(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】閉鎖性の生育環境を監視するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
A01G7/00 601A
A01G7/00 603
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542476
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 US2022013995
(87)【国際公開番号】W WO2022164963
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523234924
【氏名又は名称】ヘリポニックス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Heliponix, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイヴァン リー ボール
(72)【発明者】
【氏名】スコット トーマス マッシー
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022DA01
(57)【要約】
植物、および農産物などの栽培のための制御された環境を提供するための筐体(100)に関連付けられるシステム。このシステムは、植物の種、大きさ、健康状態、および/または生命段階に基づいて、個別植物に対してカスタマイズされた照明を提供するように構成され得る。場合によっては、システムは、筐体(100)に関連付けられるデータ(118)を捕捉するための複数のセンサを含み、それによって植物を識別し、カスタマイズされた照明を提供し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のセンサから第一のセンサデータを受信するステップであって、前記第一のセンサデータが筐体に関連付けられる第一の植物を表し、前記筐体が制御された物理的環境を提供するように構成されている、ステップと、
前記第一のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第一の植物に関連付けられる第一の関心領域を決定するステップと、
前記第一のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第一の植物に関連付けられる少なくとも一つの第一の特徴を決定するステップと、
前記少なくとも一つの第一の特徴に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの第一の照明設定を決定するステップと、
照明装置に、前記第一の照明設定に少なくとも部分的に基づいて、前記第一の植物に第一の照明を提供させるステップと
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第一の特徴は、
前記第一の植物の健康状態と、
前記第一の植物の生命段階と、
前記第一の植物の大きさと、
前記第一の植物の分類または種類と
のうちの一つまたは複数を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記筐体が植栽柱を圧縮することであって、前記植栽柱が二つ以上の植栽容器を含んで、垂直軸の周りを回転するように構成される、ことと、
前記第一のセンサデータが前記植栽柱の少なくとも一部を表すことと
を特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一のセンサデータを捕捉している間に、前記照明器を非作動にするステップをさらに備えることを特徴する、請求項1ないし3の何れか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記第一の照明設定が、強度、波長、期間、または照射領域のうちの少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1ないし4の何れか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、第二の植物に関連付けられる第二の関心領域を決定するステップと、
前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第二の植物に関連付けられる少なくとも一つの第二の特徴を決定するステップと、
前記少なくとも一つの第二の特徴に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの第二の照明設定を決定するステップと、
前記第二照明設定に少なくとも部分的に基づいて、前記第二の植物に第二の照明を前記照明器に提供させるステップであって、前記第二の照明が、前記第一の照明とは異なり、前記第一の照明とは異なる照射領域を有している、ステップと
をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし5の何れか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記照明装置は、照射領域に対して移動、傾斜、および拡大を行うように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし6の何れか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記筐体の第二のセンサから第二のセンサデータを受信するステップ
をらに備え、
前記第一の関心領域を決定するステップは、前記第二のセンサデータ、前記第一のセンサと前記照明器との間の第一の距離、および前記第二のセンサと前記照明器との間の第二の距離に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする、請求項1ないし7の何れか一つに記載の方法。
【請求項9】
コンピュータ上で実行されると、請求項1ないし8の何れか一つに記載の方法を実装する、コード化された命令を含むことを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
【請求項10】
一つまたは複数のプロセッサと、
前記一つまたは複数のプロセッサによって実行可能な命令を格納する、一つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記実行されると、前記命令が、システムに、
筐体に関連付けられる第一のセンサデータを受信することと、
前記第一のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記筐体内の第一の植物に関連付けられる第一の関心領域を決定することと、
前記第一のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第一の植物に関連付けられる第一の特徴を決定することと、
前記第一の特徴に少なくとも部分的に基づいて、第一の照明設定を決定することと、
照明装置に、前記第一の照明設定に少なくとも部分的に基づいて、前記第一の植物に第一の照明を提供させることと
を含む操作を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体と
を備えることを特徴とする、システム。
【請求項11】
前記システムは、前記筐体から物理的に遠隔にあることを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記操作が、
前記筐体に関連付けられる第二のセンサデータを受信することであって、前記第二のセンサデータが、前記第一のセンサデータより前に受信される、ことと、
前記第二のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、種子カートリッジに関連付けられる挿入イベントを決定するステップと、
前記第二のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記種子カートリッジに関連付けられる前記筐体に関連付けられる植栽柱の種子容器を決定することと
をさらに含み、
前記第一の関心領域を決定することは、少なくとも部分的に前記種子容器に基づいている
ことを特徴とする、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記操作が、
前記第一のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記筐体に関連付けられるマーカーを決定すること
をさらに含み、
前記第一の関心領域を決定することは、前記第一の植物に対するマーカーの相対的位置に少なくとも部分的に基づいている
ことを特徴とする、請求項10ないし12の何れか一つに記載のシステム。
【請求項14】
前記操作が、
前記第一の特徴に少なくとも部分的に基づいて、前記植物が収穫可能であることを決定すること
をさらに含む、請求項10ないし13のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項15】
一つまたは複数の通信インターフェース
をさらに備え、
前記操作は、前記植物に関連付けられるメッセージを、前記筐体に関連付けられるユーザーデバイスに送信することをさらに含む
ことを特徴とする、請求項10ないし14の何れか一つに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉鎖性の生育環境を監視するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2021年1月28日に出願された「閉鎖性の生育環境を監視するためのシステム(SYSTEM FOR MONITORING ENCLOSED GROWING ENVIRONMENT)」と題する米国仮出願第63/199,838号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
人口密集地域(densely populated areas)において新鮮な農産物(fresh produce)の入手が制限される食の砂漠(food deserts)に対応して、家庭菜園(home gardening)と、集合住宅(apartment complexes)および近隣地域(neighborhoods)における微小菜園(micro garden)の利用とが近年全米(the Unoited States)において増加している。より多くの消費者が、より新鮮な農産物を供給するため、また、大型食料品店(large grocery stores)において使用される防腐剤(preservations)および化学物質(chemicals)を制限するために、新鮮な農産物およびハーブ(hers)を自宅で栽培したいと考えている。気候(climate)に応じて、住宅所有者(homeowners)は、新鮮な農産物およびハーブを栽培するための屋内システム(indoor system)に限定される場合がある。しかしながら、ほとんどの屋内システムは、スペースが限られており、住宅所有者によって生産されている全ての農産物およびハーブにとって最適とは言えない(準最適な条件(suboptional conditions))になっていることが多くなる、全ての農産物およびハーブに対して単一の生育条件(unitary growing condition)を提供している。さらに、住宅所有者は、植物に関する個別の種(individual species)および種類(type)の各々について、最適な生育条件(optimal growth conditions)を適切に維持するための教育および時間が不足していることがよくある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付図面を参照して詳細な説明を記述する。図において、参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図における同じ参照番号の使用は、類似または同一の構成要素または特徴を示す。
【
図1】幾つかの実装形態による、筐体(enclosure)に関連付けられるクラウドベースのサービスの例を示す図(diagram)である。
【
図2】幾つかの実装形態による、制御された生育環境を提供するための筐体の外部の例を例証する斜視図(perspective view)である。
【
図3】幾つかの実施形態による、
図1における筐体の内部の例を例証する斜視図である。
【
図4】幾つかの実装形態による、
図1および2における筐体の別例を例証する斜視図である。
【
図5】幾つかの実装形態による、
図1および2における筐体の例を例証する正面図(front view)である。
【
図6】幾つかの実施形態による、筐体に関連付けられる植栽柱(planting column)の例を例証する正面図である。
【
図7】幾つかの実施形態による、筐体の植栽柱の例を例証する分解組立図(exploded view)である。
【
図8】幾つかの実装形態による、
図1および2における筐体に関連付けられる植栽柱ならびに、照明および制御柱(lightning and control column)の正面から見た例を示す絵画図(pictorial view)である。
【
図9】幾つかの実装形態による、
図1および2における筐体に関連付けられる植栽柱、ならびに照明および制御柱の上部から見た例を示す絵画図である。2に示される。
【
図10】幾つかの実施形態による、
図1における筐体に関連付けられる植栽柱とともに使用するための種子カートリッジ(seed cartridge)の例を示す斜視図である。
【
図11】幾つかの実施形態による、
図1における筐体に関連付けられる植栽柱の植栽容器(planting receptacle)に係合された種子カートリッジの例を示す斜視図である。1に示される。
【
図12】幾つかの実施形態による、植栽柱の植栽容器に挿入されている種子カートリッジの例を示す斜視図である。
【
図13】幾つかの実装形態による、個別植物(individual plant)に関連付けられる照明および制御システムの設定を決定するための図示されたプロセスの例を示すフロー図(flow diagram)である。
【
図14】幾つかの実装形態による、個別植物の特性を決定するための図示されたプロセスの別例を示すフロー図である。
【
図15】幾つかの実装形態による、個別植物の特性を決定するための図示されたプロセスの別例を示すフロー図である。
【
図16】幾つかの実装形態による、個別植物から日陰回避応答(shade avoidance response)を誘発するための図示されたプロセスの別例を示すフロー図である。
【
図17】幾つかの実施形態による、
図1における筐体に関連付けられる制御システムの例を示す図(diagram)である。
【0005】
図面は、説明のみを目的として種々の実施形態を描写している。当業者であれば、以下の説明から、本明細書に説明される原理から逸脱することなく、本明細書に例証される構造および方法の代替実施形態(alternative embodiments)を使用し得ることが容易に理解されることになる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[詳細な説明]
