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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-22
(54)【発明の名称】患者モニタのための熱管理
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240215BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240215BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
G06F1/20 C
A61B5/00 102A
A61B5/00 D
H05K7/20 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539749
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 EP2021087837
(87)【国際公開番号】W WO2022144412
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/132,136
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】308011030
【氏名又は名称】ドレーゲルヴェルク アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Draegerwerk AG & Co.KGaA
【住所又は居所原語表記】Moislinger Allee 53-55,Luebeck,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リカード ルイス フェルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー ケー.ヘニングス
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エー.ランド
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー トーマス プロヴァンシェ
【テーマコード(参考)】
4C117
5E322
【Fターム(参考)】
4C117XA04
4C117XB04
4C117XB06
4C117XC18
4C117XC26
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE37
4C117XE57
4C117XG05
5E322AA01
5E322AA02
5E322AA03
5E322BA01
5E322FA04
(57)【要約】
プロセッサ及びディスプレイを有するコンピュータ用の熱筐体が開示されており、内側ケースを含み得る。熱筐体は、内側ケースに取り付けられ、プロセッサに熱的に接続されたヒートシンクをさらに含み得る。ヒートシンクは、外側放熱チャネルを有し得る。熱筐体は、また、少なくとも部分的に内側ケースを包み込む外側ハウジングを含み得る。外側ハウジングは、後部ハウジング部分及び前部ハウジング部分を有し得る。後部ハウジング部分、前部ハウジング部分、及び外側放熱チャネルは、全幅W、及び奥行寸法Dを有し得る放熱開口部を画定し得、外側放熱チャネルは、放熱開口部内に凹み得、W及びDは、人間の指が外側放熱チャネルと接触するのを防ぐように適合され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びディスプレイを有するコンピュータ用の熱筐体であって、
前記熱筐体は、
金属材料で形成された内側ケースであって、前記プロセッサが前記内側ケース内に配置された内側ケースと、
前記内側ケースに取り付けられ、前記プロセッサに熱的に接続されたヒートシンクであって、前記ヒートシンクが外側放熱チャネルを有する、ヒートシンクと、
前記内側ケースを少なくとも部分的に包み込む外側ハウジングであって、前記外側ハウジングは高分子材料で形成され、前記外側ハウジングは、後部ハウジング部分及び前部ハウジング部分を備える、外側ハウジングと、を備え、
前記後部ハウジング部分、前記前部ハウジング部分、及び前記外側放熱チャネルは、全幅W及び奥行寸法Dを有する放熱開口部を画定し、前記外側放熱チャネルは、前記放熱開口部内に凹んでおり、W及びDは、人間の指が前記外側放熱チャネルと接触するのを防ぐように適合されている、熱筐体。
【請求項2】
前記プロセッサに隣接するサーマルインタフェースと、前記サーマルインタフェースと隣接する熱拡散プレートと、をさらに備え
前記サーマルインタフェース及び前記熱拡散プレートは、前記プロセッサを前記ヒートシンクに熱的に接続する、請求項1に記載の熱筐体。
【請求項3】
前記ヒートシンクは、バックプレートと、前記バックプレートから延在する外側壁とを備え、前記放熱チャネルは、前記外側壁に形成される、請求項1または2に記載の熱筐体。
【請求項4】
前記放熱チャネルは、前記外側壁全体に沿って延在する、請求項3に記載の熱筐体。
【請求項5】
前記放熱チャネルは丸みを帯びている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の熱筐体。
【請求項6】
前記放熱チャネルは凹状である、請求項5に記載の熱筐体。
【請求項7】
Wが3.00mm以上である、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の熱筐体。
【請求項8】
Wが6.00mm以下である、請求項7に記載の熱筐体。
【請求項9】
Dが2.50mm以上である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の熱筐体。
【請求項10】
Dが6.00mm以下である、請求項9に記載の熱筐体。
【請求項11】
患者モニタデバイスであって、
後部ハウジング部分及び前部ハウジング部分を有する外側ハウジングと、
前記外側ハウジングの前記後部ハウジング部分内に少なくとも部分的に配置され、前記前部ハウジング部分によって囲まれた内側ケースであって、前記内側ケースは、複数の生理学的センサからケーブルを受け入れるように適合された複数のポートを含む、内側ケースと、
前記内側ケース内に配置されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記複数の生理学的センサから受信した信号を解釈するように適合されている、プロセッサと、
前記外側ハウジングの前記前部ハウジング部分と前記内側ケースとの間に配置されたヒートシンクであって、前記ヒートシンクの外周の周囲に外側放熱チャネルを含み、前記放熱チャネルが前記内側ケース内の前記プロセッサから放熱するために、周囲の空気に直接接触する、ヒートシンクと、
を備える患者モニタデバイス。
【請求項12】
前記後部ハウジング部分、前記前部ハウジング部分、及び前記外側放熱チャネルは、放熱開口部を画定し、前記放熱開口部は、人間の指が前記外側放熱チャネルと接触するのを防ぐようなサイズ及び形状である、請求項11に記載の患者モニタデバイス。
【請求項13】
前記放熱開口部は、全幅Wを有し、Wは6.00mm以下である、請求項12に記載の患者モニタデバイス。
