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特表2024-508086サンプリング構造、電池パック及び電気自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-22
(54)【発明の名称】サンプリング構造、電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240215BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240215BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20240215BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20240215BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20240215BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240215BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240215BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240215BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M50/569
H01M50/583
H01M50/296
H01M50/298
H01M50/284
H01M50/588
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540652
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2022084079
(87)【国際公開番号】W WO2022206841
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202120653606.0
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】高健
(72)【発明者】
【氏名】彭青波
(72)【発明者】
【氏名】鄂从吉
(72)【発明者】
【氏名】熊柏▲鈞▼
(72)【発明者】
【氏名】姜勇▲軍▼
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA18
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040DD07
5H040DD10
5H040DD26
5H040LL01
5H043AA04
5H043AA13
5H043DA27
5H043GA03
5H043HA11F
5H043JA02F
5H043JA06F
5H043KA09F
5H043KA45F
(57)【要約】
本開示は、サンプリング構造、電池パック及び電気自動車を提供する。サンプリング構造は、電池情報収集部、複数のヒューズ及び複数の収集ラインを含む。収集ラインの第1の端部は、対応する電池に接続され、収集ラインの第2の端部に接続端子が設けられる。電池情報収集部に複数のパッドが設けられる。ヒューズは、第1の端部が対応する接続端子に溶接され、第2の端部が対応するパッドに溶接される。本開示の収集ラインと電池情報収集部は、ヒューズを介して溶接され、ヒューズは、接続機能だけでなく、過電流保護機能も果たすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池情報収集部(101)と、複数のヒューズ(102)と、複数の収集ライン(103)とを含むサンプリング構造(10)であって、
前記収集ライン(103)の第1の端部(1031)は、対応する電池(20)に接続され、前記収集ライン(103)の第2の端部(1032)に接続端子(104)が設けられ、
前記電池情報収集部(101)には、複数のパッド(105)が設けられ、
前記複数のヒューズ(102)の第1の端部は、対応する前記接続端子(104)に溶接され、前記複数のヒューズ(102)の第2の端部は、対応する前記パッド(105)に溶接される、ことを特徴とするサンプリング構造(10)。
【請求項2】
前記ヒューズ(102)は、前記接続端子(104)及び前記パッド(105)に、ボンディング溶接され、前記ヒューズ(102)は、アルミニウム線である、ことを特徴とする請求項1に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項3】
前記ヒューズ(102)は、アーチ状を呈す、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項4】
前記サンプリング構造(10)は、複数の前記収集ラインの外部(103)に被覆された絶縁層(106)をさらに含み、前記絶縁層(106)は、複数の前記収集ライン(103)の対向する両側に設けられた第1の絶縁層(107)及び第2の絶縁層(108)を含み、前記第1の絶縁層(107)に複数のバイアホール(109)が形成され、前記収集ライン(103)の対応する前記バイアホール(109)内に露出した部分は、前記接続端子(104)を形成する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項5】
