(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】基地局整合装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/20 20160101AFI20240216BHJP
H04W 88/08 20090101ALI20240216BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20240216BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20240216BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240216BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20240216BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H02J50/20
H04W88/08
H04W16/26
H04W52/02
H02J7/00 301D
H02J50/40
H02J7/34 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527064
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 KR2022001777
(87)【国際公開番号】W WO2023146011
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0011996
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522181810
【氏名又は名称】ティージェイ イノベーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TJ INNOVATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Chunui-dong, Sambo Techno Tower)Room 2018, 122, Jomaru-ro 385beon-gil Bucheon-si Gyeonggi-do 14556 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン グァンジェ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジンギュ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュンア
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンギュ
【テーマコード(参考)】
5G503
5K067
【Fターム(参考)】
5G503AA08
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA04
5G503EA05
5G503GB09
5K067AA34
5K067AA43
5K067EE10
5K067KK03
5K067KK05
(57)【要約】
【要約】本発明は、基地局と分散アンテナシステムとの間に通信を接続する基地局整合装置であって、前記基地局と接続される第1ポート、及び前記分散アンテナシステムと接続される第2ポートを有する電力収集ユニットと、バッテリパックを含むバッテリ管理ユニットとを含み、前記電力収集ユニットは、前記第1ポートを介して伝達される信号を整流する整流部と、前記第1ポートを介して伝達される信号をカップリングして取得したサブRF信号を前記第2ポートに伝達するカプラーと、前記整流された信号を用いて前記バッテリパックに貯蔵する充電部と、を含むことを特徴とする基地局整合装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と分散アンテナシステムとの間に通信を接続する基地局整合装置であって、
前記基地局と接続される第1ポート、及び前記分散アンテナシステムと接続される第2ポートを有する電力収集ユニットと、
バッテリパックを含むバッテリ管理ユニットと、を含み、
前記電力収集ユニットは、
前記第1ポートを介して伝達される信号を整流する整流部と、
前記第1ポートを介して伝達される信号をカップリングして取得したサブRF信号を前記第2ポートに伝達するカプラーと、
前記整流された信号を用いて前記バッテリパックに貯蔵する充電部と、を含むことを特徴とする、基地局整合装置。
【請求項2】
前記整流部は、前記第1ポートを介して伝達される信号において前記カプラーによって分配された前記サブRF信号以外のメインRF信号を直流信号に整流するものであって、複数個であり、
前記電力収集ユニットは、前記カプラーを通過した前記メインRF信号を前記複数の整流素子に分配するための少なくとも1つの信号分配部と、前記複数の整流部によって整流された複数の前記直流信号を合わせるコンバイン素子とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の基地局整合装置。
【請求項3】
