(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】中空磁気フライホイールおよび関連する発電システム
(51)【国際特許分類】
H02K 7/02 20060101AFI20240216BHJP
H02K 7/09 20060101ALN20240216BHJP
【FI】
H02K7/02
H02K7/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541823
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 US2022011478
(87)【国際公開番号】W WO2022159279
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522086777
【氏名又は名称】マター ホールディングス,インク.
【氏名又は名称原語表記】MATTUR HOLDINGS,INC.
【住所又は居所原語表記】7801 E Gray Rd,Ste.170 Scottsdale,AZ 85251 United States of America
(74)【復代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー,クリス
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB02
5H607EE42
5H607GG19
(57)【要約】
改善された発電のための方法およびシステムが提供される。一実施形態では、発電機で使用するためのフライホイールが提供される。フライホイールは、中空ディスクの周りに角度的に分配された複数の磁石を各々含む中空ディスクを含んでもよい。中空ディスクは、中空ディスク上の取付点に取り付けられるディスク取付ブラケットを使用して互いに固定されてもよい。ステータディスクは、フライホイールとは別個であってもよく、中空ディスクの隣接する対の間配置されてもよい。ステータディスクは、ステータディスクの周りに角度的に分配された複数の電線コイルを含んでもよい。動作に際して、フライホイールは、ステータディスクが静止したままで回転してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機で使用するためのフライホイールであって、
複数の中空ディスクの各中空ディスクが、
前記中空ディスクの周りに角度的に分配された複数の磁石と、
複数の取付点と
を備える、複数の中空ディスクと、
前記複数の取付点を介して前記複数の中空ディスクに固定された複数のディスク取付ブラケットと
を備え、
前記複数の中空ディスクが、隣接する中空ディスクの間に配置されたステータディスクを収容するように離間されている、フライホイール。
【請求項2】
前記複数のディスク取付ブラケットが、前記複数の中空ディスクを、2つ以上の隣接するディスクのそれぞれの磁石が前記フライホイールの周りに螺旋パターンで配置されるように固定する、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項3】
前記フライホイールが、前記発電機内で単一点から懸架されている、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項4】
前記フライホイールが、前記発電機内で複数の点から懸架されている、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項5】
前記フライホイールが、前記発電機の基部に配置された複数の安定化磁石によって動作中に安定化される、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項6】
前記フライホイールが複数のフライホイールセクションを含み、前記複数のフライホイールセクションの各々が、前記複数の中空ディスクの少なくともサブセットと、前記複数のディスク取付ブラケットの少なくともサブセットとを備える、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項7】
前記複数の磁石の各々が、少なくとも1つの側で非磁性金属によって囲まれている、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項8】
前記複数の磁石が同じ大きさを有する、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項9】
前記複数の磁石の第1のサブセットが、前記複数の磁石の第2のサブセットよりも大きい、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項10】
前記ステータディスクが複数のコイルを含む、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項11】
前記複数のコイルの各々が、同じゲージの電線から形成されている、請求項10に記載のフライホイール。
【請求項12】
前記複数のコイルの第1のサブセットが、前記複数のコイルの第2のサブセットよりもゲージが大きい電線から形成されている、請求項10に記載のフライホイール。
【請求項13】
複数の中空ディスクの周りに角度的に分配された複数の磁石を含む前記複数の中空ディスクと、
前記複数の中空ディスクに固定された複数のディスク取付ブラケットと
を備えるフライホイールと、
前記複数の中空ディスクの隣接する中空ディスクの間に配置された複数のステータディスクであって、前記複数のステータディスクの周りに角度的に分配された複数のコイルを含む、複数のステータディスクと
を備える発電機。
【請求項14】
前記複数のディスク取付ブラケットが、前記複数の中空ディスクを、2つ以上の隣接するディスク内のそれぞれの磁石が前記フライホイールの周りに螺旋パターンで配置されるように固定する、請求項13に記載の発電機。
【請求項15】
前記フライホイールが、前記発電機内で単一点において懸架されている、請求項13に記載の発電機。
【請求項16】
前記フライホイールが、前記発電機の基部に配置された複数の安定化磁石によって動作中にバランスされる、請求項13に記載の発電機。
【請求項17】
前記フライホイールが、複数のフライホイールセクションから形成されており、前記複数のフライホイールセクションの各々が、前記複数の中空ディスクの少なくともそれぞれのサブセットと、前記複数のディスク取付ブラケットの少なくともそれぞれのサブセットとを備える、請求項13に記載の発電機。
【請求項18】
前記複数の磁石が同じ大きさを有する、請求項13に記載の発電機。
【請求項19】
前記複数の磁石の第1のサブセットが、前記複数の磁石の第2のサブセットよりも大きい、請求項13に記載の発電機。
【請求項20】
前記複数のコイルが、同じゲージの電線から形成されている、請求項13に記載の発電機。
【請求項21】
前記複数のコイルの第1のサブセットが、前記複数のコイルの第2のサブセットよりもゲージが大きい電線から形成されている、請求項13に記載の発電機。
【請求項22】
前記フライホイールが真空室内に配置されている、請求項13に記載の発電機。
【請求項23】
前記フライホイールが、1つまたは複数の磁気軸受を介して発電機内で懸架されている、請求項13に記載の発電機。
【請求項24】
