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特表2024-508210ヒューズおよびヒューズを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ヒューズおよびヒューズを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/143 20060101AFI20240216BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H01H85/143
B23K1/00 330Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537331
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2022076076
(87)【国際公開番号】W WO2023046670
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】102021004718.4
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523054056
【氏名又は名称】シバ ヒュージズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】SIBA Fuses GmbH
【住所又は居所原語表記】Borkerstr. 22, 44534 Luenen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス グリューニッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェアナー-ギュンター シュメール
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス-ゲオルク ゲデーケ
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502BA02
5G502BB01
5G502BC04
5G502BC11
5G502BC14
5G502BD05
5G502BD20
5G502BE01
(57)【要約】
本発明は、中空空間(14)を有する絶縁体(2)と、絶縁体(2)内に配置されている可溶導体(3)と、絶縁体(2)上に端面で載置されており、可溶導体(3)と電気的に接続されている外側のコンタクトキャップ(4)とを備えるヒューズ(1)、特にSMDヒューズおよび/または機器保護ヒューズに関する。本発明によれば、絶縁体(2)に位置的に安定して配置するために、可溶導体(3)が、コンタクトキャップ(4)に対応付けられている少なくとも1つの固定手段(8)によって固定されており、固定手段(8)は端面で絶縁体(2)上に載置されており、固定手段(8)に、少なくとも部分的に、対応付けられているコンタクトキャップ(4)が被せ嵌められていることが想定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空空間(14)を有する絶縁体(2)と、前記絶縁体(2)内に配置されている可溶導体(3)と、前記絶縁体(2)上に端面で載置されており、前記可溶導体(3)と電気的に接続されている外側のコンタクトキャップ(4)とを備えるヒューズ(1)、特にSMDヒューズおよび/または機器保護ヒューズにおいて、
前記絶縁体(2)に位置的に安定して配置するために、前記可溶導体(3)は、コンタクトキャップ(4)に対応付けられている少なくとも1つの固定手段(8)によって固定されており、
前記固定手段(8)は端面で前記絶縁体(2)上に載置されており、前記固定手段(8)に、少なくとも部分的に、対応付けられている前記コンタクトキャップ(4)が被せ嵌められている、
ことを特徴とするヒューズ(1)。
【請求項2】
少なくとも2つの固定手段(8)が設けられている、請求項1記載のヒューズ。
【請求項3】
前記固定手段(8)は、対応付けられている前記コンタクトキャップ(4)によって完全に覆われている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項4】
前記固定手段(8)は、前記可溶導体(3)と電気的に接続されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項5】
前記固定手段(8)は、前記絶縁体(2)の外被面(7)に少なくとも部分的に当接する外被(15)を有する、かつ/または前記固定手段(8)は、前記絶縁体(2)の端面(5,6)の上に少なくとも部分的に位置する底面(16)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項6】
前記固定手段(8)の前記底面(16)は開口部(17)を有し、特に、前記開口部(17)は、前記絶縁体(2)の前記中空空間(14)を画定している、かつ/または前記絶縁体(2)の前記中空空間(14)内へ合流している、請求項1から5までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項7】
前記開口部(17)内へ、少なくとも1つの、特にウェブ状かつ/または細長い突出部(18)が、前記固定手段(8)の前記底面(16)から、前記可溶導体(3)を固定するために、かつ/または前記可溶導体(3)を上に置くために突出している、請求項1から6までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項8】
前記可溶導体(3)は摩擦力結合式に、力結合式に、かつ/または材料結合式に、好適にはクランプされて、前記突出部(18)に固定されており、かつ/または
前記突出部(18)は、少なくとも2つの、好適には前記突出部(18)の側方に配置されている、屈曲した脚部(19)を有し、前記可溶導体(3)は前記脚部(19)によって前記突出部(18)に固定されており、特に前記突出部(18)と前記脚部(19)との間に挟み込まれており、特にクランプされており、特に、屈曲した前記脚部(19)は、互いに重なり合って位置し、かつ/または互いに上下に配置されており、かつ/または特に、前記可溶導体(3)は、前記突出部(18)の前記脚部(19)と圧着されており、リベット留めされており、かつ/または材料結合式に結合されており、特にはんだ接合されており、かつ/または
前記可溶導体(3)は前記突出部(18)と溶接されており、かつ/または
前記可溶導体(3)は前記突出部(18)と、はんだを介して結合されている、かつ/または前記突出部(18)と、好適には導電性の接着剤を介して接着されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項9】
前記固定手段(8)は、前記底面(16)に、特にウェブ状かつ/または細長い、少なくとも1つの保持手段(20)を有し、特に前記保持手段(20)は、前記突出部(18)を安定化するために前記突出部(18)と結合されている、かつ/または特に前記保持手段(20)は、前記開口部(17)内へ突出しており、かつ/または前記開口部(17)を橋絡し、かつ/または特に前記可溶導体(3)は、少なくとも部分的に前記保持手段(20)を介して前記絶縁体(2)内へ案内されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項10】
前記保持手段(20)は、少なくとも1つの細長いスリット(21)を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項11】
前記保持手段(20)は、前記絶縁体(2)内へ突出し、前記底面(16)から離れる方向を向いた、前記可溶導体(3)を案内するためのガイド脚部(22)を有し、特に前記可溶導体(3)は、前記ガイド脚部(22)を介して、前記絶縁体(2)の前記中空空間(14)内へ、好適には丸み付けられて、折り曲げられている、請求項1から10までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項12】
前記固定手段(8)は、互いに少なくとも実質的に同じ構造で形成されており、かつ/または前記外側のコンタクトキャップ(4)は、互いに少なくとも実質的に同じ構造で形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項13】
コンタクトキャップ(4)が載置されていない前記固定手段(8)の前記外被(15)が、前記絶縁体(2)の外面に対して、少なくとも部分的に、終端部側で、前記絶縁体(2)の自由縁部で張り出しているように、前記固定手段(8)が形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項14】
前記固定手段(8)は、摩擦力結合式にかつ/または材料結合式に、好適には前記コンタクトキャップ(4)によって、前記絶縁体(2)と結合されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項15】
前記コンタクトキャップ(4)は、前記固定手段(8)および/または前記絶縁体(2)と摩擦力結合式にかつ/または形状結合式にかつ/または材料結合式に結合されている、請求項1から14までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項16】
前記固定手段(8)および/または前記コンタクトキャップ(4)は、導電性材料、特に金属を有する、かつ/または導電性材料、特に金属から成っている、請求項1から15までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項17】
前記絶縁体(2)の前記中空空間(14)は、少なくとも部分的に消弧剤で充填されている、請求項1から16までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか1項記載のヒューズ(1)、特にSMDヒューズおよび/または機器保護ヒューズを製造する方法であって、前記方法は、
A)絶縁体(2)、可溶導体(3)、少なくとも1つの固定手段(8)および外側のコンタクトキャップ(4)を準備するステップと、
B)1つまたは複数の前記固定手段(8)を前記絶縁体(2)の端面(5,6)上に載置するステップと、
C)前記可溶導体(3)を1つまたは複数の前記固定手段(8)へ配置することによって、かつ前記可溶導体(3)を1つまたは複数の前記固定手段(8)に好適には摩擦力結合式かつ/または材料結合式に固定することによって、前記絶縁体(2)内へ前記可溶導体(3)を装填するステップであって、これによって前記可溶導体(3)は前記絶縁体(2)内に位置安定的に配置されている、ステップと、
