(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-22
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
H10K 50/858 20230101AFI20240215BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240215BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20240215BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20240215BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240215BHJP
【FI】
H10K50/858
H10K59/10
H10K59/35
H10K59/40
H10K50/844
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520784
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2022076216
(87)【国際公開番号】W WO2023147710
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】202210115922.1
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ゼイ▼
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC37
3K107DD21
3K107DD26
3K107DD89
3K107EE21
3K107EE46
3K107EE66
3K107FF06
3K107FF15
(57)【要約】
本願は、表示パネルを開示し、表示パネルは、第1表示領域及び第2表示領域を含み、表示パネルは、基板と、基板に設けられ、複数の第1サブ画素及び複数の第2サブ画素を含む発光層と、発光層の基板から離れた側に設けられ、第1表示領域に対応する集光能力が第2表示領域に対応する集光能力より低い光学構造層と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示領域と、少なくとも一部が前記第1表示領域により囲まれる第2表示領域とを含む表示パネルであって、
基板と、
前記基板に設けられ、前記第1表示領域に対応する複数の第1サブ画素及び前記第2表示領域に対応する複数の第2サブ画素を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられ、かつ前記第1表示領域に対応する集光能力が前記第2表示領域に対応する集光能力より低い光学構造層と、を含む、
表示パネル。
【請求項2】
所定の距離条件下で、前記第1サブ画素から出射された光線が前記第1表示領域に対応する前記光学構造層を通過した後の照射範囲は、第1照射範囲であり、前記第2サブ画素から出射された光線が前記第2表示領域に対応する前記光学構造層を通過した後の照射範囲は、第2照射範囲であり、
前記第1照射範囲は、前記第2照射範囲より大きい、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記光学構造層は、
第1光学膜層及び第2光学膜層を含み、
前記第1光学膜層の屈折率は、前記第2光学膜層の屈折率より小さく、
前記第1光学膜層は、複数の第1開口及び複数の第2開口を含み、
前記第1開口は、前記第1サブ画素に対応し、前記第2開口は、前記第2サブ画素に対応し、
前記第2光学膜層は、前記第1光学膜層の発光層から離れた面に設けられ、かつ前記第1開口及び前記第2開口を充填する、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1サブ画素の前記基板への正射影は、第1幅を有し、前記第1開口の前記基板への正射影は、前記第1幅より大きい第2幅を有し、前記第2幅と前記第1幅との差分値は、第1差分値であり、
前記第2サブ画素の前記基板への正射影は、第3幅を有し、前記第2開口の前記基板への正射影は、前記第3幅より大きい第4幅を有し、前記第4幅と前記第3幅との差分値は、第2差分値であり、
前記第1差分値は、前記第2差分値より大きい、
請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1差分値は、1.5μmより大きく、かつ5μm以下であり、前記第2差分値は、1.5μm以下である、
請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1開口と前記第1光学膜層の底面とは、第1夾角を有し、前記第2開口と前記第1光学膜層の底面とは、第2夾角を有し、前記第1夾角と前記第2夾角は、いずれも90°より小さく、前記第1夾角は、前記第2夾角以下である、
請求項4に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1開口と前記第1光学膜層の底面とは、第1夾角を有し、前記第2開口と前記第1光学膜層の底面とは、第2夾角を有し、前記第1夾角と前記第2夾角は、いずれも90°より小さく、前記第1夾角は、前記第2夾角より小さい、
請求項3に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1夾角は、15°以上かつ60°以下であり、前記第2夾角は、60°より大きく、かつ90°より小さい、
請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1サブ画素の前記基板への正射影は、第1幅を有し、前記第1開口の前記基板への正射影は、前記第1幅より大きい第2幅を有し、前記第2幅と前記第1幅との差分値は、第1差分値であり、
前記第2サブ画素の前記基板への正射影は、第3幅を有し、前記第2開口の前記基板への正射影は、前記第3幅より大きい第4幅を有し、前記第4幅と前記第3幅との差分値は、第2差分値であり、
前記第1差分値は、前記第2差分値以上である、
請求項7に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第1表示領域に対応する前記第2光学膜層の屈折率は、前記第2表示領域に対応する前記第2光学膜層の屈折率より小さい、
請求項3に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第1表示領域に対応する前記第2光学膜層の屈折率は、1.25以上かつ1.65以下であり、前記第2表示領域に対応する前記第2光学膜層の屈折率は、1.5以上かつ1.9以下である、