前記電力収集ユニットは、前記カプラーの後段に設けられ、前記カプラーを通過した前記メインRF信号が一方向にのみ進行するようにする信号分離素子をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の基地局整合装置。
【請求項4】
前記カプラーと前記複数の整流素子との間に設けられた前記分配素子は、複数個が階層的に接続されたことを特徴とする、請求項1に記載の基地局整合装置。
【請求項5】
前記バッテリ管理ユニットは、
前記電力収集ユニットの前記充電部から入力される第1電力入力ポートと、
前記基地局に供給される電源が分岐されて入力される第2電力入力ポートと、
電力を外部に出力する電力出力ポートと、
前記バッテリパック、前記第1電力入力ポート及び前記第2電力入力ポートのいずれか1つのソースを選択し、選択された前記ソースの電力を前記電力出力ポートに供給するようにする電力制御部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の基地局整合装置。
【請求項6】
前記電力制御部は、
前記バッテリパックの充電レベル、前記第1電力入力ポートに前記電力収集ユニットが接続されているか否か、及び前記第2電力入力ポートを介した外部電源の入力の有無のうちの少なくともいずれか1つによって前記ソースを選択することを特徴とする、請求項5に記載の基地局整合装置。
【請求項7】
前記電力制御部は、
前記バッテリパックの充電レベルが予め設定された閾値未満であり、かつ前記第1電力入力ポートに電力の入力がある場合、前記第1電力入力ポートに入力された電力の一部を用いて駆動され、他の一部を前記バッテリパックに充電し、
前記第2電力入力ポートに入力された電力を前記電力出力ポートに供給することを特徴とする、請求項5に記載の基地局整合装置。
【請求項8】
前記電力制御部は、
前記バッテリパックの充電レベルが予め設定された閾値未満であり、かつ前記第1電力入力ポートに電力の入力がない場合、前記第2電力入力ポートに入力された電力の一部を用いて駆動し、他の一部を前記バッテリパックに充電することを特徴とする、請求項5に記載の基地局整合装置。
【請求項9】
前記電力制御部は、
前記バッテリパックの充電レベルが予め設定された閾値以上である場合、前記バッテリパックの充電電力を用いて駆動され、前記第1電力入力ポートに入力された電力を前記バッテリパックに供給して前記バッテリパックを充電し、
前記バッテリパックを前記ソースとして選択して、前記電力出力ポートに供給することを特徴とする、請求項5に記載の基地局整合装置。
【請求項10】
前記バッテリ管理ユニットは、前記電力出力ポートを介して、前記基地局から伝達されたRF信号を受信して端末機に伝達するマスタユニット(MU;Master Unit)に電力を供給し、
前記マスタユニットは、前記基地局と前記端末機との間に信号を送受信する少なくとも1つのトランシーバーユニットが装着されるハウジングを含み、
前記ハウジングは、前記電力収集ユニット及び前記バッテリ管理ユニットが着脱可能であることを特徴とする、請求項5に記載の基地局整合装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、複数の前記電力収集ユニットと一つの前記バッテリ管理ユニットが装着された場合、前記複数の電力収集ユニットで収集された電力は、前記一つのバッテリ管理ユニットの前記バッテリパックに貯蔵されることを特徴とする、請求項10に記載の基地局整合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局(BTS;Base Transceiver System) と分散アンテナシステム(DAS;Distributed Antenna System)との間の通信接続の接続点である基地局整合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、音声、データのような様々な種類の大容量データを高速で伝送できる技術が求められるにつれ、多数の分散アンテナを用いて陰影地域を解消するか、またはカバレッジ(coverage)を拡張するために分散アンテナシステム(DAS;Distributed Antenna System)が導入されている。
【0003】
分散アンテナシステム(DAS)は、単一の基地局(base station)と有線又は専用回線で接続された多数の分散アンテナを活用したシステムであって、単一の基地局は、基地局がサービスするセルの内部に所定距離以上離れて位置する複数個のアンテナを管理する。複数個のアンテナがセル内で所定距離以上離れて分散して位置するという点で、複数個の基地局アンテナがセルの中央に集中している中央集中型アンテナシステム(centralized antenna system:CAS)と区別される。
【0004】
分散アンテナシステム(DAS)は、分散アンテナのそれぞれのユニットが当該アンテナの領域を独自で管轄するのではなく、セルの中央の基地局でセル内に位置する全ての分散アンテナの領域を管轄するという点でフェムトセル(femto cell)と区別される。また、分散アンテナのユニットが有線又は専用回線で接続されているという点で、基地局と中継局(Remote Station:RS)との間が無線で接続された多重ホップ方式のリレーシステム(relay system)又はアドホック(ad-hoc)ネットワークとも区別される。また、基地局の命令によって、分散アンテナのそれぞれが、アンテナに隣接したそれぞれの端末に互いに異なる信号を伝送できるという点で、単に信号を増幅して伝送するリピーター(repeater)構造とも区別される。
