(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-22
(54)【発明の名称】検体採取用キット
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
G01N1/10 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531654
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 KR2022000872
(87)【国際公開番号】W WO2022158813
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0007766
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522136957
【氏名又は名称】ビオンライフサイエンス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】高 昌 郁
(72)【発明者】
【氏名】鄭 仲 煥
(72)【発明者】
【氏名】金 奉 胤
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AA30
2G052AD06
2G052AD26
2G052BA19
2G052DA02
2G052DA08
2G052DA13
2G052DA27
2G052JA04
2G052JA07
2G052JA23
(57)【要約】
本発明は、チューブ体と、チューブ体の一側に着脱可能に結合する結合部材と、チューブ体の他側に着脱可能に結合する蓋部材と、チューブ体の内側面に備えられ、採取手段による流出口の閉塞を防止して流出口への検体の流動を誘導する検体誘導部とを含んでなることを特徴とする検体採取用キットを提供することができる。前述したものによれば、スワブによる流出口の閉塞を防止して流出口を通しての検体の抽出を円滑にし、迅速診断の際、検体を最大限多く確保することができるので、抽出及び診断検査の効果を向上させることができ、小さい押圧力でも検体の抽出が可能であり、検査者の疲労度加重を低減させて作業性を向上させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を採取した採取手段を内部に収容する収容空間が形成され、一側には、前記収容空間と連通し、前記検体が流出される流出口が形成され、他側には、前記収容空間に前記採取手段を挿入するための挿入口が形成されたチューブ体と、
前記チューブ体の他側に着脱可能に結合して前記挿入口を開閉する蓋部材と、
前記チューブ体の一側に着脱可能に結合して前記流出口を開閉する結合部材と、
前記流出口側の前記チューブ体の内側面に備えられ、前記採取手段による前記流出口の閉塞を防止して前記流出口への前記検体の流動を誘導する検体誘導部と、を含んでなることを特徴とする、検体採取用キット。
【請求項2】
前記チューブ体は、外力によって前記収容空間内の前記採取手段を押圧することができるように弾性変形可能な軟性材質から形成されることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取用キット。
【請求項3】
前記チューブ体には、外部から検査者が外力を加えて前記採取手段を押圧するための押圧部が形成され、前記押圧部は、前記チューブ体の厚さより小さい厚さを有するように形成されることを特徴とする、請求項2に記載の検体採取用キット。
【請求項4】
前記チューブ体は、外部から検査者が外力を加えて前記採取手段を押圧するための押圧部が形成され、前記押圧部は、前記チューブ体の外側面に沿って形成された複数の把持溝によって形成されることを特徴とする、請求項2に記載の検体採取用キット。
【請求項5】
前記把持溝は前記チューブ体の長手方向に沿って形成され、それぞれが前記チューブ体の円周方向に沿って離隔するように配列されることを特徴とする、請求項4に記載の検体採取用キット。
【請求項6】
前記把持溝は前記チューブ体の円周方向に沿って形成され、それぞれが前記チューブ体の長手方向に沿って離隔するように配列されることを特徴とする、請求項4に記載の検体採取用キット。
【請求項7】
前記チューブ体は、
内部に前記収容空間が形成され、他側に前記挿入口が形成され、前記蓋部材が結合される胴体部と、
一側端部が前記胴体部の一側から長手方向に沿って延設され、露出される他側端部に前記流出口が形成され、内部で前記流出口と前記収容空間とが互いに連通し、前記収容空間の流動断面積よりは小さく、前記流出口の流動断面積よりは大きい流動断面積を有する内部流路が形成され、前記結合部材が結合される結合部と、を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取用キット。
【請求項8】
