(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】粉末状組成物(III)
(51)【国際特許分類】
A23L 29/00 20160101AFI20240216BHJP
【FI】
A23L29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541056
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2022053002
(87)【国際公開番号】W WO2022171620
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】キルチェン, ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】リンデマン, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シェファー, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シェックス, ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ズウィック, トーマス
【テーマコード(参考)】
4B035
【Fターム(参考)】
4B035LC16
4B035LE01
4B035LG04
4B035LG17
4B035LG20
(57)【要約】
本発明は、容易に製造でき、多方面の用途で使用できる、少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体を含む粉末状組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状組成物であって、
(i)前記粉末状組成物の総重量を基準として最大70重量%(wt%)までの少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体と、
(ii)前記粉末状組成物の総重量を基準として5~30重量%の、少なくとも1種の18未満のDEを有するD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン)(GO1)と、
(iii)前記粉末状組成物の総重量を基準として5~30重量%の、少なくとも1種の18超のDEを有するD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン)(GO2)と、
(iv)粉末状組成物の総重量を基準として5~70重量%の、少なくとも1種の修飾多糖と、
(v)前記粉末状組成物の総重量を基準として少なくとも1重量%の少なくとも1種の水溶性食物繊維と
を含む粉末状組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体が、α-若しくはβ-カロテン、8’-アポ-β-カロテナール、エチルエステルなどの8’-アポ-β-カロテン酸エステル、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アスタキサンチンエステル、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン又はクロセチン及びそれらの誘導体からなる群から選択される請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項3】
前記組成物が、前記粉末状組成物の総重量を基準として0.1~70重量%の少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体を含む請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項4】
(GO1)又は(GO1)の混合物が、15未満のDEを有する請求項1~3のいずれか一項に記載の粉末状組成物。
【請求項5】
(GO2)又は(GO2)の混合物が、20超のDEを有する請求項1~4のいずれか一項に記載の粉末状組成物。
【請求項6】
(GO1)及び(GO2)が、前記粉末状組成物中で1:1の混合物で使用される請求項1~5のいずれか一項に記載の粉末状組成物。
【請求項7】
前記修飾多糖が、加工デンプンである請求項1~6のいずれか一項に記載の粉末状組成物。
【請求項8】
前記修飾多糖が、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムである請求項1~7のいずれか一項に記載の粉末状組成物。
【請求項9】
前記粉末状組成物の総重量を基準として1~20重量%の少なくとも1種の水溶性繊維が使用される請求項1~8のいずれか一項に記載の粉末状組成物。
【請求項10】
前記水溶性繊維が、β-グルカン、オオバコ、イヌリン、小麦デキストリン、及びオリゴ糖からなる群から選択される請求項1~9のいずれか一項に記載の粉末状組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の粉末状組成物を含む食品、飼料及びパーソナルケア製剤。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、容易に製造でき、多方面の用途で使用できる、少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体を含む粉末状組成物に関する。
【0002】
カロテノイド及びカロテノイド誘導体の例は、α-若しくはβ-カロテン、8’-アポ-β-カロテナール、エチルエステルなどの8’-アポ-β-カロテン酸エステル、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アスタキサンチンエステル、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン又はクロセチン及びそれらの誘導体である。