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第1サブ画素の前記基板への正射影は、第1幅を有し、前記第1開口の前記基板への正射影は、前記第1幅より大きい第2幅を有し、前記第2幅と前記第1幅との差分値は、第1差分値であり、
前記第2サブ画素の前記基板への正射影は、第3幅を有し、前記第2開口の前記基板への正射影は、前記第3幅より大きい第4幅を有し、前記第4幅と前記第3幅との差分値は、第2差分値であり、
前記第1差分値は、前記第2差分値以上であり、
前記第1開口と前記第1光学膜層の底面とは、第1夾角を有し、前記第2開口と前記第1光学膜層の底面とは、第2夾角を有し、前記第1夾角と前記第2夾角は、いずれも90°より小さく、前記第1夾角は、前記第2夾角以下である、
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項13】
単位面積内の前記第1サブ画素の数は、単位面積内の前記第2サブ画素の数と同じであり、前記第1サブ画素の面積は、前記第2サブ画素の面積より大きい、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
任意の隣接する2つの前記第1サブ画素の間の間隔は、任意の隣接する2つの前記第2サブ画素の間の間隔より小さい、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記第1開口の中心は、前記第1サブ画素の中心に対応し、前記第2開口の中心は、前記第2サブ画素の中心に対応する、
請求項3に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記基板に設けられる薄膜トランジスタ構造層と、
前記薄膜トランジスタ構造層の前記基板から離れた面に設けられる陽極と、
前記陽極の前記薄膜トランジスタ構造層から離れた面に設けられ、複数の第1画素開口及び複数の第2画素開口を有し、前記第1サブ画素は、前記第1画素開口内に限定され、前記第2サブ画素は、前記第2画素開口内に限定される画素定義層と、
前記画素定義層の前記陽極から離れた面に設けられる陰極と、をさらに含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記基板の一部を貫通する溝をさらに含む、
請求項16に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記第1サブ画素及び前記第2サブ画素の前記基板から離れた面に設けられる封止層をさらに含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記封止層の前記第1サブ画素及び前記第2サブ画素から離れた面に設けられるタッチ層をさらに含む、
請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
前記第1サブ画素は、赤色サブ画素、緑色サブ画素又は青色サブ画素のうちのいずれか1種を含み、前記第2サブ画素は、赤色サブ画素、緑色サブ画素又は青色サブ画素のうちのいずれか1種を含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示の技術分野に関し、特に表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード表示パネル(Organic Light-Emitting Diode、OLED)は、自発光でき、駆動電圧が低く、発光効率が高く、応答時間が短く、解像度及びコントラストが高く、視野角が約180°で、使用温度範囲が広く、フレキシブル表示及び大面積フルカラー表示を実現できるなどの多くの利点を有し、業界では、次世代のフラットパネルディスプレイの新興の応用技術であると認められる。
【0003】
現在、トップエミッション構造のOLED表示パネルが一般的に用いられているが、現在の製品のほとんどには、マグネシウム、銀合金又は積層構造が陰極構造として用いられ、マグネシウム、銀の金属は、仕事関数が低く、電子の取り出し効率を保証する。同時に、銀は、一定の反射効果を有し、陽極と共振空洞を構成して、発光層の射出光に対して共振空洞効果により光射出効率を向上させることを保証する。従来のOLED表示装置は、全画面スクリーンを実現するために、カメラを表示パネルの下に設けて、撮影機能を実現する場合に、表示機能をオフにし、表示機能を実現する場合に、スクリーンの下のカメラ領域において表示を行い、すなわちCUP(Camera Under Panel、アンダースクリーンカメラ)技術を用いる。しかしながら、アンダースクリーンカメラ製品を有するOLED表示パネルに対して、カメラの投影上方の発光領域で、外光は、陰極を通過した後、約50%の光強度を損失し、陰極の光損失は撮影効果に直接影響を与える。そのため、この領域で陰極構造を改善し、光透過率を向上させる必要がある。しかしながら、現在の表示パネルは、広視野角でアンダースクリーンカメラ領域が表示領域より視覚的に明るいという問題が発生しやすい。
【0004】
したがって、上記技術的問題を解決するために、新たな技術手段を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、広視野角で感光性電子部品に対応する第2表示領域が第1表示領域より視覚的に明るいという問題を改善する表示パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例によれば、第1表示領域と、少なくとも一部が前記第1表示領域により囲まれる第2表示領域とを含む表示パネルであって、
基板と、
前記基板に設けられ、前記第1表示領域に対応する複数の第1サブ画素及び前記第2表示領域に対応する複数の第2サブ画素を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられ、かつ前記第1表示領域に対応する集光能力が前記第2表示領域に対応する集光能力より低い光学構造層と、を含む表示パネルが提供される。
【0007】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、所定の距離条件下で、前記第1サブ画素から出射された光線が前記第1表示領域に対応する前記光学構造層を通過した後の照射範囲は、第1照射範囲であり、前記第2サブ画素から出射された光線が前記第2表示領域に対応する前記光学構造層を通過した後の照射範囲は、第2照射範囲であり、
前記第1照射範囲は、前記第2照射範囲より大きい。
【0008】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記光学構造層は、第1光学膜層及び第2光学膜層を含み、前記第1光学膜層の屈折率は、前記第2光学膜層の屈折率より小さく、前記第1光学膜層は、複数の第1開口及び複数の第2開口を含み、前記第1開口は、前記第1サブ画素に対応し、前記第2開口は、前記第2サブ画素に対応し、前記第2光学膜層は、前記第1光学膜層の発光層から離れた面に設けられ、かつ前記第1開口及び前記第2開口を充填する。