【0005】
このような分散アンテナシステム(DAS)は、分散アンテナが同時に互いに異なるデータストリームを送受信して単一又は多重の移動端末(mobile station)を支援できるという点で、一種の多重入出力(multiple input multiple output:MIMO)システムと見なすことができる。多重入出力(MIMO)システムの観点において、分散アンテナシステム(DAS)は、セル内に様々な位置に分散したアンテナにより、中央集中型アンテナシステム(CAS)に比べて各アンテナ別に伝送領域が縮小され、送信電力を減少させる効果を得ることができる。また、アンテナと端末との間の伝送距離の短縮を通じて、経路の損失を減少させてデータの高速伝送が可能なようにすることで、セルラシステムの伝送容量及び電力効率を高めることができ、セル内のユーザの位置に関係なく、中央集中型アンテナシステム(CAS)に比べて相対的に均一な品質の通信性能を満足させることができる。また、基地局と多数の分散アンテナとが有線又は専用回線で接続されているので、信号の損失が少なく、アンテナ間の相関度及び干渉が減少して、高い信号対干渉雑音比(signal to interference plus noise ratio:SINR)を有することができる。
【0006】
このように、分散アンテナシステム(DAS)は、次世代移動通信システムにおいて基地局の増設費用及びバックホールネットワークの維持費用を削減すると同時に、サービスカバレッジの拡大、チャネル容量及び信号対干渉雑音比(SINR)の向上のために、既存の中央集中型アンテナシステム(CAS)と並行するか、または中央集中型アンテナシステム(CAS)を代替してセルラ通信の新たな基盤となり得る。
【0007】
図2は、一般の分散アンテナシステムの構成図であって、
図2に示したように、分散アンテナシステム20は、基地局1と、基地局1に上りリンク(UL:Up-Link)信号を伝送したり、基地局1から下りリンク(DL;Down-Link)信号を受信したりするように接続されるユーザ端末機(UE;User Equipment)(図示せず)との間に位置し、通信信号を中継することができる。
【0008】
具体的には、基地局1と端末機との間に設けられた分散アンテナシステム20は、マスタユニット(MU;Master Unit)21、及びサービスユニット(SU;Service Unit)231,232を含むことができる。
【0009】
マスタユニット21は、基地局1と通信可能なように、好ましくは有線(一例として光ケーブル)で接続されて、端末機と基地局1との通信時に信号を中継し、必要に応じて信号を増幅したり整形したりタイミングを調節したりすることができる。
【0010】
また、サービスユニット231,232は、端末機と通信可能なように接続され、基地局1と端末機との間、またはマスタユニット21と端末機との間に位置して信号を中継することができる。
【0011】
また、必要に応じて、分散アンテナシステム20は、集線装置、すなわちハブ(hub)として、一つのマスタユニット21と複数個のサービスユニット231,232との間に信号を両方向に伝達するためのエクステンションユニット(EU;Extension Unit)22をさらに含むことができる。
【0012】
一例として、建物には基地局1と有線で接続された一つのマスタユニット21が設置され得、これ以外に、端末機と接続される複数のサービスユニット231,232、そして、一つのマスタユニット21と複数のサービスユニット231,232との間に通信信号を分配するためのエクステンションユニット22が設けられ得る。このとき、サービスユニット231,232は、通常、建物の層別に設置されることが一般的である。
【0013】
一方、
図1は、一般に基地局整合装置が設置された状態を示した構成図であって、
図1に示したように、基地局1と分散アンテナシステム20との間に基地局整合装置(POI;Point Of Interface)10が設けられ得る。
【0014】
基地局整合装置10は、基地局1と分散アンテナシステム20の相互連動接続のためのものであって、基地局1と中継器との相互連動接続は、CPRIによる方式、中間周波数(IF)による方式、RF信号連動方式などに従い、この中でRF信号連動方式は、基地局1のアンテナポートでRF信号をそのまま受信する方式であって、基地局1の高いRF信号を中継器で受信できるように、減衰器(attenuator)を用いて信号のレベルを下げなければならない。
【0015】
図3は、従来の基地局整合装置の構成図であって、
図3に示したように、従来の基地局整合装置10は、基地局1と通信可能なように接続される第1ポート11a~11d、及び分散アンテナシステム20と通信可能なように接続される第2ポート12a~12dを含み、第1ポート11a~11dを介して流入するRF信号のレベルを下げるためにカプラー(coupler)13a~13dを含むことができる。
【0016】