【請求項14】
前記放熱開口部は、奥行寸法Dを有し、Dが2.50mm以上である、請求項13に記載の患者モニタデバイス。
【請求項15】
前記放熱チャネルは、1.00ミリメートル(mm)以上である曲率半径Rを画定する、請求項11ないし14のいずれか一項に記載の患者モニタデバイス。
【請求項16】
Rが3.50mm以下である、請求項15に記載の患者モニタデバイス。
【請求項17】
前記放熱チャネルの上縁が、1.50mm以上であるギャップGによって前記外側ハウジングの外表面から後退している、請求項11ないし16のいずれか一項に記載の患者モニタデバイス。
【請求項18】
Gが5.00mm以下である、請求項17に記載の患者モニタデバイス。
【請求項19】
前記前部ハウジング部分は、チャネルが形成された外側壁を備え、前記ヒートシンクの遠位端は、前記前部ハウジング部分の前記チャネルに嵌合する、請求項11ないし18のいずれか一項に記載の患者モニタデバイス。
【請求項20】
前記ヒートシンクの前記外側放熱チャネルは、前記ヒートシンクの前記遠位端に隣接している、請求項19に記載の患者モニタデバイス。
【請求項21】
患者モニタデバイスであって、
後部ハウジング部分及び前部ハウジング部分を有する外側ハウジングと、
前記外側ハウジングの前記後部ハウジング部分内に少なくとも部分的に配置され、前記前部ハウジング部分によって囲まれた内側ケースであって、前記内側ケースは、複数の生理学的センサからケーブルを受け入れるように適合された複数のポートを含む、内側ケースと、
前記外側ハウジングの前記前部ハウジング部分と前記内側ケースとの間に配置されたヒートシンクであって、前記ヒートシンクが外側放熱チャネルを含む、ヒートシンクと、
前記患者モニタリングデバイスを受け入れ、前記患者モニタリングデバイスからの熱の除去を容易にするように適合された支持ブラケットと、を備える、患者モニタデバイス。
【請求項22】
前記支持ブラケットは、前記ヒートシンクの前記外側放熱チャネルに嵌合し、係合するようなサイズ及び形状の少なくとも1つの支持構造を含む、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記外側ハウジングが断熱材料を備える、請求項1ないし22のいずれか一項に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項24】
前記断熱材料が断熱プラスチックを含む、請求項23に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項25】
前記断熱プラスチックが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)プラスチック、高密度ポリエチレン(HDPE)プラスチック、耐衝撃ポリスチレン(HIPS)プラスチック、低密度ポリエチレン(LDPE)プラスチック、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)プラスチック、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)プラスチック、ポリメチルメタクリレート/アクリル(PMMA)プラスチック、ポリオキシメチレン(POM)プラスチック、ポリプロピレン(PP)プラスチック、またはそれらの組み合わせを含み得る、請求項24に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項26】
前記断熱材料が、0.100以上である熱伝導率係数k(W/(mK))を備える、請求項23ないし25のいずれか一項に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項27】
kが0.500以下である、請求項26に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項28】
前記内側ケース、前記ヒートシンク、またはそれらの組み合わせが、熱伝導性材料を備える請求項1ないし27のいずれか一項に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項29】
前記熱伝導性材料が熱伝導性金属を含む、請求項28に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項30】
前記熱伝導性金属が、アルミニウム、銅、マグネシウム、亜鉛、タングステン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項29に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項31】
前記熱伝導性材料が、熱伝導性金属の合金を含む、請求項28に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項32】
前記熱伝導性金属の合金が、アルミニウム合金1050、アルミニウム合金6060、アルミニウム合金6061、アルミニウム合金6063、真鍮、青銅、またはそれらの組み合わせを含む、請求項31に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項33】
前記熱伝導性材料が50以上である熱伝導率係数k(W/(mK))を備える、請求項28ないし32のいずれか一項に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項34】
kが450以下である、請求項33に記載の筐体、デバイス、またはアセンブリ。
【請求項35】
装置であって、
少なくとも部分的にディスプレイを含むユーザインタフェース筐体を備えるユーザインタフェースモジュールであって、前記ユーザインタフェース筐体が後部ユーザインタフェース端を有するユーザインタフェースモジュールと、
プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータであって、前記コンピュータが前記ユーザインタフェースモジュールに電気的に接続され、前記コンピュータが前記ディスプレイ上に情報を表示するように適合される、コンピュータと、
後部筐体に取り付けられたヒートシンクを有する熱筐体であって、前記コンピュータが前記後部筐体内に配置され、前記ヒートシンクが前記後部筐体と前記ユーザインタフェースモジュールとの間に配置され、前記ヒートシンクが前記プロセッサに熱的に接続され、前記ヒートシンクが前記ヒートシンクの周囲の少なくとも一部分の周りに延在する外側ヒートシンク壁を有する、熱筐体と、
前記後部筐体を少なくとも部分的に包み込むカバーであって、前記カバーは前部カバー端を有する、カバーと、を備え、
前記外側ヒートシンク壁は、前記前部カバー端と前記後部ユーザインタフェース端との間に配置され、それらの下側に凹んでおり、前記ヒートシンク壁、前記前部カバー端、及び前記後部ユーザインタフェース端は、前記装置を取り囲む周囲の空気に露出されるヒートシンクチャネルを画定し、
前記熱筐体は、前記カバー及びユーザインタフェース筐体よりも高い熱伝導率を有する材料で形成される、装置。
【請求項36】