【0009】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1サブ画素の前記基板への正射影は、第1幅を有し、前記第1開口の前記基板への正射影は、前記第1幅より大きい第2幅を有し、前記第2幅と前記第1幅との差分値は、第1差分値であり、
前記第2サブ画素の前記基板への正射影は、第3幅を有し、前記第2開口の前記基板への正射影は、前記第3幅より大きい第4幅を有し、前記第4幅と前記第3幅との差分値は、第2差分値であり、
前記第1差分値は、前記第2差分値より大きい。
【0010】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1差分値は、1.5μmより大きく、かつ5μm以下であり、前記第2差分値は、1.5μm以下である。
【0011】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1開口と前記第1光学膜層の底面とは、第1夾角を有し、前記第2開口と前記第1光学膜層の底面とは、第2夾角を有し、前記第1夾角と前記第2夾角は、いずれも90°より小さく、前記第1夾角は、前記第2夾角以下である。
【0012】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1開口と前記第1光学膜層の底面とは、第1夾角を有し、前記第2開口と前記第1光学膜層の底面とは、第2夾角を有し、前記第1夾角と前記第2夾角は、いずれも90°より小さく、前記第1夾角は、前記第2夾角より小さい。
【0013】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1夾角は、15°以上かつ60°以下であり、前記第2夾角は、60°より大きく、かつ90°より小さい。
【0014】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1サブ画素の前記基板への正射影は、第1幅を有し、前記第1開口の前記基板への正射影は、前記第1幅より大きい第2幅を有し、前記第2幅と前記第1幅との差分値は、第1差分値であり、
前記第2サブ画素の前記基板への正射影は、第3幅を有し、前記第2開口の前記基板への正射影は、前記第3幅より大きい第4幅を有し、前記第4幅と前記第3幅との差分値は、第2差分値であり、
前記第1差分値は、前記第2差分値以上である。
【0015】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1表示領域に対応する前記第2光学膜層の屈折率は、前記第2表示領域に対応する前記第2光学膜層の屈折率より小さい。
【0016】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1表示領域に対応する前記第2光学膜層の屈折率は、1.25以上かつ1.65以下であり、前記第2表示領域に対応する前記第2光学膜層の屈折率は、1.5以上かつ1.9以下である。
【0017】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1サブ画素の前記基板への正射影は、第1幅を有し、前記第1開口の前記基板への正射影は、前記第1幅より大きい第2幅を有し、前記第2幅と前記第1幅との差分値は、第1差分値であり、
前記第2サブ画素の前記基板への正射影は、第3幅を有し、前記第2開口の前記基板への正射影は、前記第3幅より大きい第4幅を有し、前記第4幅と前記第3幅との差分値は、第2差分値であり、
前記第1差分値は、前記第2差分値以上であり、
前記第1開口と前記第1光学膜層の底面とは、第1夾角を有し、前記第2開口と前記第1光学膜層の底面とは、第2夾角を有し、前記第1夾角と前記第2夾角は、いずれも90°より小さく、前記第1夾角は、前記第2夾角以下である。
【0018】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、単位面積内の前記第1サブ画素の数は、単位面積内の前記第2サブ画素の数と同じであり、前記第1サブ画素の面積は、前記第2サブ画素の面積より大きい。
【0019】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、任意の隣接する2つの前記第1サブ画素の間の間隔は、任意の隣接する2つの前記第2サブ画素の間の間隔より小さい。
【0020】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1開口の中心は、前記第1サブ画素の中心に対応し、前記第2開口の中心は、前記第2サブ画素の中心に対応する。
【0021】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記表示パネルは、
前記基板に設けられる薄膜トランジスタ構造層と、
前記薄膜トランジスタ構造層の前記基板から離れた面に設けられる陽極と、
前記陽極の前記薄膜トランジスタ構造層から離れた面に設けられ、複数の第1画素開口及び複数の第2画素開口を有し、前記第1サブ画素は、前記第1画素開口内に限定され、前記第2サブ画素は、前記第2画素開口内に限定される画素定義層と、
前記画素定義層の前記陽極から離れた面に設けられる陰極と、をさらに含む。
【0022】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記表示パネルは、前記基板の一部を貫通する溝をさらに含む。
【0023】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記表示パネルは、
前記第1サブ画素及び前記第2サブ画素の前記基板から離れた面に設けられる封止層をさらに含む。
【0024】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記表示パネルは、
前記封止層の前記第1サブ画素及び前記第2サブ画素から離れた面に設けられるタッチ層をさらに含む。
【0025】
本願の実施例に係る表示パネルにおいて、前記第1サブ画素は、赤色サブ画素、緑色サブ画素又は青色サブ画素のうちのいずれか1種を含み、前記第2サブ画素は、赤色サブ画素、緑色サブ画素又は青色サブ画素のうちのいずれか1種を含む。
【発明の効果】
【0026】