前記サンプリング構造(10)は、補強板(110)をさらに含み、前記補強板(110)は、前記第2の絶縁層(108)の前記第1の絶縁層(107)から離れた側に固定され、前記接続端子(104)の前記第2の絶縁層(108)への投影は、前記補強板(110)の前記第2の絶縁層(108)への投影の範囲内に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項6】
前記電池情報収集部(101)は、前記補強板(110)の前記第2の絶縁層(108)から離れた側に設けられ、前記電池情報収集部(101)の前記補強板(110)に面する側に複数の前記パッド(105)が設けられ、前記サンプリング構造(10)に複数の第1の貫通孔(111)が形成され、前記パッド(105)は、対応する前記第1の貫通孔(111)内に露出し、前記ヒューズ(102)の第2の端部は、対応する前記第1の貫通孔(111)に穿設されて対応する前記パッド(105)に溶接される、ことを特徴とする請求項5に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項7】
前記電池情報収集部(101)は、前記第1の絶縁層(107)の前記第2の絶縁層(108)から離れた側に設けられ、前記電池情報収集部(101)の前記第1の絶縁層(107)から離れた側に複数の前記パッド(105)が設けられ、前記電池情報収集部(101)に複数の第2の貫通孔(112)が形成され、前記接続端子(104)は、対応する前記第2の貫通孔(112)内に露出し、前記ヒューズ(102)の第1の端部は、対応する前記第2の貫通孔(112)に穿設されて対応する前記接続端子(104)に溶接される、ことを特徴とする請求項5に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項8】
前記第1の絶縁層(107)、前記第2の絶縁層(108)及び複数の前記収集ライン(103)は、フレキシブルフラットケーブル又はフレキシブル回路基板を形成する、ことを特徴とする請求項4に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項9】
前記収集ライン(103)の第1の端部(1031)に収集端子(116)が設けられ、前記収集ライン(103)は、対応する前記収集端子(116)を介して対応する前記電池(20)に接続され、
前記収集ライン(103)の一部は、前記絶縁層(106)から延出して前記収集端子(116)を形成するか、又は、前記収集ライン(103)の一部は、前記絶縁層(106)に露出し、前記収集端子(116)に溶接され、
前記収集ライン(103)は、金属導体であり、前記収集端子(116)は、金属片である、ことを特徴とする請求項4に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項10】
複数の前記ヒューズ(102)及び複数の前記収集ライン(103)は、サンプリングアセンブリ(119)を形成し、前記サンプリング構造(10)は、複数の前記サンプリングアセンブリ(119)を含み、前記電池情報収集部(101)は、複数の溶接部(118)を有し、前記溶接部(118)に複数の前記パッド(105)が設けられ、前記溶接部(118)におけるパッド(105)は、対応する前記サンプリングアセンブリ(119)のヒューズ(102)を介して対応する収集ライン(103)に溶接される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項11】
複数のサンプリングアセンブリ(119)と複数の溶接部(118)におけるパッド(105)は、前記電池情報収集部(101)の長手方向に沿って配列される、ことを特徴とする請求項10に記載のサンプリング構造(10)。
【請求項12】
ケース(30)、電池管理システム(40)、複数の電気的に接続された電池(20)及び請求項1~11のいずれか1項に記載のサンプリング構造(10)を含む電池パック(100)であって、前記サンプリング構造(10)及び複数の前記電池(20)は、前記ケース(30)内に設けられ、前記サンプリング構造(10)は、前記電池管理システム(40)及び複数の前記電池(20)に接続される、ことを特徴とする電池パック(100)。
【請求項13】
車体(200)及び請求項12に記載の電池パック(100)を含む電気自動車(1000)であって、前記電池パック(100)は、前記車体(200)に固定されるか、又は、前記電池パック(100)のケース(30)は、前記車体(200)の一部として構成される、ことを特徴とする電気自動車(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照出願)
