(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイスの電子ディスプレイを内蔵した生体センサー
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20240216BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G06F1/16 312M
G06F1/16 312A
G06F1/16 312L
G06F3/01 515
G06F3/01 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580522
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 US2021042169
(87)【国際公開番号】W WO2023003529
(87)【国際公開日】2023-01-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517230219
【氏名又は名称】フィットビット・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FITBIT LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クワァク,ドン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ハード,トリトン
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン,イェンス・ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ウッドワード,スティーブン・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チー-チュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ガン
(72)【発明者】
【氏名】キム,デニス・ジスン
(72)【発明者】
【氏名】スク,マイク
(72)【発明者】
【氏名】パシュケ,ブライアン・デニス
(72)【発明者】
【氏名】リー,コディー・デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ボラ,ジェフリー・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バーマ,リツ
(72)【発明者】
【氏名】ベレイッター,ピエリス
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA01
5E555BA08
5E555BA21
5E555BB08
5E555BC04
5E555CA41
5E555CB69
5E555FA00
(57)【要約】
ウェアラブルコンピューティングデバイスは、外周および最も外側の上面を規定する外側カバーと、外側カバーの内面によって少なくとも一部が規定される内部スペースとを含む。また、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、内部スペース内に配置される電子ディスプレイおよび電子ディスプレイモジュールコネクタを備える。さらには、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、外側カバーの最も外側の上面に配置され、外側カバーの1つ以上の側縁部を内部スペースまで包む少なくとも1つの生体センサー電極を備える。また、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、内部スペース内に配置されるプリント配線基板を備える。これに加えて、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、電子ディスプレイモジュールコネクタを通してプリント配線基板に生体センサー電極(複数可)を電気的に接続する導電材料を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
外周および最も外側の上面を規定する外側カバーと、
前記外側カバーの内面によって少なくとも一部が規定される内部スペースと、
前記内部スペース内に配置される電子ディスプレイおよび電子ディスプレイモジュールコネクタと、
前記外側カバーの前記最も外側の上面に配置され、前記外側カバーの1つ以上の側縁部を前記内部スペースまで包む少なくとも1つの生体センサー電極と、
前記内部スペース内に配置されるプリント配線基板と、
前記電子ディスプレイモジュールコネクタを通して前記プリント配線基板に前記少なくとも1つの生体センサー電極を電気的に接続する導電材料とを備える、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記外側カバーの前記外周に沿って配置される封止材をさらに含み、前記内部スペースは、前記外側カバーの内面および前記封止材の内縁部によって規定され、前記少なくとも1つの生体センサー電極は、前記外側カバーの1つ以上の側縁部と、前記封止材の内縁部とを前記内部スペースまで包む、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記導電材料は、両面導電テープ、両面導電フォーム、片面導電テープ、片面導電フォーム、導電接着剤、異方性導電膜、またはそれらの組合せのうち、少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの生体センサー電極と前記プリント配線基板との間の前記導電材料は、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームを含み、両面導電テープまたは前記両面導電フォームは、前記外側カバーの底面と前記電子ディスプレイの上面との間に挟まれる、請求項3に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームと前記電子ディスプレイの上面との間に配置される導体パッドをさらに備える、請求項3または4に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記導体パッドは、金属薄膜を含む、請求項5に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記プリント配線基板は、前記導体パッドの端部に電気的に連結される、請求項5に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記プリント配線基板は、前記導体パッドに隣接して配置され、前記導体パッドの底面に電気的に接続される、請求項5に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの生体センサー電極と前記プリント配線基板との間の前記導電材料は、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームを含み、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームは、前記プリント配線基板の上面にある、請求項3に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの生体センサー電極は、少なくとも、第1の生体センサー電極と、第2の生体センサー電極とを含み、前記第1の生体センサー電極と前記第2の生体センサー電極とは、間隙によって間隔が空けられる、先行する請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記第1の生体センサー電極および前記第2の生体センサー電極は、前記プリント配線基板の同じ側に配置される、請求項10に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記第1の生体センサー電極および前記第2の生体センサー電極は、前記プリント配線基板の両側に配置される、請求項10に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの生体センサー電極は、PVD(物理気相成長)センサーパッドを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記外側カバーは、ガラス、ポリカーボネート、またはアクリルのうち、少なくとも1つから構成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つの生体センサー電極は、ECG(心電図)センサーまたはEDA(皮膚電気活動)センサーのうち、少なくとも一方を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