本願の実施例によれば、第1表示領域と、少なくとも一部が第1表示領域により囲まれる第2表示領域と、を含む表示パネルが提供される。表示パネルは、基板、発光層及び光学構造層を含む。発光層は、基板に設けられる。発光層は、複数の第1サブ画素及び複数の第2サブ画素を含む。第1サブ画素は、第1表示領域に対応する。第2サブ画素は、第2表示領域に対応する。光学構造層は、発光層の基板から離れた側に設けられる。第1表示領域に対応する光学構造層の集光能力は、第2表示領域に対応する光学構造層の集光能力より低い。本願の実施例によれば、発光層に光学構造層が設けられ、かつ第1表示領域に対応する光学構造層の集光能力が第2表示領域に対応する光学構造層の集光能力より低いため、第2表示領域に対応する光学構造層が第2サブ画素から出射された光線を正視野角に収束する能力は、第1表示領域に対応する光学構造層が第1サブ画素から出射された光線を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域が第1表示領域より視覚的に明るいという問題を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0028】
【
図1】本願の実施例に係る表示パネルの平面構造概略図である。
【
図2】
図1におけるB-B1方向に沿った第1形態の断面構造概略図である。
【
図5】本願の実施例の第1サブ画素及び第2サブ画素の配置概略図である。
【
図6】
図1におけるB-B1方向に沿った第2形態の断面構造概略図である。
【
図9】
図1におけるB-B1方向に沿った第3形態の断面構造概略図である。
【
図10】本願の実施例に係る視野角と光強度との関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の目的、技術手段及び利点をより明らかにするために、以下に図面を参照しながら本願をさらに詳細に説明する。図面に示すように、同じ構成要素番号は、同じ構成要素を表し、以下の説明は、示された本願の具体的な実施例に基づくものであり、本願で詳述されない他の具体的な実施例を限定するものと見なされるべきではない。本明細書で用いられる用語「実施例」は、実例、例又は例証を意味する。
【0030】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを指示するか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。また、用語「第1」、「第2」は、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示するか又は示唆し、或いは指示された技術的特徴の数を暗示的に指示すると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の前記特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、明確かつ具体的な限定がない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。
【0031】
本願の実施例は、表示パネルを提供する。以下、それぞれ詳細に説明する。なお、以下の実施例の説明順序は、実施例の好ましい順序を限定するものではない。
【0032】
従来のOLED表示パネルは、全画面スクリーンを実現するために、カメラを表示パネルの下に設けて、撮影機能を実現する場合に、表示機能をオフにし、表示機能を実現する場合に、スクリーンの下のカメラ領域において表示を行い、すなわちCUP(Camera Under Panel、アンダースクリーンカメラ)技術を用いる。しかしながら、アンダースクリーンカメラ製品を有するOLED表示パネルに対して、カメラの投影上方の発光領域で、外光は、陰極を通過した後、約50%の光強度を損失し、陰極の光損失は撮影効果に直接影響を与える。そのため、この領域で陰極構造を改善し、光透過率を向上させる必要がある。外光が陰極を透過する場合に透過率が低く、アンダースクリーンカメラの正常な撮像に影響を与えるという問題を解決するとともに、カメラの上方の表示領域の正常な表示を保証するために、アンダースクリーンカメラの製品に対して、カメラの上方の表示領域において、陰極として透明電極を用いるとともに、画素密度を減少させるか又は画素密度を変化させずに画素面積を減少させる。しかしながら、広視野角で感光性電子部品を有する第2表示領域が第1表示領域より視覚的に明るいという問題が発生しやすい。
【0033】
本願の実施例によれば、第1表示領域と、少なくとも一部が第1表示領域により囲まれる第2表示領域と、を含む表示パネルが提供される。表示パネルは、基板、発光層及び光学構造層を含む。発光層は、基板に設けられる。発光層は、複数の第1サブ画素及び複数の第2サブ画素を含む。第1サブ画素は、第1表示領域に対応する。第2サブ画素は、第2表示領域に対応する。光学構造層は、発光層の基板から離れた側に設けられる。第1表示領域に対応する光学構造層の集光能力は、第2表示領域に対応する光学構造層の集光能力より低い。本願の実施例によれば、発光層に光学構造層が設けられ、かつ第1表示領域に対応する光学構造層の集光能力が第2表示領域に対応する光学構造層の集光能力より低いため、第2表示領域に対応する光学構造層が第2サブ画素から出射された光線を正視野角に収束する能力は、第1表示領域に対応する光学構造層が第1サブ画素から出射された光線を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域が第1表示領域より視覚的に明るいという問題を改善する。
【0034】
理解すべきこととして、本願の実施例における第2表示領域は、感光性電子部品に対応する領域であり、感光性電子部品は、カメラを含むが、これに限定されない。
【0035】
なお、本願の実施例における集光能力は、サブ画素から出射された光の、光学構造層を通過した後の収束能力を指し、具体的には、光学構造層の開口の基板への正投影とサブ画素の基板への正投影との幅の差、光学構造層の第1光学膜層の開口と第1光学膜層の底面との夾角の大きさ、又は光学構造層の第2光学膜層の屈折率の大きさのうちの少なくとも1つとして具現化することができる。以下、集光能力を具体的に説明する。
【0036】
以下、具体的な実施例により本願に係る表示パネルを詳細に説明する。
【0037】
図1は、本願の実施例に係る表示パネルの平面構造概略図である。
図2は、
図1におけるB-B1方向に沿った第1形態の断面構造概略図である。
図3は、
図2における第1表示領域の拡大図である。
図4は、
図2における第2表示領域の拡大図である。