複数のセンサポートをさらに備え、前記複数のセンサポートのそれぞれは、生理学的センサに接続され、患者の生理学的パラメータを提示する前記生理学的センサからの信号を受信することができ、
前記コンピュータは、前記複数のポートに電気的に接続され、前記信号を受信し、前記受信した信号を表すデータを格納し、前記受信した信号を表す情報を前記ディスプレイ上に表示するように適合される、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記外側ヒートシンクチャネルは、人間の指が前記外側ヒートシンク壁に接触するのを防ぐように適合される、請求項35または36に記載の装置。
【請求項38】
前記外側ヒートシンク壁が、前記周囲の空気に露出される前記ヒートシンクの前記唯一の部分である、請求項35ないし37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記カバーは、それぞれが0.5未満の熱伝導率係数k(W/(mK))を有する材料から形成される、請求項35ないし38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記熱筐体は、それぞれが50を超える熱伝導率係数k(W/(mK))を有する材料から形成される、請求項35ないし39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
前記外側ヒートシンクチャネルは、6.0mm以下の幅を有する、請求項35ないし40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記外側ヒートシンクチャネルが、2.5mm以上の最大深さを有する、請求項35ないし41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
前記外側ヒートシンク壁は凹状である、請求項35ないし42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記外側ヒートシンク壁が、1.0mmから3.5mmの範囲の曲率半径を有する、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
熱ギャップパッドと、前記プロセッサと前記ヒートシンクとの間に配置された熱スプレッダとをさらに備える、請求項35ないし44のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に患者モニタに関する。より具体的には、本開示は、患者モニタの電子構成要素によって生成された熱を放散する構造及び方法に関する。
(関連出願)
【0002】
本明細書は、2020年12月30日に出願された米国特許出願第63/132,136号の優先権を主張し、その内容は、本明細書に逐語的に記載されているかのように、優先権を含むすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
患者の生理学的データを利用できることは、患者ケアの重要な要素である。携帯型の手持ち式患者モニタは、患者が医療システムを移動する間に、患者と共に移動することができ(したがって、生理学的データの収集を継続できる)ので、このようなデータを収集するのに有用なツールである。例えば、救急隊員(first responder)が現場で患者モニタの使用を開始することができ、そのモニタは、患者が現場から救急車、救急治療室、手術室、次いで病室に移動する間に、患者と一緒にいることができる。
【0004】
携帯型患者モニタが開発及び改善され続けるにつれて、そのようなデバイスのストレージ及びコンピューティングパワーを増加させることが望まれるようになってきた。このような改善は、高い熱負荷をもたらし、放熱を改善する必要性が生じている。携帯型患者モニタの比較的小さいサイズであること、病院の患者と職員を高温の表面にさらされないように保護する必要性があること、及び医療環境における機器の衛生及びクリーニング要件から、この点が課題となっている。さらに、病院環境の衛生的な要件があるため、冷却ファンの使用は推奨されず、自然な空気の対流に頼る熱設計が好まれる。この要件は、患者、臨床医、及びスタッフの安全を維持しながら、電子機器の冷却という固有の課題を生み出す。したがって、これらの競合する要件を満たしながら、より多くの量の熱を放熱できる携帯型患者モニタが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、プロセッサ及びディスプレイを有するコンピュータ用の熱筐体が開示され、金属材料で形成された内側ケースを含み得る。プロセッサは、内側ケース内に配置され得る。熱筐体は、内側ケースに取り付けられ、プロセッサに熱的に接続されたヒートシンクをさらに含み得る。ヒートシンクは、外側放熱チャネルを有し得る。熱筐体は、また、内側ケースを少なくとも部分的に包み込む外側ハウジングを含み得、外側ハウジングは高分子材料で形成される。外側ハウジングは、後部ハウジング部分及び前部ハウジング部分を有し得る。後部ハウジング部分、前部ハウジング部分、及び外側放熱チャネルは、全幅W及び奥行寸法Dを有し得る放熱開口部を画定し、外側放熱チャネルは、放熱開口部内に凹み得る。WとDは、人間の指が外側放熱チャネルと接触するのを防ぐように適合され得る。
【0006】
別の実施形態では、患者モニタリングデバイスが開示され、後部ハウジング部分及び前部ハウジング部分を有し得る外側ハウジングと、外側ハウジングの後部ハウジング部分内に少なくとも部分的に配置され、前部ハウジング部分によって囲まれた内側ケースとを含み得る。内側ケースは、複数の生理学的センサからケーブルを受け入れるように適合された複数の補助ポートを含み得る。患者モニタリングデバイスは、内側ケース内に配置されたプロセッサと、外側ハウジングの前部ハウジング部分と内側ケースとの間に配置されたヒートシンクとをさらに含み得る。ヒートシンクは、ヒートシンクの外周の周囲に外側放熱チャネルを含み得、放熱チャネルは、内側ケース内のプロセッサから放熱するために周囲空気と直接接触し得る。
【0007】
さらに別の実施形態では、患者モニタアセンブリが開示され、患者モニタアセンブリは、患者モニタリングデバイスを含み得る。患者モニタリングデバイスは、後部ハウジング部分及び前部ハウジング部分を有する外側ハウジングと、外側ハウジングの後部ハウジング部分内に少なくとも部分的に配置され、前部ハウジング部分によって囲まれた内側ケースとを含み得る。内側ケースは、複数の生理学的センサからケーブルを受け入れるように適合された複数の補助ポートを含み得る。さらに、患者モニタリングデバイスは、外側ハウジングの前部ハウジング部分と内側ケースとの間に配置され得るヒートシンクを含み得る。ヒートシンクは、外側放熱チャネルを含み得る。患者モニタアセンブリは、また、患者モニタリングデバイスを受け入れ、ヒートシンクと係合して患者モニタリングデバイスからの熱の除去を容易にするように適合され得る支持ブラケットを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面において、同様の参照番号は、一般に、同一の、機能的に類似した、及び/または構造的に類似した要素を示す。
【0009】
図1図1は、一実施形態による携帯型患者モニタの斜視図である。