カプラー13a~13dは、第1ポート11a~11dを介して基地局1から流入して伝送路15a~15dに沿って伝達されるRF信号を、原信号に影響を与えずにカップリング(coupling)して、第2ポート12a~12dを介して分散アンテナシステム20に提供することができる。すなわち、カプラー13a~13dは、第1ポート11a~11dを介して流入する高い電力(約+43dbM)のRF信号を低い電力(約0dbM)のRF信号に分配して第2ポート12a~12dに提供することができる。
【0017】
このとき、第1ポート11a~11dを介して流入して伝送路15a~15dに沿って伝達されるRF信号は、カプラー13a~13dによって一部分配されたとしても、依然として高いレベルの信号が伝達されているため、伝送路15a~15dの末端部に設けられたインピーダンス14a~14dでは発熱が発生し、これを外部に放射させるために従来の基地局整合装置10には広い面積の放熱板(図示せず)が設置されている。
【0018】
このようにカプラー13a~13dを通過した高出力のRF信号はほとんど熱で消耗されるので、従来の基地局整合装置10の設置空間の温度を上昇させるだけでなく、基地局整合装置10の大きさを小型化したり、基地局整合装置10の製造コストを節減したりするのに限界がある。
【0019】
したがって、このような問題を解消するための技術の開発が切実に要求されている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、基地局の高出力のRF信号を用いてエネルギーを収集し、活用することによって、エネルギー消費効率を向上させ、発熱を抑制して装備を小型化することができる基地局整合装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、本発明は、基地局と分散アンテナシステムとの間に通信を接続する基地局整合装置であって、前記基地局と接続される第1ポート、及び前記分散アンテナシステムと接続される第2ポートを有する電力収集ユニットと、バッテリパックを含むバッテリ管理ユニットとを含み、前記電力収集ユニットは、前記第1ポートを介して伝達される信号を整流する整流部と、前記第1ポートを介して伝達される信号をカップリングして取得したサブRF信号を前記第2ポートに伝達するカプラーと、前記整流された信号を用いて前記バッテリパックに貯蔵する充電部と、を含むことを特徴とする基地局整合装置を提供する。
【0022】
一実施例によって、前記整流部は、前記第1ポートを介して伝達される信号において前記カプラーによって分配された前記サブRF信号以外のメインRF信号を直流信号に整流するものであって、複数個であり、前記電力収集ユニットは、前記カプラーを通過した前記メインRF信号を前記複数の整流素子に分配するための少なくとも1つの信号分配部と、前記複数の整流部によって整流された複数の前記直流信号を合わせるコンバイン素子とを含むことができる。
【0023】
一実施例によって、前記電力収集ユニットは、前記カプラーの後段に設けられ、前記カプラーを通過した前記メインRF信号が一方向にのみ進行するようにする信号分離素子をさらに含むことができる。
【0024】
一実施例によって、前記カプラーと前記複数の整流素子との間に設けられた前記分配素子は、複数個が階層的に接続されてもよい。
【0025】
一実施例によって、前記バッテリ管理ユニットは、前記電力収集ユニットの前記充電部から入力される第1電力入力ポートと、前記基地局に供給される電源が分岐されて入力される第2電力入力ポートと、電力を外部に出力する電力出力ポートと、前記バッテリパック、前記第1電力入力ポート及び前記第2電力入力ポートのいずれか1つのソースを選択し、選択された前記ソースの電力を前記電力出力ポートに供給するようにする電力制御部とを含むことができる。
【0026】
一実施例によって、前記電力制御部は、前記バッテリパックの充電レベル、前記第1電力入力ポートに前記電力収集ユニットが接続されているか否か、及び前記第2電力入力ポートを介した外部電源の入力の有無のうちの少なくともいずれか1つによって前記ソースを選択することができる。
【0027】
一実施例によって、前記電力制御部は、前記バッテリパックの充電レベルが予め設定された閾値未満であり、かつ前記第1電力入力ポートに電力の入力がある場合、前記第1電力入力ポートに入力された電力の一部を用いて駆動され、他の一部を前記バッテリパックに充電し、前記第2電力入力ポートに入力された電力を前記電力出力ポートに供給することができる。
【0028】
一実施例によって、前記電力制御部は、前記バッテリパックの充電レベルが予め設定された閾値未満であり、かつ前記第1電力入力ポートに電力の入力がない場合、前記第2電力入力ポートに入力された電力の一部を用いて駆動し、他の一部を前記バッテリパックに充電することができる。
【0029】
一実施例によって、前記電力制御部は、前記バッテリパックの充電レベルが予め設定された閾値以上である場合、前記バッテリパックの充電電力を用いて駆動され、前記第1電力入力ポートに入力された電力を前記バッテリパックに供給して前記バッテリパックを充電し、前記バッテリパックを前記ソースとして選択して、前記電力出力ポートに供給することができる。
【0030】
一実施例によって、前記バッテリ管理ユニットは、前記電力出力ポートを介して、前記基地局から伝達されたRF信号を受信して端末機に伝達するマスタユニット(MU;Master Unit)に電力を供給することができる。
【0031】