ウェアラブルコンピューティングデバイスの組み立て方法であって、
外周および最も外側の上面を規定する外側カバーを設けるステップを含み、前記外側カバーの内面は、内部スペースを規定し、前記方法は、さらに、
前記外側カバーの前記最も外側の上面に少なくとも1つの生体センサー電極の第1部分を配置し、前記少なくとも1つの生体センサー電極の第2部分が前記内部スペース内に収まるよう、前記第2部分で前記外側カバーの1つ以上の側縁部を包むステップと、
電子ディスプレイおよび電子ディスプレイモジュールコネクタを前記内部スペース内に配置するステップと、
プリント配線基板を、前記電子ディスプレイに隣接して前記内部スペース内に配置するステップと、
少なくとも1つの導電材料を介して前記電子ディスプレイモジュールコネクタを通して前記プリント配線基板に前記少なくとも1つの生体センサー電極を電気的に接続するステップとを含む、方法。
【請求項17】
前記プリント配線基板を通して前記電子ディスプレイモジュールコネクタに前記少なくとも1つの生体センサー電極を電気的に接続するステップは、前記外側カバーの底面と前記電子ディスプレイの上面との間、または前記プリント配線基板の上面に前記少なくとも1つの導電材料を配置するステップをさらに含み、前記少なくとも1つの導電材料は、両面導電テープ、両面導電フォーム、片面導電テープ、片面導電フォーム、導電接着剤、異方性導電膜、またはそれらの組合せのうち、少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの生体センサー電極と前記プリント配線基板との間にある前記導電材料は、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームを含み、前記外側カバーと、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームと、前記少なくとも1つの生体センサー電極とを積層するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームに隣接して導体パッドを配置するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記導体パッドの端部に前記プリント配線基板を電気的に接続するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、概して、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関し、特に、ウェアラブルコンピューティングデバイスのカバーの上面に内蔵される生体センサー電極に関し、これにより、表面積を大きくし、かつ、当該センサーの信号品質を向上させる。
【背景技術】
【0002】
背景
パーソナルヘルスにおける最近の消費者の関心は、市場で提供されている多種多様なパーソナルヘルスモニタリングデバイスである。最近のセンサー、電子機器、および電源の小型化の進展によって、パーソナルヘルスモニタリングデバイス(本明細書において、「生体トラッキング」デバイスまたは「生体モニタリング」デバイスとも称す)のサイズを、これまで実現不可能であった極端に小さいサイズで提供できるようになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの生体モニタリングデバイスは、心拍数、カロリー燃焼、登った階数および/もしくは降りた階数、位置および/または進行方向、標高、歩行速度および/もしくは移動距離といった種類の情報などのうち、1つ以上を収集、導出、ならびに/または提供し得る。ウェアラブルコンピューティングデバイスの場合、前面または上面は、通常、大型の電子ディスプレイによって占められており、特定の素材(ガラス、ポリカーボネート、アクリルなど)から構成される光学的に透明なカバーによって覆われていることが多い。このカバーは、その外周に封止材を必要とすることが多く、電子ディスプレイのカバーを電子ディスプレイ自体のアクティブエリアよりも大きくしてしまう。
【0004】
したがって、本開示は、このようなウェアラブルコンピューティングデバイスのカバーの上面に内蔵される生体センサー電極に関し、これにより、表面積を大きくし、かつ、当該センサーの信号品質を向上させる。カバー上に生体センサー電極を実装することによって、ユーザは、より人間工学にかなった方法でセンサーにアクセス可能になり、ユーザは、小さな表面上で器用になる必要なく、体の様々な四肢(手のひら、指、足など)に接触できるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示の実施の形態の態様および利点の一部については、下記の説明において説明する、または当該説明から理解できる、または、実施の形態を実施することによって理解できる。
【0006】
本開示の1つの例示的な態様は、ウェアラブルコンピューティングデバイスを対象とする。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、外周および最も外側の上面を規定する外側カバーと、外側カバーの内面によって少なくとも一部が規定される内部スペースとを備える。また、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、内部スペース内に配置される電子ディスプレイおよび電子ディスプレイモジュールコネクタを備える。さらには、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、外側カバーの最も外側の上面に配置され、外側カバーの1つ以上の側縁部を内部スペースまで包む少なくとも1つの生体センサー電極を備える。また、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、内部スペース内に配置されるプリント配線基板を備える。これに加えて、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、電子ディスプレイモジュールコネクタを通してプリント配線基板に生体センサー電極(複数可)を電気的に接続する導電材料を備える。さらには、導電材料は、低抵抗パスを規定する。
【0007】
本開示の別の例示的な態様は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの組み立て方法を対象とする。この方法は、外周および最も外側の上面を規定する外側カバーを設けるステップを含み、外側カバーの内面は、内部スペースを規定する。また、方法は、外側カバーの最も外側の上面に少なくとも1つの生体センサー電極の第1部分を配置し、少なくとも1つの生体センサー電極の第2部分が内部スペース内に収まるよう、第2部分で外側カバーの1つ以上の側縁部を包むステップを含む。さらには、方法は、電子ディスプレイおよび電子ディスプレイモジュールコネクタを内部スペース内に配置するステップを含む。また、方法は、プリント配線基板を、電子ディスプレイに隣接して内部スペース内に配置するステップを含む。これに加えて、方法は、少なくとも1つの導電材料を介して電子ディスプレイモジュールコネクタを通してプリント配線基板に生体センサー電極(複数可)を電気的に接続するステップを含む。さらには、導電材料(複数可)は、低抵抗パスを規定する。
