蒸着法により前記陰極を堆積するステップを含み、前記陰極のオーバースプレー領域は、前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する。
【0018】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるように蒸着源の蒸着角を変更するステップをさらに含む。
【0019】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるように蒸着源と前記基板との距離を増加させるステップをさらに含む。
【0020】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるようにマスクと前記基板との距離を増加させるステップをさらに含む。
【0021】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、スパッタリング法により前記陰極を堆積するステップを含み、前記陰極のオーバースプレー領域は、前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する。
【0022】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるようにスパッタリングターゲットと前記基板との距離を増加させるステップをさらに含む。
【0023】
本願の他の実施例に記載の表示パネルの製造方法において、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップは、前記陰極の前記オーバースプレー領域を増加させるようにマスクと前記基板との距離を増加させるステップをさらに含む。
【0024】
別の態様では、本願によれば、上記いずれか一項に記載の表示パネルの製造方法を実行する表示パネル製造用の機台であって、
前記基板を搬送して収容するバッファチャンバーと、
マスクを前記基板に位置合わせするように前記基板の表面に被覆するマスク位置合わせチャンバーと、
前記基板に対して、前記有機電子機能層を堆積することにより、前記発光層と、前記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するステップと、前記陰極を堆積することにより、前記有機電子機能層と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するステップとを行う蒸着/スパッタリングチャンバーと、
前記マスクを前記基板から除去するマスク分離チャンバーと、を含む、表示パネル製造用の機台が提供される。
【0025】
本願の他の実施例に記載の表示パネル製造用の機台は、マスク回転チャンバーをさらに含み、前記マスク回転チャンバーと前記マスク位置合わせチャンバーとの間及び前記マスク回転チャンバーと前記マスク分離チャンバーとの間にそれぞれ1つの前記バッファチャンバーが設けられ、2つの前記バッファチャンバーは、適切な前記マスクを選択し、前記マスク位置合わせチャンバーに搬送して前記マスクの位置合わせを行うように前記マスク回転チャンバーと係合する。
【0026】
本願の他の実施例に記載の表示パネル製造用の機台において、前記マスク位置合わせチャンバーの近傍に1つの前記バッファチャンバーがさらに設けられ、前記バッファチャンバーは、表示パネル製造用の機台の外部から、正孔注入層、正孔輸送層及び前記発光層が印刷された前記基板を受け取って収容し、前記基板を前記マスク位置合わせチャンバーに搬送して前記マスクの位置合わせを行う。
【発明の効果】
【0027】
本願の有益な効果は以下のとおりである。本願によれば、前記表示パネル、前記表示パネルの製造方法及び前記表示パネル製造用の機台において、前記有機電子機能層のオーバースプレー領域が前記コンタクトパッドパターンの一部を被覆し、前記陰極のオーバースプレー領域が前記有機電子機能層の前記オーバースプレー領域と、前記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆することにより、従来技術における、表示パネルのプロセスの簡略化、陰極膜層と金属配線のボンディング等の問題を同時に解決する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本願の具体的な実施形態を詳細に説明することにより、本願の技術的解決手段及び他の有益な効果を明らかにする。
【0029】
【
図1】本願の実施例に係る表示パネルの構造概略図である。
【
図2】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【
図3】本願の実施例に係る表示パネルの製造過程における構造概略図である。
【
図5】本願の実施例に係る蒸着法の概略構成図である。
【
図6】本願の実施例に係るスパッタリング法の概略構成図である。
【
図7】本願の実施例に係るマスクと基板の断面概略構成図である。
【
図8】本願の実施例に係る表示パネル製造用の機台の概略構成図である。
【
図9】本願の実施例に係る蒸着法及びスパッタリング法の堆積膜厚の水平距離に対する曲線概略図である。
【
図10】本願の実施例に係る基板の構造概略図である。
【
図11】本願の実施例に係る機台に製造される表示パネルの構造概略図である。
【