一実施例によって、前記マスタユニットは、前記基地局と前記端末機との間に信号を送受信する少なくとも1つのトランシーバーユニットが装着されるハウジングを含み、前記ハウジングは、前記電力収集ユニット及び前記バッテリ管理ユニットが着脱可能であってもよい。
【0032】
一実施例によって、前記ハウジングは、複数の前記電力収集ユニットと一つの前記バッテリ管理ユニットが装着された場合、前記複数の電力収集ユニットで収集された電力は、前記一つのバッテリ管理ユニットの前記バッテリパックに貯蔵されてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、基地局の高出力のRF信号を用いてエネルギーを収集し、収集したエネルギーを分散アンテナシステムの補助電源として活用することによって、エネルギー消費効率を向上させることができる。
【0034】
また、基地局整合装置の発熱を抑制して装備を小型化することができ、装備の製造コストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】一般に基地局整合装置が設置された状態を示した構成図である。
【
図2】一般の分散アンテナシステムの構成図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る基地局整合装置の構成図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るマスタユニットの外観を示した図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るバッテリ管理ユニットの動作方法に対する段階別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付の図面を参照して本明細書に開示された実施例を詳細に説明するが、図面符号に関係なく同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、これに関する重複説明は省略する。以下の説明で用いられる構成要素の接尾辞である「ユニット」及び「部」は、明細書作成の容易さのみを考慮して付与又は混用するものであって、それ自体が互いに区別される意味又は役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施例を説明するにおいて、関連する公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付の図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【0037】
「第1」、「第2」などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されない。
【0038】
前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0039】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」又は「接続されて」いると言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもあるが、その構成要素間に他の構成要素が存在することもあると理解すべきであろう。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」又は「直接接続されて」いると言及された場合には、その構成要素間に他の構成要素が存在しないと理解すべきであろう。
【0040】
単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示すものでない限り、複数の表現を含む。
【0041】
本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0042】
図4は、本発明の一実施例に係る基地局整合装置の構成図である。
【0043】
図4に示したように、本発明の一実施例に係る基地局整合装置100は、基地局1と分散アンテナシステム20との間に少なくとも1つが設置され得る。
【0044】
基地局整合装置100は、基地局1と分散アンテナシステム20との間の通信を接続し、このために、基地局整合装置100は、基地局1と接続される第1ポート111a~111d、及び分散アンテナシステム20と接続される第2ポート112a~112dを有する電力収集ユニット110を含むことができ、このとき、基地局1から入力された高出力のRF信号からエネルギーを収集して貯蔵したバッテリパック124を有するバッテリ管理ユニット120をさらに含むことができる。
【0045】
このように本発明の一実施例によれば、基地局1の高出力のRF信号を用いて電力収集ユニット110がエネルギーを収集し、収集されたエネルギーはバッテリ管理ユニット120のバッテリパック124に貯蔵された後、バッテリ管理ユニット120は、外部装置、具体的に分散アンテナシステム20に補助電源として提供することによって、エネルギー消費効率を向上させることができる。
【0046】
このとき、後述するように、電力収集ユニット110とバッテリ管理ユニット120は互いに物理的に分離されて具現され得、それぞれは、互いに着脱によって接続が開閉され得る。
【0047】