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、表示パネル100は、第1表示領域AA1と、少なくとも一部が第1表示領域AA1により囲まれる第2表示領域AA2とを含む。表示パネル100は、基板10、発光層20及び光学構造層30を含む。発光層20は、基板10に設けられる。発光層20は、複数の第1サブ画素P1及び複数の第2サブ画素P2を含む。第1サブ画素P1は、第1表示領域AA1に対応する。第2サブ画素P2は、第2表示領域AA2に対応する。光学構造層30は、発光層20の基板10から離れた側に設けられる。第1表示領域AA1に対応する光学構造層30の集光能力は、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30の集光能力より低い。本願の実施例によれば、発光層20に光学構造層30が設けられ、かつ第1表示領域AA1に対応する光学構造層30の集光能力が第2表示領域AA2に対応する光学構造層30の集光能力より低いため、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30が第2サブ画素P2から出射された光線を正視野角に収束する能力は、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30が第1サブ画素P1から出射された光線を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題を改善する。
【0038】
なお、本願の実施例における第1表示領域AA1は、第2表示領域AA2の少なくとも一部を囲み、すなわち、第1表示領域AA1は、第2表示領域AA2を完全に囲んでもよく、第2表示領域AA2の一部を囲んでもよい。本願の実施例において、第1表示領域AA1が第2表示領域AA2を完全に囲むことを例として説明するが、これに限定されない。
【0039】
本願の実施例において、所定の距離条件下で、第1サブ画素P1から出射された光線が第1表示領域AA1に対応する光学構造層30を通過した後の照射範囲は、第1照射範囲である。第2サブ画素P2から出射された光線が第2表示領域AA2に対応する光学構造層30を通過した後の照射範囲は、第2照射範囲である。第1照射範囲は、前記第2照射範囲より大きい。すなわち、本願の実施例において、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30の光射出角度は、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30の光射出角度より大きい。本願の実施例によれば、第1サブ画素P1から出射された光線が第1表示領域AA1に対応する光学構造層30を通過した後の照射範囲は、第2サブ画素P2から出射された光線が第2表示領域AA2に対応する光学構造層30を通過した後の照射範囲より大きいように、光学構造層30の構造を用いてサブ画素の照射範囲を調整して、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題を改善する。
【0040】
好ましくは、他の実施例において、第1照射範囲は、180°以下であり、第2照射範囲は、160°より小さい。例えば、第1照射範囲は、30°、45°、60°、90°、120°、150°又は180°のうちのいずれか1つである。第1照射範囲は、30°、45°、60°、90°、120°、150°又は160°のうちのいずれか1つである。
【0041】
さらに、光学構造層30は、第1光学膜層30a及び第2光学膜層30bを含む。第1光学膜層30aの屈折率は、第2光学膜層30bの屈折率より小さい。第1光学膜層30aは、複数の第1開口h1及び複数の第2開口h2を含む。第1開口h1は、第1サブ画素P1に対応する。第2開口h2は、第2サブ画素P2に対応する。第2光学膜層30bは、第1光学膜層30aの発光層20から離れた側に設けられ、かつ第1開口h1及び第2開口h2を充填する。
【0042】
本願の実施例における光学構造層30は、第1光学膜層30a及び第2光学膜層30bを含み、第1光学膜層30aの屈折率が第2光学膜層30bの屈折率より小さく、第1光学膜層30aが複数の第1開口h1及び複数の第2開口h2を有する。そのため、第1サブ画素P1から出射された光線が第1開口h1の側壁で全反射することにより、光射出を実現することができ、第2サブ画素P2から出射された光線が第2開口h2の側壁で全反射することにより、光射出を実現することができる。
【0043】
好ましくは、他の実施例において、第1開口h1の側壁は、第1微細網点構造を有し、第2開口h2の側壁は、第2微細網点構造を有し、第1微細網点構造及び第2微細網点構造は、レンズ構造である。第1微細網点構造は、複数の第1突起で構成され、基板10に近接した側から基板10から離れた側に向かう方向に、第1突起の高さは、徐々に増加する。第2微細網点構造は、複数の第2突起で構成され、基板10に近接した側から基板10から離れた側に向かう方向に、第2突起の高さは、徐々に増加し、かつ、第1突起の高さは、第2突起の高さより小さい。第1開口h1の側壁に第1微細網点構造が設けられ、第2開口h2の側壁に第2微細網点構造が設けられ、かつ第1突起の高さを第2突起の高さより小さくすることにより、第1開口h1の側壁の集光能力は、第2開口h2の集光能力より低いため、第2表示領域AA2の第2正視野角での輝度は、第1表示領域AA1の第1正視野角での輝度より大きく、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現し、さらに広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題を改善する。
【0044】
他の実施例において、第1サブ画素P1の基板10への正射影は、第1幅d1を有し、第1開口h1の基板10への正射影は、第1幅d1より大きい第2幅d2を有し、第2幅d2と第1幅d1との差分値は、第1差分値ΔD1である。第2サブ画素P2の基板10への正射影は、第3幅d3を有し、第2開口h2の基板10への正射影は、第3幅d3より大きい第4幅d4を有し、第4幅d4と第3幅d3との差分値は、第2差分値ΔD2である。第1差分値ΔD1は、第2差分値ΔD2より大きい。
【0045】
本願の実施例によれば、第1差分値ΔD1が第2差分値ΔD2より大きいため、第2サブ画素P2から出射された第2光線L2の、第2開口h2の側壁を通過した後の収束能力は、第1サブ画素P1から出射された第1光線L1の、第1開口h1の側壁を通過した後の収束能力より高い。すなわち、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30が第2サブ画素P2から出射された第2光線L2を正視野角に収束する能力は、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30が第1サブ画素P1から出射された第1光線L1を正視野角に収束する能力より高い。そのため、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題を改善する。
【0046】