D)任意選択的に、前記可溶導体(3)を、1つまたは複数の前記固定手段(8)と圧着するステップと、
E)前記絶縁体(2)に、かつ少なくとも部分的に1つまたは複数の前記固定手段(8)に前記外側のコンタクトキャップ(4)を載置するステップであって、これによって各固定手段(8)に少なくとも部分的に、前記コンタクトキャップ(4)が被せ嵌められる、ステップと
を含んでおり、前記ステップを、好ましくは相前後して実行する、
方法。
【請求項19】
前記絶縁体(2)に、好適には前記ステップB)および/または前記ステップC)の後に、かつ/または前記ステップD)および/または前記ステップE)の実行前に、消弧剤、特に消弧砂、粒剤および/またはガラスビーズを、好適には前記固定手段(8)の前記開口部(17)を介して充填する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記ステップC)において、前記突出部(18)から側方で張り出している少なくとも2つの脚部(19)を、前記脚部(19)が互いに重なり合ってかつ/または互いに上下に位置し、かつ前記可溶導体(3)が前記脚部(19)と前記突出部(18)との間に固定されるように屈曲させ、特に前記脚部(19)を圧着し、かつ/または特に前記可溶導体(3)と前記脚部(19)とを相互に材料結合式に結合し、特にはんだ接合することが想定されている、請求項18または19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空空間を有する絶縁体と、絶縁体内に配置されている可溶導体と、絶縁体上に少なくとも間接的に載置されており、可溶導体と電気的に接続されている外側のコンタクトキャップとを備えるヒューズ、特にSMDヒューズおよび/または機器保護ヒューズに関する。
【0002】
本発明において意図されるヒューズもしくは機器保護ヒューズは、従来技術では、いわゆる「ヒューズリンク」とも称され、これはヒューズホルダと協働することができる。ここでヒューズリンクは、ヒューズホルダ内へ装填され得る。
【0003】
必要に応じて、ヒューズもしくはヒューズリンクは、消弧剤、特に砂、粒剤および/またはガラスビーズで充填されており、特に、消弧剤は絶縁体内に配置されている。絶縁体は絶縁体の細い管として形成されてもよい。可溶導体は、特に軸方向で絶縁体内へ導入されていてもよい。可溶導体と外側のコンタクトキャップとの間の電気的な接触接続は、はんだ接合によって形成される。さらに、このはんだ接合によって、外側のコンタクトキャップと絶縁体との材料結合式の結合も行われる。
【0004】
可溶導体は、動作時に全負荷電流を引き受け、特に過負荷電流および/または短絡電流をできる限り迅速に遮るように形成されている。
【0005】
SMDヒューズは、プリント基板表面に実装可能なヒューズリンクを指す(SMD - Surface Mounted Device)。したがって、SMDヒューズは、表面実装技術(SMT - Surface Mounted Technology)の技術分野に属する。表面実装技術では、実装されるべき表面として一般にプリント基板が使用される。特に、SMDヒューズの寸法およびSMDヒューズの電気的挙動は標準化されている(この関連においてIEC 60127-4(2021年9月現在)を参照されたい)。
【0006】
従来技術から公知のヒューズの欠点は、一部のヒューズにおいて、ヒューズ製造時に可溶導体が、絶縁体内への可溶導体の導入後に、絶縁体内でずれてしまう、もしくは移動してしまうということである。最終的に、可溶導体が、可溶導体のために設けられている、自身の組付け位置に留まっていない状態が生じ得る。したがって、ヒューズの組付け時に、可溶導体が絶縁体の内壁に当接してしまう、もしくは絶縁体の内壁に直接的に当たってしまうことが起こり得る。絶縁体内で可溶導体がこのようにずれている場合には、ヒューズ全体のスイッチング特性が変化してしまい、特に、設計値に適合しなくなる。各ヒューズは特定の値に設計されており、この値に相応して使用されるので、これは極めて不利である。したがって、設計値からの偏差は必ず回避されなければならない。
【0007】
「ずれた」可溶導体を伴うヒューズを製造過程中に外観検査手法によってふるい落とすことはできるが、このような手法は、特に、各個々のヒューズの外観検査を実行しなければならないため、比較的手間がかかり、高いコストを伴う。さらに、この外観検査は、特に、絶縁体が不透明であるため、外側のコンタクトキャップがまだ載置されていない限りにおいてのみ実行することができる。しかし、外側のコンタクトキャップの載置後または載置時に可溶導体のずれが生じる場合、これはもはや外観的に確認不可能である。
【0008】
さらに従来技術から公知のヒューズもしくは従来技術から公知の、ヒューズを製造する方法の欠点は、外側のコンタクトキャップの電気的な接触接続のためのはんだ接合による可溶導体の結合が、多くの場合、持続的な電気的な接続には不十分であるということである。可溶導体と外側のコンタクトキャップとの間の電気的な接触接続のために、特に、いわゆる「はんだボール」、すなわち、はんだ材からのボールの成形が必要とされるが、これは、しばしば十分には保証され得ない。したがって、はんだもしくははんだ材が外側のコンタクトキャップと絶縁体との間の間隙内へ逃れてしまい、可溶導体と外側のコンタクトキャップとの間の十分な持続的な電気的な接続のために十分なはんだが存在しなくなってしまうことがある。
【0009】
したがって本発明の課題は、従来技術の上述の欠点を回避する、または少なくとも実質的に減らすことである。
【0010】
本発明によれば、上述の課題は、冒頭で述べた様式のヒューズにおいて、少なくとも実質的に、絶縁体に位置的に安定して配置するために、可溶導体が、コンタクトキャップに対応付けられている少なくとも1つの固定手段によって固定されていることによって解決されている。固定手段は端面で絶縁体上に載置されており、固定手段に、少なくとも部分的に、対応付けられているコンタクトキャップが被せ嵌められている。
【0011】
特に、固定手段も少なくとも部分的に絶縁体に被さって嵌まっており、ここで、この固定手段自体に外側のコンタクトキャップが少なくとも部分的に被せ嵌められる。
【0012】
本発明において意図される「被せ嵌め」とは、「上に位置する」、「包囲する」および「覆う」の全てを意味する。したがって、たとえば、外側のコンタクトキャップを用いた被せ嵌めは、外側のコンタクトキャップが固定手段を覆い、(特に完全に)包囲するように設計されるべきである。
【0013】
外側のコンタクトキャップもしくは固定手段による絶縁体の被せ嵌めは、特に絶縁体の外被の領域に設けられており、好適には縁部側の外被領域に設けられている。絶縁体は、a外被領域ならびに外側端面を有していてもよい。絶縁体の外形に応じて、外被領域は、直方体形状の絶縁体および/または絶縁体の少なくとも実質的に楕円形の横断面および/または円形の横断面が生じるように形成されている。
【0014】
最終的に、(本発明による)被せ嵌めは、外面で、被さっている構成要素による絶縁体の被覆が存在するように行われる。被せ嵌めにおいては、被さっている構成要素と被せられている構成要素との直接的な当接が存在していてもよい、またはこれら2つの構成要素間に間隔が存在していてもよい。したがって、被せ嵌めによって封止が達成される必要はないが、絶縁体と固定手段との間かつ/または固定手段と外側のコンタクトキャップとの間に、少なくとも実質的に漏れのない完結状態が設けられていてもよい。
【0015】
この関連において、外側のコンタクトキャップは、固定手段だけでなく、絶縁体の各端面も包囲していてもよく、特に、絶縁体の各端面にも被さって嵌まっていてもよいことが自明である。
【0016】
絶縁体上での外側のコンタクトキャップの間接的な配置とは、外側のコンタクトキャップと絶縁体との間に固定手段が配置されていてもよい、ということを意味する。したがって、固定手段を、機能的に見て、補助キャップと称することができ、この補助キャップも、外側のコンタクトキャップと同様に、絶縁体の上に嵌合されていてもよく、特に絶縁体の外被に接していてもよい。
【0017】
本発明によれば、容易に、少なくとも1つの固定手段を介して可溶導体を絶縁体の中空空間内に固定することができる。固定手段の付加的な保護は、各固定手段に対応付けられている外側のコンタクトキャップを介して保証されてもよい。これによって、外側のコンタクトキャップは、固定手段を絶縁体に押し当てることができる、かつ/または固定手段を、摩擦力結合式にかつ/または形状結合式に絶縁体と結合させることができる。さらに、外側のコンタクトキャップを各固定手段上に載置することによって、可溶導体を付加的に固定することができる。たとえば、外側のコンタクトキャップと固定手段との間の摩擦力結合によって、可溶導体のさらなる固定が達成され得ることが想定されていてもよい。
【0018】
最終的に、可溶導体は、外側のコンタクトキャップと電気的に接続されている。この場合、可溶導体は固定手段と導電的に接続されていてもよいが、これは必ずしも必要ではない。
【0019】
本発明によれば、特に、少なくとも1つの固定手段によって、可溶導体が絶縁体内に確実に固定されていること、特にセンタリングされていること、および/または軸方向に配向されていることが達成される。ヒューズが最終的に製造されるまでの絶縁体内での可溶導体の後からのずれも、それ以降の絶縁体内での可溶導体の後からのずれも回避することができる。
【0020】
さらに、可溶導体が、少なくとも1つの固定手段、絶縁体および/または外側のコンタクトキャップ(場合により付加的)と材料結合式に結合されていてもよいことが自明である。いずれにせよ、この状態は、ヒューズの最終組付け後に存在し得る。特に、少なくとも1つの固定手段は、可溶導体が、少なくとも1つの固定手段内にかつ/または少なくとも1つの固定手段の表面に、摩擦力結合式にかつ/または形状結合式に固定可能であるように形成されている。
【0021】
有利には、本発明によって、製造されるヒューズの、手間のかかる外観検査手法および手動検査手法を回避することができる。その結果、従来技術から公知のヒューズに比べて、本発明によるヒューズの製造コストを、固定手段が必要になるにもかかわらず、好適には少なくとも10%減らすことができる。廃棄処分されるヒューズと不要な、手間のかかかる検査とが排除されるからである。さらに、本発明によれば、特に、欠陥のあるヒューズによる損傷が発生し得ないことが保証される。
【0022】
さらに、可溶導体が、特に少なくとも実質的に軸方向に、かつ/または少なくとも実質的にセンタリングされて、絶縁体内に配置されているヒューズを提供することができる。少なくとも1つの固定手段によって、特に、製造直後にもある程度の使用時間の後にも、可溶導体が絶縁体の内壁にもたれかかること、もしくは絶縁体の内壁に当たることを回避することができる。