図2図2は、一実施形態による携帯型患者モニタの分解図である。
図3図3は、図1の一実施形態による携帯型患者モニタの線3-3に沿った断面図である。
図4図4は、図3の一実施形態による携帯型患者モニタの四角4の部分の詳細図である。
図5図5は、図1の一実施形態による携帯型患者モニタの四角5の部分の詳細図である。
図6図6は、一実施形態による携帯型患者モニタアセンブリの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の開示は、本発明の一般原理の例示を提供するために提示されており、本明細書に含まれる発明の概念をいかなる形でも限定することを意図するものではない。さらに、このセクションで説明される特定の特徴は、本明細書に含まれる多数の可能な順列及び組み合わせのそれぞれにおいて、他の説明される特徴と組み合わせて使用することができる。
【0011】
本明細書で定義されるすべての用語は、明細書の読み取りによって指示される任意の暗示的な意味、ならびに当業者及び/または辞書、論文、または同様の権威が特定の意味を割り当てる任意の単語を含む、可能な限り広範な解釈が与えられるべきである。さらに、本明細書及び本明細書に添付の特許請求の範囲に記載されているように、単数形(「a」、「an」、及び「the」)は、特に明記しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。さらに、「備える」及び「含む」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の特徴がその実施形態に存在することを特定するが、追加の特徴、構成要素、動作、及び/またはそれらのグループの存在または追加を妨げると解釈されるべきではない。
【0012】
以下の開示は、添付の図面と関連して読まれることを意図しており、添付の図面は、本発明の書面による説明全体の一部と見なされる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の特定の特徴は、明快さ及び簡潔さのために、縮尺が誇張され、またはある程度概略的な形式で示され得る。本明細書において、「水平」、「垂直」、「上」、「下」、「上部」、「下部」などの相対的な用語、ならびにその派生語(例えば、「水平に」、「下向きに」、「上向きに」など)は、そのときに説明されている、または説明されている図面に示されている向きを指すものと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜のためであり、通常、特定の向きを要求することを意図していない。「内向き」と「外向き」、「縦方向」と「横方向」などを含む用語は、必要に応じて、互いに対して、または、伸長軸、もしくは、軸もしくは回転中心に対して相対的に解釈されるべきである。「接続された」及び「相互接続された」などのアタッチメント、結合などに関連する用語は、別途明示的に記載されない限り、構造が、直接的に、または介在する構造を介して間接的に互いに固定または取り付けられる関係、ならびに可動または剛性のアタッチメントもしくは関係の両方を指し、「直接的に」結合された、固定されたなどの用語を含む。(後で検討要)「動作可能に結合された」という用語は、関連する構造体がその関係によって意図されるように動作することを可能にする、そのようなアタッチメント、結合、または接続のことである。
【0013】
最初に図1を参照すると、携帯型患者モニタ100が示されている。一般に、患者モニタ100は、後部ハウジング部分102、内側ケース104、ヒートシンク106、及びユーザインタフェースモジュール108を含み得る。内側ケース104は、後部ハウジング部分102に嵌合し得る。ヒートシンク106は、内側ケース104に当接し得る。さらに、ユーザインタフェースモジュール108は、ヒートシンク106に隣接して設置され得る。これらの構成要素の互いに関連するアセンブリは、以下でより詳細に説明される。
【0014】
図2は、携帯型患者モニタ100のさらなる詳細を示す。図示されるように、モニタ100の後部ハウジング部分102は、バックプレート110を含み得る。外側壁112は、バックプレート110から延在し得る。特に、外側壁112は、バックプレート110の外周から、バックプレート110に対して前方であって、バックプレート110に対して実質的に垂直であり得る方向に、延在し得る。後部ハウジング部分102の外側壁112は、バックプレート110に実質的に垂直であり得る方向に延在し得る下部壁部分114を含み得る。後部ハウジング部分102の外側壁112は、また、下部壁部分114と対向し、そこから間隔をあけた上部壁部分116を含み得る。後部ハウジング部分102の外側壁112の上部壁部分116は、バックプレート110から離れた方向に、バックプレート110に実質的に垂直であり、下部壁部分114に実質的に平行であり得る方向に延在し得る。
【0015】
図2に示されるように、後部ハウジング部分102の外側壁112は、また、後部ハウジング部分102の外側壁112の下部壁部分114と上部壁部分116との間に延在し得る左側壁部分118を含み得る。左側壁部分118は、バックプレート110から、バックプレート110に実質的に垂直であり得る方向に延在し得る。左側壁部分118は、また、下部壁部分114及び上部壁部分116に実質的に垂直であり得る。後部ハウジング部分102の外側壁112は、また、後部ハウジング部分102の外側壁112の下部壁部分114と上部壁部分116との間に、左側壁部分118と対向し、そこから間隔をあけて延在し得る右側壁部分120を含み得る。右側壁部分120は、バックプレート110から、バックプレート110に実質的に垂直であり得る方向に延在し得る。右側壁部分120は、また、下部壁部分114及び上部壁部分116に実質的に垂直であり得る。
【0016】
図2は、後部ハウジング部分102のバックプレート110が、後部ハウジング開口部122を備えて形成され得ることをさらに示す。後部ハウジング開口部122は、内側ケース104の背面にある1つまたは複数の光学センサ(図示せず)、内側ケース104の背面にある1つまたは複数のラベル(図示せず)、またはそれらの組み合わせへのアクセスを提供し得る。後部ハウジング部分102の外側壁112の左側壁部分118は、左側ハウジング開口部124を備えて形成され得る。左側ハウジング開口部124は、以下に説明するように、内側ケース104上の1つまたは複数のコネクタポートへのアクセスを提供し得る。さらに、後部ハウジング部分102の外側壁112の右側壁部分120は、右側ハウジング開口部126を備えて形成され得る。右側ハウジング開口部126は、内側ケース104内の電池(図示せず)へのアクセスを提供し得る。
【0017】
図2にさらに示されるように、後部ハウジング部分102の外側壁112の下部壁部分114は、下部連結凹部128を備えて形成され得る。さらに、後部ハウジング部分102の外側壁112の上部壁部分116は、上部連結凹部130を備えて形成され得る。以下でより詳細に説明するように、後部ハウジング部分102の連結凹部128、130は、内側ケース104に形成された対応する特徴と係合し得る。後部ハウジング部分102は、また、後部ハウジング部分102の外側壁112及び後部ハウジング部分102のバックプレート110によって囲まれる内部132を含み得る。