【0003】
少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体を含む固形粉末状組成物は、安定で且つ製造が容易あることが必要である。更に、製剤は、取り扱いが容易であるのが望ましく、即ち、製剤の流動性が良好であり、水への分散性も良好であるのが望ましい。
【0004】
驚くべきことに、少なくとも2種類の異なるマルトデキストリンと少なくとも1種の食物繊維(イヌリンなど)を含む粉末状組成物は、改善された流動性を有することが判明されている。
【0005】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)であって、
(i)粉末状組成物の総重量を基準として最大70重量%(wt%)までの少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体と、
(ii)粉末状組成物の総重量を基準として5~30重量%の、少なくとも1種の18未満のDEを有するD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン)(GO1)と、
(iii)粉末状組成物の総重量を基準として5~30重量%の、少なくとも1種の18超のDEを有するD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン及び/又は乾燥グルコースシロップ)(GO2)と、
(iv)粉末状組成物の総重量を基準として5~70重量%の、少なくとも1種の修飾多糖と、
(v)粉末状組成物の総重量を基準として少なくとも1重量%の少なくとも1種の水溶性食物繊維と
を含む粉末状組成物(I)に関する。
【0006】
割合の合計が常に合計100になることは、明らかである。
【0007】
本発明による組成物は、乾燥粉末である。それにも関わらず、この組成物は、エマルションに由来する水を多少含むこともある。通例そして好ましくは、含水量は、粉末状組成物の総重量を基準として5重量%未満である。通例、4重量%未満である。
【0008】
本製剤の有利で且つ驚くような効果は、水溶性食物繊維が乾燥製剤の流動性に役立つとして実際には知られていないことである。
【0009】
したがって、非常に良好な流動性の製剤が得られ、1種の水溶性食物繊維が組み込まれている事実により更なる健康効果を実現できることは、実際の利点である。
【0010】
好ましくは、少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体は、α-若しくはβ-カロテン、8’-アポ-β-カロテナール、エチルエステルなどの8’-アポ-β-カロテン酸エステル、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アスタキサンチンエステル、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン又はクロセチン及びそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0011】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)である粉末状組成物(II)であって、少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体が、α-若しくはβ-カロテン、8’-アポ-β-カロテナール、エチルエステルなどの8’-アポ-β-カロテン酸エステル、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アスタキサンチンエステル、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン又はクロセチン及びそれらの誘導体からなる群から選択される粉末状組成物(II)に関する。
【0012】
粉末状組成物は、粉末状組成物の総重量を基準として、最大70重量%までの少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体を含む。
【0013】
組成物は又、粉末状組成物の総重量を基準として、約0.1重量%ほどの少量の少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体も含有できる。
【0014】
好ましくは、粉末状組成物は、粉末状組成物の総重量を基準として1~60重量%の少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体を含む。
【0015】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)又は(II)である粉末状組成物(III)であって、組成物が、粉末状組成物の総重量を基準として0.1~70重量%の少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体を含む粉末状組成物(III)に関する。
【0016】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)又は(II)である粉末状組成物(III’)であって、組成物が、粉末状組成物の総重量を基準として1~60重量%の少なくとも1種のカロテノイド及び/又は1種のカロテノイド誘導体を含む粉末状組成物(III’)に関する。
【0017】
更に、本発明による粉末状組成物は、2種類の異なるD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン及び/又は(乾燥)グルコースシロップ)を含む。これらの2種類の異なるD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン及び/又は(乾燥)グルコースシロップ)は、それらのDE値の観点で異なる。
