(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-22
(54)【発明の名称】クレーンハウジング、クレーン、ジャッキアップ船、方法
(51)【国際特許分類】
B66C 23/84 20060101AFI20240215BHJP
B66C 19/00 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B66C23/84 F
B66C19/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553693
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2022055167
(87)【国際公開番号】W WO2022184721
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519091203
【氏名又は名称】イーテーエルエーセー・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリクス・ヤコーブス・ウェーテリングス
(72)【発明者】
【氏名】ウィン・スム・イ
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA10
3F205AC01
3F205CA01
3F205CA09
3F205DA01
3F205EA04
(57)【要約】
レッグエンサークリングクレーン(1)のためのクレーンハウジング(100)は、旋回軸受の上に装着されることとなる。クレーンハウジングは、環状ベースコンポーネント(105)と、2つのサポートコンポーネント(108a、108b)と、前面コンポーネント(106)と、を含み、それらは、隔壁(101)をそれぞれ有している。サポートコンポーネントは、環状ベースコンポーネント(105)の前方セグメントのそれぞれの横方向側部において、環状ベースコンポーネント(105)に接続されている。前面コンポーネントは、2つのサポートコンポーネントの間において、環状ベースコンポーネントの前方セグメントに接続されており、これらを相互接続するようになっている。2つのサポートコンポーネントおよび前面コンポーネントは、前方捩じりボックス(400)を一緒に形成しており、それは、捩じり剛性を提供する。そのうえ、サポートコンポーネントに印加されるようなブームの荷重は、捩じりボックスを介してベースコンポーネントを捩じりにさらし、捩じりは、ベースコンポーネントの前方セグメントにわたって分配されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に間隔を離して配置されたジャッキアップレッグを含むジャッキアップ船の上で使用するための、レッグエンサークリングクレーン(1)のためのクレーンハウジング(100)であって、
前記クレーンハウジング(100)は、垂直方向旋回軸線(5)の周りでの前記クレーンの前記クレーンハウジング(100)の旋回運動を可能にするために、前記ジャッキアップ船の前記ジャッキアップレッグのうちの1つの周りに延在する旋回軸受の上に装着されるように構成されており、前記クレーンハウジングの前方において、クレーンブームを支持し、前記クレーンハウジングの後方において、クレーン上部構造体、たとえば、クレーンガントリー引張部材を支持しており、
前記クレーンハウジングは、ボックスタイプの構築体であり、前記クレーンハウジングは、
- 環状ベースコンポーネント(105)であって、前記環状ベースコンポーネント(105)は、前記ジャッキアップ船のジャッキアップレッグの周りに延在するように構成されており、前記環状ベースコンポーネント(105)は、内側円周方向壁部(103)、外側円周方向壁部(104)、前記内側円周方向壁部と前記外側円周方向壁部との間に延在する隔壁(101)、上部壁部、および、好ましくは、底部壁部を有している、環状ベースコンポーネント(105)と;
- 2つのサポートコンポーネント(108a、108b)であって、それぞれの前記サポートコンポーネント(108a、108b)は、前記環状ベースコンポーネント(105)の前方セグメント(107)のそれぞれの横方向側部において、前記環状ベースコンポーネント(105)に接続されており、それぞれの前記サポートコンポーネント(108a、108b)は、外側壁部(112、113)を有しており、前記外側壁部(112、113)は、2つの端部において、前記ベースコンポーネントの前記外側壁部に取り付けられており、また、それぞれの前記サポートコンポーネント(108a、108b)は、前記サポートコンポーネント(108a、108b)の前記外側壁部(112、113)と前記環状ベースコンポーネント(105)の前記外側円周方向壁部(104)との間に延在する隔壁(109)、上部壁部、および底部壁部を有している、2つのサポートコンポーネント(108a、108b)と;
- 前面コンポーネント(106)であって、前記前面コンポーネント(106)は、前記ベースコンポーネント(105)の前方において、および、前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)の間において、前記ベースコンポーネント(105)の前記前方セグメント(107)に接続されており、前記サポートコンポーネント(108a、108b)を相互接続するようになっており、前記前面コンポーネント(106)は、前方壁部(111)を有しており、前記前方壁部(111)は、その2つの端部のそれぞれにおいて、前記サポートコンポーネントのそれぞれ1つの前記外側壁部(112、113)に取り付けられており、また、前記前面コンポーネント(106)は、前記前面コンポーネント(106)の前記前方壁部(111)と前記環状ベースコンポーネント(105)の前記外側円周方向壁部(104)との間に延在する隔壁(114)、上部壁部、および底部壁部を有している、前面コンポーネント(106)と、
を含み、
前記クレーンハウジング(100)には2つのブームサポート(102)が設けられており、それぞれのブームサポート(102)は、前記クレーン(1)の前記ブーム、たとえば、A字フレームブームの2つの内側端部(2)を枢動可能に支持するために、それぞれのサポートコンポーネント(108a、108b)の上に装着されており、前記ブームが、前記2つのブームサポート(102)を通して水平方向枢動軸線(3)の周りに枢動的になるようになっており、
前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)および前記前面コンポーネント(106)は、捩じり剛性を提供する捩じりボックス(400)を一緒に形成しており、前記ブームサポート(102)に印加されるような前記ブームの荷重が、前記捩じりボックス(400)を介して前記ベースコンポーネント(105)を捩じりにさらすようになっており、前記捩じりは、前記ベースコンポーネント(105)の前記前方セグメント(107)にわたって分配されている、クレーンハウジング(100)。
【請求項2】
前記サポートコンポーネント(108a、108b)の前記隔壁(109)のそれぞれは、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記前方セグメント(107)において、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記隔壁(101)のそれぞれ1つの外側端部から外向きに延在しており、たとえば、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記隔壁(101)は、少なくとも前記前方セグメント(107)において、前記旋回軸線(5)に関して半径方向に延在している、請求項1に記載のクレーンハウジング。
【請求項3】
前記サポートコンポーネント(108a、108b)の前記隔壁(109)は、前記クレーンハウジングの上面図で見て、前記ブームの前記枢動軸線(3)に平行に延在している、請求項1または2に記載のクレーンハウジング。
【請求項4】
前記前面コンポーネント(106)の前記隔壁(114)のそれぞれは、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記前方セグメント(107)において、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記隔壁(101)のそれぞれ1つの外側端部から、外向きに、たとえば、半径方向に延在しており、たとえば、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記隔壁(101)は、少なくとも前記前方セグメント(107)において、前記旋回軸線(5)に関して半径方向に延在している、請求項1から3のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項5】
それぞれのサポートコンポーネント(108a、108b)の前記外側壁部(112、113)は、前方壁部(112)および側壁部(113)を含み、前記前方壁部(112)は、前記枢動軸線(3)に平行な垂直方向平面の中に延在しており、前記側壁部(113)は、好ましくは、前記枢動軸線(3)に対して垂直の垂直方向平面の中に延在している、請求項1から4のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項6】
前記前面コンポーネント(106)の前記前方壁部(111)の少なくとも一部、たとえば、前記前方壁部(111)全体は、前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)から前方に延在しており、たとえば、前記ベースコンポーネント(105)の前記外側円周方向壁部(104)の一部は、前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)から前方に延在している、請求項1から5のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項7】
前記ブームサポート(102)は、それぞれが前記旋回軸線(5)を通る前記クレーンハウジング(100)の長手方向中心軸線(6)から所定の横方向距離を有しており、前記横方向距離は、前記旋回軸線(5)に対する前記環状ベースコンポーネントの半径に実質的に等しいかまたはそれよりも大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項8】
前記ブームサポート(102)は、前記旋回軸線(5)を通る前記クレーンハウジング(100)の横方向中心軸線(7)から所定の長手方向距離をそれぞれ有しており、前記長手方向距離は、前記旋回軸線(5)に対する前記環状ベースコンポーネントの半径に実質的に等しいかまたはそれよりも大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項9】
前記環状ベースコンポーネント(105)の前記上部壁部は、前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)の前記上部壁部および前記前面コンポーネント(106)の前記上部壁部と一体的であり、前記上部壁部は、したがって、一体的な上部壁部(110)を形成しており、好ましくは、前記環状ベースコンポーネント(105)、前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)、および前記前面コンポーネント(106)の前記隔壁(101、109、114)は、そのように形成された前記一体的な上部壁部(110)に接続されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項10】