【0008】
本開示のその他の態様は、様々なシステム、様々な装置、様々な非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体、様々なユーザーインタフェース、および様々な電子機器を対象とする。
【0009】
本開示の様々な実施の形態のこれらのおよびその他の特徴、態様、および利点については、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することによりさらに理解できるようになるであろう。本明細書に組み込まれている本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な実施の形態を例示し、本明細書と合わせて、関連する原理を説明する役割を果たす。
【0010】
図面の簡単な説明
当業者に向けた実施の形態の詳細な説明を本明細書に記載する。当該説明では、以下の添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの斜視図である。
【
図2】
図1のウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイの上面図である。
【
図3】
図1のウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイの側面図である。
【
図4】
図1のウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイの分解図である。
【
図5】
図1のウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイを上から見た透明な斜視図を示す。
【
図6】
図1のウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイの透明な上面図である。
【
図7】
図1のウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイの透明な底面斜視図である。
【
図8】
図1のウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイの様々な電気接続の概略図である。
【
図9】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの例示的なコンピューティングシステムのブロック図である。
【
図10】本開示の一実施の形態に係る2次元ウェアラブルコンピューティングデバイスの側面図であり、特に、外側カバーの最も外側の上面に一部があり、外側カバーの内面に一部がある生体センサー電極を、電子ディスプレイモジュールコネクタを通してプリント配線基板またはフレキシブル配線基板に電気的に接続する両面導電テープまたは両面導電フォームを示す。
【
図11】本開示の一実施の形態に係る3次元ウェアラブルコンピューティングデバイスの側面図であり、特に、外側カバーの最も外側の上面に一部があり、外側カバーの内面に一部がある生体センサー電極を、電子ディスプレイモジュールコネクタを通してプリント配線基板またはフレキシブル配線基板に電気的に接続する両面導電テープまたは両面導電フォームを示す。
【
図12】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの電子ディスプレイ上に配置された両面導電テープまたは両面導電フォームの上面図である。
【
図13】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの上面図であり、特に、ウェアラブルコンピューティングデバイスの電子ディスプレイ上に配置された両面導電テープまたは両面導電フォームを示す。
【
図14】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの断面図であり、特に、プリント配線基板の両側に配置され、外側カバーの底面と電子ディスプレイの上面との間に配置された第1の生体センサー電極および第2の生体センサー電極を示す。
【
図15】本開示の別の実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの電子ディスプレイ上に配置された両面導電テープまたは両面導電フォームの上面図である。
【
図16】本開示の別の実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの上面図であり、特に、プリント配線基板の上面に載置された両面導電テープまたは両面導電フォームを示す。
【
図17】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの断面図であり、特に、プリント配線基板の両側に配置され、プリント配線基板の上面に載置された第1の生体センサー電極および第2の生体センサー電極を示す。
【
図18】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの断面図であり、特に、プリント配線基板の同じ側に配置された第1の生体センサー電極および第2の生体センサー電極を示す。
【
図19】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの後方側の部分斜視図であり、特に、片面導電テープを介してプリント配線基板に電気的に接続された第1の生体センサー電極および第2の生体センサー電極を示す。
【
図20】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの別の後方側の部分斜視図であり、特に、片面導電テープを介してプリント配線基板に電気的に接続された第1の生体センサー電極および第2の生体センサー電極を示す。
【
図21】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの部分側面図であり、特に、片面導電テープおよび導電接着剤を介してプリント配線基板に電気的に接続された第1の生体センサー電極および第2の生体センサー電極を示す。
【
図22】
図16のウェアラブルコンピューティングデバイスの部分後方図であり、特に、片面導電テープおよび導電接着剤を介してプリント配線基板に電気的に接続された第1の生体センサー電極および第2の生体センサー電極を示す。
【
図23】本開示の一実施の形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの部分側面図であり、特に、異方性導電膜を介してプリント配線基板に電気的に接続された第1の生体センサー電極および第2の生体センサー電極を示す。
【
図24】本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイスの組み立て方法の一実施の形態を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
ここで、本発明の実施の形態について詳細に説明する。実施の形態の1つ以上の実施例を添付の図面に示す。各実施例は、本発明の限定としてではなく、本発明の例示として提供されている。実際には、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく様々な変更および変形が本発明に加えられることは、当業者であれば分かるであろう。たとえば、一実施の形態の一部として図示または説明する特徴を別の実施の形態とともに用いて、さらに別の実施の形態をもたらすことができる。よって、本発明の範囲には添付の請求項およびその均等物の範囲に含まれるこのような変更および変形が含まれることが意図されている。