本明細書では、家庭菜園および微小菜園における自動および支援された監視および環境制御のためのシステムおよび装置(appratuses)について説明する。例えば、本明細書において説明されるシステムは、植物(plants)および菌類(fungi)、花(flowers)、農産物(produce)、キノコ(mushrooms)、ならびに/またはハーブ(herbs)の家庭栽培(home cultivation)および屋内栽培(indoor cultivation)のための閉鎖性の生育環境(enclosed growing environment)を提供するように構成され得る。幾つかの実装形態では、システムは、周囲の環境(例えば、家またはアパートなど)内の条件から物理的に分離された、安定かつ制御された環境条件を提供するように構成された、隔離された筐体(isolated enclosure)を提供し得る。しかしながら、均一な照明および温度(uniform lighting and temperature)を提供する従来の家庭菜園システム(home garden system)とは異なり、本明細書において説明される筐体は、健康状態(health)、成長段階(stage of growth)、植物の種類(type)または種(species)などに基づいて、能動的な監視および適応的な環境条件(active monitoring and adaptive environmental conditions)を提供し得る。
【0007】
幾つかの特定の実装形態では、システムは、生育環境内の個別植物を監視し、カスタム照明(custom lighting)(例えば、塔の回転、傾斜(tilt)、および/または角度位置(angular position)/方位(orientation)、焦点距離(focal length)、温度、特定波長(specific wavelength)、強度(intensity)、および量(amount)など)のような、調整された生育条件(tailored growing conditions)を提供するように構成され得る。場合によっては、個別生育条件は、個別植物の種類または種に加えて、検出または決定された健康状態、大きさ(size)、および/または筐体内の個別植物の成長(growth)または繁殖(reproduction)の段階に基づくことがある。さらに、このシステムは、植物の成長サイクル(plant's growth cycle)の終わりに、収穫後(post-harvesting)の乾燥条件(drying condtions)を誘発するためにも使用され得る。
【0008】
一実施形態では、システムは、筐体内に植栽柱(planting column)または植栽塔(planting tower)を含み得る。植栽柱は、または個別植物を受け入れるように構成された、単一または複数の容器(recptacle)を備え得る。植栽容器(planting receptacles)は、植栽柱の周囲に垂直列(vertical columns)および水平行(horizontal rows)の両方に配置され得る。例えば、一つの特定の例では、植栽列は、20本の列および5本の行の植栽容器を含む場合がある。場合によっては、各列が一行おきに(for every other row)一つの植栽容器を有するように、植栽容器が列間で互い違いに配置されることがある。これらの場合、植栽容器を互い違いに配置することは、システムが個別植物を監視することを可能にするだけでなく、個別植物が成長するのに十分な空間のゆとり(sufficient room)を確保することを可能にする。
【0009】
場合によっては、植栽柱は、筐体内で基部を中心に部分的または完全に360度回転可能であり、または他の任意の制限された回転が可能であることもある。例えば、駆動モータ(drive motor)は、監視および制御のシステムからの一つまたは複数の制御信号に基づいて、筐体内の植栽柱を機械的または磁気的に回転させるように構成され得る。場合によっては、植栽柱が回転すると、システムが植栽柱内の決定された位置に基づいて各植物を追跡することが可能であるように、個別植栽容器の各々に一意の識別子(unique identifier)が割り当てられることがある。これらの場合、システムは、特定の植栽容器内に植物を挿入または植栽する際に、植物の割り当てられた位置を決定し得る。例えば、植栽容器は、植栽ポッド(planting pod)の挿入時にシステムが読み取る可能性がある、可視マーキングまたは不可視マーキング(例えば、赤外線スペクトルのマークなど)を有し得る。他の場合には、システムは、植栽柱が回転するにつれて、容器が満たされていると判定することがある。場合によっては、位置決定のためのマーキングが、筐体の内面ならびに/または植栽柱の上部および底部の周囲にある種々の位置に配置されて、システムの再始動または再起動時、および更新または交換された照明および制御柱が設置または較正されたことに応じて、初期化または位置決定を支援することもある。
【0010】
幾つかの実装形態では、照明および制御柱、またはパネル(panel)は、筐体内に、または筐体の特定領域に沿って構成され得る。照明および制御柱には、個別植物を監視するための種々のセンサが装備され得る。例えば、照明および制御柱には、画像デバイス(例えば、RGB(赤色・緑色・青色)画像デバイス、赤外線画像デバイス(infrared image devices)、モノクロ画像デバイス(monochrome imgae devices)、およびライダーデバイス(lidar devices)など)、湿度センサ(humidity sensors)、温度センサ(temparature sensors)、二酸化炭素(carbon dioxide)(CO2)センサ、ならびにスペクトルセンサ(spectral sensors)などの、一つまたは複数のセンサが装備されている場合がある。照明および制御柱には、一つまたは複数の照明器(illuminators)(可視光(visible lights)、赤外線照明器(infrared illuminators)、紫外線光(ultraviolet lights)、レーザー(lasers)、およびプロジェクタ(projectors)など)が装備される場合がある。照明器は、対応する植物の健康状態、生命段階(life stage)、大きさ、および種類または種に基づいて、特定スペクトル、光量、および光強度を個別植栽容器に提供するように調整可能であってもよい。
【0011】
場合によっては、照明および制御柱には、複数行のセンサおよび/または照明器が含まれることもある。例えば、照明制御柱は、センサおよび/または照明器の上部行、センサおよび/または照明器の中間行、ならびにセンサおよび/または照明器の下部行を含み得る。他の場合には、照明および制御柱は、植栽柱の対応する各行について、センサおよび/または照明器の行を含んでもよい。幾つかの実装形態では、センサおよび/または照明器の各々に関連付けられる視野(field of view)または関心領域(region of interest)は、単一のセンサおよび/または照明器がデータをそれぞれ捕捉し、植物毎の(per plant)スペクトル、量、および強度特性を維持しつつ、複数の植栽容器に光を提供し得るように調整可能であり得る。
【0012】
幾つかの実施形態では、センサが植物に関連付けられる植栽柱の空中視野(aerial view)を有するように、照明および制御柱のセンサに加えて、センサ(sensors)および照明器(illuminators)などが、植栽柱の上方に配置され得る。一例では、センサは、筐体の扉を開けたユーザーにとって目に見えることになるような、植栽柱または植栽塔の前方領域の視野を備えて、下向きに面する栽培室(growing chamber)の上方または頂部に配置された、一つまたは複数の画像取込デバイス(image capture devices)を含み得る。別の例では、オーバーヘッドセンサ(overhead sensors)は、各コーナーにおいて、各側壁などに対応するなどの、筐体の上面付近に配置された複数のセンサを含んでもよい。この例では、センサの組み合わせにより、筐体のトップダウンビューのみならず、正面図を含む植栽柱の360度ビューも提供され得る。
【0013】
場合によっては、オーバーヘッドセンサは、種子の鞘(seed pods)、年輪(growth rings)、および筐体に関連付けられる他の任意のコンポーネント、生命段階(life stage)、保守、または消耗品(consumable)における植え付け(planting)、剪定(pruning)、収穫(harvesting)、洗浄(cleaning)、および組み立て(assembly)を追跡および/または監視するために使用され得る。センサデータ(例えば、画像データなど)は、本明細書において説明されるシステムを用いた農作業(farming)のユーザー体験(user experience)を支援または誘導するためにも使用されことがある。この体験には、オンボードのタッチ・ガラス・インターフェース(touch glass interface)、モバイル・アプリケーション(mobile application)、可聴式コマンド(audible commands)、または他の任意種類の機械対人間の対話(machine to human interface)が含まれる場合がある。図示されたとして、ユーザーが植栽柱における上部環状セクション(top ring section)または列にバジルの苗(basil plant)を植える場合、バジルは、背の高い栽培植物として、栽培筐体(growing enclosure)の上部に影響を与える可能性がある。この例では、システムがオーバーヘッドセンサ(または他のセンサ)のデータ内において、バジルの種子の鞘が、植栽柱に関して画定された推奨植え付け領域(planting region)の外側に配置されていることを検出した場合、システムは、モバイル・アプリケーションを介してユーザーに通知し得る。この通知には、バジルの種子の鞘を推奨領域内の別の下部容器に移転させるための植え付け指示(planting instructions)が含まれる場合がある。そのため、システムは、植栽柱に関連付けられる多くの様々な推奨領域を含み得る。推奨される地域の各々は、異なる種類または種の植物に対応し得る。
【0014】
一つの図示された例として、システムは、センサデータから、例えば、一つまたは複数の波長(例えば、赤外線スペクトルなど)内の植物の葉(leaves of a plant)に関連付けられる反射の量(amount of reflection)を決定することにより、特定の植物にとって適切となる光量を決定し得る。次いで、システムは、植物柱の回転制御によって提供される光の100%閾値量内において葉が吸収するように、光の量、スペクトル、および強度を調整し得る。そのため、植物は、余分な光を受け取らなくなり、システムは、従来の屋内栽培システム(indoor growing systems)と比較すると、全体の電力消費(overall power consumption)を削減する。
【0015】
特定の一実施形態では、筐体は、照明および制御柱に関連付けられるセンサおよび/または照明器に加えて、上面または天井に沿って一つまたは複数のセンサおよび/または照明器を含んで、データの取込みをさらに支援し、ユーザーまたは家族の趣向に基づいて味わい(taste)および栄養(nutrition)を変更するために、個別植物にカスタム照明(custom lighting)を提供し得る。
【0016】
幾つかの実装形態では、システムは、データ、分析(analytics)、および通知/警告/メッセージ(notifications/alerts/message)をシステムの所有者またはユーザーに提供するように構成され得る。例えば、システムは、所有者に関連付けられるネットワークまたはユーザーデバイス(user device)と無線通信を行え得る。システムは、個別植物の各々に関して捕捉されたセンサデータを分析して、それに関連する生命段階および健康状態を判定し得る。場合によっては、システムは、ユーザーデバイス、モバイルデバイス、および/または、例えば、ユーザーのモバイルデバイスによってホストされる関連アプリケーションを介して、ユーザーに提示され得る、成長スコアカード(growth scorecard)などの進捗レポート(progress report)を定期的に(on a periodic basis)(例えば、日次、週次、月次等)提供することがある。場合によっては、周期的基準(periodic basis)は、筐体内の植物の種類および種、筐体内の植物の樹齢(age)または生命段階、筐体内の植物の数、および/またはそれらの組み合わせに基づいて決定され、ユーザーによって定義されることがある。
【0017】
他の例では、通知、警告、またはメッセージは、筐体内の植栽柱および各植物の三次元モデルを含み得る。場合によっては、三次元モデルは、特定の時点などの個別植物の位置、大きさ、形状(shape)、および現在の状態(current status)を正確に表し得る。これらの場合、ユーザーは、ユーザーデバイスなどのユーザーインターフェースを介して360度ビューからモデルを表するだけでなく、時間の経過(経過または調整可能な時間スケールを介するなど)とともにモデルを表示することも可能であることがある。幾つかの特定の例では、システムは、植栽柱の所定の回転数(例えば、1、3、5、および10など)、および/または所定の期間(例えば、10分毎、1時間毎、毎日、および毎週など)当たりの三次元モデルを記録し得る。場合によっては、三次元モデルは、植物の状態(健康状態、成熟度(maturity)、曝露時間(exposure time)、曝露波長、曝露強度などの、植物の状態を表し得る、複数のビュー(ヒートマップ(heatmaps)など)を含みことがある。そのため、ユーザーは、筐体内の植物の進行状況(progress)、状態(status)、および変化(changes)を迅速に検分し得る。
【0018】
幾つかの実施態様において、システムは、植物の健康状態および健全性(wellbeing)に何らかの懸念または問題があるかどうかも判定し得る。例えば、システムが植物に関連付けられる萎れ(wilting)、異常な反射(unusual reflections)、吸収の低下(reduced absorption)、および垂れ下がり(drooping)などを検出した場合、ユーザーが植物の健康状態において検査または介入し得るように、システムは、通知または警告を生成し得る。例えば、植物が病気になったり、有害な昆虫が侵入していたりする場合、ユーザーは、植物および/または植栽柱の全体を除去して、システムの全体的な作物生産量(crop output)に対する長期的な損傷(long term damage)を軽減し得る。
【0019】
