(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-22
(54)【発明の名称】ターボ過給組立体及びターボ過給組立体の動作を制御する方法
(51)【国際特許分類】
F02B 39/00 20060101AFI20240215BHJP
F01N 5/04 20060101ALI20240215BHJP
F01D 15/08 20060101ALI20240215BHJP
F02C 6/12 20060101ALI20240215BHJP
F02C 3/05 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
F02B39/00 T
F02B39/00 Z
F02B39/00 B
F02B39/00 G
F01N5/04 A
F01D15/08 C
F02C6/12
F02C3/05
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553589
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 EP2022055566
(87)【国際公開番号】W WO2022184902
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522066067
【氏名又は名称】ターボ システムズ スウィツァーランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ズッケッリ アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
3G005
【Fターム(参考)】
3G005EA04
3G005EA16
3G005EA20
3G005FA05
3G005FA28
3G005FA51
3G005GB05
3G005GB15
3G005GB74
3G005GB83
3G005GB85
3G005GB86
3G005GB92
3G005KA09
(57)【要約】
ターボ過給組立体(10)が説明される。ターボ過給組立体(10)は、コンプレッサホイール(21)を有するコンプレッサ(20)と、タービンホイール(31)を有するタービン(30)とを含む。タービンホイール(31)とコンプレッサホイール(21)は、シャフト(11)上に背中合わせに取り付けられている。シャフト(11)は、コンプレッサホイール(21)の前方に設けられた動力変換装置(40)に結合されている。加えて、ターボ過給組立体は、動力変換装置を収容するハウジング延長部(43)を含む。ハウジング延長部はコンプレッサハウジング(22)と結合されている。動力変換装置は、ロータ(41)とステータ(42)とを含む。ステータはハウジング延長部に取り付けられている。さらに、ターボ過給組立体は、コンプレッサと動力変換装置との間に配置されたフィルタサイレンサ(50)を含む。さらに、ターボ過給組立体は、シャフトに取り付けられたブロワ(60)を含む。ブロワは、コンプレッサから外方に面する動力変換装置の側面に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ過給組立体(10)であって、
-コンプレッサホイール(21)を有するコンプレッサ(20)と、
-タービンホイール(31)を有するタービン(30)であって、前記タービンホイール(31)及び前記コンプレッサホイール(21)は、シャフト(11)上に背中合わせに取り付けられており、前記シャフト(11)は、前記コンプレッサホイール(21)の前方に設けられた動力変換装置(40)に結合されている、タービン(30)と、
-前記動力変換装置(40)を収容するハウジング延長部(43)であって、前記ハウジング延長部(43)はコンプレッサハウジング(22)と結合されており、前記動力変換装置(40)はロータ(41)とステータ(42)とを備え、前記ステータ(42)は、ハウジング延長部(43)に取り付けられている、ハウジング延長部(43)と、
-前記コンプレッサ(20)と前記動力変換装置(40)との間に配置されたフィルタサイレンサ(50)と、
-前記シャフト(11)に取り付けられたブロワ(60)であって、前記ブロワ(60)は、前記コンプレッサ(20)から外方に面する前記動力変換装置(40)の側面に配置されている、ブロワ(60)と、
を備えるターボ過給組立体(10)。
【請求項2】
前記動力変換装置(40)は、電気力変換装置又は油圧力変換装置である、請求項1に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項3】
前記動力変換装置(40)は、モータ又はオルタネータである、請求項1又は2に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項4】