【0018】
特定の態様では、後部ハウジング部分102は、断熱材料から製造され得る。断熱材料は、断熱ポリマー材料、例えば、断熱プラスチックを含み得る。例えば、断熱プラスチックは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)プラスチック、高密度ポリエチレン(HDPE)プラスチック、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)プラスチック、低密度ポリエチレン(LDPE)プラスチック、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)プラスチック、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)プラスチック、ポリメチルメタクリレート/アクリル(PMMA)プラスチック、ポリオキシメチレン(POM)プラスチック、ポリプロピレン(PP)プラスチック、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及び/または修飾(例えば、グリコール修飾)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)及び/または修飾(例えば、グリコール修飾)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェノルスルホン(PPSU)、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0019】
断熱材料は、0.100以上の熱伝導率係数k,(W/(mK))を有し得る。さらに、kは、0.110以上、例えば、0.130以上、0.140以上、0.160以上、0.190以上、0.200以上、0.220以上、または0.250以上であり得る。
別の態様では、kは、0.500以下、例えば、0.450以下、0.370以下、0.350以下、0.320以下、0.310以下、または0.300以下であり得る。別の態様では、kは、本明細書に記載されるkの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0020】
引き続き図2を参照すると、モニタ100の内側ケース104は、バックプレート140を含み得る。外側壁142は、バックプレート140から延在し得る。特に、外側壁142は、バックプレート140の外周から、バックプレート140に対して前方であって、バックプレート140に対して実質的に垂直であり得る方向に、延在し得る。内側ケース104の外側壁142は、バックプレート140に実質的に垂直であり得る方向に延在し得る下部壁部分144を含み得る。内側ケース104の外側壁142は、また、下部壁部分144と対向し、そこから間隔をあけた上部壁部分146を含み得る。内側ケース104の外側壁142の上部壁部分146は、バックプレート140から離れた方向に、バックプレート140に実質的に垂直であり、下部壁部分144に実質的に平行であり得る方向に延在し得る。
【0021】
図2に示されるように、内側ケース104の外側壁142は、また、内側ケース104の下部壁部分144と外側壁142の上部壁部分146との間に延在し得る左側壁部分148を含み得る。左側壁部分148は、バックプレート140から、バックプレート140に実質的に垂直であり得る方向に延在し得る。左側壁部分148は、また、下部壁部分144及び上部壁部分146に実質的に垂直であり得る。内側ケース104の外側壁142は、また、内側ケース104の外側壁142の下部壁部分144と上部壁部分146との間に、左側壁部分148と対向し、そこから間隔をあけて延在し得る右側壁部分150を含み得る。右側壁部分150は、バックプレート140から、バックプレート140に実質的に垂直であり得る方向に延在し得る。右側壁部分150は、また、下部壁部分144及び上部壁部分146に実質的に垂直であり得る。
【0022】
図2は、さらに、内側ケース104の外側壁142の左側壁部分148が、いくつかのコネクタポート開口部152を備えて形成され得ることを示す。コネクタポート開口部152は、モニタ100の内側ケース104内で、後部ハウジング部分102を介してアクセス可能な、以下に説明される様々なコネクタポートへのアクセスを提供する。図2にさらに示すように、内側ケース104の外側壁142の下部壁部分144は、下部連結凹部154を備えて形成され得る。さらに、内側ケース104の外側壁142の上部壁部分146は、上部連結凹部156を備えて形成され得る。モニタ100が図1に示されるように組み立てられるとき、後部ハウジング部分102の連結凹部128、130は、内側ケース104上に形成された連結凹部154、156に嵌合し、係合し得る。モニタ100は、また、プロセッサ、例えば、内側ケース104の内部162内のプリント回路基板(PCB)160上に設置された、またはそうでなければ配置された中央処理装置(CPU)158を含み得る。
【0023】
特定の態様では、内側ケース104は、熱伝導性材料から製造され得る。さらに、内側ケース104は、熱伝導性金属から製造され得る。例えば、熱伝導性金属は、アルミニウム、銅、マグネシウム、亜鉛、タングステン、またはそれらの組み合わせを含み得る。別の態様では、熱伝導性材料は、熱伝導性金属の合金を含み得る。熱伝導性金属の合金は、アルミニウム合金1050、アルミニウム合金6060、アルミニウム合金6061、アルミニウム合金6063、真鍮、青銅、またはそれらの組み合わせを含み得る。異なるタイプのアルミニウム合金(例えば、1050、6060、6061、6063)に関連付けられた番号は、当業者に知られている材料の名称であり、図面の参照符号ではないことに注意されたい。
【0024】
熱伝導性材料は、50以上の熱伝導率係数k,(W/(mK))を有し得る。さらに、kは、100以上、例えば125以上、または150以上であり得る。別の態様では、kは、450以下、例えば、400以下、350以下、300以下、250以下、または200以下であり得る。別の態様では、kは、本明細書に記載されるkの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0025】
図2に示されるように、モニタ100のヒートシンク106は、バックプレート170を含み得る。外側壁172は、バックプレート170から延在し得る。特に、外側壁172は、バックプレート170の外周から、バックプレート170に対して、前方であり、実質的に垂直であり得る方向に延在し得る。ヒートシンク106の外側壁172は、バックプレート170に対して実質的に垂直であり得る方向に延在し得る下部壁部分174を含み得る。ヒートシンク106の外側壁172は、また、下部壁部分174と対向し、そこから間隔をあけた上部壁部分176を含み得る。ヒートシンク106の外側壁172の上部壁部分176は、バックプレート170から離れた方向に、バックプレート170に対して実質的に垂直であり、下部壁部分174に対して実質的に平行であり得る方向に、延在し得る。
【0026】