【0013】
概要
ウェアラブルコンピューティングデバイスの場合、前面または上面は、通常、大型の電子ディスプレイによって占められており、特定の素材(ガラス、ポリカーボネート、アクリルなど)から構成される光学的に透明なカバーによって覆われていることが多い。このカバーは、その外周に封止材を必要とすることが多く、電子ディスプレイのカバーを電子ディスプレイ自体のアクティブエリアよりも大きくしてしまう。したがって、本開示は、このようなウェアラブルコンピューティングデバイスのカバーの上面に内蔵される生体センサー電極に関し、これにより、表面積を大きくし、かつ、当該センサーの信号品質を向上させる。カバー上に生体センサー電極を実装することによって、ユーザは、より人間工学にかなった方法でセンサーにアクセス可能になり、ユーザは、小さな表面上で器用になる必要なく、体の様々な四肢(手のひら、指、足など)に接触できるようになる。
【0014】
カバーの上面に作られた生体センサー電極を導通状態するために、当該センサーをウェアラブルコンピューティングデバイス内のシステムボードにある(主回路を含んだ)センスハブに電気的に接続する必要がある。よって、本開示は、生体センサー電極とウェアラブルコンピューティングデバイスの主回路との間にある導電材料の改良も対象とする。このように、本開示は、効率的かつ効果的な導電材料を電子ディスプレイモジュールを通してプリント配線基板またはフレキシブル配線基板に電気的に接続すること、および効率的かつ効果的な導電材料をウェアラブルコンピューティングデバイスの主回路内に電気的に接続することを可能にする。特に、本開示の改良された導電材料のフィードスルーの電気抵抗は低く、この導電材料は、余分なスペースを必要としない。また、内蔵された生体センサー電極により、コストを増やしたり信頼性を下げたりすることなく組立工程を容易にすることが可能になる。
【0015】
たとえば、実施の形態では、導電フォームおよび接着剤(ACF(異方性導電膜)および銀エポキシなど)との直接/間接的接続が用いられてもよい。このような実施の形態では、PVD(物理気相成長)導体パッドが上面に配置され、カバーのセンサー金属底面と電子ディスプレイモジュールの上面との間に挟まれる。次に、センサー金属底面とPVD導体パッドとの間に、抵抗が低い導電フォームが配置され、生体センサー電極をPVD導体パッド(複数可)に接続する。さらには、上面にあるPVD導体パッド(複数可)は、電子ディスプレイモジュールコネクタを通してフレキシブルプリント配線(FBC)に接続される。従来のFPCボンディング工程によって、ACFなどの接着剤を用いてFBCが上面に接着される。また、電子ディスプレイモジュールコネクタは、主回路が位置するデバイスの本体に固定される。
【0016】
特に、生体センサー電極とウェアラブルコンピューティングデバイスの主回路との間に導電材料を設けることによって、たとえば、小型かつ堅牢な設計のウェアラブルコンピューティングを得ることが可能になる。
【0017】
ここで、図面を参照しながら、本開示の例示的な実施の形態について詳細に説明する。
例示的なデバイスおよびシステム
ここで図面を参照すると、
図1は、本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイス100の斜視図を示す。特に、図に示すように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、リストウォッチのように人の腕に装着され得る。これに加えて、図に示すように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100に関連する電子機器を収容する筐体102を有する。さらには、図に示すように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、1つ以上のボタン104と、筐体102を通してアクセス可能/視認可能な電子ディスプレイ106とを備える。いくつかの実施の形態では、たとえば、ボタン(複数可)404を実装して、心拍センサーを起動させて心拍データを収集させるための機構を設け得る。また、実施の形態では、電子ディスプレイ106は、電子機器パッケージ110(本明細書において、電子ディスプレイモジュールコネクタとも称す)を被覆し得る。電子機器パッケージ110も筐体102で収容される。これに加えて、図に示すように、リストバンド108が筐体102に一体化されてもよい。
【0018】
ここで
図2~
図7を参照すると、本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイス100の筐体102の様々な図が示されている。特に、
図2は、本開示に係る筐体102の一実施の形態の上面図を示す。
図3は、本開示に係る筐体102の一実施の形態の側面図を示す。
図4は、本開示に係る筐体102の一実施の形態の分解側面図を示す。
図5は、本開示に係る筐体102の一実施の形態の透明な斜視図を示す。
図6は、本開示に係る筐体102の一実施の形態の透明な上面図を示す。
図7は、本開示に係る筐体102の一実施の形態の透明な斜視図を示す。
図8は、本開示に係る筐体102内の電子機器パッケージ110の一実施の形態の背面図である。
【0019】
さらには、
図2~
図7に概して示されているように、筐体102は、最も外側の上面114と外周116とを規定する外側カバー112を含む。たとえば、実施の形態では、外側カバー112は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル、または同様の材料から構成され得る。よって、
図7に具体的に示すように、内部スペース118の少なくとも一部は、外側カバー112の内面120によって規定される。これに加えて、
図5および
図7に示すように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、外側カバー112の外周116に沿って配置される封止材115を備え得る。よって、このような実施の形態では、
図7に示すように、内部スペース118は、外側カバー112の内面120と、封止材115の内縁部117とによって規定される。したがって、図に示すように、本明細書においてさらに説明するが、電子ディスプレイ106および電子ディスプレイモジュールコネクタ110は、内部スペース118内に配置され得る。
【0020】
これに加えて、
図2~
図7に示すように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、第1の生体センサー電極122および第2の生体センサー電極124など、少なくとも1つの生体センサー電極をさらに備える。当該少なくとも1つの生体センサー電極は、外側カバー112の最も外側の上面114に配置され、外側カバー112の1つ以上の側縁部を内部スペース118まで包む(たとえば、
図7を参照)。よって、図に示すように、実施の形態では、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ペアで載置される2つのセンサー電極122、124を備え得る。このような実施の形態では、2つのセンサー電極122、124は、ディスプレイ範囲に重なり合った空間を有し得る。
【0021】
たとえば、
図7に示すように、実施の形態では、生体センサー電極(複数可)122、124は、外側カバー112の側端部および封止材115の内縁部117を内部スペース118まで包む。さらには、このような実施の形態では、
図2~
図7に概して示すように、第1の生体センサー電極122と第2の生体センサー電極124とは、1つ以上の間隙126によって間隔が空けられ得る。より具体的には、