前記コンプレッサホイール(21)を収容する前記コンプレッサハウジング(22)は、前記タービンホイール(31)を収容するタービンハウジング(32)に結合されており、詳細には、前記コンプレッサハウジング(22)は、前記タービンハウジング(32)に一体的に結合されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項5】
前記動力変換装置(40)は、1又は2以上の第1の電磁コイルと、1又は2以上の第2の電磁コイルとを備え、前記1又は2以上の第1の電磁コイルは前記シャフト(11)と結合され、前記1又は2以上の第2の電磁コイルは、前記1又は2以上の第1の電磁コイルの周囲に設けられ、前記動力変換装置(40)は、動作中に前記1又は2以上の第1の電磁コイルと、前記1又は2以上の第2の電磁コイルとの間に回転速度差を与えるように構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項6】
前記ロータ(41)は、1又は2以上の第1の電磁コイルを備え、前記ステータ(42)は、1又は2以上の第2の電磁コイルを備え、前記ロータ(41)は、前記シャフト(11)に結合されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項7】
前記動力変換装置(40)に接続された動力貯蔵手段(45)をさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項8】
第1の比率R
1=x/R
Tが、R
1≦0.8、詳細にはR
1≦0.7、より詳細にはR
1≦0.6であり、xは、前記コンプレッサホイール(21)と前記タービンホイール(31)との間に設けられた距離であり、R
Tは、タービンホイール(31)の後壁の半径である、請求項1から7のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項9】
第2の比率R
2=x/dが、9≦R
2≦12であり、xは、前記コンプレッサホイール(21)と前記タービンホイール(31)との間に設けられた距離であり、dは、前記タービンホイール(31)の後壁の厚さである、請求項1から8のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項10】
前記コンプレッサホイール(21)と前記タービンホイール(31)との間には、前記動力変換装置又は前記動力変換装置の構成要素が設けられていない、請求項1から9のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項11】
前記動力変換装置(40)を制御することにより、請求項1から10のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)の動作を制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、ターボ過給組立体及びその動作を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
排気ガスターボ過給機のような過給システムは、内燃機関の出力を増大させるために使用されることが知られている。このような排気ガスターボ過給機では、内燃エンジンの排気ガス経路にタービンが設けられ、内燃エンジンの上流側にコンプレッサが配置され、コンプレッサは共通シャフトを介してタービンに結合されている。通常、シャフトは、軸受ハウジングに支持されたシャフト軸受によって支持されている。従って、排気ガスターボ過給機は、一般に、ロータ、シャフト用の軸受組立体、流体案内ハウジングセクション(コンプレッサハウジング及びタービンハウジング)、及び軸受ハウジングによって構成されている。ロータは、シャフト、インペラ及びタービンホイールを含む。
【0003】
排気ガスターボ過給機による内燃エンジンの過給により、容量、従ってシリンダ内の燃料混合気が増大し、それによってエンジンの出力が顕著に増大する。随意的に、内燃エンジンの排気ガス内に蓄積されたエネルギーは、例えば出力タービンによって電気的又は機械的エネルギーに変換することができる。この場合、排気ガスターボ過給機の場合のコンプレッサの代わりに、発電機又は機械的消費手段がタービンシャフトに結合されている。
【0004】
しかしながら、従来のターボ過給組立体、特に動力変換装置を有するターボ過給組立体は、特にコンパクト性、効率及び質量バランスに関して、依然として改善する余地があることが分かっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を考慮して、独立請求項によるターボ過給組立体及びターボ過給組立体の動作を制御する方法が提供される。さらなる態様、利点、及び特徴は、従属請求項、本明細書、及び添付の図面から明らかである。
【0006】