本開示は、2021年3月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202120653606.0で、出願名称が「サンプリング構造、電池パック及び電気自動車」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池の分野に関し、特にサンプリング構造、電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、電池パック内にサンプリング構造を設けて、電池の関連情報(温度、電圧などを含むが、これらに限定されない)を収集する。一般的に、サンプリング構造は、プラグ接続方式で電池情報収集部に接続され、電池情報収集部は、電池管理システムに接続され、サンプリング情報を受信して変換処理を行った後に電池管理システムに伝送し、それにより、ユーザが電池の現在の動作状況を把握することができる。
【0004】
しかしながら、サンプリング構造及び電池情報収集部に用いられる上記接続方式は、信頼性が低く、回路全体の安全を保証するために追加のヒューズを別途設ける必要があるため、電池パックのコストが高くなる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。このために、本開示の第1の態様に係るサンプリング構造は、電池情報収集部と、複数のヒューズと、複数の収集ラインとを含み、前記収集ラインの第1の端部は、対応する電池に接続され、前記収集ラインの第2の端部に接続端子が設けられ、前記電池情報収集部には、複数のパッドが設けられ、前記複数のヒューズは、第1の端部が対応する前記接続端子に溶接され、第2の端部が対応する前記パッドに溶接される。
【0006】
本開示のいくつかの実施例において、前記ヒューズ、前記接続端子及び前記パッドは、ボンディング溶接され、前記ヒューズは、アルミニウム線である。
【0007】
本開示のいくつかの実施例において、前記ヒューズは、アーチ状を呈す。
【0008】
本開示のいくつかの実施例において、前記サンプリング構造は、複数の前記収集ラインの外部に被覆された絶縁層をさらに含み、前記絶縁層は、複数の前記収集ラインの対向する両側に設けられた第1の絶縁層及び第2の絶縁層を含み、前記第1の絶縁層に複数のバイアホールが形成され、前記収集ラインの対応する前記バイアホール内に露出した部分は、前記接続端子を形成する。
【0009】
本開示のいくつかの実施例において、前記サンプリング構造は、補強板をさらに含み、前記補強板は、前記第2の絶縁層の前記第1の絶縁層から離れた側に固定され、前記接続端子の前記第2の絶縁層への投影は、前記補強板の前記第2の絶縁層への投影の範囲内に位置する。
【0010】
本開示のいくつかの実施例において、前記電池情報収集部は、前記補強板の前記第2の絶縁層から離れた側に設けられ、前記電池情報収集部の前記補強板に面する側に複数の前記パッドが設けられ、前記サンプリング構造に複数の第1の貫通孔が形成され、前記パッドは、対応する前記第1の貫通孔内に露出し、前記ヒューズの第2の端部は、対応する前記第1の貫通孔に穿設されて対応する前記パッドに溶接される。
【0011】
本開示のいくつかの実施例において、前記電池情報収集部は、前記第1の絶縁層の前記第2の絶縁層から離れた側に設けられ、前記電池情報収集部の前記第1の絶縁層から離れた側に複数の前記パッドが設けられ、前記電池情報収集部に複数の第2の貫通孔が形成され、前記接続端子は、対応する前記第2の貫通孔内に露出し、前記ヒューズの第1の端部は、対応する前記第2の貫通孔に穿設されて対応する前記接続端子に溶接される。
【0012】
本開示のいくつかの実施例において、前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層及び複数の前記収集ラインは、FFC又はFPCを形成する。
【0013】
本開示のいくつかの実施例において、前記収集ラインの第1の端部に収集端子が設けられ、前記収集ラインは、対応する前記収集端子を介して対応する前記電池に接続され、
前記収集ライン的一部は、前記絶縁層から延出して前記収集端子を形成するか、又は、前記絶縁層に露出し前記収集端子に溶接され、
前記収集ラインは、金属導体であり、前記収集端子は、金属片である。
【0014】
本開示のいくつかの実施例において、複数の前記ヒューズ及び複数の前記収集ラインは、サンプリングアセンブリを形成し、前記サンプリング構造は、複数の前記サンプリングアセンブリを含み、前記電池情報収集部は、複数の溶接部を有し、前記溶接部に複数の前記パッドが設けられ、前記溶接部におけるパッドは、対応する前記サンプリングアセンブリのヒューズを介して対応する収集ラインに溶接される。
【0015】
本開示のいくつかの実施例において、複数のサンプリングアセンブリと複数の溶接部におけるパッドは、それぞれ電池情報収集部の長手方向に沿って配列される。
【0016】
他の態様において、本開示に係る電池パックは、ケース、電池管理システム、複数の電気的に接続された電池及び前記いずれの実施例に記載のサンプリング構造を含み、前記サンプリング構造及び複数の前記電池は、前記ケース内に設けられ、前記サンプリング構造は、前記電池管理システム及び複数の前記電池に接続される。
【0017】
さらに別の態様において、本開示に係る電気自動車は、車体及び前記いずれの実施例に記載の電池パックを含み、前記電池パックは、前記車体に固定されるか、又は、前記電池パックの箱体は、前記車体の一部として構成される。
【0018】