図2に示すように、第1の生体センサー電極122と第2の生体センサー電極124とは、外側カバー112の両側にある複数の間隙126によって間隔が空けられ得る。すなわち、図に示すように、2つのセンサー電極122と124との間には空間があり、プリント配線基板のボンディング領域を回避し得る。
【0022】
また、
図8に示すように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、内部スペース118内、すなわち、電子ディスプレイ106の後方側に配置されたプリント配線基板128を備える。よって、実施の形態では、
図8および
図12に示すように、第1の生体センサー電極122および第2の生体センサー電極124は、プリント配線基板128の両側に配置される。これに代えて、
図18に示すように、第1の生体センサー電極122および第2の生体センサー電極124は、プリント配線基板128の同じ側に配置される。さらには、特定の実施形態では、本明細書において説明する生体センサー電極(複数可)122、124は、各々、PVD(物理気相成長)センサーパッドを含み得る。これに加えて、実施の形態では、本明細書において説明する生体センサー電極(複数可)122、124は、ECG(心電図)センサー、EDA(皮膚電気活動)センサー、またはその他の適したセンサーの種類を含み得る。
【0023】
したがって、本明細書において説明する生体センサー電極(複数可)122、124は、仲介する材料を通して電子ディスプレイモジュールコネクタ110に接続され得る。電子ディスプレイモジュールコネクタ110は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100を操作するように構成されたコンピューティングシステムを含み得る。特に、
図9に示すように、本開示の例示的な実施の形態に係る例示的なコンピューティングシステム150のブロック図を示す。さらには、図に示すように、実施の形態では、コンピューティングシステム150は、ユーザコンピューティングデバイス152と、サーバコンピューティングシステム160と、訓練用コンピューティングシステム170とを備え、これらはネットワーク180で通信可能に連結される。よって、実施の形態では、ユーザコンピューティングデバイス152の構成要素は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100の一部であり得る。
【0024】
特に、図に示すように、ユーザコンピューティングデバイス152は、1つ以上のプロセッサ154と、メモリ155とを備える。1つ以上のプロセッサ154は、任意の適切な処理装置(たとえば、プロセッサコア、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、FPGA、コントローラ、マイクロコントローラなど)であり得、1つのプロセッサであってもよく、機能するように互いに接続された複数のプロセッサであってもよい。メモリ155は、RAM、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ装置、磁気ディスクなど、1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、およびそれらの組合せを含み得る。メモリ155は、データ156および命令157を格納し得る。命令157は、プロセッサ154によって実行され、ユーザコンピューティングデバイス152に動作を実行させる。
【0025】
いくつかの実施態様では、ユーザコンピューティングデバイス152は、1つ以上のモデル158を格納または含み得る。たとえば、実施の形態では、モデル(複数可)158は、ニューラルネットワーク(たとえば、ディープニューラルネットワーク)などの様々な機械学習済みモデル、または、非線形モデルおよび/もしくは線形モデルを含むその他の種類の機械学習済みモデルであり得、そうでない場合、これらを含み得る。ニューラルネットワークは、フィードフォワードニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク(たとえば、LSTM(Long Short-Term Memory)再帰型ニューラルネットワーク)、畳み込みニューラルネットワーク、またはその他の形態のニューラルネットワークを含み得る。
【0026】
よって、いくつかの実施態様では、モデル(複数可)158は、ネットワーク180上でサーバコンピューティングシステム160から受信され、ユーザコンピューティングデバイスメモリ155に格納された後、プロセッサ(複数可)154によって使われ、そうでない場合、プロセッサ(複数可)154によって実装される。これに加えてまたはこれに代えて、1つ以上のモデル168は、クライアントとサーバとの関係に従ってユーザコンピューティングデバイス152と通信するサーバコンピューティングシステム160に含まれ得、そうでない場合、サーバコンピューティングシステム160に格納され、サーバコンピューティングシステム160によって実装され得る。よって、モデル(複数可)158は、ユーザコンピューティングデバイス152に格納もしくは実装され得、および/または、モデル(複数可)168は、サーバコンピューティングシステム160に格納もしくは実装され得る。
【0027】
また、ユーザコンピューティングデバイス152は、ユーザ入力を受け付ける1つ以上のユーザ入力装置159を備え得る。たとえば、ユーザ入力装置159は、ユーザ入力オブジェクト(たとえば、指またはスタイラス)のタッチに反応するタッチセンサー式装置(たとえば、タッチセンサー式表示画面またはタッチパッド)であり得る。タッチセンサー式装置は、仮想キーボードを実装するように機能し得る。その他の例示的なユーザ入力装置は、マイクロフォン、従来のキーボード、またはユーザがユーザ入力を行えるその他の手段を含む。
【0028】
サーバコンピューティングシステム160は、たとえば、パーソナルコンピューティングデバイス(たとえば、ラップトップもしくはデスクトップ)、モバイルコンピューティングデバイス(たとえば、スマートフォンもしくはタブレット端末)、ゲーム機もしくはゲームコントローラ、ウェアラブルコンピューティングデバイス、埋め込み型コンピューティングデバイス、またはその他の種類のコンピューティングデバイスなど、任意の種類のコンピューティングデバイスであり得る。さらには、図に示すように、サーバコンピューティングシステム160は、1つ以上のプロセッサ162と、メモリ164とを備える。プロセッサ(複数可)162は、任意の適切な処理装置(たとえば、プロセッサコア、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、FPGA、コントローラ、マイクロコントローラなど)であり得、1つのプロセッサであってもよく、機能するように互いに接続された複数のプロセッサであってもよい。メモリ164は、RAM、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ装置、磁気ディスクなど、1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、およびそれらの組合せを含み得る。メモリ164は、データ156および命令166を格納し得る。命令166は、プロセッサ162によって実行され、サーバコンピューティングシステム160に動作を実行させる。
【0029】
いくつかの実施態様では、サーバコンピューティングシステム160は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを備え、そうでない場合、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスによって実装される。サーバコンピューティングシステム160が複数のサーバコンピューティングデバイスを備えている場合、これらのサーバコンピューティングデバイスは、逐次コンピューティングアーキテクチャ、並列コンピューティングアーキテクチャ、またはそれらの組合せに従って動作し得る。