前記検体誘導部は、前記内部流路に位置し、前記結合部の内周面から突設され、それぞれの間に前記検体が流動する間流路が形成されるように前記結合部の内周面に沿って互いに離隔して配置される複数の突出部を含んでなることを特徴とする、請求項7に記載の検体採取用キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検体採取用キットに関するものであり、より詳しくはスワブによる閉塞なしに検体が円滑に抽出されるようにし、押圧による手の疲労度を低減させてより容易な使用及び抽出ができるようにした検体採取用キットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、検診及び検査は被検者から血液や唾液または身体器官の組職などの検体を検体採取キットで採取した後、採取された検体に対して生化学検査、免疫血清検査、血液学検査などの多様な検査を実施し、これによって被検者の健康状態及び疾患有無を検査することで実施することになる。
【0003】
一方、前述した検体採取キットは、被検者の検体を採取し、通常ヘッド部及びスティック部からなるスワブ(swab)と、このように検体を採取したスワブを内部に収容及び保管することができるように構成される胴体とを含んでなり、検査者が胴体に外力を加えれば、胴体に形成された流出口を通して検体が抽出されるように構成できる。
【0004】
ところが、このような従来の検体採取キットは、スワブが胴体に挿入された状態で検体を採取するとき、スワブのヘッド部が流出口を閉塞させることによって検体が円滑に抽出されない問題点があった。特に、検体を最大限多く抽出しなければならない迅速診断の際には、このような閉塞は検体の抽出に悪影響を及ぼす問題点があった。
【0005】
また、従来の検体採取手段は胴体が硬い材質から形成されているから、検査者が胴体を押圧してスワブを搾るのに押圧による疲労度が加重して使用及び抽出が難しくなる問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スワブによる閉塞なしに流出口を通して検体が円滑に抽出されるようにし、これにより、迅速診断の際にも最大限検体を多く確保することができるようにすることはもちろんのこと、小さい押圧力でもヘッド部を押圧して搾ることができるようにすることで、検査者が多数の採取手段を押圧することによる疲労度の加重を低減させ、容易な使用及び抽出が可能な検体採取用キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、検体を採取した採取手段を内部に収容する収容空間が形成され、一側には、前記収容空間と連通し、前記検体が流出される流出口が形成され、他側には、前記収容空間に前記採取手段を挿入するための挿入口が形成されたチューブ体と、前記チューブ体の他側に着脱可能に結合して前記挿入口を開閉する蓋部材と、前記チューブ体の一側に着脱可能に結合して前記流出口を開閉する結合部材と、前記流出口側の前記チューブ体の内側面に備えられ、前記採取手段による前記流出口の閉塞を防止して前記流出口への前記検体の流動を誘導する検体誘導部とを含んでなることを特徴とする検体採取用キットを提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明による検体採取用キットは、検体誘導部により、スワブによる流出口の閉塞を防止することで、流出口を通しての検体の抽出が円滑であり、迅速診断の際、検体を最大限多く確保することができるので、抽出及び診断検査の効果を向上させることができる。
【0009】
また、本発明による検体採取用キットは、押圧し易い弾性変形の可能な軟性材質で形成されることで、小さい押圧力でも採取手段を押圧して搾ることができるので、検体が容易に流出するようにし、検査者が多数の採取手段を押圧することによる疲労度の加重を低減させて作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例による検体採取用キットの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1の検体採取用キットの分解斜視図である。
【
図3】
図2の検体採取用キットのチューブ体を示す正面図である。
【
図4】
図3の検体採取用キットのチューブ体の他の実施例を示す正面図である。
【
図5】
図3の検体採取用キットにおいて採取手段が挿入されたチューブ体の内部構造を示すための正断面図である。
【
図6】
図5の検体採取用キットの検体誘導部の構成を拡大して示す断面図である。
【
図7】
図6の検体採取用キットのVII-VII線についての断面を示す断面図である。
【
図8】
図5の検体採取用キットにおいて嵌合部を備えた他の実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明がより具体的に理解できるように、添付図面に基づいて好適な実施例を説明する。
【0012】
本発明は多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示しながら詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物や代替物を含むものと理解しなければならない。
【0013】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、前記構成要素はその用語によって限定されてはいけない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範疇内で第1構成要素は第2構成要素と名付けることができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と名付けることができる。及び/またはという用語は複数の関連した記載項目の組合せまたは複数の関連した記載項目のうちのいずれか項目を含む。