本開示の一態様によれば、ターボ過給組立体が提供される。ターボ過給組立体は、コンプレッサホイールを有するコンプレッサと、タービンホイールを有するタービンとを含む。タービンホイール及びコンプレッサホイールは、シャフトに背中合わせに取り付けられている。シャフトは、コンプレッサホイールの前方に設けられた動力変換装置に結合されている。加えて、ターボ過給組立体は、動力変換装置を収容するハウジング延長部を含む。ハウジング延長部はコンプレッサハウジングと結合されている。動力変換装置は、ロータ及びステータを含む。ステータはハウジング延長部に取り付けられている。さらに、ターボ過給組立体は、コンプレッサと動力変換装置との間に配置されたフィルタサイレンサを含む。さらに、ターボ過給組立体は、シャフトに取り付けられたブロワを含む。ブロワは、コンプレッサから外方に面する動力変換装置の側面に配置されている。
【0007】
従って、従来技術と比較して、改良されたターボ過給組立体が提供される。詳細には、タービンホイールとコンプレッサホイールとの背中合わせの構成を提供し、コンプレッサホイールの前方に設けられた動力変換装置を配置することにより、動力変換装置を備えたターボ過給組立体のよりコンパクトなデザインを提供することができる。さらに、動力変換装置をコンプレッサホイールの前方に設けることにより、動作中に、タービンの近傍で一般的に発生する高温から動力変換装置を保護することができる。さらに、本明細書に記載の実施形態によるターボ過給組立体は、従来技術と比較して、より良好なホイール及びシャフトバランスを好都合に提供する。
【0008】
本開示のさらなる態様によれば、本明細書に記載の何らかの実施形態によるターボ過給組立体の動作を制御する方法が提供される。本方法は、動力変換装置を制御するステップを含む。動力変換装置は、コンプレッサのコンプレッサホイールの前方に設けられる。コンプレッサホイールとタービンのタービンホイールは、動力変換装置と結合したシャフトに背中合わせに取り付けられている。
【0009】
本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができる。添付の図面は、本開示の実施形態に関するものであり、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書に記載の実施形態によるターボ過給組立体の概略図を示す。
【
図2】本明細書に記載のさらなる随意的な実施形態によるターボ過給組立体の概略図を示す。
【
図3】本明細書に記載の実施形態によるコンプレッサホイールとタービンホイールとの背中合わせの構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、様々な実施形態が詳細に参照されるが、そのうちの1又は2以上の実施例が各図に示されている。各実施例は説明という目的に役立ち、制限とみなされるものではない。例えば、実施形態の一部として示される又は説明される特徴は、さらなる実施形態を得るために、何らかの他の実施形態上で又はこれと組み合わせて使用することができる。本開示は、このような修正及び変形を包含することが意図される。
【0012】
以下の図面の説明において、同一の参照番号は、同一又は類似の構成要素に関連する。個々の実施形態に関連する相違点のみが一般的に説明される。別段の指示がない限り、1つの実施形態における1つの部品又は態様の説明は、別の実施形態における対応する部品又は対応する態様に適用することができる。
【0013】
図1を例示的に参照して、本開示によるターボ過給組立体10を説明する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、ターボ過給組立体10は、コンプレッサホイール21を有するコンプレッサ20を含む。加えて、ターボ過給組立体10は、タービンホイール31を有するタービン30を含む。タービンホイール31とコンプレッサホイール21は、シャフト11に背中合わせに取り付けられている。
【0014】
本明細書で使用される場合、用語「背中合わせ」は、共通シャフト、詳細には本明細書で説明するシャフト11上に回転のために取り付けられた2つのロータ又はホイール、詳細にはコンプレッサホイール21及びタービンホイール31の位置決めを指す。各ロータ、すなわちコンプレッサホイール21及びタービンホイール31は、一方側にインペラブレードのセットを有し、他方の側に実質的に平坦又は平らな面を有する(ブレードなし)。ロータ、すなわちコンプレッサホイール21及びタービンホイール31の2つブレードのない面は、互いに向かい合っている。2つのブレードのセット、すなわちコンプレッサーホイールブレードとタービンホイールブレードは、互いに反対方向に離れて延びている。
【0015】
詳細には、本明細書に記載の何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、コンプレッサホイールとタービンホイールとの背中合わせの構成は、コンプレッサホイールとタービンホイールとの間の距離が最小化されると理解することができる。例えば、
図3に示されるように、背中合わせの構成は、第1の比率R
1=x/R
Tによって特徴付けることができ、ここで、xは、コンプレッサホイール21とタービンホイール31との間に設けられる距離であり、R
Tは、タービンホイール31の後壁の半径である。典型的には、第1の比率R
1は、R
1≦0.8、具体的にはR