複数のディスク取付ブラケットを用いて、複数の中空ディスクを複数のフライホイールセクションに組み立てることであって、前記複数の中空ディスクが複数の磁石を含む、ことと、
前記複数の中空ディスクの隣接する中空ディスクの間に、複数のコイルを含む複数のステータディスクを配置することと
前記複数のフライホイールセクションをフライホイールに組み立てることと、
前記フライホイールを発電機内の単一点に取り付けることと、
前記発電機によって出力される電流を発生させるために前記ステータディスクを静止させたままで前記フライホイールを回転させることと
を含む方法。
【請求項25】
前記複数のステータディスクの各々が、前記複数のコイルとそれぞれの隣接する中空ディスクとの間の距離が0.25インチ以下になるように配置される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
発電機で使用するためのフライホイールであって、
各フライホイールセクションが、
1つまたは複数のステータディスクを収容するように離間された複数の中空ディスクと、
前記中空ディスクの周りに角度的に分配された複数のブラケットであって、永久磁石を受けるように構成された、複数のブラケットと
を備える複数のフライホイールセクション
を備え、
前記複数のフライホイールセクションの各々が、回転軸に沿って中空であり、前記複数のフライホイールセクションのうちの少なくとも1つが、積層造形を使用して単一の構造体として単一の材料片から形成される、フライホイール。
【請求項27】
同軸配置で配置され、ロータ軸の周りを回転するように構成された複数のロータディスクであって、第1のディスクと、前記同軸配置で前記第1のディスクに隣接する第2のディスクとを含む、複数のロータディスクと、
前記第1のディスク内に配置された第1の複数の磁石であって、分配パターンに従って前記ロータ軸の周りに角度的に分配された、第1の複数の磁石と、
前記第2のディスク内に配置された第2の複数の磁石であって、前記分配パターンに従って前記ロータ軸の周りに角度的に分配された、第2の複数の磁石と
を備え、
前記ロータ軸の周りの前記第1の複数の磁石の第1の角度位置が、前記第2の複数の磁石の対応する第2の角度位置からオフセットされている、装置。
【請求項28】
前記第1の角度位置の各々が、前記第2の角度位置の対応する1つから互い違いの角度オフセットだけオフセットされている、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の複数の磁石の隣接する磁石が、前記分配パターンで離間角度オフセットだけ角度的に分離されている、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記離間角度オフセットが前記互い違いの角度オフセットよりも大きい、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1の複数の磁石の各々が、前記ロータ軸まで同じ半径方向距離に配置されている、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記第2の複数の磁石の各々が、前記ロータ軸まで前記同じ半径方向距離に配置されている、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記第1の複数の磁石のそれぞれの磁北極が、前記第1のディスクの第1の側に配置されており、前記第1の複数の磁石の各々が、前記第1のディスクを通って軸方向に延びている、請求項27に記載の装置。
【請求項34】
前記第1の複数の磁石のうちの所与の磁石の第1の表面が、前記第2のディスクに面する前記第1のディスクの第1の側で露出されている、請求項27に記載の装置。
【請求項35】
前記第1の表面が正方形の形状を有する、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記第1の表面が丸い形状を有する、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記第1の複数の磁石のうちの少なくとも1つがネオジム磁石である、請求項27に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月21日に出願された米国仮特許出願第63/140,057号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発電機は、他のエネルギー源を使用して電気を発生させるために使用され得る。特に、発電機は、1つまたは複数の永久磁石を回転させて、発電機によって出力される電流を誘導する変動磁場を作り出すことによって電気を発生させ得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、改善された発電および/またはエネルギー貯蔵のための新規かつ革新的なシステムおよび方法を含む。
【0004】
一例では、発電機で使用するためのフライホイールが提供される。フライホイールは、複数の中空ディスクを含む。複数の中空ディスクの各中空ディスクは、中空ディスクの周りに角度的に分配された複数の磁石と、複数の取付点とを含む。フライホイールはまた、複数の取付点を介して複数の中空ディスクに固定された複数のディスク取付ブラケットも含む。複数の中空ディスクは、隣接する中空ディスクの間に配置されたステータディスクを収容するように離間されてもよい。
【0005】
一例では、フライホイールを含む発電機が提供される。フライホイールは、複数の中空ディスクの周りに角度的に分配された複数の磁石を含む複数の中空ディスクと、複数の中空ディスクに固定された複数のディスク取付ブラケットとを含んでもよい。発電機はまた、複数の中空ディスクの隣接する中空ディスクの間に配置された複数のステータディスクを含んでもよい。複数のステータディスクは、複数のステータディスクの周りに角度的に分配された複数のコイルを含んでもよい。
【0006】
一例では、複数のディスク取付ブラケットを用いて、複数の中空ディスクを複数のフライホイールセクションに組み立てることを含む方法が提供される。複数の中空ディスクは、複数の磁石を含んでもよい。方法は、複数の中空ディスクの隣接する中空ディスクの間に、複数のコイルを含む複数のステータディスクを配置することをさらに含んでもよい。方法はまた、複数のフライホイールセクションをフライホイールに組み立てることと、フライホイールを発電機内の単一点に取り付けることと、発電機によって出力される電流を発生させるためにステータディスクを静止させたままでフライホイールを回転させることとを含んでもよい。
【0007】
一例では、発電機で使用するためのフライホイールが提供される。フライホイールは、複数のフライホイールセクションを含む。各フライホイールセクションは、1つまたは複数のステータディスクを収容するように離間された複数の中空ディスクと、中空ディスクの周りに角度的に分配された複数のブラケットとを含んでもよい。複数のブラケットは、永久磁石を受けるように構成される。複数のフライホイールセクションの各々は、回転軸に沿って中空である。複数のフライホイールセクションのうちの少なくとも1つは、積層造形を使用して単一の構造体として単一の材料片から形成される。
【0008】