また、幾つかの実装形態では、システムは、個別植物の各々について、収穫警告(harvest alert)または収穫メッセージをユーザーに提供し得る。例えば、システムは、センサデータに基づいて、植物がその最大成長の90パーセントから95パーセントまでの間に達しており、システム全体の収量(overall yields)を向上させ、(例えば、植物が腐敗したり、ストレレスを受けたりし始めたときに発生する可能性がある、苦味(bitterness)を防ぐために)味わいを最適化するように、収穫される必要があると判定し得る。場合によっては、収穫閾値(harvest thresholds)(例えば、大きさ、生命段階、成長の可能性(growth potential)、および味わいなど)は、ユーザーが特定の植物または植物群について計画を立てる、調理(preparation)の種類(例えば、サラダ、調理済み、および乾燥済みなど)のような、ユーザー入力に少なくとも部分的に基づいて、システムによって選択されることがある。例えば、植物の早期収穫(earlier harvesting)は、植物を生で食べると味が良くなる可能性があり、晩期収穫(later harvesting)は、収量が増加する可能性があるが、晩期収穫は、植物を調理する場合には好ましい可能性がある。
【0020】
場合によっては、ユーザーが筐体の扉を開けるなどして、収穫が開始されると、システムは、植栽柱に、回転、傾斜、またはその他の方法による位置の調整を行わせて、ユーザーによる収穫を容易にするために扉の開口に向けて、植物を収穫する準備ができている状態を継続する植栽容器の向きを設定し得る。場合によっては、システムは、ユーザーが(ユーザーデバイス上のアプリケーションおよび/または筐体上のユーザーインターフェースを介して)植物を選択することを可能にし得て、システムは、選択された植物を収容する容器を開口部に提示するように植栽柱の向きを設定することがある。場合によっては、システムは、ユーザーによって選択された、最も収穫の準備ができている植物(例えば、最も成熟した植物、最も大きすぎる植物、および最も剪定が必要な植物など)を植栽柱に開かせ得る。
【0021】
場合によっては、システム、またはシステムに関連付けられ、システムと通信するクラウドベースのサービスは、システムにおける過去の収量(past yield)および収穫条件(harvest conditions)に基づいて、他のシステムの過去の収量および収穫状況、ならびに種々のユーザー入力(ユーザー調査または通知への回答、ユーザーの収穫の趣向、およびユーザーの食事の調理の趣向など)に基づいて、個別の種および種類の植物の成長に対する健康状態、収穫、および味わいの閾値を生成するように構成されることがある。例えば、システムは、センサデータおよび/またはユーザーの趣向、ならびに習慣を、通知または警告の閾値、植物の健康状態の閾値、照明制御の閾値(lighting control thresholds)、収穫の閾値、および植物柱の回転速度の閾値などの、システムに関連付けられる種々の条件および閾値を出力する可能性がある、一つまたは複数の機械学習モデルに入力し得る。場合によっては、システムは、植物が不健康であったり、もしくは収穫の注意喚起(reminder)を危険に晒す方法で感染していたりする場合、または植物が予期せぬ遅い成長速度にある場合(例えば、特定の植物における種類または種、樹齢等に基づく閾値量未満である成長速度など)、システムは、廃棄警告(discard alerts)または廃棄警報(discard warnings)を提供することもある。
369)。
【0022】
幾つかの特定の例では、システム、またはクラウドベースのサービスは、センサデータからユーザーに対する収穫の推定収量(estimated yield)を決定し得る。推定収量には、使用量および/または収穫時期に基づく範囲および/または様々な収量が含まれる可能性がある。場合によっては、推定収量には、ユーザーの味覚の趣向に基づいて様々な量に関連付けられるデータ(成長期間が長いほど収量は高くなるが、青菜(greens)における苦味が増加するなど)が含まれることがある。
【0023】
特定の一例では、システムは、機械学習モデルを使用して、植物に対するオブジェクト検出(object detection)およびオブジェクト分類(object classification)を実行し得る。例えば、一つまたは複数のニューラルネットワークは、任意数の学習済みの推論(learned inferences)または頭脳(heads)を生成し得る。場合によっては、ニューラルネットワークは、端から端まで(end-to-end)である訓練済みのネットワーク・アーキテクチャであることがある。一例では、機械学習モデルは、センサデータにおける抽出された深層の畳み込み特徴(deep convolutional features)を意味的データ(semantic data)(例えば、剛性(rigidity)、光吸収(light absorption)、色彩(color)、健康、生命段階等)に分割および/または分類することを含み得る。場合によっては、画素毎(per-pixel)の意味的分類(例えば、葉(foliage)、茎(stem)、果物(fruit)、野菜(vegetable)、昆虫(bug)、および腐敗(decay)等)の形式においては、モデルの適切な真理(appropriate truth)を出力する。
【0024】
場合によっては、植栽ポッドは、植栽容器へのポッドの挿入時にシステムが読み取る可能性がある、可視スペクトル(visible spectrum)または不可視スペクトル(invisible spectrum)(例えば、赤外スペクトルなど)によって印を付けられることがある。このマーキング(marking)は、植栽ポッドに関連付けられる植物の種類または種、ならびにポッドの齢などの他の情報を示し得る。他の場合には、植栽柱の植栽容器は、システムが挿入を検出し、挿入時にポッドに関連付けられる情報を決定することが可能となるように、電気的結合(electrical coupling)または磁気的結合(magnetic coupling)を含むことがある。
【0025】
幾つかの例では、クラウドベースのシステムは、複数の筐体に関連付けられるデータを受信して集約するように構成され得る。場合によっては、クラウドベースのシステムは、複数の筐体の各々から受信された植物に関連付けられるデータを処理して、筐体における種々のセンサおよびシステムの固有パラメータに対する調整を決定することがある。例えば、クラウドベースのシステムは、上述および後述されるように、一つまたは複数の機械学習モデルを適用して、将来のモデルまたは筐体のユニットにおいて調整される可能性がある、センサに関連付けられるパラメータを決定し得る。例えば、クラウドベースのシステムは、捕捉されたデータを機械学習モデルに入力し得るが、そのモデルは、センサにおけるレンズ(lens)、焦点(focus)、およびシャッター(shutters)などに使用するための適応(adaptations)を出力し得る。また、クラウドベースのシステムは、一つまたは複数の有効な筐体にダウンロードまたは適用される可能性がある、設定または調整可能な特性(照明パラメータ(lighting parameters)、湿度パラメータ(humidity parameters)または水分パラメータ(moisture parameters)、および動的センサ設定(dynamic sensor settings)など)を出力し得る。
【0026】
本明細書において説明されるように、例示的なニューラルネットワークは、入力データを一連の接続された層を通して渡して出力を生成する、生物学に発想を得たアルゴリズムである。ニューラルネットワークにおける各層は、別のニューラルネットワークを含むことも、または任意数の層(畳み込みかどうかに関わらず)を含むこともできまる。本開示の状況から理解することができるように、ニューラルネットワークは、機械学習を利用することができるが、機械学習は、学習されたパラメータに基づいて出力が生成される、そのようなアルゴリズムの広範なクラスを指すことができる。
【0027】
ニューラルネットワークの関連において説明されているが、任意種類の機械学習は、本開示に従って矛盾しないように使用することができる。例えば、機械学習アルゴリズムには、回帰アルゴリズム(regression algorithns)(例えば、通常最小二乗回帰(OLSR)、線形回帰、ロジスティック回帰、段階的回帰、多変量適応回帰スプライン(MARS)、局所的に推定された散布図平滑化(locally estimated scatterplot smoothing)(LOESS)など)、インスタンスベースのアルゴリズム(例えば、リッジ回帰、最小絶対収縮および選択演算子(LASSO)、エラスティックネット(elastic net)、最小角度回帰(LARS)など)、決定木アルゴリズム(例えば、分類および回帰ツリー(CART)、反復二分法3(iterative dichotomiser 3)(ID3)、カイ二乗自動交互作用検出(CHAID)、決定スタンプ、条件付き決定木など)、ベイジアン・アルゴリズム(例えば、単純ベイズ、ガウス単純ベイズ、多項単純ベイズ、平均1依存推定器(AODE))、ベイジアン信念ネットワーク(BNN)、ベイジアン・ネットワーク)、クラスタリング・アルゴリズム(例えば、k平均値、k中央値、期待値最大化(EM)、階層的クラスタリング)、相関ルール学習アルゴリズム(例えば、パーセプトロン、逆伝搬、ホップフィールド・ネットワーク、放射基底関数ネットワーク(RBFN)など)、深層学習アルゴリズム(例えば、ディープ・ボルツマン・マシン(DBM)、ディープ信念ネットワーク(DBN)、畳み込みニューラル ネットワーク(CNN)、積層型自己符号化器など)、次元削減アルゴリズム(例えば、主成分分析(PCA)、主成分回帰(PCR)、部分最小二乗回帰(PLSR)、サモン・マッピング、多次元尺度法(MDS)、投影追跡、線形判別分析(LDA)、混合判別分析(MDA)、二次判別分析(QDA)、柔軟な判別分析(FDA)など)、アンサンブル・アルゴリズム(例えば、ブースティング、ブートストラップ集約(Bagging)、アダブースト(AdaBoost)、積層型汎化(Blending)、勾配ブースティング・マシン(GBM)、勾配ブースト回帰ツリー(GBRT)、ランダムフォレストなど)、SVM(サポート・ベクター・マシン)、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習等が含まれるが、これらに限定されない。アーキテクチャの追加例には、ResNet50、ResNet101、VGG、DenseNet、PointNetなどが含まれる。場合によっては、システムはガウスぼかし(Gaussian blurs)、ベイズ関数、色彩分析または処理技術、および/またはそれらの組み合わせも適用することがある。
【0028】
一つの特定例では、植栽柱、ならびに/または照明および制御柱の初期化または設置時に、システムは、ラクトン化プロセス(lactonization process)を実行し得る。例えば、センサシステムは、センサデータの画像セットまたはフレームセットを捕捉し得る。システムは、画像セットに少なくとも部分的に基づいて、センサシステムの視野内のマーカーを検出し得る。この例では、検出された各マーカーは、筐体の枠(frame)または、例えば、植栽柱の基部に対する捕捉センサ(capturing sensor)の位置(例えば、三次元的位置および三次元的回転など)を示し得る。次いで、システムは、筐体およびセンサ位置に関する既知のモデルに少なくとも部分的に基づいて、誤差最小化技術(error minimization technique)(例えば、最小二乗技術(least squares techniques)など)を実行して、フレームおよび植栽柱に対するセンサ位置を決定し得る。次いで、システムは、フレームに対するセンサの位置と、植栽柱に対するセンサの位置とを合成して、フレームおよび植栽柱に対するセンサの最終位置を決定し得る。
【0029】
次いで、システムは、フレームおよび植栽塔に対するセンサの最終位置と、植栽柱に関する既知のモデルとに基づいて、個別植栽容器に対するセンサの位置を決定し得る。場合によっては、システムは、個別植栽容器に対するセンサの位置と、既知の変換(6自由度変換(six degree of freedom transform)など)とを合成することによって、個別植栽容器に対する一つまたは複数の照明器またはエミッタの位置も決定し得る。そのため、システムは、個別植栽容器の各々内における個別植物の各々に、個別化された照明特性を指示または提供し得る。
【0030】
幾つかの特定の例では、システムは、照明および制御柱の画像デバイスによって生成された画像データを使用して、植栽柱内の個別植物を識別し得る。例えば、システムは、植栽柱に関する一つまたは複数の画像またはフレームを捕捉する場合がある。次いで、システムは、画像デバイスに関する既知の位置に対する個別植物の各々の位置を決定し得る。例えば、システムは、幾何学的計算を使用して、植物の位置または場所を画像デバイスのフレームに投影する場合がある。次いで、システムは、画像デバイスのフレームに少なくとも部分的に基づいて、個別植物の位置に関連付けられる関心領域(例えば、長方形、台形、および植物の境界ボックスに基づきカスタマイズされたものなど)を選択し得る。システムは、意味的分割技術(semantic segmentation technique)および/または意味的分類技術(semantic classificatio technique)を使用して、関心領域における画素にラベルを付け得る。例えば、システムは、関心領域内の画像データを機械学習モデルに入力し、植物の種類または種、樹齢、健康状態等を機械学習モデルからの出力として受信し得る。次いで、システムは、画像データに対するメタデータなど、機械学習モデルのデータ出力を関心領域の各画素に割り当て得る。
【0031】
他の特定例では、システムは、筐体内における任意の照明または照明器を解除またはオフにするように構成され得る。そのため、システムは、筐体に関連付けられる周囲光(ambient light)を低減し得る。場合によっては、システムは、筐体内の周囲光をさらに低減するために、一日の特定時間帯(夜間など)に次の操作を実行するように構成されることがある。他の場合には、システムにより、扉の窓覆い(window covering)が閉じたり、色合い(tint)を変えたり、霜(frost)を付けたり、透明度(transparency)を低下させたり、またはそうでなければ筐体の内部に日陰(shade)を生じさせたりすることがある。このシステムは、スペクトルセンサ、および所望の照明器またはエミッタ(赤外線照明器など)を連動または作動させ得る。また、システムは、センサおよび照明器が連動している間に植栽柱を回転させて、植栽柱の表面全体に関連付けられる画像データを生成し得る。システムは、上述されるように、各植栽容器について、画像データに対して分割および/または分類を実行し得る。場合によっては、分割および/または分類ネットワークの出力に基づいて、システムは、個別植物の各々に対応する画素を最大化する、各植栽容器に関連付けられる植物の位置を決定することがある。場合によっては、システムは、分割および/または分類された画像データ上の照明器またはエミッタの視野のスライディングウィンドウ表現(sliding window representation)を利用することもある。次いで、システムは、各植栽容器内の各植物に対する画素数を決定し得る。プロセス例の任意のステップにおいて、システムは、照明器またはエミッタを解除し(例えば、オフにし)、スペクトルセンサに、一つまたは複数の個別植物に関連付けられるベースライン反射率データ(baseline reflectance data)を捕捉させ得る。