【0018】
デキストロース当量(DE)は、グルコースに対して乾燥ベースの割合で表される、糖生成物中に存在する還元糖の量の尺度である。例えば、DE10を有するマルトデキストリンは、デキストロース(DE100を有する)の還元力の10%を有することとなる。2つのグルコース(デキストロース)分子からなる二糖であるマルトースは、2つの分子が結合した際の分子量の水損失を補正して、52のDEを有する(180/342)。スクロースは、スクロースを構成する単糖の両方の還元性基が結合しているため、残存する還元性基が存在しないので、二糖であるが実際にはDEは0である。デンプンから作られた溶液に関しては、DEは全てのデンプン生成物中に存在する還元糖の割合の推定値である。
【0019】
天然のデンプンからグルコースシロップに至る全てのグルコースポリマーにおいては、分子鎖は、遊離のアルデヒドを含有する還元糖で始まる。デンプンが加水分解されると、分子は、短くなり、より多くの還元糖が存在する。異なる還元糖(例えば、フルクトースとグルコース)は、異なる甘味を有するので、DEと甘味との間に何らかの直接的な関係が存在すると考えるのは、誤りである。
【0020】
DEは、デンプンからデキストロースへの転化の度合いを表す:
デンプンは、DE=0に近く、
グルコース/デキストロースは、DE=100(パーセント)である。
【0021】
DEを求める標準の方法は、フェーリング試験(Fehling’s test)の応用である、アルカリ性酒石酸塩溶液中での硫酸銅(II)の還元に基づくレイン・エイノン(Lane-Eynon)滴定である。
【0022】
本発明に関しては、組成物の成分(ii)であり、(GO1)として定義される第1のD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン)(又はそれらの混合物)は、18未満、好ましくは15未満、より好ましくは12未満、更により好ましくは10未満のDEを有する。
【0023】
最も好ましくは、組成物の成分(ii)である第1のD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン)(又はそれらの混合物)は、2~10のDEを有する。
【0024】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、又は(III)である粉末状組成物(IV)であって、(GO1)又は(GO1)の混合物が、15未満のDEを有する粉末状組成物(IV)に関する。
【0025】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、又は(III)である粉末状組成物(IV’)であって、(GO1)又は(GO1)の混合物が、12未満のDEを有する粉末状組成物(IV’)に関する。
【0026】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、又は(III)である粉末状組成物(IV’’)であって、(GO1)又は(GO1)の混合物が、10未満のDEを有する粉末状組成物(IV’’)に関する。
【0027】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)又は(III)である粉末状組成物(VI’’’)であって、(GO1)又は(GO1)の混合物が、2~10のDEを有する粉末状組成物(VI’’’)に関する。
【0028】
本発明に関しては、組成物の成分(iii)であり、(GO2)として定義される第2のD-グリコースオリゴマー(好ましくはマルトデキストリン及び/若しくは乾燥グルコースシロップ)(又はそれらの混合物)は、18超、好ましくは20超のDEを有する。
【0029】
最も好ましくは、組成物の成分(iii)である第2のD-グリコースオリゴマー(又はそれらの混合物)は、20~45のDEを有する。
【0030】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)又は(IV’’’)である粉末状組成物(V)であって、(GO2)又は(GO2)の混合物が、20超のDEを有する粉末状組成物(V)に関する。
【0031】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)又は(IV’’’)である粉末状組成物(V’)であって、(GO2)又は(GO2)の混合物が、20~45のDEを有する粉末状組成物(V’)に関する。
【0032】
(GO1)及び(GO2)は、同じ量(1:1の混合物)で使用することもできるし、上述の量の定義に従って異なる量で使用することもできる。
【0033】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)又は(V’)である粉末状組成物(VI)であって、(GO1)及び(GO2)が、粉末状組成物中で1:1の混合物で使用されるに関する。
【0034】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)又は(V’)である粉末状組成物(VI’)であって、(GO1)及び(GO2)が、粉末状組成物中で1:1の混合物でない混合物において使用される粉末状組成物(VI’)に関する。
【0035】
本発明による組成物は、少なくとも1種の修飾多糖を含む。
【0036】
好ましくは、修飾多糖は、加工デンプンである。
【0037】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)又は(VI’)である粉末状組成物(VII)であって、修飾多糖が、加工デンプンである粉末状組成物(VII)に関する。