一例では、装置が提供される。装置は、同軸配置で配置され、ロータ軸の周りを回転するように構成された複数のロータディスクを含む。複数のロータディスクは、第1のディスクと、同軸配置で第1のディスクに隣接する第2のディスクとを含む。装置はまた、第1のディスク内に配置された第1の複数の磁石も含む。第1の複数の磁石は、分配パターンに従ってロータ軸の周りに角度的に分配されている。装置はまた、第2のディスク内に配置された第2の複数の磁石も含む。第2の複数の磁石は、分配パターンに従ってロータ軸の周りに角度的に分配されている。ロータ軸の周りの第1の複数の磁石の第1の角度位置は、第2の複数の磁石の対応する第2の角度位置からオフセットされている。
【0009】
本明細書に記載される特徴および利点は包括的なものではなく、特に、図面および説明を考慮すれば当業者には多くの追加の特徴および利点が明らかであろう。さらに、本明細書で使用される文言は、主に読みやすさおよび教示の目的で選択されており、開示の主題の範囲を限定するためのものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の例示的な実施形態による発電機の斜視図である。
【0011】
【0012】
【
図1C】
図1Aの発電機の例示的な軸受取付点の詳細図である。
【0013】
【
図2】本開示の例示的な実施形態による発電機の側面図である。
【0014】
【
図3】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための例示的な基部を示す図である。
【0015】
【
図4A】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための例示的なステータディスクを示す図である。
【
図4B】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための例示的なステータディスクを示す図である。
【
図4C】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための例示的なステータディスクを示す図である。
【0016】
【
図5A】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための例示的なフライホイールセクションを示す図である。
【
図5B】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための例示的なフライホイールセクションを示す図である。
【
図5C】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための例示的なフライホイールセクションを示す図である。
【0017】
【
図6A】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための別の例示的なフライホイールセクションを示す図である。
【
図6B】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための別の例示的なフライホイールセクションを示す図である。
【
図6C】本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するための別の例示的なフライホイールセクションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
特定の発電機設計は、1つまたは複数の永久磁石を含むフライホイールを含む場合がある。その場合、これらのフライホイールは、発電機によって出力される電流を発生させるために(例えばモータによって)回転され得る。そのような従来のフライホイールは、典型的には、構造が中実である。例えば、従来のフライホイールは、典型的には、中実の永久磁石から形成される。そのような構成は、フライホイールの回転ごとにより大きな電流を発生させることを可能にする。しかしながら、そのようなフライホイールはまた、フライホイールの中実コアがフライホイールの重量を増加させるので、回転するためにより大きなエネルギーを必要とする。さらに、中実コアは比較的低い慣性モーメントを有し、これが、発電機に重負荷が接続されている場合などの特定の動作シナリオでフライホイールが回転速度(および対応する電力出力)を失わせる可能性がある。
【0019】
したがって、中空フライホイールを含み、中空フライホイールを使用して電流を発生させるように設計された発電機が必要である。この問題に対する1つの解決策は、複数のディスクから作製されたフライホイールを使用することである。ディスクは、ディスクの外縁の近くに半径方向に配置された磁石の配列を含んでもよい。ディスクは中空であってもよく、発電機で使用するためのフライホイールを形成するように軸方向に1つまたは複数のセクションに整列されていてもよい。ステータディスクが、フライホイールのディスクの間に配置されてもよい。ステータディスクは、フライホイールが回転するときに電流が発生する電線コイルを含んでもよい。そのような設計は、フライホイールの質量をフライホイールの外縁の近くに集中させることによって、フライホイールの全体重量を減少させ、かつ/またはフライホイールの慣性モーメントを高める可能性がある。
【0020】
図1A~
図1Bに、本開示の例示的な実施形態による発電機100を示す。特に、
図1Aは、発電機100の斜視図を示しており、
図1Bは、発電機100の上面図を示している。発電機100はフライホイール102を含み、フライホイール102は、発電機100により電力出力を発生させるために回転し得る。発電された電力は、発電機の電気負荷に提供され得る。特定の実装形態では、フライホイール102は、図示のように発電機100内で垂直方向に向けられ得る。他の実装形態では、フライホイール102は、発電機100内で水平方向に向けられ得る。フライホイール102の回転は、少なくとも一部はモータ114によって動力供給され得る。モータ114は、フライホイール102の一端の近くに配置され得る。例えば、図示のように、モータ114は、発電機100の下端に配置されてもよい。モータ114は、フライホイール102の回転に最初に動力供給するために使用され得る。例えば、モータ114は、フライホイール102の回転を初期設定するために使用されてもよい。追加または代替の実装形態では、モータ114は、初期設定後にフライホイール102の回転に引き続き動力供給してもよい。モータ114は、化石燃料、太陽光発電、風力、または任意の他のエネルギー源などの代替エネルギー源から動力供給されてもよい。
【0021】
フライホイール102は、1つまたは複数のフライホイールセクション104、106(