1≦0.7、より具体的にはR
1≦0.6である。追加的に又は代替的に、
図3に示されるように、背中合わせの構成は、第2の比率R
2=x/dによって特徴付けることができ、ここで、xは、コンプレッサホイール21とタービンホイール31との間に設けられる距離であり、dは、タービンホイール31の後壁の厚さである。典型的には、第2の比率R
2は、9≦R
2≦12である。さらに、何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、コンプレッサホイール21とタービンホイール31との間には、動力変換装置又は動力変換装置の構成要素が設けられていないことを理解されたい。換言すれば、タービンホイールの背面とコンプレッサホイールとの間の空間には、いかなる動力変換装置又は動力変換装置のロータのような動力変換装置の構成要素も存在しない。
【0016】
シャフト11は、動力変換装置40に結合されている。詳細には、シャフト11は、動力変換装置40と直接結合することができる。「直接結合する」という表現は、結合された構成要素の間に中間要素、例えば歯車装置及び/又はクラッチが存在しないことと理解される。従って、シャフト11は、動力変換装置40の構成要素、例えば1又は2以上の第1の電磁コイル、詳細には本明細書に記載されるロータ41に直接かつ機械的に結合することができることが理解されよう。
図1に例示的に示すように、動力変換装置40は、コンプレッサホイール21の前方、すなわちコンプレッサの吸気側に設けられている。
図1及び2から、動力変換装置40は、コンプレッサの吸気側でコンプレッサの前方に直接配置することができること(
図1)、又は、本明細書で説明するフィルタサイレンサ50のような中間要素は、コンプレッサと動力変換装置40との間に設けることができることが理解されよう。
【0017】
タービンホイールとコンプレッサホイールとが背中合わせに配置されたターボ過給組立体を提供し、コンプレッサホイールの前方に動力変換装置を配置することにより、従来技術と比べてターボ過給組立体のよりコンパクトな設計を提供することができ、ターボ過給組立体の全体的な占有面積を低減できるようになっている。さらに、動力変換装置をコンプレッサホイールの前方に配置することは、動作中にタービンの近傍で一般的に発生する高温から動力変換装置を保護するのに好都合である。さらに、タービンホイールとコンプレッサホイールとの背中合わせの構成と、コンプレッサホイールの前方への動力変換装置の配置を組み合わせることは、回転部品、詳細にはシャフト及びホイールの全体的な質量バランスを改善できるという利点がある。この点に関して、動力変換装置、特に共通シャフトに結合された動力変換装置の構成要素は、タービンホイール及びコンプレッサホイールに対するカウンターマスとして機能することができることに留意されたい。
【0018】
本開示において、動力変換装置は、例えば動力変換装置が電気モータ又は油圧モータの場合、電気力又は油圧力を機械力に変換するように構成された装置として理解することができる。さらに、動力変換装置は、例えば動力変換装置がオルタネータである場合には、機械力を電気力に変換するように構成された装置として理解することもできる。従って、本明細書で説明する動力変換装置は、電気力変換装置又は油圧力変換装置とすることができる。詳細には、本明細書に記載の動力変換装置は、モータ、特に電気モータ又は油圧モータ、又はオルタネータとすることができる。
【0019】
図1及び2を例示的に参照すると、本明細書に記載の何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、コンプレッサホイール21を収容するコンプレッサハウジング22は、タービンホイール31を収容するタービンハウジング32に結合されている。
【0020】
換言すれば、コンプレッサハウジング22及びタービンハウジング32の各々は、別個のハウジングとすることができ、コンプレッサハウジング22は、例えば溶接、ボルト締め又は他の機械的結合を用いて別個のタービンハウジング32と結合することができる。あるいは、コンプレッサハウジング22は、タービンハウジング32と一体的に結合することもできる。換言すれば、コンプレッサハウジング22及びタービンハウジング32は、共通ハウジングを形成する一体成形構造とすることができる。例えば、共通ハウジングは、鋳造材料の一体化された一体成形構造とすることができる。
【0021】
本明細書に記載の何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、動力変換装置40は、1又は2以上の第1の電磁コイル及び1又は2以上の第2の電磁コイルを含む(明示的に図示せず)。典型的には、1又は2以上の第1の電磁コイルはシャフト11と結合され、1又は2以上の第2の電磁コイルは1又は2以上の第1の電磁コイルの周囲に設けられる。動力変換装置40は、動作中に1又は2以上の第1の電磁コイルと1又は2以上の第2の電磁コイルとの間に回転速度差を与えるように構成されている。典型的には、1又は2以上の第1の電磁コイルは、シャフト11の回転が1又は2以上の第1の電磁コイルに伝達されるように、シャフト11と機械的に結合される。