【0032】
現在の例示的な具体例では、次いで、システムは、照明器またはエミッタの視野が上記に決定された画素に関連付けられるように、照明器またはエミッタを連接または配置させ得る。次いで、照明器またはエミッタは、所望の期間(例えば、関連する植物の種類、樹齢、健康状態等に基づき選択される期間など)、ならびに所望のスペクトルまたは波長(例えば、近赤外、赤外、紫外、および可視など)において連動(または再連動)され得る。スペクトルセンサは、その期間中に、植物に関連付けられる追加のセンサおよび/または画像データを捕捉する可能性がある。次いで、システムは、種々のスペクトルおよび/または波長における反射応答データ(reflected response data)を決定し得る。次いで、システムは、個別植物の各々について、反射応答データからベースライン反射率データを差し引き得る。次いで、システムは、結果として得られた反射率データを利用して、植物の健康状態、樹齢、または他の状態条件を判定し得る。
【0033】
幾つかの実装形態では、システムは、植栽柱、および植栽柱の予想される回転に基づいて、予想される植物の成長に関する三次元モデルなどのモデルを利用して、ユーザーが植物または種子の鞘を配置するべき位置または容器を選択することも支援し得る。例えば、システムは、過去の性能もしくは履歴の性能、または成長データ、植栽柱に関連付けられる回転データ、筐体に関連付けられる既知の照明条件などに基づいて、特定種類の植物用の容器を提案し得る。一例では、システムは、植栽柱、および植栽柱に関連付けられる植物におけるセンサおよび/または画像データを捕捉して、植物の成長速度、および推定収量を決定し、健康上の問題(萎れ(wilting)など)を検出し得る。また、システムは、三次元モデルのような植栽柱および植栽容器のモデルを生成し得る。このモデルは、特定種類の植物がより良い結果をもたらす最適な位置を決定するために使用され得る。場合によっては、モデルは、各筐体に固有であることもあるが、他の場合には、モデルは、複数の筐体に亘って汎用的であり、集約されたセンサ データに基づいて生成されることもある。
【0034】
場合によっては、モデルは、筐体および/またはクラウドベースのサービスと無線通信する個人用電子デバイス上でホストされる関連アプリケーションを介して、統合されるか、またはアクセス可能であることがある。このアプリケーションにより、個人用電子デバイスは、現在の状態から未来の状態へなどの経時的に、現在挿入されている植物の3Dモデルを表示することが可能になり得る。場合によっては、モデルは、スワイプ(swipe)または他のタッチベースの行為(gesture)などを介して、植栽柱の周囲などで回転可能であってもよい。
【0035】
図1ないし5は、幾つかの実装形態による、制御された生育環境(growing environment)を提供するための筐体100の例の図(view)を例証している。筐体100は、少なくとも一つの植物収容集合体(plant housing assembly)または植栽柱108を収容する環境制御された内部(climate-controlled interior)を提供する植物栽培装置(plant growing apparatus)として構成され得る。しかしながら、均一な照明および温度を提供する従来の家庭菜園システムとは異なり、筐体100は、筐体100の内部、家屋114のような物理的環境内に併設されたもの、または遠隔のクラウドベースのシステム116の何れかに関する一つまたは複数のシステムを介して、健康状態、成長段階、植物の種類または種などに基づいて、能動的な監視および適応的な環境条件を提供し得る。
【0036】
幾つかの特定の実施形態では、筐体100は、生育環境内における個別植物を監視し、カスタム照明(例えば、露光の長さ、焦点距離、温度、特定波長、強度、および量など)のような、調整された生育条件(tailored growing conditions)を提供するように構成され得る。例えば、筐体100は、一つまたは複数の照明および制御柱104に関連付けられるか、またはそれに対して配置される一つまたは複数の照明器102(または光源)を含み得る。
【0037】
幾つかの実装形態では、照明および制御柱(またはパネル)104は、筐体100内に
、または筐体100の特定領域に沿って構成され得る。照明および制御柱104には、一つまたは複数の照明器102に加えて、個別植物を監視するための種々のセンサ106が装備され得る。例えば、照明および制御柱104は、筐体100の内部に関連付けられるセンサデータ118を生成するために、画像デバイス(例えば、RGB(赤色・緑色・青色)画像デバイス、赤外線画像デバイス、モノクロ画像デバイス、およびライダーデバイスなど)、湿度センサ、温度センサ、気圧センサ、空気質/微粒子センサ(air quality/particular sensors)、ガスセンサ(gas sensor)、二酸化炭素(CO2)センサ、およびスペクトルセンサなどの、一つまたは複数のセンサ106を備えていてもよい。
【0038】
上述されるように、照明および制御柱104には、一つまたは複数の照明器102(可視光、赤外線照明器、紫外光など)が装備され得る。照明器102は、対応する植物の健康状態、生命段階、大きさ、および種類または種に基づいて、特定スペクトル、光量、および光強度を個別植栽容器に提供するように調整可能であり得る。
【0039】
場合によっては、照明および制御柱104は、センサ106および/または照明器102の複数の行または列を含むことがある。例えば、照明制御柱104は、センサ106および/または照明器102の上段の行(または列)と、センサ106および/または照明器102の中段の行(または列)と、センサ106および/または照明器102の下段の行(または列)を含む場合がある。他の場合には、照明および制御柱104は、植物の対応する各行または各列について、センサ106および/または照明器104の行または列を含んでもよい。
【0040】
幾つかの実施態様では、センサ106および/または照明器12の各々に関連付けられる視野または関心領域は、単一のセンサ106および/または照明器102が、植物毎のスペクトル、量、および強度特性を維持しながらデータを捕捉し、複数の植栽位置または植栽容器に光を提供し得るように調整可能であり得る。例えば、個別生育条件(individual growing conditions)(例えば、健康状態、大きさ、生命段階、および種など)は、植物毎に検出または決定され得る。
【0041】
例えば、筐体100は、筐体100内に植栽柱または植栽塔108を含む場合がある。植栽柱108は、個別植物を収容するように構成された、全体的に110によって示される複数の容器を含み得る。植栽容器110は、植栽柱108の周囲に垂直列および水平行の両方で配置され得る。例えば、一つの特定の例では、植栽柱110は、20本の列および5本の行からなる植栽容器を含む場合がある。場合によっては、植栽容器110は、各列が1行おきに一つの植栽容器を有するように、列間で互い違いに配置されることがある。これらの場合、植栽容器110を互い違いに配置することは、筐体100が個別植物を監視することが可能であるとともに、個別植物が成長するのに十分な空間のゆとりを確保することが可能であるように許容する。
【0042】
場合によっては、植栽柱108は、筐体100内において基部を中心に360度回転可能であり、または他の任意の制限された回転であることもある。例えば、駆動モータは、幾つかの例ではシステム116(または他の例では、筐体100の内部制御システムを介して)からなどの、一つまたは複数の制御信号または設定データ120に基づいて、筐体100内において植栽柱110を機械的または磁気的に回転させるように構成され得る。場合によっては、植栽柱108が回転すると、筐体100が植栽柱108内の決定された位置に基づいて各植物を追跡することが可能であるように、個別植栽容器110の各々は、一意の識別子(unique identifier)が割り当てられることがある。次いで、植栽柱108は、ユーザーがアクセスするために、植栽容器110を扉112に向かって回転させることができる。
【0043】
これらの例では、照明および制御柱104は、特定の植栽容器110内に挿入または植栽する際に、植物の割り当てられた位置を決定するために使用可能なセンサデータ118を捕捉し得る。例えば、植栽容器110は、照明および制御柱104が、植栽容器110への植栽ポッドの挿入と、対応する容器識別子(receotacle identifier)および/または植栽柱108上の位置とを決定するために使用可能なデータ118を捕捉し得る、可視マーキングまたは不可視マーキング(例えば、赤外線スペクトルマークなど)を有してもよい。他の場合には、捕捉されたセンサデータ118は、植栽柱108が回転するにつれて、容器110が満たされていると判定するために使用可能であってもよい。場合によっては、位置決定のためのマーキングは、筐体100の再始動または再起動時に初期化または位置決定を支援するために、ならびに更新または交換された照明および制御柱が設置または較正されることに応答して、筐体100の内面および/または植栽柱108の上部および底部の周囲における種々の位置に配置されることもある。
【0044】
幾つかの実施形態では、照明および制御柱108のセンサ106および/または照明器102に加えて、センサおよび照明器などは、センサが植栽柱108の空中視野(aerial view)を有するように、植栽柱108の上方に配置され得る。一例では、センサ106は、筐体100の扉112を開けたユーザーから見えることになるような、植栽柱または植栽塔108の前方領域の視野に対して、下向きに面する栽培室の上方または頂部に配置された一つまたは複数の画像取込デバイスを含み得る。別例では、オーバーヘッドセンサ106は、各コーナーにおいて、各側壁などに対応するなどの、筐体の上面付近に配置された複数のセンサの種類または実例(instances)を含んでもよい。この例では、センサ106の組み合わせは、筐体100の上面図だけでなく、正面図を含む植栽柱108の360度ビューも提供し得る。
【0045】
場合によっては、オーバーヘッドセンサ106は、種子の鞘、年輪、および筐体100に関連付けられる他のコンポーネント、生命段階、保守、または消耗品における植え付け、剪定、収穫、洗浄、および組み立てを追跡および/または監視するために使用さることがある。センサデータ118(例えば、画像データなど)は、筐体100を用いた農業のユーザー体験を支援または誘導するためにも使用され得る。この体験には、オンボード・タッチガラス・インターフェース(筐体100の扉112に組み込まれたものなど)、(遠隔モバイルデバイスを介してアクセス可能な)モバイル・アプリケーション、可聴式コマンド、または他の任意種類の機械対人間の対話が含まれ得る。
【0046】
図示された例として、ユーザーが植栽柱108の上部環状セクションまたは列にバジルの苗を植えるとする。バジルは、背の高い栽培植物として、栽培筐体100の上部に影響を与える可能性がある。この例では、筐体100に関連付けられるシステム116(例えば、オンボードまたはクラウドベースのシステムなど)は、バジルの種子の鞘が植栽柱108に対して基準に定められた推奨植え付け領域の外側に配置されたことをセンサデータ118内で検出する可能性がある場合、システム116は、モバイル・アプリケーションを介してユーザーに通知し得る。この通知には、バジルの種子の鞘を推奨領域内の別の下部容器110に再配置するための植栽指示が含まれる場合がある。そのため、システムは、植栽柱108に関連付けられる多くの異なる推奨領域を含み得る。推奨領域の各々は、異なる種類または種の植物に対応する場合がある。
【0047】
他の場合には、筐体100に関連付けられるシステム116は、例えば、(赤外スペクトルのような)一つまたは複数の波長内において植物の葉に関連付けられる反射量をセンサデータ118から決定することにより、特定の植物にとって適切となる光量を決定し得る。次いで、システムは、提供される光の100%閾値量内において葉が吸収しているように
、光量、スペクトル、および強度を調整し得る。そのため、植物は、過剰な光を受け取らなくなり、システム116は、従来の屋内栽培筐体に比較すると、全体の電力消費を低減する。
【0048】
幾つかの実装形態では、システム116は、システム116の所有者またはユーザーにデータ、分析、および通知/警告を提供するようにも構成され得る。例えば、システム116は、ネットワーク120、またはユーザー124に関連付けられるユーザーデバイス122と無線通信する場合がある。システム116は、個別植物に関して捕捉されたセンサデータ118を分析して、個別植物に関連する生命段階および健康状態を判定し得る。場合によっては、システム116は、ユーザーデバイス122、および/または例えば、ユーザーデバイス122によってホストされる関連アプリケーションを介してユーザー124に提示され得る、成長スコアカード(growth scorecard)などの進捗レポートを定期的に(例えば、日次、週次、月次等)提供することがある。場合によっては、周期的基準は、筐体100内の植物の種類および種、筐体100内の植物の樹齢または生命段階、筐体100内の植物の数、および/またはそれらの組み合わせに基づいて決定され、ユーザー124によって定義されることもある。
【0049】
場合によっては、システム116は、植物の健康状態および健全性に関して何らかの懸念または問題があるかどうかを判定することもある。例えば、システム116は、植物に関連付けられる萎れ、異常な反射、吸収の低下、および垂れ下がりなどを検出し得るが、システム116は、ユーザー124が植物の健康状態に検査または介入し得るように、ユーザーデバイス122に対して通知126または警報128を生成し得る。例えば、植物が病気になったり、または有害な昆虫が持ち込まれたりした場合、ユーザー124は、植物および/または植栽柱の全体を除去して、筐体100の全体的な作物生産量に対する長期的な損傷を軽減し得る。
【0050】
幾つかの実施形態では、また、システム116は、個別植物の各々について、収穫警告をユーザー124に提供し得る。例えば、システム116は、センサデータ118に基づいて、植物がその最大成長の90パーセントから95パーセントまでの間に達しており、筐体100の全体的な収量を改善し、味わいを最適化する(例えば、植物が腐敗したり、ストレスを受けたりし始めると、発生する可能性がある、苦味を防ぐ)ために収穫されるべきであると決定し得る。場合によっては、収穫閾値(例えば、大きさ、生命段階、成長の可能性、および味わいなど)は、ユーザーが特定植物または特定植物群について計画する、調理の種類(例えば、サラダ、調理済み、および乾燥済みなど)のような、ユーザー入力に少なくとも部分的に基づいて、システム116によって選択されることがある。例えば、植物の早期収穫は、植物を生で食べる場合の味わいを改善する可能性があり、一方、収穫の晩期収穫は、収量を増加させる可能性があるが、晩期収穫は、植物を調理する場合に好ましいと考えられる。
【0051】