図1Aにはそのサブセットのみが付番されている)から形成され得る。フライホイールセクション104、106は、1つまたは複数のディスク108、110、112から形成され得る。ディスク108、110、112は、ディスクの外縁の近くに配置された磁石を含んでもよい。(以下でさらに論じる)電線コイルを含むステータディスクは、ディスク108、110、112の間に配置され得る。フライホイール102が回転されると、ディスク108、110、112はステータディスクの間で回転し、発電機100により出力される電流を磁石に誘導させ得る。以下でさらに論じるように、ディスク108、110、112は、設計上実質的に中空であってもよく、そのような設計は、フライホイール102の全体重量を減少させ得、かつ/または動作時のフライホイール102の慣性モーメントを高め得る。フライホイールセクション104、106は、フライホイール102を形成するために互いに接合されてもよい。このようにして、フライホイールセクション104、106は、フライホイール102のモジュール式構造を可能にし得る。そのようなモジュール式構造は、特定の電力出力用に構成された発電機のカスタマイズ可能な設計および/または組み立てを可能にし得る。例えば、より大きな電力出力を得るためにフライホイールを再設計する必要があるのではなく、追加のフライホイールセクション104、106を結合して、(例えば、より大きな発電機において)より多くの電力を出力することができるより長くより大きなフライホイールを作り出すことによって、より大きなフライホイールを構築することができる。特定の例では、V発電機100によって出力された電流は、電力変換装置によって処理され得る。例えば、電力変換装置は、発電機100によって出力された電流を受け取ってもよく、その電流を1つまたは複数の所望の特性(例えば、所望の電圧、所望のAC周波数)を有する電力に変換してもよい。ある具体例では、電力変換装置は、発電機100からの電流を120V、60Hzの電流に変換し得る。別の具体例では、電力変換装置は、発電機100からの電流を240V、50Hzの電流に変換し得る。
【0022】
発電機100はまた、上板120および側板118も含む。上板120は、発電機100内で動作中にフライホイール102を支持し得る。上板120は軸受取付点122を含み、フライホイール102は動作中にそこから懸架され得る。上板120はまた、発電機100と、フライホイール102やディスク108、110、112などの関連付けられた内部構成部品を保護するように構成されてもよい。側板118は、側面で発電機の内部構成部品を保護するように配置され得る。例えば、完全に組み立てられた後、発電機100は、発電機100の4側面すべて(例えば、左側、右側、前側、および後側)にサイドパネルを含んでもよい。図示のように、発電機100は、フライホイール102などの内部構成部品の視認性を可能にするために、側板118のうちの1つを省いてもよい。
【0023】
いくつかの例では、フライホイール102は、真空室内に配置される。例えば、側板118(発電機100の前側を覆うように挿入された側板(図示せず)を含む)および上板120は、組み立てられると、そこから空気が送り出されてフライホイール102のための真空室を形成するフライホイール102のための囲いを形成してもよい。この構成により、フライホイールの回転時の空気摩擦の低減を達成して、発電機100の効率をさらに向上させることができる。
【0024】
図1Cは、本開示の例示的な実施形態による発電機100の軸受取付点122の詳細図を示している。いくつかの例では、摩擦を低減するために、フライホイール102は、発電機100の上部で単一点から懸架されてもよい。特に、フライホイール102は、発電機100の上板120に位置する軸受取付点122から懸架されてもよい。特に、フライホイール102の頂部128は、フライホイール取付ブラケット126を含んでもよい。上板120には軸受ハウジング124が取り付けられ得る。軸受ハウジング124は、軸受ハウジング124の底面全体に分配された複数の軸受(例えば、玉軸受、磁気軸受)を含んでもよい。フライホイール取付ブラケット126は、軸受ハウジング124内の軸受の上に載置されてもよい。このようにして、フライホイール102の重量は、フライホイール取付ブラケット126の単一点から支持され得る。フライホイール102をこのように支持することにより、回転中にフライホイール102に生じる全体的な摩擦が低減され、それによって発電機100の電力出力および効率が向上する。追加または代替の限定において、フライホイール102への経路は、フライホイール取付ブラケット126の複数の点から支持されてもよい(例えば、複数の軸受によって支持されてもよい)ことも理解されたい。
【0025】
図2は、本開示の例示的な実施形態による発電機100の側面図を示している。側面図で分かるように、フライホイール102は、5つのフライホイールセクション104、106、200、202、204を含む。各フライホイールセクション104、106、200、202、204は、4つのディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216で作られている。ディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216は、ディスクの外縁の近くに位置する永久磁石を含んでもよい。ディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216の間には、ステータディスク218、220、222(そのサブセットのみが付番されている)がある。ステータディスク218、220、222は電線コイルを含んでもよく、電線コイルには、フライホイール102が回転するときにディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216から磁石によって電流が誘導される。特に、ステータディスク218、220、222は、フライホイール102が回転するときに静止したままであってもよく、発電機100のハウジングに固定されてもよい。
【0026】
フライホイールセクション104、106、200、202、204は、複数のディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216を接合することによって組み立てられてもよい。特定の例では、ステータディスク218、220、222は、組み立て中にディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216の間に配置され得る。例えば、特定の実装形態では、ディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216とステータディスク218、220、222とは、ディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216内の磁石とステータディスク218、220、222内の電線コイルとの間の距離が0.5インチ以下(例えば、0.25インチ未満、0.1インチ未満、0.5インチ未満)になるように、互いに離間され得る。次いで、組み立てられたフライホイールセクション104、106、200、202、204は、発電機100内で使用するための完全なフライホイール102を形成するように互いに接合され得る。特定の実装形態では、各フライホイールセクション104、106、200、202、204は、独立してフライホイール102に追加されるか、またはフライホイール102から除去されることができる個別の組立体であり得る。例えば、フライホイールセクション106のディスク212、214、216は、その他のフライホイールセクション104、106、200、202、204から分離されたときに組み立てられたままとすることができる組立体を形成するように互いに接合されてもよい。追加または代替の実装形態では、単一のフライホイール102として接合される前に、すべてのフライホイールセクション104、106、200、202、204が組み立てられ互いに積み重ねられてもよい。
【0027】
図2に示すフライホイール102は単なる例示であり、他の実装形態では追加または代替のフライホイール設計が使用されてもよいことを理解されたい。