【0023】
このように、絶縁体における可溶導体の、好ましくは位置的に安定した配置は、多くの利点と結び付いている。
【0024】
最終的に、好ましくは、本発明による少なくとも1つの固定手段を介して、絶縁体における可溶導体の規定された位置付けが達成される。
【0025】
本発明によるヒューズは、いわゆる角型(SMD)ヒューズ、すなわち少なくとも実質的に直方体形の絶縁体を備えたヒューズもしくは少なくとも実質的に正方形の横断面を備えたヒューズとしても、円筒形のヒューズ、すなわち少なくとも実質的に円筒形の絶縁体を備えたヒューズもしくは少なくとも実質的に円形の横断面を備えたヒューズとしても形成可能である。
【0026】
さらに、特に、少なくとも1つの固定手段によって、可溶導体と外側のコンタクトキャップとの間の電気的な接触接続を改良することができる。特に、可溶導体は、絶縁体において所定の位置をとり、これによって、電気的なコンタクト手段の被着および/またははんだ接合を所期のようにかつ確実に行うことができるからである。
【0027】
好ましい実施形態では、可溶導体が、支持体手段もしくは支持体材料上に、かつ/または支持体手段もしくは支持体材料の表面に配置されていてもよい、特に被着されていてもよい、かつ/または展開されていてもよいことが想定されていてもよい。支持体手段としては、特に少なくとも1つのグラスファイバおよび/またはグラスファイバ芯が設けられていてもよい。これに関連して、好ましくは支持体手段が可溶導体と一緒に、少なくとも1つの固定手段によって、位置的に安定した配置のために固定されていることが自明である。支持体手段は、部分的にまたは完全に、可溶導体の長さにわたって延在していてもよい。
【0028】
好適には、可溶導体は、終端部側領域によって囲まれている中央領域を有する。終端部側領域は可溶導体の外側領域であり、これらは可溶導体の外側終端部もしくは外側の端部終端部を含んでいてもよいが、これらに限定されない。特に可溶導体の終端部側領域は、たとえばそれぞれ、可溶導体の長さの少なくとも2%、好ましくは2%~45%、さらに好ましくは3%~10%に相当していてもよい。これに関連して、これらの終端部側領域の長さが相違していてもよいことも自明である。中央領域は、外側領域とは異なる形状および/または構成を有していてもよい。
【0029】
可溶導体は、さらに、細長いワイヤとして形成されていてもよい。
【0030】
特に、少なくとも1つの固定手段を、特に絶縁体の各端面の上に嵌合可能なさらなる(補助)キャップと見なすことができる。
【0031】
特に好ましい実施形態では、2つの固定手段が設けられていることが想定されていてもよい。各固定手段は、絶縁体の端面ひいては外側のコンタクトキャップに対応付けられていてもよい。これらの固定手段は、互いに同じ構造で形成されていても、互いに異なって形成されていてもよい。特に好ましくは、可溶導体の両終端部側領域は、それぞれ1つの固定手段に固定される。したがって、これらの固定手段は、可溶導体の終端部側領域にも対応付けられていてもよい。
【0032】
さらに、固定手段は、少なくとも部分的に、絶縁体内に、かつ/または絶縁体の外側に配置されていてもよい。
【0033】
2つの固定手段が直接的に互いに結合されている必要はないことが自明である。特に、これらの固定手段は、装填された状態において、互いに離間していてもよい。さらに、これらの固定手段は、それぞれ絶縁体の中空空間を画定することができる。この場合、少なくとも1つの固定手段は、絶縁体の中空空間内へ突出していてもよい。
【0034】
特に、互いに別個に取り扱い可能な、好適には互いに同じ構造の2つの固定手段が提供されてもよい。
【0035】
上述したように、これら2つの固定手段は、特にそれぞれ、絶縁体の1つの終端部側領域、好適には絶縁体の終端部側端部領域に対応付けられていてもよい。さらに、絶縁体は管状に形成されていてもよく、好ましくは円筒状または直方体状に形成されていてもよく、特に開放された端面を有していてもよい。
【0036】
固定手段は、絶縁体の端面の上に位置していてもよい。固定手段は、絶縁体の内部へ突出している内側領域と、絶縁体の外被に当接する外側領域とを有していてもよい。
【0037】
特に少なくとも1つの固定手段は、可溶導体が少なくとも終端部側領域において、好適には端面の終端領域においてクランプされ、かつ/または固定されるように形成されている。クランプは、特に固定手段におけるクランプ接続を介して保証されている。特に好ましくは、可溶導体は、自身の両終端部側領域でもって、それぞれ、終端部側領域に対応付けられている固定手段によって、位置的に安定して配置するように固定されている。可溶導体の、固定手段内に固定された、特にクランプされた領域は、以降では「固定箇所」とも称される。
【0038】
この関連において、可溶導体の一区間が固定箇所を越えて突き出ていてもよいことが自明である。したがって、必ずしも固定箇所が可溶導体の外側終端部を形成する必要はない。
【0039】
したがって、特に細長い可溶導体は、自身の終端部の領域もしくは終端部側領域において固定されていてもよい。
【0040】
可溶導体は、特にこれらの固定箇所の間で、少なくとも実質的に張力がかけられているかつ/または張っている。
【0041】
さらに、可溶導体の長さは、絶縁体の長さを上回るか、または絶縁体の長さに対して少なくとも実質的に同じ長さに形成されていてもよい。択一的に、可溶導体が、絶縁体の長さよりも短い長さを有することが想定されていてもよい。これは、固定箇所が絶縁体の内側に位置している場合、もしくは絶縁体内へ突出している場合に該当する。
【0042】
好適には、可溶導体は完全に絶縁体内に配置されていてもよく、絶縁体の全長にわたって延在している。この場合、可溶導体が、絶縁体の少なくとも1つの端面を越えて突き出ていてもよい。絶縁体内における可溶導体の配置もしくは固定箇所を、特に、外側のコンタクトキャップとの所望の電気的な接触接続のために、好ましくは製造方法を容易にするために、適合させることができる。
【0043】
好適には、少なくとも1つの固定手段は、それぞれ対応付けられている外側のコンタクトキャップによって完全に覆われる。完全に覆われるとは特に、固定手段の、絶縁体の端面に接している領域も、絶縁体の外被面に接している領域も、外側のコンタクトキャップによって包囲されており、これによって、外側から見て、好ましくは少なくとも実質的に完全に、固定手段が、外側のコンタクトキャップによって覆われていることを意味する。
【0044】
したがって、外側のコンタクトキャップは、固定手段も外部の影響から保護することができる。さらに、ヒューズの接触接続を、通常のように、外側のコンタクトキャップを介して行うことができ、ここでは、外側からはアクセス不可能である固定手段が、可溶導体を位置的に安定して配置するように設けられている。
【0045】
特に好ましくは、固定手段はそれぞれ、可溶導体と電気的に接続されている。
【0046】
特に好ましい構成では、固定手段が、絶縁体の外被面上に配置される外被を含んでいることが想定されている。択一的または付加的に、固定手段が、絶縁体の端面の上に少なくとも部分的に位置する底面を含んでいることが想定されていてもよい。固定手段の外被も固定手段の底面も、固定手段の外側領域を形成することができる、かつ/または外側領域を有することができる。すなわちこれらは絶縁体の外側に配置されていてもよく、特に絶縁体の中空空間内へ突出することがない。固定手段の外被は、装填されている状態において、絶縁体の外被面に直接的に接していてもよい、かつ/または当たっていてもよい。固定手段の外被と絶縁体の外被面との間に間隔が設けられていることが想定されていてもよい。したがって、外側のコンタクトキャップは、固定手段が外側のコンタクトキャップによって完全に覆われている場合には、固定手段の外被の領域において、固定手段の外被の壁厚によって絶縁体から離間されてもよい。
【0047】
別の好ましい実施形態では、固定手段が栓として形成されていてもよい。特に、固定手段は、少なくとも2つの積層を有する層状の栓として形成されている。さらに、栓は弾性材料を有していてもよい、かつ/または弾性材料から成っていてもよい。
【0048】
極めて特に好ましくは、固定手段が、可溶導体を外側のコンタクトキャップと電気的に接続していることが想定されている。したがって、特に、その他の場合には可溶導体の接触接続のために必要になるであろう別のコンタクト手段を省くことができる。
【0049】
固定手段の底面は、好適には開口部および/または凹部を含んでいてもよい。特に、開口部は、絶縁体の中空空間を画定していてもよい、かつ/または絶縁体の中空空間内へ合流していてもよい。したがって、固定手段の開口部は好適には絶縁体の中空空間内へ直接的に移行することができる。固定手段の底面は、絶縁体の端面の上に位置していてもよい。別の実施形態では、絶縁体の底面が、好適には少なくとも部分的に、絶縁体内へ突出していることが想定されていてもよい。開口部は、絶縁体の内室もしくは中空空間への大きい係合可能性もしくはアクセス可能性または大きい係合領域もしくはアクセス領域が得られるように構成されていてもよい。このアクセス領域を介して、たとえば、可溶導体の比較的容易な導入および配置を行うことができる。択一的または付加的に、開口部を介して保証されるこの比較的大きなアクセス領域を介して、ヒューズの他の構成要素、たとえば消弧剤充填部を絶縁体の中空空間内に入れることができる。したがって、これらの構成要素は、絶縁体への固定手段の配置の後にも、特に手間のかかる適合なしに、絶縁体内に導入可能である。
【0050】
開口部は、1つの部分から形成されていても、複数の部分から形成されていてもよい。したがって、開口部は、たとえば別の構成要素によって分断されていてもよい。最終的に、開口部は開口領域である。
【0051】
特に好ましくは、本発明の別の実施形態では、開口部内へ、少なくとも1つの突出部が、固定手段の底面から、可溶導体を固定するために、かつ/または可溶導体を上に置くために突出していることが想定されている。突出部は、特にウェブ状に、かつ/または細長く形成されていてもよい。特に突出部は、固定手段の開口部を取り囲むように形成されているのではなく、特に部分領域においてのみ、固定手段の開口縁部から固定手段の開口部内へと延在している。
【0052】
絶縁体の開口領域内へ突出している突出部によって、可溶導体の規定された配置および位置の設定を行うことができる。このようにして、この突出部によって、可溶導体を位置的に安定して配置すること容易に保証することができる。特に突出部は、可溶導体が好適にはセンタリングされて、絶縁体の中空空間内へ挿入され得るように配置されている。
【0053】