場合によっては、筐体100、または筐体100に関連付けられ、筐体100と通信するクラウドベースのサービス116は、筐体100の過去の収量および収穫条件、他の筐体100における過去の収量および収穫条件における種々のユーザー入力(ユーザー調査または通知への回答、ユーザーの収穫の趣向、およびユーザーの食事の調理の趣向など)に基づいて、個別植物の種および種類の成長に対する健康状態、収穫、および味わいの閾値を生成するように構成されることがある。例えば、システム116は、センサデータ118、ならびに/またはユーザーの趣向および習慣を、通知または警告の閾値、植物の健康状態の閾値、照明制御の閾値、および収穫閾値などの、システムに関連付けられる種々の条件および閾値を出力する可能性がある、一つまたは複数の機械学習モデルに入力し得る。場合によっては、システム116は、植物が不健康であるか、または収穫の注意喚起を危険に晒す方法で感染している場合、または予期せぬ遅い成長速度(例えば、特定植物における種類または種、樹齢等に基づく閾値量未満である成長速度など)がある場合など、廃棄警告128または廃棄警報を提供することもある。
【0052】
幾つかの特定の例では、筐体100、またはクラウドベースのサービス116は、センサデータ118からユーザー124に対する収穫物の推定収量を決定し得る。推定収量には、使用量および/または収穫時期に基づく範囲および/または様々な収量が含まれる可能性がある。場合によっては、推定収量には、ユーザーの味覚の趣向(成長期間が長いほど収量は高くなるが、青菜の苦味が増加するなど)に基づいて異なる量に関連付けられるデータが含まれることがある。
【0053】
一つの特定の例では、システム116は、機械学習モデルを使用して、植物に対してオブジェクトの検出およびオブジェクトの分類も実行し得る。例えば、一つまたは複数のニューラルネットワークは、任意数の学習済みの推論または頭脳を生成し得る。場合によっては、ニューラルネットワークは、端から端までとなる訓練済みのネットワーク・アーキテクチャであることがある。一例では、機械学習モデルは、センサデータの抽出された深層の畳み込み特徴を意味的データ(例えば、剛性、光吸収、色彩、健康、生命段階等)に分割および/または分類することを含み得る。場合によっては、画素毎の意味的分類の形式(例えば、葉、茎、果物、野菜、虫、腐敗等)においては、モデルの適切な真理を出力する。
【0054】
場合によっては、植栽ポッドは、センサ106がポッドを植栽容器へ挿入する時を読み取る可能性がある、可視スペクトルまたは不可視スペクトル(例えば、赤外スペクトルなど)によって印を付けられることがある。このマーキングは、植栽ポッドに関連付けられる植物の種類または種、ならびにポッドの樹齢などの他の情報を示し得る。他の場合には、植栽柱の植栽容器は、システム116が挿入を検出し、挿入時にポッドに関連付けられる情報を決定することが可能であるように、電気的結合または磁気的結合を含むことがある。
【0055】
幾つかの例では、クラウドベースのシステム116は、複数の筐体100に関連付けられるデータを受信して集約するように構成されている。場合によっては、クラウドベースのシステム116は、複数の筐体100の各々から受信された植物に関連付けられるデータを処理して、種々のセンサ106、および筐体100の内部コンポーネントにおける固有パラメータまたは設定データ130に対する調整を決定することがある。例えば、クラウドベースのシステムは、上述および後述されるように、一つまたは複数の機械学習モデルを適用して、筐体100の将来のモデルまたはユニットにおいて調整される可能性がある、筐体100の内部コンポーネント(例えば、水送達システム、栄養送達システム、照明システム、および回転システムなど)に関連付けられるパラメータおよび/または設定データ130を決定し得る。例えば、クラウドベースのシステム116は、捕捉されたセンサデータ118を機械学習モデルに入力し得るが、このモデルは、センサのレンズ、焦点、およびシャッターなどで使用するための適応を出力し得る。また、クラウドベースのシステム116は、特定のユーザー入力、特定の筐体100の性能履歴、および外部センサデータ(例えば、家屋114の温度または照明条件など)に基づいて一つまたは複数の有効な筐体100にダウンロードまたは適用される可能性がある、設定または調整可能な特性(照明パラメータ、湿度または水分パラメータ、および動的センサ設定など)を出力し得る。
【0056】
一つの特定の例では、植栽柱108、ならびに/または照明および制御柱104の初期化または設置時に、筐体100、または筐体100に関連付けられるシステムは、初期化プロセスを実行し得る。例えば、センサシステムは、センサデータの画像セットまたはフレームセットを捕捉する場合がある。システムは、画像セットに少なくとも部分的に基づいて、センサシステムの視野内のマーカーを検出し得る。この例では、検出された各マーカーは、筐体の枠、または例えば、植栽柱108の基部122に対する捕捉センサ(capturing sensor)の位置(例えば、三次元的位置および回転など)を示し得る。次いで、システムは、筐体およびセンサ位置に関する既知のモデルに少なくとも部分的に基づいて誤差最小化技術(例えば、最小二乗技術など)を実行して、フレームおよび植栽柱108に対するセンサ位置を決定し得る。次いで、システムは、フレームに対するセンサの位置と、植栽柱108に対するセンサの位置とを合成して、フレームおよび植栽柱108に対するセンサの最終位置を決定し得る。
【0057】
次いで、システム116は、フレームおよび植栽柱108に対する各個別のセンサ106の最終位置と、植栽柱108に関する既知のモデルとに基づいて、個別の植栽容器110に対するセンサ106の位置を決定し得る。場合によっては、筐体100またはシステム116は、捕捉されたセンサデータ、および筐体100に存在する可能性のある植栽柱108の既知の特性セットに基づいて、植栽柱108のモデルを選択することがある。例えば、複数の植栽柱108の設計が利用可能である場合、システム116は、筐体100に存在する植栽柱108の種類および/またはクラス、ならびに植栽柱108の数を決定してもよい。
【0058】
場合によっては、システム116は、個別植栽容器110に対するセンサ106および/または照明器102の位置と、(6自由度変換のような)センサ106の位置と照明器102の位置との間における既知の変換とを合成することにより、個別植栽容器110の各々に対する一つまたは複数の照明器102またはエミッタの位置を決定することもある。そのため、次いで、システム116は、個別植栽容器110の各々内における個別植物の各々に、個別化された照明特性を指示または提供し得る。
【0059】
幾つかの特定の例では、システム116は、照明および制御柱104のセンサ106によって生成されたセンサデータ(画像データなど)を使用して、植栽柱108内における個別植物を識別し得る。例えば、システム116は、植栽柱108における一つまたは複数の画像またはフレームを捕捉し得る。次いで、システム116は、個別のセンサ106に関する既知の位置に対する個別の植物の各々の位置を決定し得る。例えば、システムは、幾何学的計算を使用して、植物の位置または場所をセンサ106のフレームに投影する場合がある。次いで、システム116は、フレームに少なくとも部分的に基づいて、関心領域を選択し得るか、または個別植物の位置に関連付けられる境界ボックスを決定し得る。システム116は、意味的分割および/または分類技術を使用して、関心領域における画素にラベルを付け得る。例えば、システム116は、関心領域内のセンサデータ118を機械学習モデルに入力し、植物の種類または種、樹齢、および健康状態等を機械学習モデルからの出力として受信する場合がある。次いで、システム116は、センサデータ118に対するメタデータとしてなど、機械学習モデルのデータ出力を関心領域の各画素に割り当て得る。
【0060】
他の特定例では、システム116は、筐体100内の任意の照明または照明器102を解除またはオフにするように構成され得る。そのため、システム116は、筐体100に関付けられる周囲光を低減し得る。場合によっては、システム116は、筐体100内の周囲光をさらに低減するために、一日の特定時間帯(夜間など)に以下の動作を実行するように構成されることがある。他の場合には、システム116により、扉112の窓覆いが閉じたり、色合いを付けたり、またはそうでなければ筐体100の内部に日陰を生じさせたりすることがある。システム116は、スペクトルセンサ、および所望の照明器またはエミッタ(赤外線照明器など)を連動または作動させ得る。
【0061】
システム116は、センサ106および照明器102が連動している間に、植栽柱108を回転させて、(例えば、提供された設定データ130を介して)植栽柱108の表面全体に関連付けられるセンサデータ118も生成し得る。システム116は、各植栽容器110のセンサデータに対して分割および/または分類を実行し得る。場合によっては、分割および/または分類ネットワークの出力に基づいて、システム116は、個別植物の各々に対応する画素を最大化する、各植栽容器110に関連付けられる植物の位置を決定することがある。場合によっては、システム116は、分割および/または分類された画像データ上の照明器またはエミッタの視野のスライディングウィンドウ表現を利用し得る。次いで、システム116は、各植栽容器110内の各植物について、画素数を決定し得る。プロセス例の任意のステップにおいて、システム116は、照明器またはエミッタ102の係合を解除し(例えば、オフにし)、スペクトルセンサに、(例えば、設定データを介して)一つまたは複数の個別植物に関連付けられるベースライン反射率データを捕捉させ得る。
【0062】
現在の特定の例では、システム116は、照明器またはエミッタ102の視野が上記に決定された画素と関連付けられるように、照明器またはエミッタ102を連接または配置させ得る。次いで、照明器またはエミッタ102は、所望の期間(例えば、関連する植物の種類、樹齢、健康状態等に基づいて選択される期間など)、および所望のスペクトルまたは波長(例えば、近赤外、赤外、紫外、および可視など)において連動(または再連動)され得る。スペクトルセンサなどのセンサ106は、その期間中に、植物に関連付けられる追加のセンサおよび/または画像データを捕捉し得る。次いで、システム116は、種々のスペクトルおよび/または波長における反射応答データを決定し得る。次いで、システム116は、個別植物の各々用の反射応答データからベースライン反射率データを差し引き得る。次いで、システム116は、結果として得られた反射率データを利用して、植物の健康状態、樹齢、または他の状態条件を判定し得る。
【0063】
幾つかの実施形態では、システム116は、植栽柱、および植栽柱108の予想される回転に基づいて予想される植物の成長に関する3次元モデルなどのモデルを利用して、ユーザーが植物または種子の鞘を植え付ける位置または容器を選択することも支援し得る。例えば、システムは、過去の性能もしくは履歴の性能、または成長データ、植栽柱108に関連付けられる回転データ、および筐体100に関連付けられる既知の照明条件などに基づいて、特定種類の植物に対する容器110を提案し得る。一例では、システム116は、植栽柱108、およびそれに関連付けられる植物のセンサデータおよび/または画像データを捕捉して、植物の成長速度、および推定収量を決定し、健康上の問題(萎れなど)を検出する場合がある。また、システム116は、植栽柱108および容器110の三次元モデルなどのモデルを生成し得る。このモデルは、特定種類の植物がより良い結果をもたらす最適な位置または場所を決定するために使用され得る。場合によっては、モデルは、各筐体100に特有のものであることがあるが、他の場合には、モデルは、複数の筐体100に亘って汎用的であり、集約されたセンサデータ118に基づいて生成されることもある。
【0064】
場合によっては、モデルは、筐体100、および/またはクラウドベースのサービス116と無線通信するユーザーデバイス122上でホストされる関連アプリケーションを介して統合され得るか、またはアクセス可能であり得る。アプリケーションは、ユーザーデバイス122が、現在の状態から未来の状態へなどの経時的に、現在挿入されている植物などの3Dモデルを表示することを可能になり得る。場合によっては、モデルは、スワイプ、または他のタッチベースの行為などを介して、植栽柱108を中心として回転可能であってもよい。
【0065】
図6は、幾つかの実施形態による、筐体100に関連付けられる植栽柱108の例を示す正面
図600を例証している。図示の例では、植栽柱108は、全体的に602によって示される、個別植物を収容するように構成された複数の容器110を備え得る。植栽容器110は、植栽柱108の周囲に垂直列および水平行の両方で配置され得る。例えば、一つの特定の例では、植栽柱108は、20本の列および5本の行からなる植栽容器110を含む場合がある。場合によっては、植栽容器110は、各列が1行おきに一つの植栽容器110を有するように、列間で互い違いに配置されることがある。これらの場合、植栽容器110を互い違いに配置することは、筐体が個別植物602の各々を監視することが可能であるとともに、個別植物602の各々が成長するのに十分な空間のゆとりを確保することを可能にする。
【0066】
場合によっては、植栽柱108は、筐体内で基部を中心に360度回転可能であり、または他の任意の制限された回転が可能であることもある。場合によっては、植栽柱108が回転するにつれて、
図1ないし5におけるシステム116などのシステムが、植栽柱108内の決定された位置に基づいて各植物602を追跡し得るように、個別植栽容器110の各々は、一意の識別子を割り当てられることがある。これらの場合、システムは、特定の植栽容器内に植物を挿入または植栽する際に、植物の割り当てられた位置を決定し得る。例えば、植栽容器110は、植栽ポッドまたは種子カートリッジの挿入時にシステム116が読み取る可能性がある、通常604によって示される可視マーキングまたは不可視マーキング(例えば、赤外線スペクトルマークなど)を有する場合がある。他の場合には、システム116は、植栽柱108が回転するにつれて、容器110が満たされていると判定してもよい。場合によっては、位置決定のためのマーキング604は、システムの再始動または再起動時、ならびに設置または較正されている照明および制御柱の更新または交換に応答して、初期化または位置決定を支援するために、筐体の内面、ならびに/または植栽柱108の上部および底部の付近の種々の位置に配置されることもある。
【0067】
図7は、幾つかの実施形態による、筐体100の植栽柱108の例を示す分解組立
図700を例証している。現在の例では、植栽柱は、互いに積み重ねられた複数の年輪702を含み得る。各年輪702は、年輪702に沿って行を成して配置され得る、複数の植栽容器110を有し得る。年輪702は、植物の成長のために容器110間に十分な空間を確保するために、ロック機構(locking mechanisms)704および706を介して互いに嵌合するように構成され得る。そのため、年輪702の数は、筐体の大きさに合わせて調整され得る。さらに、各年輪702の最も高い部分は、異なる大きさの植物の植え付け、および/または異なる大きさの種子の鞘またはカートリッジの挿入を可能にするために変化し得る。
【0068】