例えば、特定の発電機が、5つより多いかまたは少ないフライホイールセクション104、106、200、202、204を含むフライホイール102を使用してもよい。例えば、より多くの電力を出力するように設計された発電機が、より多くのフライホイールセクション(例えば、6つ以上のフライホイールセクション)を含んでもよい。別の例として、より少ない電力を出力するように設計された発電機が、より少ないフライホイールセクション(例えば、4つ以下のフライホイールセクション)を含んでもよい。さらに別の実装形態では、各フライホイールセクション104、106、200、202、204に含まれるディスク108、110、112、206、208、210、214、216の数は異なり得る。以下でさらに説明するように、ディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216の特定の構成は、フライホイールが回転するときに磁気推進力を提供するように配置された磁石を含んでもよい。そのような場合には、ディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216の数は、発電機100内の磁石および電線コイルの数のバランスをとりながら磁気推進力を最大にするように選択されてもよい。いくつかの例では、発電機100は、フライホイールディスク上の磁石からの磁気エネルギーを利用して、コイル内の電気エネルギーおよび運動エネルギー(例えば、磁気推進力)を発生させて、フライホイール102のさらなる回転を促進する。例えば、特定の実装形態は、5つのディスク、特にフライホイールセクションおよび/または3つのディスク、特にフライホイールセクションを含んでもよい。さらに、ディスクの数は、特定のフライホイールセクション104、106、200、202、204について異なってもよい。例えば、第1のフライホイールセクションは3つのディスクを含んでもよく、第2のフライホイールセクションは4つのディスクを含んでもよく、第3のフライホイールセクションは5つのディスクを含んでもよい。
【0028】
フライホイールセクション104、106、200、202、204内のステータディスクの数もまた、様々な実装形態において異なり得る。例えば、発電機100には、各ディスク108、110、112、206、208、210、212、214、216が2つのステータディスク218、220、222の間に配置されるように、各フライホイールセクション104、106、200、202、204内にもう1つのステータディスク218、220、222がある。特定の実装形態は、図示の構成とは異なり得る。例えば、特定のフライホイールは、同数のフライホイールディスクとステータディスクとを含んでもよい。別の例として、特定のフライホイールは、フライホイールディスクよりも少ない(例えば、1つ少ない)ステータディスクを含んでもよい。
【0029】
図3に、本開示の例示的な実施形態による発電機の基部300を示す。例えば、基部300は、発電機100の基部の例示的な実装形態であってもよい。基部300は、発電機100のモータ114を含む。基部300は、フライホイール102のための底部取付点302をさらに含む。底部取付点は、フライホイール102の底部分への単一の取付点を提供してもよいし、軸受取付点122と同様の複数の取付点を提供してもよい。特定の実装形態では、底部取付点302は、フライホイール102が回転するときにフライホイール102上の全体的な摩擦を低減するために、フライホイール102の底部に揚力を与えるための1つまたは複数の磁石位置を含んでもよい。実際には、底部取付点302は、軸受取付点122と同様の、1つまたは複数の軸受(例えば、玉軸受、磁気軸受)を含でもよい。
【0030】
基部300はまた、複数の安定化磁石304、306、308(そのサブセットのみが付番されている)も含む。安定化磁石304、306、308は、基部300の上部分に沿って半径方向に配置されている。特に、安定化磁石304、306、308は、フライホイール102の底部の近くに配置され得る。磁石304、306、308は、フライホイール102のディスク内の磁石の磁場に対抗するように配置され得る。そのような構成は、フライホイール102の底部に揚力を与え得る(フライホイール102が回転するに伴うフライホイール102上の摩擦を低減する)と共に、フライホイール102の揺動または動作の他の傾きを防止し得る。実際には、これにより、フライホイール102の回転を維持するために必要なエネルギーが低減され、フライホイール102の全体的な出力効率および回転停止時間が改善され得る。安定化磁石304、306、308はまた、回転中のフライホイール102の揺動または他の軸外回転も低減し得、これにより、発電機100の構成部品への損傷を防止し得、かつ/または発電機100の動作効率を改善し得る。
【0031】
図4A~
図4Cに、本開示の例示的な実施形態による発電機で使用するためのステータディスク400を示す。例えば、ステータディスク400は、発電機100のフライホイール102のディスクの間に配置されてもよい。ステータディスク400は、1つまたは複数の電線コイルを含んでもよい。例えば、ステータディスク400は、複数のブラケット402、404、406および溝414、416、418を含む(そのサブセットのみが付番されている)。電線コイル(図示せず)は、ブラケット402、404、406の周りおよびディスク400内の溝414、416、418に巻き付けられ得る。特定の実装形態では、ステータディスク400のすべてのコイルに同じサイズの電線が使用され得る。
追加または代替の実装形態では、ステータディスク400の異なるコイルに異なるサイズの電線が使用されてもよい。さらに、特定の実装形態では、すべての取付点402、404、406が、電線コイルを含んでもよい。他の実装形態では、取付点402、404、406のサブセットのみが電線コイルを含んでもよい。
【0032】
ステータディスク400はまた、取付点408、410、412も含む。取付点408、410、412は、フライホイールが回転する間にステータディスク400が定位置に留まるようにステータディスク400を取り付けるために使用されてもよい。
【0033】
図5A~
図5Cに、本開示の例示的な実施形態による発電機100で使用するためのフライホイールセクション500を示す。
図5Aは、フライホイールセクション500の斜視図である。フライホイールセクション500は、4つのディスク502、504、506、508から組み立てられる。ディスク502、504、506、508は、ディスク取付ブラケット510(その1つのみが付番されている)を使用して互いに接合される。ディスク取付ブラケット510は、複数のブラケット取付点512、514、516を使用してディスク502、504、506、508に取り付けられてもよく、ブラケット取付点512、514、516は、ディスク502、504、506、508の取付点に固定されてもよい。例えば、フライホイールセクション500(またはフライホイール102全体)が組み立てられると、ブラケット取付点512、514、516内のフライホイールセクション500(またはフライホイール102)の全長にボルト(例えば、炭素繊維ボルト、鋼ボルト)が通されてもよい。次いでボルトは、ディスク502、504、506、508とディスク取付ブラケット510とを互いに固定するために締め付けられ、それによってフライホイールセクション500および/またはフライホイール102を形成し得る。フライホイールセクション500には示されていないが、最終的に組み立てられると、1つまたは複数のステータディスク218、220、222、400が、(例えば、ディスク取付ブラケット510を囲む)ディスク502、504、506、508の間に配置され得る。