前記環状ベースコンポーネント(105)の前記底部壁部は、前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)の前記底部壁部および前記前面コンポーネント(106)の前記底部壁部と一体的であり、前記環状ベースコンポーネント(105)、前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)、および前記前面コンポーネント(106)の前記隔壁(101、109、114)は、そのように形成された前記一体的な底部壁部に接続されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項11】
前記2つのサポートコンポーネント(108a、108b)および前記前面コンポーネント(106)によって形成されている前記捩じりボックス(400)は、前記環状ベースコンポーネント(105)の上部セクションに接続されており、たとえば互いに一体的な、前記捩じりボックス(400)の一体的な底部壁部を形成した前記前方コンポーネントおよび前記サポートコンポーネントの前記底部壁部は、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記外側壁部(104)に接続されており、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記底部壁部から垂直方向に間隔を置いて配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項12】
前記環状ベースコンポーネント(105)には、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記上部壁部および前記底部壁部に平行な中間壁部が設けられており、前記サポートコンポーネント(108a、108b)の前記底部壁部は、前記環状ベースコンポーネント(105)の前記中間壁部と位置合わせされており、たとえば、前記サポートコンポーネント(108a、108b)の前記底部壁部は、前記前面コンポーネント(106)の前記底部壁部と一体的であり、前記捩じりボックス(400)の一体的な底部壁部を形成するようになっている、請求項11に記載のクレーンハウジング。
【請求項13】
前記クレーンハウジング(100)は、クレーンガントリーを支持するように構成されており、前記クレーンガントリーは、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含み、前記クレーンハウジング(100)には、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポート(404)が設けられており、前記2つのクレーンガントリー圧縮部材サポート(404)のそれぞれは、前記2つのブームサポート(102)のうちの1つにおいて、前記それぞれのサポートコンポーネント(108a、108b)のうちの1つの上に提供されており、前記クレーンハウジング(100)には、2つのクレーンガントリー引張部材サポート(405)が設けられており、前記2つのクレーンガントリー引張部材サポート(405)のそれぞれは、前記環状ベースコンポーネントの後方セグメントに、および前記旋回軸線(5)を通る前記クレーンハウジング(100)の長手方向中心軸線(6)から所定の横方向距離に位置付けされており前記横方向距離は、前記旋回軸線(5)に対する前記環状ベースコンポーネントの半径よりも小さい、請求項1から12のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項14】
前記環状ベースコンポーネント(105)は、実質的に一定の断面を有しており、すなわち前記環状ベースコンポーネントの前記内側円周方向壁部(103)および前記外側円周方向壁部(104)は、円形および同心円状であり、前記環状ベースコンポーネントの前記上部壁部および前記底部壁部は、水平方向になっている、請求項1から13のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項15】
前記2つのクレーンガントリー引張部材サポート(404)は、前記環状ベースコンポーネントの前記後方セグメントの垂直方向に上方に位置付けされており、上面図で見られるときに、前記2つのクレーンガントリー引張部材サポートが前記環状ベースコンポーネントと実質的に重なるようになっている、請求項1から13のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項16】
前記2つのクレーンガントリー引張部材サポート(404)は、A字形状のサポートフレーム(406)を介して前記環状ベースコンポーネントにそれぞれ接続されており、前記サポートフレームは、2つのサポートアーム(407)をそれぞれ含み、前記2つのサポートアーム(407)は、前記環状ベースコンポーネント(105)に向かう方向に発散しており、前記サポートアームは、下側端部において、前記環状ベースコンポーネントに装着されており、好ましくは、前記サポートフレームは、前記クレーンハウジングの一体的なコンポーネントである、請求項13から15のいずれか一項に記載のクレーンハウジング。
【請求項17】
水平方向に間隔を離して配置されたジャッキアップレッグを含むジャッキアップ船の上で使用するための、好ましくは、請求項1から16のいずれか一項に記載の、レッグエンサークリングクレーン(1)のためのクレーンハウジング(100)であって、前記クレーンハウジング(100)は、垂直方向旋回軸線(5)の周りでの前記クレーンの前記クレーンハウジング(100)の旋回運動を可能にするために、前記ジャッキアップ船の前記ジャッキアップレッグのうちの1つの周りに延在する旋回軸受の上に装着されるように構成されており、前記クレーンハウジングの前方において、クレーンブームを枢動可能に支持し、前記ブームが実質的に水平方向の枢動軸線の周りに枢動的であるようになっており、また、前記クレーンハウジングの後方において、クレーン上部構造体、たとえば、クレーンガントリー引張部材を支持しており、
前記クレーンハウジングは、ボックスタイプの構築体であり、前記クレーンハウジングは、環状ベースコンポーネント(105)を含み、前記環状ベースコンポーネント(105)は、前記ジャッキアップ船のジャッキアップレッグの周りに延在するように構成されており、前記環状ベースコンポーネントは、実質的に一定の断面を有しており、円形および同心円状である内側円周方向壁部および前記外側円周方向壁部と、前記内側円周方向壁部と前記外側円周方向壁部との間に延在する上部壁部および底部壁部と、を有しており、そのうえ、前記環状ベースコンポーネントは、前記内側円周方向壁部と前記外側円周方向壁部との間に延在する隔壁と、前記上部壁部、好ましくは前記底部壁部と、を含み;
前記クレーンハウジングには、前記クレーンの前記ブーム、たとえば、A字フレームブームの2つの内側端部を枢動可能に支持するために、2つのブームサポートが設けられており、前記ブームが、前記2つのブームサポートを通して水平方向枢動軸線の周りに枢動的になるようになっており、前記クレーンハウジングには、好ましくは、捩じりボックスが設けられており、それぞれのブームサポートは、前記捩じりボックスの一部であるサポートコンポーネントの上に装着されており、
前記クレーンハウジング(100)は、クレーンガントリーを支持するように構成されており、前記クレーンガントリーは、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含み、前記クレーンハウジング(100)には、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポート(404)が設けられており、前記2つのクレーンガントリー圧縮部材サポート(404)は、それぞれが前記2つのブームサポート(102)のうちの1つに設けられており、前記クレーンハウジング(100)には、2つのクレーンガントリー引張部材サポート(405)が設けられており、前記2つのクレーンガントリー引張部材サポート(405)のそれぞれは、前記環状ベースコンポーネントの後方セグメントに位置付けされており、
前記2つのクレーンガントリー引張部材サポート(405)は、それぞれがA字形状のサポートフレーム(406)を介して前記環状ベースコンポーネントに接続されており、前記サポートフレームは、それぞれが2つのサポートアーム(407)を含み、前記2つのサポートアーム(407)は、前記環状ベースコンポーネントに向かう方向に発散しており、前記サポートアームは、下側端部において、前記環状ベースコンポーネントに装着されており、
前記A字形状のサポートフレーム(406)の前記サポートアーム(407)は、ボックスタイプエレメントであり、前記サポートアームは、前方壁部(408)、後方壁部(409)、内側壁部(410)、および外側壁部(411)を含み、
それぞれの前記サポートアームに関して、それぞれの前記サポートフレームに関して、前記前方壁部(408)は、前記旋回軸線を通る前記クレーンハウジングの横方向中心軸線(7)の方を向いた、好ましくはそれに平行な外側表面を有しており、前記後方壁部(407)は、前記クレーンハウジングの前記横方向中心軸線から離れる方を向いた、好ましくはそれに平行な外側表面を有しており、
それぞれの前記サポートアームに関して、それぞれの前記サポートフレームに関して、前記内側壁部(410)は、前記旋回軸線を通る前記クレーンハウジングの長手方向中心軸線の方を向いた、好ましくはそれに平行な外側表面を有しており、前記外側壁部(411)は、前記クレーンハウジングの前記長手方向中心軸線(6)から離れる方を向いた、それに平行な外側表面を有しており、
前記環状ベースコンポーネントは、隔壁を含み、それぞれの前記サポートアームは、これらの隔壁のうちの少なくとも1つに関連付けられており、前記隔壁は、前記サポートアームの前記下側端部において前記環状ベースコンポーネントの中に設けられており、上部端部を備えたそれぞれの前記隔壁は、前記サポートアームの前記内側壁部または外側壁部のうちの1つと位置合わせされており、前記隔壁は、前記ブーム枢動軸線(3)に対して垂直であり、
たとえば、前記隔壁は、8つの隔壁であり、それぞれの前記サポートフレームのそれぞれの前記サポートアームは、これらの隔壁のうちの2つのそれぞれ1つに関連付けられており、これらの2つのそれぞれは、その上部端部が前記サポートアームの前記内側壁部および外側壁部のそれぞれ1つと位置合わせされた状態になっている、クレーンハウジング(100)。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のクレーンハウジングと、垂直方向旋回軸線(5)の周りでの前記クレーンの前記クレーンハウジング(100)の旋回運動を可能にするために、ジャッキアップ船の前記ジャッキアップレッグのうちの1つの周りに延在する旋回軸受と、前記クレーンハウジングの前方において支持されているクレーンブームと、前記クレーンハウジングの後方において支持されているクレーン上部構造体、たとえば、クレーンガントリーと、を含む、レッグエンサークリングクレーン(1)。
【請求項19】
ジャッキアップレッグと、船体と、請求項18に記載のレッグエンサークリングクレーン(1)と、を含む、ジャッキアップ船。