場合によっては、ガスケット(gasket)708は、植栽柱108が回転するときの振動および動きを低減するために、後続の、または積み重ねられた年輪702の各々の間に配置されることがある。底部またはリングは、植栽柱108の内部から、例えば、植栽柱108の下方に位置する貯水器(reservoir)に流体を排出するための場所を提供するために、下方に延びる排水部材(drain member)710を含むことがある。
【0069】
図8は、幾つかの実装形態による、
図1および2における筐体に関連付けられる植栽柱、ならびに照明および制御柱104の正面から見た例を示す絵画
図800である。図示された例では、植栽柱108は、通常、植栽容器110(A)ないし(H)として示される、複数の植栽容器を含む。各植栽容器110は、
図12に関して以下に説明される種子カートリッジなどの、種子カートリッジまたはポッドを収容するように構成され得るが、植栽容器110は、植物が成熟するための空間または余地(space or room)を、各容器110が容器110の上方に提供するように配置され得る。
【0070】
現在の例では、照明および制御柱104は、垂直に配置されており、センサ106(A)および106(B)などの一つまたは複数のセンサ、ならびに照明器102などの一つまたは複数の照明器を含み得る。この例では、センサ106(A)はスペクトルセンサであってもよく、センサ106(B)は画像センサであってもよい。センサ106の各々は、図示されるように、植栽柱108の対応する視野802(A)および802(B)を有し得る。同様に、照明器102は照射領域(field of illumination)804を有してもよい。この例では、照射領域804は、特定の植栽容器(現在は、植栽容器110(B)として図示されている)に関連付けられる単一の植物に指向性照明(directed illimination)を提供するように構成され得る。この例では、照明器102によって放射される光の特性、および照射領域804の位置は、現在の目標(例えば、植栽容器110(B)など)に基づいて調整可能であり得る。例えば、詳細容器110(B)は異なる成熟レベルまたは生命段階において異なる植生(vegetation)を有し、それに応じて最適な成長には異なる照明が必要になる可能性があるため、照明の強度、波長、および種類は、図示されるような植栽容器110(B)から植栽容器110(A)までの照射領域804が調整されるにつれて、変化し得る。
【0071】
現在の例では、植栽柱108は、植栽柱108が回転するにつれて、センサ106に見える可能性がある、一つまたは複数のマーカー806を含み得る。マーカー806は、システムが現在見える植栽容器110と、植栽柱108がその垂直軸の周りを回転するときの植栽柱108の現在位置とを決定することを支援し得る。センサ106および/または照明器102は、システムが各植栽容器110、およびそれによって各植物に関連付けられるセンサの視野内の空間および/または位置を決定することが可能であり得るように、照明および制御柱108に沿った既知の位置を有し得る。また、センサ106および照明器102は、既知の距離を有し得て、その既知の距離は、決定された植物の位置、センサ106の視野内で決定される植栽容器110、ならびにそれぞれのセンサ106間の距離および/または照明器103およびセンサ106間の距離に基づいて、特定の植物を特定の照明で正確に目標とするために、照射領域804に対する調整を決定するように、システムに使用可能であり得る。
【0072】
場合によっては、システムは、照射領域804の位置を決定するために、筐体および/または植栽柱108の幾何学的形状も利用することがある。また、システムは、センサ106および植栽柱108間の既知の距離、ならびに照明器102および植栽柱108間の既知の距離を利用して、照射領域804の調整を支援することもある。場合によっては、照明器は、照明器102が個別植物に関連付けられる目標領域または目標位置に基づいて、照射領域804の位置および大きさを調整することも可能にする、画角の移動(pan)、傾斜(tilt)、拡大(zoom)の機能を含むことがある。
【0073】
図9は、幾つかの実装形態による、
図1および
図2における筐体に関連付けられる植栽柱108、ならびに照明および制御柱104の上部から見た例を示す絵画図である。この例では、照明および制御柱104は、筐体100内において水平に構成され得て、および/または、センサ106および照明器102は、
図8に関して上方に示されるように、垂直方向にオフセットされる代わりに、または、垂直方向にオフセットされることに加えて、水平方向のアクセスに沿って互いにオフセットされ得る。例えば、センサ106および照明器102は、互いに対して垂直方向および水平方向の両方にオフセットされてもよい。
【0074】
この例では、システムは、各植栽容器110、および各植栽容器によって各植物に関連付けられるセンサ106の視野802内の空間および/または位置を決定することが可能であり得る。センサ106および照明器102は、既知の水平距離も有し得て、その既知の水平距離は、決定された植物の位置、センサ106の視野内で決定される植栽容器110、ならびにそれぞれのセンサ106間の距離および/または照明器103およびセンサ106間の距離に基づいて、特定の植物を特定の照明で正確に目標とするために、照射領域804に対する調整を決定するように、システムに使用可能であり得る。場合によっては、システムは、照射領域804の位置を決定するために、筐体および/または植栽柱108の幾何学的形状を利用することもある。
【0075】
場合によっては、システムは、センサ106によって生成されたセンサデータを利用して、各植栽容器110内における植物の種類、植物の健康状態、植物の生命段階または成熟度、および植物の大きさなどを決定することもある。次いで、決定された種類、健康状態、生命段階、および大きさなどは、照明器102によって各植物に提供される光の特性(例えば、強度、波長、および照射領域802など)を選択するために、システムによって使用され得る。
【0076】
図10は、幾つかの実施形態による、
図1における筐体に関連付けられる植栽柱とともに使用するための種子カートリッジ1000の例を示す斜視図である。種子カートリッジ1000は、植栽柱の植栽容器に適合または嵌合するように構成され得る。場合によっては、植栽カートリッジ1000は、筐体環境における栽培植物に関連付けられる種子、成長培地(grow medium)、栄養素(nutrients)、成長刺激剤(growth stimulants)、ホルモン(hormones)、および菌類(fungi)などを含むことがある。場合によっては、植栽カートリッジ1000は、筐体のセンサによって生成され、植栽柱に挿入される植物の種類を決定するために筐体および/またはシステムによって利用されるセンサデータにおいて表現される可能性がある、一つまたは複数のマーキング1002を含み得る。次いで、その種類は、上述されるように、関連付けられる植栽柱に向けられる、照明(例えば、波長、時刻、および強度など)をカスタマイズするために使用され得る。
【0077】
図11は、幾つかの実施形態による、
図1における筐体に関連付けられる植栽柱108の植栽容器110(A)に係合された種子カートリッジ1102の例を示す斜視
図1100である。この例では、図示されるように、植物1104が植栽容器110(A)の上方の空間に発芽している。そのため、システムは、上述されるように、カスタマイズされた照明を植物1104および/または植栽容器110(A)の上方の位置に向けさせ得る。
【0078】
この例では、植栽容器110(A)は、筐体に関連付けられるセンサシステムによって収集されたセンサデータ内において検出される可能性がある、マーカーまたは識別子1106を含む。場合によっては、識別子1106は、植栽柱108および/または筐体の禁欲的な品質(ascetic quality)を改善するために、赤外線または人間には不可視のものであることがある。識別子1106は、植栽柱108に対する植物1104の位置を決定するために使用され得る。また、この現在の例は、植栽容器110(B)に挿入された人工植物(artificial plant)1108をも含む。幾つかの実装形態では、システムは、人工植物1108に関連付けられる挿入イベント(insertion event)を監視し、筐体によって生成されたセンサデータ内の人工植物1108の検出を利用して、植栽柱108に対する植物1104の場所または位置を決定し得る。このように、人工植物1108は、植栽柱108に対する特定の植物の位置を決定する際に、筐体のユーザーに対する視覚的表示としてだけでなく、筐体に関連付けられるシステムに対しても使用され得る。例えば、ユーザーは、一つまたは複数の人工植物1108を容器110に挿入し得て、各人工植物1108は、異なるパターン、色彩、大きさ、および花の種類などのものであってもよく、それにより、ユーザー、および筐体に関連付けられるシステムに視覚的な表示を提供し得る。図示された一例として、視覚的表示は、植栽容器110を覆うガスケットフラップ(gasket flap)、またはガスケットフラップのカバーに関連付けられる動きを検出することを含んでもよい。
【0079】
幾つかの例では、また、システムは、識別子(例えば、バーコード、近距離無線通信(NFC)タグ、または無線周波数識別(RFID)タグなど)の検出、走査(scanning)、および/または撮像(imaging)を介して挿入イベントを検出し得る。例えば、ユーザーは、図示されるように、種子容器110(A)に挿入する前に種子カートリッジ1102を走査し得る。場合によっては、ユーザーデバイスを介した走査は、挿入された種子カートリッジ1102の位置(例えば、レセプタクル110(A)など)および/または(ユーザー趣向の収集イベントのような)他のイベントを決定するために、筐体のセンサによる走査を開始することがある。場合によっては、ユーザーデバイスを用いて種子カートリッジ1102を走査することは、システムが、予想される植物の種類、および予想される成長特徴などを決定することを可能にすることがある。
【0080】
図12は、幾つかの実施形態による、ユーザー124によって植栽柱108の植栽容器110(A)に挿入されている種子カートリッジ1102の例を示す斜視
図1200である。この例では、筐体のセンサシステムは、挿入イベントに関連付けられるセンサデータを捕捉するように構成され得て、筐体、および/または筐体に関連付けられるシステムは、挿入イベントを表すセンサデータを利用して、種子カートリッジ1102(例えば、植物の種類など)の特徴および/または特性、ならびに植栽柱108に対して種子カートリッジが有する位置(例えば、種子カートリッジ1102が容器110(A)内にあるなど)を決定し得る。
【0081】
図13ないし16は、上述されるように、栽培筐体に関連付けられるプロセスの例を例証するフロー図である。プロセスは、論理フロー図におけるブロックの集合として図示されているが、これは一連の操作を表しており、その一部または全てはハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実装することができる。ソフトウェアの関連では、ブロックは、一つまたは複数のプロセッサによって実行されると、記載された操作を実行する、一つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に格納されたコンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令には、特定の機能を実行するか、または特定の抽象データ型を実装する、ルーチン(routines)、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、暗号化(encryption)、復号化(deciphering)、圧縮(compressing)、記録(recording)、およびデータ構造(data structures)などが含まれる。
【0082】
操作を説明する順序は、制限として解釈されるべきではない。記述された任意数のブロックは、任意の順序でおよび/または並行して組み合わせられて、プロセスまたは代替プロセスを実装することができ、必ずしも全てのブロックが実行される必要はない。説明の目的のために、本明細書のプロセスは、本明細書の例において説明されるフレームワーク(frameworks)、アーキテクチャ(architectures)、および環境(environment)を参照して説明されるが、プロセスは、他の多種多様なフレームワーク、アーキテクチャ、または環境において実装されてもよい。
【0083】
図13は、幾つかの実装形態に従って、個別植物に関連付けられる照明および制御システムの設定を決定するための図示されたプロセス1300の例を示すフロー図である。場合によっては上述されるように、筐体および関連システム(例えば、制御システム、およびクラウドベースのシステムなど)は、筐体に現在生息している個別植物の各々についてカスタマイズされた照明を提供するように構成され得る。カスタマイズされた照明には、カスタムの強度、波長、大きさ、および時間の長さなどが含まれ得る。カスタマイズされた設定は、幾つかの例では、植物の決定された大きさ、健康状態、生命段階、種類、および成熟度などに少なくとも部分的に基づいて選択され得る。
【0084】
ステップ1302において、第一のセンサは、筐体に関連付けられるセンサデータを捕捉し得る。場合によっては、第一のセンサは、RGB(赤色・緑色・青色)画像デバイス、赤外線画像デバイス、モノクロ画像デバイス、およびステレオ画像デバイス(stereo image devices)、ならびに深度センサ(depth sensors)、およびライダーセンサ(lidar sensors)などの、画像デバイスであることがある。場合によっては、センサ データには、種々のスペクトルにおける画像データだけでなく深度データ(depth data)も含まれることがある。
【0085】
ステップ1304において、システムは、センサデータに少なくとも部分的に基づいて植栽柱(または筐体)に関連付けられる、一つまたは複数のマーカーを検出し得る。例えば、マーカーは、人間の可視スペクトルにおける可視または不可視(例えば、赤外スペクトル内など)であり、植栽柱上の位置および/または筐体の表面上の位置に配置され得る。場合によっては、
図11に上述されるように、花マーカー(flower marker)などの、マーカーは、ユーザーによって挿入されることがある。挿入可能なマーカーの場合、システムは、挿入イベントを検出し、メモリにおいて挿入可能なマーカーの検出に使用可能であるモデルとともに、位置または関連する植栽容器を記録または保存し得る。場合によっては、マーカーが削除される場合、システムは、削除イベント(removal event)を検出し、メモリから位置およびモデルを削除することがある。
【0086】
ステップ1306において、システムは、マーカー、および筐体に関する既知のモデルに少なくとも部分的に基づいて、筐体の枠に対する第一のセンサ位置を決定し得る。例えば、筐体のモデルは、筐体に関して保存されることも、クラウドベースのサービスを介してアクセス可能であることもあってもよい。場合によっては、最初の起動(initial activation)時に、システムが、筐体をスキャンし、使用するモデルを選択するか、またはユーザーがモデルを選択するかをすることがある。
【0087】