さらに、第1差分値ΔD1は、1.5μm以上、かつ5μm以下(1.5μm≦ΔD1≦5μm)であり、第2差分値ΔD2は、1.5μm以下(ΔD2≦1.5μm)である。好ましくは、2μm<ΔD1<5μm、ΔD2<1.5μmである。
【0047】
本願の実施例において、第1差分値ΔD1は、1.5μm、1.8μm、2.0μm、2.5μm、3.5μm、4μm、4.5μm又は5μmのうちのいずれか1つであってもよい。第2差分値ΔD2は、0.1μm、0.5μm、0.8μm、1.0μm、1.2μm又は1.5μmのうちのいずれか1つであってもよい。本願の実施例によれば、第1差分値ΔD1を1.5μm≦ΔD1≦5μmに設定し、第2差分値ΔD2をΔD2≦1.5μmに設定することにより、第2サブ画素P2から出射された第2光線L2の、第2開口h2の側壁を通過した後の収束能力は、第1サブ画素P1から出射された第1光線L1の、第1開口h1の側壁を通過した後の収束能力より高くなる。すなわち、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30が第2サブ画素P2から出射された第2光線L2を正視野角に収束する能力は、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30が第1サブ画素P1から出射された第1光線L1を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題をさらに改善する。
【0048】
他の実施例において、第1開口h1と第1光学膜層30aの底面とは、第1夾角θ1を有する。第2開口h2と第1光学膜層30aの底面とは、第2夾角θ2を有する。第1夾角θ1と第2夾角θ2は、いずれも90°より小さい。第1夾角θ1は、第2夾角θ2以下である。第1夾角θ1が第2夾角θ2以下であるため、第2サブ画素P2から出射された第2光線L2の、第2開口h2の側壁を通過した後の収束能力は、第1サブ画素P1から出射された第1光線L1の、第1開口h1の側壁を通過した後の収束能力より高くなる。すなわち、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30が第2サブ画素P2から出射された第2光線L2を正視野角に収束する能力は、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30が第1サブ画素P1から出射された第1光線L1を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題をさらに改善する。
【0049】
図5は、本願の実施例における第1サブ画素及び第2サブ画素の配置概略図である。
図5に示すように、他の実施例において、単位面積内の第1サブ画素P1の数は、単位面積内の第2サブ画素P2の数と同じである。いずれか1つの第1サブ画素P1の面積は、いずれか1つの第2サブ画素P2の面積より大きい(ここでは、主に同じ色を表示するサブ画素を比較し、例えば、
図5において赤色を表示する第1サブ画素P1の面積は、赤色を表示する第2サブ画素P2の面積より大きい)。本願の実施例によれば、第2表示領域AA2の光取り出し効率を向上させるために、第2表示領域AA2に対応する第2サブ画素P2の面積を減少させ、第2サブ画素P2の面積が第1サブ画素P1の面積より小さいため、第2表示領域AA2の光の透過率を向上させることにより、第1表示領域AA1及び第2表示領域AA2の光射出の均一性を向上させることができる。
【0050】
他の実施例において、隣接する2つの第1サブ画素P1の間隔は、任意の隣接する2つの第2サブ画素P2の間の間隔より小さい。本願の実施例によれば、隣接する2つの第1サブ画素P1の間隔が任意の隣接する2つの第2サブ画素P2の間の間隔より小さいため、第2表示領域AA2の光の透過率を向上させることにより、第1表示領域AA1及び第2表示領域AA2の光射出の均一性をさらに向上させることができる。
【0051】
他の実施例において、第1サブ画素P1は、赤色サブ画素R、緑色サブ画素G又は青色サブ画素Bのうちのいずれか1種であってもよい。第2サブ画素P2は、赤色サブ画素R、緑色サブ画素G又は青色サブ画素Bのうちのいずれか1種であってもよい。
【0052】
他の実施例において、第1開口h1の中心は、第1サブ画素P1の中心に対応し、第2開口h2の中心は、第2サブ画素P2の中心に対応する。本願の実施例によれば、当該設定方法により、第1サブ画素P1から出射された第1光線が第1開口h1の両側の側壁に均一に分布し、第2サブ画素P2から出射された第2光線が第2開口h2の両側の側壁に均一に分布することを保証することができる。そのため、光射出の均一性を向上させ、さらに第1表示領域AA1と第2表示領域AA2の輝度差を低減することができる。
【0053】
さらに、表示パネル100は、薄膜トランジスタ構造層T、陽極18、画素定義層19及び陰極21をさらに含む。
【0054】
なお、本願の実施例の薄膜トランジスタ構造層Tにおける薄膜トランジスタは、ボトムゲート型の薄膜トランジスタであってもよく、トップゲート型の薄膜トランジスタであってもよく、シングルゲート型の薄膜トランジスタであってもよく、デュアルゲート型の薄膜トランジスタであってもよい。本願の実施例は、シングルゲート型の薄膜トランジスタを例として説明するが、これに限定されない。
【0055】
薄膜トランジスタ構造層Tは、第1活性層11a、第2活性層11b、第1ゲート13a、第2ゲート13b、第1ソース15a、第1ドレイン16a、第2ソース15b、第2ドレイン16b、第1ゲート絶縁層12a、第2ゲート絶縁層12b、層間誘電体層14及び第1平坦化層17を含む。第1活性層11a、第1ゲート13a、第1ソース15a及び第1ドレイン16aは、第1表示領域AA1に対応する。第2活性層11b、第2ゲート13b、第2ソース15b及び第2ドレイン16bは、第2表示領域AA2に対応する。他の実施例において、基板10は、順に積層して設けられた第1フレキシブル層10a、第1遮断層10b、第2フレキシブル層10c、第2遮断層10d及び緩衝層10eを含む。第1遮断層10bは、水及び酸素が第1フレキシブル層10aの一側を通って第1遮断層10bの上面に浸透することを防止する構造であり、表示パネルを損傷することを防止する。他の実施例において、第1遮断層10b、第2遮断層10d及び緩衝層10eの材質は、ケイ素を含有する、酸化物、窒化物又は窒素酸化物を含むが、これらに限定されない。例えば、第1遮断層10bの材質は、SiOx、SiNx又はSiOxNyのうちの少なくとも1種である。第1フレキシブル層10aの材料は、第2フレキシブル層10cの材料と同じであってもよく、PI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PAR(ポリアリレートを含有する芳香族フルオロトルエン)又はPCO(多環オレフィン)のうちの少なくとも1種を含んでもよい。緩衝層10eは、積層して設けられた窒化ケイ素層及び酸化ケイ素層であってもよく、窒化ケイ素層は、水及び酸素が第2フレキシブル層10cの一側から侵入して、表示パネル100の上方の膜層を損傷することを防止し、酸化シリコン層は、上方の薄膜トランジスタを保温する。