【請求項20】
請求項18に記載のレッグエンサークリングクレーン(1)の使用によって、洋上の場所におけるジャッキアップ船から物体をハンドリングするための、たとえば、前記物体を吊り上げるための方法であって、
前記クレーン(1)の前記ブームの前記内側端部(2)は、ともに、前記環状ベースコンポーネント(105)から外向きに、前記クレーンの前記クレーンハウジング(100)の上に支持されており、
前記ブームサポート(102)に印加されるような前記ブームの荷重は、前記捩じりボックス(400)を介して前記ベースコンポーネント(105)に捩じりを与え、前記捩じりは、前記ベースコンポーネントの前記前方セグメント(107)にわたって分配されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レッグエンサークリングクレーン(leg encircling crane)のためのクレーンハウジング、クレーンハウジングを含むレッグエンサークリングクレーン、および、レッグエンサークリングクレーンを含むジャッキアップ船に関する。
【背景技術】
【0002】
ジャッキアップ船の上での洋上の吊り上げ動作において、たとえば、1つ以上の風力タービンコンポーネントの据え付けまたはメンテナンスにおいて、レッグエンサークリングクレーンが使用されることが多い。ジャッキアップ船のジャッキアップレッグの周りでのそれらの配置に起因して、レッグエンサークリングクレーンは、デッキに装着されたクレーンと比較して、デッキスペースを節約する。
【0003】
レッグエンサークリングクレーンは、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグの周りに延在する旋回軸受を含むことが知られている。この旋回軸受は、船舶の船体に固定されており、それは、一般的に、船体に固定されているクレーンの足部の上に支持されている。クレーンのクレーンハウジングは、ジャッキアップレッグの周りに延在しており、旋回軸受によって支持されており、垂直方向旋回軸線の周りにおいて船舶の船体に対して旋回可能となるようになっている。クレーンハウジングは、クレーンの枢動的なブームおよび上部構造体を構造的に支持する。
【0004】
ブームは、クレーンハウジングの上の1つ以上のブームサポートを介して、クレーンハウジングの前方に枢動可能に装着されており、ブームが、ブームサポートを通る実質的に水平方向の枢動軸線の周りで枢動的となるようになっている。典型的に、ブームサポートは、旋回軸受の直接的に上方に提供されており、それらが旋回軸受と垂直方向に整合されようになっており、ブームの荷重が実質的に垂直方向に旋回軸受に伝達されるようになっている。旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心線および長手方向ブーム軸線から等しい横方向距離に2つのブームサポートを提供することが一般的であり、ブームが両方のブームサポートによって支持されるようになっている。とりわけ、ブームは、ここでは、A字フレームブームであることが可能であり、「A字」のレッグのそれぞれの内側端部は、それぞれのブームサポートによって支持されている。
【0005】
クレーン上部構造体は、一般的に、クレーンガントリーであり、クレーンガントリーは、1つ以上のクレーンガントリーサポートを介して、クレーンハウジングの後方に装着されることが可能である。クレーンガントリーは、ブームの直径方向に反対側に提供されており、ブームがクレーンガントリーの上のラッフィングシステムを介して枢動軸線の周りに上下にラッフィングされ得るようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、レッグエンサークリングクレーンにおいて、公知のクレーンハウジングに対して改善されている、または、公知のクレーンハウジングに対する代替物を少なくとも形成する、クレーンブームの支持を提供するクレーンハウジングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1によるクレーンハウジングを提供し、それは、ボックスタイプの構築体である。
【0008】
クレーンハウジングは、環状ベースコンポーネントを含み、環状ベースコンポーネントは、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグの周りに延在するように構成されており、内側円周方向壁部と、外側円周方向壁部と、上部壁部と、底部壁部と、を有している。それは、内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に延在する隔壁をさらに含む。当技術分野で知られているように、そのような隔壁は、垂直方向平面の中に延在し、環状ベースコンポーネントに捩じり剛性を提供することが可能である。隔壁は、それらの間に角度的な間隔を伴って、旋回軸線に関して半径方向に延在しており、たとえば、角度方向において環状コンポーネントにわたって均一に分割されているということが想定される。
【0009】
本発明によれば、クレーンハウジングは、2つのサポートコンポーネントを含む。それぞれのサポートコンポーネントは、環状ベースコンポーネントの前方セグメントのそれぞれの横方向側部において、環状ベースコンポーネントに接続されている。したがって、クレーンブームからの正面図で見られると、すなわち、長手方向中心線に沿って見られると、左サポートコンポーネントおよび右サポートコンポーネントが存在している。サポートコンポーネントは、外側壁部をそれぞれ有しており、外側壁部は、2つの端部において、ベースコンポーネントの外側壁部に取り付けられている。そのうえ、サポートコンポーネントは、上部壁部および底部壁部、ならびに、サポートコンポーネントの外側壁部と環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部との間に延在する隔壁とそれぞれ有している。
【0010】
本発明によれば、クレーンハウジングは、前面コンポーネントをさらに含む。この前面コンポーネントは、ベースコンポーネントの前方セグメントの前方に提供されており、それに接続されている。それは、2つのサポートコンポーネントの間に延在しており、サポートコンポーネントを相互接続するようになっている。前面コンポーネントは、前方壁部を有しており、前方壁部は、その2つの端部のそれぞれにおいて、サポートコンポーネントのそれぞれ1つの外側壁部に取り付けられている。したがって、長手方向中心線に沿って正面図で見られるとき、前面コンポーネントの前方壁部は、その左側端部において、左サポートコンポーネントの外側壁部に取り付けられており、その右側端部において、右サポートコンポーネントに取り付けられている。前面コンポーネントは、上部壁部および底部壁部をさらに含む。前面コンポーネントの前方壁部とおよび環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部との間に延在する隔壁が提供されている。隔壁は、それらの間に角度的な間隔を伴って、旋回軸線に関して半径方向に延在しており、たとえば、角度方向において環状コンポーネントにわたって均一に分割されているということが想定される。
【0011】
本発明によれば、2つのサポートコンポーネントおよび前面コンポーネントは、前方捩じりボックスを一緒に形成しており、前方捩じりボックスは、捩じり剛性を提供し、2つのブームサポートがそれぞれのサポートコンポーネントの上にそれぞれ装着されているときに、ブームサポートに印加されるようなブームの荷重が、捩じりボックスを介してベースコンポーネントを捩じりにさらすようになっており、捩じりは、ベースコンポーネントの前方セグメントにわたって分配されている。
【0012】
有利には、ベースコンポーネントおよびサポートコンポーネントのこの配置によって、ブームサポートは、環状ベースコンポーネントから外向きに、捩じりボックスによって、より具体的には、捩じりボックスのサポートコンポーネントによって支持されている。結果として、ブームの荷重、たとえば、それから吊り下げられた物体(たとえば、風力タービンコンポーネント)の荷重を含むは、環状コンポーネントから外向きにクレーンハウジングに働かされる。
【0013】
本発明による捩じりボックスを備えた環状ベースコンポーネントを提供することによって、ブームの荷重は、外向きに下向きに、および、水平方向の捩じり軸線の周りに、環状ベースコンポーネントを捩じりにさらす。これは、ブームがさらに内向きに、とりわけ、環状コンポーネント自身の上に支持されている公知のクレーンハウジングと比較して、剪断方向において環状コンポーネントにおける不利な材料応力を低減させることが可能である。
【0014】
環状ベースコンポーネントの前方セグメントの前方において、前面コンポーネントをサポートコンポーネントと相互接続させることは、環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部に隣接した、および、その一部に沿った前方捩じりボックスの形成を結果として生じさせる。捩じりボックスは、サポートコンポーネントおよび前面コンポーネントを含む。この前方捩じりボックスは、中間構造体を形成しており、ブームの荷重は、主に捩じり力として、中間構造体を介して環状ベースコンポーネントに伝達される。ブームの荷重は、環状ベースコンポーネントへの荷重の伝達の前に、最初に捩じりボックスにわたって分配される。分配された荷重は、捩じりボックスを介して環状ベースコンポーネントに伝達され、働かされる捩じりを環状ベースコンポーネントの前方セグメントにわたって分配するようになっている。前方セグメントを介して、荷重は、環状ベースコンポーネントにわたってさらに後方に分配される。
【0015】
前方セグメントに沿ったおよび前方セグメントへの捩じりボックスの延在および接続、ならびに、前方セグメントへの荷重の伝達の前の捩じりボックスにわたる初期荷重分配は、前方セグメントに沿った不利な応力変化を低減させることが可能である。
【0016】
全体として、本発明の構成は、より均一な分配および低減された剪断応力コンポーネントの観点から、ブーム荷重に応答してクレーンハウジングのより好ましい材料応力プロファイルを結果として生じさせることが可能である。
【0017】
本発明の文脈において、後方方向は、旋回軸線に向かうブームからの水平方向を指し、前方方向は、反対の方向を指す。長手方向は、前後方向に対応している。横方向は、長手方向に対して垂直の方向である。内向き方向は、旋回軸線に向かう方向、たとえば、旋回軸線に関して半径方向であり、外向き方向は、その反対方向である。
【0018】
環状コンポーネントの隔壁は、少なくとも環状コンポーネントの前方セグメントにおいて、たとえば、環状コンポーネント全体を通して、旋回軸線に関して半径方向に延在しているということが想定される。加えて、前面コンポーネントの前方壁部は、前面コンポーネントの外側壁部に実質的に平行に走っているということが想定される。
【0019】
ある実施形態において、それぞれのサポートコンポーネントは、前方壁部を含み、前方壁部は、ブーム枢動軸線に平行であり、また、サポートコンポーネントの複数の隔壁に平行である。好適な実施形態において、前方壁部は、そのうえ、ベースコンポーネントの中の隔壁と位置合わせされている。サポートコンポーネントのこれは、環状ベースコンポーネントへの捩じりボックスの最適な接続、ひいては、環状ベースコンポーネントへの捩じりボックスによる最適な荷重伝達を提供する。
【0020】