図2に示されるように、ヒートシンク106の外側壁172は、また、ヒートシンク106の外側壁172の下部壁部分174と上部壁部分176との間に延在し得る左側壁部分178を含み得る。左側壁部分178は、バックプレート170から、バックプレート170に対して実質的に垂直であり得る方向に延在し得る。左側壁部分178は、また、下部壁部分174及び上部壁部分176に対して実質的に垂直であり得る。ヒートシンク106の外側壁172は、また、ヒートシンク106の外側壁172の下部壁部分174と上部壁部分176との間に、左側壁部分178と対向し、そこから間隔をあけて延在し得る右側壁部分180を含み得る。右側壁部分180は、バックプレート170から、バックプレート170に対して実質的に垂直であり得る方向に延在し得る。右側壁部分180は、また、下部壁部分174及び上部壁部分176に対して実質的に垂直であり得る。
【0027】
図2はさらに、ヒートシンク106のバックプレート170が、ユーザインタフェースモジュール108が内側ケース104の内部162内のCPU158及びその他の電気構成要素に電気的に接続され得るいくつかの開口部182を含み得ることを示す。図示されているように、ヒートシンク106は、また、ヒートシンク106の外側壁172及びヒートシンク106のバックプレート170によって囲まれた比較的浅い内部184を含み得る。
【0028】
特定の態様では、ヒートシンク106は、熱伝導性材料から製造され得る。さらに、ヒートシンク106は、熱伝導性金属から製造され得る。例えば、熱伝導性金属は、アルミニウム、銅、マグネシウム、亜鉛、タングステン、またはそれらの組み合わせを含み得る。別の態様では、熱伝導性材料は、熱伝導性材料の合金を含み得る。熱伝導性金属の合金は、アルミニウム合金1050、アルミニウム合金6060、アルミニウム合金6061、アルミニウム合金6063、真鍮、青銅、またはそれらの組み合わせを含み得る。特定の態様では、ヒートシンク106は、本明細書に記載されるようにモニタ100が組み立てられるとき、潜在的な熱インピータンスを回避しつつCPUからヒートシンク106への効率的な熱伝達を促進するために、ヒートシンク106が可能な限り近接し得るように設計され得る。
【0029】
別の特定の態様では、熱伝導性材料は、50以上の熱伝導率係数k,(W/(mK))を有し得る。さらに、kは、100以上、例えば125以上、または150以上であり得る。別の態様では、kは、450以下、例えば、400以下、350以下、300以下、250以下、または200以下であり得る。別の態様では、kは、本明細書に記載されるkの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0030】
引き続き図2を参照すると、ユーザインタフェースモジュール108は、前部ハウジング部分190を含み得る。タッチディスプレイスクリーン192は、前部ハウジング部分190内に配置され得る。モニタ100が本明細書に記載されるように組み立てられるとき、前部ハウジング部分190及び後部ハウジング部分102は、後部ハウジング部分102及び前部ハウジング部分190と同じ材料で作成され得る外側ハウジングを構成し得る。
【0031】
特定の態様では、前部ハウジング部分190は、断熱材料から製造され得る。断熱材料は、断熱ポリマー材料、例えば、断熱プラスチックを含み得る。例えば、断熱プラスチックは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)プラスチック、高密度ポリエチレン(HDPE)プラスチック、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)プラスチック、低密度ポリエチレン(LDPE)プラスチック、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)プラスチック、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)プラスチック、ポリメチルメタクリレート/アクリル(PMMA)プラスチック、ポリオキシメチレン(POM)プラスチック、ポリプロピレン(PP)プラスチック、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0032】
断熱材料は、0.100以上の熱伝導率係数k,(W/(mK))を有し得る。さらに、kは、0.110以上、例えば、0.130以上、0.140以上、0.160以上、0.190以上、0.200以上、0.220以上、または0.250以上であり得る。
別の態様では、kは、0.500以下、例えば、0.450以下、0.370以下、0.350以下、0.320以下、0.310以下、または0.300以下であり得る。別の態様では、kは、本明細書に記載されるkの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0033】
図2を参照すると、携帯型患者モニタ100が図1に示されるように組み立てられるとき、ユーザインタフェースモジュール108は、ヒートシンク106の浅い内部184に部分的に嵌合され得る。ユーザインタフェースモジュール108は、1つまたは複数の小ネジ(machine screws)(図示せず)で所定の位置に保持され得る。さらに、図2に示されるように、モニタ100は、熱拡散プレート(a heat spreader plate)202(サーマルインタフェースの別の形態)とヒートシンク106との間のサーマルギャップパッド200(サーマルインタフェースの形態である)を含み得る。熱拡散プレート202は、熱伝導性材料から製造され得る。さらに、熱拡散プレート202は、示される他のサーマルインタフェースに使用される熱伝導性材料とは異なる熱伝導性金属から製造され得る。熱拡散プレート202は、CPU158からの熱をより広い領域に拡散させるとともに、CPU158のための保護カバーを提供するように機能し、サーマルギャップパッド200は、最適な放熱を確実にするために、熱拡散202とヒートシンク106との間に強力なシールを提供する。相変化材料は、CPU158の温度を安定させ、CPU158と熱拡散プレート202との間の強力な熱接続を提供することを助けるために、好ましくはCPU158と熱拡散プレート202との間にも提供されるサーマルインタフェース204を提供するために使用され得る。サーマルインタフェース204を作るための相変化材料に好適な材料の例は、塩-水和物、n-アルカン、及び非-パラフィン有機物を含む。サーマルインタフェイズ204は、また、他のタイプのサーマルインタフェース材料(例えば、熱伝導性である材料)から製造され得る。
【0034】
例えば、熱伝導性材料は、アルミニウム、銅、マグネシウム、亜鉛、タングステン、またはそれらの組み合わせを含み得る。別の態様では、熱伝導性材料は、熱伝導性金属の合金を含み得る。熱伝導性金属の合金は、アルミニウム合金1050、アルミニウム合金6060、アルミニウム合金6061、アルミニウム合金6063、真鍮、青銅、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0035】