【0030】
上述したように、サーバコンピューティングシステム160は、1つ以上のモデル168を格納し、そうでない場合、1つ以上のモデル168を備える。たとえば、モデル(複数可)168は、様々な機械学習済みモデルであり得、そうでない場合、様々な機械学習済みモデルを含み得る。機械学習済みモデルとして、ニューラルネットワークまたはその他の多層非線形モデルなどが挙げられる。ニューラルネットワークとして、フィードフォワードニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク、および畳み込みニューラルネットワークなどが挙げられる。
【0031】
ユーザコンピューティングデバイス152および/またはサーバコンピューティングシステム160は、ネットワーク180上で通信可能に連結された訓練用コンピューティングシステム170とのやり取りを介してモデル158および/または168を訓練し得る。訓練用コンピューティングシステム170は、サーバコンピューティングシステム160とは別個であってもよく、サーバコンピューティングシステム160の一部であってもよい。
【0032】
訓練用コンピューティングシステム170は、1つ以上のプロセッサ172と、メモリ174とを備える。プロセッサ(複数可)172は、任意の適切な処理装置(たとえば、プロセッサコア、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、FPGA、コントローラ、マイクロコントローラなど)であり得、1つのプロセッサであってもよく、機能するように互いに接続された複数のプロセッサであってもよい。メモリ174は、RAM、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ装置、磁気ディスクなど、およびそれらの組合せなどの1つ以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。メモリ174は、データ175および命令176を格納し得る。命令176は、プロセッサ172によって実行され、訓練用コンピューティングシステム170に動作を実行させる。いくつかの実施態様では、訓練用コンピューティングシステム170は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを備え、そうでない場合、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスによって実装される。また、訓練用コンピューティングシステム170は、様々な訓練技術または学習技術を用いてユーザコンピューティングデバイス152および/またはサーバコンピューティングシステム160に格納された機械学習済みモデル158および/または168を訓練するモデルトレーナー177を備え得る。特に、実施の形態では、モデルトレーナー177は、訓練データセット178に基づいてモデル158および/または168を訓練し得る。
【0033】
モデルトレーナー177は、所望の機能をもたらすために利用されるコンピュータ論理を含む。モデルトレーナー177は、汎用プロセッサを制御するハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアで実装できる。たとえば、いくつかの実施態様では、モデルトレーナー177は、記憶装置に格納されてメモリに読み込まれ、1つ以上のプロセッサによって実行されるプログラムファイルを含む。その他の実施態様では、モデルトレーナー177は、RAM、ハードディスク、または光学もしくは磁気媒体など、有形のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納される1つ以上のコンピュータ実行可能な命令セットを含む。
【0034】
ネットワーク180は、ローカルエリアネットワーク(たとえば、イントラネット)、ワイドエリアネットワーク(たとえば、インターネット)、またはそれらの組合せなど、任意の種類の通信ネットワークであり得、任意の数の有線リンクまたはワイヤレスリンクを含み得る。一般に、ネットワーク180上での通信は、幅広い種類の通信プロトコル(たとえば、TCP/IP、HTTP、SMTP、FTP)、エンコーディングもしくはフォーマット(たとえば、HTML、XML)、および/または保護方式(たとえば、VPN、セキュアHTTP、SSL)を用いて、任意の種類の有線接続および/またはワイヤレス接続を介して搬送され得る。
【0035】
ここで
図10~
図20を参照すると、本開示のウェアラブルコンピューティングデバイス100は、電子ディスプレイモジュールコネクタ110を通してプリント配線基板128に生体センサー電極(複数可)122、124を電気的に接続する導電材料130をさらに含む。特に、本明細書において説明する導電材料130は、低抵抗パス(たとえば、約50Ω未満程度、特に、10Ω未満)を提供する。
【0036】
より具体的には、
図10~
図17に示すように、導電材料130は、両面導電フォーム132またはテープである。一実施の形態において、たとえば、
図10、
図11、および
図14に特に示すように、両面導電フォーム132またはテープは、外側カバー112の底面138と電子ディスプレイ106の上面140との間に挟まれ得る。このような実施の形態では、
図14に特に示すように、矢印123で示す信号経路は、先ず電子ディスプレイ106を通過したあと、プリント配線基板128を通過する。よって、
図10、
図11、および
図14に示すように、特定の実施形態では、電子ディスプレイ106は、ACF(異方性導電膜)ボンディングによってプリント配線基板128の全面に接続され得る。本明細書において使用するとき、ACFボンディングは、概して、電気接続および機械接続を行うために使われ得る、鉛を使わない環境にやさしい接着性の配線膜系またはペーストを指す。さらには、図に示すように、生体センサー電極(複数可)122、124および導電材料130に接続された導線(複数可)142は、プリント配線基板128に接続され、電子機器パッケージ110に検出信号を届ける。
【0037】
別の実施の形態では、
図15~
図17に示すように、両面導電フォーム132またはテープは、プリント配線基板128の上面121に載置され得る。このような実施の形態では、図に示すように、電子ディスプレイ106は、プリント配線基板128の一部(すなわち、その上面)になる。したがって、特に
図17に示すように、両面導電フォーム132またはテープは、プリント配線基板128の上面121(たとえば、電子ディスプレイ106のウイング側の上面)に乗るように構成される。このような実施の形態では、特に
図17に示すように、矢印125で示す信号経路は、電子ディスプレイ106の傍を進み、プリント配線基板128を一直線に貫通する。
【0038】
これに代えて、
図19~
図20に示すように、導電材料130は、両面導電テープ134または膜である。このような実施の形態では、図に示すように、生体センサー電極(複数可)122、124に導電テープ134または膜を直接貼って、プリント配線基板128に生体センサー電極(複数可)122、124を電気的に接続し得る。より具体的には、図に示すように、導電テープ134または膜の第1端部が生体センサー電極(複数可)122、124の一端に固定され、導電テープ134または膜の他端がプリント配線基板128(またはプリント配線基板128と直接接する導電材料)に直接固定されるように、生体センサー電極(複数可)122、124が外側カバー112の側端部を内部スペース118まで包む。さらには、このような実施の形態では、導電材料130は、それぞれ別個の導電テープを含んでもよく、2つの導線を有する1つの導電テープを含んでもよい。