以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0048】
電力収集ユニット110は、第1ポート111a~111dを介して、これに接続された基地局1から出力されたRF信号の入力を受けることができ、カプラー(coupler)113は、第1ポート111a~111dを介して入力された高出力のRF信号から、原信号に影響を与えずに、一部を分配して低い電力のRF信号を第2ポート112a~112dに提供することができる。
【0049】
すなわち、カプラー113は、第1ポート111a~111dに接続された主な伝送路と近接して配置された線路を用いて、隣接する線路間のカップリングによって前記主な伝送路を通る電力の一部の分配を受け、分配された一部のRF信号(以下、「サブRF信号」と略称する)を第2ポート112a~112dに提供することができる。
【0050】
このとき、前記主な伝送路と近接して配置された線路は、その長さ及び線路間の間隔などによって分配される電力量を調節することができるが、本発明は、これに対して特に限定しない。
【0051】
第1ポート111a~111dに接続されて、カプラー113によって分配されずに、カプラー113を通過した高いレベルのメインRF信号は整流部116a~116dに伝達され得る。このとき、一例として、第1ポート111a~111dを介して基地局1から流入したRF信号は、約+43dbMの高い電力を有することができる。
【0052】
言い換えると、カプラー113によって分配されて第2ポート112a~112dに提供されるサブRF信号は低いレベルの電力であり、これを除いた残りの高いレベルのメインRF信号は、整流されてバッテリ管理ユニット120のバッテリパック124に充電されるため、基地局1から出力された高いレベルの電力のほとんどは充電され得、また、電力収集ユニット110からバッテリ管理ユニット120が分離されても、基地局1と分散アンテナシステム20との間の接続は維持され得る。このとき、第2ポート112a~112dに提供される低電力のRF信号は、一例として、約0dbMを有することができる。
【0053】
本発明の一実施例によって、カプラー113と第2ポート112a~112dとの間には、減衰器(attenuator)(図示せず)が設けられてもよい。減衰器は、可変減衰器であることが好ましく、入力信号のレベルを下げて一定のレベルの出力を有するようにすることが好ましい。
【0054】
他の一実施例によって、減衰器に面接して熱電素子が設けられてもよく、熱電素子は、減衰器が信号のレベルを下げる過程で発生した熱を用いて少量の電力を生産することができる。
【0055】
熱電素子はコンバイン素子117に接続されて、充電部118を通じて、生産された少量の電力をバッテリ管理ユニット120のバッテリパック124に充電することができる。
【0056】
一方、電力収集ユニット110は、第1ポート111a~111dに接続されたカプラー113の後段に、カプラー113を通過したメインRF信号が一方向にのみ進行するように、すなわち、第1ポート111a~111d側に反射されないように信号分離素子(isolator)114が設けられ得る。
【0057】
言い換えると、信号反射による反射損失(又は逆方向損失)を防止するために、カプラー113の後段には信号分離素子114が設けられ得る。
【0058】
また、カプラー113を通過した主な伝送路上のメインRF信号は、所定の波形を有するため、これを直流のDC信号に整流するために整流部116a~116dを含むことができる。本発明は、特に限定しないが、前記整流部116a~116dは、波形を有するRF信号を半波又は全波整流する整流モジュール、及び整流された信号をLPFなどを用いて平滑化(smoothing)するための平滑モジュールなどを含むことができる。
【0059】
但し、本発明の一実施例によって、電力収集ユニット110の主な伝送路上のRF信号は高出力であり、これを整流するための整流部116a~116dは所定の容量を有しているため、整流部116a~116dの正常な動作のために、電力収集ユニット110に設けられた整流部116a~116dは複数個であることが好ましい。
【0060】
電力収集ユニット110に含まれた整流部116a~116dの個数は、整流部116a~116dの容量によって変わり得るので、これに対して本発明は特に限定しないが、一例として、偶数である4個であってもよい。
【0061】
高出力のRF信号を複数の整流部116a~116dのそれぞれに分配するために、少なくとも1つの信号分配部115a~115cを含むことができる。
【0062】
信号分配部115a~115cは、入力されたメインRF信号の電力を複数に分配して出力することができる。信号分配部115a~115cは、入力されたメインRF信号に影響を与えずに、入力された電力を、一例として2つ以上に分けて出力することができ、信号分配部115a~115cの出力数よりも多い整流部116a~116dに分配する場合、前記信号分配部115a~115cは、複数個が階層的に接続され得る。
【0063】
一例として、信号分配部115a~115cが入力された電力を2つに分配し、電力収集ユニット110内の整流部116a~116dが4個である場合、
図4に示したように、3個の信号分配部115a~115cが2つの層に分かれて階層的に接続され得る。
【0064】