好ましくは、サポートコンポーネントの隔壁は、クレーンハウジングの上面図で見られるときに、ブームの枢動軸線に平行に延在している。したがって、垂直方向に延在する隔壁では、隔壁は、枢動軸線に平行に垂直方向平面の中に延在しており、それらは、互いに長手方向に間隔を置いて配置されている。ブーム枢動軸線に平行に走る複数の隔壁を備えたサポートコンポーネントを提供することは、ブームサポートから環状ベースコンポーネントへの最適な荷重伝達を可能にする。さらに好適な実施形態において、環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部に接続されているサポートコンポーネントの前方壁部は、同様にブーム枢動軸線に平行である。サポートコンポーネントのこの構成は、環状ベースコンポーネントへの捩じりボックスの最適な接続、ひいては、環状ベースコンポーネントへの捩じりボックスによる最適な荷重伝達を提供する。
【0021】
ある実施形態において、サポートコンポーネントの隔壁は、ブーム枢動軸線に平行であり、環状ベースコンポーネントの隔壁と位置合わせされており、それは、環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部の他方の側に位置付けされている。そのような実施形態では、サポートコンポーネントの隔壁は、環状コンポーネントの隔壁のそれぞれ1つの外側端部から外向きに延在している。したがって、サポートコンポーネントの隔壁の内側端部は、前方セグメントにおける環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部を介して、前方セグメントのそれぞれの隔壁の外側端部に実際的に隣接している。その効果は、前方セグメントの中の関連の隔壁が、サポートコンポーネントの中において、環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部の外向きに継続すると考えられ得るということである。これは、ブーム荷重が前方セグメントに伝達されるときに、前方セグメントにかかる好ましい引張力にさらに寄与することが可能であり、また、ベース、サポート、および前面コンポーネントの構造体全体の捩じり剛性にさらに寄与することが可能である。
【0022】
ある実施形態において、前面コンポーネントの隔壁のそれぞれは、環状ベースコンポーネントの隔壁と位置合わせされており、それは、環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部の他方の側に位置付けされている。そのような実施形態では、前面コンポーネントの隔壁は、その前方セグメントにおいて、環状ベースコンポーネントの隔壁のそれぞれ1つの外側端部から外向きに、たとえば、半径方向に延在している。したがって、前面コンポーネントの隔壁のそれぞれの内側端部は、前方セグメントにおける環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部を介して、前方セグメントのそれぞれの隔壁の外側端部に実際的に隣接している。その効果は、前方セグメントの中の関連の隔壁が、環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部によって中断されるが、前面コンポーネントの中において外向きに継続すると考えられ得るということである。これは、ブーム荷重が前方セグメントに伝達されるときに、前方セグメントにかかる好ましい引張力にさらに寄与することが可能であり、また、ベース、サポート、および前面コンポーネントの構造体の捩じり剛性にさらに寄与することが可能である。
【0023】
前面コンポーネントおよびサポートコンポーネントは、追加的な隔壁を提供されることが可能であり、すなわち、前面コンポーネントにおいて半径方向に延在する隔壁、および、サポートコンポーネントにおいてブーム枢動軸線に平行に延在する隔壁に加えて、隔壁を提供されることが可能であるということが提出される。また、ある実施形態において、前面コンポーネントおよび/またはサポートコンポーネントの中のすべての隔壁が、環状ベースコンポーネントの中に提供されている隔壁と位置合わせされているわけではない。
【0024】
ある実施形態において、それぞれのサポートコンポーネントの外側壁部は、前方壁部および側壁部を含み、前方壁部は、枢動軸線に平行な垂直方向平面の中に延在しており、側壁部は、枢動軸線に対して垂直の垂直方向平面の中に延在している。この配置によって、上面図で見られるときに、サポートコンポーネントは、本質的に直角三角形を形成しており、三角形の底辺が環状ベースコンポーネントに沿って延在した状態になっており、三角形の頂点が環状コンポーネントから最も外向きに位置するポイントを形成した状態になっている。結果として、サポートコンポーネントは、ベースコンポーネントの前方セグメントにおいて、ベースコンポーネントの外側拡張部を構成している。側壁部が長手方向におよび垂直方向に延在することは、それがブームの長手方向に延在するようにし、荷重の方向に捩じり剛性を提供する。外側拡張部および捩じり剛性は、両方とも、ブームの安定した支持の利益のためのものである。
【0025】
ある実施形態において、前面コンポーネントの前方壁部の少なくとも一部、たとえば、前方壁部全体は、2つのサポートコンポーネントから前方に延在している。たとえば、ベースコンポーネントの外側円周方向壁部の少なくとも一部は、2つのサポートコンポーネントから前方に延在している。たとえば、ベースコンポーネントの内側円周方向壁部の一部は、同様に2つのサポートコンポーネントから前方に延在しており、前方セグメントの少なくとも一部が、2つのサポートコンポーネントから前方に延在するようになっている。ある実施形態において、それぞれのサポートコンポーネントおよびそれぞれのブームサポートは、旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心線から、旋回軸線に関して、30~60°の間の、たとえば、35~55°の間の、たとえば、40~50°の間、のたとえば、おおよそ45°の角度位置に提供されている。ある実施形態において、ブームサポートは、旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心軸線から所定の横方向距離をそれぞれ有しており、横方向距離は、旋回軸線に対する環状ベースコンポーネントの半径に実質的に等しいかまたはそれよりも大きい。ある実施形態において、ブームサポートは、旋回軸線を通るクレーンハウジングの横方向中心軸線から所定の長手方向距離をそれぞれ有しており、長手方向距離は、旋回軸線に対する環状ベースコンポーネントの半径に実質的に等しいかまたはそれよりも大きい。これらの実施形態は、安定したブームサポート、機械的な剛直性、および荷重分配の観点から利点を提供する。
【0026】
本発明によるクレーンハウジングの実施形態において、2つのサポートコンポーネントの上部壁部は、前面コンポーネントの上部壁部と一体的であり、したがって、上部壁部は、一体的な上部壁部を形成しており、2つのサポートコンポーネントおよび前面コンポーネントの隔壁は、そのように形成された一体的な上部壁部に接続されている。
【0027】
さらなる実施形態において、2つのサポートコンポーネントの底部壁部は、前面コンポーネントの底部壁部と一体的であり、したがって、底部壁部は、一体的な底部壁部を形成しており、2つのサポートコンポーネントおよび前面コンポーネントの隔壁は、そのように形成された一体的な底部壁部に接続されている。
【0028】
ある実施形態において、環状ベースコンポーネントの上部壁部は、2つのサポートコンポーネントの上部壁部および前面コンポーネントの上部壁部と一体的であり、環状ベースコンポーネント、2つのサポートコンポーネント、および前面コンポーネントの隔壁は、そのように形成された一体的な上部壁部に接続されている。そのような実施形態では、捩じりボックスの上部壁部は、環状ベースコンポーネントの上部壁部と位置合わせされており、それは、捩じりボックスから環状ベースコンポーネントへの最適な荷重伝達を可能にし、したがって、ロバスト性および機械的な剛直性の観点から利点を提供する。
【0029】
さらなる実施形態において、環状ベースコンポーネントの底部壁部は、2つのサポートコンポーネントの底部壁部および前面コンポーネントの底部壁部と一体的であり、環状ベースコンポーネント、2つのサポートコンポーネント、および前面コンポーネントの隔壁は、そのように形成された一体的な底部壁部に接続されている。この実施形態は、たとえば、より少ない相互接続部、より少ないパーツ、および、壁部のより少ない物理的な中断から結果として生じる、堅牢性および機械的な剛直性の観点から利点を提供し、クレーンハウジングの製作を促進させることが可能である。
【0030】
ある実施形態において、前面コンポーネントおよび2つのサポートコンポーネントの上部壁部および底部壁部(たとえば、それぞれ、1つの一体的な上部壁部および1つの一体的な底部壁部として形成されている)は、上部壁部および底部壁部の表面積にわたって、それらの間に実質的に一定の高さを画定している。結果として、これらのコンポーネントの外側壁部および隔壁は、一定の高さを有しており、上部壁部および底部壁部は、平坦になっていることが可能である。捩じりボックスと環状ベースコンポーネントの概して平坦な上部との相互接続が、促進されることが可能である。
【0031】
ある実施形態において、クレーンハウジングは、環状ベースコンポーネントの底部壁部において、旋回軸受の上に装着されることとなる。そのような実施形態では、環状ベースコンポーネントの底部壁部は、旋回軸受とクレーンハウジングとの間のインターフェースを形成している。
【0032】
ある実施形態において、2つのサポートコンポーネントおよび前面コンポーネントによって形成されている捩じりボックスは、環状ベースコンポーネントの上部セクションに接続されている。そのような実施形態では、環状ベースコンポーネントは、捩じりボックスの高さと同様の高さを有する上部セクションと、捩じりボックスの下方に延在する底部セクションとを含む。したがって、前方コンポーネントおよびサポートコンポーネントの底部壁部、たとえば、一体的な底部壁部によって形成されている捩じりボックスの底部壁部は、環状ベースコンポーネントの底部壁部から間隔を置いて配置されており、環状ベースコンポーネントの外側壁部に接続されている。
【0033】
ある実施形態において、環状ベースコンポーネントの底部セクションの高さは、環状ベースコンポーネントの上部セクションの高さの少なくとも3分の1であり、たとえば、ベースコンポーネントの上部セクションの高さの半分である。好適な実施形態において、環状ベースコンポーネントの上部セクションは、ベースコンポーネントの底部セクションの高さと同様の高さを有している。
【0034】
好適な実施形態において、前方コンポーネントおよびサポートコンポーネントの底部壁部は、水平であり、したがって、一体的な底部壁部を捩じりボックスに提供し、その一体的な底部壁部は、環状ベースコンポーネントの底部壁部から間隔を置いて配置されている。
【0035】
そのうえ、好ましくは、環状ベースコンポーネントは、環状ベースコンポーネントの底部壁部および上部壁部に平行に、中間壁部を提供されており、その中間壁部は、捩じりボックスの底部壁部、たとえば、一体的な底部壁部と水平であり、少なくとも捩じりボックスのこれらの底部壁部の内側端部と水平である。これは、捩じりボックスの底部端部における、捩じりボックスと環状ベースコンポーネントとの間の最適な接続を可能にし、したがって、使用時に、ブームを支持する捩じりボックスによって、環状ベースコンポーネントの上への捩じりとしてのブームの荷重の伝達に利益をもたらす。