突出部は、好適には固定手段の開口部の全幅もしくは全直径を橋絡するのではなく、固定手段の開口部の最大直径の少なくとも10%、好ましくは15%~90%、さらに好ましくは20%~50%にわたって延在している。最終的に、突出部は、可溶導体が絶縁体の開口領域において少なくとも実質的にセンタリングされて配置されているような長さを有する。
【0054】
好適には、可溶導体は摩擦力結合式に、力結合式に、かつ/または材料結合式に、突出部に固定されている。特に可溶導体は、突出部においてクランプされていてもよい。したがって、この突出部によって、突出部の領域に位置している可溶導体の固定箇所が設定されることが保証される。
【0055】
好ましくは、突出部は、少なくとも2つの、好適には突出部の側方に配置されている、屈曲した脚部を有する。脚部は、可溶導体が固定されていない状態において、突出部に対して張り出していてもよい。これらの脚部は、さらに同じ構造で形成されていてもよく、かつ互いに向かい合って位置している端面でもって突出部と結合されていてもよい。脚部はさらに、突出部と一体に形成されていてもよい。さらに、可溶導体は脚部によって突出部に固定されていてもよく、特に突出部と脚部との間に挟み込まれていてもよい、特にクランプされていてもよい。この場合、これらの脚部によって、廉価かつ確実に、可溶導体を突出部と固定もしくは結合することが可能になる。
【0056】
脚部の他に、可溶導体を突出部と結合するための別の手段、たとえばはんだが設けられていてもよい。この場合、脚部は、さらに、突出部における可溶導体の確実な固定をサポートする。
【0057】
特に、屈曲した脚部は、ヒューズの使用状態において、互いに重なり合って、かつ/または互いに上下に配置されて位置している。択一的または付加的に、可溶導体は、突出部の脚部と圧着されていてもよく、リベット留めされていてもよく、かつ/または材料結合式に結合されていてもよく、特にはんだ接合されていてもよい。これによって、可溶導体の付加的な確実な固定が可能になる。
【0058】
脚部は特に、突出部における可溶導体の形状結合式かつ/または摩擦力結合式の配置のために用いられる。特に可溶導体もしくは可溶導体の終端部側領域は、突出部のこれらの脚部間でクランプされてもよい、かつ/または圧着されてもよい。このために、可溶導体がクランプされていない状態において、脚部が、絶縁体の長辺に対して、たとえば90°の角度で張り出していることが想定されていてもよい。最終的に、横断面で見て、脚部と突出部とがU字形を形成する。次いで、可溶導体の終端部側領域が、脚部の間で突出部の上に置かれてもよい。次いで、脚部が曲げられてもよい、もしくは折り曲げられてもよく、これによって、圧着が行われ得る。圧着によって、突出部における可溶導体の確実な固定を行うことができる。したがって、最終組付け状態において、突出部の脚部は、互いに重なり合ってもしくは互いに上下に配置されていてもよい。
【0059】
択一的または付加的に、可溶導体が突出部と溶接されていることが想定されていてもよい。溶接によって、好適には分断不能もしくは解離不能に形成されている、材料結合式の結合が、可溶導体と突出部との間で保証され得ることが可能になる。さらに、溶接は、可溶導体と固定手段および/または外側のコンタクトキャップとの確実な接触接続が保証され得るように形成されていてもよい。
【0060】
さらに、別の好ましい実施形態では、可溶導体が突出部と、はんだを介して結合されている、かつ/または突出部と、好適には導電性の接着剤を介して接着されていることが想定されている。最終的に突出部を、可溶導体の終端部側領域の配置および固定のために用いることができる。
【0061】
さらに、固定手段は、底面に、少なくとも1つの保持手段を有していてもよい。保持手段は、細長くかつ/またはウェブ状に形成されていてもよい。さらに、保持手段は、突出部を安定化するために突出部と結合されていてもよい。したがって突出部は、可溶導体の配置後も持続的に安定するように形成されていてもよい。択一的または付加的に、保持手段が、開口部内へ突出する、かつ/または開口部を橋絡することが想定されていてもよい。したがって、開口部を、保持手段によって、たとえば分割することができる。保持手段自体は、少なくとも1つの凹部および/または貫通孔を有していてもよい。これは、たとえば開口領域の拡大および/または材料の節約、好適にはヒューズの省資源での形成に用いられる。
【0062】
可溶導体は、特に保持手段を介して、絶縁体の中空空間内へ案内されてもよい。したがって、可溶導体の固定箇所が突出部内または突出部の表面に位置しており、可溶導体が中空空間内へ折り曲げられるもしくは曲げられる前に、可溶導体が固定箇所の後に保持手段を介して案内されることが想定されていてもよい。保持手段と突出部とは、特に互いに平らに配向されていてもよい、または少なくとも実質的に同一の平面内に配置されていてもよい。したがってたとえば保持手段も突出部も、少なくとも実質的に平行に延在していてもよい、または絶縁体の端面によって張設された平面に沿って延在していてもよい。したがって保持手段は、可溶導体のさらなる位置的に安定した配置に寄与し、さらに絶縁体の中空空間内への容易にされた案内も可能にする。
【0063】
保持手段は、特に凹部または貫通孔として形成されている少なくとも1つの細長いスリットを有していてもよい。スリットは、特に保持手段の中央に延在しており、好適には材料の節約または導入領域の拡大のために用いられる。
【0064】
好適には、保持手段は、絶縁体内へ突出している、底面から離れる方向を向いた、可溶導体を案内するためのガイド脚部を有する。特に可溶導体は、ガイド脚部を介して、絶縁体の中空空間内へ折り曲げられていてもよい。ガイド脚部は、特に保持手段の中央に配置されていてもよく、好適には、保持手段の幅および/または開口部の最大直径の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは10%~70%にわたって延在していてもよい。ガイド脚部は最終的に、特に、鋭角等が存在しないように形成されていてもよく、これによって可溶導体の損傷は少なくとも実質的に確実に回避され得る。さらに、ガイド脚部を介して、可溶導体の位置的に安定した配置もさらに改良される。ガイド脚部によって、可溶導体のずれを大幅に減らすことができるからである。最終的に、ガイド脚部は、機能的に舌部と見なされてもよい。舌部は、ヒューズの取り扱い時にも、使用時もしくは製造時にも可溶導体を保護するために用いられる。したがって、固定手段の突出部から始まる折り曲げの際の可溶導体の亀裂および損傷を回避することができる。この突出部の表面には、もしくはこの突出部内には、固定箇所が配置されている。
【0065】
上述したように、これらの固定手段は、互いに少なくとも実質的に同じ構造で形成されていてもよい。同じ構造の形成によって、製造および生産に関して重要な利点が得られる。それぞれ設定されている絶縁体の端面での配置のために、固定手段の2つの異なる実施形態を用意する必要がないからである。これによって、生産工程におけるエラーを回避することができる。同じ理由から、これらの外側のコンタクトキャップ同士の同じ構造の形成も特に有利である。
【0066】
特に好ましい実施形態では、コンタクトキャップが載置されていない固定手段の外被が、絶縁体の外面に対して、特に絶縁体の外被面の外面に対して、少なくとも部分的に、終端部側で、すなわち自身の自由縁部で張り出しているように、固定手段が形成されていることが想定されている。特に次のことが自明である。すなわち、固定手段の別の区間または部分が少なくとも実質的に、絶縁体の外面に、好適には絶縁体の外被面に面一に接していてもよく、かつ/または当接していてもよく、この場合、固定手段の別の部分もしくは別の区間が、少なくとも、外側のコンタクトキャップが載置されていない仮組付け状態において、絶縁体の外被面に対して曲げられていてもよいということが自明である。
【0067】
好適には取り囲むように形成されていてもよい、固定手段の曲げられた区間は、特に、絶縁体における固定手段の摩擦力結合式の配置を改良するために用いられる。択一的または付加的に、曲げられた部分が、外側のコンタクトキャップを背面係合するために用いられことが想定されていてもよい。たとえば、外側のコンタクトキャップは、固定手段の背面係合を保証することができる手段を有していてもよい。したがって、たとえば外側のキャップは、固定手段の曲げられた部分もしくは張り出している部分を背面係合するために相応のフックを有していてもよい。最終的に、固定手段の張り出している区間もしくは曲げられた区間を介して、外側のコンタクトキャップの容易な載置を保証することが達成される。さらなる実施形態では、外側のコンタクトキャップが固定手段の曲げられた区間を絶縁体の外被面に少なくとも部分的に押し当てるように外側のコンタクトキャップが載置されてもよい。
【0068】
好適には、固定手段は、摩擦力結合式にかつ/または材料結合式に、好適には外側のコンタクトキャップによって、絶縁体と結合されている。特に、固定手段を、絶縁体から再び取り外すこともできる。別の実施形態では、固定手段と絶縁体との間に解離不能な結合が設けられていてもよい。
【0069】
固定手段は、たとえば自身の底面でもってのみ、少なくとも部分的に絶縁体内へ突出していてもよく、好適にはガイド脚部によってのみ絶縁体内へ突出していてもよい。固定手段の別の部分は、絶縁体の外側に配置されていてもよく、すなわちたとえば絶縁体の端面上に、かつ絶縁体の外被面上に位置していてもよく、かつ/またはこれに関連した面に接していてもよい。したがって、好適には突出部における可溶導体の固定を、固定手段を介して、絶縁体の内側または外側で行うことができ、すなわち、固定箇所は、絶縁体の内側または外側に位置していてもよい。
【0070】
さらなる好ましい実施形態では、コンタクトキャップが、固定手段および/または絶縁体と摩擦力結合式にかつ/または形状結合式にかつ/または材料結合式に結合されていることが想定されている。特に外側のコンタクトキャップの配置は、可溶導体に対する電気的な接触接続が保証され得るように行われる。この場合、可溶導体は固定手段と電気的に接触接続するように結合されていてもよいが、これは必ずしも必須ではない。また別の接触接続補助部、たとえば電気的な接続手段、特にはんだ接合部等が、可溶導体の接触接続のために設けられていてもよい。
【0071】
好適には、コンタクトキャップは、固定手段および/または絶縁体と摩擦力結合式にかつ/または形状結合式にかつ/または材料結合式に結合されている。最終的に、コンタクトキャップが、好ましくは完全に各固定手段を覆い、絶縁体の内部に配置されている可溶導体の外面側の接触接続を可能にするようにコンタクトキャップが配置されていてもよい。
【0072】