【0022】
図2を例示的に参照すると、本明細書に記載の何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、動力変換装置40は、ロータ41とステータ42とを含む。詳細には、ロータ41は1又は2以上の第1の電磁コイルを含み、ステータ42は1又は2以上の第2の電磁コイルを含む。典型的には、ロータ41はシャフト11に結合されている。
【0023】
本明細書に記載の何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、ターボ過給組立体10は、
図2に例示的に示されるように、コンプレッサ20と動力変換装置40との間に配置されたフィルタサイレンサ50をさらに含む。従って、コンプレッサへの空気流は、コンプレッサ20と動力変換装置40との間に配置されたフィルタサイレンサ50を通って供給することができる。換言すれば、
図2に例示的に示されるように、フィルタサイレンサ50への空気流12は、動力変換装置40とコンプレッサホイール21との間に供給することができ、これは、動力変換装置40を熱から保護するために、又はさらには動力変換装置40を冷却するために好都合とすることができる。
【0024】
図2を例示的に参照すると、本明細書に記載の何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、ターボ過給組立体10は、シャフト11に取り付けられたブロワ60をさらに含む。詳細には、ブロワ60は、コンプレッサ20から外方に面する動力変換装置40の側面に配置される。典型的には、ブロワ60は、動力変換装置40に向かって、すなわちコンプレッサに向かう方向に空気を供給するように構成されたファンである。従って、ブロワ60は、動力変換装置40の冷却器として機能することができる。さらに、ブロワ60は、コンプレッサ20への吸気量(air intake)を改善することができる。
【0025】
本明細書に記載の何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、ターボ過給組立体10は、
図2に例示的に示されるように、動力変換装置40を収容するハウジング延長部43をさらに含む。ハウジング延長部43は、コンプレッサハウジング22と結合することができる。例えば、ハウジング延長部43は、コンプレッサハウジング22に直接結合することができる。あるいは、ハウジング延長部43は、中間構成要素、例えば本明細書で説明するフィルタサイレンサ50を介してコンプレッサハウジング22と結合することができる。
図2に例示的に示すように、ステータ42は、ハウジング延長部43に取り付けることができる。一例では、ステータ42はハウジング43に一体化することができ、このことは、コンパクト性の向上及び設置スペースの低減に好都合とすることができる。
【0026】
本明細書に記載の何らかの他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、ターボ過給組立体は、
図2に例示的に示されるように、動力変換装置40に接続された動力貯蔵手段45を含む。例えば、動力貯蔵手段45はバッテリとすることができる。
【0027】
本開示のさらなる態様によれば、本明細書に記載の何らかの実施形態によるターボ過給組立体10の動作を制御する方法が提供される。本方法は、動力変換装置40を制御するステップを含む。動力変換装置40は、コンプレッサ20のコンプレッサホイール21の前方に設けられる。コンプレッサホイール21とタービン30のタービンホイール31は、動力変換装置40に結合したシャフト11に背中合わせに取り付けられている。
【0028】
従って、好都合には、ターボ過給組立体は、例えば、ターボ過給組立体の始動時間を早めて短縮するために、動力変換装置によって制御することができる。さらに、動力変換装置は、エンジンの過渡動作時のターボラグを低減するために使用することができる。さらに、動力変換装置は動力発生のために使用できることを理解されたい。
【0029】
上述は実施形態を目的としているが、基本的な範囲から逸脱することなく他のさらなる実施形態を考え出すことができ、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0030】
10 ターボ過給機組立体
11 シャフト
12 空気流
20 コンプレッサ
21 コンプレッサホイール
22 コンプレッサハウジング
30 タービン
31 タービンホイール
32 タービンハウジング
40 動力変換装置
41 ロータ
42 ステータ
43 ハウジング延長部
45 動力貯蔵手段
50 フィルタサイレンサ
60 ブロワ
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ過給組立体(10)であって、
-コンプレッサホイール(21)を有するコンプレッサ(20)と、