【0056】
第1活性層11a、第2活性層11bは、緩衝層10eに間隔をあけて設けられる。第1活性層11a、第2活性層11bの材質は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物、インジウム・亜鉛・錫酸化物又はインジウム・ガリウム・亜鉛・錫酸化物のうちの1種又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。或いは、第1活性層11a、第2活性層11bの材質は、LTPO(Low Temperature Polycrystalline Oxide、低温多結晶酸化物)であってもよい。第1ゲート13a、第2ゲート13b、第1ソース15a、第1ドレイン16a、第2ソース15b、第2ドレイン16bの材質は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、ネオジム(Nd)又はスカンジウム(Sc)などの金属、それらの合金、それらの窒化物などのうちの1種又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0057】
第1ゲート絶縁層12aは、第1活性層11a、第2活性層11bを被覆する。
【0058】
第1ゲート13a、第2ゲート13bは、第1ゲート絶縁層12aに間隔をあけて設けられる。第2ゲート絶縁層12bは、第1ゲート13a、第2ゲート13bを被覆する。層間誘電体層14は、第2ゲート絶縁層12bを被覆する。
【0059】
他の実施例において、第1ゲート絶縁層12a、第2ゲート絶縁層12b及び層間誘電体層14の材質は、酸化ケイ素、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素のうちの1種又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0060】
第1平坦化層17は、第1ソース15a、第1ドレイン16a、第2ソース15b、第2ドレイン16bを被覆する。第1平坦化層17の材料は、二酸化ケイ素、二酸化窒素、酸窒化ケイ素及びそれらの積層材料、又はアクリル樹脂などの有機材料から選択されてもよい。
【0061】
画素定義層19は、陽極18の薄膜トランジスタ構造層Tから離れた面に設けられる。画素定義層19は、複数の第1画素開口19a及び複数の第2画素開口19bを有する。第1サブ画素P1は、第1画素開口19a内に限定される。第2サブ画素P2は、第2画素開口19b内に限定される。第2画素開口19bの幅は、第1画素開口19aの幅より小さい。
【0062】
理解すべきこととして、第1画素開口19aの幅は、第1画素開口19aの陽極18に接触する幅であり、第2画素開口19bの幅は、第2画素開口19bの陽極18に接触する幅である。本願の実施例において、第1幅d1は、第1画素開口19aの幅であり、第3幅d3は、第2画素開口19bの幅である。陰極21は、画素定義層19の陽極18から離れた面に設けられる。
【0063】
他の実施例において、表示パネル100は、封止層22及びタッチ層23をさらに含む。封止層22は、第1サブ画素P1及び第2サブ画素P2の基板10から離れた面に設けられる。具体的には、封止層22は、陰極21に設けられる。封止層22は、順に積層して設けられた第1無機封止層、有機封止層及び第2無機封止層を含んでもよい。第1無機封止層及び第2無機封止層の材料は、SiOx、SiNx又はSiOxNyのうちの少なくとも1種であってもよい。有機封止層の材料は、エポキシ樹脂、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリアクリル酸エステルなどの有機材料から選択されてもよい。
【0064】
タッチ層23は、封止層22の第1サブ画素P1及び第2サブ画素P2から離れた面に設けられる。タッチ層23は、無機ケイ素層、タッチユニット及び有機平坦層を含んでもよい。タッチユニットは、無機ケイ素層に埋め込まれ、二重構造であってもよく、材料がチタン、アルミニウム、チタンの積層構造であってもよい。タッチユニットは、静電容量式タッチを実現する。
【0065】
図6は、
図1におけるB-B1方向に沿った第2形態の断面構造概略図である。
図7は、
図6における第1表示領域の拡大図である。
図8は、
図6における第2表示領域の拡大図である。
図1、
図6、
図7及び
図8に示すように、第1開口h1と第1光学膜層30aの底面とは、第1夾角θ1を有する。第2開口h2と第1光学膜層30aの底面とは、第2夾角θ2を有する。第1夾角θ1と第2夾角θ2は、いずれも90°より小さい。第1夾角θ1は、第2夾角θ2より小さい。第1夾角θ1が第2夾角θ2より小さいため、第2サブ画素P2から出射された第2光線L2の、第2開口h2の側壁を通過した後の収束能力は、第1サブ画素P1から出射された第1光線L1の、第1開口h1の側壁を通過した後の収束能力より高くなる。すなわち、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30が第2サブ画素P2から出射された第2光線L2を正視野角に収束する能力は、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30が第1サブ画素P1から出射された第1光線L1を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題をさらに改善する。さらに、第1夾角θ1は、15°以上かつ60°以下(15°≦θ1≦60°)であり、第2夾角θ2は、60°以上、かつ90°より小さい(60°≦θ1<90°)。好ましくは、第1夾角θ1は、30°<θ1<60°であり、第2夾角θ2は、70°<θ1<85°である。
【0066】
本願の実施例において、第1夾角θ1の値は、15°、25°、30°、45°又は60°のうちのいずれか1つであってもよい。第2夾角θ2の値は、60°、70°、80°、85°又は89°のうちのいずれか1つであってもよい。第1差分値ΔD1と第2差分値ΔD2の値が同じであるため、第1夾角θ1は、15°≦θ1≦60°であり、第2夾角θ2は、60°≦θ1<90°である。第2サブ画素P2から出射された第2光線L2の、第2開口h2の側壁を通過した後の収束能力は、第1サブ画素P1から出射された第1光線L1の、第1開口h1の側壁を通過した後の収束能力より高い。すなわち、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30が第2サブ画素P2から出射された第2光線L2を正視野角に収束する能力は、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30が第1サブ画素P1から出射された第1光線L1を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題をさらに改善する。