本開示の有益な効果は、以下のとおりである。本開示のサンプリング構造は、収集ラインの第1の端部が対応する電池に接続され、収集ラインの第2の端部に接続端子が設けられ、電池情報収集部に複数のパッドが設けられ、ヒューズの第1の端部が対応する接続端子に溶接され、ヒューズの第2の端部が対応するパッドに溶接され、プラグ接続方式と比較すると、このような溶接方式により収集ラインと電池情報収集部との接続の信頼性を保証することができ、また、ヒューズは、収集ラインと電池情報収集部との接続を実現するだけでなく、過電流保護機能も果たすことができ、このように部品の数量を減少させることができ、電池パックのコストを低減することに役立つとともに、サンプリング回路全体の安全性を保証することができる。また、収集ラインは、収集された電池の情報を電池情報収集部に伝送し、電池情報収集部により処理した後に電池管理システムに伝送し、さらに電池の動作状況を監視することができ、電池パックの使用上の安全性の向上に役立つ。
【0019】
本開示の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の実施例に係る電池パックの分解図である。
図2】本開示の一実施例に係るサンプリング構造と電池との接続の概略図である(電池情報収集部及びヒューズが省略されている)。
図3図2の分解図である。
図4図3のAの部分拡大図である。
図5】本開示の一実施例に係るサンプリング構造の概略図である。
図6図5のBの部分拡大図である。
図7図5の電池情報収集部の概略構成図である。
図8】本開示の別の実施例に係るサンプリング構造の概略図である。
図9図8のCの部分拡大図である。
図10図9の電池情報収集部の概略構成図である。
図11】本開示の実施例に係る電気自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0022】
なお、本開示の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを指示するか又は示唆するものではないため、本開示を制限するものであると理解すべきではない。
【0023】
図1図5に示すように、本開示は、サンプリング構造10、ケース30、電池管理システム40及び複数の電気的に接続された電池20を含む電池パック100を提供する。サンプリング構造10及び複数の電池20は、ケース30内に設けられ、サンプリング構造10は、電池管理システム40及び複数の電池20に接続される。
【0024】
サンプリング構造10は、電池情報収集部101、複数のヒューズ102及び複数の収集ライン103を含み、収集ライン103の第1の端部1031は、対応する電池20に接続され、収集ライン103の第2の端部1032に接続端子104が設けられ、電池情報収集部101に複数のパッド105が設けられ、ヒューズ102は、第1の端部が対応する接続端子104に溶接され、第2の端部が対応するパッド105に溶接される。
【0025】
本開示に係るサンプリング構造10は、収集ライン103の第1の端部1031が対応する電池20に接続され、収集ライン103の第2の端部1032に接続端子104が設けられ、電池情報収集部101に複数のパッド105が設けられ、ヒューズ102の第1の端部が対応する接続端子104に溶接され、ヒューズ102の第2の端部が対応するパッド105に溶接され、プラグ接続方式と比較すると、このような溶接方式により収集ライン103と電池情報収集部101との接続の信頼性を保証することができ、また、ヒューズ102は、収集ライン103と電池情報収集部101との接続を実現するだけでなく、過電流保護機能も果たすことができ、このように部品の数量を減少させることができるため、電池パック100のコストを低減することに役立つとともに、サンプリング回路全体の安全性を保証することができる。また、収集ライン103は、収集された電池20の情報を電池情報収集部101に伝送し、電池情報収集部101により処理した後に電池管理システム40に伝送し、さらに電池20の動作状況を監視することができ、電池パック100の使用上の安全性の向上に役立つ。
【0026】
電池情報収集部101と電池管理システム40との接続は、本分野で一般に使用される方式であり、ここでは説明を省略する。
【0027】
いくつかの実施例において、図6及び図9に示すように、ヒューズ102、接続端子104及びパッド105は、ボンディング溶接され、ヒューズ102は、アルミニウム線であり、このような構造を用いることは、生産コストの低減に役立つ。
【0028】
各接続端子104と各パッド105は、1つのヒューズ102又は複数のヒューズ102によって接続されてもよく、具体的な数は、実際の使用需要に応じて設定されてもよい。
【0029】
いくつかの実施例において、図6及び図9に示すように、ヒューズ102は、アーチ状を呈し、このようにヒューズ102が他の構造に接触することによる短絡のリスクを低減することができるため、安全性の向上に役立つ。
【0030】