熱伝導性材料は、50以上の熱伝導率係数k,(W/(mK))を有し得る。さらに、kは、100以上、例えば125以上、または150以上であり得る。別の態様では、kは、450以下、例えば、400以下、350以下、300以下、250以下、または200以下であり得る。別の態様では、kは、本明細書に記載されるkの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0036】
図2にさらに示されるように、モニタ100は、内側ケース104内の熱拡散プレート202とCPU158との間に挟まれ得るサーマルインタフェース204を含み得る。サーマルインタフェース204は、相変化材料であり得、または、導電性粒子(例えば、Al、セラミック、または任意のタイプの導電性材料)を埋め込んだシリコン系材料で作られ得る。ヒートシンク106は、ヒートシンク106が内側ケース104の内部162に部分的に嵌合するように、内側ケース104に組み立てられ得る。1つまたは複数の小ネジ(図示せず)がヒートシンク106を内側ケース104に組み立てるために使用され得る。ユーザインタフェースモジュール108は、ヒートシンク106に形成された1つまたは複数の開口部182を通して、内側ケース104内の1つまたは複数の電気要素に電気的に接続または結合され得る。本明細書に記載されるように組み立てられたとき、内側ケース104とヒートシンク106との組み合わせ、またはアセンブリは、熱筐体210と見なされ得ることを理解されたい。
【0037】
さらに、ユーザインタフェースモジュール108、ヒートシンク106、及び内側ケース104のアセンブリは、モニタ100の内側ケース104が後部ハウジング部分102の内部132に嵌合するように、後部ハウジング部分102と組み立てられ得る。具体的には、内側ケース104は、後部ハウジング部分102の外側壁112の下部壁部分114に形成された下部連結凹部128が、内側ケース104の外側壁142の下部壁部分144に形成された下部連結凹部154に嵌合し、係合するように、後部ハウジング部分102の内部132に嵌合する。さらに、後部ハウジング部分102の外側壁112の上部壁部分116に形成された上部連結凹部130は、内側ケースの外側壁142の上部壁部分146に形成された上部連結凹部156に嵌合し、係合する。内側ケース104は、1つまたは複数の小ネジ(図示せず)を介して、後部ハウジング部分102内の所定の位置に保持され得る。
【0038】
ここで図3及び図4を参照すると、組み立てられた携帯型患者モニタ100のさらなる詳細が示される。図4は、図3の四角4の詳細図である。図4は、前部ハウジング部分190がバックプレート400を含み得ることを示す。前部ハウジング部分のバックプレート400は、バックプレート400の周囲から延在し得る内側壁402を含み得る。内側壁402は、バックプレート400に対して前方であり、バックプレート400に対して実質的に垂直であり得る方向にバックプレート400から延在し得る。図示されるように、側方フランジ404は、内側壁402に対して外向きであり、バックプレート400に実質的に平行であり得る方向に内側壁402から延在し得る。
【0039】
図4にさらに示されるように、前部ハウジング部分190は、側方フランジ404の周囲から延在し得る外側壁406を含み得る。前部ハウジング部分190の外側壁406は、側方フランジ404に対して前方にあり、側方フランジ404及びバックプレート400に対して実質的に垂直であり得る方向に、側方フランジ404から延在し得る第1の部分408を含み得る。前部ハウジング部分190の外側壁406の第1の部分408は、ユーザインタフェースモジュール108のタッチスクリーンディスプレイ192の周りに嵌合し、係合し得る。
【0040】
図4はまた、前部ハウジング部分190の外側壁406が、側方フランジ404に対して後方にあり、側方フランジ404及びバックプレート400に対して実質的に垂直であり得る方向に、側方フランジ404から延在し得る第2の部分410を含み得ることを示す。チャネル412は、前部ハウジング部分190の外側壁406の第2の部分410と、前部ハウジング部分190の内側壁402と、前部ハウジング部分190の側方フランジ404との間に確立され得る。チャネル412は、前部ハウジング部分190の一部がヒートシンク106の内部184に嵌合する間、ヒートシンク106の外側壁172の一部を取り囲んで嵌合し、係合し得る。具体的には、ヒートシンク106の外側壁172の遠位端は、前部ハウジング部分190に形成されたチャネル412に嵌合し、係合し得る。
【0041】
引き続き図4を参照すると、ヒートシンク106の外側壁172は、ヒートシンク106の外側壁172の遠位端の近くに放熱チャネル414を備えて形成され得る。図5に描かれているように、放熱チャネル414は、ヒートシンク106の外周の全体を囲んで、例えば、ヒートシンク106の外側壁172の外周を囲むように、延在し得る。言い換えれば、放熱チャネル414は、ヒートシンク106の外側壁172の外側面に形成され得る。したがって、放熱チャネル414は連続的であり、ヒートシンクの外側壁172の下部壁部分174の外側面、ヒートシンク106の外側壁172の左側壁部分178の外側面、ヒートシンク106の外側壁172の上部壁部分176の外側面、およびヒートシンク106の外側壁172の右側壁部分180の外側面に形成され得る。
【0042】
ヒートシンク106の放熱チャネル414は、周囲の空気に効果的な放熱を提供するようなサイズ及び形状であり得る。さらに、内側ケース104及び前部ハウジング部分190に対するヒートシンク106の放熱チャネル414の配置は、ユーザまたは患者がヒートシンク106、例えばその中に形成された放熱チャネル414に、触れることを実質的に防止し得る。一態様では、図4に示されるように、放熱チャネル414は、断面で見たときに凹形状を有し得る。さらに、放熱チャネル414は、なめらかであり、清掃が容易であり得る。
【0043】
図4に示されるように、放熱チャネル414は、曲率半径Rを有し得る。Rは、1.00ミリメートル(mm)以上であり得る。別の態様では、Rは、1.25mm以上、例えば、1.50mm以上、1.75mm以上、または2.00mm以上であり得る。さらに、Rは、3.50mm以下、例えば、3.25mm以下、3.00mm以下、2.75mm以下、2.50mm以下、または2.25mm以下であり得る。さらに別の態様では、Rは、本明細書に記載されるRの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0044】
特定の態様では、放熱チャネル414、後部ハウジング部分102、及び前部ハウジング部分190は、放熱開口部416を確立し得る。図4に示されるように、放熱開口部416は、全幅Wを有し得る。Wは、前部ハウジング部分190の外側406の第2の部分410の側面から、後部ハウジング部分102の外側壁112の側面までで測定され得る。Wは、3.00mm以上であり得る。別の態様では、Wは、3.25mm以上、例えば、3.50mm以上、3.75mm以上、または4.00mm以上であり得る。さらに、Wは、6.00mm以下、例えば、5.75mm以下、5.50mm以下、5.25mm以下、5.00mm以下、4.75mm以下、4.50mm以下、または4.25mm以下であり得る。さらに別の態様では、Wは、本明細書に記載されるWの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0045】