ステップ1308において、システムは、マーカー、および筐体に関する既知のモデルに少なくとも部分的に基づいて、植栽柱に対する第一のセンサ位置を決定し得る。例えば、筐体のモデルには、筐体自体だけでなく植栽柱の特性も含まれる場合がある。場合によっては、植栽柱がモジュール式(modular)であって、植栽容器の様々な配置、または植栽容器の行および列間の様々な距離を提供する場合など、特性が変化することがある。このような場合、システムは、モバイル・アプリケーションまたは筐体のインターフェースを介して、定期的にユーザーに質問し、挿入された植栽柱の配置を確認し、および/または植栽柱に関連付けられ、格納された筐体モデルの更新に応答して変更イベント(change events)を検出することがある。場合によっては、ユーザーは、筐体および/またはモバイル・アプリケーション上のユーザー入力を介して、筐体モデルの更新を開始することもある。
【0088】
ステップ1310において、システムは、第一のセンサ位置および第二のセンサ位置に少なくとも部分的に基づいて、植栽柱の個別植栽容器に対する第一のセンサの第三の位置を決定し得る。例えば、システムは、画像データに少なくとも部分的に基づいて、第一のセンサに対して可視の植栽容器を決定し、その後、第一の位置および第二の位置を使用して、個別可視の植栽容器に対する第一のセンサの位置を決定し得る。
【0089】
ステップ1312において、システムは、第三の位置および変換関数(transform function)に少なくとも部分的に基づいて、植栽容器に対する照明器の第四の位置を決定し得る。変換関数は、第一のセンサと照明器との間のX、Y、および/またはZ方向におけるオフセットを表し得る。この例では、照明装置と所望の植栽容器との間の第四の位置を決定するために、第一のセンサの位置のみが使用される。しかしながら、他の場合には、システムは、追加のセンサ(例えば、画像デバイスおよび/またはスペクトルセンサなど)を利用して、植栽容器に対する第二のセンサの位置を決定し、その後、第二の位置および第二の変換関数を利用して、第四の位置を確認し、適切な植物が希望の設定で照明を受けていることを確実にしてもよい。
【0090】
ステップ1314において、システムは、第四の位置、および植栽容器に関連付けられる植物に少なくとも部分的に基づいて、照明器に関連付けられる少なくとも一つの設定を決定し得て、ステップ1316において、システムは、所望の植物および/または植栽容器に照明を提供するために照明器を作動し得る。例えば、照射領域は、照射領域が所望の植栽容器に相対的になる、または向けられるように、第四の位置に基づいて調整される場合がある。例えば、照明器は、照射領域に対して画角の移動、傾斜、および/または拡大を行って、所望の植栽容器における特定の植物にカスタマイズされた照明を提供し得る。また、このシステムは、植物を撮影した画像データに基づいて、光の設定または特性を選択し得る。例えば、画像データを使用すると、健康状態、腐敗の有無、大きさ、および成熟度などの、植物の特徴を判定し得る。次いで、システムは、特徴に少なくとも部分的に基づいて、強度、波長、および時間の長さまたは露光の長さなどの設定を選択し得る。
【0091】
場合によっては、カスタマイズされた照明は、個別植物の各々にカスタマイズされた栄養および/または味わいを提供するように構成されることがある。例えば、ユーザーは、ユーザーデバイス上でホストされるアプリケーションを介して、および/またはユーザー入力デバイスを介して、筐体のユーザー趣向に関して入力し得る。ユーザーの趣向には、所望の味わい(甘味および苦味など)、大きさ、および栄養上の利点(nutritional benefits)(例えば、所望のビタミン(vitamins)および繊維(fiber)など)などが含まれ得る。次いで、システムは、ユーザーの趣向をカスタマイズされた照明(ならびに/または筐体および/もしくは個別植物に関連付けられる他の環境要因など)設定に変換し得る。図示された例として、履歴データ(historical data)、植物の種類、詳細(specifics)、栄養価(nutritional values)、成熟度、および生命段階などを含むユーザーの趣向は、植物が成熟するにつれて、各植物のためのカスタマイズされた照明設定を決定し、植物がユーザーの趣向に到達するように促すために使用され得る。
【0092】
場合によっては、システムは、挿入イベントの検出に応じてユーザーが選択するオプションを(ユーザーデバイス上でホストされるアプリケーションを介して、または筐体のユーザーインターフェースを介しての何れかで)提示することがある。例えば、システムは、特定種類の種子カートリッジの挿入を検出し得る。次いで、システムは、所望の味わい、大きさ、調理スタイル(preperation styles)、料理(dish)、および栄養目標(nutitional goals)などに関連してユーザーに照会し得る。次いで、システムは、ユーザー入力を利用して、植物に関連付けられる照明設定(および/または他の環境要因)をさらにカスタマイズし得る。
【0093】
現在の例では、プロセス1300は、植栽容器に関して説明されているが、プロセス1300は、植栽容器の相対的位置に加えて、またはその代わりに、植物の相対的位置を決定するように構成され得ることは、理解される必要がある。
【0094】
図14は、幾つかの実装形態による、個別植物の特性を決定するための図示されたプロセス1400を表す別例を示すフロー図である。上述されるように、システムは、個別植物の各々に関連付けられるセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、照明特性または照明設定(illumination characteristics or settings)を選択し得る。
【0095】
ステップ1402において、システムは、筐体に関連付けられるセンサデータをセンサに捕捉させ得る。場合によっては、第一のセンサは、RGB(赤色・緑色・青色)画像デバイス、赤外線画像デバイス、モノクロ画像デバイス、ステレオ画像デバイス、ならびに深度センサ、およびライダーセンサなどの、画像デバイスであることがある。場合によっては、センサデータには、種々のスペクトルおける画像データだけでなく深度データも含まれることがある。
【0096】
ステップ1404において、システムは、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、所望の植栽容器(および/または植物)の位置を決定し得る。例えば、プロセス1300に関して上述されるように、システムは、照明器と所望の植栽容器との間の相対的位置を決定し得る。他の場合には、システムは、筐体および/または植栽柱のモデル、照明器、センサ、および植栽柱の間の既知の距離、ならびに捕捉されたセンサデータを利用して、所望の植栽容器の位置を決定してもよい。
【0097】
場合によっては、所望の植栽容器は、既知のパターンに基づいて、または少なくとも部分的に、植栽容器に関連付けて検出された植物に基づいて選択され得る。例えば、システムは、センサデータを個別植栽容器の各々に関連付けられるセグメント(segments)に分割し、センサデータを使用して植物または種子カートリッジが存在するかどうかを判定する場合がある。次いで、システムは、筐体に存在し、センサおよび/または照明器に対して可視の各植栽容器または植物に照明を提供するための照明のパターンを決定し得る。
【0098】
ステップ1406において、システムは、植栽容器(および/または植物)に関連付けられる関心領域を決定し得る。例えば、システムは、植物を検出することによって関心領域を決定し、その植物に関連付けられる一つまたは複数の境界(boundary)または境界ボックス(bounding box)を決定する場合がある。場合によっては、境界ボックスは、植物の大きさに基づいて動的であってもよく、および/または事前に決定され、個別植栽容器に関連付けられていてもよい。
【0099】
ステップ1408において、システムは、関心領域に関連付けられるセンサデータの少なくとも一部を機械学習モデルに提供し得て、ステップ1410において、システムは、機械学習モデルから、関心領域に関連付けられる分類データおよび/または分割データを受信し得る。次いで、ステップ1412において、システムは、分類データおよび分割データに少なくとも部分的に基づいて、関心領域および植栽容器に関連付けられる植物の少なくとも一つの特徴を決定し得る。例えば、分類データおよび分割データには、関心領域内の一つまたは複数の植物に関連付けられる境界、ならびに植物の種類、および/または健康状態、大きさ、および成熟度などの植物の他の特徴を含め得る。場合によっては、その特徴には、腐敗、昆虫の有無(presence of insects)、カビ(mold)、またはその他の損傷が含まれることもある。場合によっては、分割データには、重複する植物の葉、または一つまたは複数の隣接する植物が現在の関心領域に侵入しているという他の兆候(indicaions)が含まれることがある。
【0100】
次いで、ステップ1414において、システムは、少なくとも一つの特徴を出力し得る。例えば、特徴は、植物および/または境界における一つまたは複数の特徴に基づいて、照明または照明設定を決定するように構成されたシステムまたはモジュールに出力される場合がある。
【0101】
図15は、幾つかの実装形態による、個別植物の特性を決定するための図示されたプロセス1500を表す別例を示すフロー図である。場合によっては、一つまたは複数の植物の特徴または特性(健康状態など)は、筐体内における植物の葉の反射率に基づいて決定されることがある。
【0102】
ステップ1502において、システムは、照明器を解除し、筐体の観察窓(viewing windows)を遮断し得る。例えば、システムは、筐体内の任意の照明を無効にさせる場合がある。同様に、システムは、色が掛かったり、または霜が付いたりすることなど、および/またはスクリーンが下がることを、観察窓に引き起こすことがある。このようにして、システムは、筐体内の光の量を低減し得る。
【0103】
ステップ1504において、システムは、スペクトルセンサに植栽柱の第一のセンサデータを捕捉させ得る。例えば、筐体内の照明が低減されている間、スペクトルセンサが植栽柱に関連付けられる全ての植物、および植栽容器などの全体像(full view)を捕捉することができるように、植栽柱は、スペクトルセンサが作動している間、少なくとも360度回転する場合がある。
【0104】
ステップ1506において、システムは、植栽柱の植栽容器に関連付けられる少なくとも一つの植物のベースライン反射率データを決定し得る。例えば、システムは、植栽柱および/または植栽容器における既知の配置に基づいて、または例えば、センサデータの分割および/または分類を介して、個別植物に関連付けられる関心領域を決定し得る。
【0105】
ステップ1508において、システムは、照明器と連動し得る。例えば、照明器は、特定の特性または既知の特性において照明を出力するように関連付けられ、または構成され得る。場合によっては、照明は、所望の植物または関心領域に向けられることがある。他の場合には、照明器は、概して植栽柱に向けられてもよい。
【0106】
ステップ1510において、システムは、スペクトルセンサと連動または再連動して、植栽柱の第二のセンサデータを捕捉し得る。例えば、植栽柱は、スペクトルセンサが植栽柱に関連付けられる全ての植物、および植栽容器などの全体像を捕捉するように、スペクトルセンサが作動している間、再び少なくとも360度回転し得る。ただし、この例では、第二のセンサデータは、照明装置が作動している、または有効的になっている間の植栽柱および植物を表している。
【0107】
ステップ1512において、システムは、第二のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの植物の反射応答データを決定し得る。例えば、システムは、植栽柱および/または植栽容器における既知の配置に基づいて、または例えば、センサデータの分割および/または分類を介して、個別植物に関連付けられる同じ関心領域を利用して、反射応答データを決定し得る。
【0108】
ステップ1514において、システムは、ベースライン反射率データおよび反射応答データに少なくとも部分的に基づいて、結果として得られる反射率データを決定し得る。例えば、結果として得られる反射率データは、ベースライン反射率データと反射応答データとの間の差異を表す場合がある。
【0109】
ステップ1516において、システムは、結果として得られた反射率データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも一つの植物における少なくとも一つの特性を決定し得る。例えば、システムは、結果として得られる反射率データを利用して、結果のデータを履歴データおよび/または予想される反射率データ(場合によっては、植物の種類に基づいた予想される反射率データ)と比較することにより、植物の健康状態および/または生命段階を判定し得る。
【0110】
図16は、幾つかの実装形態による、個別植物から日陰回避応答を誘発するための図示されたプロセス1600の例を示す別のフロー図である。場合によっては、上述される照明および制御柱などの照明システムは、個別植物における日陰回避反応を引き起こし、それによって成長の増加、またはそうでなければ成長の加速を促進し得る。
【0111】
ステップ1602において、システムは、筐体に関連付けられる一つまたは複数の照明器に、植栽柱における第一の植物に関連付けられる第一の関心領域に照明を提供させ得る。上述されるように、関心領域は、(第一の植物を抑制するセンサデータの分類および分割によって定義されるような)第一の植物に関連付けられ得て、および/または特定の植栽容器に関連付けられ得る。
【0112】
ステップ1604において、システムは、第一の時間が経過していると判定し得る。例えば、照明器は、所望の照明設定(例えば、波長および強度など)で第一の期間に、第一の関心領域に対して照明を提供し得る。
【0113】
ステップ1606において、システムは、第一の植物における少なくとも第一の部分を日陰にするために、植栽柱および/または第一の関心領域の位置を調整し得る。例えば、システムは、第一の期間の終了後に、植栽柱に回転、傾斜、またはそうでなければ調整を行わせ得る。あるいは、システムは、一つまたは複数の照明器に関連付けられる照射領域を調整することにより、第一の関心領域を調整し得る。場合によっては、調整は、第一の植物における少なくとも部分的な遮光(shading)を引き起こすように構成されることがある。一例では、システムは、第一の期間中、および/または第一の期間およびそれに続く第二の期間の間の移行期間(transition period)中に捕捉されたセンサデータを利用して、照射領域、関心領域、および/または植栽柱の位置を調整することによって生じる日陰の量を決定し得る。この例では、システムは、所望の日陰量または割合(percentage)(例えば、植物における所望の部分が植物の閾値量以上の日陰になる、葉のような所望の特徴が日陰になるなど)の検出に応答して調整を完了し得る。
【0114】