【0014】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」または「接続されている」と言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されるかあるいは接続されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならないであろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」または「直接接続されている」と言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならないであろう。
【0015】
本出願で使用した用語は単に特定の実施例を説明するために使用したものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に開示した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指示しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0016】
他に定義しない限り、技術的なまたは科学的な用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならなく、本出願で明白に定義しない限り、理想的にまたは過度に形式的な意味と解釈されない。また、本発明の説明において、全体的な理解を容易にするために、図面上の同じ構成要素に対しては同じ参照符号を使用し、同じ構成要素についての重複説明は省略する。
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例をより詳細に説明する。
【0018】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施例による検体採取用キット700は、採取手段100と、チューブ体200と、蓋部材300と、結合部材400と、検体誘導部500とを含んでなることができる。
【0019】
まず、前記採取手段100は検査者が対象者の検体を採取するための手段であり、検体を採取するヘッド部110と、ヘッド部110と結合され、検査者が把持することができるように構成されるスティック部120とを含んでなることができる。このような採取手段100は、綿棒の形態を有し、検体を採取することができれば多様な形態及び材質などを適用することができるというのは言うまでもなく、それについての詳細な説明は省略する。
【0020】
前記チューブ体200は、検体を採取した採取手段100を収容して保存及び輸送することができるように構成できる。このようなチューブ体200は、内部に検体を採取した採取手段100を収容する収容空間211が形成され、一側には収容空間211と連通して検体が流出される流出口221が形成され、他側には収容空間211に採取手段100を挿入するための挿入口212が形成されることができる。
【0021】
具体的に、チューブ体200は、胴体部210と、結合部220とを含んでなることができる。
【0022】
まず、胴体部210は、採取手段100が挿入されることができるように他側に挿入口212が形成され、内部に収容空間211が形成され、収容空間211に挿入された採取手段100を収容することができるように構成できる。
【0023】
ここで、胴体部210は、他側に蓋部材300が着脱可能に結合されることができ、蓋部材300との結合のために、外周面にネジ部(
図3参照)が形成されることができる。
【0024】
前記胴体部210は、図示のように、円筒形チューブ状に形成されることができるが、これに限定されない。
【0025】
前記胴体部210は、内部の採取手段100を検査者が肉眼で確認することができるように透明または半透明材質から形成されることができ、公知の樹脂系材質などの多様な材質を適用することができる。
【0026】
結合部220は、一側端部が胴体部210の一側から長手方向に沿って延設され、結合部材400が結合されるように構成できる。
【0027】
ここで、結合部220は、露出される他側端部に流出口221が形成され、内部には流出口221と収容空間211とが互いに連通し、検体を抽出するための内部流路222が形成されることができる(
図5参照)。ここで、内部流路222は、収容空間211の流動断面積よりは小さく、流出口221の流動断面積よりは大きい流動断面積を有するように形成されることができる。
【0028】
一方、本発明で、チューブ体200は、外力によって収容空間211内の採取手段100を押圧することができるように、弾性変形可能な軟性材質から形成されることができる。
【0029】
これは、チューブ体200の収容空間211に採取手段100を収容した状態で検査者が採取手段100のヘッド部110を押圧して搾り出すとき、検査者による押圧力をより軽減させるためである。
【0030】
さらに、前記チューブ体200は、外部から検査者が外力を加えて採取手段100を押圧するとき、より容易に押圧することができるように押圧部213が形成されることができる。