【0034】
ディスク502、504、506、508は、ディスク502、504、506、508の外側部分に沿って半径方向に配置されたブラケット524、526、528、530を含む。ブラケット524、526、528、530は、永久磁石を受けてもよい。特定の実装形態では、ディスク502、504、506、508は、ブラケット524、526、528、530がフライホイールセクション500の外側の周りに螺旋状に配置される(例えば、螺旋状パターンを形成する)ように、フライホイールセクション500内に配置されてもよい。この配置は、隣接するディスク502、504、506、508内のブラケット524、526、528、530の変化する角度位置で確認することができる。
【0035】
図5Bは、フライホイールセクション500の上面図である。
図5Bの図では、フライホイールセクション500の回転軸590は、ページを貫通して(例えば、垂直方向に)延びる。説明の目的で、ディスク502の下のディスク504、506、508のいくつかの特徴(例えば、ブラケット526、528、530など)が、破線を使用して
図5Bのディスク502の図に投影されている。
図5Bに示すように、フライホイールセクション500の上面図は、ディスク502、504、506、508が組み立てられると、ブラケット524、526、528、530が軸590の周りに異なる角度位置を有することを示している。一例では、ディスク502、504、506、508は、ディスク502~508が軸590の周りを同時に回転して、ディスク502~508の回転中にブラケット524~530などの相対的な(例えば、互い違いの)角度位置を維持するように(例えば、支持体510などを介して)取り付けられる。
【0036】
いくつかの例では、
図5A~
図5Bに示すようにフライホイールセクション500を組み立てることにより、発電機内で使用される完全なフライホイール102の全体重量が低減され得る。特に、中空ディスク502、504、506、508からフライホイールセクション500を組み立てることにより、フライホイール102の全体重量が、ディスクの内部の余分な重量を除去することによって低減され得る。同様に、ディスク取付ブラケット510も、重量低減のために設計され得る。いくつかの例では、ディスク取付ブラケット510は、フライホイール102の動作負荷を支えるのに十分な構造的剛性を依然として確保しながら、ディスク取付ブラケット510の全体重量を低減するために、空の1つまたは複数の開口部518、520、522を含んでもよい。さらに、ディスク502、504、506、508および/またはディスク取付ブラケット510は、組み立てられたフライホイールセクション500の全体重量を低減するように選択された材料から形成されてもよい。例えば、ディスク502、504、506、508およびディスク取付ブラケット510は、プラスチック(例えば、ABSプラスチック)および/または軽量金属(例えば、チタン、アルミニウム)から組み立てられてもよい。しかしながら、本開示に照らして当業者によって理解されるように、1つまたは複数のディスク502、504、506、508および/またはディスク取付ブラケット510を形成するために、鋼、炭素繊維などの、追加または代替の材料が使用されてもよい。
【0037】
いくつかの例では、複数の別個の中空ディスク502、504、506、508および複数のディスク取付ブラケット510からフライホイールセクション500を組み立てるのではなく、フライホイールセクション500は、代替的に、単一の材料片(例えば、単一の連続した炭素繊維構成部品)を使用した単一の物理的構造体として形成され得る。そのような場合には、単一の材料片によって形成されたフライホイールセクション500は、組み立てられると、中空ディスク502、504、506、508およびディスク取付ブラケット510と同様の幾何学的形状を有し得る。特定の実装形態では、そのようなフライホイールセクション500は、3次元印刷などの1つまたは複数の付加技術を使用して製造されるか、または作製され得る。特定の実装形態では、フライホイールセクション500を単一の材料片から形成することにより、構成部品(例えば、ディスク502、504、506、508およびディスク取付ブラケット510の重量配分)のばらつきが低減され得る。例えば、単一の材料片から形成されたフライホイールセクション500は、動作に際してより良好にバランスされ、より高い回転速度および/またはより高い動作効率を可能にする。さらに、いくつかの例では、単一の材料片から形成されたフライホイールセクション500は、フライホイールセクション500を形成するために個々の中空ディスク502、504、506、508およびディスク取付ブラケット510が別々に組み立てられる必要がないので、組み立て時間を短縮し得る。
【0038】
図5Cに、フライホイールセクション500の概念
図550を示す。特に、概念
図550は、ブラケット524~530が位置するディスク502~508の部分の部分断面図を示している。関連して、
図5Cの概念
図550に示すように、磁石552、554、556、558は、ディスク502、504、506、508のブラケット524、526、528、530内に配置され、隣接するディスク502、504、506、508内の磁石552、554、556、558の対抗する磁場が整列されるように位置決めされてもよい。
図5Cの図示の例では、それぞれのディスク502~508内のすべての磁石552、554、556、558などのN極は、磁気的に整列され、同じ方向に(例えば、フライホイールセクション500の上の方に)向けられているが、他の実装形態も可能であることに留意されたい。さらに、いくつかの実装形態では、ブラケット524、526、528、530は、ブラケット524、526、528、530内などに配置された磁石(例えば、502~508など)の1つまたは複数の側面を囲むための(例えば、非磁性金属を使用した)金属シールドを含んでもよい。一例では、ブラケット524、526、528、530は、磁石を囲む銅を含んでもよい。特定の実装形態では、そのような金属は、ブラケット524、526、528、530内の磁石の磁場の程度を増加させ得、それにより、発電機によって発生する電磁波強度を高め、発電機の全体的な動作効率および電力出力を増加させる。
【0039】
図6A~
図6Cに、例示的な実施形態による別の例示的なフライホイールセクション600を示す。特に、フライホイールセクション600は、フライホイールセクション500などのフライホイールセクションの代替の実施形態を表し得る。
図6Aは、フライホイールセクション600の斜視図である。
図6Bは、フライホイールセクション600の上面図である。
【0040】
図示のように、フライホイールセクション600は、中心またはロータ軸690の周りに同軸配置で配置された複数のロータディスク602~610を含む。ロータディスク602~610は円形を有するように示されているが、他の形状(例えば、楕円形など)のロータディスク602~610も可能である。
【0041】
ディスク601~610は、ディスク502~508と同様であってもよい。例えば、ディスク602~610は、ロータ軸690(例えば、軸590と同様であってもよい)の周りを同時に回転するように構成されてもよく、軸690の周りの回転中に図示の相対的な同軸配置のままであってもよい。そのために、フライホイールセクション600のいくつかの構成部品が、説明の便宜上、