固定手段の開口部は、特に、絶縁体の中空空間の開口部の面積、特に、絶縁体の中空空間の最大横断面積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも85%にわたって延在していてもよく、この場合、好適には、横断面は絶縁体の端面に対して平行に延在している。
【0073】
特に、固定手段および/または外側のコンタクトキャップは、導電性材料、特に金属を有していてもよく、かつ/または導電性材料、特に金属から成ることができる。択一的または付加的に、固定手段のために弾性的なプラスチック材料および/または非導電性材料が使用されることが想定されていてもよい。
【0074】
さらに、絶縁体の中空空間は、少なくとも部分的に、有利には完全に、消弧剤で充填されていてもよい。消弧剤は、特に、固定手段の開口部を介して導入可能である。大きな開口領域によって、比較的容易に消弧剤を絶縁体内に入れることが達成される。
【0075】
さらに、外側のコンタクトキャップは、好適には接続手段を介して、絶縁体と材料結合式に結合されていてもよい。たとえば、外側のコンタクトキャップは、はんだ接合を介して絶縁体と結合されていてもよい。
【0076】
さらに絶縁体は、電気的に絶縁性の材料、好適にはガラスおよび/またはセラミックを有していてもよく、かつ/またはガラスおよび/またはセラミックから成っていてもよい。
【0077】
可溶導体は材料として導電性材料、好適には金属を有していてもよく、かつ/または導電性材料、好適には金属から成っていてもよい。可溶導体のための材料としては、特に銅、ニッケル、鋼、金、および/または銀が使用される。さらに、可溶導体は材料として、金属合金、たとえば銀合金および/または銅合金も有していてもよい。
【0078】
可溶導体は、可溶導体ワイヤおよび/または可溶導体テープとして形成されていてもよい。さらに可溶導体は、少なくとも実質的に円形の横断面および/または楕円形の横断面または少なくとも実質的に方形の横断面を有していてもよい。
【0079】
さらに可溶導体は狭隘部を備えることができ、この狭隘部によって、より機敏なまたはより緩慢な過負荷挙動および/または短絡挙動が調節可能になる。狭隘部は、特に横断面狭隘部として形成されていてもよい。
【0080】
消弧剤は、特に、好適には固定された粒子分布を備えた消弧砂を有していてもよく、これは好ましくはヒューズリンクにおける使用に適している。さらに、着色された砂、砂の破片および/またはセラミックの破片および/またはガラス小球も消弧剤として使用可能である。
【0081】
別の好ましい実施形態では、可溶導体の各終端部側領域が、導電性の接続手段を介してそれぞれの外側のコンタクトキャップと電気的に接続されていることが想定されている。特に、接続手段は、少なくとも部分的に、固定手段内に、かつ/または固定手段の表面に配置されている。好適には、接続手段は、固定手段を介して絶縁体の内部に「クリープ」しない。
【0082】
さらに、可溶導体を電気的に接触接続させ、好適には外側のコンタクトキャップと結合させるように、接続手段が形成されていてもよい。したがって、接続手段はコンタクト手段として形成されていてもよい。好適には、接続手段は、はんだ接合部、特に低温はんだとして形成されていてもよく、かつ/または特に鉛フリーの導電性の接着剤として形成されていてもよい。
【0083】
接続手段は、外側のコンタクトキャップを固定手段および/または絶縁体と、好ましくは材料結合式に結合するように形成されていてもよい。
【0084】
さらに、上述の課題は、少なくとも実質的に、上述した実施形態のうちの1つによるヒューズ、特にSMDヒューズおよび/または機器保護ヒューズを製造する方法によって解決されている。この方法は、
A)絶縁体、可溶導体、少なくとも1つの固定手段および外側のコンタクトキャップを準備するステップ、
B)固定手段を絶縁体の端面上に載置するステップ、
C)可溶導体を1つまたは複数の固定手段へ配置することによって、かつ可溶導体を各固定手段に好適には摩擦力結合式かつ/または材料結合式に固定することによって、絶縁体内へ可溶導体を装填するステップであって、これによって可溶導体は絶縁体内に位置安定的に配置されている、ステップ、
D)任意選択的に、可溶導体を、1つまたは複数の固定手段と圧着するステップ、
E)絶縁体に、かつ少なくとも部分的に1つまたは複数の固定手段に外側のコンタクトキャップを載置するステップであって、これによって各固定手段に少なくとも部分的に、対応付けられている外側のコンタクトキャップが被せ嵌められる、ステップ
を含んでおり、これらのステップは、好ましくは提示された順序で(相前後して)実行される。
【0085】
本発明による方法と関連して、ヒューズの上述した好ましい実施形態ならびに利点が参照されてもよい。これらは、特にさらなる明示的な言及を必要とせずに、本発明による方法に同様に当てはまる。同時に、以降に挙げる方法の特徴は、上述の本発明によるヒューズにも同様に当てはまる。したがって、不要な繰り返しを避けるために、上述の説明を参照されたい。
【0086】
外側のコンタクトキャップを載置することによって、特に、外側のコンタクトキャップと、固定された可溶導体との電気的な接続が生じ、これは、特にステップE)の後にまたはステップE)によって行われる。
【0087】
別の特に好ましい実施形態では、絶縁体に、好適にはステップB)および/またはステップC)の後に、かつ/またはステップD)および/またはステップE)の実行前に、消弧剤、特に消弧砂、粒剤および/またはガラスビーズが、好適には固定手段の開口部を介して充填されることが想定されている。固定手段の拡大された開口部もしくは大きな開口部によって、比較的容易に、消弧剤を絶縁体内に入れることが達成され、これは可溶導体が既に絶縁体内に入れられている場合でも、可溶導体がその後に絶縁体内に入れられる場合でも同じである。
【0088】
ステップC)における可溶導体の装填は、ステップC)の実行後に、特に任意選択的なステップB)の実行後に、可溶導体が保持手段を介して、好適にはガイド脚部を介してガイドされて、中空体の内室へ曲げられるように実行され得る。固定手段の突出部によって、特に保持手段およびガイド脚部の上面に沿った案内によって、可溶導体の配置に関する規定された設定を比較的容易に守ることが達成でき、これによって、好ましくは可溶導体が絶縁体内でセンタリングされて配置可能である。したがって、特に絶縁体の内壁における可溶導体の当接を少なくとも実質的に確実に阻止することができることによって、ヒューズの製造時の生産エラーを回避することができる。本発明によれば、可溶導体は、可溶導体の少なくとも実質的に直立なかつ/または位置的に安定した配置が保証され得るように、絶縁体内に入れられる。
【0089】
特に、絶縁体が内部で完全には消弧剤によって充填されないかつ/または埋められないことが想定されている。好ましくは絶縁体が少なくとも部分的に消弧剤で充填されるかつ/または埋められる。
【0090】
好ましくは、可溶導体は、工具、好適には供給用のニードルを用いて、絶縁体内に入れられる。特に可溶導体を、工具を用いて、固定手段を介して挿入し、固定手段に固定することができる。
【0091】
好ましくは、可溶導体ははじめに、第1の固定手段を介して導入され、工具、好ましくは供給用のニードルによって、別のもしくは対向する固定手段へ案内され、特にこの固定手段内で特に摩擦力結合式にかつ/または材料結合式に固定される。
【0092】
絶縁体における可溶導体の配置および可溶導体を好ましくは位置的に安定して固定した後に、可溶導体は外側のコンタクトキャップと電気的に接続されてもよい。好適にはこれは、導電性の接着剤を、可溶導体と外側のコンタクトキャップとの間に接続手段として導入することによって行われる。
【0093】
特に、はじめに、接続手段、好適には導電性の接着剤が被着されてもよく、好適にはこれによって、可溶導体が接触接続される。次いで、外側のコンタクトキャップが載置されてもよく、これによって特に、外側のコンタクトキャップと絶縁体および/または固定手段との間の材料結合も達成され得る。
【0094】
さらに、外側のコンタクトキャップは、絶縁体を介して、好適には固定手段を介して、オーバープレスによって設置されてもよく、これによって、特に、外側のコンタクトキャップと絶縁体との間の材料結合による結合作用を省くことができる。
【0095】
特に、可溶導体は、絶縁体内に少なくとも実質的にセンタリングされて配置されてもよく、このことは、ヒューズの挙動にとって特に有利である。
【0096】
特に、本発明による製造方法によって、接続手段として、低温はんだを使用することが可能である。好適には接続手段が、液状状態において、特にリフローの際に、構造空間全体に侵入することができなくなるからである。
【0097】
別の好ましい実施形態では、ステップC)において、突出部から側方で張り出している少なくとも2つの脚部が次のように屈曲している、すなわち、これらの脚部が互いに重なり合ってかつ/または互いに上下に位置し、かつ可溶導体が脚部と突出部との間に固定されるように屈曲していることが想定されていてもよく、特にここでは脚部が圧着され、かつ/または特にここでは、可溶導体と脚部とが相互に材料結合式に結合され、特にはんだ接合される。可溶導体のこのような固定は、ヒューズにおける可溶導体の確実で持続的でかつ安定的な接触接続である。さらに、必要に応じてはんだ接合を省くことができる。しかし当然、はんだ接合が追加で設定されていてもよい。
【0098】
その他に、上述のインターバルおよび範囲の境界には、あらゆる中間インターバルおよび個別値が、これらの中間インターバルおよび個別値が具体的に示されていない場合であっても、含まれており、本発明にとって重要なものとして開示されていると見なされるべきであることが自明である。
【0099】
本発明の他の特徴、利点および可用性は、以降の、図面に基づく実施例の説明および図面自体から明らかとなる。ここで、説明された、かつ/または図示された全ての特徴は、それ自体でも、任意の組み合わせにおいても、特許請求の範囲におけるそれらの要約またはそれらの従属関係とは無関係に、本発明の対象を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1】概略的に示した本発明によるヒューズの斜視図を示す図である。
図2】外側のコンタクトキャップを有していない、図1に概略的に示されたヒューズの第1の状態における斜視図を示す図である。
図3図2に示した構成要素の断面図を示す図である。
図4】外側のコンタクトキャップを有していない、図1に概略的に示されたヒューズの第2の状態における斜視図を示す図である。
図5図4に示した構成要素の断面図を示す図である。
図6】外側のコンタクトキャップを有していない、本発明によるヒューズの別の実施形態の第1の状態における概略的な斜視図を示す図である。
図7図6に示した構成要素の断面図を示す図である。
図8】外側のコンタクトキャップを有していない、図6に示されたヒューズの第2の状態における概略的な斜視図を示す図である。