【0036】
そのような実施形態では、隔壁は、環状ベースコンポーネントの上部セクションおよび環状ベースコンポーネントの底部セクションの両方に提供されている。そこでは、隔壁は、好ましくは、それらの間に角度的な間隔を伴って、旋回軸線に関して半径方向に延在しており、たとえば、角度方向において環状コンポーネントの上部セクションおよび底部セクションにわたって均一に分割されており、たとえば、垂直方向に互いに位置合わせされている。
【0037】
捩じりボックスが環状ベースコンポーネントの上側セクションに接続されている実施形態において、前面コンポーネントの中の隔壁および/またはサポートコンポーネントの中の隔壁と位置合わせされている環状ベースコンポーネントの隔壁は、環状ベースコンポーネントの上部セクションの中に位置付けされており、好ましくは、環状ベースコンポーネントの上部壁部とベースコンポーネントの中間壁部との間に延在している。そのうえ、ベースコンポーネントの上部セクションの中に提供されているこれらの隔壁は、好ましくは、環状ベースコンポーネントの底部セクションの中の隔壁と、たとえば、環状ベースコンポーネントの中間壁部の垂直方向反対側にある隔壁と位置合わせされている(すなわち、垂直方向に整合されている)。
【0038】
さらに好適な実施形態において、環状ベースコンポーネントの内側円周方向壁部は、環状ベースコンポーネントの上側セクションと下側セクションの両方に沿って、垂直である(すなわち、旋回軸線に平行である)。そして、さらに好適な実施形態では、環状ベースコンポーネントの外側円周方向壁部は、環状ベースコンポーネントの上側セクションに沿って垂直でありすなわち、旋回軸線に平行である、環状ベースコンポーネントの底部セクションに沿って傾斜されており、環状ベースコンポーネントが下向き方向にテーパー付きになるようになっている。そのような実施形態は、環状ベースコンポーネントの上側セクションが旋回軸受の上部表面よりも広くなることを可能にし、したがって、環状ベースコンポーネントの改善された構造的な剛性を可能にする。そのうえ、捩じりボックスによって環状ベースコンポーネントの上に伝達される荷重は、環状ベースコンポーネントのテーパー付きの底部セクションを介して旋回軸受に伝達され、それは、クレーンハウジングにわたる荷重分配、および、クレーンハウジングから旋回軸受に伝達されるときの旋回軸受にわたる荷重分配をさらに改善する。
【0039】
好ましくは、環状ベースコンポーネントの底部セクションは、その構造的な剛直性のために、その内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に隔壁を含む。
【0040】
一般的に、環状ベースコンポーネントの底部セクションは、有利には、環状ベースコンポーネントの上部セクションと旋回軸受との間に垂直方向に中間の構造体を提供しており、それを介して、環状ベースコンポーネントの張力が、旋回軸受に伝達される。これは、クレーンハウジングにわたって材料応力をさらに分配することが可能であり、クレーンハウジングおよび旋回軸受のより好ましい機械的な荷重プロファイルにつながることが可能である。
【0041】
環状ベースコンポーネントの底部壁部は、旋回軸受へのクレーンハウジングの、たとえば、ボルト締めによる接続のために、その底部表面において、たとえば、それと一体的な接続エレメント、たとえば、アパーチャーを有することが可能である。
【0042】
レッグエンサークリングクレーンは、典型的に、ブームを支持するためのクレーンガントリーを提供されるということが提出される。そのようなクレーンガントリーは、一般的に、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含み、圧縮部材および引張部材は、フレームであり、フレームは、2つのレッグをそれぞれ含み、2つのレッグは、それらのベースにおいてクレーンハウジングによって支持されている。圧縮部材は、クレーンハウジングの前方セグメントにおいて支持されており、引張部材は、クレーンハウジングの後方セグメントにおいて支持されている。フレームは、その上部端部において接続され、ブームを保持するためのラッフィングワイヤーを支持するためのトラスを形成している。
【0043】
ある実施形態において、クレーンハウジングは、クレーンガントリーを支持するように構成されており、クレーンガントリーは、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含み、クレーンガントリーは、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポートを提供されており、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポートは、2つのブームサポートのうちの1つにおいて、それぞれのサポートコンポーネントのうちの1つの上にそれぞれ提供されており、クレーンガントリーは、2つのクレーンガントリー引張部材サポートを提供されており、2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、環状ベースコンポーネントの後方セグメントの上にそれぞれ提供されており、また、旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心軸線から所定の横方向距離にそれぞれあり、その横方向距離は、旋回軸線に対する環状ベースコンポーネントの半径よりも小さい。
【0044】
そのような実施形態では、クレーンハウジングは、クレーンガントリーを有するクレーンとともに使用するように構成されており、クレーンガントリーは、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含み、クレーンガントリー圧縮部材は、少なくともクレーンガントリー圧縮部材のベースにおいて所定の幅を有しており、その幅は、少なくともクレーンガントリー引張部材のベースにおいて、クレーンガントリー引張部材の幅よりも大きい。
【0045】
本発明によるクレーンハウジングの実施形態において、環状ベースコンポーネントは、実質的に一定の断面を有しており、すなわち、環状ベースコンポーネントの内側円周方向壁部および外側円周方向壁部は、円形および同心円状であり、環状ベースコンポーネントの上部壁部および底部壁部は、水平方向になっている。したがって、環状ベースコンポーネントは、円形リング形状のコンポーネントを形成しており、それは、その前方セクションにおいて、捩じりボックスを提供されており、好ましくは、上部壁部を有しており、上部壁部は、捩じりボックスの上部壁部と一体的であり、すなわち、2つのサポートコンポーネントおよび前面コンポーネントの上部壁部と一体的である。
【0046】
ある実施形態において、2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、環状ベースコンポーネントの後方セグメントの垂直方向に上方に位置付けされており、上面図で見られるときに、2つのクレーンガントリー引張部材サポートが環状ベースコンポーネントと実質的に重なるようになっている。
【0047】
ある実施形態において、2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、A字形状のサポートフレームを介して環状ベースコンポーネントにそれぞれ接続されており、サポートフレームは、2つのサポートアームをそれぞれ含み、2つのサポートアームは、環状ベースコンポーネントに向かう方向に発散しており、そのサポートアームは、下側端部において、環状ベースコンポーネントに装着されている。したがって、サポートフレームは、クレーンハウジングの一体的なコンポーネントである。
【0048】
したがって、クレーンガントリー引張部材サポートにA字形状のサポートフレーム(そのサポートフレームは、クレーンガントリー引張部材サポートと環状ベースコンポーネントとの間に提供される)を提供することによって、クレーンガントリー引張サポート部材は、環状ベースコンポーネントの垂直方向に上方に位置付けされており、環状ベースコンポーネントから垂直方向に間隔を置いて配置されている。
【0049】
クレーンが使用中のときに、クレーンガントリー引張部材にかかる引張荷重は、クレーンガントリー引張部材サポートおよびサポートフレームを介して環状ベースコンポーネントに伝達される。サポートフレームは、それぞれのクレーンガントリー引張部材サポートに関してA字形状になっているので、引張荷重は、2つの隔離された、相互に間隔を置いて配置された場所において、サポートフレームのサポートアームを通して環状ベースコンポーネントに伝達される。
【0050】
先行技術では、クレーンガントリー引張部材サポートは、典型的に、クレーンハウジングの上に直接的に提供されており、引張荷重は、2つの隔離された、相互に間隔を置いて配置された場所において、クレーンハウジングにガイドされない。
【0051】
好ましくは、A字形状のサポートフレームは、垂直方向中心平面に対してそれぞれ実質的に対称的になっており、上面図で見られるときに、クレーンガントリー引張部材サポートが、それぞれのサポートフレーム、より具体的には、それぞれのサポートフレームのサポートアームが環状ベースコンポーネントに、好ましくは、環状ベースコンポーネントの上部壁部に装着される場所に関して中心に置かれるようになっている。
【0052】
そのうえ、本発明は、水平方向に間隔を離して配置されたジャッキアップレッグを含むジャッキアップ船の上で使用するための、レッグエンサークリングクレーンのためのクレーンハウジングであって、クレーンハウジングは、垂直方向旋回軸線の周りでのクレーンのクレーンハウジングの旋回運動を可能にするために、旋回軸受の上に装着されるように構成されており、旋回軸受は、旋回軸線を有しており、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグのうちの1つの周りに延在しており、クレーンハウジングの前方において、クレーンブームを枢動可能に支持し、ブームが実質的に水平方向の枢動軸線の周りに枢動的であるようになっており、また、クレーンハウジングの後方において、クレーン上部構造体、たとえば、クレーンガントリー引張部材を支持しており、
クレーンハウジングは、ボックスタイプの構築体であり、クレーンハウジングは、環状ベースコンポーネントを含み、環状ベースコンポーネントは、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグの周りに延在するように構成されており、環状ベースコンポーネントは、実質的に一定の断面を有しており、円形および同心円状である内側円周方向壁部および外側円周方向壁部と、内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に延在する上部壁部および底部壁部とを有しており、そのうえ、環状ベースコンポーネントは、内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に延在する隔壁と、上部壁部と、好ましくは底部壁部とを含み;
クレーンハウジングは、クレーンのブーム、たとえば、A字フレームブームの2つの内側端部を枢動可能に支持するために、2つのブームサポートを提供されており、前記ブームが、2つのブームサポートを通して水平方向枢動軸線の周りに枢動的になるようになっており、クレーンハウジングは、好ましくは、捩じりボックスを提供されており、それぞれのブームサポートは、捩じりボックスの一部であるサポートコンポーネントの上に装着されており、