図6A~
図6Cの図から省略されていることに留意されたい。例えば、図示していないが、フライホイールセクション600は、ディスク602~610を図示の同軸配置で取り付けるように構成された、例えばディスク取付ブラケット510と同様のディスク取付ブラケットを含んでもよい。例えば、ディスク取付点652~656を使用して、各それぞれのディスク602~610などをディスクと隣接するディスクとの間のそれぞれのディスク取付部に取り付けることができる。
【0042】
各ディスク602~610は、他のディスク602~610上に配置された磁石の分配パターンと同じ分配パターンに従ってディスク上に配置された、ブラケット612~620によって例示される複数のブラケットを含む。例えば、(ブラケット612によって例示される)ディスク602上のブラケットは、軸690の周りに同じブラケット離間オフセット(例えば、36度)だけ離間されていてもよい。一般に、ブラケット612~620などは、フライホイールセクション500のブラケット524~530と同様に、永久磁石を受けるように各々構成されてもよい。しかしながら、図示のように、ブラケット612~620などは、正方形の磁石を受けるような形状であり得る正方形の形状を有する。
【0043】
例えば、
図6Cは、ディスク610の上面図を示している。図示の例では、複数の磁石630~638などが、分配パターンに従って軸690の周りに分配されている。さらに、各磁石630~638は、ディスク610のそれぞれのブラケットに配置される。例えば、磁石630は、ブラケット620などに配置されてもよい。さらに、上述したように、磁石630~638などの各々は、ディスク608に面し、正方形の形状を有する(ページの表面に沿った)それぞれの第1の表面を有する。代替例では、磁石630~638などのそれぞれの第1の表面は、異なる形状(例えば、ブラケット524~530の丸い形状などの丸い形状、長方形など)を有してもよい。磁石630~638などは、例えばネオジム磁石などの任意のタイプの永久磁石を含んでもよい。
【0044】
いくつかの例では、複数の磁石630~638などのそれぞれの磁北極は、ディスク610の第1の側(すなわち、
図6Cに示す側では)に配置され、複数の磁石630~638の各々は、例えば
図5Cに示す磁石552~558の向きと同様に、ディスク610を通って軸方向に延びる。
【0045】
ここで
図6Bに戻って、ディスク604~610の部分(例えば、ブラケット614~620)は、説明の便宜上、破線を使用して
図6Bの最上部ディスク602の図に投影されていることに留意されたい。特に、
図6Bに最もよく示されているように、各ディスク上のブラケット/磁石の角度位置は、隣接するディスクの対応する角度位置から互い違いの角度オフセットだけオフセットされている。例として、ブラケット612の角度位置が0度であり、互い違いの角度オフセットが6度である場合、ブラケット614~620の角度位置は、軸690の周りでそれぞれ、6度、12度、18度、および24度であってもよい。よって、いくつかの例では、同じディスク上の隣接する磁石間(例えば、磁石630と632との間)の離間角度オフセット(例えば、36度など)は、隣接するディスク上の対応する磁石間(例えば、ブラケット612とブラケット614との間)の互い違いの角度オフセット(例えば、6度など)より大きくてもよい。
【0046】
図示の例では、各ディスク602~610上の複数の磁石(例えば、630~638など)は、軸690まで同じ半径方向距離にある。代替例では、第1のディスク上の磁石は、代わりに、第2のディスク上の磁石とは異なる軸690までの半径方向距離に配置されてもよい。
【0047】
本明細書に記載する主題の態様は、単独で、または本明細書に記載する1つもしくは複数の他の態様と組み合わせて有用であり得る。
【0048】
第1の例示的な態様では、発電機で使用するためのフライホイールが提供される。フライホイールは、複数の中空ディスクを含む。複数の中空ディスクの各中空ディスクは、中空ディスクの周りに角度的に分配された複数の磁石と、複数の取付点とを含む。フライホイールはまた、複数の取付点を介して複数の中空ディスクに固定された複数のディスク取付ブラケットも含む。複数の中空ディスクは、隣接する中空ディスクの間に配置されたステータディスクを収容するように離間されてもよい。
【0049】
第1の例示的な態様による第2の例示的な態様では、複数のディスク取付ブラケットは、複数の中空ディスクを、2つ以上の隣接するディスクのそれぞれの磁石がフライホイールの周りに螺旋パターンで配置されるように固定する。
【0050】
第1の例示的な態様または第2の例示的な態様による第3の例示的な態様では、フライホイールは、発電機内で単一点から懸架される。
【0051】
第1の例示的な態様から第3の例示的な態様のいずれかによる第4の例示的な態様では、フライホイールは、発電機内で複数の点から懸架される。
【0052】
第1の例示的な態様から第4の例示的な態様のいずれかによる第5の例示的な態様では、フライホイールは、発電機の基部に配置された複数の安定化磁石によって動作中にバランスされる。
【0053】
第1の例示的な態様から第5の例示的な態様のいずれかによる第6の例示的な態様では、フライホイールは、複数のフライホイールセクションを含む。複数のフライホイールセクションの各々は、複数の中空ディスクの少なくともサブセットと、複数のディスク取付ブラケットの少なくともサブセットとを含んでもよい。
【0054】
第1の例示的な態様から第6の例示的な態様のいずれかによる第7の例示的な態様では、複数の磁石の各々は、少なくとも1つの側で非磁性金属によって囲まれている。
【0055】
第1の例示的な態様から第7の例示的な態様のいずれかによる第8の例示的な態様では、複数の磁石は同じ大きさを有する。
【0056】
第1の例示的な態様から第8の例示的な態様のいずれかによる第9の例示的な態様では、複数の磁石の第1のサブセットは、複数の磁石の第2のサブセットよりも大きい。
【0057】
第1の例示的な態様から第9の例示的な態様のいずれかによる第10の例示的な態様では、ステータディスクは、複数のコイルを含む。
【0058】
第10の例示的な態様による第11の例示的な態様では、複数のコイルの各々は、同じゲージの電線から形成される。
【0059】
第10の例示的な態様および第11の例示的な態様のいずれかによる第12の例示的な態様では、複数のコイルの第1のサブセットは、複数のコイルの第2のサブセットよりもゲージが大きい電線から形成される。
【0060】
第13の例示的な態様では、フライホイールを含む発電機が提供される。フライホイールは、複数の中空ディスクの周りに角度的に分配された複数の磁石を含む複数の中空ディスクと、複数の中空ディスクに固定された複数のディスク取付ブラケットとを含んでもよい。発電機はまた、複数の中空ディスクの隣接する中空ディスクの間に配置された複数のステータディスクを含んでもよい。複数のステータディスクは、複数のステータディスクの周りに角度的に分配された複数のコイルを含んでもよい。
【0061】
第13の例示的な態様による第14の例示的な態様では、複数のディスク取付ブラケットは、複数の中空ディスクを、2つ以上の隣接するディスク内のそれぞれの磁石がフライホイールの周りに螺旋パターンで配置されるように固定する。