結局、主な線路上の高出力のRF信号は、信号分配部115a~115cによって複数個に分配されて整流部116a~116dに印加され得、整流部116a~116dは、分配されたRF信号を直流信号に整流することができる。
【0065】
複数の整流部116a~116dによって整流された直流信号は、再びコンバイン素子117によって合わせ(summation)られ得、合わせられた直流信号は充電部118に印加され得る。
【0066】
充電部118は、印加された直流信号をバッテリ管理ユニット120に伝達するためのものであって、バッテリパック124に電力を充電できるように、前記印加された直流信号の電圧を変圧(昇圧又は減圧)するためのコンバータなどを含むことができる。
【0067】
本発明の一実施例によって、電力収集ユニット110は、充電部118を媒介として、バッテリパック124を含むバッテリ管理ユニット120と接続され得る。
【0068】
バッテリパック124は、再充電可能なDCバッテリであってもよく、直列及び/又は並列に接続された複数のバッテリセルを含むことができる。これによって、電力収集ユニット110の充電部118を介して直流信号がバッテリ管理ユニット120の第1電力入力ポート121に印加され得、第1電力入力ポート121を介して入力された直流信号はバッテリパック124に印加され、バッテリパック124に電力を充電することができる。
【0069】
このようにバッテリパック124に充電された電力は、電力出力ポート123を介して外部の電子装置に電源を供給することができる。
【0070】
電力出力ポート123に接続されて電源の供給を受ける対象に対して、本発明は特に限定しないが、好ましい一実施例によって、電力出力ポート123には分散アンテナシステム20、具体的にマスタユニット21が接続され、バッテリパック124に貯蔵された電力はマスタユニット21の補助電源として使用され得る。
【0071】
一方、本発明の一実施例に係るバッテリ管理ユニット120は、充電部118から電源が入力される第1電力入力ポート121、及びバッテリ管理ユニット120の外部に電力を出力する電力出力ポート123以外に、更に他の外部電力が入力される第2電力入力ポート122を含むことができる。
【0072】
第2電力入力ポート122には、外部の商用電源が印加され得るが、本発明の一実施例によって、第2電力入力ポート122には、基地局1に供給される電源が分岐されて入力され得る。
【0073】
これによって、バッテリ管理ユニット120が電力出力ポート123を介して持続的に電源を出力しなければならないが、バッテリパック124に貯蔵された電力が予め設定された閾値未満である場合、電力制御部125は、電力スイッチ126を用いて、電力出力ポート123を介して出力される電源のソース(source)を第2電力入力ポート122として選択することができる。
【0074】
すなわち、電力制御部125は、電力スイッチ126を用いて、バッテリパック124、第1電力入力ポート121及び第2電力入力ポート122のいずれか1つのソースを選択することができ、選択されたソースの電力を電力出力ポート123に供給することができる。
【0075】
具体的な一実施例によって、バッテリ管理ユニット120の電力制御部125は、バッテリパック124の充電レベル、第1電力入力ポート121に電力収集ユニット110(又は充電部118)が接続されているか否か、及び第2電力入力ポート122を介した外部電源の入力の有無のいずれか1つによって、電力出力ポート123を介して出力しようとする電源のソースを選択することができる。
【0076】
一例として、図示のように、電力スイッチ126は、一側に、第1電力入力ポート121から電力が印加される第1入力線路I1、第2電力入力ポート122から電力が印加される第2入力線路I2、及びバッテリパック124から電力が印加される第3入力線路I3が接続され得、他側に、電力出力ポート123に電力を提供するための出力線路O1が接続されて、電力制御部125によって選択された第1~第3入力線路I1~I3のいずれか1つを出力線路O1と接続させることができる。
【0077】
具体的には、
図6は、本発明の一実施例に係るバッテリ管理ユニットの動作方法に対する段階別のフローチャートである。
【0078】
図6に示したように、本発明の一実施例に係る電力制御部125は、バッテリパック124の充電レベルを測定することができ、バッテリパック124の充電レベルを予め設定された閾値と比較することができる(S10)。
【0079】
このとき、電力制御部125は、バッテリパック124の充電レベルが予め設定された閾値未満であると、第1電力入力ポート121を介して電力が入力されるかを判断(S20)し、第1電力入力ポート121を介した入力電力が感知されると、第1電力入力ポート121を介した入力電力をバッテリパック124に印加して充電することができる。但し、電力制御部125は、前記第1電力入力ポート121を介して入力された電力の一部を用いて作動を維持することが好ましい。
【0080】
また、電力出力ポート123を介して持続的に電源を出力しようとするとき、バッテリパック124の充電レベルが低いため、電力制御部125は、電力スイッチ126を用いて、第2電力入力ポート122に入力された電力を電力出力ポート123に供給することができる(S31)。
【0081】