図12】本願の実施例に係る機台に製造される表示パネルの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に開示された具体的な構造及び機能の詳細は、代表的なものに過ぎず、本願の例示的な実施例を説明するためのものである。しかしながら、本願は、多くの代替形態により具体的に実現することができ、本明細書に説明された実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0031】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「横方向」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」等で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。また、用語「第1」、「第2」は、単に目的を説明するためのものであり、相対的な重要性を指示するか又は示唆し、或いは指示された技術的特徴の数を暗示的に指示すると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」と限定された特徴は、1つ以上の当該特徴を明示的又は暗示的に含んでよい。本発明の説明において、特別な説明がない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。また、用語「含む」及びそのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。
【0032】
なお、本発明の説明において、別に明確な規定及び限定を有しない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、支持接続、取り外し可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な接続、中間媒体を介した接続であってもよく、2つの部品の間の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0033】
なお、本明細書で用いられる用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、例示的な実施例を制限することを意図していない。文脈から明確に示さない限り、本明細書で用いられる単数表現の「1つ」、「一項」は、複数の場合をも含むことを意図する。本明細書等で用いられる用語「含む」及び/又は「包含」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、ユニット及び/又は構成要素の存在を規定し、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、ユニット、構成要素及び/又はその組み合わせをさらに存在させるか又は追加することは、排除されないと理解すべきである。
【0034】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本願をさらに説明する。
【0035】
図1に示すように、
図1は、本願の実施例に係る表示パネルの構造概略図である。本願の実施例によれば、表示領域AAとコンタクトパッド領域BAに区画された表示パネル100であって、基板SBと、上記基板SBに設けられ、上記コンタクトパッド領域BAに位置するコンタクトパッドパターンBPと、上記基板SBに設けられ、上記表示領域AAに位置する陽極ANと、上記陽極ANに設けられた発光層ELと、上記発光層ELを被覆する有機電子機能層OELと、上記有機電子機能層OELを被覆する陰極CAと、を含み、上記有機電子機能層OELは、上記コンタクトパッドパターンBPの一部をさらに被覆し、上記陰極CAは、上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部をさらに被覆する、表示パネル100が提供される。
【0036】
具体的には、本願の他の実施例の表示パネル100において、上記コンタクトパッド領域BAは、例えば、上記表示領域AA以外の周辺回路領域である。
【0037】
本願の他の実施例に係る表示パネル100において、上記有機電子機能層OELは、積層された電子輸送層ETL及び電子注入層EILを含む。
【0038】
具体的には、本願の他の実施例に係る表示パネル100は、基板SBに設けられた駆動回路層DCLと、駆動回路層DCLを被覆する平坦化層PLNと、平坦化層PLNに設けられた陽極ANと、平坦化層PLNに設けられ、陽極ANの一部を被覆する画素定義層PDLと、を含む。画素定義層PDLには、開孔が形成され、上記開孔には、正孔注入層HIL及び正孔輸送層HTLが積層して設けられる。発光層ELは、上記正孔輸送層HTLに設けられる。上記電子輸送層ETLは、発光層EL、画素定義層PDL及び駆動回路層DCLの一部を被覆し、上記コンタクトパッドパターンBPに接触する。上記電子注入層EILは、上記電子輸送層ETLを被覆し、上記コンタクトパッドパターンBPに接触し、上記コンタクトパッドパターンBPの一部を被覆する。陰極CAは、上記電子注入層EILと、上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部とを被覆する。
【0039】
具体的には、駆動回路層DCLには、駆動トランジスタ及び回路配線が含まれ、配線は、開孔を介して陽極AN、コンタクトパッドパターンBP等に接続される。配線の適切な絶縁、例えば上記電子輸送層ETLとの絶縁を提供するように、駆動回路層DCLには、不動態化層がさらに含まれる。駆動回路層DCLは、本案の重点ではないため、その詳細を図示しない。
【0040】
具体的には、
図9に示すように、
図9は、本願の実施例に係る蒸着法及びスパッタリング法の堆積膜厚の水平距離に対する曲線概略図である。具体的には、マスクMKの開口縁部は、図における水平距離0~0.5の間にある。堆積過程において、マスクMKと基板SBが完全に密着することができないため、堆積物は、マスクMKの開口位置をわずかに超えてマスクMKの開口しない位置へ堆積し、この領域は、オーバースプレー領域(Overspray)と呼ばれる。具体的には、スパッタリング法SPTにおいて、粒子のスパッタリング方向はランダムであるが、蒸着法EVにおいて、粒子は蒸着角に制限されるため、スパッタリング法SPTによって形成されたオーバースプレー領域SOAは、蒸着法EVによって形成されたオーバースプレー領域EOAより大きい。
【0041】
具体的には、
図3及び
図4に示すように、
図3は、本願の実施例に係る表示パネルの製造過程における構造概略図であり、
図4は、