【0031】
このような押圧部213は、検査者がより容易に押圧することができるように、チューブ体200の他の部分の厚さよりも小さい厚さを有するように形成されることができる。
【0032】
また、前記押圧部213は、チューブ体200の外側面に沿って形成された複数の把持溝213aを含んでなることができる。このような把持溝213aは、スリップを防止し、グリップ感を向上させることで、検査者がチューブ体200をより容易に押圧することができるようにし、より容易に押圧することができるようにする。
【0033】
一方、前記把持溝213aは多様な形態に形成可能である。
【0034】
これについて
図3を参照して説明すると、前記把持溝213aはチューブ体200の円周方向に沿って環形に形成され、それぞれはチューブ体200の長手方向に沿って離隔して配列されることができる。ここで、把持溝213aの形成の幅及び深さはチューブ体200の長さや厚さによって設計され、設定された検査者の把持位置によって形成されることができる。
【0035】
図4は
図3とは違う実施例を示す図であり、前記把持溝213aは、チューブ体200aの長手方向に沿って形成され、それぞれはチューブ体200aの円周方向に沿って離隔するように配列されることができる。ここで、把持溝213aの形成の長さ及び深さはチューブ体200aの長さや厚さによって形成されることができ、これに限定されない。
【0036】
一方、前記チューブ体200は、図示しなかったが、押圧部213が形成された部分の内側面が内側中心に向かって折り曲げられることができる。これは、チューブ体200の内側面と収容空間211内のヘッド部110の外側面との離隔距離を減少させて検査者の押圧距離を減らすことにより、より容易に押圧することができるようにするためである。ここで、前記チューブ体200の折曲部は前述した目的を達成することができれば、多様な形状に形成可能である。
【0037】
さらに、前記チューブ体200は、押圧部213が押圧されるとき、ヘッド部110と接触する内側面に、内側に向かって突設された押圧突部(図示せず)をさらに含んでなることができる。このような押圧突部は、検査者がチューブ体200を押圧するとき、押圧突部によってヘッド部110に対する押圧力を増やすことで、ヘッド部110に含まれた検体をより効果的に流出させることができる。ここで、押圧突部は、公知の半球形などの多様な形状に形成されることができる。
【0038】
前記蓋部材300は、チューブ体200の他側に着脱可能に結合して挿入口212を開閉するように構成できる。
【0039】
図面は、前記蓋部材300がコップ状を有し、チューブ体200と螺合によって着脱可能に結合される場合を実施例として示している。このような場合、蓋部材300の内周面面には、チューブ体200のネジ部232と螺合するネジ部が形成されることができる。
【0040】
前記結合部材400は、チューブ体200の一側に着脱可能に結合して流出口221を開閉するように構成されることができる。
【0041】
図面で、前記結合部材400は結合部220と螺合によって着脱可能に結合され、コップ形状を有し、内周面には、結合部220の外周面に形成されたネジ部220と螺合するネジ部が形成されることができる。
【0042】
ここで、前記蓋部材300及び結合部材400は、図示のように、それぞれ螺合によってチューブ体200と結合することができるが、これは締結力を確保するとともに漏水を防止することができる好適な実施例であるだけで、その他にスナップ結合方式などの多様な着脱型結合構造を有することができるというのは言うまでもない。
【0043】
一方、前述した検体採取用キット700は、検査者が採取手段100を用いて対象者から検体を採取してチューブ体200内に挿入すると、この状態で検体を保管及び輸送することができるように構成される。この際、チューブ体200には反応試薬が収容されており、採取手段100の検体と反応試薬とが混合され、検査者によって流出口221を通して抽出される。
【0044】
ところが、既存の検体採取キットは、採取手段100がチューブ体200に挿入された状態で検査者がチューブ体200を押圧して検体を抽出する過程で、採取手段100のヘッド部110が流出口221を閉塞させることにより、流出口221を通して検体が円滑に抽出されない問題があった。
【0045】
言い換えれば、従来の検体採取キットは、検体抽出の際、採取手段100のヘッド部110が流出口221を閉塞させ、流出口221の閉塞によって検体の抽出が難しくなる問題点があった。
【0046】
よって、本発明は、チューブ体200に検体誘導部500を備えることで、検体抽出の際、採取手段100による流出口221の閉塞を防止して検体が円滑に抽出されるようにすることができる。以下では、このような検体誘導部500の構成及び流出口221の閉塞を防止する原理について説明する。
【0047】
まず、検体誘導部500の構成について説明すると、前述したように、検体誘導部500は、流出口221側のチューブ体200の内側面に備えられ、チューブ体200内に挿入された採取手段100による流出口221の閉塞(詰まり)を防止することにより、流出口221への円滑な検体流動を誘導する役割を果たす。
【0048】
図5及び