いくつかの実施例において、図3及び図4に示すように、サンプリング構造10は、複数の収集ライン103の外部に被覆された絶縁層106をさらに含み、絶縁層106は、複数の収集ライン103の対向する両側に設けられた第1の絶縁層107及び第2の絶縁層108を含み、第1の絶縁層107に複数のバイアホール109が形成され、収集ライン103の対応するバイアホール109内に露出した部分は、接続端子104を形成する。収集ライン103は、金属導体である。図4に示すように、収集ライン103は、12個あり、それに対応して、バイアホール109は、12個あり、各収集ライン103の対応するバイアホール109内に露出した部分は、接続端子104を形成する。
【0031】
いくつかの実施例において、第1の絶縁層107における複数のバイアホール109は、複数列の分布を呈し、それに応じて、複数の接続端子104も複数列の分布を呈する。このように設けると、接続端子104の配置をよりコンパクトにすることができ、サンプリング構造10のサイズを小さくすることに役立つ。図1図4に示すように、複数のバイアホール109は、Z方向に沿って複数列の分布を呈する。Z方向は、電池情報収集部101の幅方向又は電池パック100の高さ方向と一致してもよい。
【0032】
いくつかの実施例において、図5及び図6に示すように、サンプリング構造10は、補強板110をさらに含み、補強板110は、第2の絶縁層108の第1の絶縁層107から離れた側に固定され、接続端子104の第2の絶縁層108への投影は、補強板110の第2の絶縁層108への投影の範囲内に位置する。換言すれば、接続端子104の補強板110への投影は、補強板110の輪郭の範囲内に位置する。このように、接続端子104とパッド105を溶接する場合、補強板110は、接続端子104を支持する機能を果たすことができ、両者の溶接の信頼性の向上に役立つ。
【0033】
いくつかの実施例において、図5図7に示すように、電池情報収集部101は、補強板110の第2の絶縁層108から離れた側に設けられ、電池情報収集部101の補強板110に面する側に複数のパッド105が設けられ、サンプリング構造10に複数の第1の貫通孔111が形成され、パッド105が対応する第1の貫通孔111内に露出し、ヒューズ102の第2の端部が対応する第1の貫通孔111に穿設されて対応するパッド105に溶接される。
【0034】
図5及び図6に示すように、複数の第1の貫通孔111及び複数の接続端子104は、電池情報収集部101の幅方向に沿って順に交互に配列される。このように設けると、サンプリング構造10における第1の貫通孔111及び接続端子104をよりコンパクトに配置することができ、サンプリング構造10の小型化設計に役立つ。
【0035】
電池情報収集部101の幅方向は、Z方向と一致する。該方向は、電池パック100の高さ方向と一致してもよい。
【0036】
他のいくつかの実施例において、図8図10に示すように、電池情報収集部101は、第1の絶縁層107の第2の絶縁層108から離れた側に設けられ、電池情報収集部101の第1の絶縁層107から離れた側に複数のパッド105が設けられ、電池情報収集部101に複数の第2の貫通孔112が形成され、接続端子104は、対応する第2の貫通孔112内に露出し、ヒューズ102の第1の端部は、対応する第2の貫通孔112に穿設されて対応する接続端子104に溶接される。
【0037】
図10に示すように、複数の第2の貫通孔112及び複数のパッド105は、電池情報収集部101の幅方向に沿って順に交互に配列される。このように設けると、電池情報収集部101における第2の貫通孔112及びパッド105をよりコンパクトに配置することができ、電池情報収集部101の小型化設計に役立つ。
【0038】
電池情報収集部101の幅方向は、Z方向に沿って延び、電池パック100の高さ方向と一致してもよい。
【0039】
本開示のいくつかの実施例において、図5~10に示すように、複数のヒューズ102及び複数の収集ライン103は、サンプリングアセンブリ119を形成し、サンプリング構造10は、複数のサンプリングアセンブリ119を含み、電池情報収集部101は、複数の溶接部118を有し、溶接部118に複数のパッド105が設けられ、溶接部118におけるパッド105は、対応するサンプリングアセンブリ119のヒューズ102を介して対応する収集ライン103に溶接される。
【0040】
具体的には、各溶接部118におけるパッド105は、対応するサンプリングアセンブリ119のヒューズ102の第1の端部に溶接され、該ヒューズ102の第2の端部は、該サンプリングアセンブリ119の収集ライン103の接続端子104に溶接される。
【0041】
さらに、図8及び図10に示すように、複数のサンプリングアセンブリ119と複数の溶接部118におけるパッド105は、それぞれ電池情報収集部101の長手方向に沿って配列され、電池情報収集部101の長さは、X方向に沿って延び、X方向は、電池パック100の幅方向と一致してもよい。このように設けると、サンプリング構造10の設計をよりコンパクトにすることができ、後続の組立を容易にする。
【0042】
いくつかの実施例において、図3及び図4に示すように、収集ライン103の第2の端部1032に第1の折り曲げ部113が設けられ、接続端子104が第1の折り曲げ部113に設けられる。第1の絶縁層107と第2の絶縁層108は、それぞれ第1の折り曲げ部113に対応する第1の部分を含み、バイアホール109は、第1の絶縁層107の第1の部分に位置し、補強板110は、第2の絶縁層108の第1の部分に固定される。このような折り曲げ構造の設計により、収集ライン103と電池情報収集部101との接続を容易にすることができる。