クレーンハウジングは、クレーンガントリーを支持するように構成されており、クレーンガントリーは、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含み、クレーンハウジングは、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポートを提供されており、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポートは、2つのブームサポートのうちの1つにそれぞれ提供されており、クレーンハウジングは、2つのクレーンガントリー引張部材サポートを提供されており、2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、環状ベースコンポーネントの後方セグメントにそれぞれ位置付けされており、また、好ましくは、旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心軸線からの所定の横方向距離にそれぞれ位置付けされており、その横方向距離は、旋回軸線に対する環状ベースコンポーネントの半径よりも小さい、クレーンハウジングに関する。
【0053】
さらなる実施形態において、2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、A字形状のサポートフレームを介して環状ベースコンポーネントにそれぞれ接続されており、サポートフレームは、2つのサポートアームをそれぞれ含み、2つのサポートアームは、環状ベースコンポーネントに向かう方向に発散しており、サポートアームは、下側端部において、環状ベースコンポーネントに装着されている。
【0054】
好ましくは、サポートフレームは、クレーンハウジングの一体的なコンポーネントである。
【0055】
したがって、そのような実施形態では、2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、環状ベースコンポーネントの後方セグメントの垂直方向に上方に位置付けされており、好ましくは、上面図で見られるときに、2つのクレーンガントリー引張部材サポートが環状ベースコンポーネントと実質的に重なるようになっている。
【0056】
さらなる実施形態において、A字形状のサポートフレームのサポートアームは、ボックスタイプエレメントであり、サポートアームは、前方壁部、後方壁部、内側壁部、および外側壁部を含む。
【0057】
サポートアームのそれぞれに関して、サポートフレームのそれぞれに関して、前方壁部は、旋回軸線を通るクレーンハウジングの横方向中心軸線の方を向く、および、それに平行の外側表面を有しており、後方壁部は、旋回軸線を通るクレーンハウジングの横方向中心軸線から離れる方を向く、および、それに平行の外側表面を有している。横方向中心軸線は、ブーム枢動軸線に平行であるということが留意される。
【0058】
サポートアームのそれぞれに関して、サポートフレームのそれぞれに関して、内側壁部は、旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心軸線の方を向く、および、それに平行の外側表面を有しており、外側壁部は、旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心軸線から離れる方を向く、および、それに平行の外側表面を有している。長手方向中心軸線は、ブーム枢動軸線に対して垂直であるということが留意される。
【0059】
さらに好適な実施形態において、環状ベースコンポーネントは、少なくとも4つの隔壁を含み、少なくとも4つの隔壁は、サポートアームのそれぞれ1つにそれぞれ関連付けられており、サポートアームのそれぞれが、それに関連付けられた少なくとも1つの隔壁を有するようになっており、少なくとも1つの隔壁は、サポートアームの下側端部において環状ベースコンポーネントの中に提供されており、その隔壁は、上部端部をそれぞれ備えており、サポートアームの内側壁部または外側壁部のうちの1つと位置合わせされており、その少なくとも4つの隔壁は、ブーム枢動軸線に対して垂直である。
【0060】
サポートアームに関連付けられる少なくとも4つの隔壁は、環状ベースコンポーネントの内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に延在しており、また、サポートアームの関連の壁部と位置合わせされている上部端部をそれぞれ備えている。したがって、4つの隔壁のうちの1つの上部端部、および、サポートアームの壁部の底部端部は、環状ベースコンポーネントの上部壁部に隣接して、上部壁部の両側に位置付けされている。そのうえ、隔壁の上部端部は、したがって、サポートフレームの関連の壁部の底部端部と整合され、それと平行に走っている。したがって、使用の間に、A字形状のサポートフレームがクレーンガントリーの引張部材によって荷重をかけられているときに、4つの隔壁は、それぞれのサポートアームの関連の内側壁部または外側壁部の継続部として機能する。
【0061】
隔壁、ひいては、サポートアームの内側壁部および外側壁部は、クレーンハウジングを支持するためのものである旋回軸受の旋回軸線に対して半径方向に延在しないということが留意される。その代わりに、隔壁は、ブーム枢動軸線に対して垂直である。サポートアームおよび関連の隔壁のこの構成は、使用の間に、クレーンハウジングによって支持されているクレーンガントリーの引張部材から旋回軸受(クレーンハウジングが旋回軸受の上に装着されている)への引張荷重の最適な伝達するを提供する。
【0062】
そのうえ、本発明は、水平方向に間隔を離して配置されたジャッキアップレッグを含むジャッキアップ船の上で使用するための、レッグエンサークリングクレーンのためのクレーンハウジングであって、クレーンハウジングは、垂直方向旋回軸線の周りでのクレーンのクレーンハウジングの旋回運動を可能にするために、旋回軸受の上に装着されるように構成されており、旋回軸受は、旋回軸線を有しており、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグのうちの1つの周りに延在しており、クレーンハウジングの前方において、クレーンブームを枢動可能に支持し、ブームが実質的に水平方向の枢動軸線の周りに枢動的であるようになっており、また、クレーンハウジングの後方において、クレーン上部構造体、たとえば、クレーンガントリー引張部材を支持しており、
クレーンハウジングは、ボックスタイプの構築体であり、クレーンハウジングは、環状ベースコンポーネントを含み、環状ベースコンポーネントは、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグの周りに延在するように構成されており、環状ベースコンポーネントは、実質的に一定の断面を有しており、円形および同心円状である内側円周方向壁部および外側円周方向壁部と、内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に延在する上部壁部および底部壁部とを有しており、そのうえ、環状ベースコンポーネントは、内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に延在する隔壁と、上部壁部と、底部壁部と、を含み;
クレーンハウジングは、クレーンのブーム、たとえば、A字フレームブームの2つの内側端部を枢動可能に支持するために、2つのブームサポートを提供されており、前記ブームが、2つのブームサポートを通して水平方向枢動軸線の周りに枢動的になるようになっており、クレーンハウジングは、好ましくは、捩じりボックスを提供されており、それぞれのブームサポートは、捩じりボックスの一部であるサポートコンポーネントの上に装着されており、
クレーンハウジングは、クレーンガントリーを支持するように構成されており、クレーンガントリーは、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含み、クレーンハウジングは、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポートを提供されており、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポートは、2つのブームサポートのうちの1つにそれぞれ提供されており、クレーンハウジングは、2つのクレーンガントリー引張部材サポートを提供されており、2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、環状ベースコンポーネントの後方セグメントにそれぞれ位置付けされており、
2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、A字形状のサポートフレームを介して環状ベースコンポーネントにそれぞれ接続されており、サポートフレームは、2つのサポートアームをそれぞれ含み、2つのサポートアームは、環状ベースコンポーネントに向かう方向に発散しており、サポートアームは、下側端部において、環状ベースコンポーネントに装着されており、
A字形状のサポートフレームのサポートアームは、ボックスタイプエレメントであり、サポートアームは、前方壁部、後方壁部、内側壁部、および外側壁部を含み、
サポートアームのそれぞれに関して、サポートフレームのそれぞれに関して、前方壁部は、旋回軸線を通るクレーンハウジングの横方向中心軸線の方を向き、好ましくはそれに平行の外側表面を有しており、後方壁部は、旋回軸線を通るクレーンハウジングの横方向中心軸線から離れる方を向き、好ましくはそれに平行の外側表面を有しており、
サポートアームのそれぞれに関して、サポートフレームのそれぞれに関して、内側壁部は、旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心軸線の方を向き、好ましくはそれに平行の外側表面を有しており、外側壁部は、旋回軸線を通るクレーンハウジングの長手方向中心軸線から離れる方を向き、それに平行の外側表面を有しており、
環状ベースコンポーネントは、サポートアームのそれぞれ1つにそれぞれ関連付けられている少なくとも4つの、たとえば、8つの隔壁を含み、サポートアームのそれぞれが、それに関連付けられる少なくとも1つの隔壁を有するようになっており、隔壁は、サポートアームの下側端部において環状ベースコンポーネントの中に提供されており、上部端部をそれぞれ備えた隔壁は、サポートアームの内側壁部または外側壁部のうちの1つと位置合わせされており、その少なくとも4つの隔壁は、ブーム枢動軸線に対して垂直である、クレーンハウジングに関する。
【0063】
したがって、そのような実施形態では、2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、環状ベースコンポーネントの後方セグメントの垂直方向に上方に位置付けされており、好ましくは、上面図で見られるときに、2つのクレーンガントリー引張部材サポートが環状ベースコンポーネントと実質的に重なるようになっている。
【0064】
そのうえ、横方向中心軸線は、ブーム枢動軸線に平行であり、長手方向中心軸線は、ブーム枢動軸線に対して垂直であるということが留意される。
【0065】