【0038】
好ましくは、修飾多糖は、式(I)
【化1】
[式中、
Stは、デンプンであり、
Rは、アルキレン基であり、及びR’は、疎水性基である]
を有する。
【0039】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)又は(VI’)である粉末状組成物(VII’)であって、修飾多糖が、式(I)
【化2】
[式中、
Stは、デンプンであり、
Rは、アルキレン基であり、及びR’は、疎水性基である]
を有する粉末状組成物(VII’)に関する。
【0040】
好ましくは、修飾多糖は、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムである。
【0041】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)又は(VI’)である組成物(VII’’)であって、修飾多糖が、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムである組成物(VII’’)に関する。
【0042】
本発明による粉末状組成物は又、少なくとも1種の水溶性繊維を粉末状組成物の総重量を基準として少なくとも1重量%含む。
【0043】
水中で溶解するこのような可溶性繊維は、一般的に結腸内で発酵してガスとなり、腸内細菌によって結腸内で生成される短鎖脂肪酸などの生理活性副産物となる。
【0044】
本発明による粉末状組成物に好適な繊維は、β-グルカン、オオバコ、イヌリン、小麦デキストリン、及びオリゴ糖である。
【0045】
このような繊維の通常量は、粉末状組成物の総重量を基準として1~20重量%である。より好ましくは、粉末状組成物の総重量を基準にして2~15重量%の範囲である。
【0046】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VII’)又は(VII’’)である組成物(VIII)であって、粉末状組成物の総重量を基準として1~20重量%の少なくとも1種の水溶性繊維を使用する組成物(VIII)に関する。
【0047】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VII’)又は(VII’’)である組成物(VIII’)であって、粉末状組成物の総重量を基準として2~15重量%の少なくとも1種の水溶性繊維を使用する組成物(VIII’)に関する。
【0048】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VII’)、(VI’’)、(VIII)又は(VIII’)である組成物(IX)であって、水溶性繊維が、β-グルカン、オオバコ、イヌリン、小麦デキストリン、及びオリゴ糖からなる群から選択される組成物(IX)に関する。
【0049】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VII’)、(VII’’)、(VIII)又は(VIII’)である組成物(IX’)であって、水溶性繊維が、イヌリンである組成物(IX’)に関する。
【0050】
好ましくは、本発明による粉末状組成物(I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VII’)、(VII’’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)及び(IX’)は、500nm未満、好ましくは150nm~450nmの平均内部粒径D[0,5](内部相)を有する。
【0051】
本特許出願の文脈における内部相のサイズD[0,5]は全て、Mastersizer3000を使用して求めた。粉末状組成物を水に再分散させた後に、内部相の粒径を求めた。
【0052】
したがって、本発明は、粉末状組成物((I)、(II)、(III)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VII’)、(VII’’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)及び(IX’)である粉末状組成物(X)であって、粉末状組成物が、500nm未満の平均内部粒径D[0,5](内部相)を有する粉末状組成物(X)に関する。
【0053】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)及び(IX’)である粉末状組成物(X’)であって、粉末状組成物が、150nm~450nmの平均内部粒径D[0,5](内部相)を有する粉末状組成物(X’)に関する。
【0054】
好ましくは、本発明による粉末状組成物は、噴霧乾燥組成物である。他の生成方法も同様に使用できる。
【0055】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)、(X)又は(X’)である組成物(XI)であって、粉末状組成物が、噴霧乾燥組成物である組成物(XI)に関する。
【0056】
本発明による粉末状組成物は、当業者に既知の技術を用いて生成できる。
【0057】
第1のステップにおいては、全ての成分((i)~(vv))と水を含むエマルションが生成された後に、(一般的に及び好ましくは噴霧乾燥により)乾燥される。粉末状組成物の含水量は、適用される乾燥プロセスの条件に応じて異なる。
【0058】
本発明による粉末状組成物の利点の1つは、噴霧乾燥手順中に、粉末状組成物は粘着性ではないために粉末状組成物は噴霧乾燥塔の壁に固着しないので、乾燥プロセス中の粉末状組成物の損失が非常に少なく、そして乾燥装置を洗浄する労力が軽減されることである。
【0059】