【0039】
ここで
図21を参照すると、導電材料130は、ACF(異方性導電膜またはペースト)ボンディング135である。このような実施の形態では、例として、ACFボンディング135を生体センサー電極(複数可)122、124に直接塗布して、プリント配線基板128に生体センサー電極(複数可)122、124を電気的に接続できる。このような実施の形態では、ACFボンディング135を単体で用いることができ、さらに支持するために導電テープ134または膜と組み合わせて用いることもできる。よって、このような実施の形態では、ステップ(1)において示すように、硬質ガラス表面に配置された生体センサー電極(複数可)122、124にACFボンディング135を接続し得る。ステップ(2)において示すように、その後、ACFボンディング135の上に電子ディスプレイ106を積層し得る。また、ステップ(3)において示すように、プリント配線基板128、または最終的にプリント配線基板128に電気的に接続され得る任意の適切な場所に、ACFボンディング135を接続し得る。たとえば、はんだ、コネクタ、ばね、留め具、または同様の物を用いてこのような接続を完成させることができる。
【0040】
さらに別の実施の形態では、
図22~
図23に示すように、導電材料130は、たとえば銀エポキシなど直接接触による導電接着剤136である。さらに別の実施の形態では、導電材料130は、片面導電テープであってもよく、片面導電フォームであってもよく、異方性導電膜であってもよく、それらの組合せであってもよい。さらなる実施の形態では、これらの構成要素を互いに接続して所望の低抵抗パスを規定するために任意の適切な接続が可能である。
【0041】
さらに別の実施の形態では、
図10および
図11に示すように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、両面導電フォーム130、132またはテープと電子ディスプレイ106の上面140との間に配置される導体パッド144をさらに備えてもよい。このような実施の形態では、たとえば、導体パッド144は、金属薄膜であってもよい。よって、図に示すように、プリント配線基板128は、たとえば導線(複数可)142を通じて導体パッド144の端部に電気的に連結される。さらなる実施の形態では、プリント配線基板128は、導体パッド144に隣接するように配置されてもよく、導線(複数可)142を省くことができるように導体パッド144の底面に電気的に接続されてもよい。
【0042】
ここで
図24を参照すると、ウェアラブルコンピューティングデバイスの組み立て方法200の一実施の形態のフロー図が提供されている。実施の形態では、たとえば、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、
図1~
図23を参照して本明細書において説明したウェアラブルコンピューティングデバイス100など、任意の適切なウェアラブルコンピューティングデバイスであってもよい。概して、方法200については、本明細書において、
図1~
図24のウェアラブルコンピューティングデバイス100を参照しながら説明する。しかしながら、開示の方法200は、その他の適した構成を有するその他の適したウェアラブルコンピューティングデバイスで実装されてもよいことを理解されたい。これに加えて、
図24では、図示および記載の便宜上、特定の順序で実行されるステップを表しているが、本明細書に記載の方法は、特定の順序や配置に限定されない。本明細書に記載の開示を用いると、当業者であれば、本明細書に開示されている方法の様々なステップは、本開示の範囲を逸脱することなく様々に省略したり、並び替えたり、組み合わせたり、および/または改造したりすることができることが分かるであろう。
【0043】
(202)において示すように、方法200は、外周および最も外側の上面を規定する外側カバーを設けることを含み、外側カバーの内面は、内部スペースを規定する。たとえば、
図2~
図7は、概して、本開示に係る外側カバー112の実施の形態を示す。
図24を再び参照すると、(204)において示すように、方法200は、少なくとも1つの生体センサー電極の第1部分を外側カバーの最も外側の上面に配置することと、少なくとも1つの生体センサー電極の第2部分が内部スペース内に収まるよう、当該第2部分で外側カバーの1つ以上の側縁部を包むこととを含む。たとえば、
図2~
図7は、概して、外側カバー112の最も外側の上面114にある生体センサー電極122、124の第1部分の実施の形態を示す。さらには、
図5、
図7、
図15、
図16、
図18、および
図19に特に示すように、生体センサー電極122、124の第2部分が本開示に係るウェアラブルコンピューティングデバイス100の内部スペース118の中に収まるよう、第2部分が外側カバー112の1つ以上の側縁部を包む。
【0044】
図24を再び参照すると、(206)において示すように、方法200は、電子ディスプレイおよび電子ディスプレイモジュールコネクタを内部スペース内に配置することを含む。(208)において示すように、方法200は、プリント配線基板を、電子ディスプレイに隣接して内部スペース内に配置することを含む。
【0045】
(210)において示すように、方法200は、少なくとも1つの導電材料を介して電子ディスプレイモジュールコネクタを通してプリント配線基板に生体センサー電極(複数可)を電気的に接続することを含む。このような実施の形態では、導電材料(複数可)が低抵抗パスを規定する。たとえば、実施の形態では、
図10~
図14に示すように、電子ディスプレイモジュールコネクタ110を通してプリント配線基板128に生体センサー電極(複数可)122、124を電気的に接続することは、外側カバー112の底面138と119電子ディスプレイ106の上面との間に導電材料(複数可)130を配置することを含む。別の実施の形態では、
図15~
図17に示すように、電子ディスプレイモジュールコネクタ110を通してプリント配線基板128に生体センサー電極(複数可)122、124を電気的に接続することは、プリント配線基板128の上面121に導電材料(複数可)130を配置することを含む。これに加えて、特定の実施形態では、本明細書に記載されているように、導電材料(複数可)130は、両面導電テープであってもよく、両面導電フォームであってもよく、片面導電テープであってもよく、片面導電フォームであってもよく、導電接着剤であってもよく、異方性導電膜であってもよく、それらの組合せであってもよい。実施の形態では、たとえば、導電材料130は、両面導電テープまたは両面導電フォームであり、方法200は、外側カバー112と、両面導電テープまたは両面導電フォーム132と、生体センサー電極(複数可)122、124とを積層することを含み得る。
【0046】
その他の開示
本明細書に記載の技術では、サーバ、データベース、ソフトウェアアプリケーション、およびその他のコンピュータベースのシステム、ならびにこのようなシステムが実行する動作およびこのようなシステムに送受信される情報について説明した。コンピュータベースのシステムの本来の柔軟性は、タスクおよび機能の様々な構成、組合せ、およびの構成要素間での分割を可能にする。たとえば、本明細書に記載したプロセスは、1つのデバイスまたは1つの構成要素を用いて実現でき、組み合せて動作する複数のデバイスまたは複数の構成要素を用いても実現できる。データベースおよびアプリケーションは、1つのシステム上で実装でき、複数のシステム間で分散させることもできる。分散された構成要素は、逐次動作でき、並列動作も可能である。
【0047】