サポートアームに関連付けられる少なくとも4つの隔壁は、環状ベースコンポーネントの内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に延在しており、サポートアームの関連の壁部と位置合わせされている。したがって、4つの隔壁のうちの1つの上部端部、および、サポートアームの壁部のうちの1つの底部端部は、環状ベースコンポーネントの上部壁部に隣接して、環状ベースコンポーネントの上部壁部の両側に位置付けされている。そのうえ、隔壁の上部端部は、したがって、サポートフレームの関連の壁部の底部端部と整合されており、それと平行に走っている。したがって、使用の間に、A字形状のサポートフレームは、クレーンガントリーの引張部材によって荷重をかけられており、少なくとも4つの隔壁は、それぞれのサポートアームの関連の内側壁部または外側壁部の継続部として機能する。
【0066】
隔壁、ひいては、サポートアームの内側壁部および外側壁部は、クレーンハウジングを支持するためのものである旋回軸受の旋回軸線に対して半径方向に延在しないということが留意される。その代わりに、隔壁は、ブーム枢動軸線に対して垂直である。サポートアームおよび関連の隔壁のこの構成は、使用の間に、クレーンハウジングによって支持されているクレーンガントリーの引張部材から旋回軸受(クレーンハウジングが旋回軸受の上に装着されている)への引張荷重の最適な伝達するを提供する。
【0067】
本明細書で説明されているクレーンハウジングは、中央開口部を含み、それは、環状ベースコンポーネントの内側円周方向壁部によって画定されているということが留意される。クレーンハウジングの中央開口部は、中心軸線を有しており、その中心軸線は、クレーンハウジングがその上に装着されることとなる軸受の旋回軸線と一致する。したがって、クレーンハウジングが旋回軸受の上に装着されているときに、クレーンハウジングの中央開口部の中心軸線は、旋回軸受の旋回軸線に対応している。
【0068】
そのうえ、本発明は、本明細書で説明されているようなクレーンハウジングを含むレッグエンサークリングクレーンに関する。レッグエンサークリングクレーンは、垂直方向旋回軸線の周りでのクレーンのクレーンハウジングの旋回運動を可能にするために、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグのうちの1つの周りに延在する旋回軸受と、クレーンハウジングの前方において支持されているクレーンブームと、クレーンハウジングの後方において支持されているクレーン上部構造体、たとえば、クレーンガントリーと、を含む。
【0069】
そのうえ、本発明は、ジャッキアップレッグと、船体と、説明されているようなレッグエンサークリングクレーンとを含む、ジャッキアップ船に関する。
【0070】
そのうえ、本発明は、物体をハンドリングするための、たとえば、物体を吊り上げるための方法に関し、そこでは、説明されているようなレッグエンサークリングクレーンが使用される。とりわけ、クレーンのブームの内側端部は、ここでは、有利には、ともに、環状ベースコンポーネントから外向きに、クレーンのクレーンハウジングの上に支持されており、ブームサポートに印加されるようなブームの荷重は、捩じりボックスを介してベースコンポーネントを捩じりにさらし、捩じりは、ベースコンポーネントの前方セグメントにわたって分配されている。
【0071】
そのうえ、本発明は、クレーンハウジングにおける使用のための、本明細書で説明されているような捩じりボックスであって、捩じりボックスは、サポートコンポーネントおよび前面コンポーネントを含み、クレーンハウジングの前方において、クレーンハウジングの環状コンポーネントに装着されるように構成されている、捩じりボックスに関する。
【0072】
ここで、本発明は、添付の図に示されている実施形態を参照して説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】レッグエンサークリングクレーンの中の本発明によるクレーンハウジングを上部側正面斜視図で図示する図である。
【
図2】レッグエンサークリングクレーンから隔離されている同じクレーンハウジングを同じ図で図示する図である。
【
図3】レッグエンサークリングクレーンから隔離されている同じクレーンハウジングを同じ図で図示する図である。
【
図4】同じクレーンハウジングの異なるコンポーネントをその上面図で概略的に図示する図である。
【
図5】同じクレーンハウジングを底部側正面斜視図で図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図は、本発明によるクレーンハウジング100の可能な実施形態を図示している。
図1では、クレーンハウジング100は、レッグエンサークリングクレーン1の中に示されている。クレーンハウジング100は、垂直方向旋回軸線5の周りでのクレーンのクレーンハウジング100の旋回運動を可能にするために、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグのうちの1つの周りに延在する旋回軸受(図示略)の上に装着されるように構成されている。
【0075】
そのうえ、クレーンハウジング100は、クレーンハウジングの前方においてクレーンブームを支持するように構成されている。それに加えて、クレーンハウジング100は、クレーン1のブーム、ここでは、A字フレームブームの2つの内側端部2を枢動可能に支持するために、2つのブームサポート102を提供されており、前記ブームが、2つのブームサポート102を通して水平方向枢動軸線3の周りに枢動的になるようになっている。
【0076】
そのうえ、クレーンハウジング100は、クレーンハウジング100の後方においてクレーンクレーンガントリー(ここでは示されていない)を支持するように構成されている。それに加えて、クレーンハウジング100は、クレーン1の2つのクレーンガントリーサポート、示されている実施形態では、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポート404を提供されている。
【0077】
クレーンハウジング100は、ボックスタイプの構築体である。
【0078】
図2は、クレーンハウジング100を図示しており、その一体的な上部壁部110の一部は、クレーンハウジング100の前方部において除去された状態になっており、内部構造が見えるようになっている。
【0079】
図3は、クレーンハウジング100を再び示しているが、ここでは、上部壁部110の一部の除去はなく、破線および点線によるそのいくつかのパーツのインディケーションを伴っている。
図4では、概略上面図が示されており、そこでは、これらの同じパーツの配置が見える。
【0080】
これらの図の組み合わせから検証され得るように、クレーンハウジングは、環状ベースコンポーネント105、左サポートコンポーネント108a、右サポートコンポーネント108b、および前面コンポーネント106を含む。
【0081】
環状ベースコンポーネント105は、ジャッキアップ船のジャッキアップレッグの周りに延在するように構成されている。それは、内側円周方向壁部103と、外側円周方向壁部104と、内側円周方向壁部と外側円周方向壁部との間に延在する隔壁101と、を有している。環状ベースコンポーネント105の隔壁101は、少なくとも環状ベースコンポーネントの前方セグメント107において、旋回軸線5に関して半径方向に延在している。
【0082】
2つのサポートコンポーネント108a、108bは、環状ベースコンポーネント105の前方セグメント107のそれぞれの横方向側部において、環状ベースコンポーネント105にそれぞれ接続されている。
【0083】
サポートコンポーネント108a、108bは、外側壁部112、113をそれぞれ有しており、外側壁部112、113は、2つの端部において、環状ベースコンポーネント105の外側壁部104に取り付けられている。それぞれのサポートコンポーネント108a、108bの外側壁部112、113は、前方壁部112および側壁部113を含む。前方壁部112は、枢動軸線3に平行な垂直方向平面の中に延在しており、側壁部113は、枢動軸線3に対して垂直の垂直方向平面の中に、したがって、上面図において見られたときに、長手方向軸線6に平行に(
図4を参照)延在している。
【0084】
サポートコンポーネント108a、108bは、サポートコンポーネント108a、108bの外側壁部112、113と環状ベースコンポーネント105の外側円周方向壁部104との間に延在する隔壁109をそれぞれ有している。
図2では、これらの隔壁が垂直方向平面において延在していることを見ることができる。隔壁は、クレーンハウジングの上面図で見て、ブームの枢動軸線3に平行に延在している。サポートコンポーネント108a、108bの隔壁109のそれぞれは、環状ベースコンポーネント105の前方セグメント107において、環状ベースコンポーネント105の隔壁101のそれぞれ1つの外側端部から外向きに延在している。
【0085】
前面コンポーネント106は、ベースコンポーネント105の前方において、および、2つのサポートコンポーネント108a、108bの間において、ベースコンポーネント105の前方セグメント107に接続されている。それは、左サポートコンポーネント108aを右サポートコンポーネント108bに接続している。前面コンポーネント106は、前方壁部111を有しており、前方壁部111は、その左側端部において、左サポートコンポーネント108aの前方壁部112に取り付けられており、その右側端部において、右サポートコンポーネント108bの前方壁部112に取り付けられている。
【0086】
前面コンポーネントは、前面コンポーネント106の前方壁部111と環状ベースコンポーネント105の外側円周方向壁部104との間に延在する隔壁114を有している。前面コンポーネント106の隔壁114のそれぞれは、環状ベースコンポーネント105の前方セグメント107において、環状ベースコンポーネント105の隔壁101のそれぞれ1つの外側端部から外向きに、とりわけ、半径方向に延在している。
【0087】
2つのサポートコンポーネント108a、108bおよび前面コンポーネント106は、前方捩じりボックス400を一緒に形成しており、前方捩じりボックス400は、捩じり剛性を提供する。ブームサポート102に印加されるようなブームの荷重は、捩じりボックス400を介してベースコンポーネント105を捩じりにさらし、捩じりは、ベースコンポーネント105の前方セグメント107にわたって分配されている。
【0088】
環状ベースコンポーネント105の上部壁部401は、2つのサポートコンポーネント108a、108bの上部壁部および前面コンポーネント106の上部壁部と一体的である。環状ベースコンポーネント105、2つのサポートコンポーネント108a、108b、および前面コンポーネント106の隔壁101、109、114は、そのように形成された一体的な上部壁部110に接続されている。
【0089】
図5において部分的に見ることができるように、環状ベースコンポーネント105の底部壁部は、2つのサポートコンポーネント108a、108bの底部壁部および前面コンポーネント106の底部壁部と一体的である。環状ベースコンポーネント105、2つのサポートコンポーネント108a、108b、および前面コンポーネント106の隔壁101、109、114は、そのように形成された一体的な底部壁部に接続されている。
【0090】
図4に最良に示されているように、前面コンポーネント106の前方壁部111全体は、2つのサポートコンポーネント108a、108bから前方に延在している。ベースコンポーネント105の外側円周方向壁部104の一部は、前方セグメントにおいて、同様に、2つのサポートコンポーネント108a、108bから前方に延在している。
【0091】
再び