図9図8に示した構成要素の断面図を示す図である。
図10】外側のコンタクトキャップを有していない、本発明によるヒューズの別の実施形態の第1の状態における概略的な斜視図を示す図である。
図11図10に示した構成要素の断面図を示す図である。
図12】外側のコンタクトキャップを有していない、図10に示されたヒューズの第2の状態における概略的な斜視図を示す図である。
図13図12に示した構成要素の断面図を示す図である。
図14】本発明による、概略的に示された、ヒューズの製造のための方法フローを示す図である。
図15】可溶導体の概略図を示す図である。
【0101】
図1は、ヒューズ1の概略的な斜視図を示している。ヒューズ1は、特にSMDヒューズまたは機器保護ヒューズとして使用され得る。
【0102】
以降では、ヒューズ1とは、特にヒューズリンクを意味し、ヒューズリンクは、図示されていないヒューズホルダ内に装填され得る。しかし、以降の説明が、特にヒューズリンクに当てはまることが自明である。
【0103】
ヒューズホルダは、台座等のヒューズ下側部分と、スクリューキャップまたはバヨネットキャップ等のヒューズリンク支持体とを有していてもよい。ヒューズ下側部分は、保護されるべき機器内に組み込まれてもよい。ヒューズリンク支持体は、ヒューズリンクもしくはヒューズ1を収容することができ、したがって、容易な交換を可能にすることができる。
【0104】
SMDヒューズ1の場合には、さらに、ヒューズ1が、詳細には示されていないプリント基板と固定的に結合されていてもよいことが想定されていてもよい。
【0105】
図1は、ヒューズ1が絶縁体2を有していることを示している。
【0106】
絶縁体2は、図1に概略的に示されているように、少なくとも実質的に直方体形の基本構造を有している。択一的または付加的に、少なくとも実質的に円筒状の絶縁体2、または幾何学的に異なって形成されている絶縁体2も設けられていてもよい。
【0107】
絶縁体2には、図3に概略的に示されているように、可溶導体3が配置されている。可溶導体3は、絶縁体2の内側に、好適には中央領域に配置されており、かつ/または取り付けられており、好適には少なくとも実質的にセンタリングされている。
【0108】
ヒューズ1は、図1に概略的に示したような外側のコンタクトキャップ4をさらに含んでいる。外側のコンタクトキャップ4は、可溶導体3と電気的に接続されている。さらに、各外側のコンタクトキャップ4は、絶縁体2に、特に絶縁体2の端面5および6に、好適にはオーバープレスによって載置されている。
【0109】
絶縁体2は、端面5,6ならびに外被面7を有している。絶縁体2の端面5,6は、特に少なくとも実質的に開放されている、もしくは開放されて形成されている。
【0110】
図2は、可溶導体3が少なくとも1つの固定手段8によって固定されていることを示しており、これによって可溶導体3は、固定手段8を介して位置安定的に、好適には少なくとも実質的にセンタリングされて、絶縁体2内に配置されている。
【0111】
最終的に、可溶導体3は、少なくとも1つの固定手段8によって絶縁体2内に位置安定的に配置されている。固定手段8は、図2および図3から概略的に明らかなように、端面で絶縁体2上に載置されている。
【0112】
図1は、固定手段8に、少なくとも部分的に、図1に示されている実施例では完全に、対応付けられている外側のコンタクトキャップ4が被せ嵌められていることを示している。図1は、いずれにせよ、被せ嵌められている領域において固定手段8が外側でコンタクトキャップ4によってカバーされているもしくは覆われているように固定手段8の被せ嵌めが設定されていることを示している。
【0113】
図3は、絶縁体2の終端部側領域において固定手段8自体が絶縁体2に被さって嵌まっていることを示している。図3に示した実施例では、固定手段8が、絶縁体2の各端面5,6上に載置されている補助キャップとして機能することが想定されている。図3に示した実施例では、固定手段8は、絶縁体2内へ突出する領域もしくは区間を有していない。たとえば図11にも示されているような他の実施形態では、固定手段8の一領域もしくは一区間は、絶縁体2内へ突出している。しかし、固定手段8は絶縁体2の外面、好適には全面にわたって延在している。
【0114】
可溶導体3は、固定手段8と摩擦力結合式に、形状結合式にかつ/または材料結合式に結合されていてもよい。図5に示された実施例では、可溶導体は固定手段8と摩擦力結合式に結合されており、特に相応のクランプ手段にクランプされている。
【0115】
図2および図3は、可溶導体3がまだ固定手段8と持続的には結合されていない、ヒューズ1の仮組付け状態を示している。これに対して図4および図5は、結合されている状態を示している。これは、以降でさらに説明するように、圧着が既に行われていることによって相違している。同じ相違は、ヒューズの仮組付け状態を示す図6および図7にも当てはまり、この場合、これに対応する図8および図9は、固定手段8の「最終状態」または組付け状態を明確に示している。同じことが、可溶導体がまだ固定手段8と圧着されていない図10および図11にも当てはまる。図12および図13は、図10および図11に示した固定手段8の圧着状態を示している。
【0116】
図3図5図7図9および図11から明らかなように、2つの固定手段8が設けられており、これらの固定手段8は、特に互いに少なくとも実質的に同じ構造で形成されている。図1には、互いに同じ構造の2つの外側のコンタクトキャップ4が設けられていることが示されている。
【0117】
各固定手段8は、絶縁体2の1つの端面の終端領域と、1つの外側のコンタクトキャップ4とに対応付けられていてもよい。
【0118】
可溶導体3が固定手段8とたとえば材料結合式または形状結合式に結合され得ることが想定可能であることは図示されていない。
【0119】
可溶導体3は、終端部側領域10,11によって囲まれている中央領域9を含んでいる。中央領域9は、可溶導体3が装填された状態では、絶縁体2内に位置している。可溶導体3の終端部側領域10,11は、固定箇所を有していてもよい。
【0120】
この関連において、終端部側領域10、11が、必ずしも自身の外側終端部で固定されている必要はなく、最終的に可溶導体3の外側領域を形成していることが自明である。
【0121】
したがって、可溶導体3は、少なくとも1つの終端部10,11の領域において、少なくとも1つの固定手段8内に配置、保持もしくは固定されている。
【0122】
細長い形状を有する可溶導体3は、図15に概略的に示されているように、可溶ワイヤまたは可溶テープとして形成されていてもよい。
【0123】
可溶導体3が、支持体手段もしくは支持体材料上に、かつ/または支持体手段もしくは支持体材料の表面に配置されていてもよく、特に被着されていてもよく、かつ/または展開されていてもよいことは図示されていない。支持体手段としては、少なくとも1つのグラスファイバおよび/またはグラスファイバ芯が設けられていてもよい。支持体手段は、可溶導体3と共に少なくとも摩擦力結合式に、固定手段8内に固定されていてもよい。支持体手段は、部分的にまたは完全に、可溶導体3の長さ12にわたって延在していてもよい。
【0124】
図示の実施例では、可溶導体3の長さ12が(「引き伸ばされた」状態もしくは曲げられていない状態において)、絶縁体2の長さ13を上回っていることが示されている。
【0125】
他の実施形態では、可溶導体3の長さ12が絶縁体2の長さ13以下であってもよい。
【0126】
さらに、可溶導体3が、固定手段8において張力がかけられている状態もしくはクランプされている状態において、固定された箇所もしくは固定箇所を越えて突き出ていてもよい、または固定された箇所もしくは固定箇所に対して曲げられていてもよいことが自明である。したがって、固定箇所は、各終端部側領域10,11に位置している。
【0127】
可溶導体3は、絶縁体2の中空空間14にわたって延在している。少なくとも1つの固定手段8は、中空空間14を端面で画定している。
【0128】
図7に示された実施例では、固定手段8がそれぞれ導電的に可溶導体3と接続されていることが想定されている。他の実施形態では、可溶導体3が外側のコンタクトキャップ4と電気的に接触接続するように結合されていれば十分であり得る。このことは特に、補助キャップもしくは固定手段8が電気的に絶縁性の材料から形成されている場合に当てはまる。しかし好ましくは、固定手段8は、導電性材料、特に金属を有している、または導電性材料、特に金属から成っている。したがって、固定手段8を介して、外側のコンタクトキャップ4と可溶導体との間の容易な接触接続が可能になり得、可溶導体の接触接続のためには、固定手段8に接触接続すれば十分であるので、外側のコンタクトキャップ4が、必ずしも直接的に可溶導体3に当たっていなくてもよい。可溶導体3の接触接続のための、たとえばはんだおよび/または導電性の接着剤等の別の必要な接続手段を省くこともできる。しかし基本的には、外側のコンタクトキャップ4が、接続手段、たとえばはんだおよび/または導電性の接着剤を介して、可溶導体3と、電気的に接触接続するように結合されていることが想定されていてもよい。
【0129】
図5は、固定手段8が、絶縁体2の外被面7上に配置するために設けられている外被15を有していることを示している。ここでは、外被15は、絶縁体2の内室に接しているのではなく、絶縁体2の外被7の外面に接している。このために外被は、互いに直角に配置されている4つの外被側面を有している。さらに図5は、固定手段8が底面または端面16を含んでいることを示しており、この底面または端面16は、絶縁体2の各端面5,6の上に少なくとも部分的に位置するように設けられている。
【0130】
底面16は、底面16が絶縁体2の内室内へ突出するように形成されていてもよい。しかし図5では、底面16が、絶縁体2の内室内へ突出しておらず、単に絶縁体2の中空空間14に接している、もしくは絶縁体2の中空空間14を画定していることが想定されている。これに対して図13に示されている実施例では、底面16の一区間が中空空間14内(ひいては絶縁体2内)へ突出していることが想定されている。
【0131】
図5にはさらに、固定手段8の底面16が開口部17を有していることが示されている。開口部17は、特に底面16の貫通孔として構成されている。開口部17は、ここでは、1つの部分から形成されていても、複数の部分から形成されていてもよい。図8には、たとえば、開口部17の複数の部分から成る形成が示されている。最終的に、ヒューズ1の他の構成要素、たとえば消弧剤充填部を、開口部17を介して絶縁体2内へ入れることができる。本発明によって、開口部17の特に大きな面積を提供することが可能となる。開口部17は、絶縁体2の中空空間14内へ合流することができる、かつ/または絶縁体2の中空空間14を画定することができる。