別の態様では、放熱開口部416は、奥行寸法Dを有し得る。Dは、図4に示すように、前部ハウジング部分190の外側壁406の外周面から放熱チャネル414の底部までで測定される。Dは、2.50mm以上であり得る。別の態様では、Dは、2.75mm以上、例えば、3.00mm以上、3.25mm以上、または3.50mm以上であり得る。さらに、Dは、6.00mm以下、例えば、5.75mm以下、5.50mm以下、5.25mm以下、5.00mm以下、4.75mm以下、4.50mm以下、4.25mm以下、4.00mm以下、または3.75mm以下であり得る。さらに別の態様では、Dは、本明細書に記載されるDの最小値及び最大値のいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0046】
さらに別の態様では、放熱チャネル414の上縁は、後部ハウジング部分102の外側壁112の外周面からギャップGだけ後退している。Gは、図4に見られるように、前部ハウジング部分190の外側壁406の外周面から放熱チャネル414の上縁までで測定され得る。Gは、1.50mm以上であり得る。別の態様では、Gは、1.75mm以上、例えば、2.00mm以上、2.25mm以上、または2.50mm以上であり得る。
さらに、Gは、5.00mm以下、例えば4.75mm以下、4.50mm以下、4.25mm以下、4.00mm以下、3.75mm以下、3.50mm以下、3.25mm以下、3.00mm以下、または2.75mm以下であり得る。さらに別の態様では、Gは、本明細書に記載されるGの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0047】
特定の態様では、内側ケース104及びヒートシンク106の配置、例えば、内側ケース104をヒートシンク106に固定して、熱筐体210を作成することは、CPU158からヒートシンク106への伝導経路を確立するために必要な力を提供し得る。例えば、CPU158によって生成された熱は、低インピーダンスで、サーマルインタフェース204及び熱拡散プレート202を通じてヒートシンク106に伝達され得る。熱流束は、ヒートシンク106を通って放熱チャネル414に移動する。放熱チャネル414は、周囲空気に露出し得、周囲空気と直接接触し得、したがって、熱流束は、露出された放熱チャネル414及び放熱開口部416を介して周囲空気に放射、放散される。熱筐体210内で加熱されたバルク空気は、内側ケース104内に間接的に伝導され得、これは、内側ケース104の表面上の温度を平衡化し得、内側ケース104の表面上の任意のホットスポットを実質的に排除し得る。内側ケース104のあらゆる上昇した温度は、外側カバー102によって提供されるプラスチックの絶縁層によって、ユーザまたは患者の接触から隔離され得る。
【0048】
ここで、図6を参照すると、携帯型患者モニタアセンブリ600が示されている。図示されるように、モニタアセンブリ600は、支持ブラケット602及び携帯型患者モニタ、例えば、本明細書に示され、説明される携帯型患者モニタ100を含み得る。図6は、支持ブラケット602が上部支持構造604及び下部支持構造606を含み得ることを示す。図示されるように、支持構造604、606は、モニタ100上に形成された放熱開口部416に嵌合し、ヒートシンク106の放熱チャネル414と係合するサイズ及び形状であり得る。支持ブラケット602の支持構造604、606は、モニタ100内からの熱の除去を容易にするために、放熱チャネル414と係合し得る。
【0049】
支持ブラケット602は、熱伝導性材料から製造され得る。さらに、支持ブラケット602は、熱伝導性金属から製造され得る。例えば、熱伝導性金属は、アルミニウム、銅、マグネシウム、亜鉛、タングステン、またはそれらの組み合わせを含み得る。別の態様では、熱伝導性材料は、熱伝導性金属の合金を含み得る。熱伝導性金属の合金は、アルミニウム合金1050、アルミニウム合金6060、アルミニウム合金6061、アルミニウム合金6063、真鍮、青銅、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0050】
熱伝導性材料は、50以上の熱伝導率係数k(W/(mK))を有し得る。さらに、kは、100以上、例えば、125以上、または、150以上であり得る。別の態様では、kは、450以下、例えば、400以下、350以下、300以下、250以下、または200以下であり得る。別の態様では、kは、本明細書に記載されるkの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の範囲内であり得、それらのいずれかを含み得る。
【0051】
図6は、また、モニタ100の内側ケース104が、電源ポート610、1つまたは複数の補助コネクタポート612、患者モニタリングポート614の第1のセット、及び患者モニタリングポート616の第2のセットを含み得ることを示す。1つまたは複数のワイヤ、もしくはケーブルは、モニタ100が電力を受け取り、1つまたは複数の生理学的センサから患者情報及びデータを受信、統合、及び表示することを可能にするために、ポート610、612、614、616を介してモニタ100に、接続され得る。患者情報、または生理学的センサから受信した生理学的情報は、心電図(ECG)データ、呼吸速度、非侵襲性血圧(NIBP)、侵襲性血圧(IBP)(収縮期、拡張期、及び平均)、体温、パルスオキシメトリー(SpO2)、混合静脈酸化(SvO2)、心拍出量、呼気終末二酸化炭素(ETCO2)、頭蓋内圧、気道ガス濃度、またはそれらの組み合わせを含み得る。ポート610、612、614、616は、後部ハウジング部分102の外側壁112の左側壁部分118に形成された左側ハウジング開口部124を通してアクセス可能であり得る。支持ブラケット602は、モニタ100が支持ブラケットと係合している間に、モニタ100のユーザインタフェース192が見られるウィンドウまたは開口部をさらに含み得る。
【0052】
本明細書に記載されたすべての例及び条件付き表現は、読者が本発明の原理及び本技術分野をさらに発展させるために発明者により提供される概念を理解するのを助けるための教育目的のために意図されている。したがって、それらは、そのような具体的に記載された例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、及び実施形態ならびにその特定の例を記載する本明細書のすべての記述は、それらの構造的及び機能的な等価物の両方を包含することを意図している。さらに、そのような等価物には、現在知られている等価物だけでなく、将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく、同じ機能を実行する開発された任意の要素の両方が含まれることが意図されている。
【0053】
本明細書に記載される実施形態は単なる例示であり、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正を行ない得ることを理解されたい。そのようなすべての変更及び修正は、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】