図4を参照すると、左サポートコンポーネント108a、および、その上にあるそれぞれのブームサポート102は、旋回軸線5を通るクレーンハウジング100の長手方向中心線6から、したがって、長手方向中心線6から時計回り方向に、旋回軸線に対して40~50°の角度位置に提供されている。右サポートコンポーネント108bおよびその上にあるそれぞれのブームサポート102は、反時計回りの角度方向に長手方向中心線6から同じ角度に提供されている。ブームサポート102は、旋回軸線5を通るクレーンハウジング100の長手方向中心軸線6から所定の横方向距離をそれぞれ有しており、それは、旋回軸線5に対する環状ベースコンポーネント105の半径に実質的に等しい。ブームサポート102は、旋回軸線5を通るクレーンハウジング100の横方向中心軸線7から所定の長手方向距離をそれぞれ有しており、それは、旋回軸線5に対する環状ベースコンポーネントの半径に実質的に等しいかまたはそれよりも大きい。
【0092】
図1~
図3および
図5から見ることができるように、一体的な上部壁部110および一体的な底部壁部は、上部壁部および底部壁部の表面積全体にわたって、それらの間に実質的に一定の高さを画定している。
【0093】
図に示されている実施形態では、クレーンハウジング100は、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含むクレーンガントリーを支持するように構成されている。したがって、クレーンハウジング100は、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポート404を提供されており、2つのクレーンガントリー圧縮部材サポート404は、2つのブームサポート102のうちの1つにおいて、それぞれのサポートコンポーネント108a、108bのうちの1つの上にそれぞれ提供されている。そのうえ、クレーンハウジングは、2つのクレーンガントリー引張部材サポート405を提供されており、2つのクレーンガントリー引張部材サポート405は、環状ベースコンポーネント105の後方セグメントにそれぞれ位置付けされている。2つのクレーンガントリー引張部材サポートは、旋回軸線5を通るクレーンハウジング100の長手方向中心軸線6から所定の横方向距離にそれぞれ位置付けされており、その横方向距離は、旋回軸線に対する環状ベースコンポーネントの半径よりも小さい。そのうえ、2つのクレーンガントリー引張部材サポート405は、環状ベースコンポーネント105の後方セグメントの垂直方向に上方に位置付けされており、上面図で見られるときに、2つのクレーンガントリー引張部材サポートが405環状ベースコンポーネント105と実質的に重なるようになっている。
【0094】
したがって、クレーンハウジング100は、クレーンガントリーを有するクレーンとともに使用するように構成されており、クレーンガントリーは、クレーンガントリー圧縮部材およびクレーンガントリー引張部材を含み、クレーンガントリー圧縮部材は、少なくともクレーンガントリー圧縮部材のベースにおいて所定の幅を有しており、その幅は、少なくともクレーンガントリー引張部材のベースにおいて、クレーンガントリー引張部材の幅よりも大きい。
【0095】
そのうえ、示されている例示的な実施形態において、クレーンハウジング100の環状ベースコンポーネント105は、実質的に一定の断面を有している(たとえば、
図4を参照)。環状ベースコンポーネント105の内側円周方向壁部103および外側円周方向壁部104は、円形および同心円状であり、環状ベースコンポーネント105の上部壁部401および底部壁部402は、水平方向になっている。したがって、環状ベースコンポーネント105は、円形リング形状のコンポーネントを形成しており、それは、その前方セクションにおいて、捩じりボックス400を提供されており、示されている例示的な実施形態では、上部壁部110を有しており、上部壁部110は、捩じりボックス400の上部壁部と一体的であり、すなわち、2つのサポートコンポーネント108a、108bの上部壁部および前面コンポーネント106の上部壁部と一体的である。
【0096】
そのうえ、示されている例示的な実施形態において、2つのクレーンガントリー引張部材サポート405は、A字形状のサポートフレーム406を介して環状ベースコンポーネント105にそれぞれ接続されている。サポートフレーム406は、2つのサポートアーム407をそれぞれ含み、2つのサポートアーム407は、環状ベースコンポーネント105に向かう方向に発散している。そのうえ、サポートアーム407は、下側端部において、環状ベースコンポーネント105に装着されている。したがって、サポートフレーム406は、クレーンハウジングの一体的なコンポーネントである。
【0097】
クレーンガントリー引張部材サポート405にA字形状のサポートフレーム406(そのサポートフレームは、クレーンガントリー引張部材サポートと環状ベースコンポーネントとの間に提供される)をそれぞれ提供することによって、クレーンガントリー引張サポート部材は、環状ベースコンポーネントの垂直方向に上方に位置付けされており、環状ベースコンポーネントから垂直方向に間隔を置いて配置されている(たとえば、
図3および
図5を参照)。
【0098】
クレーンが使用中のときに、クレーンガントリー引張部材にかかる引張荷重は、クレーンガントリー引張部材サポート405およびサポートフレーム406を介して環状ベースコンポーネント105に伝達される。サポートフレーム406は、それぞれのクレーンガントリー引張部材サポートに関してA字形状になっているので、引張荷重は、2つの隔離された、相互に間隔を置いて配置された場所において、サポートフレーム406の個々のサポートアーム407を通して環状ベースコンポーネント105に伝達される。
【0099】
好ましくは、A字形状のサポートフレーム406は、垂直方向中心平面に対してそれぞれ実質的に対称的になっており(たとえば、
図3を参照)、上面図で見られるときに、クレーンガントリー引張部材サポート405が、それぞれのサポートフレーム、より具体的には、それぞれのサポートフレームのサポートアーム407が環状ベースコンポーネント105に、好ましくは、環状ベースコンポーネント105の上部壁部401に装着される場所に関して中心に置かれるようになっている。
【0100】
図に示されている例示的な実施形態では、A字形状のサポートフレーム406のサポートアーム407は、ボックスタイプエレメントである。サポートアームは、前方壁部408、後方壁部409、内側壁部410、および外側壁部411を含む。
【0101】
サポートアーム407のそれぞれに関して、サポートフレーム406のそれぞれに関して、前方壁部408は、旋回軸線5を通るクレーンハウジング100の横方向中心軸線7の方を向く、および、それに平行の外側表面を有しており、後方壁部409は、旋回軸線を通るクレーンハウジング100の横方向中心軸線7から離れる方を向く、および、それに平行の外側表面を有している。横方向中心軸線7は、ブーム枢動軸線3に平行であるということが留意される。
【0102】
サポートアーム407のそれぞれに関して、サポートフレーム406のそれぞれに関して、内側壁部410は、旋回軸線5を通るクレーンハウジング100の長手方向中心軸線6の方を向く、および、それに平行の外側表面を有しており、外側壁部411は、旋回軸線5を通るクレーンハウジング100の長手方向中心軸線6から離れる方を向く、および、それに平行の外側表面を有している。長手方向中心軸線6は、ブーム枢動軸線3に対して垂直であるということが留意される。
【0103】
そのうえ、示されている例示的な実施形態において、環状ベースコンポーネント100は、8つの隔壁を含み、8つの隔壁は、サポートアーム406に関連付けられており、サポートアーム406の下側端部において環状ベースコンポーネント100の中に提供されており、上部端部をそれぞれ備えたその隔壁は、サポートアーム406の内側壁部410または外側壁部411のうちの1つと位置合わせされており、その8つの隔壁は、ブーム枢動軸線3に対して垂直である。隔壁412は、
図2において点線によって示されている。
【0104】
サポートアーム406に関連付けられる8つの隔壁は、環状ベースコンポーネント100の内側円周方向壁部103と外側円周方向壁部104との間に延在しており、サポートアーム406の関連の壁部と位置合わせされている。したがって、8つの隔壁のうちの1つの上部端部、および、サポートアーム406の壁部408、409、410、411の底部端部は、環状ベースコンポーネント100の上部壁部401に隣接して、上部壁部401の両側に位置付けされている。そのうえ、隔壁の上部端部は、したがって、サポートフレーム406の関連の壁部の底部端部と整合され、それと平行に走っている。したがって、使用の間に、A字形状のサポートフレーム406がクレーンガントリーの引張部材によって荷重をかけられているときに、8つの隔壁は、それぞれのサポートアーム406の関連の内側壁部410または外側壁部411の継続部として機能する。
【0105】
隔壁、ひいては、サポートアームの内側壁部および外側壁部は、クレーンハウジングを支持するためのものである旋回軸受の旋回軸線に対して半径方向に延在しないということが留意される。その代わりに、隔壁は、ブーム枢動軸線に対して垂直である。サポートアームおよび関連の隔壁のこの構成は、使用の間に、クレーンハウジングによって支持されているクレーンガントリーの引張部材から旋回軸受(クレーンハウジングが旋回軸受の上に装着されている)への引張荷重の最適な伝達するを提供する。
【0106】
図5では、2つのサポートコンポーネント108a、108bおよび前面コンポーネント106によって形成されている捩じりボックス400が、環状ベースコンポーネント105の上部セクションに接続されているということが示されている。前方コンポーネントおよびサポートコンポーネントの底部壁部は、互いに一体的であり、捩じりボックス400の一体的な底部壁部を形成している。この一体的な底部壁部は、環状ベースコンポーネント105の外側壁部104に接続されており、環状ベースコンポーネント105の底部壁部から垂直方向に間隔を置いて配置されている。
【0107】
図5では、環状ベースコンポーネントが、底部セクション114を含み、底部セクション114は、クレーンハウジング100の環状ベースコンポーネント105の上部セクションに取り付けられているということを最良に見ることができる。この底部セクション114を介して、クレーンハウジング100は、旋回軸受の上に装着可能である。底部セクション114は、内側円周方向壁部103と外側円周方向壁部104との間に隔壁(図示略)を含む。
【符号の説明】
【0108】
1 レッグエンサークリングクレーン
2 内側端部
3 水平方向枢動軸線
5 旋回軸線
6 長手方向中心軸線
7 横方向中心軸線
100 クレーンハウジング
101 隔壁
102 ブームサポート
103 内側円周方向壁部
104 外側円周方向壁部
105 環状ベースコンポーネント
106 前面コンポーネント
107 前方セグメント
108a 左サポートコンポーネント
108b 右サポートコンポーネント
109 隔壁
110 上部壁部
111 前方壁部
112 外側壁部、前方壁部
113 外側壁部、側壁部
114 隔壁
400 前方捩じりボックス
401 上部壁部
402 底部壁部
404 クレーンガントリー圧縮部材サポート
405 クレーンガントリー引張部材サポート
406 A字形状のサポートフレーム
407 サポートアーム
408 前方壁部
409 後方壁部
410 内側壁部
411 外側壁部
412 隔壁
【国際調査報告】