【0132】
図4には、少なくとも1つの突出部18が開口部17内へ突出している、もしくは開口部17内に配置されていることが示されている。突出部18は、固定手段8の底面16に属している。図4に示された実施例では、突出部18がウェブ形状にかつ/または細長く形成されていることが想定されている。突出部18は、開口部17の縁部を完全に取り囲んでいない。ここでは、突出部18の長さは特に、開口部17の最大開口幅の10%~80%、好ましくは15%~50%であってもよい。最終的に、突出部18は、底面16の環状の材料から開口部17の領域内へ突出している。可溶導体3が、突出部18を介して絶縁体2の内室内へ案内されてもよい。この場合、突出部18の長さは、可溶導体3が内室内へどの程度まで導き入れられるかも設定することができる。したがって特に有利には、絶縁体2における可溶導体3の実質的にセンタリングされた配置が保証され得るように、突出部18が少なくとも実質的に開口部17内へ突出している。
【0133】
可溶導体3の固定箇所は、特に、突出部18の表面に、もしくは突出部18上に設けられていてもよい。
【0134】
したがって、可溶導体3は、摩擦力結合式に、力結合式に、かつ/または材料結合式に、好適にはクランプされて、突出部18に固定されていてもよい。図5に示された実施例では、可溶導体3の終端部側領域10,11が、突出部18内でもしくは突出部18の表面でクランプされていることが想定されている。
【0135】
図示の実施例ではそれぞれ、突出部18が脚部19を有していることが想定されている。最終的に、図示の実施例では、突出部の互いに反対の側に配置されている2つの脚部19が想定されている。
【0136】
さらに、図示の実施例では、最終的に、固定手段8の3つの異なる変化態様が示されている。ここで図2および図3図6および図7、ならびに図10および図11は、それぞれ、仮組付け状態が表されている第1の状態を示しており、この状態において脚部19は、まだ屈曲されていない。次いで、可溶導体3をクランプするために、可溶導体3が突出部18と圧着されるように脚部19が屈曲されることが想定されていてもよい。これは、それぞれ、これに対応する図4および図5図8および図9図12および図13に示されている。これらの図において、脚部19は互いに上下に配置されている、もしくは互いに重なり合って配置されている。したがって、可溶導体3は、自身の終端部側領域10,11において突出部18と固定的に結合されている。これらの脚部19は、突出部18から側方で張り出しており、かつ自身の端面で、側方で向かい合って位置するように突出部18に配置されている。
【0137】
特に可溶導体3は、脚部19によって突出部18に固定されている。可溶導体3は、さらに突出部18と脚部19との間で囲まれており、特にクランプされている。他の実施形態では、可溶導体3は、突出部18の脚部19とリベット留めされていてもよい、かつ/または材料結合式に結合されていてもよく、特にはんだ接合されていてもよい。
【0138】
可溶導体3が突出部18と溶接されていてもよいことおよび/またははんだを介して結合されていてもよいことは詳細には図示されていない。可溶導体3が他の実施形態において、場合により付加的に、導電性の接着剤によって接着されていてもよいということも図示されていない。
【0139】
図6および図7ならびに図10および図11による実施形態は、保持手段20が設けられているという点で、図2および図3に示された実施形態と相違している。保持手段20は、底面16に設けられている。特に、保持手段20は、突出部18を安定させるために用いられる。図6図13に示されているように、保持手段20は突出部18と直接的に結合されている。特に、保持手段20は、開口部17の全開口幅にわたって延在している。保持手段20は、細長いスリット21を有していてもよい。さらに、保持手段20は、開口部17を分断する、または複数の区間もしくは複数のサブ開口部に分割することができる。最終的に、保持手段20は、開口部17を橋絡することができる。図6図13に示した実施例に示されているように、可溶導体3は、保持手段20を介して絶縁体2内へ案内される。ここでは、可溶導体3が、突出部18において、自身の固定箇所でもって固定され、次いで保持手段20を介して中空空間14内へ案内されることが想定されている。したがって、保持手段20は、突出部18の安定化の他に、可溶導体3の規定された案内のためにも用いられ、したがって、絶縁体2における可溶導体3の位置的に安定した、特にセンタリングされた配置を容易にする。
【0140】
図10図13の実施形態では、保持手段20がガイド脚部22を有していることが想定されている。ガイド脚部22は、保持手段20の幅および/または開口部17の開口幅の少なくとも30%、好適には30%~70%にわたって延在していてもよい。可溶導体3は、ガイド脚部22を介して絶縁体2の内室もしくは中空空間14内へ案内されていてもよい。この場合、ガイド脚部22は、絶縁体2の内側に配置されていてもよく、最終的に中空空間14内へ突出していてもよい。ガイド脚部22によって、折り曲げ時の可溶導体3の損傷が少なくとも実質的に阻止され得ることを保証することができる。このために、ガイド脚部22は、保持手段20への移行部において丸み付けられて折り曲げられていてもよく、したがって、可溶導体3の丸み付けられた折り曲げも保証することができる。最終的に、ガイド脚部22と保持手段20との間に鋭角は存在していない。
【0141】
図10図13の実施形態ではさらに、固定手段8の外被15が、コンタクトキャップ4が載置されていない状態において、すなわち仮組付け状態において、絶縁体2の外面に対して少なくとも部分的に、好適には周方向で、終端部側で張り出しているように固定手段8が形成されていることが示されている。さらに、図10および図11は、固定手段8の外被15が別の領域24、特に環状の領域24を含んでいることを示しており、この別の領域24は、絶縁体2、特に絶縁体2の外被面7に面一に当接する。固定手段8の外被15の面一の領域24は、絶縁体2の各端面5,6に向けられていてもよい。固定手段8の外被15の曲げられている領域23は、特に、絶縁体2でのコンタクトキャップ4の摩擦力結合式の配置を改良するために形成されていてもよく、かつ/または各端面の終端領域において固定手段8および絶縁体2上に載置される外側のコンタクトキャップ4の背面係合のために用いられる。
【0142】
固定手段8は、最終的に摩擦力結合式にかつ/または材料結合式に、好適には外側のコンタクトキャップ4によって、絶縁体2と結合されてもよい。
【0143】
外側のコンタクトキャップ4も同様に、固定手段8および/または絶縁体2と摩擦力結合式にかつ/または形状結合式にかつ/または材料結合式に結合されてもよい。最終的に、個々の構成要素の結合は、各実施形態に応じて選択される。ヒューズ1の適用領域が、構成要素相互の結合に対して影響を及ぼすこともある。この関連において、個々の結合法を互いに組み合わせることができることも自明である。したがって、使用事例が必要とする場合には、たとえば摩擦力結合式の結合の他に、特に材料結合式の結合も存在していてもよい。
【0144】
図示の実施例では、固定手段8もコンタクトキャップ4も導電性材料、特に金属を有している、かつ/または導電性材料、特に金属から成っている。外側のコンタクトキャップ4は、載置された状態において、可溶導体3に直接的に当接していてもよい。択一的または付加的に、ヒューズ1の最終組付け状態において、可溶導体3、特に可溶導体3の終端部側領域10,11と、外側のコンタクトキャップ4の内面との間に間隔が存在していることも想定されてもよい。この場合には外側のコンタクトキャップ4は、各固定手段8を介した接触接続を介して、かつ/または接続手段、たとえば導電性の接着剤等の導入によって、可溶導体3と電気的に接続されてもよい。このことは特に、固定手段8が電気的に絶縁性の材料、たとえば弾性プラスチックから形成されている場合に有利である。
【0145】
接続手段として、はんだ接合部および/または導電性の、特に鉛フリーの接着剤が設けられていてもよい。
【0146】
さらに、接続手段は、外側のコンタクトキャップ4と固定手段8および/または絶縁体2との間の材料結合を可能にすることができる。
【0147】
特に、接続手段は、絶縁体2の内側領域に侵入しない、またはクリープしない。
【0148】
絶縁体2の中空空間14が、少なくとも部分的に消弧剤、特に消弧砂、粒剤および/またはガラスビーズによって充填されていることは詳しくは図示されていない。消弧剤を、特に開口部17を介して絶縁体2内へ導入することができる。
【0149】
固定手段8は、摩擦力結合式に、材料結合式にかつ/または形状結合式に絶縁体2と結合されてもよい。最終的に、固定手段8は、特に、好ましくは取り外し可能に絶縁体2と結合され得るように形成されている。したがって、固定手段8も、図示されていない他の実施形態において、少なくとも部分的に絶縁体2内にクランプされてもよい。
【0150】
絶縁体2が、電気的に絶縁性の材料、特にガラスコンパウンドおよび/またはセラミックコンパウンドを含んでいる材料を有している、かつ/または電気的に絶縁性の材料から成っていることは詳しくは図示されていない。
【0151】
図14は、ヒューズ1を製造する方法の概略的なフローを示している。特にこの方法によって、上述の実施形態のうちの1つによるヒューズ1が製造される。したがって、SMDヒューズおよび/または機器保護ヒューズの製造を行うことができる。
【0152】
図14は、図示の概略的なフローにおいて相前後して実行されるステップA~ステップEを示している。しかしこの関連において、個々のステップの変更された順序(少なくともこれは時間的な順番に関する)も想定されていてもよいことが自明である。
【0153】
図14に示された実施例ではステップA)において、絶縁体2、可溶導体3、少なくとも1つの固定手段8および外側のコンタクトキャップ4が準備されることが想定されている。
【0154】
さらに、ステップB)において、少なくとも1つの固定手段8、好適には2つの固定手段8が、絶縁体2の端面5,6上に載置されることが想定されている。続いて、ステップC)において、可溶導体3を固定手段8に配置し、可溶導体3を固定手段8に好適には摩擦力結合式かつ/または材料結合式に固定することによって、絶縁体2内への可溶導体3の装填が行われ、これによって可溶導体3は、絶縁体2内に位置安定的に配置されている。
【0155】
ステップD)は、任意選択的に設けられている。ステップD)において、特に可溶導体3が固定手段8と圧着される。圧着は特に、突出部18の脚部19が相互に重なって置かれ、次いで圧着されることによって行われてもよく、これによって、可溶導体3は、自身の終端部側領域10,11でもって、各突出部18と結合される。したがって、この圧着によって、可溶導体3の固定箇所を設けることができる。