【0067】
他の実施例において、第1サブ画素P1の基板10への正射影は、第1幅d1を有し、第1開口h1の基板10への正射影は、第1幅d1より大きい第2幅d2を有し、第2幅d2と第1幅d1との差分値は、第1差分値ΔD1である。第2サブ画素P2の基板10への正射影は、第3幅d3を有し、第2開口h2の基板10への正射影は、第3幅d3より大きい第4幅d4を有し、第4幅d4と第3幅d3との差分値は、第2差分値ΔD2である。第1差分値ΔD1は、第2差分値ΔD2以上である。広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題をさらに改善する。
【0068】
他の実施例において、第1光学膜層は、第1屈折率n1を有する。第1表示領域AA1に対応する第2光学膜層30bは、第2屈折率n2を有する。第2表示領域AA2に対応する第2光学膜層30bは、第3屈折率n3を有する。第1表示領域AA1に対応する第2光学膜層30bの屈折率は、第2表示領域AA2に対応する第2光学膜層30bの屈折率より小さい。
【0069】
さらに、第1表示領域AA1に対応する第2光学膜層30bの屈折率は、1.25以上かつ1.65以下(1.25≦n2≦1.65)であり、第2表示領域AA2に対応する第2光学膜層30bの屈折率n3は、1.5以上かつ1.9以下(1.5≦n3≦1.9)である。好ましくは、第1表示領域AA1に対応する第2光学膜層30bの屈折率は、1.55<n2<1.65であり、第2表示領域AA2に対応する第2光学膜層30bの屈折率は、1.6<n3<1.85である。
【0070】
本願の実施例において、第1表示領域AA1に対応する第2光学膜層30bの屈折率は、1.25、1.35、1.45、1.55又は1.65のうちのいずれか1つであってもよく、第2表示領域AA2に対応する第2光学膜層30bの屈折率は、1.6、1.75、1.8、1.85又は1.9のうちのいずれか1つであってもよい。
【0071】
本願の実施例において、第1表示領域AA1に対応する第2光学膜層30bの屈折率は、第2表示領域AA2に対応する第2光学膜層30bの屈折率より小さい。第2サブ画素P2から出射された第2光線L2の、第2開口h2の側壁を通過した後の収束能力は、第1サブ画素P1から出射された第1光線L1の、第1開口h1の側壁を通過した後の収束能力より高い。すなわち、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30が第2サブ画素P2から出射された第2光線L2を正視野角に収束する能力は、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30が第1サブ画素P1から出射された第1光線L1を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題をさらに改善する。
【0072】
さらに、他の実施例において、第1サブ画素P1の基板10への正射影は、第1幅d1を有し、第1開口h1の基板10への正射影は、第1幅d1より大きい第2幅d2を有し、第2幅d2と第1幅d1との差分値は、第1差分値ΔD1である。第2サブ画素P2の基板10への正射影は、第3幅d3を有し、第2開口h2の基板10への正射影は、第3幅d3より大きい第4幅d4を有し、第4幅d4と第3幅d3との差分値は、第2差分値ΔD2である。第1差分値ΔD1は、第2差分値ΔD2以上である。第1開口h1と第1光学膜層30aの底面とは、第1夾角θ1を有する。第2開口h2と第1光学膜層30aの底面とは、第2夾角θ2を有する。第1夾角θ1と第2夾角θ2は、いずれも90度より小さい。第1夾角θ1は、第2夾角θ2以下である。
【0073】
第1差分値ΔD1が第2差分値ΔD2以上であり、第1夾角θ1は、第2夾角θ2以下であり、かつ第1表示領域AA1に対応する第2光学膜層30bの屈折率は、第2表示領域AA2に対応する第2光学膜層30bの屈折率より小さい。したがって、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角での輝度の減衰を実現し、さらに広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題を改善する。
【0074】
図9は、
図1におけるB-B1方向に沿った第3形態の断面構造概略図である。
図9に示すように、本願の実施例において、表示パネル100は、基板10の一部を貫通する溝Grをさらに含み、具体的には、溝Grは、第1フレキシブル層10a、第1遮断層10b、第2フレキシブル層10c及び第2遮断層10dを貫通する。感光性電子部品は、溝Grに対応する部分に設けられる。本願の実施例によれば、感光性電子部品を溝Grに対応する部分に設けることにより、感光性電子部品の光透過率を向上させ、さらに第1表示領域AA1と第2表示領域AA2の輝度差を減少させる。
【0075】
図10は、本願の実施例に係る視野角と光強度との関係図である。
図10に示すように、横軸は、視野角(Angle)であり、縦軸は、光強度(L)である。曲線1は、第1表示領域AA1の様々な視野角での光強度の変化曲線であり、曲線2は、第2表示領域AA2の様々な視野角での光強度の変化曲線である。
図10から分かるように、本願の実施例に係る表示パネル100は、第2表示領域AA2の光の正視野角における収束能力を向上させることにより、第2サブ画素P2から出射された第2光線L2の、第2開口h2の側壁を通過した後の収束能力は、第1サブ画素P1から出射された第1光線L1の、第1開口h1の側壁を通過した後の収束能力より高くなる。すなわち、第2表示領域AA2に対応する光学構造層30が第2サブ画素P2から出射された第2光線L2を正視野角に収束する能力は、第1表示領域AA1に対応する光学構造層30が第1サブ画素P1から出射された第1光線L1を正視野角に収束する能力より高く、第2表示領域AA2の正視野角での輝度の向上、広視野角で輝度の減衰を実現することにより、広視野角で第2表示領域AA2が第1表示領域AA1より視覚的に明るいという問題をさらに改善する。
【0076】
以上より、本願では好ましい実施例を前述のとおり開示したが、上記好ましい実施例は、本願を限定するためのものではなく、当業者であれば、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変形や修飾を行うことができるため、本願の保護範囲は、特許請求の範囲で限定された内容を基準とする。
【国際調査報告】