図3の部分拡大図である。本願の実施例に応用して、上記有機電子機能層OELが上記コンタクトパッドパターンBPの一部をさらに被覆し、上記陰極CAが上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部をさらに被覆する、構造を形成する方式は、上記有機電子機能層OELのオーバースプレー領域EOAに上記コンタクトパッドパターンBPの一部を被覆させ、上記陰極CAのオーバースプレー領域COAに、上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAと、上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部とを被覆させることを含む。
【0042】
具体的には、上記陰極CAがオーバースプレー領域COAを介して上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部に直接接触することができ、上記陰極CAのオーバースプレー領域COAと上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部との間に上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAが介在しないため、上記陰極CAと上記コンタクトパッドパターンBPとの間の良好な電気的な接続を提供して、従来技術における陰極とコンタクトパッドパターンのボンディング不良の問題を解決することができる。
【0043】
図2に示すように、
図2は、本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。別の態様では、本願によれば、
表示領域とコンタクトパッド領域に区画され、上記コンタクトパッド領域に設けられたコンタクトパッドパターンと、上記表示領域に設けられた発光層とを含む、基板を提供するS100と、有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するS200と、陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するS300と、を含む、表示パネルの製造方法が提供される。
【0044】
具体的には、
図10に示すように、
図10は、本願の実施例に係る基板の構造概略図である。本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、S100において提供される基板SB(IJP)は、基板SBに設けられた駆動回路層DCLと、駆動回路層DCLを被覆する平坦化層PLNと、平坦化層PLNに設けられた陽極ANと、平坦化層PLNに設けられ、陽極ANの一部を被覆する画素定義層PDLと、をさらに含む。画素定義層PDLには、開孔が形成され、上記開孔には、正孔注入層HIL及び正孔輸送層HTLが積層して設けられる。上記発光層ELは、上記正孔輸送層HTLに設けられる。
【0045】
具体的には、正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL層及び発光層ELは、印刷プロセスIJP(Ink Jet Printing)により製造される。
【0046】
具体的には、
図11及び
図12に示すように、
図11及び
図12は、本願の実施例に係る表示パネル製造における表示パネルの構造概略図である。本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆するS200は、電子輸送層ETLを堆積することにより、上記発光層EL、画素定義層PDL及び駆動回路層DCLの一部を被覆し、上記コンタクトパッドパターンBPに接触するステップと、電子注入層EILを堆積することにより、上記電子輸送層ETLを被覆し、上記コンタクトパッドパターンBPに接触し、上記コンタクトパッドパターンBPの一部を被覆するステップと、を含む。
【0047】
具体的には、
図1に示すように、本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するS300は、陰極CAを堆積することにより、上記電子注入層EILと、上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部とを被覆するステップを含む。
【0048】
図2、
図3及び
図4に示すように、
図2は、本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、同一のマスクMKを用いることで、上記有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆する上記S200と、上記陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する上記S300とを行う。
【0049】
具体的には、本願の実施例に係る表示パネルの製造方法において、上記有機電子機能層OELのオーバースプレー領域EOAにより、上記コンタクトパッドパターンBPの一部を被覆し、上記陰極CAのオーバースプレー領域COAにより、上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAと、上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部とを被覆する。したがって、上記陰極CAがオーバースプレー領域COAを介して上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部に直接接触することができ、上記陰極CAのオーバースプレー領域COAと上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部との間に上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAが介在しないため、同一のマスクMKを用いることで、上記有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆する上記S200と、上記陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する上記S300とを行うことができ、開口サイズの異なる2つのマスクを使用する必要がなく、上記陰極CAと上記コンタクトパッドパターンBPとの間の良好な電気的な接続を提供すると同時に、従来技術における陰極とコンタクトパッドパターンのボンディング不良の問題を解決することができる。