これとは異なり、本発明の一実施例によって、バッテリパック124の充電レベルが予め設定された閾値未満であるが、第1電力入力ポート121を介した電力の入力が感知されない場合、第2電力入力ポート122に入力された電力の一部は、バッテリパック124に供給してバッテリパック124を充電し、他の一部は、電力制御部125が作動を維持するように電力制御部125に供給することができる(S32)。
【0082】
このとき、電力制御部125は、電力出力ポート123を介して持続的に電源を出力しようとするときは、電力スイッチ126を用いてバッテリパック124をソースとして選択し、バッテリパック124に充電すると同時に、予め貯蔵された電力を電力出力ポート123を介して外部に供給することができる。
【0083】
これとは異なり、本発明の一実施例によって、バッテリパック124の充電レベルが予め設定された閾値以上であると、電力制御部125は、電力スイッチ126を用いてバッテリパック124をソースとして選択し、バッテリパック124に充電された電力を電力出力ポート123に供給することができる。バッテリパック124に貯蔵された電力の一部は、電力制御部125が作動を維持するように電力制御部125に供給され得る(S33)。
【0084】
このとき、バッテリパック124が完全充電されなかった場合、第1電力入力ポート121を介して入力された電力はバッテリパック124に供給され、バッテリパック124は追加的に充電され得る。
【0085】
一方、本発明の一実施例に係る基地局整合装置100は、従来の基地局整合装置10とは異なって、基地局1の高出力のRF信号からエネルギーを収集して、モジュール化されたバッテリ管理ユニット120に充電することができ、また、高出力のRF信号とカップリングされた信号を分散アンテナシステム20、具体的にマスタユニット21に伝達する電力収集ユニット110もモジュール化されているので、従来の基地局整合装置10での発熱を抑制して装備を小型化することができる。
【0086】
図5は、本発明の一実施例に係るマスタユニットの外観を示した図であって、
図5に示したように、一般にマスタユニット21は、端末機(UE)と基地局1との間に通信可能なように信号を中継する、すなわち、信号を送受信するための少なくとも1つのトランシーバーユニット130を含み、このとき、トランシーバーユニット130は、カード(card)の形態で具現され、筐体状のハウジング210に設けられたスロット(slot)211a~211hに向かって前後方にスライド移動して着脱され得る。
【0087】
したがって、モジュール化された電力収集ユニット110及びバッテリ管理ユニット120は、ハウジング210のスロット211a~211hに装着可能なカードの形態で具現され、マスタユニット21のハウジング210内のスロット211a~211hに着脱可能である。
【0088】
このとき、電力収集ユニット110は、バッテリ管理ユニット120と関係なく、基地局1から受信されたRF信号をトランシーバーユニット130に伝達するために、トランシーバーユニット130と共に一つのカードとして具現され、スロット211a~211hに装着されることが好ましい。
【0089】
電力収集ユニット110とは異なって、バッテリ管理ユニット120は、電力収集ユニット110の動作に影響を与えないように、電力収集ユニット110との連結が任意に着脱され得るように具現されることが好ましい。
【0090】
すなわち、前記バッテリ管理ユニット120は、電力収集ユニット110又はトランシーバーユニット130と分離された別途のカードとして具現され、マスタユニット21のハウジング210内のスロットに別途に着脱され得る。
【0091】
マスタユニット21のハウジング210に前記バッテリ管理ユニット120が装着されることによって、バッテリ管理ユニット120は、電力収集ユニット110、具体的に電力収集ユニット110の充電部118と接続がなされ得、併せて、バッテリ管理ユニット120の電力出力ポート123は、マスタユニット21の補助電源入力部(図示せず)と接続されて、バッテリ管理ユニット120のバッテリパック124に充電された電力がマスタユニット21に補助電源として供給され得るようにすることが好ましい。
【0092】
一方、前述したように、マスタユニット21のハウジング210には複数の電力収集ユニット110が装着され得、この場合、複数の電力収集ユニット110は一つのバッテリ管理ユニット120と接続され得る。
【0093】
これによって、複数の電力収集ユニット110によって収集された電力は、一つのバッテリ管理ユニット120のバッテリパック124に集中的に充電されて充電速度を高めることができ、または複数の電力収集ユニット110のいずれか1つのみが作動しても、バッテリパック124に対する充電は持続され得る。
【0094】
以上、本発明の好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明した。本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるであろう。
【0095】
したがって、本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味、範囲及びその均等概念から導かれるすべての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【国際調査報告】