【0062】
第13の例示的な態様および第14の例示的な態様のいずれかによる第15の例示的な態様では、フライホイールは、発電機内で単一点において懸架される。
【0063】
第13の例示的な態様から第15の例示的な態様のいずれかによる第16の例示的な態様では、フライホイールは、発電機の基部に配置された複数の安定化磁石によって動作中にバランスされる。
【0064】
第13の例示的な態様から第16の例示的な態様のいずれかによる第17の例示的な態様では、フライホイールは、複数のフライホイールセクションから形成される。複数のフライホイールセクションの各々は、複数の中空ディスクの少なくともそれぞれのサブセットと、複数のディスク取付ブラケットの少なくともそれぞれのサブセットとを含んでもよい。
【0065】
第13の例示的な態様から第17の例示的な態様のいずれかによる第18の例示的な態様では、複数の磁石は同じ大きさを有する。
【0066】
第13の例示的な態様から第18の例示的な態様のいずれかによる第19の例示的な態様では、複数の磁石の第1のサブセットは、複数の磁石の第2のサブセットよりも大きい。
【0067】
第13の例示的な態様から第19の例示的な態様のいずれかによる第20の例示的な態様では、複数のコイルは、同じゲージの電線から形成される。
【0068】
第13の例示的な態様から第20の例示的な態様のいずれかによる第21の例示的な態様では、複数のコイルの第1のサブセットは、複数のコイルの第2のサブセットよりもゲージが大きい電線から形成される。
【0069】
第13の例示的な態様から第21の例示的な態様のいずれかによる第22の例示的な態様では、フライホイールは真空室内に懸架される。
【0070】
第13の例示的な態様から第22の例示的な態様のいずれかによる第23の例示的な態様では、フライホイールは、1つまたは複数の磁気軸受を介して発電機内で懸架される。
【0071】
第24の例示的な態様では、複数のディスク取付ブラケットを用いて、複数の中空ディスクを複数のフライホイールセクションに組み立てることを含む方法が提供される。複数の中空ディスクは、複数の磁石を含んでもよい。方法は、複数の中空ディスクの隣接する中空ディスクの間に、複数のコイルを含む複数のステータディスクを配置することをさらに含んでもよい。方法はまた、複数のフライホイールセクションをフライホイールに組み立てることと、フライホイールを発電機内の単一点に取り付けることと、発電機によって出力される電流を発生させるためにステータディスクを静止させたままでフライホイールを回転させることとを含んでもよい。
【0072】
第24の例示的な態様による第25の例示的な態様では、複数のステータディスクの各々は、複数のコイルとそれぞれの隣接する中空ディスクとの間の距離が0.25インチ以下になるように配置される。
【0073】
第26の例示的な態様では、発電機で使用するためのフライホイールが提供される。フライホイールは、複数のフライホイールセクションを含む。各フライホイールセクションは、1つまたは複数のステータディスクを収容するように離間された複数の中空ディスクと、中空ディスクの周りに角度的に分配された複数のブラケットとを含んでもよい。複数のブラケットは、永久磁石を受けるように構成される。複数のフライホイールセクションの各々は、回転軸に沿って中空である。複数のフライホイールセクションのうちの少なくとも1つは、積層造形を使用して単一の構造体として単一の材料片から形成される。
【0074】
第27の例示的な態様では、装置が提供される。装置は、同軸配置で配置され、ロータ軸の周りを回転するように構成された複数のロータディスクを含む。複数のロータディスクは、第1のディスクと、同軸配置で第1のディスクに隣接する第2のディスクとを含む。装置はまた、第1のディスク内に配置された第1の複数の磁石も含む。第1の複数の磁石は、分配パターンに従ってロータ軸の周りに角度的に分配されている。装置はまた、第2のディスク内に配置された第2の複数の磁石も含む。第2の複数の磁石は、分配パターンに従ってロータ軸の周りに角度的に分配されている。ロータ軸の周りの第1の複数の磁石の第1の角度位置は、第2の複数の磁石の対応する第2の角度位置からオフセットされている。
【0075】
第27の例示的な態様による第28の例示的な態様では、第1の角度位置の各々は、第2の角度位置の対応する1つから互い違いの角度オフセットだけオフセットされる。
【0076】
第27の例示的な態様および第28の例示的な態様のいずれかによる第29の例示的な態様では、第1の複数の磁石の隣接する磁石は、分配パターンで離間角度オフセットだけ角度的に分離される。
【0077】
第29の例示的な態様による第30の例示的な態様では、離間角度オフセットは、互い違いの角度オフセットよりも大きい。
【0078】
第27の例示的な態様から第30の例示的な態様のいずれかによる第31の例示的な態様では、第1の複数の磁石の各々は、ロータ軸まで同じ半径方向距離に配置される。
【0079】
第27の例示的な態様から第31の例示的な態様のいずれかによる第32の例示的な態様では、第2の複数の磁石の各々は、ロータ軸まで同じ半径方向距離に配置される。
【0080】
第27の例示的な態様から第32の例示的な態様のいずれかによる第33の例示的な態様では、第1の複数の磁石のそれぞれの磁北極は、第1のディスクの第1の側に配置される。第1の複数の磁石の各々は、第1のディスクを通って軸方向に延びる。
【0081】
第27の例示的な態様から第33の例示的な態様のいずれかによる第34の例示的な態様では、第1の複数の磁石のうちの所与の磁石の第1の表面は、第2のディスクに面する第1のディスクの第1の側で露出される。
【0082】
第34の例示的な態様による第35の例示的な態様では、第1の表面は、正方形の形状を有する。
【0083】
第34の例示的な態様による第36の例示的な態様では、第1の表面は、丸い形状を有する。
【0084】
第27の例示的な態様から第36の例示的な態様のいずれかによる第37の例示的な態様では、第1の複数の磁石のうちの少なくとも1つは、ネオジム磁石である。
【0085】
本明細書で論じた発電機設計および対応するフライホイールは、動作中の発電機で使用されるときに複数の予期せぬ実用的な利点をもたらす。いくつかの例では、発電機の動作を初期設定するのに必要な総エネルギーを低減するために、発電機におけるより低重量のフライホイールが選択され得る。さらに、フライホイールの慣性モーメントを増加させることにより、フライホイール自体がより長く、より少ないエネルギーで回転し続けることができ、発電機全体の動作効率が改善される。また、例では、磁石をフライホイールの周りに螺旋配置で配置することにより、そのような配置が動作中にフライホイールの推進を支援し続ける推進磁力を作り出すことができるので、フライホイールの回転を維持するために必要なエネルギーがさらに低減され得る。全体として、これらの利点は、発電機の効率の大幅な全体改善をもたらすことができる。
【0086】
当業者には本明細書に記載された例に対する様々な変更および修正が明らかであることを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を損なうことなく行うことができる。したがって、そのような変更および修正は添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【国際調査報告】