図6を参照すると、前記検体誘導部500は、結合部220の内部流路222に位置し、結合部220の内周面から突設され、複数が結合部220の内周面に沿って互いに離隔して配置されることで、それぞれの間に検体が流動する間流路511(
図7参照)が形成された突出部510を含んでなることができる。
【0049】
ここで、前記突出部510は、流出口221による検体流動抵抗が発生しないように、その突出高を高く形成しないことが好ましく、
図7に示すように、突出部510のそれぞれの内側面の末端が流出口221の外周面よりも小さくまたは外周面と同じに形成されることができる。
【0050】
一方、前記突出部510は、図示のように、内側面の横断面形状が丸形に形成されることができる。しかし、これは好適な実施例であるだけで、平面形状などの多様な形状に形成されることができる。
【0051】
図7を参照すると前記突出部510は、間流路511の中心軸、すなわちチューブ体200の中心軸に対して120度の間隔で3個が放射状に離隔して配置されることができる。しかし、これは一実施例であるだけで、前記突出部510の個数及び配置間隔は多様に構成できるといのは言うまでもない。
【0052】
以下では、検体誘導部500による流出口221の閉塞防止の原理及びこのためのチューブ体200及び検体誘導部500の詳細構成について説明する。
【0053】
まず、ヘッド部110は、チューブ体200の収容空間211に容易に挿入できるように、チューブ体200の長手方向に対して垂直な方向の横断面積が収容空間211の横断面積より小さく形成されることができる。
【0054】
また、ヘッド部110は、結合部220の内部流路222上に収容される反応試薬との混合のために内部流路222内に収容されるように、横断面積が内部流路222の横断面積より小さく形成されることができる。
【0055】
また、ヘッド部110は、流出口221に挿入されないように、横断面積が流出口221の横断面積よりも大きく形成されることができる。
【0056】
また、ヘッド部110は、突出部510の内側に挿入されないように、突出部510の内側面のそれぞれによって形成される中心流路512の横断面積よりも大きく形成されることが好ましい。これは、ヘッド部110が突出部510の内側中心流路512に挿入された後、流出口221の端部まで到達すると、流出口221だけでなく突出部510の間の間流路511まで閉塞させることによって検体の抽出が難しくなることがあるからである。
【0057】
一方、前記中心流路512は、突出部510の内側面のそれぞれによって形成される空間で、円筒状の中央通路であり、流出口221と同じ中心軸を有する。図面で、中心流路512は流出口221とほぼ同じサイズを有するように形成されているが、前述した条件を満たせば多様なサイズ及び形態を有することができる。
【0058】
したがって、前述した条件によれば、本発明の検体採取用キット700は、採取手段100が検体誘導部500の突出部510の右側端部にかかるようにすることで、ヘッド部110が流出口221に挿入されて流出口221を閉塞させることを防止することができ、さらにヘッド部110が検体誘導部500に接触しても突出部510の間の間流路511を通して検体が流出口221に流動するようにすることで、検体が円滑に抽出されるようにすることができる。
【0059】
図8は本発明の他の実施例を示す図である。本発明の実施例による検体採取用キット700は、採取手段100による流出口221の閉塞を防止することはもちろんのこと、チューブ体200内の採取手段100の位置が固定されるようにする嵌合部600をさらに含んでなることができる。
【0060】
前記嵌合部600は、一側が流出口221と対向する検体誘導部500の側部(図面の上側)からチューブ体200の長手方向に沿って収容空間211に向かって延設され、これに採取手段100のヘッド部110が嵌合され、これによってヘッド部110を支持するように構成されることができる。
【0061】
ここで、前記嵌合部600は、突出部510と一体に延設されることができ、間流路511が塞がらないように突出部510の長手方向に沿って延設されることができる。
【0062】
また、前記嵌合部600は他側内周面が結合部220の内側面に向かって傾いた傾斜面610を有するように形成されることで、ヘッド部110のサイズに関係なく嵌合できるようにし、より容易に嵌合できるように構成されることができる。
【0063】
前述したように、本発明の実施例による検体採取用キット700は、保管及び輸送過程でヘッド部110がチューブ体200内で搖れず、中央の設定位置に位置するようにすることで、検体と反応試薬とがよく混合されるように誘導し、検体がより効果的に抽出されるようにすることができる。
【0064】
本発明は図面に示した実施例を参照して説明したが、これは例示的なものに過ぎなく、本発明の技術分野で通常の知識を有する者であればこれから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点が理解可能であろう。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は添付の特許請求の範囲の技術的思想によって決定されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は検体採取用器具に適用可能である。
【国際調査報告】