-タービンホイール(31)を有するタービン(30)であって、前記タービンホイール(31)及び前記コンプレッサホイール(21)は、シャフト(11)上に背中合わせに取り付けられており、前記シャフト(11)は、前記コンプレッサホイール(21)の前方に設けられた動力変換装置(40)に結合されている、タービン(30)と、
-前記動力変換装置(40)を収容するハウジング延長部(43)であって、前記ハウジング延長部(43)はコンプレッサハウジング(22)と結合されており、前記動力変換装置(40)はロータ(41)とステータ(42)とを備え、前記ステータ(42)は、ハウジング延長部(43)に取り付けられている、ハウジング延長部(43)と、
-前記コンプレッサ(20)と前記動力変換装置(40)との間に配置されたフィルタサイレンサ(50)と、
-前記シャフト(11)に取り付けられたブロワ(60)であって、前記ブロワ(60)は、前記コンプレッサ(20)から外方に面する前記動力変換装置(40)の側面に配置されている、ブロワ(60)と、
を備えるターボ過給組立体(10)。
【請求項2】
前記動力変換装置(40)は、前記コンプレッサホイール(21)の吸気側に設けられている、請求項1に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項3】
前記動力変換装置(40)は、電気力変換装置又は油圧力変換装置である、請求項1又は2に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項4】
前記動力変換装置(40)は、モータ又はオルタネータである、請求項1から3のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項5】
前記コンプレッサホイール(21)を収容する前記コンプレッサハウジング(22)は、前記タービンホイール(31)を収容するタービンハウジング(32)に結合されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項6】
前記コンプレッサハウジング(22)は、前記タービンハウジング(32)に一体的に結合されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項7】
前記動力変換装置(40)は、1又は2以上の第1の電磁コイルと、1又は2以上の第2の電磁コイルとを備え、前記1又は2以上の第1の電磁コイルは前記シャフト(11)と結合され、前記1又は2以上の第2の電磁コイルは、前記1又は2以上の第1の電磁コイルの周囲に設けられ、前記動力変換装置(40)は、動作中に前記1又は2以上の第1の電磁コイルと、前記1又は2以上の第2の電磁コイルとの間に回転速度差を与えるように構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項8】
前記ロータ(41)は、1又は2以上の第1の電磁コイルを備え、前記ステータ(42)は、1又は2以上の第2の電磁コイルを備え、前記ロータ(41)は、前記シャフト(11)に結合されている、請求項1から7のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項9】
前記動力変換装置(40)に接続された動力貯蔵手段(45)をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項10】
第1の比率R
1=x/R
Tが、R
1≦0.8であり、xは、前記コンプレッサホイール(21)と前記タービンホイール(31)との間に設けられた距離であり、R
Tは、タービンホイール(31)の後壁の半径である、請求項1から9のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項11】
前記第1の比率は、R
1≦0.7である、請求項10に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項12】
前記第1の比率は、R
1≦0.6である、請求項10に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項13】
第2の比率R
2=x/dが、9≦R
2≦12であり、xは、前記コンプレッサホイール(21)と前記タービンホイール(31)との間に設けられた距離であり、dは、前記タービンホイール(31)の後壁の厚さである、請求項1から12のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項14】
前記コンプレッサホイール(21)と前記タービンホイール(31)との間には、前記動力変換装置又は前記動力変換装置の構成要素が設けられていない、請求項1から13のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)。
【請求項15】
前記動力変換装置(40)を制御することにより、請求項1から14のいずれか1項に記載のターボ過給組立体(10)の動作を制御する方法。
【国際調査報告】