したがって、本発明は、粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)又は(XI)の生成プロセスであって、第1のステップにおいて、全ての成分(i)~(iv)と水を含むエマルションが生成された後に、第2ステップにおいて乾燥されて、粉末状組成物を形成することを特徴とするプロセスに関する。
【0060】
本発明による粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)及び/又は(XI)は、食品、飼料、及び/又はパーソナルケア製剤に使用される。
【0061】
好ましくは、粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)又は(XI)は、液体製剤、好ましくは飲料に使用される。
【0062】
更に、本発明は、少なくとも1種の粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)又は(XI)を含む食品、飼料、及びパーソナルケア製剤に関する。
【0063】
これらの製剤は、任意の形態(固体、液体又はゲル様)であってよい。
【0064】
少なくとも1種の粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)又は(XI)を含む流動食、飼料、及びパーソナルケア製剤が好ましい。
【0065】
少なくとも1種の粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)又は(XI)を含む飲料がより好ましい。
【0066】
したがって、本発明の更なる一実施形態は、少なくとも1種の粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)又は(XI)を含む食品、飼料、及びパーソナルケア製剤に関する。
【0067】
したがって、本発明の更なる一実施形態は、少なくとも1種の粉末状組成物(I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)又は(XI)を含む流動食、飼料、及びパーソナルケア製剤に関する。
【0068】
したがって、本発明の更なる一実施形態は、少なくとも1種の粉末状組成物((I)、(II)、(II’)、(III)、(III’)、(III’’)、(III’’’)、(III’’’’)、(IV)、(IV’)、(IV’)、(IV’’)、(IV’’’)、(V)、(V’)、(VI)、(VI’)、(VI’)、(VI’’)、(VII)、(VII’)、(VIII)、(VIII’)、(IX)、(IX’)又は(XI)を含む飲料に関する。
【0069】
食品、飼料及び/又はパーソナルケア製剤中での粉末状組成物の濃度は、これらの製剤の種類に応じて異なる。
【0070】
本発明は、以下の実施例により説明される。全ての温度は、℃単位で示され、全ての部及び百分率は、重量に関する。
【0071】
[実施例1]
147.5gのCapsul HS(食品用加工デンプン)、52.8gのGlucidex6(5~8の範囲のDEを有するマルトデキストリン)、52.8gのGlucidex21(20~23の範囲のDEを有する乾燥グルコースシロップ)、12.4gのアスコルビン酸ナトリウム、及び15.5gのイヌリンGRを、1LのSchottボトルに入った310.5gの脱イオン水に、65℃の水浴中で2時間連続撹拌しながら分散させた。
【0072】
514.4gのこのマトリックス相を2Lのステンレス鋼製容器に移し、乳化ディスク(300rpm、d=6.5cm)で撹拌しながら温度を55℃に保持した。
【0073】
油相を調製するために、14.9gの活性β-カロテンを適切な有機溶媒に溶解させて、8.1gのMCTと2.7gのdl-α-トコフェロールの混合物に70℃で約30分間可溶化した。
【0074】
Capsul HS、Glucidex6、Glucidex21、アスコルビン酸ナトリウム、イヌリンGR及び水の混合物に油相を添加後、乳化ディスク(emulsification disc)(7000rpm)を用いて55℃で30分間エマルションを均質化した。エマルションを調製した後に、ロータリーエバポレータを用いて有機溶媒をエマルションから留去させ、溶媒を含有しないエマルションをSDプロセスに所望される含水量(60%)及び粘度に調整した。
【0075】
その後、エマルションを噴霧乾燥プロセス(エマルションの温度:60℃)で乾燥させた。噴霧乾燥塔の入口での温度は、約180℃であり、噴霧乾燥塔の出口での温度は80℃であった。
【0076】
粉末状組成物を5.0%以下の残留水分含量で得た。内部相のサイズD[0,5]は、150nmであった。
【0077】
以下の表1は、組成物の成分の量を示す。
【0078】
表1の実施例の全てを同一の反応条件を用いて同一の方法で調製している。それに応じて、量を修正している。比較例1は、イヌリンを含まない。
【0079】
【0080】
[流動性の測定]
[方法]
FT4レオメーターを用いて様々な試験を適用して、様々なプロセス条件をシミュレートすることが可能である。FT4から得た結果は、粉末の凝集性及び流動性に関する情報を提供する。凝集力は、ファンデルワールス力(Van der Waal’s)と静電気の組み合わせであり、粒子を「結合」させる傾向がある。したがって、測定した凝集力が高いほど、分析した粉末の流動性は低くなる。
【0081】
[圧縮性試験]
標準の粉末体積を特別に設計したサンプルホルダー(Freeman Technology,UK)に注ぐ。粉末をピストンで15Kpaまで圧縮し、初期の体積と比較した体積の差(密度の変化)を測定する。
【0082】
15.0kPaでのCPS(%での圧縮)を用いて、粉末を評価及び比較する。15KPaでのCPSが低いほど(粉末に取り込まれる空気の量が少ない)、凝集性が低く、粉末の流動性が良好である。
【0083】
【0084】
イヌリンの添加により、より良好な流動性をもたらすことがわかる。
【国際調査報告】