ステップ1608において、システムは、一つまたは複数の照明器に、第二の期間に関連付けられる継続時間(duration)の間、第一の関心領域(例えば、調整された領域など)に対して照明を提供させ得る。場合によっては、システムは、上述されるように、第二の期間内に提供される一つまたは複数の特徴もしくは特性、または照明の設定を調整することもある。この例では、第一の期間中に第一の植物に対して提供される照明は、第二の期間中に第一の植物に対して提供される照明と異なり得る。幾つかの例では、第一の期間および第二の期間の長さまたは継続時間も変化し得る。
【0115】
この例では、第一の植物の一部を日陰にすることにより、システムは、成長の加速および/または増加を引き起こす可能性がある、植物の日陰回避反応を引き起こし得るか、または誘発し得る。場合によっては、第一の植物における所望の特徴を日陰にすることにより、システムは、第一の植物を所望の方法、位置、および/または方向に成長させ得る。
【0116】
ステップ1610において、システムは、第一の植物における少なくとも第二の部分を日陰にするために、植栽柱および/または第一の関心領域の位置を再調整し得る。この場合も、システムは、第一の期間の満了後に、植栽柱を回転、傾斜、またはそうでなければ調整を行わせることがある。あるいは、システムは、一つまたは複数の照明器に関連付けられる照射領域を調整することにより、第一の関心領域を調整することがある。場合によっては、この調整は、少なくとも第一の植物の部分的な遮光を引き起こすように構成されてもよい。一例では、システムは、第二の期間中、および/または第二の期間とその後の第三の期間との間の移行期間中に捕捉されたセンサデータを利用して、照射領域、関心領域、および/または植栽柱の位置を調整することから生じる日陰の量を決定し得る。この例では、システムは、所望の日陰量または割合(例えば、植物の所望の部分が植物の閾値量以上の日陰になる、第二の葉のような追加の所望の特徴が影を付けられているなど)の検出に応答して調整を完了し得る。この例では、第二の調整後の日陰量は、ステップ1606における第一の調整に関連付けられる所望の日陰量とは異なり得る。
【0117】
ステップ1612において、システムは、一つまたは複数の照明器に、第三の期間に関連付けられる継続時間の間、第一の関心領域(例えば、再調整された領域など)に対して照明を提供させ得る。場合によっては、システムは、上述されるように、第二の期間内に提供される一つまたは複数の特徴もしくは特性、または照明の設定を調整することがある。この例では、第三の期間中に第一の植物に提供される照明は、第一の期間および/または第二の期間中に第一の植物に提供される照明と異なり得る。幾つかの例では、第三の期間、第二の期間および/または第一の期間の長さまたは継続時間も変化し得る。
【0118】
この例では、第一の植物における第二の部分を日陰にすることにより、システムは、さらに、第一の植物の日陰回避反応を引き起こし、または誘発し得るが、この反応は、成長の加速および/または増加を引き起こし得る。場合によっては、第一の植物における所望の特徴を所望の回転またはパターンにおいて日陰にすることにより、システムは、第一の植物を所望の方法、位置、および/または方向に成長させ得る。
【0119】
ステップ1614において、システムは、第三の時間が経過したことを判定し得て、ステップ1616において、システムは、一つまたは複数の照明器に、植栽柱の第二の植物に関連付けられる第二の関心領域に対して照明を提供させ得る。例えば、システムは、健康状態、ユーザーの趣向、成熟度、および大きさなどに基づいて、第一の期間中、第二の期間中、および第三の期間中に提供される照明が、第一の植物にとって十分であると判定し、筐体内における他の植物(例えば、第二の植物など)に対して照明を提供し続け得る。
【0120】
プロセス1600では、システムは、3段階において第一の植物に照明を提供する。しかしながら、段階の数、および期間などは、ユーザーの有無、筐体および/または植栽柱の容量(capacity)および利用状況(utilization)、植物の密度、植物の特徴(例えば、健康状態、大きさ、および成熟度など)、および筐体の機能(例えば、照明器の数など)などに基づいて変化し得ることは、理解される必要がある。
図17は、幾つかの実装形態による、システム1700を示す別例である。例えば、場合によっては、システムは、植物を栽培するための筐体になることがある。場合によっては、筐体には、回転可能な植栽柱、環境制御システム(environmental control systems)、ならびに筐体によって画定される内部空間(internal space)にアクセスするための点検扉(access doors)または隔室(compartments)などの、機械的なシステムが含まれることがある。
【0121】
システム1700は、一つまたは複数の照明器1702を備え得る。照明器1702は、筐体内における一つまたは複数の植物に対して照明を提供するために、筐体の内部を通して取り付けられ得る。場合によっては、照明器1702は、上述されるように、照明および制御柱に沿って配置されることがある。照明器1702には、可視光、赤外照明器、および紫外光などの照明器が含まれてもよいが、これらに限定されない。場合によっては、照明器は、調整可能な照射領域を有していることがある。これらの場合、照明器1702は、画角の移動、傾斜、拡大、および/または他の調整可能な機能を含むことがある。照明器1702は、調整可能な強度および波長を有することもある。
【0122】
また、システム1700は、一つまたは複数のセンサ1704を備え得る。センサシステム1704は、画像デバイス、スペクトルセンサ、ライダーシステム、深度センサ、熱センサ(thermal sensors)、赤外線センサ、または物理的環境を表すデータを生成可能な他のセンサを含み得る。例えば、センサ1704は、種々の視点(various perspectives)から複数フレームのデータを捕捉するために、筐体内に、または照明および制御柱に関連付けられて配置される場合がある。上述されるように、センサ1704は、種々の大きさおよび品質であってもよく、例えば、センサ1704は、他種類のカメラの中で、一つまたは複数のワイドスクリーンカメラ(wide screen cameras)、3Dカメラ、高解像度カメラ(high definition cameras)、およびビデオカメラ(video cameras)を含み得る画像コンポーネントを含み得る。
【0123】
また、システム1700は、一つまたは複数のネットワーク、一つまたは複数のクラウドベースのシステム、および/または一つまたは複数のモバイルデバイスまたはユーザーデバイスの間の通信を容易にするように構成された、一つまたは複数の通信インターフェース1706も含み得る。場合によっては、通信インターフェース1706は、筐体に関連付けられるデータを送受信するように構成されることがある。通信インターフェース1706は、IEEE802.11規格(standards)によって定義される周波数、Bluetoothなどの短距離無線周波数(short range wireless frequencies)、携帯電話通信(cellular communication)(例えば、2G、3G、4G、4G LTE、5G等)、衛星通信(satellite communication)、短距離専用通信(dedicated short-range communications)(DSRC)、またはそれぞれの演算装置(computing device)が他の演算装置と接合することを可能にする任意の適切な有線または無線通信プロトコルを介するなどの、Wi-Fiベースの通信を可能にし得る。
【0124】
図示された例では、システム1700は、プロジェクタ、仮想環境ディスプレイ(virtual environment display)、従来の2Dディスプレイ、ボタン、ノブ(knobs)、および/または他の入力/出力インターフェースなどの入力および/または出力インターフェース1708も含む。例えば、一例では、インターフェース1708は、システム1700のユーザーが、設定またはユーザーの趣向を入力するだけでなく、筐体に関連付けられるコンテンツ(植物の健康状態の最新情報(plant health updates)、収穫の注意喚起(harvesting reminders)、および調理法の提案(recipe suggestions)など)を消費することを可能にするように構成されたタッチスクリーン(touch screen)またはLEDディスプレイなどの、フラットディスプレイ表面(flat display surface)を含んでもよい。
【0125】
また、システム1700は、少なくとも一つまたは複数のアクセスコンポーネント(access components)、制御論理回路(control logic circuits)、中央処理装置(central processing units)、またはプロセッサ(processors)などの、一つまたは複数のプロセッサ1710、ならびに仮想環境に関連付けられる機能を実行するための一つまたは複数のコンピュータ可読媒体1712を含み得る。さらに、プロセッサ1710の各々は、それ自体、一つまたは複数のプロセッサまたは処理コア(processing cores)を含み得る。
【0126】
構成に応じて、コンピュータ可読媒体1712は、有形の非一時的なコンピュータ記憶媒体(tangible non-transitory computer storage)の一例であってもよく、揮発性メモリおよび不揮発性メモリ(volatile and nonvolatile memory)、および/またはコンピュータ可読命令またはモジュール、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータなどの、情報を格納するための任意種類の技術において実装される、リムーバブル媒体および非リムーバブル媒体を含んでもよい。このようなコンピュータ可読媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ(flash memory)または他のコンピュータ可読媒体技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、ソリッドステートストレージ(solid state storage)、磁気ディスクストレージ、RAIDストレージシステム、ストレージアレイ(storage arrays)、ネットワーク接続ストレージ(network attached storage)、ストレージエリアネットワーク(storage area networks)、クラウドストレージ(cloud storage)、または情報を格納するために使用でき、プロセッサ1710によってアクセス可能である他の任意の媒体が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0127】
命令およびデータストアなどの幾つかのモジュールは、コンピュータ可読媒体1712内に格納され、プロセッサ1710上で実行されるように構成され得る。例えば、図示されるように、コンピュータ可読媒体1712は、植物検出命令(plant detection instructions)1714、照明命令(illumination instructions)1716、散水命令(watering instructions)1718、通知命令(notification instructions)1720、植物監視命令(plant monitoring instructions)1722、 収穫命令(harvesting instructions)1724、設定決定命令(setting determining instructions)1726、ならびに他の命令1728を格納し得る。また、コンピュータ可読媒体1712は、センサデータ1730、ユーザー設定1732、システム設定1734、植物データ1736、モデルデータ1738(植栽柱および/または筐体の機械学習モデルおよび物理モデルなど)、および環境データ1740(例えば、筐体の内部および外部の両方など)などのデータを格納し得る。
【0128】
植物検出命令1714は、センサデータ1730を利用して、一つまたは複数の種子カートリッジに関連付けられる挿入イベントを検出するとともに、カスタマイズされた照明を提供する前にシステム1700が走査している際に植物を検出するように構成され得る。場合によっては、植物検出命令1714は、センサデータを分割して分類する可能性がある、一つまたは複数の機械学習モデルを介して、植物の種類および/または大きさを決定するように構成されてもよい。
【0129】
照明命令1716は、本明細書において説明されるように、筐体内の植栽容器および/または植物を選択し、カスタマイズされた設定において照明を提供するように構成され得る。例えば、照明命令は、一つまたは複数の照明器1702に、特定の関心領域、植物、および/または植栽容器に向けられた照射領域を提供させる場合がある。
【0130】
散水命令1718は、植栽柱内の植物に提供される水の量および/または湿度を制御するように構成され得る。場合によっては、散水命令1718は、システム1700の全体に提供されてもよいが、一方、他の場合には、散水命令1718は、照明に関して説明されることと同様の方法において、個別植物の各々および/または植栽容器にカスタマイズされた水を提供してもよい。
【0131】
通知命令1720は、システム1700の所有者またはユーザーに通知および/または警告を提供するように構成され得る。例えば、 通知命令1720は、通信インターフェース
1706を介して、システム1700に関連付けられるユーザーデバイスに通知を送信させ得る。場合によっては、通知には、収穫警告(harvest alerts)、健康状態の警告(health alerts)、および設定変更の警告(setting change alerts)などが含まれることがある。
【0132】
植物監視命令1722は、植物が筐体内で成熟するにつれて、植物の健康状態、大きさ、および/または生命段階を監視するように構成され得る。例えば、植物監視命令1722は、センサデータ1730、モデルデータ1738、および/または環境データ1740を利用して、筐体内の植物における一つまたは複数の状態(statuses)または履歴状態(historical status)に関連付けられる植物データ1736を生成し得る。
【0133】
収穫命令1724は、筐体内の植物のための収穫時期(harvest time)または収穫枠(harvest windows)を決定するように構成され得る。例えば、収穫命令1724は、植物データ、センサデータ、および/または、一つまたは複数の閾値(合計サイズ閾値、葉サイズ閾値、および期間閾値など)から、特定の植物が収集可能であると判定し、通知命令1720にユーザーに対する警告を送信させる場合がある。
【0134】
設定決定命令1726は、筐体に関連付けられる一つまたは複数の設定を決定するように構成され得る。例えば、設定決定命令1726は、上述されるように、個別植物に提供する強度、時間の長さ、および波長などの、照明設定を決定する場合がある。
【0135】
主題は構造的特徴に特有の言葉において説明されているが、添付の請求項において定義される主題は必ずしも説明された特定の特徴に限定されないことは、理解されるべきものである。どちらかと言うと、特定の特徴は、請求項を実施する図示された形態として開示されている。
【国際調査報告】