【0050】
図2、
図4及び
図5に示すように、
図5は、本願の実施例に係る蒸着法の概略構成図である。本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、上記有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆する上記S200は、蒸着法により上記有機電子機能層OELを堆積するステップを含み、上記有機電子機能層OELのオーバースプレー領域EOAは、上記コンタクトパッドパターンBPの一部を被覆する。
【0051】
図2、
図4及び
図5に示すように、本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、上記有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆する上記S200は、上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAを小さくするように蒸着源EMと上記基板SBとの距離d1を減少させるステップをさらに含む。
【0052】
具体的には、基板SBの表面SSと蒸着源EMの表面TSの中心の法線NLとの交点から蒸着源EMの表面TSまでの距離はd1である。蒸着源EMは、蒸着源EMを加熱蒸発してマスクMKにより基板SBの表面に塗布する加熱ベースEHに設けられる。距離d1が長いほど、蒸着粒子の進行方向の制御が難しくなるため、オーバースプレー領域EOAの長さが長くなる。
【0053】
図2、
図4及び
図5に示すように、本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、上記有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆する上記S200は、上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAを小さくするように蒸着源EMの蒸着角EAを変更するステップをさらに含む。
【0054】
具体的には、蒸着源EMの両側には、蒸着角EAを調整する角度調整プレートAPが設けられる。蒸着源EMは、蒸着源EMを加熱蒸発して、角度調整プレートAPで制限しマスクMKにより基板SBの表面に塗布する加熱ベースEHに設けられる。角度調整プレートAPを調整することにより、蒸着角EAが大きいほど、オーバースプレー領域EOAの長さが短くなる。
【0055】
具体的には、上記陰極CAの堆積と上記有機電子機能層OELの堆積は、いずれも蒸着法を使用すれば、上記陰極CAを堆積する場合、蒸着角EAを小さく変更することにより、上記陰極CAのオーバースプレー領域EOAの長さを増加させ、上記有機電子機能層OELを堆積する場合、蒸着角EAを大きく変更することにより、上記有機電子機能層OELのオーバースプレー領域EOAの長さを減少させるように設置することができる。
【0056】
図2、
図4及び
図6に示すように、
図6は、本願の実施例に係るスパッタリング法の概略構成図である。本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、上記陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆するS300は、蒸着法又はスパッタリング法により上記陰極CAを堆積するステップを含み、上記陰極CAのオーバースプレー領域COAは、上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAと、上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部とを被覆する。
【0057】
具体的には、スパッタリング法による上記陰極CAの堆積を例として、スパッタリングターゲットSMは、スパッタリングプラットフォームSTPに設けられ、負電源に接続される。正に荷電したアルゴンイオンAr+を導入してスパッタリングターゲットSMを衝撃することにより、スパッタリング材料における原子団を飛散させて、マスクMKにより基板SBの表面に塗布する。スパッタリング法により生成された粒子のスパッタリング方向は、ランダムである。したがって、蒸着法に比べて、スパッタリング法により生成されたオーバースプレー領域が大きい。
【0058】
図2、
図4及び
図6に示すように、本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、上記陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する上記S300は、上記陰極の上記オーバースプレー領域を増加させるように蒸着源EM又はスパッタリングターゲットSMと上記基板SBとの距離d2を増加させるステップをさらに含む。
【0059】
具体的には、スパッタリング法による上記陰極CAの堆積を例として、スパッタリングターゲットSMの表面TSと基板SBの表面SSとの距離はd2である。蒸着法と同様に、距離d2が長いほど、スパッタリング粒子の進行方向が乱れるようになり、オーバースプレー領域COAの長さが長くなる。逆に、距離d2を減少させることにより、上記陰極のオーバースプレー領域COAの長さを減少させることができる。
【0060】
図2、
図4及び
図7に示すように、
図7は、本願の実施例に係るマスクと基板の断面概略構成図である。本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、上記陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する上記S300は、上記陰極CAの上記オーバースプレー領域COAを増加させるようにマスクMKと上記基板SBとの距離MSDを増加させるステップをさらに含む。本願は、マスクMKと上記基板SBとの距離MSDを増加させる具体的な方式を制限しない。