本主題について、様々な実施の形態の具体例の詳細を説明したが、各実施例は、例示であって、本開示を限定しない。当業者であれば、以上を理解すると、このような実施の形態に対する変更、バリエーション、および均等物を容易に創作できる。したがって、主題の開示は、当業者には容易に明らかであろう本主題に対するこのような変更、バリエーション、および/または追加を含むことを除外しない。たとえば、一実施の形態の一部として図示または説明した特徴を別の実施の形態で使用して、さらに別の実施の形態をもたらすことができる。したがって、このような変更、バリエーション、および均等物が本開示の範囲に含まれる意図がある。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
外周および最も外側の上面を規定する外側カバーと、
前記外側カバーの内面によって少なくとも一部が規定される内部スペースと、
前記内部スペース内に配置される電子ディスプレイおよび電子ディスプレイモジュールコネクタと、
前記外側カバーの前記最も外側の上面に配置され、前記外側カバーの1つ以上の側縁部を前記内部スペースまで包む少なくとも1つの生体センサー電極と、
前記内部スペース内に配置されるプリント配線基板と、
前記電子ディスプレイモジュールコネクタを通して前記プリント配線基板に前記少なくとも1つの生体センサー電極を電気的に接続する導電材料とを備える、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記外側カバーの前記外周に沿って配置される封止材をさらに含み、前記内部スペースは、前記外側カバーの内面および前記封止材の内縁部によって規定され、前記少なくとも1つの生体センサー電極は、前記外側カバーの1つ以上の側縁部と、前記封止材の内縁部とを前記内部スペースまで包む、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記導電材料は、両面導電テープ、両面導電フォーム、片面導電テープ、片面導電フォーム、導電接着剤、異方性導電膜、またはそれらの組合せのうち、少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの生体センサー電極と前記プリント配線基板との間の前記導電材料は、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームを含み、両面導電テープまたは前記両面導電フォームは、前記外側カバーの底面と前記電子ディスプレイの上面との間に挟まれる、請求項3に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームと前記電子ディスプレイの上面との間に配置される導体パッドをさらに備える、請求項3または4に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記導体パッドは、金属薄膜を含む、請求項5に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記プリント配線基板は、前記導体パッドの端部に電気的に連結される、請求項5に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記プリント配線基板は、前記導体パッドに隣接して配置され、前記導体パッドの底面に電気的に接続される、請求項5に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの生体センサー電極と前記プリント配線基板との間の前記導電材料は、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームを含み、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームは、前記プリント配線基板の上面にある、請求項3に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの生体センサー電極は、少なくとも、第1の生体センサー電極と、第2の生体センサー電極とを含み、前記第1の生体センサー電極と前記第2の生体センサー電極とは、間隙によって間隔が空けられる、
請求項
1~9のいずれか1項に記載のウ
ェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記第1の生体センサー電極および前記第2の生体センサー電極は、前記プリント配線基板の同じ側に配置される、請求項10に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記第1の生体センサー電極および前記第2の生体センサー電極は、前記プリント配線基板の両側に配置される、請求項10に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの生体センサー電極は、PVD(物理気相成長)センサーパッドを含む、
請求項1
~12のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記外側カバーは、ガラス、ポリカーボネート、またはアクリルのうち、少なくとも1つから構成される、
請求項
1~13のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つの生体センサー電極は、ECG(心電図)センサーまたはEDA(皮膚電気活動)センサーのうち、少なくとも一方を含む、
請求項
1~14のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
ウェアラブルコンピューティングデバイスの組み立て方法であって、
外周および最も外側の上面を規定する外側カバーを設けるステップを含み、前記外側カバーの内面は、内部スペースを規定し、前記方法は、さらに、
前記外側カバーの前記最も外側の上面に少なくとも1つの生体センサー電極の第1部分を配置し、前記少なくとも1つの生体センサー電極の第2部分が前記内部スペース内に収まるよう、前記第2部分で前記外側カバーの1つ以上の側縁部を包むステップと、
電子ディスプレイおよび電子ディスプレイモジュールコネクタを前記内部スペース内に配置するステップと、
プリント配線基板を、前記電子ディスプレイに隣接して前記内部スペース内に配置するステップと、
少なくとも1つの導電材料を介して前記電子ディスプレイモジュールコネクタを通して前記プリント配線基板に前記少なくとも1つの生体センサー電極を電気的に接続するステップとを含む、方法。
【請求項17】
前記
電子ディスプレイモジュールコネクタを通して前記
プリント配線基板に前記少なくとも1つの生体センサー電極を電気的に接続するステップは、前記外側カバーの底面と前記電子ディスプレイの上面との間、または前記プリント配線基板の上面に前記少なくとも1つの導電材料を配置するステップをさらに含み、前記少なくとも1つの導電材料は、両面導電テープ、両面導電フォーム、片面導電テープ、片面導電フォーム、導電接着剤、異方性導電膜、またはそれらの組合せのうち、少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの生体センサー電極と前記プリント配線基板との間にある前記
少なくとも1つの導電材料は、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームを含み、前記外側カバーと、前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームと、前記少なくとも1つの生体センサー電極とを積層するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記両面導電テープまたは前記両面導電フォームに隣接して導体パッドを配置するステ
ップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記導体パッドの端部に前記プリント配線基板を電気的に接続するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】