【0043】
いくつかの実施例において、図5及び図6に示すように、サンプリング構造10は、サンプリング構造10と電池情報収集部101を固定接続する接続部材114をさらに含む。
【0044】
例えば、接続部材114はリベットであり、サンプリング構造10と電池情報収集部101にいずれも接続孔115が形成され、リベットは、接続孔115内に固定されてサンプリング構造10と電池情報収集部101を接続する。勿論、他の実施例において、接続部材114は、構造接着剤であってもよく、サンプリング構造10と電池情報収集部101は、構造接着剤により接続されてもよい。
【0045】
いくつかの実施例において、第1の絶縁層107、第2の絶縁層108及び複数の収集ライン103は、FPC(Flexible Printed Circuit、フレキシブル回路基板)を形成する。
【0046】
FPCは、金属箔と、金属箔の両側を覆う絶縁膜とを含み、金属箔は、エッチングにより複数の収集ライン103を形成し、2つの絶縁膜は、それぞれ第1の絶縁層107と第2の絶縁層108を形成する。
【0047】
他のいくつかの実施例において、第1の絶縁層107、第2の絶縁層108及び複数の収集ライン103は、FFC(Flexible Flat Cable、フレキシブルフラットケーブル)を形成する。
【0048】
FFCは、複数の金属導体と、複数の金属導体の両側を覆う保護膜とを含み、金属導体は、2つの保護膜の間に接着され、収集ライン103を形成し、2つの保護膜は、それぞれ第1の絶縁層107と第2の絶縁層108を形成する。
【0049】
いくつかの実施例において、収集ライン103の第1の端部1031に収集端子116が設けられ、収集ライン103は、対応する収集端子116を介して対応する電池20に接続される。図3及び図6に示すように、収集ライン103の一部は、絶縁層106から延出して収集端子116を形成する。
【0050】
勿論、他の実施例において、収集ライン103の一部は、絶縁層106に露出して収集端子116に溶接されてもよい。
【0051】
収集ライン103は、金属導体であり、収集端子116は、金属片である。
【0052】
いくつかの実施例において、図2図4に示すように、複数の電池20は、Y方向に沿って順に配列され直列接続され、電流を引き出す第1の電極201及び第2の電極202を含み、第1の電極201と第2の電極202は、電池20の対向する両側に分布し、収集ライン103は、対応する収集端子116を介して対応する電池20の第1の電極201又は第2の電極202に接続される。電池パック100の長手方向は、Y方向と一致してもよい。
【0053】
他のいくつかの実施例において、電池20同士は、導電性シートを介して接続され、収集ライン103は、対応する収集端子116を介して対応する導電性シートに接続される。
【0054】
いくつかの実施例において、図2図4に示すように、収集ライン103の第1の端部1031に第2の折り曲げ部117が設けられ、収集端子116が第2の折り曲げ部117に設けられる。このような折り曲げ構造の設計により、収集ライン103と電池20との接続を容易にすることができる。
【0055】
他の態様において、図11に示すように、本開示は、車体200及び上記いずれかの実施例の電池パック100を含む電気自動車1000をさらに提供する。電池パック100は、車体200に固定されるか、又は、電池パック100のケース30は、車体200の一部として構成される。例えば、ケース30は、車体200のフロアとして構成される。
【0056】
なお、本開示の説明において、別に明確な規定と限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続、又は電気的な接続であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0057】
本明細書の説明では、用語「実施例」、「具体的な実施例」、「例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0058】
本開示の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本開示の原理及び目的を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって限定されていることを理解することができる。
【符号の説明】
【0059】
1000 電気自動車
100 電池パック
200 車体
10 サンプリング構造
101 電池情報収集部
102 ヒューズ
103 収集ライン
1031 収集ラインの第1の端部
1032 収集ラインの第2の端部
104 接続端子
105 パッド
106 絶縁層
107 第1の絶縁層
108 第2の絶縁層
109 バイアホール
110 補強板
111 第1の貫通孔
112 第2の貫通孔
113 第1の折り曲げ部
114 接続部材
115 接続孔
116 収集端子
117 第2の折り曲げ部
118 溶接部
119 サンプリングアセンブリ
20 電池
201 第1の電極
202 第2の電極
30 ケース
40 電池管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】