【0156】
次いでステップE)において、絶縁体2および少なくとも部分的に固定手段8へ、外側のコンタクトキャップ4が載置される。この載置は、固定手段8に少なくとも部分的にコンタクトキャップ4が被せ嵌められるように行われる。特に、各固定手段8には、完全にコンタクトキャップ4が被せ嵌められ、かつ/または各固定手段8は完全にコンタクトキャップ4によって覆われる。したがって、固定手段8はもはや外側からアクセスできない。
【0157】
外側のコンタクトキャップ4の載置によって、特に、可溶導体3と外側のコンタクトキャップ4との間に電気的な接触接続が生じる。この接触接続は、たとえば、可溶導体3の直接的な接触接続によって、または各固定手段8を介した間接的な接触接続を介して行われてもよい。
【0158】
好ましくは、ステップC)において、突出部18から側方で張り出している少なくとも2つの脚部19が、これらの脚部19が互いに重なり合ってかつ/または互いに上下に位置し、かつ可溶導体3が脚部19と突出部18との間に固定されるように屈曲されることが想定されている。圧着に加えて、可溶導体3と脚部19とが互いに材料結合式に結合されること、特にはんだ接合されることも想定されてもよい。
【0159】
絶縁体2内への可溶導体3の導入後または導入前に、絶縁体2に、特に内側の中央領域において消弧剤、好適には消弧砂を充填することができる。したがって、絶縁体2に、特にステップC)の後に、かつ/またはステップD)の後に、かつ/またはステップE)の実行前に、消弧剤が、好ましくは部分的に充填され得る。他の実施形態では、消弧砂の他に、粒剤および/またはガラスビーズも想定されている。
【符号の説明】
【0160】
1 ヒューズ
2 絶縁体
3 可溶導体
4 外側のコンタクトキャップ
5 2の端面
6 2の端面
7 2の外被面
8 固定手段
9 3の中央領域
10 3の終端部側領域
11 3の終端部側領域
12 3の長さ
13 2の長さ
14 中空空間
15 8の外被
16 底面
17 開口部
18 突出部
19 脚部
20 保持手段
21 スリット
22 ガイド脚部
23 15の曲げられている部分
24 15の面一の部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空空間(14)を有する絶縁体(2)と、前記絶縁体(2)内に配置されている可溶導体(3)と、前記絶縁体(2)上に端面で載置されており、前記可溶導体(3)と電気的に接続されている外側のコンタクトキャップ(4)とを備えるヒューズ(1)、特にSMDヒューズおよび/または機器保護ヒューズにおいて、
前記絶縁体(2)に位置的に安定して配置するために、前記可溶導体(3)は、コンタクトキャップ(4)に対応付けられている少なくとも1つの固定手段(8)によって固定されており、
前記固定手段(8)は端面で前記絶縁体(2)上に載置されており、前記固定手段(8)に、少なくとも部分的に、対応付けられている前記コンタクトキャップ(4)が被せ嵌められている、
ことを特徴とするヒューズ(1)。
【請求項2】
少なくとも2つの固定手段(8)が設けられている、請求項1記載のヒューズ。
【請求項3】
前記固定手段(8)は、対応付けられている前記コンタクトキャップ(4)によって完全に覆われている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項4】
前記固定手段(8)は、前記可溶導体(3)と電気的に接続されている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項5】
前記固定手段(8)は、前記絶縁体(2)の外被面(7)に少なくとも部分的に当接する外被(15)を有する、かつ/または前記固定手段(8)は、前記絶縁体(2)の端面(5,6)の上に少なくとも部分的に位置する底面(16)を有する、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項6】
前記固定手段(8)の前記底面(16)は開口部(17)を有し、特に、前記開口部(17)は、前記絶縁体(2)の前記中空空間(14)を画定している、かつ/または前記絶縁体(2)の前記中空空間(14)内へ合流している、請求項記載のヒューズ。
【請求項7】
前記開口部(17)内へ、少なくとも1つの、特にウェブ状かつ/または細長い突出部(18)が、前記固定手段(8)の前記底面(16)から、前記可溶導体(3)を固定するために、かつ/または前記可溶導体(3)を上に置くために突出している、請求項記載のヒューズ。
【請求項8】
前記可溶導体(3)は摩擦力結合式に、力結合式に、かつ/または材料結合式に、好適にはクランプされて、前記突出部(18)に固定されており、かつ/または
前記突出部(18)は、少なくとも2つの、好適には前記突出部(18)の側方に配置されている、屈曲した脚部(19)を有し、前記可溶導体(3)は前記脚部(19)によって前記突出部(18)に固定されており、特に前記突出部(18)と前記脚部(19)との間に挟み込まれており、特にクランプされており、特に、屈曲した前記脚部(19)は、互いに重なり合って位置し、かつ/または互いに上下に配置されており、かつ/または特に、前記可溶導体(3)は、前記突出部(18)の前記脚部(19)と圧着されており、リベット留めされており、かつ/または材料結合式に結合されており、特にはんだ接合されており、かつ/または
前記可溶導体(3)は前記突出部(18)と溶接されており、かつ/または
前記可溶導体(3)は前記突出部(18)と、はんだを介して結合されている、かつ/または前記突出部(18)と、好適には導電性の接着剤を介して接着されている、請求項記載のヒューズ。
【請求項9】
前記固定手段(8)は、前記底面(16)に、特にウェブ状かつ/または細長い、少なくとも1つの保持手段(20)を有し、特に前記保持手段(20)は、前記突出部(18)を安定化するために前記突出部(18)と結合されている、かつ/または特に前記保持手段(20)は、前記開口部(17)内へ突出しており、かつ/または前記開口部(17)を橋絡し、かつ/または特に前記可溶導体(3)は、少なくとも部分的に前記保持手段(20)を介して前記絶縁体(2)内へ案内されている、請求項記載のヒューズ。
【請求項10】
前記保持手段(20)は、少なくとも1つの細長いスリット(21)を有する、請求項記載のヒューズ。
【請求項11】
前記保持手段(20)は、前記絶縁体(2)内へ突出し、前記底面(16)から離れる方向を向いた、前記可溶導体(3)を案内するためのガイド脚部(22)を有し、特に前記可溶導体(3)は、前記ガイド脚部(22)を介して、前記絶縁体(2)の前記中空空間(14)内へ、好適には丸み付けられて、折り曲げられている、請求項記載のヒューズ。
【請求項12】
前記固定手段(8)は、互いに少なくとも実質的に同じ構造で形成されており、かつ/または前記外側のコンタクトキャップ(4)は、互いに少なくとも実質的に同じ構造で形成されている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項13】
コンタクトキャップ(4)が載置されていない前記固定手段(8)の前記外被(15)が、前記絶縁体(2)の外面に対して、少なくとも部分的に、終端部側で、前記絶縁体(2)の自由縁部で張り出しているように、前記固定手段(8)が形成されている、請求項記載のヒューズ。
【請求項14】
前記固定手段(8)は、摩擦力結合式にかつ/または材料結合式に、好適には前記コンタクトキャップ(4)によって、前記絶縁体(2)と結合されている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項15】
前記コンタクトキャップ(4)は、前記固定手段(8)および/または前記絶縁体(2)と摩擦力結合式にかつ/または形状結合式にかつ/または材料結合式に結合されている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項16】
前記固定手段(8)および/または前記コンタクトキャップ(4)は、導電性材料、特に金属を有する、かつ/または導電性材料、特に金属から成っている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項17】
前記絶縁体(2)の前記中空空間(14)は、少なくとも部分的に消弧剤で充填されている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項18】
請求項記載のヒューズ、特にSMDヒューズおよび/または機器保護ヒューズを製造する方法であって、前記方法は、
A)絶縁体(2)、可溶導体(3)、少なくとも1つの固定手段(8)および外側のコンタクトキャップ(4)を準備するステップと、
B)1つまたは複数の前記固定手段(8)を前記絶縁体(2)の端面(5,6)上に載置するステップと、
C)前記可溶導体(3)を1つまたは複数の前記固定手段(8)へ配置することによって、かつ前記可溶導体(3)を1つまたは複数の前記固定手段(8)に好適には摩擦力結合式かつ/または材料結合式に固定することによって、前記絶縁体(2)内へ前記可溶導体(3)を装填するステップであって、これによって前記可溶導体(3)は前記絶縁体(2)内に位置安定的に配置されている、ステップと、
D)任意選択的に、前記可溶導体(3)を、1つまたは複数の前記固定手段(8)と圧着するステップと、
E)前記絶縁体(2)に、かつ少なくとも部分的に1つまたは複数の前記固定手段(8)に前記外側のコンタクトキャップ(4)を載置するステップであって、これによって各固定手段(8)に少なくとも部分的に、前記コンタクトキャップ(4)が被せ嵌められる、ステップと
を含んでおり、前記ステップを、好ましくは相前後して実行する、
方法。
【請求項19】
前記絶縁体(2)に、好適には前記ステップB)および/または前記ステップC)の後に、かつ/または前記ステップD)および/または前記ステップE)の実行前に、消弧剤、特に消弧砂、粒剤および/またはガラスビーズを、好適には前記固定手段(8)の前記開口部(17)を介して充填する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記ステップC)において、前記突出部(18)から側方で張り出している少なくとも2つの脚部(19)を、前記脚部(19)が互いに重なり合ってかつ/または互いに上下に位置し、かつ前記可溶導体(3)が前記脚部(19)と前記突出部(18)との間に固定されるように屈曲させ、特に前記脚部(19)を圧着し、かつ/または特に前記可溶導体(3)と前記脚部(19)とを相互に材料結合式に結合し、特にはんだ接合することが想定されている、請求項18記載の方法。
【国際調査報告】