【0061】
具体的には、本願の他の実施例に係る表示パネルの製造方法において、距離MSDを増加させるように上記マスクMKと上記基板SBとの間にスペーサSRを設ける。上記スペーサSRは例えば、エッチング、プレス、溶接鋳造等の方式により上記マスクMKに形成された突起、又は上記マスクMKと上記基板SBとの間に設けられたガスケットである。本願は、突起又はガスケットの製造方式を制限せず、突起又はガスケットの形状も制限しない。
【0062】
具体的には、上記陰極CAの上記オーバースプレー領域COAを増加させるか、及び/又は上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAを小さくすることにより、上記陰極CAの上記オーバースプレー領域COAとコンタクトパッドパターンBPとの接触面積を増加させることができるため、上記陰極CAと上記コンタクトパッドパターンBPとの間の良好な電気的な接続を提供して、従来技術における陰極とコンタクトパッドパターンのボンディング不良の問題を解決することができる。
【0063】
図2及び
図8に示すように、
図8は、本願の実施例に係る表示パネル製造用の機台の概略構成図である。別の態様では、本願によれば、上記いずれか一項に記載の表示パネルの製造方法を実行する表示パネル製造用の機台PMであって、上記基板SB(IJP)を搬送して収容するバッファチャンバーBCと、マスクMKを上記基板SB(IJP)に位置合わせするように上記基板SB(IJP)の表面に被覆するマスク位置合わせチャンバーACと、上記基板SB(IJP)に対して、上記有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆する上記S200と、上記陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する上記S300とを行う蒸着/スパッタリングチャンバーE/SCと、上記マスクMKを上記基板SB(IJP)から除去するマスク分離チャンバーSCと、を含む、表示パネル製造用の機台が提供される。
【0064】
具体的には、上記バッファチャンバーBCは、正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL層及び発光層ELが印刷された上記基板SB(IJP)を受け取って収容する。上記基板SB(IJP)を上記マスク位置合わせチャンバーACに搬送してマスクMKの位置合わせを行う。
【0065】
具体的には、上記表示パネル製造用の機台PMは、マスク回転チャンバーTCをさらに含み、上記マスク回転チャンバーTCとマスク位置合わせチャンバーACとの間及びマスク回転チャンバーTCとマスク分離チャンバーSCとの間にそれぞれ1つの上記バッファチャンバーBCを含み、2つのバッファチャンバーBCは、適切なマスクMKを選択し、上記マスク位置合わせチャンバーACに搬送してマスクMKの位置合わせを行うように上記マスク回転チャンバーTCと係合する。
【0066】
具体的には、本願の実施例に係る表示パネルの製造方法において、上記有機電子機能層OELのオーバースプレー領域EOAにより、上記コンタクトパッドパターンBPの一部を被覆し、上記陰極CAのオーバースプレー領域COAにより、上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAと、上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部とを被覆する。したがって、上記陰極CAがオーバースプレー領域COAを介して上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部に直接接触することができ、上記陰極CAのオーバースプレー領域COAと上記コンタクトパッドパターンBPの他の一部との間に上記有機電子機能層OELの上記オーバースプレー領域EOAが介在しないため、蒸着/スパッタリングチャンバーE/SCにおいて、同一のマスクMKを用いることで、上記有機電子機能層を堆積することにより、上記発光層と、上記コンタクトパッドパターンの一部とを被覆する上記S200と、上記陰極を堆積することにより、上記有機電子機能層と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆する上記S300とを行うことができ、開口サイズの異なる2つのマスクを使用する必要がないため、追加の生産ラインのステーションのレイアウトにおける2つのサイクルフローを必要としない。表示パネルのプロセスを簡略化し、コストを低減し、上記陰極CAと上記コンタクトパッドパターンBPとの間の良好な電気的な接続を提供して、従来の技術における陰極とコンタクトパッドパターンのボンディング不良の問題を解決することができる。
【0067】
本願によれば、上記表示パネル、上記表示パネルの製造方法及び上記表示パネル製造用の機台において、上記有機電子機能層のオーバースプレー領域が上記コンタクトパッドパターンの一部を被覆し、上記陰極のオーバースプレー領域が上記有機電子機能層の上記オーバースプレー領域と、上記コンタクトパッドパターンの他の一部とを被覆することにより、従来技術における、表示パネルのプロセスの簡略化、陰極膜層と金属配線のボンディング等の問題を同時に解決する。
【0068】
以上、本願の実施例に係る上記表示パネル、上記表示パネルの製造方法及び上記表示パネル製造用の機台を詳細に説明する。
【0069】
以上の各操作の具体的な実施は、前の実施例を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0070】
以上より、本願では好ましい実施例を前述のとおり開示したが、上記好ましい実施例は、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本願の精神及び領域から逸脱しない範囲内で様々な変形や修飾を行うことができるため、本願の保護範囲は、特許請求の範囲で限定された内容を基準とする。
【国際調査報告】